説明

回転弁アセンブリ

弁(100)が、上部本体部分(20)および下部本体部分(30)を有する弁ハウジングと、概ね球形の弁部材(50)とを含む。上部(20)および下部(30)本体ハウジングセクションは、弁部材(50)とその弁の中心軸線とを収容するための内部チャンバ(16)を画定する。概ね球形の弁部材は、その弁部材の中を貫通して延びる軸穴(52)を有する。弁アセンブリは、開位置と閉位置との間で弁部材(50)を移動させるための、カムローブ(60a、60b)作動的に弁部材(50)と、上部弁本体部分(20)と作動的に関連しているカムピン(22)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に封止機構の分野に関し、および、さらに特に、様々な用途で使用するための小型の弁アセンブリに関し、この小型の弁アセンブリは、カム機構によって開位置と閉位置との間で容易に移動させられる弁部材を含む。
【背景技術】
【0002】
ボール弁が当業者に公知であり、および、様々な用途と産業とにおいて一般的に使用されている。典型的には、流体の流れを制御することに関係する用途では、孔あきボール弁が選択される。孔あきボール弁では、中を貫通して形成されている流れ孔すなわち流路を有する概ね球形の弁部材が、弁ハウジング内で回転運動するように配置されている。この弁の動作または機能が、2つの段階に分けられる。第1に、このボールは90度にわたって回転することによって開位置と閉位置との間で移動し、したがって孔すなわち流路が、流れの方向と同軸である方向配置から、すなわち、その弁が開いている時から、ボール孔がその流れ方向に対して直角すなわち垂直である位置に移動する。第2に、そのボール弁は、そのボール弁を横断する孔の中を通る流れを防止するために閉位置において封止する。したがって、そのボール弁を通過する流れのオン/オフ制御が、弁ハウジング内でボールを90度回転させることによって実現される。
【0003】
従来技術のボール弁では、ボール(すなわち、弁部材)の回転が、典型的には、弁ハウジングから突き出しかつ弁の流れの軸線に対して垂直な軸線を中心として回転するように構成されているアクチュエータ機構によって生じさせられる。このような弁は、Hotton他に対する米国特許第6,695,285号に開示されている。
【0004】
幾つかの欠点がこのタイプのボール弁に関連している。例えば、この弁の横壁からのアクチュエータの延長部分が扱いにくく、および、このアクチュエータに対する空間上の制限と物理的アクセスとが重要である用途の場合には望ましくない。さらに、このタイプのボール弁におけるアクチュエータは、そのボール弁が完全開位置から完全閉位置との間で移動するために、少なくとも90度にわたって回転すなわち旋回させられなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、小型で、信頼性が高く、開位置と閉位置との間で容易に移動させられ、かつ、最小限の量の回転運動によって作動させられる弁/シール機構を提供することが有益だろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願は、例えば医療、消費者向け飲料、調剤容器、自動車、家庭用電気器具、船舶のような様々な用途での使用に適合化されている弁/シールアセンブリに関する。この開示されている弁は、特に、上部本体部分および下部本体部分と概ね球形の弁部材とを有する弁ハウジングを含む。このハウジングの上部および下部本体部分は、弁部材とその弁のための中心軸線とを収容するための内部チャンバを画定する。このハウジングは、さらに、上部および下部本体部分内にそれぞれに形成されている互いに軸線が一致している入口孔と出口孔とを有する。
【0007】
概ね球形の弁部材は弁ハウジングの内部チャンバ内に据え付けられており、および、その弁部材の中を貫通して延びる軸穴を有する。この弁部材は、その弁部材の軸穴が弁ハウジングの入口孔および出口孔と軸線が一致している開位置と、弁部材の軸穴が弁ハウジングの入口孔および出口孔と軸線が一致していない閉位置との間で移動するように取り付けられている。この弁部材が、弁ハウジングの上部本体部分が下部本体部分に対して相対的に中心軸線を中心として約57度から約77度の間で回転させられる時に、開位置と閉位置との間で移動することが好ましい。弁部材が、弁ハウジングの上部および下部本体部分によって画定された中心軸線に対して垂直に延びる軸線を中心として内部チャンバ内で軸線周りに回転するように装着されていることが、現時点で想定されている。
【0008】
弁部材が、弁が閉位置にある時に弁ハウジング内に形成されている弁座に封止状に係合するようになっている封止面を含むことが好ましい。弁によって計量供給される流体または空気に圧力が加えられる用途では、弁部材の封止面は、中に配置されたOリングを有する環状の凹みを含むようになっている。
【0009】
弁部材は、さらに、弁ハウジングの上部本体部分が下部本体部分に対して中心軸線を中心として相対的に回転させられる時に開位置と閉位置との間で弁を移動させるための、弁ハウジングと弁部材とに作動的に関連している機構を含む。好ましい実施態様では、弁アセンブリを駆動するこの機構はカム機構である。
【0010】
この実施形態では、このカム機構は、弁部材の外側表面上に形成されているカム表面と、弁ハウジングの上部本体部分の内側表面上に形成されているカムピンとを含む。弁部材の外側表面上に形成されているカム表面が、互いに一定の角度をなして形成されている1対のカムローブによって画定されているということが想定されている。このカムローブの形状は弓形または直線であることが可能である。
【0011】
本発明のさらに別の実施態様では、カム機構は、弁部材の外側表面上に形成されている少なくとも1つの弓形の凹みと、カムの凹みと係合するように弁ハウジングの上部本体部分の外側表面上に形成されているカムピンとを含む。
【0012】
好ましい実施態様では、弁アセンブリのためのハウジングは、弁を入れ物または管と係合させるための、入口孔に関連している手段を含む。これに加えて、必要に応じて、弁ハウジングは、弁を入れ物または管と係合させるための、出口孔に関連している手段を含むことが可能である。
【0013】
弁部材の孔の中に収容されているか、または、弁が上に固定されている入れ物もしくは容器の中に収容されている物質の純度を確保するための改ざん防止機能を弁が含むことを必要とする用途では、弁は、さらに、その弁がすでに開かれているかどうかの視覚的表示を提供するための、弁ハウジングの外側に係合した破砕性リングを含む。あるいは、この代わりに、または、これと組み合わせて、弁は、その弁がすでに開かれているかどうかの視覚的表示を同様に提供するための、弁の内部チャンバに中に挿入されている破砕性の封止ディスクを含むことが可能である。この封止ディスクは、さらに、その最初の使用まで、弁の2次シールとしても機能する。この実施態様では、弁部材が、弁が開かれる時に封止ディスクに穿孔するための機構を含むことが想定されている。例えば、弁が閉位置から開位置に移動させられる時に封止ディスクを切断する鋭い突起が、弁部材の底部上に形成されることが可能である。
