説明

回折格子デバイス、半導体レーザおよび波長可変フィルタ

【課題】反射率ピークの波長依存性が小さい回折格子デバイスを提供する。
【解決手段】回折格子デバイス1の光導波路コア3では、第1及び第2の領域3a、3bは、所定の軸Axの方向に交互に配置されており、またこれらの領域3a、3bは互いに隣接している。回折格子構造5は、所定の軸Axの方向に順に配置された回折格子部分5a〜5nを含む。回折格子部分5a〜5nは、それぞれ、光導波路コア3の第1の領域3aに光学的に結合されている。回折格子部分5a〜5nは周期的に配置されている。この繰り返し配置の周期は値Λsである。回折格子部分5a〜5nは互いに離間して配置されている。回折格子構造の周期は、所定の軸Axに取られたx軸上の座標に対して単調に変化するチャープ回折格子の周期を提供する関数f(x)によって規定される。回折格子部分5a〜5nの各々におけるチャープされた周期は関数f(x)によって規定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回折格子デバイス、半導体レーザ及び波長可変フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、複数の反射スペクトルピークをもつ一対の不均一回折格子を有する波長可変レーザが記載されている。一対の不均一回折格子の間には、利得領域(活性層)が設けられている。この波長可変レーザでは、バーニア効果を利用して、各不均一回折格子への少ない注入電流でレーザ発振波長を大きく変化させている。不均一回折格子の構造としては、サンプルド回折格子(Sampled Grating)及び超構造回折格子(Super Structure Grating)が記載されている。
【非特許文献1】光集積デバイス、小林功郎、共立出版、1999年、116頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
非特許文献1に記載された波長可変レーザの不均一回折格子がサンプルド回折格子であるとき、サンプルド回折格子の反射スペクトルは複数のピーク波長において極大値を有しており、これら極大反射率の波長依存性が大きい。この大きな波長依存性に起因して、波長可変レーザのレーザ光出力値は、レーザ発振波長に対して大きく変化する。したがって、非特許文献1の波長可変レーザでは、波長可変レーザの光出力は大きな波長依存性を示す。
【0004】
非特許文献1に記載された波長可変レーザの不均一回折格子が超構造回折格子であるとき、超構造回折格子の反射スペクトルは複数のピーク波長において均一な反射率を得ようとすると、回折格子の構造が複雑になる。また、作製誤差の影響で反射率が変動する。
【0005】
本発明は、上記の事情を鑑み為されたものであり、反射率ピークの波長依存性が小さい回折格子デバイスを提供することを目的とし、またこの回折格子デバイスを用いる半導体レーザ及び波長可変フィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、回折格子デバイスは、(a)所定の軸の方向に交互に配置された第1および第2の領域を含む光導波路コアと、(b)所定の軸の方向に順に配置された第1〜第nの回折格子部分を含む回折格子構造とを備え、前記第1〜第nの回折格子部分は周期的に配置されており、前記第1〜第nの回折格子部分は、前記光導波路コアの前記第1の領域にそれぞれ光学的に結合されており、前記第1〜第nの回折格子部分は、互いに離間して配置されており、前記回折格子構造の周期は、前記所定の軸に取られた座標軸上の座標に対して単調に変化するチャープ回折格子の周期を提供する関数によって規定され、前記第1〜第nの回折格子部分の各々における周期は、前記関数によって規定される。
【0007】
この回折格子デバイスによれば、第1〜第nの回折格子部分は周期的に配置されると共に、第1〜第nの回折格子部分の各々における周期はチャープ回折格子の周期を提供する関数によって規定されるので、回折格子構造の光学スペクトルは複数の反射率ピークを有することに加えて、これら反射率ピークの波長依存性が小さい。
【0008】
本発明に係る回折格子デバイスでは、前記第1〜第nの回折格子部分の長さは、互いに離間する前記第1〜第nの回折格子部分の間隔より短いことが好ましい。この回折格子デバイスによれば、第1〜第nの回折格子部分の長さとこれらの間の間隔との和によって、複数の反射率ピークの間隔が規定される。また、第1〜第nの回折格子部分の長さを上記の間隔より短くすると、各反射率ピークにおけるスペクトルの半値全幅を狭くできる。
【0009】
本発明に係る回折格子デバイスは、(c)前記第1〜第nの回折格子部分及び前記光導波路コアの前記第2の領域上に設けられた第1のクラッド領域と、(d)第2のクラッド領域とを更に備え、前記光導波路コアは、前記第1のクラッド領域と前記第2のクラッド領域との間に設けられており、前記第1のクラッド領域は、互いに離間して配置された前記第1〜第nの回折格子部分の間に設けられている。
【0010】
