説明

回転式操作装置

【課題】設置スペースとして広い奥行き幅を必要とせず、操作ノブの操作フィリグの優れた空調用コントロール装置等の回転式操作装置を提案することを目的とすること。
【解決手段】前面パネル41に配設された操作ノブ42の回転操作に連動して回転する回転シャフ45と、当該回転シャフト45に設けたはすば歯車45cに噛み合う内歯車50bを設け、前記回転シャフト45の回転による前記はすば歯車45cの駆動により揺動する揺動レバー50と、前記揺動レバー50は、内歯車50bを形成する孔部50aを設けると共に、所定の下り勾配として第1ベース46に取り付ける第2ベース47内に、第2ベース47の勾配角度で前傾姿勢として揺動可能に設けると共に、当該揺動レバー50に連結し、揺動レバー50の前傾姿勢方向と略同じ方向に引き出し空調ユニットに連結するコントロールケーブル51とを設けた構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作ノブの回動操作にしたがう駆動力をコントロールケーブルを介して外部装置に伝達し、外部装置を動作制御する回転式操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の回転式操作装置としては様々なものがあるが、一例として自動車などの車両に装備される空調用コントロール装置について説明する。
図10は、車両に装備される空調用コントロール装置の原理構成図を示し、この空調用コントロール装置(第1従来例)の場合、前面パネル11に配設された操作ノブ12の回転軸13に傘歯車14が設けられ、この傘歯車14には扇形歯車15が噛合させてある。
そして、扇形歯車15には、支軸16に回動可能に軸支させた揺動レバー17を設け、揺動レバー17の一端部と空調ユニット18とをコントロールケーブル19によって連結されている。
【0003】
上記した空調用コントロール装置の場合、操作ノブ12の回動操作により、傘歯車14の回動力が扇形歯車15に伝達され、したがって、揺動レバー17が支軸16を中心に旋回し、コントロールケーブル19を押し出し、また、押し戻して空調ユニット18を動作制御する。
【0004】
上記の空調用コントロール装置では、コントロールケーブル19を連結する揺動レバー17の先端部から支軸16までの距離にある程度の長さを設けなければ、空調ユニット18を動作制御するためのストロークが確保できない。
そのため、揺動レバー17が奥行きに向かって長くなり、広い設置スペースが必要になると言う問題がある。
【0005】
そこで、上記の問題を解決するために、図11、図12に示すような空調用コントロール装置(第2従来例)が既に提案されている。
この空調用コントロール装置は、前面パネル20に配設された操作ノブ21の回転シャフト22がベース23に回動可能に軸支されおり、また、この回転シャフト22の先端部側には平歯車24が設けられている。
なお、回転シャフト22の中間の拡径軸部22aには、節度孔に内装したスプリング25と小球26を設け、また、拡径軸部22aを囲むベース23の筒状部内に設けた複数の凹部を設け、小球26が凹部に落ち込んで節度感を与える節度部が設けられている。
【0006】
また、ベース23の後面には揺動軸27によって軸支された揺動レバー28が配設されている。
この揺動レバー28は、図12より分かるように、扇形状をなし、その基部が揺動軸27により軸支され、上記回転シャフト22の回転軸心に対し直交する方向に揺動旋回するようになっている。
上記揺動レバー28には、扇形に形成された内孔29が設けられており、この内孔29の弧状の上内面には平歯車からなる内歯車30が設けられ、この内歯車30に回転シャフト22の平歯車24が噛合している。
【0007】
さらに、揺動レバー28には上方に延びた延設部31を設け、この延設部31に2つのワイヤ連結ピン32、33が設けてある。
なお、延設部31の先端部をベース後面に設けたガイド34内に挿入し、揺動レバー28の揺動動作をガイドするようになっている。
また、ワイヤ連結ピン32または33に連結したコントロールケーブル35を介して空調ユニット36を動作制御するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−53045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記した第2従来例の空調用コントロール装置は、揺動レバー28が操作ノブ21の回転シャフト22に対し直交する方向に揺動し、コントロールケーブル35を押し出し、また、引き戻す構成であるので、図10に示した第1従来例の揺動レバー17のように奥行き方向に出っ張らない。