【0014】
別の実施態様では、弁部材の軸穴は、弁が閉位置にある時に製品を受け取って保管するように適合化され構成されている。例えば、賞品または小さい景品がその軸穴の中に保管されて、その弁が開かれる時に出現させられてもよい。さらに、その弁が水筒に取り付けられることが可能であり、および、その弁の軸穴が、その弁が開かれる時に水の中に落下させられるビタミンまたは栄養食品を収容することが可能である。
【0015】
さらに、下部本体部分に対する相対的な弁ハウジングの上部本体部分の軸線周りの回転を容易にするための、弁ハウジングに関連している機構を含むことが可能である。
【0016】
別の実施態様では、複数の流路が弁部材の中に形成されており、および、この複数の流路は、弁が閉位置にある時に流体または空気がその複数の流路を通ってその弁を横断するように、軸穴に対して垂直な軸線に沿ってその弁部材の中を貫通して延びる。
【0017】
本開示は、さらに、特に、弁ハウジングと、この弁ハウジングに作動的に関連している細長いカニューレスリーブ(cannula sleeve)と、弁ハウジング内に画定されている内部チャンバ内に配置されている概ね球形の弁部材と、弁部材を開位置と閉位置との間で移動させるための弁ハウジングと弁部材とに作動的に関連している機構とを含む、外科用アクセス装置にも関する。
【0018】
弁ハウジングは、弁部材を収容するための内部チャンバと弁座とを画定する。互いに軸線が一致している入口孔と出口孔とがハウジング内に形成され、および、弁の外部から内部チャンバに延びる。
【0019】
弁ハウジングに作動的に関連している細長いカニューレスリーブは、弁ハウジングの入口孔および出口孔と軸線が一致している縦軸線を画定する、そのカニューレスリーブを貫通して延びる細長い通路を有する。開示されている実施態様では、このカニューレスリーブは、弁ハウジングに関連しているカニューレハウジングから垂れ下がる。このカニューレハウジングが弁ハウジングに着脱自在に連結されることが可能であることが想定されている。
【0020】
概ね球形の弁部材は弁ハウジング内に据え付けられており、および、この弁部材を貫通して延びる軸穴を有する。この弁部材は、開位置と閉位置との間で移動するように取り付けられている。開位置では、弁部材の軸穴は、カニューレスリーブの細長い通路と弁ハウジングの入口孔と出口孔とに対して軸線が一致している。閉位置では、弁部材の軸穴は、カニューレスリーブの細長い通路と弁ハウジングの入口孔と出口孔とに対して垂直に延びる。弁部材が、弁ハウジングの互いに軸線が一致している入口孔と出口孔とに対して垂直に延びる軸線を中心として弁の内部チャンバ内を軸線周りに回転するように取り付けられることが想定されている。
【0021】
弁部材が凸状の封止面を含み、および、弁部材が閉位置にある時に、この封止面が弁ハウジングの入口孔と軸線が一致していることが現時点で想定されている。気密シールを必要とする代案の実施態様では、弁部材の封止面は、中に配置されたOリングを有する環状の凹みを含む。
【0022】
好ましい実施態様では、弁部材を移動させる機構は、弁部材の外側表面上に形成されているカム表面と、弁部材のカム表面に対して相対的に移動するように取り付けられているカムピンとを含む。このカムピンが、弁ハウジング上に支持されておりかつカニューレスリーブの縦軸線を中心として回転するように取り付けられている駆動リングから半径方向に内方に延びることが好ましい。この駆動リングの回転が、弁ハウジングの弁座の中での弁部材の対応する回転を生じさせる。
【0023】
開示されている外科用アクセス装置の実施態様では、弁部材の外側表面上に形成されているカム表面は、互いに一定の角度をなして弁部材の回転軸線に対して方向配置されている1対のカムローブによって画定されている。
【0024】
別の実施態様では、弁部材を開位置と閉位置との間で移動させるための、弁ハウジングと弁部材とに作動的に関連している機構は、弁部材の外側表面上に形成されている少なくとも1つの弓形の凹みと、このカム凹みと係合するための、弁ハウジングの内側表面上に形成されているカムピンとを含む。
【0025】
この外科用アクセス装置が、さらに、弁座に隣接して位置している膜シールを含み、この膜シールがカニューレスリーブの細長い通路と軸線が一致している開口を有することが現時点で好ましい。この開口は、この開口の中を外科用器具が通過することを可能にするように寸法決定されている。
【0026】
当業者は、開示されている弁アセンブリの構成要素、または、その一部分が、プラスチック、ゴム、金属、または、複合材料のような、任意の剛体の、半剛体の、硬質の、または、半硬質の材料で製造されてよいということを容易に理解するだろう。さらに、医療用途においては、弁アセンブリはチタンまたは類似の生体適合性の材料で作られることが可能である。
【0027】
さらに、概ね球形の弁部材は、より密着したシールを実現するために弁座との締まり嵌めを有するように形成されることが可能である。弁部材または弁座をわずかに真円でないように形成することによって、より密着したシールが生じさせられ、および、より大きな力が弁を開くために必要とされる。
【0028】
さらに、入れ子式のノズルまたはスリーブが弁部材の軸穴の中に配置されることが可能であり、および、その弁が開位置に移動させられる時に、そのノズルまたはスリーブが弁入口の外に延びることも想定されている。この特徴は、例えば飲料容器またはガソリン容器のような様々な用途で有用である。
【0029】
さらに、本発明の弁アセンブリがステップモータに連結され、および、それによって遠隔操作されることが可能であることが想定されている。
【0030】
本出願が関連する分野の当業者が、本発明の外科用アクセス装置と弁アセンブリとを製作し使用する方法をより容易に理解するように、以下では、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の弁アセンブリと外科用アクセス装置とのこれらの特徴とその他の特徴とが、好ましい実施形態の次の詳細な説明から、より容易に当業者に明らかになるだろう。
【0032】
さて、同じ参照番号が本発明の類似の構造要素または特徴を識別する図面を参照すると、図1には、参照番号100によって全体的に示されている本発明による弁アセンブリが図示されている。弁アセンブリ100は、例えば医療、消費者向け飲料、調剤容器、自動車、家庭用電気器具、船舶のような様々な用途での使用に適合化されている。弁100は、特に、上部本体部分20と下部本体部分30とを有する弁ハウジング10と、概ね球形の弁部材50とを含む。ハウジング10の上部本体部分20と下部本体部分30は、弁部材50を収容するための内部チャンバ16と、その弁のための中心軸線「X」とを画定する。ハウジング10は、さらに、上部本体部分20と下部本体部分30との中にそれぞれに形成されている、互いに軸線が一致している入口孔12と出口孔14とをそれぞれ有する。
【0033】
