説明

固定具

【課題】 ヒートシンク等の装着物を電気基板に固定するに適した固定具を提供する
【解決手段】 電気基板にハンダ付けされる接合面15Aが設定された金属製の第1ベース部15、及び第1ベース部15のうち接合面15Aと反対側に設けられた樹脂製の第2ベース部17を有する基台部9と、第2ベース部17から突出し、ヒートシンク等と接触してヒートシンク等の装着位置を保持する樹脂製の位置決め部11Cと、位置決め部11Cの突出の向きと同一の向きに向けてヒートシンク等を押圧する付勢部13と、ヒートシンク等を挟んで付勢部13と反対側からヒートシンク等と接触してヒートシンク等と係止する係止部23とを備えた固定具とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシンク等の電気基板の表面に装着される装着物を電気基板に固定するための固定具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の発明では、ヒートシンクを電気基板に組み付けるためのヒートシンクホルダをフロー方式にて電気基板にハンダ付けしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−166815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ヒートシンク等の装着物を電気基板に固定するに適した固定具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、電気基板(3)の表面に装着される装着物(1)を電気基板(3)に固定するための固定具であって、電気基板(3)にハンダ付けされる接合面(15A)が設定された金属製の第1ベース部(15)、及び第1ベース部(15)に対して接合面(15A)と反対側に設けられた樹脂製の第2ベース部(17)を有する基台部(9)と、第2ベース部(17)から突出し、装着物(1)と接触して装着物(1)の装着位置を保持する樹脂製の位置決め部(11C)と、位置決め部(11C)の突出の向きと同一の向きに向けて装着物(1)を押圧する付勢部(13)と、装着物(1)を挟んで付勢部(13)と反対側から装着物(1)と接触して装着物(1)と係止する係止部(23)とを備えることを特徴とする。
【0006】
これにより、請求項1に記載の発明では、接合面(15A)にて固定具と電気基板(3)とが面接触した状態で固定具が電気基板(3)にハンダ付けされるので、固定具(7)を強固に電気基板(3)に組み付けることができ、装着物(1)を電気基板に固定するに適した固定具を得ることができる。
【0007】
また、請求項1に記載の固定具では、装着物(1)は、巨視的には付勢部(13)と係止部(23)とで挟まれた状態となるので、装着物(1)を強固に固定具(7)に組み付け固定することができる。
【0008】
また、請求項1に記載の固定具では、金属製の第1ベース部(15)及び樹脂製の第2ベース部(17)にて基台部(9)が構成されているので、機械的強度を確保しつつ、温度上昇による寸法変化を金属のみで構成されているヒートシンクホルダ(特許文献1参照)に比べて小さくすることができ、装着物(1)を安定的に固定することができる。
【0009】
さらに、請求項1に記載の固定具では、装着物(1)の装着位置を保持する樹脂製の位置決め部(11C)が樹脂にて構成されているので、温度上昇による寸法変化を抑制することができ、装着物(1)を安定的に固定することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、第1ベース部(15)には、第2ベース部(17)側に折り曲げられて第2ベース部(17)側に立ち上がった折曲片(19)が設けられており、さらに、折曲片(19)には、接合面(15A)と連続した滑らかな湾曲面(19A)が設けられていることを特徴とする。
【0011】
これにより、請求項2に記載の発明では、接合面(15A)と連続した滑らかな湾曲面(19A)が設けられているので、固定具(7)を電気基板(3)にハンダ付けする際に、湾曲面(19A)にフィレットが形成され易い。
【0012】
したがって、このフィレットの状態からハンダ付けの良否を判断することが可能となるので、ハンダ付け不良を容易に発見することが可能となり、ハンダ付け不良品が出荷されてしまうことを未然に抑制できる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、第1ベース部(15)と第2ベース部(17)とは、折曲片(19)によりカシメ結合されていることを特徴とする。
