受信装置
【課題】視聴番組を中断させることなく移動先の受信エリアの番組にチャンネルを切替えることができる受信装置を提供する。
【解決手段】受信状態が良好な場合は、複数の受信部は同一チャンネルを選局して番組受信し、受信状態が低下した場合に、複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、番組受信用の受信部は番組受信を継続し、チャンネルサーチ用の受信部は中継局をサーチし、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルに切り替える。また、受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できない場合は、同一系列の放送局をサーチし、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルに切り替える。
【解決手段】受信状態が良好な場合は、複数の受信部は同一チャンネルを選局して番組受信し、受信状態が低下した場合に、複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、番組受信用の受信部は番組受信を継続し、チャンネルサーチ用の受信部は中継局をサーチし、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルに切り替える。また、受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できない場合は、同一系列の放送局をサーチし、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルに切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信や放送を受信する受信装置に係り、特に移動体に搭載されて移動しながら地上デジタル放送を受信する受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に放送局は、放送地域内の複数の場所に中継局を設置し、これらの中継局から放送電波を送出することで、放送の受信エリアを拡大している。中継局が同一周波数で送出していれば(SFN:Single Frequency Network)、別の受信エリアに移動しても、継続して番組を視聴することができる。しかし、中継局が互いに異なる周波数で送出している場合は(MFN:Multi Frequency Network)、他の受信エリアに移動すると、それまで視聴していた番組が受信できなくなる。
【0003】
このため、特に自動車などの移動体に搭載された放送受信装置では、別の受信エリアに移動し、視聴していた番組が受信できなくなった場合には、継続して番組を視聴するためにチャンネルサーチを行って受信可能な中継局の放送電波を探索し、チャンネルを再設定する必要がある。このチャンネルサーチを行っている間、番組を視聴できないという不都合があった。
【0004】
係る課題に鑑み特許文献1では、番組を受信するためのメインチューナと、チャンネルサーチを実行するためのサブチューナを備え、サブチューナで全周波数をサーチして各周波数の受信強度を検出し、受信強度が閾値以上のチャンネルを受信可能とし、これらのチャンネルのみをメインチューナにサーチさせることで、チャンネルサーチの時間短縮を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−13945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、番組を視聴しながらサブチューナで受信可能なチャンネルをサーチできるという利点があるが、最終的にチャンネル情報更新のためのチャンネルサーチはメインチューナで行うため、この間は番組視聴が中断されてしまうという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、受信可能な同一系列の番組を効率良くサーチし、視聴番組を中断させることなく移動先の受信エリアの番組にチャンネルを切り替える受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、放送信号を受信する受信装置であって、放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、放送電波の受信状態が良好な場合は、前記複数の受信部の全てに対して同一チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、放送電波の受信状態が低下した場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせることを特徴としている。
【0008】
また本発明は、放送信号を受信する受信装置であって、放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、現在の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作と前記位置情報取得部の位置情報取得処理を制御する制御部とを備え、前記制御部は、放送電波の受信状態が良好な場合は、前記複数の受信部の全てに対して同一チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、放送電波の受信状態が低下した場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合は、前記位置情報取得部より取得した現在位置と視聴番組のTSに含まれる地域識別情報から得られる放送地域を比較し、前記現在位置が前記放送地域内である場合は、前記複数の受信部の全てに対して現在の受信チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、また、前記現在位置が前記放送地域外である場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせることを特徴としている。
【0009】
また本発明は、前記受信装置において、前記放送電波の受信状態が低下した場合とは、受信チャンネルにおいて、ノイズやフェージングなどの妨害要因から受ける影響に対する耐性が相対的に弱い弱階層伝送の番組を視聴できず、これらからの耐性が相対的に強い強階層の番組を視聴している場合であることを特徴としている。
【0010】
また本発明は、放送信号を受信する受信装置であって、放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、放送電波の受信状態が低下し強階層の番組が視聴不可となった場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、また、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見できなかった場合は、前記合成部に対して前記複数の受信部の全てが出力する前記複数の復調信号を合成させ、第3のサーチとして前記複数の受信部の全てを用いて視聴番組の中継局又は同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、放送信号を受信する受信装置であって、放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、現在の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作と前記位置情報取得部の位置情報取得処理を制御する制御部とを備え、前記制御部は、放送電波の受信状態が低下し強階層の番組が視聴不可となった場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルが発見できなかった場合は、前記位置情報取得部より取得した現在位置と視聴番組のTSに含まれる地域識別情報から得られる放送地域を比較し、前記現在位置が前記放送地域内である場合は、前記複数の受信部の全てに対して現在の受信チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、また、前記現在位置が前記放送地域外である場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、また、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見できなかった場合は、前記合成部に対して前記複数の受信部の全てが出力する前記複数の復調信号を合成させ、第3のサーチとして前記複数の受信部の全てを用いて視聴番組の中継局又は同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせることを特徴としている。
【0012】
また本発明は、前記受信装置において、前記制御部は、放送電波の受信状態がさらに低下し強階層の番組が視聴不可となった場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第4のサーチとして所定の候補チャンネルをサーチさせ、前記第4のサーチの結果、前記所定の候補チャンネルが受信可能であった場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記所定の候補チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、また、前記第4のサーチの結果、前記所定の候補チャンネルが視聴不可であった場合は、所定時間に達するまで前記所定の候補チャンネルのサーチを継続し、前記所定時間に達する前に、現在の番組受信チャンネルと前記所定の候補チャンネルのいずれかが視聴可能となった場合には、前記複数の受信部の全てに対して前記視聴可能となった方のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、前記所定時間に達するまで、現在の番組受信チャンネルと前記所定の候補チャンネルのいずれもが視聴不可であった場合には、前記合成部に対して前記複数の受信部の全てが出力する前記複数の復調信号を合成させ、第3のサーチとして前記複数の受信部の全てを用いて視聴番組の中継局又は同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせることを特徴としている。
【0013】
また本発明は、前記受信装置において、前記候補チャンネルとは、現在の視聴番組に対して直近に受信したチャンネルを用いることを特徴としている。
また本発明は、前記受信装置において、更に現在の位置情報を取得する位置情報取得部を備え、前記候補チャンネルとは、受信機の現在位置が視聴番組の放送地域と異なる場合は、受信機の前記現在位置を放送地域とする同一系列の放送局について、直近に受信したチャンネルを用いることを特徴としている。
また本発明は、前記受信装置において、前記候補チャンネルとは、視聴番組に対する前記第1のサーチを実施した際に、受信可能ではあるが視聴チャンネルよりは受信不良であった直近のチャンネルを用いることを特徴としている。
【0014】
また本発明は、前記受信装置において、更に現在の位置情報を取得する位置情報取得部を備え、前記候補チャンネルとは、受信機の現在位置が視聴番組の放送地域と異なる場合は、受信機の前記現在位置を放送地域とする同一系列の放送局について、視聴番組に対する前記第2のサーチを実施した際に、受信可能ではあるが視聴チャンネルよりは受信不良であった直近のチャンネルを用いることを特徴としている。
また本発明は、前記受信装置において、中継局サーチを実行する際に探索するチャンネルは、製品出荷時に予めプリセットした視聴番組の探索対象チャンネルと、視聴番組のNITに記述されている中継局が使用するチャンネル情報を加えたチャンネルであることを特徴としている。
【0015】
また本発明は、放送信号を受信する受信装置であって、放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成して伝送路復号を施す第1及び第2の合成・復号部と、前記第1及び第2の合成・復号部が出力するTS信号のいずれか一方のTS信号を多重分離・デコード処理を施して映像及び音声信号を出力するデコード部と、前記複数の受信部の選局動作と前記第1及び第2の合成・復号部の動作と前記デコード部の動作を制御する制御部とを備え、前記複数の受信部のうち第1のチャンネルを選局している1つ以上の受信部(第1の受信グループ)より出力される復調信号が前記第1の合成・復号部に供給され、且つ、前記複数の受信部のうち第2のチャンネルを選局している1つ以上の受信部(第2の受信グループ)より出力される復調信号が前記第2の合成・復号部に供給され、さらに、前記第1の合成・復号部より出力されるTS信号が前記デコード部に供給されて前記第1のチャンネルに対する多重分離・デコード処理を行っている場合において、前記複数の受信部の全てが前記第2のチャンネルを選局し、前記デコード部が前記第2のチャンネルに対する多重分離・デコード処理を行うため、前記制御部は、まず、前記第1の合成・復号部に対して前記デコード部へのTS信号の出力を停止させると共に、前記第2の合成・復号部が出力するTS信号を前記デコード部へ供給させ、続いて、前記第1の受信グループに対して前記第2のチャンネルを選局させ、その後、前記第1の受信グループが出力する復調信号を前記第2の合成・復号部に供給させ、前記第2の合成・復号部に対して前記第1及び第2の受信グループが出力する復調信号を合成して伝送路復号させるように制御することを特徴としている。
また本発明は、前記受信装置において、さらにTS信号を入力して多重分離・デコード処理を施して映像及び音声信号を出力するデコード部を備え、前記合成部が出力する複数のTS信号のいずれか一つが前記デコード部に供給される構成であって、前記デコード部に供給される信号の切り替え制御は、前記記載の切り替え制御であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、受信可能な同一系列の番組を効率良くサーチ可能であると共に、視聴番組を中断させることなく移動先の受信エリアの番組にチャンネルを切り替える受信装置を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態における受信装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】復調・ダイバ合成部13の構成を示すブロック図である。
【図3】制御部17の動作を示すフローチャートである。
【図4】チャンネル切り替え時の復調・ダイバ合成部13の構成を示すブロック図である。
【図5】受信装置100に位置情報検出部19を付加したブロック図である。
【図6】制御部17が格納するデータベース情報である。
【図7】第2の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。
【図9】第4の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。
【図10】ステップS901の詳細動作を示すフローチャートである。
【図11】第5の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。
【図12】ステップS1101の詳細動作を示すフローチャートの第1の例である。
【図13】ステップS1101の詳細動作を示すフローチャートの第2の例である。
【図14】ステップS1101の詳細動作を示すフローチャートの第3の例である。
【図15】ステップS1101の詳細動作を示すフローチャートの第4の例である。
【図16】放送地域の一覧である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に基づいて詳細に説明する。
なお、本発明の実施の形態における受信装置では、日本の地上デジタル放送の伝送方式であるISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)による放送信号を受信し、MPEG2−TS(Transport Stream)(以下、TS信号)形式の映像・音声信号をデコードすることができる。ISDB−Tでは、1チャンネルの伝送帯域を13個のセグメントに分割し、それぞれのセグメントを組み合わせて、最大3階層までの階層伝送を行うことができる。
【0019】
現在、この階層伝送を利用し、12個のセグメントを使用して固定受信端末向けの高画質な放送(以下、12セグ放送)と、残りの1個のセグメントを使用して携帯受信端末向けの低画質な放送(以下、ワンセグ放送と称する)が行われている。12セグ放送とワンセグ放送は、同じ番組内容を放送するサイマル放送が主流である。ここで、12セグ放送は、伝送容量が大きく高画質な放送であるがノイズ耐性に弱く、放送電波の信号品質が比較的良好でないと正しくデコードできず視聴できない。一方、ワンセグ放送は、伝送容量が小さく低画質な放送であるがノイズ耐性に強く、放送電波の信号品質が比較的劣化していても正常に視聴できるという特徴がある。本発明の実施の形態における受信装置では、12セグ放送とワンセグ放送の両方の受信機能を有しており、放送電波の信号品質の良否に応じてどちらか一方の映像・音声信号を選択してディスプレイやスピーカなどに出力することができる。
【0020】
図16は、地域識別割り当て(ARIB TR−B14)を示し、各放送事業者は割り当てられた放送対象地域に対し、当該放送があまねく受信できるように同一番組を送出する中継局を設置しており、本発明の実施の形態における受信装置は、視聴番組に関する中継局をサーチする機能を有している。また、放送地域を超えた番組配信を行うなどのために、放送番組の相互配信を行う関係にある放送事業者を系列局と呼び、本発明の実施の形態における受信装置は、視聴番組と同一系列の放送局をサーチする機能を有している。
【実施例1】
【0021】
図1は、第1の実施の形態における受信装置100の構成を示すブロック図である。
同図において、10aは第1のチューナ部を示し、アンテナ部11a、選局部12aを含んでいる。アンテナ部11aは、放送電波を受信して選局部12aに供給する。選局部12aは、供給された放送電波の中から後述する制御部17より指示されたチャンネルを抽出及び周波数変換を施し、所望のチャンネル信号を復調・ダイバ合成部13に供給する。
【0022】
また、10b〜10dは第2〜第4のチューナ部を示し、チューナ部10bはアンテナ部11bと選局部12b、チューナ部10cはアンテナ部11cと選局部12c、チューナ部10dはアンテナ部11dと選局部12dを各々含んでいる。アンテナ部11b〜11dはアンテナ部11a、選局部12b〜12dは選局部12aと同様な構成であり、説明を省略する。
【0023】
図2は、復調・ダイバ合成部13の構成を示すブロック図である。
