受信装置
【課題】主に自動車のドアの施解錠等に用いられる受信装置に関し、誤設定がなく、製作が容易で安価なものを提供することを目的とする。
【解決手段】復調手段2に接続されたスイッチ11と、複数の固定抵抗器13Aや13Bによって受信感度切換手段を設けると共に、このスイッチ11を制御手段12が制御して、送信装置7からの電波信号を記憶手段4に記憶させることによって、受信感度切換手段により受信感度が低下して、離れた箇所の別の送信装置8からの電波信号は制御手段12に入力されず、誤った識別コードが記憶手段4に記憶されないようになっているため、誤設定がなく、製作が容易で安価な受信装置14を得ることができる。
【解決手段】復調手段2に接続されたスイッチ11と、複数の固定抵抗器13Aや13Bによって受信感度切換手段を設けると共に、このスイッチ11を制御手段12が制御して、送信装置7からの電波信号を記憶手段4に記憶させることによって、受信感度切換手段により受信感度が低下して、離れた箇所の別の送信装置8からの電波信号は制御手段12に入力されず、誤った識別コードが記憶手段4に記憶されないようになっているため、誤設定がなく、製作が容易で安価な受信装置14を得ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に自動車に装着され、ドアの施解錠等の遠隔操作に使用される受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両のドアの施解錠等を、機械式キーにより直接操作することに加え、運転者が携帯した送信装置によって、離れた箇所から遠隔操作することが広く行われており、誤操作がなく確実な操作が可能なものが求められている。
【0003】
このような従来の受信装置について、図11〜図13を用いて説明する。
【0004】
図11は従来の受信装置のブロック回路図であり、同図において、1はアンテナ、2はIC等の復調手段で、アンテナ1がコイルやコンデンサを介して復調手段2に接続されると共に、この復調手段2には抵抗が接続されている。
【0005】
また、3はマイコン等の制御手段で、この制御手段3に復調手段2とIC等の記憶手段4が電気的に接続されて、受信装置5が構成されている。
【0006】
そして、このような受信装置5が自動車の所定箇所に取付けられると共に、制御手段3がコネクタやリード線(図示せず)等によって、モータやソレノイド等から形成された車両の駆動手段6に電気的に接続される。
【0007】
さらに、7は携帯用の送信装置で、上面から複数の押釦7Bが突出した絶縁樹脂製のケース7A内には、収納されたアンテナやスイッチ、マイコン等によって送信手段や、送信装置毎に異なる識別コードや駆動コードが登録された記憶手段(図示せず)等が形成されている。
【0008】
以上の構成において、所定の操作によって車両に装着された受信装置5を登録モードにした状態で、車両の近傍で送信装置7の押釦7Bを押圧操作すると、送信装置7から固有の識別コードが、例えば図12(a)の波形図に示すような、電波信号A1として送信される。
【0009】
そして、この電波信号A1をアンテナ1が受信すると共に、制御手段3には復調手段2から、例えば図12(b)に示すような、電波信号A1が復調されたパルス信号B1が入力され、この送信装置7固有の識別コードが記憶手段4に登録されることによって、送信装置7と受信装置5が適合し、送信装置7による受信装置5の遠隔操作が可能なように設定される。
【0010】
つまり、個々の車両の製作途中で、上記のように所定の送信装置7から受信装置5へ固有の識別コードを送信し、これを受信装置5が受信して記憶することによって、この後の遠隔操作時に、受信装置5が受信した電波信号の識別コードから、それが送信装置7からの適合したものであるか否かを判定し、適合する場合にのみ、制御手段3が駆動手段6を駆動して、ドアの施錠や解錠等の遠隔操作が行われるように構成されている。
【0011】
なお、以上のように車両の製作途中で、受信装置5に送信装置7固有の識別コードを記憶させる際に、送信装置7よりも車両から離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合、図13(a)の波形図に示すように、この送信装置8からの電波信号A2は車両から離れているため、図12(a)に示した送信装置7の電波信号A1よりも振幅が小さく弱いものとなる。
【0012】
ただ、この時、受信装置5の受信感度が、例えば図12(a)や図13(a)に示すような、電界強度の受信電力範囲L1であった場合には、送信装置8からの弱い電波信号A2であっても、図13(b)に示すように、復調手段2からは電波信号A1を受信した場合と同様のパルス信号B1が出力され、この送信装置8からの識別コードが記憶手段4に誤って記憶されてしまう。
【0013】
したがって、このような誤設定が生じた場合には、再度所定の操作によって車両に装着された受信装置5を登録モードの状態に戻した後、改めて送信装置7から電波信号A1を送信して、受信装置5に送信装置7の識別コードを記憶させる必要があるものであった。
【0014】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2005−328245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記従来の受信装置においては、受信装置5に送信装置7の識別コードを記憶させる際に、離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合、誤設定が生じることがあるため、再度設定を行う必要があり、製作に手間がかかるという課題があった。
