説明

受信制限のためのデジタル放送送信システム及びその方法、並びにデジタル放送受信端末及びその方法

【課題】単一又は多重周波数網を有する放送網内で有料加入者及び無料加入者に対して主放送網受信可能範囲内では有料加入者及び無料加入者ともサービス受信が可能であり、中継網受信可能範囲内では有料加入者のみサービス受信を可能にする。
【解決手段】本発明は受信制限のための送信システム及びその方法、並びに受信端末及びその方法に関する。この送信システムはデジタル放送サービス時に放送を送信する送信網識別符号(NIC)を含み、暗号化された放送信号を送出する。中継システムは送信システムから送信される放送信号を中継して加入者端末に再送信する。この時、中継システムの送信網識別符号は主放送網の送信網識別符号と異なる。受信端末は中継網の領域で送信網識別符号と復号化キーを使用して暗号化された放送信号を復号化する。本発明によれば、有料加入者のみが中継網内で放送信号を受信したりTPEGメッセージを受信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信制限システム(Conditional Access System:CAS)に関し、より具体的には、放送事業者が複数ある場合に放送事業者別に受信者に制限受信を与えるデジタル放送送信システム及びその方法、並びにデジタル放送受信端末及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送は多チャンネル化、高品質化及び多機能化に特徴がある。特に、多重化技術の発展で映像、音声、データをその内容、きさに、及びその送信方法に関係なく同時に束にすることができ、モデムによるリターンチャンネルが形成されて対話型サービスが可能である。そのために、デジタル放送は従来アナログ放送の問題を克服して付加価値の高いマルチメディアサービスを視聴者に提供することができる。
【0003】
特に、デジタル放送標準のうちの1種である地上波デジタルビデオ放送(Digital Video Broadcasting-Terrestrial:DVB-T)及びDVB-Tに基づいたデジタル移動放送(Digital Video Broadcasting-Handheld:DVB-H)はビデオイメージ及びサウンドを示すデータを放送無線通信信号を通じて受信機に送信するヨーロッパのデジタルテレビ放送である。
【0004】
このようなデジタル放送で送信側と受信側の間に相互安全性が確立されない場合、放送の商業的構造が崩れる。そして、放送事業者は多チャンネル及び専門チャンネルの活性化で従来広告収入に依存したサービスを脱皮して加入者に良質の放送サービスを提供し、Pay-TV、Pay-Per-View(PPV)の有料放送サービスを提供し、また多様なマルチメディアデータが保護されて認証された加入者のみに提供されることを希望するが、このような問題を解決するために開発されたものが制限受信システム(Conditional Access System:CAS)である。
【0005】
このようなCASは放送に加入者概念を導入して正当な視聴権限を有する加入者のみが特定プログラムを受信できるようにするシステムで、受信者にある特定の放送プログラムに対する受信可能可否をそれぞれのデジタル放送受信機が決めるようにする一連の過程を意味する。
【0006】
一般的なデジタル放送で、単一または多重周波数網内に主放送網を形成する送信局があり、主放送網内でサービスが受信されない陰影地域が発生するが、この陰影地域をサービスするために中継局を置く。例えば、DVB-Tで大部分の地域は直接受信が可能であるが、直接受信が不可能な地下鉄、トンネル、建物内陰影地域では中継局を置いて受信領域を確保する。
【0007】
主放送局は通常キー局(key station)と言い、放送網組織で中心になって放送順を編成、製作及び送信する放送局のことを言う。
【0008】
また、中継局は小電力の補助的な放送局を言い、サテライト局とも言う。通常、放送局はサービス領域、つまり、指定放送区域を有しているが、その周辺地区では地形の影響で到来電波が弱く、陰影地域が生じるので、このような地域に対してサテライト局が設けられる。それは、主放送局の電波を受信できる山頂上のようなところに設置し、高感度受像機でこれを受信して電気的に増幅した後、他の周波数の電波で放送する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、主放送網事業者が中継機事業者が互いに異なる場合、中継機事業者は、陰影地域に放送網を設置及び維持をする費用を必要とし、中継網使用に対する有料化を必要とする。つまり、中継網活性化のために中継機事業に対する有料化が要求されるが、現在までこのような有料化に対する適切な対応策がない。
【0010】
上記背景技術に開示された情報は、本発明の背景の理解を促進するためだけのものであり、本国において当該技術分野の当業者に既知である従来技術を形成していない情報を含む。
【0011】
本発明は、単一又は多重周波数網を有する放送網内で有料加入者及び無料加入者に対して主放送網受信可能範囲内では有料加入者及び無料加入者ともサービス受信が可能であり、中継網受信可能範囲内では有料加入者のみサービス受信を可能にするデジタル放送送信システム及びその方法、並びにデジタル放送受信端末及びその方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一の態様によれば、デジタル放送送信シテムは、主放送網を通じたデータパケット及び送信網識別符号(NIC)を放送信号を付加し、特定暗号キーを使用して暗号化した後送信する主放送システムと、前記主放送システムから送出される暗号化された放送信号を中継網を介して中継する中継システムと、前記主放送システム又は前記中継システムから復号化キー受信して有料加入者局に送信する移動通信システムとを含み、前記有料加入者局は、前記暗号化された放送信号から抽出された送信網識別符号と前記復号化キーを使用して前記暗号化された放送信号を復号する。デジタル放送はDVB-T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)方式に基づいでおり、送信網識別符号(NIC)はDVB-T方式によって送信データのパラメータを送信するのに使用される送信パラメータ信号(TPS:Transmission Parameter Signalling)キャリア内に含まれる。
【0013】
本発明の他の態様によれば、デジタル放送送信方法は、a)放送型コンテンツに関する付加情報を多重化して放送信号を生成する段階と、b)前記生成された放送信号を特定暗号キーを使用して暗号化し、暗号化された放送信号を生成する段階と、c)主放送網と中継網を含み、前記暗号化された放送信号を送出した送信網を識別するための送信網識別符号(NIC)を前記暗号化された放送信号に挿入する段階と、d)前記暗号化された放送信号を送出する段階とを含み、前記特定暗号キーは、前記送信網識別符号によって暗号化されて復号化キーとして送信され、前記復号化キーは前記送信網識別符号と共に前記d)段階で送信される暗号化された放送信号を復号するのに使用される。
【0014】
