説明

吐出装置

【課題】液体の吐出を安定化する吐出装置を提供する。
【解決手段】吐出装置は、液体を連続的に吐出口から吐出する吐出ノズル部と、前記吐出ノズル部を動作させる駆動部と、前記吐出ノズル部に一体となって動作するよう接続され、前記液体を貯蔵する第1の貯蔵部と、前記第1の貯蔵部内に構成され、前記第1の貯蔵部から前記吐出ノズル部へ前記液体を供給する第1の液体供給部と、を備える。また、第1の貯蔵部は、第1の貯蔵部内の液体の貯蔵量を検知する液量検知部を備えても良い。また、吐出ノズル部は、吐出ノズル部内を流れる液体の流量を検知する流量検知部を備えても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を連続的に吐出するノズルプリンティングに使用される吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、有機EL材料を基板上に所定のパターン形状に塗布して有機EL表示装置を製造する有機EL表示装置の製造装置において、有機EL材料を塗布すべき所定のパターン形状に応じた溝を基板上に形成しておき、この溝にノズルを沿わせるように基板とノズルとを相対的に移動させる移動手段と、前記ノズルからの有機EL材料を前記溝内に流し込んで塗布制御する塗布制御手段とを備えたことを特徴とする有機EL表示装置の製造装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−75640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような、従来の液体吐出装置では、ノズルとこのノズルに液体(例えば、上記有機EL材料)を送り出するためのポンプとの間に形成される供給路が、ノズルの移動に伴って変形可能なチューブ等によって形成されていた。これは、ポンプ、又は、このポンプが供給する液体を貯蔵する液体タンク等がノズルの移動に伴って移動できないからである。
【0005】
一方、ポンプによって、液体はノズルに連続的に安定して供給される。しかし、ノズルの移動に伴ってチューブ等が変形してしまうと、ポンプがノズルに液体を送り出そうとする圧力の損失(圧力損失)が発生してしまうことがあった。圧力損失が発生すると、ノズルに液体を連続的に安定して供給できなくなり、液体の吐出が安定しない恐れがある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、液体の吐出を安定化する吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る吐出装置は、
液体を連続的に吐出口から吐出する吐出ノズル部と、
前記吐出ノズル部を動作させる駆動部と、
前記吐出ノズル部に一体となって動作するよう接続され、前記液体を貯蔵する第1の貯蔵部と、
前記第1の貯蔵部内に構成され、前記第1の貯蔵部から前記吐出ノズル部へ前記液体を供給する第1の液体供給部と、
を備える。
【0008】
また、
(1)前記第1の貯蔵部は、前記第1の貯蔵部内の前記液体の貯蔵量を検知する液量検知部を備えてもよい。
(2)前記吐出ノズル部は、前記吐出ノズル部内を流れる前記液体の流量を検知する流量検知部を備えてもよい。
(3)前記駆動部を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記液体検知部及び前記流量検知部からの情報を元に、前記駆動部を制御してもよい。
(4)前記吐出ノズル部が動作していないときに前記貯蔵部に前記液体を供給する第2の貯蔵部及び第2の液体供給部を備え、前記第1の貯蔵部と前記第2の液体供給部は、少なくとも前記吐出ノズル部が動作していないときに液体供給管で接続され、前記制御部は更に前記第2の液体供給部を制御してもよい。
(5)前記第1の貯蔵部と前記液体供給管との接続部に、前記第1の供給部から前記第1の貯蔵部への液体の供給を許容し、前記第1の貯留部から前記第1の液体供給部への液体の流れを防ぐ逆止弁を備えてもよい。
(6)前記吐出ノズル部から吐出される前記液体を受ける吐出対象物を保持するステージと、前記ステージを動作させる第2の駆動部と、を備え、前記制御部は更に第2の駆動部を制御してもよい。
(7)前記第1の貯蔵部は、前記第1の貯蔵部の内部に前記液体を保持する、多孔質体で形成された液体保持体を備えてもよい。
(8)前記第1の液体供給部は、前記液体保持体を加圧して前記第1の貯留部から前記吐出ノズル部へ前記液体を供給してもよい。
(9)前記液体は、有機EL材料であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る吐出装置によれば、液体の吐出が安定化する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る吐出装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る吐出装置の吐出ノズルとステージとの移動方向を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る吐出装置の吐出部の構成を説明するための概略一部断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る吐出装置の流量センサの構成を説明するための図3のAを拡大した概略断面図である。
【図5】図3のBから見た、本発明の一実施形態に係る吐出装置の流量センサの構成を説明するための図である。
【図6】図3のCから見た、本発明の一実施形態に係る吐出装置の液量センサの構成を説明するための図である。
【図7】図3のDから見た、本発明の一実施形態に係る吐出装置の液量センサの構成を説明するための図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る吐出装置の液量センサが備える回路の回路図を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る吐出装置の液量センサが備える回路が出力するパルス信号の一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る吐出装置の液量センサが備える回路が検出する液量と、前記の回路が備えるコンデンサの容量と、図9のパルス信号の出力するパルス信号の周波数と、の関係の一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態の変形例に係る吐出装置の吐出ノズルとステージとの移動方向を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る発光装置の製造方法(発光装置製造方法)の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態に係る発光装置の一部内部を示した平面図である。
【図14】図13におけるXーX断面図である。
【図15】図13におけるYーY概略断面図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る発光装置の製造におけるインクの塗布の軌跡を説明するための図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る発光装置を表示部に使用したデジタルカメラの図である。
【図18】本発明の一実施形態に係る発光装置を表示部に使用したデジタルカメラの図である。
【図19】本発明の一実施形態に係る発光装置を表示部に使用したノートパソコンの図である。
【図20】本発明の一実施形態に係る発光装置を表示部に使用した携帯電話機の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記で説明する実施形態(図面に記載された内容も含む。)によって限定されるものではない。下記で説明する実施形態に変更を加えることが出来る。特に、下記で説明する実施形態の構成要素を適宜削除してもよい。
【0012】
なお、下記では、吐出装置が吐出する液体を、有機EL材料(以下ではインクという。)とした場合を説明するが、吐出ノズルが吐出する液体は、他の液体であってもよい。
【0013】
