説明

同期コンデンサの慣性を制御するためのシステム及び方法

【課題】発電システム内の電力擾乱事象に対応するよう同期コンデンサの慣性を制御するシステムを提供する。
【解決手段】システムは、モータ110と、双方向電源115と、少なくとも1つの制御装置120と、を含むことができる。モータ110は、電力擾乱事象中にコンデンサシャフト122の回転を変更して同期コンデンサ105の所望慣性を得るように構成することができる。双方向電源115をモータ110に結合することができる。少なくとも1つの制御装置120は、電力擾乱事象を識別し、所望の慣性を得るためにモータ110に供給し又はモータ110から受け取る電力量を特定して、特定された電力量に基づいて、電源115からモータ110へ、又はモータ110から電源115への電力供給を制御するよう構成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、全体的に、同期コンデンサに関し、より具体的には同期コンデンサの慣性の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
同期コンデンサは、発電用途など幅広い種類の応用分野で利用される。発電用途では、同期コンデンサは通常、地域配電グリッドに対して電気条件を調整するのに利用される。同期コンデンサは、そのシャフトが何れにも取り付けられず自由にスピンできる特殊なモータである。
【0003】
発電システム内の電力擾乱事象の間、同期コンデンサの回転は典型的には所望値から変動する。例えば、配電グリッド内のライン障害により、通常、同期コンデンサのスローダウンを引き起こすことになる。これらの望ましくない変動は通常、風力タービン及び光起電力セルなどの再生可能な電源と併せて利用される同期コンデンサにおいてより大きくなる。同期コンデンサは通常、一定のH値、すなわち固有のスピン慣性量又は持続時間を有する。しかしながら、同期コンデンサのH値に対して実用上の限界がある。加えて、フライホイールを使用することでは、種々の電力擾乱事象に対応するよう同期コンデンサのH値を所望値にまで高めるには不十分である場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,093,975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の必要性及び/又は問題点の一部又は全ては、本発明の特定の実施形態により対処することができる。本発明の実施形態は、同期コンデンサの慣性を制御するシステム及び方法を含むことができる。本発明の1つの実施形態によれば、同期コンデンサの慣性を制御するシステムが開示される。本システムは、モータ、該モータに結合される双方向電源、及び少なくとも1つの制御装置を含むことができる。モータは、コンデンサシャフトの回転を変更して、電力擾乱事象中の同期コンデンサの所望の慣性を得るように構成することができる。少なくとも1つの制御装置は、電力擾乱事象を識別し、所望の慣性を得るためにモータに供給する又はモータから受け取る電力量を特定するよう構成することができる。加えて、少なくとも1つのコントローラは、特定された電力量に基づいて、電源からモータ又はモータから電源への電力供給を制御するよう構成することができる。
【0006】
本発明の別の実施形態によれば、同期コンデンサの慣性を制御する方法が開示される。コンデンサシャフトの回転を変更して、電力擾乱事象中の同期コンデンサの所望の慣性を得るように構成されたモータを設けることができる。加えて、モータに電力を供給するか、又はモータから電力を受け取るよう構成された双方向電源を設けることができる。電力擾乱事象は、1つ又はそれ以上のコンピュータデバイスを含むコントローラにより識別することができる。所望の慣性を得るために電源からモータに供給し、又はモータから電源が受け取る電力量は、コントローラにより特定することができる。特定された電力量に基づいて、コントローラは、電源からモータへ又はモータから電源への電力供給を制御することができる。
【0007】
本発明の更に別の実施形態によれば、同期コンデンサの慣性を制御する方法が開示される。同期コンデンサの作動は、同期コンデンサに関連する電力擾乱事象を識別するために1つ又はそれ以上のコンピュータデバイスを含むコントローラによって監視することができる。識別された事象の影響は、コントローラにより特定することができる。特定された影響に基づいて、コントローラは、コンデンサシャフトに結合され、シャフトの回転を変更して同期コンデンサの所望の慣性を得るように構成されたモータの動作を制御することができる。
【0008】
本発明の種々の実施形態の手法を通して、追加のシステム、方法、装置、特徴、及び態様が実現される。本発明の他の実施形態及び態様は、本明細書で詳細に説明され、請求項に記載された本発明の一部とみなされる。他の実施形態及び態様は、本明細書及び図面を参照すると理解することができる。
【0009】
以上において本発明を概略的に説明してきたが、ここで必ずしも縮尺通りではない添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の例示的な実施形態による、同期コンデンサの慣性を制御するのに利用できる1つの例示的なシステムの概略図。
【図2】本発明の例示的な実施形態による、同期コンデンサの慣性を制御するための1つの例示的な方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の全てではなく一部の実施形態を示している添付図面を参照しながら、本発明の例示的な実施形態を以下でより詳細に説明する。当然のことながら、本発明は、下記に説明した実施形態と同様のもの又は該実施形態と異なるものとすることができる様々な形態を含むことができる。同様の参照符号は全体を通じて同じ要素を表す。
