説明

口腔内崩壊錠剤

本発明は、乾燥粉末混合物を直接に圧縮することにより得ることができる口腔内崩壊錠剤であって、前記混合物が、ケイ酸カルシウム15重量%以下、希釈剤を少なくとも50%、崩壊剤および活性成分を含んでなる錠剤に関する。また、本発明は、粉末状の特定の賦形剤を均一に配合し、続いて得られた混合物を直接に圧縮することによる錠剤の調製方法に関する。前記錠剤は、口腔で、特に15秒未満で迅速に崩壊する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固形医薬製剤に関し、特に口腔において唾液の作用により迅速に崩壊し、さらに良好な美味性、破砕性、機械強度特性を有し、通常の製造方法を用いて得られる経口投与用錠剤に関する。
【背景技術】
【0002】
水を必要とせずに口の中で迅速に崩壊する固形製剤を開発することは非常に興味深いものである。それは、水を必要としないで薬剤を投与できることから、これらの医薬製剤が、一般集団だけでなく、飲み込むことが困難である患者、例えば、老人、幼児、精神的な問題および非協力的な患者などに提供できるという利点があるからである。さらに、製剤が口の内部で崩壊するので、薬剤は経口、咽頭および胃腸領域で吸収され得る。胃に到達する前に薬剤が吸収されると、肝臓の初回通過代謝が回避される。
【0003】
ヨーロッパ薬局方(Ph.Eur.)、第5版、補遺5.2、2004年6月発行において、口腔内崩壊錠剤は、飲み込む前に迅速に崩壊する、使用時に口の中に置く非コーティング錠剤として定義されている。また、それらが、ヨーロッパ薬局方2.9.1.に記載の方法に準じて錠剤およびカプセル剤用の崩壊試験で崩壊しなければならない時間は3分である。
【0004】
いくつかの技術は、市販用の迅速溶解系を製造するのに用いることができる。これら技術は、通常、調製で用いられる方法に従って、凍結乾燥(Zydis(登録商標)、Quicksolv(登録商標)およびLyoc(登録商標))、成形(FlashDose(登録商標))および圧縮技術と分類される。
【0005】
凍結乾燥は、構造形成賦形剤を含有する薬剤溶液または薬剤懸濁液から溶媒を除去する方法である。錠剤は、高度に多孔性ネットワークにより特徴付けられ、これは水を迅速に吸収し、溶解し、配合した薬剤を放出する。凍結乾燥プロセスは、低温で生じるので、薬剤安定性に影響することがある有害な熱反応をなくすことができる。しかしながら、凍結乾燥プロセスは、スケールアップしたときに非常に高価でかつ問題がある。さらに、得られる剤型は、高温および湿度レベルで高破砕性、低安定性ならびに低機械特性である特徴がある。さらに、特殊な包装を必要とすることがある。
【0006】
成形技術は、2つの異なるプロセスに基づいており、それは溶媒法および加熱法である。溶媒成形法は、薬剤と賦形剤を含む薬剤溶液または懸濁液を調製し、溶媒を周囲圧で蒸発させ、乾燥することを含む。熱成形法では、錠剤を綿菓子または剪断型マトリックスを用いて形成する。キャンディーフロスまたは剪断型マトリックス(candy floss or shearform matrix)は、フラッシュ溶融と遠心力の同時作用により非晶質フロスに加工された糖類または多糖類からなる。成形技術により、高薬剤投与量の錠剤を調製でき、そして得られた錠剤は迅速に溶解する。しかしながら、機械的強度が低いので、成形した錠剤は、浸食ならびにブリスターポケットの取り扱いおよび開口中に破損してしまう。さらに、この技術での追加の要件として、風味をマスキングすることがある。
【0007】
迅速溶解錠剤を調製するのに使用される従来の方法には、十分に確立された技術であること、製造コストが低いこと、技術移転が容易であること(例えば、異なる製造業者への移転が容易である)などのいくつかの利点がある。高多孔度および好適な機械的強度を有する錠剤を開発する数多くの方法、例えば、造粒(湿式造粒、乾式造粒および金型造粒)後に圧縮する方法;および直接圧縮が、試みられてきた。
【0008】
造粒法では、顆粒を超崩壊剤および他の好適な賦形剤と混合し、圧縮して、口の中で限られた量の唾液で迅速に崩壊できる錠剤を得ることにより、迅速溶解錠剤が調製される。この技術に基づく製剤は、欧州特許第0548356号に記載されているFlashTab(登録商標)(Prographarm)である。
【0009】
関連するものとして、欧州特許第1681048号は、中間工程としての造粒および続いての顆粒の圧縮を用いて調製したオランザピンの口腔内崩壊錠剤を記載している。また、類似の方法がDE102005009241号およびIP.Com.Journal、2006に開示されているが、これらは他の活性成分を配合している。欧州特許第1488811号は、調製した顆粒の圧縮成形により得られるプラバスチンの口腔内崩壊錠剤に言及している。欧州特許第1674083号は、最初に噴霧乾燥装置で、成分を含有する分散体を造粒し、得られた顆粒を、活性成分およびステアリン酸マグネシウムと混合し、最後に混合物を錠剤化プロセスに付することにより調製された迅速崩壊錠剤を開示している。
【0010】
