説明

圧力制御装置

【課題】簡単な設備構成により、正圧及び負圧のいずれの圧力も付与することが可能な圧力制御装置を提供すること。
【解決手段】排気通路領域23は、給気通路領域21と排気ポート14とを繋ぐ分岐通路領域24を備えている。分岐通路領域24は、給気通路領域21から分岐させて形成されており、さらに負圧発生用領域25を備えている。負圧発生用領域25にはノズル31が形成されているとともに吸引空間34が形成されている。吸引空間34には排気用電磁弁17側に分岐させて吸引通路領域36が形成されている。給気通路領域21から負圧発生用領域25に分流された作動エアがノズル31を通過することで吸引空間34内が減圧され、吸引通路領域36側に負圧が付与されることとなる。そして、排気用電磁弁17が開制御されている場合には出力ポート15に負圧が付与されることとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動気体を利用して圧力を付与するとともに、正圧及び負圧のいずれの圧力も付与することが可能な圧力制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置の薬液使用工程においては、ポンプを利用してフォトレジスト液等の薬液を半導体ウェハに所定量ずつ塗布するようにし、さらにポンプにおける薬液の吸入動作及び吐出動作を作動エアにより行うようにする構成が知られている。
【0003】
例えば特許文献1では、薬液を充填するためのポンプ室と、作動エアが流通する作動室と、を仕切るようにダイアフラムを有するポンプが用いられ、作動室にレギュレータからエアを供給してダイアフラムをポンプ室側に変形させて、薬液を吐出させる構成が開示されている。また、当該特許文献1では、ポンプに真空源を接続し、当該真空源によりポンプに負圧を付与することで、ポンプ室の容積を大きくし、薬液を吸引するようにしている。このように真空源を利用して積極的に負圧を付与することで、スプリング等をポンプ内に装備しなくてもポンプ室の容積を大きくする際の作動量を十分に確保することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−46284
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ポンプでの薬液の吸引のためだけに真空源といった負圧源を用いるのは設備が複雑又は大型なものとなるし、コストも高くなってしまう。
【0006】
なお、以上の問題は、薬液供給用の圧力制御に係る構成に限定された問題ではなく、作動気体を利用して圧力を付与するとともに、正圧及び負圧のいずれの圧力も付与することが可能な他の圧力制御に係る構成においても同様に発生する問題である。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、簡単な設備構成により、正圧及び負圧のいずれの圧力も付与することが可能な圧力制御装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記課題を解決するための手段、及び作用効果について記載する。
【0009】
第1の発明の圧力制御装置は、制御対象に作動気体を流通させることにより当該制御対象に付与する圧力を制御する構成において、供給源から供給された圧縮気体を正圧用通路により前記制御対象に向けて導くことで当該制御対象に正圧を付与する正圧付与手段と、前記制御対象から作動気体を吸引することで当該制御対象に負圧を付与する負圧付与手段と、を備え、当該負圧付与手段は、前記供給源からの圧縮気体を前記正圧用通路による供給先とは異なる位置へと導く負圧用通路を有するとともに当該負圧用通路に設けられたノズルにより圧縮気体の流れを絞り当該圧縮気体の通過速度を高速化させることで当該負圧用通路内を減圧させ前記制御対象から作動気体を吸引するエジェクタを備えていることを特徴とする。
【0010】
本構成によれば、負圧付与手段は、エジェクタを利用して負圧を付与するとともに、当該エジェクタにおいて負圧を付与するための作動気体は、正圧付与手段において正圧を付与するために設けられた供給源から供給される。これにより、正圧を付与するための供給源において負圧源の機能も果たされるため、設備が複雑又は大型なものとなることはなく、さらにコストを抑えられる。よって、簡単な設備構成により、正圧及び負圧のいずれの圧力も付与することが可能となる。
【0011】
第2の発明の圧力制御装置は、第1の発明の圧力制御装置において、前記正圧用通路が形成されたハウジングに前記エジェクタが設けられているとともに、前記ハウジングには前記エジェクタを通過した圧縮気体及び作動気体を当該ハウジングの外部に排出する排出ポートが設けられており、当該排出ポートには排出音を消音させる消音手段が設けられていることを特徴とする。
【0012】
本構成によれば、エジェクタがハウジングに設けられていることにより、ハウジングの外部にエジェクタが設けられる構成に比べ、圧力制御装置の機能をハウジングに集約することが可能となり、設置作業などの作業性が向上する。但し、ハウジングにエジェクタが設けられた構成においては、ハウジングからの排気音の影響が大きくなる。これに対して、排出ポートには消音手段が設けられているため、排気音の影響を抑えることが可能となり、エジェクタのハウジングへの一体化を好適に実現することが可能となる。
【0013】