図2の(a)において、130a〜130dは各々チューナ部10a〜10dより供給されたチャンネル信号を示す。復調部131a〜131dは、各々のチャンネル信号130a〜130dに対して、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調処理を行い、復調信号をダイバ合成部132aに供給する。ダイバ合成部132aは、供給された4つの復調信号に対して、ダイバ合成処理を行う。具体的には、各々のOFDM復調過程で抽出される複数のサブキャリアについて、サブキャリア毎に重み付け合成する最大比合成法を利用する。そして、ダイバ合成処理された後のダイバ合成信号に対して、伝送路復号部133aにおいて伝送路復号を行い、その結果抽出されたTS信号は、TS接続部134(a端子→b端子)を介して、TS解析部14aに出力される。
【0024】
また、復調・ダイバ合成部13は、ダイバ合成部132bと伝送路復号部133bを備えており、図2の(b)で示すように、復調部131a及び131bより供給された2つの復調信号に対してダイバ合成部132aがダイバ合成処理を行い、復調部131c及び131dより供給された2つの復調信号に対してダイバ合成部132bがダイバ合成処理を行うこともできる。このとき、ダイバ合成部132bでダイバ合成処理が行われたダイバ合成信号は、伝送路復号部133bにおいて伝送路復号され、その結果抽出されたTS信号は、TS接続部134を介して(c端子→d端子)、TS解析部14bに出力される。
【0025】
但し、ダイバ合成部132a及び132bがダイバ合成処理を行う復調信号と復調部の組合せは、上記の組合せに限定されるものではない。
更に、復調・ダイバ合成部13におけるダイバ合成処理の方法は、最大比合成法に限定されるものではなく、例えば、最大電力のチャンネル信号を選択してその他のチャンネル信号を破棄する選択合成法、各々のチャンネル信号の位相を同一にして合成する等利得合成法などを用いることもできる。
【0026】
ここで、ダイバ合成部132a又は132bにおいてダイバ合成処理を行う復調信号の数が多いほど、ノイズ耐性が向上し走行中の受信状態を良好に保つことができるという特徴がある。
一方、復調・ダイバ合成部13は、OFDM復調及び伝送路復号を行う際にBER(Bit Error Rate)、PER(Packet Error Rate)、CNR(Carrier to Noise Ratio)、受信電力、同期状態などの受信信号の品質を示す情報(以下、信号品質値)を抽出し、後述する制御部17に供給する。以下、信号品質値は大きいほど受信状態は良好、小さいほど受信状態は不良であるものとする。
【0027】
TS解析部14aは、TS接続部134のb端子より供給されたTS信号から、番組特定情報(PSI:Program Specific Information)及び番組配列情報(SI:Service Information)を抽出し、制御部17に供給する。また、TS解析部14aは、抽出されたPSI/SIから映像及び音声が含まれるTSパケットの識別子(PID:Packet Identifier)を抽出し、TS信号を各PIDでフィルタリングして映像TSパケット及び音声TSパケットを映像・音声デコード部15に出力する。また、TS解析部14bは、TS接続部134のd端子より供給されたTS信号から、TS解析部14aと同様にPSI/SIを抽出し、制御部17に供給する。
【0028】
映像・音声デコード部15は、TS解析部14aより供給された映像及び音声のTSパケットをデコードし、デコードされた映像・音声信号をディスプレイやスピーカなどから構成された出力部16に供給する。映像・音声デコード部15は、MPEG−2(Moving Picture Experts Group 2)で符号化されている12セグ放送、及びH.264で符号化されているワンセグ放送の両方をデコード可能であり、後述する制御部17からの指示に基づき、デコードされた12セグ放送の映像・音声信号又はワンセグ放送の映像・音声信号のうち、どちらか一方を選択し、出力部16に供給する。
【0029】
出力部16は、ディスプレイやスピーカを含み、供給された映像信号をディスプレイに表示し、音声信号をスピーカから出力する。
制御部17は、受信装置100の全体及び受信装置100に含まれる各機能ブロックの動作制御を行う。
操作部18は、例えば、出力部16のディスプレイ上に構成されたタッチパネル式の選局ボタン、又はリモコンの選局ボタンなどから構成され、ユーザが選局操作を行うと、制御部17に選局情報が供給される。
【0030】
ここで、映像・音声デコード部15が、12セグ放送の映像・音声信号とワンセグ放送の映像・音声信号のうち、どちらを選択するべきかを決定するためのアルゴリズムを説明する。制御部17は、復調・ダイバ合成部13より供給される視聴チャンネルの信号品質値を監視し、信号品質値が所定条件を満たしている場合は映像・音声デコード部15に対して12セグ放送を出力するように制御し、信号品質値が所定条件を満たしていない場合は映像・音声デコード部15に対してワンセグ放送を出力するように制御する。前述の所定条件として、例えば、12セグ放送のBERが1E−3に相当する信号品質値以上の場合は12セグ放送、1E−3に相当する信号品質以下の場合はワンセグ放送を出力するように制御すれば良い。また、例えば、走行時は放送電波の受信状態が大きく変動するため、定期的に取得した複数の信号品質値が全て不良となった場合は12セグ放送からワンセグ放送、定期的に取得した複数の信号品質値が全て良好となった場合はワンセグ放送から12セグ放送を出力するように切り替えることで、12セグ放送とワンセグ放送の頻繁な切り替えの発生を低減することができる。
【0031】
以下、図3を用いて受信装置100の受信動作を説明する。
図3は、第1の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。
ユーザによる選局操作が行われると、操作部18より制御部17に対して選局情報が供給され、同図のフローチャートに従い、受信動作を開始する。
【0032】
まず、ステップS301において、制御部17は、操作部18からの選局情報を受け、視聴チャンネルを選局部12a〜12dに設定する。
次に、ステップS302で、制御部17は、図2の(a)に示すように、ダイバ合成部132aに対して、4つの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせると共に、伝送路復号部133aより抽出したTS信号をTS接続部134(a端子→b端子)を介してTS解析部14aに出力する。映像・音声デコード部15でデコードされた映像・音声信号は出力部16に供給され、これによりユーザは所望の番組を視聴することができる。
【0033】
次に、ステップS303において、制御部17は、前述した12セグ放送とワンセグ放送の切り替えアルゴリズムにおいて、12セグ放送からワンセグ放送への切り替えが発生したか否かを監視する。12セグ放送からワンセグ放送への切り替えが発生していない場合、すなわちユーザが12セグ放送を視聴している場合は、ワンセグ放送への切り替えが発生するまで、ステップS303の判定を繰り返し、また、12セグ放送からワンセグ放送への切り替えが発生した場合は、ステップS304に進む。但し、前述したステップS302における4ダイバ合成処理が終了した時点で、12セグ放送が視聴不可でワンセグ放送を視聴していた場合については、本ステップS303の判定は実施せずに、ステップS304に進むものとする。
【0034】
ステップS304では、前述したステップS303とは逆に、ワンセグ放送から12セグ放送への切り替えが発生したか否かを判定し、12セグ放送への切り替えが発生した場合はステップS303に戻り、ワンセグ放送を継続して視聴している場合はステップS305に進む。続くステップS305では、ステップS303において「YES」と判定されてからの時間が設定時間を経過したか否かを判定する。そして、設定時間未満の場合はステップS304に戻り、設定時間に達した場合はステップS306に進む。
【0035】
次に、ステップS306では、番組受信を継続させながらチャンネルサーチを並行して実行するために、制御部17は、図2の(b)に示すように、ダイバ合成部132aに対して、復調部131c及び131dより供給される2つの復調信号をダイバ合成処理から切り離し、復調部131a及び131bの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせる(以下、復調部131a及び131b、ダイバ合成部132a、伝送路復号部133aを視聴系統と呼ぶ)。また、制御部17は、ダイバ合成部132aより切り離された復調部131c及び131dの復調信号をダイバ合成部132bに出力し、ダイバ合成部132bはこれら2つの復調信号を用いたダイバ合成処理を行う(以下、復調部131c及び131d、ダイバ合成部132b、伝送路復号部133bをサーチ系統と呼ぶ)。なお、ダイバ合成部132a及び132bに供給される復調信号は上記の組合せに限定されるものではなく、任意の2つの復調信号を用いてダイバ合成処理を行うこともできる。
このように4つの復調信号を用いたダイバ合成処理を分割して、視聴系統とサーチ系統の2系統動作を行わせることでダイバ合成処理によるノイズ耐性の向上効果は減じられるが、番組受信を継続させながらチャンネルサーチを並行して実行することが可能となる。
【0036】
次に、ステップS307において、復調・ダイバ合成部13のサーチ系統側を用いて中継局のチャンネルを探索する。具体的な探索手順を以下に示す。
まず、制御部17は、サーチ系統側に属する選局部12c及び12dに対して、中継局が使用するチャンネルの中のいずれか1つを選局する。その結果、復調・ダイバ合成部13に供給された各々のチャンネル信号130c及び130dは、復調部131c及び131dにて復調処理が行われ、各々の復調信号はダイバ合成部132bでダイバ合成処理され、伝送路復号部133bで伝送路復号が行われ、TS接続部134(c端子→d端子)を介してTS信号が抽出される。制御部17は、サーチ系統より当該チャンネルの信号品質値を取得し、例えば同期状態などから当該チャンネルに放送信号が存在するか否かを判断する。当該チャンネルに放送信号が存在しないと判断した場合は、後述する中継局が使用するその他のチャンネルについての探索処理に進む。当該チャンネルに放送信号が存在すると判断した場合は、TS解析部14bに対して、TS解析部14bに供給されたTS信号より、PSI/SIを抽出させ、制御部17に出力させる。制御部17は、PSI/SIの1つであるNIT(Network Information Table)を参照し、NITに含まれているネットワークID(network_id)が視聴番組のネットワークIDと一致するか否かを判定する。ネットワークIDが一致する場合は中継局、一致しない場合は中継局ではないと判断できる。当該チャンネルが中継局であると判定した場合は、復調・ダイバ合成部13のサーチ系統より、当該チャンネルの信号品質値を取得し、メモリに格納する。ここで、メモリは図1には記載していないが、制御部17の内部にあっても良いし、制御部17からアクセスできる位置にあればよい。
【0037】
上記した探索処理を中継局が使用する全てのチャンネルに対して実行する。なお、中継局が使用する全てのチャンネルに関する情報は、視聴番組のNITに記述されており、制御部17は本探索処理を実行する前に、予め視聴番組のNITに記述された中継局のチャンネル情報をメモリに格納しておく。但し、NITに記述されている中継局のチャンネル情報には、実際に使用されている全てのチャンネル情報が記述されているという保障は無い。このため、実際に使用されている中継局のチャンネル情報を調査して受信装置の出荷時にプリセットしておき、視聴番組のNITを参照した際にプリセットしたチャンネル以外のチャンネルが存在した場合に、当該チャンネルをメモリに追加していけば良い。
【0038】
次に、ステップS308では、制御部17は、まず復調・ダイバ合成部13より視聴系統の信号品質値を取得し、現在の視聴チャンネルの受信状態を確認する。そして、視聴系統の信号品質値と、前述したステップS307で取得した最良の信号品質値(但し、現在の視聴チャンネルの信号品質値は対象外)を比較し、前者が大きい場合はステップS310、後者が大きい場合はステップS309に進む。
【0039】
ステップS309では、ステップS307で発見した最良の信号品質値を有するチャンネルに視聴チャンネルを切り替える処理を行う。具体的には、図4に示すように、制御部17は、まず選局部12c及び12dに対して、切り替え先のチャンネルを選局させる。次に、制御部17は、TS接続部134のc端子とb端子を接続し、サーチ系統のTS信号をTS解析部14aに供給する。続いて、制御部17は、選局部12a及び12bに切り替え先のチャンネルを選局し、そして復調部131a及び131bの復調信号をダイバ合成部132bに供給し、ダイバ合成部132bに対して、4つの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせる。但し、後述するステップS311の処理において、切り替え先のチャンネルが同一系列の放送局と判定された場合は、それまでの視聴番組とはTS信号のストリーム内容が異なるため、前記したTS接続部134の接続先変更時に、映像・音声デコード部15に対して、デコード処理のリセットをかける。以上の処理により、スムーズなチャンネル切り替えを行うことができる。
【0040】
一方、ステップS308において、視聴チャンネルよりも信号品質値が良好な中継局のチャンネルを発見できなかったと判定された場合は、ステップS310〜S312で他の地域における視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルを探索する。具体的な探索手順を以下に示す。
まず、ステップS310において、制御部17は、選局部12c及び12dに対して、後述する「系列局サーチ時のチャンネル選局順序」に基づき、1つ目のチャンネルを選局する。
【0041】
次に、ステップS311を説明する。前述したステップS310で選局した結果、復調・ダイバ合成部13に供給された各々のチャンネル信号130c及び130dは、復調部131c及び131dにて復調処理が行われ、各々の復調信号はダイバ合成部132bでダイバ合成処理され、伝送路復号部133bで伝送路復号が行われてTS信号が抽出される。制御部17は、サーチ系統より当該チャンネルの信号品質値を取得し、例えば同期状態などから当該チャンネルに放送信号が存在するか否かを判断する。当該チャンネルに放送信号が存在しないと判断した場合は、ステップS311の処理を中断してステップS312に進む。当該チャンネルに放送信号が存在する判断した場合は、TS解析部14bに対して、TS解析部14bに供給されたTS信号より、PSI/SIを抽出させ、制御部17に出力させる。
【0042】
制御部17は、PSI/SI情報の1つであるBIT(Broadcaster Information Table)を参照し、BITに含まれている系列ID(affiliation_id)が視聴番組の系列IDと一致するか否かを判定する。系列IDが一致する場合は同一系列の放送局、一致しない場合は同一系列の放送局ではないと判断できる。当該チャンネルが同一系列の放送局であると判定した場合、制御部17は、復調・ダイバ合成部13のサーチ系統より当該チャンネルの信号品質値、及び視聴系統より現在の視聴チャンネルの信号品質値をそれぞれ取得して両者を比較し、サーチ系統の信号品質値が大きい場合はステップS309に進み、視聴系統の信号品質値が大きい場合はステップS312に進む。ステップS309では、前記の通り、発見した同一系列の放送局のチャンネルへの切り替え処理が行われ、現在の視聴番組よりも受信状態が良好な系列局のチャンネルに切り替えることができる。
【0043】
ステップS312では、後述する「系列局サーチ時のチャンネル選局順序」に基づき、次に探索するチャンネルが存在する場合はステップS310に戻り次のチャンネルを選局させる。他に探索するチャンネルが存在しない場合はステップS313に進む。ステップS313では、制御部17は、選局部12c及び12dに対して、現在の視聴チャンネルを選局させる。そして、復調・ダイバ合成部13に対して、図2の(a)に示すように、ダイバ合成部132aに対して、4つの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせる。これにより、現在の視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局又は同一系列の放送局のチャンネルを発見できなかった場合は、チャンネルサーチ前の受信構成に戻すことができる。
【0044】
ここで、前述した「系列局サーチ時のチャンネル選局順序」について、2例を説明する。
1つ目の例は、地上デジタル放送で使用されている全てのチャンネル(13〜62チャンネル、但し2012年7月25日以降は13〜52チャンネル)について、チャンネル番号の昇順又は降順に選局を行う方法である。この方法は、後述する2つ目の例と比較して、選局順序の決定方法が単純であるという利点がある。
2つ目の例は、受信機の位置情報、及びメモリに格納したデータベース情報を活用して、同一系列の放送局を効率的に探索する方法である。詳細を以下に説明する。
【0045】
図5は、図1で示した受信装置100に、GPS(Global Positioning System)などを利用して受信機の現在位置を取得可能な位置情報検出部19を加えた構成である。
図6は、制御部17に予め格納するデータベース情報であって、601は、放送地域を単位として各放送局の系列IDや中継局の送信チャンネルなどの情報を整理した放送局データベース、602は、各放送地域について隣接地域の情報を整理した隣接地域データベースである。
【0046】
制御部17は、位置情報検出部19より位置情報を取得して受信機が現在位置している放送地域を把握し、放送局データベース601より、系列IDを基にして受信機が現在位置している放送地域における同一系列の放送局を調べ、当該放送局の中継局の送信チャンネルを順に選局する。例えば、視聴番組の系列ID=3、受信機が現在位置している放送地域が「宮城」の場合は、系列ID=3のTBCテレビが使用する中継局の送信チャンネル18、19、22、23、27、44、45を順に選局する。
【0047】
また、上記のチャンネルを探索しても受信状態が良好な同一系列の放送局を発見できない場合、制御部17は、隣接地域データベース602を参照し、受信機が現在位置している放送地域に隣接する地域を調べ、各隣接地域に存在する同一系列の放送局が使用する中継局のチャンネルを順に選局する。例えば、視聴番組の系列ID=3、受信機が現在位置している放送地域が「宮城」の場合は、隣接地域データベース602より「岩手」、「福島」、「山形」を隣接地域として抽出し、放送局データベース601より、各隣接地域で系列ID=3の放送局が使用する中継局の送信チャンネルを順に探索する。位置情報検出部19より、受信機の現在位置が「宮城」地域内のさらに詳細な位置が分かれば、その結果を参考にして、複数ある隣接地域に優先順位をつけて探索をすることで、同一系列の放送局の探索効率を向上することが可能となる。
