説明

回転炉の密封装置および回転式加熱装置

【課題】簡単な構成で安定して十分な密封性を発現する保守点検が容易なシール装置を備えた回転式加熱装置を提供する。
【解決手段】回転炉200の端部外周面に略同軸上に、内周面が回転炉の外周面に断熱材712を充填した断熱層を介して対向する円筒体711を設ける。回転炉の端部を回転可能に覆う排出側フード600における回転炉が延出する端面に円筒体に対向して円筒構造の支持部720を突設する。板状で弾性変形可能な板ばね731が円筒体の外周面に摺接する状態に円筒体の周方向で複数配列して着脱可能に支持部に取り付け、円筒体の外周面および支持部とにて外部に対して略気密に気密室770を区画する環状のシール構造体730を構成する。円筒体の熱量が少ないので変形が少なく、確実に常に均一に摺接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転炉とこの回転炉の端部を回転可能に覆うフードとの隙間を密封する回転炉の密封装置および回転式加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転炉と、この回転炉の端部を回転可能に覆うフードとの隙間を密封し、隙間からのガスの漏出入を防止する各種構成の回転炉の密封装置が知られている。これら回転炉の密封装置として、外周部が設置固定されたフードに連結固定され、内周側が回転炉の端部の表面に当接する可撓性を有した環状シール材や、回転炉の周方向で複数配列された板ばねにて構成された環状構造の板ばね群により、隙間を密封する構成が採られている(例えば、特許文献1ないし特許文献4参照)。
【0003】
特許文献1に記載のものは、複数の織布がゴム系接着剤で積層されて形成された第1の環状ガスケット部材と、複数の織布がゴム系接着剤で積層され内部に複数のばね鋼板を円周方向に所定の間隔で埋設して形成された第2の環状ガスケット部材とを、備えている。そして、第1の環状ガスケットが回転式乾燥機の回転胴部に直接当接し、その外側に第2の環状ガスケット部材を重ね合わせ、それぞれ固定胴部のフランジ側にボルトにて取り付け、シールする構成が採られている。しかしながら、この特許文献1に記載の構成では、回転胴部の表面の温度が高くなる利用形態では、回転胴部が複雑に変形し、環状のガスケット部材と回転胴部との当接状態が不均一となり、十分なシール性が得られなくなるおそれがある。さらに、ゴム系接着剤にて形成した構成であり、耐摩耗性および耐熱性が比較的に低く、摩耗や劣化などによって損傷しやすいので、頻繁に交換する必要があり、保守管理が煩雑である。
【0004】
また、特許文献2に記載のものは、高温回転炉の端部に設けたリフタの先端部に、高温回転炉と略同心状に円筒状摺接部を設けている。また、固定設置されたプレヒータに、円筒状摺接部より径大の取付リングを、円筒状摺接部に相対して設けている。さらに、取付リングの全周に、取付リングの周方向に沿う傾動軸を有する複数の蝶番を連接配置し、蝶番の稼働側端部にステンレス製の薄板で可撓性を有する複数枚の短冊状シールプレートを取り付けている。そして、コイルばねの弾性力により、短冊状シールプレートの先端部を円筒状摺接部の周面に当接させてシールする構成が採られている。しかしながら、この特許文献2に記載の構成では、短冊状シールプレートが当接する円筒状摺接部には回転炉からの熱がリフタを介して伝達されるので、円筒状摺接部が変形するおそれがあり、複数枚の短冊状シールプレートを蝶番にて一連に付勢するので、短冊状シールプレートの当接状態が不均一となるおそれがある。さらには、コイルばねにて蝶番を介して短冊状シールプレートを付勢するので、構造が複雑で、製造性の低下や点検や補修などの保守管理が煩雑となるなどのおそれもある。また、高温回転炉は、特に軸方向の長手寸法の伸縮割合が大きいことから、取付リングとプレヒータとが接触せず、かつ短冊状シールプレートが常時当接する構造の設計が困難で、シール構造の大型化や製造性の低下などのおそれがある。
【0005】
さらに、特許文献3に記載のものは、炉心管の端部を包囲し内部が炉心管内と連通する外囲器を設けるとともに、炉心管の外周に遊嵌し、シールガスを遊嵌部に均等に供給する空間を有した鍔状部を設ける。そして、鍔状部の内孔と炉心管の外周面との間に、炉心管の外表面に適当な締め代で密着され、炉心管の偏心回転を許容できるように柔軟性のリップ状のシール板を、炉心管の全周に設けている。さらに、鍔状部にラビリンスを設け、シールガスの流路にあたる遊嵌部の抵抗を大きくする構成が採られている。しかしながら、炉心管が熱により変形した場合には、シール板との当接状態が不均一となり、十分なシール性が得られなくなり、頻繁に交換する必要があり、保守管理が煩雑となる。また、特に軸方向に長手状で軸方向に伸縮する割合が大きい回転する炉心管では、十分なラビリンス機能が得られにくい。
【0006】
また、特許文献4に記載のものは、カバーケーシング内に回転駆動可能に横置き配設された円筒状の火格子炉の端部外周に設けたリングフレームに、プレート受リングを設ける。また、カバーケーシングの隔壁部材に設けたリングガーダに、プレート受リングの側方に位置してリング状の当て板を配置する。そして、当て板の前面外周部にシールプレートの外周側端部を取り付け、シールプレートの内周側端部を湾曲させてプレート受リングの外周面に押し付け配置する構成が採られている。しかしながら、カバーケーシング内に火格子炉およびシール構造が配設されているので、熱負荷が大きく、火格子炉とともにプレート受リングも変形量が大きく、複雑に変形し、十分なシール性が得られなくなるおそれがある。さらに、高温ガスや発生するダストなどにより、シール部分の損傷が著しく、カバーケーシング内のシール構造の点検や補修などの保守点検が頻繁となり、保守点検が煩雑となる。さらには、軸方向の長手寸法の伸縮割合が大きい回転する火格子炉であることから、軸方向で対向するプレート受リングと当て板とが接触せず、かつシールプレートが常時当接する構造の設計が困難で、製造性の向上が図りにくい。
【0007】
さらに、特許文献5に記載のものは、回転体の周面に設けた摺動受板に、固定体に一端を取り付けた弾性を有する薄板のシールプレートの他端を摺動可能で弾発的に接触させる構成が採られている。しかしながら、回転体に単に摺動受板を設けるのみでは、摺動受板も熱により変形し、十分のシール性が得られないおそれがある。また、シールプレートが摺動受板に接触する状態に固定体に取り付けるためには、あらかじめ回転体と固定体との位置関係が限られ、汎用性の向上が図れない。
【0008】
【特許文献1】特開平6−300453号公報(第2頁右欄−第3頁右欄、図1〜図4)
【特許文献2】特開平7−159041号公報(第3頁右欄−第4頁左欄、図1、図3)
【特許文献3】特開平10−300358号公報(第2頁右欄−第3頁左欄)
【特許文献4】特開平10−141624号公報(第2頁右欄−第4頁左欄)
【特許文献5】実開昭57−63157号公報(第1頁、第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、上記特許文献1ないし特許文献5に記載のような従来の回転炉の密封装置では、熱負荷による変形や不十分な耐熱性および耐摩耗性などによるシール性の低下や保守点検の煩雑さが生じるなどの問題がある。
【0010】