インクは、例えば、高分子発光材料が溶媒に溶解又は分散した液体である。高分子発光材料は、発光することが可能な公知の材料である。このような材料としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン系又はポリフルオレン系等の共役二重結合ポリマーを含む発光材料等がある。溶媒は、例えば、水系溶媒又は有機溶媒である。有機溶媒としては、テトラリン、テトラメチルベンゼン、メシチレン又はキシレン等がある。このようなインクが塗布され、塗布されたインクが乾燥することによって、有機EL素子における発光層が形成される。
【0014】
また、吐出ノズルが吐出する液体が塗布される被塗布物は、下記では基板であるが、他の被塗布物であってもよい。
【0015】
図1のように、本実施形態に係る吐出装置900は、吐出部10、制御部901、第1インクタンク903、インク供給管905、第1供給部907、逆止弁909、吐出部支持部材911、第1駆動部913、第2駆動部915、及び、ステージ917、を備える。基板950(被塗布対象物)には、吐出部10から吐出されたインクが塗布される。基板950は、ステージ917に設置される。
【0016】
制御部901は、マイクロプロセッサ等によって構成され、第1駆動部913と第2駆動部915とを制御する。これによって、吐出部10から吐出されるインクが、所定のパターンで、ステージ917に設置した基板950に塗布される。また、制御部901は、吐出部10から信号を受け取る。制御部901は、吐出部10から受け取った信号をもとに、吐出部10を制御する。これによって、吐出部10からインクが吐出される。吐出部10から吐出されるインクは、所定の圧力によって吐出される。このため、吐出部10から吐出されるインクは、柱状の所謂液柱95を構成する。また、制御部901は、吐出部10から受け取った信号をもとに、第1供給部907を制御する。これによって、所定のタイミングで第1インクタンク903から吐出部10にインクが供給される。
【0017】
第1インクタンク903は、吐出部10が吐出するインクを貯蔵する。
【0018】
インク供給管905は、第1インクタンク903と、吐出部10と、に接続される。第1インクタンク903が貯蔵するインクは、インク供給管905を通って吐出部10に供給される。インク供給管905の途中には、第1供給部907と逆止弁909とが配置される。インク供給管909は、可撓性を有するチューブ等によって構成される。インク供給管909は、合成樹脂又はゴム製によって形成される。
【0019】
第1供給部907は、制御部901の制御のもと、所定のタイミングで動作し、第1インクタンク903に貯蔵されたインクを吐出部10に供給する。本実施形態においては、第1供給部907は、ポンプによって構成されるが、第1供給部907はこれに限るものではない。
【0020】
逆止弁909は、第1供給部907によって吐出部10に供給されるインクを通過させるが、インクが第1インクタンク903に逆流することを防止する。逆止弁909は、例えば、フランジ式、ウエハー式、又は、ねじ込み式等の逆止弁によって構成される。
【0021】
第1駆動部913は、制御部901の制御のもと、吐出部支持部材911を移動させる(図1の白抜き両矢印、及び図2の両矢印参照)。
【0022】
吐出部支持部材911は、第1駆動部913によって動かされる。また、吐出部支持部材911には、吐出部10が固定される。このため、吐出部支持部材911の移動に伴って、吐出部10が移動する。
【0023】
第2駆動部915は、制御部901の制御のもと、ステージ917を移動させる(図2の両矢印参照)。
【0024】
ステージ917は、第2駆動部915によって動かされる。また、ステージ917には、基板950が設置される。このため、ステージ917の移動に伴って、基板950が移動する。
【0025】
制御部901は、第1駆動部913と、第2駆動部915と、を制御して、吐出部支持部材911と、ステージ917と、をそれぞれ、所定方向に移動させる(図1及び図2参照)。吐出部支持部材911の移動に伴って吐出部10は移動し、ステージ917の移動に伴って基板950は移動する。吐出部支持部材911と、ステージ917と、をそれぞれ、所定方向に移動させることによって、吐出部10が基板950に対して相対的に二次元方向に移動する(図2参照)。制御部901は、第1駆動部913と、第2駆動部915と、を制御して、吐出部支持部材911と、ステージ917と、をそれぞれ、所定方向に移動させることによって、吐出部10を基板950に対して相対的に二次元方向に移動させる。
【0026】
このようにして、制御部901は、吐出部10を基板950上で所望の軌跡で移動させることができる。これによって、インクが基板950上に所定のパターンで塗布される。
【0027】
制御部901による、吐出部10及び第1供給部907の制御については、後述する。
【0028】
図3に示すように、吐出部10は、ノズルヘッド100、第2インクタンク200、及び、第2供給部300を備える。なお、吐出部10が備える各部材は、文章中に特に明示がない限り金属又は合成樹脂等の適宜の材料によって構成される。第2インクタンク200には、第1インクタンク903から供給されるインクが貯蔵される。第2供給部300は、第2インクタンク200に貯蔵されたインクを制御部901の制御のもとノズルヘッド100に供給する。ノズルヘッド100に供給されたインクは、ノズルヘッド100内を吐出口121a(詳しくは後述する。)側に向かって流れ、吐出口121aから吐出される。なお、このとき、ノズルヘッド100の内部空間は、インクによって満たされる(図3のドットで表現された部分参照)。
【0029】
ノズルヘッド100は、筒体110、底部120、接続部130、フィルタ150、及び、流量センサ160を備える。
【0030】
筒体110の両端(両開口)は、底部120と、接続部130と、によって閉口する。
【0031】
筒体110は、筒体本体111、フランジ113、凹部115、ねじ山117、及び、凸部119を備える。
【0032】
筒体本体111は、筒体110の本体である。筒体本体111の内部にインクが流入する。筒体本体111の形状は、断面形状が円形である円筒形状である。筒体本体111の断面形状は、円形の他、楕円形又は多角形(三角形及び四角形等も含む)等、適宜決定できる。
【0033】
フランジ113は、筒体本体110の外壁に形成される。フランジ113は、筒体本体110の外壁から張り出した形状を有する。フランジ113の形状は、例えば、平面形状が円環形状であるが、他の形状であってもよい。
【0034】
平面形状とは、例えば、吐出部10の上方(基板950側と反対側)から吐出部10に向かう方向を見た形状(図3では、上から見た形状)である。
【0035】
吐出部支持部材911には、筒体本体111の形状に合わせた形状の貫通孔911aが形成されている。この貫通孔911aに筒体本体111が挿入される。吐出部支持部材911と、フランジ113と、には、ねじ穴が形成されており、ねじ99によって、フランジ113と、吐出部支持部材911と、が固定される。これによって、筒体110が吐出部支持部材911に固定されるので、ノズルヘッド100が吐出部支持部材911に固定される。また、後述のように、ノズルヘッド100、第2インクタンク200、及び、第2供給部300は、一体的に形成されることによって、吐出部10を構成するので、ノズルヘッド100が吐出部支持部材911に固定され、吐出部10も吐出部支持部材911に固定される。
【0036】
凹部115は、筒体本体111の内壁面111aの周方向に沿うように、筒体本体111の内壁面111aに形成される。凹部115には、後述のフィルタ150が嵌め込まれる。
【0037】
ねじ山117は、筒体本体111の外壁の下方側(筒体本体110の基板950側)の一端部に形成される。このねじ山117によって、後述の固定部材123が、筒体110に固定される。
【0038】
凸部119は、筒体本体111の内壁面111aの周方向に沿うように、筒体本体111の内壁面111aに形成される。凸部119に流量検知素子161が配置され、凸部119を支持する。なお、凸部119は、流量検知素子161を配置する位置に対応して設けられる。流量検知素子161は、フィルタ150の下方側に配置されてもよい。このため、凸部119も、フィルタ150の下方側に配置されてもよい。凸部119は、内壁面111aに沿って平面形状が環状となるように形成される。