更に、上記のチャンネルを探索しても受信状態が良好な同一系列の放送局を発見できない場合、制御部17は、地上デジタル放送で使用されている全てのチャンネルのうち、まだ選局を行っていないチャンネルを順に選局する。
【0048】
以上のように、本実施の形態によれば、高画質な12セグ放送が視聴可能な場合は番組受信のみとし、視聴番組の電波状態が低下して12セグ放送が視聴不可となった場合に、ワンセグ放送を視聴しながら中継局のチャンネルを探索し、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルに切り替えて視聴することができる。また、受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合は、同一系列の放送局のチャンネルを探索し、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局があれば、そのチャンネルに切り替えて視聴することができる。
【実施例2】
【0049】
図7は、第2の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。同図において、図3で示した第1の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートとの違いは、ステップS701の判定処理を追加したことである。また、第2の実施の形態における受信装置100の構成は、図1に示すブロック図と同様であり、また図5と同様に受信装置100に対して位置情報検出部19より受信機の現在位置が通知される。
以下、図7を用いて受信装置100の受信動作を説明する。図7において、図3で示したフローチャートと同一番号を付したステップは同一処理を示し、説明を省略する。
【0050】
ステップS308においてNO判定の場合、すなわち、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合、ステップS701に進む。ステップS701において、制御部17は、位置情報検出部19より位置情報を取得し、受信機が現在位置している放送地域が視聴番組の放送地域と一致するか否かを判定する。受信機が現在位置している放送地域と視聴番組の放送地域が一致する場合は、前述したステップS313に進み、同一系列の放送局のチャンネルは探索せずに、チャンネルサーチを終了する。また、受信機が現在位置している放送地域と視聴番組の放送地域が一致しない場合は、ステップS310に進み、第1の実施の形態と同様に、同一系列の放送局を探索する。
【0051】
ここで、視聴番組の放送地域に関する情報は、視聴番組のPSI/SIに含まれるサービスID(service_id)の上位6ビットが地域識別として割り当てられており、この識別番号を参照することで知ることができる。あるいは、図6で示した放送局データベース601をメモリに格納している場合は、受信機が現在位置している放送地域に視聴番組の放送局名が記載されていれば、受信機が現在位置している放送地域と視聴番組の放送地域が一致すると判断することができる。
【0052】
以上のように、本実施の形態によれば、視聴番組の電波状態が低下して12セグ放送が視聴不可となった場合に、ワンセグ放送を視聴しながら中継局のチャンネルを探索し、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルに切り替えて視聴することができる。また、受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合、受信機が現在位置している放送地域が視聴番組の放送地域以外に位置していれば、受信機が現在位置している放送地域における同一系列の放送局のチャンネルを探索し、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局があれば、そのチャンネルに切り替えて視聴することができる。また、受信機が現在位置している放送地域と視聴番組の放送地域が一致する場合には、同一系列の放送局に視聴チャンネルが切り替わる可能性が低く(ステップS701のYES)、同一系列の放送局を探索しないことで、チャンネルサーチに要する時間を短縮し、チャンネルサーチ時に番組視聴のために使用するチューナ部が4つから2つへ減少することによる受信感度の低下を短時間に抑えることができる効果がある。
【実施例3】
【0053】
図8は、第3の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。同図において、図3で示した第1の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートとの違いは、ステップS801〜S803を追加したことである。
以下、図8を用いて受信装置100の受信動作を説明する。なお、図8において、図3で示したフローチャートと同一番号を付したステップは同一処理を示し、説明を省略する。
【0054】
ステップS801は、ワンセグ放送を視聴し、かつステップS303において「YES」判定されてからの時刻が設定時間未満の場合に、繰り返し実行される。ステップS801において、制御部17は、12セグ放送及びワンセグ放送が視聴可能であるか否かを判定し、12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可となった場合はステップS306に進み、12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能である場合はステップS305に進む。ここで、ワンセグ放送が視聴可能であるか否かの判定は、例えば、復調・ダイバ合成部13よりワンセグ放送のBERを取得し、BER≧1E−2の場合は視聴不可、BER<1E−2の場合は視聴可能と判定することができる。あるいは、複数のワンセグ放送のBERを取得し、これら全てがBER≧1E−2の場合は視聴不可、また複数のワンセグ放送のBERが全てBER<1E−2の場合は視聴可能と判定することで、頻繁な切り替わりを低減することができる。更に、例えば、12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可となった場合に、出力部15のディスプレイ上に「受信できません」等のメッセージを表示する機能が存在する場合は、メッセージ表示のタイミングと同期して12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可と判定しても良い。
【0055】
前述したステップS801により、ワンセグ放送を視聴している際に放送電波の受信状態が低下して12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可となった場合に、即座にチャンネルサーチを実行することができる。また、番組受信を継続させながらチャンネルサーチを並行して実行しているため、電波状況が回復した場合は番組視聴が可能になると共に、チャンネルサーチで受信状態が良好な中継局や同一系列の放送局を発見した場合には、当該チャンネルに切り替えて視聴することができる。
【0056】
次に、ステップS312において「YES」判定となり、同一系列の放送局の探索処理が終了した場合、ステップS802に進む。ステップS802では、制御部17は、復調・ダイバ合成部13より視聴系統の信号品質値を取得して現在の視聴チャンネルの視聴可否を判定し、12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可の場合はステップS803に進む。また、12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能の場合は前述したステップS313に進み、チャンネルサーチ前の4ダイバ合成処理による番組視聴を行う。
【0057】
ステップS803では、制御部17は、まず、復調部131c及び131dの復調処理を停止し、次に復調部131c及び131dの復調信号をダイバ合成部132aに供給し、ダイバ合成部132aに対して、4つの復調信号によるダイバ合成処理を行わせる。そして、制御部17は、4つのチューナ部10a〜10dを用いて中継局及び同一系列の放送局の探索処理を実施する。具体的には、前述したステップS307及びS308と同様に、中継局が使用する全てのチャンネルを探索し、受信状態が最良の中継局のチャンネルを選局する。また、受信可能な中継局を発見できない場合は、前述したステップS310〜S312と同様に、同一系列の放送局を探索し、受信可能な同一系列の放送局を発見した場合は、当該チャンネルを選局する。更に、同一系列の放送局を発見できなかった場合は、受信可能な中継局又は同一系列の放送局を発見するまで中継局及び同一系列の放送局を繰り返し探索する。
【0058】
ステップS802及びS803の実施により、現在の視聴チャンネルの12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可で、かつ並行して実施された2つのチューナ部10c及び10dを用いたチャンネルサーチで中継局又は同一系列の放送局のチャンネルを発見できなかった場合は、視聴チャンネルのチューナ部10a及び10bを含めた4つのチューナ部10a〜10dを用いて受信感度の高いチャンネルサーチを実施することができる。
【実施例4】
【0059】
図9は、第4の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。同図において、図3で示した第1の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートとの違いは、ステップS801及びS901を追加したことである。
以下、図9を用いて受信装置100の受信動作を説明する。なお、図9において、図3で示したフローチャートと同一番号を付したステップは同一処理を示し、説明を省略する。
【0060】
ステップS801は、ワンセグ放送を視聴し、かつステップS303において「YES」判定されてからの時刻が設定時間未満の場合に、繰り返し実行される。ステップS801において、制御部17は、12セグ放送及びワンセグ放送が視聴可能であるか否かを判定し、12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可となった場合はステップS901に進み、12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能である場合はステップS305に進む。ここで、ワンセグ放送が視聴可能であるか否かの判定は、例えば、復調・ダイバ合成部13よりワンセグ放送のBERを取得し、BER≧1E−2の場合は視聴不可、BER<1E−2の場合は視聴可能と判定することができる。また、例えば、ワンセグ視聴不可となった場合に、出力部15のディスプレイ上に「受信できません」等のメッセージを表示する機能が存在する場合は、メッセージ表示のタイミングと同期して12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可と判定しても良い。
【0061】
次に、ステップS901の処理手順を図10を用いて詳細に説明する。図10は、ステップS901の動作を示すフローチャートである。
図10において、まずステップS306では、制御部17は、図2の(b)に示すように、ダイバ合成部132aに対して、復調部131c及び131dより供給される2つの復調信号をダイバ合成処理から切り離し、復調部131a及び131bの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせる。また、制御部17は、ダイバ合成部132aより切り離された復調部131c及び131dの復調信号をダイバ合成部132bに出力し、ダイバ合成部132bに対してこれら2つの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせる。なお、ダイバ合成部132a及び132bに供給される復調信号は上記の組合せに限定されるものではなく、任意の2つの復調信号を用いてダイバ合成処理を行うこともできる。
【0062】
次に、ステップS1001において、制御部17は、サーチ系統に割り当てられた選局部12c及び12dに対して、視聴チャンネルを除き現在地で受信できることが期待できる中継局又は同一系列の放送局のチャンネル(以下、候補チャンネル)を選局する。なお、候補チャンネルは1つであっても複数であっても良く、また候補チャンネルの選び方については後述する。
【0063】
続いて、ステップS1002では、制御部17は、まず、復調・ダイバ合成部13よりサーチ系統の信号品質値を取得し、候補チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能であるか否かを判定する。そして、候補チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能である場合は、制御部17は、TS解析部14bより供給される候補チャンネルのPSI/SIからネットワークIDや系列IDを抽出し、候補チャンネルが中継局又は同一系列の放送局であるか否かを確認する。もし、候補チャンネルが中継局又は同一系列の放送局であった場合はステップS309に進み、候補チャンネルの12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可、又は候補チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能であっても中継局又は同一系列の放送局ではない場合はステップS1003に進む。
【0064】
ステップS309では、候補チャンネルを視聴チャンネルに切り替える処理を行う。具体的には、図4で示したように、制御部17は、まずTS接続部134のc端子とb端子を接続し、次に選局部12a及び12bに候補チャンネルを選局し、そして復調部131a及び131bの復調信号をダイバ合成部132bに供給し、ダイバ合成部132bに対して、4つの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせる。但し、候補チャンネルが同一系列の放送局の場合は、それまでの視聴番組とはTS信号のストリーム内容が異なるため、前記したTS接続部134の接続先変更時に、映像・音声デコード部15に対して、デコード処理のリセットをかける。
【0065】
次に、ステップS1003では、制御部17は、復調・ダイバ合成部13より視聴系統の信号品質値を取得し、視聴チャンネルが受信可能であるか否かを判定する。電波状況が回復し、視聴チャンネルが受信可能な状況となった場合はステップS313に進む。ステップS313では、前述の通り、制御部17は、復調部131c及び131dに対して、視聴チャンネルを選局し、復調部131c及び131dの復調信号をダイバ合成部132aに供給し、ダイバ合成部132aに対して、4つの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせる。これにより、4つのチューナ部10a〜10dを用いた番組視聴を行うことができる。
【0066】
ステップS305では、図9で示したステップS801で視聴チャンネルの12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可となってからの時刻が設定時間を経過したか否かを判定し、設定時間未満の場合はステップS1001に戻り、設定時間に達した場合はステップS302に進む。
【0067】
ステップS1001では、候補チャンネルが複数存在する場合には、ステップS1001の処理を行うたびに、他の候補チャンネルについて順番に選局を行っていく。
ステップS302及びS803は前述した通り、4つのチューナ部10a〜10dを用いて受信可能な中継局又は同一系列の放送局のチャンネルを発見するまで、繰り返し探索する。
【0068】
ここで、候補チャンネルの選び方について、一例を説明する。
制御部17は、各放送局について、直前に視聴していたチャンネルをメモリに格納しておき、現在の視聴番組に対して、最も直近に視聴したチャンネルを候補チャンネルとして選局する。例えば2つの中継エリア間を繰り返し行き来する場合には、直前の視聴チャンネルが最も受信できる可能性が大きく、本手法が有効となる。また、最も直近に視聴したチャンネルから順に過去に視聴した複数のチャンネルを候補チャンネルとしても良い。過去に当該放送局を視聴したことがない場合は、図6に示すように各放送局について最も中心的な機能を果たす局(親局)が送信するチャンネルをあらかじめメモリに格納しておき、当該放送局の親局の送信チャンネルを候補チャンネルとして選局しても良い。
また、別の一例として、制御部17は、位置情報検出部19より位置情報を取得し、受信機が現在位置している放送地域が視聴番組の放送地域と異なる場合は、受信機が現在位置している放送地域を放送エリアとする同一系列の放送局に対して、最も直近に視聴したチャンネルを候補チャンネルとして選局することもできる。また、最も直近に視聴したチャンネルから順に過去に視聴した複数のチャンネルを候補チャンネルとしても良い。
【0069】
また、別の一例として、制御部17は、前述したステップS307及びS308の中継局サーチにおいて、中継局ではあったが受信状態が視聴チャンネルよりも不良であるために切り替えが行われなかったチャンネルをメモリに格納しておき、最も直近にメモリに格納したチャンネルを候補チャンネルとして選局するか、最も直近にメモリに格納したチャンネルから順に過去にメモリに格納した複数のチャンネルを候補チャンネルとしても良い。
また、別の一例として、制御部17は、前述したステップS310〜S312の系列局サーチにおいて、同一系列の放送局を発見したが切り替えは行われなかったチャンネルをメモリに格納しておき、位置情報検出部19より取得した受信機が現在位置している放送地域が視聴番組の放送地域と異なる場合には、受信機が現在位置している放送地域を放送エリアとする同一系列の放送局に対して、最も直近にメモリに格納したチャンネルを候補チャンネルとして選局するか、最も直近にメモリに格納したチャンネルから順に過去にメモリに格納した複数のチャンネルを候補チャンネルとしても良い。
【0070】
以上により、ワンセグ放送を視聴中に放送電波の受信状態が低下し、ワンセグ放送が視聴不可となった場合に、視聴チャンネル以外に最も受信状態が良好である可能性の高いチャンネルを一つないし複数を候補チャンネルとして選局し、12セグ放送及びワンセグ放送が視聴可能か否かを確認することができる。また、番組受信を継続しながら候補チャンネルの視聴可否を確認することにより、視聴チャンネルの受信状態が回復し12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能に戻った場合は、候補チャンネルの視聴確認を中断して4つのチューナ部による番組視聴に戻すことが可能であり、また、候補チャンネルのワンセグ放送が視聴可能となった場合には、候補チャンネルの視聴に切り替えることができる。