本発明の目的は、上述したような問題点に鑑み、十分な密封性が簡単な構成で安定して得られる保守点検が容易な回転炉の密封装置および回転式加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の回転炉の密封装置は、回転炉の端部と、この回転炉の端部を回転可能に覆うフードとの隙間を略密封する回転炉の密封装置であって、前記回転炉の少なくとも端部の外周面に略同軸上に設けられ、内周面が前記回転炉の外周面に断熱材が充填された断熱層を介して対向する円筒体と、前記フードの前記回転炉が延出する端面に前記円筒体に対向して突設された支持部と、板状で弾性変形可能な密封板が前記円筒体の外周面に摺接する状態に前記円筒体の周方向で複数配列されて前記支持部に着脱可能に取り付けられて環状に構成され、前記円筒体の外周面および前記支持部とにて外部に対して略気密に気密室を区画するシール構造体と、を具備したことを特徴とする。
【0012】
この発明では、回転炉の端部の外周面に略同軸上に、内周面が回転炉の外周面に断熱材が充填された断熱層を介して対向する円筒体を設ける。回転炉の端部を回転可能に覆うフードにおける回転炉が延出する端面に円筒体に対向して支持部を突設する。板状で弾性変形可能な密封板が円筒体の外周面に摺接する状態に円筒体の周方向で複数配列して着脱可能に支持部に取り付け、円筒体の外周面および支持部とにて外部に対して略気密に気密室を区画する環状のシール構造体を構成する。このため、回転炉の端部外周面に同軸上に設けられ、密封板が複数配列された環状に構成されたシール構造体が摺接する円筒体は、断熱層により回転炉から受ける熱量が少ないので変形が少なく、シール構造体が周方向で常に均一に摺接する状態が確実に得られ、高いシール性が得られる。また、フードの回転炉が延出する端面に、変形が少なくなる状態に設けた円筒体に摺接する状態にシール構造体を取り付ける支持部を設けているため、簡単な構成で均一に摺接する構成が容易に得られるとともに、シール構造体の点検や修理、交換などの保守点検が容易にできる。さらには、例えば耐熱性および耐摩耗性を有する部材にて形成した密封板を利用して環状に配設してシール構造体を構成することで、長期間安定した均一な摺接状態が得られるので、シール構造体の点検や修理、交換などの保守点検の負荷を大きく低減できる。また、例えば乾留ガス化処理などの加熱によりガスが発生する処理や外部からの空気の混入により処理に影響が及ぶ処理などの外部との密封性が要求される場合でも、シール構造体にて区画される略気密な気密室にて十分な外部との遮蔽が得られ、外部からの空気の流入や乾留ガスの漏洩などが確実に防止され、特に有効である。
【0013】
そして、本発明では、前記支持部は、前記円筒体を嵌挿する状態に前記フードに突設された円筒状の取付筒部と、この取付筒部に設けられ前記密封板が複数配列されて取り付けられる取付部と、を備えた構成とすることが好ましい。この発明では、円筒体を嵌挿する状態にフードに突設した円筒状の取付筒部に、密封板が複数配列されて取り付ける取付部を設けているため、円筒体に均一に摺接する状態にシール構造体を取り付ける構成が容易に得られ、長期間安定して回転炉の端部とフードとの隙間を略気密に閉塞する構成の保守点検が容易となる。
【0014】
また、本発明では、前記取付部は、前記取付筒部に内方に向けて突出する状態に略筒状に形成された構成とすることが好ましい。この発明では、取付部として取付筒部に内方に向けて突出する状態に略円筒状に形成しているため、密封板を円筒体の周方向で複数配列されて環状のシール構造体を構成させる簡単な構造が容易に得られ、長期間安定して回転炉とフードとの隙間を略気密に閉塞する構成が容易に得られる。
【0015】
さらに、本発明では、前記取付部は、前記取付筒部の軸方向における前記フードに対して反対側の端部に設けられた構成とすることが好ましい。この発明では、取付部を取付筒部の軸方向におけるフードに対して反対側の端部に設けているので、シール構造体が取り付けられる位置が支持部におけるフードに対して先端部に位置することとなり、簡単な構成でシール構造体の保守点検が容易となる。
【0016】
そして、本発明では、前記円筒体は、回転炉の外周面に垂設されたフランジ状の取付リブに、軸方向で内周側が略気密に閉塞される状態で取り付けられた構成とすることが好ましい。この発明では、回転炉の外周面に垂設したフランジ状の取付リブに、軸方向で内周側が略気密に閉塞される状態で円筒体を取り付けているため、回転炉と円筒体との間の断熱層を介して外部と連通することが防止され、確実に高いシール性が得られるとともに、断熱層が回転炉の内周側と遮断され、良好な断熱性が得られ、回転炉から受ける熱量がより低減して円筒体の変形をより防止することが簡単な構成で容易に得られる。
【0017】
また、本発明では、前記シール構造体は、前記円筒体の軸方向で多段に設けられて前記気密室を略気密に分割する構成とすることが好ましい。この発明では、シール構造体を気密室が略気密に分割される状態に円筒体の軸方向で多段に設けているため、円筒体の軸方向で均一に摺接する位置が複数となり、軸方向で気密室が複数区画されることとなり、長期間安定して回転炉とフードとの隙間を略気密に閉塞する構成が容易に得られ、特に外部との気密性が要求される処理で有効である。
【0018】
そして、本発明では、前記支持部は、前記円筒体の軸方向に沿った方向で複数連結され、これら複数の支持部に前記シール構造体がそれぞれ取り付けられ、これらシール構造体にて前記円筒体の軸方向で前記気密室が略気密に分割する多段に配設された構成とすることが好ましい。この発明では、シール構造体がそれぞれ取り付けられる支持部を円筒体の軸方向に沿った方向で複数連結し、シール構造体を円筒体の軸方向で気密室が略気密に分割される状態に多段配設しているため、より高いシール性のために多段にシール構造体を設けるとともにシール構造体の保守管理が容易な構成が容易に得られ、保守管理が容易に長期間安定して高いシールが得られる構成が容易に得られる。
【0019】
また、本発明では、前記支持部に設けられ、前記気密室内に封止ガスを供給するガス供給手段を具備した構成とすることが好ましい。この発明では、気密室内に封止ガスを供給するガス供給手段を支持部に設けているため、例えば乾留ガス化処理などの加熱によりガスが発生する処理や外部からの空気の混入により処理に影響が及ぶ処理などの外部との密封性が要求される処理でも良好に処理できる十分な外部との遮蔽性が得られる。さらには、封止ガスの気密室への供給により、仮に隙間が生じてもラビリンスシール構造が得られ、外部との十分な遮蔽が確実に得られる。
【0020】
さらに、本発明では、前記気密室は、前記シール構造体にて前記円筒体の軸方向で略気密に分割され、前記ガス供給手段は、前記円筒体の軸方向において少なくとも前記フードから最も遠い位置で区画される前記気密室に前記封止ガスを供給する構成とすることが好ましい。この発明では、シール構造体にて円筒体の軸方向で略気密に気密室部を分割し、ガス供給手段により円筒体の軸方向において少なくともフードから最も遠い位置で区画される気密室に封止ガスを供給させるため、例えば外部との密封性が要求される処理で供給する封止ガスにて効率よく十分な外部との遮蔽が得られ、構成の簡略化や処理の際のガス供給のためのコストの低減などが容易に得られる。さらには、封止ガスの気密室への供給により、仮に隙間が生じてもラビリンスシール構造が得られ、外部との十分な遮蔽が確実に得られる。
【0021】
