説明

向上した光抽出を有する紫外線発光素子

【課題】偏光度PDを向上させる発光素子、及びそのような発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】発光素子は、中心波長λ、及び偏光度Pを有する光を発光するよう構成された発光領域を含むことができ、これらの中心波長λ及び偏光度Pは、200nm≦λ≦400nm、b≦1.5に対してP>0.006λ−bの条件を満たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、向上した光抽出を有する紫外線発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の発光領域で発生する光は、発光素子から光が伝播する方向が左右される偏光特性を有してもよい。図1に示す通り、発光素子101の発光面105と直交する軸に沿って、又は発光面105と直交する軸に対して、放射光の脱出錐体102の内側に傾斜して伝播する光は、発光素子101の発光面105から放出される。発光素子101の発光面105と並行に、又は、脱出錐体102の外側へ傾斜して、伝播する光は、ほとんど失われて発光素子101内に吸収されてしまう可能性があり、この発光素子101から出力される光が全て供給されるわけではない。
【0003】
さらに図1で示す通り、発光素子101は、(一般にウエハ面と直交する電界を有する)TM偏光と、及びTE偏光(一般に発光素子のウエハ面と直交する電界)とを発生させることができる。TM偏光は、一般にウエハ面と並行の、即ち、発光素子101の発光面105に並行の方向に伝播する。TE偏光は、一般にウエハ面と直交する、即ち、直交する発光素子101の発光面105と直交する方向に伝播する。したがって、図1の例では、TE偏光はこの発光素子から容易に放出されることができ、一方、TM偏光は、その大部分が発光素子層内に閉じ込められ、吸収されてしまう。
【0004】
紫外線発光ダイオード(UVLED)等の紫外線発光素子は、AlGaN、InAlN及び/又はInAlGaN等のIII族窒化物材料系を用いて製造されてきた。III族窒化物材料を使用する発光素子の場合、Al含有率(Alモル分率)を増加させながら、発光する光の波長は短くなり、TM偏光の発生量は増加する。したがって、UVLEDでは、発光領域内のAl含有率が増加すると、発光領域により発光されるTM偏光の割合も増加し、これにより、TE偏光の発光が犠牲となってしまう。したがって、発光素子の波長が短くなると、UVLEDの発光効率は、光の抽出効率により制限され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
偏光度Pを向上させる発光素子、及びそのような発光素子の製造方法を説明する。いくつかの実施形態では、窒化物半導体発光素子は発光領域を含み、中心波長λ、及び偏光度Pを有する光を発光するよう構成されており、これらの中心波長λ、及び偏光度Pは、200nm≦λ≦400nm、b≦1.5に対してP>0.006λ−bの条件を満たす。いくつかのケースでは、bは1とほぼ同じである。例えば、この発光領域はGaN、InAlN、AlGaN、InGaN及びInAlGaNのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、バルク結晶のAlN基板上で成長する発光領域を有する発光素子が含まれ、AlN基板及び発光領域の逆格子値は、約1.5%より少ない。
【0007】
いくつかの実施形態では、200nm≦λ<300nmに対してP>0の条件を満たす中心波長λ、及び偏光度Pを有する光を発光するよう構成された発光領域を含む発光素子が含まれる。
【0008】
いくつかの実施形態では、発光素子を製造する方法が含まれる。例えば、この方法は、第1のヘテロ構造及び第2のヘテロ構造を成長させるステップが含むことができる。第1のヘテロ構造と第2のヘテロ構造との間に発光領域を配置できるように、第1のヘテロ構造の上でIII族窒化物発光領域を成長させる。この発光領域は、少なくとも1枚の圧縮歪層を含み、この圧縮歪層内の圧縮歪みεαは、不等式εα<−0.00615+0.00023*(λ(nm)−230nm)を満たす。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、TE偏光及びTM偏光を示す説明図である。
【図2】図2は、量子井戸アルミニウムのモル分率の関数として計算する、AlGa1−xN内の価電子帯の相対エネルギーを示すグラフである。
【図3】図3は、量子井戸アルミニウムのモル分率の関数として計算する、AlGa1−xN内の価電子帯の相対エネルギーを示すグラフである。
【図4】図4は、本明細書で議論する実施形態による、圧縮歪を有する発光領域を含む発光素子も含めた、III族窒化物合金の発光領域を含む種々の発光素子の偏光度を示すグラフである。
【図5】図5は、本明細書で議論する実施形態による、圧縮歪を有する発光領域を含む発光素子に関するフォトルミネッセンスのプロットを示すグラフである。
【図6】図6は、本明細書で議論する実施形態による、2枚の障壁層の間に配置された発光層を示す説明図である。
