固体撮像装置
【課題】固定パターンノイズの発生を防止する
【解決手段】 入射光に応じた光発生電荷を発生させる光電変換素子と、前記光電変換素子に隣り合う領域に配置された変調トランジスタであって、前記光発生電荷の電荷量に応じた信号を生成する前記変調トランジスタと、含む固体撮像装置において、前記変調トランジスタは、環状ゲート4と、前記環状ゲートの内側に形成されたソース領域5と、前記環状ゲートの外側に形成されたドレイン領域と、前記ソース領域と前記光電変換素子との間に位置する前記環状ゲートの下方に形成されたキャリアポケットであって、前記光電変換素子からの光発生電荷を保持して前記変調トランジスタの閾値を変化させる前記キャリアポケット7と、前記キャリアポケットが形成されていない前記環状ゲートの下方に、前記キャリアポケットとの間に電位障壁を介して配置された制御ポケット9と、を含む。
【解決手段】 入射光に応じた光発生電荷を発生させる光電変換素子と、前記光電変換素子に隣り合う領域に配置された変調トランジスタであって、前記光発生電荷の電荷量に応じた信号を生成する前記変調トランジスタと、含む固体撮像装置において、前記変調トランジスタは、環状ゲート4と、前記環状ゲートの内側に形成されたソース領域5と、前記環状ゲートの外側に形成されたドレイン領域と、前記ソース領域と前記光電変換素子との間に位置する前記環状ゲートの下方に形成されたキャリアポケットであって、前記光電変換素子からの光発生電荷を保持して前記変調トランジスタの閾値を変化させる前記キャリアポケット7と、前記キャリアポケットが形成されていない前記環状ゲートの下方に、前記キャリアポケットとの間に電位障壁を介して配置された制御ポケット9と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高画質特性及び低消費電力特性を有する固体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などに搭載される固体撮像装置として、CCD(電荷結合素子)型のイメージセンサと、CMOS型のイメージセンサと、がある。CCD型のイメージセンサは画質に優れ、CMOS型のイメージセンサは消費電力が少なく、プロセスコストが低い。近年、高画質と低消費電力とを共に兼ね備えた閾値電圧変調方式のMOS型固体撮像装置が提案されている。閾値電圧変調方式のMOS型固体撮像装置については、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
イメージセンサは、センサセルをマトリクス状に配列し、初期化、蓄積、読み出しの3つの状態を繰り返すことで、画像出力を得ている。特許文献1によって開示されたイメージセンサは、各単位画素が、蓄積を行うための受光ダイオードと、読み出しを行うためのトランジスタとを有している。
【0004】
特許文献1のイメージセンサは、基板上において、各単位画素毎に、受光ダイオードと光信号検出用MOSトランジスタとが隣接配置されている。このトランジスタのゲート電極はリング状に形成されており、ゲート電極の中央の開口部分に、ソース領域が形成されている。ゲート電極の周辺にはドレイン領域が形成されている。
【0005】
受光ダイオードの開口領域から入射した光によって発生した電荷(光発生電荷)は、ゲート電極下方のP型のウェル領域に転送されて、この部分に形成されたキャリアポケットに蓄積される。キャリアポケットに蓄積された光発生電荷によってトランジスタの閾値電圧が変化する。これにより、入射光に対応した信号(画素信号)を、トランジスタのソース領域から取り出すことができるようになっている。
【0006】
なお、特許文献1の装置では、同一列に配列された単位画素の出力は、共通のソース線を介して取り出されるようになっている。トランジスタのゲートに印加する電圧をライン毎に制御することで、共通のソース線に接続された各単位画素のうち所定のラインの単位画素からの選択的な読み出しを可能にしている。即ち、読み出しを行う単位画素(選択画素)のトランジスタには比較的高いゲート電圧を印加し、他の読み出しを行わない単位画素(非選択画素)のトランジスタには比較的低いゲート電圧を印加する。高いゲート電圧を印加したトランジスタの出力の方が低いゲート電圧を印加したトランジスタの出力よりも高く、ソース線から選択画素の出力を得ることができる。
【0007】
なお、特許文献2等においては、変調トランジスタを棒型で構成する技術が開示されている。しかしながら、棒型の変調トランジスタを構成する場合には、拡散層による分離又はLOCOSによる分離領域を設ける必要がある。このため、ゲート電極を2層にする等、複雑な構造が要求され、駆動シーケンスも複雑となってしまうという欠点がある。
【特許文献1】特開2002−57315号公報
【特許文献2】特開平10−65138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、キャリアポケットは比較的高い濃度で形成されて、正孔のポテンシャルを基準にすると、そのポテンシャルは初期化時に十分に低い値となる。これにより、受光ダイオードにおいて発生した光発生電荷がキャリアポケットに蓄積されるようになっている。ところが、キャリアポケットのポテンシャルは、ドレインやゲート等の周辺電位の影響を受ける。キャリアポケットの濃度が一定であるものとすると、周辺からの距離に比例してホールを基準としたポテンシャルは低下する。
【0009】
ところで、特許文献1の装置においては、キャリアポケットは平面的には四角形状に形成されている。従って、キャリアポケットの角部と辺部とではキャリアポケットの幅が異なり、ポテンシャルはキャリアポケットの角部において他の部分よりも部分的に低下してしまう。なお、拡散工程におけるマスク形状を考慮すると、キャリアポケットを完全な円形状に形成することは困難であり、キャリアポケットにはポテンシャルが部分的に低い部分が必ず生じてしまう。また、キャリアポケットの濃度の不均一性等によっても、キャリアポケット内に部分的に他の部分よりもポテンシャルが低い部分が存在することもある。
【0010】
キャリアポケットは、光発生電荷が蓄積されることでポテンシャルが高くなり、これにより表面チャネル電位を変化させてチャネル電流を流れやすくする。ところが、例えば、低照度の場合のように、光発生電荷の発生量が比較的少ない場合には、キャリアポケットのポテンシャルが低い部分のみに、光発生電荷が蓄積されやすくなる。
【0011】
即ち、低照度時には、キャリアポケットの一部の領域のみに光発生電荷が蓄積されて閾値変調が行われるが、キャリアポケットの大部分の領域については、光発生電荷が蓄積されず閾値変調は行われない。
【0012】
このため、光発生電荷の発生量が比較的少ない状態では、信号出力の立上りが鈍く、リニアリティも悪い。このような画素が1次元又は2次元に配列されて画面が構成される場合には、例えば低照度時には、画素毎に出力にばらつきが生じやすく、固定パターンノイズが現れてしまうという問題点があった。
【0013】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、キャリアポケットの形状を変形させることによって、光発生電荷の発生量が少ない場合でも信号出力のリニアリティを確保することができ、固定パターンノイズの発生を抑制することができる固体撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る固体撮像装置は、
入射光に応じた光発生電荷を発生させる光電変換素子と、
前記光電変換素子に隣り合う領域に配置された変調トランジスタであって、前記光発生電荷の電荷量に応じた信号を生成する前記変調トランジスタと、
を含む固体撮像装置において、
前記変調トランジスタは、
環状ゲートと、
前記環状ゲートの内側に形成されたソース領域と、
前記環状ゲートの外側に形成されたドレイン領域と、
前記ソース領域と前記光電変換素子との間に位置する前記環状ゲートの下方に形成されたキャリアポケットであって、前記光電変換素子からの光発生電荷を保持して前記変調トランジスタの閾値を変化させる前記キャリアポケットと、
前記キャリアポケットが形成されていない前記環状ゲートの下方に、前記キャリアポケットとの間に電位障壁を介して配置された制御ポケットと、
を含む。
【0015】
本発明の実施の形態によれば、光電変換素子は、入射した光に応じた光発生電荷を発生する。光電変換素子には変調トランジスタが隣接配置されており、変調トランジスタを構成する環状のゲートの中央開口には、ソース領域が形成される。このソース領域と光電変換素子との間には、キャリアポケットが形成される。光電変換素子からの光発生電荷は、キャリアポケットに保持される。こうして、変調トランジスタの閾値が変化して、変調トランジスタから入射光量に応じた出力が得られる。また、キャリアポケットが形成されていないソース領域の周辺には、キャリアポケットとの間に電位障壁を介して制御ポケットが配置される。制御ポケットによって閾値は高くなり、制御ポケット上の表面チャネルの寄生電流が抑制される。これにより、出力のリニアリティが確保される。
【0016】
また、前記キャリアポケットは、前記ソース領域と前記光電変換素子との間に直線的な形状を有して形成される。
【0017】
本発明の実施の形態によれば、キャリアポケットが直線的な形状を有しており、キャリアポケット上の表面チャネルにはいずれの部分においても一様な電流が流れる。これにより、出力のリニアリティが得られる。
【0018】
また、前記環状ゲートは、平面的には前記光電変換素子に対向する辺を有し、前記キャリアポケットは、前記環状ゲートの前記光電変換素子に対向する辺に沿って直線的な形状を有する。
【0019】
本発明の実施の形態によれば、キャリアポケットは、環状ゲートの光電変換素子に対向する辺に沿って直線的な形状を有していることから、キャリアポケットのポケット長は、キャリアポケット上の表面チャネル幅方向の全域において等しく、キャリアポケットのポテンシャルは一様である。従って、光発生電荷の量が小さい場合でも、キャリアポケット上の表面チャネルの全域において一様にチャネル電流が流れる。これにより、出力のリニアリティが確保される。
【0020】
また、前記制御ポケットは、前記キャリアポケットと同一濃度に設定される。