本発明の他の態様によれば、DVB-T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)デジタル放送受信端末は、アンテナを介して受信される信号を前記DVB-T方式によって復調して暗号化された放送信号と伝送データのパラメータを送信するのに使用されると共に送信網識別符号(NIC)を含む送信パラメータ信号(TPS)キャリアを出力するDVB-T復調器と、前記DVB-T復調器から出力されるTPSキャリアから送信網識別符号(NIC)を抽出する送信網識別符号抽出器と、前記DVB-T復調器から出力される暗号化された放送信号を前記送信網識別符号抽出器から抽出された送信網識別符号(NIC)を利用して復号化アルゴリズムによって復号するデコーダと、前記デコーダで復号されたデータを処理して使用者に出力するマルチメディア処理部とを含む。
【0015】
本発明の他の態様によれば、デジタル放送受信方法は、a)データパケット、放送信号を送出した送信網を識別する送信網識別符号(NIC)を含む放送信号を受信する段階と、b)前記放送信号を復調して前記送信網識別符号(NIC)を抽出する段階と、c)前記抽出された送信網識別符号を分析して前記受信された放送信号を送信した送信網が中継網であるか否かを判断する段階と、d)前記放送信号を送出した送信網が中継網であると判断されたとき、前記送信網識別符号と特定復号化キーを使用して前記放送信号を復号して出力する段階とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を添付図を参照して説明する。
【0017】
図面を参照して、本発明の実施の形態に係る受信制限のための送信システム及びその方法、並びに受信端末及びその方法について詳細に説明する。
【0018】
まず、本発明の実施の形態では、加入者に伝送されるデータパケットをスクランブリング(暗号化)し、DVB-Tシステムで送信データのパラメータを送信するのに使用される送信パラメータ信号(TPS)キャリアの一部データ、つまり、送信網識別符号(NIC:Network Identification Code)を送信されるデータパケットのキー値として活用することによって、送信機別に制限受信を可能にするデジタル放送制限受信システム(CAS)に属する。
【0019】
言い換えると、本発明の実施の形態では、デジタル放送システム、特にDVB-TやDVB-Hにおいて単一又は多重周波数網で送信事業者が異なる場合、送信機事業者別に受信者が送信機毎に制限受信できるデジタル放送システムが開示されている。
【0020】
具体的には、単一又は多重周波数網を有する放送網内で、有料加入者及び無料加入者に対して主放送網受信可能範囲内ではサービス受信を可能にし、中継網受信可能範囲内では有料加入者のみサービス受信を可能になる。また、主放送網受信可能範囲と中継網受信可能範囲が重なる領域では有料加入者及び無料加入者が同時に受信することができる。この場合、基本前提は主放送網の無料加入者に対するサービスに対しては中継網の追加によって影響を受けてはならず、主放送網受信可能範囲に減少があってはならず、主放送網と中継網の間のハンドオフ時にはサービスの連続性が確保されなければならない。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係るデジタル放送送信システムの構成を示すブロック図である。
【0022】
図1を参照すると、本発明の実施の形態による単一又は多重周波数網でのデジタル放送送信システムは、送信網識別符号(NIC)を含むTPSキャリアを送信する主放送システム110と、使用者を認証し、移動通信網を介して制限受信を行うためのキー値を送信する移動通信システム130と、主放送局のストリーム(stream)を中継する中継システム120と、これを処理する加入者端末140とで構成される。以下、主放送システム110は主放送局と同一な意味で使用され、中継システム120は中継局と同一な意味で使用される。
【0023】
まず、単一又は多重周波数網でのデジタル放送送信システムは、主放送局で暗号化器115及び暗号化キー発生器116を追加することによって送信機識別情報及び制限受信を利用してマルチメディアコンテンツに対する暗号化を適用し、暗号化された放送信号が主放送網を介して伝送されたことを加入者端末が識別できるようにTPSキャリアを適用する。
【0024】
また、本発明の実施の形態において、単一周波数網の場合には、主放送網と中継網のデータは同じパケットで構成し、信号同期を保証することによって主放送網と中継網間の干渉なく放送網を構成する。多重周波数網である場合には、主送信機が他の周波数を割り当て、同じストリームを構成する。
【0025】
ここで、TPSキャリアは送信データのパラメータを伝送するのに使用されるが、本発明の実施の形態では送信機識別及び復号化キーとして使用される送信網識別符号(NIC)を含み、この送信網識別符号は、実質的に、上記TPSキャリア内にあるセルID(Cell_id)又は冗長ビットに当り、これらは主放送網を介して放送信号が送信されたか否か、主放送網のどの送信機で送信されたか又は中継網を介して送信されたかを加入者端末が識別できるようにする。TPSキャリア68は、例えば、伝送モードが8Kモードである場合、S0〜S67まで全68ビットから成る。このTPSキャリアでセルIDはS40〜S47まで8ビットであり、冗長ビットはS54〜S67まで14ビットである。これらデータはDBPSK変調処理され、それぞれ1ビット当り1個のキャリアにマッピングされる。キャリアは、OFDMシステムで互いに周波数軸上で分離可能であるので、互いに異なる送信機又は中継機は周波数軸上で互いに異なる位置にある値の組み合わせで表現されることができる。しかしながら、重畳地域でこのような複数のキャリアが合わされる場合に、元の送信機及び中継機の正確なキャリアの組み合わせを捜し出すことが難しいので、送信機及び中継機でこのようなキャリアの組み合わせを作り出す時には事前に約束された規則によって組み合わせを作って受信機で各キャリア組み合わせを正確に捜し出せるようにする。つまり、組み合わせが重複しないように配列することによって、単一又は多重周波数網で2個以上の信号が受信されたときに送信機のIDを区別することができる。一例として、セルIDを使用する場合、全体8ビットを各キャリアにマッピングするとき、最初の4ビットは主送信網で使用できる領域とし、次の4ビットは中継網で使用する領域であると定義すれば主送信網と中継網を区別することができる。同様に、冗長ビットを利用する場合は、全14ビットがキャリアにマッピングされ、その結果、最初の7ビットを主送信網に利用し、次の7ビットを中継網に利用することにより、重畳地域でも各網を識別することができる。各ビットがマッピングされるキャリアは周波数が異なる領域にあるからである。さらに細分化する必要がある場合には、1ビットずつ使用する方法で送信機及び中継機を識別することができる。
【0026】
図3は、TPSキャリアで冗長ビットを送信網識別符号(NIC)として使用する場合の本発明の実施の形態に係る例が示されている。図3の例では2つの網が区分される場合を示している。つまり、冗長ビットの最初の7ビット“1011001”は主送信網の識別符号を示し、次の7ビット“0111001”は副送信網の識別符号を示す。
【0027】
このような方法を利用して様々な網が存在する時にも同様に複数の周波数ブロックに区分すると各網の区別が可能になる。
【0028】
一方、主放送局110は主放送局110の送信網識別符号(NIC)を規定し、対応する暗号化キーを保護するように送信網識別符号(NIC)を適用し、また、主放送局110の送信網識別符号(NIC)を周期的に変更し、これに伴う暗号化を行う時に修正された送信網識別符号(NIC)を適用する。