造粒法で得られた錠剤は迅速に溶解するが、その溶解速度は錠剤の硬度と相関があり、凍結乾燥錠剤よりも遅いことがある。さらに、造粒後の薬剤安定性に関連した問題を生じやすい。
【0011】
直接圧縮は、技術面から、最も単純かつ最も経済的な錠剤製造法である。迅速溶解錠剤は、好適な賦形剤を用いることにより性質を改善しながら調製できる。この技術に基づく2つの公知の製剤として、WO99/44580号に記載されているZiplets(登録商標)(Eurand社)および米国特許第6、024、981号に記載されているDuraSolv(登録商標)(Cima)があげられる。直接圧縮をベースとした技術では、好適な賦形剤により性質を改善でき、とりわけ崩壊速度、つまり溶解速度を早める超崩壊剤が用いられる。水溶性賦形剤、および時に発泡剤は、崩壊プロセスを促進する。超崩壊剤の有効性を増す不溶性化合物の添加により、崩壊時間は、親水性不溶性化合物の量が増加するにつれて減少する。
【0012】
Ziplets(登録商標)技術は、マイクロカプセルおよび粒剤から水溶性または水不溶性薬剤の風味マスキングおよび迅速放出を実現するために用いられている。得られた迅速溶解錠剤は、水に不溶性の少なくとも一種の無機賦形剤、例えば、リン酸カルシウム、一種以上の崩壊剤、例えば、クロスポビドン、および必要に応じて水溶性賦形剤を含有する混合物を直接に圧縮することにより得られる。しかしながら、得られた組成物は、大きな割合で不溶性賦形剤を含有し、その結果、多量の残留物を口内に残し、美味性を損なう。
【0013】
DuraSolv(登録商標)技術は、包装に注意を払うことなく、より強度が高い錠剤を提供するように設計されている。この技術は、口内にザラザラした感じ、または砂質の感じなしに迅速に溶解する微粒子の形態の通常の非直接圧縮充填剤(デキストロース、マンニトール、ソルビトール、ラクトースおよびスクロース等)を用いることに基づいている。
【0014】
しかしながら、口腔内崩壊錠剤を得るための上記した全ての方法は、多かれ少なかれ、次のような難点を有している:
−高含量の不溶性賦形剤またはマイクロカプセル化活性成分が、口腔で崩壊した後にザラザラした感じを製剤に与え、その結果、美味性の問題が生じる。
−10秒未満で溶解する経口用凍結乾燥物またはウエハースと比較して、一般的に過度に長い崩壊時間。
−従来の包装および輸送に対して不十分な機械抵抗。
【0015】
米国特許第6,610,266号は、低アスペクト比でメタケイ酸カルシウムを調製することと、直接圧縮により迅速崩壊性錠剤を調製するためのメタケイ酸カルシウムの使用方法を記載している。しかしながら、錠剤を調製するには、賦形剤を多量(約40重量%)に必要とし、したがって、サイズだけでなく、錠剤の美味性にも悪影響を及ぼす。
【0016】
WO03/030868号も、フラッシュ溶融経口投与製剤を調製するための、ケイ酸カルシウムの使用方法を開示している。この場合、前記賦形剤をさらに高い割合で使用することに加えて、成分を予め造粒することを含んでなることから、製造プロセスがより複雑になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的は、口腔内で迅速に溶解でき、良好な美味性を提供でき、そして直接圧縮等の通常の方法で得ることができる、口腔内崩壊錠剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者等は、驚くべきことに、少なくとも50重量%の希釈剤と、崩壊剤とを含んでなる、15重量%以下の乾燥粉末混合物を主成分とする処方が、直接圧縮によって、より複雑な手法を用いて得られたものに非常に近い崩壊時間を有する口腔内崩壊錠剤を与えることを見いだした。実際に、この口腔内崩壊錠剤は、口腔で15秒未満で崩壊し、また高機械抵抗、低破砕性、および吸湿性を有する。このため、短い崩壊時間とするために、低い抵抗性と高多孔性を有する錠剤を調製することを必要とする他の技術に対比して非常に有利である。
【0019】
直接圧縮では、経口製剤の安定性を低下することが知られている条件である湿度条件(水または他の溶媒)または高温に活性成分がさらされないので、他の複雑な技術に対して大きな利点がある。さらに、直接圧縮が単純であることから、必要とするのは、単純な機械装置のみであり、したがって、経済的であり、製造コストを大きく低下させることができる。
【0020】
高価であるだけでなく、非常に粗くかつ顆粒状であり、その結果、口内で粗大分散する、直接圧縮に使用される他の典型的な処方とは異なり、口腔内崩壊錠剤を調製するために本発明で使用される処方は、美味性が向上している。この技術的特徴は、主に、賦形剤としてケイ酸カルシウムを配合することによるものであり、ケイ酸カルシウムは、残りの賦形剤が凝集して凝集物を形成して口内での錠剤の分散が困難となり、それにより風味が損なわれ、したがって、患者のコンプライアンスを弱めるのを回避することができる。
【0021】