また、本発明では、前記シール構造体は、環状に形成され前記密封板の外面側に積層する状態に配置されるシール材を備えた構成とすることが好ましい。この発明では、シール構造体に、密封板の外面側に積層する状態に配置される環状のシール材を設けているため、仮に密封板間で隙間が生じてもシール材にて閉塞されることとなり、より高いシール性が簡単な構成で容易に得られる。
【0022】
そして、本発明では、前記回転炉は、外周面側が加熱され、内部に供給される被加熱物を加熱する外熱型である構成とすることが好ましい。この発明では、回転炉の外周面側が加熱されて内部に供給される被加熱物を加熱する外熱型に適用しているため、特に回転炉が加熱されて軸方向および周方向で複雑に変形する場合でも、シール構造体が周方向で均一に摺接して高いシール性が容易に得られる。
【0023】
本発明の回転式加熱装置は、回転炉と、この回転炉の端部を回転可能に覆うフードと、前記回転炉内に投入された被加熱物を加熱する加熱手段と、前記回転炉および前記フード間の隙間を略密封する請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の回転炉の密封装置と、を具備したことを特徴とする。
【0024】
この発明では、加熱手段にて内部に投入される被加熱物を加熱する回転炉の端部と、回転炉を回転可能に覆うフードとの間の隙間を略密封する請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の回転炉の密封装置を設ける。このため、シール構造体が周方向で常に均一に摺接する状態が確実に得られ、保守点検が容易で長期間安定した高いシール性が簡単な構成で容易に得られる請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の回転炉の密封装置を備えるので、被加熱物の良好な加熱処理が得られる。
【0025】
そして、本発明では、前記加熱手段は、前記被加熱物を加熱して乾留ガス化処理する構成とすることが好ましい。この発明では、加熱手段として被加熱物を加熱して乾留ガス化処理する構成としている。このため、特に外部との十分な遮蔽が要求される乾留ガス化処理でも対応できる良好な遮蔽が得られ、良好な乾留ガス化処理が得られる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、回転炉の外周面に断熱層を介して設けた円筒体に、フードの回転炉が延出する端面に円筒体に対向して突設した支持部に密封板を周方向で複数配列して着脱可能に取り付けて環状に構成したシール構造体を、気密室を略気密に区間する状態に摺接させるため、シール構造体が周方向で常に均一に摺接する状態が確実に得られ、保守点検が容易で長期間安定した高いシール性が簡単な構成で容易に得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の回転式加熱装置における実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施の形態では、外熱型間接加熱方式の構成を例示するが、例えば内熱型加熱方式など、回転炉を備えたいずれの加熱方式の構成を対象とすることができる。図1は、本発明における第1の実施の形態に係る回転式加熱装置の概略構成を示す概念図である。図2は、回転式加熱装置の回転炉の端部近傍を示す断面図である。図3は、回転式加熱装置の回転炉の端部近傍を示す平面図である。
【0028】
〔第1の実施の形態〕
(回転式加熱装置の構成)
図1において、100は回転式加熱装置で、この回転式加熱装置は、被加熱物Wとして例えば廃タイヤを加熱して乾留ガス化する装置である。そして、この回転式加熱装置100は、回転炉200と、回転駆動手段300と、加熱手段としての間接加熱手段400と、フードとしての供給側フード500と、フードとしての排出側フード600と、回転炉の密封装置であるシール装置700と、などを備えている。
【0029】
回転炉200は、図1ないし図3に示すように、例えば耐熱性の金属材料にて略円筒状に形成されている。そして、回転炉200には、軸方向の両端部近傍の外周面に、複数の環状のタイヤ部210が同軸上に一体形成されている。なお、この回転炉200は、内周面に例えばダムやカムなどの内部に投入されて加熱処理される被加熱物Wを攪拌するための攪拌子が設けられていてもよい。そして、本実施の形態では、廃タイヤを加熱し乾留ガス化する外熱型間接加熱方式で、耐火材や断熱材などは回転炉200の内周面に設けられていない構成である。
【0030】
回転駆動手段300は、図1に示すように、複数対の回転ローラ310と、図示しない駆動手段と、などを備えている。回転ローラ310は、例えば鋼材などにて円柱状に形成され、図示しない支持台に回転可能に軸支されている。そして、回転ローラ310は、軸方向が略平行に所定の間隙を介して支持台に対をなして軸支されている。これら支持台に軸支されて対をなす回転ローラ310は、回転炉200のタイヤ部210に対応して複数対設けられ、回転炉200のタイヤ部210が載置されて回転炉200を回転可能に支持する。この回転炉200の支持状態は、回転炉200の軸方向が水平方向に対して若干傾斜し、軸方向の一端側が若干高くなる状態である。なお、図1は、説明の都合上、回転炉200に設けられた2つのタイヤ部210に対応して回転ローラ310を2対設けた構成を示す。また、駆動手段は、例えば電動モータなどを備え、回転ローラ310を回転させる。この駆動手段の駆動により回転ローラ310が回転することで、回転炉200が回転される。
【0031】
間接加熱手段400は、図1に示すように、加熱室部410と、図示しない加熱手段と、を備えている。加熱室部410は、回転炉200の中間部を囲む状態に、略中空箱状に形成されている。加熱手段は、例えば加熱室部410内に配設されたバーナなどの図示しない燃焼装置と、この燃焼装置に燃料Fuおよび燃料Fuを燃焼させる空気Aが適宜混合された混合燃料を供給する図示しない混合燃料供給手段と、燃焼された燃焼ガスGfを加熱室部410内から排気させる図示しない排気手段と、などを備えている。なお、加熱手段は、混合燃料供給手段に代えて、燃料Fuおよび空気をそれぞれ燃焼装置に供給する構成、すなわち燃料供給手段および空気供給手段を備えた構成とするなどしてもよい。そして、間接加熱手段400は、供給される混合燃料が加熱室部410内で燃焼され、この燃焼による熱で回転炉200を加熱し、回転炉200内に供給される被加熱物Wを加熱する。なお、本実施の形態における廃熱タイヤを加熱し乾留ガス化する構成では、回転炉200の表面温度が最高650℃以上に達する状態で加熱される。
【0032】
供給側フード500は、図1に示すように、略箱状に形成され、一側面に回転炉200の外径より若干径大の供給側嵌挿開口部510が開口形成されている。そして、供給側フード500は、回転炉200の若干高い位置となる上流側である一端側に対応する位置に、供給側嵌挿開口部510に回転炉200の一端側を回転可能に嵌挿して覆う状態に設置されている。すなわち、供給側フード500は、回転駆動手段300により回転する回転炉200の一端側を回転可能に嵌挿する状態に設置された静止構造体である。そして、供給側フード500の外面には、図示しない断熱材が設けられている。また、供給側フード500には、被加熱物Wを回転炉200内に供給する供給手段520が設けられている。この供給手段520は、ホッパ部521と、搬送部522と、を備えている。ホッパ部521は、例えば略逆円錐筒状に形成されて、あらかじめ細かく破砕された廃タイヤである被加熱物Wが上部開口から投入可能に形成されている。搬送部522は、例えばフィーダなどで、ホッパ部521の下部から供給側フード500を貫通して回転炉200の一端側に亘って設けられている。そして、搬送部522は、ホッパ部521内に投入された被加熱物Wを回転炉200の一端側へ搬送して投入する。