概ね球形の弁部材50は弁ハウジングの内部チャンバ16内に据え付けられており、その弁部材の中を貫通して延びる軸穴52を有する。この弁部材50は、ハウジング10の内部チャンバ16内において開位置と閉位置との間で移動するように取り付けられている。図3aは、開位置の弁アセンブリ100を示し、この図では、弁部材50の軸穴52は、弁ハウジング10の入口孔12および出口孔14と軸線が一致している。同様に、図3cが閉位置の弁アセンブリ100を示し、この図では、弁部材50の軸穴52は弁ハウジング10の入口孔12および出口孔16に対して軸線が一致していない。図3bは、中間位置にある弁アセンブリ100の詳細を示す。図3aから図3cでは弁アセンブリ100が容器62の首部の上に取り付けられた形で示されているということに留意されたい。
【0034】
図3aから図3cの参照を続けると、弁部材100は、ハウジングの上部本体部分20が下部本体部分30に対して相対的に約57度から約77度の間で中心軸線「X」を中心として回転させられる時に、開位置と閉位置との間で移動する。弁部材100は、弁ハウジング10の上部および下部本体部分20/30によって画定された中心軸線「X」に対して垂直に延びる軸線「Y」(図3bを参照されたい)を中心として内部チャンバ内で軸線周りに回転するように取り付けられている。
【0035】
弁部材50は、弁が閉位置にある時に、ハウジング10内に形成されている環状の弁座18に封止状に係合するようになっている封止面54を含む。弁アセンブリによって計量供給される流体または空気に対して圧力が加えられる用途では、弁部材50の封止面54は、中に配置されたOリング(図示されていない)を有する環状の凹み56(図2を参照されたい)を含む。
【0036】
直径方向に互いに反対側に位置するピボットピン58(一方のピンだけが図2に示されている)が、弁部材50の軸線周りの回転を容易にするために、ハウジング10の下部本体部分30内に形成されている直径方向に互いに反対側に位置する凹み32a、32の中に収容されるように、弁部材50の表面から半径方向に外方に延びる。
【0037】
カム機構が、図3aの開位置と図3cの閉位置との間で弁部材50を移動させるために、弁ハウジング10と弁部材50とに作動的に関連している。このカム機構は、弁部材50の外側表面上に形成されているカムローブ60a、60bと、このカムローブと協働するようにハウジング10の上部本体部分20の内側表面から半径方向に内方に延びるカムピン22とを含む。さらに詳細に後述されるように、弁アセンブリは、弁ハウジングの上部本体部分の上に係合させられている駆動リングを備えることが可能である。この実施形態では、カムピンは、その駆動リングが弁部材を駆動するようにその駆動リングに関連させられることが可能である。
【0038】
再び図3bを参照すると、カムローブ60a、60bは、互いに一定の角度をなして弁部材50の回転軸線「Y」に対して方向配置されている。各々のカムローブ60a、60bは、カムピン32と相互に作用する前端61a、61bを有する。この相互作用は、上部本体部分20が弁アセンブリ100の縦軸線Xを中心として回転させられる時に弁部材50の移動を容易にする。弁部材50が開位置と閉位置との間で移動させられる時に、弁部材50は、図3bに示されているように、弁部材50のピボットピン58を通って延びるピボット軸「Y」を中心として回転させられる。
【0039】
当業者は、カムローブ60a、60bの代わりに、単一の弓形の凹みまたは1対の凹みが弁部材50の外側表面内に形成されることが可能であるということを容易に理解するだろう。この実施形態では、カムピン22が1つまたは複数のカム凹みの中に延び、かつ、ハウジング10の2つの本体部分20/30が互いに対して相対的に軸線周りに回転する時に、開位置と閉位置との間で弁部材を移動させるように、カムピン22の長さが選択されるだろう。
【0040】
図2と図3を参照すると、弁アセンブリ100の下部本体部分30は、入れ物(例えばビン、容器等)、管等に関連している対応する雄ユニファイ並目ねじと係合するための、その下部本体部分上に形成されている雌ユニファイ並目ねじ34を有する。これらのねじの回転係合を容易にするために、リブ付き面36がハウジング10の下部本体部分30の外側表面上に設けられている。
【0041】
水圧試験が、上述の弁アセンブリに類似した弁アセンブリに対して行われた。弁全体が硬質の熱可塑性プラスチックから製造され、および、Oリングシールを含まなかった。カムローブは、開位置と閉位置との間で弁を移動させるために67度の回転が必要とされるように形成された。この弁の軸穴の直径は約19.05mm(約3/4in)だった。1.8288m(6ft)の水位が、弁出口に固定された9.525mm(3/8in)の管を通してその弁に加えられた。弁の漏洩は観察されず、したがって、弁アセンブリのこの実施形態が20.684kPa(3psi)(最小)の圧力の流体を封止することが可能であるという結論が得られた。
【0042】
次に図4を参照すると、この図には、参照番号200によって全体的に示されている本発明の弁アセンブリの別の実施形態が図示されている。弁200は弁アセンブリ100に構造と動作において類似している。しかし、弁アセンブリ100とは違って、弁アセンブリ200は、弁アセンブリ200のハウジング(すなわち、上部および下部本体部分220、230)と係合させられるようになっている破砕性リングを含む。この破砕性リング270は、弁が以前に開けられているかどうかの視覚的表示を与えるために、弁アセンブリ200に追加されている。破砕性リング270は、上部および下部本体部分が互いに相対的に回転させられる時にリング270が破壊されるように、ハウジングの上部および下部本体部分220、230の周りに成形されている。この改ざん防止機能は、例えば弁が消費者向け飲料と共に使用される用途において有用だろう。
【0043】
次に、参照番号300によって示されている本発明の弁アセンブリのさらに別の実施形態を図示する図5を参照する。弁300は構造および動作において弁アセンブリ100に類似している。しかし、弁100とは異なって、弁300は、ハウジングの下部本体部分によって部分的に画定されている内部チャンバ316内に位置している破砕性の封止ディスク370を含む。この破砕性封止ディスク370は、改ざん防止機能としての役割を果たし、および、弁アセンブリ300のための追加のシールを提供する。この実施形態では、弁部材350は、その外側表面上に形成されている形状突起364を有する。弁部材350が開位置から閉位置に回転させられる時に、その突起364は封止ディスク370に穿孔して、弁部材350が閉位置に戻される時に流体または空気が弁部材350の中を通って流れることを可能にする。
【0044】