【図7】図7は、本明細書で議論する実施形態による、5枚の障壁層のAl組成に関して、特定の波長での支配的TE偏光実現するために使用することができる圧縮歪みを示すグラフである。
【図8】図8は、本明細書で議論する実施形態による、量子井戸の格子定数と、基板の格子定数と、の間の差astrained−abulk−AlN、を示すグラフであり、この歪みを有するバルクAlNの格子定数により、2枚の障壁層のAl組成に関して、偏光度を向上させることができる。
【図9】図9は、本明細書の実施形態による、AlGa1−yNの障壁層の間に配置された、1枚以上の圧縮歪を有するAlGa1−xN層と、発光領域の両側に配置されたヘテロ構造と、を含んで、この発光領域のエピタキシャル成長層の結晶品質を向上させる発光領域を有する発光素子を示す説明図である。
【図10】図10は、本明細書で議論する実施形態による、転移層を有する第1のヘテロ構造を含む発光素子の説明図である。
【図11】図11は、本明細書で記載する実施形態による、発光素子の例の種々の層及びそれらの層の組成を示す説明図である。
【図12】図12は、転移層を含まない、n型接触層に成長した図11のヘテロ構造を表面原子間力顕微鏡(AFM)によりスキャンした様子を示す説明図である。
【図13】図13は、転移層を含む、n型接触層に成長した図11のヘテロ構造を表面原子間力顕微鏡(AFM)によりスキャンした様子を示す説明図である。
【図14】図14は、いくつかの実施形態による、38nmの転移層を2枚含むバルク結晶のAlN基板の上で成長したAl0.7Ga0.3Nの層の説明図であり、この転移層は、短周期超格子(SPSL)を含み、AlN基板と、Al0.7Ga0.3Nの層との間に配置されている様子を示す。
【図15】図15は、図14に示す構造のX線逆空間マップを示す説明図である。
【図16】図16は、本明細書に記載した実施形態による、偏光度が向上したことを示す、λ=279nmの偏光分解スペクトルのレーザを示すグラフである。
【図17】図17は、本明細書に記載した実施形態による、偏光度が向上したことを示すλ=290nmの偏光分解スペクトルのレーザを示すグラフである。
【図18】図18は、本明細書で議論する実施形態による、Pを向上させるλ=291nmの光を発光する発光ダイオードの層を示す説明図である。
【図19】図19は、Al含有率と波長AlGa1−xNとの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
いくつかの発光素子構成では、TE偏光は、一般に発光素子の発光面と直交する軸に沿って伝播され、TM偏光は、一般に発光素子の発光面と並行の軸に沿って伝播される。したがって、好ましい(TE)偏光、即ちP(本明細書では偏光度と呼ぶ)を有する発光素子の発光領域により発生する光の相対量は、下記の式により表すことができる。
【数1】

式中、ITE及びITMはそれぞれ面内で発光されるTE偏光及びTM偏光のエレクトロルミネッセンス光の輝度を表す。上記で議論した通り、発光素子により発生するTE光の量を改善して、発光素子の光抽出効率全体を改善することが望まれる。
【0011】
III族窒化物材料は異方性であり、結晶軸の方向に沿い、そして直交する。この異方性は、価電子帯の分離につながる。例えば、III族窒化物の合金内の価電子帯の分離により、発光される光に偏光度が生じ、この偏光度は合金のAl組成と共に変動する。短い波長(約300nmより短い)の発光素子内で用いられる比較的高いAl密度では、TM偏光が支配することができる。しかし、価電子帯エネルギーは格子の歪みの影響も受け、これにより偏光度も左右される。圧縮歪みはTE偏光の生成の増加に関与し、一方で、引張歪みはTM偏光の生成の増加に関与する。したがって、圧縮歪を有するIII族窒化物の発光領域を含む発光素子を成長させることにより、TE偏光の相対量は増加する。
【0012】
本明細書では、発光素子の発光面と直交する方向に沿って伝播される光の増加を実現するための、(0001)のC面の結晶方位、及び偏光度Pを向上させるエピタキシャル成長層に基づいて、様々な実施例を提供する。しかし、本明細書で議論する、TE偏光の発光を向上させるための一般的な概念を、別の結晶方位で成長した層を有する発光素子に適用することは可能である。
【0013】
偏光度Pを向上させる発光素子の構造を、これらの発光素子構造を製造する方法と併せて議論する。いくつかの実施形態では、発光素子の発光領域は圧縮歪みのもとで成長する。この圧縮歪みにより、発光層の半導体のバンド構造が変化し、偏光度の向上を示す発光素子が作られる。それに代わり、又はそれに加え、発光領域の障壁層のAl含有率を選択して、TE偏光の生成を増加させることができる。
【0014】
本明細書で議論する、発光領域の構成に加えて、いくつかの発光素子が発光領域の1方又は両側にヘテロ構造を含む。これらのヘテロ構造は、欠陥、亀裂、及び表面の粗さ等を抑えることで、高品質な結晶層の成長を促進し、素子性能に寄与し、これらの結晶層の中には障壁層及び量子井戸(QW)が含まれる。1つ以上のヘテロ構造は、転移層を含むことができ、この転移層により、発光素子の層が、基板の格子構造から発光領域の格子構造へと徐々に転移する。結晶品質と発光素子全体の信頼性は、これらの転移層により左右される。種々の実施形態では、本明細書で議論する発光領域を、単独で、又はヘテロ構造及び/又は転移層と組み合わせて用いることができるが、これに関しては後程、詳しく議論する。種々の実施形態では、サファイア、GaN、AlN、AlGaN、InAlGaN、Si、SiC及び/又はその他の基板材料を含んだ基板の上で、ヘテロ構造、及び発光領域を成長させることができる。
