説明

呼接続処理装置およびその動作方法

【課題】同一の電話番号を付与された固定端末と移動端末のどちらにも呼を着信させる。
【解決手段】呼接続処理部13は、位置情報登録要求内の有効時間長が閾値以上なら、現在時刻に有効時間長を加えた有効期限を求め、位置情報記憶部11の、位置情報登録要求内の電話番号に対応づけられた固定端末情報に、位置情報登録要求内の位置情報と有効期限を書き込む一方、有効時間長が閾値未満以上なら、現在時刻に有効時間長を加えた有効期限を求め、位置情報記憶部11の、位置情報登録要求内の電話番号に対応づけられた移動端末情報に、位置情報登録要求内の位置情報と有効期限を書き込む。また、呼接続要求信号内の電話番号に対応づけられた固定端末情報および移動端末情報を位置情報記憶部11から検索し、固定端末情報および移動端末情報内の有効期限が到来していなければ、固定端末情報および移動端末情報内の位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼接続処理装置およびその動作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年にあっては、IP網を経由して音声通信を行うVoIP用電話端末や、VoIP対応のTA(ターミナルアダプタ)に接続した電話端末を使用するVoIP通信が利用されている。また、移動端末から無線LAN等を利用して直接IP網に接続する利用も拡がっており、移動端末を使用したVoIP通信も利用されている。
【0003】
ユーザが、同一の電話番号を用いて、家では固定端末での着信、外出先では移動端末での着信を実施したい場合、従来では下記のような方法がある。
【0004】
(1)移動端末に固定端末とは別の電話番号を付与し、一旦固定端末(もしくは移動端末)に着信し、着信不可だった場合に移動端末(もしくは固定端末)に転送する。
【0005】
(2)移動端末に固定端末とは別の電話番号を付与し、固定端末、移動端末に対して順次または一斉に着信させる(代表選択着信)。
【0006】
いずれの場合も、固定端末と移動端末で異なる電話番号をもつ必要がある。
また、固定端末と移動端末に同一の電話番号を付与し、呼接続処理装置で位置情報を複数保持し、着信時に保持した複数の位置情報をもつ端末に着信させることも可能であるが、移動端末はIP網に接続する位置が変わると位置登録を実施するため、呼接続処理装置に保持される位置情報の全てが、移動端末が移動する過程において登録した位置情報となってしまう場合があり、その場合、固定端末への着信ができない
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「無線LAN対応携帯電話:NTT東日本ひかり電話サービス」、[online]、東日本電信電話株式会社、[平成23年5月18日検索]、インターネット<URL:http://flets.com/hikaridenwa/subscription/wireless_mobile.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、同一の電話番号を付与された固定端末と移動端末のどちらにも呼を着信させることができる呼接続処理装置およびその動作方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、第1の本発明は、呼接続処理装置の動作方法であって、前記呼接続処理装置とともに使用される移動端末と固定端末のそれぞれに同一の電話番号が割り当てられ、当該移動端末は、当該電話番号と当該移動端末の位置を示す位置情報と予め定められた有効時間長閾値未満の有効時間長とを含む位置情報登録要求を前記呼接続処理装置に送信する一方、当該固定端末は、当該電話番号と当該固定端末の位置を示す位置情報と前記有効時間長閾値以上の有効時間長とを含む位置情報登録要求を前記呼接続処理装置に送信するようになっており、前記呼接続処理装置は、前記電話番号に対応づけて、前記移動端末からの位置情報登録要求に含まれる位置情報および当該位置情報登録要求に含まれる有効時間長に基づく有効期限が書き込まれる移動端末情報ならびに、前記固定端末からの位置情報登録要求に含まれる位置情報および当該位置情報登録要求に含まれる有効時間長に基づく有効期限が書き込まれる固定端末情報が記憶される位置情報記憶部と、前記有効時間長閾値が記憶される有効時間長閾値記憶部とを備え、前記動作方法は、前記呼接続処理装置の呼接続処理部が、前記位置情報登録要求を受信したなら、前記有効時間長閾値記憶部から有効時間長閾値を取得し、当該位置情報登録要求から電話番号と位置情報と有効時間長を取り出し、当該有効時間長が当該有効時間長閾値以上なら、前記固定端末から当該位置情報登録要求が送信されたと判定する一方、当該有効時間長が有効時間長閾値未満なら、前記移動端末から当該位置情報登録要求が送信されたと判定することを特徴とする呼接続処理装置の動作方法をもって解決手段とする。