【0021】
本発明の実施の形態によれば、制御ポケットの濃度が十分に高いので、制御ポケット上の表面チャネルに流れる寄生電流を抑制することができる。
【0022】
前記制御ポケットは、前記キャリアポケットよりも高濃度に設定される。
【0023】
本発明の実施の形態によれば、制御ポケットの濃度がキャリアポケットの濃度よりも高いので、制御ポケット上の表面チャネルに流れる寄生電流を一層抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の1センサセルの平面形状を示す平面図、図2は変調トランジスタの平面形状が8角形の例を示す説明図である。図3は固定パターンノイズを回避するための基本構造を示す説明図である。
【0025】
先ず、図3を参照して、固定パターンノイズを回避するための変調トランジスタの構造について説明する。本実施の形態における固体撮像装置は、単位画素であるセンサセルがマトリクス状に配列されて構成されたセンサセルアレイを有している。各センサセルは、入射光に応じて発生させた光発生電荷を収集・蓄積し、蓄積した光発生電荷に基づくレベルの画素信号を出力する。センサセルをマトリクス状に配列することで1画面の画像信号が得られる。
【0026】
図3は固定パターンノイズを回避可能にしたセンサセル31,41の構造を示している。図3(a)は変調トランジスタが4角形状の例を示し、図3(b)は変調トランジスタが8角形状の例を示している。なお、図3(a),図3(b)のセンサセル31,41は、変調トランジスタの平面形状が4角形状である8角形状であるかが相違するのみである。
【0027】
図3に示すセンサセル31,41は、半導体基板上に半導体プロセスによって構成されている。センサセル31,41は、夫々フォトダイオード形成領域32,42において、入射光に応じて光発生電荷を発生させるフォトダイオードが形成されている。また、センサセル31,41は、このフォトダイオード形成領域32,42に隣接して、光発生電荷に応じた画素信号を出力するための変調トランジスタの形成領域(変調トランジスタ形成領域)が設けられる。
【0028】
フォトダイオード形成領域32,42において、入射光に応じた光発生電荷が発生する。フォトダイオード形成領域32,42に隣接して、変調トランジスタを構成する環状のリングゲート34,44が形成されている。リングゲート34の平面形状は4角形であり、リングゲート44の平面形状は8角形である。リングゲート34,44は中央が開口しており、この開口部分に夫々ソース領域35,45が設けられる。ソース領域35,45は夫々コンタクト部36,46を介して図示しないソース線(データ線)に接続される。
【0029】
なお、フォトダイオード形成領域32及び変調トランジスタのリングゲート34の外側の領域はドレイン領域33であり、ドレイン領域33はコンタクト部38を介して図示しないドレイン配線に接続される。また、フォトダイオード形成領域42及び変調トランジスタのリングゲート44の外側の領域はドレイン領域43であり、ドレイン領域43はコンタクト部48を介して図示しないドレイン配線に接続される。なお、基板表面においては、フォトダイオード形成領域32,42上にも、夫々ドレイン領域33,43が形成されている。
【0030】
図3(a)の例では、リングゲート34の下方(基板内)に、光発生電荷が蓄積されるキャリアポケット37が形成されている。キャリアポケット37は、フォトダイオード形成領域32に対向するソース領域35の一辺に沿って、平面的には所定幅を有する直線形状に構成される。キャリアポケット37は、屈曲した形状を有していないことから、ドレイン領域33からソース領域35への表面チャネルの形成方向の距離(以下、ポケット長という)は、いずれの部分においても等距離に形成される。
【0031】
従って、キャリアポケット37のポテンシャルは、表面チャネルの形成方向に対して垂直な方向(ポケット長方向に垂直な方向)のいずれの部分においても、略均一である。これにより、図3(a)のセンサセル31を用いて固体撮像装置を構成した場合には、低照度時においても光量に応じた出力を発生することができ、低照度時から高照度時まで出力のリニアリティを得ることができる。
【0032】
また、図3(b)の例では、リングゲート44の下方(基板内)に、光発生電荷が蓄積されるキャリアポケット47が形成されている。キャリアポケット47も、フォトダイオード形成領域42に対向するソース領域45の一辺に沿って、平面的には所定幅を有する直線形状に構成される。キャリアポケット47は、屈曲した形状を有していないことから、ポケット長はいずれの部分においても等距離に形成される。
【0033】
従って、キャリアポケット47のポテンシャルは、ポケット長方向に垂直な方向のいずれの部分においても略均一である。これにより、図3(b)のセンサセル41を用いて固体撮像装置を構成した場合には、低照度時においても光量に応じた出力を発生することができ、低照度時から高照度時まで出力のリニアリティを得ることができる。
【0034】
ところが、図3(a),(b)の例においては、ソース領域35,45には、夫々キャリアポケット37,47の形成領域以外の部分においても、ドレイン領域33,43からの寄生電流がチャネル電流として流れる。この寄生電流によって、実際には、出力のリニアリティが悪化する。
【0035】
そこで、本実施の形態においては、寄生電流の経路下方の基板内に、寄生電流を抑制するための高濃度の制御ポケットを形成するようになっている。
【0036】
図1において、センサセル1は図3(a)のセンサセル31と同様に4角形状の変調トランジスタTMを有している。また、図2のセンサセル11は、図4(b)のセンサセル41と同様に8角形状の変調トランジスタTM’を有している。これらのセンサセル1,11は相互に変調トランジスタの平面形状が異なるのみである。即ち、図2中のフォトダイオード形成領域12、ドレイン領域13、リングゲート14、ソース領域15、コンタクト部16,18、キャリアポケット17、制御ポケット19及び電位障壁20は、夫々図1中のフォトダイオード形成領域2、ドレイン領域3、リングゲート4、ソース領域5、コンタクト部6,8、キャリアポケット7、制御ポケット9及び電位障壁10はと同一の機能を有するものである。以下、説明の簡略化のために、主に図1のセンサセル1について説明し、図2のセンサセル11については相違点のみを説明する。なお、センサセル1又はセンサセル11がマトリクス状に配列されて、センサセルアレイが構成される。
【0037】
<各センサセルの断面構造>
先ず、図4を参照してセンサセル1,11の断面構造を説明する。図4はセンサセル1の断面構造を示す模式的断面図である。図4は図1のA−A’線の断面構造を示している。なお、図2のセンサセル11についても、図2のA−A’線で切断した断面形状は図4と同様であり、説明を省略する。本実施の形態は光発生電荷として正孔を用いる例を示している。光発生電荷として電子を用いる場合でも同様に構成可能である。
【0038】
各セルは、フォトダイオード形成領域と変調トランジスタ形成領域とを有している。P型基板50の全域にN型ウェル51,52が形成されている。フォトダイオード形成領域のN型ウェル51上には、P型の収集ウェル53が形成されている。収集ウェル53上の基板表面側には、ピニング層であるN型の拡散層55が形成されている。N型ウェル51は基板の比較的深い位置まで形成されている。
【0039】
一方、変調トランジスタTM形成領域においては、N型ウェル52は基板50の比較的浅い位置までに制限される。N型ウェル52上には、P型の変調用ウェル54が形成されている。変調用ウェル54内には、キャリアポケット7が形成されている。キャリアポケット7は、P+拡散による比較的濃い濃度の拡散層である。基板表面の変調トランジスタ形成領域には、環状のリングゲート4が形成されている。図1の例ではリングゲート4は平面的には4角形状に形成されている。また、図2の例ではリングゲート14は、平面的には8角形状に形成されている。
【0040】
リングゲート4の中央開口部の基板表面にはN+拡散層が形成されてソース領域5を構成する。また、リングゲート4の周囲の基板表面にはN型拡散層が形成されてドレイン領域3を構成する。同様に、リングゲート14の中央開口部の基板表面にはN+拡散層が形成されてソース領域15を構成する。また、リングゲート14の周囲の基板表面にはN型拡散層が形成されてドレイン領域13を構成する。
【0041】
リングゲート4下の基板表面にはチャネルを構成するN型の拡散層56が形成され、N型拡散層56はソース領域5とドレイン領域3とに電気的に接続される。同様に、リングゲート14下の基板表面にはチャネルを構成するN型の拡散層56が形成され、N型拡散層56はソース領域15とドレイン領域13とに電気的に接続される。このように、変調トランジスタTMとしては、例えば、NチャネルディプレッションMOSトランジスタが用いられる。
【0042】
ドレイン領域3、ウェル51、ウェル52及び拡散層55がドレイン電圧の印加によって正の電位にバイアスされることによって、フォトダイオードの開口領域下方においては、拡散層55と収集ウェル53との境界面、ウェル51と収集ウェル53の境界面から空乏層が収集ウェル53の全体およびその周囲に広がる。空乏領域において、開口領域を介して入射した光による光発生電荷が生じる。そして、上述したように、発生した光発生電荷は収集ウェル53に収集され、更に変調用ウェル54に転送されてキャリアポケット7に保持される。これにより、変調トランジスタTMのソース電位は、変調用ウェル54に転送された電荷の量、即ち、フォトダイオードPDへの入射光に応じたものとなる。
【0043】
なお、変調トランジスタ形成領域のリングゲート14を8角形状に構成した図2のセンサセル11についての他の構成も、図1のセンサセル1と同様に図4に示す断面構造を有する。
【0044】
<装置全体の回路構成>
図5はセンサセル1をマトリクス状に配置して構成したセンサセルアレイを用いた固体撮像装置全体の回路構成を等価回路によって示す回路ブロック図である。
【0045】
