説明

回転機械及びスラスト軸受の設計検証方法

【課題】(1)スラスト軸受の小型化を図り且つ負荷容量を一定以上に確保して回転機械を保守する。
(2)スラスト軸受の設計検証を短時間かつ小労力で詳細に行う。
【解決手段】ケーシングと、タービン軸の一端にタービンインペラが設けられると共に他端にコンプレッサインペラが設けられた回動部と、前記タービン軸に固定された荷重伝達部材6と前記タービン軸が挿通されると共にケーシングに固定されて荷重伝達部材6に近接対向するスラストベアリング16とが設けられ、荷重伝達部材6とスラストベアリング16との間に油膜を形成して該油膜圧力で前記回動部のスラスト荷重を受けるスラスト軸受14が構成されると共に前記回動部を前記ケーシングに対して回動自在に支持する軸受部とを備える回転機械であって、スラストベアリング16は荷重伝達部材6とスラストベアリング16との距離Lを測定する位置センサ17を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機械及びスラスト軸受の設計検証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転機械において、タービン軸の軸方向に生じたスラスト荷重を受けるスラスト軸受が用いられている。例えば、下記特許文献1に記載の回転機械は、略円盤形状で貫通孔が形成されたスラストベアリングが軸受ハウジングの端面にねじ等で固定されて、両端にフランジが形成された略円筒形状のスラストカラーにタービン軸を挿通させると共にこのスラストカラーをタービン軸に固定し、スラストカラーを介した状態でタービン軸をスラストベアリングに挿通させている。そして、両フランジ部とスラストベアリングとの間に圧送されたオイルの油膜が形成されることにより、この油膜圧力でタービン軸のスラスト荷重を受けるようになっている。
【0003】
このようなスラスト軸受の負荷容量は、上記油膜の油膜厚さが薄くなるほど大きくなり、反対に油膜厚さが厚くなると小さくなる。このため、オイルの不純物等によりスラストカラー及び/又はスラストベアリングの摺動面が磨耗すると形成される油膜が厚くなって負荷容量が低下する。この点、現在用いられているスラスト軸受は、被摺動面を大きく設計する等して初期の負荷容量を大きく設定し、使用開始から長期間が経過したとしても経年に伴う磨耗によって一定の負荷容量以下とならないようにされている。
【0004】
一方、スラスト軸受の設計検証は、検証対象となるスラスト軸受を実際に回転機械に組み込んだ後にこの回転機械を所定の試験時間で稼動させて、スラストベアリング及びスラストカラーの磨耗量が安全性の確認された所定の範囲内であるか否かにより行われている。
【特許文献1】特開2003−42145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術のように、負荷容量が一定以上に確保されるように設計すると経年に伴う磨耗量を考慮して、スラスト軸受が大型化してしまうという問題がある。また、仮にスラスト軸受が磨耗した場合には、回転機械の性能が低下するおそれがある。
一方、従来の技術における設計検証方法では、スラスト軸受の摺動面の磨耗量という一つの結果のみに基づいて負荷容量についての設計検証がなされるので、結果から推定される大まかな検証に留まって、詳細な設計検証をすることができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、以下の点を目的とするものである。
(1)スラスト軸受の小型化を図り、かつ、負荷容量を一定以上に確保して回転機械を保守する。
(2)スラスト軸受の設計検証を短時間かつ少労力で詳細に行う。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、回転機械に係る第一の解決手段として、ケーシングと、タービン軸の一端にタービンインペラが設けられると共に他端にコンプレッサインペラが設けられた回動部と、前記タービン軸に固定された荷重伝達部材と前記タービン軸が挿通されると共にケーシングに固定されて前記荷重伝達部材に近接対向するスラストベアリングとが設けられ、前記荷重伝達部材と前記スラストベアリングとの間に油膜を形成して該油膜圧力で前記回動部のスラスト荷重を受けるスラスト軸受が構成されると共に前記回動部を前記ケーシングに対して回動自在に支持する軸受部と、を備える回転機械であって、前記スラストベアリングは、前記荷重伝達部材と前記スラストベアリングとの間の距離を測定する位置センサを備える、という手段を採用する。
【0008】
また、回転機械に係る第二の解決手段として、上記回転機械に係る第一の解決手段において、前記スラストベアリングに前記荷重伝達部材と摺動する摺動部が複数形成され、前記スラストベアリングは、該摺動部に挟まれるように形成され、前記油膜を形成したオイルを回収する油溝に前記位置センサを備える、という手段を採用する。
【0009】
また、回転機械に係る第三の解決手段として、上記回転機械に係る第一又は第二の解決手段において、前記スラストベアリングは、温度センサを備える、という手段を採用する。