これにより、請求項3に記載の発明では、カシメ結合専用のカシメ片を別途新たに設けることなく、折曲片(19)を利用して第1ベース部(15)と第2ベース部(17)とをカシメ結合することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、第1ベース部(15)、係止部(23)、付勢部(13)及び折曲片(19)は、1枚の金属板から一体形成されていることを特徴とする。
これにより、請求項4に記載の発明では、プレス加工等により第1ベース部(15)、係止部(23)、付勢部(13)及び折曲片(19)を容易に成形することができるので、固定具(7)の生産性を向上させることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明では、位置決め部(11C)は、第2ベース部(17)に一体成形された筒状の筒部(11)の外側面に設定されており、さらに、係止部(23)は、第1ベース部(15)から立ち上がって筒部(11)内を延びる帯状の板バネ部(21)の先端側に設けられていることを特徴とする。
【0016】
これにより、請求項5に記載の発明では、係止部(23)が変位する際に板バネ部(21)が弾性変形する構成となるが、板バネ部(21)が筒部(11)内に収納された構成であるので、筒部(11)の内壁に板バネ部(21)が接触することにより、板バネ部(21)が過度に撓み変形してしまうことを防止できる。
【0017】
請求項6に記載の発明では、装着物(1)は、電気基板(3)に実装された電気部品(5)で発生する熱を放熱するためのヒートシンクであることを特徴とする。
これにより、請求項6に記載の発明では、電気部品(5)からヒートシンク(1)に伝わった熱が、樹脂部分(位置決め部(11C)や第2ベース部(17))により断熱されるので、固定具(7)を介して電気基板3側に伝熱してしまうことを抑制できる。
【0018】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態に係る固定具7にてヒートシンク1が組み付けられた状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る固定具7にてヒートシンク1が組み付けられた状態を示す拡大図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る固定具7の斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る固定具7の斜視図である。
【図5】(a)本発明の第1実施形態に係る固定具7の上面図であり、(b)は図5(a)のA−A断面図である。
【図6】(a)は第2ベース部及び突出部11の中央断面図であり、(b)は第2ベース部17及び付勢部13等を示す側面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る固定具7の斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る固定具7の幅方向断面図である。
【図9】ヒートシンク以外の装着物を装着した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本実施形態は、ヒートシンクを電気基板に組み付けるための固定具に本発明に係る固定具を適用したものであり、以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(第1実施形態)
1.固定具の概要
ヒートシンク1は、図1に示すように、電気基板3に実装されたCPUやGPU等の電気部品5(図2参照)で発生する熱を大気中に放熱させるための放熱手段であり、このヒートシンク1は、電気基板3にハンダ付けされた固定具7を介して電気基板3に組み付け装着されている。
【0021】
なお、ヒートシンク1は、図2に示すように、電気部品5の放熱面(コア面)に接触して電気部品5から吸熱するプレート部1A、及びプレート部1Aに一体化されて空気との接触面積を増大させる放熱部1B等から構成されたものである。
【0022】
2.固定具の詳細
固定具7は、図3及び図4に示すように、盤状の基台部9、基台部9の盤面と直交する方向に突出した突出部11、及びプレート部1Aに接触してヒートシンク1を押圧する付勢部13(図2参照)等から構成されている。
【0023】
なお、図2〜4等に示された上下方向等は、各図相互の関係を容易に理解するためのものであって、現実の使用状態における上下方向等を示すものではないが、以下の説明を容易にするため図2〜4等に示された上下方向等を用いて説明する。因みに、本実施形態に係る固定具7では、使用時の上下方向等は不問である。
【0024】