この回折格子デバイスによれば、互いに離間して配置された第1〜第nの回折格子部分の間に第1のクラッド領域を設けることによって、第1〜第nの回折格子部分の各々の構造とこれら回折格子と光導波路コアの第1の領域との光学的結合により決まるある値を持つ回折格子の結合係数を周期的に生成することができる。
【0011】
本発明に係る回折格子デバイスでは、前記光導波路コアは前記第1の領域に隣接して設けられた第3の領域を含み、前記回折格子構造の前記第1〜第nの回折格子部分における周期構造は、前記第3の領域の表面形状に設けられている。この回折格子デバイスでは、回折格子構造は光導波路コアの形状として提供される。
【0012】
本発明に係る回折格子デバイスでは、前記光導波路コア、前記第1のクラッド領域及び前記第2のクラッド領域は、それぞれ、第1〜第3のIII−V化合物半導体からなることができる。この回折格子デバイスは、半導体素子の製造プロセスを適用して作製される。また、回折格子デバイスを他の半導体素子と集積して半導体集積光素子を提供できる。或いは、本発明に係る回折格子デバイスでは、前記光導波路コア、前記第1のクラッド領域及び前記第2のクラッド領域は、第1〜第3のシリコン酸化物からなることができる。この回折格子デバイスは、平面導波路の製造プロセスを適用して作製される。また、回折格子デバイスを導波路素子と集積して集積光素子を提供できる。
【0013】
本発明に係る回折格子デバイスは、前記回折格子構造上に設けられた電極を更に備えることができる。この回折格子デバイスによれば、電極を用いることによって回折格子構造における屈折率を変化させることができる。
【0014】
本発明の別の側面に係る半導体レーザは、(a)レーザ共振器のための第1の光反射器と、(b)前記レーザ共振器のための第2の光反射器と、(c)基板上において前記レーザ共振器内に設けられており、キャリアの注入に応答した光学利得を有する光学利得領域とを備え、前記レーザ共振器は基板上に設けられており、前記第1の光反射器は、上記いずれかの回折格子デバイスを含む。
【0015】
この半導体レーザによれば、回折格子デバイスの光学スペクトルでは、反射率ピークの波長依存性が小さい。このため、半導体レーザの光出力の波長依存性が小さい。
【0016】
本発明に係る半導体レーザでは、前記第2の光反射器は、上記いずれかの回折格子デバイスを含むことができる。この半導体レーザによれば、2つの回折格子デバイスの間に光学利得領域が位置する。このため、第1及び第2の光反射器を用いたバーニア効果によりレーザ発振波長を変更できる。この変更において、波長可変の半導体レーザの光出力の波長依存性が小さい。
【0017】
本発明に係る半導体レーザは、(d)前記レーザ共振器のための第3の光反射器と、(e)前記第1及び第3の光反射器を前記光学利得領域と光学的に結合する光結合器とを更に備えることができる。前記第2の光反射器は当該半導体レーザの端面を含み、前記第3の光反射器は、上記のいずれかの回折格子デバイスを含む。
【0018】
この半導体レーザによれば、第1及び第3の光反射器の各々が光結合器により光学利得領域と結合される。このため、第1及び第3の光反射器を用いたバーニア効果によりレーザ発振波長を変更できる。この変更において、波長可変の半導体レーザの光出力の波長依存性が小さい。
【0019】
本発明に係る半導体レーザでは、前記第2の光反射器は当該半導体レーザの端面を含み、当該半導体レーザは、前記レーザ共振器内に設けられており前記基板上に位置するリング共振器を更に備えることができる。前記リング共振器及び前記光学利得領域は半導体光源を構成し、前記半導体光源において、前記リング共振器は前記光学利得領域に直列に光学的に結合されている。
【0020】
この半導体レーザによれば、リング共振器はファブリペロー型透過スペクトルを有すると共に、回折格子デバイスの光学スペクトルでは、反射率ピークの波長依存性が小さい。このため、回折格子デバイス及びリング共振器を用いたバーニア効果によりレーザ発振波長を変更できる。この変更において、波長可変の半導体レーザの光出力の波長依存性が小さい。
【0021】
本発明に係る半導体レーザは、前記レーザ共振器内に設けられた光導波路の位相調整のための信号を印加するための電極を含む位相調整器を更に備えることができる。前記光導波路は前記基板上に設けられている。この半導体レーザによれば、位相調整器を用いて、波長可変の際の位相整合が容易になる。
【0022】
本発明の更なる別の側面に係る波長可変フィルタは、(a)上記いずれかの回折格子デバイスと、(b)前記回折格子デバイスの前記回折格子構造上に設けられ波長可変のための信号を受ける電極とを備える。
【0023】
この波長可変フィルタによれば、回折格子デバイスの光学スペクトルは複数の反射率ピークを有することに加えて、これら反射率ピークの波長依存性が小さい。このため、波長可変フィルタの反射率の波長依存性を小さくできる。
【0024】
本発明に係る波長可変フィルタは、(c)前記回折格子デバイスに直列して光学的に結合された光学素子を更に備えることができる。前記光学素子は、前記リング共振器および前記ファブリペローエタロンのいずれか一方である。
【0025】
この波長可変フィルタによれば、リング共振器又はファブリペローエタロンと回折格子デバイスとの組み合わせによるバーニア効果を利用して、小さい波長依存性の反射率を有する波長可変フィルタを提供できる。