【0015】
図2及び図3には、量子井戸アルミニウムのモル分率の関数として計算する、AlGa1−xNにおける価電子帯の相対エネルギーが示されている。この価電子帯エネルギーは、AlGa1−xNの発光材料内の歪みに依存する。この歪みは、様々な基板上での発光領域の疑似格子整合成長により調整することができる。図2には、バルク結晶のAlN基板上で成長し、歪みを有するAlGa1−xNの材料の価電子帯と、AlNの格子定数との関係が示されている。図3には、Al0.7Ga0.3Nの上で成長し、歪みを有するAlGa1−xNの材料の価電子帯と、Al0.7Ga0.3Nの格子定数との関係が示されている。理論上は、TM偏光は、最も高い価電子帯が「p」特性有するときに発生し、TE偏光は、最も高い価電子帯が「p、p」特性を有するときに発生する。図2では、この特具体的な計算が、組成が交差するのはAlが約60%のときであることがことを示している。Al組成が60%より大きくなると、TM偏光の発光が支配的となる。図3では、Alが約43%で、組成が交差することが、この計算により示されている。Alの組成が約43%より大きくなると、TM偏光の発光が支配的となる。一般的な傾向では、発光材料内の圧縮歪みが増加すると、組成の交差位置なAlのより高い組成へ変動する。図2及び図3で示した計算では、有限幅を有する量子井戸内に正孔が閉じ込められ、自然発生する圧電性の偏光から生じる電界がこれらの量子井戸内に存在することが考慮に入れられていない。したがって、これらの図は、一般的な傾向を説明することをその目的としており、様々な発光素子構造に関する実際の交差波長は、これらの図で示したものと異なる可能性があり、これらの図では必ずしも提供されない。具体的な交差位置とは関係なく、図2及び図3では、AlN上でAlGaNの疑似格子整合成長させることで、発光格子内により多くの圧縮歪みを発生させ、これにより、比較的短い波長でより多くのTE偏光が実現できることが、比較的少ない圧縮歪有する発光領域を作り出すAl0.7Ga0.3Nの上の成長で実現可能であることが示されている。
【0016】
実際の交差波長を決定するために、AlGa1−yNの障壁領域に囲まれたAlGa1−xNの量子井戸内の正孔状態エネルギーの計算が行われた。これらの計算では、井戸幅及びその井戸内の電界が考慮される。量子井戸及び障壁領域は、両方とも同じ面内格子定数astrainedを有し、その面内格子定数はバルクAlNの面内格子定数abulk−AlN以上でよい。障壁材料のAl組成yの値はxの値より大きいために、量子井戸内に正孔が閉じ込める。このように実行された計算により、yの値の増加によりTE偏光が促進されることが示されている。正孔状態の相対エネルギーは、yとxの値に依存する。障壁の組成率yの値により、xの値が増加し、そのために偏光がTEからTMへ移動する。したがって、発光領域内の圧縮歪みに加え、障壁内のAl組成も偏光を作用する要因である。
【0017】
図4には、λ=250nmからλ=390nmまでの範囲の中心波長を有する発光ダイオード(LED)から得られる(上記の式1で記載した)偏光度Pの測定結果が示されている。この中心波長λは、最も高い輝度の発光素子から発光される波長である。時として、より簡単に本明細書では、発光素子の中心波長を、より簡単に発光波長、又は発光素子の波長と呼ぶ。偏光度は、ウエハ面で発光される光を測定して判定される。面内で発光される光は、レンズを用いて集められ、アイリス絞りを通過後、グランテイラープリズム及び光ファイバ分光計により分析されている。その光は、第2のレンズを用いて光ファイバ分光計の上に集められている。光の偏光の測定のための実験準備は、T.Kolbe、A.Knauer、C.Chua、Z.Yang、SEinfeldt、PVogt、N.M.Johnson、M.Weyers、及びM.Kneissl、によりAppl.Phys.Lettの97,171105号(2010年)の中でより詳細に議論されており、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0018】
InGaN、InAlGaN、及びAlGaNまでの種々のIII族窒化物発光領域の合金は、波長範囲λ=250nmからλ=400nmまでの光を発光し、図4にはその偏光度が示されている。統合された面内で発光されるTE偏光及びTM偏光のエレクトロルミネッセンス光の輝度は、それぞれITE及びITMで表されている。予想通り、TM偏光成分は、より短い波長で徐々に支配的となる。点線は目で見るためのガイドであり、実線は偏光度0の位置を表し、そこではTE偏光及びTM偏光が同じ輝度で発光される。点線に沿って示されたデータは、交差波長が約λ=295nmで、それより波長が短いと、偏光はほとんどTMとなることが示されている。
【0019】