次に図6と図7とを参照すると、これらの図は、参照番号400によって全体として示されている本発明の弁アセンブリのさらに別の実施形態を図示する。弁アセンブリ400は構造と動作とにおいて弁アセンブリ100に類似している。これらの図に示されているように、弁アセンブリ400は、容器465の首部462にねじ込み式に係合させられている。弁アセンブリ400の上部部分420と係合するキャップ488が設けられている。上述した弁アセンブリと同様に、弁部材450は、その弁部材内に形成されている軸穴452を有し、この軸穴452は、弁部材450が開位置にある時に弁アセンブリ400の中を通って流体または空気が流れることを可能にする。さらに、この軸穴452は、例えば景品、チケット、ビタミン栄養食品、または、薬剤のような、製品453または流体を受け入れて保管するようになっている。この実施形態では、保管中に容器の中に製品が落下することを防止するために、図5に関して開示した弁アセンブリに類似した弁アセンブリの中に封止ディスクを挿入することが有利だろう。あるいは、代替案として、着脱可能なシールが容器462の口の上に配置されることが可能である。
【0045】
次に、弁400に関する別の用途を図示する図8と図9を参照する。図8では、弁400が管アセンブリ472の末端上に取り付けられている。管アセンブリ472は、2つの末端コネクタ474a、474bと、細長い管476とを含む。末端コネクタ474aは、容器465の首部にねじ込み式に係合させられており、および、管476が入れ子式に容器465の中に出入りすることを可能にするようになっている中心孔を含む。弁アセンブリ400は、弁が開位置にある時に流体が容器465から管アセンブリ472を通過して弁400の外に流れ出ることが可能であるように、末端コネクタ474bに係合している。
【0046】
図9は、容器465の首部462上に取り付けられている弁アセンブリ400を図示する。弁アセンブリ400は、軸穴552の中に挿入されたストローアセンブリ572を有する開位置で示されている。ストローアセンブリ572は、ストロー576と栓部材574とを含む。栓部材574は外周Oリング575を有し、および、弁400の入口孔に封止状に係合するようになっている。
【0047】
次に図10を参照すると、この図10は、参照番号500で全体的に示されている本発明の弁アセンブリのさらに別の実施形態を図示する。この図に示されているように、弁アセンブリ500は、2つの容器565a、565bの間の流れを計量供給するために使用されている。これらの容器の間の流路は、上部導管アセンブリ572aと、下部導管アセンブリ572bと、弁アセンブリ500とを含む。この導管アセンブリは容器565a、565bと弁アセンブリ500との間に封止状に係合されている。
【0048】
弁アセンブリ500は構造と機能とにおいて弁アセンブリ100に類似している。しかし、弁アセンブリ100とは違って、弁アセンブリ500は、弁部材を開位置と閉位置との間で移動させるように、弁アセンブリ500の下部本体部分530に対する相対的な上部本体部分520の回転を容易にする、アクチュエータアーム528a−528dを含む。Oリング525が、構成要素の連結部分を封止しかつ流路からの漏洩を防止するために設けられている。
【0049】
次に図11と図12とを参照すると、これらの図には、人工肛門袋アセンブリ665と組み合わせて使用される弁アセンブリ600が図示されている。この人工肛門袋アセンブリ665は、袋667と、近位リング669と、遠位リング671とを含む。近位リング669は、袋667に封止状に係合させられる外側フランジを有する。2つの保持ピン675a、675bが近位リング669の内径上に形成されている。これらのピン675a、675bは、弁アセンブリ600内に形成されている対応する係合凹み629a、629bの中に挿入され、および、近位リング669に弁アセンブリ600を固定する。同様に、遠位リング671は、患者の身体の表面に固定されており、弁アセンブリ600内に形成されている対応する係合凹み631a(図示されていない)、631bの中に挿入される保持ピン673a、673bを含む。弁アセンブリ600には、必要に応じて患者が開位置と閉位置との間で弁を移動させることを可能にするアクチュエータアーム628が備えられている。
【0050】
次に図13を参照すると、この図には、本発明の別の実施形態にしたがって構成されておりかつ参照番号700で示されている弁アセンブリを含むシャワーヘッドが図示されている。この場合も同様に、弁アセンブリ700は構造と動作とにおいて上記で開示された弁に類似しているが、上記の弁とは違って、弁アセンブリ700は、弁部材750内に形成されている複数の流路753を有する。
【0051】
流路753は、弁部材が閉位置にある時に流体が複数の流路753の中を通って弁を横断するように、軸穴752に対して垂直な軸線に沿って延びる。したがって、弁アセンブリ700が開位置にある時には、単一の水噴流がシャワーヘッドアセンブリから放出され、および、弁アセンブリ700が閉位置にある時には、水が流路753から流れる。Oリングシール755a、755bとOリングシール757a、757bとが、弁が開位置と閉位置とのそれぞれにある時にその弁を適正に封止するために、軸穴752の末端と流路753の末端の両方に設けられている。
【0052】
図13に示されているシャワーヘッドは、さらに、Oリングシール792を使用して弁アセンブリ700の上部部分720に封止状に係合する制御リング790を備えている。この制御リング790は、その内側表面上に形成されている駆動ピン722を有する。この駆動ピン722は、弁アセンブリ700の上部部分720内に形成されているスロット721の中を通って突き出し、および、弁部材750形成されたカムローブ760a、760bと係合する。したがって、弁アセンブリ700の下部本体部分730に対する制御リング790の相対的な回転が、弁部材を開位置と閉位置との間で移動させる。
【0053】
当業者は、上述のシャワーヘッドアセンブリが流体ではなく空気供給を計量供給するための使用に適合化されることが可能であるということを理解するだろう。
【0054】
次に、燃料タンクの入口862内に配置されている本発明にしたがって構成されている弁アセンブリ(参照番号800によって示されている)を図示する図14を参照する。この用途における弁アセンブリ800の使用が、着脱自在のガスキャップの排除を可能にし、かつ、弁を開くためには駆動リング890の約67度の回転だけしか必要としない。弁部材の軸穴852が、標準的な燃料ポンプノズル855を受け入れるようになっているだろう。
【0055】
次に図15と図16を参照すると、これらの図には、本発明の好ましい実施形態にしたがって構成されておりかつ参照番号900によって全体的に示されている外科用器具が図示されている。
【0056】
最小侵襲手術処置が、一般的に、トロカールまたは栓塞子を使用して患者の身体内に形成された小さい入口切り口を通して挿入された細い管またはカニューレの中を外科用器具を通過させることによって行われる。例えば、腹腔鏡手術処置が、腹壁の中に形成されている小さい切り口を通して腹腔内で行われる。腹腔鏡手術中には、腹腔内の重要器官から離れるように腹壁または腹膜を持ち上げ、それによって手術が行われるべき適切な区域を用意するために、腹腔内に注入ガスが送り込まれる。
【0057】