【0010】
例えば、前記呼接続処理装置の呼接続処理部が、前記固定端末から位置情報登録要求が送信されたと判定したなら、当該位置情報登録要求から取り出した電話番号に対応づけられた固定端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該位置情報登録要求から取り出した有効時間長に基づく有効期限を求め、当該固定端末情報に当該位置情報および当該有効期限を書き込む一方、前記移動端末から位置情報登録要求が送信されたと判定したなら、当該位置情報登録要求から取り出した電話番号に対応づけられた移動端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該位置情報登録要求から取り出した有効時間長に基づく有効期限を求め、当該移動端末情報に当該位置情報および当該有効期限を書き込む。
【0011】
第2の本発明は、呼接続処理装置の動作方法であって、前記呼接続処理装置とともに使用される移動端末と固定端末のそれぞれに同一の電話番号が割り当てられ、当該移動端末は、当該電話番号と当該移動端末の位置を示す位置情報と予め定められた有効時間長閾値未満の有効時間長とを含む位置情報登録要求を前記呼接続処理装置に送信する一方、当該固定端末は、当該電話番号と当該固定端末の位置を示す位置情報と前記有効時間長閾値以上の有効時間長とを含む位置情報登録要求を前記呼接続処理装置に送信するようになっており、前記呼接続処理装置は、前記電話番号に対応づけて、前記移動端末からの位置情報登録要求に含まれる位置情報および当該位置情報登録要求に含まれる有効時間長に基づく有効期限が書き込まれる移動端末情報ならびに、前記固定端末からの位置情報登録要求に含まれる位置情報および当該位置情報登録要求に含まれる有効時間長に基づく有効期限が書き込まれる固定端末情報が記憶される位置情報記憶部と、前記有効時間長閾値が記憶される有効時間長閾値記憶部とを備え、前記動作方法は、前記呼接続処理装置の呼接続処理部が、前記電話番号を含む呼接続要求信号を受信したなら、当該呼接続要求信号から当該電話番号を取り出し、当該電話番号に対応づけられた移動端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該移動端末情報から有効期限を読み出し、当該有効期限が到来していないなら、当該移動端末情報から位置情報を読み出し、当該位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信する一方、当該電話番号に対応づけられた固定端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該固定端末情報から有効期限を読み出し、当該有効期限が到来していないなら、当該固定端末情報から位置情報を読み出し、当該位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信することを特徴とする呼接続処理装置の動作方法をもって解決手段とする。
【0012】
第3の本発明は、呼接続処理装置であって、前記呼接続処理装置とともに使用される移動端末と固定端末のそれぞれに同一の電話番号が割り当てられ、当該移動端末は、当該電話番号と当該移動端末の位置を示す位置情報と予め定められた有効時間長閾値未満の有効時間長とを含む位置情報登録要求を前記呼接続処理装置に送信する一方、当該固定端末は、当該電話番号と当該固定端末の位置を示す位置情報と前記有効時間長閾値以上の有効時間長とを含む位置情報登録要求を前記呼接続処理装置に送信するようになっており、前記呼接続処理装置は、前記電話番号に対応づけて、前記移動端末からの位置情報登録要求に含まれる位置情報および当該位置情報登録要求に含まれる有効時間長に基づく有効期限が書き込まれる移動端末情報ならびに、前記固定端末からの位置情報登録要求に含まれる位置情報および当該位置情報登録要求に含まれる有効時間長に基づく有効期限が書き込まれる固定端末情報が記憶される位置情報記憶部と、前記有効時間長閾値が記憶される有効時間長閾値記憶部と、前記位置情報登録要求を受信したなら、前記有効時間長閾値記憶部から有効時間長閾値を取得し、当該位置情報登録要求から電話番号と位置情報と有効時間長を取り出し、当該有効時間長が当該有効時間長閾値以上なら、当該電話番号に対応づけられた固定端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該有効時間長に基づく有効期