【0039】
底部120は、吐出口121aを備え、筒体110の下方側の一端の開口を閉口するように形成される。底部120は、ノズルプレート121と、固定部材123と、を備える。
【0040】
ノズルプレート121は、固定部材123によって、筒体110の下方側の一端の開口を覆うように筒体110の前記一端に当接して、固定される。
【0041】
固定部材123は、筒体110の下方側の一端の開口を覆う形状であり、内壁にねじ切りを備える。このねじ切りと、ねじ山117と、によって、固定部材123と筒体110とは螺合する。そして、固定部材123は筒体110に取り付けられる(図3参照)。このときに、固定部材123は、ノズルプレート121を覆い、ノズルプレート121を固定する。また、固定部材123は、貫通孔123aを底面に備え、この貫通孔123aによって、ノズルプレート121の一部が露出する。固定部材123は、他の方法によって、筒体110に取り付けられてもよい。底部120と筒体110とは、固定部材123が筒体110に取り付けられることによって密着し、底部120と筒体110との接合部からインクが漏れることは略無い。
【0042】
ノズルプレート121は、筒体110の下方側の一端の開口を閉口する。また、ノズルプレート121は、ノズルプレート121の中央に形成された、インクを吐出する吐出口121aを備える。この吐出口121aは、直径が10ミクロン程度である。吐出口121aの大きさ(直径の大きさ)は、筒体110の内壁によって囲まれた空間の断面の大きさ(直径の大きさ)よりも、十分に小さいので、吐出口121aから吐出されるインクは、勢い良く吐出される。このため、吐出されたインクは、柱状になり、所謂液柱95を構成する。ノズルプレート121の一方の面は、筒体110内のインクと接することになる。
【0043】
ノズルプレート121は、略円盤形状である。ノズルプレート121の形状は、適宜決定できる。ノズルプレート121の形状は、筒体110の開口の形状に対応する形状となることが望ましい。対応する形状とは、例えば、ノズルプレート121の外形が筒体110の断面の外形と同じ形状である場合をいう。ノズルプレート121は、ステンレスなどの金属やふっ素系樹脂などの樹脂材料などによって構成される。
【0044】
接続部130は、筒体110の上方側の一端を閉口する。接続部130は、上下方向の両端部に形成された凹部131及び132を備える。つまり、接続部130の断面形状は、H状になる。接続部130は、例えばゴム等の弾性部材によって構成される。筒体110の、筒体110の上方側の一端部は、凹部131に嵌め込まれる。一方、後述の第2インクタンク200の底部が、凹部132に嵌め込まれる。このようにして、接続部130は、筒体110及び第2インクタンク200と密着し、それぞれの接続部からインクが漏れることはなくなる。また、これによって、ノズルヘッド100と、第2インクタンク200と、が互いに固定され、一体的に形成されることになる。なお、ノズルヘッド100と、第2インクタンク200と、を互いに固定する方法は、他の方法によるものであってもよい。
【0045】
接続部130は、さらに、貫通孔133を備える。この貫通孔133は、後述の第2インクタンク200の貫通孔213と連通する。貫通孔133と貫通孔213とによって、連通路93が形成される。第2インクタンク200からノズルヘッド100に供給されるインクは、この連通路93内を通過することになる。
【0046】
フィルタ150は、凹部115に嵌め込まれる。フィルタ150は、インクのゴミ等を除去する。フィルタ150は、例えば、ステンレスなどの金属やふっ素樹脂などの樹脂材料などによって構成される。
【0047】
流量センサ160は、流量検知素子161を備える。流量検知素子161は、凸部119上に戴置される。流量センサ160は、筒体110(つまり、ノズルヘッド100)内を流れるインクの流量(単位時間当たりにノズルヘッド100内(所定位置における断面内)を流れるインクの量)を検出する。
【0048】
ここで、図4及び5を参照して、流量センサ160を説明する。流量センサ160は、流量検知素子161、センサ本体162、及び、配線163を備える。
【0049】
流量検知素子161は、筒体110(つまり、ノズルヘッド100)内を流れるインクの流量を検出する流量センサ160のセンシング素子(検知素子)を構成するものである。流量検知素子161は、筒体110内を流れるインクの流量検出するためのものである。
【0050】
流量検知素子161は、基材161aと、基材161a上の形成された導体161bと、この導体161bの両端それぞれに電気的に接続される二つの端子161cと、を備える。導体161bが、インクの流量を検知する部分なので、この導体161bが、ノズルヘッド100内を流れるインクの流量を検知するための流量検知部になる。
【0051】
基材161aは、例えば、絶縁性のガラス基板等から形成される。基材161aは、その外形が筒体本体の断面形状に合わせた形状になる。また、基材161aは、基材161aの中央に形成され、インクを通過させる貫通孔161aaを備える。基材161aの平面形状は、ここでは、円環形状である。
【0052】
導体161bは、基材161aの上面(上方側の面)に形成される。導体161bは、温度変化によって抵抗値が変化する導電体によって構成される。例えば、アルミや金などの金属の場合、室温領域以上の金属の抵抗は、温度に依存しない残留抵抗とエレクトロン−フォノン散乱により温度に比例する抵抗の和で近似的に表すことができる。したがって、導体161bの材料としては、金属、できれば、磁性元素を含まない金属が望ましい。又、抵抗変化を測定する金属の下には基材との密着層があっても良い。例えば金/タングステン、金/モリブデンなどがある。導体161bは、蒸着、スパッタ等の適宜の方法で形成される。
【0053】
二つの端子161cは、導体161bの両端それぞれと電気的に接触するように、基材161a上(導体161bが形成される面と同じ面)に形成される。端子161cは、例えば、金電極等によって形成され、基材161aに適宜の方法で固着される。
【0054】
二つの配線163(例えばリード線)それぞれの一端は、それぞれ、二つの端子161cと電気的に接続する。配線163における端子161cと接続する接続部を、金又は銀等によってメッキし、端子161cとの接続強度を高めてもよい。配線163他端は、筒体110の外部に引き出される。
【0055】
基材161aは、二つの端子161cそれぞれの近傍に、二つの貫通孔161abと、貫通孔161abを塞ぐ塞ぎ部材161acと、を備える。配線163は、貫通孔161abを通る。塞ぎ部材161acは、貫通孔161abを通る配線163の途中を固定するとともに、貫通孔161abを塞ぐ。配線163は、貫通孔161abから引き出される。塞ぎ部材161acは、例えば、フリットガラス等によって形成される。
【0056】
凸部119は、さらに、二つの貫通孔161abそれぞれに対応して形成された二つの貫通孔119aと、貫通孔119aを塞ぐ塞ぎ部材119bと、を備える。貫通孔161abから引き出された配線163は、貫通孔119aを通る。塞ぎ部材119bは、貫通孔119aを通る配線163の途中を固定するとともに、貫通孔119aを塞ぐ。配線163は、貫通孔119aから引き出される。塞ぎ部材119aは、例えば、フリットガラス等によって形成される。
【0057】
筒体本体111は、さらに、二つの貫通孔119aそれぞれに対応して形成された二つの貫通孔111bと、貫通孔111bを塞ぐ塞ぎ部材111cと、を備える。貫通孔119aから引き出された配線163は、貫通孔111bを通る。塞ぎ部材111cは、貫通孔111bを通る配線163の途中を固定するとともに、貫通孔111bを塞ぐ。配線163は、貫通孔111bから引き出される。塞ぎ部材111cは、例えば、フリットガラス等によって形成される。
【0058】
なお、塞ぎ部材111cがガラスで形成される場合は、筒体111の少なくとも塞ぎ部材111cと接する部分及びその近傍部分をガラスの熱膨張係数に近いコバール合金で形成する事が望ましい。