【0026】
以上、説明された回折格子デバイス、半導体レーザおよび波長可変フィルタを、例えば半導体基板上に作製することができる。或いは、これらのデバイスを、例えば石英基板上の光導波路に作製することもできる。また、これらのデバイスは利得導波路を有する半導体デバイスとの光結合も可能である。バーニア効果を利用する際には、反射スペクトルを温度変化による屈折率によって制御することも可能である。
【0027】
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明によれば、反射率ピークの波長依存性が小さい回折格子デバイスが提供される。また、本発明によれば、この回折格子デバイスを用いる半導体レーザ及び波長可変フィルタが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の回折格子デバイス、半導体レーザ及び波長可変フィルタに係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
【0030】
図1は、本実施の形態に係る回折格子デバイスの構造を模式的に示す図面である。図2(a)は、図1に示された回折格子デバイスの導波路の近傍の構造を示す図面である。回折格子デバイス1は、光導波路コア3及び回折格子構造5を備える。光導波路コア3は、複数の第1の領域3a及び複数の第2の領域3bを含んでおり、第1および第2の領域3a、3bは、所定の軸Axの方向に交互に配置されており、また第1および第2の領域3a、3bは所定の軸Axの方向に関して互いに隣接している。回折格子構造5は、所定の軸Axの方向に順に配置された第1〜第nの回折格子部分5a、5b、5nを含む。第1〜第nの回折格子部分5a〜5nは、それぞれ、光導波路コア3の第1の領域3aに光学的に結合されている。第1〜第nの回折格子部分5a〜5nは周期的に配置されている。このために、第1の領域3aは周期的に配置されており、また第2の領域3bは周期的に配置されている。これらの繰り返し配置の周期は値Λsである。第1〜第nの回折格子部分5a〜5nは互いに離間して配置されており、その間隔は長さΛsaである。また、第1〜第nの回折格子部分5a〜5nの各々は長さΛsbである。これらの間には、Λs=Λsa+Λsbという関係がある。
【0031】
これとは別に、回折格子構造の周期は、所定の軸Axに取られた座標軸(座標形Sのx軸)上の座標に対して単調に変化するチャープ回折格子の周期を提供する関数f(x)によって規定される。第1〜第nの回折格子部分5a〜5nの各々におけるチャープされた周期は上記の関数f(x)によって規定される。
【0032】
図2(b)は、第1〜第nの回折格子部分5a〜5nにおけるチャープされた周期を説明するための図面である。図2(a)に示されるように、第1〜第nの回折格子部分5a〜5nは互いに離間して配置されているけれども、図2(b)では、第1〜第nの回折格子部分5a〜5nの各々におけるチャープされた周期の関係を示すために、第2の領域3b上にも仮想的な回折格子部分が破線で示されている。
【0033】
回折格子構造5の全体にわたって、チャープされた周期は関数f(x)によって規定される。図2(b)に示されるように、x軸上の区間(x〜x)では、回折格子部分5aのチャープされた周期は関数f(x)によって規定される。区間(x〜x)では、回折格子部分5bのチャープされた周期は関数f(x)によって規定される。区間(x2n〜x2n+1)では、回折格子部分5nのチャープされた周期は関数f(x)によって規定される。関数f(x)は、独立変数xに対して単調に変化しており、好ましくは、独立変数xに対して単調に減少する。関数f(x)としては、例えば座標xの一次関数を用いることができる。隣り合う2つの回折格子部分については、一方の回折格子部分における最大周期は、他方の回折格子部分における最小周期よりも小さい。
【0034】
この回折格子デバイス1は、例えば図3(a)に示される光学スペクトルを示す。図3(a)は、シミュレーションによって提供される光学スペクトルを示す図面である。この回折格子デバイス1によれば、第1〜第nの回折格子部分5a〜5nは周期Λsで配置されると共に、第1〜第nの回折格子部分5a〜5nの各々におけるチャープされた周期は関数f(x)によって規定されるので、回折格子構造5の光学スペクトルは、図3(a)示される複数の反射率ピークを有することに加えて、これら反射率ピークの波長依存性が小さい。
【0035】
図3(a)のためのシミュレーションモデルでは、周期Λsは50μmであり、長さΛsbは8μmであり、回折格子構造は、第1〜第10の回折格子部分、つまり10周期分の回折格子部分を含む。チャープされた周期は、0.2047μm〜0.2224μmの範囲で変化している。各回折格子部分では、結合係数κで前進波と後進波が光結合しており、本件ではκ=200cm−1を用いた。図3(a)を参照すると、1.55μm波長帯における反射スペクトルが示されている。この反射スペクトルでは、多数の反射率ピークの波長依存性が小さい。
【0036】