さらに、この製剤により得られる主要な利点の一つは、厚さが外径の30%未満である錠剤を提供できる可能性があることであり、このことは、口内での崩壊に有利であるとともに、美味性を改善できる。これらの特徴により、飲み込むことが困難な患者に対して、活性成分を投与することがより容易となる。さらに、ケイ酸カルシウムの量が非常に少ないので、錠剤の最終サイズに影響を及ぼすことなく、高活性成分含量の錠剤を構成することも可能である。
【0022】
したがって、本発明の第一の態様によれば、乾燥粉末混合物を直接に圧縮することにより得られる口腔内崩壊錠剤であって、前記混合物が:
ケイ酸カルシウム15重量%以下と、
希釈剤を少なくとも50重量%と、
少なくとも一種の崩壊剤と、そして
少なくとも一種の活性成分と、
を含んでなるものである錠剤が提供される。
【0023】
さらに、本発明者等は、製剤に発泡成分を配合させることにより、錠剤の美味性がさらに向上することを見いだした。したがって、本発明の製剤は、発泡成分をさらに含んでなることができる。
【0024】
本発明の第二の態様によれば、上記した錠剤の調製方法であって、
a)所要量の乾燥粉末成分を混合することと、
b)工程a)で得られた混合物を直接に圧縮すること
とを含んでなる方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、乾燥粉末混合物を直接に圧縮することにより得られる口腔内崩壊錠剤であって、前記混合物が、ケイ酸カルシウム15重量%以下と、希釈剤を少なくとも50重量%と、少なくとも一種の崩壊剤と、少なくとも一種の活性成分と、を含んでなるものである錠剤に関する。この固形製剤は、非水溶性成分量がかなり最小限に抑えてあるので、患者の口内で迅速に崩壊して、はっきりとした口腔内崩壊感を与える。
【0026】
口腔内崩壊錠剤は、水なしでの投与が必要である場合、錠剤を飲み込むのが困難である患者への投与の場合、または他とは異なる錠剤形態である場合に喉を塞ぐ恐れがある老人や子供への投与の場合に有利に使用できる。口腔内崩壊錠剤は、ヒトに対して安全に経口投与できる。
【0027】
ケイ酸カルシウム
本発明に関連して、用語「ケイ酸カルシウム」とは、ケイ素のモル数に対するカルシウムのモル数の比が約1.0であることを特徴とする、式CaSiOで表される天然または合成物質を意味する。特定の実施態様によれば、本発明において使用されるケイ酸カルシウムは、ウオラストナイトとしても知られている、CaO/SiOモル比が約0.8〜1.3の範囲である天然鉱物である。ウオラストナイト鉱物には、1A型(ウオラストナイト)、2M型(パラウオラストナイト)および7M型(擬ウオラストナイト)等の種々の結晶型があり、1A型が最も一般的な天然型である。これらの天然ケイ酸カルシウムは、結晶形態かつ高アスペクト比(3:1超およびさらに20:1超)であり、その結果、剛性と強度を有する。
【0028】
特に好ましくは、結晶型のケイ酸カルシウム、より好ましくはオルト−、メタ−およびアルファ−三斜晶型のケイ酸カルシウムを使用することである。結晶型アルファ−三斜晶ケイ酸カルシウムとしては、例えば、表面積1.3m/g、かさ密度0.63g/cc、真密度2.90g/ccおよび揮発性物質<1(w/w)%の仕様を満足するAldrich Chemical社製の市販品、J.M.Huber社製の市販品、富田製薬株式会社製の市販品、および表面積1.0〜15m/g、かさ密度0.50〜0.63g/cc、真密度2.40〜2.90g/ccおよび揮発性物質<1(w/w)%の仕様を満足するAldrich Chemical社製の市販品があげられる。オルト−およびメタ−ケイ酸カルシウムとしては、例えば、Alfa−Aesar社製で、ケイ酸カルシウム:表面積0.98〜2.5m/g、かさ密度0.49〜0.90g/cc、真密度2.90〜3.30g/ccおよび揮発性物質<1(w/w)%の仕様を満たす市販品があげられる。
【0029】
別の好ましい実施態様によれば、製剤で使用されるケイ酸カルシウムは、非晶質であり、一般的に合成して得られる。シリカ源は、天然の純粋な結晶性二酸化ケイ素または合成非晶質二酸化ケイ素から選択することができる。好ましい形態のシリカは、沈降シリカ、シリカゲル、ヒュームドシリカまたはコロイドシリカなどの非晶質二酸化ケイ素である。カルシウム源は、ケイ酸塩、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、水酸化物およびそれらの塩または混合物を含む群から選択することができる。
【0030】
非晶質ケイ酸カルシウムとしては、例えば、Celite社製(マイクロセルC)およびJ.M.Huber社製(ヒューバーソーブ250NFおよびヒューバーソーブ600NF)で、表面積190〜210m/g、かさ密度0.07〜0.13g/cc、真密度1.70〜2.5g/ccおよび揮発性物質1(w/w)%〜14(w/w)%の仕様を満たす市販品である。
【0031】