本明細書で記載されるいくつかの発光素子は、偏光度Pを向上させるが、それらの発光素子は圧縮歪を有し、及び/又は、選択された障壁領域内のAl含有率を有する発光領域を含む。発光領域内の結晶格子の圧縮歪み、及び/又は、障壁のAl含有率は、UV発光素子内のAl含有率の増加と相まって、偏光がTM偏光へ変動を妨げる働きをする。本開示で議論する技術により製造された発光ダイオードを、図4のB4745で標示されたデータで示す。
【0020】
本発明の実施形態は、偏光度Pを向上させた光を発光する発光領域を有する発光素子に関する。図4から分かるように、向上したPは、200nm≦λ<300nmでは、0より大きい値をとることができる、又は約0から約0.8までの範囲の値をとることができる。300≦λ<350の範囲の波長の光を発光する発光素子では、向上したPは、約0.5より大きい値をとることができる、又は約0.5から約0.8の間の範囲の値をとることができる。350≦λ<400の範囲の波長の光を発光する発光素子にでは、向上したPは、約0.7より大きい値をとることができる、又は約0.7から約0.8の範囲の値をとることができる。
【0021】
向上した偏光度Pの値は、図4の線410の左上の領域の値、又は線405の左上の領域の値でも含むことができる。例えば、向上した偏光度の値は以下のように表すことができる。
【数2】

式中、bは(線405に対応して)約1.5以下、又は(線410に対応して)約1以下でよい。
【0022】
図5には、B4745、即ち、約λ=250nmで発光する、圧縮歪を有する活性領域を含むLEDに関する、偏光分解エレクトロルミネッセンスの輝度が示されている。前述した図4の点線に沿った位置に示された偏光比の傾向に従う従来の発光素子とは異なり、4745の発光素子は、好ましいTE偏光方向に強い相対的発光強度を示す。圧縮歪みのもとで成長したB4745の発光領域によりTE偏光を向上させることができた。図4及び図5で見られる通り、発光領域内の強い圧縮歪みにより、バンド構造を変化させ、発光特性をTE偏光状態に向けて推し進めることが可能である。
【0023】
図6には、発光領域600の層が示されている。この発光領域600には、例えば、InAlN、AlGaN、及び/又はInAlGaNを含まれ得る。中央の量子井戸(QW)層610は、圧縮歪を有し得、向上したTE偏光を支持する。この例では、発光領域600は中央のAlGa1−xNのQW層610を含み、第1の障壁層620と第2の障壁層630との間に配置されている。図6では、第1の障壁層620は組成AlGa1−yNを有し、第2の障壁層は組成AlGa1−zNを有する。いくつかの実施形態に関しては、yの値はzの値と同じでよい。障壁層620、630内のAl含有率により、正孔がQW層610に閉じ込められ得る。下記に説明する通り、障壁層のAl含有率、及び/又は、障壁層のAl含有率と、QWのAl含有率と、の差によっても、Pは左右される。発光領域600のQW610の歪みεは、以下のように表すことができる。
【数3】

但し、arelaxedは、最大に弛緩したAlGa1−xNの面内格子定数であり、astrainedは、実際に歪みを有するQW610の面内格子定数である。但し、式2によれば、圧縮歪みは負量である。図4に関連して記載した通り、特定な値よりも小さな(より圧縮できる)活性領域の歪みにより、TEの支配的発光(P>0)、及び/又は向上したPの値>0を提供することができるという結論が、これらの計算により裏付けられる。Pを向上させることができる歪みは、発光波長に依存し、又、障壁層620、630内のAl組成にも依存する。
【0024】
図7の線は、y=0.65、y=0.7、y=0.8、y=0.9、及びy=1.0の5枚の障壁のAl組成に関する特定な波長で、支配的TE偏光を実現するために使用することができる歪みに対応している。QW内の歪みεが、この対応する線より下の場合、yで示された障壁のAl組成に関してTE偏光が可能である。TE偏光を支持する圧縮歪みは、2枚の障壁内のAl組成に依存し、これらの障壁yは両方とも同じAl組成を有する。表1には、障壁内の様々な量のAl含有率yに対する、QW内の歪みεがまとめられており、これらの歪みεを発光波長λの関数として用いて、支配的TE偏光の発光を実現することができる。
【表1】

【0025】
但し、本明細書に規定する通り、圧縮歪みは負の値で示されており、表1に示された値より小さい(より負の)歪みは、圧縮歪みのより大きな量に対応する。
【0026】
この発光素子は、サファイア、GaN、AlN、AlGaN、InAlGaN、Si、SiC、及び/又は、その他の材料等の様々な基板材を用いて形成することができる。図7及び表1は、一般に全ての基板に関する発光領域に適用することができ、そこでは構造緩和が発生し、必ずしも活性領域が、基板格子定数を有していない。この構造緩和は、発光層(AlGaN層)の成長中に、転移の導入により発生する可能性がある。
【0027】
いくつかの実施形態では、AlNを発光素子の基板として使用し、その発光領域は、少なくとも1つのAlGa1−xN領域を含み、このAlGa1−xNの領域は、2つのAlGa1−yNの領域の間に配置され、そこでは1≧y>xである。これらの実施形態では、Pを向上できる発光領域の圧縮歪みが、AlN基板の格子定数abulk−AlNと、AlGa1−xNのQWの格子定数astrainedとの間の差の関数として表される。例えば、いくつかの実施形態では、歪みを有するバルクAlN<0.01のときにPを向上させることができる。