腹腔鏡手術中には、腹腔の大気整合性(atmospheric integrity)を維持し、したがって手術部位のための注入ガスの脱出を防止することが必要である。したがって、外科用器具がカニューレ内に存在している時と、外科用器具がカニューレから取り出される時とに、注入ガスの脱出を防止するために、外科用器具の中を貫通する管状の通路がぴったりと封止されるように、シールアセンブリがカニューレ内に設けられることが一般的である。例えば、外科用器具が中を通過させられる時に強制的に開かれることが可能な孔またはスリットを有するエラストマーシール部材を使用することが公知である。このシール部材は、外科用器具がカニューレ内に存在する時と存在しない時との注入ガスの脱出を防止する。こうしたシールの使用に関して欠点が知られている。特に、外科用器具がその孔またはスリットの中を強制的に通過させられる時に、その孔またはスリットが破断し、したがって、カニューレスリーブからの注入ガスの脱出を防止することに関してそのシールを無効にする可能性がある。
【0058】
したがって、後述するように、外科用器具900は、その外科用器具の不在時に注入ガスがカニューレの中を通って脱出することを防止するために、本発明の弁アセンブリを備えている。外科用器具900は、アクセス装置として、さらに明確に述べると、最小侵襲的な外科処置中に患者の身体の中に外科用器具を挿入することを容易にするための装置として使用されることが意図されている。本発明の外科用器具900を通して患者の身体内に挿入される外科用器具は、例えば、クリックアプライア(clip applier)、グラスパ(grasper)、ディセクタ(dissector)、レトラクタ(retractor)、ステープラ(stapler)、レーザファイバ、写真撮影装置、内視鏡、腹腔鏡、管等を含むことが可能である。
【0059】
外科用器具すなわちアクセス装置900は、外科用器具を受け入れるための入口孔912を有する基部の弁ハウジング910を含む。この弁ハウジング910は、概ね球形の弁部材950を収容するための概ね半球形の内部チャンバ916を特に画定する上部本体部分920と下部本体部分930とを含む。内部チャンバ916は、入口孔912と軸線が一致している弁ハウジング910の出口孔914と連通する。弁ハウジング910は下部カニューレハウジング980と作動的に関連している。弁ハウジング910とカニューレハウジング980とがポリカーボネート材料で形成されていることが好ましい。
【0060】
細長いカニューレスリーブ982がカニューレハウジング980から遠位に延びる。カニューレスリーブ982は、その中を貫通して延びる細長い通路984を有し、この細長い通路984は照合記号「X」で示されている縦方向の軸線を画定する。通路984は、弁ハウジング910の入口孔912と出口孔914とに軸線が一致している。カニューレスリーブ982は、ステンレススチール、または、ポリカーボネート材料等のような別の適切な硬質材料で形成されてよい。入口導管986が、注入ガスがカニューレスリーブ982の中を通過して患者の体腔の中に入ることを可能にするために、カニューレハウジング980の中に組み込まれている。入口導管986は止め栓を含むことが可能であるが、この止め栓は図示されていない。
【0061】
弁部材950は、ポリカーボネート材料で形成されることが好ましく、および、カニューレスリーブ982の縦軸線に対して垂直に延びる軸線を中心として内部チャンバ916内を軸線周りに回転するように取り付けられている。直径方向に互いに反対側に位置しているピボットピン958(図16には一方だけしか示されていない)が、弁部材950の軸線周りの回転を容易にするために、直径方向に互いに反対側に位置している凹み932a、932bの中に収容されるように、弁部材950の表面から半径方向に外方に延びる。軸穴952が弁部材950の中を通って延び、および、凸状の封止表面954が、軸穴952から間隔を置いて弁部材950上に設けられている。
【0062】
弁部材950は、開位置と閉位置との間で移動するように取り付けられている。図17aに示されている弁部材950の開位置では、軸穴952は、カニューレスリーブ982の細長い通路984と、弁ハウジング910の入口孔912および出口孔914とに対して軸線が一致している。図17cに示されている弁部材950の閉位置では、軸穴952は、カニューレスリーブ982の細長い通路984に対して垂直に延び、かつ、封止面954が弁ハウジング910の入口孔912に対して軸線が一致している。
【0063】
上記の実施形態に関して説明したように、カム機構が、図17aの開位置と図17cの閉位置との間で弁部材950を移動させるために、弁ハウジング910と弁部材950とに作動的に関連している。このカム機構は、弁部材950の外側表面上に形成されているカムローブ960a、960bと、これらのカムローブと協働するように上部ハウジング部分/駆動リング920の内側表面から半径方向に内方に延びるカムピン922とを含む。上述したように、カムローブ960a、960bの前端はカムピン922と相互作用する。この相互作用は、駆動リング920がカニューレスリーブ982の縦軸線「X」を中心として回転させられる時に弁部材950の移動を容易にする。弁部材950が開位置と閉位置との間で移動させられる時に、図3bに示されているように、この弁部材950は、弁部材950のピボットピン958を通って延びるピボット軸線「Y」を中心として回転させられる。
【0064】
駆動リング920は、弁ハウジング910の近位端部上に回転自在に取り付けられており、かつ、弁ハウジング910の下部本体部分930の外側上に形成されている環状の案内表面938と協働する、直径方向に互いに反対側に位置しかつ軸方向に内方に延びる案内リブ924を含む。停止表面940が、カニューレスリーブ982の縦軸線に対する相対的な上部本体部分/駆動リング920の回転運動を制限する。
【0065】
溝付き操作ノブ990が駆動リング920と協働的に係合している。この操作ノブ990は入口孔992を含み、この入口孔992はカニューレスリーブ982の軸方向通路984と軸線が一致しており、かつ、弁ハウジング910の入口孔912を部分的に画定する。駆動リング920と操作ノブ990との係合が、操作ノブ990の内側空洞内に形成されている対応する1対の直径方向に互いに反対側に位置する内側凹み994a、994bに対する、駆動リング920上の1対の直径方向に互いに反対側に位置しかつ半径方向に外方に延びる係合タブ926(一方のタブだけしか図16に示されていない)の連結によって実現される。代替案の構造的手段が、駆動リング920の容易な操作を可能にするために設けられてもよい。
【0066】
フランジ942が、操作ノブ990が回転させられる時に、てこの作用を外科医に提供するために、弁ハウジング910の下部部分930から半径方向に外方に突き出す。弁ハウジング910は、さらに、内部チャンバ916に隣接して位置しておりかつ環状の凹みの中に保持されている膜シール996を含む。膜シール996は、弁ハウジング910の出口孔912とカニューレスリーブ982の通路984とに軸線が一致している中央のスリット付き開口998を有する。中央開口998は、その中央開口の中を外科用器具が通過することを可能にするように寸法決定され形状構成されている。膜シール996は、外科用器具がその中に存在しておりかつ弁部材950が開位置にある時にアクセス装置900からの注入ガスの脱出を防止するのに役立つだろう。