【0012】
同期コンデンサの慣性を制御するためのシステム及び方法が開示される。本発明の例示的な実施形態によれば、モータは、同期コンデンサに付随するコンデンサシャフトの回転を変更するよう構成することができる。この点に関して、同期コンデンサの所望慣性は、電力擾乱事象中に達成及び/又は維持することができる。本発明の種々の実施形態における要望に応じて、交流モータ又は直流モータなどの幅広い種類の好適なモータを利用することができる。特定の実施形態において、キャパシタバンク又はバッテリバンクなどの双方向電源をモータに結合することができる。電源は、識別された擾乱事象中にモータに電力を供給し、又はモータから電力を受け取るよう構成することができる。加えて、要望に応じて、電源は、電力擾乱事象の識別前にモータ及び/又は同期コンデンサに関連する電力ラインにより充電することができる。
【0013】
特定の実施形態において、プロセッサ駆動制御装置のような制御装置は、電力擾乱事象を識別するよう構成することができる。例えば、制御装置は、同期コンデンサの動作を監視するよう構成された1つ又はそれ以上のセンサからの測定データを受け取ることができ、更に、受け取った測定データの少なくとも一部を利用して電力擾乱事象を識別することができる。1つ又はそれ以上のタコメータ又は速度トランスデューサ、1つ又はそれ以上の変流器、及び/又は1つ又はそれ以上の計器用変圧器などの幅広い種類のセンサは、本発明の種々の実施形態において要望に応じて制御装置と通信することができる。要望に応じて、制御装置は、電力擾乱事象中に所望慣性を達成するために電源からモータに供給し、又はモータから電源が受け取る電力量を特定又は算出することができる。次いで、制御装置は、この特定に基づいて電源からモータ又はモータから電源への電力の供給を制御することができる。特定の実施形態において、制御装置は、電源からモータ又はモータから電源への電力供給の制御を促進する1つ又はそれ以上の可変周波数駆動器(「VFD」)及び/又は直流(「DC」)駆動器を含むか、或いはこれらに関連付けることができる。
【0014】
本発明の種々の実施形態は、同期コンデンサの慣性の制御を促進する1つ又はそれ以上の特定用途のコンピュータ、システム、及び/又は特定機械を含むことができる。特定用途のコンピュータ又は特定機械は、種々の実施形態において要望に応じた幅広い種類の異なるソフトウェアモジュールを含むことができる。以下でより詳細に説明するように、特定の実施形態において、これら種々のソフトウェア構成要素を利用して、電力擾乱事象を識別し、1つ又はそれ以上のモータを用いた同期コンデンサの慣性を制御することができる。
【0015】
本明細書で記載される本発明の特定の実施形態は、同期コンデンサの慣性の制御を促進する技術的効果を有することができる。加えて、本発明の特定の実施形態は、1つ又はそれ以上のモータを利用して同期コンデンサの慣性を供給する、或いは制御する技術的効果を有することができる。この点に関して、同期コンデンサの慣性は、電力擾乱事象中に制御及び/又は維持することができる。
【0016】
図1は、本発明の例示的な実施形態による、同期コンデンサの慣性を制御するのに利用できる1つの例示的なシステム100の概略図である。システム100は、同期コンデンサ105、少なくとも1つのモータ110、電源115、及びコントローラ120又は制御装置を含むことができる。モータ110は、電力擾乱事象中に同期コンデンサ105のスピン回転を変更するよう構成することができる。コントローラ120は、同期コンデンサ105に影響を及ぼす可能性のある電力擾乱事象を識別し、電源115とモータ110との間の電力供給を制御して、識別される電力擾乱事象中の同期コンデンサの所望の慣性又はスピン回転を達成するよう構成することができる。
【0017】
図1を参照して、同期補償器と呼ぶこともできる同期コンデンサ105は、そのシャフト122が何らかに取り付けられず、自由にスピンできる特殊な同期モータとすることができる。同期コンデンサ105は、該コンデンサ105が取り付けられる配電グリッドに関する電気条件の調整を促進することができる。図示のように、同期コンデンサ105は、発電装置(例えば、ガスタービン、風力タービン、蒸気タービン、光起電力セル、その他)と関連して利用される電力ライン及び/又は好適な配電グリッドに接続された電力ラインなど、1つ又はそれ以上の電力ライン124と通信することができる。特定の実施形態において、同期コンデンサ105は、必要に応じて無効電力を生成又は吸収し、グリッドの電圧を支持し、又はグリッドの力率を特定レベルに維持することができる。本発明の種々の実施形態において要望に応じて幅広い種類の好適な同期コンデンサを利用することができる。要望に応じて、同期コンデンサは、特定の用途に合わせたサイズにすることができる。
【0018】
同期コンデンサ105は、慣性値又はH値を有することができる。H値は、コンデンサ105の固有の慣性を表すことができる。換言すると、H値は、周波数の変動、ダウンした電力ライン、ライン短絡障害、グリッド障害、又は過渡事象など、同期コンデンサ105に供給される電力が妨げられる電力擾乱時に同期コンデンサ105が回転を続ける時間的継続を表すことができる。本発明の特定の実施形態において、1つ又はそれ以上のフライホイール126は、コンデンサ105のH値を増大させるため、及び/又はコンデンサ105及びシャフト122の回転の変化を平滑にするために、任意選択的にシャフト122に接続することができる。種々の実施形態において、要望に応じて何れかの数のフライホイール126を利用することができる。
