説明

固体原料から試薬を送出するためのシステム

【課題】固体原料から試薬を送出するためのシステムと方法を提供する。
【解決手段】固体原料物質を加熱し固体原料物質から蒸発により蒸気を発生するため、構造物であってその少なくとも一部により封じ込められている固体原料物質(30)を保持するように構成された構造物(16、22、24)、そのような蒸発のために固体原料物質を加熱するように構成された熱源(82)、およびシステムから蒸気を放出するように構成された蒸気分配アセンブリ(52、54)を備える、試薬をその固体原料から送出するためのシステム(10)が実現される。高伝導性弁(1510)は、入口および出口通路が実質的に互いに垂直であり、その内部端は完全開位置と完全閉位置との間で移動可能な選択的に位置決め可能な弁要素を含む弁室(1536)と連絡している弁本体(1512)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本明細書では、Paul J.Marganski、James I.DietzおよびJoseph D.Sweeneyの名において「SYSTEM FOR DELIVERY OF REAGENTS FROM SOLID SOURCES THEREOF」という表題で2005年3月16日に出願した米国仮特許出願第60/662,515号およびPAUL J.MARGANSKIおよびJOSEPH D.SWEENEYの名において「HIGH CONDUCTANCE VALVE FOR USE IN DELIVERY OF LOW PRESSURE FLUIDS」という表題で2005年3月16日に出願した米国仮特許出願第60/662,396号の優先権の利益が主張される。
【0002】
[0002] 本発明は、一般に、原料試薬のパッケージングおよび物質送出システムに関する。具体的態様において、本発明は、固体原料からの試薬の送出、原料試薬の貯蔵および分配用の対応する容器、および低圧の流体、例えば、半導体デバイスの製造で使用されるガスまたは蒸気の送出に使用できる高伝導性弁、さらにそのような弁を使用するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 化学試薬は、さまざまな形態で使用されている。場合によっては、化学試薬は、蒸気形態で使用され、最初は固形である原料から、例えば大気温度および大気圧の条件において得られる。このような状況では、固体原料を揮発させて所望の試薬蒸気を形成することができる。
【0004】
[0004] 固体原料の例としては、デカボランおよびオクタデカボランがあり、これらは、半導体の製造においてホウ素ドーピングの原料として使用される。
【0005】
[0005] 固体原料物質を使用して気体試薬を作る際に、その固体物質を加熱し、例えば昇華により、または固体−液体−気体の連続的な転移を生じさせることにより、気相への相転移を誘発させることができる。
【0006】
[0006] 残念なことに、このような蒸気発生のために固体原料を加熱する従来の方法には、多くの欠点がある。
【0007】
[0007] 典型的には、原料物質の固体塊が望ましい均一な温度に保たれるように固体原料物質を加熱することは困難である。この問題は、昇華可能な固形物の場合に特に深刻であり、温度が不均一だと、固体から蒸気が激発し放出される可能性がある。この激発がきっかけとなり、試薬送出システム内に圧力摂動が発生し、その結果、決して理想的とは言えない蒸発と物質移動が生じる。このような理由から、加熱された固体の温度均一性を改善することは、固体原料物質を使用するうえでの根本的課題となっている。温度不均一性の悪影響としてはほかに、輸送管路および弁など、プロセスシステムの望ましくない場所に蒸気の凝結が生じる問題が挙げられる。
【0008】
[0008] 固体原料物質を使用するうえでほかに問題になるのは、密度の低い固形物では熱伝導性がよくないという点である。多くの場合において、固体原料物質は、粒子、粒状物、粉体、または他の不連続形態で供給される。このような不連続形態では、物質の表面積対体積率は、極端に高くなる場合があり、粒子中の熱の固体伝導は、粒子内熱伝達を行わせるのには適しているかもしれないが、粒子間の間隙は、粒子の全体積内の制限的熱抵抗をもたらす要因となる。したがって、固形物のかさ密度は、伝導性熱伝達に影響を及ぼす。
【0009】
[0009] 固体原料物質を使用する際に生じる他の問題として、供給容器内の原料物質のレベル感知がある。レベル感知は、原料物質の気化および供給容器からの蒸気の送出のプロセス監視および制御に望ましい。この供給容器は、高温環境内に置かれたり、容器壁から容器に収められている固体原料物質への熱伝導を促進するために加熱コンポーネントを備える場合があるため、この容器は、レベル感知計装パッケージを設置することを許さない利用可能な空間または体積の制限により制約されうる。そうした場合でなくても、レベル感知計装パッケージは、容器およびその中の固形物の加熱に際して生じる温度に不適合な関連する温度制限を有していることがある。
【0010】
[0010] 固体原料物質を使用する関連する他の問題として、供給容器の洗浄および再利用の問題がある。容器内の固形物を蒸発させると、固形物が容器の内壁に堆積するので、蒸発させる作業が完了した後に、壁面から取り除くのが望ましい。容器の再利用のためこのような固形物を取り除く作業は、極端に時間を食い、労力を必要とし、費用がかかる可能性がある。さらに、洗浄プロセスは、それ自体、使用しなければならない洗浄剤に関連する毒性、発火性などの危険性をさらに持ち込む可能性がある。
【0011】
[0011] これらの理由から、当該分野では、(i)加熱される固形物中の空隙に起因する加熱された物質および熱伝導抵抗における温度不均質の悪影響を最小限に抑え、(ii)蒸発作業が行われるときに供給容器内の固形物のレベルまたは量の監視に適応し、(iii)蒸発作業が完了した後に、供給容器の再改修および再利用を促進するような形で固体原料物質を使用しやすくする解決法を探し続けている。
【0012】
[0012] 低圧ガスおよび蒸気の送出における関連する考慮事項として、流体貯蔵および送出システムのコンポーネントに、流体の流路にそって、生じる圧力低下は、大きな問題になりうる。
【0013】
[0013] 例えば、半導体デバイスの製造では、イオン注入、化学気相成長、エッチング、および洗浄作業などの用途に低圧流体試薬を使用するのがふつうである。
【0014】
[0014] このような用途向けの低圧流体貯蔵および送出システムを例示する、米国特許第5,518,528号では、物理的吸着に基づく流体貯蔵および分配システムを開示しており、そこでは、ガスが低圧で、例えば約700torrよりも低い大気圧以下の圧力レベルで貯蔵される。
【0015】
[0015] 他の例としては、米国特許第6,089,027号、米国特許第6,101,816号、および米国特許第6,343,476号で説明している、流体貯蔵および分配システムがあり、そこでは、流体は内部容積中に配置され、分配アセンブリを通して半導体製造設備と結合された流体回路に放出するように動作する流体圧力調節器を有する容器に収められている。このようなシステムでは、流体は、流体圧力調節器の設定点圧力を適切に選択することにより大気圧以下の圧力レベルで使用するように分配できる。
【0016】
[0016] これらの用途にかかわる圧力駆動力が制限されているため、低圧流体試薬の流れは、過剰な圧力低下特性を有するシステムコンポーネントにより制約される。この状況では、下流の流体消費プロセスだけでなく、分配された流体を使用して作られる生成物に対しても重大な悪影響が及ぶ可能性がある。
【0017】
[0017] さらに、流体が貯蔵される物理的吸着媒質が入っている容器から流体を分配する際に、流体供給容器に関連するコンポーネント内に過剰な圧力低下が存在すると、容器の中の流体を十分に利用したくてもひどく制約されることになる。これには、流体が使い果たされると、流体の圧力が最終レベルまで低下して流体分配が利用できなくなってしまうという理由がある。したがって、容器内に残っている量は、使用できない「端っこ」つまり残余となっている。
【0018】
[0018] 例えば、前述の米国特許第5,518,528号で開示されているタイプの特定の容器では、アルシンなどのガスを吸着剤に貯蔵することができる。その後使用する際に、このようなガスは、脱着、分配され、10〜20torrの圧力まで低下し、その後、システムは、十分に高い流量でガスを分配することができなくなる。分配に使用されるシステムコンポーネント内の圧力低下を下げることが可能であったなら、分配は、なおいっそう低い圧力まで下がり続ける可能性がある。具体例として、2torrの圧力まで下げる連続的分配動作を行うことが可能であったなら、結果として容器からの流体利用度の増大は著しいものとなりうる、例えば、約10%程度となる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
[0019] このような理由から、当該分野では、流体分配システムコンポーネントおよび流体回路内の圧力低下の悪影響を最小限に抑える形で上で例示的に説明されているようなさまざまな用途における低圧流体の送出を容易にする解決法を探し続けている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
[0020] 本発明は、固体原料からの試薬の送出のためのシステム、原料試薬のパッケージング、原料試薬の貯蔵および分配用の容器を含む物質貯蔵および分配システム、および低圧の流体、例えば、半導体デバイスの製造で使用されるガスまたは蒸気の送出に使用できる高伝導性弁、さらにそのような弁を使用するシステムおよび方法に関する。
【0021】
[0021] 一態様では、本発明は、固体原料物質を加熱し固体原料物質から蒸発により蒸気を発生するため、固体原料物質を保持するように構成された構造物であって該構造物の少なくとも一部により前記固体原料物質を封じ込める構造体、そのような蒸発のために固体原料物質を加熱するように構成された熱源、およびシステムから蒸気を放出するように構成された蒸気分配アセンブリを備える、試薬をその固体原料から送出するためのシステムに関する。
【0022】
[0022] 他の態様では、本発明は、保持構造物の少なくとも一部により封じ込められている固体原料物質を保持すること、固体原料物質を加熱して固体原料物質からその蒸発により蒸気を発生すること、およびそのような蒸気を受け取ることを含む、固体原料からの試薬の送出のための方法に関する。
【0023】
[0023] 本発明は、他の態様において、低圧流体の送出に使用できる、優れた性質の弁流量係数を有する弁、ならびにそのような弁を使用するシステムおよび方法に関する。
【0024】
[0024] 一態様では、本発明は、中に弁室を画成する弁本体、弁室に連通し流体を弁本体に流入させるための入口通路、弁室に連通し流体を弁本体から流出させるための出口通路、弁要素、および弁室内の全開位置と全閉位置との間の弁要素の移動を可能にするアクチュエータを備え、弁要素が開位置にあるときに入口通路および出口通路は弁室と連携して流体が弁本体を流れるのを許し、入口通路および出口通路は互いに実質的に垂直である高伝導性弁に関する。
【0025】
[0025] 本発明の他の態様は、流体容器に結合された、本発明の弁を備える流体送出システムに関する。
【0026】
[0026] 本発明のさらに他の態様は、半導体製造設備に結合された、本発明の弁を備える半導体の製造のためのシステムに関する。
【0027】
[0027] 本発明のさらに他の態様は、弁が流れを制御する関係を流体との間で持つようにすることと、流体を流体消費プロセスに、プロセスで必要な速度で分配するために弁を選択的に開放することとを含む、本発明の弁を使用する方法に関する。
【0028】
[0028] 本発明のさらに他の態様は、試薬を容器に入れることと、試薬を容器から流体消費プロセスにそのようなプロセスで必要な速度で分配するために弁を選択的に開放することとを含む、本発明の流体送出システムを使用する方法に関する。
【0029】
[0029] 本発明の他の態様、特徴、および実施形態は、以下の開示および付属の請求項を読むとより完全に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】[0030]本発明の一実施形態による、試薬を固体原料物質から送出するためのシステムの部分的断面を示す正面略図である。
【図2】[0031]本発明の他の実施形態による、試薬を固体原料物質から送出するためのシステムの部分的断面を示す正面略図である。
【図3】[0032]貯蔵および分配容器内の物理的吸着媒質に固体原料物質の蒸気を蒸着するための構成を示す略図である。
【図4】[0033]吸着原料物質が下流の流体利用プロセスシステム中で脱着され、利用される、後続の分配モードでの、図3の貯蔵および分配容器を示す略図である。
【図5】[0034]固体原料物質がコーティングされた、コア本体を含む、本発明の他の実施形態による原料試薬物品の斜視図である。
【図6】[0035]本発明のさらに他の実施形態による、固体原料物質を使用する送出システムの略図である。
【図7】[0036]本発明の他の実施形態による、固体原料物質を使用する試薬送出システムの図である。
【図8】[0037]本発明の追加の実施形態による、固体原料物質を使用する試薬送出システムの図である。
【図9】[0038]加熱挿入物とともに外面上の加熱ジャケットの内部位置決めを行えるようになっている、本発明の他の態様による円環型試薬分配容器の斜視略図である。
【図10】[0039]それぞれのトレイが固体原料物質でコーティングされているか、または固体原料物質を格納している、積層構造の一連の水平トレイを備える、本発明の一実施形態による試薬送出容器の部分的断面を示す正面図である。
【図11】[0040]多孔質管および/または多孔質リングに関連する内部流体回収多岐管を組み込んだ、本発明の他の態様による試薬送出容器の部分的断面を示す斜視図である。
【図12】[0041]本発明の他の態様による、固形物蒸発技術を示す水平方向試薬送出容器の図である。
【図13】[0042]緩衝帯を備える、本発明の他の実施形態による、試薬送出システムの略図である。
【図14】[0043]他の実施形態における本発明の他の態様を例示している、順応性のある形状の加熱ジャケット内に挿入される試薬送出容器の斜視図である。
【図15】[0044]容器から蒸発した固形物蒸気を放出するため多孔質回収管に結合された回収多岐管部材を備える、関連する監視および制御コンポーネントを示している、本発明の他の態様による試薬送出容器の部分的断面を示す斜視図である。
【図16】[0045]細長い支持部材が固体原料物質でコーティングされ、その結果コーティングされた物品が加熱帯に平行移動するようにして通され、固体原料物質が蒸発し流体利用装置用に蒸気を形成する場合を示している、正面断面略図である。
【図17】[0046]固体原料物質の表面被膜のコーティングを示す、粒子の塊に固体原料物質の蒸発を仲介するエネルギーが当たっている、混合物中の吸着性高熱伝導性粒子の塊および吸着性高熱伝導性粒子の一部を示す断面略図である。
【図18】[0047]固体原料物質の粒子を平行移動するようにして加熱帯に通し、固体原料物質を蒸発させ、蒸気利用プロセスにおいて使用する蒸気を形成するためのコンベヤシステムの略図である。
【図19】[0048]基材粒子上にコーティングされた固体原料物質から蒸気を発生し、下流の流体利用設備内の結果として得られる蒸気を利用するための流動床システムの略図である。
【図20】[0049]さまざまな監視および制御コンポーネントをアクセサリとして装備する、固体原料物質を使用する蒸気発生システムの略図である。
【図21】[0050]本発明の一実施形態による、固体原料試薬送出パッケージの部分的断面を示す正面図である。
【図22】[0051]安全保護および不正開封防止機能として、シュリンクラップフィルムで覆われた、固体原料試薬送出パッケージの正面図である。
【図23】[0052]本発明の一実施形態による、原料試薬供給パッケージのさまざまな場所における、分を単位とする経過時間の関数としての、℃を単位とする温度、直流ボルトを単位とする熱流束センサ読み取り値のグラフである。
【図24】[0053]本発明の他の実施形態による、固体原料試薬送出パッケージの部分的断面を示す正面図である。
【図25】[0054]本発明の一実施形態による高伝導性弁の斜視図である。
【図26】[0055]図25の高伝導性弁の上面図である。
【図27】[0056]図25の高伝導性弁の正面図である。
【図28】[0057]直線A−Aにそって切り取った、図27の高伝導性弁の断面正面図である。
【図29】[0058]半導体製造設備における流体の必要量に応じて加熱するために加熱ジャケットが配置されている、流体を半導体製造設備に送出するために流体流で流体回路と連絡するように構成された、本発明の高伝導性弁を組み込んだ固体原料試薬貯蔵および分配容器の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[0059] 本発明は、固体原料から試薬を送出するためのシステムおよびプロセスに関する。
【0032】
[0060] 特定の一態様において、本発明は、融点が低く、蒸気圧がかなりあるため昇華させて利用できる、デカボラン、オクタデカボラン、塩化インジウムなどの固体原料を含む、半導体製造用の固体原料物質を蒸発させるために有益に使用される。
【0033】
[0061] 多くの場合において、固体原料物質から低圧の蒸気を発生させるには、蒸発させた試薬の送出速度がそのような蒸発した試薬を使用する下流の処理システムの要求条件を十分満たすように、高伝導性流体回路およびコンポーネントが必要である。この点に関して、特に有用な高伝導性流量調節弁が、図25〜29に示されている。
【0034】
[0062] そこで図面を参照すると、図1は、本発明の一実施形態により、試薬を固体原料物質から送出するためのシステム10の部分的断面を示す正面略図である。
【0035】
[0063] 試薬送出システム10は、容器の下側部分の、固体原料物質の塊30が入る囲まれた内部容積14を画成する床32、側壁34、および上壁36を有する容器12を備える。
【0036】
[0064] 内部容積14における容器12は、板部材の底面からその上面に延びている、一連の流路開口を中に有する多孔質板部材16を含む。板部材16は、さらに、相互接続された孔20も備えるが、ただし、流路開口18とは連絡していない。板部材16は、シャフト22に中心領域で連結され、一実施形態では、伸縮式管状アセンブリとして形成される。
【0037】
[0065] 図1に示されているシステムの一実施形態では、伸縮式シャフト22は、らせん状に延びるバイアスバネ24で囲まれている。シャフト22およびバネ24は、その上端のところで容器12の上壁36に固定され、またその下端のところで板部材16の中心領域に固定されている。この配置により、バネ24は、板部材16の上面に圧縮力を加え、板部材を下方向に押しやるように機能し、これにより、固体原料物質の塊30の上面との接触を維持し、圧縮力で支える。
【0038】
[0066] 固体原料物質の塊は、適切なサイズの粒子として、物質の表面積対体積率を最大にする、例えば、粒状物、粉体、または他の不連続な形態などの好適な形態とすることができる。他の実施形態では、固体原料物質の塊は、単一のモノリシックブロック形態、例えば、物質の最初に固体であった体積分の加熱の後の原料物質の液体を固化することにより形成されるようなものとすることができる。原料物質のモノリシックブロックは、表面積対体積率は高くないが、それにもかかわらず、固体原料物質の対応する粒子状物質塊のかさ体積全体にわたって熱伝達を妨げる可能性のある空隙を有しない。固体原料物質の加熱は、固体原料物質にマイクロ波加熱を行うか、または加熱エネルギーを他の方法で当てることにより行うことができる。
【0039】
[0067] 図1のシステムの一実施形態の板部材16は加熱されて、原料物質30の上面に圧縮する形で当たり、高温の板部材により、この部材に接触する原料物質が蒸発し、次いで、その結果得られる蒸気が、板部材の流路開口18を通って、容器の上側内部容積内に流れ込む。
【0040】
[0068] 板部材16および関連する固体原料物質の加熱は、適当な方法で行うことができる。このような加熱を行うために、さまざまなタイプの熱伝達構成を使用することができ、その際に、例えば、適宜、気体または液体であってよい、熱伝達流体などのさまざまな好適な熱伝達媒体を使用する。本発明の一実施形態では、シャフト22は、中空であり、中空内部通路は、容器の上壁36に取り付けられた液だめおよびポンプアセンブリと連絡している。液だめおよびポンプアセンブリ76の中の液体は、アセンブリの液だめから熱交換器82への管路86内の通路により加熱され、液体は適切な温度に加熱されて固体原料物質を蒸発させ、加熱された液体は、熱交換器から液だめおよびポンプアセンブリ76の液だめに戻される。次いで、液体は、液だめおよびポンプアセンブリ中のポンプによりシャフト22の内部の中空通路に汲み上げられ、そこから、高温の液体が板部材の内部孔20に流れ込み、ポンプが作動することにより孔を循環して、アセンブリ76内の液だめに戻される。液だめに戻る熱伝達流体のこのような還流では、シャフト22の内部は、適切なサイズの還流路を備え、これにより圧力低下および液だめおよびポンプアセンブリ76内のポンプによりもたらされる駆動力の下で還流することができる。
【0041】
[0069] このようにして、板部材16を通る連続液体流は、板部材がバイアスバネ24の弾みにより下方に押しやられるときに板部材の温度が板部材の近くで固体原料物質を蒸発させるのに十分な温度になるように維持される。
【0042】
[0070] 次いで、蒸発した固体原料物質は、板部材流路開口を通って流れ、矢印Mにより示された方向で上に向かって、上壁36を通して上壁36の上面に配置されている高伝導性弁54に結合されている吐出管52に連結されているフィルタ50へ流れる。フィルタ50は、固体原料物質容器に適宜含まれる特徴であり、蒸気流路内の粒子を取り除くか、または他の何らかの方法で流量制限する必要がなければ、存在していなくてよい。高伝導性弁54は、吐出フィッティング60が連結されている弁本体56を含む。弁は、例示されている実施形態においてハンドアクチュエータ58を備えるが、弁54は、容器内の固体原料物質から導き出される蒸気の分配のため弁54を選択的に開くように、自動アクチュエータまたは他の制御装置とともにさまざまな形で構成されうる。
【0043】
[0071] 本発明を広範にわたって実施するにあたって有用な特に好適な高伝導性流弁が、以下でさらに詳しく説明するように、図25〜29に示されている。
【0044】
[0072] 例示されている構成において、固体原料物質が昇華し、塊30が徐々に小さくなって行くにつれ、バネ24のバイアス動作により、板部材と原料物質との接触が維持される。固体原料物質のレベル感知は、固体原料物質のかさ体積の上面と接触している板部材のレベルを示す出力を供給し、それにより原料物質蒸気を発生するため、容器内に残っている固体原料物質の量を反映した出力を行う、(複数の)電気接点、または磁気、光学、もしくは他のセンサを使用するような構成で行うことができる。
【0045】
[0073] 板部材が加熱され、原料物質が気相に変わって消耗し板部材が下方に押しやられる図1の他の構成として、液だめおよびポンプアセンブリ76は、加熱され、液だめおよびポンプアセンブリ76により伸縮式シャフト22の中空通路内に汲み上げられる作動油の主液だめ78に結合することができる。次いで、加熱された作動油が、板部材16の孔20に流れ込み、それと同時に、加圧され、板部材に油圧をかけて下方に押すが、その際に伸縮式シャフト22が下方に延びる。このようにして、加熱された板部材16と固体原料物質の上面との接触が維持される。
【0046】
[0074] さまざまな代替えまたは追加の力のメカニズムを、本発明の特定の実施形態において使用し、板部材16と固体原料物質の上面との接触を維持することができる。例えば、板部材と接触していて、それから離れる方向に流れる熱伝達流体の運動量の変化により板部材に運動移行が与えられうる。さらに、下方に押しやる力は、板部材16に重さがあるため存在しおり、したがって、板部材の重さは、容器内の固体原料物質の塊との強い接触を維持するのを助けるように選択することができる。さらに板部材に重さを加えることで、板部材と固体原料物質との接触を維持する力を高めることが可能である。加速場(重力場、電場など)をかけることによる板の質量の加速は、使用可能なもう1つの力のメカニズムである。
【0047】
[0075] また、図1に示されている実施形態のいくつかの用途では、板部材16を、直接加熱することなく、固体原料物質の塊に圧力をかける単なる部材として、また容器を加熱しつつ、使用すると都合がよい場合がある。例えば、板部材16および伸縮式シャフト22が高伝導性物質、例えばアルミニウムで作られる場合、容器壁からの熱伝導は十分にあり、熱を板部材に伝え、そこから熱を固体原料物質表面に移すことができる。容器の壁の相対的加熱および板部材の加熱は、固体原料物質から導き出される蒸気の凝結を避けるために必要に応じて板部材の温度が容器壁温度よりも高くならないように行うべきである。
【0048】
[0076] 一般に、容器は、蒸気が発生した後に凝結しないように、外部で加熱される。この目的のために、容器は、蒸気を徐々に分配する動作を行っているときに固体原料物質が接触する容器の部分にそって外側を囲む加熱ジャケット38、40、42、さらに蒸気空間加熱ジャケット39を備えることができる。周りを囲む加熱ジャケット38、40、および42の構成により、ショックアブソーバータイプの構成の伸縮式支柱の内側の空気圧または油圧を監視することでレベルを示すことが可能であり、そのときに、流体は、支柱内で絶縁されており、流体の圧力は、原料物質が徐々に消耗するにつれ支柱が長くなるとともに減少する。それぞれの加熱ジャケットは、説明を簡単にするために、関連する電線および電源を例示せずに、略図形式で示されている。