限を求め、当該固定端末情報に当該位置情報および当該有効期限を書き込む一方、当該有効時間長が有効時間長閾値未満なら、当該電話番号に対応づけられた移動端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該有効時間長に基づく有効期限を求め、当該移動端末情報に当該位置情報および当該有効期限を書き込み、前記電話番号を含む呼接続要求信号を受信したなら、当該呼接続要求信号から当該電話番号を取り出し、当該電話番号に対応づけられた移動端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該移動端末情報から有効期限を読み出し、当該有効期限が到来していないなら、当該移動端末情報から位置情報を読み出し、当該位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信する一方、当該電話番号に対応づけられた固定端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該固定端末情報から有効期限を読み出し、当該有効期限が到来していないなら、当該固定端末情報から位置情報を読み出し、当該位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信する呼接続処理部とを備えることを特徴とする呼接続処理装置をもって解決手段とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、同一の電話番号を付与された固定端末と移動端末のどちらにも呼を着信させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施の形態に係る呼接続処理装置を含む通信システムの構成図である。
【図2】呼接続処理装置1の概略構成を示すブロック図である。
【図3】位置情報記憶部11の内容の一例を示す図である。
【図4】呼接続処理装置1が位置情報登録要求を受信した場合の動作を示すフローチャートである。
【図5】呼接続処理装置1が呼接続要求信号を受信した場合の動作を示すフローチャートである。
【図6】固定端末2から位置情報登録要求が送信された場合のシーケンス図である。
【図7】固定端末3から呼接続要求信号が送信された場合のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係る呼接続処理装置を含む通信システムの構成図である。
呼接続処理装置1は、固定端末2、3および図示しない他の固定端末、ならびに、移動端末4および図示しない他の移動端末を含む通信網に設けられる。以下、固定端末2、3および図示しない他の固定端末を区別しないときは、いずれについても「固定端末」という。また、移動端末4および図示しない他の移動端末を区別しないときは、いずれについても「移動端末」という。また、固定端末、移動端末を区別しないときは、いずれについても「端末」という。
【0017】
移動端末4は、ユーザAに所持され、ユーザAとともに移動する。固定端末2は、ユーザAの自宅に設置され、固定端末2と移動端末4には同一の電話番号「050−1111−1111」が割り当てられていることとする。固定端末2は、ユーザBの自宅に設置されたこととする。
【0018】
各移動端末は、当該移動端末を含むエリアの基地局から当該移動端末の位置を示す位置情報(IPアドレスなど)が付与されたときや、その後、当該移動端末が起動されたとき、当該移動端末に割り当てられた電話番号と当該位置情報と予め定められた有効時間長閾値TH未満の有効時間長とを含む位置情報登録要求を呼接続処理装置1に送信するようになっている。
【0019】
また、各固定端末は、例えば、当該固定端末を収容する網から当該固定端末の位置を示す位置情報(IPアドレスなど)が付与されたとき、当該固定端末に割り当てられた電話番号と当該位置情報と有効時間長閾値TH以上の有効時間長とを含む位置情報登録要求を呼接続処理装置1に送信するようになっている。
【0020】
呼接続処理装置1は、位置情報登録要求を受信したなら、位置情報登録要求から電話番号と位置情報と有効時間長を取り出し、有効時間長に基づく有効期限を求め、電話番号に対応づけて位置情報および有効期限を記憶するようになっている。
【0021】
例えば、ユーザBは、ユーザAと通話すべく、固定端末3に電話番号「050−1111−1111」を入力し、これにより、固定端末3は、当該電話番号を含む呼接続要求信号を呼接続処理装置1に送信する。
【0022】