【0019】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つのモータ110は、シャフト122を回転させ、及び/又はコンデンサ105を駆動するよう構成することができる。本発明の種々の実施形態において要望に応じて幾つかのモータを設けることができる。要望に応じて、モータは、同期コンデンサ105のサイズ又は容量に応じたサイズにすることができる。加えて、何れかの交流(「AC」)及び/又は直流(「DC」)モータなど、幅広い種類の好適なタイプのモータを利用することができる。1つの例示的な実施形態において、3相ACモータを利用することができる。要望に応じて、モータ110は、電源115から電力を受け取り、受け取った電力を利用してシャフト122を駆動し、これにより同期コンデンサ105の慣性を維持及び/又は変更することができる。加えて、要望に応じて、モータ110は、シャフト122の回転により電力を引き出して、電源115及び/又は別の装置に該電力を供給し、これにより同期コンデンサ105の慣性を維持及び/又は変更することができる。例えば、モータ110を利用して、同期コンデンサ105の慣性を維持及び/又は変更するために、第1の方向でシャフト122に力を加えることができる。別の実施例として、モータ110の方向は反転させてもよく、モータ110を利用して第1の方向とは反対の第2の方向でシャフト122に力を加え、同期コンデンサ105の慣性を維持及び/又は低減することができる。
【0020】
本発明の特定の実施形態において、モータ110は更に、同期コンデンサ105の始動、又はコンデンサ105の始動の支援をするために利用することができる。同期コンデンサ105の始動中、モータ110を利用して、コンデンサ105が定常状態条件のような所望の状態又は条件に達するまでシャフト122を回転又は駆動することができる。コンデンサ105が所望の状態に達すると、モータ110は、電力擾乱事象が識別されるまでフリーホイール状態にすることができる。電力擾乱事象の識別に基づいて、モータ110を利用して、同期コンデンサ105の慣性を維持及び/又は変更することができる。
【0021】
引き続き図1を参照すると、電源115は、モータ110に電力を供給し及び/又はモータ110からの電力を受け取るよう構成された幾つかの好適な電源を含むことができる。特定の実施形態において、電源115は、双方向電源とすることができる。加えて、特定の実施形態において、第1の電源は、モータ110に電力を供給するのに利用することができ、第2の電源は、モータ110からの電力を受け取るのに利用することができる。本発明の特定の実施形態において要望に応じて幅広い種類の好適な電源を利用することができる。好適な電源の実施例は、限定ではないが、1つ又はそれ以上のキャパシタ、特殊キャパシタ、及び/又はキャパシタバンク、1つ又はそれ以上のバッテリもしくはバッテリバンク、その他を含む。電源115は、電力擾乱事象中にモータ110に電力を供給し及び/又はモータ110からの電力を受け取るよう構成することができる。例えば、バッテリバンク又はキャパシタバンクを利用して、グリッド周波数の低下を引き起こす電力擾乱事象中にモータ110に電力を供給することができる。別の実施例として、バッテリバンク又はキャパシタバンクを利用して、グリッド周波数の変更を引き起こす識別される擾乱事象中にモータ110からの電力を受け取ることができる。この点に関して、モータを利用し、同期コンデンサ105の慣性を制御及び/又は維持することができる。
【0022】
特定の実施形態において、電源115(例えば、バッテリ、キャパシタ、その他)は、電力擾乱事象を識別する前にモータ110及び/又はライン124により給電又は充電することができる。例えば、コンデンサ105の定常状態動作中、電源115を充電するためにモータ110を利用して電源115に電力を提供することができる。別の実施例として、コンデンサ105の定常状態動作中、コンデンサ105に関連する1つ又はそれ以上の電力ライン124(例えば、グリッドライン)を利用して、電源115を充電することができる。他の実施形態では、タービン又は別のモータなどの別の電源を利用して、電力擾乱事象を識別する前に電源115を充電することができる。
【0023】
特定の実施形態において、電源115を充電し及び/又は電源115の充電を制御するよう構成された充電器128を設けることができる。例えば、AC−DC構成要素を含む充電器128は、ライン124から電力を受け取り、電源115を充電するよう構成することができる。要望に応じて、充電器128のDC構成要素は、サイリスタベースの構成要素、絶縁ゲートバイポーラトランジスタベース(「IGBT」)の構成要素、及び/又は他の何れか好適な構成要素とすることができる。従って、充電器128は、DC信号をDC電源115に提供するために受け取ったAC信号を整流し、DC信号をDC電源115に提供することができる。加えて、要望に応じて、充電器128は、電源115から電力を受け取り、受け取った電力の少なくとも一部をライン124に供給するよう構成することができる。この点に関して、電源115を利用し、ライン124及び/又は送電グリッドに関して望ましい状態を維持することができる。別の実施例として、充電器128は、モータ110からの電力を受け取り、同様の手法で電源115を充電するよう構成することができる。更に別の実施例として、充電器128は、電源115を充電するよう構成された別個の電源(例えば、別のモータ、タービン、その他)とすることができる。
【0024】
本発明の特定の実施形態において要望に応じて、1つ又はそれ以上の可変周波数ドライブ(「VFD」)を設けることができる。例えば、1つ又はそれ以上のVFDは、ACモータを含む実施形態において設けることができる。VFDを利用して、モータ110に供給される及び/又はモータ110から引き出される電力の周波数を制御することによってモータ110の回転速度を制御することができる。この点に関して、VFDは、モータ110の電力を制御することができる。図1に示すように、第1のVFDは、始動ドライブ130として設けることができ、第2のVFDは、慣性ドライブ132又はHドライブとして設けることができる。しかしながら、要望に応じて、2つのVFDを組み合わせて単一のVFDにすることができ、及び/又は追加のVFDを利用することもできる。加えて、要望に応じて、VFD130、132の1つ又はそれ以上をコントローラ120に導入するか、又は制御装置に統合することができる。
