説明

回路基板、接続構造体、及び接続構造体の製造方法

【課題】接続時の端子間の接触不良を解消して良好な導電接続状態を確保するとともに、端子の微細ピッチ化やプリント基板の省スペース化を図ることができ、さらに端子どうしの接点となる箇所が容易に判別可能な回路基板、接続構造体、及び接続構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】ベース基板30と、ベース基板30の上に設けられた3段以上の多段形状を有する第1端子40と、を有し、第1端子40は、ベース基板30の上に配置された第1の段41と、第1の段41の上に配置されるとともに平面視において第1の段41よりも面積が小さい第2の段42と、第2の段42の上に配置されるとともに平面視において第2の段42よりも面積が小さい第3の段43と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板、接続構造体、及び接続構造体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の電子機器に搭載される回路基板や液晶表示装置においては、複数の第1端子が配置されたフレキシブル基板(以下、FPCという)やリジッド基板等のプリント基板を、複数の第2端子を有する接続基板に接続する技術が用いられている。例えば、液晶表示装置には、液晶パネルを駆動するためのICチップが実装されたFPCが複数の第1端子と第2端子とが重なるように位置合わせされた状態で接続される。このICチップが実装されたFPCは、液晶パネルを構成するガラス基板等のリジッド基板に直接接続される場合もあり、また、液晶パネルに実装されるFPCに接続される場合もある。
【0003】
このようなプリント基板と接続基板との接続は、それらの間に異方性導電フィルム(以下、ACFという)や異方性導電ペースト(以下、ACPという)を介在させることで行われる。また、プリント基板と接続基板とを圧接して第1端子と第2端子とを直接接触させ、プリント基板と接続基板との間に接着剤を充填し固定させることでも行われる。
【0004】
ところが、ACFやACPによる接続は、樹脂内の導電性粒子で導通を得るものであるので、プリント基板に配置される第1端子が細くなると、接続面積が小さくなるため十分な量の導電性粒子が確保されなくなり、安定した導通が得られなかったり抵抗が大きくなったりする問題がある。
一方、導電性粒子を確保するために第1端子を太くして接続面積を大きくすることも考えられるが、プリント基板に配置される第1端子の微細ピッチ化やプリント基板の省スペース化を図ることが困難となる。
また、複数の第1端子が微細ピッチで配列されたプリント基板の接続を行う場合、隣り合う2つの第1端子の間に導電性粒子が分散することによりショートが発生する可能性もある。
【0005】
このような問題を解決するための技術として、例えば特許文献1及び2では、一対の、複数の導体を略平らな部材に整列配置してなる平面多導体の重ね合わせ領域において、導体どうしが金属結合で接合されているとともにその周囲が熱硬化性接着剤で接合されている。これにより、複数の導体が細密ピッチ化された平面多導体を確実に接続可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4152196号公報
【特許文献2】特開2006−24751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び2の技術にあっては、平面多導体の導体の上面に凹凸が形成されていることから、導体の凹凸の突起が接着剤の層内を貫通可能となり、導体どうしが直接接触することができると考えられるが、以下のように問題点もある。
特許文献1及び2の技術では、一対の導体を直接圧接させる場合、導体どうしの接点となる箇所の判別が難しく、製造工程での目視等による接続状態の良否判定が困難である。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、接続時の端子間の接触不良を解消して良好な導電接続状態を確保するとともに、端子の微細ピッチ化やプリント基板の省スペース化を図ることができ、さらに端子どうしの接点となる箇所が容易に判別可能な回路基板、接続構造体、及び接続構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の回路基板は、ベース基板と、前記ベース基板の上に設けられた3段以上の多段形状を有する第1端子と、を有し、前記第1端子は、前記ベース基板の上に配置された第1の段と、前記第1の段の上に配置されるとともに平面視において前記第1の段よりも面積が小さい第2の段と、前記第2の段の上に配置されるとともに平面視において前記第2の段よりも面積が小さい第3の段と、を有することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、第1端子が3段以上の多段形状を有するので、回路基板を第1端子に対応する第2端子を有する接続基板と接続する場合、良好な電気的接続が可能となる。具体的には、回路基板を未硬化もしくは半硬化の接着部材(柔軟な接着部材)を介して接続基板と接続する場合を考える。すると、柔軟な接着部材が第1端子に比べて十分に軟らかいため、加圧されたことで第3の段の凸によって押し退けられる。すると、第3の段は、第1端子のうち平面視において最も面積が小さく、接続基板の側に突出していることから、柔軟な接着部材を貫通して第2端子に直接接触する。その後、加圧を続けることにより、第3の段が次第に押し潰されていく。すると、柔軟な接着部材が第2端子上面の面内に平行な方向に押し退けられ、そして、第2の段と第2端子との間から第1の段と第2端子との間に向かって排出される。これにより、第3の段と第2端子との間に接着部材が介在することなく、良好な電気的接続が得られるようになっている。また、回路基板を接続基板と接続する際、接続基板の第2端子に最も近接する第3の段に荷重が集中する。このため、回路基板と接続基板との接続時において、第3の段が潰れた状態になり、第1端子と第2端子とが直接導電接触するようになる。このとき、第3の段は平面視において3段のうち最も面積が小さいため、第1端子と第2端子との接続時の加圧力を、特許文献1及び2に示す第3の段が形成されていない構造に比較して低減することができる。また、回路基板と接続基板とを互いに接合する方向に加圧し、その後、互いに離間する方向に分離して、第3の段が潰れた状態であるか否かを判定することができる。したがって、接続時の端子間の接触不良を解消して良好な導電接続状態を確保するとともに、端子の微細ピッチ化や省スペース化を図ることができ、さらに第1端子と第2端子との接点となる箇所が容易に判別可能な回路基板が提供できる。
【0011】
また、上記回路基板においては、前記第1端子のうち少なくとも前記第3の段が、本体部と、該本体部の表面に設けられるとともに前記本体部と異なる材料からなるメッキ層と、を有していてもよい。
【0012】
この構成によれば、第3の段が潰れた状態であるか否かを確実に容易に判定することができる。具体的には、本体部の形成材料が銅、メッキ層の形成材料が金の場合、それぞれの金属光沢の色が異なるとともに光の散乱の度合いも異なる。つまり、第3の段が潰れていない場合は、第2の段の上面においてメッキ層が破れていない状態(少なくとも第3の段の本体部が露出していない状態)であり、金の金属光沢が見えることになる。一方、第3の段が潰れている場合は、第2の段の上面においてメッキ層が破れた状態(少なくとも第3の段の本体部が露出している状態)であり、銅の金属光沢が見えることになる。また、金と銅との間で光の散乱の度合いが異なるため、メッキ層を設けていない場合に比較して、第1端子と第2端子との接点となる箇所の判別を確実に容易に行うことができる。