【実施例5】
【0071】
図11は、第5の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。同図において、図3で示した第1の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートとの違いは、ステップS1101を追加したことである。
ステップS1101は、ステップS311において同一系列の放送局のチャンネルを発見した際に、この系列局に視聴番組を切り替えるか否かを判定する処理である。
図12〜図15を用いて、ステップS1101の具体的な処理手順を説明する。
【0072】
図12は、ステップS1101における処理手順の第1の例である。
ステップS1201において、制御部17は、ダイバ合成・復調部13より視聴系統の信号品質値を取得し、当該視聴チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能であるか否かを判定する。当該チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴不可の場合はステップS309に進み、ステップS311において発見した同一系列の放送局のチャンネルに視聴チャンネルを切り替える処理を行う。また、当該チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能の場合はステップS1202に進む。ステップS1202では、使用者に対して、同一系列の放送局への切り替えを行っても良いか否かの確認を促す。例えば、ディスプレイ上に「系列局に切り替えますか?」「はい」「いいえ」のメッセージを表示し、使用者が「はい」「いいえ」のどちらか一方を選択できるようにする。またこのとき、切り替え先の系列局の番組内容を表示すれば、使用者の判断材料の一助とすることができる。
【0073】
ステップS1203では、使用者が同一系列の放送局への切り替えを行っても良いと指示した場合はステップS309に進み、同一系列の放送局のチャンネルに視聴チャンネルを切り替える処理を行い、また、切り替えを行わないと指示した場合は、ステップS313に進み、同一系列の放送局への切り替えは行わずに、チャンネルサーチを終了して当該チャンネルの視聴を継続する。
以上の処理により、同一番組を放送していない可能性がある系列局にチャンネルを切り替える前に、使用者に切り替えても良いか否かの指示を促すことで、それまで視聴していた番組を見続けたい使用者に対して、配慮のある受信動作を行うことができる。
【0074】
図13は、ステップS1101における処理手順の第2の例である。
まず、前述したステップS1201において、制御部17は、ダイバ合成・復調部13より視聴系統の信号品質値を取得し、当該視聴チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能であるか否かを判定する。当該チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴不可の場合は、発見した同一系列の放送局のチャンネルへ切り替えるステップS309に進み、当該チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能の場合は、ステップS1301に進む。ステップS1301では、発見した同一系列の放送局のチャンネルをメモリに保持した後、ステップS313に進み、チャンネルサーチを終了して当該チャンネルの視聴を継続する。ステップS1301で保持したチャンネルは、次回に同一系列の放送局を探索する処理(ステップS310〜S312)において、最初にサーチするチャンネルとして利用する。これにより、同一系列の放送局のチャンネルを探索する処理時間を短縮することができる。
【0075】
図14は、ステップS1101における処理手順の第3の例である。
まず、前述したステップS1201において、制御部17は、ダイバ合成・復調部13より視聴系統の信号品質値を取得し、当該視聴チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能であるか否かを判定する。当該チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴不可の場合は、発見した同一系列の放送局のチャンネルへ切り替えるステップS309に進み、当該チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能の場合は、ステップS1401に進む。ステップS1401では、発見した同一系列の放送局の番組内容が、現在の視聴番組の番組内容と同一であるか否かを確認する。番組内容が同一か否かを確認するためには、例えば、受信装置100が映像・音声デコード部をもう一つ備えている場合、デコード処理した同一系列の放送局の映像や音声信号を視聴番組の映像や音声信号と比較すればよい。また、別の手段として、TS解析部より番組内容に関する情報が記載されているEIT(Event Information Table)を抽出し、番組内容が視聴番組と相関が取れているか否かによって判断することもできる。ただし、同一系列の放送局の番組内容と現在の視聴番組の内容が同一であるか否かを確認する手段は、いずれの手段を用いても本発明の効果を損なうものではなく、あるいは複数の手段を組み合わせて使用しても良い。
ステップS1402において、番組内容が同一であると確認された場合は、ステップS309に進み、同一系列の放送局のチャンネルに視聴チャンネルを切り替える処理を行い、また、番組内容が同一でないと確認された場合は、前述したステップS1202及びS1203を実行する。
【0076】
図15は、ステップS1101における処理手順の第4の例である。図15では、前述した図14の処理と同様に、発見した同一系列の放送局の番組内容が視聴番組と同一か否かを判定する。ステップS1402において、同一でなかったと判定された場合は、ステップS1301において、発見した同一系列の放送局のチャンネルをメモリに保持する。ステップS1301で保持したチャンネルは、次回に同一系列の放送局を探索する処理(ステップS310〜S312)において、最後にサーチするチャンネルとして利用する。これにより、ステップS1301で保持したチャンネルまでで同一系列の放送局の探索処理が終了してしまうことを避けることができる。
【0077】
以上のように、同一系列の放送局の番組内容が視聴番組と一致するか否かを確認し、一致する場合にのみ無条件で系列局にチャンネルを切り替えるため、使用者は同一の番組内容を視聴し続けることができる。
以上に示した本発明の実施の形態において、受信装置100は、4つのチューナ部10a〜10dを有する構成について説明したが、2つ以上のチューナ部を有する構成であれば、本発明を容易に実施することが可能である。この他にも、実施の形態に対して変更を施した例を考えることができるが、いずれも本発明の範疇にある。
【符号の説明】
【0078】
100…受信装置、10a〜10d…チューナ部、11a〜11d…アンテナ部、12a〜12d…選局部、13…復調・ダイバ合成部、14a、14b…TS解析部、15…映像・音声デコード部、16…出力部、17…制御部、18…操作部、19…位置情報検出部、130a〜130d…チャンネル信号、131a〜131d…復調部、132a、132b…ダイバ合成部、133a、133b…伝送路復号部、134…TS接続部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信や放送を受信する受信装置に係り、特に移動体に搭載されて移動しながら地上デジタル放送を受信する受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に放送局は、放送地域内の複数の場所に中継局を設置し、これらの中継局から放送電波を送出することで、放送の受信エリアを拡大している。中継局が同一周波数で送出していれば(SFN:Single Frequency Network)、別の受信エリアに移動しても、継続して番組を視聴することができる。しかし、中継局が互いに異なる周波数で送出している場合は(MFN:Multi Frequency Network)、他の受信エリアに移動すると、それまで視聴していた番組が受信できなくなる。
【0003】
このため、特に自動車などの移動体に搭載された放送受信装置では、別の受信エリアに移動し、視聴していた番組が受信できなくなった場合には、継続して番組を視聴するためにチャンネルサーチを行って受信可能な中継局の放送電波を探索し、チャンネルを再設定する必要がある。このチャンネルサーチを行っている間、番組を視聴できないという不都合があった。
【0004】
係る課題に鑑み特許文献1では、番組を受信するためのメインチューナと、チャンネルサーチを実行するためのサブチューナを備え、サブチューナで全周波数をサーチして各周波数の受信強度を検出し、受信強度が閾値以上のチャンネルを受信可能とし、これらのチャンネルのみをメインチューナにサーチさせることで、チャンネルサーチの時間短縮を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−13945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、番組を視聴しながらサブチューナで受信可能なチャンネルをサーチできるという利点があるが、最終的にチャンネル情報更新のためのチャンネルサーチはメインチューナで行うため、この間は番組視聴が中断されてしまうという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、受信可能な同一系列の番組を効率良くサーチし、視聴番組を中断させることなく移動先の受信エリアの番組にチャンネルを切り替える受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、放送信号を受信する受信装置であって、放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、放送電波の受信状態が良好な場合は、前記複数の受信部の全てに対して同一チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、放送電波の受信状態が低下した場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせることを特徴としている。
【0008】
また本発明は、放送信号を受信する受信装置であって、放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、現在の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作と前記位置情報取得部の位置情報取得処理を制御する制御部とを備え、前記制御部は、放送電波の受信状態が良好な場合は、前記複数の受信部の全てに対して同一チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、放送電波の受信状態が低下した場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合は、前記位置情報取得部より取得した現在位置と視聴番組のTSに含まれる地域識別情報から得られる放送地域を比較し、前記現在位置が前記放送地域内である場合は、前記複数の受信部の全てに対して現在の受信チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、また、前記現在位置が前記放送地域外である場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせることを特徴としている。
【0009】
また本発明は、前記受信装置において、前記放送電波の受信状態が低下した場合とは、受信チャンネルにおいて、ノイズやフェージングなどの妨害要因から受ける影響に対する耐性が相対的に弱い弱階層伝送の番組を視聴できず、これらからの耐性が相対的に強い強階層の番組を視聴している場合であることを特徴としている。
【0010】
また本発明は、放送信号を受信する受信装置であって、放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、放送電波の受信状態が低下し強階層の番組が視聴不可となった場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、また、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見できなかった場合は、前記合成部に対して前記複数の受信部の全てが出力する前記複数の復調信号を合成させ、第3のサーチとして前記複数の受信部の全てを用いて視聴番組の中継局又は同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、放送信号を受信する受信装置であって、放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、現在の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作と前記位置情報取得部の位置情報取得処理を制御する制御部とを備え、前記制御部は、放送電波の受信状態が低下し強階層の番組が視聴不可となった場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルが発見できなかった場合は、前記位置情報取得部より取得した現在位置と視聴番組のTSに含まれる地域識別情報から得られる放送地域を比較し、前記現在位置が前記放送地域内である場合は、前記複数の受信部の全てに対して現在の受信チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、また、前記現在位置が前記放送地域外である場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、また、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見できなかった場合は、前記合成部に対して前記複数の受信部の全てが出力する前記複数の復調信号を合成させ、第3のサーチとして前記複数の受信部の全てを用いて視聴番組の中継局又は同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせることを特徴としている。
【0012】
また本発明は、前記受信装置において、前記制御部は、放送電波の受信状態がさらに低下し強階層の番組が視聴不可となった場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第4のサーチとして所定の候補チャンネルをサーチさせ、前記第4のサーチの結果、前記所定の候補チャンネルが受信可能であった場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記所定の候補チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、また、前記第4のサーチの結果、前記所定の候補チャンネルが視聴不可であった場合は、所定時間に達するまで前記所定の候補チャンネルのサーチを継続し、前記所定時間に達する前に、現在の番組受信チャンネルと前記所定の候補チャンネルのいずれかが視聴可能となった場合には、前記複数の受信部の全てに対して前記視聴可能となった方のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、前記所定時間に達するまで、現在の番組受信チャンネルと前記所定の候補チャンネルのいずれもが視聴不可であった場合には、前記合成部に対して前記複数の受信部の全てが出力する前記複数の復調信号を合成させ、第3のサーチとして前記複数の受信部の全てを用いて視聴番組の中継局又は同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせることを特徴としている。
【0013】
また本発明は、前記受信装置において、前記候補チャンネルとは、現在の視聴番組に対して直近に受信したチャンネルを用いることを特徴としている。
また本発明は、前記受信装置において、更に現在の位置情報を取得する位置情報取得部を備え、前記候補チャンネルとは、受信機の現在位置が視聴番組の放送地域と異なる場合は、受信機の前記現在位置を放送地域とする同一系列の放送局について、直近に受信したチャンネルを用いることを特徴としている。
また本発明は、前記受信装置において、前記候補チャンネルとは、視聴番組に対する前記第1のサーチを実施した際に、受信可能ではあるが視聴チャンネルよりは受信不良であった直近のチャンネルを用いることを特徴としている。
【0014】
また本発明は、前記受信装置において、更に現在の位置情報を取得する位置情報取得部を備え、前記候補チャンネルとは、受信機の現在位置が視聴番組の放送地域と異なる場合は、受信機の前記現在位置を放送地域とする同一系列の放送局について、視聴番組に対する前記第2のサーチを実施した際に、受信可能ではあるが視聴チャンネルよりは受信不良であった直近のチャンネルを用いることを特徴としている。
また本発明は、前記受信装置において、中継局サーチを実行する際に探索するチャンネルは、製品出荷時に予めプリセットした視聴番組の探索対象チャンネルと、視聴番組のNITに記述されている中継局が使用するチャンネル情報を加えたチャンネルであることを特徴としている。
【0015】
また本発明は、放送信号を受信する受信装置であって、放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成して伝送路復号を施す第1及び第2の合成・復号部と、前記第1及び第2の合成・復号部が出力するTS信号のいずれか一方のTS信号を多重分離・デコード処理を施して映像及び音声信号を出力するデコード部と、前記複数の受信部の選局動作と前記第1及び第2の合成・復号部の動作と前記デコード部の動作を制御する制御部とを備え、前記複数の受信部のうち第1のチャンネルを選局している1つ以上の受信部(第1の受信グループ)より出力される復調信号が前記第1の合成・復号部に供給され、且つ、前記複数の受信部のうち第2のチャンネルを選局している1つ以上の受信部(第2の受信グループ)より出力される復調信号が前記第2の合成・復号部に供給され、さらに、前記第1の合成・復号部より出力されるTS信号が前記デコード部に供給されて前記第1のチャンネルに対する多重分離・デコード処理を行っている場合において、前記複数の受信部の全てが前記第2のチャンネルを選局し、前記デコード部が前記第2のチャンネルに対する多重分離・デコード処理を行うため、前記制御部は、まず、前記第1の合成・復号部に対して前記デコード部へのTS信号の出力を停止させると共に、前記第2の合成・復号部が出力するTS信号を前記デコード部へ供給させ、続いて、前記第1の受信グループに対して前記第2のチャンネルを選局させ、その後、前記第1の受信グループが出力する復調信号を前記第2の合成・復号部に供給させ、前記第2の合成・復号部に対して前記第1及び第2の受信グループが出力する復調信号を合成して伝送路復号させるように制御することを特徴としている。
