説明

固形物燃料の供給機構および供給方法

【課題】固形物燃料の燃焼性をの向上させて発熱量を高め、燃料コストを低減し得る固形物燃料の供給機構および供給方法を提供する。
【解決手段】バーナー22が発生させるバーナー炎Fに固形物燃料SFを供給する供給機構において、該固形物燃料SFを吐出・供給する供給管20を、その先端部20aが該バーナー炎Fの外縁から所要距離離間し、かつ該固形物燃料SFをバーナー炎Fの噴射軸線に対し、その噴射に沿うように1〜30°の角度で供給し得るように配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バーナーで被加熱物を加熱するに際して、発熱量が高いプラスチック等の加熱を補助する固形物燃料の供給する供給機構および供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば鉄鋼プラントで、製鋼された鋼塊(インゴット)は、圧延工程等を経て所要の形状および長さとされる。この工程の実施に際して予め前記鋼塊は、その圧延を容易かつ効率的になすため1000℃以上の規定温度に予熱される。
【0003】
前記予熱は、例えば図3に示すような均熱炉30を使用することでなされている。前記均熱炉30は、基本的に加熱をなす加熱機構32および鋼塊12が載置される炉本体40からなる。そして前記加熱機構32は、固形物燃料SFを貯留する貯留・供給タンク34、圧送するブロア36およびその供給管20と、図示しない燃料タンクに連通されたバーナー22とから構成されている。また前記炉本体40は、必要に応じてその上方が開口し、加熱すべき鋼塊12が整列して載置されるように構成され、炉として機能するための、温度計、炉圧計および煙道等(図示せず)が設けられている。なお前記バーナー22は、前記鋼塊12を加熱するための主たる加熱手段であり、一般的な重油バーナーが使用されている。ここで前記バーナー22には、供給された重油(C重油)を予熱空気と混合・噴射し、着火するためのバーナーブロアおよびイグニッションロッド等の各種機器(図示せず)が配設されている。
【0004】
その先端部20aから前記固形物燃料SFを吐出・供給する前記供給管20は、バーナー22によって発生されるバーナー炎Fの噴射軸線に対して、約45°の角度で沿って該固形物燃料SFを吐出・供給するように配置されている。そしてバーナー炎Fに対して、計算された所要量の固形物燃料SFを制御下に供給し、該固形物燃料SFを熱源の一部として利用するようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしこのように前記固形物燃料SFを供給する場合、図4に示す如く、該固形物燃料SFがバーナー炎Fを通過して均熱炉30の炉床に至って殆ど燃焼されず、熱源として好適に利用されない場合があった。この場合、計算通りに前記固形物燃料SFを熱源として利用できなくなるため、前記鋼塊12の予熱が不充分となったり、これに対応するためC重油の消費量が増大してしまう問題が生ずる。更に完全燃焼に至らなかった前記固形物燃料SFが、炉本体40内の雰囲気温度によって燃焼制御が困難な可燃性ガスとなるため炉内温度等の制御が困難となる点や、これが炉本体40内に付着してその耐熱度を低下させる等の点が問題として指摘されている。
【0006】
殊にここで記載した均熱炉の場合、その炉本体40内部に予熱すべき多数の鋼塊12をより均一に予熱する必要性から、前記バーナー22はそのバーナー炎Fを水平に噴射する、所謂横型の構造となっている。このためバーナー22に対して固形物燃料SFを供給する際に、重力が影響して前記固形物燃料SFがバーナー炎Fを通過してしまう問題が大きく顕在化することになる(図4参照)。また前記バーナー炎F内で好適に燃焼に供される固形物燃料SFについても、重力によって該バーナー炎F中に均質に分散しつつ燃焼されているとは言い難い。すなわち前記均熱炉30の位置によって温度に偏りが発生してしまい、その結果、鋼塊12に施される予熱処理が不均質な状態となってしまう。
【0007】
これに対して、下記の[特許文献1]に記載の発明「ロータリーキルンにおける可燃性廃棄物の燃焼方法とその装置」に、バーナー炎に対して平衡に可燃性廃棄物を導入する吹き込みノズルが設けられた構造が開示されている。しかしこの構成の場合、主燃料バーナーと、可燃性廃棄物吹き込みノズルとが隣接しているため、該ノズルが常に熱を伝導させてしまい、その内部を移送される可燃性廃棄物が半溶融または熱硬化して詰まったり、バーナー炎Fだけで直接燃焼されるため不完全燃焼となって充分に発熱しない問題や、更には該ノズルがバーナー炎によって高温腐食されてしまう問題がある。