【0016】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、誤設定がなく、製作が容易で安価な受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために本発明は、受信感度切換手段を設けると共に、この受信感度切換手段を制御手段が制御して、送信装置からの電波信号を記憶手段に記憶させるように受信装置を構成したものであり、受信感度切換手段により受信感度を低下させることによって、離れた箇所の別の送信装置からの電波信号は制御手段に入力されず、誤った識別コードが記憶手段に記憶されないようになっているため、誤設定がなく、製作が容易で安価な受信装置を得ることができるという作用を有するものである。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明によれば、誤設定がなく、製作が容易で安価な受信装置を実現することができるという有利な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図10を用いて説明する。
【0020】
なお、背景技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態による受信装置のブロック回路図であり、同図において、1はアンテナ、2はIC等の復調手段で、アンテナ1がコイルやコンデンサを介して復調手段2に接続されると共に、この復調手段2にはトランジスタやリレー等のスイッチ11が接続されている。
【0022】
また、12はマイコン等の制御手段で、この制御手段12に復調手段2とIC等の記憶手段4が電気的に接続されると共に、制御手段12がスイッチ11に接続され、このスイッチ11と複数の固定抵抗器13Aや13Bによって受信感度切換手段が形成されて、受信装置14が構成されている。
【0023】
そして、このような受信装置14が自動車の所定箇所に取付けられると共に、制御手段12がコネクタやリード線(図示せず)等によって、モータやソレノイド等から形成された車両の駆動手段6に電気的に接続される。
【0024】
さらに、7は携帯用の送信装置で、上面から複数の押釦7Bが突出した絶縁樹脂製のケース7A内には、収納されたアンテナやスイッチ、マイコン等によって送信手段や、送信装置毎に異なる識別コードや駆動コードが登録された記憶手段(図示せず)等が形成されている。
【0025】
以上の構成において、所定の操作によって車両に装着された受信装置14を登録モードにすると、制御手段12がスイッチ11の切換えを行い、復調手段2が小さな抵抗値の固定抵抗器13Aから、大きな抵抗値の固定抵抗器13Bに接続され、図2(a)の波形図に示すように、受信装置14の受信感度が、強い電波は受信するが弱い電波は受信できない電界強度の、受信電力範囲L2に切換わる。
【0026】
そして、この状態で、車両の近傍で送信装置7の押釦7Bを押圧操作すると、送信装置7から固有の識別コードが、電波信号A1として送信され、これをアンテナ1が受信すると共に、制御手段12には復調手段2から、例えば図2(b)に示すような、電波信号A1が復調されたパルス信号B1が入力され、この送信装置7固有の識別コードが記憶手段4に登録されることによって、送信装置7と受信装置14が適合し、送信装置7による受信装置14の遠隔操作が可能なように設定される。
【0027】
つまり、個々の車両の製作途中で、上記のように所定の送信装置7から受信装置14へ固有の識別コードを送信し、これを受信装置14が受信して記憶することによって、この後の遠隔操作時に、受信装置14が受信した電波信号の識別コードから、それが送信装置7からの適合したものであるか否かを判定し、適合する場合にのみ、制御手段12が駆動手段6を駆動して、ドアの施錠や解錠等の遠隔操作が行われるように構成されている。
【0028】
なお、以上のように車両の製作途中で、受信装置14に送信装置7固有の識別コードを記憶させる際に、送信装置7よりも車両から離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合、図3(a)の波形図に示すように、この送信装置8からの電波信号A2は車両から離れているため、図2(a)に示した送信装置7の電波信号A1よりも振幅が小さく弱いものとなる。
【0029】
そして、この時、受信装置14の受信感度は上述したように、スイッチ11が切換えられ、強い電波は受信するが弱い電波は受信できない受信電力範囲L2となっているため、図3(b)に示すように、復調手段2から制御手段12にはパルス信号が入力されないようになっている。
【0030】
つまり、受信装置14に送信装置7の識別コードを記憶させる際に、離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合にも、制御手段12がスイッチ11を切換え、受信装置14の受信感度を、弱い電波は受信できない受信電力範囲L2に切換えることによって、車両から離れ弱い電波の送信装置8からの電波信号は制御手段12に入力されず、誤った識別コードが記憶手段4に記憶されないように構成されている。
【0031】
したがって、誤設定により、改めて送信装置7からの識別コードを記憶させるといった再設定を行う手間は生じず、容易に製作が行え、安価に受信装置14を構成できるようになっている。
【0032】
なお、送信装置7から固有の識別コードを受信し、これを記憶手段4に登録した後は、制御手段12が再びスイッチ11の切換えを行い、復調手段2を小さな抵抗値の固定抵抗器13Aに接続して、弱い電波でも受信可能な受信電力範囲に切換えるようになっている。
【0033】
このように本実施の形態によれば、復調手段2に接続されたスイッチ11と、複数の固定抵抗器13Aや13Bによって受信感度切換手段を設けると共に、このスイッチ11を制御手段12が制御して、送信装置7からの電波信号を記憶手段4に記憶させることによって、受信感度切換手段により受信感度が低下して、離れた箇所の別の送信装置8からの電波信号は制御手段12に入力されず、誤った識別コードが記憶手段4に記憶されないようになっているため、誤設定がなく、製作が容易で安価な受信装置14を得ることができるものである。
【0034】
(実施の形態2)
実施の形態2を用いて、本発明の他の実施の形態について説明する。
【0035】
