説明

合成樹脂製ボトルの製造方法

【課題】底部が十分に延伸され、また、胴部の減圧変形を防止することが可能であって、更に、自立補助具を用いることなく充填ラインにおける安定した自立搬送が行える合成樹脂製ボトルを容易に製造することができる合成樹脂製ボトルの製造方法を提供する。
【解決手段】金型15に取付けたプリフォームの内部に内圧を付与し、内周壁部12及び傾斜部8を接地部11よりも下方に膨出させる。次いで、胴部3及び底部4に付与した内圧を維持し、内周壁部12を胴部3内方に向かって立ち上げつつ傾斜部8のテーパ形状を維持して傾斜部8及び底部中央部9を接地部11よりも上方に押し上げる。次いで、底部4の押し上げ状態を維持して高い内圧を胴部3及び底部4に付与し、胴部3及び底部4を金型15の内面に密着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口部と、該口部の下方に連設された筒状の胴部と、該胴部の下部を閉塞する底部とを備える合成樹脂製ボトルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の合成樹脂製ボトルとして、例えばポリエチレンテレフタレート製のブロー成形ボトル(PETボトル)が知られている。この種のボトルは、充填ラインにより飲料等の内容物が充填される。充填ラインには、ボトルを搬送する搬送路に沿ってボトル内部に内容物を充填する充填装置や、内容物が充填されたボトルの口部をキャップにより封止する封止装置等の複数の装置が配設されている。一般に、この種のボトルは、その底部の外周側に周状の接地部が形成された脚部を備え、脚部に包囲される内方側がボトル内に凹入されていて安定した自立状態が維持できるので、充填ラインの搬送路においては正立状態で搬送することができる。
【0003】
一方、近年においては、ボトルの底部の一部を凹凸反転自在とし、その反転部を外側に突出させた状態で液状内容物を充填し、ボトル口部をキャップによって封止した後に反転部をボトルの内方に凹入させるようにしたものが知られている(特許文献1参照)。かかるボトルによれば、その底部をブロー成形時に外方に膨出させて十分に延伸させることができるので、底部を薄肉化してその材料使用量が削減でき、ボトルを軽量化することができる。また、ボトルを封止した後に反転部をボトルの内方に凹入させることで、内容物の冷却等に伴うボトルの減圧変形も防止できる。
【0004】
しかし、前述した充填ラインの搬送路において安定した自立搬送を行なう場合には、ボトルの底部の一部を底部から突出させた状態では、ボトル底部が不安定となって自立させた状態で搬送することが困難となる。
【0005】
そこで、ボトルの底部に、安定した接地部を有する筒状の自立補助具を装着して自立補助具内に底部の下方に突出する反転部を収容することにより、ボトルを自立させることができ、安定した自立搬送が行える。
【0006】
しかし、上記のような自立補助具を装着する場合には、自立補助具を装着する工程を更に設けなければならず、工程数が増加して効率が悪化する不都合がある。また、加熱された高温(例えば約85℃)の内容物を充填(所謂ホット充填)する場合には内容物充填後に冷却洗浄工程が行なわれるが、常温(例えば約25℃)の内容物を充填(所謂アセプティック充填)する場合には、内外面が殺菌処理されたボトルが用いられて無菌状態での充填作業が行われ、このときボトルに自立補助具を装着しておくためには、自立補助具自体にも殺菌処理等を施さなければならず作業工数が一層増加する不都合がある。
【特許文献1】特表2006−501109
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かかる不都合を解消して、本発明は、底部が十分に延伸され、また、胴部の減圧変形を防止することが可能であって、更に、自立補助具を用いることなく充填ラインにおける安定した自立搬送が行える合成樹脂製ボトルを容易に製造することができる合成樹脂製ボトルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために、本発明は、口部と、該口部の下方に連設された筒状の胴部と、該胴部の下部を閉塞する底部とを備え、前記底部は、前記胴部の下端に沿って連設された脚部と、該底部の中央部に形成された底部中央部と、前