【特許文献1】特開2003−294213号公報
【0008】
すなわち本発明は、従来の技術に内包する問題に鑑み、これらを好適に解決すべく提案されたものであって、燃焼性と加熱に係る均質性とを高め、かつ燃料コストを低減し得る固形物燃料の供給機構および供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
バーナーが発生させるバーナー炎に固形物燃料を供給する供給機構において、
前記固形物燃料を吐出・供給する供給管は、その先端部が前記バーナー炎Fの外縁から所要距離離間し、かつ該固形物燃料をバーナー炎Fの噴射軸線に対し、その噴射に沿うように1〜30°の角度で供給し得るように配設されていることを要旨とする。
【0010】
従って、請求項1に係る発明によれば、バーナー炎Fに対して効率的に固形物燃料を吐出・供給し得るので、該固形物燃料の燃焼性を高めて発熱量を向上させると共に、その均質性を高め得る。更に重油等の燃料コストを低減し得る。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記供給管は、前記固形物燃料をバーナー炎Fに対して下方から供給するように配置されていることを要旨とする。従って、請求項2に係る発明によれば、より固形物燃料の燃焼性を高め得る。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記供給管は、前記先端部から吐出・供給される固形物燃料が、バーナー炎Fにおいてその全長の半分よりバーナー)側の領域を指向するように配置されることを要旨とする。従って、請求項3に係る発明によれば、固形物燃料の可燃焼時間が長くし得るため、該固形物燃料の燃焼性が向上し、発熱の均質性も高くなる。
【0013】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項4に記載の発明は、
バーナーが発生させるバーナー炎に固形物燃料を供給する方法において、
前記固形物燃料は、前記バーナー炎Fの外縁から離間した位置から、該バーナー炎Fの噴射に沿うと共に、噴射軸線に対して1〜30°の角度となるように供給されることを要旨とする。
【0014】
従って、請求項4に係る発明によれば、バーナー炎Fに対して効率的に固形物燃料を吐出・供給し得るので、該固形物燃料の燃焼性を高めて発熱量を向上させると共に、その均質性を高め得る。更に重油等の燃料コストを低減し得る。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記固形物燃料の供給は、前記バーナー炎Fに対して下方からなされることを要旨とする。従って、請求項5に係る発明によれば、より固形物燃料の燃焼性を高め得る。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、前記固形物燃料の供給は、送風による圧送によってなされることを要旨とする。従って、請求項6に係る発明によれば、固形物燃料の効率的かつ定量的な供給が可能となる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記固形物燃料の圧送圧力は、前記バーナー炎Fの噴射圧力より高く設定されることを要旨とする。従って、請求項7に係る発明によれば、バーナー炎Fに対して効率的に固形物燃料を吐出・供給し得るので、更に固形物燃料の燃焼性を高め得る。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項4〜7の何れかに記載の発明において、前記固形物燃料は、バーナー炎Fにおいてその全長の半分よりバーナー側の領域に吐出されることを要旨とする。従って、請求項8に係る発明によれば、固形物燃料の可燃焼時間が長くし得るため、該固形物燃料の燃焼性が向上し、発熱の均質性も高くなる。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項4〜8の何れかに記載の発明において、前記固形物燃料として、粉砕された廃プラスチック片が使用されることを要旨とする。従って、請求項9に係る発明によれば、固形物燃料の調達性が向上すると共に、運用コストを更に小さなものとし得る。
【発明の効果】
【0020】