図5に示すように、図1のセンサセル1をマトリクス状に配置してセンサセルアレイ62が構成される。本実施の形態における固体撮像装置61は、センサセルアレイ62とセンサセルアレイ62中の各センサセル1を駆動する回路63〜65とを有している。センサセルアレイ62は、例えば、640×480のセル1と、オプティカルブラック(OB)のための領域(OB領域)を含む。OB領域を含めると、センサセルアレイ62は例えば712×500のセル1で構成される。なお、本実施の形態の固体撮像装置61は、センサセル1に代えて、図2のセンサセル11を用いても、同様に構成可能である。
【0046】
図1のフォトダイオード形成領域2又は図2のフォトダイオード形成領域12に構成されるフォトダイオードは、図5におけるフォトダイオードPDに相当する。また、センサセル1,11の変調トランジスタ形成領域(図4参照)に構成される変調トランジスタは、図5において変調トランジスタTMで示している。
【0047】
上述したように、各センサセル1は、光電変換を行うフォトダイオードPDと、光信号を検出して読み出すための変調トランジスタTMとを含む。フォトダイオードPDは入射光に応じた電荷(光発生電荷)を生じさせ、生じた電荷は収集ウェル53(図5では接続点PDWに相当)を介して変調トランジスタTMの閾値変調用の変調用ウェル54(図5では接続点TMWに相当)内のキャリアポケット7に転送されて保持される。
【0048】
変調トランジスタTMは、キャリアポケット7に光発生電荷が保持されることでバックゲートバイアスが変化したことと等価となり、キャリアポケット7内の電荷量に応じてチャネルの閾値電圧が変化する。これにより、変調トランジスタTMのソース電圧は、キャリアポケット7内の電荷に応じたもの、即ち、フォトダイオードPDの入射光の明るさに対応したものとなる。
【0049】
このように各セル1は、変調トランジスタTMのリングゲート4、ソース領域5及びドレイン領域3に駆動信号が印加されることで、蓄積、転送、読み出し及びクリア等の動作を呈する。セル1の各部には図5に示すように、垂直駆動走査回路63、ドレイン駆動回路64及び水平駆動走査回路65から信号が供給されるようになっている。垂直駆動走査回路63は、各行のゲート線67に走査信号を供給し、ドレイン駆動回路64は各列のドレイン領域3にドレイン電圧を印加する。また、水平駆動走査回路65は、各ソース線66に接続されたスイッチ68に駆動信号を供給する。
【0050】
各セル1は、センサセルアレイ62に水平方向に配列された複数のソース線66と垂直方向に配列された複数のゲート線67との交点に対応して設けられている。水平方向に配列された各ラインの各セル1は、変調トランジスタTMのリングゲート4が共通のゲート線67に接続され、垂直方向に配列された各列の各セル1は、変調トランジスタTMのソース領域5が共通のソース線66に接続される。
【0051】
複数のゲート線67の1つにオン信号(選択ゲート電圧)を供給することで、オン信号が供給されたゲート線67に共通接続された各セルが同時に選択されて、これらの選択されたセルの各ソース領域5から各ソース線66を介して画素信号が出力される。垂直駆動走査回路63は1フレーム期間においてゲート線67にオン信号を順次シフトさせながら供給する。オン信号が供給されたラインの各セルからの画素信号が1ライン分同時に各ソース線66から読み出されて各スイッチ68に供給される。1ライン分の画素信号は水平駆動走査回路65によって、スイッチ68から画素毎に順次出力(ライン出力)される。
【0052】
各ソース線66に接続されたスイッチ68は、共通の定電流源(負荷回路)69を介して映像信号出力端子70に接続されている。各センサセル1の変調トランジスタTMのソース領域5は定電流源69に接続されることになり、センサセル1のソースフォロワ回路が構成される。
【0053】
<センサセルの平面形状>
図1は変調トランジスタのリングゲート4が4角形状の例を示し、図2は変調トランジスタのリングゲート14が8角形状の例を示している。
【0054】
図1の平面図に示すように、単位画素であるセンサセル1内に、フォトダイオード形成領域2と変調トランジスタTMの形成領域とが隣接して設けられている。上述したように、変調トランジスタTMとしては、例えば、NチャネルディプレッションMOSトランジスタが用いられる。
【0055】
フォトダイオードPD形成領域においては、基板50の表面に配線層を形成する工程において、光を透過する開口領域が形成される。基板50表面の比較的浅い位置には前記開口領域よりも広い領域にP型のウェルであり、光電変換素子によって発生した光発生電荷を収集する収集ウェル53が形成されている。開口領域下のN型ウェル51及び収集ウェル53によってフォトダイオード形成領域2が構成される。
【0056】
フォトダイオード形成領域2に隣接して、4角形状のリングゲート4が配置される。リングゲート4下方の基板の比較的浅い位置には、変調用ウェル54が形成される。この変調用ウェル54は、収集ウェル53と略連続的に形成されており、収集ウェル53において収集された光発生電荷が変調用ウェル54に転送されるようになっている。なお、図4の例では、収集ウェル53と変調用ウェル54とは、一体的に形成されているが、別々に形成してもよい。
【0057】
リングゲート4の中央の開口部分の基板50表面近傍領域には、高濃度N型領域であるソース領域5が形成されている。リングゲート4の周囲にはN型のドレイン領域3が形成されている。ドレイン領域3の所定位置には、基板50表面近傍にN+層のコンタクト部8が形成される。
【0058】
変調用ウェル54は変調トランジスタのチャネルの閾値電圧を制御するものである。変調用ウェル54内には、リングゲート4の下方にP型の高濃度領域であるキャリアポケット7が形成されている。キャリアポケット7は、リングゲート4のフォトダイオード形成領域2に対向する辺に沿って、直線的に形成されている。キャリアポケット7のポケット長は、いずれの位置においても等距離である。
【0059】
変調トランジスタTMは、変調用ウェル54、リングゲート4、ソース領域5及びドレイン領域3によって構成されて、キャリアポケット7に蓄積された電荷に応じてチャネルの閾値電圧が変化するようになっている。
【0060】
本実施の形態においては、リングゲート4下方のキャリアポケット7が形成されていない領域には、キャリアポケット7と同様の基板深さにおいて、リングゲート4の各辺(ソース領域5の3辺)に沿ったコ字状の制御ポケット9が形成されている。即ち、平面的には、制御ポケット9は、キャリアポケット7形成領域を除く部分において、略ソース領域5を囲むように形成される。また、キャリアポケット7と制御ポケット9との間のソース領域5の2カ所の角部近傍は、濃い濃度の拡散層が形成されておらず、この部分は、比較的濃度が低い電位障壁領域10を構成する。
【0061】
制御ポケット9は十分に高い濃度に設定されており、ホールを基準としたポテンシャルはクリア時において十分に低い。従って、制御ポケット9の形成領域における閾値は十分に高く、この領域における表面チャネル電流(寄生電流)は十分に抑制されるようになっている。
【0062】
なお、図2のセンサセル11についても、リングゲート14が8角形である点、及び各部がリングゲート14の形状に沿った形状となる点を除いて、図1のセンサセル1と同様の構成である。
【0063】
<動作>
次に、このように構成された実施の形態の作用について図6及び図7を参照して説明する。図6は図4のB−B’線の位置におけるホールを基準としたポテンシャルを示す説明図であり、図7は横軸に光強度をとり縦軸に画素信号のレベルをとって、入射光の光強度と出力との関係を示すグラフである。
【0064】
変調トランジスタTMのリングゲート4に低いゲート電圧を印加し、ドレイン領域3にトランジスタの動作に必要な例えば約0〜2Vの電圧(VDD)を印加する。これにより、収集ウェル53およびその周囲が空乏化する。また、ドレイン領域3とソース領域5との間に電界が生じる。
【0065】
フォトダイオード形成領域2に入射した光が、空乏化したN型ウェル51に入射することで、電子−正孔対(光発生電荷)が生じる。P型の収集ウェル53は高濃度のP型不純物が導入されてポテンシャルが低くなっており、収集ウェル53とN型ウェル51により形成される空乏層内に発生した光発生電荷は収集ウェル53に収集される。更に、光発生電荷は収集ウェル53から変調トランジスタ形成領域内の変調用ウェル54に転送されて、キャリアポケット7に蓄積される。
【0066】
トランジスタ形成領域には、高濃度拡散層であるキャリアポケット7及び制御ポケット9が形成されている。しかし、フォトダイオード形成領域に対向する部分にキャリアポケット7が形成されており、収集ウェル53から変調用ウェル54側に転送された光発生電荷は、先ずキャリアポケット7に蓄積される。
【0067】
図6に示すように、キャリアポケット7は、基板深さ方向にはN型ウェル52の高いポテンシャルに比べて十分に低いポテンシャルとなっており、収集ウェル53から転送されたホール(図6の黒丸)を蓄積する。また、十分に低いポテンシャルの制御ポケット9とキャリアポケット7との間には、十分に高いポテンシャルの電位障壁10が設けられており、基板水平方向においても、キャリアポケット7に転送された光発生電荷が、制御ポケット9側に流れ出すことはない。
【0068】
従って、キャリアポケット7からのオーバーフローした光発生電荷以外には、制御ポケット9に光発生電荷が蓄積されることはない。つまり、通常の入射光量では、制御ポケット9のポテンシャルは低いままである。
【0069】
これにより、制御ポケット9のポテンシャルに基づく閾値は十分に高く、制御ポケット9上の表面チャネルに寄生電流が流れることが、確実に防止される。
【0070】
一方、キャリアポケット7は、線状に形成されており、ポケット長は一様である。即ち、キャリアポケット7の全域において、一様に光発生電荷が蓄積される。キャリアポケット7に蓄積された光発生電荷によって、変調トランジスタTMの閾値電圧が変化する。この状態で、選択画素のリングゲート4に例えば約2〜4Vのゲート電圧(選択ゲート電圧)を印加し、ドレイン領域3に例えば約2〜4Vの電圧VDDを印加する。更に、変調トランジスタTMのソース領域5に定電流源69によって一定の電流を流す。これにより、変調トランジスタTMはソースフォロワ回路を形成し、光発生電荷による変調トランジスタTMの閾値電圧の変動に追随してソース電位が変化して、出力電圧が変化する。即ち、入射光に応じた出力が得られる。