【0028】
図8の線は、QWの格子定数と、基板、即ち、歪み有するバルクAlNの格子定数との間の差astrained−abulk−AlNに対応し、この差により、y=0.7及びy=1の2枚の障壁層Al組成に関して、特定な波長でPを向上させることができる。Pを向上させるための発光領域のQW内の歪みは、障壁層のアルミニウム含有率y、即ち、障壁内のAlモル分率yと、QWのAl含有率xとの間の差に依存し得る。図8から、y=1.0の場合、格子定数の差が、astrained−abulk−AlN≦(λ(nm)−230)*0.0012Åときに、Pの向上、例えば、TEの支配的偏光を実現できる。y=0.7の場合、格子定数の差がastrained−abulk−AlN≦(λ(nm)−245)*0.0012のときに、Pの向上した、例えば、TEの支配的偏光を実現できる。
【0029】
を向上させるために使用することができる、AlGa1−xNのQW、及びAlNバルク結晶の基板に関する、波長λの所与の値に対する障壁のAl含有率yは、下記の式で表すことができる。
【数4】

疑似格子整合成長の場合は、(astrained=abulk−AlN)となる。この疑似格子整合の場合、少なくとも障壁内のAl含有率y=0.7を、約245nmの波長で向上したPの光を発光するよう設計された発光素子に使用することができる。緩和が発生した場合、astrained−abulk−AlN>0となり、式3により、いくぶん多い障壁の組成を用いることができる。y−x>0.05の場合、いくつかの発光素子では向上したPの発光が可能であるが、245nmより短い波長λで、向上したPの発光を行うよう設計された発光素子に関しては、障壁内のAl含有量を増加させる方が都合よく、(A)y>x、及び(B)y>0.7+0.02*(245−λ(nm))の両方の制限にも合う。但し、xが0.65の場合、λ約245nmとなり得、制限(B)がy>0.7と規定される。x=0.625の場合、これらの制限は両方ともy>0.625と規定される。x=0.6の場合、λは約252nmとなり得、制限(A)がy>0.6と規定される。したがって、短い波長のTE偏光は、障壁内のより多いAl組成を用いることにより実現することができる。約λ=252nmとλ=245nmとの間のどこかのポイントで、障壁内のAl組成の増加がより十分なTE偏光に寄与する。
【0030】
図9には、発光領域905を有する発光素子900が示されている。この発光領域905は、圧縮歪を有する1枚以上のAlGa1−xN層910を含み、このAlGa1−xN層910は、AlGa1−yN障壁層920と、AlGa1−yN障壁層930との間に配置されている。ヘテロ構造940、950が発光領域910の両側に配置され、発光領域905内のエピタキシャル成長層910、920、930の結晶品質を向上させている。第1のヘテロ構造940は、基板960を覆って形成され、転移領域965を含む。但し、図9では、発光領域905が単一の障壁層―QW―障壁層の構造を含む構成で図示されているが、発光領域は、障壁層―QW―障壁層の構造内に、複数のQWを含み、各QWが障壁層の間に配置される構成でもよい。例えば、発光ダイオードは、2枚、3枚、4枚、又はそれより多くのQWを含むことができる。
【0031】
図10の図を参照すると、第1のヘテロ構造1040は、1枚以上の転移層1045を含むことができ、この転移層1045は発光領域1005と基板1060との間に配置されている。上記で議論した通り、(例えば、図9の950により図示される)第2のヘテロ構造は、発光領域1005を覆って成長する。第1のヘテロ構造1040の転移層は、発光素子1000の結晶品質をさらに向上させる働きをする。例えば、この転移層は、AlGaN/AlGaNの短周期超格子層、又は1枚以上の傾斜AlGaN層でよく、この傾斜AlGaN層は基板から活性領域に向かうと、そのアルミニウム含有率が変動する。いくつかの実装では、傾斜AlGaN転移層1045は、基板と対向する第1の面1046、及び発光領域1005と対向する第2の面1047で成長することができ、転移層の第1の面1046から転移層の第2の面1047に向かって、Al含有率が変動する(増加する、又は減少する)。随意的に、基層1065を基板1060と転移層1045との間に配置させることができる。この基層1065は、第1のヘテロ構造をその上に成長させるための雛形を提供することができる。この基層に関する好適な材料には、AlzbaseGa1−zbaseNが含まれ、zbaseは、0と1の間の値である。
【0032】
基層のAl含有率が発光領域のAl含有率よりも低い場合、この転移層内のAl含有率は、基層から発光領域に向かって増加することができる。基層のAl含有率が発光領域よりも高い場合、転移層内のAl含有率は、この基層から発光領域に向かって減少することができる。
【0033】