また本発明は、前記受信装置において、さらにTS信号を入力して多重分離・デコード処理を施して映像及び音声信号を出力するデコード部を備え、前記合成部が出力する複数のTS信号のいずれか一つが前記デコード部に供給される構成であって、前記デコード部に供給される信号の切り替え制御は、前記記載の切り替え制御であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、受信可能な同一系列の番組を効率良くサーチ可能であると共に、視聴番組を中断させることなく移動先の受信エリアの番組にチャンネルを切り替える受信装置を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態における受信装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】復調・ダイバ合成部13の構成を示すブロック図である。
【図3】制御部17の動作を示すフローチャートである。
【図4】チャンネル切り替え時の復調・ダイバ合成部13の構成を示すブロック図である。
【図5】受信装置100に位置情報検出部19を付加したブロック図である。
【図6】制御部17が格納するデータベース情報である。
【図7】第2の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。
【図9】第4の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。
【図10】ステップS901の詳細動作を示すフローチャートである。
【図11】第5の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。
【図12】ステップS1101の詳細動作を示すフローチャートの第1の例である。
【図13】ステップS1101の詳細動作を示すフローチャートの第2の例である。
【図14】ステップS1101の詳細動作を示すフローチャートの第3の例である。
【図15】ステップS1101の詳細動作を示すフローチャートの第4の例である。
【図16】放送地域の一覧である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に基づいて詳細に説明する。
なお、本発明の実施の形態における受信装置では、日本の地上デジタル放送の伝送方式であるISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)による放送信号を受信し、MPEG2−TS(Transport Stream)(以下、TS信号)形式の映像・音声信号をデコードすることができる。ISDB−Tでは、1チャンネルの伝送帯域を13個のセグメントに分割し、それぞれのセグメントを組み合わせて、最大3階層までの階層伝送を行うことができる。
【0019】
現在、この階層伝送を利用し、12個のセグメントを使用して固定受信端末向けの高画質な放送(以下、12セグ放送)と、残りの1個のセグメントを使用して携帯受信端末向けの低画質な放送(以下、ワンセグ放送と称する)が行われている。12セグ放送とワンセグ放送は、同じ番組内容を放送するサイマル放送が主流である。ここで、12セグ放送は、伝送容量が大きく高画質な放送であるがノイズ耐性に弱く、放送電波の信号品質が比較的良好でないと正しくデコードできず視聴できない。一方、ワンセグ放送は、伝送容量が小さく低画質な放送であるがノイズ耐性に強く、放送電波の信号品質が比較的劣化していても正常に視聴できるという特徴がある。本発明の実施の形態における受信装置では、12セグ放送とワンセグ放送の両方の受信機能を有しており、放送電波の信号品質の良否に応じてどちらか一方の映像・音声信号を選択してディスプレイやスピーカなどに出力することができる。
【0020】
図16は、地域識別割り当て(ARIB TR−B14)を示し、各放送事業者は割り当てられた放送対象地域に対し、当該放送があまねく受信できるように同一番組を送出する中継局を設置しており、本発明の実施の形態における受信装置は、視聴番組に関する中継局をサーチする機能を有している。また、放送地域を超えた番組配信を行うなどのために、放送番組の相互配信を行う関係にある放送事業者を系列局と呼び、本発明の実施の形態における受信装置は、視聴番組と同一系列の放送局をサーチする機能を有している。
【実施例1】
【0021】
図1は、第1の実施の形態における受信装置100の構成を示すブロック図である。
同図において、10aは第1のチューナ部を示し、アンテナ部11a、選局部12aを含んでいる。アンテナ部11aは、放送電波を受信して選局部12aに供給する。選局部12aは、供給された放送電波の中から後述する制御部17より指示されたチャンネルを抽出及び周波数変換を施し、所望のチャンネル信号を復調・ダイバ合成部13に供給する。
【0022】
また、10b〜10dは第2〜第4のチューナ部を示し、チューナ部10bはアンテナ部11bと選局部12b、チューナ部10cはアンテナ部11cと選局部12c、チューナ部10dはアンテナ部11dと選局部12dを各々含んでいる。アンテナ部11b〜11dはアンテナ部11a、選局部12b〜12dは選局部12aと同様な構成であり、説明を省略する。
【0023】
図2は、復調・ダイバ合成部13の構成を示すブロック図である。
図2の(a)において、130a〜130dは各々チューナ部10a〜10dより供給されたチャンネル信号を示す。復調部131a〜131dは、各々のチャンネル信号130a〜130dに対して、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調処理を行い、復調信号をダイバ合成部132aに供給する。ダイバ合成部132aは、供給された4つの復調信号に対して、ダイバ合成処理を行う。具体的には、各々のOFDM復調過程で抽出される複数のサブキャリアについて、サブキャリア毎に重み付け合成する最大比合成法を利用する。そして、ダイバ合成処理された後のダイバ合成信号に対して、伝送路復号部133aにおいて伝送路復号を行い、その結果抽出されたTS信号は、TS接続部134(a端子→b端子)を介して、TS解析部14aに出力される。
【0024】
また、復調・ダイバ合成部13は、ダイバ合成部132bと伝送路復号部133bを備えており、図2の(b)で示すように、復調部131a及び131bより供給された2つの復調信号に対してダイバ合成部132aがダイバ合成処理を行い、復調部131c及び131dより供給された2つの復調信号に対してダイバ合成部132bがダイバ合成処理を行うこともできる。このとき、ダイバ合成部132bでダイバ合成処理が行われたダイバ合成信号は、伝送路復号部133bにおいて伝送路復号され、その結果抽出されたTS信号は、TS接続部134を介して(c端子→d端子)、TS解析部14bに出力される。
【0025】
但し、ダイバ合成部132a及び132bがダイバ合成処理を行う復調信号と復調部の組合せは、上記の組合せに限定されるものではない。
更に、復調・ダイバ合成部13におけるダイバ合成処理の方法は、最大比合成法に限定されるものではなく、例えば、最大電力のチャンネル信号を選択してその他のチャンネル信号を破棄する選択合成法、各々のチャンネル信号の位相を同一にして合成する等利得合成法などを用いることもできる。
【0026】
ここで、ダイバ合成部132a又は132bにおいてダイバ合成処理を行う復調信号の数が多いほど、ノイズ耐性が向上し走行中の受信状態を良好に保つことができるという特徴がある。
一方、復調・ダイバ合成部13は、OFDM復調及び伝送路復号を行う際にBER(Bit Error Rate)、PER(Packet Error Rate)、CNR(Carrier to Noise Ratio)、受信電力、同期状態などの受信信号の品質を示す情報(以下、信号品質値)を抽出し、後述する制御部17に供給する。以下、信号品質値は大きいほど受信状態は良好、小さいほど受信状態は不良であるものとする。
【0027】
TS解析部14aは、TS接続部134のb端子より供給されたTS信号から、番組特定情報(PSI:Program Specific Information)及び番組配列情報(SI:Service Information)を抽出し、制御部17に供給する。また、TS解析部14aは、抽出されたPSI/SIから映像及び音声が含まれるTSパケットの識別子(PID:Packet Identifier)を抽出し、TS信号を各PIDでフィルタリングして映像TSパケット及び音声TSパケットを映像・音声デコード部15に出力する。また、TS解析部14bは、TS接続部134のd端子より供給されたTS信号から、TS解析部14aと同様にPSI/SIを抽出し、制御部17に供給する。
【0028】
映像・音声デコード部15は、TS解析部14aより供給された映像及び音声のTSパケットをデコードし、デコードされた映像・音声信号をディスプレイやスピーカなどから構成された出力部16に供給する。映像・音声デコード部15は、MPEG−2(Moving Picture Experts Group 2)で符号化されている12セグ放送、及びH.264で符号化されているワンセグ放送の両方をデコード可能であり、後述する制御部17からの指示に基づき、デコードされた12セグ放送の映像・音声信号又はワンセグ放送の映像・音声信号のうち、どちらか一方を選択し、出力部16に供給する。
【0029】
出力部16は、ディスプレイやスピーカを含み、供給された映像信号をディスプレイに表示し、音声信号をスピーカから出力する。
制御部17は、受信装置100の全体及び受信装置100に含まれる各機能ブロックの動作制御を行う。
操作部18は、例えば、出力部16のディスプレイ上に構成されたタッチパネル式の選局ボタン、又はリモコンの選局ボタンなどから構成され、ユーザが選局操作を行うと、制御部17に選局情報が供給される。
【0030】
ここで、映像・音声デコード部15が、12セグ放送の映像・音声信号とワンセグ放送の映像・音声信号のうち、どちらを選択するべきかを決定するためのアルゴリズムを説明する。制御部17は、復調・ダイバ合成部13より供給される視聴チャンネルの信号品質値を監視し、信号品質値が所定条件を満たしている場合は映像・音声デコード部15に対して12セグ放送を出力するように制御し、信号品質値が所定条件を満たしていない場合は映像・音声デコード部15に対してワンセグ放送を出力するように制御する。前述の所定条件として、例えば、12セグ放送のBERが1E−3に相当する信号品質値以上の場合は12セグ放送、1E−3に相当する信号品質以下の場合はワンセグ放送を出力するように制御すれば良い。また、例えば、走行時は放送電波の受信状態が大きく変動するため、定期的に取得した複数の信号品質値が全て不良となった場合は12セグ放送からワンセグ放送、定期的に取得した複数の信号品質値が全て良好となった場合はワンセグ放送から12セグ放送を出力するように切り替えることで、12セグ放送とワンセグ放送の頻繁な切り替えの発生を低減することができる。
【0031】
以下、図3を用いて受信装置100の受信動作を説明する。
図3は、第1の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。
ユーザによる選局操作が行われると、操作部18より制御部17に対して選局情報が供給され、同図のフローチャートに従い、受信動作を開始する。
【0032】
まず、ステップS301において、制御部17は、操作部18からの選局情報を受け、視聴チャンネルを選局部12a〜12dに設定する。
次に、ステップS302で、制御部17は、図2の(a)に示すように、ダイバ合成部132aに対して、4つの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせると共に、伝送路復号部133aより抽出したTS信号をTS接続部134(a端子→b端子)を介してTS解析部14aに出力する。映像・音声デコード部15でデコードされた映像・音声信号は出力部16に供給され、これによりユーザは所望の番組を視聴することができる。
【0033】
次に、ステップS303において、制御部17は、前述した12セグ放送とワンセグ放送の切り替えアルゴリズムにおいて、12セグ放送からワンセグ放送への切り替えが発生したか否かを監視する。12セグ放送からワンセグ放送への切り替えが発生していない場合、すなわちユーザが12セグ放送を視聴している場合は、ワンセグ放送への切り替えが発生するまで、ステップS303の判定を繰り返し、また、12セグ放送からワンセグ放送への切り替えが発生した場合は、ステップS304に進む。但し、前述したステップS302における4ダイバ合成処理が終了した時点で、12セグ放送が視聴不可でワンセグ放送を視聴していた場合については、本ステップS303の判定は実施せずに、ステップS304に進むものとする。
【0034】
ステップS304では、前述したステップS303とは逆に、ワンセグ放送から12セグ放送への切り替えが発生したか否かを判定し、12セグ放送への切り替えが発生した場合はステップS303に戻り、ワンセグ放送を継続して視聴している場合はステップS305に進む。続くステップS305では、ステップS303において「YES」と判定されてからの時間が設定時間を経過したか否かを判定する。そして、設定時間未満の場合はステップS304に戻り、設定時間に達した場合はステップS306に進む。
【0035】
次に、ステップS306では、番組受信を継続させながらチャンネルサーチを並行して実行するために、制御部17は、図2の(b)に示すように、ダイバ合成部132aに対して、復調部131c及び131dより供給される2つの復調信号をダイバ合成処理から切り離し、復調部131a及び131bの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせる(以下、復調部131a及び131b、ダイバ合成部132a、伝送路復号部133aを視聴系統と呼ぶ)。また、制御部17は、ダイバ合成部132aより切り離された復調部131c及び131dの復調信号をダイバ合成部132bに出力し、ダイバ合成部132bはこれら2つの復調信号を用いたダイバ合成処理を行う(以下、復調部131c及び131d、ダイバ合成部132b、伝送路復号部133bをサーチ系統と呼ぶ)。なお、ダイバ合成部132a及び132bに供給される復調信号は上記の組合せに限定されるものではなく、任意の2つの復調信号を用いてダイバ合成処理を行うこともできる。
このように4つの復調信号を用いたダイバ合成処理を分割して、視聴系統とサーチ系統の2系統動作を行わせることでダイバ合成処理によるノイズ耐性の向上効果は減じられるが、番組受信を継続させながらチャンネルサーチを並行して実行することが可能となる。
【0036】
次に、ステップS307において、復調・ダイバ合成部13のサーチ系統側を用いて中継局のチャンネルを探索する。具体的な探索手順を以下に示す。
まず、制御部17は、サーチ系統側に属する選局部12c及び12dに対して、中継局が使用するチャンネルの中のいずれか1つを選局する。その結果、復調・ダイバ合成部13に供給された各々のチャンネル信号130c及び130dは、復調部131c及び131dにて復調処理が行われ、各々の復調信号はダイバ合成部132bでダイバ合成処理され、伝送路復号部133bで伝送路復号が行われ、TS接続部134(c端子→d端子)を介してTS信号が抽出される。制御部17は、サーチ系統より当該チャンネルの信号品質値を取得し、例えば同期状態などから当該チャンネルに放送信号が存在するか否かを判断する。当該チャンネルに放送信号が存在しないと判断した場合は、後述する中継局が使用するその他のチャンネルについての探索処理に進む。当該チャンネルに放送信号が存在すると判断した場合は、TS解析部14bに対して、TS解析部14bに供給されたTS信号より、PSI/SIを抽出させ、制御部17に出力させる。制御部17は、PSI/SIの1つであるNIT(Network Information Table)を参照し、NITに含まれているネットワークID(network_id)が視聴番組のネットワークIDと一致するか否かを判定する。ネットワークIDが一致する場合は中継局、一致しない場合は中継局ではないと判断できる。当該チャンネルが中継局であると判定した場合は、復調・ダイバ合成部13のサーチ系統より、当該チャンネルの信号品質値を取得し、メモリに格納する。ここで、メモリは図1には記載していないが、制御部17の内部にあっても良いし、制御部17からアクセスできる位置にあればよい。
【0037】
上記した探索処理を中継局が使用する全てのチャンネルに対して実行する。なお、中継局が使用する全てのチャンネルに関する情報は、視聴番組のNITに記述されており、制御部17は本探索処理を実行する前に、予め視聴番組のNITに記述された中継局のチャンネル情報をメモリに格納しておく。但し、NITに記述されている中継局のチャンネル情報には、実際に使用されている全てのチャンネル情報が記述されているという保障は無い。このため、実際に使用されている中継局のチャンネル情報を調査して受信装置の出荷時にプリセットしておき、視聴番組のNITを参照した際にプリセットしたチャンネル以外のチャンネルが存在した場合に、当該チャンネルをメモリに追加していけば良い。
【0038】
次に、ステップS308では、制御部17は、まず復調・ダイバ合成部13より視聴系統の信号品質値を取得し、現在の視聴チャンネルの受信状態を確認する。そして、視聴系統の信号品質値と、前述したステップS307で取得した最良の信号品質値(但し、現在の視聴チャンネルの信号品質値は対象外)を比較し、前者が大きい場合はステップS310、後者が大きい場合はステップS309に進む。
【0039】
ステップS309では、ステップS307で発見した最良の信号品質値を有するチャンネルに視聴チャンネルを切り替える処理を行う。具体的には、図4に示すように、制御部17は、まず選局部12c及び12dに対して、切り替え先のチャンネルを選局させる。次に、制御部17は、TS接続部134のc端子とb端子を接続し、サーチ系統のTS信号をTS解析部14aに供給する。続いて、制御部17は、選局部12a及び12bに切り替え先のチャンネルを選局し、そして復調部131a及び131bの復調信号をダイバ合成部132bに供給し、ダイバ合成部132bに対して、4つの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせる。但し、後述するステップS311の処理において、切り替え先のチャンネルが同一系列の放送局と判定された場合は、それまでの視聴番組とはTS信号のストリーム内容が異なるため、前記したTS接続部134の接続先変更時に、映像・音声デコード部15に対して、デコード処理のリセットをかける。以上の処理により、スムーズなチャンネル切り替えを行うことができる。
【0040】