【0071】
この場合において、キャリアポケット7の全域において一様に光発生電荷が蓄積されるので、表面チャネルはいずれの位置においても同様に電流が流れやすくなって均一にチャネル電流が流れる。従って、図7に示すように、低照度時であっても、入射光量に応じたリニアリティに優れた出力(ソース電位)を得ることができる。これにより、低照度時のように光発生電荷の発生量が少ない場合でも、固定パターンノイズの発生を防止することができる。
【0072】
しかも、キャリアポケット7に対向する辺以外のソース領域5の3辺は、コ字状に形成された制御ポケット9によって囲まれており、寄生電流がソース領域5に流れ込むことを防止することができる。従って、入射光量に応じて各センサセル1の出力のリニアリティを得ることができる。
【0073】
なお、キャリアポケット7に蓄積された光発生電荷がオーバーフローして制御ポケット9に流れ込んだ場合には、制御ポケット9に蓄積された光発生電荷に基づく変調出力が得られる。即ち、キャリアポケット7から光発生電荷をオーバーフローさせる強い入射光が生じると、図7の特性の変化に示すように、制御ポケット9の基板変調に基づいてソース電位が変化することになり、出力のリニアリティが失われる。従って、図7のリニアリティが得られる光強度の範囲を信号出力を用いる範囲とする必要がある。
【0074】
なお、初期化時には、キャリアポケット7、制御ポケット9、収集ウェル53及び変調用ウェル54内に残留する電荷は排出される。例えば、変調トランジスタTMのドレイン領域3及びリングゲート4に5V以上の正電圧を印加する。変調用ウェル54下方のN型ウェル52の厚さは薄く、リングゲート4に印加した電圧は変調用ウェル54及びその隣接領域にのみ作用する。即ち、変調用ウェル54に急激なポテンシャル変化が生じ、光発生電荷を基板50側に掃き出すような強い電界が主として変調用ウェル54に印加されて、残留した光発生電荷は、比較的低いリセット電圧でより確実に基板50に排出される。
【0075】
初期化後において、非選択画素のリングゲート4には、比較的低い電圧値の非選択ゲート電圧を印加すると共に、選択画素のリングゲート4には比較的高い電圧値の選択ゲート電圧を印加する。そして、共通接続されたソース線66から、選択画素の初期化後の信号出力を得る。
【0076】
このように、本実施の形態においては、フォトダイオード形成領域に対向させて直線状のキャリアポケットを形成すると共に、キャリアポケットが形成されていないソース領域の3辺に沿って高濃度の制御ポケットを形成して、ポテンシャル的に両者を分断する。こうして、ポテンシャルが一様なキャリアポケットに光発生電荷を蓄積して基板変調させることで、リニアリティに優れた出力を得る。また、制御ポケットには光発生電荷は流込せず、高濃度の制御ポケットは低いポテンシャルを維持し、十分に高い閾値を得る。これにより、制御ポケット上の表面チャネルにチャネル電流が流れることを防止して寄生電流を抑制する。これにより、出力のリニアリティを確保することができる。従って、本実施の形態を採用することで、固定パターンノイズが生じない高画質の画像を得ることができる。
【0077】
なお、図1では4角形状のリングゲート4を用いる例を説明したが、図2の8角形状であっても、同様に構成可能であることは明らかである。更に、環状であれは、任意の多角形状を採用することができる。
【0078】
図8及び図9は本発明の第2の実施の形態に係り、図8は第2の実施の形態に係る固体撮像装置の1センサセルの平面形状を示す平面図であり、図9は図8のセンサセルの断面形状を示す模式的な断面図である。図9は図8のA−A’線の断面を示している。図8及び図9において、図2及び図4と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0079】
本実施の形態はリングゲートの平面形状が図2の第1の実施の形態と異なる。上述したように、制御ポケット19上においては、寄生電流は流れない。即ち、制御ポケット19上のリングゲートはチャネル電流に寄与しない。従って、この部分のリングゲートは不要である。
【0080】
本実施の形態においては、第1の実施の形態におけるリングゲート14(図8の破線)のうち、チャネル電流に寄与しない制御ポケット19上の部分を除去して、リングゲート14’を構成している。
【0081】
このような構成によれば、基板変調に影響を与えることなく、チャネル電流に寄与しないリングゲートの一部を除去する。これにより、微細化を促進することができる。
【0082】
他の構成及び作用は第1の実施の形態と同様である。
【0083】
なお、本実施の形態においても、リングゲートを含む変調トランジスタの形状として、例えば4角形状等の任意の多角形状を採用することができることは明らかである。
【0084】
図10乃至図13は本発明の第3の実施の形態に係り、図10は第3の実施の形態に係る固体撮像装置の1センサセルの平面形状を示す平面図であり、図11は図10のセンサセルの断面形状を示す模式的な断面図である。図11は図10のA−A’線の断面を示している。図10及び図11において、図2及び図4と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0085】
本実施の形態は制御ポケットの濃度が図2の第1の実施の形態と異なる。本実施の形態においては、制御ポケット19’の濃度はキャリアポケット17の濃度よりも高い濃度に設定されるようになっている。
【0086】
このように構成された実施の形態の作用について図12及び図13を参照して説明する。図12は図11のB−B’線の位置におけるホールを基準としたポテンシャルを示す説明図であり、図13は横軸に光強度をとり縦軸に画素信号のレベルをとって、入射光の光強度と出力との関係を示すグラフである。
【0087】
フォトダイオード形成領域2に入射した光によって光発生電荷が生じ、収集ウェル53を介して変調用ウェル54に転送され、キャリアポケット17に蓄積される。
【0088】
トランジスタ形成領域には、キャリアポケット17及び制御ポケット19’が形成されている。しかし、フォトダイオード形成領域に対向する部分にはキャリアポケット17が形成されており、光発生電荷はキャリアポケット17に蓄積される。
【0089】
図12の黒丸は、収集ウェル53から転送されてキャリアポケット17に蓄積されたホールを示している。キャリアポケット17に蓄積されたホールは、十分に高いポテンシャルの電位障壁10によって遮られて、制御ポケット19’側に流れ出すことはない。
【0090】
しかも、制御ポケット19’のポテンシャルは、図12に示すように、キャリアポケット17のポテンシャルよりも低い。即ち、制御ポケット19’のポテンシャルに基づく閾値は十分に高く、制御ポケット19’上の表面チャネルに寄生電流が流れることが、確実に防止される。
【0091】
図13は破線よりも1点鎖線が第1の実施の形態の特性を示し、2点鎖線が本実施の形態の特性を示している。図13からも明らかなように、本実施の形態においては、寄生電流を一層抑制することができる。
【0092】
このように本実施の形態においては、制御ポケットのポテンシャルをキャリアポケットのポテンシャルよりも低く設定しており、制御ポケットによる閾値を第1の実施の形態よりも高くして、寄生電流の発生を一層確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の1センサセルの平面形状を示す平面図。
【図2】変調トランジスタの平面形状が8角形の例を示す説明図。
【図3】固定パターンノイズを回避するための基本構造を示す説明図。
【図4】センサセル1の断面構造を示す模式的断面図。
【図5】センサセル1をマトリクス状に配置して構成したセンサセルアレイを用いた固体撮像装置全体の回路構成を等価回路によって示す回路ブロック図。
【図6】図4のB−B’線の位置におけるホールを基準としたポテンシャルを示す説明図。
【図7】横軸に光強度をとり縦軸に画素信号のレベルをとって、入射光の光強度と出力との関係を示すグラフ。
【図8】第2の実施の形態に係る固体撮像装置の1センサセルの平面形状を示す平面図。
【図9】センサセルの断面形状を示す模式的な断面図。
【図10】第3の実施の形態に係る固体撮像装置の1センサセルの平面形状を示す平面図。
【図11】図10のセンサセルの断面形状を示す模式的な断面図。
【図12】図11のB−B’線の位置におけるホールを基準としたポテンシャルを示す説明図。
【図13】横軸に光強度をとり縦軸に画素信号のレベルをとって、入射光の光強度と出力との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0094】
1…センサセル、2…フォトダイオード形成領域、3…ドレイン領域、4…リングゲート、5…ソース領域、7…キャリアポケット、9…制御ポケット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、高画質特性及び低消費電力特性を有する固体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などに搭載される固体撮像装置として、CCD(電荷結合素子)型のイメージセンサと、CMOS型のイメージセンサと、がある。CCD型のイメージセンサは画質に優れ、CMOS型のイメージセンサは消費電力が少なく、プロセスコストが低い。近年、高画質と低消費電力とを共に兼ね備えた閾値電圧変調方式のMOS型固体撮像装置が提案されている。閾値電圧変調方式のMOS型固体撮像装置については、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
イメージセンサは、センサセルをマトリクス状に配列し、初期化、蓄積、読み出しの3つの状態を繰り返すことで、画像出力を得ている。特許文献1によって開示されたイメージセンサは、各単位画素が、蓄積を行うための受光ダイオードと、読み出しを行うためのトランジスタとを有している。
【0004】