呼接続処理装置1は、このような場合、呼接続要求信号から電話番号を取り出し、当該電話番号に対応づけられた有効期限が到来していないなら、当該電話番号に対応づけられた位置情報を宛先として、つまり、固定端末2や移動端末4に呼接続要求信号を送信し(呼を着信させ)、これにより、固定端末2や移動端末4を固定端末3に接続させる。
【0023】
呼接続処理装置1は、呼接続要求信号がいずれの端末から送信されても、また、呼接続要求信号内の電話番号によらず、つまり、接続先がいずれの端末であっても、同様の方法で、呼を着信させ、端末どうしを接続させる。
【0024】
図2は、呼接続処理装置1の概略構成を示すブロック図である。
呼接続処理装置1は、各端末の位置情報が記憶される位置情報記憶部11と、有効時間長閾値THが記憶される有効時間長閾値記憶部12と、呼を着信させる呼接続処理部13とを備える。
【0025】
図3は、位置情報記憶部11の内容の一例を示す図である。
位置情報記憶部11には、固定端末に割り当てられた電話番号のそれぞれについて、当該電話番号に対応づけられ、当該固定端末の位置情報を含む固定端末情報が記憶される。 また、位置情報記憶部11には、移動端末に割り当てられた電話番号のそれぞれについて、当該電話番号に対応づけられ、当該移動端末の位置情報を含む移動端末情報が記憶される。
【0026】
したがって、位置情報記憶部11には、電話番号「050−1111−1111」に対応づけられ、固定端末2の位置情報(図ではIPアドレス「129.60.80.1」)を含む固定端末情報と、移動端末4の位置情報(図ではIPアドレス「159.10.100.5」)を含む移動端末情報とが記憶される。
【0027】
各固定端末情報には、当該固定端末情報内の位置情報を含む位置情報登録要求に含まれていた有効時間長に基づいて計算された有効期限(図では「2011年5月30日23時03分00秒」を例示)が書き込まれる。
【0028】
各移動端末情報には、当該移動端末情報内の位置情報を含む位置情報登録要求に含まれていた有効時間長に基づいて計算された有効期限(図では「2011年5月31日10時18分20秒」を例示)が書き込まれる。
【0029】
図4は、呼接続処理装置1が位置情報登録要求を受信した場合の動作を示すフローチャートである。
【0030】
呼接続処理装置1では、位置情報登録要求を受信すると、まず、呼接続処理部13が、有効時間長閾値記憶部12から有効時間長閾値THを取得する(S1)。
次に、呼接続処理部13は、受信した位置情報登録要求から電話番号と位置情報と有効時間長を取り出す(S3)。
次に、呼接続処理部13は、当該有効時間長が有効時間長閾値TH以上か否かを判定する(S5)。
【0031】
呼接続処理部13は、当該有効時間長が有効時間長閾値TH以上(≧TH)なら、固定端末から当該位置情報登録要求が送信されたと判定し、つまり、当該位置情報登録要求に含まれる位置情報は、固定端末情報に書き込むべきものと判定し、よって、まず、呼接続処理部13は、当該電話番号に対応づけられた固定端末情報を位置情報記憶部11から検索する(S7)。
【0032】
次に、呼接続処理部13は、現在時刻に当該有効時間長を加えた時刻である有効期限を求める(S9)。
次に、呼接続処理部13は、当該固定端末情報に当該位置情報および当該有効期限を書き込む(S11)。
【0033】
次に、呼接続処理部13は、当該位置情報登録要求を送信した端末(固定端末)に対し、位置情報を登録したことを示す応答を送信し(S13)、処理を終える。
【0034】
一方、呼接続処理部13は、当該有効時間長が有効時間長閾値未満(<TH)なら、移動端末から当該位置情報登録要求が送信されたと判定し、つまり、当該位置情報登録要求に含まれる位置情報は、移動端末情報に書き込むべきものと判定し、よって、呼接続処理部13は、まず、当該電話番号に対応づけられた移動端末情報を位置情報記憶部11から検索する(S17)。
【0035】
次に、呼接続処理部13は、現在時刻に当該有効時間長を加えた時刻である有効期限を求める(S19)。
次に、呼接続処理部13は、当該移動端末情報に当該位置情報および当該有効期限を書き込む(S21)。
【0036】
次に、呼接続処理部13は、当該位置情報登録要求を送信した端末(移動端末)に対し、位置情報を登録したことを示す応答を送信し(S13)、処理を終える。
【0037】
図5は、呼接続処理装置1が呼接続要求信号を受信した場合の動作を示すフローチャートである。
【0038】
呼接続処理装置1では、呼接続要求信号を受信すると、まず、呼接続処理部13が、受信した呼接続要求信号から電話番号を取り出し、当該電話番号に対応づけられた固定端末情報および移動端末情報を位置情報記憶部11から検索する(S51)。なお、呼接続処理部13は、当該電話番号に対応づけられた固定端末情報および移動端末情報がともに位置情報記憶部11になかった場合は、処理を終え、一方でもあったときは、処理を続ける。