【0013】
また、上記回路基板においては、前記第1端子が4段以上の多段形状を有してなり、かつ、前記第3の段が前記ベース基板から最も離れた位置に配置されるとともに4段以上の段が前記第1の段よりも前記ベース基板に近い位置に配置されていてもよい。
【0014】
この構成によれば、回路基板と接続基板とを加圧するときの加圧条件のレベリングを細かく設定することができるようになる。一例として、第1端子が4段形状の場合を考える。ここで、4段形状の第1端子とは、ベース基板の上に配置された第1の段と、第1の段の上に配置されるとともに平面視において第1の段よりも面積が小さい第2の段と、第2の段の上に配置されるとともに平面視において第2の段よりも面積が小さい第3の段と、ベース基板と第1の段の間に配置されるとともに平面視において第1の段よりも面積が大きい第4の段と、を有して構成されるものとする。このようにすることで、第1端子と第2端子とを導電接触する場合、第3の段のみが潰れた状態と、第3の段及び第2の段が潰れた状態との範囲で加圧条件を設定することができる。すなわち、3段形状の導体よりも1段分だけ加圧条件の設定範囲を大きくすることができる。したがって、適宜、必要に応じて導体を4段以上の多段形状にすることで、対象製品の種類に応じて加圧条件のレベリングを変更するなど、設計の幅を広げることが可能となる。
【0015】
本発明の接続構造体は、上述した本発明に係る回路基板と、前記第1端子に対応する第2端子が設けられた接続基板と、前記回路基板と前記接続基板との間に設けられ、前記第1端子と前記第2端子とが導電接触している状態を保持する絶縁性の接着部材と、を有し、前記第1端子のうち少なくとも前記第3の段が潰れた状態になっていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、少なくとも第3の段が潰れた状態になっているため、第1端子と第2端子とが直接導電接触している。また、第1端子と第2端子とが導電接触している状態が絶縁性の接着部材によって保持されるため、接続時の端子間の接続不良を解消して良好な導電接続状態が確保されている。また、回路基板と接続基板とを接続する際に、従来技術のように回路基板と接続基板との間に異方性導電フィルム(以下、ACFという)や異方性導電ペースト(以下、ACPという)を介在させていない。このため、ACFやACPによる接続のように、樹脂内の導電性粒子で導通を得る必要がなく、回路基板に配置される第1端子を細くすることができる。また、回路基板と接続基板とを互いに離間する方向に分離して、第3の段が潰れた状態であるか否かを判定することができる。したがって、接続時の端子間の接触不良を解消して良好な導電接続状態を確保するとともに、端子の微細ピッチ化やプリント基板の省スペース化を図ることができ、さらに第1端子と第2端子との接点となる箇所が容易に判別可能な接続構造体が提供できる。
【0017】
また、本発明の接続構造体においては、前記接着部材が、前記第1端子のうち少なくとも潰れた状態の前記第3の段を除いた領域における前記第1の段と前記第2端子との間に配置されていてもよい。
【0018】
この構成によれば、接着部材が第1端子と第2端子の間に配置されていない場合に比較して、回路基板と接続基板との接合強度を大きくすることができる。具体的には、接着部材が第1端子と第2端子の間に配置されていない場合の回路基板と接続基板との接着面積は、回路基板の接続側の面において第1端子が形成されていない領域及び接続基板の接続側の面において第2端子が形成されていない領域となる。これに対して、本発明では、第1端子のうち少なくとも、潰れた状態の第3の段を除いた領域及び潰れた状態の第3の段と第2端子の接触部を除いた領域においても接着部材が配置されている。つまり、この部分において、接着部材が第1端子と第2端子の間に配置されていない場合よりも回路基板と接続基板との接着面積が大きくなる。したがって、回路基板と接続基板とを強固に接合することができる。
【0019】
本発明の接続構造体の製造方法は、ベース基板に3段以上の多段形状を有する第1端子が設けられた回路基板を、前記第1端子に対応する第2端子を有する接続基板上に接続してなる接続構造体の製造方法であって、第1の段と、平面視において前記第1の段よりも面積が小さい第2の段と、平面視において前記第2の段よりも面積が小さい第3の段と、を前記ベース基板の上にこの順に備える前記第1端子を形成する第1の工程と、前記第1端子と前記第2端子とが導電接触するように前記回路基板と前記接続基板とを互いに接合する方向に加圧する第2の工程と、前記回路基板と前記接続基板とを分離させ、前記第3の段が潰れた状態であるか否かを判定する第3の工程と、前記第3の段が潰れた状態であるか否かの判定結果に基づいて、前記第1端子のうち少なくとも前記第3の段が潰れた状態になるときの、前記回路基板と前記接続基板との加圧条件を調整する第4の工程と、前記加圧条件の調整結果に基づいて、前記回路基板と前記接続基板とを互いに接合する方向に加圧させる第5の工程と、を有することを特徴とする。
【0020】
この製造方法によれば、第1の工程によって3段以上の多段形状を有する第1端子が形成されるので、回路基板を第1端子に対応する第2端子を有する接続基板と接続する場合、良好な電気的接続が可能となる。また、回路基板を接続基板と接続する際、接続基板の第2端子に最も近接する第3の段に荷重が集中する。このため、回路基板と接続基板との接続時において、第3の段が潰れた状態になり、第1端子と第2端子とが直接導電接触するようになる。このとき、第3の段は平面視において3段のうち最も面積が小さいため、第1端子と第2端子との接続時の加圧力を、特許文献1及び2に示す第3の段が形成されていない構造に比較して低減することができる。また、回路基板と接続基板とを互いに接合する方向に加圧し、その後、互いに離間する方向に分離して、第3の段が潰れた状態であるか否かを判定して加圧条件を調整し、その加圧条件の調整結果に基いて回路基板と接続基板とを互いに接合する方向に加圧させる工程を有している。したがって、接続時の端子間の接触不良を解消して良好な導電接続状態を確保するとともに、端子の微細ピッチ化やプリント基板の省スペース化を図ることができ、さらに第1端子と第2端子との接点となる箇所が容易に判別可能な接続構造体の製造方法が提供できる。
【0021】
また、本発明の接続構造体の製造方法においては、前記第1の工程において、少なくとも前記第3の段が、本体部と、該本体部の表面に設けられるとともに前記本体部と異なる材料からなるメッキ層と、を有するように前記第1端子を形成し、前記第3の工程における前記第3の段が潰れた状態であるか否かの判定は、前記メッキ層が破れて前記本体部が露出した状態であるか否かに基づいて行ってもよい。
【0022】
この製造方法によれば、第3の工程によって第3の段が潰れた状態であるか否かを確実に容易に判定することができる。具体的には、本体部の形成材料が銅、メッキ層の形成材料が金の場合、それぞれの金属光沢の色が異なるとともに光の散乱の度合いも異なる。つまり、第3の段が潰れていない場合は、第2の段の上面においてメッキ層が破れていない状態(少なくとも第3の段の本体部が露出していない状態)であり、金の金属光沢が見えることになる。一方、第3の段が潰れている場合は、第2の段の上面においてメッキ層が破れた状態(少なくとも第3の段の本体部が露出している状態)であり、銅の金属光沢が見えることになる。また、金と銅との間で光の散乱の度合いが異なるため、メッキ層を設けていない場合に比較して、第1端子と第2端子との接点となる箇所の判別を確実に容易に行うことができる。