【0029】
また、主放送局110は、暗号化アルゴリズムの暗号化キー及びキー生成アルゴリズムを適用して送信されるデータを生成し、当該暗号化キーによって送信データを暗号化し、加入者局140は受信される送信網識別符号(NIC)を捜して復号化する。
【0030】
また、中継局120は、単一又は多重周波数網(SNF)に相当する周波数網信号を増幅して送信したり、主放送局110で専用線を介して入力されるパケットを変調且つ増幅して送信する。また、中継局120は、主放送局110から入力されるパケットを中継する時に中継局送信網識別符号(NIC)値を主放送局送信網識別符号(NIC)値と異ならせて再割当して送出する。
【0031】
また、移動通信システム130は、復号化キー値を移動通信網を介して有料加入者の端末140に送信する。
【0032】
また、加入者端末140は、主放送網又は中継網を介して受信される放送信号に含まれる主放送網の暗号化された信号、送信網識別符号(NIC)、及び暗号化キーを既に設定された復号化方式によって復号する。また、加入者局140は、移動通信モジュールを含み、移動通信網を介して各加入者端末毎に固有の暗号化されたキーと復号化できる復号化キーを送信し、復号化キーを受信した特定の加入者局のみ自分が受信しているデータを復号する。
【0033】
より具体的に、図1を再び参照すると主放送局110はメディアエンコーダ111、複数のマルチメディアサーバー(112a、112n)、プログラム多重化器113、送信多重化器114、暗号化器115、暗号化キー発生器116、NIC発生器117、TPS生成器118、及びDVB-T変調器119を含む。
【0034】
プログラム多重化器113はコンテンツ提供者のメディアエンコーダ111又は複数のデータサーバー(112a、112n)からそれぞれ提供されるビデオ、オーディオ、及びデータを多重化して出力する。オーディオサービスはCD級音質のオーディオサービスを提供するために独立的なチャンネルを介して送信される。データサービスはオーディオサービスの歌詞のようなテキストデータの送信に利用できる。ビデオサービスは、自主的に動画、オーディオ及び多重化/同期化情報を含まなければならないので、ビデオ多重化器を介して1つのパケットに多重化された後に送信される。ここで、オーディオ、データ、及びビデオサービスはプログラム多重化器113でサービスチャンネルに多重化された後、伝送多重化器114でビデオ、オーディオ、及び他のデータを送信するのに必要な他の情報を有する多重化された伝送パケットを形成して出力する。この時、受信制限機能はプログラム多重化器113及び伝送多重化器114では行われず、暗号化器115を介して暗号化され、送信網識別符号(NIC)を介して復号化できる。
【0035】
暗号化器115は伝送多重化器114から送信される放送信号を特定暗号化キーを使用して暗号化し、暗号化キー発生器116は暗号化器115で使用される特定暗号化キーを主放送局110の送信網識別符号(NIC)を使用して生成する。つまり、主放送局110はマルチメディアプログラム又はコンテンツを暗号化し、放送信号を復号化する暗号化キーを既に設定された暗号化方式によって送信するが、詳細には、NIC発生器117によって放送信号を送出した網が主放送網であるか中継網であるかを識別するように発生される送信網識別符号(NIC)を使用して暗号化キーを生成する。つまり、主放送局110及び中継局120は、加入者局140がそれぞれ送出された放送信号が主放送網信号であるか中継網信号であるかを識別できるように送信網識別符号(NIC)を送信する。暗号化キー発生器116で発生した暗号化キーは復号化キー値で移動通信システム130に伝達される。
【0036】
TPS生成器118はTPSキャリアのセルID又は冗長ビットのいずれか1つにNIC発生器117で発生した送信網識別符号(NIC)を挿入する。
【0037】
DVB-T変調器119は、DVB-T方式によって暗号化された放送信号、暗号化キー、及び主放送局送信網識別符号(NIC)を変調した放送信号を主放送網を介して加入者に送出する。
【0038】
このようなDVB-T変調器119については図2を参照して説明する。
【0039】
図2は、図1に示されたDVB-T変調器の詳細ブロック図である。
【0040】
図2に示すように、DVB-T変調器119は、多重化適応及びエネルギー分配器119-1、外部コーダー、及びインターリーバ119-2、内部コーダー及びインターリーバ119-3、マッパー119-4、フレーム適応器119-5、パイロット及びTPS挿入器119-6、OFDM変調器119-7、ガードインターバル挿入器119-8、D/A変換器119-9及びフロントエンド119-10を含む。
【0041】
多重化適応及びエネルギー分配器119-1は暗号化器から出力される暗号化されたパケットデータのランダム化によりエネルギーを分配し、信号の集中化を防止して平均信号電力を0にする。
【0042】
外部コーダー及びインターリーバ119-2はバーストエラーに対する対策として多重化適応及びエネルギー分配器119-1によってランダム化されたデータを外部コーディングした後、時間軸上でインターリービングを行う。
【0043】
内部コーダー及びインターリーバ119-3はビット単位のエラー復旧のための内部コーディングを行った後、周波数軸上でインターリービングを行う。
【0044】
マッパー119-4は、QPSK又はQAMのような変調方式によって内部コーダー及びインターリーバ119-3から出力されるデータをマッピングし、フレーム適応部119-5はマッパー119-4でマッピングされたデータをフレーム構造に変更する。
【0045】
パイロット及びTPS挿入器119-6はパケットの伝送に関する情報を示すパイロットとTPS生成器118で生成されたTPSをキャリアをフレーム適応部119-5に提供して生成されるフレーム構造のデータに結合させる。
【0046】
OFDM変調器119-7はフレーム適応部119-5から出力されるデータをフレーム単位でOFDM変調し、ガードインターバル挿入器119-8はOFDM変調器119-7から出力されるデータにガードインターバルを挿入する。
【0047】
D/A変換器119-9はガードインターバル挿入器119-8から出力されるデータを基底帯域のアナログ信号に変換し、フロントエンド119-10はD/A変換器119-9から出力されるアナログ信号を主放送網に伝達して加入者に送信する。
【0048】
また、中継局120は同一チャンネル中継器(On Channel Repeater)121及び中継局送信網識別符号(NIC)挿入器122を含み、この時、中継局120は、単一又は多重周波数網に相当する主放送網の信号を増幅して送信したり、主放送局110で専用線を介して入力されるパケットを変調及び増幅して中継する。中継する時には中継局120の送信網識別符号(NIC)値を主放送局110の値と異ならせて再割当して中継網受信可能範囲内では無料加入者が信号を受信できないようにする。
【0049】
また、移動通信システム130は使用者認証サーバー131を含み、暗号化された放送信号を復号化することができる復号化キーを有料加入者の端末に送信する。また、移動通信システム130は加入者局140がキーの暗号化を復号して当該暗号化キーを取得するように周期的に移動通信網又はインターネットを介してキーを加入者局140に送信する。