なお、実施の形態1の構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0036】
図4は本発明の第2の実施の形態による受信装置のブロック回路図であり、同図において、1はアンテナ、2はIC等の復調手段で、アンテナ1がコイルやコンデンサを介して復調手段2に接続されると共に、この復調手段2には固定抵抗器13Aが接続されている。
【0037】
また、15はマイコン等の制御手段で、この制御手段15に復調手段2とIC等の記憶手段4が電気的に接続されると共に、制御手段15にはアンテナ1と復調手段2の間に接続されたスイッチ16が接続され、このスイッチ16と固定抵抗器17によって受信感度切換手段が形成されて、受信装置18が構成されている。
【0038】
そして、このような受信装置18が自動車の所定箇所に取付けられると共に、制御手段15がコネクタやリード線(図示せず)等によって、モータやソレノイド等から形成された車両の駆動手段6に電気的に接続される。
【0039】
さらに、7は携帯用の送信装置で、上面から複数の押釦7Bが突出した絶縁樹脂製のケース7A内には、収納されたアンテナやスイッチ、マイコン等によって送信手段や、送信装置毎に異なる識別コードや駆動コードが登録された記憶手段(図示せず)等が形成されている。
【0040】
以上の構成において、所定の操作によって車両に装着された受信装置18を登録モードにすると、制御手段15がスイッチ16の切換えを行い、アンテナ1が固定抵抗器17に接続されて、例えば図5の波形図に示すように、受信装置14の受信周波数H1が、これより1MHz前後ずれた受信周波数H2に切換わる。
【0041】
また、この状態で、車両の近傍で送信装置7の押釦7Bを押圧操作すると、送信装置7から固有の識別コードが、電波信号A1として送信され、これをアンテナ1が受信するが、この時、受信装置18の受信周波数は上記のように、1MHz前後ずれた受信周波数H2となっているため、図6(a)の波形図に示すように、電波信号A1は振幅の小さな電波信号A3となって、復調手段2に入力される。
【0042】
そして、この時、受信装置18の受信感度が受信電力範囲L1であった場合、復調手段2から制御手段15に、図6(b)に示すような、電波信号A3が復調されたパルス信号B1が入力され、この送信装置7固有の識別コードが記憶手段4に登録されることによって、送信装置7と受信装置18が適合し、送信装置7による受信装置18の遠隔操作が可能なように設定される。
【0043】
なお、以上のように個々の車両の製作途中で、受信装置18に送信装置7固有の識別コードを記憶させる際に、送信装置7よりも車両から離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合、この送信装置8からは図5に示すように、送信装置7の電波信号A1よりも振幅が小さく弱い電波信号A2が送信される。
【0044】
そして、この電波信号A2をアンテナ1が受信するが、受信装置18の受信周波数は受信周波数H2となっているため、図7(a)の波形図に示すように、電波信号A2はさらに振幅の小さな電波信号A4となって、復調手段2に入力される。
【0045】
したがって、受信装置18の受信感度が受信電力範囲L1であった場合には、図7(b)に示すように、復調手段2から制御手段15にはパルス信号が入力されず、送信装置8固有の識別コードは記憶手段4に登録されないようになっている。
【0046】
つまり、受信装置18に送信装置7の識別コードを記憶させる際に、離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合にも、制御手段15がスイッチ16を切換え、受信装置18の受信周波数を、正規の受信周波数H1から1MHz前後ずれた受信周波数H2に切換えることによって、車両から離れ弱い電波の送信装置8からの電波信号は制御手段15に入力されず、誤った識別コードが記憶手段4に記憶されないように構成されている。
【0047】
したがって、誤設定により、改めて送信装置7からの識別コードを記憶させるといった再設定を行う手間は生じず、容易に製作が行え、安価に受信装置18を構成できるようになっている。
【0048】
なお、以上のように送信装置7の固有の識別コードを記憶手段4に登録した後は、制御手段15が再びスイッチ16の切換えを行い、アンテナ1と固定抵抗器17の接続を切断して、正規の受信周波数H1で送信装置7からの電波を受信できるようにして、受信した電波信号の識別コードが送信装置7からの適合したものである場合には、制御手段15が駆動手段6を駆動して、ドアの施錠や解錠等の遠隔操作が行われるようになっている。
【0049】
このように本実施の形態によれば、アンテナ1と復調手段2の間に接続されたスイッチ16と、固定抵抗器17によって受信感度切換手段を設けると共に、このスイッチ16を制御手段15が制御して、送信装置7からの電波信号を記憶手段4に記憶させることによって、受信感度切換手段により受信感度が低下して、離れた箇所の別の送信装置8からの電波信号は制御手段15に入力されず、誤った識別コードが記憶手段4に記憶されないようになっているため、誤設定がなく、製作が容易で安価な受信装置18を得ることができるものである。
【0050】
(実施の形態3)
実施の形態3を用いて、本発明の他の実施の形態について説明する。
【0051】
なお、実施の形態1や2の構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0052】
図8は本発明の第3の実施の形態による受信装置のブロック回路図であり、同図において、1はアンテナ、2はIC等の復調手段で、アンテナ1がコイルやコンデンサを介して復調手段2に接続されると共に、この復調手段2に固定抵抗器13Aが接続されていることは実施の形態2の場合と同様である。
【0053】
また、19はマイコン等の制御手段で、この制御手段19に復調手段2とIC等の記憶手段4が電気的に接続されていることも実施の形態2の場合と同様であるが、制御手段19には受信感度切換手段としてのアンテナ20が接続されて、受信装置21が構成されている。