【0023】
また、本発明の接続構造体の製造方法においては、前記第1の工程において、前記ベース基板の上に導電材料からなる導電層を配置し、前記導電層に対して、前記多段形状に対応する凹部が形成された第1のプレス型を押圧することによって、前記第1の段、前記第2の段、及び前記第3の段を一括して形成してもよい。
【0024】
この製造方法によれば、導電層に対して第1のプレス型を押圧することによって、第1の段、第2の段、及び第3の段が一括して形成されるので、第1の段、第2の段、及び第3の段をそれぞれ分けて形成するよりも生産効率の向上を図ることができる。
【0025】
また、本発明の接続構造体の製造方法においては、前記第1の工程において、前記ベース基板の上に導電材料からなる導電層を配置し、前記導電層に対して、前記第2の段に対応する凹部が形成された第2のプレス型と、前記第3の段に対応する凹部が形成された第3のプレス型と、を順次押圧することによって、前記第1の段、前記第2の段、及び前記第3の段をそれぞれ分けて形成してもよい。
【0026】
この製造方法によれば、第1の段、第2の段、及び第3の段を一括して形成するよりも各段形状を形成する際の加圧力を低減させることができる。具体的には、導電層に対して第2のプレス型を押圧することによって第2の段が形成され、この第2の段に第3のプレス型を押圧することによって第3の段が形成される。したがって、3段形状に対応する凹部が形成されたプレス型を導電層上面に押し付ける場合よりも、小さい加圧力で済む。また、多段形状の成形性を向上させることができる。
【0027】
また、本発明の接続構造体の製造方法においては、前記第3の工程における前記第3の段が潰れた状態であるか否かの判定は、光の散乱の有無に基づいて行ってもよい。
【0028】
この製造方法によれば、第3の段が潰れた状態であるか否かの判定は、第1端子が3段形状の場合、第2の段の上面における光の散乱の有無によって認定できる。具体的には、第3の段が潰れていない場合は、潰れていない第3の段の突起(凸)と隣り合う突起どうしの隙間(凹)とからなる凹凸により光の散乱量が多くなって第2の段の上面がくすんで見える。一方、第3の段が潰れている場合は、表面が略平らになることにより光の反射量が多くなって第2の段の上面が光って見える。したがって、第1端子と第2端子との接点となる箇所が容易に判別可能となる。
【0029】
また、本発明の接続構造体の製造方法においては、前記第3の工程における前記第3の段が潰れた状態であるか否かの判定は、目視により行ってもよい。
【0030】
この製造方法によれば、第3の段が潰れた状態であるか否かの判定は、第1端子が3段形状の場合、第2の段の上面を目視で確認することによって認定できる。したがって、顕微鏡などの観察装置を用いることなく、簡易な方法で第1端子と第2端子との接点となる箇所の判別を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る接続構造体の一例である電気光学装置の概略構成図である。
【図2】本発明に係る回路基板の要部拡大図である。
【図3】電気光学装置の要部断面図である。
【図4】本発明に係る接続構造体の製造方法の工程を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る接続構造体の製造方法を順に示す工程図である。
【図6】図5に続く工程図である。
【図7】第1のプレス型及び第2のプレス型を用いた場合の第1の工程を示す図である。
【図8】本発明に係る回路基板の第1変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
【0033】
(接続構造体)
図1は本発明に係る接続構造体を適用した液晶表示装置を示す模式図である。まず、図1を用いて本発明に係る接続構造体の適用例を説明する。
図1において符号1は液晶表示装置であり、この液晶表示装置1は、液晶パネル2と、回路基板3とを有して構成されている。なお、この液晶表示装置1には、図示しないものの、偏光板、反射シート、バックライト等の付帯部材が、必要に応じて適宜設けられるものとする。
【0034】
液晶パネル2は、ガラスや合成樹脂からなる接続基板10及び対向基板20を備えて構成されたものである。接続基板10と対向基板20とは、それぞれ平面視矩形であり相互に対向配置され、図示しないシール材によって相互に貼り合わされている。接続基板10と対向基板20の間には、電気光学物質である液晶(図示略)が封入されている。接続基板10の内面上には、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料からなる第1電極(図示略)が形成されている。対向基板20の内面上には前記第1電極に対向配置される第2電極(図示略)が形成されている。
【0035】
接続基板10及び対向基板20が対向する対向領域の中央部には表示領域Adが設けられている。表示領域Adには、X方向に延びる複数の走査線12とY方向に延びる複数のデータ線11とが平面視格子状に設けられている。走査線12とデータ線11との交差部には、赤色、緑色又は青色のいずれかの色に対応したサブ画素が設けられている。接続基板10上には、このようなサブ画素がマトリクス状に配置されており、これら複数のサブ画素によって全体としての表示領域Adが形成されている。それぞれのサブ画素にはTFT(Thin Film Transistor)等の画素スイッチング素子が設けられているが、図1ではそれらの図示は省略している。
【0036】
接続基板10には、その端部において対向基板20の外形よりも外側へ張り出された部分である張出し部10cが設けられている。張出し部10cには、不図示の引き回し配線を介して走査線12及びデータ線11と電気的に接続された複数の第2端子19が設けられている。
【0037】
張出し部10c上には、絶縁性の接着部材35を介して、本発明に係る回路基板3が接続されている。張出し部10c上の複数の第2端子19は、回路基板3のベース基板30に設けられた、それぞれに対応する第1端子40に導電接続されている。本発明では、張出し部10cとベース基板30との間には従来技術のように異方性導電フィルム(以下、ACFという)や異方性導電ペースト(以下、ACPという)が介在しておらず、第2端子19と第1端子40とが直接導電接触している。これにより、接続基板10上に回路基板3が接続されてなる、本発明の接続構造体が形成されている。
【0038】
接着部材35の種類としては、反応性硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、光硬化型接着剤(紫外線硬化型接着剤)、嫌気硬化型接着剤、その他の各種硬化型接着剤を用いることができる。具体的には、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、天然ゴム系接着剤、ポリウレタン系接着剤、フェノール系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリアミド系接着剤等を用いることができる。また、これらを目的に合わせて変性する等しても良い。
【0039】
回路基板3には、外部から制御信号、映像信号、電源電位などが供給されるようになっている。回路基板3に供給された制御信号、映像信号、電源電位などは、回路基板3に実装された不図示の電子部品(例えば液晶パネル2を駆動する液晶駆動用ICチップ)に入力され、ここで液晶駆動用の駆動信号が生成されて、第1端子40及び第2端子19を介して液晶パネル2に供給されるようになっている。
【0040】