また、回転機械に係る第四の解決手段として、上記回転機械に係る第三の解決手段において、前記スラストベアリングは、前記温度センサを前記位置センサの近傍に備える、という手段を採用する。
【0010】
また、回転機械に係る第五の解決手段として、上記回転機械に係る第一から第四の解決手段のいずれかにおいて、前記スラストベアリングは、該スラストベアリングの歪みを計測する歪みゲージを備える、という手段を採用する。
【0011】
また、スラスト軸受の設計検証方法に係る解決手段として、回転機械に用いられ、タービン軸が挿通されると共に該タービン軸に固定された荷重伝達部材及び前記タービン軸が挿通されると共にケーシングに固定されて前記スラストベアリングに近接対向するスラストベアリングが設けられ、前記荷重伝達部材と前記スラストベアリングとの間に油膜を形成して該油膜圧力で前記タービン軸のスラスト荷重を受けるスラスト軸受の設計検証方法であって、基準となるスラスト軸受及び検証対象となるスラスト軸受のそれぞれのスラストベアリングに予め位置センサと熱電対と歪みゲージとを設けて、前記荷重伝達部材と前記スラストベアリングとの距離と、前記スラストベアリングの温度と、前記スラストベアリングのタービン軸径方向の歪みから求められた前記スラスト荷重とに基づいて、前記検証対象となるスラスト軸受の負荷容量について検証する、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スラストベアリングが位置センサを備えるので、荷重伝達部材とスラストベアリングとの間の距離が測定される。これにより、荷重伝達部材とスラストベアリングとの距離から油膜厚さを間接的に測定することができると共に、スラストベアリングの小型化を図ったとしても、スラストベアリングと荷重伝達部材との距離(換言すれば油膜厚さ)が所定の距離以下となった場合に操作者に警告したり、回転機械の稼働を制御したりすることができる。よって、使用に伴う磨耗量を考慮してスラスト軸受を大型化する必要がなく、スラスト軸受の小型化を図り、かつ、負荷容量を一定以上に確保して回転機械を保守することが可能となる。
【0013】
また、基準となるスラスト軸受及び検証対象となるスラスト軸受のそれぞれの荷重伝達部材とスラストベアリングとの距離と、被摺動面近傍の温度と、スラスト荷重とに基づいて、検証対象となるスラスト軸受の負荷容量について検証するので、負荷容量のパラメータとなる油膜厚さとオイルの温度と実際にタービン軸に生じたスラスト荷重とのそれぞれの関係に基づいて、スラストベアリングの検証が行われる。これにより、スラスト軸受の磨耗量という結果から推定される大まかな検証よりも、摺動過程における物理的な値から詳細な検証を行うことができる。また、この設計検証方法の副次的な効果として、安全性を担保する範囲内でスラスト軸受(摺動部)の設計を最適化することができ、スラスト軸受のメカニカル損失を低下させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用過給機(回転機械)Aの構成を示す断面図、図2は、車両用過給機Aの要部Sの拡大図である。ここで、図において、回動部1の中心軸をPとする。
【0015】
図1に示すように、本車両用過給機Aは、回動部1を軸受部10を介してケーシング20に回転自在に装着したものである。
【0016】
回動部1は、タービン軸2、タービンインペラ3、コンプレッサインペラ4、締結ナット5、スラストカラー6及び油切り7から構成されている。
【0017】
タービン軸2は、その中心軸が回動部1の中心軸Pと重なるように配置されて、軸受部10に回動可能に支持される大径の被支持部2aと、コンプレッサインペラ4、スラストカラー6及び油切り7が挿入される小径の挿入部2bを備えている。また、被支持部2aと挿入部2bとの境界には、中心軸Pに直交する受け面2cが形成されており、挿入部2bの先端側には、ネジ部2dが形成されている。
【0018】
タービンインペラ3は、放射状に形成された複数の長翼及び短翼が交互に設けられたものであり、タービン軸2の一端に固着されている。具体的には、タービン軸2における被支持部2a側の端面に溶接により固着されている。
【0019】
コンプレッサインペラ4は、タービンインペラ3と同様に複数の長翼と短翼が交互に設けられたものであり、取付孔4aに挿入部2bが挿入されてスラストカラー6と油切り7とを介して締結ナット5により受け面2cに押圧固定されている。
【0020】
締結ナット5は、ネジ部2dに螺着しており、コンプレッサインペラ4とスラストカラー6と油切り7とを受け面2cに押圧してそれぞれをタービン軸2に固定している。
【0021】
スラストカラー(荷重伝達部材)6は、後述のタービン側(以下、「T側」とする)スラストベアリング15に回動部1の軸方向の荷重を伝えるものであり、回動部1を構成すると共に軸受部10を構成する。このスラストカラー6は、中心付近に貫通孔6aが形成された円盤形状の部材であり、タービン側のT側円面6bが受け面2cに、コンプレッサ側のC側円面6cが油切り7の端面に当接しており、コンプレッサインペラ4と油切り7とを介して、締結ナット5で受け面2cに押圧固定されている。