【0049】
[0077] 上側加熱ジャケット38は、容器12の側壁34を囲んでおり、「A」と示されている上側加熱帯の境界となっている。中間加熱ジャケット40は、帯域「A」の下の容器の側壁34を囲んでおり、中間加熱帯「B」の境界となっている。下側加熱ジャケット42は、容器12の側壁34を囲んでおり、下側加熱帯「C」の境界となっている。それぞれの加熱ジャケットは、好適なエネルギー供給コンポーネント、例えば、電源と結合することができ、ジャケットのそれぞれ1つは、側壁を通り固体原料物質に入る伝導性熱伝達により、固体原料物質の関連する帯域の加熱のために作動される。
【0050】
[0078] このようにして、上部加熱器38は、固体原料物質が帯域「A」内にある場合に作動し、中間部加熱器40は、固体原料物質が帯域「B」にあるが、帯域「A」にはない場合に作動し、下部加熱器42は、固体原料物質が帯域「C」にあるが、帯域「A」または「B」のいずれにもない場合に作動する。結果として対応する帯域内の固体原料物質が加熱されると、上で説明したように、固形物から発生した蒸気は板部材16内の流路開口18を通り、フィルタ50および高伝導性流量調節弁54に入り、流体が分配される。
【0051】
[0079] このようにして、加熱の対象は、固形物の小さなセクションとなる。このように加熱作用の対象を固形物の特定の領域に絞ることも、固形物を押し上げて静止している多孔質または穿孔板部材に当てることにより、例えば、上に運ぶ機械式供給装置により行うことができる。それとは別に、固体原料物質は、加熱炉またはオーブンなどの加熱帯内に独りでに平行移動で入る容器内に配置することができる。これらの代替え配置では、加熱帯が1つだけあればよい。しかし、下流領域における蒸気の凝結および固形物の望ましくない再堆積を避けるために、固体原料物質を蒸発させるための1つまたは複数の加熱帯があるかどうかに関係なく、固形物の近くにある加熱帯は、固形物の下流にある領域よりも温度が低くなければならないことは理解されるであろう。
【0052】
[0080] 流体を分配する際に、原料固形物から出る蒸気は、弁54および吐出フィッティング60を通り、中に流量調節ユニット64を格納した流体分配管路62に流れ込む。この流量調節ユニット64は、例えば、質量流量調節器、温度および圧力センサ、流量調節弁、流体圧力調節器、流量制限オリフィス要素などの流れ分配回路内で使用されるコンポーネントの簡略表現である。
【0053】
[0081] 次いで、分配された流体は、分配管路62内を流れて処理設備66に入るが、例えば、これは、分配された流体が利用される半導体製造設備または他の設備を含むことができる。処理設備66内で流体を利用すると、管路68において廃液排除複合設備70に放出される廃液が発生することがあり、そこでは、廃液は排除され、安全なものにされるか、または他の何らかの方法で管路72に放出するのに適したものにされる。
【0054】
[0082] 容器12は、固体原料物質が完全に尽きると運転停止に変更することができる。次いで、シャフト22は、板部材が容器の側壁34の固形物注入口44の高さよりも上に来るように引っ込めることができる。次に、固形物注入口を開き、容器に固体原料物質を再充填し、注入口44を再封入した後の容器を戻して、固体原料物質から導き出した流体を分配するため使用できるようにする。他の代替え手段として、容器12の上壁36を容器の残り部分から取り出せるように形成することができ、こうすることで、そのような上部カバーを取り外して、新鮮な固体原料物質を容器内部容積に再充填することができる。このような目的のために、上部カバーに、側壁34の上側端部のところで対応するフランジ部材と連携するように嵌め合わせることができるフランジ部材、例えばボルトおよびナットアセンブリなどの取り外し可能な留め具または結合部材により固定されているそれぞれのフランジを付けて加工し、上部カバーのそのような取り外しを簡単にできるようにすることが可能である。
【0055】
[0083] 蒸発作業が終わった後、稼働を停止すると、容器に対し適切な洗浄および再生作業を行って容器を復活させ、新しい固体原料物質を容器に再充填することにより作業を再開することができる。このような一時的な清掃および再充填作業のための停止時間をできる限り短くするには、前の貯蔵固形物が蒸発した後、新鮮な貯蔵固形物とともに容器内に落とし込まれる使い捨てライナーを使用すればよく、固体原料物質の最初の充填がすでに入っている使い捨てライナーは、容器から単に取り出して捨てるだけである。このような使い捨てライナーは、本発明の別の態様である。
【0056】
[0084] したがって、ライナーを使用することで、容器の詰め替えが容易になる。多くの場合において、固体原料物質が長時間にわたって加熱された後、不揮発性残留物が形成されうる。この残留物は、固体原料物質を保持する容器の内壁面に存在する場合、取り除くことは極めて困難である。したがって、使い捨てライナーまたは袋を使用すると、固体原料容器の再利用性が大幅に高まる。
【0057】
[0085] 容器は、実際には、閉じられた状態で、メーカーまたは販売点によりユーザーに提供されるが、容器は、弁および吐出管路に接続されていても、修復のためメーカーに返すときに他の何らかの形で閉じた状態のままにできる。届いたら、メーカーは、洗浄のため容器を開けることができる。ライナーまたは袋が使用されている場合、メーカーは、容器を単に開いて、袋を取り出して捨て、1回分の固体原料物質を入れた新しい袋、または空の状態で容器内に設置し、次いで固体原料物質が充填される袋を挿入する。
【0058】
[0086] 他の変更形態として、使い捨てではないライナーを簡単に洗浄できる材料から形成することができ、したがって、捨てられることのないライナー袋を、単純に、1回分の洗浄液中に入れ、さらに、堆積した固形物などを洗浄液により可溶化するか、または化学反応させて、袋を再生して再利用することができる。
【0059】
[0087] 使い捨ての、または他の何らかの形で再利用可能なライナーは、構造的完全性、および所望の蒸気を形成するために固体原料物質が曝されなければならない高温蒸発状態の下での特性の保持を有する好適な材料、例えば、ポリイミド、ポリサルフォンなどのポリマーから形成することができる。
【0060】
[0088] 本発明のシステム内の固体原料物質容器は、容器内の固体原料物質の残量を示す出力を発生するレベルセンサを備えることができる。一実施形態では、レベルセンサは、知られている体積の不活性ガスを容器にパルス動作で送り込む流体回路とともに容器に結合された不活性ガス供給源を備え、圧力変換器は、固体原料物質容器の内部容積内の圧力の対応する圧力測定を行い、容器内に残っている固体化学物質の量を示す圧力応答信号を発生するように構成されている。
【0061】
[0089] それとは別に、固体原料容器の内部容積内の圧力を所定の値に高めるために注入される不活性ガスの量からも、容器内に固形化学物質がどれだけ残っているかを示す同じ情報が得られる。この場合、質量流量調節器を使用し、不活性ガスを量って固体原料容器中に入れることも可能である。
【0062】
[0090] これらのレベル感知の構成のそれぞれにおいて、レベル感知動作は、容器による通常動作で使用される流体利用プロセスから容器が絶縁されたときに行われる。この目的のために、固体原料容器は、通常の分配動作時に短時間だけオンラインになるように動作させ、レベル感知試験に対応することが可能である。下流の流体利用プロセスに蒸気を供給する作業を中断することなくこのような試験を行えるようにするために、サージタンクを備えるか、またはホールドアップ体積を有するシステムを構成すると、流れのないときに固体原料容器のレベル感知試験を行う際に一定量の蒸気を補給することができる。
【0063】
[0091] さらに他の代替え構成では、蒸気分配作業で固体原料物質が溶融温度まで加熱される場合、フロートスイッチを使用することで、供給容器内の液化原料物質の液位を感知し、容器内の固体原料物質(液化形態)の量を示す出力を得ることができる。
【0064】
[0092] さらに他の代替え構成では、容器に残っている固体原料物質(または液化されている場合には、液体物質)の残量を感知するために、流量合計装置を使用することができ、これは、供給容器から蒸気の流れを変調するために使用される流量調節器から来る流量データを合計する動作をする。
【0065】
[0093] さらに他の構成では、固体原料容器は、板部材16の位置を感知するレベルセンサを収納するように加工することができ、これにより、容器内に存在する、まだ蒸発させ分配しなければならない固体原料物質の量を示す出力を発生することができる。一実施形態では、このようなレベルセンサは、板部材16がスイッチを通ったときに係合する固体原料容器の壁の中の1つまたは複数のレベルスイッチを備える。他の実施形態では、レベルセンサは、例えば固体原料物質容器のカバー内に取り付けることができ、かつ容器の内部容積内の板部材の位置に相関する信号を出力できるように配置された検出器に反射される光線を発生するように構成することができるレーザーを備える。これらの構成により、容器内の固体原料物質のレベルを監視し、出力を、例えば、中央演算処理装置(CPU)内に格納されたデータの形態、および/または固体原料物質の容器内容が、まもなく使い尽くしそうになっていて、新しい容器に切り替え、置き換える必要があるときに視覚的および/または聴覚的なアラームの形態で発生することができる。
【0066】
[0094] 容器内の固体原料物質の残量を監視するために使用することができる他の方法では、蒸気発生システムを構築し、固体から導き出された蒸気をシャフト22に通して流すことができるように構成することができ、次いで、支柱を高伝導性流量調節弁56と連絡するようにする。この実施形態では、シャフト22内には熱伝達流体はないであろう。この構成により、内部容積14を圧力で監視することができる。内部容積14に漏れがなければ、このような容積の圧力は、固形物が使用され、板部材16が下方に押し下げられると、減少する。次いで、対応する圧力信号を使用すれば、蒸気分配作業時の所定の時刻において容器内部容積の固形物レベルを指示することが可能である。
【0067】
[0095] 固体原料物質を収めた容器は、適当な手段、例えば、マイクロ波加熱、赤外線加熱、放射加熱の他の方法、伝導性加熱、対流加熱、電気抵抗加熱などで加熱することができる。固体原料物質から蒸気を発生する方法を、半導体製品の製造用の試薬として使用する場合、蒸気分配のため新しい固体原料容器が取り付けられたときに、容器が、すでに、取付け時に所定の高さの温度であるように、半導体製造設備から離れた場所にある容器を加熱すると都合がよい場合もある。容器を「ある温度にして」取り付けるという構成は、半導体製造工場における始動および移行時間を短縮するうえで有用と思われ、稼働しているときの「使用可能時間」のかなりの割合の部分を維持することが、生産施設の経済的継続性にとって極めて重要である。
【0068】
[0096] 図2は本発明の他の実施形態による、試薬を固体原料物質から送出するためのシステム100の部分的断面を示す正面略図である。
【0069】
[0097] システム100は、一定量の固体原料物質106が容器内の流動床または単一の塊として置かれているエンクロージャを画成する容器102を備える。この実施形態では、流路付きの板部材108は、容器の上壁に取り付けられたねじ付きカラー126内に係合するねじ付きコンベヤスクリュー128の下端に取り付けられる。
【0070】
[0098] この実施形態では、コンベヤスクリュー128は、元々、駆動ユニット130の駆動歯車132により下方に駆動される。駆動ユニット130は、駆動歯車132の回転に関して可逆であり、したがってコンベヤスクリューは、双方向の矢印Rにより示される垂直上向きおよび垂直下向きのいずれかの方向で駆動することができる。分配の作業時に、コンベヤスクリューは、板部材にかかる圧力を維持するために、下方向に駆動される。
【0071】
[0099] 固体原料物質106は、同時に、適当な方法で加熱され(加熱手段は図2に示されていない)、これにより、蒸気は容器から矢印Pで示される方向に出て、フィルタ112、高伝導性流量調節弁110、そして流体吐出管路114を通って流れ、中には流量調節ユニット116がある。流体吐出管路114から、固体原料物質から導き出される蒸気は、下流処理設備118に入り、そこで使用される。
【0072】
[00100] このような利用では、廃液流が発生することがあり、このような流れは、管路120で処理設備118から廃液低減設備122に流されて処理され、その結果吐出管路124でシステムから浄化された廃液が吐き出される。
【0073】
[00101] 分配時の容器102内の固体原料物質の残量は、図2に示されている単純な構成により監視することができ、ここでは、コンベヤスクリュー128は監視ユニット138の歯車136と係合し、歯車136の回転に応じて、制御信号が監視ユニット138により発生し、信号伝送線路140でCPU142に渡される。CPUは、モニタ144に接続され、残量情報をグラフィックおよび/またはテキスト形式で出力するのに適したものであればどのようなタイプのものでもよく、例えば、図に示されているような汎用プログラム可能コンピュータとすることができる。
【0074】
[00102] 図3は、貯蔵および分配容器内の物理的吸着媒質に固体原料物質の蒸気を蒸着するための構成を示す略図である。本発明で考察されている他の異なる態様では、物理的吸着媒質および/または固体原料物質を表面積が広く/熱伝導率の高い媒質、例えば、金属ビーズにコーティングし、固体原料物質を蒸発させるための広い表面積と高い熱伝導率を得ることができる。このような構成により、固体原料物質の充填密度の低い粉体またはモノリシックブロックの欠点が克服される。
【0075】
[00103] この構成では、固体原料物質182は、固体原料物質を昇華させるのに十分な熱エネルギーQを投入するため、関連する加熱ジャケット184を備える供給容器180内に格納される。その結果得られる固体原料物質蒸気が、管路186により、活性炭素、分子ふるいなどの物理的吸着床196を収めた貯蔵および分配容器194の入口190に流れる。吸着材は、固体原料物質蒸気に対する吸着親和性を示すものが選択され、したがって、吸着物質は、固体原料物質蒸気を吸い取り、吸着状態に保持する。
【0076】
[00104] 容器194は、図に示されているように、前述の入口190、分配口200、およびハンドホイールアクチュエータ198を収めた弁頭部192を備える。
【0077】
[00105] 図4は、吸着原料物質が下流の流体利用プロセスシステム中で脱着され、利用される、後続の分配モードでの、図3の貯蔵および分配容器194を示す略図である。
【0078】
[00106] 例示されているように、容器194は、入熱Qを吸着固体原料物質蒸気を充填された吸着材を収めた容器に供給するように構成された加熱ジャケット内に置かれるが、ただし、熱流束Qは、吸着材からソルベート蒸気を脱離させる十分な大きさであるとする。弁頭部192内の弁は、ハンドホイール198を手動で移動することにより開かれ、これにより、流体が分配口200から分配され、流体回路ならびに監視および制御コンポーネントの概略を表している流量調節ユニット204を収納した管路202内に流体が流れ、流体利用設備206に入り、そこで、流体が使用される。このように使用することで、管路208で廃液処理設備210に流れる廃液流が生じ、処理され、最後の浄化された廃液の管路212内に吐き出される。
【0079】
[00107] 図5は、固体原料物質216がコーティングされた、コア本体220を含む、本発明の他の実施形態による原料試薬物品216の斜視図である。このような物品は、図3および4を参照しつつ説明されているように吸着媒質の代わりに使用することができ、これにより、複数の固体原料物質をコーティングされた物品を貯蔵および分配容器内に置き、容器内でそのまま選択的に加熱して、固体原料物質コーティングから蒸気を遊離させることができる。
【0080】
[00108] このような目的のためのコア本体は、任意の適当なサイズ、形状、および構造のものでよい。図5に示されているロッド形状の代わりに、コア本体を球状、リングまたはドーナツ形、立方体、らせん、平リボン形状、メッシュ形態、針の形状、円錐、あるいは他の幾何学的または非幾何学的形状もしくは形態とすることができる、これは、コア本体上の固体原料物質コーティングからの蒸気の加熱および放出によって決まる。
【0081】
[00109] 図6は、本発明のさらに他の実施形態による、固体原料物質を使用する送出システム250の略図である。
【0082】
[00110] 図6のシステムでは、固体原料物質の供給容器256は、インペラー262により概略が示されている機械式攪拌機能を備える可溶化タンク260の管路258内で供給するように構成されている。可溶化タンク260は、可溶化タンク260内で得られる混合条件の下で固体原料物質をたやすく溶解する効果を持つ溶媒を入れた溶媒供給容器264から管路266から同時に供給を受ける。
【0083】
[00111] 溶媒は、注目している固体原料物質についての溶解度データおよびそのような溶媒に対する揮発度データに基づいて容易に選択できる。そこで、溶媒が可溶化タンク260内で固体原料物質を可溶化し、その結果得られる溶液は、タンク260から管路268で濾過またはスクリーニングユニット270に流れ、これにより、固形物がシステム内で順方向に流れるのが妨げられる。固形物は、存在する場合には、回収され、管路272でタンク260に再循環されて、混合およびその後の再可溶化が行われる。ユニット270は、それとは別に、遠心分離機、浄化器、沈殿槽、または他の分離ユニットを備え、これにより、固形物は、存在する場合に分離され、可溶化タンク260へと再循環される。
【0084】
[00112] その結果得られる固形物を含まない溶液が、管路274で、この実施形態では加熱ジャケット254を備える貯蔵および分配容器252内に流れ込む。容器252は、吸着剤粒子などの担持物質床、および/または例えば、リング、フレーク、円板、円柱、立方体、ピラミッド、シート、棒、または他の構造などの形態の非吸着剤媒質を充填され、そのような媒質は、次に説明するように、後の加熱作業を容易にするように、高い比熱または熱伝導率を有する物質を含むことができる。
【0085】
[00113] 固体原料物質を含む溶液が、中に吸着剤または他の媒質を入れた容器276の内部容積内に沈降すると、容器276は、加熱ジャケット254が作動することで、固体原料物質溶液の溶媒が蒸発しその後に固体原料物質を容器内に残す(例えば、吸着剤物質または他の担体の孔に接して、および孔の中に、および容器壁に)温度まで加熱される。蒸発した溶媒は、容器276から管路278内に流れ込み、冷却装置/凝縮装置ユニット280内を流れ、溶媒は凝縮されて液体になる。その結果得られる液化した溶媒は、その後、再循環管路内に流れ込み、溶媒供給容器264に入り、固体原料物質の新鮮な溶液の補充に再利用される。
【0086】
[00114] 溶媒がすべて蒸発し、システム内で再循環すると、残りの固体原料物質が、容器内に残される。次に、容器を再び加熱して、容器内の固体原料物質を蒸発させると、その結果得られる蒸気は、容器から管路282に流れ、流体利用設備284に入る。
【0087】
[00115] 第1の工程で溶媒を分離し、第2の工程で固体原料物質を蒸発させるそれぞれの加熱工程に対応するために、管路278および282に適宜弁を装着して、順次加熱工程においてそれぞれの溶媒および固体由来の蒸気を適切な管路に導くようにする。
【0088】
[00116] 設備284において固体原料物質蒸気を利用すると、処理を必要とする廃液が生じることがあり、このような状況は、廃液を処理設備288に運ぶ廃液管路286を備え、そこから浄化された最終廃液が管路290内に吐き出されるようにすることで対処される。
【0089】
[00117] 図7は、本発明の他の実施形態による、固体原料物質308を使用する試薬送出システム300の図である。
【0090】
[00118] 図7のシステムでは、固体原料物質格納容器302は、固体原料物質308の袋336を収納する。袋336の上側自由端は、容器302の上端に折り重ねられ、容器用のカバー304で適所に保持される。容器302は、選択的に作動可能な加熱ジャケット310により囲まれ、その内部容積338内で容器および袋を加熱するようになっている。
【0091】
[00119] カバー304は、カバーの下側に赤外線加熱ランプ320を備える加熱ユニット318が取り付けられており、赤外線Gが袋336に入っている固体原料物質床308に当てられる。赤外線を使用する代わりに、レーザーをコヒーレント光放射線源として使用すれば、固体原料物質を非常に選択的に加熱して蒸気を発生させることができる。加熱を行うために使用される具体的方法に関係なく、加熱の結果、固体原料物質は、袋内の上部空間306を通して上昇する蒸気を発生し、フィルタ332、高伝導性流量調節弁330、および分配フィッティング360を通り、流量調節ユニット364が入っている吐出流管路362に入る。その後、分配された固体原料物質蒸気は、利用設備366内に流れ込み、廃液はそこから管路368に流れ込み、処理設備に入り、管路372においてシステムから吐き出された処理済み廃液が生成される。
【0092】
[00120] 容器302は、カバー上に引き込み口312を有する。真空ポンプ316に結合された真空管路314は、引き込み口312に連結することができ、これにより、加熱して固体原料物質の蒸気を発生させる前に、容器からガスを排出することができる。それとは別に、流れを管路314内で逆転し、キャリアガスまたは他の流体を容器内に流し込み、固体原料物質蒸気の発生をしやすくすることもできる。そのようなキャリアガスまたは加えられた流体を加熱して、顕熱を容器内に導き、固体原料物質の昇華を助けることができる。
【0093】
[00121] 図7のシステムの袋336は、ポリマー、金属、樹脂コーティング織布などの適当な構成材料で作ることができる。好ましい一実施形態では、袋は、アルミメッキした、または他の何らかの方法で金属化されたフィルム材料から形成され、したがって、図7のシステムが動作しているときに固体原料物質上に当たった赤外線を反射する。袋は、使い捨てまたは再利用可能なライナーを構成することができ、これは、上で説明されているように、捨てるか、あるいは、例えば、固体堆積物および他の残留物を袋のシートまたはフィルム材料から取り除くのに適した時間の間適当な洗浄液に浸けることにより、洗浄および再生作業を行うことができる。
【0094】
[00122] 他のおよび選択的な特徴として、アルゴン、窒素、または他の適当なガスをパルス状に袋と側壁との間の空間内に送り込む手段により袋に入っている固体原料物質を攪拌するか、または振動させ、袋が変形して袋の中の固体原料物質が混合され、固体原料物質からの蒸気の発生が最大になるようにすることができることが挙げられる。この目的のために、ガス供給源342を、ガス供給管路346を使って逆転ポンプ340に結合するとよい。ポンプ340は、往復運動するので、これにより、ガスが袋と容器の側壁との間の管路348内に注入され、次いで、このガスは、容器からそのようなガスをポンプでくみ出すことによりそのような空間(袋と側壁との間の)から引き出され、ポンプから吐出管路350内に吐き出される。このようにして、袋には、反復的な圧縮および吸引の交互動作が作用し、これにより、袋の内容物が、継続的に混合され、固体原料物質からの蒸気の発生が最大になる。
【0095】
[00123] 図8は、本発明の追加の実施形態による、固体原料物質を使用する試薬送出システム400の図である。
【0096】
[00124] 図8のシステムは、固体原料物質粒子床404が入っている容器402を備える。複数の変更形態のうちの1つとして、容器の中に、駆動アセンブリ414と結合された混合スクリュー406を配置することができる。駆動アセンブリは、例えば、縦軸の周りで混合スクリュー406を回転させるためのモーターおよび関連する歯車装置を備えることができ、これにより、容器内の固体原料物質は、容器が稼働しているときに加熱ジャケット448から入る熱とともに連続的に混合され、蒸気の発生が最大になり、固形物粒子床内で熱が不均一になるのが防止される。
【0097】
[00125] それとは別に、またはそれに加えて、固体原料粒子床中の固体伝導が最大になるように、容器402の中に、垂直に延びる熱伝達フィンアセンブリ408および/または水平に延びる熱伝達フィンアセンブリ410を配置しておくことができる。
【0098】
[00126] 容器402内の固体原料粒子を蒸発させることで発生した蒸気は、再循環ポンプ422の勢いの下で、容器から管路420内に吐き出され、このポンプにより、蒸気は再循環ループ424内に吐き出されて容器402に戻って再循環し、流れの一部は再循環ループ424から抽出されて、圧力センサ442、質量流量調節器444、および温度センサ446を含む管路440内を流れ、半導体製造設備450に流れ着く。
【0099】
[00127] 再循環ループ424には、不活性ガス供給源430から供給されるキャリアガスが供給され、そこから、不活性ガスまたは他のキャリアガスが、管路432内に流れ、そのようなキャリアガス流の流体圧力調節のために調節器434に入り、管路436内に吐き出されて再循環ループに入る。
【0100】
[00128] 再循環ループ424内に注入された後、キャリアガスは、インライン加熱器416内に流れ込んで、加熱され、これにより容器内の固体原料物質の温度が実質的に均一になるように維持され、その後、キャリアガスは、容器402内を流れる。
【0101】
[00129] 再循環ループ424内のポンプ422は、キャリアガスの再循環ループ内への注入とともに、質量流量調節器444の前に圧力ヘッドを形成し、これにより、質量流量調節器は、低圧の純粋な蒸気が質量流量調節器を通して設備へ送出される場合よりも効果的に動作することができる。質量流量調節器が開くと、再循環ループ424内の圧力が低下し、これにより、さらに多くのキャリアガスを引き込むことになる。これは、質量流量調節器の前で一定圧力を維持する傾向がある。