【0054】
そして、このような受信装置21が自動車の所定箇所に取付けられると共に、制御手段19がコネクタやリード線(図示せず)等によって、モータやソレノイド等から形成された車両の駆動手段6に電気的に接続される。
【0055】
さらに、7は携帯用の送信装置で、上面から複数の押釦7Bが突出した絶縁樹脂製のケース7A内には、収納されたアンテナやスイッチ、マイコン等によって送信手段や、送信装置毎に異なる識別コードや駆動コードが登録された記憶手段(図示せず)等が形成されている。
【0056】
以上の構成において、所定の操作によって車両に装着された受信装置21を登録モードにすると、制御手段19がアンテナ20を駆動して、図9(a)の波形図に示すような、電波信号A5を発信する。
【0057】
また、この状態で、車両の近傍で送信装置7の押釦7Bを押圧操作すると、送信装置7から固有の識別コードが、電波信号A1として送信され、これをアンテナ1が受信するが、この時、アンテナ20から上記のように電波信号A5が発信されているため、この電波もアンテナ1が受信することによって、図9(b)に示すように、電波信号A1は振幅の小さな電波信号A3となって、復調手段2に入力される。
【0058】
そして、この時、受信装置21の受信感度が受信電力範囲L1であった場合には、復調手段2から制御手段19に、図6(b)に示したような、電波信号A3が復調されたパルス信号B1が入力され、この送信装置7固有の識別コードが記憶手段4に登録されることによって、送信装置7と受信装置21が適合し、送信装置7による受信装置21の遠隔操作が可能なように設定される。
【0059】
なお、以上のように個々の車両の製作途中で、受信装置21に送信装置7固有の識別コードを記憶させる際に、送信装置7よりも車両から離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合、この送信装置8からは図10(a)の波形図に示すように、送信装置7の電波信号A1よりも振幅が小さく弱い電波信号A2が送信される。
【0060】
そして、この電波信号A2をアンテナ1が受信するが、この時、上記のようにアンテナ20から電波信号A5が発信されているため、この電波もアンテナ1が受信することによって、図10(b)に示すように、電波信号A2はさらに振幅の小さな電波信号A4となって、復調手段2に入力される。
【0061】
したがって、受信装置21の受信感度が受信電力範囲L1であった場合には、図7(b)に示したように、復調手段2から制御手段19にはパルス信号が入力されず、送信装置8固有の識別コードは記憶手段4に登録されないようになっている。
【0062】
つまり、受信装置21に送信装置7の識別コードを記憶させる際に、離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合にも、制御手段19がアンテナ20を駆動して電波信号A5を発信し、受信装置21の受信感度を低下させることによって、車両から離れ弱い電波の送信装置8からの電波信号が制御手段19に入力されず、誤った識別コードが記憶手段4に記憶されないように構成されている。
【0063】
したがって、誤設定により、改めて送信装置7からの識別コードを記憶させるといった再設定を行う手間は生じず、容易に製作が行え、安価に受信装置21を構成できるようになっている。
【0064】
なお、以上のように送信装置7の固有の識別コードを記憶手段4に登録した後は、制御手段19はアンテナ20の駆動を停止し、正常な状態で送信装置7からの電波を受信できるようにして、受信した電波信号の識別コードが送信装置7からの適合したものである場合には、制御手段19が駆動手段6を駆動して、ドアの施錠や解錠等の遠隔操作が行われるようになっている。
【0065】
このように本実施の形態によれば、受信感度切換手段としてのアンテナ20を設けると共に、このアンテナ20を制御手段19が制御して、送信装置7からの電波信号を記憶手段4に記憶させることによって、アンテナ20の発信により受信感度が低下して、離れた箇所の別の送信装置8からの電波信号は制御手段19に入力されず、誤った識別コードが記憶手段4に記憶されないようになっているため、誤設定がなく、製作が容易で安価な受信装置21を得ることができるものである。
【0066】
なお、以上の説明では、制御手段12や15、19とは別に記憶手段4を設け、これらを接続した構成について説明したが、制御手段の内部メモリ等を用いて、記憶手段4を制御手段12や15、19に一体に形成した構成とすれば、装置の構成をより簡易なものとすることができる。
【0067】
また、以上の説明では、送信装置7から受信装置14や18、21へ電波信号を送信する、いわゆるキーレスシステムについて説明したが、送信装置と受信装置の双方に送信手段と受信手段を設け、送信装置と受信装置が互いに通信を行う、いわゆるスマートエントリシステムにおいても、本発明の実施は可能である。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明による受信装置は、誤設定がなく、製作が容易で安価なものが得られ、主に自動車のドアの施解錠等の操作用として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施の形態による受信装置のブロック回路図
【図2】同波形図
【図3】同波形図
【図4】本発明の第2の実施の形態による受信装置のブロック回路図
【図5】同波形図
【図6】同波形図
【図7】同波形図
【図8】本発明の第3の実施の形態による受信装置のブロック回路図
【図9】同波形図
【図10】同波形図
【図11】従来の受信装置のブロック回路図
【図12】同波形図
【図13】同波形図
【符号の説明】
【0070】
1 アンテナ
2 復調手段
4 記憶手段
6 駆動手段
7、8 送信装置
7A ケース
7B 押釦
11、16 スイッチ
12、15、19 制御手段
13A、13B 固定抵抗器
14、18、21 受信装置
17 固定抵抗器
20 アンテナ