【0022】
油切り7は、後述のベアリングケーシング21に供給されるオイルOをシールプレート23と共にシールする部材である。この油切り7は、外周面に凹部が周状に形成された略円筒形状のものであり、一方の端面がスラストカラー6のC側円面6cと、他方の端面がコンプレッサインペラ4に当接しており、締結ナット5によって受け面2cに押圧固定されている。
【0023】
軸受部10は、ベアリングケーシング21、一対のフローティングメタル12A,12B、一対のリテーニングリング13a、軸受スペーサ13b、スラストカラー6、T側スラストベアリング15、C側スラストベアリング16、ギャップセンサ(位置センサ)17、熱電対18及び歪みゲージ19、オイルOから構成されている。本過給機Aにおいては、スラストカラー6、T側スラストベアリング15、C側スラストベアリング16、ギャップセンサ17、熱電対18、歪みゲージ19及びオイルOがスラスト軸受14を構成している。なお、ベアリングケーシング21は、軸受部10を構成すると共にケーシング20を構成するものである。
【0024】
ベアリングケーシング21は、略円筒形状の外郭の内側にタービン軸2が挿通する軸挿通孔21aと車両から供給されるオイルOの流路Rとが形成されたものである。
軸挿通孔21aは、中心軸Pに沿って形成されており、タービン軸2が挿通されている。軸挿通孔21aのコンプレッサ側の開口部の周囲には、円形の第一内端面21bが形成されており、さらに、この第一内端面21bを囲繞して段状となるように(第一内端面21bよりもコンプレッサ側に位置するように)円形の第二内端面21cが形成されている。
【0025】
流路Rは、ベアリングケーシング21において、外部から中心軸Pの直交方向から軸挿通孔21aに向かって形成されたオイル供給孔21dと、このオイル供給孔21dに直交するように(軸挿通孔21aに平行となるように)第二内端面21cからタービンに向かって穿孔されたオイル配給孔21eと、このオイル配給孔21eから所定の間隔を隔てて軸挿通孔21aまで形成されたオイル給油孔21f,21gと、軸挿通孔21aとベアリングケーシング内部空間21Sとが連通するように中心軸Pを挟んでオイル給油孔21f,21gの反対側に形成された排出孔21hと、内部空間21Sを形成する内壁面21iと、オイル排出孔21jとから構成されている。ここで、第二内端面21cにおけるオイル配給孔21eの開口部をオイル給油孔21kとする。
【0026】
車両からオイル供給孔21dに供給されたオイルOの一部は、オイル配給孔21eに至った後に、オイル給油孔21fからフローティングメタル12Aを介して、またオイル給油孔21gからフローティングメタル12Bを介して、軸挿通孔21aから排出孔21hに流れ、内部空間21Sや内壁面21iを移動してオイル排出孔21jから排出されるようになっている。また、オイルOの別の一部は、オイル配給孔21eに至った後に、オイル給油孔21kからT側スラストベアリング15,C側スラストベアリング16及びスラストカラー6に供給され、その後、主に内部空間21Sや内壁面21iを移動してオイル排出孔21jから排出されるようになっている。
【0027】
フローティングメタル12A,12Bは、周面に複数の貫通孔を備える円筒部材である。これらフローティングメタル12A,12Bは、軸挿通孔21aにおいて、オイル給油孔21f,21gの近傍にそれぞれ設けられている。つまり、タービン軸2(被支持部2a)の所定間隔を隔てた2点とベアリングケーシング21との間に設けられている。
【0028】
リテーニングリング13aは、断面がC字形状に形成されたものであり、軸挿通孔21aを形成する周壁に設けられた周溝に係止されて、フローティングメタル12Aの中心軸Pの方向への移動を制限している。
軸受スペーサ13bは、リング状の部材であり、軸挿通孔21aの周壁に係止してC側スラストベアリング16と共にフローティングメタル12Bの軸方向への移動を制限している。
【0029】
T側スラストベアリング15は、貫通孔15aが形成された円盤形状の部材であり、この貫通孔15aにタービン軸2(被支持部2a)が挿通されている。このT側スラストベアリング15は、コンプレッサ側のC側表面15bの一部がスラストカラー6のT側円面6bと近接対向しており、また、タービン側のT側裏面15cがフローティングメタル12Bの端面と第一内端面21bとに当接するように設けられている。
【0030】
C側スラストベアリング(スラストベアリング)16は、貫通孔16aが形成された円盤形状の部材である。
このC側スラストベアリング16は、貫通孔16aに油切り7を介してタービン軸2が挿通されて、スラストカラー6をT側スラストベアリング15と挟むように、4つのボルト16bにより第二内端面21cに密着するように固定されている。
【0031】