したがって、奥行きの広い設置スペースを必要としない空調用コントロール装置となる。
【0010】
しかしながら、第2従来例の空調用コントロール装置の場合、揺動レバー28に連結したコントロールケーブル35を、揺動レバー28の揺動方向、つまり、操作ノブ21の回転シャフト22に直交する方向に引き出し、さらに、空調用コントロール装置のほぼ後方に配置される空調ユニット36の連結部に向かって曲げて配策しなければならない。
このことから、コントロールケーブル35の配策R(アール)が小さくなり、アウターケーブルに対するインナーケーブルの摺動抵抗が増加し、ワイヤのスムースな動作が阻害される。
このため、操作ノブ21の操作フィーリングが良くない空調用コントロール装置となる。
【0011】
本発明は上記した実情に鑑み、設置スペースとして広い奥行き幅を必要とせず、操作ノブの操作フィリグの優れた空調用コントロール装置等に適する回転式操作装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記した目的を達成するために、第1の発明として、前面パネルに回転操作可能に配設された操作ノブの回転操作に連動して回転する回転シャフトと、当該回転シャフトに設けた第1歯車に噛み合う第2歯車を設け、前記回転シャフトの回転に連動する前記第2歯車の回動により揺動する揺動レバーと、当該揺動レバーに連結し、外部装置を制御するコントロールケーブルとを備えた回転式操作装置において、前記揺動レバーは、前記第2歯車として内歯車を形成した孔部を有する幅広の枠板として形成し、かつ、前記孔部内で前記第1歯車を第2歯車に噛合させると共に、その板面を前傾姿勢で揺動可能に配置したことを特徴とする回転式操作装置を提案する。
【0013】
第2の発明としては、上記第1の発明の回転式操作装置において、前記第1歯車をはすば歯車、前記第2歯車を平歯車として構成したことを特徴とする回転式操作装置を提案する。
【0014】
第3の発明としては、上記第1または第2の発明の回転式操作装置において、
前記回転シャフトを回転可能に保持する第1ベースと、前記揺動レバーの後面側を覆うと共に、揺動軸を設けて揺動レバーを揺動可能に保持する第2ベースとを備え、前記第2ベースを前記第1ベースに固着し、回転シャフトを揺動レバーの孔部に通して前記第1歯車を揺動レバーの第2歯車に噛合させる構成としたことを特徴とする回転式操作装置を提案する。
【0015】
第4の発明としては、上記第3の発明に記載した回転式操作装置において、前記第2ベースには、少なくとも前記揺動レバーの外周側を覆うカバー部材を設けたことを特徴とする回転式操作装置を提案する。
【0016】
第5の発明としては、上記第3または第4の発明の回転式操作装置において、前記第2ベースには、前記回転シャフトの後端側を支持させる支持部を設けたことを特徴とする回転式操作装置を提案する。
【0017】
第6の発明としては、上記第3または第4の発明の回転式操作装置において、前記第2ベースには、前記回転シャフトを支持させる支持軸を設けたことを特徴とする回転式操作装置を提案する。
【0018】
第7の発明としては、上記第3乃至第6の発明のいずれかの回転式操作装置において、前記コントロールケーブルは、インナーケーブルと、当該インナーケーブルを摺動自在に内装するアウターケーブルとより形成し、インナーケーブルの一端部は、前傾配置した前記揺動レバーの上半部分に連結し、アウターケーブルの一端部は、前記揺動レバーの下半部分に当たる前記第2ベースに設けたケーブル保持部に固着する構成とした回転式操作装置を提案する。
【0019】
第8の発明としては、上記第5の発明の回転式操作装置において、前記第2ベースには、前記揺動レバーの前傾角度に平行させた第2傾斜取付部を、前記第1ベースには、前記揺動レバーの前傾角度に平行させた第1傾斜取付部を各々設け、これら第1、第2傾斜取付部を接合させて第2ベースを第1ベースに組付けることを特徴とする回転式操作装置を提案する。
【発明の効果】
【0020】
第1の発明の回転式操作装置は、揺動レバーが操作ノブの回動操作に連動して揺動動作するが、この揺動レバーが前傾姿勢で揺動することから、一端部を揺動レバーに連結したコントロールケーブルを揺動レバーの揺動面方向、つまり、揺動レバーの前傾角度方向にしたがう回転式操作装置の後方に引き出すことができる。
【0021】