一方、ステップS308において、視聴チャンネルよりも信号品質値が良好な中継局のチャンネルを発見できなかったと判定された場合は、ステップS310〜S312で他の地域における視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルを探索する。具体的な探索手順を以下に示す。
まず、ステップS310において、制御部17は、選局部12c及び12dに対して、後述する「系列局サーチ時のチャンネル選局順序」に基づき、1つ目のチャンネルを選局する。
【0041】
次に、ステップS311を説明する。前述したステップS310で選局した結果、復調・ダイバ合成部13に供給された各々のチャンネル信号130c及び130dは、復調部131c及び131dにて復調処理が行われ、各々の復調信号はダイバ合成部132bでダイバ合成処理され、伝送路復号部133bで伝送路復号が行われてTS信号が抽出される。制御部17は、サーチ系統より当該チャンネルの信号品質値を取得し、例えば同期状態などから当該チャンネルに放送信号が存在するか否かを判断する。当該チャンネルに放送信号が存在しないと判断した場合は、ステップS311の処理を中断してステップS312に進む。当該チャンネルに放送信号が存在する判断した場合は、TS解析部14bに対して、TS解析部14bに供給されたTS信号より、PSI/SIを抽出させ、制御部17に出力させる。
【0042】
制御部17は、PSI/SI情報の1つであるBIT(Broadcaster Information Table)を参照し、BITに含まれている系列ID(affiliation_id)が視聴番組の系列IDと一致するか否かを判定する。系列IDが一致する場合は同一系列の放送局、一致しない場合は同一系列の放送局ではないと判断できる。当該チャンネルが同一系列の放送局であると判定した場合、制御部17は、復調・ダイバ合成部13のサーチ系統より当該チャンネルの信号品質値、及び視聴系統より現在の視聴チャンネルの信号品質値をそれぞれ取得して両者を比較し、サーチ系統の信号品質値が大きい場合はステップS309に進み、視聴系統の信号品質値が大きい場合はステップS312に進む。ステップS309では、前記の通り、発見した同一系列の放送局のチャンネルへの切り替え処理が行われ、現在の視聴番組よりも受信状態が良好な系列局のチャンネルに切り替えることができる。
【0043】
ステップS312では、後述する「系列局サーチ時のチャンネル選局順序」に基づき、次に探索するチャンネルが存在する場合はステップS310に戻り次のチャンネルを選局させる。他に探索するチャンネルが存在しない場合はステップS313に進む。ステップS313では、制御部17は、選局部12c及び12dに対して、現在の視聴チャンネルを選局させる。そして、復調・ダイバ合成部13に対して、図2の(a)に示すように、ダイバ合成部132aに対して、4つの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせる。これにより、現在の視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局又は同一系列の放送局のチャンネルを発見できなかった場合は、チャンネルサーチ前の受信構成に戻すことができる。
【0044】
ここで、前述した「系列局サーチ時のチャンネル選局順序」について、2例を説明する。
1つ目の例は、地上デジタル放送で使用されている全てのチャンネル(13〜62チャンネル、但し2012年7月25日以降は13〜52チャンネル)について、チャンネル番号の昇順又は降順に選局を行う方法である。この方法は、後述する2つ目の例と比較して、選局順序の決定方法が単純であるという利点がある。
2つ目の例は、受信機の位置情報、及びメモリに格納したデータベース情報を活用して、同一系列の放送局を効率的に探索する方法である。詳細を以下に説明する。
【0045】
図5は、図1で示した受信装置100に、GPS(Global Positioning System)などを利用して受信機の現在位置を取得可能な位置情報検出部19を加えた構成である。
図6は、制御部17に予め格納するデータベース情報であって、601は、放送地域を単位として各放送局の系列IDや中継局の送信チャンネルなどの情報を整理した放送局データベース、602は、各放送地域について隣接地域の情報を整理した隣接地域データベースである。
【0046】
制御部17は、位置情報検出部19より位置情報を取得して受信機が現在位置している放送地域を把握し、放送局データベース601より、系列IDを基にして受信機が現在位置している放送地域における同一系列の放送局を調べ、当該放送局の中継局の送信チャンネルを順に選局する。例えば、視聴番組の系列ID=3、受信機が現在位置している放送地域が「宮城」の場合は、系列ID=3のTBCテレビが使用する中継局の送信チャンネル18、19、22、23、27、44、45を順に選局する。
【0047】
また、上記のチャンネルを探索しても受信状態が良好な同一系列の放送局を発見できない場合、制御部17は、隣接地域データベース602を参照し、受信機が現在位置している放送地域に隣接する地域を調べ、各隣接地域に存在する同一系列の放送局が使用する中継局のチャンネルを順に選局する。例えば、視聴番組の系列ID=3、受信機が現在位置している放送地域が「宮城」の場合は、隣接地域データベース602より「岩手」、「福島」、「山形」を隣接地域として抽出し、放送局データベース601より、各隣接地域で系列ID=3の放送局が使用する中継局の送信チャンネルを順に探索する。位置情報検出部19より、受信機の現在位置が「宮城」地域内のさらに詳細な位置が分かれば、その結果を参考にして、複数ある隣接地域に優先順位をつけて探索をすることで、同一系列の放送局の探索効率を向上することが可能となる。
更に、上記のチャンネルを探索しても受信状態が良好な同一系列の放送局を発見できない場合、制御部17は、地上デジタル放送で使用されている全てのチャンネルのうち、まだ選局を行っていないチャンネルを順に選局する。
【0048】
以上のように、本実施の形態によれば、高画質な12セグ放送が視聴可能な場合は番組受信のみとし、視聴番組の電波状態が低下して12セグ放送が視聴不可となった場合に、ワンセグ放送を視聴しながら中継局のチャンネルを探索し、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルに切り替えて視聴することができる。また、受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合は、同一系列の放送局のチャンネルを探索し、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局があれば、そのチャンネルに切り替えて視聴することができる。
【実施例2】
【0049】
図7は、第2の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。同図において、図3で示した第1の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートとの違いは、ステップS701の判定処理を追加したことである。また、第2の実施の形態における受信装置100の構成は、図1に示すブロック図と同様であり、また図5と同様に受信装置100に対して位置情報検出部19より受信機の現在位置が通知される。
以下、図7を用いて受信装置100の受信動作を説明する。図7において、図3で示したフローチャートと同一番号を付したステップは同一処理を示し、説明を省略する。
【0050】
ステップS308においてNO判定の場合、すなわち、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合、ステップS701に進む。ステップS701において、制御部17は、位置情報検出部19より位置情報を取得し、受信機が現在位置している放送地域が視聴番組の放送地域と一致するか否かを判定する。受信機が現在位置している放送地域と視聴番組の放送地域が一致する場合は、前述したステップS313に進み、同一系列の放送局のチャンネルは探索せずに、チャンネルサーチを終了する。また、受信機が現在位置している放送地域と視聴番組の放送地域が一致しない場合は、ステップS310に進み、第1の実施の形態と同様に、同一系列の放送局を探索する。
【0051】
ここで、視聴番組の放送地域に関する情報は、視聴番組のPSI/SIに含まれるサービスID(service_id)の上位6ビットが地域識別として割り当てられており、この識別番号を参照することで知ることができる。あるいは、図6で示した放送局データベース601をメモリに格納している場合は、受信機が現在位置している放送地域に視聴番組の放送局名が記載されていれば、受信機が現在位置している放送地域と視聴番組の放送地域が一致すると判断することができる。
【0052】
以上のように、本実施の形態によれば、視聴番組の電波状態が低下して12セグ放送が視聴不可となった場合に、ワンセグ放送を視聴しながら中継局のチャンネルを探索し、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルに切り替えて視聴することができる。また、受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合、受信機が現在位置している放送地域が視聴番組の放送地域以外に位置していれば、受信機が現在位置している放送地域における同一系列の放送局のチャンネルを探索し、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局があれば、そのチャンネルに切り替えて視聴することができる。また、受信機が現在位置している放送地域と視聴番組の放送地域が一致する場合には、同一系列の放送局に視聴チャンネルが切り替わる可能性が低く(ステップS701のYES)、同一系列の放送局を探索しないことで、チャンネルサーチに要する時間を短縮し、チャンネルサーチ時に番組視聴のために使用するチューナ部が4つから2つへ減少することによる受信感度の低下を短時間に抑えることができる効果がある。
【実施例3】
【0053】
図8は、第3の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。同図において、図3で示した第1の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートとの違いは、ステップS801〜S803を追加したことである。
以下、図8を用いて受信装置100の受信動作を説明する。なお、図8において、図3で示したフローチャートと同一番号を付したステップは同一処理を示し、説明を省略する。
【0054】
ステップS801は、ワンセグ放送を視聴し、かつステップS303において「YES」判定されてからの時刻が設定時間未満の場合に、繰り返し実行される。ステップS801において、制御部17は、12セグ放送及びワンセグ放送が視聴可能であるか否かを判定し、12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可となった場合はステップS306に進み、12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能である場合はステップS305に進む。ここで、ワンセグ放送が視聴可能であるか否かの判定は、例えば、復調・ダイバ合成部13よりワンセグ放送のBERを取得し、BER≧1E−2の場合は視聴不可、BER<1E−2の場合は視聴可能と判定することができる。あるいは、複数のワンセグ放送のBERを取得し、これら全てがBER≧1E−2の場合は視聴不可、また複数のワンセグ放送のBERが全てBER<1E−2の場合は視聴可能と判定することで、頻繁な切り替わりを低減することができる。更に、例えば、12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可となった場合に、出力部15のディスプレイ上に「受信できません」等のメッセージを表示する機能が存在する場合は、メッセージ表示のタイミングと同期して12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可と判定しても良い。
【0055】
前述したステップS801により、ワンセグ放送を視聴している際に放送電波の受信状態が低下して12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可となった場合に、即座にチャンネルサーチを実行することができる。また、番組受信を継続させながらチャンネルサーチを並行して実行しているため、電波状況が回復した場合は番組視聴が可能になると共に、チャンネルサーチで受信状態が良好な中継局や同一系列の放送局を発見した場合には、当該チャンネルに切り替えて視聴することができる。
【0056】
次に、ステップS312において「YES」判定となり、同一系列の放送局の探索処理が終了した場合、ステップS802に進む。ステップS802では、制御部17は、復調・ダイバ合成部13より視聴系統の信号品質値を取得して現在の視聴チャンネルの視聴可否を判定し、12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可の場合はステップS803に進む。また、12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能の場合は前述したステップS313に進み、チャンネルサーチ前の4ダイバ合成処理による番組視聴を行う。
【0057】
ステップS803では、制御部17は、まず、復調部131c及び131dの復調処理を停止し、次に復調部131c及び131dの復調信号をダイバ合成部132aに供給し、ダイバ合成部132aに対して、4つの復調信号によるダイバ合成処理を行わせる。そして、制御部17は、4つのチューナ部10a〜10dを用いて中継局及び同一系列の放送局の探索処理を実施する。具体的には、前述したステップS307及びS308と同様に、中継局が使用する全てのチャンネルを探索し、受信状態が最良の中継局のチャンネルを選局する。また、受信可能な中継局を発見できない場合は、前述したステップS310〜S312と同様に、同一系列の放送局を探索し、受信可能な同一系列の放送局を発見した場合は、当該チャンネルを選局する。更に、同一系列の放送局を発見できなかった場合は、受信可能な中継局又は同一系列の放送局を発見するまで中継局及び同一系列の放送局を繰り返し探索する。
【0058】
ステップS802及びS803の実施により、現在の視聴チャンネルの12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可で、かつ並行して実施された2つのチューナ部10c及び10dを用いたチャンネルサーチで中継局又は同一系列の放送局のチャンネルを発見できなかった場合は、視聴チャンネルのチューナ部10a及び10bを含めた4つのチューナ部10a〜10dを用いて受信感度の高いチャンネルサーチを実施することができる。
【実施例4】
【0059】
図9は、第4の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。同図において、図3で示した第1の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートとの違いは、ステップS801及びS901を追加したことである。
以下、図9を用いて受信装置100の受信動作を説明する。なお、図9において、図3で示したフローチャートと同一番号を付したステップは同一処理を示し、説明を省略する。
【0060】
ステップS801は、ワンセグ放送を視聴し、かつステップS303において「YES」判定されてからの時刻が設定時間未満の場合に、繰り返し実行される。ステップS801において、制御部17は、12セグ放送及びワンセグ放送が視聴可能であるか否かを判定し、12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可となった場合はステップS901に進み、12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能である場合はステップS305に進む。ここで、ワンセグ放送が視聴可能であるか否かの判定は、例えば、復調・ダイバ合成部13よりワンセグ放送のBERを取得し、BER≧1E−2の場合は視聴不可、BER<1E−2の場合は視聴可能と判定することができる。また、例えば、ワンセグ視聴不可となった場合に、出力部15のディスプレイ上に「受信できません」等のメッセージを表示する機能が存在する場合は、メッセージ表示のタイミングと同期して12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可と判定しても良い。
【0061】
次に、ステップS901の処理手順を図10を用いて詳細に説明する。図10は、ステップS901の動作を示すフローチャートである。
図10において、まずステップS306では、制御部17は、図2の(b)に示すように、ダイバ合成部132aに対して、復調部131c及び131dより供給される2つの復調信号をダイバ合成処理から切り離し、復調部131a及び131bの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせる。また、制御部17は、ダイバ合成部132aより切り離された復調部131c及び131dの復調信号をダイバ合成部132bに出力し、ダイバ合成部132bに対してこれら2つの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせる。なお、ダイバ合成部132a及び132bに供給される復調信号は上記の組合せに限定されるものではなく、任意の2つの復調信号を用いてダイバ合成処理を行うこともできる。
【0062】
次に、ステップS1001において、制御部17は、サーチ系統に割り当てられた選局部12c及び12dに対して、視聴チャンネルを除き現在地で受信できることが期待できる中継局又は同一系列の放送局のチャンネル(以下、候補チャンネル)を選局する。なお、候補チャンネルは1つであっても複数であっても良く、また候補チャンネルの選び方については後述する。
【0063】
続いて、ステップS1002では、制御部17は、まず、復調・ダイバ合成部13よりサーチ系統の信号品質値を取得し、候補チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能であるか否かを判定する。そして、候補チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能である場合は、制御部17は、TS解析部14bより供給される候補チャンネルのPSI/SIからネットワークIDや系列IDを抽出し、候補チャンネルが中継局又は同一系列の放送局であるか否かを確認する。もし、候補チャンネルが中継局又は同一系列の放送局であった場合はステップS309に進み、候補チャンネルの12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可、又は候補チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能であっても中継局又は同一系列の放送局ではない場合はステップS1003に進む。