図3は、C側スラストベアリング16を示す図であって、図3は、図2におけるA−A線断面図であり、図4は、図2におけるB−B線断面図である。また、図5は、C側スラストベアリング16の要部断面図であって、図5(a)は、図3におけるC−C線断面図、図5(b)は図3におけるD−D線断面図、図5(c)は、図4におけるE−E断面図である。なお、中心軸Pに直交するC側スラストベアリング16の中心軸をQとする。
【0032】
図3に示すように、C側スラストベアリング16は、スラストカラー6に対向する主面16cと、図4に示すように、この主面16cの反対側に形成された裏面16dとを備えている。
【0033】
C側スラストベアリング16の主面16cには、外周側に略半円弧状に形成された油供給溝16eと、貫通孔16aの周縁を等間隔に囲むように形成された4つのパッド部(摺動部)16fと、油供給溝16eと各パッド部16fとを貫通する4つの油供給孔16gと、各パッド部16fの間に形成された第一油回収溝(油溝)16h(16h1〜16h4)と、パッド部16fを取り囲むように形成されて、3つの第一油回収溝16h(16h1,16h3,16h4)と連通する円弧状の第二油回収溝16iと、一つの第一油供給溝16h2と第二油回収溝16iと連通した排油部16jと、を備えている。
【0034】
油供給溝16eは、中心線Qに対して線対称に形成されたものであり、円弧状に形成された円弧溝16e1に間隔を空けて略矩形のポケット溝16e2が5つ形成されたものである。これら5つのポケット溝16e2のうち、中心線Q上のポケット溝16e2は、第二内端面21cにおけるオイル給油孔21kに対向している。すなわち、主面16cが第二内端面21cに密着固定されることにより、オイル給油孔21kから給油されたオイルOが円弧溝16e1を流れてその他のポケット溝16e2に到達するようになっている。
【0035】
パッド部16fは、平面視で略扇型形状のものである。図5(a)に示すように、このパッド部16fは、回動部1の回動方向に沿って除々に厚さが増すように僅かに傾斜したテーパ面16f1が形成された後に平坦な(主面16cに対して略平行な)ランド面16f2が形成されている。
【0036】
C側スラストベアリング16の径方向におけるパッド部16fの外縁は、スラストカラー6の外周縁と略同一の位置であり、テーパ面16f1及びランド面16f2は、スラストカラー6が摺動する被摺動面となっている。このうち、ランド面16f2がスラストカラー6に最も近接する被摺動面となる。
【0037】
すなわち、後述の油供給孔16gから供給されたオイルOは、スラストカラー6の回転により、テーパ面16f1を上るようにしてランド面16f2に到達し、この際に、スラストカラー6との距離が除々に小さくなっていくため、オイルOの油圧圧力が高まるようになっている。
なお、このパッド部16fは、中心線Qに対して非線対称的に、中心軸Pに対して点対称的に形成されている。
【0038】
図3及び図5(b)に示すように、油供給孔16gは、5つのポケット溝16e2のうちオイル給油孔21kと対向するポケット溝16e2を除いた4つのポケット溝16e2からそれぞれ一つのテーパ面16f1まで貫通したものである。この油供給孔16gは、オイルOをポケット溝16e2からテーパ面16f1に流出させる。
なお、この4つの油供給孔16gは、中心線Qに対して、線対称的に形成されたものである。
【0039】
第一油回収溝(油溝)16h(16h1〜16h4)は、各パッド部16fを分割する扇形の溝であり、厚さ方向において油供給孔16gの一部と重なるように形成された第一油回収溝16h1から回動部1の回動方向に第一油回収溝16h2〜16h4が等間隔に形成されている。パッド部16fに至ったオイルOは、大部分がランド面16f2からこの第一油回収溝16hに至るようになっている。
【0040】
第二油回収溝16iは、3つの第一油回収溝16h1,16h3,16h4に連通するように形成された円弧状の溝であって、パッド部16fを取り囲むように形成されている。第一油回収溝16hに至ったオイルOの一部は、この第二油回収溝16iを回動部1の回動方向に流れることとなる。なお、第二油回収溝16iに至ったオイルOは、その一部がT側スラストベアリング15に到達してこれを潤滑させる。
【0041】
排油部16jは、第一油回収溝16h2及び第二油回収溝16iと内部空間21Sとに連通して、C側スラストベアリング16に至ったオイルOをベアリングケーシング21の流路Rに合流させる。
【0042】
図4、図5(a)及び図5(c)に示すように、C側スラストベアリング16は、主面16cのうちパッド部16fをタービン軸2の回動方向に分割する第一油回収溝16h2〜16h4から裏面16dまで形成された3つの貫通孔16kと、裏面16dにおいてこれら貫通孔16kからC側スラストベアリング16の外周まで形成された配線溝16mと、裏面16dから主面16c近傍まで穿孔された測定孔16nと、主面16cから裏面16dまで貫通するボルト挿入孔16pを備えている。
【0043】
図5(c)に示すように、貫通孔16kは、主面16cにおける第一油回収溝16h2〜16h4のそれぞれから裏面16dまで貫通したものであって、主面16c側に形成された小径孔16k1と裏面16d側に形成された大径孔16k2との二つの径からなるものである。