この結果、コントロールケーブルを介して動作制御する外部装置が回転式操作装置の後方位置やその近くに設置されている場合でも、コントロールケーブルの配策R(アール)が小さくならないから、コントロールケーブルの摺動抵抗が増加せず、操作フィリングの良好な回転式操作装置となる。
また、この回転式操作装置によれば、揺動レバーが奥行き方向に張り出さないので、広い設置スペースを必要としない。
【0022】
第2の発明の回転式操作装置によれば、回転シャフトに設けた第1歯車をはすば歯車、揺動レバーに設けた第2歯車を平歯車とする簡単な構成によって、前傾姿勢の揺動レバーを駆動することができる。
【0023】
第3の発明の回転式操作装置は、揺動レバーを前傾姿勢で揺動可能とする揺動軸を第2ベースに設けたので、回転シャフトとは軸方向が異なる揺動軸を第1ベースに設けなくともよいから、第1ベースの構成が簡単化され、また、前傾させる揺動レバーの軸受け構成が簡単となる。
【0024】
第4の発明の回転式操作装置によれば、第2ベースには、少なくとも前記揺動レバーの外周側を覆うカバー部材を設けた構成としたので、歯車部分に塗布されたグリスが組み立て作業時に第2カバーから漏れ出て作業者に付着することが防止でき、また、歯車部分に付着する塵の侵入を防ぎ、長期にわたって良好な操作フィリングを保つことができる。
【0025】
第5の発明の回転式操作装置は、第2ベースには、前記回転シャフトの後端側を支持させる支持部を第2ベースに設け、回転シャフトを第1ベースと第2ベースとで挟持して保持する構成としたので、回転シャフトが第1ベースから外れて後方に脱落することを防止するための爪構造を回転シャフトに設けなくともよく、この結果、回転シャフトを短くすることができるので、その分、装置全体の奥行き長さを短くすることができ、装置全体の小型化に有利となる。
【0026】
第6の発明の回転式操作装置は、第2ベースには、揺動レバーを前傾に軸支する揺動軸と、回転シャフトの後端側を支持する支持軸を設けたので、揺動レバーと回転シャフトとを第2ベースに予め組み付けた集合部品状態で第1ベースに組み付ける構成とすることができる。
このようにすれば、第1歯車と第2歯車とを所定の位置で噛み合わせることができるなど作業が容易となり、組み付け性が向上する。
【0027】
第7の発明の回転式操作装置は、インナーケーブルの一端部を前傾配置の揺動レバーの上半部分に連結し、アウターケーブルの一端部を揺動レバーの下半部分に当たる第2ベース部分に設けたケーブル保持部に固着する構成としたので、コントロールケーブルを回転式操作装置の斜め後方に引き出すことができる。
この結果、曲げアールを小さくしないでコントロールケーブルの配策が可能になる。
【0028】
第8の発明の回転式操作装置は、第2ベースに、揺動レバーの前傾角度に平行させた第2傾斜取付部を、第1ベースには、揺動レバーの前傾角度に平行させた第1傾斜取付部を各々設け、これら第1、第2傾斜取付部を接合させて第2ベースを第1ベースに組み付ける構成としたので、揺動レバーの前傾角度を変えた他の回転式操作装置を製造する場合には、第1ベースの第1傾斜取付部の傾斜角度を変えるだけで製造できるので、第2ベースの設計変更を要しないから、製造コストの低減化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態として示した空調用コントロール装置の正面図である。
【図2】上記した空調用コントロール装置の側面図である。
【図3】上記した空調用コントロール装置の背面図である。
【図4】図1図上のA−A線断面図である。
【図5】上記した空調用コントロール装置の分解斜視図である。
【図6】第2ベースを取り外して内部構成を示した上記空調用コントロール装置の部分的な拡大背面図である。
【図7】第2ベースと揺動レバーを取りはずして内部構成を示した上記空調用コントロール装置の部分的な拡大背面図である。
【図8】図7同様の空調用コントロール装置の部分的な拡大斜視図である。
【図9】回転シャフトと揺動レバーとを第2ベースに組み付けた状態を示す上記空調用コントロール装置に備える集合部品の斜視図である。
【図10】第1従来例として示した空調用コントロール装置の原理構成図である。
【図11】第2従来例として示した空調用コントロール装置の断面図である。
【図12】上記第2従来例の部分的な背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に係る回転式操作装置を車両に備える空調用コントロール装置として実施した実施形態について図面に沿って説明する。