第3の発明の圧力制御装置は、第1又は第2の発明の圧力制御装置において、前記正圧用通路が形成されたハウジングに前記エジェクタが設けられており、前記正圧付与手段は、前記正圧用通路から前記制御対象への圧縮気体の供給を阻止又は許容する正圧用遮断弁を備えており、前記供給源からの圧縮気体を前記ハウジング内に導く供給ポートから連続するハウジング内通路を、前記正圧用遮断弁よりも上流側の位置にて分岐させることで、前記正圧用通路と前記負圧用通路とが形成されていることを特徴とする。
【0014】
本構成によれば、正圧を付与するための供給源を負圧源として利用する構成において、供給源からの作動気体をハウジング内に導くための供給ポートを1個に集約することが可能となる。よって、構成の簡素化が図られる。
【0015】
なお、圧縮気体の流れを阻止又は許容する遮断弁を負圧用通路においてノズルよりも上流側に設けないとしても、負圧用通路にはノズルが設けられており当該ノズルにより圧縮気体の流れは絞られるため、負圧用通路に圧縮気体を分流するようにしたことで生じる正圧用通路側の減圧分を小さく抑えることが可能となる。そして、このような減圧分を補う上では、供給源から供給する圧縮気体の圧力を僅かに増加させるだけでよいため、正圧を付与するための圧縮気体の圧力の調整も行い易くなる。
【0016】
第4の発明の圧力制御装置は、第3の発明の圧力制御装置において、前記ハウジングの第1の外周部に、前記供給ポートが設けられているとともに、前記ハウジングにおいて当該第1の外周部とは異なる方向を向く第2の外周部に、前記エジェクタを通過した作動気体を前記ハウジングの外部に排出する排出ポートが設けられており、前記供給ポート及び前記排出ポートを繋ぐようにして前記負圧用通路が形成されていることを特徴とする。
【0017】
エジェクタにおいて負圧の付与を良好に行うためには負圧用通路はある程度の長さの直線状領域が必要となる。この場合に、第1の外周部に設けられた供給ポートと第2の外周部に設けられた排出ポートとを繋ぐように負圧用通路を設けることで、同一の外周部に供給ポート及び排出ポートを設ける構成に比べて、ハウジング内の通路構成の簡略化を図ることが可能となる。
【0018】
第5の発明の圧力制御装置は、第1乃至第4のいずれか1の発明の圧力制御装置において、制御対象に通じる出力ポートに連通させて設けられたフィードバック室に対して容積可変部材で仕切られるようにしてパイロット室が形成されており、前記パイロット室内の作動気体の圧力を調整することで、当該パイロット室内の作動気体の圧力と前記フィードバック室内の作動気体の圧力との偏差に基づいて前記容積可変部材を駆動させて、前記正圧付与手段による前記出力ポートへの正圧の付与又は前記負圧付与手段による前記出力ポートへの負圧の付与を行わせる制御部と、前記負圧用通路と前記出力ポートとを連通させるように設けられ、前記ノズルを前記圧縮気体が通過することにより生じる負圧を前記出力ポートに付与するための通路と、前記負圧用通路と前記パイロット室とを連通させるように設けられ、前記ノズルを前記圧縮気体が通過することにより生じる負圧を前記パイロット室に付与するための通路と、を備えていることを特徴とする。
【0019】
パイロット室及びフィードバック室を利用して制御対象に付与する圧力を制御することで、緻密な圧力制御が可能となる。この場合に、正圧を付与するための供給源において制御対象に負圧を付与するための負圧源の機能だけでなく、パイロット室に負圧を付与するための負圧源の機能も果たされるため、設備が複雑又は大型なものとなることはなく、さらにコストを抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施の形態における電空レギュレータの横断面図である。
【図2】薬液供給システムの全体回路を示す回路説明図である。
【図3】第2の実施の形態における電空レギュレータの横断面図である。
【図4】第3の実施の形態における電空レギュレータの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1の実施の形態>
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態では、半導体装置等の薬液供給システムにて使用される圧力制御装置について具体化している。先ずは吐出ポンプに付与する圧力を制御するための圧力制御装置として設けられた電空レギュレータ10について図1に基づいて説明する。図1は電空レギュレータ10の所定の高さ位置における横断面図である。
【0022】
電空レギュレータ10は、直方体状のハウジング11を備え、当該ハウジング11の内部には、作動エアが流通する流体通路12が形成されている。流体通路12は、ハウジング11の所定の側壁部11aにおいて横並びで形成された給気ポート13及び排気ポート14において外部に連通されているとともに、所定の側壁部11aとは反対側の側壁部11bに形成された出力ポート15において外部に連通されている。
【0023】
なお、給気ポート13及び出力ポート15には配管を接続するための継手が設けられている。また、複数のブロックを結合させてハウジング11を構成していることにより流体通路12が形成されているが、図1では説明の便宜上、ブロック間の境界を省略する。
【0024】