【0102】
[00130] 再循環ループ424は、図に示されているように、キャリアガス入口の前に逆止弁426を備えることができる。システムは、質量流量調節器444の代わりに、単純なオリフィスを使用し、再循環ループ424内の圧力を制御することにより、原料化学物質の流れを制御することができる。
【0103】
[00131] 図8のシステムは、容器から管路420内に吐き出されるキャリアガス/化学物質混合物の主要部分が再循環して容器402に戻るように動作する。これにより、必ず、キャリアガスは、化学成分、例えば、デカボランの平衡蒸気圧に、等しくないとしても、ほぼ等しい化学成分を含む。
【0104】
[00132] 容器402の出口のところの温度センサおよび管路440内の圧力センサを、インライン加熱器416および加熱ジャケット448の加熱を変調するために使用される監視および制御方式に組み込み、原料固形物化学物質の流れの所定の温度および圧力が管路440から設備450に導かれるようにすることができる。
【0105】
[00133] 図9は、加熱挿入物476とともに外面上の加熱ジャケット466の内部位置決めを行えるようになっている、本発明の他の態様による円環型試薬分配容器460の斜視略図である。
【0106】
[00134] 円環形容器460は、容器の環状内壁462により定められる内部空洞464を持つ円環形である。容器の引き込み口または蒸気吐出通路は、説明を簡単にするため、図9には示されていない。容器は、1回分の固体原料物質を含み、内部空洞464は、対応する形状の加熱挿入物476を受け入れる形状であり、この挿入物は、容器460の挿入による電気的抵抗加熱を行うため挿入ユニットを電源に接続する電源コード478を備えることができる。
【0107】
[00135] そこで、図9に示されているように加熱挿入物476を上方に挿入し、容器460の空洞464内に入れる。容器の空洞は、加熱挿入物の上面にある相補的形状の位置決め要素480と連携するように嵌め合わされる位置決め連結器470を備える。したがって、このような相補的嵌め合わせ構造470、480により、加熱挿入物および容器は、容器の挿入物による加熱が開始する前に適切に位置決めされることが確実である。一実施形態では、嵌め合い構造470、480は、位置決め要素480および位置決め連結器が互いに係合しない限り加熱挿入物が作用することが妨げられるように構成することができる。
【0108】
[00136] 容器460は、さらに、外側加熱ジャケット466を外面に施して備えることもでき、これにより、環状壁は、容器内の固体原料物質から蒸気を発生させるために最も効果的に加熱される。
【0109】
[00137] 図10は、それぞれのトレイが固体原料物質でコーティングされているか、または固体原料物質を格納している、積層構造の一連の水平トレイ510、512を備える、本発明の一実施形態による試薬送出容器500の部分的断面を示す正面図である。
【0110】
[00138] 容器500は、例示されているように、円柱状囲み壁502を有し、容器を分配流体回路に接続するための好適な分配フィッティング506と結合された分配弁504を備える。内部容積内の容器は、固体原料物質でコーティングされた、または固体原料物質を他の何らかの方法で含むトレイの積層配列510、512を含む。例示されている実施形態におけるトレイは、積層トレイの配列を形成するために、隣接して配置されているトレイ上の突起部と嵌め合う突起部を備える。積層配列内のトレイは、好適な構成材料で形成することができるが、好ましくは、高熱伝導性物質、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルなどで形成される。
【0111】
[00139] 容器502は、図に示されているように容器の周りに連続的に巻かれ、自由端522で終端している電気加熱テープ520により加熱され、テープを加熱し、それにより容器を加熱するために電源または他の電気エネルギー源と結合する電気的抵抗加熱線526および528が自由端522から先へ延びている。その結果、容器は加熱され、中のトレイは熱をトレイ上のまたはトレイ内の固体原料物質に効果的に伝え、容器から分配する蒸気を発生する。別の方法として、容器502は、容器とぴったり嵌め合い、熱伝達するように密接触している、成型加熱ジャケットにより加熱することが可能である。
【0112】
[00140] 図11は、多孔質管570および/または多孔質リング568に関連する内部流体回収多岐管566を組み込んだ、本発明の他の態様による試薬送出容器552の部分的断面を示す斜視図である。
【0113】
[00141] 図11のシステム550は、上壁560を有する一般的に円柱形状の容器552を備え、この上壁に、続いて多孔質管570および多孔質リング568と接続する円柱形状内部容器として形成されている、多岐管566に管564を接続することにより結合される分配弁562が載せられている。多孔質管およびリング部材の目的は、加熱した後に固体原料物質からの蒸気の流入を受け入れることである。固体原料物質554は、中の多孔質管およびリング部材を囲んでいる容器552の内部容積の中に収められる。
【0114】
[00142] この実施形態では、熱電対590が、固体原料物質床内に置かれ、高さ全体にそって固体原料物質床の温度を監視するため長さ方向にそって間隔を開けて並べたセンサ592、594、596、および598を備え、これにより加熱(図11に示されていない手段による)を、原料物質から所望のレベルの蒸気発生を得るために必要に応じて変調することができる。熱電対590は、封止部580のところで容器の上壁560を通り抜け、蒸気発生動作の監視および制御を補助するために適当な制御装置/記録装置デバイスに結合された外側部分582において終端する。
【0115】
[00143] 図12は、本発明の他の態様による、固形物蒸発技術を示す水平方向試薬送出容器600の略図である。容器600は、加熱ジャケット610内に入れられ、その上壁602には分配弁604があり、分配フィッティング606は、例示されているように分配管路608と結合するように構成されている。
【0116】
[00144] 図12の実施形態において容器を水平方向に向けるのは、重力で容器壁の下側部分を固体原料物質と接触するような位置に保つことができる限り有利である。そのような壁部分と接触している物質が蒸発すると、蒸気が壁から離れ去り、固形物が蒸気に取って代わり、次いで、固形物はそのような水平方向の向きの容器の下側部分のところで壁と接触する。他の変更形態として、図12に示されている容器を、矢印Bで示される方向に、水平方向に揃えられた縦軸A−Aの周りで回転するように構成し、これにより容器内の固体原料物質が連続的に攪拌、混合され、容器内の固形物の熱が均一になるようにすることが可能である。このような回転方式では、容器に、回転部材を伴う流体密封を可能にする当該分野で知られているタイプの適当な回転封止部および連結器を使用することができる。
【0117】
[00145] 図13は、緩衝帯を備える、本発明の他の実施形態による、試薬送出システム620の略図である。
【0118】
[00146] システム620は、加熱ジャケット624に入れられ、システムを稼働させる際に必要な、またはあるのが望ましい、質量流量調節器、弁、オリフィス、センサなどのコンポーネントの概略表現である流量調節ユニット694を含む分配管路688内に固体原料物質蒸気を分配するように構成された分配弁頭部686を備える容器622を具備する。流量調節ユニット694から、固体原料物質から生じた蒸気が、管路698内に流れ込み、蒸気利用ユニット、例えば、半導体処理設備に入る。
【0119】
[00147] 図13のシステム620は、導管690により分配管路688に接続されている緩衝容器692を備える。導管および分配管路は、弁付きとし、必要に応じて分配動作時に緩衝容器692内に蒸気を流入させるように構成することができるが、ただし、分配される蒸気の量がそのような緩衝機能に適している場合である。緩衝容器は、もちろん、蒸気を流体として保持し、緩衝容器内の蒸気が凝結し固化するのを防ぐように適宜絶縁され、および/または加熱される。
【0120】
[00148] このようにして、固体原料物質蒸気の緩衝量が緩衝容器内に蓄積され、分配管路688内の蒸気の残量が低くなるか、または他の何らかの形で補充する必要が生じた場合に、分配管路688内に逆流させるのに利用できる。緩衝体積の蒸気を分配管路688に分配機能は、容器622内の蒸気発生および/または蒸気利用ユニット698における蒸気消費を適宜感知し監視することにより制御可能な形で構成することができる。
【0121】
[00149] 図14は、他の実施形態における本発明の他の態様を例示している、順応性のある形状の加熱ジャケット710内に挿入される試薬送出容器702の斜視図である。
【0122】
[00150] 図14に示されているシステム700は、固体原料物質を蒸発させるために保持している容器を含む。容器702は、例示されているように容器壁上に分配弁704、熱電対または他の温度感知706および708を備える。
【0123】
[00151] 容器702は、矢印Gで示されている方向に下げられ、加熱ジャケット710内に入るように示されている。加熱ジャケット710は、そこでは、容器702を受けるように空洞716を定めている。ジャケットは、容器と嵌め合うように形成され、このような目的のために、加熱ジャケットは、容器外面に合致しうる成型挿入物を持つことができる。加熱ジャケットは、容器をジャケットの空洞内に挿入しやすいように手で開くことができる継ぎ目を備える。容器がジャケット内に配置された後、相補的嵌め合い密閉要素720および722、例えばVelcro(登録商標)フックおよびループ留め具要素が係合し、ジャケット内に容器を正しい位置で保持する。
【0124】
[00152] ジャケットは、図に示されているような熱電対または他の温度感知要素712および722、または容器壁上の要素706および708と連携する監視要素を備え、これにより、蒸気発生および分配作業時に、容器のジャケットによる加熱を容器内の固体原料物質を蒸発させるのに適切なレベルに維持することができる。
【0125】
[00153] 加熱ジャケット710は、電線724により加熱調節器ユニット726に結合されているように示されており、これは、さらに、電源コード730により適当な電源に接続されている。加熱調節器ユニット726は、所望の持続時間または時間間隔の加熱サイクルプログラムを実行するようにプリセットすることができるプログラム可能ユニットであり、このようなユニットは、システム内の他のセンサ、監視および制御機器と一体化され、蒸気を発生するために固体原料物質の高効率の蒸発を行わせることができる。
【0126】
[00154] 図15は、容器から蒸気を放出するため多孔質回収管に結合された回収多岐管部材を備える、関連する監視および制御コンポーネントを示している、本発明の他の態様による試薬送出容器802を含むシステム800の部分的断面を示す斜視図である。
【0127】
[00155] 図15のシステムは、多岐管カバー804と嵌め合わされる、円柱形の容器802を備える。多岐管カバー804は、中空内部容積を定め、その上面810に、容器に入っている、例えば図に示されているように粒子形態の固体原料物質806から導き出される蒸気の吐出のため分配管路820に接続されているものとして図に示されている分配フィッティング816が結合されている分配弁812が取り付けられている。
【0128】
[00156] 容器802は、多岐管カバー804と結合された多孔質管808を備え、これにより、容器内の固体原料物質806の加熱後(加熱手段は図15に示されていない)、蒸気は、多孔質管の壁を通して流れ、さらに上方向に、矢印Iにより示される方向に流れて、多岐管カバー804の中空内部容積に入り、その後、弁812が流体分配のため開かれると、容器から吐き出される。
【0129】
[00157] 容器802は、さらに、注入口822も備えており、これを使って、容器に固体原料物質を充填し、その後、封止することができる。容器は、信号伝送線路828により圧力変換器(PT)830に接続された圧力センサ826を備え、さらに、圧力変換器は、信号伝送線路832によりCPU 834に接続されている。次いで、CPU 834は、ケーブル836により、モニタ838に接続され、容器内の圧力を示すデータを視覚的に表示することができる。それとは別に、センサ826は、温度センサであってよく、また圧力変換器830は、温度変換器で置き換えてもよい。
【0130】
[00158] 多孔質管808は、図に示されているように、電気的抵抗加熱線840により多孔質管に適切な電気入力を行って所望の温度に加熱する機能を有する加熱調節器842に接続することができる。加熱調節器は、適宜通電され(電源は図15に示されていない)、信号伝送線路844によりCPU 834に接続されており、システムの総合的な監視および制御を行うことができる。
【0131】
[00159] そこで、多孔質管808を適切な温度に加熱し、容器内の固体原料物質を加熱して、その結果得られる蒸気の流れを誘発して、そのような管の内部通路に流し、多岐管カバー804の回収多岐管に送る。
【0132】
[00160] 他の動作方式では、加熱調節器による多孔質管808の加熱は、直接的昇華の場合とは反対に、溶融の影響を受けやすければ固体原料物質を溶融して、液体の蒸散流が多孔質管808の壁を通り抜けるように行うことができ、その後、抵抗加熱線840を介して十分な大きさのエネルギー投入を行って多孔質管をパルス動作させ、中空管808の内部通路内の液体を勢いよく蒸気にすることができる。次いで、圧力センサ826を使用して、結果として生じる圧力を感知し、容器内の固体原料物質の残量を圧力センサにより感知された蒸気圧の関数として決定するという方法で、固体原料物質の残量を監視し、動作サイクルの適切な時点において、容器802を変えるか、または動作を終了するようにできる。
【0133】
[00161] 図16は、細長い支持部材906が固体原料物質でコーティングされ、その結果コーティングされた物品が加熱帯900に平行移動するようにして通され、固体原料物質が蒸発し流体利用装置932用に蒸気を形成する場合を示している、正面断面略図である。
【0134】
[00162] 加熱帯900は、内部容積904を取り囲むエンクロージャ902を備える。加熱帯は、適当なタイプ、例えば、加熱炉、オーブン、熱箱、サーマルチャンバなどとすることができる。
【0135】
[00163] このシステム内の細長い支持部材906は、例えば、テープ、クモの巣状のもの、シート、フィラメント、ワイヤ、または他の基材物品であってよく、固体原料物質粒子の粉体コーティングでコーティングされる。次の説明では、支持部材906は、それぞれの上面907および底面909を有するテープであるとみなす。
【0136】
[00164] 支持部材は、平行移動して、粉体だめ914から管路922内のスプレーヘッドに供給される粉体をスプレーするように構成されたスプレーヘッド924、および粉体だめ914から管路916内のスプレーヘッドに供給される粉体をスプレーするように構成されたスプレーヘッド920を含むスプレーヘッドの配列を通り過ぎる。このような目的のために、粉体は、コーティングされたテープが平行移動して加熱帯900を通るときにテープの上面907上の固体原料物質のコーティング911およびテープの底面909上の固体原料物質のコーティング913が蒸発した場合に蒸気の発生元となる固体原料物質の粒子形態である(加熱領域の内容積中への熱導入が熱入力矢印Qで示されている)。
【0137】
[00165] その結果、固体原料物質のコーティングから導き出される蒸気は、加熱帯900の内部容積内に回収され、吐出管路930内を通り、例えば半導体製造設備を含むことができる下流の流体利用設備932に入る。
【0138】
[00166] そこで、テープ906の上面および底面のそれぞれのコーティングは、加熱帯900での蒸発により取り除かれ、コーティングされていない状態に戻される、その結果得られるテープは、システムから矢印Xで示される方向に平行移動する。テープは、不連続な長さの、コーティングおよび加熱蒸発帯に通して処理されたクモの巣状またはシート状原料とすることができるか、またはそれとは別に、テープは、エンドレスループに形成することができ、これにより、図16に概略が示されているシステムを通過した後のテープは、コーティング帯に戻され、固体原料物質粉体により再コーティングされる。
【0139】
[00167] コーティング作業がしやすくなるように、加熱帯900に入る前に、固体原料物質粉体を揮発性結合材またはキャリアまたは他のマトリクス材とともに調製し、コンシステンシーおよび構造的完全性を基材物品上の粉体のコーティングされたフィルムに付与しておくことができる。それとは別に、基材物品は、固体原料物質粉体が付着する、固有の低タック性を持つ物質で形成することができる。さらに他の代替え形態として、基材物品を低タックポリマーまたは他の接着媒質によりコーティングし、固体原料物質粉体を基材物品表面に付着しやすくすることができる。
【0140】
[00168] 図17は、固体原料物質の表面被膜のコーティングを示す、粒子の塊に固体原料物質の蒸発を仲介するエネルギー(矢印1010により示されている)が当たっている、混合物中の吸着粒子および高熱伝導性粒子の塊1000および吸着性高熱伝導性粒子の一部を示す断面略図である。この塊1000の中の吸着粒子1002は、例えば、薄膜形態の固体原料物質のコーティング1004が施されている。塊1000の中の高熱伝導性粒子1006は、例えば、薄膜形態の固体原料物質のコーティング1008が施されている。
【0141】
[00169] このような構成により、塊1000の中の吸着粒子および高熱伝導性物質粒子は、固体原料物質の表面積対体積比が高く、吸着および高熱伝導性粒子の表面に薄膜形態で存在するだけでなく、吸着剤の多孔質形態でも存在するので、効率よく容易に蒸発する。
【0142】
[00170] 塊1000の中の粒子は、適当な方法、例えば、ローラー式コーティング技術、スプレー、ディッピング法、流動床コーティング、またはコーティングを粒子に施す他の方法によりコーティングすることができる。吸着剤は、適当なタイプでよく、例えば、活性炭吸着剤、分子ふるい、珪藻土、粘度タイプの吸着剤、マクロレティキュレート樹脂、シリカ、アルミナなどとすることができる。この塊の中の高熱伝導性粒子は、高伝導性物質とすることができるが、好ましくは、例えば、ニッケル、ステンレス、チタンなどの金属、または高熱伝導性セラミックで形成される。
【0143】
[00171] 図18は、固体原料物質の粒子1030を平行移動するようにして加熱帯1022に通し、固体原料物質を蒸発させ、蒸気利用プロセスにおいて使用する蒸気を形成するためのコンベヤシステム1020の略図である。
【0144】
[00172] 図18に例示されているように、粒子1030を含む供給容器1026は、主要面上にフラップ、スコップ、または他のピックアップ構造を備えたコンベヤ1024により粒子を拾い上げるためのリザーバを形成する。コンベヤ1024は、矢印1032で示される方向に平行移動し、加熱帯1022を通るが、そこでは、コンベヤにより運ばれてくる粒子1050は、そのような加熱帯で少なくとも部分的に蒸発し、蒸気を生成する。蒸気は、管路1060内の加熱帯1022から吐き出され、後で使用される。
【0145】
[00173] 部分的に蒸発した粒子1052は、コンベヤにより回収室1054に運ばれる。回収室1054は、供給容器1026との間で供給を行う関係を持つように構成することができ、加熱帯1022を通してサイクル通路により最終的に完全に蒸発するように粒子の再循環が行われる。
【0146】
[00174] それとは別に、図18のシステム内の粒子は、例えば、本明細書では固体原料物質でコーティングされている、図に示され、図17を参照しつつ説明されている1つまたは複数のタイプの基材粒子とすることができる。
【0147】
[00175] 図19は、基材粒子上にコーティングされた固体原料物質から蒸気を発生し、下流の流体利用設備1134内の結果として得られる蒸気を利用するための流動床システム1100の略図である。
【0148】
[00176] システム1100は、スクリーン支持材1108の上に、粒子の流動床1106を有する内部容積1104を取り囲む流動床容器1102を備える。スクリーン支持材1108の下には、容器の下部プレナム空間1110内に配置されたガス分配器1112がある。分配器1112は、浄化および圧縮のため、ガス供給管路1114により、取り込み管路1118内で回収され、次いで管路1114において容器1102に流れる流動ガス、例えば空気の供給源1116に連結されている。
【0149】
[00177] 容器1102は、供給ホッパー1120との間で固形物供給関係を持つように連結され、そこから、固体原料物質でコーティングされた粒子が、シュート1122で流動床1106に流れ込む。取り出しシュート1124が、流動床の反対側に備えられ、回収ホッパー1126に接続されており、そこから、処理、再生、または他の形の処分のため、使われた固形物が管路1128内で取り除かれうる。
【0150】
[00178] 蒸発に適した高い温度で作用する、流動床から生成される、蒸発固体原料物質から導き出された蒸気は、管路1132内の流動床容器から吐き出され、その管路内で流体利用設備1134に流れる。
【0151】
[00179] 図19に示されている構成により、高温流動床内の固体原料物質コーティング粒子の滞留時間は、熱効率のよい方法で蒸気の発生を最大にするように制御することができる。
【0152】
[00180] 図20は、さまざまな監視および制御コンポーネントをアクセサリとして装備する、固体原料物質を使用する蒸気発生システム1200の略図である。
【0153】
[00181] 図20に示されているように、蒸気発生システム1200は、密閉された内部容積1212を中に画成する床1202、カバー1206、および囲み側壁1204を有する蒸気発生容器1201を備える。このような内部容積1212には、固体原料物質の加熱のせいで、例えば液体または半固体であってよい最初は固体の一定量の原料物質1218が含まれる(加熱手段は、図20に示されていない)。固体原料物質1218は、図に示されているように、シャフト1214の下端に固定された多孔質板部材1216により重ね合わされる。
【0154】
[00182] 図20に示されている構成において、シャフト1214は、蒸気がその中を通って高伝導性流量調節弁1260に流れ、弁1260から管路1264に吐き出されるように中空としてよい。蒸気は、管路2164内に流れ込み、流量調節器1266に入り、そこから、蒸気は、管路1270に流れ込み、流量合計装置1272に入り、その後、管路1274に流れ込み、流体利用設備または処理設備に入る。流量調節器1266は、例えば、流量調節弁、質量流量調節器、流量制限オリフィス要素、流体圧力調節器などを含む、適当なタイプとすることができる。
【0155】
[00183] 流量合計装置は、容器1201から流れてくる蒸気の累積量を決定するために使用することができ、これにより、容器内に残っている原料化学物質の量を示す出力を発生することができる。この合計装置は、容器内の原料化学物質がなくなりつつあり、容器に、新鮮な原料化学物質を再充填するか、または他の何らかの方法で原料化学物質を含む新鮮な容器に変える必要がある場合に、信号、例えば、聴覚的および/または視覚的アラームを出力するように構成することができる。
【0156】
[00184] 合計装置に加えて、容器1201内の原料化学物質のレベルを、図20のシステム内でさまざまな方法により決定することができる。システムは、例えば、容器1201と流れにより連絡するように結合された側室1246を有することができ、そこでは、原料物質1248は、加熱により液体または流動性を有する半固体形態に保持され、加熱ジャケット1250により側室に供給される。フロートセンサ要素1252は、側室内に配置され、信号伝送線路1254により中央演算処理装置(CPU)1240に動作するように連結されており、側室内の原料のレベルを監視するためにフロートセンサから信号をCPUに送信することができる。
【0157】
[00185] CPUは、適当なタイプ、たとえは、汎用プログラム可能コンピュータ、マイクロプロセッサユニット、プログラム可能論理制御装置などとすることができる。信号伝送線路1242によりCPU1240と出力関係を持つように連結されるのは、出力ディスプレイ1244であり、これにより、中の原料化学物質のレベルを示す容器1201のグラフ表示など、視覚的データのグラフィック出力を生成する。
【0158】
[00186] 容器1201内の原料化学物質のレベル監視を行う他の方法として、容器のカバー1206の下側に、レーザー信号を放射するレーザー信号発生器1208を取り付けておくことができる。発生器1208から放射されたレーザー信号は、板部材1216の上面に当たり、反射されてカバー1206の下側表面の光電子検出器1210に入る。光電子検出器1210は、それに反応して、検出器から板部材の上面までの距離を示す出力信号を信号伝送線路1256でCPU1240に伝送し、これにより原料化学物質のレベルを監視し、そのレベルをグラフとしてモニタ1244上に出力し、および/またはレベルのデータログを保持し、容器1201内の原料化学物質が尽きつつあるかどうかを示す出力を発生する。
【0159】
[00187] 容器1201内の原料化学物質をレベル感知する他の変更形態では、容器は、容器の側壁1204内に取り付けられ、信号伝送線路1230によりCPU1240に動作するように接続された一連の縦方向に間隔を開けて並ぶ近接スイッチ1221、1222、1223、1224、および1225を備えることができる。それぞれの近接スイッチは、板部材1216への接触または接近により作動し、容器から蒸気を分配しているときに板部材が徐々に下げられると、板部材は、次々に低くなっているスイッチのそれぞれを作動させ、そのような位置を示す対応する信号をCPUに送信することで、出力の監視および出力の送出を行い、操作者に容器内の板部材の位置を知らせることができる。さらに、これにより、新鮮な原料化学物質を容器に再充填するか、または容器を新鮮な容器に替える作業をタイミングよく行うことができる。