周期Λsは複数の反射率ピークの間隔を規定しており、長さΛsbと長さΛsaとの比率は各反射率ピークのスペクトル幅に関連している。スペクトル幅を狭くするためには、Λsb<Λsaであることが好ましい。
【0037】
再び図1及び図2(a)を参照すると、回折格子デバイス1は、第1のクラッド領域7および第2のクラッド領域9を更に備えることができる。光導波路コア3は、第1のクラッド領域7と第2のクラッド領域9との間に設けられている。光導波路コア3の平均屈折率は、第1のクラッド領域7及び第2のクラッド領域9の屈折率よりも大きく、光導波路を伝搬する光は光導波路コア3に閉じ込められる。回折格子部分5a〜5nの各々における周期形状は領域11によって提供されており、領域11の屈折率は第1のクラッド領域7の屈折率と異なっている。
【0038】
第1のクラッド領域7は、回折格子部分5a〜5n及び光導波路コア3の第2の領域3b上に設けられている。第1のクラッド領域7は、互いに離間して配置された回折格子部分5a〜5nの間に設けられている。
【0039】
この回折格子デバイス1によれば、互いに離間して配置された回折格子部分5a〜5nの間に第1のクラッド領域7を設けることによって、回折格子部分5a〜5nの各々と光導波路コア3の第1の領域3aとの光学的結合により定まるある値の結合係数の回折格子が周期的に提供される。尚、図面では、光導波路コア3の直上に回折格子部分5a〜5nが形成されているが、光導波路コア3の直上でなくても良い。例えば、クラッド領域7が、回折格子部分5a〜5nと光導波路コア3の間に層を形成しても良い。
【0040】
回折格子デバイスの好適な一実施例では、光導波路コア3、第1のクラッド領域7及び第2のクラッド領域9が、それぞれ、第1〜第3のIII−V化合物半導体からなるとき、この実施例の回折格子デバイス1は、半導体素子の製造プロセスを適用して作製される。回折格子デバイス1を他の半導体素子と集積して半導体集積光素子を提供できる。例えば、光導波路コア3はGaInAsPからなり、第1のクラッド領域7及び第2のクラッド領域9はInPからなり、回折格子構造5のための領域11はGaInAsPからなることができる。光導波路コア3のGaInAsPのハンドギャップは、領域11のGaInAsPのバンドギャップ以下であることが好ましい。光導波路コア3、第1のクラッド領域7及び第2のクラッド領域9は、導電性InP基板といった支持体12上に堆積された導電性の半導体層から形成される。必要な場合には、支持体12がクラッド領域9を含むことができる。
【0041】
回折格子デバイスの好適な別の実施例では、光導波路コア3、第1のクラッド領域7及び第2のクラッド領域9は、第1〜第3のシリコン酸化物からなるとき、この実施例の回折格子デバイス1は、平面導波路の製造プロセスを適用して作製される。また、回折格子デバイス1を導波路素子と集積して集積光素子を提供できる。光導波路コア3はGe添加のSiOからなり、第1のクラッド領域7及び第2のクラッド領域9はアンドープのSiOからなり、領域11はGe添加のSiOからなることができる。光導波路コア3のGe濃度は、領域11のGe濃度以上であることが好ましい。光導波路コア3、第1のクラッド領域7及び第2のクラッド領域9は、Si基板といった支持体12上に堆積されたシリコン化合物層から形成される。
【0042】
例えば、光導波路コア3の材料が領域11の材料と同じであることができる。この構造は、光導波路コア3が第1の領域3aに隣接し所定の軸Axに直交する軸の方向に設けられた第3の領域を含み、該第3の領域は領域11のところに位置する。回折格子構造5の回折格子部分5a〜5nにおける周期構造が第3の領域の表面形状によって提供される。回折格子構造5は光導波路コア3の形状として提供される。この構造では回折格子の結合係数κを大きくできるという利点がある。
【0043】
回折格子デバイス1は、回折格子構造5上に設けられた電極13を更に備えることができる。この電極13を用い回折格子構造5の屈折率を調整できる。
【0044】
回折格子デバイス1が半導体素子に形成されるとき、該半導体に導電性を与えることができる。電極13から電極15へ電流を流すことによって回折格子構造5にキャリアを注入して、回折格子構造5の屈折率を変更することができる。電流の注入により、屈折率が低下する。或いは、電極13によって印加される電界を利用して屈折率を変更できる。
【0045】
回折格子デバイス1が平面導波路素子に形成されるとき、電極13への電気信号の印加による発熱を利用する。つまり、電極13はヒータのために設けられている。
【0046】
図3(b)は、電極を用いた光学スペクトルの調整の一例を示す図面である。特性線Aは、電流5mAを電極13から注入したときの反射スペクトルであり、特性線Aは、電極13から電気信号がないときの反射スペクトルである。電子信号の印加により、光学スペクトルの各ピーク波長位置を調整できる。
【0047】
以上説明したように、回折格子構造5が回折格子部分5a〜5nを含むと共に、回折格子部分5a〜5nの周期が回折格子構造5全体にわたって関数f(x)によって規定されるので、回折格子構造5の光学スペクトル(例えば図3(a))は、サンプルド回折格子および超構造回折格子の光学スペクトルと異なる。図4は、サンプルド回折格子の反射スペクトルの一例を示す。両者の比較により、回折格子デバイス1の反射スペクトルは、反射率ピークの波長依存性が小さい光学スペクトルを有することが理解される。