【0064】
ステップS309では、候補チャンネルを視聴チャンネルに切り替える処理を行う。具体的には、図4で示したように、制御部17は、まずTS接続部134のc端子とb端子を接続し、次に選局部12a及び12bに候補チャンネルを選局し、そして復調部131a及び131bの復調信号をダイバ合成部132bに供給し、ダイバ合成部132bに対して、4つの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせる。但し、候補チャンネルが同一系列の放送局の場合は、それまでの視聴番組とはTS信号のストリーム内容が異なるため、前記したTS接続部134の接続先変更時に、映像・音声デコード部15に対して、デコード処理のリセットをかける。
【0065】
次に、ステップS1003では、制御部17は、復調・ダイバ合成部13より視聴系統の信号品質値を取得し、視聴チャンネルが受信可能であるか否かを判定する。電波状況が回復し、視聴チャンネルが受信可能な状況となった場合はステップS313に進む。ステップS313では、前述の通り、制御部17は、復調部131c及び131dに対して、視聴チャンネルを選局し、復調部131c及び131dの復調信号をダイバ合成部132aに供給し、ダイバ合成部132aに対して、4つの復調信号を用いたダイバ合成処理を行わせる。これにより、4つのチューナ部10a〜10dを用いた番組視聴を行うことができる。
【0066】
ステップS305では、図9で示したステップS801で視聴チャンネルの12セグ放送及びワンセグ放送の両方が視聴不可となってからの時刻が設定時間を経過したか否かを判定し、設定時間未満の場合はステップS1001に戻り、設定時間に達した場合はステップS302に進む。
【0067】
ステップS1001では、候補チャンネルが複数存在する場合には、ステップS1001の処理を行うたびに、他の候補チャンネルについて順番に選局を行っていく。
ステップS302及びS803は前述した通り、4つのチューナ部10a〜10dを用いて受信可能な中継局又は同一系列の放送局のチャンネルを発見するまで、繰り返し探索する。
【0068】
ここで、候補チャンネルの選び方について、一例を説明する。
制御部17は、各放送局について、直前に視聴していたチャンネルをメモリに格納しておき、現在の視聴番組に対して、最も直近に視聴したチャンネルを候補チャンネルとして選局する。例えば2つの中継エリア間を繰り返し行き来する場合には、直前の視聴チャンネルが最も受信できる可能性が大きく、本手法が有効となる。また、最も直近に視聴したチャンネルから順に過去に視聴した複数のチャンネルを候補チャンネルとしても良い。過去に当該放送局を視聴したことがない場合は、図6に示すように各放送局について最も中心的な機能を果たす局(親局)が送信するチャンネルをあらかじめメモリに格納しておき、当該放送局の親局の送信チャンネルを候補チャンネルとして選局しても良い。
また、別の一例として、制御部17は、位置情報検出部19より位置情報を取得し、受信機が現在位置している放送地域が視聴番組の放送地域と異なる場合は、受信機が現在位置している放送地域を放送エリアとする同一系列の放送局に対して、最も直近に視聴したチャンネルを候補チャンネルとして選局することもできる。また、最も直近に視聴したチャンネルから順に過去に視聴した複数のチャンネルを候補チャンネルとしても良い。
【0069】
また、別の一例として、制御部17は、前述したステップS307及びS308の中継局サーチにおいて、中継局ではあったが受信状態が視聴チャンネルよりも不良であるために切り替えが行われなかったチャンネルをメモリに格納しておき、最も直近にメモリに格納したチャンネルを候補チャンネルとして選局するか、最も直近にメモリに格納したチャンネルから順に過去にメモリに格納した複数のチャンネルを候補チャンネルとしても良い。
また、別の一例として、制御部17は、前述したステップS310〜S312の系列局サーチにおいて、同一系列の放送局を発見したが切り替えは行われなかったチャンネルをメモリに格納しておき、位置情報検出部19より取得した受信機が現在位置している放送地域が視聴番組の放送地域と異なる場合には、受信機が現在位置している放送地域を放送エリアとする同一系列の放送局に対して、最も直近にメモリに格納したチャンネルを候補チャンネルとして選局するか、最も直近にメモリに格納したチャンネルから順に過去にメモリに格納した複数のチャンネルを候補チャンネルとしても良い。
【0070】
以上により、ワンセグ放送を視聴中に放送電波の受信状態が低下し、ワンセグ放送が視聴不可となった場合に、視聴チャンネル以外に最も受信状態が良好である可能性の高いチャンネルを一つないし複数を候補チャンネルとして選局し、12セグ放送及びワンセグ放送が視聴可能か否かを確認することができる。また、番組受信を継続しながら候補チャンネルの視聴可否を確認することにより、視聴チャンネルの受信状態が回復し12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能に戻った場合は、候補チャンネルの視聴確認を中断して4つのチューナ部による番組視聴に戻すことが可能であり、また、候補チャンネルのワンセグ放送が視聴可能となった場合には、候補チャンネルの視聴に切り替えることができる。
【実施例5】
【0071】
図11は、第5の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートである。同図において、図3で示した第1の実施の形態における制御部17の動作を示すフローチャートとの違いは、ステップS1101を追加したことである。
ステップS1101は、ステップS311において同一系列の放送局のチャンネルを発見した際に、この系列局に視聴番組を切り替えるか否かを判定する処理である。
図12〜図15を用いて、ステップS1101の具体的な処理手順を説明する。
【0072】
図12は、ステップS1101における処理手順の第1の例である。
ステップS1201において、制御部17は、ダイバ合成・復調部13より視聴系統の信号品質値を取得し、当該視聴チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能であるか否かを判定する。当該チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴不可の場合はステップS309に進み、ステップS311において発見した同一系列の放送局のチャンネルに視聴チャンネルを切り替える処理を行う。また、当該チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能の場合はステップS1202に進む。ステップS1202では、使用者に対して、同一系列の放送局への切り替えを行っても良いか否かの確認を促す。例えば、ディスプレイ上に「系列局に切り替えますか?」「はい」「いいえ」のメッセージを表示し、使用者が「はい」「いいえ」のどちらか一方を選択できるようにする。またこのとき、切り替え先の系列局の番組内容を表示すれば、使用者の判断材料の一助とすることができる。
【0073】
ステップS1203では、使用者が同一系列の放送局への切り替えを行っても良いと指示した場合はステップS309に進み、同一系列の放送局のチャンネルに視聴チャンネルを切り替える処理を行い、また、切り替えを行わないと指示した場合は、ステップS313に進み、同一系列の放送局への切り替えは行わずに、チャンネルサーチを終了して当該チャンネルの視聴を継続する。
以上の処理により、同一番組を放送していない可能性がある系列局にチャンネルを切り替える前に、使用者に切り替えても良いか否かの指示を促すことで、それまで視聴していた番組を見続けたい使用者に対して、配慮のある受信動作を行うことができる。
【0074】
図13は、ステップS1101における処理手順の第2の例である。
まず、前述したステップS1201において、制御部17は、ダイバ合成・復調部13より視聴系統の信号品質値を取得し、当該視聴チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能であるか否かを判定する。当該チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴不可の場合は、発見した同一系列の放送局のチャンネルへ切り替えるステップS309に進み、当該チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能の場合は、ステップS1301に進む。ステップS1301では、発見した同一系列の放送局のチャンネルをメモリに保持した後、ステップS313に進み、チャンネルサーチを終了して当該チャンネルの視聴を継続する。ステップS1301で保持したチャンネルは、次回に同一系列の放送局を探索する処理(ステップS310〜S312)において、最初にサーチするチャンネルとして利用する。これにより、同一系列の放送局のチャンネルを探索する処理時間を短縮することができる。
【0075】
図14は、ステップS1101における処理手順の第3の例である。
まず、前述したステップS1201において、制御部17は、ダイバ合成・復調部13より視聴系統の信号品質値を取得し、当該視聴チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能であるか否かを判定する。当該チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴不可の場合は、発見した同一系列の放送局のチャンネルへ切り替えるステップS309に進み、当該チャンネルの12セグ放送又はワンセグ放送が視聴可能の場合は、ステップS1401に進む。ステップS1401では、発見した同一系列の放送局の番組内容が、現在の視聴番組の番組内容と同一であるか否かを確認する。番組内容が同一か否かを確認するためには、例えば、受信装置100が映像・音声デコード部をもう一つ備えている場合、デコード処理した同一系列の放送局の映像や音声信号を視聴番組の映像や音声信号と比較すればよい。また、別の手段として、TS解析部より番組内容に関する情報が記載されているEIT(Event Information Table)を抽出し、番組内容が視聴番組と相関が取れているか否かによって判断することもできる。ただし、同一系列の放送局の番組内容と現在の視聴番組の内容が同一であるか否かを確認する手段は、いずれの手段を用いても本発明の効果を損なうものではなく、あるいは複数の手段を組み合わせて使用しても良い。
ステップS1402において、番組内容が同一であると確認された場合は、ステップS309に進み、同一系列の放送局のチャンネルに視聴チャンネルを切り替える処理を行い、また、番組内容が同一でないと確認された場合は、前述したステップS1202及びS1203を実行する。
【0076】
図15は、ステップS1101における処理手順の第4の例である。図15では、前述した図14の処理と同様に、発見した同一系列の放送局の番組内容が視聴番組と同一か否かを判定する。ステップS1402において、同一でなかったと判定された場合は、ステップS1301において、発見した同一系列の放送局のチャンネルをメモリに保持する。ステップS1301で保持したチャンネルは、次回に同一系列の放送局を探索する処理(ステップS310〜S312)において、最後にサーチするチャンネルとして利用する。これにより、ステップS1301で保持したチャンネルまでで同一系列の放送局の探索処理が終了してしまうことを避けることができる。
【0077】
以上のように、同一系列の放送局の番組内容が視聴番組と一致するか否かを確認し、一致する場合にのみ無条件で系列局にチャンネルを切り替えるため、使用者は同一の番組内容を視聴し続けることができる。
以上に示した本発明の実施の形態において、受信装置100は、4つのチューナ部10a〜10dを有する構成について説明したが、2つ以上のチューナ部を有する構成であれば、本発明を容易に実施することが可能である。この他にも、実施の形態に対して変更を施した例を考えることができるが、いずれも本発明の範疇にある。
【符号の説明】
【0078】
100…受信装置、10a〜10d…チューナ部、11a〜11d…アンテナ部、12a〜12d…選局部、13…復調・ダイバ合成部、14a、14b…TS解析部、15…映像・音声デコード部、16…出力部、17…制御部、18…操作部、19…位置情報検出部、130a〜130d…チャンネル信号、131a〜131d…復調部、132a、132b…ダイバ合成部、133a、133b…伝送路復号部、134…TS接続部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号を受信する受信装置であって、
放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、
前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、
前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
放送電波の受信状態が良好な場合は、前記複数の受信部の全てに対して同一チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
放送電波の受信状態が低下した場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、
前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、
前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
放送信号を受信する受信装置であって、
放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、
前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、
現在の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作と前記位置情報取得部の位置情報取得処理を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
放送電波の受信状態が良好な場合は、前記複数の受信部の全てに対して同一チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
放送電波の受信状態が低下した場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、
前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合は、前記位置情報取得部より取得した現在位置と視聴番組のTSに含まれる地域識別情報から得られる放送地域を比較し、
前記現在位置が前記放送地域内である場合は、前記複数の受信部の全てに対して現在の受信チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
また、前記現在位置が前記放送地域外である場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、
前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせることを特徴とする受信装置。
【請求項3】
請求項1及び請求項2に記載の受信装置において、
前記放送電波の受信状態が低下した場合とは、
受信チャンネルにおいて、ノイズやフェージングなどの妨害要因から受ける影響に対する耐性が相対的に弱い弱階層伝送の番組を視聴できず、これらからの耐性が相対的に強い強階層の番組を視聴している場合であることを特徴とする受信装置。
【請求項4】
放送信号を受信する受信装置であって、
放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、
前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、
前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
放送電波の受信状態が低下し強階層の番組が視聴不可となった場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、
前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、
前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
また、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見できなかった場合は、前記合成部に対して前記複数の受信部の全てが出力する前記複数の復調信号を合成させ、第3のサーチとして前記複数の受信部の全てを用いて視聴番組の中継局又は同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせることを特徴とする受信装置。
【請求項5】
放送信号を受信する受信装置であって、
放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、
前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、
現在の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作と前記位置情報取得部の位置情報取得処理を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
放送電波の受信状態が低下し強階層の番組が視聴不可となった場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、
前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルが発見できなかった場合は、前記位置情報取得部より取得した現在位置と視聴番組のTSに含まれる地域識別情報から得られる放送地域を比較し、
前記現在位置が前記放送地域内である場合は、前記複数の受信部の全てに対して現在の受信チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
また、前記現在位置が前記放送地域外である場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、
前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