【0059】
貫通孔111bから引き出される二つの配線163は、センサ本体162に入り、センサ本体162の回路と電気的に接続される。センサ本体162は、筒体本体111の外壁に形成される。センサ本体162は、ノズルヘッド100とは別体に形成され、例えば、吐出部支持部材911に形成されてもよい。また、センサ本体162の機能の少なくとも一部を制御部901に持たせてもよい。
【0060】
センサ本体162は、導体161bの抵抗値を検出する。センサ本体162は、例えば、導体161bに流れる電流値又は導体161bに印加される電圧値によって、導体161bの抵抗値を検出する。センサ本体162は、この抵抗値に応じた(電流値又は電圧値に応じた)デジタル信号(流量信号)を生成して制御部901に供給する。
【0061】
例えば導体161bに一定の電流を流すと導体161bは発熱し、周りのインクや基板などの熱が奪われる。発熱した導体161bからの熱は、インクの流量(流速)に応じて変化する。これにより、導体161bの抵抗値は変化する。すなわち、導体161bの抵抗値は、インクの流量によって変化することになる。このため、センサ本体162が出力する流量信号(流量センサ160が出力する流量信号)は、インクの流量に応じた信号となる。制御部901は、流量センサ160が出力する流量信号を受け取り、このデジタル信号に応じて、後述の第2供給部200を制御して、ノズルヘッド100内を流れるインクの量を制御する。このようにして、制御部901は、吐出口121aから吐出されるインクの量を一定にするような制御を行う。
【0062】
図3に戻り、第2インクタンク200は、第1インクタンク903から供給されたインクを貯蔵する。第2インクタンク200は、第2インクタンク本体210、蓋体220、インク保持体230、及び、液量センサ240を備える。
【0063】
第2インクタンク本体210は、筒体211、底部212、貫通孔213、貫通孔214、ねじ山215、貫通孔216、塞ぎ部材217、及び、インク供給路218を備える。
【0064】
筒体211の形状は、断面形状が円形である円筒形状である(図7参照)。筒体211の断面形状は、円形の他、楕円形又は多角形(三角形及び四角形等も含む)等、適宜決定できる。
【0065】
筒体211の下方側の一端は底部212によって閉口される。底部212は、中央に貫通孔213を備える。この貫通孔213は、上記のようにインクが通過する連通路を構成する。
【0066】
筒体211の下方側の一端部と底部212とは、第2インクタンク200の底部を構成し、この底部が凹部132に嵌め込まれる。底部212の上面(上方側の面)は、インクが貫通孔213に集まりやすくなるように、貫通孔213が最も低くなる傾斜を有する。
【0067】
貫通孔214は、筒体211の適宜の場所に形成される。この貫通孔214には、後述のモータ310が取り付けられる。
【0068】
ねじ山215は、筒体211の外壁面上方に形成される。
【0069】
貫通孔216は、筒体211の適宜の場所に形成される。この貫通孔216内を後述の配線242が通る。また、貫通孔216は、塞ぎ部材217によって塞がれる。
【0070】
塞ぎ部材217は、フリットガラス等によって構成され、貫通孔216を塞ぐとともに後述の配線242を固定する。なお、塞ぎ部材217がガラスで形成される場合は、筒体211の少なくとも塞ぎ部材217と接する部分及びその近傍部分をガラスの熱膨張係数に近いコバール合金で形成する事が望ましい。
【0071】
インク供給路218は、底部212に形成され、第2インクタンク本体210の内部と外部とを連通する貫通孔である。このインク供給路218は、第2インクタンク本体210の適宜の場所に形成される。インク供給路218には、インク供給管905が接続される。逆止弁909を通ってインク供給管905から供給されるインクは、インク供給路218を通って第2インクタンク本体210内に流入する。なお、接続部130は、貫通孔134をさらに備え、この貫通孔134は、インク供給路218に対応して形成される。これによって、インク供給管905は、この貫通孔134内を通って、インク供給路218に接続される。
【0072】
蓋体220は、内壁にねじ切りが形成され、このねじ切りと、ねじ山215と、によって、蓋体220と第2インクタンク本体210とは螺合する。これによって、蓋体220は第2インクタンク本体210に取り付けられる。なお、蓋体220と第2インクタンク本体210とは、他の方法によって取り付けられてもよい。なお、蓋体220と第2インクタンク本体210は、密着せず、後述の加圧部材340の上下の移動に伴って空気が出入りするように、両者を形成する事が望ましい。
【0073】
インク保持体230は、供給路218から第2インクタンク本体210内に流入するインクを吸収して保持する。インク保持体230は、例えば、スポンジ等のインクを吸収して保持することができる多孔質体によって形成される。
【0074】
液量センサ240については後述する。
【0075】
第2供給部300は、第2インクタンク200に貯蔵されたインクをノズルヘッド100に供給する。第2供給部300は、モータ310、ピニオン320、ラック330、及び、加圧部材340を備える。モータ310は、モータ本体311と、軸312と、を備える。モータ本体311には、電圧が印加され、この電圧に応じた回転方向と単位時間当たりの回転数とによって軸312を回転させる。モータ本体311に印加される電圧は、制御部901によって制御される。これによって、制御部901は、モータ310の軸312の回転方向と単位時間当たりの回転数とを制御する。
【0076】
ピニオン320は、軸312に取り付けられて、軸312の回転に伴って回転する。ピニオン320は、円柱状に形成され、外周面には歯(凹凸)が形成される。
【0077】
ラック330は、柱状の形状を有し、ピニオン320側の面に歯(凹凸)を備える。ピニオン320の歯と、ラック330の歯とは互いに噛み合う。このため。ピニオン320の回転に伴ってラック330は、上下方向(筒体211の中心軸に平行な方向で、図3の上下方向)に移動する。
【0078】
加圧部材340は、ラック330の下方側の一端に固定される。このため、ラック330の上下方向の移動に伴って、上下方向に移動する。これによって、インク保持体230を加圧して、インク保持体230が保持するインクをインク保持体230から絞り出す。インク保持体230から絞り出されたインクは、連通路93を通りノズルヘッド100内に流入する。なお、インク保持体230から絞り出されたインクは、インク供給路218にも流入しようとするが、インク供給路218に接続されたインク供給管905には逆止弁909が接続されており、インクがインク供給路218を逆流することは略ない。
【0079】
ピニオン320の回転に伴って、ラック330は移動し、加圧部材340は移動する。そして、ピニオン320の回転は、モータ310の軸312の回転に依存する。このため、制御部901は、モータ310の軸312の回転方向と単位時間当たりの回転数とを制御することによって、加圧部材340の上下方向の移動を制御することができる。また、加圧部材340の上下方向の移動は、インク保持体230から絞り出すインクの量(連通路93を通りノズルヘッド100内に流入するインクの量)を規定する。このため、制御部901は、モータ310の軸312の回転方向と単位時間当たりの回転数とを制御することによって、ノズルヘッド100内に流入するインクの量を制御できることになる。
【0080】
次に液量センサ240について、図3に加えて図6乃至8を参照して説明する。液量センサ240は、一対の電極241、配線242、及び、センサ本体243と、を備える。
【0081】
一対の電極241は、筒体211の内壁面211aに互いに平行となるように形成される。電極241は、例えば、上下方向に伸びる線状の電極である。この一対の電極241は、互いに対向し、コンデンサを構成する。液量センサ240は、このコンデンサの容量変化によって第2インクタンク200内に貯蔵されたインクの量を検知する。このため、このコンデンサを構成する一対の電極241は、第2インクタンク200内のインクの量を検知するための液量検知部になる。
【0082】