特許文献1のイメージセンサは、基板上において、各単位画素毎に、受光ダイオードと光信号検出用MOSトランジスタとが隣接配置されている。このトランジスタのゲート電極はリング状に形成されており、ゲート電極の中央の開口部分に、ソース領域が形成されている。ゲート電極の周辺にはドレイン領域が形成されている。
【0005】
受光ダイオードの開口領域から入射した光によって発生した電荷(光発生電荷)は、ゲート電極下方のP型のウェル領域に転送されて、この部分に形成されたキャリアポケットに蓄積される。キャリアポケットに蓄積された光発生電荷によってトランジスタの閾値電圧が変化する。これにより、入射光に対応した信号(画素信号)を、トランジスタのソース領域から取り出すことができるようになっている。
【0006】
なお、特許文献1の装置では、同一列に配列された単位画素の出力は、共通のソース線を介して取り出されるようになっている。トランジスタのゲートに印加する電圧をライン毎に制御することで、共通のソース線に接続された各単位画素のうち所定のラインの単位画素からの選択的な読み出しを可能にしている。即ち、読み出しを行う単位画素(選択画素)のトランジスタには比較的高いゲート電圧を印加し、他の読み出しを行わない単位画素(非選択画素)のトランジスタには比較的低いゲート電圧を印加する。高いゲート電圧を印加したトランジスタの出力の方が低いゲート電圧を印加したトランジスタの出力よりも高く、ソース線から選択画素の出力を得ることができる。
【0007】
なお、特許文献2等においては、変調トランジスタを棒型で構成する技術が開示されている。しかしながら、棒型の変調トランジスタを構成する場合には、拡散層による分離又はLOCOSによる分離領域を設ける必要がある。このため、ゲート電極を2層にする等、複雑な構造が要求され、駆動シーケンスも複雑となってしまうという欠点がある。
【特許文献1】特開2002−57315号公報
【特許文献2】特開平10−65138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、キャリアポケットは比較的高い濃度で形成されて、正孔のポテンシャルを基準にすると、そのポテンシャルは初期化時に十分に低い値となる。これにより、受光ダイオードにおいて発生した光発生電荷がキャリアポケットに蓄積されるようになっている。ところが、キャリアポケットのポテンシャルは、ドレインやゲート等の周辺電位の影響を受ける。キャリアポケットの濃度が一定であるものとすると、周辺からの距離に比例してホールを基準としたポテンシャルは低下する。
【0009】
ところで、特許文献1の装置においては、キャリアポケットは平面的には四角形状に形成されている。従って、キャリアポケットの角部と辺部とではキャリアポケットの幅が異なり、ポテンシャルはキャリアポケットの角部において他の部分よりも部分的に低下してしまう。なお、拡散工程におけるマスク形状を考慮すると、キャリアポケットを完全な円形状に形成することは困難であり、キャリアポケットにはポテンシャルが部分的に低い部分が必ず生じてしまう。また、キャリアポケットの濃度の不均一性等によっても、キャリアポケット内に部分的に他の部分よりもポテンシャルが低い部分が存在することもある。
【0010】
キャリアポケットは、光発生電荷が蓄積されることでポテンシャルが高くなり、これにより表面チャネル電位を変化させてチャネル電流を流れやすくする。ところが、例えば、低照度の場合のように、光発生電荷の発生量が比較的少ない場合には、キャリアポケットのポテンシャルが低い部分のみに、光発生電荷が蓄積されやすくなる。
【0011】
即ち、低照度時には、キャリアポケットの一部の領域のみに光発生電荷が蓄積されて閾値変調が行われるが、キャリアポケットの大部分の領域については、光発生電荷が蓄積されず閾値変調は行われない。
【0012】
このため、光発生電荷の発生量が比較的少ない状態では、信号出力の立上りが鈍く、リニアリティも悪い。このような画素が1次元又は2次元に配列されて画面が構成される場合には、例えば低照度時には、画素毎に出力にばらつきが生じやすく、固定パターンノイズが現れてしまうという問題点があった。
【0013】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、キャリアポケットの形状を変形させることによって、光発生電荷の発生量が少ない場合でも信号出力のリニアリティを確保することができ、固定パターンノイズの発生を抑制することができる固体撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る固体撮像装置は、
入射光に応じた光発生電荷を発生させる光電変換素子と、
前記光電変換素子に隣り合う領域に配置された変調トランジスタであって、前記光発生電荷の電荷量に応じた信号を生成する前記変調トランジスタと、
を含む固体撮像装置において、
前記変調トランジスタは、
環状ゲートと、
前記環状ゲートの内側に形成されたソース領域と、
前記環状ゲートの外側に形成されたドレイン領域と、
前記ソース領域と前記光電変換素子との間に位置する前記環状ゲートの下方に形成されたキャリアポケットであって、前記光電変換素子からの光発生電荷を保持して前記変調トランジスタの閾値を変化させる前記キャリアポケットと、
前記キャリアポケットが形成されていない前記環状ゲートの下方に、前記キャリアポケットとの間に電位障壁を介して配置された制御ポケットと、
を含む。
【0015】
本発明の実施の形態によれば、光電変換素子は、入射した光に応じた光発生電荷を発生する。光電変換素子には変調トランジスタが隣接配置されており、変調トランジスタを構成する環状のゲートの中央開口には、ソース領域が形成される。このソース領域と光電変換素子との間には、キャリアポケットが形成される。光電変換素子からの光発生電荷は、キャリアポケットに保持される。こうして、変調トランジスタの閾値が変化して、変調トランジスタから入射光量に応じた出力が得られる。また、キャリアポケットが形成されていないソース領域の周辺には、キャリアポケットとの間に電位障壁を介して制御ポケットが配置される。制御ポケットによって閾値は高くなり、制御ポケット上の表面チャネルの寄生電流が抑制される。これにより、出力のリニアリティが確保される。
【0016】
また、前記キャリアポケットは、前記ソース領域と前記光電変換素子との間に直線的な形状を有して形成される。
【0017】
本発明の実施の形態によれば、キャリアポケットが直線的な形状を有しており、キャリアポケット上の表面チャネルにはいずれの部分においても一様な電流が流れる。これにより、出力のリニアリティが得られる。
【0018】
また、前記環状ゲートは、平面的には前記光電変換素子に対向する辺を有し、前記キャリアポケットは、前記環状ゲートの前記光電変換素子に対向する辺に沿って直線的な形状を有する。
【0019】
本発明の実施の形態によれば、キャリアポケットは、環状ゲートの光電変換素子に対向する辺に沿って直線的な形状を有していることから、キャリアポケットのポケット長は、キャリアポケット上の表面チャネル幅方向の全域において等しく、キャリアポケットのポテンシャルは一様である。従って、光発生電荷の量が小さい場合でも、キャリアポケット上の表面チャネルの全域において一様にチャネル電流が流れる。これにより、出力のリニアリティが確保される。
【0020】
また、前記制御ポケットは、前記キャリアポケットと同一濃度に設定される。
【0021】
本発明の実施の形態によれば、制御ポケットの濃度が十分に高いので、制御ポケット上の表面チャネルに流れる寄生電流を抑制することができる。
【0022】
前記制御ポケットは、前記キャリアポケットよりも高濃度に設定される。
【0023】
本発明の実施の形態によれば、制御ポケットの濃度がキャリアポケットの濃度よりも高いので、制御ポケット上の表面チャネルに流れる寄生電流を一層抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の1センサセルの平面形状を示す平面図、図2は変調トランジスタの平面形状が8角形の例を示す説明図である。図3は固定パターンノイズを回避するための基本構造を示す説明図である。
【0025】
先ず、図3を参照して、固定パターンノイズを回避するための変調トランジスタの構造について説明する。本実施の形態における固体撮像装置は、単位画素であるセンサセルがマトリクス状に配列されて構成されたセンサセルアレイを有している。各センサセルは、入射光に応じて発生させた光発生電荷を収集・蓄積し、蓄積した光発生電荷に基づくレベルの画素信号を出力する。センサセルをマトリクス状に配列することで1画面の画像信号が得られる。
【0026】
図3は固定パターンノイズを回避可能にしたセンサセル31,41の構造を示している。図3(a)は変調トランジスタが4角形状の例を示し、図3(b)は変調トランジスタが8角形状の例を示している。なお、図3(a),図3(b)のセンサセル31,41は、変調トランジスタの平面形状が4角形状である8角形状であるかが相違するのみである。
【0027】
図3に示すセンサセル31,41は、半導体基板上に半導体プロセスによって構成されている。センサセル31,41は、夫々フォトダイオード形成領域32,42において、入射光に応じて光発生電荷を発生させるフォトダイオードが形成されている。また、センサセル31,41は、このフォトダイオード形成領域32,42に隣接して、光発生電荷に応じた画素信号を出力するための変調トランジスタの形成領域(変調トランジスタ形成領域)が設けられる。
【0028】
フォトダイオード形成領域32,42において、入射光に応じた光発生電荷が発生する。フォトダイオード形成領域32,42に隣接して、変調トランジスタを構成する環状のリングゲート34,44が形成されている。リングゲート34の平面形状は4角形であり、リングゲート44の平面形状は8角形である。リングゲート34,44は中央が開口しており、この開口部分に夫々ソース領域35,45が設けられる。ソース領域35,45は夫々コンタクト部36,46を介して図示しないソース線(データ線)に接続される。
【0029】