【0044】
配線溝16mは、3つの貫通孔の16kのそれぞれの大径孔16k2を形成する周壁からC側スラストベアリング16の外周縁に向かって形成されたものであって、貫通孔16kに干渉しないように形成されたものである。
【0045】
測定孔16nは、2つの測定孔16nが貫通孔16kの両側を挟むようにして設けられた細孔径の孔である。
【0046】
ボルト挿入孔16pは、主面16c及び裏面16dに形成されたC側スラストベアリング16の他の構成要素に干渉しないように形成されており、このボルト挿入孔16pにボルト16bが挿入されて第二内端面21cに主面16cが密着するように固定されている。
すなわち、ボルト16bの頭部が裏面16dに密着固定されると共にボルト16bのネジ部がC側スラストベアリング16を中心軸P方向に貫通して、第二内端面21cに形成されているネジ穴に螺着されている。
【0047】
ギャップセンサ17は、円筒形状の渦電流方式のものであって、比較的に小型のものであり、各貫通孔16kに一つずつ嵌合するように挿入された状態で固定されている。このギャップセンサ17は、センサ電極の端面が第一油回収溝16h2〜16h4の底面の一部を構成するように固定されている。なお、このギャップセンサ17は、測定環境の温度により出力値が異なるものである。
【0048】
ギャップセンサ17の出力線17aは、裏面16dにおける配線溝16mに収容されており、タービンケーシング22に形成された出力線取出溝21m(図1、図2参照)と後述のシールプレート23が形成する孔から外部へと引き出されて、車両の制御部であるECU(Engine Control Unit(不図示))に接続されている。
このように、出力線17aは、配線溝16mに収容されることで、回転軸2や油切り7に干渉しないように配置される。これにより、出力線17aの断線や回転軸2及び油切り7の損傷を防止する。
なお、この孔は樹脂が注入されて封止されている。
【0049】
熱電対18は、所謂極細タイプのものであり、測定孔16nの主面16c側先端部に固定されている。この熱電対18の出力線も出力線17aと同様に出力線取出溝21mから外部へと引き出されており、車両のECUに接続されている。
【0050】
歪みゲージ19は、裏面16dにおいてC側スラストベアリング16(裏面16d)のタービン軸2の径方向の歪みを測定するものであり、三つの歪みゲージ19が裏面16dのタービン軸2近傍に設けられている。この歪みゲージ19は、スラストベアリング16の裏面16dにおいて、C側スラストベアリング16(裏面16d)の径方向の歪みを検出するように貼付されている。なお、この歪みゲージ19の出力線も出力線17aと同様に出力線取出溝21mから外部へと引き出されており、車両のECUに接続されている。
【0051】
なお、予め車両用過給機Aと同等の車両用過給機におけるC側スラストベアリング16(裏面16d)に既知のスラスト力を与えて取得したスラスト力とタービン軸2の径方向の歪みとの関係により、車両用過給機AにおけるC側スラストベアリング16(裏面16d)の径方向の歪みを計測することができれば、これに対応したスラスト力を求めることができる。
【0052】
出力線17a、熱電対18の出力線及び歪みゲージ19の出力線が接続されるECUは、出力線17aから入力された値がECUに記憶された閾値未満となった場合に、車両用過給機Aが不調になったことを運転席近傍に設けられた表示部に表示してアラームし、運転者に知らせる。なお、アラームの代わりにエンジンを停止又車両用過給機Aの運転を停止してもよい。
同様に、C側スラストベアリング16の主面16c近傍の温度又は裏面16dにおけるタービン軸2の径方向の歪みが所定の閾値以上になった場合に、車両用過給機Aが不調になったことをアラームする。
【0053】
このような軸受部10は、車両用過給機Aの稼動時にオイルOが絶えず供給されて、フローティングメタル12A,12Bの内周面上及び外周面上に油膜が形成・保持される。そして、フローティングメタル12A,12Bの内方で油膜を介してタービン軸2が回転し、タービン軸2の回転に伴って油膜を介してフローティングメタル12A,12Bが回転運動する。フローティングメタル12A,12Bの回転数は、例えばタービン軸2の回転数の数十%程度である。
【0054】
また、T側スラストベアリング15及びC側スラストベアリング16とスラストカラー6との間には、オイルOが絶えず供給されて油膜が形成されており、スラストカラー6がT側スラストベアリング15及びC側スラストベアリング16に対して摺動するようになっている。すなわち、回動部1のスラスト荷重を形成された油膜圧力で受けるように構成されている。
このような構成により、タービン軸2が高い回転数で回転しても回動自在に支持することができるようになっている。
【0055】
ケーシング20は、ベアリングケーシング21の一端にタービンケーシング22を、またベアリングケーシング21の他端にシールプレート23を、このシールプレート23にコンプレッサケーシング24を接合して構成されている。