電極241は、適宜の導電材料で形成される。なお、電極241は、筒体211が絶縁物であれば、そのまま、筒体211の内壁面211aに形成される。また、筒体211が絶縁物でない場合には、内壁面211aの電極241を形成する領域を絶縁膜で覆って、覆った絶縁膜上に電極241を形成する。また、電極241は、表面を適宜の絶縁層によって覆ってもよい(特に加圧部材340が絶縁物でない場合。)。このようにして、電極241は、コンデンサの電極として機能するように、余計な金属から絶縁保護される。
【0083】
なお、加圧部材340は、切欠き部341をさらに備え、この切欠き部341の内壁と電極241(絶縁膜で保護される場合は絶縁膜)と、は当接する。そして、切欠き部341と電極241とは当接しながら、加圧部材340は上下方向に動く。このため、切欠き部341の内壁は、電極241とより密着しやすく形成する事が望ましい。例えば、切欠き部341の内壁面をゴム状弾性体膜によって構成する。このようにして、加圧部材340が下方に移動したときに切欠き部341と電極241との当接部からインクが染み出すことを防止するか軽減する。また、これは加圧部材340の外壁と筒体211の内壁面211aについても同様である。
【0084】
配線242は、二つ形成され、それぞれの一端が、一対の電極241に接続される。配線242は上述のように、貫通孔216内を通り、貫通孔216を塞ぐ塞ぎ部材217によって固定される。配線242の他端は、筒体211の外部に引き出され、センサ本体243内の回路に接続される。また、この配線242及び配線242と電極242との接続部も筒体211から電気的に絶縁することが望ましい。
【0085】
センサ本体243内の回路と、一対の電極241と、両者を電気的に接続する配線242によって、図8の回路245が構成される。一対の電極241は、コンデンサ(キャパシタ)245Cを構成する。一対の電極241の間には、加圧部材340及びインク保持体230の一部が入り込む。そして、加圧部材340よりも上の位置では、一対の電極241の間は、空気になる。このため、加圧部材340の上下方向における位置(図6の点線参照)によって、コンデンサ245Cの静電容量は変化する。加圧部材340は、インク保持体230からインクを絞り出すので、インク保持体230が保持するインクの量つまり第2インクタンク200内のインクの量は、加圧部材340の位置に依存する。さらに、インク保持体230が保持するインクの量によって、インク保持体230の誘電率も変化する。このため、コンデンサ245Cの静電容量は、第2インクタンク200内のインクの量に伴って変化する。図8の回路245は、このコンデンサ245Cの静電容量の変化を検出するためのものである。
【0086】
回路245は、発振回路245Aと、パルスカウンタ245Pと、によって構成される。発振回路245Aは、第1ナンドN1(NAND1)、第2ナンドN2(NAND2)、キャパシタ245C、抵抗245Rと、を含むデジタル発振回路である。
【0087】
発振回路245Aは、図9に示すようなパルス信号P1をパルスカウンタ245Pに出力する。
【0088】
パルスカウンタ245Pは、発振回路245Aから出力されたパルス信号P1のパルス数をカウントするものであり、カウントしたパルス数を制御部901に供給する。
【0089】
制御部901は、パルスカウンタ245Pから供給されたカウント値に基づいて、パルス信号P1の周波数fを取得し、取得した周波数fに基づいて気泡有無の判定を行うものである。
【0090】
インクに気泡が含まれて誘電率εが変化すると、キャパシタ245C、抵抗245Rの時定数も、この誘電率εに従って変化する。
【0091】
また、パルス信号P1の周期Tは、キャパシタ245C、抵抗245Rの時定数C・Rに比例する。即ち、キャパシタ245Cの容量をC、抵抗245Rの抵抗値をRとすると、T∝C・Rとなる。
【0092】
パルス信号P1の周波数fは、以下の式(1)によって表される。
f=1/T=1/(C・R)・・・・・・・・・(1)
【0093】
尚、第2インクタンク200内のインクの液量と、誘電率ε及び周波数fと、の関係は、予め、実験等により求められる。図10は、この関係を示す一例である。例えば、インクの液量が多いと容量Cは大きくなり、式(1)に示すように、周波数fは小さくなる。
【0094】
図10に示すような容量閾値C_thが予め設定される。この容量閾値C_thに対応する周波数閾値f_thは、抵抗値Rを一定として式(1)によって求められる。
【0095】
制御部901は、取得したパルス信号P1の周波数fが周波数閾値f_th以下のときは、液量が多いと判定し、周波数閾値f_thを超えているときは、液量が少ないと判定する。なお、制御部901は、記憶部を備え、この記憶部は、容量閾値C_th、周波数閾値f_thを含む図10に示すような関係情報を記憶し、この関係情報とパルスカウンタ245Pから供給されたカウント値に基づいて液量が一定量以上かどうかを判断する。このように、液量センサ240は、第2インクタンク200内の液量を示す液量信号を制御部901に供給し、制御部901は、この信号に基づいて第2インクタンク200の液量を判別する。
【0096】
本実施形態に係る吐出装置900では、吐出装置900の起動時、制御部901は第1供給部907を制御して第1インクタンク903から第2インクタンク200にインクを所定量供給する。また、制御部901が液量センサ240から供給される液量信号に基づいて第2インクタンク200内の液量が一定量未満になっていると判断したとき、制御部901は第1供給部907を制御して第1インクタンク903から第2インクタンク200にインクを所定量供給する。制御部901は、記憶部等に、インクを第2インクタンク200に一定量供給するための第1供給部907の動作時間等を特定するデータを起動時と液量が少なくなったときとのそれぞれについて記憶しておき、制御部901はこのデータに基づいて第1供給部907を制御する。第2タンク200に供給されるインクは、インク保持体230が保持する。これによって、第2インクタンク200内にインクが貯蔵される。なお、第2インクタンク200にインクを供給するとき、制御部901は、インク保持体230がインクを保持しやすいように、第2供給部300を制御して加圧部材340を、上方に移動させておくか、インクの供給に伴って上方に移動させるとよい。なお、第2インクタンク200に供給されるインクは、インク保持体230に保持されるので、インクがノズルヘッド100に不必要に流入することは無い。また、あったとしても逆流するインクの量は少ない。また、制御部901は、第2インクタンク200内のインクが少なくなったときには、第2供給部300を制御して、ノズルヘッド100の移動待機時にインクを第2インクタンク200に供給する。これによって、安定してインクを第2インクタンク200に供給できる。
【0097】
一方、制御部901は、第2供給部300を制御して加圧部材340を下方に移動させることによって、インク保持体230が保持するインクを絞り出し、絞り出したインクをノズルヘッド100内に流入させる。ノズルヘッド100内の空間は、インクによって満たされるとともに、さらに、第2インクタンク200からインクが供給されるので、インクはノズルヘッド100の吐出口121aから吐出される。また、制御部901は、ノズルヘッド100がインクを吐出させながら基板950上を所定の軌跡で移動するように、第1駆動部913及び第2駆動部915をさらに制御する。このようにして、所定の軌跡で基板950にインクが塗布される。このとき、制御部901は、流量センサから流量信号を受け取り、受け取った流量信号に基づいて第2供給部300を制御して、加圧部材340の単位時間の移動距離を制御する。この制御で制御部901は、インクの吐出量(ノズルヘッド100が吐出する単位時間当たりのインクの量)を一定にするように第2供給部300を制御する。例えば、制御部901は、インクの流量が所定の値よりも大きかった場合、所定の値よりも大きい分だけ、加圧部材340の単位時間当たりの移動距離を少なくする。このようにして、制御部901は、インクの吐出量が一定になるように制御する。
【0098】
以上、本実施形態に係る吐出装置900によれば、インクの吐出量を一定にしながら所望の軌跡でインクを塗布できる。