上記の天然または合成ケイ酸カルシウムの他に、製剤に、米国特許出願第6,610,266号に開示されているような合成メタケイ酸カルシウムも使用することができる。前記メタケイ酸カルシウムは、低アスペクト比を有すること、および高吸水特性を生じる均一粒子の構造凝集物を形成する特徴がある。具体的には、メタケイ酸カルシウムのこの低アスペクト比(平均長径/平均短径)は、約1:1〜約2.5:1、好ましくは約1:1〜約1.5:1であり、吸収率が約20ml/100g〜約220ml/100g、好ましくは約20ml/100g〜約100ml/100gである。長径は、短径に対して、必ずしも同一平面ではないけれども、垂直である。メタケイ酸カルシウムは、脱水(または「か焼」)できる。
【0032】
本発明に関連して、用語「ケイ酸カルシウム」とは、上記した種々のグレードのケイ酸カルシウムの混合物を包含する。
【0033】
希釈剤
また、本発明による製剤は、少なくとも50重量%の希釈剤を含んでなる。本発明に使用できる希釈剤としては、例えば、以下のものがあげられるが、これらには限定されない:糖類、例えば、単糖類、オリゴ糖類または多糖類、ならびに/またはそれらの酸化形態および/もしくはそれらの還元形態;リボース、ラクトース(種々の形態、例えば、無水物、一水和物、凝集形態または噴霧形態);マンニトール、マルトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルトおよびエリスリトールなどの糖アルコール、セルロース粉末、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、またはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの化学修飾セルロースの誘導体;イソマルト、デンプン、スクロース、リン酸水素カルシウムなどの薬学的に許容される無機化合物、カルシウムまたはマグネシウムの炭酸塩、酸化マグネシウム、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、マルトール、イソマルト、キシリトール、エリスリトールまたはそれらの混合物から選択される糖アルコール。好ましい実施態様によれば、希釈剤は、マルトール、マンニトールおよびそれらの混合物から選択される、中程度または低溶解性のオリゴ糖または糖アルコールである。より好ましくは、希釈剤は、ラクトース、ラクトース一水和物およびマンニトールから選択されるものである。
【0034】
崩壊剤
用語「崩壊剤」とは、水性環境に置かれたときに、錠剤の崩壊を容易にする化合物を意味する。崩壊剤は、一旦水と接触すると、膨潤し、水和し、容積や形態が変化して、バインダーの性能に対抗する破壊力を生じて、圧縮された錠剤がばらばらになる。これらには、種々の形態があり、種々の機能性を発揮する。本発明の製剤に使用するのに好適な崩壊剤として、例えば、以下のものがあげられる:トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどの天然デンプン;デンプン1500などの直接圧縮性澱粉;カルボキシメチルデンプンおよびデンプングリコール酸ナトリウムなどの加工デンプンまたはアルファ化デンプン;天然セルロースまたは化学修飾セルロース、とりわけ架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロースナトリウム)または低置換度ヒドロキシプロピルセルロース;微結晶性セルロース;ゴム、とりわけ寒天ゴムおよびグアーゴム;アルギン酸またはそれらの塩;酢酸塩およびクエン酸塩;糖類(とりわけラクトース、マンニトールおよびソルビトール);酸化アルミニウム;架橋ポリビニルピロリドン、とりわけクロスポビドンなどの合成高分子。
【0035】
本発明の好ましい実施態様によれば、崩壊剤は、クロスポビドンおよびクロスカルメロースナトリウムである。
【0036】
活性成分
活性成分として、例えば、薬剤成分、ビタミン、ミネラルおよび栄養補助食品をあげることができる。特定の実施態様によれば、活性成分は、薬剤成分である。使用できる薬剤成分としては、例えば、以下のものがあげられるが、これらには限定されない:消化管機能調整剤、抗炎症薬、鎮痛薬、勃起不全治療薬、抗うつ薬、鎮静薬、睡眠薬、神経弛緩薬、抗片頭痛薬、抗ヒスタミン剤、例えば、ロラタジン、デスロラタジン、プソイドエフェドリン、セチリジンおよびそれらの混合物、抗菌薬、抗ウイルス薬、心臓血管作用薬、利尿薬、抗高血圧症薬、抗高脂血症薬、抗潰瘍薬、制吐薬、抗ぜん息薬、抗うつ薬、抗血栓薬、化学療法薬、ホルモン剤、駆虫薬、糖尿病薬、コルチコステロイド、ペプチド、タンパク、遺伝子組み換え医薬品およびそれらの混合物。
【0037】
好ましい実施態様によれば、薬剤成分は、ロラタジン、デスロラタジン、アリピプラゾール、オランザピン、リスペリドン、オンダンセトロン、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、フロバトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタンおよびそれらの塩からなる群より選択されるものである。
【0038】
本発明の別の特定の実施態様によれば、活性成分は、ビタミン、ミネラル、栄養補助食品およびそれらの混合物から選択されるものである。