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に自動車に装着され、ドアの施解錠等の遠隔操作に使用される受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両のドアの施解錠等を、機械式キーにより直接操作することに加え、運転者が携帯した送信装置によって、離れた箇所から遠隔操作することが広く行われており、誤操作がなく確実な操作が可能なものが求められている。
【0003】
このような従来の受信装置について、図11〜図13を用いて説明する。
【0004】
図11は従来の受信装置のブロック回路図であり、同図において、1はアンテナ、2はIC等の復調手段で、アンテナ1がコイルやコンデンサを介して復調手段2に接続されると共に、この復調手段2には抵抗が接続されている。
【0005】
また、3はマイコン等の制御手段で、この制御手段3に復調手段2とIC等の記憶手段4が電気的に接続されて、受信装置5が構成されている。
【0006】
そして、このような受信装置5が自動車の所定箇所に取付けられると共に、制御手段3がコネクタやリード線(図示せず)等によって、モータやソレノイド等から形成された車両の駆動手段6に電気的に接続される。
【0007】
さらに、7は携帯用の送信装置で、上面から複数の押釦7Bが突出した絶縁樹脂製のケース7A内には、収納されたアンテナやスイッチ、マイコン等によって送信手段や、送信装置毎に異なる識別コードや駆動コードが登録された記憶手段(図示せず)等が形成されている。
【0008】
以上の構成において、所定の操作によって車両に装着された受信装置5を登録モードにした状態で、車両の近傍で送信装置7の押釦7Bを押圧操作すると、送信装置7から固有の識別コードが、例えば図12(a)の波形図に示すような、電波信号A1として送信される。
【0009】
そして、この電波信号A1をアンテナ1が受信すると共に、制御手段3には復調手段2から、例えば図12(b)に示すような、電波信号A1が復調されたパルス信号B1が入力され、この送信装置7固有の識別コードが記憶手段4に登録されることによって、送信装置7と受信装置5が適合し、送信装置7による受信装置5の遠隔操作が可能なように設定される。
【0010】
つまり、個々の車両の製作途中で、上記のように所定の送信装置7から受信装置5へ固有の識別コードを送信し、これを受信装置5が受信して記憶することによって、この後の遠隔操作時に、受信装置5が受信した電波信号の識別コードから、それが送信装置7からの適合したものであるか否かを判定し、適合する場合にのみ、制御手段3が駆動手段6を駆動して、ドアの施錠や解錠等の遠隔操作が行われるように構成されている。
【0011】
なお、以上のように車両の製作途中で、受信装置5に送信装置7固有の識別コードを記憶させる際に、送信装置7よりも車両から離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合、図13(a)の波形図に示すように、この送信装置8からの電波信号A2は車両から離れているため、図12(a)に示した送信装置7の電波信号A1よりも振幅が小さく弱いものとなる。
【0012】
ただ、この時、受信装置5の受信感度が、例えば図12(a)や図13(a)に示すような、電界強度の受信電力範囲L1であった場合には、送信装置8からの弱い電波信号A2であっても、図13(b)に示すように、復調手段2からは電波信号A1を受信した場合と同様のパルス信号B1が出力され、この送信装置8からの識別コードが記憶手段4に誤って記憶されてしまう。
【0013】
したがって、このような誤設定が生じた場合には、再度所定の操作によって車両に装着された受信装置5を登録モードの状態に戻した後、改めて送信装置7から電波信号A1を送信して、受信装置5に送信装置7の識別コードを記憶させる必要があるものであった。
【0014】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2005−328245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記従来の受信装置においては、受信装置5に送信装置7の識別コードを記憶させる際に、離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合、誤設定が生じることがあるため、再度設定を行う必要があり、製作に手間がかかるという課題があった。
【0016】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、誤設定がなく、製作が容易で安価な受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために本発明は、受信感度切換手段を設けると共に、この受信感度切換手段を制御手段が制御して、送信装置からの電波信号を記憶手段に記憶させるように受信装置を構成したものであり、受信感度切換手段により受信感度を低下させることによって、離れた箇所の別の送信装置からの電波信号は制御手段に入力されず、誤った識別コードが記憶手段に記憶されないようになっているため、誤設定がなく、製作が容易で安価な受信装置を得ることができるという作用を有するものである。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明によれば、誤設定がなく、製作が容易で安価な受信装置を実現することができるという有利な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図10を用いて説明する。
【0020】
なお、背景技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態による受信装置のブロック回路図であり、同図において、1はアンテナ、2はIC等の復調手段で、アンテナ1がコイルやコンデンサを介して復調手段2に接続されると共に、この復調手段2にはトランジスタやリレー等のスイッチ11が接続されている。
【0022】