【0033】
排出側フード600は、図1ないし図3に示すように、供給側フード500と同様に、一側面に回転炉200の外径より径大の排出側嵌挿開口部610が開口形成された略箱状に形成された静止構造体である。そして、排出側フード600は、回転炉200の若干低い位置となる下流側である他端側に対応する位置に、排出側嵌挿開口部610に回転炉200の他端側を回転可能に嵌挿して覆う状態に設置されている。また、排出側フード600の底部には、例えば略逆円錐筒状に形成された残渣回収部620が設けられている。この残渣回収部620は、回転炉200にて加熱されて回転炉200の下流側となる他端側から排出される被加熱物Wの炭化物などの残渣Cを捕獲し、排出側フード600の底部から排出可能に構成されている。さらに、排出側フード600には、被加熱物Wが回転炉200で加熱されて乾留ガス化された乾留ガスGを回収して回転式加熱装置100外へ搬出する図示しないガス回収手段が設けられている。このガス回収手段にて回収された乾留ガスGは、例えば貯留タンクなどに供給して貯留したり、別途処理手段に搬送して適宜処理したりする。そして、排出側フード600には、供給側フード500と同様に、外面に図示しない断熱材630が設けられている。
【0034】
シール装置700は、図2および図3に示すように、例えば排出側フード600と、間接加熱手段400から外部に臨む回転炉200の端部との間に生じるクリアランスとなる隙間を閉塞する。なお、本実施の形態では、排出側フード600側にシール装置700を設けた構成について説明するが、供給側フード500側のみ、さらには双方に設けてもよい。そして、シール装置700は、断熱部710と、支持部720と、シール構造体730と、を備えている。
【0035】
断熱部710は、回転炉200の他端側の外周面に設けられている。この断熱部710は、円筒体711と、断熱材712と、を備えている。円筒体711は、内径が回転炉200の外径より径大でかつ外径が排出側嵌挿開口部610の開口径より径小で、表面が略真円となる状態に機械加工が施された円筒状に形成されている。また、円筒体711の内周面には、補強リブ711Aが格子状に突設されている。さらに、円筒体711には、軸方向の端部周縁に、鍔状の取付フランジ711Bが垂設されている。そして、円筒体711は、中心軸が回転炉200の中心軸に略同軸上に位置する状態で、取付フランジ711Bが回転炉200の他端部近傍の外周面に一体的に垂設された鍔状の取付リブ220に、例えばボルト751およびナット752にて取り付けられている。すなわち、回転炉200の他端部に円筒体711が外周を覆う状態に一体的に取り付けられ、この円筒体711が取り付けられた回転炉200の端部が排出側フード600の排出側嵌挿開口部610に嵌挿されて覆われる構成となっている。なお、円筒体711の取付方法としては、ボルト751およびナット752による取付に限らず、例えば溶接などにて取り付けてもよい。また、断熱材712は、例えばガラス繊維などの比較的に耐熱性を有した材料にて構成されている。そして、断熱材712は、回転炉200に取り付けられた円筒体の内周面と、回転炉200の外周面との間の区画形成される間隙に充填され、断熱層を構成する。
【0036】
支持部720は、排出側フード600に設けられ、シール構造体730を支持、すなわちシール構造体730が取り付けられる。この支持部720は、支持部としても機能する補助フード取付部721と、支持部としても機能する基端側補助フード部722と、支持部としても機能する中間補助フード部723と、支持部としても機能する先端側補助フード部724と、を備えている。
【0037】
補助フード取付部721は、金属製で内径が断熱部710の円筒体711の外径より径大で内径が排出側嵌挿開口部610の開口径と略同寸法の略円筒状に形成された取付筒部としての取付円筒部721Aを備えている。この取付円筒部721Aは、排出側フード600の排出側嵌挿開口部610の開口縁に連続し、軸方向が回転炉200の軸方向と略平行で内周面が断熱部710の円筒体711の外周面に間隙を介して対向する状態に垂設されている。そして、取付円筒部721Aには、排出側フード600に対する先端側の周縁に、外方に鍔状に突出する取付フランジ部721Bが垂設されている。また、取付円筒部721Aの外周面には、略板状の補強リブ部721Cが放射状に複数垂設され、取付円筒部721Aの変形を防止する。これら補強リブ部721Cは、排出側フード600側の一縁が排出側フード600の排出側嵌挿開口部610が開口する一側面に連続して取り付けられ、取付円筒部721Aを排出側フード600に支持する機能も有する。さらに、取付円筒部721Aには、排出側フード600に対して基端側となる軸方向の一端内周面に、内径が回転炉200の外径より径大となる環状に形成された断熱部材721Dが設けられている。
【0038】
基端側補助フード部722は、補助フード取付部721の取付円筒部721Aと同様の金属製で略同径寸法の円筒状に形成された取付筒部としての基端側円筒部722Aを備えている。そして、基端側円筒部722Aの軸方向の両端縁には、取付円筒部721Aと同様の取付フランジ部721Bがそれぞれ垂設されている。さらに、基端側円筒部722Aの外周面には、取付円筒部721Aと同様の補強リブ部721Cが放射状に複数垂設されている。さらに、基端側円筒部722Aの軸方向の一端部には、略円錐筒状に形成された取付部としての基端側取付環状部722Bが、軸方向で縮径する状態に同軸上で一連に設けられている。また、基端側円筒部722Aには、内周側に封止ガスを供給するためのガス供給手段を構成するノズル722Cが、基端側取付環状部722Bが設けられた側となる軸方向の一端側に位置して設けられている。このノズル722Cにより供給される封止ガスは、例えば水蒸気や窒素ガスなどの酸素を含まない不活性で、回転式加熱装置100外に設けられた図示しない供給手段からノズル722Cを介して基端側円筒部722Aの内周側に供給される。そして、基端側補助フード部722は、取付フランジ部721Bが補助フード取付部721の取付フランジ部721Bに、補助フード取付部721の先端側に同軸上にボルト751およびナット752にて着脱可能に取り付けられる。この取り付けられた基端側補助フード部722は、補助フード取付部721の先端部分から回転炉200の取付リブ220を越えて、基端側取付環状部722Bが断熱部710の円筒体711の外周面に対向する状態となる軸方向の長さ寸法に形成されている。
【0039】
中間補助フード部723は、基端側補助フード部722と同様に、軸方向の両端縁に取付フランジ部721Bが垂設されているとともに外周面に補強リブ部721Cが放射状に複数垂設され、略同径寸法の円筒状に形成された取付筒部としての中間円筒部723Aを備えている。そして、中間円筒部723Aの軸方向の一端部には、同様に、略円錐筒状に形成された取付部としての中間取付環状部723Bが、軸方向で縮径する状態に同軸上で一連に設けられている。さらに、中間円筒部723Aには、封止ガスを内周側に供給するノズル722Cが軸方向の中間部に位置して設けられている。そして、中間補助フード部723は、基端側取付環状部722Bを嵌挿し基端側補助フード部722の先端側に同軸上に位置して、取付フランジ部721Bが基端側補助フード部722の取付フランジ部721Bに、ボルト751およびナット752にて着脱可能に取り付けられる。