【0160】
[00188] システム1200は、さらに、容器から下流の流体利用プロセスへ蒸気が能動的に分配していないときに容器内の原料化学物質のレベルを調べるための動的検査アセンブリも備える。不活性ガス、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの供給源1276は、供給管路1278ポンプ1280に連結されており、このポンプは、中に質量流量調節器1282を入れた供給管路1290内に不活性ガスの塊を注入するように機能し、次いで、不活性ガスは、容器1201の内部容積1212内に注入される。圧力変換器1220は、容器のカバー1206上に取り付けられ、信号伝送線路1262によりCPU1240に接続される。
【0161】
[00189] 動作時に、ポンプ1280は、供給源1276から知られている体積の不活性ガスを容器1201にパルス動作で入れる(注入する)ように作動される。次に、圧力変換器1220を使用して、原料化学物質が容器内にどれくらい残るかに関係する、容器内の利用可能な開放体積を決定することができるが、このことは、CPU1240によりアルゴリズムを使って決定され、必要に応じて出力できる。
【0162】
[00190] それとは別に、容器1201内の圧力(変換器1220により測定された)を特定の圧力まで上昇させるのに必要な、供給源1276からの不活性ガスの体積が決定されるようにシステムを構成することができ、不活性ガスの体積値をCPU1240に入力して、容器内に残る原料化学物質の量を決定することができる。この方法では、質量流量調節器1282を使用し、不活性ガスを量って容器内に入れることができる。
【0163】
[00191] 最後の2つの段落で説明したいずれかのレベル決定方法において、分配モードで容器から蒸気が能動的に供給されていない場合に決定が行われる。この目的のために、容器1201がオフラインの状態で、不活性ガスの注入が行われる。これは、動的レベル決定が行われるときに弁1260を閉じるために、流量調節弁1260との間に制御関係があるように接続され動作するCPUにより管理されるサイクルタイマープログラムにより行うことができる。吐出管路1274には、能動的分配動作時に余剰体積分を吸い上げるため、この管路と連絡するサージタンクまたは他のホールドアップ容器(図20には示されていない)を備えることができ、これにより、動的レベル検査時に、弁1260が閉じられ、ホールドアップ容器からの蒸気は、下流の流体利用プロセスに供給され、それにより、蒸気分配動作の継続が維持される。ホールドアップ容器は、適当な弁多岐管、バイパス管路、またはこのような動作を行わせるための他の流体回路により吐出管路1274と関連付けることができる。
【0164】
[00192] したがって、本発明は、固体原料物質から蒸気を送出するための効率的で信頼性の高い装置および方法を実現するということ、および本発明は、蒸気が安全で効果的な方法により流体利用設備またはプロセスに供給されるように、分配動作の監視および制御を含む、さまざまな具現化された構成において実施されるうることが理解されるであろう。
【0165】
[00193] 他の態様では、固体原料試薬送出システムは、固体原料物質が保持される囲まれた内部容積を画成する容器を含む。容器は、弁アセンブリに脱着可能なように固定することができるアルミニウムなどの高熱伝導性物質のブロックにより包まれた弁アセンブリをその上端のところに備える。このブロックは、複数のコンポーネント部品に分離可能であり、これらの部品は、互いに連携するように結合し、弁の周りに被包ブロック構造を形成する。
【0166】
[00194] 例えば、一実施形態のブロックは、弁構造と熱伝導性を保って接触する弁アセンブリを包む半セクション2つで形成され、したがって、このブロックは、加熱されると、熱伝導性により熱を弁に伝え、弁アセンブリ内の固体原料試薬蒸気の凝縮を妨げる。
【0167】
[00195] ブロックのそれぞれの部品は、適当な方法で互いに結合されうる。例えば、開いて、弁頭部アセンブリの周りに収まり、その後、半セクションが互いに嵌め合い、適当な固定構造により適所に固定可能なように閉じられる、蝶番で互いに結合された半セクションとしてブロックを形成することができる。
【0168】
[00196] この固定構造は、結合要素、ロック構造、ラッチ、鍵付き構造などを含む、適当なタイプのものとすることができる。ブロックは、弁アセンブリ内の弁から原料試薬蒸気がブロックを通り関連する流体回路に流れるようにブロックを通る通路を備えることができる。次に、この流体回路は、分配された蒸気が使用される下流の処理設備と結合することができる。
【0169】
[00197] このような目的のために、ブロックは、弁アセンブリ内の弁の口と嵌め合い可能なように係合し、ブロックを関連する流体回路、例えば、そのブロックと係合するフィッティングを備える吐出導管と結合することを可能にするフィッティング、連結器などを備えることができる。
【0170】
[00198] ブロックは、弁および関連する流体回路の通路内で原料試薬蒸気が凝結するのを防止するために、輻射熱、好適な電源と結合されたときのブロック自体の抵抗加熱、発熱を引き起こすブロックへのマイクロ波または超音波エネルギーの衝突、ブロックを加熱して高温にするように構成され動作する加熱ジャケットによるブロックの覆い、または固体原料試薬分配システムの弁アセンブリ内の弁通路に熱を伝えるためにブロックの温度を高められる他の好適な加熱構造を含む好適な加熱構造により加熱することができる。
【0171】
[00199] 他の態様において、本発明は、送出システムの容器を閉じるために使用されるフランジを含む固体原料試薬送出システムに関するものであり、ただし、フランジは、非標準的ドライバなどの、外すために特殊な工具を必要とする非標準的なスクリューにより試薬供給容器に固定される。このような方法で、試薬送出システムは、不正加工または不正開封防止の特性を付与される。
【0172】
[00200] 他の実施形態では、フランジを容器に固定するために使用されるスクリューには、ラベルが貼られており、これらのラベルは、その下の留め具を利用する場合に破る必要がある。このような構成により、確実に、容器の不正または無許可利用を容易に検出することができる。
【0173】
[00201] さらに他の実施形態では、固体原料試薬送出システムは、固体原料物質を保持する囲まれた容積部分を画成する容器を含み、容器は、例えば、薄い円柱状抵抗加熱器または他のコンパクト形状の加熱器の形態のカートリッジ式加熱器を使用するように適合されている。例えば、1つまたは複数の、例えば、3または4つの加熱器を、容器内で原料物質が加熱されたときに容器から出る固体原料蒸気の流量を制御するために使用される容器と関連する弁内、または弁の近くに配置することができる。弁は、高伝導性であってよく、固体原料試薬が貯蔵され、分配作業時に固体原料試薬の蒸気が容器から分配される出元の内部密閉容積を容器とともに画成するために使用されるフランジまたは他の密閉部材上に取り付けることができる。
【0174】
[00202] 上述のように弁を囲む伝導性ブロックを備える、固体原料試薬送出パッケージの一実施形態では、ブロックは、ドリルであけた孔またはボアを備えることができ、そこに、抵抗加熱要素を挿入し、ブロック、したがってブロックにより包まれている弁を加熱することができる。さらに、またはそれとは別に、加熱器を容器壁内またはその近くで使用できるように容器自体を形成することができる。
【0175】
[00203] 例えば、容器の壁は、このような加熱器が入る壁ポケットを中に形成できるように十分な厚さにすることができ、これらの加熱器は、ポケット内に選択的に挿入され、中の固体原料試薬物質を加熱するために熱が容器に伝えられるように容器壁の加熱を行うことができる。このような目的のための容器は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの伝導性材料で形成することができる。
【0176】
[00204] 図21は、本発明の一実施形態による、固体原料試薬送出パッケージ1300の部分的断面を示す正面図である。
【0177】
[00205] 固体原料試薬送出パッケージ1300は、円周にそって延びる円柱状側壁1304、および上部フランジ密閉部材1310とともに、固体原料試薬1374を保持する囲まれた容積1372を画成する床1306を有する固体原料試薬容器1302を含む。固体原料試薬物質は、図21では、図を分かりやすくするために、容器内の充填物質塊として用意されるように示されているが、この物質は、固体原料試薬から蒸気が発生しやすいように支持材または他の関連する構造物の上に載せることができることは理解されるであろう。特に好ましい一実施形態では、固体原料試薬物質は、ブロックまたはモノリシックのいずれかの形態の、または充填体の形態の多孔質金属媒質により容器の内部容積内で担持される。
【0178】
[00206] 上部フランジ密閉部材1310は、側壁1302内の対応するネジ付き通路と係合するそれぞれの留め具1312および1314を受け入れるネジ付き通路を中に備える。このようにして、上部フランジ密閉部材1310は、容器側壁に機械的に結びつけられ固定される。
【0179】
[00207] 不正利用防止機能として、留め具1312および1314の頭部を、取り出すのに非標準的ドライバを必要とするように形成するか、または他の非標準的工具の使用が必須であるような他の方法で形成することができ、パッケージの不正利用防止の特性が高められる。
【0180】
[00208] 特徴としてほかに、粘着ラベル1316および1318を留め具の頭部に配置することで、パッケージの内容物を無許可で取り出そうという試みがあった場合、その試みはラベルシールの破れにより検出される。
【0181】
[00209] 上部フランジ密閉部材1310は、ブロック1340内に入れられた弁アセンブリ1360と連絡する中心開口部を有する。ブロック1340は、半セクション1342および1344から形成される。それぞれの半セクションは、継ぎ目1346のところで連携する形で嵌め合い、図21に示されているようなブロックの前面の留め具1348により互いに結合する。ブロック1340は、二枚貝風にブロックセクションを開閉することができ、熱的に接触している弁アセンブリ1360と係合するようにブロックの裏側に蝶番で取り付けられた半セクション内に形成できる。
【0182】
[00210] ブロック1340は、弁アセンブリ内の弁室(図に示されていない)と連絡する通路を中に備えることができ、弁棒1362に連結された弁要素(同様に、図に示されていない)は、弁ハンドホイール1364の回転により完全閉位置と完全開位置との間で平行移動し、それぞれ、固体原料試薬蒸気の分配または封じ込めを行うことができる。
【0183】
[00211] こうして、弁アセンブリは、例えば下流の半導体製造設備と結合することができる流体回路の一部として、吐出管路1370に結合するため、フィッティング1368が配置される口のところで終端するブロック内の吐出通路と連絡することができる。
【0184】
[00212] 固体原料試薬容器1302を加熱するため、そのような容器の側壁1304にポケット1320および1322を形成し、図に示されているように、それぞれの加熱器1326および1330の挿入を受け入れるようにすることができる。加熱器1326は、壁開口部内に配置され、電線1328により適当な電源に接続され、その近くの容器壁を抵抗加熱で熱する。同様にして、壁開口部1322には、電線1332により電源に連結された加熱器1330が入るが、この電源は、エネルギーを電線1328に供給する電源と同じであってよい。
【0185】
[00213] 図に示されている実施形態では、ブロック134は、さらに、それぞれ電線1352および1358を使って好適な電源に結合されている加熱器1350および1356の挿入を受け入れ、ブロックの電気抵抗加熱を行うようにブロックのそれぞれの半セクション内をくりぬいて作られた通路を使って加熱される。次いで、ブロックをこのように加熱すると、弁アセンブリ1360および関連する流路も加熱され、それにより、このような通路内の原料試薬蒸気が凝結するのが防止される。
【0186】
[00214] 容器側壁に2つの加熱器があるように示され、ブロック1340内に2つの加熱器があるように示されているが、原料試薬の蒸発、蒸気圧、および揮発の特性、および固体原料試薬送出パッケージが使用される周囲温度条件に応じて、本発明の特定の実施形態で使用される加熱器の数を増減することができることが理解されるであろう。
【0187】
[00215] 図22は、安全保護および不正開封防止機能として、シュリンクラップフィルム1382で覆われた、固体原料試薬送出パッケージ1380の正面図である。
【0188】
[00216] 固体原料試薬蒸気の送出で繰り返し起こる問題として、固体原料試薬物質がいつ尽きかけるか、および新しい固体原料試薬送出パッケージをプロセスシステムにいつ導入する必要があるかを判定することが困難であることが挙げられる。そこで、本発明は、追加の態様において、蒸発器容器内に残っている固体原料試薬のレベルを容易に決定できる実施形態を提示する。
【0189】
[00217] 一実施形態では、原料容器内の原料試薬物質のレベルは、圧力測定により監視される。このような方法では、固体原料物質は加熱され、蒸気圧を高めるが、その際に加熱真空計、マノメータ、および圧力を監視し、供給容器内の固体原料試薬の残量を示す出力を発生する機能を有する変換器を使用する。
【0190】
[00218] 真空計は、蒸発器パッケージの出口のところに設置することができ、これにより、定常状態のシステム内の既存のプロセス温度での蒸気圧を監視する。蒸発器容器から物質が分配されると、用意されている圧力監視コンポーネントにより圧力が測定可能であると仮定して、利用できる圧力は定常状態値まで減少する。したがって、分配される蒸気の流量が異なる場合に、特定の温度において圧力の異なる定常状態値を得ることができる。蒸発器の温度が上昇すると、圧力の定常状態値も高くなる。利用者は、典型的には、固定または一定の温度レベルで蒸発器を使用する。したがって、原料試薬蒸気の与えられた流量に対する定常状態圧力は、容易に決定可能である。
【0191】
[00219] 物質が蒸発器容器から取り除かれると、加熱された蒸発器容器と接触していた物質の表面積(例えば、固体原料物質と加熱された壁または容器内の加熱された支持構造物との接触により)は減少する。その結果、物質のレベルが枯渇に近づき始めると、定常状態圧力は、与えられた流量および温度で、減少し始める。このように定常状態圧力の低下は、蒸発器容器内の残留物質の量に相関しうる。
【0192】
[00220] 例えば、固体原料試薬は、B1822であってよい。このような物質が蒸発するときに、原料試薬蒸気の一定流量を維持するために蒸発器容器の温度を徐々に上昇させる必要がある。これは、物質が蒸発するときに原料物質の蒸気圧が減少することに起因する。これは、全表面積の減少、固体原料試薬物質の異性化または分解などのさまざまな原因により発生しうる。蒸発器容器内に残っている物質の量、容器温度、および蒸発器容器上の流量調節弁の下流で所定の流量または所定の圧力を維持するのに必要な調節弁の開放率特性の間の機能的関係を経験から決定することが可能である。
【0193】
[00221] 他の実施形態では、蒸発器容器内に残っている原料試薬物質の量は、特定の時間内に蒸発器容器に所定の量の加熱エネルギーを加えることにより決定される。システムが平衡蒸気圧に達する速度は、蒸発器容器内に残っている物質に相関しうる。これにより、平衡圧力に近づく速度を蒸発器容器内に残っている物質の量に関係付ける経験的関係を確定することができる。
【0194】
[00222] 蒸発器容器および上部フランジ密閉部材は、外部の使用場所に分配する十分な試薬蒸気を発生するために原料試薬物質を加熱することができる適当な構成物質から形成することができる。
【0195】
[00223] 図21に示されている一般的なタイプの原料試薬送出パッケージの一実施形態では、容器は、原料試薬物質を加熱できる高い熱伝導性をもたらすアルミニウムで形成され、また弁アセンブリおよび上部フランジ密閉部材の中の流量調節弁は、ステンレスで形成される。このようなシステムでは、容器は、絶縁され、弁のみが加熱されるようにできる。弁だけを加熱することで、必ず、弁の温度が容器内の固体原料試薬物質の温度よりも常に高くなるようにできる。アルミニウムなどの材料から原料試薬容器を加工することで、容器内容物に対する熱の均一性が高まる。ステンレス製の上部フランジ密閉部材は、熱伝達に対しある程度の抵抗性を持ち、これにより、原料試薬容器は、弁アセンブリよりも低い温度になり、弁内部で固形物が凝固することがなくなる。図21に示されているタイプのブロックにより弁のところに熱が投入され、熱は、ステンレス製フランジ密閉部材を伝わり、原料試薬容器の残り部分に到達する。
【0196】
[00224] 他の態様では、本発明は、B14およびB1822などの非常に低い蒸気圧(室温で)の固体原料試薬、およびいくつかのインジウムおよびアンチモン固体原料に関連する問題を解決する。蒸気圧が非常に低いため、これらの物質は、蒸気を送出できるように加熱しなければならないが、必要な蒸気量を発生させるために十分な加熱を行うことは困難である。
【0197】
[00225] このような場合、本発明では、原料試薬固形物が溶解される溶媒を使用して、溶媒が蒸発するときの低蒸気圧固形物の蒸発速度を高める。溶媒は、さらに、低蒸気圧固形物を溶媒および低蒸気圧固形物が瞬間蒸発させられる使用地点に運ぶためにも使用することができる。
【0198】
[00226] 溶媒を使用して低蒸気圧固形物を溶解する際に、有機溶媒だけでなく無機溶媒(固形物と反応しない)を含む、適当な溶媒を使用して、固形物の蒸発速度を高めることができる。次いで、固形物の蒸気は、溶媒から抽出され、使用地点に流れるようにできる。それとは別に、溶解した固形物を含む溶媒を蒸発器に流し、そこで、溶媒/原料試薬混合液をフラッシングし、その結果得られる蒸気を他のプロセス、例えば原料試薬蒸気により取り出せる堆積物を含む処理システム室の洗浄で必要に応じて使用する。
【0199】
[00227] 他の態様では、本発明は、原料試薬供給容器内でそのような物質が枯渇に近づいている場合を判定するため固体原料試薬を監視する技術を実現する。この態様では、原料試薬供給容器内に残っている残留固体化学物質を決定するために熱流束センサが使用される。化学物質は使用時に加熱され、蒸発させられるため、熱流束の測定結果を使用して、原料試薬供給容器内に残っている原料試薬のレベルを監視することができる。
【0200】
[00228] 適当な熱流束センサが市販されており容易に入手できる。一実施形態では、熱流束センサは、センサ素子を通る熱の流束に比例し、実際の熱流束に直接相関しうる電圧を発生する薄膜熱電対列変換器である。このようなタイプの熱流束センサは、Omega Engineering,Inc.社(コネチカット州スタンフォード)から、Model HFS−3およびModel HFS−4 Thin−film Heat−Flux Sensorとして販売されている。
【0201】
[00229] 熱流束センサを原料試薬供給容器上に取り付けることにより、熱流束を常時監視することができる。定常状態動作では、熱流束は、典型的には、特に、望ましいことだが、供給容器が絶縁されている場合に、比較的低い値を有し、容器からの熱損失は最小となっている。しかし、化学物質が尽きると、時間の経過とともに供給容器への必要な熱的負荷は減少するが、それは、分配する蒸気を発生するために適切なレベルに維持する物質が少ないからである。より重要なのは、容器内部の固形化学物質の表面において熱損失が発生し、固形化学物質が蒸発するにつれ、固形物の表面のところから熱が失われ、そのような領域の温度がわずかに下がるということである。残り部分の環境は高温になるので、固形物表面への熱流が誘発され、この流束は、熱流束センサを使用して測定され、監視される。
【0202】
[00230] 特定の構成において、このようないくつかの熱流束センサは、供給容器の縦軸にそって置かれ、これにより、容器内の化学物質のレベルを時間の経過とともに詳しく監視することができる。化学物質のレベルが下がるとともに、熱流束センサは、化学物質のレベルの熱流束の変化を検出する。分配動作の大半において熱流束センサは、定常状態で機能し、原料容器から周囲環境への対流による熱損失を測定する。
【0203】
[00231] 他の態様における本発明は、能動冷却を用いて室温付近または室温以下で試薬蒸気を送出する固体原料試薬送出パッケージを実現する。この方法は、例えば、二フッ化キセノンをインプラントソースチャンバに送るために使用することができる。25℃でXeFは、十分な蒸気圧を有し、妥当なサイズ、例えば、内径1インチ未満の送出管路を使用して、毎分数標準立方センチメートル(sccm)までの流量を流すことができる。しかし、XeFを充填した供給容器は、数分など、比較的短い期間しか十分な流量を送出することができない場合がある。物質が送出されると、固体原料試薬の表面は、上述のように物質の蒸発により冷却しうる。この問題を解決するために、能動冷却供給容器を使用して、プロセス要件に応じて20℃〜30℃の温度を維持することができる。送出管路の外部加熱を必要としなくて済むように、容器の温度を送出管路の温度よりもわずかに低く維持する。この方法で、原料試薬物質は、送出管路内に物質を置かずに十分に高い流量で送出することが可能になる。
【0204】
[00232] 能動冷却を使用して送出できるさまざまな化学物質が存在する。本質的に、この方法は、許容可能な流れを約10℃から約50℃までの間の温度に維持するのに十分な蒸気圧を有する化学物質に適用可能である。
【0205】
[00233] 渦流冷却装置を使用すると、高温の供給容器を素早く冷やすことができる。例えば、オクタデカボランを送出するために使用される供給容器は、93℃から115℃までの範囲内で稼働する。使用後供給容器を取り外すために、供給容器を、作業者が取り扱えるように十分に冷まさなければならず、また渦流冷却装置を使用して、容器の温度を取り扱い可能な状態の温度に下げることができる。
【0206】
[00234] 図23は、弁表面温度(曲線A)、下側容器表面温度(曲線B)、周囲温度(曲線C)、熱流束センサにより監視される温度(曲線D)、上側供給容器表面温度(曲線E)、容器本体とフランジ密閉部材との間に配置されたアダプタのアルミニウム製アダプタ表面温度(曲線F)、および供給容器弁と供給容器本体との間の温度差(曲線G)を含む、原料試薬供給パッケージのさまざまな場所における、経過時間(分)の関数としての温度(℃)と熱流束センサ読み取り値(直流ボルト)のグラフである。図23に示されているデータを生成するために使用された渦流冷却装置は、単純な概念検証検査構成において、化学物質を含まない供給容器の能動冷却のため配備されるExair Model 3204 Vortex Coolerであった。
【0207】
[00235] 図23に示されているデータは、容器本体上の1ループ制御で供給容器を使用することで得られた。並列回路構成において、異なるワット量を弁および容器本体セクションに加えた。Exair Model 3204 Vortex Coolerを動作させ、供給容器の底部から熱を一定の速さで取り除いた。この検査では、50psigの圧力を冷却装置入口にかけた。渦流冷却装置デバイスのメーカーが提供する基準物質から推定されるように、約0℃の約2標準立方フィート(scfm)の窒素流量に対応した(これはさらに、約40ワットの冷却に対応する)。
【0208】
[00236] 本発明は、他の態様においては、固体原料試薬が処理作業のまっただ中で尽きてしまうか、または供給容器の予測される消耗の判定が不正確で、供給容器が早期に稼働を停止され、新鮮な試薬要求容器と交換され、その結果固体原料試薬が消耗する状況を回避する、供給容器内の固体原料試薬の量を監視するための他の構成を実現する。
【0209】
[00237] 一度設置すると、原料容器は、典型的には、容器の秤量するのが困難な加熱エンクロージャ内にあるため、中に含まれる固体原料試薬の量を決定するのに容器の風袋重量を測定重量から差し引く原料容器の単純な秤量だけでは、この問題の解決策とならない。
【0210】
[00238] 本発明は、固体原料試薬物質と接触している、容器の囲まれた容積内部のセンサヘッドとともに直接容器内に取り付ける小型の中間赤外線センサを採用することによりこのような問題を解決する。センサは、適当なタイプであればどれでもよく、例えば赤外線スペクトルの2μmから14μmの波長範囲で動作しうる。このような目的のための好ましいセンサとしては、Wilks Enterprise,Inc.社(コネチカット州サウスノーウォーク)から市販されているものがあり、これは、減衰全反射(ATR)サンプリングを使用するインライン中間赤外線(MIR)センサである。
【0211】
[00239] ATRサンプリングでは、放射線は、内部で、赤外線伝送光学素子の下へ反射され、ビームのエネルギーは、それぞれの反射で表面をわずかに超えて広がり、サンプルを反射面に接触させたときに、赤外線エネルギーは、サンプルが吸収する波長で吸収される。
【0212】
[00240] より具体的には、連続光源からの赤外線は、原料物質でコーティングされた赤外線吸収表面上で跳ね返る。固体原料物質は、光学面上に置かれるか、またはそのような表面上に薄膜として凝縮される。光の一部は、この薄膜により吸収される。固体原料物質の厚さが減るにつれ(固形物が蒸発して、分配する蒸気が発生すると)、赤外線信号が大きくなる。物質がもはや残っていなければ終点に到達し、そのような終点は、時間依存曲線から容易に判別できる。終点では、蒸発器容器を替え、固体原料試薬物質を完全充填した新鮮な容器を導入する時期であることを示す信号を利用者に送信することができる。