以上に説明した如く、本発明に係る固形物燃料の供給機構および供給方法によれば、固形物燃料SFの燃焼性を高めると共に、バーナーによる加熱領域の加熱の均質性を高め、そのコストを低減させ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明に係る固形物燃料の供給機構および供給方法について、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、図3を参照して説明した従来の技術に既出の同一部材については、同一の符号を付して示すものとする。また本実施例では均熱炉を例として説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、一般的な加熱炉等にも採用可能である。
【0022】
本発明の好適な実施例に係る固形物燃料の供給機構を備える均熱炉10は、基本的には従来技術で説明した均熱炉30と同様の構成となっている。具体的には、図1および図2に示す如く、固形物燃料SFを貯留する貯留・供給タンク34、圧送するブロア36およびその供給管20と、図示しない燃料タンクに連通されたバーナー22とから構成されて加熱をなす加熱機構32並びに被加熱体である鋼塊12が載置される炉本体40とからなる。また前記炉本体40には、前記均熱炉30と同様に温度計、炉圧計および煙道等(図示せず)が設けられている。
【0023】
本実施例において前記固形物燃料SFとしては、その発熱量が高く、かつ大量調達が容易で、更に安価である自動車廃材のシュレッダーダストに代表される廃プラスチック材が使用されている。またその性状は、燃焼性を高めるため、8mm前後の細片に粉砕されている。一般にプラスチックは、その発熱量が9,000〜11,000kcal/kgと、他の一般雑芥系に較べて2倍以上であり、主燃料たるC重油等と比較しても遜色がない高カロリーな熱源物質である。またシュレッダーダスト等は、その嵩密度も高いため、本発明の如き供給管20による逐次投入であっても、単位体積当たりでの高い熱供給が可能であり、また取り扱いも容易である。そして細片の大きさは、余りに小さいと瞬時に完全燃焼して炉本体40内の均熱性が低下したり、バーナー炎F内への投入が不安定となる問題があり、一方大きいと燃焼性が悪化し、前記ブロア36による移送およびバーナー炎F内への投入等が困難となるため、5〜10mm程度が好適である。
【0024】
なおここでは廃プラスチック材を例に挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、一般的に市場に流通している固形性状の燃料であって、供給管20によって吐出・供給可能な形状に加工できる物質であれば、何れのものでも基本的に採用し得る。そして本実施例においては、予め炉本体40内に載置される鋼塊12の予熱に必要と計算された熱量のうちの30%を固形物燃料SFで賄うべく、その熱量から算出された量の該固形物燃料SFが前記供給管20によって吐出・供給されている。
【0025】
前記供給管20は、下方側から前記バーナー22によって発生されるバーナー炎Fの噴射軸線に対して5°の角度で、かつその噴射に沿って前記固形物燃料SFを吐出・供給(バーナー炎Fに対して投入)し得るように設けられている。この角度については、1〜30°の範囲、好適には5〜15°の範囲に設定されている。この角度が1°未満であると、前記供給管20から吐出・供給される固形物燃料SFが、前記バーナー炎F内に好適に投入されないため、燃焼性が良好とならず、計算された発熱量の達成が困難となる。一方30°を超えると、バーナー炎Fに対して、吐出・供給された固形物燃料SFが、該バーナー炎Fを通過してしまい、その結果、該固形物燃料SFが燃え残ってしまって計算された熱量が発生しなくなってしまう。また前述の角度が5〜15°の範囲の場合においては、前記供給管20の取付位置(バーナー炎Fに対して固形物燃料SFを下方から供給可能な位置)や、後述([0034])する固形物燃料SFの吐出・供給の速度等に拘わらず、好適に固形物燃料SFを該バーナー炎F中に投入可能であることが経験的に確認されている。
【0026】
また前記固形物燃料SFを、その下方側からバーナー炎Fに投入することで、該固形物燃料SFに下向きの力(重力)を作用させ得る。従って、前述([0023])の角度が大きい場合や、後述([0034])する固形物燃料SFの吐出・供給の速度が大きい場合であっても、該固形物燃料SFをバーナー炎F中に好適に投入して、高い燃焼性を容易に確保し得る。勿論、後述([0034])の固形物燃料SFの吐出・供給の速度等の調整によって、前記バーナー炎Fに対して、固形物燃料SFを上方から吐出・供給可能なように、前記供給管20を配置してもよい。
【0027】