【0039】
次に、呼接続処理部13は、当該固定端末情報および移動端末情報のそれぞれから、有効期限を読み出し、双方の有効期限が到来しているか否かを判定する(S53)。つまり、呼接続処理部13は、現在時刻が双方の有効期限より後の時刻であるか否かを判定する(S53)。つまり、呼接続処理部13は、固定端末情報および移動端末情報のそれぞれに書き込まれた位置情報が共に有効か否かを判定する(S53)。
【0040】
呼接続処理部13は、双方の有効期限が到来しているなら(S53:YES)、処理を終える。
【0041】
一方、呼接続処理部13は、少なくとも一方の有効期限が到来していないなら(S53:NO)、固定端末情報から読み出した有効期限のみが到来していないのか、移動端末情報から読み出した有効期限のみが到来していないのか、双方の有効期限が到来していないのかを判定する(S55)。
【0042】
呼接続処理部13は、固定端末情報から読み出した有効期限のみが到来していないなら、当該固定端末情報から位置情報を読み出し、当該位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信する(呼を着信させる)ことで、当該呼接続要求信号を送信した端末と当該位置情報の位置の固定端末とを接続させ(S61)、処理を終える。
【0043】
呼接続処理部13は、移動端末情報から読み出した有効期限のみが到来していないなら、当該移動端末情報から位置情報を読み出し、当該位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信する(呼を着信させる)ことで、当該呼接続要求信号を送信した端末と当該位置情報の位置の移動端末とを接続させ(S63)、処理を終える。
【0044】
呼接続処理部13は、双方の有効期限が到来していないなら、当該固定端末情報から位置情報を読み出し、当該位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信する(呼を着信させる)ことで、当該呼接続要求信号を送信した端末と当該位置情報の位置の固定端末とを接続させ、その後、当該移動端末情報から位置情報を読み出し、当該位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信する(呼を着信させる)ことで、当該呼接続要求信号を送信した端末と当該位置情報の位置の移動端末とを接続させ(S65)、処理を終えるか、または、移動端末情報から読み出した位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信し(呼を着信させ)てから、固定端末情報から読み出した位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信する(呼を着信させる)ことで、端末どうしを接続させ(S65)、処理を終えるか、または、双方の呼接続要求信号の送信を同時に行うことで、端末どうしを接続させ(S65)、処理を終える。
【0045】
図6は、固定端末2から位置情報登録要求が送信された場合のシーケンス図である。
固定端末2は、例えば、固定端末2を収容する網から位置情報「129.60.80.1」が付与されたとき、電話番号「050−1111−1111」と位置情報「129.60.80.1」と有効時間長閾値TH(ここでは、3600秒とする)以上の有効時間長(ここでは、7200秒とする)とを含む位置情報登録要求を呼接続処理装置1に送信する(T1)。
【0046】
呼接続処理装置1では、呼接続処理部13が、有効時間長「7200秒」が有効時間長閾値TH「3600秒」以上か否かを判定し、有効時間長「7200秒」が有効時間長閾値TH「3600秒」以上なので、位置情報登録要求に含まれる位置情報「129.60.80.1」は、固定端末情報に書き込むべきものと判定する(T3)。
【0047】
次に、呼接続処理部13は、現在時刻(ここでは、2011年5月30日21時03分00秒とする)に有効時間長「7200秒」つまり「2時間」を加えた時刻である有効期限「2011年5月30日23時03分00秒」を求め、当該固定端末情報に位置情報「129.60.80.1」および有効期限「2011年5月30日23時03分00秒」を書き込む(T5)。
【0048】
次に、呼接続処理部13は、当該位置情報登録要求を送信した固定端末2に対し、位置情報を登録したことを示す応答(OK)を送信し(T7)、処理を終える。
【0049】
なお、図示しないが、移動端末4は、例えば、位置情報を付与されたとき、電話番号「050−1111−1111」と位置情報と有効時間長閾値TH(3600秒)未満の有効時間長(例えば、600秒)とを含む位置情報登録要求を呼接続処理装置1に送信する。