記脚部の内周端から底部中央部に向かって下方に傾斜するテーパ形状の傾斜部とを備え、前記脚部は、前記胴部の下端から下方に延びる外周壁部と、該外周壁部の下端に沿って周状に形成された接地部と、該接地部の内周端から立ち上がって傾斜部の外周端に連なる内周壁部とを備え、傾斜部及び底部中央部が前記接地部よりも上方に位置する形状の合成樹脂製ボトルを製造する方法であって、前記ボトル形状に対応する金型に取付けたプリフォームの内部に内圧を付与して前記胴部及び底部を延伸させると共に、少なくとも前記傾斜部を、その外周端から底部中央部に向かって下方に傾斜するテーパ形状に膨出させる第1ブロー工程と、該第1ブロー工程で形成された胴部及び底部に内圧を付与した状態で、前記脚部の内周壁部を接地部の内周端から胴部内方に向かって立ち上げつつ前記傾斜部の底部中央部に向かって下方に傾斜するテーパ形状を維持して該傾斜部及び底部中央部を接地部よりも上方に押し上げる底部押し上げ工程と、該底部押し上げ工程による底部の押し上げ状態を維持して該底部押し上げ工程より高い内圧を胴部及び底部に付与し、胴部及び底部を前記金型内面に密着させる第2ブロー工程とを備えることを特徴とする。
【0009】
このとき、前記第1ブロー工程においては、前記内周壁部及び前記傾斜部を、前記接地部の内周端から前記底部中央部に向かって該接地部よりも下方に傾斜するテーパ形状に膨出させることが好ましい。
【0010】
本発明によれば、先ず、第1ブロー工程により、金型に取付けたプリフォームの内部に加圧エア等を供給して内圧を付与する。これにより、プリフォームが膨張して延伸されたボトルの胴部及び底部が形成される。なお、この時点では胴部及び底部が金型内面に密着するまでは至らず、最終形状になる前段階の中間形状(金型の内面への密着が不完全な状態での形状)のボトルとなる。
【0011】
次いで、底部押し上げ工程により、脚部の内周壁部を接地部の内周端から胴部内方に向かって立ち上げつつ傾斜部及び底部中央部を接地部よりも上方に押し上げる。このとき、第1ブロー工程で形成された胴部及び底部に内圧を付与した状態とする(好ましくは、第1ブロー工程において胴部及び底部に付与した内圧を維持する)ことで、傾斜部及び底部中央部を金型内面に密着させて精度良く押し上げることができ、脚部の内周壁部を確実に立ち上げることができる。また、このとき、前記傾斜部は、底部中央部に向かって下方に傾斜するテーパ形状が維持される。これにより、傾斜部及び底部中央部は、接地部よりも上方に位置して、脚部に包囲された内側に収容された状態となる。
【0012】
続いて、第2ブロー工程により、底部の押し上げ状態を維持して第1ブロー工程より高い内圧を胴部及び底部に付与する。これにより、胴部及び底部が前記金型内面に密着し、ボトルの最終形状が形成される。
【0013】
以上のように、第1ブロー工程において少なくとも傾斜部を下方に傾斜するテーパ形状に膨出させることにより傾斜部を十分に延伸させ、更に好ましくは、接地部よりも下方位置で内周壁部及び傾斜部を下方に傾斜するテーパ形状に膨出させることにより内周壁部及び傾斜部を十分に延伸させるので、底部を薄肉化して且つ高い強度を得ることができ、合成樹脂材料を削減して材料コストを低減することができる。しかも、底部押し上げ工程により傾斜部及び底部中央部が接地部よりも上方に位置する形状に形成されるので、傾斜部が底部中央部に向かって下方に傾斜するテーパ形状に形成されていても、接地部よりも下方に突出することはなく、例えば、充填ラインにおける搬送時に従来のような自立補助具を取付けることなく安定した自立搬送を行うことができる。
【0014】
また、本発明の前記第2ブロー工程においては、前記傾斜部の外周端と内周端との夫々の全周に、傾斜部を胴部内方に反転凹入自在とするヒンジ部を成形することが好ましく、更に、前記第2ブロー工程の後に、前記ヒンジ部を介して前記傾斜部を胴部内方に反転凹入させる傾斜部凹入工程を設けてもよい。
【0015】
これにより、ヒンジ部を介して傾斜部を胴部内方に反転凹入させることが容易に行なえ、例えば、ボトル内部に内容物を充填してキャップにより封止した後、傾斜部を胴部内方に反転凹入させてボトルの減圧変形を防止することができる。或いは、金型からボトルを取り外す直前又は直後に傾斜部凹入工程を設けて傾斜部を胴部内方に反転凹入させ、底部が胴部内に凹入した形状で内容物の充填を行なうボトルとしても用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態の方法により得られる合成樹脂製ボトルの形状を示す説明的断面図、図2は本実施形態において採用する金型の説明的断面図、図3は本実施形態におけるブロー成形の各工程を示す説明図である。