【0050】
また、有料加入者は移動通信システム130を介して復号化キーを受信して制限受信された放送信号を復号化することによって中継網から有料サービスを受ける。
【0051】
図4は、本発明の実施の形態に係る単一又は多重周波数網でのデジタル放送送信及び受信サービスの概念を説明するための図面である。
【0052】
図4を参照すると、本発明の実施の形態による単一又は多重周波数網でのデジタル送信及び受信サービス領域は主放送網210、中継網220、主放送網受信可能範囲と中継網受信可能範囲が重なる領域230で構成される。
【0053】
主放送網210内には主放送網送信機211が備えられ、有料加入者212(A1)及び無料加入者213(B1)が主放送網送信機211から送出される主放送網の識別符号(NIC)をキー値として受信する。
【0054】
中継網220内には中継局221が備えられ、有料加入者222(A3)及び無料加入者(223:B3)が中継局221から送信される中継網識別符号(NIC)をキー値として受信する。ここで、中継網220内の有料加入者222には移動通信網を介して使用者認証サーバー131から復号化キー値が伝達されることによって、中継網220内の有料加入者222は放送を受信することができるが、無料加入者223は復号化キーがないため受信不可能である。
【0055】
また、主放送網210の受信可能範囲と中継網220の受信可能範囲が重なる領域230では有料加入者231(A2)及び無料加入者232(B2)が主放送網送信局211から送信される主放送網識別符号(NIC)又は中継局221から送信される中継網識別符号(NIC)を受信する。
【0056】
言い換えると、本発明の実施の形態では、暗号化及び復号化による放送網の制限受信が可能な構造で、有料加入者(A1、A2、A3)は主放送網識別符号(NIC)、中継網識別符号(NIC)、移動通信復号化キーを全て受信することができるが、無料加入者(B1、B2、B3)は主放送網識別符号(NIC)及び中継網識別符号(NIC)のみ受信でき、結局、受信されるキーの組み合わせは主放送網送信局211で送信される主放送網識別符号(NIC)又は移動通信網で受信される復号化キーのみが復号化できるキー組み合わせに決定される。
【0057】
図5は、本発明の実施の形態に係る単一又は多重周波数網でのデジタル放送受信端末の構成図であり、例えば、移動端末であり得る加入者局300はDVB-T復調器310、NIS抽出器320、NISデコーダー330、マルチメディア処理モジュール340及び出力部350を含むことができ、暗号化された放送信号を復号化することができる復号化アルゴリズムをプログラム形式で内蔵する。つまり、加入者局300は受信された送信網識別符号(NIC)値を識別し、暗号化キーを取得すべく復号化し、暗号化キーを使用して受信されたデータを復号化することができる機能をプログラム形態で内蔵する。
【0058】
具体的には、加入者端末300のDVB-T復調器310は、アンテナを介して暗号化された放送信号が受信すると、該当チャンネルを選択して受信された放送信号をDVT-T方式によって復調して暗号化された放送信号とTPSキャリアを出力する。
【0059】
NIC抽出器320は、DVB-T復調器310から出力されるTPSキャリアに含まれる送信網識別符号(NIC)を抽出する。
【0060】
NISデコーダー330はDVB-T復調器310から出力される信号が暗号化された放送信号である場合、NIC抽出器320で抽出された送信網識別符号(NIC)と復号化キーを利用してMPEG2TSパケットデータを復号化する。この時、復号化キーは移動通信システム130から受信して使用する。このため、加入者端末300には移動通信サービスを受けられる移動通信モジュールが搭載され、このことは、当業者には知られたことであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0061】
また、マルチメディア処理モジュール340は、NISデコーダー330の出力を受信し、これを出力部370が表示することができる形態に処理する。
【0062】
また、加入者局300はUSBポット(図示せず)を追加的に含むことができ、USBポットは加入者局300がインターネットに接続して移動通信網を介して復号化キーを受信するのに使用することができる。
【0063】
DVB-T復調器310については図6を参照して説明する。
【0064】
図6は図5に示すDVB-T復調器の詳細ブロック図である。
【0065】
図6に示すように、DVB-T復調器310は、チューナー310-1、A/D変換器310-2、ガードインターバル除去器310-3、OFDM復調器310-4、等化器310-5、デマッパー310-6、内部デインターリバー及びデコーダー310-7、外部デインターリバー及びデコーダー310-8、デランダマイザー310-9、及びTPS抽出器310-10を含む。
【0066】
DVB-T復調器310は、図2を参照して説明したDVB-T変調器119の動作の逆過程からなる。
【0067】
チューナー310-1はアンテナを介して受信される放送信号をチューニングして出力し、A/D変換器310-2はチューナー310-1から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0068】
ガードインターバル除去器310-3はA/D変換器310-2から出力されるデジタル信号からガードインターバルを除去し、OFDM復調器310-4はガードインターバルが除去されたデジタル信号をフレーム単位で復調して出力する。
【0069】
等化器310-5はOFDM復調されたデータを等化させてチャンネルによって歪曲されたキャリアの補償を行い、デマッパー310-6は等化器310-5から出力されるデータに対して伝送されたデータのマッピング法に応じて逆にデマッピングを行う。
【0070】
内部デインターリバー及びデコーダー310-7はデマッパー310-6から出力されるデータに対してシンボル単位とビット単位で内部デインターリービングを行った後、内部デコーディングを行う。
【0071】
外部デインターリバー及びデコーダー310-8は内部復号されたデータに対して外部デインターリービング及び外部復号を行い、デランダマイザー310-9は外部復号されたデータに対してデランダマイジングを行って送信端のDVB-T変調機119に入力される信号状態で復号した後、NISデコーダー330に出力する。
【0072】
TPS抽出器310-10はOFDM復調器310-4から出力される信号でTPSキャリアを抽出してNIC抽出器320に伝達する。
【0073】
図7は、本発明の実施の形態に係る加入者形態別及び受信位置別の制限受信サービス可能可否を示す図である。
【0074】
図7は、前述した図4に示された加入者受信機の位置及び加入形態に応じて受信される組み合わせのテーブルを示し、有料加入者の場合には、主放送網210及び中継網220で全て受信が可能であるが、無料加入者の場合には主放送網210のみで受信が可能であるので、そのために送信局別に制限受信を可能にする。
【0075】
図8は、本発明の実施の形態に係る単一又は多重周波数網でのデジタル放送受信端末による暗号化送受信のためのブロック図を示す。
【0076】