【0099】
また、本実施形態に係る吐出装置900によれば、ノズルヘッド100と、第2インクタンク200と、第2供給部300と、は一体的に形成されているため、インク供給に伴う圧力損失の発生を防止又は軽減でき、インク吐出を安定化できる。これによって、液体の吐出の安定性が改善される。
【0100】
本実施形態に係る吐出装置900によれば、第2インクタンク200は、第2インクタンク200内のインクの量を検知するための液量検知部(一対の電極241)を備えるので、第2インクタンク200のインクの量に応じて、インクを第2インクタンクに適宜供給できる。
【0101】
本実施形態に係る吐出装置900によれば、ノズルヘッド100は、ノズルヘッド100内を流れるインクの流量を検知するための流量検知部(導体161b)を備えるので、インクの流量を検知し、検知した流量に応じてノズルヘッド100のインクの吐出量を安定化させることができる。
【0102】
また、本実施形態に係る吐出装置900によれば、ノズルヘッド100が移動していないときに、第2インクタンク200にインクを制御部901の制御によって供給する第1供給部907をさらに備えるので、ノズルヘッド100の移動待機時にインクを第2インクタンク200に供給する。これによって、安定してインクを供給できる。
【0103】
また、本実施形態に係る吐出装置900によれば、吐出部10内のインクが、インク吐出時に吐出部10が動作しても揺動することが無いため、インク吐出を安定化できる。
【0104】
なお、本実施形態においては、吐出装置900は1つの吐出部10を備えるが、吐出装置900は、複数の吐出部10を備えるように構成されてもよい(図11参照)。この場合、複数の吐出部10は、同時に動くか、独立して動くように制御される。また、第1インクタンク903及び第1供給部907等は、吐出部10に対応して複数形成される。また、制御部901は、吐出部10及び第1供給部907等をそれぞれ独立して制御する。このように、複数の吐出部10によって同時にインクの塗布を行うことで、少ない時間でインクの塗布が行える。
【0105】
また本実施形態においては、吐出装置900の吐出部10は、第1供給部907とインク供給管905を介して接続されている構成であったが、インク供給管905と着脱可能な構成でも構わない。例えば、逆止弁909のインク供給管905側の部位で、接続部を設け、インク吐出時に吐出部10はインク供給管905から、接続部で脱離し、基板950上を走査しながらインクを吐出する構成でもよい。その場合は、第2インクタンク200の液量に基づいて、制御部901が吐出部10動作を制御して、液量の残量が少ないなどの場合、吐出部10がインク供給管905と接続し、第1インクタンク903からインク供給管905を介して吐出部10へインクが供給される構成が望ましく、更には制御部901の制御に連動して、第2インクタンク200の液量を元に、インク供給管905と吐出部10とが自動で着脱及びインク供給されることが望ましい。このようにすることで、吐出部10からインク吐出する場合に、インク供給管905は、吐出部10の動作に関係せず、吐出部10の移動に伴う制約が軽減される。
【0106】
本実施形態に係る吐出装置900を用いて塗布されたインクは発光層を形成する。本実施形態に係る吐出装置900を用いて塗布されたインクは、安定して塗布されたインクなので、塗布されたインクによって形成される発光層は膜質が良好になる。以下、このような発光層が形成された本実施形態に係る発光装置の一例について説明する。なお、発光装置の構成は以下で説明した構成に限るものではない。
【0107】
本実施形態に係る発光装置1000の一例の製造方法(発光装置製造方法)を、図12乃至16を参照して説明する。図13は、本発明の一実施形態に係る発光装置の一部内部を示した平面図で、図14は図13におけるXーX断面図、図15は図13におけるYーY概略断面図である。なお、下記の基板1100と隔壁1200とが、上記の基板950に対応する。
【0108】
まず、基板1100を形成する(ステップS101)。具体的には、基材1110を用意し、用意した基材1110上に複数の層を順次積層した積層体1120を形成することで、基板1100が形成される。基板1100は、基材1110と、積層体1120と、を備える。積層体1120は、例えば、所定の平面形状に形成された、電極層、半導体層、及び、絶縁層等の複数の層からなる。そして、この積層体1120によって、発光層1300を発光させる回路を構成する各種トランジスタ、各種キャパシタ、及び、各種配線等が形成されることになる。つまり、基板1100(積層体1120)は、発光層1300を発光させる回路を構成する、各種トランジスタ、各種キャパシタ、及び、各種配線等を適宜備える。ここで、平面形状は、基板1100の表面(積層体1120を形成する側の面)の上方から基板1100の方向を見た場合の形状をいう。
【0109】
このような基板1100は公知のものを利用することができるので、以下では、基板1100の製造方法及び基板1100の構造の一例の概略のみを説明する。なお、基板1100の形成については、特に図14を参照。
【0110】
まず、ガラス基板等からなる透明な基材1110を用意する。次に、この基材1110上に、スパッタ法又は真空蒸着法等により例えば、Mo膜、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜、AlNdTi合金膜、又は、MoNb合金膜等からなる導電膜を形成する。そして、形成した導電膜を所定形状にパターニングする。これによって、配線1121、及び、トランジスタ1122のゲート電極1122g等が、基材1110上に形成される。なお、ここでのトランジスタ1122は、例えば、発光層を駆動するための駆動トランジスタである。また、ここでの配線1121は、例えば、発光させる発光素子を選択するための選択トランジスタのドレイン電極と、発光装置を駆動するデータドライバと、を電気的に接続するデータラインである。続いて、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等により配線1121及びゲート電極1122g上に絶縁膜1123を形成する。
【0111】
次に、形成した絶縁膜1123上に、CVD法等により、アモルファスシリコン等からなる半導体層を形成する。次に、形成した半導体層上に、CVD法等により、例えばSiN等からなる絶縁膜を形成する。続いて、形成した絶縁膜をフォトリソグラフィ等によりパターニングし、所定形状のストッパ膜1124を形成する。更に、半導体層及びストッパ膜1124上に、CVD法等により、n型不純物が含まれたアモルファスシリコン等からなる膜を形成し、この膜と半導体層とをフォトリソグラフィ等によりパターニングすることで、半導体層1125とオーミックコンタクト層1126、1127とを形成する。
【0112】
次に、スパッタ法、真空蒸着法等により絶縁膜1123上に、ITO等の透明導電膜、或いは光反射性導電膜及びITO等の透明導電膜を被膜後、フォトリソグラフィによってパターニングして画素電極1129を形成する。
【0113】
続いて、絶縁膜1123に、異なる層に形成された導電層(例えば、トランジスタ電極又は配線)同士を電気的に接続するコンタクト部を形成するための貫通孔である図示しないコンタクトホールを形成する。次に、コンタクトホールを形成した絶縁膜1123上に、例えば、Mo膜、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlNdTi合金膜、MoNb合金膜等からなるソース−ドレイン導電膜をスパッタ法、真空蒸着法等により被膜して、フォトリソグラフィによってパターニングしてドレイン電極1122d及びソース電極1122sを形成する。また、これと同時に、前記のコンタクト部を適宜形成する。ソース電極1122sはそれぞれ画素電極1129の一部と重なるように形成される。
【0114】
上記のようにして、積層体1120は形成され、基材1110は形成される。なお、上記工程では、トランジスタ1122以外の、例えば、選択トランジスタ等の他のトランジスタも適宜形成される。また、上記工程では、配線1121以外の、例えば、所定の高電位電源に直接又は間接的に接続され、対向電極1400に印加される基準電圧より十分電位の高い所定の高電位の電圧(供給電圧)が印加されるアノードライン(供給電圧ライン)等が適宜形成される。また、例えば発光素子の発光に使用されるキャパシタ等も適宜形成される。