【0056】
タービンケーシング22は、タービンインペラ3を収容する収容部22aと収容部22aに巻きつくように形成されたスクロール部22bを備え、ベアリングケーシング21と接合することによって車両から供給される排気ガスの流路を形成している。
【0057】
シールプレート23は、略円盤状の部材であり、略中央に形成された貫通口に油切り7を介してタービン軸2が挿通している。この貫通口には、リング状のシールリング23aが設けられており、このシールリング23aと上述した油切り7の外周面に設けられた凹部にシールリング23aが係合することによって、ベアリングケーシング21に供給されたオイルOがコンプレッサケーシング24に漏出することを防止している。
【0058】
コンプレッサケーシング24は、コンプレッサインペラ4を収容する収容部24aと収容部24aに巻きつくように形成されたスクロール部24bを備え、ベアリングケーシング21と接合することによって車両に供給する空気の流路を形成している。
【0059】
次に、上記のような構成を備える車両用過給機Aの作用について説明する。
車両のエンジンの始動と共に過給機Aが稼働して、これに合わせて車両からオイル供給孔21dにオイルOが圧送される。そして、オイルOが流路Rを流れて、フローティングメタル12A,12B及びC側スラストベアリング16に絶えずオイルOが供給される。すなわち、スラストカラー6とT側スラストベアリング15及びC側スラストベアリング16との間にもオイルOが圧送されて、油膜が形成される。
【0060】
同時に、タービンインペラ3が排気ガスにより回転して、回動部1が中心軸Pを中心に回動する。このとき、スラストカラー6のC側円面6cと、テーパ部16fのテーパ部16f1及びランド部16f2とがオイルOの油膜を介してC側スラストベアリング16に対して相対的に摺動する。
【0061】
車両のエンジンの始動の直後においては、コンプレッサとタービンの圧力差により、回動部1にタービン側からコンプレッサ側へ移動するようスラスト荷重が作用するが、オイルOによってこの移動が制限される。つまり、スラストカラー6とC側スラストベアリング16との間に形成されているオイルOの油膜圧力によって、この回動部1に生ずるスラスト荷重を受け、回動部1の中心軸Pの方向に移動が制限される。
【0062】
このようなオイルOに、例えばユーザの不注意等により、車両用過給機Aの使用に適さない不純物が多く含まれるオイルOが使用されるとパッド部16f(テーパ面16f1,ランド面16f2)が除々に磨耗して、負荷容量が次第に低下する。つまり、テーパ面16f1の傾斜が緩やかなものとなり、ランド面16f2の位置がスラストカラー6側から裏面16d側に後退すると、オイルOがテーパ部16f1からランド面16f2まで移動しても所定の油膜圧力まで上昇しなくなる。このため、オイルOの油膜が受けることのできるスラスト荷重の大きさの上限値が低下する。
【0063】
このように負荷容量が低下すると、負荷容量が低下する前に比べて、回動部1がタービン側からコンプレッサ側への同一の大きさのスラスト荷重を受けた場合に、主面16aとC側円面6cとの距離が近接するようになる。
【0064】
ギャップセンサ17は、円面6aとの距離Lに応じた信号をECUに継続的に出力し続けており、負荷容量が低下した状態で回動部1がスラスト荷重を受けて主面16aとC側円面6cとの間の距離が所定の距離未満となったときにこの距離に対応する信号をECUに出力する。
一方、熱電対18は、このオイルOの温度と近似する主面16c近傍の温度を測定し、この温度に対応する信号をECUに出力する。
【0065】
ECUは、ギャップセンサ17から入力された信号が示す測定値を、測定環境の温度に応じた補正係数で補正する。すなわち、熱電対18から入力された信号が示す温度に基づいて、ギャップセンサ17の測定値を補正する。つまり、この補正値がECUのメモリに記憶された所定の距離、すなわち、閾値未満であると判断して、車両用過給機Aが不調になったことをアラームして運転者に知らせる。
【0066】
また、円面6aとギャップセンサ17との距離Lが閾値未満であっても、回動軸1のスラスト荷重が比較的に高い状態、すなわち、C側スラストベアリング16が高負荷な状態で連続して過給機Aを稼働していると、オイルOの温度が上昇する。オイルOの温度が上昇すると、粘度が変化して潤滑効果が悪くなると共に、油膜の形成に悪影響を及ぼす。
【0067】
ECUは、ギャップセンサ17から入力された信号が示す温度が、ECUのメモリに記憶された所定の温度、すなわち、閾値以上であると判断すると、車両用過給機Aが不調になったことをアラームして運転者に知らせる。
【0068】
また、歪みゲージ19は、裏面16dにおけるタービン軸2の径方向の歪みを継続的に測定して、この測定信号をECUに伝送する。ECUは、この伝送信号が示すデータを内部メモリに保存する。
【0069】