図1は空調用コントロール装置の正面図、図2は当該空調用コントロール装置の側面図、図3は当該空調用コントロール装置の背面図、図4は図1上のA−A線断面図、図5は上記空調用コントロール装置の分解斜視図である。
【0031】
これらの図面において、41は前面パネルで、この前面パネル41には各々の操作ノブ42、43、44が回転操作可能に配設してある。
具体的には、操作ノブ42は温度調整用の操作ノブで、この操作ノブ42の回転操作にしたがう駆動力がコントロールケーブルを介して空調ユニットに伝達され温度調整される。
操作ノブ43は送風量調整用の操作ノブで、この操作ノブ42の回転操作にしたがって回転スイッチが切り換えられて送風フアンの回転速度が制御される。
操作ノブ44は送風モード切り換え用の操作ノブで、この操作ノブ44の回転操作にしたがう駆動力がコントロールケーブルを介して空調ユニットに伝達され送風モードが切り換えられる。
【0032】
このように、操作ノブ43は回転スイッチを切り換え動作させるものであるが、操作ノブ42、44はケーブル駆動機構を備えて空調ユニットを動作制御するようになっている。
なお、操作ノブ42のケーブル駆動機構と操作ノブ44のケーブル駆動機構は同じ構成であるので、以下の説明では操作ノブ42のケーブル駆動機構について詳細に説明する。
【0033】
操作ノブ42は、図4、図5に示すように、回転シャフト45のノブ連結部45aに連結してあり、操作ノブ42の回転操作により回転シャフト45が一体的に回転するようになっている。
回転シャフト45は、前面パネル41に固着された第1ベース46の円筒部46aを通して回転可能に軸支させてあり、この回転シャフト45が前面パネル41の板面に対し直交する後方向に延設してある。
【0034】
詳しくは、回転シャフト45の前側寄りに設けた鍔45bの周囲を第1ベース46の円筒部46aの孔縁に形成したリング溝46bに嵌合させ、さらに、第2ベース47に設けられ回転シャフト45の軸方向と直交する平面よりなる支持部47kから突設された支持軸47aを回転シャフト45の後端から軸挿させ、回転シャフト45の後端を支持部47kで支持することで、第1ベース46と第2ベース47とで回転シャフト45を回転自在に挟持するようにしてある。
そして、回転シャフト45には、図5に示す如く、鍔45bと先端部との間にはすば歯車(第2歯車)45cが設けてある。
【0035】
なお、回転シャフト45の前側部には、図5より分かるように、スプリング48のばね勢力で節度穴45dより突出させた小球49と、この小球49を上記円筒部46a内面に形成した波状凹凸部46cに当接させて節度感を与える節度機構が設けてある。
【0036】
一方、第2ベース47内には、揺動レバー50が設けてある。
この揺動レバー50は、図5、図6に示すように、ほぼ扇形とした幅広の枠板で、これには扇形に沿った孔部50aを形成し、この孔部50aの弧状内面には、平歯車なる内歯車50bが設けてある。
なお、図6は第2ベースを取り外して内部構成を示した空調用コントロール装置の部分的な拡大背面図である。
【0037】
この揺動レバー50の孔部50aには、上記したところの回転シャフト45を挿入させ、そのはすば歯車45cを内歯車50bに噛合させてある。
また、揺動レバー50の扇形の基部には軸孔50cを設け、この軸孔50cには第2ベース47に設けた揺動軸47bを軸挿し、この揺動レバー50がその揺動軸47bを中心に揺動するようになっており、さらに、揺動レバー45の弧状外周面にはコントロールケーブル51のインナーケーブルを連結するための連結舌片50dが突出形成してある。
【0038】
他方、第2ベース47は、図2、図4に示す通り、第1ベース46に対し所定の角度の下り勾配となるように固着してある。
第2ベース47は、背面板部47cと周囲のカバー部47dとを一体形成したもので、その背面板部47cの内面には、既に述べたところの支持軸47aと揺動軸47bとが突出形成してある。(図5参照)
【0039】
そして、支持軸47aは回転シャフト45の回転軸心方向に直立させてあるため、背面板部47cの板面に対し、90゜−θの角度で直立している。
なお、θは第1ベース46の垂直面に対する第2ベース47の勾配角である。
また、揺動軸47bは背面板部47cの板面に対し直角向きに突出させてある。
つまり、揺動軸47bが回転シャフト45に対し横方向に傾けた状態となっている。
したがって、揺動軸47bによって軸支された揺動レバー50が、第2ベースの背面板部47cの勾配角と同じ角度の前傾角度で取り付けられ、前傾姿勢で揺動するようにしてある。
【0040】