なお、フォトダイオード形成領域32及び変調トランジスタのリングゲート34の外側の領域はドレイン領域33であり、ドレイン領域33はコンタクト部38を介して図示しないドレイン配線に接続される。また、フォトダイオード形成領域42及び変調トランジスタのリングゲート44の外側の領域はドレイン領域43であり、ドレイン領域43はコンタクト部48を介して図示しないドレイン配線に接続される。なお、基板表面においては、フォトダイオード形成領域32,42上にも、夫々ドレイン領域33,43が形成されている。
【0030】
図3(a)の例では、リングゲート34の下方(基板内)に、光発生電荷が蓄積されるキャリアポケット37が形成されている。キャリアポケット37は、フォトダイオード形成領域32に対向するソース領域35の一辺に沿って、平面的には所定幅を有する直線形状に構成される。キャリアポケット37は、屈曲した形状を有していないことから、ドレイン領域33からソース領域35への表面チャネルの形成方向の距離(以下、ポケット長という)は、いずれの部分においても等距離に形成される。
【0031】
従って、キャリアポケット37のポテンシャルは、表面チャネルの形成方向に対して垂直な方向(ポケット長方向に垂直な方向)のいずれの部分においても、略均一である。これにより、図3(a)のセンサセル31を用いて固体撮像装置を構成した場合には、低照度時においても光量に応じた出力を発生することができ、低照度時から高照度時まで出力のリニアリティを得ることができる。
【0032】
また、図3(b)の例では、リングゲート44の下方(基板内)に、光発生電荷が蓄積されるキャリアポケット47が形成されている。キャリアポケット47も、フォトダイオード形成領域42に対向するソース領域45の一辺に沿って、平面的には所定幅を有する直線形状に構成される。キャリアポケット47は、屈曲した形状を有していないことから、ポケット長はいずれの部分においても等距離に形成される。
【0033】
従って、キャリアポケット47のポテンシャルは、ポケット長方向に垂直な方向のいずれの部分においても略均一である。これにより、図3(b)のセンサセル41を用いて固体撮像装置を構成した場合には、低照度時においても光量に応じた出力を発生することができ、低照度時から高照度時まで出力のリニアリティを得ることができる。
【0034】
ところが、図3(a),(b)の例においては、ソース領域35,45には、夫々キャリアポケット37,47の形成領域以外の部分においても、ドレイン領域33,43からの寄生電流がチャネル電流として流れる。この寄生電流によって、実際には、出力のリニアリティが悪化する。
【0035】
そこで、本実施の形態においては、寄生電流の経路下方の基板内に、寄生電流を抑制するための高濃度の制御ポケットを形成するようになっている。
【0036】
図1において、センサセル1は図3(a)のセンサセル31と同様に4角形状の変調トランジスタTMを有している。また、図2のセンサセル11は、図4(b)のセンサセル41と同様に8角形状の変調トランジスタTM’を有している。これらのセンサセル1,11は相互に変調トランジスタの平面形状が異なるのみである。即ち、図2中のフォトダイオード形成領域12、ドレイン領域13、リングゲート14、ソース領域15、コンタクト部16,18、キャリアポケット17、制御ポケット19及び電位障壁20は、夫々図1中のフォトダイオード形成領域2、ドレイン領域3、リングゲート4、ソース領域5、コンタクト部6,8、キャリアポケット7、制御ポケット9及び電位障壁10はと同一の機能を有するものである。以下、説明の簡略化のために、主に図1のセンサセル1について説明し、図2のセンサセル11については相違点のみを説明する。なお、センサセル1又はセンサセル11がマトリクス状に配列されて、センサセルアレイが構成される。
【0037】
<各センサセルの断面構造>
先ず、図4を参照してセンサセル1,11の断面構造を説明する。図4はセンサセル1の断面構造を示す模式的断面図である。図4は図1のA−A’線の断面構造を示している。なお、図2のセンサセル11についても、図2のA−A’線で切断した断面形状は図4と同様であり、説明を省略する。本実施の形態は光発生電荷として正孔を用いる例を示している。光発生電荷として電子を用いる場合でも同様に構成可能である。
【0038】
各セルは、フォトダイオード形成領域と変調トランジスタ形成領域とを有している。P型基板50の全域にN型ウェル51,52が形成されている。フォトダイオード形成領域のN型ウェル51上には、P型の収集ウェル53が形成されている。収集ウェル53上の基板表面側には、ピニング層であるN型の拡散層55が形成されている。N型ウェル51は基板の比較的深い位置まで形成されている。
【0039】
一方、変調トランジスタTM形成領域においては、N型ウェル52は基板50の比較的浅い位置までに制限される。N型ウェル52上には、P型の変調用ウェル54が形成されている。変調用ウェル54内には、キャリアポケット7が形成されている。キャリアポケット7は、P+拡散による比較的濃い濃度の拡散層である。基板表面の変調トランジスタ形成領域には、環状のリングゲート4が形成されている。図1の例ではリングゲート4は平面的には4角形状に形成されている。また、図2の例ではリングゲート14は、平面的には8角形状に形成されている。
【0040】
リングゲート4の中央開口部の基板表面にはN+拡散層が形成されてソース領域5を構成する。また、リングゲート4の周囲の基板表面にはN型拡散層が形成されてドレイン領域3を構成する。同様に、リングゲート14の中央開口部の基板表面にはN+拡散層が形成されてソース領域15を構成する。また、リングゲート14の周囲の基板表面にはN型拡散層が形成されてドレイン領域13を構成する。
【0041】
リングゲート4下の基板表面にはチャネルを構成するN型の拡散層56が形成され、N型拡散層56はソース領域5とドレイン領域3とに電気的に接続される。同様に、リングゲート14下の基板表面にはチャネルを構成するN型の拡散層56が形成され、N型拡散層56はソース領域15とドレイン領域13とに電気的に接続される。このように、変調トランジスタTMとしては、例えば、NチャネルディプレッションMOSトランジスタが用いられる。
【0042】
ドレイン領域3、ウェル51、ウェル52及び拡散層55がドレイン電圧の印加によって正の電位にバイアスされることによって、フォトダイオードの開口領域下方においては、拡散層55と収集ウェル53との境界面、ウェル51と収集ウェル53の境界面から空乏層が収集ウェル53の全体およびその周囲に広がる。空乏領域において、開口領域を介して入射した光による光発生電荷が生じる。そして、上述したように、発生した光発生電荷は収集ウェル53に収集され、更に変調用ウェル54に転送されてキャリアポケット7に保持される。これにより、変調トランジスタTMのソース電位は、変調用ウェル54に転送された電荷の量、即ち、フォトダイオードPDへの入射光に応じたものとなる。
【0043】
なお、変調トランジスタ形成領域のリングゲート14を8角形状に構成した図2のセンサセル11についての他の構成も、図1のセンサセル1と同様に図4に示す断面構造を有する。
【0044】
<装置全体の回路構成>
図5はセンサセル1をマトリクス状に配置して構成したセンサセルアレイを用いた固体撮像装置全体の回路構成を等価回路によって示す回路ブロック図である。
【0045】
図5に示すように、図1のセンサセル1をマトリクス状に配置してセンサセルアレイ62が構成される。本実施の形態における固体撮像装置61は、センサセルアレイ62とセンサセルアレイ62中の各センサセル1を駆動する回路63〜65とを有している。センサセルアレイ62は、例えば、640×480のセル1と、オプティカルブラック(OB)のための領域(OB領域)を含む。OB領域を含めると、センサセルアレイ62は例えば712×500のセル1で構成される。なお、本実施の形態の固体撮像装置61は、センサセル1に代えて、図2のセンサセル11を用いても、同様に構成可能である。
【0046】
図1のフォトダイオード形成領域2又は図2のフォトダイオード形成領域12に構成されるフォトダイオードは、図5におけるフォトダイオードPDに相当する。また、センサセル1,11の変調トランジスタ形成領域(図4参照)に構成される変調トランジスタは、図5において変調トランジスタTMで示している。
【0047】
上述したように、各センサセル1は、光電変換を行うフォトダイオードPDと、光信号を検出して読み出すための変調トランジスタTMとを含む。フォトダイオードPDは入射光に応じた電荷(光発生電荷)を生じさせ、生じた電荷は収集ウェル53(図5では接続点PDWに相当)を介して変調トランジスタTMの閾値変調用の変調用ウェル54(図5では接続点TMWに相当)内のキャリアポケット7に転送されて保持される。
【0048】
変調トランジスタTMは、キャリアポケット7に光発生電荷が保持されることでバックゲートバイアスが変化したことと等価となり、キャリアポケット7内の電荷量に応じてチャネルの閾値電圧が変化する。これにより、変調トランジスタTMのソース電圧は、キャリアポケット7内の電荷に応じたもの、即ち、フォトダイオードPDの入射光の明るさに対応したものとなる。
【0049】
このように各セル1は、変調トランジスタTMのリングゲート4、ソース領域5及びドレイン領域3に駆動信号が印加されることで、蓄積、転送、読み出し及びクリア等の動作を呈する。セル1の各部には図5に示すように、垂直駆動走査回路63、ドレイン駆動回路64及び水平駆動走査回路65から信号が供給されるようになっている。垂直駆動走査回路63は、各行のゲート線67に走査信号を供給し、ドレイン駆動回路64は各列のドレイン領域3にドレイン電圧を印加する。また、水平駆動走査回路65は、各ソース線66に接続されたスイッチ68に駆動信号を供給する。
【0050】
各セル1は、センサセルアレイ62に水平方向に配列された複数のソース線66と垂直方向に配列された複数のゲート線67との交点に対応して設けられている。水平方向に配列された各ラインの各セル1は、変調トランジスタTMのリングゲート4が共通のゲート線67に接続され、垂直方向に配列された各列の各セル1は、変調トランジスタTMのソース領域5が共通のソース線66に接続される。
【0051】