【0017】
本実施形態の方法により製造される合成樹脂製ボトル1は、図1に示すように、口部2と、該口部2の下方に連設された筒状の胴部3と、該胴部3の下部を閉塞する底部4とを備えている。ボトル1は、射出成形されたポリエチレンテレフタレート樹脂製のプリフォーム1a(図2参照)からブロー成形され、これによって、胴部3及び底部4が二軸延伸された状態で形成されている。また、口部2の外周にはキャップ5(図1においては仮想線示する)を螺着するための螺着部6が形成されている。
【0018】
次に、ボトル1の底部4について詳しく説明する。底部4は、図1に示すように、胴部3の下端に連続して形成された環状の脚部7と、該脚部7に包囲された領域に形成された傾斜部8と、底部4の中央部に形成された中央凹部9(底部中央部)とを備えている。脚部7は胴部3の下方に向かって突出するように湾曲した形状であり、胴部3に連なる外側壁部10と、該外側壁部10の下端に連設されてボトル1を自立させるときに接地する接地部11と、接地部11の内周端から上方に立ち上がる内側壁部12とによって構成されている。
【0019】
前記傾斜部8は、内側壁部12の上端から中央凹部9に向かってテーパ状に下方に傾斜しており、その外周端部(内側壁部12の上端との境界)には、外周ヒンジ部13が形成されている。また、前記傾斜部8の内周端部(中央凹部9の外周端との境界)には、内周ヒンジ部14が形成されている。傾斜部8は、外周ヒンジ部13と内周ヒンジ部14との間で上下対称形状に反転自在とされている。傾斜部8は、中央凹部9に向かって下方に傾斜するテーパ形状であっても(即ち、下方に突出する形状であっても)、脚部7の接地部11よりも上方に位置して脚部7に包囲された内方に収納される。
【0020】
中央凹部9は、内周ヒンジ部14から胴部3の軸線に向かって立ち上がって胴部3の内部に突出し(外側から見て凹入されている)、頂部が略平坦な大略円錐形状に形成されている。中央凹部9の頂部の中心はボトル1の軸心(即ち、底部4の中心)に略一致している。また、中央凹部9は、底部4の外径に応じて適宜大きさを選択することができる。
【0021】
なお、傾斜部8は、外周ヒンジ部13及び内周ヒンジ部14により脚部7等に不用意な変形を波及させることなく正確且つ円滑に反転させることができるようになっているが、ボトル1の内方(上方向)に反転凹入させた後に不用意に戻り方向に反転しないように、傾斜部8の面形状、傾斜部8の傾斜角度、及び傾斜部8の大きさ等が適切に設定されている。
【0022】
次に、本実施形態によるボトル1の製造方法を説明する。ボトル1は、図2及び図3に模式的に示すように、ブロー成形用の金型15により成形される。該金型15は、図2に示すように、胴部成形金型部16と底部成形金型部17とストレッチロッド18とを備えている。
【0023】
図3(a)に示すように、ストレッチロッド18は、金型15の内部に所定のストロークで侵入する。なお、ストレッチロッド18は、図示しないが、中空の冷却空気流路を備えその周壁に冷却空気を送出する複数のエア噴出口19を備えている。
【0024】
図2に示すように、胴部成形金型部16は、その内側に、胴部3に対応する胴部成形面20と、胴部3の下端に連なる脚部7の一部である外側壁部10と接地部11とに対応する第1脚部成形面21とを備えている。
【0025】
底部成形金型部17は、その内側に、接地部11に連なる脚部7の他部である内側壁部12に対応する第2脚部成形面22と、傾斜部8に対応する傾斜部成形面23と、中央凹部9に対応する中央突出部材24とを備えている。更に、第2脚部成形面22と傾斜部成形面23との境界には外周ヒンジ成形面25が設けられており、傾斜部成形面23と中央突出部材24との間には内周ヒンジ成形面26が設けられている。
【0026】