【0213】
[00241] 中間範囲赤外線センサを使用する他の実装では、IRフィルタを使用して、検出を原料試薬物質が吸収するIR領域に制限する。
【0214】
[00242] 他の実施形態では、赤外線領域内の複数の帯域が監視され、これにより、固形物、および望ましくない分解副産物を別々に監視し、利用者に組成変化を警告する。
【0215】
[00243] さらに他の実施形態では、赤外線吸収表面上の物質は、メッシュに封じ込められており、容器に加えられる物理的振動または機械的衝撃を伴い、試薬供給容器の輸送および/または設置時に吸収表面から外れることのないようになっている。
【0216】
[00244] さらに他の実施形態では、イオン液体貯蔵媒質に溶解された物質の量を測定するために、中間範囲赤外線センサが使用され、そこでは、原料試薬は、そのような媒質内で溶解状態にあり、原料試薬は分配条件の下でイオン液体貯蔵媒質から遊離し、原料試薬供給容器から流れ出る。
【0217】
[00245] 本発明は、他の実施形態において、固体XeF原料物質を使用して、二フッ化キセノン化学物質をイオン注入システムに送出することを提示する。本発明のこの実施形態は、稼働時に汚染された、効率的動作を維持するために洗浄を必要とするイオン注入器に関するものである。固体XeF原料物質に関する具体的問題として、洗浄を行うのに十分な化学物質を送出する一方で、イオン注入器システムのガスボックス内に入る容器に対する仕様を満たし、そのような容器が1500ポンド/平方インチ(psi)以上の偶発的過剰圧力に耐えることができるということが挙げられる。
【0218】
[00246] 本発明は、アルミニウムから加工された原料試薬容器を提供する際に、(複数の)金属発泡体挿入物が好ましくは圧入形態で用意される、固体原料物質に対するキャリア構造として中にある(複数の)アルミニウム発泡体挿入物に関する問題を解決する。アルミニウム発泡体は、高効率の熱伝達を行い、その後固体原料物質を昇華させる、熱エネルギーを容器の内部容積の内部領域内に輸送することができる表面積の広い支持構造物を形成する。
【0219】
[00247] アルミニウムの代わりに、原料試薬供給容器、および(複数の)発泡剤挿入物を、アルミニウム以外の金属、例えばステンレス、ニッケル、青銅などの好適な伝導率および熱容量特性を持つ金属から加工することができる。(複数の)発泡体挿入物の代わりに、金属ウール、金属球、順番に並ぶトレイ(例えば、積層配列の)、または他の充填粒子または媒質の充填により、原料領域容器の内部容積内に表面積の広い伝導性支持構造物を入れることができる。充填は、望ましくは、広い表面積、高い空隙容量、適切な熱特性、および適切な構造的完全性を有する。球体は、充填媒質として使用される場合、特徴として中身が詰まっているか、輪郭であるか、または鳥かご状であってよく、また立方体、円柱などの球体以外の幾何学的な形状を使用することができ、特定の実施形態では、そのような充填媒質粒子は、金属発泡体から形成することができる。
【0220】
[00248] 内部容積内に複数のトレイを備える蒸発器と比べて、金属発泡体、金属ウールなどを使用すると、容量および充填のしやすさの面で有利である。平面トレイおよび板状構造に関係する三次元多孔質網状構造では、著しくソリッドな原料試薬容量がもたらされる。さらに、トレイおよび板状構造には、一度に1レベルずつ固体原料試薬を装填しなければならず、時間がかかる、単調なプロセスであるが、粒状または粒子状の固体原料試薬物質を三次元発泡体網状構造内に注ぎ入れ、ただ単に振って適所に落ち着かせ、それにより、細かく分割された固形物を多孔質マトリックス全体に分散させることができる。
【0221】
[00249] 固体原料試薬供給容器を高レベルの安全性を確保しつつイオン注入器のガスボックス内に配備するための偶発的過剰圧力仕様に対応するために、一実施形態の固体原料試薬供給容器は、アルミニウムに爆発圧着されたステンレス製コンフラットフランジ部材で加工される。この構造は、該構造の上側部分でスチールの強度メリットが生かされ、当該構造内の他の場所ではアルミニウムの熱伝導性のメリットが生かされるアセンブリ内で、アルミニウム−スチール間の遷移をもたらす。
【0222】
[00250] 他の実施形態では、スチール製の上側部分を持つ構造物を形成するために爆発圧着が使用され、この場合、ねじ込み式上部密閉部材のネジ装着のためねじ切りし、それにより、固体原料試薬供給容器の上側部分でスチールの構造的強度を利用し、固体原料試薬供給容器の下側部分でアルミニウムの高伝導性を利用することができる。爆発圧着は、商業的に利用できるプロセスであり、本発明の広範な実施の範囲内で固体原料試薬供給容器を加工する際に有効に使用することができる。
【0223】
[00251] 多くの場合において、中に入れてある固体原料試薬容器および(複数の)多孔質発泡体挿入物または他の多孔質媒質に対し表面処理を行うか、またはコーティングし、他の非流体ベースの化学物質を利用するのに適しているような、容器およびその内部構造の耐薬品性をさらに高めることができる。例えば、容器および多孔質媒質は、ポリマーコーティングを施すことができるか、またはアルミニウムなどの材料で形成される場合は、陽極酸化処理または不動態化処理を施すことができる。
【0224】
[00252] 固体発泡体を支持体として使用すると、さまざまな固体原料物質を貯蔵および送出することが容易に行える。このような目的のための固体原料物質は、細かく分割された形態で供給され、所定の用途における特定の多孔質媒質および固体原料物質に適切なように、振動、攪拌、溶液堆積、または他の組み込む方法で発泡体物質中に分散されるようにすることができる。
【0225】
[00253] したがって、本発明は、好ましい一実施形態では1500psi以上の圧力に耐えるように加工される、固体フッ素化学物質用の固体原料試薬送出パッケージについて考察する。このようなパッケージの容器は、適当なサイズ、例えば直径3〜8インチ、高さ10〜25インチとすることができる。一実施形態では、この容器は、直径4インチ、高さ13インチで、内部容積容量>60cmである。このような実施形態の容器は、アルミニウムで形成され、圧入アルミニウム発泡体挿入物を備え、弁および上部密閉フランジ部材はステンレスから形成される。このようなパッケージの弁は、弁伝導度Cv>2.65の手動弁であり、最大流量は、1時間で、15標準立方センチメートル/分である。
【0226】
[00254] このような固体原料試薬送出パッケージは、容器の内部容積内に多孔質媒体を入れることにより、蒸発冷却および表面領域凝集を受ける固体原料試薬の感受性を実質的に低減する。アルミニウム発泡体は、好ましい挿入媒質材料であり、5ポア/インチ(ppi)の発泡材料が非常に有利である。
【0227】
[00255] 一実施形態のパッケージは、図21に示されているように、ボルト留め具により容器の側壁に固定される上部フランジ密閉部材を含む。それとは別に、上部フランジ密閉部材は、上部では上部フランジ密閉部材に、底部では容器の床に固定される、側壁の全長部分を縦方向に通るボルトにより側壁にボルト締めすることができる。このような実施形態では、床は、別の部材として加工することができ、上部密閉部材および最下部は、それぞれ、それと側壁の隣接端面との間にガスケット、Oリング、または他の封止要素を備えることができる。
【0228】
[00256] 他の実施形態の上部フランジ密閉部材は、適宜漏れ止めシールを形成するために使用されるOリングまたはガスケットシールとともに、容器の外部ねじ付き表面と螺合できるように内側表面にネジ止めされているキャップとして形成することができる。他の形態として、上部密閉部材は、適宜Oリングまたはガスケット封止要素とともに、ねじ込み式キャップおよびブルプラグ構造を備えることができる。
【0229】
[00257] さらに他の実施形態の上部密閉部材は、アルミニウム容器に爆発圧着されたステンレス製フランジ部材である。
【0230】
[00258] 図24は、囲まれた内部容積1404を画成する容器1402を含む、固体原料試薬送出パッケージ1400の部分的断面を示す正面図である。内部容積1404内に、縦に積み重ねられた多孔質金属製パック1406、1408、1410、1412、および1414の配列が構成され、これらは、内部容積1404内に圧入される。上側パック1412および1414は、通路1420を形成する中心ボア1416および1418を有する。
【0231】
[00259] 容器1402は、容器およびその中の多孔質金属製挿入物への熱伝達に有利な熱伝導性をもたらし、原料試薬蒸気を発生できるように選択されたアルミニウムなどの金属で形成することができる。容器1402に爆発圧着されるのは、例えば、ステンレスで形成することができる下側フランジ1422である。この下側フランジ1422に、ナット1432、1436、1438、および1440が結合されるボルト(図24には示されていない)により上側フランジ1424がボルト締めされる。上側フランジ1424は、フィッティング1426が連結され、フランジ1430がフィッティングに連結され、蒸気分配管路を固体原料試薬供給容器に結合できるようになっている。
【0232】
[00260] そのような容器内の多孔質金属挿入物は、金属挿入物の孔の中に、細かく分割された固体原料試薬を分散されている。固体原料試薬を金属発泡体物品の孔に組み込むことにより、発泡体物品に伝わる熱により、非常に効率よく、固体原料試薬から蒸気が発生する。
【0233】
[00261] そこで、本発明は、二フッ化キセノンの送出に特に有用な効果的な固体原料試薬送出パッケージを実現する。二フッ化キセノンは、白色の結晶性粉体で、分子量は169.29、融点は約135℃である。二フッ化キセノンの昇華にかかわるエンタルピーの変化は、約13.315kcal/モル、あるいは言い換えると、XeF蒸気の10sccmの流量に対し約6cal/分である。
【0234】
[00262] パッケージングで固体原料試薬として二塩化キセノンを使用する好ましい金属発泡体は、直径が容器の内径にほぼ等しいパックまたは円板の形態の5ポア/インチ、密度0.189g/立方センチメートル、熱伝導度〜4ワット/mK、表面積約3.3cm/cmのアルミニウム発泡体を含み、これにより、円板を重ねて容器内に圧入し、容器の内部容積内に円板の積層配列を形成することができる。
【0235】
[00263] 好ましい一実施形態では、二塩化キセノンの固体減少試薬送出パッケージは、中に(複数の)アルミニウム発泡体挿入物が入っている容器を備え、(複数の)挿入物は、1つまたは複数のパックを含み、加熱ブロックが容器の上側部分にあり、能動冷却が容器の下側部分で行われ、固体原料試薬の表面冷却および凝集に対抗する。能動冷却機能は、容器の下側部分に関連する渦流冷却ユニットに備えることができる。このようなパッケージを使用することで、マイクロエレクトロニックデバイスイオン注入プロセス室などの室を洗浄し、例えばホウ素、ヒ素、リンなどの、こうしたドーパントのイオン注入から生じる、堆積物を除去するために二フッ化キセノン蒸気を分配することができる。
【0236】
[00264] 原料試薬送出パッケージから分配された二フッ化キセノンを、例えばアルゴンなどのキャリアガスとともにプラズマ発生に曝すことで、イオン注入プロセス室の非常に効率的な洗浄を、所定の稼働時間が過ぎてドーパント種の堆積物がそのようなプロセス室内に蓄積した後、または他の何らかの形で、プロセス室の洗浄を必要とするような程度に蓄積した後に行うことができる。
【0237】
[00265] すべての目的に関して、米国特許第5,518,528号、米国特許第6,089,027号、米国特許第6,101,816号、および米国特許第6,343,476号の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0238】
[00266] 本発明では、低圧流体の送出に有用な高伝導性弁を備えることについて考察する。本発明の弁は、低圧の用途で流体送出にこれまで使用されてきた従来技術の弁に比較して、著しく大きな値となる流量係数を有する。
【0239】
[00267] 好ましくは、本発明の弁は、最大230psigまでの動作圧力、−28℃から150℃までの範囲の動作温度に対応できるように形成され、構成される。
【0240】
[00268] 本発明の他の態様は、物質供給容器に取り付けられた、本発明の高伝導性弁を備える物質送出システムに関する。一実施形態によれば、物質供給容器は、流体、またはそれとは別に、分配する流体を形成するため容器内で加熱もしくは他の何らかの形で処理される固形物など、半導体の製造で使用する物質を含む。このような構成により分配することができる試薬の具体例は、限定はしないが、有機金属試薬、エッチング試薬、洗浄試薬、フォトレジスト前駆体物質、およびドーパントを含む。
【0241】
[00269] 本発明の他の態様は、イオン注入、化学気相成長、エッチング、洗浄などの用途のため、半導体製造施設内で、例えば半導体製造設備内で、送出された物質を利用するための装置と結合された、本発明による物質送出システムを含む、半導体デバイスの製造の際に使用されるシステムに関する。
【0242】
[00270] 本発明の弁は、コンパクトという特性を持つ、例えば、全容積(ここでは弁室の空隙容量および弁本体内の接続通路の空隙容量を含む、弁本体の総容積を指している全容積)が4から20立方インチである弁本体を有する。
【0243】
[00271] 弁本体の一実施形態では、全容積の15から35%は、弁室(弁要素が弁を開閉するように移動可能な室)により占有される。弁本体の全容積が7から10立方インチの範囲である好ましい一実施形態では、弁室は、1.5から3.5立方インチの容積を占有する。弁本体内の入口通路は、弁室との交差点から弁本体の表面にある入口通路開口部まで測定すると、0.15から0.45立方インチを占有し、弁本体の出口通路は、弁室との交差点から弁本体の表面にある出口通路開口部まで測定すると、0.05から0.45立方インチを占有しうる。
【0244】
[00272] 本発明のこのようなコンパクトな弁の好ましい一実施形態では、出口通路の直径と入口通路の直径との比は0.75から1.25までの範囲内にあり、より好ましくは0.80から1.15までの範囲内にあり、なおいっそう好ましくは0.90から1.10までの範囲内にあり、最も好ましくはこの比は0.95から1.05までの範囲内にある。
【0245】
[00273] 他の態様では、好ましい一実施形態の出口通路の長さと入口通路の長さとの比は、0.20から1.5までの範囲内にあり、より好ましくは0.3から1.2までの範囲内にあり、最も好ましくは0.35から1.0までの範囲内にある。
【0246】
[00274] したがって、本発明の弁は、小容量の弁(本明細書では、全容積が<20立方インチである弁本体を持つ弁を示すものと解釈する)であり、内部に比較的大きな内部開放容積を持つ。例えば、弁の開放容積(つまり、入口通路、出口通路、および弁室の個々の容積の総和として決定される容積)は、弁本体の全容積の25から45%までの範囲内、より好ましくは弁本体の全容積の30から40%までの範囲内とすることができる。
【0247】
[00275] 本発明の弁は、高伝導性を特徴とし、好ましくは2よりも大きい流量係数、より好ましくは少なくとも2.5の流量係数を有する。
【0248】
[00276] 具体例として、図25〜28を参照しつつ以下で説明されるタイプの弁は、約2.7から2.9程度の流量係数を有する。これは、従来技術で流量係数が約0.2から0.35程度の低圧流体を分配するために使用されている弁とは対照的である。
【0249】
[00277] 弁の一般的動作を考察すると、流量調節弁は、弁筐体内の弁要素の位置の変化を用いて可動弁要素を入れた弁本体および弁室を通る流体の流量を制限し、流量を制御することにより流体流量を制御することができることがわかる。流体流量調節弁は、それとは別に、またはそれに加えて、弁の入口のところの流体圧力と弁の出口のところの流体圧力との間に固有の差圧を課すことにより流体流量を制御できるため、弁開口部の与えられたオリフィスサイズに対し、差圧を増すことは、一般的に、流量の増大に影響を及ぼす。
【0250】
[00278] 弁の流量係数は、ときには弁の容量指数と呼ばれることもあり、弁の流量および差圧特性に関係する。流量係数は、異なる弁の相対的性能を評価できるようにするもので、これにより2つのそのような変数(つまり、流量および圧力低下)のうちの一方が知られているときに流量または差圧を決定することができる。
【0251】
[00279] 本明細書で使用されているように、弁流量係数Cという用語は、1ポンド/平方インチの圧力低下を弁に生じさせる、温度70°Fの水でガロン/分を単位として表される流量を指す。弁流量係数の単位は、これにより指定され、Cの値は、これ以降、次元単位なしで参照される。
【0252】
[00280] 本発明の弁を参照する際に本明細書で使用されているように、高伝導性という用語は、弁が少なくとも2であるCを有することを意味する。
【0253】
[00281] 本発明の弁は、当該分野において実質的な進歩を達成しており、低圧流体を高い流体圧力からさらには非常に低い流体圧力までの範囲、例えば、0.005〜10torr程度の圧力で分配できる。
【0254】
[00282] 本発明の高伝導性弁は、さまざまな流体流用途において使用することができる。
【0255】
[00283] 好ましい一実施形態では、弁は、原料化学物質のこれを含む容器からの流れに対する分配調節弁として使用される。原料化学物質は、任意の適当な形態とすることができる。特定の一実施形態において、原料化学物質は、半導体製造作業で使用する蒸気の供給源として使用される、蒸発可能な固形物の形態である。他の特定の実施形態では、原料化学物質は、下流のガス消費設備において使用される蒸気を発生させるための液体源とすることができる。他の特定の実施形態では、原料化学物質は、特定の物理的吸着媒質床上に吸着するように保持された気体試薬であり、そこから、外部の使用場所への流れの分配条件の下でガスが脱着される。さらに他の特定の実施形態では、原料化学物質は、容器内部に流体圧力調節器を備える容器内に高圧で保持される流体であり、そこでは、例えば米国特許第6,101,816号でさらに具体的に説明されているように、調節器の設定点により、流体の低圧分配が可能になる。
【0256】
[00284] 本発明の弁は、中に弁室を画成する弁本体を含む。入口通路は、弁本体内に流体を流すために弁室と連絡しており、出口通路は、弁本体から流体を流し出すために弁室と連絡している。弁は、弁要素およびアクチュエータアセンブリを備え、これにより弁室内の完全開位置と完全閉位置との間で弁要素が移動できる。入口通路および出口通路は、弁室と一緒になって、弁要素が開位置にあるときに、弁本体に流体を流して通すことができる。弁の入口および出口通路は、実質的に互いに垂直である。
【0257】
[00285] 弁本体内のそれぞれの入口および出口流体流路は、好ましくは、一般的に直線的であり、好ましくは、それぞれの入口および出口通路の中心線の交点が90°の挟角を画成するように互いに関して直角に揃えられる。
【0258】
[00286] 弁本体内の入口および出口通路は、適当な形状および断面形態とすることができるが、好ましくは、それぞれの場合に円形の断面が通路の縦方向中心線を横切る一般的に円柱形状である。それぞれの通路は、互いに関して異なる直径を持つ構成セクションを有するが、流路の長さにそっての寸法のずれは性質上わずかであり、弁流量伝導性を著しく低下させる流体力学的効果が回避される。
【0259】
[00287] それぞれ入口および出口通路は、それぞれ、弁本体内の弁室のところで終端する。弁室は、弁の閉位置で、入口通路を密閉するために、ダイアフラムと棒のアセンブリを含むように適宜サイズが決定される。弁棒は、弁本体から外へ延びており、ハンドル、ハンドホイール、自動アクチュエータ、または弁室内の弁要素をそれぞれの完全開位置と完全閉位置との間で移動するための他のデバイスもしくはサブアセンブリなどの作動構造物に固定される。
【0260】
[00288] 一実施形態では、アクチュエータは、手動で弁を作動させようとする利用者の手による握り具合を向上させるため成形された、または織り目を付けた表面とともに形成できるハンドルである。
【0261】
[00289] 次に図面を参照すると、図25は、本発明の一実施形態による高伝導性弁の斜視図である。
【0262】
[00290] 高伝導性弁1510は、中に吐出通路1518を画成する吐出フィッティング16が配置されている出入口開口部1514を有する弁本体1512を備える。
【0263】
[00291] 図に示されている実施形態の弁本体1512は、ブロック状立体構造をとり、主たる平坦な側面1515および小さい方の平坦な端面1517は8面ブロック構造を画成する。弁本体は、適当な立体構造でよく、直方体、円柱、立方体の形状、または他の好適な形状であってよい。
【0264】
[00292] 図25の実施形態では、弁棒(図25に示されていない)は、弁本体から上に向かって外へ延び、中を通る流体の流れに対し弁を開閉するために、手で掴み、時計回りまたは反時計回りに回すことができるハンドル1520と係合する。
【0265】
[00293] 弁本体1512は、流体分配用途に適切な好適な物質で形成することができる。好ましい一実施形態では、弁本体は、ステンレス材、316Lの単一の機械加工ブロックである。他の特定の実施形態では、弁本体は、アルミニウム、ハステロイ、ニッケル、炭素鋼、または弁によって分配される試薬、弁の動作にかかわる温度、圧力、および他の処理条件に適合する他の好適な構成材料から形成することができる。
【0266】
[00294] 弁は、弁が使用される特定の最終用途に適合する動作圧力範囲および動作温度範囲特性を弁に付与する物質で形成される。本発明の一実施形態では、弁の動作圧力範囲は、最大230ポンド/平方インチゲージ(psig)圧の範囲であり、動作温度範囲は、−28℃から150℃までの範囲である。
【0267】
[00295] 吐出フィッティング1516は、流体分配システムの流体回路または他のコンポーネントに結合するのに適切な好適なタイプであればなんでもよい。本発明の一実施形態の吐出フィッティングは、オスVCRフィッティングである。ハンドル1520は、ポリマー材料、金属、セラミック、複合材料など、例えば、ポリエステル材料などの好適な構成物質で形成することができる。
【0268】
[00296] 図26は、図25の高伝導性弁1510の平面図であり、ハンドル1520の全体的立体構造、および弁本体に取り付けられたオスVCRフィッティング1516を示している。
【0269】
[00297] 図27は、図25および図26の弁1510の正面図であり、その構造の詳細をさらに示している。
【0270】
[00298] 図27に示されているような弁1510の部分および特徴は、図25および26の中の同じまたは対応する構造に関して対応するように番号が振られている。
【0271】
[00299] 図27に示されているように、管スタブ1522は、弁本体1512の底面に固定される。管スタブは、図28を参照しつつ以下でさらに詳しく説明されているように、弁内の入口通路と同軸である。管スタブ1522は、溶接、鑞付け、または他の好適な連結方法もしくは技術により弁本体に固定することができる。
【0272】
[00300] 一実施形態では、管スタブ1522は、図27の点線の輪郭で示されているようにフランジ要素1526により囲まれている。このようなフランジは、弁を相手側のフランジに接続するための結合構造または他の連携構造を形成し、分配動作時に管スタブ1522の開口部1524内に流体を流す弁の位置を決めて動作させるために使用することができる。フランジ26は、弁本体1512に溶接、鑞付け、または他の連結方法で結合することができる。
【0273】
[00301] 他の実施形態では、このようなフランジは、金属ストックの単一片から弁本体とともに機械加工することが可能である。このような単一機械加工立体構造では、管スタブをなくし、フランジを通り弁本体に入る入口通路を機械加工することが可能である。
【0274】
[00302] 図28は、図27の直線A−Aにそって切り取った、図25〜27の弁10の断面正面図である。
【0275】
[00303] 図28に例示されているように、管スタブ1522は、弁本体1512の底面に固定され、弁本体内の入口通路セグメント1552および1550と連絡する内部通路1524を画成する。すでに説明されているように、通路セクション1550と1552との間の直径の差は、望ましくはわずかであり、流体流に過度に干渉しない。図に示されている実施形態では、通路セグメント1550は、通路セグメント1552よりもわずかに直径が大きく、後者は直径約0.37インチ程度で、管スタブ1522内の入口通路の直径に等しい。好ましくは、通路セグメント1550の直径と通路セグメント1552の直径との比は、0.995から1.005までの範囲内である。
【0276】
[00304] 通路セグメント1550と1552により形成される入口通路は、弁室1536と潜在的に連絡する。弁室1536は、弁本体1512内に空洞として形成される。弁室36は、さらに、出口通路1534とも連絡し、出口通路1534は、オスVCRフィッティング1516内の同じ直径のボアに一致するように、約0.37インチの特定の実施形態の直径を有する。好ましくは、出口通路1534の直径とオスVCRフィッティング1516内のボアの直径との比は、0.995から1.005までの範囲内である。
【0277】
[00305] 図28に例示されているように、通路セグメント1550と1552により形成される入口通路は、出口通路1534(および出口通路1534と同軸である、VCRフィッティング1516の関連する吐出通路1518)の縦方向の中心線X−Xに垂直な縦方向の中心線Y−Yを有する。本発明によれば、弁の入口通路は、弁の出口通路に対し垂直であるか、または「実質的に垂直」である。「実質的に垂直」という言いまわしは、垂直に対し5度以内であることを意味する。