複数のゲート線67の1つにオン信号(選択ゲート電圧)を供給することで、オン信号が供給されたゲート線67に共通接続された各セルが同時に選択されて、これらの選択されたセルの各ソース領域5から各ソース線66を介して画素信号が出力される。垂直駆動走査回路63は1フレーム期間においてゲート線67にオン信号を順次シフトさせながら供給する。オン信号が供給されたラインの各セルからの画素信号が1ライン分同時に各ソース線66から読み出されて各スイッチ68に供給される。1ライン分の画素信号は水平駆動走査回路65によって、スイッチ68から画素毎に順次出力(ライン出力)される。
【0052】
各ソース線66に接続されたスイッチ68は、共通の定電流源(負荷回路)69を介して映像信号出力端子70に接続されている。各センサセル1の変調トランジスタTMのソース領域5は定電流源69に接続されることになり、センサセル1のソースフォロワ回路が構成される。
【0053】
<センサセルの平面形状>
図1は変調トランジスタのリングゲート4が4角形状の例を示し、図2は変調トランジスタのリングゲート14が8角形状の例を示している。
【0054】
図1の平面図に示すように、単位画素であるセンサセル1内に、フォトダイオード形成領域2と変調トランジスタTMの形成領域とが隣接して設けられている。上述したように、変調トランジスタTMとしては、例えば、NチャネルディプレッションMOSトランジスタが用いられる。
【0055】
フォトダイオードPD形成領域においては、基板50の表面に配線層を形成する工程において、光を透過する開口領域が形成される。基板50表面の比較的浅い位置には前記開口領域よりも広い領域にP型のウェルであり、光電変換素子によって発生した光発生電荷を収集する収集ウェル53が形成されている。開口領域下のN型ウェル51及び収集ウェル53によってフォトダイオード形成領域2が構成される。
【0056】
フォトダイオード形成領域2に隣接して、4角形状のリングゲート4が配置される。リングゲート4下方の基板の比較的浅い位置には、変調用ウェル54が形成される。この変調用ウェル54は、収集ウェル53と略連続的に形成されており、収集ウェル53において収集された光発生電荷が変調用ウェル54に転送されるようになっている。なお、図4の例では、収集ウェル53と変調用ウェル54とは、一体的に形成されているが、別々に形成してもよい。
【0057】
リングゲート4の中央の開口部分の基板50表面近傍領域には、高濃度N型領域であるソース領域5が形成されている。リングゲート4の周囲にはN型のドレイン領域3が形成されている。ドレイン領域3の所定位置には、基板50表面近傍にN+層のコンタクト部8が形成される。
【0058】
変調用ウェル54は変調トランジスタのチャネルの閾値電圧を制御するものである。変調用ウェル54内には、リングゲート4の下方にP型の高濃度領域であるキャリアポケット7が形成されている。キャリアポケット7は、リングゲート4のフォトダイオード形成領域2に対向する辺に沿って、直線的に形成されている。キャリアポケット7のポケット長は、いずれの位置においても等距離である。
【0059】
変調トランジスタTMは、変調用ウェル54、リングゲート4、ソース領域5及びドレイン領域3によって構成されて、キャリアポケット7に蓄積された電荷に応じてチャネルの閾値電圧が変化するようになっている。
【0060】
本実施の形態においては、リングゲート4下方のキャリアポケット7が形成されていない領域には、キャリアポケット7と同様の基板深さにおいて、リングゲート4の各辺(ソース領域5の3辺)に沿ったコ字状の制御ポケット9が形成されている。即ち、平面的には、制御ポケット9は、キャリアポケット7形成領域を除く部分において、略ソース領域5を囲むように形成される。また、キャリアポケット7と制御ポケット9との間のソース領域5の2カ所の角部近傍は、濃い濃度の拡散層が形成されておらず、この部分は、比較的濃度が低い電位障壁領域10を構成する。
【0061】
制御ポケット9は十分に高い濃度に設定されており、ホールを基準としたポテンシャルはクリア時において十分に低い。従って、制御ポケット9の形成領域における閾値は十分に高く、この領域における表面チャネル電流(寄生電流)は十分に抑制されるようになっている。
【0062】
なお、図2のセンサセル11についても、リングゲート14が8角形である点、及び各部がリングゲート14の形状に沿った形状となる点を除いて、図1のセンサセル1と同様の構成である。
【0063】
<動作>
次に、このように構成された実施の形態の作用について図6及び図7を参照して説明する。図6は図4のB−B’線の位置におけるホールを基準としたポテンシャルを示す説明図であり、図7は横軸に光強度をとり縦軸に画素信号のレベルをとって、入射光の光強度と出力との関係を示すグラフである。
【0064】
変調トランジスタTMのリングゲート4に低いゲート電圧を印加し、ドレイン領域3にトランジスタの動作に必要な例えば約0〜2Vの電圧(VDD)を印加する。これにより、収集ウェル53およびその周囲が空乏化する。また、ドレイン領域3とソース領域5との間に電界が生じる。
【0065】
フォトダイオード形成領域2に入射した光が、空乏化したN型ウェル51に入射することで、電子−正孔対(光発生電荷)が生じる。P型の収集ウェル53は高濃度のP型不純物が導入されてポテンシャルが低くなっており、収集ウェル53とN型ウェル51により形成される空乏層内に発生した光発生電荷は収集ウェル53に収集される。更に、光発生電荷は収集ウェル53から変調トランジスタ形成領域内の変調用ウェル54に転送されて、キャリアポケット7に蓄積される。
【0066】
トランジスタ形成領域には、高濃度拡散層であるキャリアポケット7及び制御ポケット9が形成されている。しかし、フォトダイオード形成領域に対向する部分にキャリアポケット7が形成されており、収集ウェル53から変調用ウェル54側に転送された光発生電荷は、先ずキャリアポケット7に蓄積される。
【0067】
図6に示すように、キャリアポケット7は、基板深さ方向にはN型ウェル52の高いポテンシャルに比べて十分に低いポテンシャルとなっており、収集ウェル53から転送されたホール(図6の黒丸)を蓄積する。また、十分に低いポテンシャルの制御ポケット9とキャリアポケット7との間には、十分に高いポテンシャルの電位障壁10が設けられており、基板水平方向においても、キャリアポケット7に転送された光発生電荷が、制御ポケット9側に流れ出すことはない。
【0068】
従って、キャリアポケット7からのオーバーフローした光発生電荷以外には、制御ポケット9に光発生電荷が蓄積されることはない。つまり、通常の入射光量では、制御ポケット9のポテンシャルは低いままである。
【0069】
これにより、制御ポケット9のポテンシャルに基づく閾値は十分に高く、制御ポケット9上の表面チャネルに寄生電流が流れることが、確実に防止される。
【0070】
一方、キャリアポケット7は、線状に形成されており、ポケット長は一様である。即ち、キャリアポケット7の全域において、一様に光発生電荷が蓄積される。キャリアポケット7に蓄積された光発生電荷によって、変調トランジスタTMの閾値電圧が変化する。この状態で、選択画素のリングゲート4に例えば約2〜4Vのゲート電圧(選択ゲート電圧)を印加し、ドレイン領域3に例えば約2〜4Vの電圧VDDを印加する。更に、変調トランジスタTMのソース領域5に定電流源69によって一定の電流を流す。これにより、変調トランジスタTMはソースフォロワ回路を形成し、光発生電荷による変調トランジスタTMの閾値電圧の変動に追随してソース電位が変化して、出力電圧が変化する。即ち、入射光に応じた出力が得られる。
【0071】
この場合において、キャリアポケット7の全域において一様に光発生電荷が蓄積されるので、表面チャネルはいずれの位置においても同様に電流が流れやすくなって均一にチャネル電流が流れる。従って、図7に示すように、低照度時であっても、入射光量に応じたリニアリティに優れた出力(ソース電位)を得ることができる。これにより、低照度時のように光発生電荷の発生量が少ない場合でも、固定パターンノイズの発生を防止することができる。
【0072】
しかも、キャリアポケット7に対向する辺以外のソース領域5の3辺は、コ字状に形成された制御ポケット9によって囲まれており、寄生電流がソース領域5に流れ込むことを防止することができる。従って、入射光量に応じて各センサセル1の出力のリニアリティを得ることができる。
【0073】
なお、キャリアポケット7に蓄積された光発生電荷がオーバーフローして制御ポケット9に流れ込んだ場合には、制御ポケット9に蓄積された光発生電荷に基づく変調出力が得られる。即ち、キャリアポケット7から光発生電荷をオーバーフローさせる強い入射光が生じると、図7の特性の変化に示すように、制御ポケット9の基板変調に基づいてソース電位が変化することになり、出力のリニアリティが失われる。従って、図7のリニアリティが得られる光強度の範囲を信号出力を用いる範囲とする必要がある。
【0074】
なお、初期化時には、キャリアポケット7、制御ポケット9、収集ウェル53及び変調用ウェル54内に残留する電荷は排出される。例えば、変調トランジスタTMのドレイン領域3及びリングゲート4に5V以上の正電圧を印加する。変調用ウェル54下方のN型ウェル52の厚さは薄く、リングゲート4に印加した電圧は変調用ウェル54及びその隣接領域にのみ作用する。即ち、変調用ウェル54に急激なポテンシャル変化が生じ、光発生電荷を基板50側に掃き出すような強い電界が主として変調用ウェル54に印加されて、残留した光発生電荷は、比較的低いリセット電圧でより確実に基板50に排出される。
【0075】
初期化後において、非選択画素のリングゲート4には、比較的低い電圧値の非選択ゲート電圧を印加すると共に、選択画素のリングゲート4には比較的高い電圧値の選択ゲート電圧を印加する。そして、共通接続されたソース線66から、選択画素の初期化後の信号出力を得る。
【0076】
このように、本実施の形態においては、フォトダイオード形成領域に対向させて直線状のキャリアポケットを形成すると共に、キャリアポケットが形成されていないソース領域の3辺に沿って高濃度の制御ポケットを形成して、ポテンシャル的に両者を分断する。こうして、ポテンシャルが一様なキャリアポケットに光発生電荷を蓄積して基板変調させることで、リニアリティに優れた出力を得る。また、制御ポケットには光発生電荷は流込せず、高濃度の制御ポケットは低いポテンシャルを維持し、十分に高い閾値を得る。これにより、制御ポケット上の表面チャネルにチャネル電流が流れることを防止して寄生電流を抑制する。これにより、出力のリニアリティを確保することができる。従って、本実施の形態を採用することで、固定パターンノイズが生じない高画質の画像を得ることができる。