【0115】
次に、ステップS101で形成した基板1100に隔壁1200を形成する(ステップS102)。隔壁1200の製造方法の一例を具体的に説明すると、例えば、シリコン窒化膜等の絶縁性材料からなる層間絶縁層をCVD法等により、基板1100上に形成する。そして、フォトリソグラフィにより、層間絶縁層に所望の形状の開口部1251を形成する。このようにして、複数の画素電極1129を露出させる開口部1251を備えた層間絶縁膜1250が形成される(図14参照)。次に、層間絶縁膜1250を覆うように、感光性ポリイミド等の絶縁材料を、前記層間絶縁膜1250を形成した基板1100に塗布する。そして、所望の形状に対応するマスクを介し、塗布した絶縁材料を露光及び現像することによってパターニングし、所望の形状の開口部1261を有する隔壁本体1260を形成する(図14参照)。開口部1261は、開口部1251に合わせた形状であり、複数の画素電極1129を開口部1251を介して露出させる。このようにして、隔壁1200が形成される(図14等参照)。
【0116】
つまり、ここでは、隔壁1200は、層間絶縁膜1250と、この層間絶縁膜1250上に形成された隔壁本体1260と、によって形成される。層間絶縁膜1250と、隔壁本体1260と、は、互いに対応する形状に形成されることによって、隔壁1200を構成する。また、隔壁1200の開口部1201は、開口部1251と、開口部1261と、によって形成される。なお、開口部1251の内壁面と、開口部1261の内壁面と、は、面一に形成されているが(図14等参照)、段差等によって面一に形成されていなくてもよい。また、開口部1201の内壁面は、法線方向(基材1110の表面(前記積層体1120を形成する面)に対して垂直な方向)に対して傾斜を有するが、前記法線方向に沿った形状で形成されてもよい。
【0117】
層間絶縁膜1250は、隣り合う画素電極1129同士を絶縁するとともに、基板1100の表面に露出した素子及び配線等を電気的に外部から絶縁保護する。保護の対象の素子としては、トランジスタ1122等がある。保護の対象の配線としては、電源供給ライン等がある。
【0118】
隔壁本体1260は、基板表面からの隔壁1200の高さを高くし、発光層1300を形成する際に塗布されるインクが他の領域に入り込まないようにするためのものである。通常、隔壁本体1260の高さは、層間絶縁膜1250よりも高い。
【0119】
層間絶縁膜1250と、隔壁本体1260と、によって隔壁1200は構成される。このため、層間絶縁膜1250と、隔壁本体1260と、は、隔壁1200の形状に対応することになるので、以下では、隔壁1200の形状を説明することによって、層間絶縁膜1250と、隔壁本体1260と、の形状を説明する。なお、隔壁1200は、インクを仕切るもの、つまり、発光層1300の形状を規定するものであればよい。隔壁1200は、絶縁性を有することが望ましい。
【0120】
隔壁1200は、発光層1300の形状を規定する。隔壁1200は、ストライプ状に配列された開口部1201を備える。開口部1201は、発光層1300の形状を規定する。開口部1201は、平面形状が、長手方向における両端が閉口な形状(ここでは略長方形)となっている。このため、発光層1300は、列方向に一列にならぶ複数の画素に対応した形状(ここでは、略長方形)になっている。列方向とは、開口部1201の長手方向であり、図13における横方向である。
【0121】
次に、隔壁1200の表面(適宜開口部1201の内壁面も含む。)に所定の処理を行う(ステップS103)。
【0122】
例えば、開口部1201から露出する基板1100の領域と、隔壁1200の表面全面と、に対して親液化処理を行ってから、隔壁1200の表面全面に撥液化処理を行う。この撥液化処理によって、隔壁1200の開口部1201(溝)に塗布されたインクが、隔壁1200の表面によって弾かれる。このため、インクが、隔壁1200を乗り越えて、隣の開口部1201に進入してしまうことを防ぐことができる。
【0123】
なお、親液化処理としては、紫外線光の照射による処理又はO(酸素)プラズマ処理等がある。また、撥液化処理は、CF(四フッ化メタン)プラズマ処理等がある。なお、撥液とは、水系の溶媒、又は、有機系溶媒のいずれかを所定基準以上の度合いで弾く性質を示す。なお、親液とは、水系の溶媒、又は、有機系溶媒のいずれかを所定基準未満の度合いで弾く性質(弾かない性質)を示す。
【0124】
図12のフローに戻り、発光層1300を形成する(ステップS104)。具体的には、第1のインクを開口部1201内(溝)に塗布し、塗布した第1のインクを乾燥させることによって、発光層1300を形成する。また、発光装置1000がR(Red)、G(Green)、及びB(Blue)の画素を有する場合には、インク(特に後述の中心層を形成するインク)の塗布を分ける。
【0125】
第1のインクは、発光することが可能な公知の高分子発光材料、例えばポリパラフェニレンビニレン系又はポリフルオレン系等の共役二重結合ポリマーを含む発光材料を含む。前記の高分子発光材料が溶媒に溶解又は分散した液体がインクとなる。溶媒は、例えば、水系溶媒あるいはテトラリン、テトラメチルベンゼン、メシチレン、又は、キシレン等の有機溶媒である。このような第1のインクを用いて形成された層は、発光が行われる層であり、発光層1300の中心的な層になる。この層を以下では中心層という。なお、発光層1300は、ここでは、この中心層のみによって構成される。
【0126】
第1のインクを塗布するときに吐出装置900が使用される。例えば、上記のように、吐出部10を基板950上を相対的に移動させ第1のインクを所定のパターンで塗布する(図16矢印参照)、塗布した第1のインクを乾燥する方法は、大気雰囲気中での乾燥、窒素雰囲気中での乾燥、真空中での乾燥、又は、これらいずれかの雰囲気中での加熱乾燥等、公知の方法を採用できる。塗布された第1のインクは、例えば液面が図15の液面1301となるように塗布される。
【0127】
発光層1300は、画素電極1129(アノード電極)及び対向電極(カソード電極)1400によって印加される電圧によって発光する層である。
【0128】
発光層1300は、上記では、中心層のみから形成されるが、発光層1300は、中心層と、正孔注入層と、インターレイヤと、を備えたものであってもよい。発光層1300は、少なくとも中心層を備えるものであればよい。
【0129】
発光層1300が正孔注入層を備える場合、上記の中心層を形成する前に、第2のインクを開口部1201内(溝)に塗布し、塗布した第2のインクを乾燥させることによって、正孔注入層を形成する。この正孔注入層は、画素電極1192と中心層(インターレイヤ)との間に形成される。正孔注入層は中心層に正孔を供給する機能を有する。正孔注入層は正孔(ホール)注入・輸送が可能な有機高分子系の材料、例えば導電性ポリマーであるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とドーパントであるポリスチレンスルホン酸(PSS)とから構成される。つまり、第2のインクは、前記の有機高分子系の材料が、水系溶媒あるいはテトラリン、テトラメチルベンゼン、メシチレン、又は、キシレン等の有機溶媒の溶媒に、溶解又は分散した液体である。第2のインクの塗布は、上記と同様吐出装置900によって行われる。
【0130】
発光層1300がインターレイヤを備える場合、上記の中心層を形成する前に、第3のインクを開口部内(溝)に塗布し、塗布した第3のインクを乾燥させることによって、インターレイヤを形成する。このインターレイヤは、正孔注入層と中心層との間に形成される。インターレイヤは、正孔注入層の正孔注入性を抑制して中心層内において電子と正孔とを再結合させやすくする機能を有し、中心層の発光効率を高める。インターレイヤは正孔注入層の正孔注入性を抑制して中心層内において電子と正孔とを再結合させやすくする適宜の有機高分子系の材料から構成される。つまり、第3のインクは、前記の有機高分子系の材料が、水系溶媒あるいはテトラリン、テトラメチルベンゼン、メシチレン、又は、キシレン等の有機溶媒の溶媒に、溶解又は分散した液体である。第2のインクの塗布は、上記と同様吐出装置900によって行われる。