【0025】
始動ドライブ130は、同期コンデンサ105の始動中にモータ110への電力供給を制御するよう構成することができる。特定の実施形態において、始動ドライブ130は、電力ライン124から、又は電力グリッドからモータ110に電力を提供することができる。他の実施形態では、始動ドライブ130は、電源115からモータ110に電力を提供することができる。この点に関して、モータ110を利用して、コンデンサ105を始動するためにシャフト122の回転を支援することができる。コンデンサ105が、定常状態条件などの所望の状態に到達すると、始動ドライブ130をモータ110から切断することができる。
【0026】
慣性ドライブ132は、電力擾乱事象中にモータ110への又はモータ110からの電力の供給を制御するよう構成することができる。例えば、シャフト122の回転の低下につながる電力擾乱事象中に、慣性ドライブ132は、電源115からモータ110に電力を提供することができる。別の実施例として、シャフト122の回転の増大につながる電力擾乱事象中には、慣性ドライブ132は、モータ110から電力を引き出し、該電力を電源115及び/又はシステム100の他の構成要素に提供することができる。特定の実施形態において、慣性ドライブ132によりモータ110に供給され又はモータ110から引き出される電力量は、電力擾乱事象の特定及び/又は推定される影響に基づくことができる。加えて、上述のように、電力量は、電力擾乱事象中に慣性ドライブ132により動的に調整又は変更することができる。例えば、コントローラ120は、電力擾乱事象を識別し、識別された事象の影響を特定することができる。次いで、コントローラ120は、同期コンデンサ105の所望慣性を制御及び/又は維持するために、モータ110に電力を提供し、又はモータ110から電力を引き出すよう慣性ドライブ132に指示することができる。コントローラ120は、電力擾乱事象を通じて連続してコンデンサ105を監視し、要望に応じて、電力量を調整することができる。
【0027】
要望に応じて、1つ又はそれ以上のスイッチ134を利用して、VFD及び/又はモータ110に接続された他の電力又は電流制御装置間を切り換えることができる。例えば、図1に示すように、始動ドライブ130と慣性ドライブ132との間でモータ110への接続を切り換えるよう構成されたスイッチ134を設けることができる。スイッチ134は、同期コンデンサ105の始動中にモータ110に始動ドライブ130を接続するよう構成することができる。コンデンサ105により定常状態作動条件などの所望の状態に到達すると、スイッチ134は、始動ドライブ130を切断するよう構成することができる。次いで、スイッチ134は、始動ドライブ130が切断されたとき、又は電力擾乱事象が識別されたときに慣性ドライブ132をモータ110に接続することができる。特定の実施形態において、スイッチ134は、好適な機械式、電気機械式、又は電気式スイッチとすることができる。他の実施形態では、スイッチ134は、コンピュータプログラム、コンピュータ実装命令、及び/又は制御ロジックにおいて具現化される論理スイッチとすることができる。
【0028】
DCモータを含む本発明の実施形態において、幾つかの好適なDCドライブ又はDC制御装置を利用して、モータ110に提供される電力量を制御することができる。これらのDCドライブは、ACモータと共に使用する上述のVFDと同様の機能を果たすことができる。
【0029】
加えて、幾つかのセンサ136、137、138、検知デバイス、及び/又は測定装置を設けることができる。センサ136、137、138は、同期コンデンサ105に関連する幅広い種類の作動条件及び/又は動作パラメータを監視及び/又は測定するよう構成することができる。要望に応じて、センサ136、137、138は、更に、測定データをコントローラ120に伝達又は他の方法で提供するよう構成することができる。以下でより詳細に説明するように、コントローラ120は、受け取った測定データの少なくとも一部を利用して電力擾乱事象を識別するよう構成することができる。本発明の種々の実施形態において要望に応じて幅広い種類のセンサを利用することができる。例えば、1つ又はそれ以上の変流器136及び/又は計器用変圧器137を利用して、同期コンデンサ105に接続されたラインに関する状態を監視することができる。この点に関して、電流及び/又は電圧測定を行うことができ、該測定値を利用して、ライン124及び/又はグリッド内の電流及び/又は電圧の変化を識別することができる。別の実施例として、1つ又はそれ以上のタコメータ138又は速度トランスデューサを利用し、シャフト122の回転を監視することができる。タコメータ138を利用してシャフト122の回転速度を監視することができ、該回転速度を利用して、コンデンサ105に関連するACライン周波数及び/又は周波数変化率を特定することができる。この点に関して、スピン回転及び/又は同期コンデンサ105の慣性及び/又はグリッド内の周波数を監視することができる。
【0030】
図1を引き続き参照すると、システム100は、コントローラ120又は制御装置を含むことができる。特定の実施形態において、コントローラ120は、発電プラント及び/又は発電システムに関連する中央コントローラとすることができる。好適なコントローラの幾つかの実施例は、General Electric Company製のMark(商標)VI制御システム及びMark(商標)VIe制御システムである。コントローラ120は、電力擾乱事象を識別し、該電力擾乱事象の識別に基づいてシステム100の1つ又はそれ以上の他の構成要素の作動を制御するよう構成することができる。