【0048】
引き続き、この回折格子デバイスを用いた半導体レーザ及び波長可変フィルタを説明する。
【0049】
図5は、本実施の形態に係る半導体レーザの構造を示す図面である。半導体レーザ21は、第1の光反射器23aと、第2の光反射器23bと、光学利得領域27とを備える。第1及び第2の光反射器23a、23bはレーザ共振器を構成するように設けられており、このレーザ共振器は基板31上に設けられている。光学利得領域27は、基板31上においてレーザ共振器内に設けられており、電極33からのキャリアの注入に応答した光学利得を有する。この光学利得のために、光学利得領域27は、利得導波路35を含む。第1の光反射器23aは、回折格子デバイス1と同等の構造を含む。
【0050】
この半導体レーザ21によれば、回折格子デバイス1の櫛形の光学スペクトルの特徴により、反射率ピークの波長依存性が小さい。このため、半導体レーザ21の光出力の波長依存性が小さい。
【0051】
第2の光反射器23bは、例えば櫛型の光学スペクトルを注する回折格子(例えばサンプルド回折格子や超構造回折格子)を含むことができ、また半導体レーザ21の端面であることができる。第1の光反射器23aは、電極37a及び光導波路39aを含む。光導波路37aは、図1に示されるような光導波路コア3及び回折格子構造5を含む。このため、第1の光反射器23aの反射スペクトルの反射率ピークの波長依存性が小さい。電極37aを用いたバーニア効果により波長の変更が可能である。
【0052】
或いは、第2の光反射器23bは、回折格子デバイス1と同等の構造を含むことができる。また、第2の光反射器23bは、電極37b及び光導波路39bを含む。光導波路39bは、図1に示されるような光導波路コア3及び回折格子構造5を含む。このため、第2の光反射器23bに関しても、反射スペクトルの反射率ピークの波長依存性が小さい。
【0053】
この半導体レーザ21では、2つの光反射器23a、23bは回折格子デバイス1を含み、また光学利得領域が光反射器23a、23b間に位置する。このため、光反射器23a、23bを用いたバーニア効果によりレーザ発振波長を変更できる。この波長可変において、波長可変の半導体レーザ21の光出力の波長依存性が小さい。
【0054】
半導体レーザ21は、レーザ共振器内に設けられた位相調整器41を更に備えることができる。位相調整器41は、基板31上に設けられた光導波路43と、この光導波路43の位相調整のための信号を印加するための電極45とを含む。位相調整器41を用いて、波長可変の際の位相整合が容易になる。
【0055】
半導体レーザ21では、光反射器23a、23b、光学利得領域27および位相調整器41は、単一の基板31上に形成される。半導体レーザ21の構成物(例えば、半導体積層、光導波路、電極等)は、例えば半導体素子を作製するための工程(結晶成長、エッチング、電極形成等)の組み合わせにより作製される。
【0056】
図5(b)は、図5(a)に示されたI−I線に沿って取られた半導体レーザの縦断面を模式的に示す図面である。光学利得領域27は、基板31上に順に形成されたn型クラッド層61、光ガイド層63、量子井戸構造の活性層65a、光ガイド層67a、p型クラッド層69およびコンタクト層71aを含んでおり、キャリアの注入に応答して光を発生する。光学利得領域27では、コンタクト層71a上には電極33が設けられている。光反射器23aは、基板31上に順に形成されたn型クラッド層61、光ガイド層63、光導波路コア65b、回折格子構造68a、p型クラッド層69及びコンタクト層71bを含む。光反射器23aでは、コンタクト層71b上には電極37aが設けられている。回折格子構造68aは、光ガイド層67bの表面に設けられた周期構造から構成される。位相調整器41は、基板31上に順に形成されたn型クラッド層61、光ガイド層63、光導波路コア65c、光ガイド層67c、p型クラッド層69およびコンタクト層71cを含む。位相調整器41では、コンタクト層71c上には電極45が設けられている。光反射器23bは、基板31上に順に形成されたn型クラッド層61、光ガイド層63、光導波路コア65d、回折格子構造68b、p型クラッド層69及びコンタクト層71dを含む。光反射器23bでは、コンタクト層71d上には電極37bが設けられている。回折格子構造68bは、光ガイド層67dの表面に設けられた周期構造から構成される。基板31の裏面には共有電極73が設けられている。
【0057】
回折格子構造68bにおける結合係数κ68bは回折格子構造68aにおける結合係数κ68aと異なっている。回折格子構造68bにおける回折格子部分の周期は回折格子構造68aにおける回折格子部分の周期と異なる。これにより、例えば同一の環境温度において、回折格子構造68bによるFSRは、回折格子構造68aのFSRと異なる。また、回折格子構造68bおける反射率は回折格子構造68aにおける反射率と異なっている。レーザ光LOUTを得るために、回折格子構造68bの反射率は回折格子構造68aの反射率よりも小さい。
【0058】