なお、回路基板3は、例えばフレキシブル基板(以下、FPCという)である。FPCは、ポリイミドや液晶ポリマー等可撓性を有する有機基板であり、その基板上に銅やアルミニウムで回路パターンおよび第1端子40が形成されている。
【0041】
以上のように構成された液晶表示装置1によれば、回路基板3を介して第1電極と第2電極との間に適宜の電圧が印加されることにより、両電極が対向配置される部分に構成される各画素に独立して光を変調させることができる。これによって、液晶パネル2の表示領域Adに所望の画像を形成することができる。
【0042】
次に、前記液晶表示装置1に適用された、本発明の回路基板3の実施形態について説明する。
図2は、液晶表示装置1における回路基板3を拡大して示す要部拡大図である。図2(a)は、液晶表示装置1における回路基板3を拡大して示す要部拡大平面図であり、図2(b)は、図2(a)におけるA−A線矢視断面図である。なお、図2(a)においては、便宜上、第1端子40の本体部の一部(3段形状の部分)がメッキ層44から露出している状態を示している。
【0043】
ところで、接続時の端子間の接触不良を解消して良好な導電接続状態を確保するとともに、端子の微細ピッチ化やプリント基板の省スペース化を図るために、一対の、複数の導体を略平らな部材に整列配置してなる平面多導体の重ね合わせ領域において、導体どうしが金属結合で接合されているとともにその周囲が熱硬化性接着剤で接合されている構造がある。また、接着剤の層内を貫通可能とするように平面多導体の導体の上面に凹凸が形成されている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかしながら、一対の導体を直接圧接させる場合、導体どうしの接点となる箇所の判別が難しく、製造工程での目視等による接続状態の良否判定が困難となっていた。
【0044】
そこで、本願発明者は、特許文献1及び2に示す構造に対して、ベース基板30の上に、3段以上の多段形状を有する第1端子40を設けることで、当該第1端子40と接続基板10上の第2端子19との接点となる箇所の判別を容易にし、製造工程での目視等による接続状態の良否判定を可能としている。以下、本実施形態の回路基板3について、一例を挙げて説明する。
【0045】
図2に示すように、第1端子40は、3段の多段形状を有しており、ベース基板30の上に配置された第1の段41と、第1の段41の上に配置されるとともに平面視において第1の段41よりも面積が小さい第2の段42と、第2の段42の上に配置されるとともに平面視において第2の段42よりも面積が小さい第3の段43と、を有するものである。この第1端子40は、ベース基板30の面内に平行に複数設けられており、互いに間隔を空けて配置されている。この第1端子40の幅(短手方向の長さ)は、例えば20〜30μmになっている。
【0046】
また、第1端子40は平面視においてY方向に延在している。具体的には、平面視において、第1の段41がY方向に延在しており、第2の段42及び第3の段43が矩形になっている。そして、平面視において、第2の段42の段部が第1の段41の端部と間隔を空けて形成されているとともに、第3の段43の端部が第2の段42の端部と間隔を空けて形成されている。これにより、第1端子40の3段形状はピラミッド形状になっている。
【0047】
これにより、回路基板3と接続基板10とを接続する際に、接続基板10の第2端子19に最も近接する第3の段43に荷重が集中することになる。このため、回路基板3と接続基板10との接続時において、第3の段43が潰れた状態になり、第1端子40と第2端子19とが直接導電接触するようになる。このとき、第3の段43は平面視において3段のうち最も面積が小さいため、第1端子40と第2端子19との接続時の加圧力を、特許文献1及び2に示す第3の段43が形成されていない構造に比較して低減することができる。
【0048】
また、回路基板3と接続基板10とを互いに接合する方向に加圧し、その後、互いに離間する方向に分離して、第3の段43が潰れた状態であるか否かを判定することができる。ここで、第3の段43が潰れた状態であるか否かの判定は、第2の段42の上面における光の散乱の有無によって認定できる。具体的には、第3の段43が潰れていない場合は、潰れていない第3の段43の突起(凸)と隣り合う突起どうしの隙間(凹)とからなる凹凸により光の散乱量が多くなって第2の段42の上面がくすんで見える。一方、第3の段43が潰れている場合は、表面が略平らになることにより光の反射量が多くなって第2の段42の上面が光って見える。このように、第1端子40が3段形状の場合は、第2の段42の上面を例えば目視で確認することにより第1端子40と第2端子19との接点となる箇所の判別を行うことができる。
【0049】
また、第1端子40は、本体部と、該本体部の表面に設けられるとともに前記本体部と異なる材料からなるメッキ層44とを有して構成されている。本体部は、第1の段41、第2の段42、及び第3の段43が一体に形成された、第1端子40の本体に相当するものである。
【0050】
なお、本実施形態では、第1の段41、第2の段42、及び第3の段43の全てを一体として本体部とし、本体部表面の露出する部位全体にメッキ層44が形成されているが、これに限らない。例えば、第1端子40のうち第3の段43のみが、本体部とメッキ層とを有していてもよい。すなわち、第1端子40のうち少なくとも第3の段43が、本体部とメッキ層とを有していればよい。
【0051】
メッキ層44は、Au、Sn、TiW、Cu、Cr、Ni、Ti、W、NiV、Al、Pd、鉛フリーハンダ等の金属や合金からなるものである。また、メッキ層44は、これら金属(合金)の単層であっても、複数種を積層したものであってもよい。また、このようなメッキ層44は、スパッタ法等の公知の成膜法で成膜し、その後、本体部の形状に倣ってパターニングしたものであってもよく、無電解メッキによって選択的に形成したものであってもよい。または、スパッタ法や無電解メッキによって下地膜を形成し、その後電解メッキによって下地膜上に上層膜を形成し、これら下地膜と上層膜とからなる積層膜により、メッキ層44を形成してもよい。なお、金属(合金)の種類や層構造、膜厚、被覆領域については、本体部の形状や大きさによって適宜に選択・設計される。本実施形態では、銅からなる本体部が形成され、その表面に金からなるメッキ層44が形成されている。
【0052】
これにより、第3の段43が潰れた状態であるか否かを確実に容易に判定することができる。具体的には、本実施形態では、本体部の形成材料が銅、メッキ層44の形成材料が金であるため、それぞれの金属光沢の色が異なるとともに光の散乱の度合いも異なる。つまり、第3の段43が潰れていない場合は、第2の段42の上面においてメッキ層44が破れていない状態(少なくとも第3の段43の本体部が露出していない状態)であり、金の金属光沢が見えることになる。一方、第3の段43が潰れている場合は、第2の段42の上面においてメッキ層44が破れた状態(少なくとも第3の段43の本体部が露出している状態)であり、銅の金属光沢が見えることになる。また、金と銅との間で光の散乱の度合いが異なるため、メッキ層44を設けていない場合に比較して、第1端子40と第2端子19との接点となる箇所の判別を確実に容易に行うことができる。
【0053】
図3は、本発明に係る接続構造体の一例である液晶表示装置1の要部断面図である。なお、図3においては、便宜上、液晶パネル2を構成する対向基板20の図示を省略し、接続基板10の端部(第2端子19が設けられた張出し部10cの一部)及び回路基板3の端部(第1端子40が設けられたベース基板30の一部)を示している。
【0054】