図8を参照すると、送信部分のデータパケット510はスクランブラー530によるスクランブリング過程を介して暗号化されるが、この時、主放送局の送信網識別符号(NIC)値又は移動通信復号化キー520が暗号化に使用される。ここで、スクランブリングプロセスは、送信されるマルチメディアデータを一定の規則でスクランブリングして、そのプログラムを受信権限のない受信者が視聴できないように信号を変形することである。
【0077】
また、受信部分による暗号が解読できるキーは主放送局の送信網識別符号(NIC)値又は移動通信復号化キー540によってデスクランブラー550が暗号を解読して元のデータパケット560で復号化する。
【0078】
この時、無料加入者は、主放送局の送信網識別符号(NIC)値のみを受信できるが、有料加入者は、主放送局の送信網識別符号(NIC)値と移動通信復号化キーを受信できる。
【0079】
したがって、無料加入者は、主放送局網から送信網識別符号(NIC)値のみを受信できるが、中継網が中継局送信網識別符号(NIC)値を主放送局送信網識別符号(NIC)値と異なるように送信するために中継網からの受信が不可能であり、有料加入者は、主放送網でも受信が可能で、中継網では移動通信網で受信した復号化キーを使用して受信が可能になる。
【0080】
このような送信部分での問題点は、無料加入者が主放送網を介して受信した送信網識別符号(NIC)値を貯蔵して中継網に移動する場合に、無料加入者は中継網での受信が可能になるということである。このような問題を解決するために、主放送局内の暗号化サーバーが主放送局送信網識別符号(NIC)値を周期的に変更し、データパケットのスクランブリングの問題は、修正された送信網識別符号(NIC)値を適用することによって解決することができる。
【0081】
以下、図9を参照して、本発明の実施の形態に係る単一又は多重周波数網での無料加入者のデジタル放送受信方法について説明する。
【0082】
まず、無料加入者がデータパケット及び送信網識別符号(NIC)を受信し(S610)、受信された送信網識別符号(NIC)値を検索してその値をキー値として受信されたデータパケットをデスクランブリングする(S620)。
【0083】
次に、データパケットが無料加入者の端末でデスクランブリングが可能であるか否かを確認し(S630)、データパケットをデスクランブリングすることができればデータパケットを復号化することができるか否かを確認する(S640)。データパケットを復号化することができる場合、データパケットを復号化して放送を受信する(S650)。
【0084】
しかし、前述のように、無料加入者が主放送網内で受けた送信網識別符号(NIC)値を貯蔵して中継網に移動する場合、無料加入者の中継網での受信が可能になる。このような問題を解決するために、主放送局内の暗号化サーバーが主放送局送信網識別符号(NIC)値を周期的に変更し、これによるデータパケットのスクランブリングも前記変更された送信網識別符号(NIC)値を適用することによって解決できる。
【0085】
具体的に、データパケットを復号化して放送を受信している場合、受信端末のカウンターを増加させ(S660)、カウンター値が設定された周期値と同一であるか否かを確認して(S670)、カウンター値が周期値と同一でない場合には、カウンター値が周期値と同一になるまで前述したS640段階からS660段階を繰り返す。カウンター値が周期値と同一である場合には、カウンターをリセットさせる(S680)。ここで、周期値は主放送局内の暗号化サーバーが主放送局送信網識別符号(NIC)値を変更した周期値で、無料加入者の受信端末でカウンター値が周期値と同一になるとカウンターをリセットさせることによって、無料加入者が主放送網内で受けた送信網識別符号(NIC)値を貯蔵して中継網に移動する場合にも無料加入者が中継網での受信を防止することができる。
【0086】
無料加入者の受信端末は前記S630段階でデスクランブリングが可能でないか、上記S640段階でデータパケットを復号化することができなくて正常に放送を受信できないこともある。
【0087】
言い換えると、無料加入者の受信端末は主放送網内では正常に放送が受信されるが、中継網では受信されない。つまり、無料加入者の受信端末は送信網識別符号(NIC)値を周期的に検索して受信端末が主放送網から中継網に移動してハンドオフが発生した場合、送信網識別符号(NIC)値は前記中継網で受信される送信網識別符号(NIC)値を適用するが、この時、データパケットがデスクランブリングされないために中継網では正常的な放送を受信できなくなる。
【0088】
結局、本発明の実施の形態による単一又は多重周波数網で無料加入者のデジタル放送受信方法は、中継網内ではデスクランブリングされたパケットに対して解釈が可能でないか、又は復号化が可能でなくなり、このような復号化のためのキーがないため正常に放送を受信できなくなる。
【0089】
以下、図10を参照して、本発明の実施の形態に係る単一又は多重周波数網で有料加入者のデジタル放送受信方法について説明する。
【0090】
まず、有料加入者が主放送網又は中継網内でデータパケットと共に送信網識別符号(NIC)を受信し(S710)、受信される送信網識別符号(NIC)値を検索してその値をキー値として受信されたパケットをデスクランブリングする(S720)。
【0091】
次に、データパケットが有料加入者の端末でデスクランブリングが可能か否かを確認し(S730)、データパケットをデスクランブリングできればデータパケットを復号化することができるか否かを確認し(S740)、データパケットを復号化することができれば、スクランブリングを行って正常に放送を受信する(S760)。
【0092】
上記S730段階でデータパケットをデスクランブリングできない場合、又はS740段階でデスクランブリングされたデータパケットを復号化できない場合には、移動通信網から復号化キーを受信する(S750)。つまり、有料加入者の端末に受信される送信網識別符号(NIC)値で受信パケットがデスクランブリング又は復号化受信されなければ、例えば、有料加入者の受信端末が主放送網から中継網に移動してハンドオフが発生した場合、有料加入者は移動通信網を通じて復号化キーを受信し、この値でスクランブリングを行うことによって中継網内でも受信が可能になる。
【0093】
この時、有料加入者の受信端末は送信網識別符号(NIC)値を周期的に検索して受信端末が主放送網から中継網に移動してハンドオフが発生して正常的な放送が受信できなくなっても、復号化のためのキーの提供を移動通信網から受けて中継網でも正常に放送が受信される。
【0094】
結局、本発明の実施の形態に係る単一又は多重周波数網で有料加入者のデジタル放送受信方法は中継網内でデータパケットに対してデスクランブリングが可能でないか、又は復号化が可能でない場合、このような復号化のためのキーの提供を移動通信網から受けて正常に放送を受信することができる。
【0095】
言い換えると、無料加入者の端末が中継網内にある場合、正常に放送を受信できないために有料加入に転換して移動通信網から復号化キーの提供を受けて正常に放送を受信することができ、このような有料転換によって中継事業者の中継機事業を活性化することができる。
【0096】
上記では、DVB-T方式のデジタル放送と関連して送信網を識別して受信を制限する内容についてのみ説明したが、DVB-Tに基づくDVB-H方式のデジタル放送でもTPSキャリア内に送信網が識別できる識別符号(NIC)を含めて送出できるので制限受信が可能である。このことは、上記内容を参照すれば本技術分野の当業者には簡単に分かる。