そして、基台部9は、電気基板3にハンダ付けされる接合面15A(図4参照)が設定された金属製の第1ベース部15、及び第1ベース部15に対して接合面15Aと反対側に設けられた樹脂製の第2ベース部17を有して構成されている。
【0025】
また、突出部11は、図3に示すように、基台部9の端部側(本実施形態では、後端側)であって、左右方向(幅方向)において略中央部に設けられている。なお、左右方向(幅方向)とは、突出部11の突出方向と直交し、互いに直交する二方向のうち一方の方向をいい、他方の方向を前後方向という。
【0026】
そして、第1ベース部15のうち幅方向両端であって、前後方向略中央部には、第2ベース部17側(図3では、上方側)に折り曲げられて第2ベース部17側に立ち上がった折曲片19が設けられており、この折曲片19には、図4に示すように、第1ベース部15に一体に設けられ、かつ、接合面15Aと連続した滑らかな湾曲面19Aが設けられている。
【0027】
また、本実施形態に係る折曲片19は、第2ベース部17の幅方向端部に押し付けられるように第2ベース部17側に折り曲げられているので、第1ベース部15と第2ベース部17とは、折曲片19によりカシメ結合された構成となっている。
【0028】
また、突出部11は、図5(b)に示すように、第2ベース部17に一体成形された角筒状の筒部であり、この突出部11内には、第1ベース部15から第2ベース部17側(図5(b)の上方側)に立ち上がって突出部11内の縦穴11Bに沿って延びる帯状の板バネ部21が配設されている。
【0029】
そして、板バネ部21の延び方向先端側(図5(b)の上端側)には、プレート部1Aと係合してヒートシンク1を係止する係止部23が設けられており、この係止部23は、図2に示すように、プレート部1Aを挟んで付勢部13と反対側からプレート部1Aと接触してヒートシンク1を係止する。
【0030】
なお、本実施形態に係る係止部23は、図5(b)に示すように、板バネ部21の先端側を鉤状(三角状)に折り曲げることにより形成されており、折り曲げ形成された略くの字状の係止部23は、突出部11に形成された前後方向に貫通する貫通穴11Aの前方側から突出している。
【0031】
このため、プレート部1Aと係合する際には、係止部23が後方側に変位するように板バネ部21が撓み変形する。そして、プレート部1Aが係止部23を超えて基台部9側に到達すると、係止部23の位置が元の位置に戻るため、プレート部1Aが係止部23により係止される。
【0032】
因みに、本実施形態では、係止部23の最大変位(板バネ部21の最大撓み量)は、板バネ部21が縦穴11Bの内壁面に衝突することにより規制されるので、縦穴11Bは、板バネ部21の撓み量を規制する規制手段として機能する。
【0033】
また、付勢部13は、図2に示すように、突出部11の突出の向きと同一の向き(図2の上向き)に向けてヒートシンク1(プレート部1A)を押圧する弾性力を発揮する板バネ状のバネ手段であり、この付勢部13、第1ベース部15、係止部23、及び折曲片19は、1枚の金属板(本実施形態では、ばね用リン青銅板)からプレス加工等にて一体形成されている(図6(b)参照)。
【0034】
因みに、係止部23を板バネ部21に形成した後では、図6(a)及び図6(b)に示すように、係止部23を突出部11の縦穴11Bに挿入することができないので、本実施形態では、係止部23を形成する前に板バネ部21を縦穴11Bに挿入した後、貫通穴11Aからプレス金型にて押圧して係止部23を形成している。
【0035】
また、突出部11の外壁のうち係止部23(貫通穴11A)より第2ベース部17側の部分には、図2に示すように、プレート部1A(ヒートシンク1)と接触してヒートシンク1の装着位置を保持する位置決め部11Cが設定されており、この位置決め部11Cは、プレート部1Aの端面と平行となる平面にて構成されている。
【0036】
3.本実施形態に係る固定具の特徴
本実施形態では、接合面15Aにて固定具7と電気基板3とが面接触した状態で固定具7が電気基板3にハンダ付けされるので、固定具7を強固に電気基板3に組み付けることができ、ヒートシンク1を電気基板3に固定するに適した固定具を得ることができる。
【0037】
また、本実施形態では、電気基板3と面接触する接合面15Aにてハンダ付けを行うので、リフロー方式にて容易にハンダ付けできる。
また、ヒートシンク1は、図2に示すように、巨視的には付勢部13と係止部23とで挟まれた状態となるので、ヒートシンク1を強固に固定具7に組み付け固定することができる。
【0038】