いくつかの構成では、基板1060、例えば、バルクAlN基板、が非常に光を吸収しやすいため、発光素子1000の底部から効率良く光を抽出することができる。これらの構成では、選択層1061をAlN基板1060上で成長させることで、光の抽出を向上させることができる。例えば、この選択層1061は、バルクAlN基板1060上でホモエピタキシャル成長させた、比較的厚い疑似格子整合のAlN層でよい。ホモエピタキシャル成長したAlN層1061は、発光素子1000の所望の波長において非吸収性を有する。いくつかのケースでは、この選択層1061は、AlGaN層、又は、AlGaInN層等のAlGaNを含むエピタキシャル成長層でよい。点線1062及び1063でそれぞれ示す通り、ほとんど又は全ての基板1060、又は全ての基板1060、及び選択層1061の一部をエッジング工程で除去することができる。エッチング工程の後、発光素子1000に残る部分のホモエピタキシャル成長したAlN層1061は、圧縮歪みを維持するのに十分な厚みtを有し、この圧縮歪みにより発光領域1005からの支配的なTE偏光の発光が提供される。例えば、支配的なTE偏光を発光する、AlN基板が除去された発光素子に関する圧縮歪みは、以下の式を満たすことができる。astrained−abulk−AlN≦(λ(nm)−230)*0.0012Å。エピタキシャル成長したAlGaN又はAlGaInNの選択層を用いるとき、バルクAlN基板が除去された後のウエハ屈曲を小さくするために、選択層1061を比較的薄くすることができ、Ga及び/又はInの量を比較的少なくすることができる。
【0034】
図11には、発光素子1100の一例における種々の層、及びそれらの層の組成が示されている。この例では、この発光素子はバルク結晶のAlN基板1160を含む。転移領域1165がバルクAlN基板上でエピタキシャル成長し、2枚の38nmの厚みの短周期超格子(SPSL)セクション1166、1167を含む。第1のセクションは基板側に配置され、平均90%のアルミニウムモル分率を有する。第2のセクションは、第1のセクションの上で成長し、平均80%のアルミニウム含有率を有する。第2のセクション内の超格子は、第1のセクションより少ないlN成分を含んで、より低い平均のアルミニウム合金組成を生み出す。この転移層1165は、発光素子のAl含有率を(比較的高いAl含有率の)AlN基板1160から、(低いAl含有率の)発光領域1110へ移して、AlGaNの発光領域の疑似格子整合成長を最小にする働きをする。したがって、発光領域1110は、AlN基板1160の格子の構造に向かって圧縮歪みを受ける。この例では、転移層1165は、AlN基板1160から発光領域1110に向かってAl含有率を減少させる。
【0035】
1900nmのAl0.70Ga0.30Nシリコンドープn型接触層1170が、転移層1165の上に配置され、その上に650nmのAl0.70Ga0.30Nシリコンドープ超格子を含むn型傾斜層1171が配置される。発光領域1110及び電子ブロック層(EBL)1150は、n側の分離封じ込めヘテロ構造(SCH)1172と、p側の電流拡散層1155との間に配置される。図11の例では、n側のSCH1172は、30nmのAl0.68Ga0.32N層を含み、p側の電流拡散層1155は、65nmのMgドープAl0.33Ga0.67N層を含む。この例では、EBL1150は20nmのMgドープAl0.83Ga0.17層である。発光層1110は、3枚のAlGa1−xN量子井戸層を含み、これらの量子井戸層は、AlyGa1−yN障壁と交互に配置されている。QWのAl含有率xは、λ=253nmの中心波長を実現するのに十分な量である。上記に議論した通り、発光領域1110からのTE偏光が支配的となるように、障壁のAl含有率yを選択してQWに圧力歪みを与える。この発光素子1100は、p型傾斜/電流拡散層1156を含み、この層は、平均組成Al0.33Ga0.67Nを有する150nmのAlGaN/AlGaNのMgドープ超格子を含み、電流拡散層1155の上に配置されている。20nmのp型接触層1180は、MgドープのGaNを含み、電流拡散層1156の上に配置されている。
【0036】
上記に議論した通り、これらの転移層を発光素子の構造に含んで、この発光素子の結晶品質を向上させる。図12及び図13には、表面原子間力顕微鏡(AFM)がスキャンした、転移層を含まない(図12)n型接触層に成長した図11のヘテロ構造と、転移層を含む(図13)n型接触層に成長した図11のヘテロ構造と、が示されている。図12に示されている、転移層を含まない構造は、図13に示されている転移層の構造と比較して粗く、ぼんやりとした光を発光し、より多くの六角形の窪みを有する。転移層を使用することにより、(n型接触層に至るまでの)素子構造の成長において、約15nmより小さい表面の粗さ、又は約10nmより小さい表面の粗さ、さらに約5nmより小さい表面の粗さを実現することができる。
【0037】
図15には、図14に示されている構造1400のX線逆空間マップが示されている。図14には、バルク結晶のAlN基板1460を覆って成長したAl0.7Ga0.3N層1470が示されている。2枚の38nmの厚みの転移層1465、1466が、短周期超格子(SPSL)を含み、AlN基板1460と、Al0.7Ga0.3N層1470との間に配置されている。基板側に配置された第1のSPSL1465は、90%の平均アルミニウムモル分率を有する。第2のSPSL1466は、第1のSPSL1465の上に成長し、80%の平均アルミニウム含有率を有する。