【0097】
また、DVB-T又はDVB-H方式のデジタル放送の他に一般的なデジタル放送システムでも上記のように送信網が識別できる識別符号(NIC)を直接又は他の信号に含めて放送信号と共に送出することで有料加入者にのみ受信が制限されるようにできることは、上記内容を参照すれば、本技術分野の当業者であれば簡単に理解できる。
【0098】
また、移動型デジタル放送を利用して送信されるコンテンツの特性と上記のように送信網が識別できる識別符号(NIC)を結合した後、暗号化して送信し、有料加入者端末のみで受信を制限させることもできる。
【0099】
このようなコンテンツを提供するサービスには、高速道路と国道、市内の交通情報、事故情報などの多様な交通情報、天気、証券情報などを圧縮して放送形態で提供する転送プロトコル国際標準規格(TPEG:Transport Protocol Experts Group)サービスがある。
【0100】
図11は、TPEGサービスの構成図である。
【0101】
事故発生を目撃した使用者、交通制御センター(TCC:Traffic Control Center)、バス運行企業、列車運行企業、船舶運航企業、航空運航企業、交通情報センター(TIC:Traffic Information Center)等はTPEGサービスのためにコンテンツを生成し、TPEGサービス提供者に伝達する。
【0102】
TPEGサービス提供者は、受信されたコンテンツを利用してTPEGメッセージを編集及び生成する。ここで、TPEGサービス提供者は交通情報提供のために交通情報センターとRDS-TMC(Radio Data System-Traffic Message Center)データベースを共有することができる。
【0103】
TPEGサービス提供者は、TPEGメッセージを生成する時、コンテンツ提供部から受信された交通量情報(RTM:Road Traffic Message)と大衆交通情報(PTI:Public Transport Information)を追加的に生成して含めることができる。
【0104】
このようにTPEGサービス提供者を介してTPEGメッセージが生成されると、無線を通じて車両や移動端末器に伝送して使用者にTPEGサービスを提供する。また、インターネット網を通じて個人用コンピュータにTPEGメッセージを伝送し、使用者が個人用コンピュータと移動端末器を直接連結して受信されたTPEGメッセージを移動端末器に貯蔵したり、移動端末居置台を通じて移動端末器にTPEGメッセージを伝達することでTPEGサービスを提供する。
【0105】
このようなTPEGサービスを提供することに関し、TPEGサービス提供者は良質のサービス提供のために特定サービスを特定加入者にのみ選別提供する必要がある。例えば、中継局のサービス領域内では有料加入者にのみTPEGサービスを提供したり、これと同時に有料加入者のみ暗号化されたTPEGメッセージを制限受信できるようにする。
【0106】
上記TPEGメッセージは、主放送システム110や中継システム120で移動端末器140に伝送される場合、TPEG-SNI(Serviceand Network Information application)を通じて送信され、このようなTPEG-SNIはTPEGサービスシステムで情報利用が可能なサービス及びネットワークに対する情報を含む規格で、TPEGコンテンツの動作時間、TPEGコンテンツに対する説明、許容又はアクセス状態に関するコンテンツ情報などを含み、全てのTPEGサービスを提供する時に共に提供されなければならない。
【0107】
TPEGメッセージを伝送するTPEG-SNIには1バイトで構成される暗号化指示子を示す領域が含まれ、このような暗号化指示子領域が「0」の値で表示されると、伝送されるTPEGメッセージが暗号化されていないことを意味し、「0」以外の他の値で表示されると、伝送されるTPEGメッセージが暗号化されたことを意味する。
【0108】
したがって、TPEGメッセージに特有な暗号化指示子を送信網識別符号(NIC)と共に使用すると、中継局領域内での受信制限とTPEGメッセージ別に制限受信を同時に提供することができる。
【0109】
上記実施の形態で説明された図面を適用してより具体的に説明すると、TPEGコンテンツを提供するサーバー(112a、…、112n)からプログラム多重化器113が各TPEGコンテンツを受信して多重化する前に、各TPEGコンテンツを伝送するTPEG-SNIから暗号化指示子を抽出して貯蔵する。この時、各TPEGコンテンツは各暗号化指示子の値によって暗号化されたかどうかが表示される。
【0110】
その後、暗号化器115はNIC発生器117によって発生された送信網識別符号(NIC)を使用して暗号化キー発生器116で発生した暗号化キーと上記貯蔵されている暗号化指示子と共に使用して伝送多重化器114から出力される多重化されたTPEGメッセージを暗号化して移動型デジタル放送を通じて外部に送出する。
【0111】
中継局120は同様に主放送局110から伝送される放送信号を端末140に中継する時、中継局120の送信網識別符号(NIC)値で再割当して送信する。また、主放送局110でTPEGメッセージを暗号化するのに使用された暗号化キーと暗号化指示子は移動通信システム130を通じて有料加入者の端末140にのみ伝達される。
【0112】
一方、有料加入者の端末140は受信された送信網識別符号(NIC)値を識別して移動通信システム130から伝達を受けて貯蔵している暗号化キー及び暗号化指示子を抽出し、抽出された暗号化キーと暗号化指示子を使用して受信された放送信号を復号してTPEGメッセージを得ることができる。もちろん、このような動作は有料加入者の端末140でのみ行われ、無料加入者の端末140では移動通信システム130から暗号化キーと暗号化指示子の伝達を受けることができないために中継局120のサービス領域などのような制限受信領域内ではTPEGメッセージを受信することができない。
【0113】
また、有料加入者の端末140は上記抽出された暗号化指示子を各TPEGメッセージに適用することで暗号化されたTPEGメッセージをそれぞれ復号することができるので、有料加入者端末140に対する制限受信が可能になる。
【0114】
上記ではTPEGサービスについてのみ説明したが、上記説明を参照すると、TPEGサービスだけでなく移動型放送網を通じて各種マルチメディアデータをサービスする場合にも有料加入者にのみ制限受信することが可能である。
【0115】
以上、本発明を特定の実施の形態と関連して図示及び説明したが、特許請求の範囲によって示した発明の思想及び領域から逸脱しない限度内で多様な改造及び変化が可能であるということを当業系で通常の知識を有する者であれば簡単に分かる。
【0116】
本発明によれば、単一又は多重周波数網でのデジタル放送送出及び受信方式によって中継機事業者が有料化された中継機サービスを提供することによって、中継機事業者は中継機事業を活性化させることができ、また、主放送網事業者は放送網を拡張させることができる。
【0117】