【0039】
本発明の開示において使用される用語「ビタミン」は、食事で必要とされる微量の有機物質を意味する。ビタミンとしては、例えば、チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン、ビオチン、葉酸、ビタミンB12、リポ酸、アスコルビン酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEおよびビタミンKがあげられるが、これらには限定されない。また、用語「ビタミン」は、コリン、カルニチン、およびアルファ、ベータおよびガンマカロチンなどを含む。
【0040】
用語「ミネラル」は、ヒトの食事で必要とされる無機物質、金属等を意味する。ミネラルとしては、例えば、カルシウム、鉄、亜鉛、セレン、銅、ヨウ素、マグネシウム、リン、クロム等、およびそれらの混合物などがあるが、これらには限定されない。
【0041】
本明細書で用いられる用語「栄養補助食品」は、少量投与したときに、認められる程度の栄養上の効果を有する物質を意味する。栄養補助食品には、例えば、花粉、ぬか、小麦胚芽、昆布、タラ肝油、朝鮮人参、魚油、アミノ酸、タンパク質およびそれらの混合物などの成分があげられるが、これらには限定されない。理解されるように、栄養補助食品にビタミンおよびミネラルを配合できる。
【0042】
一般的には、製剤への活性成分の配合量は、公知の調剤原理に従って選択できる。効果的な量の薬剤成分を具体的に意図している。用語「効果的な量」とは、必要とする治療反応を生じさせるのに十分な薬剤または薬学的に活性な物質の量を意味する。ビタミンまたはミネラルに言及して使用される用語「効果的な量」とは、推奨1日摂取量の少なくとも約10%の量を意味する。
【0043】
活性成分の使用量は大きく変えることができる。当業者には、活性成分の物理的特性、錠剤のサイズおよび他の成分の要件は、その製剤における限界含量に直接影響を及ぼすことは理解できるであろう。しかしながら、一般的に、活性成分含量は、製剤の総重量に対して、30重量%以下、好ましくは1〜約20重量%、最も好ましくは1〜約15重量%である。さらに、本発明者等は、本発明の製剤に発泡成分を配合することにより、錠剤の美味性が向上し、心地のよい口腔内崩壊感が得られることを見いだした。したがって、本発明の製剤は、発泡成分をさらに含んでなることができる。本発明の製剤に使用できる好適な発泡成分は、COドナーと有機酸を含んでなる混合物である。典型的なCOドナーには、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどの炭酸塩および重炭酸塩などがある。有機酸としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸およびフマル酸などがあるが、これらには限定されない。
【0044】
また、本発明の医薬組成物は、他の通常の賦形剤、例えば、口腔内崩壊性医薬組成物の上品さおよび性能に影響する界面活性剤、香料、滑沢剤、甘味剤、流動促進剤、抗粘着剤およびそれらの混合物を含むこともできる。前記製剤に使用される追加の賦形剤が、少量、例えば、錠剤の全質量の一般的に10%未満、好ましくは5%で存在する。
【0045】
本発明では、滑沢剤を、口腔内崩壊性医薬組成物の性能に影響を及ぼすことができる追加の賦形剤として使用する。滑沢剤の好適な例として、タルク、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム(Pruv)、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸グリセリル、ステアリン酸およびモノステアリン酸グリセリンなどがあげられるが、これらには限定されない。本発明の組成物にとって好ましい滑沢剤は、ステアリルフマル酸ナトリウムもしくはステアリン酸マグネシウムまたはそれらの組み合わせである。好ましくは、本発明の滑沢剤は、約0.25〜5重量%の量で使用される。
【0046】
本発明による組成物に用いられる好適な香料には、例えば、イチゴ、サクランボ、オレンジ、ペパーミント、クロフサスグリ、バナナ、ラズベリー、レッドフルーツ、野生のキイチゴおよびキャラメルフレーバーなどがあるが、これらには限定されない。好ましくは、本発明における香料の使用量は、2重量%未満である。
【0047】
甘味料は、とりわけアスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン酸ナトリウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、スクラロース、スクロース、フルクトース、グリチルリチン酸モノアンモニウム、およびそれらの混合物を含んでなる群から選択することができる。好ましくは、本発明における甘味料の使用料は、約1〜2重量%である。
【0048】