【0031】
コントローラ120は、幾つかの好適なプロセッサ駆動装置を含むことができる。例えば、コントローラ120は、幾つかの特定用途コンピュータ又は特定機械、特定用途向け回路、プログラマブルロジックコントローラ(「PLC」)、マイクロコントローラ、パーソナルコンピュータ、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、スーパーコンピュータ、及び同様のものを含むことができる。特定の実施形態では、コントローラ120の作動は、コントローラ120に関連する1つ又はそれ以上のプロセッサにより実行されるコンピュータ実行命令又はコンピュータ実装命令により制御することができる。命令は、本発明の種々の実施形態で要望に応じて1つ又はそれ以上のソフトウェア構成要素において具現化することができる。命令の実行は、電力擾乱事象を識別して、該識別に基づきシステム100の他の構成要素の作動を制御するよう作動可能な特定用途コンピュータ又は他の特定機械を形成することができる。コントローラ120の作動を制御する1つ又はそれ以上のプロセッサは、コントローラ120に導入されるか、及び/又は1つ又はそれ以上の好適なネットワークを介してコントローラ120と通信することができる。本発明の特定の実施形態において、コントローラ120の作動及び/又は制御は、複数の処理構成要素間に分散させることができる。
【0032】
コントローラ120は、1つ又はそれ以上のプロセッサ140、1つ又はそれ以上のメモリ141、1つ又はそれ以上のネットワークインタフェースデバイス142、1つ又はそれ以上の入力/出力(「I/O」)インタフェース143、及び/又は1つ又はそれ以上のアナログ−デジタル(「A/D」)及び/又はデジタル−アナログ(「D/A」)コンバータ144を含むことができる。1つ又はそれ以上のメモリデバイス141は、例えば、キャッシュ、読み出し専用メモリデバイス、ランダムアクセスメモリデバイス、磁気記憶装置、その他など、何れかの好適なメモリデバイスとすることができる。1つ又はそれ以上のメモリデバイス141は、例えば、システム100のコンデンサ105及び/又は他の構成要素、オペレーティングシステム(「OS」)、コンデンサモジュール147、及び事象モジュール148の作動に関連するデータ145のような、コントローラ120により利用されるデータ、実行可能命令、及び/又は種々のプログラムモジュールを記憶することができる。データ145は、同期コンデンサ105、モータ110、始動ドライブ130、慣性ドライブ132、電源115、スイッチ134、充電器128、その他の作動に関連する何れかの好適なデータ(例えば、コンデンサ105に関連する測定データ及び/又は事象データ)を含むことができる。OS146は、コントローラ120の一般的動作を促進及び/又は制御する実行可能命令及び/又はプログラムモジュールを含むことができる。例えば、OS146は、プロセッサ140による他のソフトウェアプログラム及び/又はプログラムモジュールの実行を促進することができる。
【0033】
コンデンサモジュール147は、同期コンデンサ105の一般的動作を制御するよう構成することができる。例えば、コンデンサモジュール147は、コンデンサ105の始動を制御することができる。そうすることで、コンデンサモジュール147は、始動ドライブ130の作動を制御することができる。加えて、コンデンサモジュール147は、コンデンサ105の幾つかの動作特性を監視することができる。例えば、コンデンサモジュール147は、種々のセンサ136、137、138から測定データを受け取り、受け取ったデータを利用して、電圧特性、周波数特性、及び/又は電流特性など、コンデンサ105及び/又はライン124の種々の動作特性を監視することができる。このようにすることで、コンデンサモジュール147及び/又は事象モジュール148は、電力擾乱事象を識別することができる。例えば、電力擾乱事象は、コンデンサ105及び/又はライン124の1つ又はそれ以上の動作特性の変化に基づいて識別することができる。
【0034】
電力擾乱事象は、限定ではないが、ライン又はグリッド周波数の変動、ダウンしたライン、ライン短絡障害、グリッド障害、電圧スパイク、及び/又は種々の過渡条件に伴う事象を含む、本発明の種々の実施形態において要望に応じて識別することができる。特定の電力擾乱事象は、グリッド周波数の低下、及び/又は同期コンデンサ105の回転速度及び/又は慣性の減少をもたらす可能性がある。他の電力擾乱事象は、グリッド周波数の増大、及び/又は同期コンデンサ105の回転速度及び/又は慣性の増大をもたらす可能性がある。
【0035】
電力擾乱事象が識別されると、事象モジュール148は、識別された事象に関連する1つ又はそれ以上の適切な制御措置をとるよう構成することができる。例えば、事象モジュール148は、ライン124及び/又は同期コンデンサ105に関する識別事象(例えば、グリッド周波数)の影響及び/又は潜在的影響(例えば、コンデンサ105の回転速度及び/又は慣性に関する影響)を特定することができる。要望に応じて、幾つかの測定値及び/又は予測モデルを利用して、識別電力擾乱事象の影響及び/又は潜在的影響を特定することができる。事象モジュール148は、付加的に、コンデンサ105の慣性を所望レベルに維持又は調整するために、モータ110により供給され及び/又はモータから受け取るべき電力量を特定することができる。例えば、事象モジュール148は、シャフト122を回転させて同期コンデンサ105の慣性を維持又は変更するために、電源115からモータ110に供給する電力量を特定することができる。別の実施例として、事象モジュール148は、シャフト122の回転を減速し、これによりコンデンサ105の慣性の維持又は変更をもたらすために、モータ110によりシャフト122から引き出すべき電力量を特定することができる。この点に関して、コンデンサ105の回転速度及び/又は慣性は、識別された電力擾乱事象に応答して及び/又は事象全体にわたって、ライン124及び/又は電力グリッドの安定正を強化するよう制御することができる。