また、本実施形態に係る固定具7では、金属製の第1ベース部15及び樹脂製の第2ベース部17にて基台部9が構成されているので、第1ベース部15にて機械的強度を確保しつつ、樹脂製の第2ベース部17にて温度上昇による寸法変化を抑制できる。
【0039】
つまり、金属のみで構成された特許文献1に記載のヒートシンクホルダでは、温度変化の影響がそのまま寸法変化に繋がるのに対して、本実施形態に係る固定具7では、機械的強度を確保しつつ、温度変化による寸法変化を小さくすることができるので、ヒートシンク1を安定的に固定することができる。
【0040】
また、本実施形態では、金属製の付勢部13及び係止部23がヒートシンク1に接触し、かつ、付勢部13等と一体化された金属製の接合面15Aが電気基板3にハンダ付けされているので、ヒートシンク1と電気基板3とを同電位とすることができる。したがって、ヒートシンク1がアンテナとして機能してしまうことを防止できるので、電磁波ノイズを効果的に除去・抑制することができる。
【0041】
また、ヒートシンク1の装着位置を保持する樹脂製の位置決め部11Cが樹脂にて構成されているので、温度変化による寸法変化を抑制することができ、ヒートシンク1を安定的に固定することができる。
【0042】
また、本実施形態では、第2ベース部17側に折り曲げられて第2ベース部17側に立ち上がった折曲片19に、接合面15Aと連続した滑らかな湾曲面19Aが設けられているので、固定具7を電気基板3にハンダ付けする際に、湾曲面19Aにフィレットが形成され易い。
【0043】
したがって、このフィレットの状態からハンダ付けの良否を判断することが可能となるので、ハンダ付け不良を容易に発見することが可能となり、ハンダ付け不良品が出荷されてしまうことを未然に抑制できる。
【0044】
また、本実施形態では、第1ベース部15と第2ベース部17とは、折曲片19によりカシメ結合されているので、カシメ結合専用のカシメ片を別途新たに設けることなく、折曲片19を利用して第1ベース部15と第2ベース部17とをカシメ結合することができる。
【0045】
また、本実施形態では、第1ベース部15、係止部23、付勢部13及び折曲片19は、1枚の金属板から一体形成されているので、プレス加工等により第1ベース部15、係止部23、付勢部13及び折曲片19を容易に成形することができ、固定具7の生産性を向上させることができる。
【0046】
また、本実施形態では、係止部23が変位する際に板バネ部21が弾性変形する構成となるが、板バネ部21が突出部11内に収納された構成であるので、突出部11の内壁に板バネ部21が接触することにより、板バネ部21が過度に撓み変形してしまうことを防止できる。
【0047】
ところで、ヒートシンク1は、電気部品5で発生した熱を大気中に放出するためのものであるが、仮に、固定具7が金属のみで構成されていると、電気部品5からヒートシンク1に伝わった熱が、固定具7を介して電気基板3側に伝熱されてしまうおそれがある。
【0048】
これに対して、本実施形態に係る固定具7は、ヒートシンク1と接触して位置決めを行う位置決め部11C等が樹脂製であるので、電気部品5からヒートシンク1に伝わった熱が、樹脂部分(位置決め部11Cや第2ベース部17)により断熱され、固定具7を介して電気基板3側に伝熱してしまうことが抑制される。
【0049】
また、本実施形態に係る固定具7は、ヒートシンク1に比べて小さく、かつ、軽量であるので、例えば付勢部13や第2ベース部17に設けられた平面部分を真空吸着することにより、容易に固定具7を電気基板3上に自動実装することができる。
【0050】
(第2実施形態)
第1実施形態では、付勢部13が第1ベース部15と一体形成された板バネ状であったが、本実施形態は、図7に示すように、コイルバネにて付勢部13を構成するとともに、樹脂製の突出部11に係止部23を一体形成したものである。
【0051】
そして、付勢部13(コイルバネ)は、図8に示すように、第1ベース部15に設けられた円柱突起状のボス部15Bに嵌め込まれた状態で、第1ベース部15と第2ベース部17とで挟み込まれて基台部9に固定されている。
【0052】
なお、付勢部13(コイルバネ)のうち第1ベース部15側は円錐ばね状に構成され、かつ、第2ベース部17のうち付勢部13(コイルバネ)が貫通する穴部17Aも円錐テーパ状に構成されている。このため、第1ベース部15と第2ベース部17とのカシメ結合が外れない限り、付勢部13(コイルバネ)が基台部9から外れることはない。
【0053】
因みに、本実施形態では、突出部11に係止部23が一体形成されているので、突出部11全体が板バネ部21相当の機能を有する。
(第3実施形態)
上述の実施形態では、装着物としてヒートシンク1を例に本願発明を説明したが、本実施形態は、図9に示すように、第2の電気基板3Aを装着物とした例である。