また、事前に認証された特定加入者の受信機と通じてのみTPEGサービスの制限受信が可能になるので、良質のTPEGコンテンツを有料で提供することが可能になり、TPEGコンテンツ提供による保安性が向上するので認証されない使用者が無段で利用することを防止することができる。したがって、放送網を通じて提供されるTPEGサービスで保安性が向上することによって公務員、軍人、医療関係者などの特定グループ、特定階層のみのためのキーテーブルを生成して提供する方法を利用すると、特定グループ、特定階層のみのためのTPEGコンテンツを別途に提供することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の実施の形態に係るデジタル放送送信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すDVB-T変調器の詳細ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態によってTPSキャリアで冗長ビットを送信網識別符号として使用する場合を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るデジタル放送送信及び受信サービスの概念を示す構成図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るデジタル放送受信端末の構成図である。
【図6】図5に示すDVB-T復調器の詳細ブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る加入者形態別及び受信位置別の制限受信サービス可能可否を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るデジタル送信システム及び受信端末での送信機に応じた暗号化送受信のためのブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る無料加入者局のデジタル放送受信方法のフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態に係る有料加入者局のデジタル放送受信方法のフローチャートである。
【図11】TPEGサービスの概念図である。
【符号の説明】
【0119】
110 主放送システム
111 メディアエンコーダ
112 マルチメディアサーバー
113 プログラム多重化器
114 送信多重化器
115 暗号化器
116 暗号化キー発生器
117 NIC発生器
118 TPS生成器
119 DVB-T変調器
120 中継システム
121 同一チャンネル中継器
122 中継局送信網識別符号(NIC)挿入器
130 移動通信システム
131 使用者認証サーバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送送信システムにおいて、
主放送網を介したデータパケット及び送信網識別符号(NIC)を放送信号を付加し、特定暗号キーを使用して暗号化した後送信する主放送システムと、
前記主放送システムから送出される暗号化された放送信号を中継網を介して中継する中継システムと、
前記主放送システム又は前記中継システムから復号化キー受信して有料加入者局に送信する移動通信システムとを含み、
前記有料加入者局は、前記暗号化された放送信号から抽出された送信網識別符号と前記復号化キーを使用して前記暗号化された放送信号を復号することを特徴とするデジタル放送送出システム。
【請求項2】
前記デジタル放送はDVB-T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)方式に基づいでおり、
前記送信網識別符号は前記DVB-T方式によって送信データのパラメータを送信するのに使用される送信パラメータ信号(TPS)キャリア内に含まれることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記主放送システム及び前記中継システムは、前記送信された放送信号が前記主放送網又は前記中継網のうちのどの網の信号であるかを前記加入者端末で区分できる送信網識別符号(NIC)をそれぞれ送出することを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタル放送送出システム。
【請求項4】
前記中継システムは、前記主放送システムのデータパケットを中継する場合に、前記中継システムの送信網識別符号(NIC)値を前記主放送システムの送信網識別符号(NIC)値と異ならせて再割当して送信することを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項5】
前記送信網識別符号(NIC)は、前記TPSキャリア内にあるセルIDと冗長ビットのうちのいずれか1つに含まれることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
DVB-T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)デジタル放送送信システムにおいて、
放送型コンテンツに関する付加情報を多重化して放送信号として出力する多重化器と、
前記多重化器で多重化されて出力される放送信号を特定暗号キーを使用して暗号化する暗号化器と、
前記DVB-T方式によって伝送データのパラメータを送信するのに使用されるTPSキャリア内に含まれる、送信網に固有の送信網識別符号(NIC)を発生する送信網識別符号発生器と、
前記送信網識別符号発生器で発生した送信網識別符号を使用して前記暗号化器で使用される暗号化キーを発生する暗号化キー発生器と、
前記TPSキャリア内に前記送信網識別符号発生器で発生した送信網識別符号を挿入し、送信用TPSキャリアを生成するTPS生成器と、
前記暗号化器から出力される暗号化された放送信号及び前記TPS生成器で生成されるTPSキャリアを前記DVB-T方式によって変調して加入者局に送信するDVB-T変調器を含むことを特徴とするデジタル放送送信システム。
【請求項7】
前記送信された放送信号は、前記加入者局が主放送網又は中継網のうちのどの網で送出された信号であるかを識別できるようにする送信網識別符号(NIC)であることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記送信網識別符号発生器は、送信網識別情報(NIC)を周期的に変更し、前記暗号化キー発生器、前記TPS生成器、及び前記DVB-T変調器は前記変更された送信網識別情報(NIC)を適用して暗号化又は各信号を生成することを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記暗号化キー発生器は、前記周期的に変更される送信網識別符号によって変更される暗号化キーを復号化キー値として規定して送信することを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記送信網識別符号(NIC)は、前記TPSキャリア内にあるセルIDと冗長ビットのうちのいずれか1つに含まれることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記セルID又は冗長ビットの領域が送信網別に区分されて送信網識別符号をそれぞれ含むことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記放送型コンテンツはオーディオ、ビデオ、及びデータから成ることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項13】