【0036】
引き続き図1を参照すると、ネットワークインタフェースデバイス142は、ローカルエリアネットワーク、広域エリアネットワーク、インターネット、無線周波(「RF」)ネットワーク、Bluetooth(商標)対応ネットワーク(BLUETOOTH SIG,INC.が所有する商標)、何れかの好適な有線ネットワーク、何れかの好適な無線ネットワーク、又は有線及び無線ネットワークの何れかの好適な組み合わせなど、幾つかの好適なネットワークへのコントローラ120の接続を可能にすることができる。この点に関して、コントローラ120は、システム100の他の構成要素及び/又は外部装置又はシステムと通信することができる。I/Oインタフェース143は、コントローラ120と、1つ又はそれ以上の入力/出力デバイス(例えば、ディスプレイ、キーパッド、コントロールパネル、タッチスクリーンディスプレイ、リモコン、マイクロフォン、その他、など、コントローラ120とユーザとの対話を可能にする1つ又はそれ以上のユーザインタフェースデバイス)との間の通信を可能にすることができる。加えて、A/D及び/又はD/Aコンバータ144は、センサ136、137、138などのシステム100の他の構成要素からのデータの受信及び/又はこれら構成要素へのコマンド及び/又はデータの通信を可能にすることができる。例えば、アナログデータをセンサ136、137、138から受け取り、好適なA/Dコンバータにより処理されてデジタルデータを生成することができ、該データはコントローラ120により更に処理することができる。別の実施例として、コントローラ120のデジタルコマンドは、1つ又はそれ以上の受信者アナログデバイスにコマンドを通信する前に好適なD/Aコンバータにより処理することができる。要望に応じて、幾つかの好適な接続部150により、コントローラ120とセンサ136、137、138のようなシステム100の他の構成要素との間の通信を可能にすることができる。幅広い種類の異なるタイプの好適な接続部を利用して、例えば、直接ネットワーク接続、ローカルエリアネットワーク接続、広域エリアネットワーク接続、インターネット接続、Bluetooth(商標)対応接続(BLUETOOTH SIG,INC.が所有する商標)、無線ネットワーク接続、セルラーネットワーク接続、何れかの好適な有線ネットワーク接続、及び/又は何れかの好適な接続の組み合わせなどの通信を可能にすることができる。
【0037】
要望に応じて、本開示の実施形態は、図1に示す構成要素よりも多く又は少ない構成要素を備えたシステムを含むことができる。図1のシステム100は、例証として提供されているに過ぎない。
【0038】
図2は、本発明の例示的な実施形態による、同期コンデンサの慣性を制御するための1つの例示的な方法200のフローチャートである。方法200は、図1の同期コンデンサ105と関連するコントローラ120など、同期コンデンサに関連する好適なコントローラにより実施することができる。方法200は、ブロック205にて始めることができる。
【0039】
ブロック205において、同期コンデンサ105の作動に関連するデータを受け取ることができる。
例えば、同期コンデンサ105及び図1に示すライン124などのコンデンサ105に付随する1つ又はそれ以上の電力ライン又は電力グリッドの作動に関連する測定データを受け取ることができる。特定の実施形態において、データは、図1に示すセンサ136、137、138など、コンデンサ105及び/又はライン124を監視するよう構成された1つ又はそれ以上の好適なセンサから受け取ることができる。例えば、測定データは、変流器、計器用変圧器、及び/又はタコメータから受け取ることができる。
【0040】
ブロック210において、電力擾乱事象が識別されるかどうかに関する判定を実施することができる。例えば、受け取ったデータの少なくとも一部を分析し、電力擾乱事象が起こっているか否かを判定することができる。上記で詳細に記載されるように、本発明の種々の実施形態において要望に応じて幅広い種類の異なるタイプの電力擾乱事象を識別することができる。例えば、電力グリッド及び/又はコンデンサ内の周波数に影響を及ぼす電力擾乱事象を識別することができる。別の実施例として、回転速度及び/又は同期コンデンサ105の慣性に影響を及ぼす電力擾乱事象を識別することができる。ブロック210において、電力擾乱事象が識別されないか又は電力擾乱事象がもはや識別されていないと判定された場合、処理はブロック215に進むことができる。ブロック215において、図1に示す電源115などの1つ又はそれ以上の電源は、後続の又は次の電力擾乱事象の識別の前に充電又は放電することができる。例えば、1つ又はそれ以上のバッテリ及び/又はキャパシタは、後続の電力擾乱事象の識別前に充電することができる。別の実施例として、1つ又はそれ以上のバッテリ又はキャパシタは、バッテリ又はキャパシタに電力を提供できるように、後続の電力擾乱事象の前に放電又は部分的に放電することができる。要望に応じて、第1の電源は充電することができ、第2の電源は放電することができる。次いで、処理はブロック205に進むことができる。
【0041】
しかしながら、力擾乱事象が識別されたと判定された場合、処理はブロック220に進むことができる。ブロック220において、識別された電力擾乱事象の影響又は潜在的影響を特定又は算出することができる。特定の実施形態において、受け取ったデータの少なくとも一部を利用して、電力擾乱事象の影響又は潜在的影響を特定することができる。例えば、グリッド周波数の変化又は電圧変化は、影響又は潜在的影響を特定する際に利用することができる。