【0040】
先端側補助フード部724は、基端側補助フード部722および中間補助フード部723と同様に、外周面に補強リブ部721Cが放射状に複数垂設され略同径寸法の円筒状に形成された取付筒部としての先端側円筒部724Aを備えている。そして、先端側円筒部724Aの軸方向の一端縁には、同様の取付フランジ部721Bが垂設されている。さらに、先端側円筒部724Aの軸方向の一端部には、同様に、略円錐筒状に形成された取付部としての先端側取付環状部724Bが、軸方向で縮径する状態に同軸上で一連に設けられている。また、先端側円筒部724Aには、同様に、封止ガスを内周側に供給するノズル722Cが軸方向の中間部に位置して設けられている。そして、先端側補助フード部724は、中間取付環状部723Bを嵌挿する状態で中間補助フード部723の先端側に同軸上に位置して、取付フランジ部721Bが中間補助フード部723の取付フランジ部721Bに、ボルト751およびナット752にて着脱可能に取り付けられる。
【0041】
そして、支持部720は、補助フード取付部721に、基端側補助フード部722と、中間補助フード部723と、先端側補助フード部724とが同軸上に連結されて取り付けられ、回転炉200に一体的に設けられた断熱部710に対向し、回転炉200が延出する排出側フード600の端面となる一側面に突設された一体の円筒状構造に構成される。なお、本実施の形態では、基端側補助フード部722と、中間補助フード部723と、先端側補助フード部724とを1つずつ連結する構成としたが、これの構成に限らず、いずれか1つのみ、あるいは基端側補助フード部722と中間補助フード部723または先端側補助フード部724との組み合わせ、あるいは中間補助フード部723と先端側補助フード部724との組み合わせ、さらには、基端側補助フード部722あるいは中間補助フード部723を備える構成では、複数連結して構成するなどしてもよい。さらに、本発明の支持部として、補助フード取付部721に取り付ける構成に限らず、基端側補助フード部722、中間補助フード部723および先端側補助フード部724のうちの少なくともいずれか1つを、排出側フード600や供給側フード500に直接取り付けてもよい。すなわち、断熱部710の位置に対応して構成を適宜設定することができる。また、連結する取付フランジ部721B間に、パッキンなどのシール部材を介在させてもよい。
【0042】
シール構造体730は、基端側補助フード部722の基端側取付環状部722B、中間補助フード部723の中間取付環状部723B、および、先端側補助フード部724の先端側取付環状部724Bにそれぞれ取り付けられ、多段すなわち3段配設されている。これらシール構造体730は、例えば耐熱性および耐摩耗性を備えたステンレス製で弾性屈曲変形可能な長方形の板状に形成された密封板としての板ばね731を複数備えている。これら板ばね731は、長手方向の一端側が、基端側取付環状部722B、中間取付環状部723Bおよび先端側取付環状部724Bの内方へ突出する縮径側となる先端部に、例えばボルト751およびナット752にて着脱可能に取り付けられている。これら取り付けられた板ばね731は、先端側が断熱部710の円筒体711の外周面に湾曲して接触する状態で、さらに隣り合う板ばね731の長手方向の一側が重なり合う状態に支持部720の周方向に沿って配列され、環状の板ばね群としてシール構造体730が構成される。
【0043】
この支持部720に多段に配設された環状構造のシール構造体730は、回転炉200に設けられた断熱部710の円筒体711の外周面に周方向で略均一に摺接し、内周側に円筒体711が略気密に嵌挿する状態が得られる。このシール構造体730の取付により、排出側フード600および回転炉200との間、すなわち排出側フード600の排出側嵌挿開口部610の開口縁と、回転炉200に設けられた断熱部710の円筒体711の外周面との間の隙間が略気密に閉塞される。そして、シール装置700は、円筒状構造に構成された支持部720と、この支持部720に多段に配設された環状のシール構造体730と、回転炉200に設けられた断熱部710の円筒体711とにて、円筒体711の軸方向に対して分割される状態に複数すなわち3つの略気密な気密室770を区画形成する。これら区画形成される気密室770は、それぞれノズル722Cが臨み、封止ガスが供給される。
【0044】
(回転式加熱装置の動作)
次に、上述した実施の形態の回転式開熱装置における動作として、加熱処理時のシール装置の封止状況を説明する。
【0045】
間接加熱手段400の加熱手段にて、加熱室部410内を加熱し、回転駆動手段300により回転される回転炉200を外部加熱する。この外部加熱では、回転炉200は、略中間部で約650℃以上の最高温度となる温度分布で加熱される。外部加熱による回転炉200の温度が安定した状態で、供給側フード500に設けられた供給手段520により、被加熱物Wを回転炉200の上流側である一端側から供給する。供給された被加熱物Wは、加熱され回転する回転炉200にて転動しつつ回転炉200の傾斜する下流側となる他端側へ移動され、攪拌加熱されて乾留ガス化される。そして、発生した乾留ガスGは排出側フード600の図示しないガス回収手段にて回収され、被加熱物Wの乾留ガス化処理による残渣は排出側フード600の残渣回収部620で回収されて、回転式加熱装置100外へ搬出される。
【0046】
この乾留ガス化処理の際、間接加熱手段400による回転炉200の所定の温度分布での外部加熱で、表面温度が最高で650℃以上に達する。また、回転炉200は、投入される被加熱物Wなどにより、径方向でも温度分布が生じる。このことにより、回転炉200は軸方向および周方向で温度が不均一となるので、軸方向および径方向で熱膨張が異なり、軸方向および径方向で複雑に変形する。一方、回転炉200に設けられた断熱部710の円筒体711は、断熱材712が充填された断熱層により、回転炉200から受ける熱量が少なく、温度があまり上昇せず熱膨張する量も少なく、ほとんど変形しない。このため、円筒体711の外周面は真円の状態が保持され、円筒体711が多少変形しても弾性変形されて摺接するシール構造体730が円筒体711の表面に追従して弾性変形し、周方向で気密に摺接する封止状態が維持される。
【0047】
さらに、回転式加熱装置100外に設けられた図示しない供給手段からノズル722Cを介して各気密室770へ封止ガスが供給される。このため、仮に板ばね間に僅かな隙間が生じたとしても、外部から空気が回転炉200内に流入、あるいは回転炉200内で発生した各種ガスなどが漏出するなどを防止する。
る隙間を介して空気と回転炉
【0048】
(第1の実施の形態の作用効果)