【0050】
呼接続処理装置1では、呼接続処理部13が、有効時間長「600秒」が有効時間長閾値TH「3600秒」未満以上なので、位置情報は、移動端末情報に書き込むべきものと判定する。
【0051】
呼接続処理部13は、現在時刻(例えば、2011年5月31日10時08分20秒)に有効時間長「600秒」つまり「10分」を加えた時刻である有効期限「2011年5月31日10時18分20秒」を求め、当該移動端末情報に位置情報および有効期限「2011年5月31日10時18分20秒」を書き込み、応答を移動端末4に送信し、処理を終える。
【0052】
図7は、固定端末3から呼接続要求信号が送信された場合のシーケンス図である。
例えば、ユーザBは、ユーザAと通話すべく、固定端末3に電話番号「050−1111−1111」を入力し、これにより、固定端末3は、当該電話番号を含む呼接続要求信号を呼接続処理装置1に送信する(T11)。
【0053】
呼接続処理装置1では、呼接続処理部13が、電話番号「050−1111−1111」に対応づけられた固定端末情報および移動端末情報から有効期限を読み出し、有効期限により、例えば、固定端末2および移動端末4それぞれの位置情報が有効と判定される(T13)。
【0054】
この場合、呼接続処理部13は、固定端末2および移動端末4に呼接続要求信号を送信する(T15、T17)。
【0055】
例えば、ユーザAは、移動端末4を操作できず、そのため、移動端末4から呼接続処理装置1に応答が送信されない。
【0056】
一方、例えば、ユーザAの自宅にいる家族は、固定端末2を操作でき、これにより、移動端末4から呼接続処理装置1に応答(OK)が送信される(T19)。
【0057】
呼接続処理部13は、この場合、固定端末3に応答(OK)を送信し(T21)、これにより、固定端末3と固定端末2が接続され、通信が行われる(T23)。
【0058】
よって、ユーザBは、ユーザAに伝えたいことを、ユーザAの家族に話し、家族からユーザAに伝えてもらうことができる。
【0059】
または、固定端末2が留守録音の機能を有していれば、ユーザAは、自宅に帰ってから、録音された用件を聞くことができる。
【0060】
逆に、自宅にはユーザAも家族もいない場合、ユーザAが移動端末4を操作できれば、ユーザAは、移動端末4を介して、用件を聞くことができる。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態において、呼接続処理装置1は、呼接続処理装置1とともに使用される移動端末4と固定端末3のそれぞれに同一の電話番号が割り当てられ、移動端末4は、当該電話番号と移動端末4の位置を示す位置情報と予め定められた有効時間長閾値未満の有効時間長とを含む位置情報登録要求を呼接続処理装置1に送信する一方、固定端末2は、当該電話番号と固定端末2の位置を示す位置情報と有効時間長閾値以上の有効時間長とを含む位置情報登録要求を呼接続処理装置1に送信するようになっており、呼接続処理装置1は、当該電話番号に対応づけて、移動端末4からの位置情報登録要求に含まれる位置情報および当該位置情報登録要求に含まれる有効時間長に基づく有効期限が書き込まれる移動端末情報ならびに、固定端末2からの位置情報登録要求に含まれる位置情報および当該位置情報登録要求に含まれる有効時間長に基づく有効期限が書き込まれる固定端末情報が記憶される位置情報記憶部11と、有効時間長閾値が記憶される有効時間長閾値記憶部12と、位置情報登録要求を受信したなら、有効時間長閾値記憶部12から有効時間長閾値を取得し、当該位置情報登録要求から電話番号と位置情報と有効時間長を取り出し、当該有効時間長が当該有効時間長閾値以上なら、当該電話番号に対応づけられた固定端末情報を位置情報記憶部11から検索し、当該有効時間長に基づく有効期限を求め、当該固定端末情報に当該位置情報および当該有効期限を書き込む一方、当該有効時間長が有効時間長閾値未満なら、当該電話番号に対応づけられた移動端末情報を位置情報記憶部11から検索し、当該有効時間長に基づく有効期限を求め、当該移動端末情報に当該位置情報および当該有効期限を書き込み、前記電話番号を含む呼接続要求信号を受信したなら、当該呼接続要求信号から当該電話番号を取り出し、当該電話番号に対応づけられた移動端末情報を位置情報記憶部11から検索し、当該移動端末情報から有効期限を読み出し、当該有効期限が到来していないなら、当該移動端末情報から位置情報を読み出し、当該位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信する一方、当該電話番号に対応づけられた固定端末情報を位置情報記憶部11から検索し、当該固定端末情報から有効期限を読み出し、当該有効期限が到来していないなら、当該固定端末情報から位置情報を読み出し、当該位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信する呼接続処理部13とを備えることで、同一の電話番号を付与された固定端末2と移動端末4のどちらにも呼を着信させることができ、利便性を高めることができる。