また前記供給管20は、その先端部20aが前記バーナー炎F内に位置しないようにされている。この際の前記バーナー炎Fの外縁からの離間距離は、少なくとも0.5m以上に設定されている。この距離が0.5m未満であると、前記供給管20にバーナー炎Fの熱が直接的に伝導し、該供給管20を介して吐出・供給される固形物燃料SFが、該供給管20内で半溶融や熱硬化等を起こして詰まったり、該供給管20がバーナー炎Fに直接接触して高温腐食を起こす虞がある。
【0028】
この他、前記バーナー炎Fは、燃料たるC重油の圧送・噴射や、予熱空気の供給によって、炉本体40内部に非常に複雑な流れを形成する。そのため前記先端部20aをバーナー炎Fの外縁から離間させることで、この複雑な流れに好適に伴流させることが可能となる。この結果、前記固形物燃料SFの該バーナー炎Fによる燃焼時間をより多く確保し得る。従って、前記固形物燃料SFの燃焼性を向上させて、その発熱量を好適に発現させる効果も奏する。
【0029】
更に前記供給管20は、その先端部20aから吐出・供給される前記固形物燃料SFが、バーナー炎Fにおける根本側、すなわちその全長の半分よりバーナー22側の領域を指向するように配置されている。このような配置とすることで、前記固形物燃料SFを前述([0028])した伴流に、より長時間晒すことが可能となり、その結果、燃焼性の向上が達成されている。
【0030】
また本実施例において前記供給管20は、炉本体40にバーナー炎Fの燃焼状態を外部から目視等で確認するための、所謂覗き窓14,14を利用することで炉本体40内部に挿入的に設けられている(図2参照)。この覗き窓14,14は一般的な加熱設備には通常的に設けられている設備であるので、該覗き窓14,14を使用することで既設・旧式の均熱炉および加熱炉等に本発明に係る固形物燃料の供給機構を容易かつ安価に設けることが可能となっている。この他、一般に前記覗き窓14以外にも、バーナー22が配置される炉壁には、バーナー炎Fの噴射軸線を中心軸とした円周上に複数個の空気孔(図示せず)が設けられているため、これを該覗き窓14と同様に利用することで、前記供給管20を配置することも可能である。
【0031】
(固形物燃料の供給方法)
以下に本実施例に係る固形物燃料の供給方法を説明する。基本的に、均熱炉10を使用しての鋼塊12の予熱方法については、公知の方法と同様であるため、その詳細な説明については省略する。また固形物燃料SFの供給を実施するにあたり、前記均熱炉10の炉本体40内には、複数の鋼塊12が既に予熱可能な状態に載置されているものとする。
【0032】
先ず前記バーナー22を点火することで、炉本体40内部の温度を800℃程度まで加熱する。そしてこの温度に至った段階で、前記固形物燃料SFを供給管20を介してバーナー炎Fに対して投入開始する。このとき前記固形物燃料SFは、前記先端部20aからバーナー炎Fに至るまでの間に、その一部がガス化する。これは前記固形物燃料SFが、容易に完全燃焼に至る、すなわち燃焼性が大きな向上を意味する。
【0033】
本発明に係る固形物燃料の供給方法において前記固形物燃料SFは、本発明に係る供給機構の利用により、所定の重油噴射量(熱量)に設定されているバーナー22で発生したバーナー炎F内へ投入される。その際の吐出・供給角度および位置は、前記供給管20の配置位置に応じて、前記バーナー炎Fの外縁から少なくとも0.5m以上離間した位置から、該バーナー炎Fの噴射に沿うと共に、噴射軸線に対して1〜30°の角度となるように吐出・供給される。
【0034】
そしてこの吐出・供給は、(a)その吐出・供給に係る量的制御が容易な、空気送風による圧力的な移送(圧送)で実施され、(b)その根本側、すなわち該バーナー炎Fの噴射軸線に沿った全長におけるバーナー22側半分の領域に対して行なわれる。ここで(a)の固形物燃料SFの圧送については、その圧力が前記バーナー22に燃焼等に供するために供給される予熱空気の供給圧力より大となるように設定される。この圧力設定によって、炉本体40内に吐出・供給された固形物燃料SFは、好適にバーナー炎F内に投入され、高い燃焼性を達成する。なお本実施例において、定常状態(1,300℃時(後述[0035]))における予熱空気等の供給圧力は7.00kPa(700mmAq)であり、前記ブロア36の圧送圧力は9.81kPa(981mmAq)とされている。
【0035】
そして前記固形物燃料SFの制御された吐出・供給により、前記炉本体40内の温度は、例えば1,300℃以上とされ、所要時間保持されて前記鋼塊12の予熱がなされる。前記固形物燃料SFの吐出・供給開始後の温度調整は、バーナー22によるC重油による発熱量と、該固形物燃料SFによる発熱量との双方の調整によって達成される。ここで前記発熱量の調整は、前記バーナー22については、C重油の噴射圧力の調整による供給量の制御によってなされ、前記固形物燃料SFについては、ブロア36の圧送圧力の調整による供給量の制御によってなされる。