上述したように、上記第1の実施の形態では、回転炉200の端部の外周面に略同軸上に、内周面が回転炉200の外周面に断熱材712が充填された断熱層を介して対向する円筒体711を設ける。さらに、回転炉200の端部を回転可能に覆う排出側フード600における回転炉200が延出する端面に円筒体711に対向して支持部720を突設する。そして、板状で弾性変形可能な板ばね731が円筒体711の外周面に摺接する状態に円筒体711の周方向で複数配列して着脱可能に支持部720に取り付け、円筒体711の外周面および支持部720とにて外部に対して略気密に気密室770を区画する環状のシール構造体730を構成している。このため、回転炉200の端部外周面に同軸上に設けられ、板ばね731が複数配列された環状に構成されたシール構造体730が摺接する円筒体711は、断熱層により回転炉200から受ける熱量が少ないので変形が少なく、シール構造体730が周方向で常に均一に摺接する状態が確実に得られ、高いシール性が得られる。また、排出側フード600の回転炉200が延出する端面に、変形が少なくなる状態に設けた円筒体711に摺接する状態にシール構造体730を取り付ける支持部720を設けているため、簡単な構成で均一に摺接する構成が容易に得られるとともに、シール構造体730の点検や修理、交換などの保守点検が容易にできる。さらには、例えば耐熱性および耐摩耗性を有する部材にて形成した板ばねを利用して環状に配設してシール構造体730を構成することで、長期間安定した均一な摺接状態が得られるので、シール構造体730の点検や修理、交換などの保守点検の負荷を大きく低減できる。また、加熱によりガスが発生し外部からの空気の混入により処理に影響が及ぶ乾留ガス化処理でも、シール構造体730にて区画される略気密な気密室770にて十分な外部との遮蔽が得られ、外部からの空気の流入や乾留ガスの漏洩などが確実に防止され、外で殿密封性が要求される処理に有効で、良好な処理が容易に得られる。さらには、複数の板ばね731を複数配列して環状のシール構造体730を構成しているため、周方向で一部の板ばね731が損傷してもこの損傷した板ばね731のみを交換すればよく、保守管理が容易にできるとともに、維持コストも低減できる。
【0049】
そして、円筒体711を嵌挿する状態に、補助フード取付部721を介して排出側フード600に取り付けられた円筒状の、基端側補助フード部722の基端側円筒部722A、中間補助フード部723の中間円筒部723A、および、先端側補助フード部724の先端側円筒部724Aに、板ばね721が複数配列されて取り付ける円筒状の、基端側取付環状部722B、中間取付環状部723B、および、先端側取付環状部724Bを対応してそれぞれ設けている。このため、円筒体711に均一に摺接する状態にシール構造体730を取り付ける構成が容易に得られ、長期間安定して回転炉200の端部と排出側フード600との隙間を略気密に閉塞する構成の保守点検が容易となる。
【0050】
また、基端側円筒部722A、中間円筒部723A、および先端側円筒部724Aに、基端側取付環状部722B、中間取付環状部723Bおよび、先端側取付環状部724Bを、排出側フード600に対して反対側となる先端側に対応してそれぞれ設けている。このため、シール構造体730が取り付けられる位置が支持部720における排出側フード600に対して先端部に位置し、簡単な構成でシール構造体730の保守点検が容易にできる。
【0051】
さらに、略同形状で軸方向にそれぞれ連結される基端側円筒部722A、中間円筒部723A、および先端側円筒部724Aに、それぞれ対応して設けた基端側取付環状部722B、中間取付環状部723Bおよび、先端側取付環状部724Bにシール構造体730をそれぞれ取り付けて多段に構成している。このため、シール構造体730を複数設ける構成が容易に得られるとともに、より高いシール性を得るために多段に設けたシール構造体730でも、連結を解除することでそれぞれ外部に露出する状態が容易に得られ、保守管理の向上が簡単な構成で容易に得られる。そしてさらに、多段に設けたシール構造体730により、軸方向で略気密に気密室770を分割する状態に区画することが容易にでき、気密室770により仮に隙間が生じてもラビリンスシール構造が得られ、より良好な外部との遮蔽が得られ、より高いシール性が得られる。
【0052】
また、略同形状に基端側補助フード部722と、中間補助フード部723と、先端側補助フード部724と、を形成している。このため、回転炉200の構成や加熱条件などにより円筒体の形状が変更される場合でも、連結状態を変更するのみで円筒体711の外周面に確実に周方向で均質に摺接する構成が得られ、汎用性を向上できるとともに、製造性を向上できる。さらには、軸方向の端部に鍔状の取付フランジ部721Bをそれぞれ垂設して、例えばボルト751およびナット752にて着脱可能に連結している。すなわち、鍔状の取付フランジ部721Bを設ける簡単な構成で着脱可能に連結する構成が得られ、この着脱可能に連結する構成により、それぞれに取り付けられるシール構造体730の保守管理が容易にできる構成が容易に得られる。さらに、取付フランジ部721Bにより、周方向での変形も防止でき、取り付けられるシール構造体730の環状構造が良好に真円状態に保持でき、より周方向で均一な摺接が容易に得られる。
【0053】
そして、回転炉200の外周面に垂設した鍔状の取付リブ220に、円筒体711の軸方向の端部周縁に鍔状に垂設した取付フランジ711Bを取り付けている。このため、軸方向で円筒体711の内周側が略気密に閉塞される状態で円筒体711が回転炉200に取り付けられるため、回転炉200と円筒体711との間を介して外部と連通することを防止でき、確実にシール構造体730による高いシール性が容易に得られる。また、間に介在される断熱材712が充填された断熱層も排出側フード600内を介して回転炉200の内周側と遮蔽されるので、良好な断熱性が得られ、円筒体711が受ける熱量をより低減でき、円筒体711の変形をより低減でき、簡単な構成で、より高いシール性が容易に得られる。また、円筒体711の端部に垂設した取付フランジ711Bと、回転炉200に垂設した鍔状の取付リブ220とを取り付けるため、円筒体711の内周側の軸方向における略気密な閉塞が簡単な構造で容易に得られる。
【0054】
また、板ばね731を互いに重なり合う状態に周方向で複数配列して環状のシール構造体730を構成している。このため、板ばね731を湾曲する状態で円筒体711に摺接させて径寸法が異なる円筒体711でも板ばね731間に隙間が生じず周方向で均一に摺接する構成が容易に得られ、高いシール性が得られるとともに、円筒体711の寸法公差を大きく設定することもでき、さらには周方向で多少変形する状態でも均一に摺接する構成が得られ、製造性の向上も容易に得られる。
【0055】
さらに、軸方向で略気密に区画された複数の気密室770に対応して、ガス供給手段を構成し排出側フード600に対して少なくとも最も遠い位置となる気密室770に封止ガスを供給するノズル722Cを設けている。このため、封止ガスの気密室770への供給により、ラビリンスシール構造とともに封止ガスにより外部とのより良好な遮蔽が得られ、より高いシール性が得られ、乾留ガス化処理などの特に外部との気密性が要求される処理でも良好な処理が得られる。さらに、各気密室770に設けているため、さらにより高いシール性が得られる。また、封止ガスとして、酸素を含まない組成としている。このため、乾留ガス化処理のような酸素の混入による処理の阻害を確実に防止でき、良好な乾留ガス化処理が得られる。さらには、封止ガスとして、水蒸気を利用することにより、ドレン化して回収することが容易にでき、良好な乾留ガス化処理が得られる。また、封止ガスとして、窒素ガスを利用することにより、酸素による乾留ガス化処理の弊害を確実に防止でき、良好な乾留ガス化処理が得られる。
【0056】
そして、間接加熱手段400により回転炉200の外周面側を加熱して回転炉200内に供給される被加熱物Wを加熱する外熱型の回転式加熱装置100に適用している。このため、特に回転炉200が加熱されて軸方向および周方向で複雑に変形する場合でも、変形が押さえられた状態に設けられた円筒体711にシール構造体730が周方向で均一に摺接でき、高いシール性が容易に得られ、特に乾留ガス化処理などの外部との気密性が要求される処理で良好である。