傾斜部成形面23は、傾斜部8が胴部3の下方に向かって傾斜した状態(即ち傾斜部8が胴部3の外方向に突出した状態)に対応するテーパ形状とされている。また、中央突出部材24は底部成形金型部17の中央部に突没自在に設けられ、中央突出部材24の下方には該中央突出部材24を金型内方に突き出させるための突き上げロッド27が連結されている。そして、底部成形金型部17は、胴部成形金型部16に対して昇降されるようになっている。
【0027】
金型15によるボトル1の成形においては、先ず、図3(a)に示すように、底部成形金型部17を下降させて、底部成形金型部17の最上部位(本実施形態においては第2脚部成形面22と傾斜部成形面23との境界頂部である外周ヒンジ成形面25)を、胴部成形金型部16の第1脚部成形面21の下端より寸法Lを存して位置させ、底部4の傾斜部8が下方に傾斜するように位置させる。そして、加熱されたプリフォーム1aの口部からの加圧エアの供給と、ストレッチロッド18による押し下げ引き伸ばしにより、二軸延伸された中間形状(金型15の内面への密着が不完全な状態での形状)のボトル1bが形成される(第1ブロー工程)。このとき、ボトル1b内部に付与する圧力は、本実施形態においては、約10barとした(6〜13barが好ましい)。そして、底部成形金型部17の傾斜部成形面23が傾斜部8に対応した下方に向かって傾斜するテーパ形状に形成されていることにより、中間形状にあるボトル1bの傾斜部8が膨出して十分に延伸される。更に、底部成形金型部17が、胴部成形金型部16の下方に前記寸法Lを存して位置していることにより、この寸法Lによる空間において脚部7の内側壁部12となる部分12xが延伸された状態に形成される。
【0028】
次いで、図3(b)に示すように、ボトル1bに内圧を付与した状態で、ストレッチロッド18を上昇させ、底部成形金型部17を上昇させて底部4を胴部3の内部方向に押し上げる(底部押し上げ工程)。このとき、底部成形金型部17の第2脚部成形面22を、胴部成形金型部16の第1脚部成形面21に対向させ、底部成形金型部17の最下部位(本実施形態においては傾斜部成形面23と中央突出部材24との境界底部である内周ヒンジ成形面26)を、胴部成形金型部16の第1脚部成形面21の下端より上方に位置させる。これにより、脚部7の内側壁部12が第2脚部成形面22に沿って立ち上がった形状とされ、同時に、傾斜部成形面23に沿って形成された傾斜部8がその膨出されたテーパ形状を維持して脚部7の内側壁部12に包囲された内側に収容される。
【0029】
そして、中間形状のボトル1bの内部に前記第1ブロー工程より高い圧力の加圧エアを供給し、図3(c)に示すように、胴部3及び底部4を前記金型15の内面(胴部成形面20、第1脚部成形面21、第2脚部成形面22、傾斜部成形面23、中央突出部材24、外周ヒンジ成形面25、内周ヒンジ成形面26)に密着させる(第2ブロー工程)。このとき、ボトル1b内部に付与する圧力は、本実施形態においては、約30barとした(20〜50barが好ましい)。これにより、前記金型15の内面に対応する最終形状のボトル1が形成される。このとき、外周ヒンジ成形面25と内周ヒンジ成形面26とにより外周ヒンジ部13と内周ヒンジ部14とが確実に形成される。
【0030】
その後、図示しないが、金型15が分割され、内部からボトル1が取り出される。金型15から取り出されたボトル1は、胴部3、脚部7の外側壁部10及び接地部11が延伸されるだけでなく、前記第1ブロー工程により脚部7の内側壁部12と傾斜部8とが十分に延伸されているので、高い強度を得てしかも薄肉に形成して合成樹脂材料を削減することができ、軽量化することができる。そして、図1に示すように、ボトル1は、傾斜部8が中央凹部9に向かって下方に傾斜するテーパ形状に突出して形成されていても、中央凹部9と傾斜部8とが脚部7の接地部11の内周側に立ち上がる内側壁部12の内側に収容されて接地部11よりも上方に位置するので、次の工程(例えば、内容物を充填する工程)までのコンベア等による自立搬送を安定して行うことができる。
【0031】
また、ボトル1は、図1に示すように、外周ヒンジ部13と内周ヒンジ部14とにより傾斜部8が反転自在となっているので、傾斜部8が下方に突出した状態で内部に内容物を充填してキャップ5により封止した後、図示しない凹入手段により中央凹部9と傾斜部8とを押し上げて、図1中仮想線で示すように傾斜部8を胴部3の内部方向に凹入させ(傾斜部凹入工程)、ボトル1の減圧変形を防止することができる。或いは、図3(c)を参照すれば、金型15からボトル1を取り外す直前に、突き上げロッド27を金型15内方に突き出させて中央突出部材24を介して中央凹部9を押し上げ(傾斜部凹入工程)、これに伴って傾斜部8を反転凹入させることができ、底部4が胴部3内に凹入した形状でボトル1を金型から取り外して内容物の充填を行なうこともできる。