【0054】
そして、本実施形態に係る固定具7は、第1実施形態に係る固定具7と同一の固定具であるので、第2の電気基板3Aと第1の電気基板3とを付勢部13及び接合面15Aを介して電気的に接続することができる。
【0055】
したがって、第2の電気基板3Aと第1の電気基板3とを電気的に接続しながら、第2の電気基板3Aを第1の電気基板3に対して容易に組み付けることができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、装着物としてヒートシンク1や電気基板3Aを例に本願発明を説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば電気部品5を覆う金属製のシールドボックスであってもよい。このとき、突出部11にてシールドボックスと係止部23との接触部分を覆うことにより、その接触部で発生した「メッキの削れ片や表面の削れカス」等が散乱してしまうことを抑制できる。
【0056】
また、上述の実施形態では、折曲片19に接合面15Aと連続した滑らかな湾曲面19Aを設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば湾曲面19Aを設けることなく折曲片19を単純にL字状に曲げた形状としてもよい。
【0057】
また、上述の実施形態では、板バネ部21が縦穴11B内に収納されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば縦穴11Bを廃止し、板バネ21の後方側が露出するように開放された構成としてもよい。
【0058】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0059】
1…ヒートシンク、1A…プレート部、3…電気基板、5…電気部品、
7…固定具、9…基台部、11…突出部、11A…貫通穴、11B…縦穴、
11C…位置決め部、13…付勢部、15…第1ベース部、15A…接合面、
17…第2ベース部、17A…穴部、19…折曲片、19A…湾曲面、
21…板バネ部、23…係止部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気基板の表面に装着される装着物を前記電気基板に固定するための固定具であって、
前記電気基板にハンダ付けされる接合面が設定された金属製の第1ベース部、及び前記第1ベース部に対して前記接合面と反対側に設けられた樹脂製の第2ベース部を有する基台部と、
前記第2ベース部から突出し、前記装着物と接触して前記装着物の装着位置を保持する樹脂製の位置決め部と、
前記位置決め部の突出の向きと同一の向きに向けて前記装着物を押圧する付勢部と、
前記装着物を挟んで前記付勢部と反対側から前記装着物と接触して前記装着物と係止する係止部と
を備えることを特徴とする固定具。
【請求項2】
前記第1ベース部には、前記第2ベース部側に折り曲げられて前記第2ベース部側に立ち上がった折曲片が設けられており、
さらに、前記折曲片には、前記接合面と連続した滑らかな湾曲面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の固定具。
【請求項3】
前記第1ベース部と前記第2ベース部とは、前記折曲片によりカシメ結合されていることを特徴とする請求項2に記載の固定具。
【請求項4】
前記第1ベース部、前記係止部、前記付勢部及び前記折曲片は、1枚の金属板から一体形成されていることを特徴とする請求項3に記載の固定具。
【請求項5】
前記位置決め部は、前記第2ベース部に一体成形された筒状の筒部の外側面に設定されており、
さらに、前記係止部は、前記第1ベース部から立ち上がって前記筒部内を延びる帯状の板バネ部の先端側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の固定具。
【請求項6】
前記装着物は、前記電気基板に実装された電気部品で発生する熱を放熱するためのヒートシンクであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の固定具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−99708(P2012−99708A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247321(P2010−247321)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000242231)北川工業株式会社 (268)
【Fターム(参考)】