上記した第2ベース47は、第1ベース46にねじ止めすることによって固着してある。
すなわち、図6〜図8に示したように、第1ベース46には揺動レバー50の前傾角度とした傾斜取付部46d、46eを設け、第2ベース47には先端が揺動レバー50の前傾角度とした傾斜面となった揺動軸47bと同様の傾斜面に設けたねじ孔47e(図9参照)を設け、第1ベース46の前面からこれら傾斜取付部46d、46eに小ねじを差し入れ、第2ベース47の揺動軸47bとねじ孔47eにねじ込んで固着してある。
なお、図7は第2ベースと揺動レバーを取りはずして内部構成を示した空調用コントロール装置の部分的な拡大背面図、図8は図7同様の空調用コントロール装置の部分的な拡大斜視図である。
【0041】
また、第2ベース47を第1ベース46に固着すると、揺動レバー50は、第1ベース46に第2ベース47の背面板部47cと平行となるように螺旋状に起立させた支持部46fと、第2ベース47の背面板部47cに設けたレール状の支持部47fとの間に挟持されてガイドされ、揺動軸47bを支軸として揺動可能に配置される。
なお。図5、図9より分かる通り、第2ベース47のカバー部47dには所定の長さに切欠部47gを形成し、この切欠部47gより揺動レバー50の連結舌片50dを突出させてある。
また、第2ベース47を第1ベース46に組付ける場合、支軸部47aの回りに設けた位置決め片47iを第1ベース46のリング部周囲に設けた位置決め凹溝46hに突入させ、第2ベース47の取り付け位置を決めようにしてある。(図5〜図8参照)
【0042】
さらには、上記の切欠部47gの近くにはコントロールケーブル51の保持部47hが第2ベース47と一体形成してある。
保持部47hは、揺動レバー50の連結舌片50dに対して、揺動レバー50の揺動面に沿って後方に位置するように配置される。
すなわち、コントロールケーブル51のアウターケーブルの一端部を上記の保持部47hに保持させ、そのインナーケーブルの一端部を揺動レバー50の連結舌片50dに連結してあり、このコントロールケーブル51を介して空調ユニットを動作制御する構成としてある。
【0043】
他方、上記の如く、第2ベース47を第1ベース46に組付ける場合には、図9に示すように、回転シャフト45を支持軸47aに、揺動レバー50を揺動軸47bに各々軸着して予め集合部品を形成し、この集合部品を第1ベース46に組付けるようにすれば、組付けに便利である。
つまり、第2ベース47上で回転シャフト45と揺動レバー50の組付けができ、回転シャフト45のはすば歯車45cと揺動レバー50の内歯車50bとを所定の位置で噛み合わせることができて作業が容易となる。
【0044】
上記のように構成した操作ノブ42のケーブル駆動機構は、操作ノブ42の回転操作にしたがって回転シャフト45が回転し、したがって、はすば歯車45cの回転駆動力によって揺動レバー50の内歯車50bが連動される。
したがって、揺動レバー50が揺動軸47bを支軸として操作ノブ42の回転方向と回転量にしたがって揺動するから、揺動レバー50の連結舌片50dに連結したコントロールケーブル51のインナーケーブルが押し出され、また、引き戻され、空調ユニットの温度調整が行われる。
【0045】
以上の通り、インナーケーブルを連結する揺動レバー50の連結舌片50dに対しアウターケーブルを保持する第2ベース47の保持部47hが後方位置となるので、図2〜図4などから分かるように、コントロールケーブル51を斜め後方に引き出すことができる。
この結果、空調ユニットが空調用コントロール装置の真後ろ、或いは、その近くに配設されても、コントロールケーブル51を配策する曲げアールが小さくならないから、操作フィリングの良好な空調用コントロール装置となる。
その上、揺動レバー50が後方に張り出さないから、奥行き方向に広い設置スペースを必要としない空調用コントロール装置となる。
【0046】
操作ノブ44のケーブル駆動機構は、上記した操作ノブ42のケーブル駆動機構と同じ構成となっており、図5に示すように、第1べース46と第2ベース52とで挟持保持する回転シャフト53、揺動レバー54、第2ベース52に設けた支持軸52aと揺動軸52b並びに保持部52hと、コントロールケーブル55などを備えた構成としてある。
なお、図5に示した符号46gは揺動レバー50の揺動を許容する逃げ凹部、符号56は操作レバー43に連動させた回転スイッチ、符号57は配線基板である。
【0047】