【0067】
次に図18と図19を参照すると、これらの図には、本発明の外科用アクセス装置の別の実施形態の斜視図が示されており、この外科用アクセス装置は参照番号1000で示されており、および、着脱自在な弁ハウジング1010を含む。さらに明確に述べると、図5に最も適切に見ることができるように、弁ハウジング1010はカニューレハウジング1080に着脱自在に連結されている。このことが、弁ハウジングが必要とされない処置の遂行中に、外科医がカニューレハウジング1080を使用することを可能にするだろう。さらに、このことは、外科医が手術部位から標本を容易に取り外すことを可能にするだろう。図示されているように、この弁ハウジング1010とカニューレハウジング1080との着脱自在な関係が、これらの間のねじ込み式の連結によって容易化される。本開示内容の範囲内において代替の連結構成が想定される。
【0068】
本発明の弁アセンブリと、この弁アセンブリを含む外科用アクセス装置とが、好ましい実施形態に関して説明されてきたが、当業者は、添付されている特許請求項によって定義される通りの本発明の着想と範囲とから逸脱することなしに、これらの好ましい実施形態に対して変更と変型とが加えられてよいということを容易に理解するだろう。
【0069】
さらに、本発明の弁アセンブリは、上述されていない別の用途において使用されることが可能である。例えば、この弁は、栓を不要にするために、流しの水抜き穴の中に設置されることが可能である。あるいは、この弁は、ボートの船体の貫通を封止するために使用される大型の栓(bung)または栓の代わりに使用されることが可能である。さらに、この弁は、ハンドクリーム、練り歯磨き等のキャップの代わりに使用されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施形態にしたがって構成されている弁アセンブリの斜視図である。
【図2】図2は、説明を容易にするために部品が分離されている、図1の弁アセンブリの上方からの分解斜視図である。
【図3】図3は、説明を容易にするために部品が分離されている、図1の弁アセンブリの下方からの分解斜視図である。
【図4】図4は、説明を容易にするために部品が分離されている、弁が破砕性リングを含む、本発明の弁アセンブリの別の実施形態の分解斜視図である。
【図5】図5は、説明を容易にするために部品が分離されている、ハウジングの内部チャンバ内に配置されている封止ディスクを弁が含む、本発明の弁アセンブリの別の実施形態の分解斜視図である。
【図6】図6は、弁アセンブリが飲料容器と係合しておりかつキャップと係合するようになっっている、本発明の別の実施形態にしたがって構成されている弁アセンブリの斜視図である。
【図7】図7は、説明を容易にするために部品が分離されている、弁部材内に形成されている穴の中に景品が保管されている、本発明の別の実施形態にしたがって構成されている弁アセンブリの斜視図である。
【図8】図8は、容器と流体連通している管の末端上に弁アセンブリが取り付けられている、本発明の別の実施形態にしたがって構成されている弁アセンブリの斜視図である。
【図9】図9は、弁アセンブリが容器上に取り付けられており、かつ、開いた弁の内側にストローアセンブリが位置している、本発明のさらに別の実施形態にしたがって構成されている弁アセンブリの斜視図である。
【図10】図10は、2つの容器の間に配置されている弁を図示する、本開示内容の弁アセンブリの斜視図である。
【図11】図11は、人工肛門袋と共に使用するようになっている、本開示内容の弁アセンブリの斜視図である。
【図12】図12は、説明を容易にするために部品が分離されている、図11の弁アセンブリの斜視図である。
【図13】図13は、説明を容易にするために部品が分離されている、中央穴に対して垂直に弁を貫通して延びる複数の流路を弁部材が含む、本明細書で開示されている弁アセンブリの別の実施形態の分解斜視図である。
【図14】図14は、弁が自動車燃料タンクにおいて使用される、本発明の弁アセンブリの別の用途の斜視図である。
【図15】図15は、本発明の好ましい実施形態にしたがって構成されている外科用アクセス装置の斜視図である。
【図16】図16は、説明を容易にするために部品が分離されている、図15の外科用アクセス装置の分解斜視図である。
【図17a】図17aは、弁部材が開位置で示されており、かつ、弁部材の軸穴が弁の互いに軸線が一致している入口孔および出口穴と軸線が一致している、図15の外科用アクセス装置の一部を形成する、弁ハウジングの部分断面斜視図である。
【図17b】図17bは、弁部材が図17aの開位置から図17cの閉位置に移行している途中の、本発明の弁ハウジングの部分断面斜視図である。
【図17c】図17cは、弁部材の軸穴が弁ハウジングの互いに軸線が一致している入口孔と出口穴とに対して垂直に方向配置されているように、弁部材が閉位置で配置されている、本発明の弁ハウジングの部分断面斜視図である。
【図18】図18は、着脱自在な弁ハウジングを含む、本発明の外科用アクセス装置の別の実施形態の斜視図である。
【図19】図19は、説明を容易にするために弁ハウジングがカニューレハウジングから分離されている、図18の外科用アクセス装置の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁アセンブリであって、
a)上部本体部分と下部本体部分とを有する弁ハウジングであって、前記上部本体部分と前記下部本体部分は、弁部材を収容するための内部チャンバと、前記弁のための中心軸線とを画定し、および、前記上部本体部分と前記下部本体部分との中にそれぞれに形成されている互いに軸線が一致している入口孔と出口孔とを有する弁ハウジングと、
b)前記弁ハウジングの前記内部チャンバの中に据え付けられており、かつ貫通する軸穴を有する概ね球形の弁部材であって、前記弁部材は、前記弁部材の前記軸穴の軸線が前記弁ハウジングの前記入口孔および前記出口孔に一致している開位置と、前記弁部材の前記軸穴の軸線が前記弁ハウジングの前記入口孔および前記出口孔に一致していない閉位置との間で移動するように取り付けられている弁部材と、
c)前記弁ハウジングと前記弁部材とに作動的に関連している手段であって、前記手段は、前記ハウジングの前記上部本体部分が前記下部本体部分に対して相対的に前記中心軸線を中心として回転させられる時に、前記開位置と前記閉位置との間で前記弁部材を移動をさせるためのものである手段と、
を備える弁アセンブリ。
【請求項2】
前記開位置と前記閉位置との間で前記弁部材を移動させるための、前記弁ハウジングと前記弁部材とに作動的に関連している前記手段は、カム機構を含む請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項3】