図3に示すように、液晶表示装置1は、上述した回路基板3と、接続基板10と、回路基板3と接続基板10との間に設けられ、第1端子40と第2端子19とが導電接触している状態を保持する絶縁性の接着部材35と、を有して構成されている。また、第1端子40のうち第3の段43が潰れた状態になっている。
【0055】
このように、第3の段43が潰れた状態になることによって、第1端子40と第2端子19とが直接接触して電気的に接続される。また、第3の段43が潰れた状態において、第3の段43の本体部がメッキ層44から露出して剥き出しになっている。つまり、第3の段43が潰れた状態になることによって、メッキ層44から露出した第3の段43の本体部と第2端子19とが直接導通されることになる。
【0056】
また、本実施形態では回路基板3と接続基板10とを接続する際に上述したアクリル系接着剤などからなる接着部材35を用いており、従来技術のように回路基板と接続基板との間に異方性導電フィルム(以下、ACFという)や異方性導電ペースト(以下、ACPという)を介在させていない。このため、ACFやACPによる接続のように、樹脂内の導電性粒子で導通を得る必要がなく、回路基板に配置される第1端子を細くすることができる。
【0057】
また、液晶表示装置1において、接着部材35が潰れた状態の第3の段43を除いた領域における第1の段41と第2端子19との間に配置されている。具体的には、接着部材35は、回路基板3上の第1端子40を構成する第1の段41及び第2の段42の露出する部位全体を覆って配置されている。つまり、接着部材35は、第1端子40のうち潰れた状態の第3の段43を除いた領域における回路基板3の端部と、潰れた状態の第3の段43と第2端子19の接触部を除いた領域における接続基板10の端部と、の間に配置されている。
【0058】
これにより、接着部材35が第1端子40と第2端子19の間に配置されていない場合に比較して、回路基板3と接続基板10との接合強度を大きくすることができる。具体的には、接着部材35が第1端子40と第2端子19の間に配置されていない場合の回路基板3と接続基板10との接着面積は、回路基板3の接続側の面において第1端子40が形成されていない領域及び接続基板10の接続側の面において第2端子19が形成されていない領域となる。これに対して、本実施形態では、第1端子40のうち潰れた状態の第3の段43を除いた領域及び潰れた状態の第3の段43と第2端子19の接触部を除いた領域においても接着部材35が配置されている。つまり、この部分において、接着部材35が第1端子40と第2端子19の間に配置されていない場合よりも回路基板3と接続基板10との接着面積が大きくなる。
【0059】
(接続構造体の製造方法)
以下、本実施形態に係る液晶表示装置の製造方法について説明する。図4は液晶表示装置の製造方法の工程を示すフローチャートであり、図5及び図6は、液晶表示装置1の製造方法を順に示す工程図である。
【0060】
先ず、図5(a)に示すように、従来と同様の手法により製造されたベース基板30を用意する。ベース基板30としては、例えば、ポリイミドや液晶ポリマー等可撓性を有する有機基板を用いることができる。
【0061】
次に、ベース基板30の接続側に、導電材料(本実施形態では銅)からなる導電層41Aを、公知のリソグラーフィー技術やエッチング技術により、所定の形状に形成する。ここでは、ベース基板30の面内に平行に複数の導電層41A形成し、互いに間隔を空けて配置する(図4のステップS1)。
【0062】
次に、前記導電層41Aに対して、第1のプレス型50を押圧して3段形状の本体部を形成する(図4のステップS2)。ここでは、3段形状を有する凹部(上述した第1端子40の3段形状に対応する凹部)51が形成された第1のプレス型50を用いる。
【0063】
この第1のプレス型50を用いて、導電層41Aに対して3段形状を有する凹部51が押し付けられることにより、上述した第1の段41と、平面視において第1の段41よりも面積が小さい第2の段42と、平面視において第2の段42よりも面積が小さい第3の段43と、をベース基板30上にこの順に形成する。その結果、銅からなる3段形状の本体部が形成される(図5(b)参照)。
【0064】
このように、3段形状を有する凹部51が形成された第1のプレス型50を用いることで、第1の段41、第2の段42、及び第3の段43が一括して形成されるので、第1の段41、第2の段42、及び第3の段43をそれぞれ分けて形成するよりも生産効率に優れる。
【0065】
次に、図5(c)に示すように、ベース基板30上に形成された本体部の上に、上述したメッキ層44を、スパッタ法等の公知の成膜法で成膜し、その後、本体部の形状に倣ってパターニングしたり、無電解メッキによって選択的に配置したりすることによって形成する。または、スパッタ法や無電解メッキによって下地膜を形成し、その後電解メッキによって下地膜上に上層膜を形成し、これら下地膜と上層膜とからなる積層膜により、メッキ層44を形成してもよい。これにより、本体部と、該本体部の表面に設けられたメッキ層44とを有する第1端子40が形成される(図4のステップS3)。ここでは、メッキ層44の形成材料として金を用いる。
【0066】
次に、図6(a)に示すように、従来と同様の手法により製造された接続基板10を用意する。接続基板10上には第1端子40に対応する位置に第2端子19が設けられている。次に、接続基板10上に上述した接着部材35を配置する(図4のステップS4)。このとき、接着部材35は未硬化もしくは半硬化の状態(完全に硬化する前の状態)であり第1端子40に比べて十分に軟らかくなっている。次に、回路基板3と接続基板10とを、互いの第1端子40と第2端子19とが対向するように位置決めする。
【0067】
次に、図6(b)に示すように、位置決めされた状態で、第1端子40と第2端子19とが導電接触するように回路基板3と接続基板10とを互いに接合する方向に加圧する(図4のステップS5、第1の加圧工程)。このとき、加圧条件は第3の段43が潰れた状態になるまで回路基板3と接続基板10とを加圧するように設定する。すると、未硬化もしくは半硬化の接着部材35(以下、柔軟な接着部材という)は、第1端子40に比べて十分に軟らかいため、加圧されたことで第3の段43の凸によって押し退けられる。つまり、第3の段43は、第1端子40のうち平面視において最も面積が小さく、接続基板10の側に突出していることから、柔軟な接着部材35を貫通して第2端子19に直接接触する。その後、加圧を続けることにより、第3の段43が次第に押し潰されていく。すると、柔軟な接着部材35が第2端子19上面の面内に平行な方向(図6(b)に示す矢印方向)に押し退けられ、そして、第2の段42と第2端子19との間から第1の段41と第2端子19との間に向かって排出される。これにより、第3の段43と第2端子19との間には接着部材35が介在しないようになっている。
【0068】
ここで、加圧条件の設定方法について説明する。先ず、第1の加圧工程を経た後、回路基板3と接続基板10とを互いに離間する方向に分離させる(図4のステップS6)。次に、第3の段43が潰れた状態であるか否かを判定する(図4のステップS7)。この判定は、第2の段42の上面における光の散乱の有無によって認定できる。具体的には、第3の段43が潰れていない場合は、表面の凹凸により光の散乱量が多くなるため第2の段42の上面がくすんで見える。一方、第3の段43が潰れている場合は、表面が略平らになることにより光の反射量が多くなるため第2の段42の上面が光って見える(図4のステップS8)。このように、第1端子40が3段形状の場合は、第2の段42の上面を、例えば目視で確認することにより第1端子40と第2端子19との接点となる箇所の判別を行うことができる。ここで、第3の段43が潰れた状態でないときは、再度、第1の加圧工程からやり直す。