以上説明した通り、本実施形態の過給機Aによれば、C側スラストベアリング16にスラストカラー6のC側円面6cとの距離Lを測定するギャップセンサ17を備えるので、オイルOの油膜厚さを間接的に測定することができる。すなわち、ギャップセンサ17とランド面16f2との初期の距離L1は既知であるので、この距離L1を距離Lから差し引くことにより、ギャップセンサ17とランド面16f2との距離L2(オイルOの油膜厚さ)を間接的に測定することができる。また、距離L2が所定の閾値未満となったと場合に、車両用過給機Aが不調であることを操作者に警告し、操作者が車両用過給機Aの稼働を停止して、C側スラストベアリング16とスラストカラー6が互いに接触して磨耗あるいは焼きつきを生じることやスラスト軸受あるいはスラストカラー6に過剰な負荷が加わること等を抑制できる。従って、スラスト軸受14を小型化しても、スラスト軸受が破損することを防止して、車両用過給機Aを保守することが可能となる。
【0070】
また、ギャップセンサ17が、第一油回収溝16hから裏面16dまで貫通孔16kが形成されて、この貫通孔16kに設けられるので、C側円面6cとテーパ面16f1及びランド面16f2との間における油膜の形成に影響を与えない。これにより、油膜圧力を変化させずにギャップセンサ17を設けることが可能となる。
【0071】
また、軸受部10が、C側スラストベアリング16の裏面16dから主面16c近傍まで測定孔16nが形成され、該測定孔16nの主面16c側に熱電対18を備えるので、オイルOの温度と近似する主面16c近傍の温度が測定される。これにより、粘度が変化して潤滑効果が悪くなると共に油膜の形成に悪影響を及ぼす温度に達した場合に、車両用過給機Aが不調になったことをアラームできる。
【0072】
また、熱電対18が、貫通孔16k近傍に穿孔された測定孔16nに設けられているので、主面16c近傍、かつ、ギャップセンサ17近傍の温度が測定される。これにより、ギャップセンサ17の測定値を補正して、C側円面16cと主面16cとの距離Lを極めて正確に求めることができる。
【0073】
また、軸受部10が、裏面16dのタービン軸2近傍にタービン軸2径方向の歪みを測定する歪みゲージ19を備えているので、スラスト荷重によるタービン軸2径方向の歪みを測定することができる。これにより、測定された歪みをETCの内部メモリに保存しておくことで、仮に故障が発生した場合に内部メモリから歪みの経過を呼び出して、故障原因の特定や安全対策に役立てることが可能となる。
より具体的に説明すると、事前にスラストカラー6に既知のスラスト荷重を作用させ、
この際に生ずる歪みを測定し、スラスト荷重と歪みとの関係を把握しておけば、歪みからスラスト荷重を求めることができ、故障が発生するまでのスラスト荷重の経過を知ることができる。
【0074】
上記のような車両用過給機Aの構成によれば、スラストベアリング16cの詳細な設計検証方法が可能となる。すなわち、基準となるスラストベアリング16c及び検証対象となるスラストベアリング16cのそれぞれスラストベアリング16cに予めギャップセンサ17と、熱電対18及び歪みゲージ19とを設ける。
【0075】
そして、各スラストベアリング16cとスラストカラー6が形成する油膜の油膜厚さL2と、テーパ面17f1、ランド面17f2近傍の温度及びスラスト荷重とのそれぞれの関係を求める。
【0076】
そして、各スラストベアリング16cとスラストカラー6が形成する油膜の油膜厚さL2と、テーパ面17f1、ランド面17f2近傍の温度及びスラスト荷重とのそれぞれの関係により、検証対象となるスラストベアリング16cを検証する。
【0077】
このように本発明の設計検証方法によれば、基準となるスラスト軸受12及び検証対象となるスラスト軸受12のそれぞれのC側円面6cとの距離とテーパ面17f1及びランド面17f2近傍の温度とスラスト荷重とに基づいて、検証対象となるスラスト軸受14の負荷容量について検証するので、負荷容量のパラメータとなる油膜厚さL2とオイルの温度と実際にタービン軸に生じたスラスト荷重とのそれぞれの関係に基づいて、スラストベアリング14の検証が行われる。これにより、スラスト軸受14のテーパ面17f1及びランド面17f2の磨耗量という結果から推定される大まかな検証よりも、摺動過程における物理的な値から詳細な検証を行うことができる。また、副次的な効果として、安全性を担保する範囲内でスラスト軸受14(摺動面テーパ面17f1及びランド面17f2)の設計を最適化することができ、スラスト軸受14のメカニカル損失を低下させることができる。
【0078】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、タービン軸2に生じるスラスト荷重の荷重伝達部材として、スラストカラー6を用いたが、円筒形状で端部にフランジが形成されたスラストブッシュを用いて、フランジをスラストベアリング16と摺動させる構成にしてもよい。
(2)上記実施形態では、スラストベアリング15とスラストベアリング16とを用いた所謂分離スラスト方式を採用しているが、スラストベアリング15は必ずしも設ける必要はない。
(3)上記実施形態では、複数のギャップセンサ17を用いたが、単数であってもよい。熱電対18及びギャップセンサ19も同様である。