また、12はマイコン等の制御手段で、この制御手段12に復調手段2とIC等の記憶手段4が電気的に接続されると共に、制御手段12がスイッチ11に接続され、このスイッチ11と複数の固定抵抗器13Aや13Bによって受信感度切換手段が形成されて、受信装置14が構成されている。
【0023】
そして、このような受信装置14が自動車の所定箇所に取付けられると共に、制御手段12がコネクタやリード線(図示せず)等によって、モータやソレノイド等から形成された車両の駆動手段6に電気的に接続される。
【0024】
さらに、7は携帯用の送信装置で、上面から複数の押釦7Bが突出した絶縁樹脂製のケース7A内には、収納されたアンテナやスイッチ、マイコン等によって送信手段や、送信装置毎に異なる識別コードや駆動コードが登録された記憶手段(図示せず)等が形成されている。
【0025】
以上の構成において、所定の操作によって車両に装着された受信装置14を登録モードにすると、制御手段12がスイッチ11の切換えを行い、復調手段2が小さな抵抗値の固定抵抗器13Aから、大きな抵抗値の固定抵抗器13Bに接続され、図2(a)の波形図に示すように、受信装置14の受信感度が、強い電波は受信するが弱い電波は受信できない電界強度の、受信電力範囲L2に切換わる。
【0026】
そして、この状態で、車両の近傍で送信装置7の押釦7Bを押圧操作すると、送信装置7から固有の識別コードが、電波信号A1として送信され、これをアンテナ1が受信すると共に、制御手段12には復調手段2から、例えば図2(b)に示すような、電波信号A1が復調されたパルス信号B1が入力され、この送信装置7固有の識別コードが記憶手段4に登録されることによって、送信装置7と受信装置14が適合し、送信装置7による受信装置14の遠隔操作が可能なように設定される。
【0027】
つまり、個々の車両の製作途中で、上記のように所定の送信装置7から受信装置14へ固有の識別コードを送信し、これを受信装置14が受信して記憶することによって、この後の遠隔操作時に、受信装置14が受信した電波信号の識別コードから、それが送信装置7からの適合したものであるか否かを判定し、適合する場合にのみ、制御手段12が駆動手段6を駆動して、ドアの施錠や解錠等の遠隔操作が行われるように構成されている。
【0028】
なお、以上のように車両の製作途中で、受信装置14に送信装置7固有の識別コードを記憶させる際に、送信装置7よりも車両から離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合、図3(a)の波形図に示すように、この送信装置8からの電波信号A2は車両から離れているため、図2(a)に示した送信装置7の電波信号A1よりも振幅が小さく弱いものとなる。
【0029】
そして、この時、受信装置14の受信感度は上述したように、スイッチ11が切換えられ、強い電波は受信するが弱い電波は受信できない受信電力範囲L2となっているため、図3(b)に示すように、復調手段2から制御手段12にはパルス信号が入力されないようになっている。
【0030】
つまり、受信装置14に送信装置7の識別コードを記憶させる際に、離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合にも、制御手段12がスイッチ11を切換え、受信装置14の受信感度を、弱い電波は受信できない受信電力範囲L2に切換えることによって、車両から離れ弱い電波の送信装置8からの電波信号は制御手段12に入力されず、誤った識別コードが記憶手段4に記憶されないように構成されている。
【0031】
したがって、誤設定により、改めて送信装置7からの識別コードを記憶させるといった再設定を行う手間は生じず、容易に製作が行え、安価に受信装置14を構成できるようになっている。
【0032】
なお、送信装置7から固有の識別コードを受信し、これを記憶手段4に登録した後は、制御手段12が再びスイッチ11の切換えを行い、復調手段2を小さな抵抗値の固定抵抗器13Aに接続して、弱い電波でも受信可能な受信電力範囲に切換えるようになっている。
【0033】
このように本実施の形態によれば、復調手段2に接続されたスイッチ11と、複数の固定抵抗器13Aや13Bによって受信感度切換手段を設けると共に、このスイッチ11を制御手段12が制御して、送信装置7からの電波信号を記憶手段4に記憶させることによって、受信感度切換手段により受信感度が低下して、離れた箇所の別の送信装置8からの電波信号は制御手段12に入力されず、誤った識別コードが記憶手段4に記憶されないようになっているため、誤設定がなく、製作が容易で安価な受信装置14を得ることができるものである。
【0034】
(実施の形態2)
実施の形態2を用いて、本発明の他の実施の形態について説明する。
【0035】
なお、実施の形態1の構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0036】
図4は本発明の第2の実施の形態による受信装置のブロック回路図であり、同図において、1はアンテナ、2はIC等の復調手段で、アンテナ1がコイルやコンデンサを介して復調手段2に接続されると共に、この復調手段2には固定抵抗器13Aが接続されている。
【0037】
また、15はマイコン等の制御手段で、この制御手段15に復調手段2とIC等の記憶手段4が電気的に接続されると共に、制御手段15にはアンテナ1と復調手段2の間に接続されたスイッチ16が接続され、このスイッチ16と固定抵抗器17によって受信感度切換手段が形成されて、受信装置18が構成されている。
【0038】
そして、このような受信装置18が自動車の所定箇所に取付けられると共に、制御手段15がコネクタやリード線(図示せず)等によって、モータやソレノイド等から形成された車両の駆動手段6に電気的に接続される。
【0039】
さらに、7は携帯用の送信装置で、上面から複数の押釦7Bが突出した絶縁樹脂製のケース7A内には、収納されたアンテナやスイッチ、マイコン等によって送信手段や、送信装置毎に異なる識別コードや駆動コードが登録された記憶手段(図示せず)等が形成されている。