【0069】
本実施形態では、本体部の形成材料が銅、メッキ層44の形成材料が金であるため、それぞれの金属光沢の色が異なるとともに光の散乱の度合いも異なる。つまり、第3の段43が潰れていない場合は、第2の段42の上面においてメッキ層44が破れていない状態(少なくとも第3の段43の本体部が露出していない状態)であり、金の金属光沢が見える。一方、第3の段43が潰れている場合は、第2の段42の上面においてメッキ層44が破れた状態(少なくとも第3の段43の本体部が露出している状態)であり、銅の金属光沢が見える。また、金と銅との間で光の散乱の度合いが異なるため、メッキ層44を設けていない場合に比較して、第1端子40と第2端子19との接点となる箇所の判別を確実に容易に行うことができる。
【0070】
このように、対向する第1端子40と第2端子19とを直接圧接させる場合、第2の段42の上面における光の散乱の有無によって第1端子40と第2端子19との接点となる箇所の判別を行うことができるので、特許文献1及び2のように、導体どうしの接点となる箇所の判別が難しく、製造工程での目視等による接続状態の良否判定が困難となることがない。
【0071】
そして、所定のN数で判定をした後(図4のステップS9)、第3の段43が潰れた状態になるとき及び第3の段43が潰れた状態にならないときの加圧条件(例えば、加圧力、加圧時間、加圧雰囲気など)のデータを記憶装置(図示略)に記憶する(図4のステップS10)。ここで、判定回数が所定のN数に満たないときは、データの信頼性を確保する上で、再度、第1の加圧工程からやり直す。なお、第3の段43が潰れた状態になるときのレベル(第3の段43の一部が潰れた状態もしくは第3の段43が完全に潰れた状態)に応じて、加圧条件のデータを記憶しておくとよい。
【0072】
次に、記憶装置に記憶された加圧条件の各種データに基づいて、不図示の演算装置により加圧条件が調整される(図4のステップS11)。そして、演算装置で調整された加圧条件に基づいて、不図示の制御装置により第3の段43が潰れた状態になるときの加圧条件の制御信号が算出される。
【0073】
このようにして算出された制御信号は、回路基板3と接続基板10とを互いに接合する方向に加圧する不図示の加圧装置に送信される。そして、第3の段43が潰れた状態になるときの加圧条件に基づいて、回路基板3と接続基板10とを柔軟な接着部材35を介して互いに接合する(図4のステップS12、第2の加圧工程)。
【0074】
そして、第3の段43が潰れた状態になるときの加圧条件で加圧した状態のもとで、すなわち、第1端子40と第2端子19とが導電接触した状態で、上述した接着部材35を完全に硬化させる(図4のステップS13)。以上の工程により、本実施形態の液晶表示装置1が得られる(図6(c)参照)。
【0075】
本発明に係る回路基板3によれば、第1端子40が3段以上の多段形状を有するので、回路基板3を第1端子40に対応する第2端子19を有する接続基板10と接続する場合、良好な電気的接続が可能となる。具体的には、回路基板3を柔軟な接着部材35を介して接続基板10と接続する場合を考える。すると、柔軟な接着部材35が第1端子40に比べて十分に軟らかいため、加圧されたことで第3の段43の凸によって押し退けられる。すると、第3の段43は、第1端子40のうち平面視において最も面積が小さく、接続基板10の側に突出していることから、柔軟な接着部材35を貫通して第2端子19に直接接触する。その後、加圧を続けることにより、第3の段43が次第に押し潰されていく。すると、柔軟な接着部材35が第2端子19上面の面内に平行な方向に押し退けられ、そして、第2の段42と第2端子19との間から第1の段41と第2端子19との間に向かって排出される。これにより、第3の段43と第2端子19との間に接着部材35が介在することなく、良好な電気的接続が得られるようになっている。また、回路基板3を接続基板10と接続する際、接続基板10の第2端子19に最も近接する第3の段43に荷重が集中する。このため、回路基板3と接続基板10との接続時において、第3の段43が潰れた状態になり、第1端子40と第2端子19とが直接導電接触するようになる。このとき、第3の段43は平面視において3段のうち最も面積が小さいため、第1端子40と第2端子19との接続時の加圧力を、特許文献1及び2に示す第3の段が形成されていない構造に比較して低減することができる。また、回路基板3と接続基板10とを互いに接合する方向に所定の力で加圧し、その後、互いに離間する方向に分離して、第3の段43が潰れた状態であるか否かを判定することができる。したがって、接続時の端子間の接触不良を解消して良好な導電接続状態を確保するとともに、端子の微細ピッチ化や省スペース化を図ることができ、さらに第1端子40と第2端子19との接点となる箇所が容易に判別可能な回路基板3が提供できる。
【0076】
また、本発明に係る回路基板3によれば、第1端子40のうち少なくとも第3の段43が、本体部と、該本体部と異なる材料からなるメッキ層44とを有するので、第3の段43が潰れた状態であるか否かを確実に容易に判定することができる。具体的には、本実施形態では、本体部の形成材料が銅、メッキ層44の形成材料が金であるため、それぞれの金属光沢の色が異なるとともに光の散乱の度合いも異なる。つまり、第3の段43が潰れていない場合は、第2の段42の上面においてメッキ層44が破れていない状態(少なくとも第3の段43の本体部が露出していない状態)であり、金の金属光沢が見えることになる。一方、第3の段43が潰れている場合は、第2の段42の上面においてメッキ層44が破れた状態(少なくとも第3の段43の本体部が露出している状態)であり、銅の金属光沢が見えることになる。また、金と銅との間で光の散乱の度合いが異なるため、メッキ層44を設けていない場合に比較して、第1端子40と第2端子19との接点となる箇所の判別を確実に容易に行うことができる。
【0077】
また、本発明に係る液晶表示装置1によれば、第1端子40のうち少なくとも第3の段43が潰れた状態になっているため、第1端子40と第2端子19とが直接導電接触している。また、第1端子40と第2端子19とが導電接触している状態が絶縁性の接着部材35によって保持されるため、接続時の端子間の接続不良を解消して良好な導電接続状態が確保されている。また、本実施形態では回路基板3と接続基板10とを接続する際に、従来技術のように回路基板と接続基板との間にACFやACPを介在させていない。このため、ACFやACPによる接続のように、樹脂内の導電性粒子で導通を得る必要がなく、回路基板3に配置される第1端子40を細くすることができる。また、回路基板3と接続基板10とを互いに離間する方向に分離して、第3の段43が潰れた状態であるか否かを判定することができる。したがって、接続時の端子間の接触不良を解消して良好な導電接続状態を確保するとともに、端子の微細ピッチ化やプリント基板の省スペース化を図ることができ、さらに第1端子40と第2端子19との接点となる箇所が容易に判別可能な液晶表示装置1が提供できる。
【0078】
また、本発明に係る液晶表示装置1によれば、接着部材35が少なくとも潰れた状態の第3の段43を除いた領域における第1の段41と第2端子19との間に配置されているので、接着部材35が第1端子40と第2端子19の間に配置されていない場合に比較して、回路基板3と接続基板10との接合強度を大きくすることができる。具体的には、接着部材35が第1端子40と第2端子19の間に配置されていない場合の回路基板3と接続基板10との接着面積は、回路基板3の接続側の面において第1端子40が形成されていない領域及び接続基板10の接続側の面において第2端子19が形成されていない領域となる。これに対して、本実施形態では、第1端子40のうち潰れた状態の第3の段43を除いた領域及び潰れた状態の第3の段43と第2端子19の接触部を除いた領域においても接着部材35が配置されている。つまり、この部分において、接着部材35が第1端子40と第2端子19の間に配置されていない場合よりも回路基板3と接続基板10との接着面積が大きくなる。したがって、回路基板3と接続基板10とを強固に接合することができる。