【0032】
また、本実施形態の第1ブロー工程においては、図3(a)に示すように、底部成形金型部17を、胴部成形金型部16の下方に前記寸法Lを存して位置させた最も好ましい例を示したが、それ以外には、図示しないが、第1ブロー工程において、底部成形金型部17の最上部位(上記の実施形態においては第2脚部成形面22と傾斜部成形面23との境界頂部である外周ヒンジ成形面25)を、胴部成形金型部16の第1脚部成形面21の下端と略同等の高さ位置としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態の方法により得られる合成樹脂製ボトルの形状を示す説明的断面図。
【図2】本実施形態において採用する金型の説明的断面図。
【図3】本実施形態におけるブロー成形の各工程を示す説明図。
【符号の説明】
【0034】
1…合成樹脂製ボトル、1a…プリフォーム、2…口部、3…胴部、4…底部、7…脚部、8…傾斜部、9…中央凹部(底部中央部)、10…外周壁部、11…接地部、12…内周壁部、13…外周ヒンジ部(ヒンジ部)、14…内周ヒンジ部(ヒンジ部)、15…金型。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部と、該口部の下方に連設された筒状の胴部と、該胴部の下部を閉塞する底部とを備え、前記底部は、前記胴部の下端に沿って連設された脚部と、該底部の中央部に形成された底部中央部と、前記脚部の内周端から底部中央部に向かって下方に傾斜するテーパ形状の傾斜部とを備え、前記脚部は、前記胴部の下端から下方に延びる外周壁部と、該外周壁部の下端に沿って周状に形成された接地部と、該接地部の内周端から立ち上がって傾斜部の外周端に連なる内周壁部とを備え、傾斜部及び底部中央部が前記接地部よりも上方に位置する形状の合成樹脂製ボトルを製造する方法であって、
前記ボトル形状に対応する金型に取付けたプリフォームの内部に内圧を付与して前記胴部及び底部を延伸させると共に、少なくとも前記傾斜部を、その外周端から底部中央部に向かって下方に傾斜するテーパ形状に膨出させる第1ブロー工程と、
該第1ブロー工程で形成された胴部及び底部に内圧を付与した状態で、前記脚部の内周壁部を接地部の内周端から胴部内方に向かって立ち上げつつ前記傾斜部の底部中央部に向かって下方に傾斜するテーパ形状を維持して該傾斜部及び底部中央部を接地部よりも上方に押し上げる底部押し上げ工程と、
該底部押し上げ工程による底部の押し上げ状態を維持して該底部押し上げ工程より高い内圧を胴部及び底部に付与し、胴部及び底部を前記金型内面に密着させる第2ブロー工程とを備えることを特徴とする合成樹脂製ボトルの製造方法。
【請求項2】
前記第1ブロー工程においては、前記内周壁部及び前記傾斜部を、前記接地部の内周端から前記底部中央部に向かって該接地部よりも下方に傾斜するテーパ形状に膨出させることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製ボトルの製造方法。
【請求項3】
前記第2ブロー工程においては、前記傾斜部の外周端と内周端との夫々の全周に、傾斜部を胴部内方に反転凹入自在とするヒンジ部を成形することを特徴とする請求項1又は2記載の合成樹脂製ボトルの製造方法。
【請求項4】
前記第2ブロー工程の後に、前記ヒンジ部を介して前記傾斜部を胴部内方に反転凹入させる傾斜部凹入工程を備えることを特徴とする請求項3記載の合成樹脂製ボトルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−254244(P2008−254244A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−96765(P2007−96765)
【出願日】平成19年4月2日(2007.4.2)
【出願人】(505440295)北海製罐株式会社 (58)
【Fターム(参考)】