【0278】
[00306] 弁室1536において、弁は、図28に示されている位置で、ダイアフラム/棒サブアセンブリ1542と連携する形で嵌め合い、流れに対し弁を閉じるガスケット1540を備える。ダイアフラム/棒サブアセンブリ1542は、ボンネット1544およびアクチュエータベアリングアセンブリ1546に連結され、弁本体1512の上面から上に向かって延び、ハンドル1520と係合する弁棒1533を備える。
【0279】
[00307] ハンドル1520は、ハンドルのねじ付き開口部1532内のハンドル位置決めネジ1530を使って弁棒1533に固定される。位置決めネジは、弁を手動で作動させるためハンドルを適所に保持し、これにより、ダイアフラム/棒アセンブリは、弁室1536内の完全開位置と完全閉位置との間で平行移動される。
【0280】
[00308] したがって、図28に示されている位置において、ダイアフラム/棒サブアセンブリ1542および関連するガスケットは、入口通路セグメント1550と1552、および管スタブ1522の内部通路1524に対する封止作用を維持する。流体を分配したい場合、ハンドル1520を、縦軸Y−Yの周りに適宜回転させ、入口通路の上端からダイアフラム/棒サブアセンブリを引っ込め、弁本体、および弁室1536内の入口通路セグメント1552および1550に流体を通して、出口通路1532に流すことができる。出口通路1532は、オスVCRフィッティング1516の吐出通路1518と連絡し、その後、分配される流体を流体回路、多岐管、または分配される流体を流すか、または流体を使用する他の場所に流す。
【0281】
[00309] 分配作業を行う場合、流体は、弁本体を通して垂直上向きに流れ、弁室1536内に入り、水平方向に向きを変えて吐出通路1518と連絡している出口通路1534内の弁本体から流れ出る。
【0282】
[00310] 弁本体を通る流体のそのような「直角の流れ」は、従来技術の流体分配弁を通る横方向の流れに関して予想外に優れている。上で示されているように、本発明の弁は、特定の実施形態において約2.7から2.9程度の弁流量係数Cをとりうる。これは、1桁低い、例えば約0.2から0.3の流量係数を有する、弁本体を通る従来の端から端までの流れのある従来対応する従来技術の弁の性能と際だって対照的である。
【0283】
[00311] 弁1510は、これが使用される最終用途に適したサイズであればどのようなサイズでもよい。一実施形態では、弁本体1512および関連するハンドル1520は、合わせて、高さ(H+K)が約3.2インチ程度であり、弁本体自体は高さ(H)約2インチである。このような実施形態における弁本体1512は、主要面に関して一般的に正方形の形状を有し、それぞれの辺の寸法は約1.875インチ(W)程度である。このような例示的な弁において、オスVCRフィッティング1516の流体吐出通路1518は、内径が0.37インチ程度であり、管スタブ1522の直径(D)および入口通路セグメント1552の直径(D)、入口通路セグメント1550の直径(D)、出口通路1534の直径(D)、および流体吐出通路1518の直径(D)は、好ましくは互いの10%以内である。
【0284】
[00312] 本発明の高伝導性弁は、当該分野の実質的進歩を達成しており、これまで使用されてきた流量調節弁に比べて数段優れている。本発明の弁を使用することで、低圧使用形態において高い流量により流体分配を行うことができ、ガス利用程度が高いのが望ましい流体貯蔵および分配容器に応用するうえで非常に有利である。
【0285】
[00313] 図29は、半導体製造設備における流体の必要量に応じて加熱するために加熱ジャケットが配置されている、流体を半導体製造設備に送出するために流体流で流体回路と連絡するように構成された、本発明の高伝導性弁1510を組み込んだ固体原料試薬貯蔵および分配容器1570の略図である。
【0286】
[00314] 図29に示されているように、高伝導性弁1510は、手動作動ハンドル1520が関連付けられている弁本体1512を備える。吐出フィッティング16は、流体を吐き出すための出口を備えているように示されている。弁1510は、適当な固体原料試薬、例えばデカボランまたはオクタデカボランを入れた、固体原料試薬貯蔵および分配容器1570の首部に結合される。容器1570の下側部分は、電線1574および1576により加熱調節器ユニット1578に連結されている電気抵抗加熱ジャケットとして例示されている、加熱ジャケット1572内に配置される。加熱調節器ユニット1578は、電源コード1580により、適当な電源(図には示されていない)に連結され、容器1570内の固形物を蒸発させる所望のレベルの加熱を行う電気入力を電線1574および1576を介して加熱ジャケット1572に送るように選択的に調節可能である。
【0287】
[00315] 吐出フィッティング1516は、管路1582と1586および流量調節ユニット1584により概略が示されている流体回路に結合されているものとして例示されている。図に概略が示されているような流量調節ユニットは、容器1570から流体試薬を分配する技術において必要な、または望ましいと思われる、質量流量調節器、圧力変換器、サージタンク、ポンプ、圧縮機、流量調節弁などの適切な流量計装、センサ、移動流体駆動装置などを表す。
【0288】
[00316] 流体回路の管路1586は、半導体製造設備1588に接続され、例えば、これは、イオン注入設備、化学気相成長設備、フォトレジストエッチング設備、または容器1570から流体を都合よく供給できる他の流体利用ユニットを含むことができる。
【0289】
[00317] 図29に概略が示されているシステムは、中央演算処理装置(CPU)1592を備え、これは汎用プログラム可能コンピュータ、マイクロプロセッサ、プログラム可能論理制御装置などを含みうる。CPUは、信号伝送線路1590を介して流量調節ユニット1584と、信号伝送線路1596を介して半導体製造設備1588と結合される。そこで、CPUは、流体回路の流量調節ユニット1584から入力を受け取るように構成される。例えば、流量調節ユニット1584は、流体回路内の流量監視デバイスを備え、流体の半導体製造設備1588への流れを示す信号を信号伝送線路1590でCPUに伝送する。CPUは、次いで、信号伝送線路1594を介して加熱調節器ユニット1578と結合される。
【0290】
[00318] 半導体製造設備1588は、さらに、設備により必要とされる流体の量と相関関係のある半導体製造設備の1つまたは複数のパラメータの変化を示す信号を信号伝送線路1596を介してCPU1592に出力するようにも構成される。
【0291】
[00319] したがって、流量調節ユニット1584または半導体製造設備1588のいずれか、または両方が流体回路を通して設備に流体をさらに流す必要のあることを示す信号を線路1590または1596でCPU1592に出力する場合、CPUは、それに応じて、信号伝送線路1594で信号を加熱調節器ユニット1578に伝送し、加熱ジャケット1572により、例えば、加熱ジャケットへの電気入力を増大することにより、容器1570の加熱のレベルを高めさせる。
【0292】
[00320] 図29のシステムの弁は、高伝導性流量調節弁であるため、容器70からの流体の分配は、半導体製造設備が低圧条件で稼働し、流体の流れをかなりの速度に維持する必要がある場合でも、非常に効率的な方法で行うことができる。
【0293】
[00321] 本発明は、本明細書の開示に基づき本発明の分野の当業者であれば自ずとわかるように、本発明の特定の態様、特徴、および例示的な実施形態を参照しつつ説明されているが、本発明の有用性は、それに限定されず、むしろ、数多くの他の変更形態、修正形態、および代替え実施形態にも拡大適用され、それらを包含することは理解されるであろう。そのため、本発明は、請求項に示されているように、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、そのようなすべての変更形態、修正形態、および代替え実施形態を含むものとして、広く理解され解釈されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体原料物質を加熱し前記固体原料物質から蒸発により蒸気を発生するため、前記固体原料物質を保持するように構成された構造物であって、該構造物の少なくとも一部により前記固体原料物質を封じ込める構造物と、
前記蒸発のために前記固体原料物質を加熱するように構成された熱源と、
システムから前記蒸気を吐き出すように構成された蒸気分配アセンブリとを備える、試薬をその固体原料から送出するためのシステム。
【請求項2】
前記構造物は、囲まれた内部容積を画成する容器を含み、その中に前記固体原料物質が保持される請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記固体原料物質は、前記固体原料物質を圧迫するように配置された板部材により前記囲まれた内部容積内への封じ込めで保持される請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記板部材は、前記容器の前記囲まれた内部容積内で平行移動可能であり、前記固体原料物質が徐々に蒸発するときに前記固体原料物質への圧迫を維持するように配置される請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記板部材は、前記固体原料物質への圧迫を維持するようにバネ付勢される請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
さらに、前記容器の前記囲まれた内部容積内に伸長可能なシャフトを備え、前記板部材をそれに結合し、前記板部材は、シャフトを伸長することで平行移動可能であり、これにより前記固体原料物質への圧迫を維持する請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記伸長可能シャフトは、内部通路を有し、中の加圧された流体は前記固体原料物質が徐々に蒸発するにつれシャフトを伸長する請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記板部材は、内部孔を有し、前記伸長可能シャフトは、前記内部孔と連絡している内部供給および吐出通路を有し、前記システムは、さらに、前記伸長可能シャフトの前記内部通路と連絡する流体流により連絡する形で結合された熱交換器を備え、前記熱交換器から前記シャフト内の前記内部供給通路を通して前記板部材の孔に熱伝達媒体を流し、前記孔から前記シャフト内の前記内部吐出通路を通して前記熱交換器に熱伝達媒体を流す請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記板部材は、複数の流路を中に備え、前記蒸気はそこを通って前記容器の蒸気回収領域に流れる請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
前記熱源は、前記容器と加熱する関係を有するように構成された少なくとも1つの加熱ジャケットを備える請求項2に記載のシステム。
【請求項11】
前記熱源は、前記容器の別の領域と加熱する関係を有するようにそれぞれ構成された複数の加熱ジャケットを備える請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記容器は、取り外されたときに固体原料物質を前記容器の前記囲まれた内部容積に導入することを可能にする取り外し可能要素を備える請求項2に記載のシステム。
【請求項13】
前記取り外し可能要素は、容器引込口カバーを備える請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記取り外し可能要素は、容器カバーを備える請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
さらに、油圧を前記板部材にかけて前記固体原料物質への前記板部材の圧迫を維持するように構成された流体供給アセンブリを備える請求項3に記載のシステム。
【請求項16】
さらに、固体原料物質を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記固体原料物質は、デカボラン、オクタデカボラン、および塩化インジウムからなる群から選択された物質を含む請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記固体原料物質は、不連続形態である請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記固体原料物質は、単一モノリシック形態である請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記熱源は、前記固体原料物質に加熱エネルギーを当てるように構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記加熱エネルギーは、マイクロ波加熱エネルギーおよび赤外線加熱エネルギーからなる群から選択される請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記熱源は、前記固体原料物質を伝導性に基づいて加熱するように構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記熱源は、前記封じ込め構造物を加熱するための加熱ジャケットを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記熱源は、熱伝達媒体を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記固体原料物質を蒸発させると、前記システム内に保持されている前記固体原料物質のレベルが減少し、前記システムは、さらに、前記固体原料物質の前記レベルの指示を行うように構成されたレベル感知アセンブリを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記レベル感知アセンブリは、電気的、磁気的、または光学的レベルセンサを備える請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記システムは、前記固体原料物質を圧迫するように構成された板部材を備え、前記レベル感知アセンブリは、前記板部材の位置を感知し前記固体原料物質の前記レベルの前記指示を行うように構成された少なくとも1つのセンサを備える請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記レベル感知アセンブリは、光電子感知アセンブリを備える請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記光電子感知アセンブリは、レーザー源、および前記レーザー源からの反射されたレーザー信号を検出するように構成された検出器を含むセンサを備える請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記レベル感知アセンブリは、前記構造物内に一連のスイッチを備え、それぞれ、前記固体原料物質が徐々に蒸発するにつれ前記板部材に接触または近接して順次作動される請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
前記構造物は、囲まれた内部容積を画成する容器を含み、その中に前記固体原料物質が保持される請求項25に記載のシステム。
【請求項32】
前記レベル感知アセンブリは、加圧ガスの供給源、前記供給源から加圧ガスを前記容器の前記囲まれた内部容積内に注入するように構成されたガス注入器、および前記加圧ガスを注入した後前記容器の前記囲まれた内部容積内の圧力を検出し、それに応じて、固体原料物質の前記レベルを示す出力を発生するように構成された圧力センサを備える請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記レベル感知アセンブリは、前記システムから吐き出された蒸気を監視し、それに応じて、前記システム内の固体原料物質のレベルを示す出力を発生するように構成された蒸気流量合計装置を備える請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
さらに、前記固体原料物質が徐々に蒸発するときに前記板部材に力を加えて前記固体原料物質への圧迫を維持するように構成された、力を加えるアセンブリを備える請求項4に記載のシステム。
【請求項35】
前記力を加えるアセンブリは、前記板部材に運動量を与える請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
さらに、前記固体原料物質を平行移動して前記熱源と加熱する関係を有するようにする移動アセンブリを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項37】
前記熱源は、加熱炉またはオーブンを含む請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記移動アセンブリは、機械式供給ユニットを備える請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記蒸気分配アセンブリは、流体回路を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項40】
前記流体回路は、質量流量調節器、温度および圧力センサ、流量調節弁、流体圧力調節器、および流量制限オリフィス要素からなる群から選択された少なくとも1つの流体回路コンポーネントを含む請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記蒸気分配アセンブリは、流体利用設備に結合される請求項1に記載のシステム。
【請求項42】
前記蒸気分配アセンブリは、半導体製造設備に結合される請求項1に記載のシステム。
【請求項43】
前記容器の前記囲まれた内部容積は、前記固体原料物質を保持する取り外し可能ライナーを含む請求項2に記載のシステム。
【請求項44】
前記ライナーは、前記容器の前記囲まれた内部容積内に挿入可能なドロップインアセンブリとして前記固体原料物質を充填される請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記ライナーは、ポリマー材料で形成される請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記ライナーは、金属または金属化薄膜材料で形成される請求項43に記載のシステム。
【請求項47】
さらに、液体体積を形成するために前記固体原料物質の液化を行う前記熱源の構成、および前記液体体積のレベルを感知し、分配に使用可能な蒸気を示す出力を発生するように構成されたフロートスイッチを備える請求項2に記載のシステム。
【請求項48】
さらに、前記容器内の前記蒸気の圧力を感知し、それに応じて、前記容器内の前記固体原料物質の量を示す出力を発生するように構成された圧力監視装置を備える請求項2に記載のシステム。
【請求項49】
さらに、前記システムから蒸気が吐き出されるときに前記容器内の前記固体原料物質の量を監視し、それに応じて、前記量を示す出力を発生するように構成された固体原料物質監視アセンブリを備える請求項2に記載のシステム。
【請求項50】
前記出力は、視覚的または聴覚的アラームを含む請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記熱源は、輻射加熱、伝導加熱、対流加熱、および電気加熱からなる群から選択された加熱法のうちの少なくとも1つを含む加熱方式により前記固体原料物質を加熱するように形成され、配置される請求項1に記載のシステム。
【請求項52】
前記熱源は、マイクロ波加熱および赤外線加熱からなる群から選択された加熱法のうちの少なくとも1つを含む加熱方式により前記固体原料物質を加熱するように形成され、配置される請求項1に記載のシステム。
【請求項53】
さらに、前記固体原料物質への前記板部材の圧迫を維持するために前記板部材を平行移動するように構成された移動駆動アセンブリを備える請求項3に記載のシステム。
【請求項54】
前記容器の前記囲まれた内部容積は、前記固体原料物質またはその蒸気が堆積される支持体を含む請求項2に記載のシステム。
【請求項55】
前記支持体は、物理的吸着物質の粒子を含む請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記支持体は、熱伝導物質の粒子を含む請求項54に記載のシステム。
【請求項57】
熱伝導物質の前記粒子は、金属ビーズを含む請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記支持体は、球体、リング、ドーナツ形状、立方体、らせん形状、リボン形状、メッシュ、針、および円錐からなる群から選択された立体構造を有する請求項54に記載のシステム。
【請求項59】
前記固体原料物質は、昇華可能固形物を含む請求項16に記載のシステム。
【請求項60】
前記容器は、溶媒中に前記固体原料物質を可溶化して固体原料物質溶液を形成するように構成された可溶化装置アセンブリに連結され、前記容器は前記固体原料物質溶液を受け入れるように構成され、前記熱源は前記容器内の前記固体原料物質溶液を加熱し前記溶媒を蒸発させるように構成され、前記蒸気分配アセンブリは前記容器から蒸発させた溶媒を吐き出し、前記固体原料物質を前記容器内に堆積するように構成され、前記熱源はその後前記蒸発のために前記固体原料物質を加熱するように構成される請求項2に記載のシステム。
【請求項61】
前記容器は、前記固体原料物質が前記容器内に堆積される支持体を含む請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
さらに、前記蒸発した溶媒を凝縮し、凝縮された溶媒を前記可溶化装置アセンブリに再循環させるように構成された回収ユニットを備える請求項60に記載のシステム。
【請求項63】
前記可溶化装置アセンブリは、前記溶媒の供給源および前記固体原料物質の供給源と受け入れる関係を有するように構成された混合タンクを備える請求項60に記載のシステム。
【請求項64】
前記熱源は、前記固体原料物質の選択的加熱を行い前記蒸気を発生させるためのコヒーレント光放射源を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項65】
さらに、前記容器に流体を通して流すように構成されたポンプを備える請求項2に記載のシステム。
【請求項66】
さらに、前記ライナーを内容物の混合のために繰り返し移動するように構成された攪拌アセンブリを備える請求項43に記載のシステム。
【請求項67】
前記攪拌アセンブリは、前記ライナーに対し吸引および圧縮を交互に繰り返すように構成された逆転ポンプを備える請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記容器の前記囲まれた内部容積内に機械式混合器を備える請求項2に記載のシステム。
【請求項69】
前記蒸気分配アセンブリにより吐き出された蒸気を前記容器に再循環させるように構成された再循環ループを備える請求項2に記載のシステム。
【請求項70】
前記容器の前記囲まれた内部容積内に伝導性熱伝達部材を備える請求項2に記載のシステム。
【請求項71】
前記再循環ループは、ポンプを含む請求項69に記載のシステム。
【請求項72】
さらに、前記再循環ループに不活性ガスを流すように構成された不活性ガス供給源を備える請求項69に記載のシステム。
【請求項73】
さらに、中を流れる流体を加熱するため前記再循環ループ内に加熱器を備える請求項69に記載のシステム。
【請求項74】
さらに、前記再循環ループと流れで連絡するように連結された吐出管路を備える請求項69に記載のシステム。
【請求項75】
さらに、前記吐出管路内に質量流量調節器を備える請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
さらに、前記再循環ループ内に逆止めを備える請求項69に記載のシステム。
【請求項77】
さらに、前記吐出管路内に流量調節オリフィスを備える請求項74に記載のシステム。
【請求項78】
前記再循環ループおよび吐出管路は、前記蒸気分配アセンブリから吐き出される流体の大部分を前記再循環ループに通して流し、前記吐き出された流体のわずかな部分を前記吐出管路に流すように構成されている請求項74に記載のシステム。
【請求項79】
さらに、前記蒸気分配アセンブリから吐き出された前記蒸気が所定の温度および圧力になるように前記熱源を変調するように構成された温度および圧力応答監視および制御サブシステムを備える請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
前記熱源は、前記容器の少なくとも一部とぴったり嵌め合い可能な加熱ジャケットを備える請求項2に記載のシステム。
【請求項81】
前記加熱ジャケットおよび容器は、それぞれ、互いに関して所定の配置となるように前記加熱ジャケットおよび容器を位置合わせするために相補的に嵌め合い可能な係合要素を有する請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記容器の前記囲まれた内部容積は、環状立体構造を有する請求項2に記載のシステム。
【請求項83】
前記嵌め合い可能係合要素は、前記熱源を作動させる前に係合を必要とするように構成される請求項81に記載のシステム。
【請求項84】
さらに、前記容器の前記囲まれた内部容積内のトレイの配列を備え、前記固体原料物質は、前記配列内のトレイにコーティングされるか、またはトレイに入れられる請求項2に記載のシステム。
【請求項85】
前記熱源は、前記容器の周りに取り囲むように巻き付けられた加熱テープを備える請求項2に記載のシステム。
【請求項86】