なお、本実施形態においては、操作ノブ44を回転シャフト53に直結し、操作ノブ44の回転操作に従う駆動力を直接、回転シャフト53に伝達するように構成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、操作ノブ44の回転駆動力を歯車等を介して回転シャフト53に伝達して、回転シャフト53を回転させるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
車両に備える空調用コントロール装置などとして利用する回転式操作装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0049】
41 前面パネル
42 操作ノブ
45 回転シャフト
45c はすば歯車
46 第1ベース
47 第2ベース
47a 支持軸
47b 揺動軸
47c 背面板部
47d カバー部
47g 切欠部
47h 保持部
50 揺動レバー
50a 孔部
50b 内歯車
50c 軸孔
50d 連結舌片
51 コントロールケーブル















【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面パネルに回転操作可能に配設された操作ノブの回転操作に連動して回転する回転シャフトと、
当該回転シャフトに設けた第1歯車に噛み合う第2歯車を設け、前記回転シャフトの回転に連動する前記第2歯車の回動により揺動する揺動レバーと、
当該揺動レバーに連結し、外部装置を制御するコントロールケーブルとを備えた回転式操作装置において、
前記揺動レバーは、前記第2歯車として内歯車を形成した孔部を有する幅広の枠板として形成し、かつ、前記孔部内で前記第1歯車を第2歯車に噛合させると共に、その板面を前傾姿勢で揺動可能に配置したことを特徴とする回転式操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載して回転式操作装置において、
前記第1歯車をはすば歯車、前記第2歯車を平歯車として構成したことを特徴とする回転式操作装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載した回転式操作装置において、
前記回転シャフトを回転可能に保持する第1ベースと、
前記揺動レバーの後面側を覆うと共に、揺動軸を設けて揺動レバーを揺動可能に保持する第2ベースとを備え、
前記第2ベースを前記第1ベースに固着し、回転シャフトを揺動レバーの孔部に通して第1歯車を揺動レバーの第2歯車に噛合させる構成としたことを特徴とする回転式操作装置。
【請求項4】
請求項3に記載した回転式操作装置において、
前記第2ベースには、少なくとも前記揺動レバーの外周側を覆うカバー部材を設けたことを特徴とする回転式操作装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載した回転式操作装置において、
前記第2ベースには、前記回転シャフトの後端側を支持させる支持部を設けたことを特徴とする回転式操作装置。
【請求項6】
請求項3または4に記載した回転式操作装置において、
前記第2ベースには、前記回転シャフトを支持させる支持軸を設けたことを特徴とする回転式操作装置。
【請求項7】
請求項3乃至6のいずれかに記載した回転式操作装置において、
前記コントロールケーブルは、インナーケーブルと、当該インナーケーブルを摺動自在に内装するアウターケーブルとより形成し、
インナーケーブルの一端部は、前傾配置した前記揺動レバーの上半部分に連結し、アウターケーブルの一端部は、前記揺動レバーの下半部分に当たる前記第2ベースに設けたケーブル保持部に固着する構成とした回転式操作装置。
【請求項8】
請求項5に記載した回転式操作装置において、
前記第2ベースには、前記揺動レバーの前傾角度に平行させた第2傾斜取付部を、前記第1ベースには、前記揺動レバーの前傾角度に平行させた第1傾斜取付部を各々設け、
これら第1、第2傾斜取付部を接合させて第2ベースを第1ベースに組付けることを特徴とする回転式操作装置。









【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−114361(P2013−114361A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258411(P2011−258411)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000138462)株式会社ユーシン (241)
【Fターム(参考)】