本発明の口腔内崩壊錠剤は、口内で迅速に崩壊することができ、また高機械的抵抗および低破砕性を有する。用語「破砕性」は、錠剤が、製造、包装、輸送および消費者の使用時の取扱性を損なうことなく衝撃と磨滅の両方に耐えることができる能力の目安となる指数である。本発明の口腔内崩壊錠剤は、破砕性が1%以下、好ましくは0.8%以下である。
【0049】
本発明において使用される製剤は、厚さが非常に小さく、したがって錠剤表面が増し、その結果、崩壊速度が増加した口腔内崩壊錠剤を調製することができる。本発明の特定の実施態様によれば、口腔内崩壊錠剤は、厚さがその外径の30%未満である。厚さが小さいので、錠剤の崩壊が容易になるだけでなく、美味性も得られる。したがって、特定の実施態様によれば、本発明の口腔内崩壊錠剤は、20秒未満、より好ましくは15秒未満、さらに好ましくは10秒未満で崩壊する。
【0050】
本発明による口腔内崩壊錠剤は、乾燥粉末混合物を直接圧縮に附することにより調製される。用語「直接圧縮」は、本発明おいては、活性成分と賦形剤(希釈剤、充填剤、崩壊剤および滑沢剤等)との粉末配合物を均一に金型キャビティに流し込み、堅固な成形体を形成する、直接に圧縮して錠剤を製造するプロセスを定義するのに使用される。湿式造粒または乾式造粒による粉末配合物を予備処理することはおこなわない。効力のある薬剤を製剤に配合するとき、これらを一つの賦形剤上に溶液の形態で噴霧することができる。
【0051】
用語「乾燥粉末混合物」は、造粒プロセス、液状媒体への溶解または分散に附することなく、予めそして独立して650μm未満のメッシュサイズ(通過粒子はそのサイズよりも平均粒子サイズが小さいことになる)を有するふるいを通過させた粉末状成分の混合物を意味する。
【0052】
特定の実施態様によれば、ケイ酸カルシウム、希釈剤、崩壊剤および活性成分を、粉末状で均一に混合して、均一混合物を得る。得られた混合物を、次に直接に圧縮して、錠剤形態の固形製剤を得る。例えば、粉末混合物をタブレットプレスの金型に供給し、十分な圧力をかけて、固形錠剤を形成する。このような圧力は、異なることができ、典型的には約1,000〜20,000N、特に好ましくは3,000〜15,000Nである。直接圧縮は、錠剤を製造する最も容易な方法であり、低製造コストという大きな利点がある。さらに、直接圧縮では、通常の装置、一般的に入手可能な賦形剤および限定された数の製造工程を使用する。
【0053】
得られた圧縮固形製剤は好適な強度および硬度を有し、そして流通および貯蔵中に崩壊しない。
【0054】
以下、非限定的実施例により、本発明の具体的実施態様をさらに説明する。しかしながら、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0055】
実施例1
表1に示す成分の処方を用いて、以下に記載の方法で口腔内崩壊錠剤を調製した:

【0056】
製造方法
以下の手順にしたがって口腔内崩壊錠剤を得た。
a)処方成分を秤量した。
b)成分4および成分5を、メッシュサイズ0.5〜0.6mmのふるいでふるい分けした。
c)工程「b」の材料を、均一混合物が得られるまで好適な容器で混合した。
d)成分1、2、3、6、7、8および9を、メッシュサイズ0.5〜0.6mmのふるいでふるい分けした。
e)工程「d」の材料を、均一混合物が得られるまで好適な容器で、工程「c」で得られた配合物と混合した。
f)成分10を、メッシュサイズ0.3〜0.4mmのふるいでふるい分けし、工程「e」で得られた均一混合物に配合し、全体を好適な容器で約5分間混合した。
g)工程「f」で得られた混合粉末を、好適なポンチを備えたタブレットマシンで圧縮した。
崩壊時間 10秒
重量 80mg
粉砕抵抗 33N
破砕性 <0.1%
厚さ 1.77mm
【0057】
崩壊時間
以下の手順で崩壊時間を測定した。濾紙をペトリ皿の底に配置後、純水を注ぎ、均一に湿潤した。上記で調製した錠剤を湿潤した濾紙上に置き、錠剤の完全崩壊時間を測定した。試験を6回行い、結果を平均した。
【0058】
錠剤の重量
20個の錠剤を、自動てんびんで秤量し、平均質量を計算した。
【0059】
粉砕抵抗
10個の錠剤の粉砕抵抗を、ヨーロッパ薬局方2.9.8.に記載されている装置および方法にしたがって測定する。
【0060】
破砕性
錠剤の破砕性を、ヨーロッパ薬局方2.9.7.に記載されている装置および方法により実施する。
【0061】
厚さ
錠剤の厚さは、錠剤の2つの表面の中点間の距離であり、マイクロメータを用いて測定する。
【0062】
実施例2
錠剤を、表2に示す成分の処方を用いて以下に記載の手順で調製した:

【0063】
製造方法
以下の手順にしたがって口腔内崩壊錠剤を得た。
a)処方成分を秤量した。
b)成分4および成分5を、メッシュサイズ0.5〜0.6mmのふるいでふるい分けした。
c)工程「b」の材料を、均一混合物が得られるまで好適な容器で混合した。
d)成分1、2、3、6、7、8、9および10を、メッシュサイズ0.5〜0.6mmのふるいでふるい分けした。
e)工程「d」の材料を、均一混合物が得られるまで好適な容器で、工程「c」で得られた配合物と混合した。