【0038】
図15は、構造1400のX線回折解析により得られた逆空間マップである。転移層及びAlGaN層に関するピークは、全て線基板のQx値と同じ値に沿って一列に並び、これらの層の格子整合が類似していることを示している。この特性により、TEの支配的LED発光を生み出す圧縮歪みの量を導く疑似格子整合成長が明示される。例えば、いくつかのケースでは、AlN基板及び発光領域の逆格子値の変動が約1.5%より小さいときに、TE偏光が支配的となる。
【0039】
図11に概略的に示されている、図5に示されたフォトルミネッセンスプロットを有する、λ=250nmの発光ダイオードに加えて、λ=279nm、及びλ=290nmで動作する活性層を含む付加的な発光素子も設計、成長、製造され、評価されている。λ=250nmでの実演と同様に、これらの長い波長の発光素子も強い圧縮歪みのもと、AlN基板上で成長したものである。しかし、これらの発光素子は異なる転移層を含み、それらの転移層は、図11に示す超格子転移層の代わりに、モノシリックに100%から70%に減少するアルミニウム組成を有する傾斜AlGaN層を含む。これらのより長い波長の発光素子から発光されるフォトルミネッセンスのデータでは、所望のTEが支配的な発光が示されている。これらの発光素子から作られた光ポンプレーザは、レーザ動作の閾値の上と下の両方で、TEが支配的な偏光を発光する。図16には、λ=279nmのレーザの偏光分解スペクトルが示され、図17には、λ=290nmのレーザの偏光分解スペクトルが示されている。
【0040】
発光素子の発光領域内に圧縮歪みを生み出して、TE偏光を向上させることができる。さらに、発光領域の量子井戸の厚み、障壁の厚み、及び障壁の組成も、バンド構造及びエネルギー転移の性質に影響を与える。井戸幅、障壁幅、及び障壁の組成を制御して、偏光比を調整することもできる。圧縮歪みのもとで発光領域を成長させることにより、及び/又は障壁のAl含有率を調整することにより、Pを向上させた発光を示したUV発光構造を得てきた。超格子、及び/又は、ヘテロ構造と基板との間に配置される傾斜転移層を用いることにより、歪みが大きいにも関わらず、結晶品質を維持することができる。
【0041】
図18は、偏光度Pを向上させる光を発光することができる発光素子を形成する方法の流れ図である。基板1810上に第1のヘテロ構造を成長させる。第1のヘテロ構造を覆って、発光領域1845を成長させる。この発光領域を発光領域内の圧縮歪みが、以下の不等式を満たすように成長させる。y≦1に対してε<−0.00615+0.00023*(λ(nm)−230nm)。第2のヘテロ構造を、発光領域を覆って成長させる。
【実施例】
【0042】
図18には、本明細書で議論した、例示の発光ダイオード1800の層1805〜1865が示されており、この発光ダイオードは、P向上させた、中心波長λ=291nmの光を発光する。この発光素子1800は、バルク結晶のAlN基板1805上に有機金属気相成長法(MOCVD)で層1810〜1865を成長させることにより製造された。MOCVDで成長したアンドープAlNを含む54nmの開始層、即ち、基層1810は、バルクAlN基板1805の上で成長した。欠陥低減層/転移層(DRL1及びDRL2)は、平均組成Al0.89Ga0.11N、及び厚み144nmを有する60組のAlN/GaNの超格子層1815と、平均組成Al0.78Ga0.22N、及び厚み271nmを有する101組のAlN/GaNの超格子層1820とを含む。図18に示す通り、Al0.74Ga0.26Nの組成率を有する315nmのn型接触基層1825、及びAl0.74Ga0.26Nの組成率を有する484nmのSiドープn型接触層1830が転移層を覆って成長している。次にその上には、全厚み504nm、及び平均組成Al0.74Ga0.26Nを有する78組のSiドープAlGaNの超格子を含むn型傾斜層1835が成長している。このn型傾斜超格子を覆って、Al0.59Ga0.41Nの組成を有する33nmのSiドープn型導波層1840が成長している。発光領域1845は、3枚の3.8nmのQWを含み、これらのQWは、Al0.44Ga0.56Nの組成の層を含み、Al0.57Ga0.43Nの組成を有する5.3nmの障壁層の間に配置されている。この発光素子のp側には、Al0.59Ga0.41Nの組成を有する5.9nmのp型導波層1850、及び367nmのp型傾斜層1855が含まれている。この型傾斜層1855は、平均組成Al0.85Ga0.15Nを有する200組のAlGaN/AlGaN超格子を含む。層1860内のAl含有率は、モル分率が0.65から0に傾斜している。その上の層1865はp型接触層である。下記の表2は、層1810〜1865を成長させるために用いたパラメータの一覧を示す。表2では、次の略記が使用されている。DRL=欠落低減層、BA=障壁、QW=量子井戸、TM=トリメチルガリウム、TE=トリエチルガリウム、TM=トリメチルアルミニウム、CP2Mg=ビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム、sccm=立方センチメートル毎分。
【表2】