【0042】
ブロック225において、同期コンデンサ105の所望慣性を達成するために、図1に示すモータなどのモータにより供給され、又はモータ110から受け取るはずの電力量を特定又は算出することができる。特定の実施形態において、電力量の特定は、影響又は潜在的影響に少なくとも部分的に基づくことができる。例えば、図1に示すシャフト122のようなコンデンサに付随するシャフトを回転させて同期コンデンサ105の慣性を維持又は変更するために、電源115からモータ110に供給する電力量に関する特定を実施することができる。別の実施例として、シャフト122の回転を低下又は減速し、これによりコンデンサ105の慣性の維持及び/又は制御変更をもたらすために、モータ110によりシャフト122から引き出される電力料に関する特定を実施することができる。特定される電力量は、識別された電力擾乱事象にわたって及び/又は事象後に発電システム又は電力グリッド内で比較的安定した状態を維持するために、同期コンデンサ105の回転速度及び/又は慣性を制御する電力量とすることができる。
【0043】
ブロック230において、モータ110との間の電力供給は、特定された電力量に少なくとも部分的に基づいて制御することができる。例えば、電力は、シャフト122を回転させるために電源115からモータ110に供給することができる。別の実施例として、電力は、モータ110から引き出され又は取り出され、要望に応じて、シャフト122の回転を減速するよう電源115に供給することができる。この点に関して、コンデンサ105の回転速度及び/又は慣性は、発電システム又はグリッドの安定性を高めるために、識別された電力擾乱事象に応答して、及び/又は事象全体にわたって制御することができる。次いで、処理はブロック205に進むことができる。
【0044】
要望に応じて、コンデンサ105及び/又はライン124又はグリッドの動作特性は、コンデンサ105が作動中の間に連続的に監視することができる。従って、図2は、コンデンサ105が連続的に電力擾乱事象を監視しているループとして示している。
【0045】
図2の方法200で説明した処理は、必ずしも図2に記載した順序で実施しなければならない訳ではなく何らかの好適な順序で実施してもよい。加えて、本発明の特定の実施形態において、図2に記載の要素又は処理のほぼ全てを実施することができる。
【0046】
以上、本発明の例示的な実施形態によるシステム、方法、装置、及び/又はコンピュータプログラム製品のブロック図並びにフロー図を参照して、本発明を説明している。ブロック図及びフロー図の1つ又はそれ以上のブロック、並びにブロック図及びフロー図におけるブロックの組み合わせはそれぞれ、コンピュータ実行可能プログラム命令により実施することができる点は理解される。同様に、本発明の一部の実施形態によれば、ブロック図及びフロー図の一部のブロックは、必ずしも提示した順序で実行する必要がない場合があり、或いは、全てを実行することが必ずしも必要ではない場合もある。
【0047】
これらのコンピュータ実行可能プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、プロセッサ、又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードされて特定機械を生成し、コンピュータ、プロセッサ、又は他のプログラマブルデータ処理装置上で実行される命令が、フローチャートの1つ又は複数のブロックにおいて指定される1つ又はそれ以上の機能を実施する手段をもたらすようになる。これらのコンピュータ実行可能プログラム命令はまた、コンピュータ可読メモリ内に格納することができ、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置に特定の方法で機能するよう指示することができ、コンピュータ可読メモリ内に格納された命令は、1つ又は複数のフロー図ブロックにおいて指定された1つ又はそれ以上の機能を実施する命令手段を含む、製造物品をもたらすようになる。例証として、本発明の実施形態は、コンピュータ可読プログラムコード又はプログラム命令が組み込まれたコンピュータ使用可能媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供することができ、上記コンピュータ可読プログラムコードは、1つ又は複数のフロー図ブロックにて指定される1つ又はそれ以上の機能の実施を実行するよう適合されている。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置上にロードされて、一連の操作段階又はステップをコンピュータ又は他のプログラム可能装置上で実施させ、コンピュータ又は他のプログラム可能装置上で実行される命令が1つ又は複数のフロー図ブロックにおいて指定される機能を実施するための段階又はステップを提供するようなコンピュータ実装プロセスをもたらすことができる。
【0048】
従って、ブロック図及びフロー図のブロックは、指定される機能を実施するための手段の組み合わせ、指定機能を実施する段階又はステップの組み合わせ、並びに指定機能を実施するためのプログラム命令手段に対応する。また、ブロック図及びフロー図の各ブロック並びにブロック図及びフロー図におけるブロックの組み組み合わせは、指定の機能、段階又はステップ、或いは専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせを実施する専用ハードウェアベースのコンピュータシステムにより実施することができることは、理解されるであろう。
【0049】