【0057】
また、円筒体711に補強リブ711Aを設けている。このため、より円筒体711の変形が抑制され、シール構造体730の均一な摺接が容易に得られる。同様に、基端側円筒部722A、中間円筒部723A、および先端側円筒部724Aに、放射状に補強リブ部721Cをそれぞれ設けている。このため、基端側円筒部722A、中間円筒部723A、および先端側円筒部724Aの変形も防止でき、取り付けられるシール構造体730の環状構造が良好に真円状態に保持でき、より周方向で均一な摺接が容易に得られる。
【0058】
さらに、補助フード取付部721の補強リブ部721Cを、排出側フード600側の一縁が排出側フード600の排出側嵌挿開口部610が開口する一側面に連続して取り付けている。このため、補強のための構成で、補助フード取付部721を確実に排出側フード600に突出する状態に設けることができ、1つの構成で2つの機能を生じるので、構成の簡略化も得られる。
【0059】
〔第2の実施の形態〕
(回転式加熱装置の構成)
次に、本発明の回転式加熱装置における第2の実施の形態を図面を参照して説明する。この第2の実施の形態は、上記図1ないし図3に示す第1の実施の形態におけるシール装置のシール構造体にシール材を設けた構成である。なお、図1ないし図3に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。図4は、回転式加熱装置の回転炉の端部近傍を示す断面図である。図3は、回転式加熱装置の回転炉の端部近傍を示す平面図である。
【0060】
図3および図4において、800は回転炉の密封装置であるシール装置で、このシール装置800は、第1の実施の形態のシール装置700と同様に、例えば排出側フード600と、間接加熱手段400から外部に臨む回転炉200の端部との間に生じるクリアランスとなる隙間を閉塞する。なお、本実施の形態においても、排出側フード600側に設ける構成に限られない。そして、このシール装置800は、第1の実施の形態と同様の断熱部710、支持部720と、シール構造体830と、を備えている。
【0061】
シール構造体830は、第1の実施の形態と同様の板ばね731を複数配設した環状の板ばね群としてのシール構造体730と、シール構造体730に対応した形状の環状に形成されたシール材850と、締結手段860と、を備えている。そして、シール材850は、例えばシリコンゴムやセラミックファイバクロスなど、通気性がなくシール構造体730の変形に追従して変形可能な可撓性や弾性を有する部材にて環状シート状に形成されている。そして、シール材850は、シール構造体730の外面側に積層され、締結手段860にて保持される。締結手段860は、バンド材861と、止め具862と、を備えている。バンド材861は、例えばワイヤなどにて環状に形成されている。なお、バンド材861は、径寸法を可変可能に形成されていることが好ましい。また、止め具862は、バンド材861を嵌合する環状に形成され、外周面の一部に平面の当接面862Aが設けられている。そして、止め具862は、バンド材861に略等間隔で複数設けられている。そして、締結手段860は、止め具862の当接面862Aがシール材850に当接され、バンド材861の緊締により止め具862がシール材850をシール構造体730に押し付けるように保持する。このシール材850の取付により、シール構造体730の板ばね731間の隙間が閉塞される。
【0062】
(第2の実施の形態の作用効果)
上述したように、図4および図5に示す第2の実施の形態では、板ばね群のシール構造体730に積層して板ばね731巻の隙間を閉塞するシール材850を設けている。このため、第1の実施の形態の効果に加え、仮に板ばね間で隙間が生じてもシール材850にて閉塞されることとなり、より高いシール性が簡単な構成で容易に得られる。
【0063】
また、シール材850として、通気性がなくシール構造体730の変形に追従して変形可能な部材に環状に形成したものを利用している。このため、確実に高いシール性が得られる。さらには、汎用のシリコンゴムやセラミックファイバクロスなどを用いることができ、高いシール性が得られる構成が容易に得られる。さらに、シール材850として環状に形成されたものを用いているため、より高いシール性が容易に得られる。また、締結手段860にてシール材850を配設している。このため、簡単な構成でシール構造体730に積層する状態でシール材850を配設することができるとともに、簡単な構成であることから製造性の向上や保守管理の容易性の向上などが容易に得られる。
【0064】
〔実施の形態の変形〕
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0065】
すなわち、回転式加熱装置100を外熱型間接加熱方式の構成で説明したが、例えば内熱型加熱方式など、回転炉200を備えたいずれの加熱方式の構成を対象とすることができる。さらに、被加熱物Wを乾留ガス化する加熱に限らず、乾燥させたり、セメントクリンカのように加熱にて焼結させたりするなどのいずれの処理のための加熱を対象とすることができる。また、被加熱物Wとしても、廃タイヤに限らず、例えば砕石、汚泥、各種無機材料、食料品や食品原料など、いずれの組成物でもよく、また破砕物に限らず、粉粒体や泥状、スラリ状などのいずれの形態のものを対象とすることができる。
【0066】
そして、円筒体711としては、例えば周方向で分割され、回転炉200への取付により円筒状に形成される構成としてもよい。さらに、補強リブ711Aを設けたが、補強リブ711Aを設けなくてもよい。さらに、回転炉200の鍔状に設けた取付リブ220に、円筒体711の端部に鍔状に垂設した取付フランジ711Bを取り付けて説明したが、回転炉200への取付方法はいずれの方法が適用できる。なお、回転炉200の外周面と円筒体711の内周面との間が軸方向で気密が得られる状態に閉塞された取付状態とすることが好ましい。なお、通気性を有しない断熱材712を充填して軸方向で閉塞する状態が得られれば、例えば放射状に設けたリブにて回転炉200に一体的に取り付けるなどしてもよい。
【0067】
また、支持部720として、筒状構造の補助フード取付部721に、筒状構造の基端側補助フード部722、中間補助フード部723および先端側補助フード部724を連結した円筒状構造に説明したが、例えば基端側補助フード部722、中間補助フード部723および先端側補助フード部724を、周方向で分割可能に断面円弧状の複数の部位が連結されて円筒構造に構成するなどしてもよい。さらに、シール構造体730を取り付ける取付部として、基端側取付環状部722B、中間取付環状部723Bおよび先端側取付環状部724Bを略円錐筒状に形成し、基端側円筒部722A、中間円筒部723Aおよび先端側円筒部724Aに一連に設けた構成に限らず、基端側円筒部722A、中間円筒部723Aおよび先端側円筒部724Aに着脱可能に取り付ける構成としてもよく、さらには周方向で分割可能に略円錐筒状に構成されたものとしてもよい。さらには、取付部として、例えば基端側円筒部722A、中間円筒部723Aおよび先端側円筒部724Aに舌片状に内方に向けて突出する状態に設け、複数の板ばね731を円弧状に配列した部分板ばね群を舌片状の取付部に着脱可能に取り付けるなどしてもよい。
【0068】