【0043】
本明細書で示した例の中で説明した発光素子は、圧縮歪を有するIII族窒化物材料系に基づく。図19には、AlGa1−xNのAl含有率と、発光波長との間の関係が示されている。図19に示された関係を用いて、例えば、本明細書に示した波長範囲を、これらの波長範囲に対応する、発光領域内のAl含有率の単位として見ることができることは言うまでもない。例えば、200nmから400nmまでの間の波長範囲は、一般に、約0から1の間のAlモル分率の範囲に対応し、200nmから300nmまでの間の波長範囲は、一般に、約0.32から1までの間のAlモル分率の範囲に対応する。但し、xの値が減少すると、AlGa1−xNをAlN上で疑似格子整合成長させることがより難しくなる恐れがある。しかし、本明細書に記載した通り、低いx値を示すAlGaNは、弛緩している可能性があるが(したがって、もはやAlN対して疑似格子整合ではない)、それでもなお圧縮歪を有し、偏光度を向上させた光を発光する。いくつかの実施形態による発光素子を、圧縮歪み、及び活性領域のAl含有量率の観点から供述することが可能である。例えば、本明細書の方法による発光素子は、少なくとも1枚のAlGa1−xNの圧縮歪層を含むことができ、0.5<x<0.8で、圧縮歪層内の圧縮歪みεαは、不等式εα<−0.00615を満たす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心波長λ、及び偏光度Pを有する光を発光するよう構成され、前記中心波長λ、及び前記偏光度Pは、200nm≦λ≦400nm、b≦1.5に対してP>0.006λ−bの条件を満たす、発光領域を含む窒化物半導体発光素子。
【請求項2】
bの値は、ほぼ1である、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記発光領域は、GaN、InAlN、AlGaN、InGaN及びInAlGaNのうちの少なくとも1つを含み、サファイア、GaN、AlN、AlGaN、InAlGaN、Si、及びSiCのうちの少なくとも1つを含む基板をさらに含む、請求項1又は2のいずれかに記載の発光素子。
【請求項4】
前記基板はAlNを含み、格子定数abulk−AlNを有し、
前記発光領域は少なくとも1つのAlGa1−xNの領域を含み、
前記少なくとも1つのAlGa1−xNの領域は、面内格子定数astrainedを有し、astrained−abulk―AlN≦(λ(nm)−230)*0.0012の条件を満たす、請求項3に記載の発光素子。
【請求項5】
前記AlGa1xNの領域は、2つのAlGa1yNの領域の間に配置され、y>x及びy>0.7+0.02*(245‐λ(nm))の条件を満たす、請求項4に記載の発光素子。
【請求項6】
前記発光領域は、少なくとも1つのAlGa1−xN層を含み、前記AlGa1−xN層内の歪みεは、不等式ε<−0.0079+0.00022*(λ(nm)−240nm)を満たす、請求項1に記載の発光素子。
【請求項7】
発光素子を形成する方法であって、
第1のヘテロ構造を成長させるステップと、
第2のヘテロ構造を成長させるステップと、
発光領域が、前記第1のヘテロ構造と前記第2のヘテロ構造との間に配置されるように、III族窒化物発光領域を前記第1のヘテロ構造を覆って成長させるステップであって、前記発光領域は少なくとも1枚の圧縮歪層を含み、前記圧縮歪層内の圧縮歪みεαが、不等式εα<−0.00615+0.00023*(λ(nm)−230nm)を満たす、ステップと、を含む方法。
【請求項8】
前記第1のヘテロ構造を成長させるステップでは、格子定数abulk−AlNを有するAlN基板の上で前記第1のヘテロ構造を成長させ、前記少なくとも1枚の圧縮歪層が、格子定数astrainedを有し、astrained−abulk−AlN≦(λ(nm)230)*0.0012Åの条件を満たす、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
AlN層を前記Al基板の上でホモエピタキシャル成長させステップであって、前記ホモエピタキシャル成長したAlN層が前記第1のヘテロ構造と、前記AlN基板との間に配置されるようにするステップと、
前記Al基板のうちの少なくともいくつかの部分を除去するステップと、をさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ホモエピタキシャル成長したAlN層のうちの少なくともいくつかの部分を除去するステップをさらに含む請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−80925(P2013−80925A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−212163(P2012−212163)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【出願人】(502096543)パロ・アルト・リサーチ・センター・インコーポレーテッド (393)
【氏名又は名称原語表記】Palo Alto Research Center Incorporated
【Fターム(参考)】