前記カム機構は、前記弁部材の外側表面上に形成されているカム表面と、前記ハウジングの前記上部本体部分の内側表面上に形成されているカムピンとを含む請求項2に記載の弁アセンブリ。
【請求項4】
前記弁部材の前記外側表面上に形成されている前記カム表面は、互いに一定の角度をなして形成されている1対の弓形カムローブによって画定されている請求項3に記載の弁アセンブリ。
【請求項5】
前記カム機構は、前記弁部材の前記外側表面上に形成されている少なくとも1つの弓形の凹みと、前記カムの凹みと係合するように前記ハウジングの前記上部本体部分の前記内側表面上に形成されているカムピンとを含む請求項2に記載の弁アセンブリ。
【請求項6】
前記弁部材は、前記弁ハウジングの前記上部本体部分と前記下部本体部分とによって画定されている前記中心軸線に対して垂直に延びる軸線を中心として、前記内部チャンバ内で軸線周りに回転するように取り付けられている請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記弁を入れ物または管と係合させるための、前記入口孔に関連している手段を含む請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項8】
前記ハウジングは、前記弁を入れ物または管と係合させるための、前記出口孔に関連している手段を含む請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項9】
前記弁部材は、前記弁が前記閉位置にある時に前記ハウジング内に形成されている弁座に封止状に係合するようになっている封止面を含む請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項10】
前記弁部材の前記封止面は、中に配置されているOリングを有する環状の凹みを含む請求項9に記載の弁アセンブリ。
【請求項11】
前記弁部材は、前記弁アセンブリが前記閉位置にある時に前記弁座との締まり嵌めを生じさせるように前記弁座の内半径よりも大きい外半径を有する請求項9に記載の弁アセンブリ。
【請求項12】
前記弁がすでに開かれているかどうかの視覚的表示を提供するための、前記弁ハウジングの外側に係合させられている破砕性のリングをさらに備える請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項13】
前記弁がすでに開かれているかどうかの視覚的表示を提供するための、前記弁の前記内部チャンバの中に挿入されている破砕性の封止ディスクをさらに備え、および、前記弁部材は、前記弁が開かれる時に前記ディスクに穿孔するための手段を含む請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項14】
前記弁部材の前記軸穴は、前記弁が閉位置にある時に製品を受け入れて保管するように適合化され構成されている請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項15】
前記上部本体部分に対する相対的な前記ハウジングの前記下部本体部分の軸線周りの回転を容易にするための、前記弁ハウジングに関連している手段をさらに備える請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項16】
前記弁が前記閉位置にある時に流体または空気が複数の流路を通って前記弁を横断するように、複数の流路が、前記弁部材の中に形成されており、かつ、前記軸穴に対して直角である軸線に沿って前記弁部材の中を貫通して延びる請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項17】
前記ハウジングの前記上部本体部分が前記下部本体部分に対して相対的に約57度から約77度の間で前記中心軸線を中心として回転させられる時に、前記弁部材は前記開位置と前記閉位置との間で移動する請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項18】
前記弁部材の前記軸穴の中に配置されている入れ子式のノズルまたはスリーブをさらに備える請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項19】
外科用アクセス装置であって、
a)弁部材を収容するための弁座を画定し、かつ、互いに軸線が一致している入口孔と出口孔とを有する弁ハウジングと、
b)前記弁ハウジングと作動的に関連しており、かつ、前記弁ハウジングの前記入口孔および前記出口孔に対して軸線が一致している縦軸線を画定する貫通して延びる細長い通路を有する細長いカニューレスリーブと、
c)前記弁ハウジングの中に据え付けられており、かつ貫通して延びる軸穴を有する概ね球形の弁部材であって、前記弁部材は、前記弁部材の前記軸穴の軸線が前記カニューレスリーブの前記細長い通路と前記弁ハウジングの前記入口孔および前記出口孔とに対して一致している開位置と、前記弁部材の前記軸穴の軸線が前記カニューレスリーブの前記細長い通路と前記弁ハウジングの前記入口孔および前記出口孔とに対して垂直に延びる閉位置との間で移動するように取り付けられている弁部材と、
d)前記開位置と前記閉位置との間で前記弁部材を移動させるための、前記弁ハウジングと前記弁部材とに作動的に関連している手段と、
を備える外科用アクセス装置。
【請求項20】
前記弁部材は、前記弁ハウジングの互いに軸線が一致している前記入口孔と前記出口孔とに対して垂直に延びる軸線を中心として、前記弁座内で軸線周りに回転するように取り付けられている請求項19に記載の外科用アクセス装置。
【請求項21】
前記弁部材を移動させる前記手段は、前記弁部材の外側表面上に形成されているカム表面と、前記弁部材の前記カム表面に対して相対的に移動するように取り付けられているカムピンとを含む請求項19に記載の外科用アクセス装置。
【請求項22】
前記カムピンは前記弁ハウジング上に支持されておりかつ前記カニューレスリーブの前記縦軸線を中心として回転するように取り付けられている駆動リングから半径方向に内方に延び、および、前記駆動リングの回転が、前記弁ハウジングの前記弁座内での前記弁部材の対応する回転を生じさせる請求項21に記載の外科用アクセス装置。
【請求項23】
前記弁部材の前記外側表面上に形成されている前記カム表面は、互いに一定の角度をなして前記弁部材の前記回転軸線に対して方向配置されている1対のカムローブによって画定されている請求項22に記載の外科用アクセス装置。
【請求項24】
前記外科用アクセス装置は、さらに、前記弁座に隣接して位置している膜シールを含み、前記膜シールは、外科用器具が中を通過することを可能にするように寸法決定されている、前記カニューレスリーブの前記細長い通路と軸線が一致している開口を有する請求項19に記載の外科用アクセス装置。
【請求項25】
前記カニューレスリーブは、前記弁ハウジングに関連しているカニューレハウジングから垂れ下がっている請求項19に記載の外科用アクセス装置。
【請求項26】
前記カニューレハウジングは前記弁ハウジングに着脱自在に連結されている請求項25に記載の外科用アクセス装置。