さらに、前記容器の前記囲まれた内部容積内に流体回収多岐管を備える請求項2に記載のシステム。
【請求項87】
さらに、前記流体回収多岐管と結合された多孔質管および/または多孔質リングを備える請求項86に記載のシステム。
【請求項88】
さらに、前記容器の前記囲まれた内部容積内の一領域を対象範囲とする間隔を隔てて並べられた温度センサの配列を備え、前記配列は、前記領域内の温度を監視し、それに応じて、前記領域内の温度を示す出力を発生するように構成されている請求項2に記載のシステム。
【請求項89】
前記容器は、水平方向に揃えられた向きを有する請求項2に記載のシステム。
【請求項90】
前記容器は、水平軸の周りに回転するように構成される請求項89に記載のシステム。
【請求項91】
前記蒸気分配アセンブリは、吐出管路に連結され、緩衝貯蔵室は、前記吐出管路との間で流れの関係を有するように結合され、また緩衝量の前記蒸気を含むように構成され、前記緩衝貯蔵室から分配し前記緩衝貯蔵室の下流にある吐出管路内で前記蒸気の所定の流量を維持する請求項1に記載のシステム。
【請求項92】
前記緩衝貯蔵室の下流にある前記吐出管路は、蒸気利用設備と蒸気供給の関係を有するように結合される請求項91に記載のシステム。
【請求項93】
前記蒸気利用設備は、半導体製造設備を含む請求項92に記載のシステム。
【請求項94】
さらに、前記容器の前記囲まれた内部容積内の流体回収多岐管および前記流体回収多岐管に結合された多孔質回収管を備える請求項2に記載のシステム。
【請求項95】
前記熱源は、前記多孔質回収管を加熱するように構成される請求項94に記載のシステム。
【請求項96】
前記熱源は、液化固体原料物質を蒸発させて前記多孔質回収管の内部通路に入れられるようになる温度まで前記多孔質回収管を加熱し、その後、前記多孔質回収管の加熱量を増やして液化固体原料物質を蒸発させ前記多孔質回収管の前記内部通路内に入れるように構成される請求項95に記載のシステム。
【請求項97】
さらに、前記液化固体原料物質を蒸発させた後、前記容器の前記囲まれた内部容積内の圧力を測定し、それに応じて、前記容器内の固体原料物質の量を示す出力を発生するように構成された圧力センサを備える請求項96に記載のシステム。
【請求項98】
前記構造物は、前記固体原料物質が堆積される支持材を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項99】
前記支持材は、テープ、クモの巣状物、シート、フィラメント、またはワイヤの形態である請求項98に記載のシステム。
【請求項100】
前記熱源は、前記固体原料物質を帯びた前記構造物が前記蒸発のため平行移動される際に通る加熱された室を含む請求項98に記載のシステム。
【請求項101】
前記蒸気分配アセンブリは、加熱された室に結合され、蒸気をそこから吐き出すように構成された吐出管路を備える請求項100に記載のシステム。
【請求項102】
さらに、前記固体原料物質を前記支持材に堆積するように構成された堆積アセンブリを備える請求項98に記載のシステム。
【請求項103】
前記堆積アセンブリは、前記固体原料物質を前記支持材に噴霧堆積するように構成されたスプレーヘッドを備える請求項102に記載のシステム。
【請求項104】
前記支持材は、前記固体原料物質が付着する粘着性表面を有する請求項103に記載のシステム。
【請求項105】
前記固体原料物質は、吸着粒子および高熱伝導性粒子の混合物上にコーティングされる請求項1に記載のシステム。
【請求項106】
前記吸着粒子は、活性炭吸着剤、分子ふるい、珪藻土、粘度タイプの吸着剤、マクロレティキュレート樹脂、シリカ、アルミナからなる群から選択された吸着剤を含む請求項105に記載のシステム。
【請求項107】
前記高熱伝導性粒子は、金属またはセラミックで形成された粒子を含む請求項105に記載のシステム。
【請求項108】
前記構造物は、流動床を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項109】
保持構造物の少なくとも一部により封じ込められている固体原料物質を保持することと、前記固体原料物質を加熱して前記固体原料物質からその蒸発により蒸気を発生することと、前記蒸気を受け取ることとを含む固体原料から試薬を送出するための方法。
【請求項110】
前記保持構造物は、囲まれた内部容積を画成する容器を含み、その中に前記固体原料物質が保持される請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記固体原料物質を圧迫し、前記物質を前記囲まれた内部容積内に封じ込めて保持するように前記板部材を施すことを含む請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記板部材を前記容器の前記囲まれた内部容積内で平行移動させ、前記固体原料物質が徐々に蒸発するときに前記固体原料物質への圧迫を維持することを含む請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記板部材をバネ付勢して、前記固体原料物質への圧迫を維持するようにすることを含む請求項112に記載の方法。
【請求項114】
さらに、前記容器の前記囲まれた内部容積内に伸長可能なシャフトを備え、前記板部材をそれに結合することを含み、前記板部材は、シャフトを伸長することで平行移動可能であり、これにより前記固体原料物質への圧迫を維持する請求項112に記載の方法。
【請求項115】
前記伸長可能シャフトは、内部通路を有し、中に加圧された流体を用意して前記固体原料物質が徐々に蒸発するにつれ前記シャフトを伸長することを含む請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記板部材は、内部孔を有し、前記伸長可能シャフトは、前記内部孔と連絡している内部供給および吐出通路を有し、さらに、前記伸長可能シャフトの前記内部通路と連絡する流体流により連絡する熱交換器を結合し、前記熱交換器から前記シャフト内の前記内部供給通路を通して前記板部材の孔に熱伝達媒体を流し、前記孔から前記シャフト内の前記内部吐出通路を通して前記熱交換器に熱伝達媒体を流すことを含む請求項114に記載のシステム。
【請求項117】
前記板部材は、複数の流路を中に備え、前記蒸気はそこを通って前記容器の蒸気回収領域に流れる請求項111に記載の方法。
【請求項118】
前記加熱は、前記容器と加熱する関係を有する少なくとも1つの加熱ジャケットを配置することを含む請求項110に記載の方法。
【請求項119】
前記加熱は、それぞれ前記容器の別の領域と加熱する関係を有する複数の加熱ジャケットを配置することを含む請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記容器は、取り外されたときに固体原料物質を前記容器の前記囲まれた内部容積に導入することを可能にする取り外し可能要素を備える請求項110に記載の方法。
【請求項121】
前記取り外し可能要素は、容器引込口カバーを備える請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記取り外し可能要素は、容器カバーを備える請求項120に記載の方法。
【請求項123】
さらに、油圧を前記板部材にかけて前記固体原料物質への前記板部材の圧迫を維持するように流体供給アセンブリを構成することを含む請求項111に記載の方法。
【請求項124】
さらに、粉末形態の固体原料物質を使用することを含む請求項109に記載の方法。
【請求項125】
前記固体原料物質は、デカボラン、オクタデカボラン、および塩化インジウムからなる群から選択された物質を含む請求項109に記載の方法。
【請求項126】
不連続形態の前記固体原料物質を使用することを含む請求項109に記載の方法。
【請求項127】
単一モノリシック形態の前記固体原料物質を使用することを含む請求項109に記載の方法。
【請求項128】
前記固体原料物質に加熱エネルギーを当てることを含む請求項109に記載の方法。
【請求項129】
前記加熱エネルギーは、マイクロ波加熱エネルギーおよび赤外線加熱エネルギーからなる群から選択される請求項128に記載の方法。
【請求項130】
前記加熱は、伝導性加熱を含む請求項109に記載の方法。
【請求項131】
前記加熱は、前記保持構造物を加熱するため加熱ジャケットを使用することを含む請求項109に記載の方法。
【請求項132】
前記加熱は、熱伝達媒体の使用を含む請求項109に記載の方法。
【請求項133】
前記固体原料物質を蒸発させると、前記固体原料物質のレベルが減少し、前記方法は、さらに、レベル感知アセンブリを使用して前記固体原料物質の前記レベルの指示を行うことを含む請求項109に記載の方法。
【請求項134】
前記レベル感知アセンブリは、電気的、磁気的、または光学的レベルセンサを備える請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記固体原料物質を圧迫するように板部材を配置することと、前記板部材の位置を感知し前記固体原料物質の前記レベルの前記指示を行うこととを含む請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記レベル感知アセンブリは、光電子感知アセンブリを備える請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記光電子感知アセンブリは、レーザー源、および前記レーザー源からの反射されたレーザー信号を検出するように構成された検出器を含むセンサを備える請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記レベル感知アセンブリは、前記構造物内に一連のスイッチを備え、前記固体原料物質が徐々に蒸発するにつれ前記板部材に接触または近接するスイッチのそれぞれを順次作動させることを含む請求項135に記載の方法。
【請求項139】
前記保持構造物は、囲まれた内部容積を画成する容器を含み、その中に前記固体原料物質が保持される請求項133に記載の方法。
【請求項140】
前記レベル感知アセンブリは、加圧ガスの供給源を備え、前記供給源から加圧ガスを前記容器の前記囲まれた内部容積内に注入することと、圧力センサを使用し、前記加圧ガスを注入した後前記容器の前記囲まれた内部容積内の圧力を検出し、それに応じて、固体原料物質の前記レベルを示す出力を発生することとを含む請求項139に記載の方法。
【請求項141】
前記レベル感知アセンブリは、回収された蒸気を監視し、それに応じて、前記固体原料物質のレベルを示す出力を発生するように構成された蒸気流量合計装置を備える請求項139に記載の方法。
【請求項142】
さらに、前記固体原料物質が徐々に蒸発するときに前記板部材に力を加えて前記固体原料物質への圧迫を維持するように力を加えるためのアセンブリを構成することを含む請求項112に記載の方法。
【請求項143】
前記力を加えるアセンブリは、前記板部材に運動量を与える請求項142に記載の方法。
【請求項144】
さらに、前記固体原料物質を平行移動して前記加熱を行うように熱源と加熱する関係を有するようにすることを含む請求項109に記載の方法。
【請求項145】
前記加熱は、加熱炉またはオーブンの使用を含む請求項144に記載の方法。
【請求項146】
前記平行移動は、機械式供給ユニットの使用を含む請求項144に記載の方法。
【請求項147】
前記回収された蒸気は、流体回路に通される請求項109に記載の方法。
【請求項148】
前記流体回路は、質量流量調節器、温度および圧力センサ、流量調節弁、流体圧力調節器、および流量制限オリフィス要素からなる群から選択された少なくとも1つの流体回路コンポーネントを含む請求項147に記載の方法。
【請求項149】
前記回収された蒸気は、流体利用設備へと流される請求項109に記載の方法。
【請求項150】
前記回収された蒸気は、半導体製造設備へと流される請求項109に記載の方法。
【請求項151】
前記容器の前記囲まれた内部容積は、前記固体原料物質を保持する取り外し可能ライナーを含む請求項110に記載の方法。
【請求項152】
前記ライナーは、前記容器の前記囲まれた内部容積内に挿入可能なドロップインアセンブリとして前記固体原料物質を充填される請求項151に記載の方法。
【請求項153】
前記ライナーは、ポリマー材料で形成される請求項151に記載の方法。
【請求項154】
前記ライナーは、金属または金属化薄膜材料で形成される請求項151に記載の方法。
【請求項155】
前記固体原料物質の前記加熱は前記固体原料物質を液化して液体体積を形成し、さらに、前記液体体積のレベルを感知することと、分配に使用可能な蒸気を示す出力を発生することとを含む請求項110に記載の方法。
【請求項156】
さらに、前記容器内の前記蒸気の圧力を感知することと、それに応じて前記容器内の前記固体原料物質の量を示す出力を発生することとを含む請求項110に記載の方法。
【請求項157】
さらに、蒸気が回収されるときに前記容器内の前記固体原料物質を監視することと、それに応じて前記固体原料物質の残量を示す出力を発生することとを含む請求項110に記載の方法。
【請求項158】
前記出力は、視覚的または聴覚的アラームを含む請求項157に記載の方法。
【請求項159】
前記加熱は、輻射加熱、伝導加熱、対流加熱、および電気加熱からなる群から選択された加熱法のうちの少なくとも1つを含む請求項109に記載の方法。
【請求項160】
前記加熱は、マイクロ波加熱および赤外線加熱からなる群から選択された加熱法のうちの少なくとも1つを含む加熱方式を含む請求項109に記載の方法。
【請求項161】
さらに、前記板部材を平行移動して、前記板部材の前記固体原料物質への圧迫を維持することを含む請求項111に記載の方法。
【請求項162】
前記容器の前記囲まれた内部容積は、前記固体原料物質またはその蒸気が堆積される支持体を含む請求項110に記載の方法。
【請求項163】
前記支持体は、物理的吸着物質の粒子を含む請求項162に記載の方法。
【請求項164】
前記支持体は、熱伝導物質の粒子を含む請求項162に記載の方法。
【請求項165】
熱伝導物質の前記粒子は、金属ビーズを含む請求項164に記載の方法。
【請求項166】
前記支持体は、球体、リング、ドーナツ形状、立方体、らせん形状、リボン形状、メッシュ、針、および円錐からなる群から選択された立体構造を有する請求項162に記載の方法。
【請求項167】
前記固体原料物質は、昇華可能固形物を含む請求項109に記載の方法。
【請求項168】
さらに、溶媒中の前記固体原料物質を可溶化して固体原料物質溶液を形成することと、前記容器内に前記固体原料物質を堆積するために、前記容器内の前記固体原料物質溶液を加熱して前記溶媒を蒸発させ、前記容器から蒸発した溶媒を吐き出すことと、その後に前記固体原料物質を加熱して前記蒸発を行わせることとを含む請求項110に記載の方法。
【請求項169】
前記容器は、前記固体原料物質が前記容器内に堆積される支持体を含む請求項168に記載の方法。
【請求項170】
さらに、前記蒸発した溶媒を凝縮することと、凝縮された溶媒を前記可溶化工程に再循環させることとを含む請求項168に記載の方法。
【請求項171】
前記可溶化工程は、前記溶媒と前記固体原料物質とを混合することを含む請求項168に記載の方法。
【請求項172】
前記加熱は、前記固体原料物質の選択的加熱を行い前記蒸気を発生させるためにコヒーレント光放射源を使用して行われる請求項109に記載の方法。
【請求項173】
さらに、ポンプで前記容器に流体を流し込むことを含む請求項110に記載の方法。
【請求項174】
さらに、内容物の混合のために前記ライナーを繰り返し移動することを含む請求項151に記載の方法。
【請求項175】
前記ライナーを繰り返し移動することは、逆転ポンプを作動させて前記ライナーに対し吸引および圧縮を交互に繰り返すことを含む請求項174に記載の方法。
【請求項176】
前記容器の前記囲まれた内部容積内に機械式混合器を備えることを含む請求項110に記載の方法。
【請求項177】
回収された蒸気を前記容器に再循環させて戻すことを含む請求項110に記載の方法。
【請求項178】
前記容器の前記囲まれた内部容積内に伝導性熱伝達部材を備えることを含む請求項110に記載の方法。
【請求項179】
前記再循環は、ポンプを含む再循環ループの使用を含む請求項177に記載の方法。
【請求項180】
さらに、不活性ガスを前記再循環ループに流すことを含む請求項179に記載の方法。
【請求項181】
さらに、中を流れる流体を加熱するために前記再循環ループ内に加熱器を置くことを含む請求項179に記載の方法。
【請求項182】
さらに、前記再循環ループと流れで連絡する吐出管路を連結することを含む請求項179に記載の方法。
【請求項183】
さらに、前記吐出管路内に質量流量調節器を置くことを含む請求項182に記載の方法。
【請求項184】
さらに、前記再循環ループ内に逆止めを置くことを含む請求項179に記載の方法。
【請求項185】
さらに、前記吐出管路内に流量調節オリフィスを置くことを含む請求項182に記載の方法。
【請求項186】
回収された流体の大部分を再循環ループに通して流すことと、回収された流体のわずかな部分を吐出管路に流すこととを含む請求項182に記載の方法。
【請求項187】
さらに、前記回収された蒸気が所定の温度および圧力であるように前記加熱を変調することを含む請求項186に記載の方法。
【請求項188】
前記加熱は、前記容器の少なくとも一部とぴったり嵌め合い可能な加熱ジャケットにより行われる請求項110に記載の方法。
【請求項189】
前記加熱ジャケットおよび容器は、それぞれ、互いに関して所定の配置となるように前記加熱ジャケットおよび容器を位置合わせするために相補的に嵌め合い可能な係合要素を有する請求項188に記載の方法。
【請求項190】
前記容器の前記囲まれた内部容積は、環状立体構造を有する請求項110に記載の方法。
【請求項191】
前記嵌め合い可能係合要素は、前記加熱を行う前に係合を必要とするように構成される請求項189に記載の方法。
【請求項192】
さらに、前記容器の前記囲まれた内部容積内にトレイの配列を置くことを含み、前記固体原料物質は、前記配列内のトレイにコーティングされるか、またはトレイに入れられる請求項110に記載の方法。
【請求項193】
前記加熱は、前記容器の周りに取り囲むように巻き付けられた加熱テープにより行われる請求項110に記載の方法。
【請求項194】
さらに、前記容器の前記囲まれた内部容積内の流体回収多岐管で流体を回収することを含む請求項110に記載の方法。
【請求項195】
さらに、多孔質管および/または多孔質リングは、前記流体回収多岐管と結合される請求項194に記載の方法。
【請求項196】
さらに、前記容器の前記囲まれた内部容積内の一領域を対象範囲とする間隔を隔てて並べられた温度センサの配列を構成することを含み、前記配列は、前記領域内の温度を監視し、それに応じて、前記領域内の温度を示す出力を発生するように構成されている請求項110に記載の方法。
【請求項197】
前記容器は、水平方向に揃えられた向きを有する請求項110に記載の方法。
【請求項198】
前記容器は、水平軸の周りに回転される請求項197に記載の方法。
【請求項199】
前記回収された蒸気は、吐出管路に流され、緩衝貯蔵室は、前記吐出管路との間で流れの関係を有するように結合され、また緩衝量の前記蒸気を含むように構成され、前記緩衝貯蔵室から分配し前記緩衝貯蔵室の下流にある吐出管路内で前記蒸気の所定の流量を維持する請求項109に記載の方法。
【請求項200】
前記緩衝貯蔵室の下流にある前記吐出管路は、蒸気利用設備と蒸気供給の関係を有するように結合される請求項199に記載の方法。
【請求項201】
前記蒸気利用設備は、半導体製造設備を含む請求項200に記載の方法。
【請求項202】
さらに、前記容器の前記囲まれた内部容積内の流体回収多岐管および前記流体回収多岐管に結合された多孔質回収管を備えることを含む請求項110に記載の方法。
【請求項203】
さらに、前記多孔質回収管を加熱することを含む請求項202に記載の方法。
【請求項204】
前記多孔質回収管は、液化固体原料物質を蒸発させて前記多孔質回収管の内部通路に入れられるようになる温度まで加熱され、その後、前記多孔質回収管の加熱量を増やして液化固体原料物質を蒸発させ前記多孔質回収管の前記内部通路内に入れる請求項203に記載の方法。
【請求項205】
さらに、前記液化固体原料物質を蒸発させた後、前記容器の前記囲まれた内部容積内の圧力を測定することと、それに応じて、前記容器内の固体原料物質の量を示す出力を発生することとを含む請求項204に記載の方法。
【請求項206】
前記固体原料物質を支持材上に堆積することを含む請求項109に記載の方法。
【請求項207】
前記支持材は、テープ、クモの巣状物、シート、フィラメント、またはワイヤの形態である請求項206に記載の方法。
【請求項208】
前記固体原料物質を帯びた支持材を平行移動して加熱室に通して、前記蒸発を行わせることを含む請求項206に記載の方法。
【請求項209】
さらに、前記加熱室から回収された蒸気を吐き出すことを含む請求項208に記載の方法。
【請求項210】
さらに、前記固体原料物質を前記支持材上に堆積することを含む請求項206に記載の方法。
【請求項211】
さらに、前記固体原料物質を前記支持材上にスプレーすることを含む請求項210に記載の方法。
【請求項212】
前記支持材は、前記固体原料物質が付着する粘着性表面を有する請求項211に記載の方法。
【請求項213】
前記固体原料物質は、吸着粒子および高熱伝導性粒子の混合物上にコーティングされる請求項109に記載の方法。
【請求項214】
前記吸着粒子は、活性炭吸着剤、分子ふるい、珪藻土、粘度タイプの吸着剤、マクロレティキュレート樹脂、シリカ、アルミナからなる群から選択された吸着剤を含む請求項213に記載の方法。
【請求項215】
前記高熱伝導性粒子は、金属またはセラミックで形成された粒子を含む請求項213に記載の方法。
【請求項216】
前記固体原料物質の加熱を流動床内で行うことを含む請求項109に記載の方法。
【請求項217】
中に固体原料物質を保持するように適合された囲まれた内部容積を画成する容器と、分配動作時に前記固体原料物質から導き出される蒸気を分配するために前記内部容積と流体流で連絡するように結合された弁アセンブリであって、完全開位置と完全閉位置との間で平行移動可能な弁要素を備える弁アセンブリと、前記弁アセンブリに脱着できるように固定可能であり、加熱されたときに、前記弁アセンブリに熱を伝達し、分配された蒸気が前記弁アセンブリ内で液化するのを妨げる効果を有する熱伝導ブロックとを備える固体原料試薬送出システム。
【請求項218】
前記ブロックは、金属で形成される請求項217に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項219】
前記金属は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む請求項218に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項220】
前記ブロックは、互いに連携するように嵌め合わさっている部品を備える請求項217に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項221】
さらに、互いに連携するように嵌め合わされた部品を保持するように適合された固定構造物を備える請求項220に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項222】
前記固定構造物は、結合要素、ロック構造、ラッチ、鍵付き構造からなる群から選択される請求項221に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項223】
前記ブロックは、前記弁アセンブリに固定する場合に開くように蝶番で結合され、前記弁アセンブリの周りで閉じることができ、ブロックを閉位置に保持するロック構造を有する、ブロック半セクションを備える請求項217に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項224】
前記ブロックは、分配動作時に前記ブロックから前記分配された蒸気を流し出すための通路を含む、通路を中に有する請求項217に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項225】
前記通路は、前記弁アセンブリの弁棒が前記ブロックの外へ突き出るための通路を備える請求項224に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項226】
前記ブロックの面で終端し、流体回路を取り付けるためのフィッティングと結合された前記分配された蒸気の通路を備える請求項224に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項227】
前記流体回路は、分配された蒸気が利用される処理設備に結合される請求項226に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項228】
さらに、前記ブロックを加熱するように構成された加熱器を備える請求項217に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項229】
前記加熱器は、輻射加熱器、抵抗加熱器、マイクロ波加熱器、超音波加熱器、およびジャケット加熱器からなる群から選択される請求項228に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項230】
中に固体原料物質を保持するように適合された囲まれた内部容積を画成する容器と、囲まれた内部容積を画成するように前記容器に固定されたフランジ密閉部材と、分配動作時に前記固体原料物質から導き出される蒸気を分配するために前記内部容積と流体流で連絡するように結合された弁アセンブリであって、完全開位置と完全閉位置との間で平行移動可能な弁要素を備える弁アセンブリとを備え、前記フランジ密閉部材は、留め具要素の係合を外し前記容器から前記フランジ密閉部材を取り外すために非標準工具を必要とする前記留め具要素により前記容器に固定される固体原料試薬送出システム。