【0131】
図12のフローチャートに戻り、対向電極(カソード電極)1400を形成する(ステップS105)。対向電極1400は、発光層1300の上に形成される。対向電極1400は、導電材料、例えばLi、Mg、Ca、Ba等の仕事関数の低い材料からなる電子注入性の下層と、Al等の光反射性導電金属からなる上層を有する積層構造である。ここでは、対向電極1400は、発光層1300が形成された後の基板の略全面に形成された一つの電極積層体から構成される(図14参照)。対向電極1400は、例えば接地電位である共通電圧Vssが印加されている。対向電極1400は、真空蒸着やスパッタリングによって形成される。各発光素子は、各画素電極1129と、各画素電極と重なる位置にある発光層1300の各領域と、各画素電極と発光層1300を介して重なる位置にある対向電極1400の各領域と、によって構成される。
【0132】
次に、封止を行う(ステップS106)。発光画素(発光層1300を介して画素電極1129と、対向電極1400と、が重なる領域)が複数形成された発光領域の外側において、対向電極1400形成後の基板1100上に紫外線硬化樹脂、又は熱硬化樹脂からなる封止樹脂を塗布し、図示しない封止基板と基板1100とを貼り合わせる。次に紫外線もしくは熱によって封止樹脂を硬化させて、基板1100と封止基板とを接合する。以上から、発光装置1000が製造される。
【0133】
このような構成を採る発光装置1000は、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ(ノートパソコン)、又は携帯電話等の表示装置の表示部(ディスプレイ)として用いられる。具体的には、デジタルカメラ1910は、例えば図17及び図18のように、操作部1911と、表示部1912と、を備える。この表示部1912に発光装置1000が用いられる。同様に、ノートパソコン1920は図19に示すように、表示部1921を備え、発光装置1000は表示部1921に使用される。更に、図20のように、携帯電話機1930は表示部1931を備え、発光装置1000は表示部1931に使用される。
【符号の説明】
【0134】
10・・・吐出部、93・・・連通路、95・・・液柱、99・・・ねじ、100・・・ノズルヘッド、110・・・筒体、111・・・筒体本体、111a・・・内壁面、111b・・・貫通孔、111c・・・塞ぎ部材、113・・・フランジ、115・・・凹部、117・・・ねじ山、119・・・凸部、119a・・・貫通孔、119b・・・塞ぎ部材、120・・・底部、121・・・ノズルプレート、121a・・・吐出口、123・・・固定部材、123a・・・貫通孔、130・・・接続部、131・・・凹部、132・・・凹部、133・・・貫通孔、134・・・貫通孔、150・・・フィルタ、160・・・流量センサ、161・・・流量検知素子、161a・・・基材、161aa・・・貫通孔、161ab・・・貫通孔、161ac・・・塞ぎ部材、161b・・・導体、161c・・・端子、162・・・センサ本体、163・・・配線、200・・・第2インクタンク、210・・・第2インクタンク本体、211・・・筒体、212・・・底部、213・・・貫通孔、214・・・貫通孔、215・・・ねじ山、216・・・貫通孔、217・・・塞ぎ部材、218・・・インク供給路、220・・・蓋体、230・・・インク保持体、240・・・液量センサ、241・・・電極、242・・・配線、243・・・センサ本体、245・・・回路、245A・・・発振回路、245C・・・コンデンサ(キャパシタ)、245P・・・パルスカウンタ、245R・・・抵抗、300・・・第2供給部、310・・・モータ、311・・・モータ本体、312・・・軸、320・・・ピニオン、330・・・ラック、340・・・加圧部材、900・・・吐出装置、901・・・制御部、903・・・第1インクタンク、905・・・インク供給管、907・・・第1供給部、909・・・逆止弁、911・・・吐出部支持部材、913・・・第1駆動部、915・・・第2駆動部、917・・・ステージ、950・・・基板、1000・・・発光装置、1100・・・基板、1110・・・基材、1120・・・積層体、1121・・・配線、1122・・・トランジスタ、1122g・・・ゲート電極、1122s・・・ソース電極、1122d・・・ドレイン電極、1123・・・絶縁膜、1124・・・ストッパ膜、1125・・・半導体層、1126,1127・・・オーミックコンタクト層、1129・・・画素電極、1200・・・隔壁、1201・・・開口部、1250・・・層間絶縁膜、1251・・・開口部、1260・・・隔壁本体、1261・・・開口部、1300・・・発光層、1301・・・液面、1400・・・対向電極、1910・・・デジタルカメラ、1911・・・操作部、1912・・・表示部、1920・・・ノートパソコン、1921・・・表示部、1930・・・携帯電話機、1931・・・表示部、N1・・・第1ナンド、N2・・・第2ナンド、P1・・・パルス信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を連続的に吐出口から吐出する吐出ノズル部と、
前記吐出ノズル部を動作させる駆動部と、
前記吐出ノズル部に一体となって動作するよう接続され、前記液体を貯蔵する第1の貯蔵部と、
前記第1の貯蔵部内に構成され、前記第1の貯蔵部から前記吐出ノズル部へ前記液体を供給する第1の液体供給部と、
を備えることを特徴とする吐出装置。
【請求項2】
前記第1の貯蔵部は、前記第1の貯蔵部内の前記液体の貯蔵量を検知する液量検知部を備えることを特徴とする請求項1に記載の吐出装置。
【請求項3】
前記吐出ノズル部は、前記吐出ノズル部内を流れる前記液体の流量を検知する流量検知部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の吐出装置。
【請求項4】
前記駆動部を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記液体検知部及び前記流量検知部からの情報を元に、前記駆動部を制御することを特徴とする請求項3に記載の吐出装置。
【請求項5】
前記吐出ノズル部が動作していないときに前記貯蔵部に前記液体を供給する第2の貯蔵部及び第2の液体供給部を備え、
前記第1の貯蔵部と前記第2の液体供給部は、少なくとも前記吐出ノズル部が動作していないときに液体供給管で接続され、前記制御部は更に前記第2の液体供給部を制御することを特徴とする請求項4に記載の吐出装置。
【請求項6】
前記第1の貯蔵部と前記液体供給管との接続部に、前記第1の供給部から前記第1の貯蔵部への液体の供給を許容し、前記第1の貯留部から前記第1の液体供給部への液体の流れを防ぐ逆止弁を備えることを特徴とする請求項5に記載の吐出装置。
【請求項7】
前記吐出ノズル部から吐出される前記液体を受ける吐出対象物を保持するステージと、
前記ステージを動作させる第2の駆動部と、
を備え、前記制御部は更に第2の駆動部を制御することを特徴とする請求項5又は6に記載の吐出装置。
【請求項8】
前記第1の貯蔵部は、前記第1の貯蔵部の内部に前記液体を保持する、多孔質体で形成された液体保持体を備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の吐出装置。
【請求項9】
前記第1の液体供給部は、前記液体保持体を加圧して前記第1の貯留部から前記吐出ノズル部へ前記液体を供給することを特徴とする請求項8に記載の吐出装置。
【請求項10】
前記液体は、有機EL材料であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−138701(P2011−138701A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298305(P2009−298305)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】