【請求項27】
前記弁部材は凸状の封止面を含み、この凸状の封止面は、前記弁部材が前記閉位置にある時に前記弁ハウジングの前記入口孔と軸線が一致している請求項19に記載の外科用アクセス装置。
【請求項28】
前記開位置と前記閉位置との間で前記弁部材を移動させるための、前記弁ハウジングと前記弁部材とに作動的に関連している前記手段は、前記弁部材の前記外側表面上に形成されている少なくとも1つの弓形の凹みと、前記カム凹みと係合するための、前記ハウジングの前記内側表面上に形成されているカムピンとを含む請求項19に記載の外科用アクセス装置。
【請求項29】
前記弁部材は、前記弁が前記閉位置にある時に、前記ハウジング内に形成されている前記弁座に封止状に係合するようになっている封止面を含む請求項19に記載の外科用アクセス装置。
【請求項30】
前記弁部材の前記封止面は、中に配置されているOリングを有する環状の凹みを含む請求項29に記載の外科用アクセス装置。
【請求項31】
弁アセンブリであって、
a)弁部材を収容するための弁座を画定し、かつ、互いに軸線が一致している入口孔と出口孔とを有する弁ハウジングと、
b)前記弁ハウジングの中に据え付けられており、かつ貫通して延びる軸穴を有する概ね球形の弁部材であって、前記弁部材は、前記弁部材の前記軸穴の軸線が前記弁ハウジングの前記入口孔および前記出口孔とに対して一致している開位置と、前記弁部材の前記軸穴の軸線が前記弁ハウジングの前記入口孔および前記出口孔とに対して一致していない閉位置との間で移動するように取り付けられている弁部材と、
c)前記開位置と前記閉位置との間で前記弁部材を移動させるための、前記弁ハウジングと前記弁部材とに作動的に関連しているカム手段と、
を備える弁アセンブリ。
【請求項32】
前記弁部材は、前記弁ハウジングの互いに軸線が一致している前記入口孔と前記出口孔とに対して垂直に延びる軸線を中心として、前記弁座内で軸線周りに回転するように取り付けられている請求項31に記載の弁アセンブリ。
【請求項33】
前記弁部材を移動させる前記カム手段は、前記弁部材の外側表面上に形成されているカム表面と、前記弁部材の前記カム表面に対して相対的に移動するように取り付けられているカムピンとを含む請求項32に記載の弁アセンブリ。
【請求項34】
前記カムピンは、前記弁ハウジング上に支持されておりかつ前記互いに軸線が一致している前記入口孔と前記出口孔とに対して相対的に軸線周りに回転するように取り付けられている駆動リングから半径方向に内方に延び、および、前記駆動リングの回転が、前記弁ハウジングの前記弁座内での前記弁部材の対応する回転を生じさせる請求項33に記載の弁アセンブリ。
【請求項35】
前記弁部材の前記外側表面上に形成されている前記カム表面は、互いに一定の角度をなして前記弁部材の前記回転軸線に対して方向配置されている1対のカムローブによって画定されている請求項33に記載の弁アセンブリ。
【請求項36】
前記開位置と前記閉位置との間で前記弁部材を移動させるための、前記弁ハウジングと前記弁部材とに作動的に関連している前記手段は、カム機構を含む請求項31に記載の弁アセンブリ。
【請求項37】
前記カム機構は、前記弁部材の前記外側表面上に形成されている少なくとも1つの弓形の凹みと、前記カムの凹みと係合するように前記ハウジングの前記内側表面上に形成されているカムピンとを含む請求項31に記載の弁アセンブリ。
【請求項38】
前記ハウジングは、前記弁を入れ物または管と係合させるための、前記入口孔に関連している手段を含む請求項31に記載の弁アセンブリ。
【請求項39】
前記ハウジングは、前記弁を入れ物または管と係合させるための、前記出口孔に関連している手段を含む請求項31に記載の弁アセンブリ。
【請求項40】
前記弁部材は、前記弁が前記閉位置にある時に前記ハウジング内に形成されている弁座に封止状に係合するようになっている封止面を含む請求項31に記載の弁アセンブリ。
【請求項41】
前記弁部材の前記封止面は、中に配置されているOリングを有する環状の凹みを含む請求項37に記載の弁アセンブリ。
【請求項42】
前記弁がすでに開かれているかどうかの視覚的表示を提供するための、前記弁ハウジングの外側に係合させられている破砕性のリングをさらに備える請求項31に記載の弁アセンブリ。
【請求項43】
前記弁がすでに開かれているかどうかの視覚的表示を提供するための、前記弁の前記内部チャンバの中に挿入されている破砕性の封止ディスクをさらに備え、および、前記弁部材は、前記弁が開かれる時に前記ディスクに穿孔するための手段を含む請求項31に記載の弁アセンブリ。
【請求項44】
前記弁部材の前記軸穴は、前記弁が閉位置にある時に製品を受け入れて保管するように適合化され構成されている請求項31に記載の弁アセンブリ。
【請求項45】
前記上部本体部分に対する相対的な前記ハウジングの前記下部本体部分の前記軸線周りの回転を容易にするための、前記弁ハウジングに関連している手段をさらに備える請求項31に記載の弁アセンブリ。
【請求項46】
前記弁が前記閉位置にある時に流体または空気が複数の流路を通って前記弁を横断するように、前記軸穴に対して直角である軸線に沿って前記弁部材の中を貫通して延びる複数の流路が、前記弁部材の中に形成されている請求項31に記載の弁アセンブリ。
【請求項47】
前記ハウジングの前記上部本体部分が前記ハウジングの前記下部本体部分に対して相対的に約57度から約77度の間で前記中心軸線を中心として回転させられる時に、前記弁部材は前記開位置と前記閉位置との間で移動する請求項31に記載の弁アセンブリ。
【請求項48】
前記弁部材は、前記弁アセンブリが前記閉位置にある時に前記弁座との締まり嵌めを生じさせるように前記弁座の内半径よりも大きい外半径を有する請求項31に記載の弁アセンブリ。
【請求項49】
前記弁部材の前記軸穴の中に入れ子式のノズルまたはスリーブをさらに備える請求項31に記載の弁アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17a】
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【図17b】
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【図17c】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2007−517166(P2007−517166A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533529(P2006−533529)
【出願日】平成16年5月28日(2004.5.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/017177
【国際公開番号】WO2004/106782
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(505441649)アクシアル テクノロジーズ リミティド (1)
【Fターム(参考)】