【0062】
なお、本実施の形態では、移動端末については有効時間長が有効時間長閾値未満、固定端末については有効時間長が有効時間長閾値以上としたが、移動端末については有効時間長が有効時間長閾値以下、固定端末については有効時間長が有効時間長閾値より大きいとしてもよい。つまり、有効時間長と有効時間長閾値が等しい場合は、移動端末か固定端末かを予め定めておき、移動端末および固定端末も、そのような有効時間長を含む位置情報登録要求を送信するようにしておけばよい。
【0063】
なお、本実施の形態に係る呼接続処理装置1としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムは、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録でき、また、インターネットなどの通信網を介して伝送させて、広く流通させることができる。
【符号の説明】
【0064】
1…呼接続処理装置
2、3…固定端末
4…移動端末
11…位置情報記憶部
12…有効時間長閾値記憶部
13…呼接続処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼接続処理装置の動作方法であって、
前記呼接続処理装置とともに使用される移動端末と固定端末のそれぞれに同一の電話番号が割り当てられ、当該移動端末は、当該電話番号と当該移動端末の位置を示す位置情報と予め定められた有効時間長閾値未満の有効時間長とを含む位置情報登録要求を前記呼接続処理装置に送信する一方、当該固定端末は、当該電話番号と当該固定端末の位置を示す位置情報と前記有効時間長閾値以上の有効時間長とを含む位置情報登録要求を前記呼接続処理装置に送信するようになっており、
前記呼接続処理装置は、
前記電話番号に対応づけて、前記移動端末からの位置情報登録要求に含まれる位置情報および当該位置情報登録要求に含まれる有効時間長に基づく有効期限が書き込まれる移動端末情報ならびに、前記固定端末からの位置情報登録要求に含まれる位置情報および当該位置情報登録要求に含まれる有効時間長に基づく有効期限が書き込まれる固定端末情報が記憶される位置情報記憶部と、
前記有効時間長閾値が記憶される有効時間長閾値記憶部とを備え、
前記動作方法は、
前記呼接続処理装置の呼接続処理部が、前記位置情報登録要求を受信したなら、前記有効時間長閾値記憶部から有効時間長閾値を取得し、当該位置情報登録要求から電話番号と位置情報と有効時間長を取り出し、当該有効時間長が当該有効時間長閾値以上なら、前記固定端末から当該位置情報登録要求が送信されたと判定する一方、当該有効時間長が有効時間長閾値未満なら、前記移動端末から当該位置情報登録要求が送信されたと判定する
ことを特徴とする呼接続処理装置の動作方法。
【請求項2】
前記呼接続処理装置の呼接続処理部が、前記固定端末から位置情報登録要求が送信されたと判定したなら、当該位置情報登録要求から取り出した電話番号に対応づけられた固定端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該位置情報登録要求から取り出した有効時間長に基づく有効期限を求め、当該固定端末情報に当該位置情報および当該有効期限を書き込む一方、前記移動端末から位置情報登録要求が送信されたと判定したなら、当該位置情報登録要求から取り出した電話番号に対応づけられた移動端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該位置情報登録要求から取り出した有効時間長に基づく有効期限を求め、当該移動端末情報に当該位置情報および当該有効期限を書き込む
ことを特徴とする請求項1記載の呼接続処理装置の動作方法。
【請求項3】
呼接続処理装置の動作方法であって、
前記呼接続処理装置とともに使用される移動端末と固定端末のそれぞれに同一の電話番号が割り当てられ、当該移動端末は、当該電話番号と当該移動端末の位置を示す位置情報と予め定められた有効時間長閾値未満の有効時間長とを含む位置情報登録要求を前記呼接続処理装置に送信する一方、当該固定端末は、当該電話番号と当該固定端末の位置を示す位置情報と前記有効時間長閾値以上の有効時間長とを含む位置情報登録要求を前記呼接続処理装置に送信するようになっており、