【請求項231】
前記留め具要素は、係合を外し前記容器から前記フランジ密閉部材を取り外すために非標準ドライバを必要とする、ねじ込み式留め具を含む請求項230に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項232】
前記留め具要素は、前記留め具要素を利用するためには破る必要のあるラベルが重なる請求項230に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項233】
前記ブロックは、中に通路を含み、抵抗加熱要素は、前記通路内に取り外し可能なように構成される請求項217に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項234】
前記容器は、中に通路を含み、抵抗加熱要素は、前記通路内に取り外し可能なように構成される請求項217に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項235】
中に固体原料物質を保持するように適合された囲まれた内部容積を画成する容器と、囲まれた内部容積を画成するように前記容器に固定されたフランジ密閉部材と、分配動作時に前記固体原料物質から導き出される蒸気を分配するために前記内部容積と流体流で連絡するように結合された弁アセンブリであって、完全開位置と完全閉位置との間で平行移動可能な弁要素を備え、中に少なくとも1つの通路を含む壁を備える前記容器と、前記通路内に取り外し可能なように構成された加熱要素とを備える固体原料試薬送出システム。
【請求項236】
前記少なくとも1つの通路は、前記壁の外面と連絡する請求項235に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項237】
前記容器は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成される請求項235に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項238】
中に固体原料物質を保持するように適合された囲まれた内部容積を画成する容器と、分配動作時に前記固体原料物質から導き出される蒸気を分配するために前記内部容積と流体流で連絡するように結合された弁アセンブリであって、完全開位置と完全閉位置との間で平行移動可能な弁要素を備える弁アセンブリと、前記固体原料物質を支持するように適合された前記内部容積内の金属発泡体物質とを備える固体原料試薬送出システム。
【請求項239】
前記金属発泡体物質は、少なくとも1つの金属発泡体を含む請求項238に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項240】
前記少なくとも1つの金属発泡体は、円板形態の複数の金属発泡体を含む請求項239に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項241】
前記容器は、円柱形態であり、前記金属発泡体は、前記容器の内径に十分近い直径を有し、前記金属発泡体は、前記容器内に圧入可能であり、前記容器の内面と接触する請求項240に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項242】
前記金属発泡体は、アルミニウムで形成される請求項241に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項243】
前記容器は、アルミニウムで形成される請求項242に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項244】
前記金属発泡体は、前記容器内の積層配列である請求項240に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項245】
前記積層配列内の上側金属発泡体は、中に中心開口部を有し、その上側部分の前記配列内に中心通路を形成する請求項244に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項246】
さらに、前記容器に固定されたフランジ密閉部材を備える請求項238に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項247】
前記フランジ密閉部材は、ステンレスで形成され、前記容器は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成され、前記フランジ密閉部材は、前記容器に爆発圧着される請求項246に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項248】
さらに、前記フランジ密閉部材は、留め具により前記容器に固定される請求項246に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項249】
前記容器は、側壁、および床を備え、前記フランジ密閉部材および前記床のそれぞれは、前記容器側壁を貫通する留め具により前記側壁に固定され、前記フランジ密閉部材および床のそれぞれに固定される請求項246に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項250】
前記留め具は、前記側壁を貫通するボルトを備え、前記フランジ密閉部材および前記床の外面のところでナットと係合する請求項249に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項251】
中に固体原料物質を保持するように適合された囲まれた内部容積を画成する容器と、分配動作時に前記固体原料物質から導き出される蒸気を分配するために前記内部容積と流体流で連絡するように結合された弁アセンブリであって、完全開位置と完全閉位置との間で平行移動可能な弁要素を備える弁アセンブリとを備え、前記システムは、シュリンクラップフィルム材料で収縮包装される固体原料試薬送出システム。
【請求項252】
中に固体原料物質を保持するように適合された囲まれた内部容積を画成する容器と、分配動作時に前記固体原料物質から導き出される蒸気を分配するために前記内部容積と流体流で連絡するように結合された弁アセンブリであって、完全開位置と完全閉位置との間で平行移動可能な弁要素を備える弁アセンブリと、加熱器および圧力センサを備える固体原料物質監視アセンブリとを備え、前記加熱器は前記容器内の前記固体原料物質を加熱し、その蒸気圧を高めるように構成され、前記圧力センサは蒸気圧の増加を検出し、それに応じて前記容器内の前記固体原料物質の残量を示す出力を発生する固体原料試薬送出システム。
【請求項253】
中に固体原料物質を保持するように適合された囲まれた内部容積を画成する容器と、分配動作時に前記固体原料物質から導き出される蒸気を分配するために前記内部容積と流体流で連絡するように結合された弁アセンブリであって、完全開位置と完全閉位置との間で平行移動可能な弁要素を備える弁アセンブリと、定常状態での分配動作時に前記容器内の圧力を監視し、それに応じて前記容器内の前記固体原料物質の残量を示す出力を発生するように適合された圧力センサを備える固体原料物質監視アセンブリとを備える固体原料試薬送出システム。
【請求項254】
前記容器は、B1822固体原料物質を含む請求項253に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項255】
固体原料試薬から導き出される蒸気を伴う分配動作を行う方法であって、前記固体原料試薬を含む第1の供給容器から前記蒸気を分配することと、容器温度、および前記蒸気の所定の流量または前記分配の後の前記蒸気の所定の圧力を維持するように前記蒸気の送出速度を変調する流量調節弁の開放特性の程度を監視することと、前記容器温度、および前記流量調節弁の開放特性の程度から前記第1の供給容器内の固体原料試薬の残量を決定することとを含む方法。
【請求項256】
さらに、前記第1の供給容器内の前記固体原料試薬の残量が所定の程度まで低下したときに前記第1の供給容器からの蒸気の分配を終了することと、前記固体原料試薬を含む第2の供給容器から蒸気分配を開始することとを含む請求項255に記載の方法。
【請求項257】
中に固体原料物質を保持するように適合された囲まれた内部容積を画成する容器と、分配動作時に前記固体原料物質から導き出される蒸気を分配するために前記内部容積と流体流で連絡するように結合された弁アセンブリであって、完全開位置と完全閉位置との間で平行移動可能な弁要素を備える弁アセンブリと、所定の期間に前記容器に所定の加熱エネルギーを投入するように適合された加熱器および前記システムが平衡蒸気圧に近づく速度を決定し、それに応じて前記容器内の前記固体原料物質の残量を示す出力を発生するように適合された監視装置を備える固体原料物質監視アセンブリとを備える固体原料試薬送出システム。
【請求項258】
固体原料試薬から導き出される蒸気を伴う分配動作を行う方法であって、前記固体原料試薬を含む第1の供給容器から前記蒸気を分配することと、所定の期間に所定の加熱エネルギーを前記容器に投入することと、前記投入時に前記固体原料試薬が平衡蒸気圧に近づく速度を決定することと、それに応じて前記第1の供給容器内の前記固体原料物質の残量を示す出力を発生することとを含む方法。
【請求項259】
さらに、前記第1の供給容器内の前記固体原料試薬の残量が所定の程度まで低下したときに前記第1の供給容器からの蒸気の分配を終了することと、前記固体原料試薬を含む第2の供給容器から蒸気分配を開始することとを含む請求項258に記載の方法。
【請求項260】
低蒸気圧固形物の蒸発速度を高める方法であって、前記低蒸気圧固形物を溶媒中に溶解させて溶液を形成することと、前記低蒸気圧固形物の蒸気を前記溶液から抽出することとを含む方法。
【請求項261】
前記低蒸気圧固形物は、水素化ホウ素を含む請求項260に記載の方法。
【請求項262】
前記水素化ホウ素は、B14水素化物を含む請求項261に記載の方法。
【請求項263】
前記水素化ホウ素は、B18水素化物を含む請求項261に記載の方法。
【請求項264】
前記水素化ホウ素は、B1822を含む請求項261に記載の方法。
【請求項265】
低蒸気圧固形物の蒸発速度を高める方法であって、前記低蒸気圧固形物を溶媒中に溶解させて溶液を形成することと、前記溶液を瞬間蒸発させて前記低蒸気圧固形物の蒸気を発生させることとを含む方法。
【請求項266】
前記低蒸気圧固形物の前記蒸気は、使用場所に運ばれる請求項265に記載の方法。
【請求項267】
中に固体原料物質を保持するように適合された囲まれた内部容積を画成する容器と、分配動作時に前記固体原料物質から導き出される蒸気を分配するために前記内部容積と流体流で連絡するように結合された弁アセンブリであって、完全開位置と完全閉位置との間で平行移動可能な弁要素を備える弁アセンブリと、前記容器内の前記固体原料物質への熱流束の変化を検出し、それに応じて前記容器内の前記固体原料物質の残量を示す出力を発生するように適合された少なくとも1つの熱流束センサを備える固体原料物質監視アセンブリとを備える固体原料試薬送出システム。
【請求項268】
前記熱流束センサは、薄膜熱電対列変換器を備える請求項267に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項269】
複数の熱流束センサは、前記容器上に取り付けられる請求項267に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項270】
固体原料試薬から導き出される蒸気を伴う分配動作を行う方法であって、前記固体原料試薬を含む前記第1の供給容器から前記蒸気を分配することと、前記容器内の前記固体原料物質への熱流束を監視し、それに応じて前記容器内の前記固体原料物質の残量を示す出力を発生することとを含む方法。
【請求項271】
さらに、前記第1の供給容器内の前記固体原料試薬の残量が所定の程度まで低下したときに前記第1の供給容器からの蒸気の分配を終了することと、前記固体原料試薬を含む第2の供給容器から蒸気分配を開始することとを含む請求項270に記載の方法。
【請求項272】
中に固体原料物質を保持するように適合された囲まれた内部容積を画成する容器と、分配動作時に前記固体原料物質から導き出される蒸気を分配するために前記内部容積と流体流で連絡するように結合された弁アセンブリであって、完全開位置と完全閉位置との間で平行移動可能な弁要素を備える弁アセンブリと、前記容器内の固体原料物質と、前記容器の下側部分を冷却するように適合された冷却装置とを備える固体原料試薬送出システム。
【請求項273】
前記冷却装置は、渦流冷却装置を含む請求項272に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項274】
前記容器内の前記固体原料物質は、二フッ化キセノンを含む請求項272に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項275】
前記容器内の前記固体原料物質は、オクタデカボランを含む請求項272に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項276】
中に固体原料物質を保持するように適合された囲まれた内部容積を画成する容器と、分配動作時に前記固体原料物質から導き出される蒸気を分配するために前記内部容積と流体流で連絡するように結合された弁アセンブリであって、完全開位置と完全閉位置との間で平行移動可能な弁要素を備える弁アセンブリと、前記容器内の前記固体原料物質と接触する前記内部容積内に取り付けられ、赤外線を前記固体原料物質に当てて、それに応じて前記容器内の前記固体原料物質の残量を示す出力を発生する中間赤外線センサを備える固体原料物質監視アセンブリとを備える固体原料試薬送出システム。
【請求項277】
前記中間赤外線センサは、減衰全反射(ATR)サンプリングを使用して、2μmから14μmの赤外線波長スペクトル範囲内で動作する請求項276に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項278】
前記中間赤外線センサは、検出を赤外線領域に制限するように適合された赤外線フィルタを備え、前記原料試薬物質は、そのような放射線を吸収する請求項276に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項279】
前記中間赤外線センサは、赤外線領域内の複数の帯域を監視するように適合され、前記容器内の前記原料試薬物質と望ましくない分解副産物とを別々に監視する請求項276に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項280】
前記中間赤外線センサと接触している原料試薬物質は、前記センサから外れるのを防ぐため位置固定である請求項276に記載の固体原料試薬送出システム。
【請求項281】
イオン液体貯蔵媒質内に貯蔵された試薬を含む容器と少なくとも前記システムの分配動作時に中に残っている前記試薬の量を測定するために前記容器内に置かれている中間赤外線センサとを備える試薬貯蔵および分配システム。
【請求項282】
イオン注入装置用の固体原料試薬洗浄システムであって、固体XeFを分散させた支持材を入れた容器と、XeF蒸気を発生させるように前記金属発泡体物質の温度を変調するように適合された熱調節器と、前記容器と前記イオン注入装置とを結合し、前記容器から前記イオン注入装置にXeFを流して前記イオン注入装置を洗浄するように適合された流体回路を備えるイオン注入装置用の固体原料試薬洗浄システム。
【請求項283】
前記支持材は、金属発泡体物質を含む請求項282に記載の固体原料試薬洗浄システム。
【請求項284】
前記支持材は、金属ウールの充填物を含む請求項282に記載の固体原料試薬洗浄システム。
【請求項285】
前記支持材は、金属球体の充填物を含む請求項282に記載の固体原料試薬洗浄システム。
【請求項286】
前記金属球体は、金属発泡体物質で形成される請求項285に記載の固体原料試薬洗浄システム。
【請求項287】
前記支持材は、アルミニウム発泡体を含む請求項282に記載の固体原料試薬洗浄システム。
【請求項288】
処理設備を洗浄して堆積物を取り除く方法であって、前記堆積物は、ホウ素、ヒ素、およびリンのうちの少なくとも1つを含み、前記方法は固体二フッ化キセノンから洗浄蒸気を発生させることと、前記堆積物を前記処理設備から少なくとも部分的に取り除くことができる十分な時間の間、前記堆積物を前記洗浄蒸気に接触させることを含む方法。
【請求項289】
前記堆積物は、イオン注入処理により発生する請求項288に記載の方法。
【請求項290】
前記洗浄蒸気は、プラズマ処理を施される請求項288に記載の方法。
【請求項291】
中に弁室を画成する弁本体と、流体が前記弁本体の流れ込むための前記弁室と連絡する入口通路と、流体が前記弁本体から流れ出るための前記弁室と連絡する出口通路と、弁要素と、前記弁室内の全開位置と全閉位置との間の前記弁要素の移動を可能にするアクチュエータアセンブリとを備え、前記弁要素が開位置にあるときに前記入口通路および出口通路は前記弁室と連携して流体が前記弁本体を流れるのを許し、前記入口通路および出口通路は、互いに実質的に垂直である高伝導性弁。
【請求項292】
前記弁本体は、ブロック状形態である請求項291に記載の弁。
【請求項293】
前記弁本体は、一般的に直方体の形態である請求項292に記載の弁。
【請求項294】
前記弁要素は、少なくとも1つのダイアフラム要素に関連付けられている請求項291に記載の弁。
【請求項295】
前記弁要素およびアクチュエータアセンブリは、前記弁本体から外に延びている弁棒を備え、ハンドルは、前記弁棒に固定される請求項291に記載の弁。
【請求項296】
前記弁本体は、前記弁を流体供給部に結合するためのフランジに連結されるか、または含む請求項291に記載の弁。
【請求項297】
前記弁本体内の出口通路は、オスVCRフィッティングと密閉された流れにより連絡するように連結される請求項291に記載の弁。
【請求項298】
前記弁本体は、矩形ブロック状形態であり、前記入口通路は、前記弁本体の底面から垂直に上に向かって前記弁室まで延び、前記出口通路は、前記弁室から水平に、前記弁本体の側面まで延びる請求項291に記載の弁。
【請求項299】
弁流量係数が2.5よりも大きい請求項291に記載の弁。
【請求項300】
弁流量係数が約2.7から2.9までの範囲内である請求項291に記載の弁。
【請求項301】
前記の弁は、最大230psigまでの動作圧力および−28℃から150℃までの範囲の動作温度に対応できるように構成される請求項291に記載の弁。
【請求項302】
前記弁本体は、4から20立方インチまでの範囲内にある全容積を有する請求項291に記載の弁。
【請求項304】
前記弁本体は、全容積の15から35%が前記弁室により占有される全容積を有する請求項291に記載の弁。
【請求項305】
前記弁本体は、7から10立方インチまでの範囲内にある全容積を有する請求項291に記載の弁。
【請求項306】
前記弁室は、前記弁本体内の1.5から3.5立方インチまでの容積を占有する請求項291に記載の弁。
【請求項307】
前記弁本体内の前記入口通路は、前記弁室との交差点から前記弁本体の表面のところの入口通路開口部まで測定したときに、0.15から0.45立方インチまでの容積を有する請求項291に記載の弁。
【請求項308】
前記弁本体内の前記出口通路は、前記弁室との交差点から前記弁本体の表面のところの出口通路開口部まで測定したときに、0.05から0.45立方インチまでの範囲の容積を有する請求項291に記載の弁。
【請求項309】
前記出口通路の直径と前記入口通路の直径との比が0.75から1.25までの範囲内であることを特徴とする請求項291に記載の弁。
【請求項310】
前記出口通路の直径と前記入口通路の直径との比が0.80から1.15までの範囲内であることを特徴とする請求項291に記載の弁。
【請求項311】
前記出口通路の直径と前記入口通路の直径との比が0.90から1.10までの範囲内であることを特徴とする請求項291に記載の弁。
【請求項312】
前記出口通路の直径と前記入口通路の直径との比が0.95から1.05までの範囲内であることを特徴とする請求項291に記載の弁。
【請求項313】
前記出口通路の長さと前記入口通路の長さとの比が0.20から1.5までの範囲内であることを特徴とする請求項291に記載の弁。
【請求項314】
前記出口通路の長さと前記入口通路の長さとの比が0.3から1.2までの範囲内であることを特徴とする請求項291に記載の弁。
【請求項315】
前記出口通路の長さと前記入口通路の長さとの比が0.35から1.0までの範囲内であることを特徴とする請求項291に記載の弁。
【請求項316】
前記弁本体の前記内部の前記入口通路、出口通路、および弁室の開放容積は、前記弁本体の全容積の25から45%の範囲内にある請求項291に記載の弁。
【請求項317】
前記弁本体の前記内部の前記入口通路、出口通路、および弁室の開放容積は、前記弁本体の全容積の30から40%の範囲内にある請求項291に記載の弁。
【請求項318】
前記入口通路および前記出口通路は、それぞれ、前記弁本体内に直線的に配置され、前記入口通路の中心線と出口通路の中心線との交差点は、90°の挟角を画成する請求項291に記載の弁。
【請求項319】
前記弁要素およびアクチュエータアセンブリは、ダイアフラムおよび棒アセンブリを含む請求項291に記載の弁。
【請求項320】
前記ダイアフラムおよび棒アセンブリは、前記弁本体から外に延びている弁棒を備え、作動部材は前記弁棒に固定される請求項319に記載の弁。
【請求項321】
前記作動部材は、ハンドル、ハンドホイール、および自動アクチュエータからなる群から選択される部材を含む請求項320に記載の弁。
【請求項322】
前記弁本体は、ステンレス、アルミニウム、ハステロイ、ニッケル、および炭素鋼からなる群から選択された物質で形成される請求項291に記載の弁。
【請求項323】
前記入口および出口通路の直径は互いの10%以内であることを特徴とする請求項291に記載の弁。
【請求項324】
流体容器に結合された請求項291に記載の前記弁を備える流体送出システム。
【請求項325】
前記流体容器に、半導体を製造する際に使用する試薬が収められる請求項324に記載の流体送出システム。
【請求項326】
前記試薬は、有機金属試薬、エッチング試薬、洗浄試薬、フォトレジスト前駆体物質、およびドーパントからなる群から選択される請求項325に記載の流体送出システム。
【請求項327】
前記試薬は、デカボランまたはオクタデカボランを含む請求項325に記載の流体送出システム。
【請求項328】
さらに、前記容器を加熱するように構成された加熱器を備える請求項324に記載の流体送出システム。
【請求項329】
前記流体容器は、(I)蒸発可能固形物、(II)蒸気を発生させるための液体、(III)粒子状物理的吸着媒質床上に吸着して保持されるガス、および(IV)前記容器内に加圧状態で保持される流体からなる群から選択された原料化学物質を格納し、前記容器は、前記容器から前記流体の低圧分配を可能にする設定点を有する内部流体圧力調節器を備える請求項324に記載の流体送出システム。
【請求項330】
半導体製造設備に結合された請求項291の前記弁を備える半導体を製造するためのシステム。
【請求項331】
前記半導体製造設備は、イオン注入設備、化学気相成長設備、およびフォトレジストエッチング設備からなる群から選択された設備を含む請求項330に記載のシステム。
【請求項332】
半導体製造設備に結合された請求項324の前記流体送出システムを備える半導体を製造するためのシステム。
【請求項333】
前記半導体製造設備は、イオン注入設備、化学気相成長設備、およびフォトレジストエッチング設備からなる群から選択された設備を含む請求項332に記載のシステム。
【請求項334】
前記弁が流れを制御する関係を流体との間で持つようにすることと、前記流体を流体消費プロセスに、前記プロセスで必要な速度で分配するために前記弁を選択的に開放することとを含む請求項291に記載の弁を使用する方法。
【請求項335】
前記流体は、20torr未満の圧力をかけられる請求項334に記載の方法。
【請求項336】
前記流体は、固体原料物質を蒸発させることにより生成される請求項335に記載の方法。
【請求項337】
前記流体は、0.005から10torrまでの範囲の圧力をかけられる請求項334に記載の方法。
【請求項338】
試薬を前記容器に入れることと、前記試薬を前記容器から流体消費プロセスに前記プロセスで必要な速度で分配するために前記弁を選択的に開放することとを含む請求項324に記載の流体送出システムを使用する方法。
【請求項339】
前記試薬は、20torr未満の圧力をかけられる請求項338に記載の方法。
【請求項340】
前記試薬は、前記容器内で蒸発させられる固体原料物質であり、蒸気は、前記容器から分配される請求項338に記載の方法。
【請求項341】
前記流体は、0.005から10torrまでの範囲の圧力をかけられる請求項338に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−52669(P2012−52669A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−263316(P2011−263316)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【分割の表示】特願2008−501921(P2008−501921)の分割
【原出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】