縦方向の光閉じ込めはクラッド層61、69により行われる。また、横方向の光閉じ込めはストライプ状の導波路構造と、この導波路構造を埋め込む埋込層とによって提供される。例示すれば、利得領域の活性層は、1.25μm〜1.65μm帯に利得を持つGaInAsP/GaInAsP量子井戸構造を有することができる。光導波層は、量子井戸構造のバンドギャップ波長より短い波長のGaInAsP半導体からなることができ、n型およびp型クラッド層はInP半導体からなることができる。コンタクト層は、高濃度ドープされたGaInAs層からなることができる。埋込層としては、半絶縁性InPから成ることができる。光反射器23a、23bを用いたバーニア効果により、小さな注入電流により、広い波長範囲にわたって波長の変更ができる。レーザ端面は、例えば無反射コートされており、レーザ光LOUTが出力される。
【0059】
図6は、本実施の形態に係る半導体レーザの構造を示す図面である。半導体レーザ21aは、第1の光反射器23cと、第2の光反射器23dと、第3の光反射器24aと、光学利得領域27と、光結合器47とを備える。第1の光反射器23c及び第2の光反射器23dの各々は、回折格子部分の周期が異なる、本実施の形態に示された回折格子デバイス1を含む。例えば、第1の光反射器23c及び第2の光反射器23dは、それぞれ、半導体レーザ21における光反射器23a、23dと類似の半導体層構造を含むことができる。第1〜第3の光反射器23c、23d、24aは、レーザ共振器のために基板上に設けられている。第3の光反射器24aは当該半導体レーザ21aの端面を含み、このレーザ端面は反射膜を有する。この端面には、例えば1%から30%の範囲において所望の反射率を提供するように誘電体多層膜が形成される。光結合器47は、第1及び第2の光反射器23c、23dを光学利得領域27と光学的に結合する。光共振器は基板31上に形成されている。光結合器47は、例えばMMI(Multi Mode Interferometer)結合器である。
【0060】
この半導体レーザ21aによれば、第1及び第2の光反射器23c、23dの各々が光結合器47により光学利得領域27と結合されるので、光反射器23c、23dを用いたバーニア効果によりレーザ発振波長を変更できる。この変更において、波長可変の半導体レーザの光出力の波長依存性が小さい。光反射器23cは光導波路49aを介して光結合器47のポート47aに光学的に結合されており、光反射器23dは光導波路49bを介して光結合器47のポート47bに光学的に結合されており、光学利得領域27は、位相調整器41及び光導波路49cを介して光結合器47のポート47cに光学的に結合されている。光共振器内の光は、光反射器23cと光反射器24との間の経路および光反射器23dと光反射器24aとの間の経路を往復する。光反射器(レーザ端面)24aからは、バーニア効果により選択された波長のレーザ光LOUTが提供される。
【0061】
図7は、本実施の形態に係る半導体レーザの構造を示す図面である。半導体レーザ21bは、光反射器23eと、別の光反射器24bと、光学利得領域27と、リング共振器51aとを備える。光反射器23eは、本実施の形態に示された回折格子デバイス1を含む。この回折格子デバイス1は、リング共振器51aのFSR(フリースペクトラルレンジ)とは異なる反射ピーク波長の周期を持つ。例えば、光反射器23eは、半導体レーザ21における光反射器23aと類似の半導体層構造を含むことができる。光反射器23e、24bはレーザ共振器のために設けられている。光反射器24bは当該半導体レーザ21aの端面を含み、このレーザ端面には、光反射器24bのための反射膜、例えば誘電体多層膜が形成される。半導体レーザ21bは基板31上に形成されている。
【0062】
リング共振器51aは、レーザ共振器内に設けられており、基板31上に位置する。リング共振器51aは、閉じた光導波路53aと、光導波路53a上に設けられた電極55aとを含む。リング共振器51a及び光学利得領域27は半導体光源57を構成し、半導体光源57において、リング共振器51aは光学利得領域27に直列に光学的に結合されている。リング共振器のFSRは、例えば25GHz〜800GHz程度である。
【0063】
この半導体レーザ21bによれば、リング共振器51aはファブリペロー型透過スペクトルを有すると共に、回折格子デバイス1の光学スペクトルでは、反射率ピークの波長依存性が小さい。このため、回折格子デバイス1及びリング共振器51aを用いたバーニア効果によりレーザ発振波長を変更できる。この変更において、波長可変の半導体レーザ21bの光出力の波長依存性が小さい。リング共振器51の櫛形の透過スペクトルを光反射器23eの櫛形の反射スペクトルと組み合わせることによって、波長可変時にレーザ光出力の波長依存性をより少なくできるという利点がある。
【0064】
リング共振器51aの光導波路53aは、光結合器58a及び光導波路59aを介して光学利得領域27に結合されている。また、リング共振器51aの光導波路53aは、光結合器58b及び光導波路59bを介して光反射器23eに結合されている。光結合器58a、58bは、例えばMMI結合器である。
【0065】