前記呼接続処理装置は、
前記電話番号に対応づけて、前記移動端末からの位置情報登録要求に含まれる位置情報および当該位置情報登録要求に含まれる有効時間長に基づく有効期限が書き込まれる移動端末情報ならびに、前記固定端末からの位置情報登録要求に含まれる位置情報および当該位置情報登録要求に含まれる有効時間長に基づく有効期限が書き込まれる固定端末情報が記憶される位置情報記憶部と、
前記有効時間長閾値が記憶される有効時間長閾値記憶部とを備え、
前記動作方法は、
前記呼接続処理装置の呼接続処理部が、前記電話番号を含む呼接続要求信号を受信したなら、当該呼接続要求信号から当該電話番号を取り出し、当該電話番号に対応づけられた移動端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該移動端末情報から有効期限を読み出し、当該有効期限が到来していないなら、当該移動端末情報から位置情報を読み出し、当該位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信する一方、当該電話番号に対応づけられた固定端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該固定端末情報から有効期限を読み出し、当該有効期限が到来していないなら、当該固定端末情報から位置情報を読み出し、当該位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信する
ことを特徴とする呼接続処理装置の動作方法。
【請求項4】
呼接続処理装置であって、
前記呼接続処理装置とともに使用される移動端末と固定端末のそれぞれに同一の電話番号が割り当てられ、当該移動端末は、当該電話番号と当該移動端末の位置を示す位置情報と予め定められた有効時間長閾値未満の有効時間長とを含む位置情報登録要求を前記呼接続処理装置に送信する一方、当該固定端末は、当該電話番号と当該固定端末の位置を示す位置情報と前記有効時間長閾値以上の有効時間長とを含む位置情報登録要求を前記呼接続処理装置に送信するようになっており、
前記呼接続処理装置は、
前記電話番号に対応づけて、前記移動端末からの位置情報登録要求に含まれる位置情報および当該位置情報登録要求に含まれる有効時間長に基づく有効期限が書き込まれる移動端末情報ならびに、前記固定端末からの位置情報登録要求に含まれる位置情報および当該位置情報登録要求に含まれる有効時間長に基づく有効期限が書き込まれる固定端末情報が記憶される位置情報記憶部と、
前記有効時間長閾値が記憶される有効時間長閾値記憶部と、
前記位置情報登録要求を受信したなら、前記有効時間長閾値記憶部から有効時間長閾値を取得し、当該位置情報登録要求から電話番号と位置情報と有効時間長を取り出し、当該有効時間長が当該有効時間長閾値以上なら、当該電話番号に対応づけられた固定端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該有効時間長に基づく有効期限を求め、当該固定端末情報に当該位置情報および当該有効期限を書き込む一方、当該有効時間長が有効時間長閾値未満なら、当該電話番号に対応づけられた移動端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該有効時間長に基づく有効期限を求め、当該移動端末情報に当該位置情報および当該有効期限を書き込み、前記電話番号を含む呼接続要求信号を受信したなら、当該呼接続要求信号から当該電話番号を取り出し、当該電話番号に対応づけられた移動端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該移動端末情報から有効期限を読み出し、当該有効期限が到来していないなら、当該移動端末情報から位置情報を読み出し、当該位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信する一方、当該電話番号に対応づけられた固定端末情報を前記位置情報記憶部から検索し、当該固定端末情報から有効期限を読み出し、当該有効期限が到来していないなら、当該固定端末情報から位置情報を読み出し、当該位置情報を宛先として呼接続要求信号を送信する呼接続処理部と
を備えることを特徴とする呼接続処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−257104(P2012−257104A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129290(P2011−129290)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】