【0079】
また、本発明に係る液晶表示装置の製造方法によれば、第1の工程によって3段以上の多段形状を有する第1端子40が形成されるので、回路基板3を第1端子40に対応する第2端子19を有する接続基板10と接続する場合、良好な電気的接続が可能となる。また、回路基板3を接続基板10と接続する際、接続基板10の第2端子19に最も近接する第3の段43に荷重が集中する。このため、回路基板3と接続基板10との接続時において、第3の段43が潰れた状態になり、第1端子40と第2端子19とが直接導電接触するようになる。このとき、第3の段43は平面視において3段のうち最も面積が小さいため、第1端子40と第2端子19との接続時の加圧力を、特許文献1及び2に示す第3の段が形成されていない構造に比較して低減することができる。また、回路基板3と接続基板10とを互いに接合する方向に加圧し、その後、互いに離間する方向に分離して、第3の段43が潰れた状態であるか否かを判定して加圧条件を調整し、その加圧条件の調整結果に基いて回路基板3と接続基板10とを互いに接合する方向に加圧させる工程を有している。したがって、接続時の端子間の接触不良を解消して良好な導電接続状態を確保するとともに、端子の微細ピッチ化やプリント基板の省スペース化を図ることができ、さらに第1端子40と第2端子19との接点となる箇所が容易に判別可能な液晶表示装置の製造方法が提供できる。
【0080】
また、本発明に係る液晶表示装置の製造方法によれば、第3の工程によって第3の段43が潰れた状態であるか否かを確実に容易に判定することができる。具体的には、本実施形態では、本体部の形成材料が銅、メッキ層44の形成材料が金であるため、それぞれの金属光沢の色が異なるとともに光の散乱の度合いも異なる。つまり、第3の段43が潰れていない場合は、第2の段42の上面においてメッキ層44が破れていない状態(少なくとも第3の段43の本体部が露出していない状態)であり、金の金属光沢が見えることになる。一方、第3の段43が潰れている場合は、第2の段42の上面においてメッキ層44が破れた状態(少なくとも第3の段43の本体部が露出している状態)であり、銅の金属光沢が見えることになる。また、金と銅との間で光の散乱の度合いが異なるため、メッキ層44を設けていない場合に比較して、第1端子40と第2端子19との接点となる箇所の判別を確実に容易に行うことができる。
【0081】
また、本発明に係る液晶表示装置の製造方法によれば、第1の工程において、第1端子40の3段形状に対応する凹部51が形成された第1のプレス型50を用いることで、第1の段41、第2の段42、及び第3の段43が一括して形成されるので、第1の段41、第2の段42、及び第3の段43をそれぞれ分けて形成するよりも生産効率の向上を図ることができる。
【0082】
また、本発明に係る液晶表示装置の製造方法によれば、第3の工程における第3の段43が潰れた状態であるか否かの判定は、光の散乱の有無に基づいて行っている。このため、第3の段43が潰れた状態であるか否かの判定は、第1端子40が3段形状の場合、第2の段42の上面における光の散乱の有無によって認定できる。具体的には、第3の段43が潰れていない場合は、潰れていない第3の段43の突起(凸)と隣り合う突起どうしの隙間(凹)とからなる凹凸により光の散乱量が多くなって第2の段42の上面がくすんで見える。一方、第3の段43が潰れている場合は、表面が略平らになることにより光の反射量が多くなって第2の段42の上面が光って見える。したがって、第1端子40と第2端子19との接点となる箇所が容易に判別可能となる。
【0083】
また、本発明に係る液晶表示装置の製造方法によれば、第3の工程における第3の段43が潰れた状態であるか否かの判定は、目視により行っている。このため、第1端子40が3段形状の場合、第2の段42の上面を目視で確認することによって認定できる。したがって、顕微鏡などの観察装置を用いることなく、簡易な方法で第1端子40と第2端子19との接点となる箇所の判別を行うことができる。
【0084】
なお、本実施形態では、第1端子40が3段形状を有している例について説明したが、これに限らない。例えば、第1端子が4段形状や5段形状など、4段以上の多段形状を有していてもよい。
【0085】
これにより、回路基板と接続基板とを加圧するときの加圧条件のレベリングを細かく設定することができるようになる。一例として、導体が4段形状の場合を考える。ここで、4段形状の導体は、ベース基板の上に配置された第1の段と、第1の段の上に配置されるとともに平面視において第1の段よりも面積が小さい第2の段と、第2の段の上に配置されるとともに平面視において第2の段よりも面積が小さい第3の段と、ベース基板と第1の段の間に配置されるとともに平面視において第1の段よりも面積が大きい第4の段と、を有して構成されるものとする。このようにすることで、第1端子と第2端子とを導電接触する場合、第3の段のみが潰れた状態と、第3の段及び第2の段が潰れた状態との範囲で加圧条件を設定することができる。すなわち、上述した3段形状の第1端子40よりも1段分だけ加圧条件の設定範囲を大きくすることができる。したがって、適宜、必要に応じて第1端子を4段以上の多段形状にすることで、対象製品の種類に応じて加圧条件のレベリングを変更するなど、設計の幅を広げることが可能となる。
【0086】
また、本実施形態では、第1端子40に多段形状が一箇所のみ形成されているが、これに限らず、第1端子40に多段形状を複数箇所形成してもよい。これにより、接続状態の良否判断が複数箇所の多段形状を視認してできるので、より信頼性の高いものが得られる。
【0087】
また、本実施形態の液晶表示装置の製造方法においては、第1の工程において、第1端子40の3段形状に対応する凹部51が形成された第1のプレス型50を用いているが、これに限らない。例えば、図7に示すように、第2の段42に対応する凹部51Aが形成された第1の第2のプレス型50Aと、第3の段43に対応する凹部51Bが形成された第3のプレス型50Bと、を用いることによって、導電層41Aに対して、第1の段41、第2の段42、及び第3の段43をそれぞれ分けて形成してもよい。
【0088】
これにより、第1の段41、第2の段42、及び第3の段43がそれぞれ分けて形成されるので、第1の段41、第2の段42、及び第3の段43を一括して形成するよりも各段形状を形成する際の加圧力を低減させることができる。具体的には、導電層41Aに対して第2のプレス型50Aを押圧することによって第2の段42が形成され、この第2の段42に第3のプレス型50Aを押圧することによって第3の段43が形成される。したがって、3段形状に対応する凹部51が形成された第1のプレス型50を導電層41A上面に押し付ける場合よりも、小さい加圧力で済む。また、多段形状の成形性を向上させることができる。
【0089】
また、本実施形態では、多段形状がピラミッド形状になっている例について説明したが、これに限らない。以下、上記実施形態とは異なる変形例について、図8を用いて説明する。
【0090】
(第1変形例)