【0036】
この際、本発明に係る固形物燃料の供給方法では、該固形物燃料SFの燃焼性が高く、その略全量が好適に熱へ変換されるため、その発熱量は吐出・供給量から容易に算出可能となっている。このため前述の発熱量の調整も容易に可能である。この固形物燃料SFに関する発熱量の正確な把握により、総発熱量に対する固形物燃料SFの寄与率(本実施例では30%)、すなわちC重油の使用量の低減率の算出や、変更も容易に可能となっている。この他、燃焼性の向上により、前記固形物燃料SFの略全量が燃焼するため、予熱すべき鋼塊12に該固形物燃料SFの不完全燃焼物が付着したりする事態を好適に回避し得る。また本実施例では、バーナー22の燃料としてC重油を説明しているが、その燃料および対応バーナーはこれに限定されるものではなく、他の液体燃料、ガスまたは固体燃料の何れであったも、制御下にバーナー炎を発生させて、温度制御可能なものであれば使用可能である。
【0037】
なお本実施例では、所謂横型の均熱炉について説明しているが、本発明は殊に横型に限定されるものではなく、上方から下方(または下方から上方)に向けてバーナー炎を発生させるべくバーナーが配置された、所謂縦型の炉についても好適に採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の好適な実施例に係る固形物燃料の供給機構を備える均熱炉を一部切り欠いて示す概略図である。
【図2】図1における供給管近傍を拡大して固形物燃料の動きを示す概略図である。
【図3】従来技術に係る固形物燃料の供給機構を備える均熱炉を一部切り欠いて示す概略図である。
【図4】図3における供給管近傍を拡大して固形物燃料の動きを示す概略図である。
【符号の説明】
【0039】
22 バーナー
20 供給管
20a 先端部
F バーナー炎
SF 固形物燃料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナー(22)が発生させるバーナー炎(F)に固形物燃料(SF)を供給する供給機構において、
前記固形物燃料(SF)を吐出・供給する供給管(20)は、その先端部(20a)が前記バーナー炎(F)の外縁から所要距離離間し、かつ該固形物燃料(SF)をバーナー炎(F)の噴射軸線に対し、その噴射に沿うように1〜30°の角度で供給し得るように配設されている
ことを特徴とする固形物燃料の供給機構。
【請求項2】
前記供給管(20)は、前記固形物燃料(SF)をバーナー炎(F)に対して下方から供給するように配置されている請求項1記載の固形物燃料の供給機構。
【請求項3】
前記供給管(20)は、前記先端部(20a)から吐出・供給される固形物燃料(SF)が、バーナー炎(F)においてその全長の半分よりバーナー(22)側の領域を指向するように配置される請求項1または2記載の固形物燃料の供給機構。
【請求項4】
バーナー(22)が発生させるバーナー炎(F)に固形物燃料(SF)を供給する方法において、
前記固形物燃料(SF)は、前記バーナー炎(F)の外縁から離間した位置から、該バーナー炎(F)の噴射に沿うと共に、噴射軸線に対して1〜30°の角度となるように吐出・供給される
ことを特徴とする固形物燃料の供給方法。
【請求項5】
前記固形物燃料(SF)の供給は、前記バーナー炎(F)に対して下方からなされる請求項4記載の固形物燃料の供給方法。
【請求項6】
前記固形物燃料(SF)の供給は、送風による圧送によってなされる請求項4または5記載の固形物燃料の供給方法。
【請求項7】
前記固形物燃料(SF)の圧送圧力は、前記バーナー炎(F)の噴射圧力より高く設定される請求項6記載の固形物燃料の供給方法。
【請求項8】
前記固形物燃料(SF)は、バーナー炎(F)においてその全長の半分よりバーナー(22)側の領域に吐出される請求項4〜7の何れかに記載の固形物燃料の供給方法。
【請求項9】
前記固形物燃料(SF)として、粉砕された廃プラスチック片が使用される請求項4〜8の何れかに記載の固形物燃料の供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−329486(P2006−329486A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−151638(P2005−151638)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(000003713)大同特殊鋼株式会社 (916)
【Fターム(参考)】