(4)上記実施形態では、スラストベアリング16の径方向の歪みを計測して回動部1に作用するスラスト荷重を計測したが、これに代えて周方向の歪み又は厚さ方向の歪みを計測し、この計測結果によりスラスト荷重を計測してもよい。さらに、これら三方向のうち、二方向又は三方向の歪みを計測し、この計測結果からスラスト荷重を計測して、スラスト荷重の計測精度を向上させてもよい。
(5)上記実施形態では、過給機Aの不調を表示部に表示してアラームし、運転者に知らせる構成としたが、エンジンを停止又過給機の運転を停止させるように制御することで車両用過給機Aを確実に保守することが可能となる。
(6)上記実施形態では、車両用過給機に本発明を適用した場合について説明したが、他の回転機械についても適用することができるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態において、車両用過給機Aの概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態において、車両用過給機Aの要部拡大図である。
【図3】本発明の一実施形態において、C側スラストベアリング16を示す図であって、図2におけるA−A線断面図である。
【図4】本発明の一実施形態において、C側スラストベアリング16を示す図であって、図2におけるB−B線断面図である。
【図5】本発明の一実施形態において、C側スラストベアリング16の要部断面図であって、図5(a)は、図3におけるC−C線断面図、図5(b)は、図3におけるD−D線断面図、図5(c)は、図4におけるE−E断面図である。
【符号の説明】
【0080】
1…回動部
2…タービン軸
6…スラストカラー(荷重伝達部材)
10…軸受部
14…スラスト軸受
16…C側スラストベアリング(スラストベアリング)
16f…パッド部(摺動部)
16h(16h1〜16h4)…第一油回収溝(油溝)
17…ギャップセンサ(位置センサ)
18…熱電対
19…歪みゲージ
20…ケーシング
A…車両用過給機(回転機械)
O…オイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
タービン軸の一端にタービンインペラが設けられると共に他端にコンプレッサインペラが設けられた回動部と、
前記タービン軸に固定された荷重伝達部材と前記タービン軸が挿通されると共にケーシングに固定されて前記荷重伝達部材に近接対向するスラストベアリングとが設けられ、前記荷重伝達部材と前記スラストベアリングとの間に油膜を形成して該油膜圧力で前記回動部のスラスト荷重を受けるスラスト軸受が構成されると共に前記回動部を前記ケーシングに対して回動自在に支持する軸受部と、を備える回転機械であって、
前記スラストベアリングは、前記荷重伝達部材と前記スラストベアリングとの間の距離を測定する位置センサを備えることを特徴とする回転機械。
【請求項2】
前記スラストベアリングに前記荷重伝達部材と摺動する摺動部が複数形成され、
前記スラストベアリングは、該摺動部に挟まれるように形成され、前記油膜を形成したオイルを回収する油溝に前記位置センサを備えることを特徴とする請求項1記載の回転機械。
【請求項3】
前記スラストベアリングは、温度センサを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の回転機械。
【請求項4】
前記スラストベアリングは、前記温度センサを前記位置センサの近傍に備えることを特徴とする請求項3記載の回転機械。
【請求項5】
前記スラストベアリングは、該スラストベアリングの歪みを計測する歪みゲージを備えることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の回転機械。
【請求項6】
回転機械に用いられ、タービン軸が挿通されると共に該タービン軸に固定された荷重伝達部材及び前記タービン軸が挿通されると共にケーシングに固定されて前記スラストベアリングに近接対向するスラストベアリングが設けられ、前記荷重伝達部材と前記スラストベアリングとの間に油膜を形成して該油膜圧力で前記タービン軸のスラスト荷重を受けるスラスト軸受の設計検証方法であって、
基準となるスラスト軸受及び検証対象となるスラスト軸受のそれぞれのスラストベアリングに予め位置センサと熱電対と歪みゲージとを設けて、前記荷重伝達部材と前記スラストベアリングとの距離と、前記スラストベアリングの温度と、前記スラストベアリングのタービン軸径方向の歪みから求められた前記スラスト荷重とに基づいて、前記検証対象となるスラスト軸受の負荷容量について検証することを特徴とするスラスト軸受の設計検証方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−216036(P2009−216036A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62556(P2008−62556)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】