図8は、本発明に係る回路基板の第1変形例を示す図である。図8(a)は、図2(a)に対応する液晶表示装置における回路基板3Aを拡大して示す要部拡大平面図であり、図8(b)は、図8(a)におけるB−B線矢視断面図である。なお、図8(a)においては、便宜上、導体140の本体部の一部(3段形状の部分)がメッキ層144から露出している状態を示している。図8において、図2と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0091】
図8に示すように、本変形例の回路基板3Aにおいて、導体140は、3段の多段形状を有しており、ベース基板30の上に配置された第1の段141と、第1の段141の上に配置されるとともに平面視において第1の段141よりも面積が小さい第2の段142と、第2の段142の上に配置されるとともに平面視において第2の段142よりも面積が小さい第3の段143と、を有するものである。この導体140は、ベース基板30の面内に平行に複数設けられており、互いに間隔を空けて配置されている。また、導体140は平面視においてY方向に延在している。具体的には、平面視において、第1の段141がY方向に延在しており、第2の段142及び第3の段143が矩形になっている。そして、平面視において、第1の段141の一方の端部、第2の段142の一方の端部、及び第3の段143の一方の端部が互いに接して形成されている。これにより、導体140の3段形状は階段形状になっている。
【0092】
このような構成においても、接続時の端子間の接触不良を解消して良好な導電接続状態を確保するとともに、端子の微細ピッチ化やプリント基板の省スペース化を図ることができ、さらに第1端子140と第2端子19との接点となる箇所が容易に判別可能となる。
【0093】
また、上記実施形態では、平面視において、第2の段及び第3の段が矩形になっている例を示したが、これに限らない。例えば、平面視において、第2の段及び第3の段が円形、楕円形であってもよいし、三角形や五角形などの多角形であってもよい。すなわち、第2の段及び第3の段の平面視形状は必要に応じて適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0094】
1…液晶表示装置(接続構造体)、3…回路基板、10…接続基板、30…ベース基板、35…接着部材、40,140…導体、41,141…第1の段、41A,141A…導体基材、42,142…第2の段、43,143…第3の段、44,144…メッキ層、50…第1のプレス型、50A…第2のプレス型、50B…第3のプレス型、51…多段形状に対応する凹部、51A…第2の段に対応する凹部、51B…第3の段に対応する凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板と、
前記ベース基板の上に設けられた3段以上の多段形状を有する第1端子と、を有し、
前記第1端子は、前記ベース基板の上に配置された第1の段と、前記第1の段の上に配置されるとともに平面視において前記第1の段よりも面積が小さい第2の段と、前記第2の段の上に配置されるとともに平面視において前記第2の段よりも面積が小さい第3の段と、を有することを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記第1端子のうち少なくとも前記第3の段が、本体部と、該本体部の表面に設けられるとともに前記本体部と異なる材料からなるメッキ層と、を有することを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記第1端子が4段以上の多段形状を有してなり、かつ、前記第3の段が前記ベース基板から最も離れた位置に配置されるとともに4段以上の段が前記第1の段よりも前記ベース基板に近い位置に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の回路基板と、
前記第1端子に対応する第2端子が設けられた接続基板と、
前記回路基板と前記接続基板との間に設けられ、前記第1端子と前記第2端子とが導電接触している状態を保持する絶縁性の接着部材と、を有し、
前記第1端子のうち少なくとも前記第3の段が潰れた状態になっていることを特徴とする接続構造体。
【請求項5】
前記接着部材が、前記第1端子のうち少なくとも潰れた状態の前記第3の段を除いた領域における前記第1の段と前記第2端子との間に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の接続構造体。
【請求項6】
ベース基板に3段以上の多段形状を有する第1端子が設けられた回路基板を、前記第1端子に対応する第2端子を有する接続基板上に接続してなる接続構造体の製造方法であって、
第1の段と、平面視において前記第1の段よりも面積が小さい第2の段と、平面視において前記第2の段よりも面積が小さい第3の段と、を前記ベース基板の上にこの順に備える前記第1端子を形成する第1の工程と、
前記第1端子と前記第2端子とが導電接触するように前記回路基板と前記接続基板とを互いに接合する方向に加圧する第2の工程と、
前記回路基板と前記接続基板とを分離させ、前記第3の段が潰れた状態であるか否かを判定する第3の工程と、
前記第3の段が潰れた状態であるか否かの判定結果に基づいて、前記第1端子のうち少なくとも前記第3の段が潰れた状態になるときの、前記回路基板と前記接続基板との加圧条件を調整する第4の工程と、
前記加圧条件の調整結果に基づいて、前記回路基板と前記接続基板とを互いに接合する方向に加圧させる第5の工程と、
を有することを特徴とする接続構造体の製造方法。
【請求項7】
前記第1の工程において、少なくとも前記第3の段が、本体部と、該本体部の表面に設けられるとともに前記本体部と異なる材料からなるメッキ層と、を有するように前記第1端子を形成し、
前記第3の工程における前記第3の段が潰れた状態であるか否かの判定は、前記メッキ層が破れて前記本体部が露出した状態であるか否かに基づいて行うことを特徴とする請求項6に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項8】
前記第1の工程において、前記ベース基板の上に導電材料からなる導電層を配置し、前記導電層に対して、前記多段形状に対応する凹部が形成された第1のプレス型を押圧することによって、前記第1の段、前記第2の段、及び前記第3の段を一括して形成することを特徴とする請求項6または7に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項9】
前記第1の工程において、前記ベース基板の上に導電材料からなる導電層を配置し、前記導電層に対して、前記第2の段に対応する凹部が形成された第2のプレス型と、前記第3の段に対応する凹部が形成された第3のプレス型と、を順次押圧することによって、前記第1の段、前記第2の段、及び前記第3の段をそれぞれ分けて形成することを特徴とする請求項6または7に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項10】
前記第3の工程における前記第3の段が潰れた状態であるか否かの判定は、光の散乱の有無に基づいて行うことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項11】
前記第3の工程における前記第3の段が潰れた状態であるか否かの判定は、目視により行うことを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−146500(P2011−146500A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5649(P2010−5649)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】