図8(a)及び図8(b)は、本実施の形態に係る波長可変フィルタの構造を示す図面である。波長可変フィルタ22aは、本実施の形態に係る回折格子デバイス1と、回折格子デバイス1の回折格子構造5上に設けられ波長可変のための信号を受ける電極13とを備える。回折格子デバイス1は、基板31上に設けられている。この波長可変フィルタ22aによれば、回折格子デバイス1の光学スペクトルは複数の反射率ピークを有することに加えて、これら反射率ピークの波長依存性が小さい。このため、波長可変フィルタ22aの反射率の波長依存性を小さくできる。
【0066】
また、波長可変フィルタ22b、22cは、回折格子デバイス1に直列して光学的に結合されておりファブリペロー型の櫛型の透過スペクトルを有する光学素子(例えば、リング共振器51cまたはファブリペローエタロン51b)を更に備えることができる。この波長可変フィルタ22b、22cによれば、リング共振器51c又はファブリペローエタロン51bと回折格子デバイス1との組み合わせによるバーニア効果を利用して、小さい波長依存性の反射率を有する波長可変フィルタを提供できる。回折格子デバイス1は、リング共振器51c及びファブリペローエタロン51bのFSRと異なる反射ピーク波長の周期を持つ。
【0067】
波長可変フィルタ22bは、ファブリペローエタロン51bと波長可変フィルタ22bの端面26aとの間に設けられたレンズ60を含む。端面26aは、回折格子デバイス1に光学的に結合されている。また、波長可変フィルタ22cは、リング共振器51cの光導波路53cは、光結合器58c及び光導波路59cを介して回折格子デバイス1に結合されている。また、リング共振器51cの光導波路53cは、光結合器58d及び光導波路59dを介して波長可変フィルタ22cの端面26bに結合されている。端面26bには、フィルタ光Lが入力され、また出力される。光結合器58c、58dは、例えばMMI結合器である。端面26a、26bは、無反射コートが設けられている。上記の波長可変フィルタ22a、22b、22cは、例えば、半導体製造プロセスを利用して作製される。
【0068】
複数の波長成分を含む入射光LINが入射され、この入射光の波長成分のうち、リング共振器と回折格子デバイスで選択された特定の一波長のフィルタ光Lが出力される。リング共振器フィルタの櫛状の透過スペクトルピーク波長と回折格子の櫛状の反射スペクトルピーク波長のバーニア効果により、所望の波長を有する光成分を選択する。
【0069】
上記の波長可変フィルタ22a、22b、22cは、半導体基板上への作製に限定されることなく、例えば、石英基板やシリコン基板上の光導波路を利用して作製されることもでき、これらは利得導波路を有する半導体デバイスとの光結合も可能である。バーニア効果を利用するための反射スペクトルの制御は、温度変化により屈折率を変えることで行える。
【0070】
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、本実施の形態に係る回折格子デバイスの構造を模式的に示す図面である。
【図2】図2(a)は、図1に示めされた回折格子デバイスの導波路の近傍の構造を示す図面である。図2(b)は、第1〜第nの回折格子部分5a〜5nにおけるチャープされた周期を説明するための図面である。
【図3】図3(a)は、回折格子デバイス1によって提供される光学スペクトルを示す図面である。図3(b)は、電極を用いた光学スペクトルの調整の一例を示す図面である。
【図4】図4はサンプルド回折格子の反射スペクトルの一例を示す図面である。
【図5】図5は、本実施の形態に係る半導体レーザの構造を示す図面である。
【図6】図6は本実施の形態に係る半導体レーザの別の構造を示す図面である。
【図7】図7は、本実施の形態に係る半導体レーザの更に別の構造を示す図面である。
【図8】図8(a)及び図8(b)は、本実施の形態に係る波長可変フィルタの構造を示す図面である。
【符号の説明】
【0072】
1…回折格子デバイス、3…光導波路コア、3a、3b…光導波路コアの領域、5…回折格子構造、5a、5b、5n…回折格子部分、Ax…所定の軸、Λs…周期、Λsa…回折格子部分の長さ、Λsb…回折格子部分の間隔、7、9…クラッド領域、11…領域、12…支持体、13…電極、κ…結合係数、21、21a、21b…半導体レーザ、22a、22b、22c…波長可変フィルタ、23a、23b、23c、23d、23e…光反射器、24a、24b…別の光反射器、26a、26b…端面、27…光学利得領域、35…利得導波路、37a、37b…電極、39a、39b…光導波路、41…位相調整器、43…光導波路、45…電極、47…光結合器、51a…リング共振器、51b…ファブリペローエタロン、51c…リング共振器、53a…閉じた光導波路、53a…光導波路、53c…光導波路、55a、55c…電極、60…レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の軸の方向に交互に配置された複数の第1および第2の領域を含む光導波路コアと、
前記所定の軸の方向に順に配置された第1〜第nの回折格子部分を含む回折格子構造と
を備え、
前記第1〜第nの回折格子部分は前記光導波路コアの前記第1の領域にそれぞれ光学的に結合されており、