【0040】
以上の構成において、所定の操作によって車両に装着された受信装置18を登録モードにすると、制御手段15がスイッチ16の切換えを行い、アンテナ1が固定抵抗器17に接続されて、例えば図5の波形図に示すように、受信装置14の受信周波数H1が、これより1MHz前後ずれた受信周波数H2に切換わる。
【0041】
また、この状態で、車両の近傍で送信装置7の押釦7Bを押圧操作すると、送信装置7から固有の識別コードが、電波信号A1として送信され、これをアンテナ1が受信するが、この時、受信装置18の受信周波数は上記のように、1MHz前後ずれた受信周波数H2となっているため、図6(a)の波形図に示すように、電波信号A1は振幅の小さな電波信号A3となって、復調手段2に入力される。
【0042】
そして、この時、受信装置18の受信感度が受信電力範囲L1であった場合、復調手段2から制御手段15に、図6(b)に示すような、電波信号A3が復調されたパルス信号B1が入力され、この送信装置7固有の識別コードが記憶手段4に登録されることによって、送信装置7と受信装置18が適合し、送信装置7による受信装置18の遠隔操作が可能なように設定される。
【0043】
なお、以上のように個々の車両の製作途中で、受信装置18に送信装置7固有の識別コードを記憶させる際に、送信装置7よりも車両から離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合、この送信装置8からは図5に示すように、送信装置7の電波信号A1よりも振幅が小さく弱い電波信号A2が送信される。
【0044】
そして、この電波信号A2をアンテナ1が受信するが、受信装置18の受信周波数は受信周波数H2となっているため、図7(a)の波形図に示すように、電波信号A2はさらに振幅の小さな電波信号A4となって、復調手段2に入力される。
【0045】
したがって、受信装置18の受信感度が受信電力範囲L1であった場合には、図7(b)に示すように、復調手段2から制御手段15にはパルス信号が入力されず、送信装置8固有の識別コードは記憶手段4に登録されないようになっている。
【0046】
つまり、受信装置18に送信装置7の識別コードを記憶させる際に、離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合にも、制御手段15がスイッチ16を切換え、受信装置18の受信周波数を、正規の受信周波数H1から1MHz前後ずれた受信周波数H2に切換えることによって、車両から離れ弱い電波の送信装置8からの電波信号は制御手段15に入力されず、誤った識別コードが記憶手段4に記憶されないように構成されている。
【0047】
したがって、誤設定により、改めて送信装置7からの識別コードを記憶させるといった再設定を行う手間は生じず、容易に製作が行え、安価に受信装置18を構成できるようになっている。
【0048】
なお、以上のように送信装置7の固有の識別コードを記憶手段4に登録した後は、制御手段15が再びスイッチ16の切換えを行い、アンテナ1と固定抵抗器17の接続を切断して、正規の受信周波数H1で送信装置7からの電波を受信できるようにして、受信した電波信号の識別コードが送信装置7からの適合したものである場合には、制御手段15が駆動手段6を駆動して、ドアの施錠や解錠等の遠隔操作が行われるようになっている。
【0049】
このように本実施の形態によれば、アンテナ1と復調手段2の間に接続されたスイッチ16と、固定抵抗器17によって受信感度切換手段を設けると共に、このスイッチ16を制御手段15が制御して、送信装置7からの電波信号を記憶手段4に記憶させることによって、受信感度切換手段により受信感度が低下して、離れた箇所の別の送信装置8からの電波信号は制御手段15に入力されず、誤った識別コードが記憶手段4に記憶されないようになっているため、誤設定がなく、製作が容易で安価な受信装置18を得ることができるものである。
【0050】
(実施の形態3)
実施の形態3を用いて、本発明の他の実施の形態について説明する。
【0051】
なお、実施の形態1や2の構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0052】
図8は本発明の第3の実施の形態による受信装置のブロック回路図であり、同図において、1はアンテナ、2はIC等の復調手段で、アンテナ1がコイルやコンデンサを介して復調手段2に接続されると共に、この復調手段2に固定抵抗器13Aが接続されていることは実施の形態2の場合と同様である。
【0053】
また、19はマイコン等の制御手段で、この制御手段19に復調手段2とIC等の記憶手段4が電気的に接続されていることも実施の形態2の場合と同様であるが、制御手段19には受信感度切換手段としてのアンテナ20が接続されて、受信装置21が構成されている。
【0054】
そして、このような受信装置21が自動車の所定箇所に取付けられると共に、制御手段19がコネクタやリード線(図示せず)等によって、モータやソレノイド等から形成された車両の駆動手段6に電気的に接続される。
【0055】
さらに、7は携帯用の送信装置で、上面から複数の押釦7Bが突出した絶縁樹脂製のケース7A内には、収納されたアンテナやスイッチ、マイコン等によって送信手段や、送信装置毎に異なる識別コードや駆動コードが登録された記憶手段(図示せず)等が形成されている。
【0056】
以上の構成において、所定の操作によって車両に装着された受信装置21を登録モードにすると、制御手段19がアンテナ20を駆動して、図9(a)の波形図に示すような、電波信号A5を発信する。
【0057】
また、この状態で、車両の近傍で送信装置7の押釦7Bを押圧操作すると、送信装置7から固有の識別コードが、電波信号A1として送信され、これをアンテナ1が受信するが、この時、アンテナ20から上記のように電波信号A5が発信されているため、この電波もアンテナ1が受信することによって、図9(b)に示すように、電波信号A1は振幅の小さな電波信号A3となって、復調手段2に入力される。
【0058】