前記放送型コンテンツはデータを含むことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項14】
デジタル放送送信方法において、
a)放送型コンテンツに関する付加情報を多重化して放送信号を生成する段階と、
b)前記生成された放送信号を特定暗号キーを使用して暗号化し、暗号化された放送信号を生成する段階と、
c)主放送網と中継網を含み、前記暗号化された放送信号を送出した送信網を識別するための送信網識別符号(NIC)を前記暗号化された放送信号に挿入する段階と、
d)前記暗号化された放送信号を送出する段階とを含み、
前記特定暗号キーは、前記送信網識別符号によって暗号化されて復号化キーとして送信され、前記復号化キーは前記送信網識別符号と共に前記d)段階で送信される暗号化された放送信号を復号するのに使用されることを特徴とするデジタル放送送信方法。
【請求項15】
前記デジタル放送はDVB-T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)方式に基づいでおり、
前記送信網識別符号は、前記DVB-T方式によって送信データのパラメータを送信するのに使用される送信パラメータ信号(TPS)キャリア内に含まれることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
所定周期ごとに前記送信網識別符号(NIC)を変更し、前記変更された送信網識別符号を適用して前記放送信号を暗号化することを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記送信網識別符号を使用して前記特定暗号キーを暗号化し、前記暗号化されたキーを復号化キーとして移動通信網を介して有料加入者局に送信することを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
【請求項18】
前記d)段階の後に、
e)前記送信された放送信号を受信して前記加入者局に中継するように前記中継網を制御する段階をさらに含むことを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
【請求項19】
前記e)段階で、
前記中継網を中継するときに、前記中継網は、前記受信された放送信号の送信網識別符号(NIC)を変更し、前記中継網に対応する送信網識別符号(NIC)に再割当して送信することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記放送型コンテンツはオーディオ、ビデオ、及びデータから成ることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記放送型コンテンツはデータを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項22】
DVB-T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)デジタル放送受信端末において、
アンテナを介して受信される信号を前記DVB-T方式によって復調して暗号化された放送信号と伝送データのパラメータを送信するのに使用されると共に送信網識別符号(NIC)を含む送信パラメータ信号(TPS)キャリアを出力するDVB-T復調器と、
前記DVB-T復調器から出力されるTPSキャリアから送信網識別符号(NIC)を抽出する送信網識別符号抽出器と、
前記DVB-T復調器から出力される暗号化された放送信号を前記送信網識別符号抽出器から抽出された送信網識別符号(NIC)を利用して復号化アルゴリズムによって復号するデコーダと、
前記デコーダで復号されたデータを処理して使用者に出力するマルチメディア処理部とを含むことを特徴とするデジタル放送受信端末。
【請求項23】
前記受信端末の使用者が有料加入者である場合、前記デコーダは前記暗号化された放送信号を復号するために外部から特定復号化キーを受信することを特徴とする請求項22に記載の端末。
【請求項24】
前記デコーダは前記暗号化された放送信号を復号するために外部から特定復号化キーを受信することを特徴とする請求項22に記載の端末。
【請求項25】
前記受信端末は移動通信モジュールを含み、
前記移動通信モジュールを介して特定移動通信網から前記復号化キーを受信することを特徴とする請求項23に記載の端末。
【請求項26】
前記デコーダは前記抽出された送信網識別符号(NIC)を使用して前記受信された復号化キーを復号して特定暗号キーを抽出し、前記抽出された特定暗号キーで前記暗号化された放送信号を復号化して放送信号を復号することを特徴とする請求項22に記載の端末。
【請求項27】
前記デコーダは前記移動通信網を介して周期的に前記復号化キーを受信することを特徴とする請求項22に記載の端末。
【請求項28】
デジタル放送受信方法において、
a)データパケット、放送信号を送出した送信網を識別する送信網識別符号(NIC)を含む放送信号を受信する段階と、
b)前記放送信号を復調して前記送信網識別符号(NIC)を抽出する段階と、
c)前記抽出された送信網識別符号を分析して前記受信された放送信号を送信した送信網が中継網であるか否かを判断する段階と、
d)前記放送信号を送出した送信網が中継網であると判断されたとき、前記送信網識別符号と特定復号化キーを使用して前記放送信号を復号して出力する段階とを含むことを特徴とするデジタル放送受信方法。
【請求項29】
前記デジタル放送はDVB-T方式に基づいており、
前記送信網識別符号は前記DVB-T方式によって送信データのパラメータを送信するのに使用される送信パラメータ信号(TPS)キャリア内に含まれることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記d)段階で使用される特定復号化キーは移動通信網を介して周期的に受信されることを特徴とする請求項28又は29に記載の方法。
【請求項31】
前記b)段階は、
前記放送信号を復調してTPSキャリアを抽出する段階と、
前記抽出されたTPSキャリア内に含まれた前記送信網識別符号(NIC)を抽出する段階とを含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記c)段階で、前記放送信号を送出した送信網が中継網でないと判断されるとき、前記送信網識別符号を使用して前記放送信号を復号して出力することを特徴とする請求項28又は29に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2009−507399(P2009−507399A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501824(P2008−501824)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【国際出願番号】PCT/KR2006/004327
【国際公開番号】WO2007/046678
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(504394652)ケイティーフリーテル シーオー リミテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】KTFREETEL CO., LTD.
【Fターム(参考)】