前記第1〜第nの回折格子部分は周期的に配置されており、
前記第1〜第nの回折格子部分は、互いに離間して配置されており、
前記回折格子構造の周期は、前記所定の軸の方向に取られた座標軸上の座標に対して単調に変化するチャープ回折格子の周期を提供する関数によって規定され、
前記第1〜第nの回折格子部分の各々における周期は、前記関数によって規定される、ことを特徴とする回折格子デバイス。
【請求項2】
前記第1〜第nの回折格子部分の長さは、互いに離間する前記第1〜第nの回折格子部分の間隔より短い、ことを特徴とする請求項1に記載された回折格子デバイス。
【請求項3】
前記光導波路コアは、前記第1の領域上に隣接して設けられた第3の領域を含み、
前記回折格子構造の前記第1〜第nの回折格子部分における周期構造は、前記第3の領域の表面に設けられている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された回折格子デバイス。
【請求項4】
前記第1〜第nの回折格子部分及び前記光導波路コアの前記第2の領域上に設けられた第1のクラッド領域と、
第2のクラッド領域と
を更に備え、
前記光導波路コアは、前記第1のクラッド領域と前記第2のクラッド領域との間に設けられており、
前記第1のクラッド領域は、互いに離間して配置された前記第1〜第nの回折格子部分の間に設けられている、ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載された回折格子デバイス。
【請求項5】
前記光導波路コア、前記第1のクラッド領域及び前記第2のクラッド領域は、それぞれ、第1〜第3のIII−V化合物半導体からなる、ことを特徴とする請求項4に記載された回折格子デバイス。
【請求項6】
前記光導波路コア、前記第1のクラッド領域及び前記第2のクラッド領域は、第1〜第3のシリコン酸化物からなる、ことを特徴とする請求項4に記載された回折格子デバイス。
【請求項7】
前記回折格子構造上に設けられた電極を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載された回折格子デバイス。
【請求項8】
レーザ共振器のための第1の光反射器と、
前記レーザ共振器のための第2の光反射器と、
基板上において前記レーザ共振器内に設けられており、キャリアの注入に応答した光学利得を有する光学利得領域と
を備え、
前記レーザ共振器は前記基板上に設けられており、
前記第1の光反射器は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載された回折格子デバイスを含む、ことを特徴とする半導体レーザ。
【請求項9】
前記第2の光反射器は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載された回折格子デバイスを含む、ことを特徴とする請求項8に記載された半導体レーザ。
【請求項10】
前記レーザ共振器のための第3の光反射器と、
前記第1及び第3の光反射器を前記光学利得領域と光学的に結合する光結合器と
を更に備え、
前記第2の光反射器は当該半導体レーザの端面を含み、
前記第2の光反射器は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載された回折格子デバイスを含む、ことを特徴とする請求項8に記載された半導体レーザ。
【請求項11】
前記第2の光反射器は当該半導体レーザの端面を含み、
当該半導体レーザは、前記レーザ共振器内に設けられており前記基板上に位置するリング共振器を更に備え、
前記リング共振器及び前記光学利得領域は半導体光源を構成し、
前記半導体光源において、前記リング共振器は前記光学利得領域に直列に光学的に結合されている、ことを特徴とする請求項8に記載された半導体レーザ。
【請求項12】
前記レーザ共振器内に設けられた光導波路の位相調整のための信号を印加するための電極を含む位相調整器を更に備え、
前記光導波路は前記基板上に設けられている、ことを特徴とする請求項8〜請求項11のいずれか一項に記載された半導体レーザ。
【請求項13】
波長可変フィルタであって、
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載された回折格子デバイスと、
前記回折格子デバイスの前記回折格子構造上に設けられ波長可変のための信号を受ける電極と
を備える、ことを特徴とする波長可変フィルタ。
【請求項14】
前記回折格子デバイスに直列して光学的に結合された光学素子を更に備え、
前記光学素子は、前記リング共振器および前記ファブリペローエタロンのいずれか一方である、ことを特徴とする請求項13に記載された波長可変フィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−88015(P2009−88015A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−252321(P2007−252321)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】