そして、この時、受信装置21の受信感度が受信電力範囲L1であった場合には、復調手段2から制御手段19に、図6(b)に示したような、電波信号A3が復調されたパルス信号B1が入力され、この送信装置7固有の識別コードが記憶手段4に登録されることによって、送信装置7と受信装置21が適合し、送信装置7による受信装置21の遠隔操作が可能なように設定される。
【0059】
なお、以上のように個々の車両の製作途中で、受信装置21に送信装置7固有の識別コードを記憶させる際に、送信装置7よりも車両から離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合、この送信装置8からは図10(a)の波形図に示すように、送信装置7の電波信号A1よりも振幅が小さく弱い電波信号A2が送信される。
【0060】
そして、この電波信号A2をアンテナ1が受信するが、この時、上記のようにアンテナ20から電波信号A5が発信されているため、この電波もアンテナ1が受信することによって、図10(b)に示すように、電波信号A2はさらに振幅の小さな電波信号A4となって、復調手段2に入力される。
【0061】
したがって、受信装置21の受信感度が受信電力範囲L1であった場合には、図7(b)に示したように、復調手段2から制御手段19にはパルス信号が入力されず、送信装置8固有の識別コードは記憶手段4に登録されないようになっている。
【0062】
つまり、受信装置21に送信装置7の識別コードを記憶させる際に、離れた箇所で別の送信装置8が操作された場合にも、制御手段19がアンテナ20を駆動して電波信号A5を発信し、受信装置21の受信感度を低下させることによって、車両から離れ弱い電波の送信装置8からの電波信号が制御手段19に入力されず、誤った識別コードが記憶手段4に記憶されないように構成されている。
【0063】
したがって、誤設定により、改めて送信装置7からの識別コードを記憶させるといった再設定を行う手間は生じず、容易に製作が行え、安価に受信装置21を構成できるようになっている。
【0064】
なお、以上のように送信装置7の固有の識別コードを記憶手段4に登録した後は、制御手段19はアンテナ20の駆動を停止し、正常な状態で送信装置7からの電波を受信できるようにして、受信した電波信号の識別コードが送信装置7からの適合したものである場合には、制御手段19が駆動手段6を駆動して、ドアの施錠や解錠等の遠隔操作が行われるようになっている。
【0065】
このように本実施の形態によれば、受信感度切換手段としてのアンテナ20を設けると共に、このアンテナ20を制御手段19が制御して、送信装置7からの電波信号を記憶手段4に記憶させることによって、アンテナ20の発信により受信感度が低下して、離れた箇所の別の送信装置8からの電波信号は制御手段19に入力されず、誤った識別コードが記憶手段4に記憶されないようになっているため、誤設定がなく、製作が容易で安価な受信装置21を得ることができるものである。
【0066】
なお、以上の説明では、制御手段12や15、19とは別に記憶手段4を設け、これらを接続した構成について説明したが、制御手段の内部メモリ等を用いて、記憶手段4を制御手段12や15、19に一体に形成した構成とすれば、装置の構成をより簡易なものとすることができる。
【0067】
また、以上の説明では、送信装置7から受信装置14や18、21へ電波信号を送信する、いわゆるキーレスシステムについて説明したが、送信装置と受信装置の双方に送信手段と受信手段を設け、送信装置と受信装置が互いに通信を行う、いわゆるスマートエントリシステムにおいても、本発明の実施は可能である。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明による受信装置は、誤設定がなく、製作が容易で安価なものが得られ、主に自動車のドアの施解錠等の操作用として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施の形態による受信装置のブロック回路図
【図2】同波形図
【図3】同波形図
【図4】本発明の第2の実施の形態による受信装置のブロック回路図
【図5】同波形図
【図6】同波形図
【図7】同波形図
【図8】本発明の第3の実施の形態による受信装置のブロック回路図
【図9】同波形図
【図10】同波形図
【図11】従来の受信装置のブロック回路図
【図12】同波形図
【図13】同波形図
【符号の説明】
【0070】
1 アンテナ
2 復調手段
4 記憶手段
6 駆動手段
7、8 送信装置
7A ケース
7B 押釦
11、16 スイッチ
12、15、19 制御手段
13A、13B 固定抵抗器
14、18、21 受信装置
17 固定抵抗器
20 アンテナ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信装置からの電波信号を受信するアンテナと、このアンテナの電波信号を復調する復調手段と、この復調手段に接続された制御手段と、この制御手段に接続された記憶手段からなり、受信感度切換手段を設けると共に、この受信感度切換手段を上記制御手段が制御して、上記電波信号を上記記憶手段に記憶する受信装置。
【請求項1】
送信装置からの電波信号を受信するアンテナと、このアンテナの電波信号を復調する復調手段と、この復調手段に接続された制御手段と、この制御手段に接続された記憶手段からなり、受信感度切換手段を設けると共に、この受信感度切換手段を上記制御手段が制御して、上記電波信号を上記記憶手段に記憶する受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−288664(P2008−288664A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128931(P2007−128931)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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