f)成分11を、メッシュサイズ0.3〜0.4mmのふるいでふるい分けし、工程「e」で得られた均一混合物に配合し、全体を好適な容器で約5分間混合した。
g)工程「f」で得られた混合粉末を、好適なポンチを備えたタブレットマシンで圧縮した。
崩壊時間 11秒
重量 75mg
粉砕抵抗 36N
破砕性 0.17%
厚さ 1.65mm
【0064】
実施例3
錠剤を、表3に示す成分の処方を用いて以下に記載の手順で調製した:

【0065】
製造方法
以下の手順にしたがって口腔内崩壊錠剤を得た。
a)処方成分を秤量した。
b)成分1、均一混合物を得るのに十分な量の成分2、成分3および成分4を、メッシュサイズ0.5〜0.6mmのふるいでふるい分けした。
c)工程「b」の材料を、次に均一混合物が得られるまで好適な容器で一緒に混合した・
d)成分2の残りならびに成分5、成分6および成分7を、メッシュサイズ0.5〜0.6mmのふるいでふるい分けした。
e)工程「d」の材料を、均一混合物が得られるまで好適な容器で混合した。
f)成分8を、メッシュサイズ0.5〜0.6mmのふるいでふるい分けし、工程「e」で得られた均一混合物に配合し、全体を好適な容器で約2分間混合した。
g)工程「f」で得られた混合粉末を、好適なポンチを備えたタブレットマシンで圧縮した。
崩壊時間 9秒
平均錠剤重量 90mg
錠剤の粉砕抵抗 17N
錠剤の破砕性 0.45%
錠剤の厚さ 2.1mm
【0066】
実施例4
錠剤を、表4に示す成分の処方を用いて以下に記載の手順で調製した:

【0067】
製造方法
以下の手順にしたがって口腔内崩壊錠剤を得た。
a)処方成分を秤量した。
b)成分4および成分5を、メッシュサイズ0.5〜0.6mmのふるいでふるい分けした。
c)工程「b」の材料を、均一混合物が得られるまで好適な容器で混合した。
d)成分1、2、3、6、7、8、9および10を、メッシュサイズ0.5〜0.6mmのふるいでふるい分けした。
e)工程「d」の材料を、均一混合物が得られるまで好適な容器で、工程「c」で得られた配合物と混合した。
f)成分10を、メッシュサイズ0.3〜0.4mmのふるいでふるい分けし、工程「e」で得られた均一混合物に配合し、全体を好適な容器で約5分間混合した。
g)工程「f」で得られた混合粉末を、好適なポンチを備えたタブレットマシンで圧縮した。
崩壊時間 9秒
重量 75mg
粉砕抵抗 34N
破砕性 0.20%
厚さ 1.65mm
【0068】
実施例5
錠剤を、表5に示す成分の処方を用いて以下に記載の手順で調製した:

【0069】
製造方法
以下の手順にしたがって口腔内崩壊錠剤を得た。
a)処方成分を秤量した。
b)成分4および成分5を、メッシュサイズ0.5〜0.6mmのふるいでふるい分けした。
c)工程「b」の材料を、均一混合物が得られるまで好適な容器で混合した。
d)成分1、2、3、6、7、および8を、メッシュサイズ0.5〜0.6mmのふるいでふるい分けした。
e)工程「d」の材料を、均一混合物が得られるまで好適な容器で、工程「c」で得られた配合物と混合した。
f)成分9を、メッシュサイズ0.3〜0.4mmのふるいでふるい分けし、工程「e」で得られた均一混合物に配合し、全体を好適な容器で約5分間混合した。
g)工程「f」で得られた混合粉末を、好適なポンチを備えたタブレットマシンで圧縮した。
崩壊時間 6秒
重量 40mg
粉砕抵抗 21N
破砕性 0.34%
厚さ 1.02mm
【0070】
実施例6
錠剤を、表6に示す成分の処方を用いて以下に記載の手順で調製した:

【0071】
製造方法
a)処方成分を秤量した。
b)成分3および成分4を、メッシュサイズ0.5〜0.6mmのふるいでふるい分けした。
c)工程「b」の材料を、均一混合物が得られるまで好適な容器で混合した。
d)成分1、2、5、6、および7を、メッシュサイズ0.5〜0.6mmのふるいでふるい分けした。
e)工程「d」の材料を、均一混合物が得られるまで好適な容器で、工程「c」で得られた配合物と混合した。
f)成分8を、メッシュサイズ0.3〜0.4mmのふるいでふるい分けし、工程「e」で得られた均一混合物に配合し、全体を好適な容器で約5分間混合した。
g)工程「f」で得られた混合粉末を、好適なポンチを備えたタブレットマシンで圧縮した。
崩壊時間 12秒
重量 80mg
粉砕抵抗 37N
破砕性 <0.1%
厚さ 1.80mm


【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥粉末混合物を直接に圧縮することにより得ることができる口腔内崩壊錠剤であって、
前記混合物が:
ケイ酸カルシウム15重量%以下と、
希釈剤を少なくとも50重量%と、
少なくとも一種の崩壊剤と、そして
少なくとも一種の活性成分と、
を含んでなるものである、錠剤。
【請求項2】
その厚さが、外径の30%未満である、請求項1に記載の錠剤。
【請求項3】
前記混合物におけるケイ酸カルシウムの重量割合が10重量%以下である、先行する請求項のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項4】