現時点で最も実用的且つ好ましい実施形態であると考えられるものに関して本発明を説明してきたが、本発明は、開示した実施形態に限定されるものではなく、逆に添付の請求項の範囲内に含まれる様々な修正形態及び均等な構成を保護するものであることを理解されたい。
【0050】
本明細書は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、更に、あらゆる当業者があらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること並びにあらゆる包含の方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0051】
100 システム
105 同期コンデンサ
110 モータ
115 電源
120 コントローラ
122 シャフト
124 電源ライン
126 フライホイール
128 充電器
130 始動ドライブ
132 慣性ドライブ又はHドライブ
134 スイッチ
136 変流器
137 計器用変圧器
138 タコメータ
140 プロセッサ
141 メモリ
142 ネットワークインタフェースデバイス
143 I/Oインタフェース
144 A/D及びD/Aコンバータ
145 データファイル
146 オペレーティングシステム
147 コンデンサモジュール
148 事象モジュール
150 制御ライン
200 方法
205 ブロック
210 ブロック
215 ブロック
220 ブロック
225 ブロック
230 ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期コンデンサ(105)の慣性を制御するためのシステム(100)であって、
電力擾乱事象中にコンデンサシャフト(122)の回転を変更して前記同期コンデンサ(105)の所望慣性を得るように構成されたモータ(110)と、
前記モータ(110)に結合された双方向電源(115)と、
(i)前記電力擾乱事象を識別(210)し、(ii)前記所望の慣性を得るために前記モータ(110)に供給する電力量又は前記モータ(110)から受け取る電力量を特定(225)して、(iii)前記特定された電力量に基づいて、前記電源(115)から前記モータ(110)へ、又は前記モータ(110)から前記電源(115)への電力供給を制御(230)する、よう構成された少なくとも1つの制御装置と、
を備えるシステム(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの制御装置(120)が更に、
前記識別された事象の影響を特定(220)し、
前記特定された影響に少なくとも部分的に基づいて電力量を特定する、
よう構成される、
請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記モータ(110)が交流モータ又は直流モータのうちの1つを含む、
請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの制御装置が、前記電源(115)から前記モータ(110)へ、又は前記モータ(110)から前記電源(115)への電力供給を制御(230)するよう構成された可変周波数駆動器(132)及び/又は直流駆動器のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記可変周波数駆動器(132)又は直流駆動器が、第1の可変周波数駆動器又は第1の直流駆動器を含み、更に、前記同期コンデンサ(105)の始動中に前記モータ(110)への電力供給を制御するよう構成された第2の可変周波数駆動器(130)及び/又は第2の直流駆動器を備える、
請求項4に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記電源(115)が、(i)1つ又はそれ以上のキャパシタ又は(ii)1つ又はそれ以上のバッテリのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記電源(115)は、(i)前記モータ(110)又は(ii)前記同期コンデンサ(105)に関連する電源ライン(124)のうちの少なくとも1つにより前記電力擾乱事象の識別(210)の前に充電される、
請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記同期コンデンサ(105)の動作を監視するよう構成された1つ又はそれ以上のセンサ(136、137、138)を更に備え、前記少なくとも1つの制御装置(120)が更に、前記1つ又はそれ以上のセンサ(136、137、138)から測定データを受け取り、該受け取った測定データの一部に少なくとも部分的に基づいて前記電力擾乱事象を識別(210)するよう構成されている、
請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記1つ又はそれ以上のセンサが、(i)タコメータ(138)、(ii)変流器(136)及び(iii)計器用変圧器(137)のうちの少なくとも1つを含む、
請求項8に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記コンデンサシャフト(122)に接続された1つ又はそれ以上のフライホイール(126)を更に備える、
請求項1に記載のシステム(100)。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−234612(P2011−234612A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94559(P2011−94559)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】