【0077】
なお、図1では4角形状のリングゲート4を用いる例を説明したが、図2の8角形状であっても、同様に構成可能であることは明らかである。更に、環状であれは、任意の多角形状を採用することができる。
【0078】
図8及び図9は本発明の第2の実施の形態に係り、図8は第2の実施の形態に係る固体撮像装置の1センサセルの平面形状を示す平面図であり、図9は図8のセンサセルの断面形状を示す模式的な断面図である。図9は図8のA−A’線の断面を示している。図8及び図9において、図2及び図4と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0079】
本実施の形態はリングゲートの平面形状が図2の第1の実施の形態と異なる。上述したように、制御ポケット19上においては、寄生電流は流れない。即ち、制御ポケット19上のリングゲートはチャネル電流に寄与しない。従って、この部分のリングゲートは不要である。
【0080】
本実施の形態においては、第1の実施の形態におけるリングゲート14(図8の破線)のうち、チャネル電流に寄与しない制御ポケット19上の部分を除去して、リングゲート14’を構成している。
【0081】
このような構成によれば、基板変調に影響を与えることなく、チャネル電流に寄与しないリングゲートの一部を除去する。これにより、微細化を促進することができる。
【0082】
他の構成及び作用は第1の実施の形態と同様である。
【0083】
なお、本実施の形態においても、リングゲートを含む変調トランジスタの形状として、例えば4角形状等の任意の多角形状を採用することができることは明らかである。
【0084】
図10乃至図13は本発明の第3の実施の形態に係り、図10は第3の実施の形態に係る固体撮像装置の1センサセルの平面形状を示す平面図であり、図11は図10のセンサセルの断面形状を示す模式的な断面図である。図11は図10のA−A’線の断面を示している。図10及び図11において、図2及び図4と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0085】
本実施の形態は制御ポケットの濃度が図2の第1の実施の形態と異なる。本実施の形態においては、制御ポケット19’の濃度はキャリアポケット17の濃度よりも高い濃度に設定されるようになっている。
【0086】
このように構成された実施の形態の作用について図12及び図13を参照して説明する。図12は図11のB−B’線の位置におけるホールを基準としたポテンシャルを示す説明図であり、図13は横軸に光強度をとり縦軸に画素信号のレベルをとって、入射光の光強度と出力との関係を示すグラフである。
【0087】
フォトダイオード形成領域2に入射した光によって光発生電荷が生じ、収集ウェル53を介して変調用ウェル54に転送され、キャリアポケット17に蓄積される。
【0088】
トランジスタ形成領域には、キャリアポケット17及び制御ポケット19’が形成されている。しかし、フォトダイオード形成領域に対向する部分にはキャリアポケット17が形成されており、光発生電荷はキャリアポケット17に蓄積される。
【0089】
図12の黒丸は、収集ウェル53から転送されてキャリアポケット17に蓄積されたホールを示している。キャリアポケット17に蓄積されたホールは、十分に高いポテンシャルの電位障壁10によって遮られて、制御ポケット19’側に流れ出すことはない。
【0090】
しかも、制御ポケット19’のポテンシャルは、図12に示すように、キャリアポケット17のポテンシャルよりも低い。即ち、制御ポケット19’のポテンシャルに基づく閾値は十分に高く、制御ポケット19’上の表面チャネルに寄生電流が流れることが、確実に防止される。
【0091】
図13は破線よりも1点鎖線が第1の実施の形態の特性を示し、2点鎖線が本実施の形態の特性を示している。図13からも明らかなように、本実施の形態においては、寄生電流を一層抑制することができる。
【0092】
このように本実施の形態においては、制御ポケットのポテンシャルをキャリアポケットのポテンシャルよりも低く設定しており、制御ポケットによる閾値を第1の実施の形態よりも高くして、寄生電流の発生を一層確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の1センサセルの平面形状を示す平面図。
【図2】変調トランジスタの平面形状が8角形の例を示す説明図。
【図3】固定パターンノイズを回避するための基本構造を示す説明図。
【図4】センサセル1の断面構造を示す模式的断面図。
【図5】センサセル1をマトリクス状に配置して構成したセンサセルアレイを用いた固体撮像装置全体の回路構成を等価回路によって示す回路ブロック図。
【図6】図4のB−B’線の位置におけるホールを基準としたポテンシャルを示す説明図。
【図7】横軸に光強度をとり縦軸に画素信号のレベルをとって、入射光の光強度と出力との関係を示すグラフ。
【図8】第2の実施の形態に係る固体撮像装置の1センサセルの平面形状を示す平面図。
【図9】センサセルの断面形状を示す模式的な断面図。
【図10】第3の実施の形態に係る固体撮像装置の1センサセルの平面形状を示す平面図。
【図11】図10のセンサセルの断面形状を示す模式的な断面図。
【図12】図11のB−B’線の位置におけるホールを基準としたポテンシャルを示す説明図。
【図13】横軸に光強度をとり縦軸に画素信号のレベルをとって、入射光の光強度と出力との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0094】
1…センサセル、2…フォトダイオード形成領域、3…ドレイン領域、4…リングゲート、5…ソース領域、7…キャリアポケット、9…制御ポケット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光に応じた光発生電荷を発生させる光電変換素子と、
前記光電変換素子に隣り合う領域に配置された変調トランジスタであって、前記光発生電荷の電荷量に応じた信号を生成する前記変調トランジスタと、
を含む固体撮像装置において、
前記変調トランジスタは、
環状ゲートと、
前記環状ゲートの内側に形成されたソース領域と、
前記環状ゲートの外側に形成されたドレイン領域と、
前記ソース領域と前記光電変換素子との間に位置する前記環状ゲートの下方に形成されたキャリアポケットであって、前記光電変換素子からの光発生電荷を保持して前記変調トランジスタの閾値を変化させる前記キャリアポケットと、
前記キャリアポケットが形成されていない前記環状ゲートの下方に、前記キャリアポケットとの間に電位障壁を介して配置された制御ポケットと、
を含む固体撮像装置。
【請求項2】
前記キャリアポケットは、前記ソース領域と前記光電変換素子との間に直線的な形状を有して形成される請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記環状ゲートは、平面的には前記光電変換素子に対向する辺を有し、
前記キャリアポケットは、前記環状ゲートの前記光電変換素子に対向する辺に沿って直線的な形状を有する請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記制御ポケットは、前記キャリアポケットと同一濃度に設定される請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記制御ポケットは、前記キャリアポケットよりも高濃度に設定される請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項1】
入射光に応じた光発生電荷を発生させる光電変換素子と、
前記光電変換素子に隣り合う領域に配置された変調トランジスタであって、前記光発生電荷の電荷量に応じた信号を生成する前記変調トランジスタと、
を含む固体撮像装置において、
前記変調トランジスタは、
環状ゲートと、
前記環状ゲートの内側に形成されたソース領域と、
前記環状ゲートの外側に形成されたドレイン領域と、
前記ソース領域と前記光電変換素子との間に位置する前記環状ゲートの下方に形成されたキャリアポケットであって、前記光電変換素子からの光発生電荷を保持して前記変調トランジスタの閾値を変化させる前記キャリアポケットと、
前記キャリアポケットが形成されていない前記環状ゲートの下方に、前記キャリアポケットとの間に電位障壁を介して配置された制御ポケットと、
を含む固体撮像装置。
【請求項2】
前記キャリアポケットは、前記ソース領域と前記光電変換素子との間に直線的な形状を有して形成される請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記環状ゲートは、平面的には前記光電変換素子に対向する辺を有し、
前記キャリアポケットは、前記環状ゲートの前記光電変換素子に対向する辺に沿って直線的な形状を有する請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記制御ポケットは、前記キャリアポケットと同一濃度に設定される請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記制御ポケットは、前記キャリアポケットよりも高濃度に設定される請求項1に記載の固体撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−32472(P2006−32472A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−205933(P2004−205933)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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