前記ケイ酸カルシウムが結晶性である、先行する請求項のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項5】
前記ケイ酸カルシウムが、オルト−、メタ−、あるいはアルファ三斜晶−ケイ酸カルシウムである、先行する請求項のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項6】
前記ケイ酸カルシウムが非晶質である、先行する請求項のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項7】
前記希釈剤が、単糖類、オリゴ糖類、多糖類およびそれらの酸化型または還元型;リボース、ラクトース、無水ラクトース、ラクトース一水和物、ラクトースの凝集型または噴霧型;セルロース粉末、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される化学修飾セルロースの誘導体;デンプン;スクロース;リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウム、および酸化マグネシウムから選択される薬学的に許容される無機化合物;マンニトール、ソルビトール、マルチトール、マルトール、イソマルト、キシリトール、エリスリトール、およびそれらの混合物から選択される糖アルコール類からなる群より選択されるものである、先行する請求項のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項8】
前記希釈剤が、オリゴ糖またはマンニトール、マルトールおよびそれらの混合物から選択される糖アルコールであり、好ましくはラクトースまたはマンニトールである、請求項7に記載の錠剤。
【請求項9】
前記崩壊剤が、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびアルファ化デンプンからなる群より選択されるものである、先行する請求項のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項10】
前記崩壊剤が、クロスポビドンまたはクロスカルメロースナトリウムである、請求項10に記載の錠剤。
【請求項11】
前記活性成分が、消化管機能調整剤、抗炎症薬、鎮痛薬、勃起不全治療薬、抗うつ薬、鎮静薬、睡眠薬、神経弛緩薬、抗片頭痛薬、抗ヒスタミン剤、例えば、ロラタジン、デスロラタジン、プソイドエフェドリン、セチリジンおよびそれらの混合物、抗菌薬、抗ウイルス薬、心臓血管作用薬、利尿薬、抗高血圧症薬、抗高脂血症薬、抗潰瘍薬、制吐薬、抗ぜん息薬、抗うつ薬、抗血栓薬、化学療法薬、ホルモン剤、駆虫薬、糖尿病薬、コルチコステロイド、ペプチド、タンパク、遺伝子組み換え医薬品およびそれらの混合物からなる群より選択される薬剤成分である、先行する請求項のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項12】
前記活性成分が、ロラタジン、デスロラタジン、アリピプラゾール、オランザピン、リスペリドン、オンダンセトロン、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、フロバトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、それらの塩およびそれらの混合物からなる群より選択されるものである、先行する請求項のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項13】
前記活性成分が、ビタミン、ミネラル、栄養補助食品またはそれらの混合物から選択されるものである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項14】
粉末混合物が、発泡成分をさらに含んでなる、先行する請求項のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項15】
a)所要量の乾燥粉末成分を混合することと、
b)工程a)で得られた混合物を直接に圧縮することと、
を含んでなる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の錠剤の調製方法。

【公表番号】特表2010−540588(P2010−540588A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527429(P2010−527429)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【国際出願番号】PCT/EP2008/063068
【国際公開番号】WO2009/043844
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(508193345)ラボラトリオス、レスビ、ソシエダッド、リミターダ (2)
【氏名又は名称原語表記】LABORATORIOS LESVI,S.L.
【Fターム(参考)】