さらに、補助フード取付部721の補強リブ部721Cを排出側フード600側に取り付けて説明したが、この補助フード取付部721の取付としては、例えば取付フランジ部721Bを設けて、この取付フランジ部721Bにより取り付ける構成とするなどしてもよい。
【0069】
そして、第2の実施の形態において、シール材850として環状に形成したものを用いて説明したが、例えばシール構造体730のように周方向で分割され取付により環状に形成される構成としてもよい。この構成によれば、シール材850の配設および保守管理も容易にできる。
【0070】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施の形態における回転式加熱装置の概略構成を示す概念図である。
【図2】前記第1の実施の形態における回転式加熱装置の回転炉の端部近傍を示す断面図である。
【図3】前記第1の実施の形態における回転式加熱装置の回転炉の端部近傍を示す平面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における回転式加熱装置の回転炉の端部近傍を示す断面図である。
【図5】前記第2の実施の形態における回転式加熱装置の回転炉の端部近傍を示す平面図である。
【符号の説明】
【0072】
100……回転式加熱装置
200……回転炉
220……取付リブ
400……加熱手段としての間接加熱手段
500……フードとしての供給側フード
600……フードとしての排出側フード
700……回転炉の密封装置であるシール装置
711……円筒体
720……支持部
721……支持部としても機能する補助フード取付部
721A…取付筒部としての取付円筒部
722……支持部としても機能する基端側補助フード部
722A…取付筒部としての基端側円筒部
722B…取付部としての基端側取付環状部
722C…ガス供給手段を構成するノズル
723……支持部としても機能する中間補助フード部
723A…取付筒部としての中間円筒部
723B…取付部としての中間取付環状部
724……支持部としても機能する先端側補助フード部
724A…取付筒部としての先端側円筒部
724B…取付部としての先端側取付環状部
730,830……シール構造体
731……密封板としての板ばね
770……気密室
850……シール材
W……被加熱物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転炉の端部と、この回転炉の端部を回転可能に覆うフードとの隙間を略密封する回転炉の密封装置であって、
前記回転炉の少なくとも端部の外周面に略同軸上に設けられ、内周面が前記回転炉の外周面に断熱材が充填された断熱層を介して対向する円筒体と、
前記フードの前記回転炉が延出する端面に前記円筒体に対向して突設された支持部と、
板状で弾性変形可能な密封板が前記円筒体の外周面に摺接する状態に前記円筒体の周方向で複数配列されて前記支持部に着脱可能に取り付けられて環状に構成され、前記円筒体の外周面および前記支持部とにて外部に対して略気密に気密室を区画するシール構造体と、
を具備したことを特徴とした回転炉の密封装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回転炉の密封装置であって、
前記支持部は、前記円筒体を嵌挿する状態に前記フードに突設された円筒状の取付筒部と、この取付筒部に設けられ前記密封板が複数配列されて取り付けられる取付部と、を備えた
ことを特徴とした回転炉の密封装置。
【請求項3】
請求項2に記載の回転炉の密封装置であって、
前記取付部は、前記取付筒部に内方に向けて突出する状態に略筒状に形成された
ことを特徴とした回転炉の密封装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の回転炉の密封装置であって、
前記取付部は、前記取付筒部の軸方向における前記フードに対して反対側の端部に設けられた
ことを特徴とした回転炉の密封装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の回転炉の密封装置であって、
前記円筒体は、回転炉の外周面に垂設されたフランジ状の取付リブに、軸方向で内周側が略気密に閉塞される状態で取り付けられた
ことを特徴とした回転炉の密封装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の回転炉の密封装置であって、
前記シール構造体は、前記円筒体の軸方向で多段に設けられて前記気密室を略気密に分割する
ことを特徴とした回転炉の密封装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の回転炉の密封装置であって、
前記支持部は、前記円筒体の軸方向に沿った方向で複数連結され、
これら複数の支持部に前記シール構造体がそれぞれ取り付けられ、これらシール構造体にて前記円筒体の軸方向で前記気密室が略気密に分割する多段に配設された
ことを特徴とした回転炉の密封装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の回転炉の密封装置であって、
前記支持部に設けられ、前記気密室内に封止ガスを供給するガス供給手段を具備した
ことを特徴とした回転炉の密封装置。
【請求項9】
請求項8に記載の回転炉の密封装置であって、
前記気密室は、前記シール構造体にて前記円筒体の軸方向で略気密に分割され、
前記ガス供給手段は、前記円筒体の軸方向において少なくとも前記フードから最も遠い位置で区画される前記気密室に前記封止ガスを供給する
ことを特徴とした回転炉の密封装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の回転炉の密封装置であって、
前記シール構造体は、環状に形成され前記密封板の外面側に積層する状態に配置されるシール材を備えた
ことを特徴とした回転炉の密封装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の回転炉の密封装置であって、
前記回転炉は、外周面側が加熱され、内部に供給される被加熱物を加熱する外熱型である
ことを特徴とした回転炉の密封装置。
【請求項12】
回転炉と、
この回転炉の端部を回転可能に覆うフードと、
前記回転炉内に投入された被加熱物を加熱する加熱手段と、
前記回転炉および前記フード間の隙間を略密封する請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の回転炉の密封装置と、
を具備したことを特徴とした回転式加熱装置。
【請求項13】
請求項12に記載の回転式加熱装置であって、
前記加熱手段は、前記被加熱物を加熱して乾留ガス化処理する
ことを特徴とした回転式加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−170494(P2006−170494A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−361562(P2004−361562)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】(390022873)日鐵プラント設計株式会社 (275)
【出願人】(300078615)広島ガステクノ株式会社 (13)
【出願人】(593154263)北興化工機株式会社 (3)
【Fターム(参考)】