また、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見できなかった場合は、前記合成部に対して前記複数の受信部の全てが出力する前記複数の復調信号を合成させ、第3のサーチとして前記複数の受信部の全てを用いて視聴番組の中継局又は同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせることを特徴とする受信装置。
【請求項6】
請求項1に記載の受信装置において、
前記制御部は、
放送電波の受信状態がさらに低下し強階層の番組が視聴不可となった場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第4のサーチとして所定の候補チャンネルをサーチさせ、
前記第4のサーチの結果、前記所定の候補チャンネルが受信可能であった場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記所定の候補チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
また、前記第4のサーチの結果、前記所定の候補チャンネルが視聴不可であった場合は、所定時間に達するまで前記所定の候補チャンネルのサーチを継続させ、
前記所定時間に達する前に、現在の番組受信チャンネルと前記所定の候補チャンネルのいずれかが視聴可能となった場合には、前記複数の受信部の全てに対して前記視聴可能となった方のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
前記所定時間に達するまで、現在の番組受信チャンネルと前記所定の候補チャンネルのいずれもが視聴不可であった場合には、前記合成部に対して前記複数の受信部の全てが出力する前記複数の復調信号を合成させ、第3のサーチとして前記複数の受信部の全てを用いて視聴番組の中継局又は同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせることを特徴とする受信装置。
【請求項7】
請求項6に記載の受信装置において、
前記候補チャンネルとは、
現在の視聴番組に対して直近に受信したチャンネルを用いることを特徴とする受信装置。
【請求項8】
請求項6に記載の受信装置は、
更に現在の位置情報を取得する位置情報取得部を備え、
前記候補チャンネルとは、
受信機の現在位置が視聴番組の放送地域と異なる場合は、受信機の前記現在位置を放送地域とする同一系列の放送局について、直近に受信したチャンネルを用いることを特徴とする受信装置。
【請求項9】
請求項6に記載の受信装置において、
前記候補チャンネルとは、
視聴番組に対する前記第1のサーチを実施した際に、受信可能ではあるが視聴チャンネルよりは受信不良であった直近のチャンネルを用いることを特徴とする受信装置。
【請求項10】
請求項6に記載の受信装置は、
更に現在の位置情報を取得する位置情報取得部を備え、
前記候補チャンネルとは、
受信機の現在位置が視聴番組の放送地域と異なる場合は、受信機の前記現在位置を放送地域とする同一系列の放送局について、視聴番組に対する前記第2のサーチを実施した際に、受信可能ではあるが視聴チャンネルよりは受信不良であった直近のチャンネルを用いることを特徴とする受信装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10に記載の受信装置において、
中継局サーチを実行する際に探索するチャンネルは、
製品出荷時に予めプリセットした視聴番組の探索対象チャンネルと、視聴番組のNITに記述されている中継局が使用するチャンネル情報を加えたチャンネルであることを特徴とする受信装置。
【請求項12】
放送信号を受信する受信装置であって、
放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、
前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成して伝送路復号を施す第1及び第2の合成・復号部と、
前記第1及び第2の合成・復号部が出力するTS信号のいずれか一方のTS信号を多重分離・デコード処理を施して映像及び音声信号を出力するデコード部と、
前記複数の受信部の選局動作と前記第1及び第2の合成・復号部の動作と前記デコード部の動作を制御する制御部とを備え、
前記複数の受信部のうち第1のチャンネルを選局している1つ以上の受信部(第1の受信グループ)より出力される復調信号が前記第1の合成・復号部に供給され、且つ、前記複数の受信部のうち第2のチャンネルを選局している1つ以上の受信部(第2の受信グループ)より出力される復調信号が前記第2の合成・復号部に供給され、さらに、前記第1の合成・復号部より出力されるTS信号が前記デコード部に供給されて前記第1のチャンネルに対する多重分離・デコード処理を行っている場合において、
前記複数の受信部の全てが前記第2のチャンネルを選局し、前記デコード部が前記第2のチャンネルに対する多重分離・デコード処理を行うため、
前記制御部は、
まず、前記第1の合成・復号部に対して前記デコード部へのTS信号の出力を停止させると共に、前記第2の合成・復号部が出力するTS信号を前記デコード部へ供給させ、続いて、前記第1の受信グループに対して前記第2のチャンネルを選局させ、その後、前記第1の受信グループが出力する復調信号を前記第2の合成・復号部に供給させ、前記第2の合成・復号部に対して前記第1及び第2の受信グループが出力する復調信号を合成して伝送路復号させるように制御することを特徴とする受信装置。
【請求項13】
請求項1乃至11に記載の受信装置において、
さらにTS信号を入力して多重分離・デコード処理を施して映像及び音声信号を出力するデコード部を備え、
前記合成部が出力する複数のTS信号のいずれか一つが前記デコード部に供給される構成であって、
前記デコード部に供給される信号の切り替え制御は、請求項12に記載の切り替え制御であることを特徴とする受信装置。
【請求項1】
放送信号を受信する受信装置であって、
放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、
前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、
前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
放送電波の受信状態が良好な場合は、前記複数の受信部の全てに対して同一チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
放送電波の受信状態が低下した場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、
前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、
前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
放送信号を受信する受信装置であって、
放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、
前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、
現在の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作と前記位置情報取得部の位置情報取得処理を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
放送電波の受信状態が良好な場合は、前記複数の受信部の全てに対して同一チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
放送電波の受信状態が低下した場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、
前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合は、前記位置情報取得部より取得した現在位置と視聴番組のTSに含まれる地域識別情報から得られる放送地域を比較し、
前記現在位置が前記放送地域内である場合は、前記複数の受信部の全てに対して現在の受信チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
また、前記現在位置が前記放送地域外である場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、
前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせることを特徴とする受信装置。
【請求項3】
請求項1及び請求項2に記載の受信装置において、
前記放送電波の受信状態が低下した場合とは、
受信チャンネルにおいて、ノイズやフェージングなどの妨害要因から受ける影響に対する耐性が相対的に弱い弱階層伝送の番組を視聴できず、これらからの耐性が相対的に強い強階層の番組を視聴している場合であることを特徴とする受信装置。
【請求項4】
放送信号を受信する受信装置であって、
放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、
前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、
前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
放送電波の受信状態が低下し強階層の番組が視聴不可となった場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、
前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルを発見できなかった場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、
前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
また、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見できなかった場合は、前記合成部に対して前記複数の受信部の全てが出力する前記複数の復調信号を合成させ、第3のサーチとして前記複数の受信部の全てを用いて視聴番組の中継局又は同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせることを特徴とする受信装置。
【請求項5】
放送信号を受信する受信装置であって、
放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、
前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成する合成部と、
現在の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記複数の受信部の選局動作と前記合成部の合成処理動作と前記位置情報取得部の位置情報取得処理を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
放送電波の受信状態が低下し強階層の番組が視聴不可となった場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第1のサーチとして中継局のチャンネルをサーチさせ、
前記第1のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な中継局のチャンネルが発見できなかった場合は、前記位置情報取得部より取得した現在位置と視聴番組のTSに含まれる地域識別情報から得られる放送地域を比較し、
前記現在位置が前記放送地域内である場合は、前記複数の受信部の全てに対して現在の受信チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
また、前記現在位置が前記放送地域外である場合は、第2のサーチとして視聴番組と同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせ、
前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見した場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記第2のサーチで発見した同一系列の放送局のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
また、前記第2のサーチの結果、視聴チャンネルよりも受信状態が良好な同一系列の放送局のチャンネルを発見できなかった場合は、前記合成部に対して前記複数の受信部の全てが出力する前記複数の復調信号を合成させ、第3のサーチとして前記複数の受信部の全てを用いて視聴番組の中継局又は同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせることを特徴とする受信装置。
【請求項6】
請求項1に記載の受信装置において、
前記制御部は、
放送電波の受信状態がさらに低下し強階層の番組が視聴不可となった場合は、前記複数の受信部を番組受信用とチャンネルサーチ用に分割し、前記合成部に対して前記番組受信用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して番組受信を継続させつつ、前記チャンネルサーチ用の受信部が出力する複数の復調信号を合成して第4のサーチとして所定の候補チャンネルをサーチさせ、
前記第4のサーチの結果、前記所定の候補チャンネルが受信可能であった場合は、前記複数の受信部の全てに対して前記所定の候補チャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
また、前記第4のサーチの結果、前記所定の候補チャンネルが視聴不可であった場合は、所定時間に達するまで前記所定の候補チャンネルのサーチを継続させ、
前記所定時間に達する前に、現在の番組受信チャンネルと前記所定の候補チャンネルのいずれかが視聴可能となった場合には、前記複数の受信部の全てに対して前記視聴可能となった方のチャンネルを選局及び復調させると共に、前記合成部に対して前記複数の復調信号の全てを合成して番組受信を行わせ、
前記所定時間に達するまで、現在の番組受信チャンネルと前記所定の候補チャンネルのいずれもが視聴不可であった場合には、前記合成部に対して前記複数の受信部の全てが出力する前記複数の復調信号を合成させ、第3のサーチとして前記複数の受信部の全てを用いて視聴番組の中継局又は同一系列の放送局のチャンネルをサーチさせることを特徴とする受信装置。
【請求項7】
請求項6に記載の受信装置において、
前記候補チャンネルとは、
現在の視聴番組に対して直近に受信したチャンネルを用いることを特徴とする受信装置。
【請求項8】
請求項6に記載の受信装置は、
更に現在の位置情報を取得する位置情報取得部を備え、
前記候補チャンネルとは、
受信機の現在位置が視聴番組の放送地域と異なる場合は、受信機の前記現在位置を放送地域とする同一系列の放送局について、直近に受信したチャンネルを用いることを特徴とする受信装置。
【請求項9】
請求項6に記載の受信装置において、
前記候補チャンネルとは、
視聴番組に対する前記第1のサーチを実施した際に、受信可能ではあるが視聴チャンネルよりは受信不良であった直近のチャンネルを用いることを特徴とする受信装置。
【請求項10】
請求項6に記載の受信装置は、
更に現在の位置情報を取得する位置情報取得部を備え、
前記候補チャンネルとは、
受信機の現在位置が視聴番組の放送地域と異なる場合は、受信機の前記現在位置を放送地域とする同一系列の放送局について、視聴番組に対する前記第2のサーチを実施した際に、受信可能ではあるが視聴チャンネルよりは受信不良であった直近のチャンネルを用いることを特徴とする受信装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10に記載の受信装置において、
中継局サーチを実行する際に探索するチャンネルは、
製品出荷時に予めプリセットした視聴番組の探索対象チャンネルと、視聴番組のNITに記述されている中継局が使用するチャンネル情報を加えたチャンネルであることを特徴とする受信装置。
【請求項12】
放送信号を受信する受信装置であって、
放送信号を受信して所定のチャンネルを選局して復調する複数の受信部と、
前記複数の受信部が出力する複数の復調信号を合成して伝送路復号を施す第1及び第2の合成・復号部と、
前記第1及び第2の合成・復号部が出力するTS信号のいずれか一方のTS信号を多重分離・デコード処理を施して映像及び音声信号を出力するデコード部と、
前記複数の受信部の選局動作と前記第1及び第2の合成・復号部の動作と前記デコード部の動作を制御する制御部とを備え、
前記複数の受信部のうち第1のチャンネルを選局している1つ以上の受信部(第1の受信グループ)より出力される復調信号が前記第1の合成・復号部に供給され、且つ、前記複数の受信部のうち第2のチャンネルを選局している1つ以上の受信部(第2の受信グループ)より出力される復調信号が前記第2の合成・復号部に供給され、さらに、前記第1の合成・復号部より出力されるTS信号が前記デコード部に供給されて前記第1のチャンネルに対する多重分離・デコード処理を行っている場合において、
前記複数の受信部の全てが前記第2のチャンネルを選局し、前記デコード部が前記第2のチャンネルに対する多重分離・デコード処理を行うため、
前記制御部は、
まず、前記第1の合成・復号部に対して前記デコード部へのTS信号の出力を停止させると共に、前記第2の合成・復号部が出力するTS信号を前記デコード部へ供給させ、続いて、前記第1の受信グループに対して前記第2のチャンネルを選局させ、その後、前記第1の受信グループが出力する復調信号を前記第2の合成・復号部に供給させ、前記第2の合成・復号部に対して前記第1及び第2の受信グループが出力する復調信号を合成して伝送路復号させるように制御することを特徴とする受信装置。
【請求項13】
請求項1乃至11に記載の受信装置において、
さらにTS信号を入力して多重分離・デコード処理を施して映像及び音声信号を出力するデコード部を備え、
前記合成部が出力する複数のTS信号のいずれか一つが前記デコード部に供給される構成であって、
前記デコード部に供給される信号の切り替え制御は、請求項12に記載の切り替え制御であることを特徴とする受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−231317(P2012−231317A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98547(P2011−98547)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
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