ハウジング11には、給気ポート13から続く流体通路12の給気通路領域21と、出力ポート15から続く流体通路12の出力通路領域22とを、連通状態と遮断状態との間で切り換えるための給気用電磁弁16が設けられている。給気用電磁弁16は、図示しない弁室と、給気通路領域21から弁室へと続く入力通路部16aと、弁室から出力通路領域22へと続く出力通路部16bと、を備えている。そして、給気用電磁弁16は開制御されている間だけ給気通路領域21と出力通路領域22とを連通状態とし、給気ポート13から流入した圧縮エア(すなわち圧縮された作動エア)の出力ポート15からの流出を可能とする。
【0025】
なお、入力通路部16aと出力通路部16bとは高さ方向に延びており、給気通路領域21と出力通路領域22とが連通する位置は、図1の高さ位置よりも高い位置となっている。また、給気通路領域21が正圧用通路に相当するとともに、給気用電磁弁16が正圧用遮断弁に相当し、さらには給気通路領域21及び給気用電磁弁16の組み合わせが正圧付与手段に相当する。
【0026】
また、ハウジング11には、上記出力通路領域22と、排気ポート14から続く流体通路12の排気通路領域23とを、連通状態と遮断状態との間で切り換えるための排気用電磁弁17が設けられている。排気用電磁弁17は、図示しない弁室と、出力通路領域22から弁室へと続く入力通路部17aと、弁室から排気通路領域23へと続く出力通路部17bと、を備えている。そして、排気用電磁弁17は開制御されている間だけ出力通路領域22と排気通路領域23とを連通状態とし、作動エアの出力ポート15側からの吸引を可能とする。
【0027】
なお、入力通路部17aと出力通路部17bとは高さ方向に延びており、出力通路領域22と排気通路領域23とが連通する位置は、図1の高さ位置よりも高い位置となっている。また、排気通路領域23及び排気用電磁弁17の組み合わせが負圧付与手段に相当する。
【0028】
ここで、排気通路領域23は、給気通路領域21と排気ポート14とを繋ぐようにして形成された分岐通路領域24を備えている。負圧用通路としての分岐通路領域24は、給気通路領域21において給気用電磁弁16に連通された箇所よりも上流側から分岐させて形成されている。分岐通路領域24は、給気通路領域21に対して複数のコーナー部を介して連続するとともに、排気ポート14に対して同一軸線上となるように形成された負圧発生用領域25を備えている。
【0029】
負圧発生用領域25の途中位置には、通路断面を小さくするようにしてノズル31が形成されている。なお、ノズル31は金属製の部材をハウジング11に固定することにより形成されているが、ハウジング11に一体形成されていてもよい。
【0030】
また、負圧発生用領域25は、ノズル31よりも下流側に、当該ノズル31よりも通路断面が大きく且つ通路断面が流路方向に亘って一定であり、さらには曲がりなく形成されたストレート部32を備えているとともに、当該ストレート部32に対して下流側にて連続するように形成され、下流側に向けて通路断面を連続的に大きくさせるテーパ部33を備えている。ノズル31とストレート部32との間には吸引空間34が形成されており、さらに当該吸引空間34に形成された吸引口35から排気用電磁弁17側に分岐させて、排気通路領域23の一部を構成する吸引通路領域36が形成されている。なお、吸引通路領域36にフィルタが設けられていてもよい。
【0031】
上記のように負圧発生用領域25及び吸引通路領域36が形成されていることにより、排気通路領域23にはエジェクタ37が設けられた状態となる。つまり、給気通路領域21から負圧発生用領域25に分流された圧縮エアは、ノズル31を通過する際には絞られることでそれよりも上流側に比べて流量が減少する反面、通過速度は高速化される。高速化された圧縮エアは噴射流体として吸引空間34を通過することで吸引空間34内が減圧され、吸引通路領域36側に負圧が付与されることとなる。そして、排気用電磁弁17が開制御されている場合には、吸引通路領域36及び出力通路領域22を介して出力ポート15の外部に負圧が付与されることとなる。
【0032】
吸引通路領域36を介して吸引空間34に吸引された作動エアは、給気通路領域21からノズル31を通過した圧縮性の作動エアとストレート部32にて混合される。さらにその混合された作動エアは、テーパ部33及びそれに続く拡張領域がディフューザとして機能することで、速度エネルギが圧力エネルギに変換される。
【0033】
テーパ部33を通過した作動エアは、排気ポート14を通じてハウジング11の外部に排気される。この場合に、排気ポート14には消音手段としてサイレンサ38が装着されている。サイレンサ38は、排気ポート14の延長先側が閉塞されている代わりに、内部通路の周壁に当該内部通路をハウジング11外部に開放させる貫通孔が多数形成されており、さらに当該内部通路の周壁にはグラスウール等の吸音材が設けられている。これにより、排気音の圧力波が減衰される。但し、これに限定されることはなく、例えばサイレンサ38内部を仕切ることで、当該サイレンサ38内を通過する作動エアが膨張及び収縮を繰り返すことで音の圧力波を減衰させる方式を採用してもよい。サイレンサ38が設けられていることにより、排気ポート14からの排気音を消音することが可能となる。
【0034】
次に、以上の構成の電空レギュレータ10を使用した薬液供給システムの全体構成を、図2の回路図に基づいて説明する。
【0035】
電空レギュレータ10の給気ポート13には供給配管41の一端が接続され、供給配管41の他端は供給源42に接続されている。また、前記給気用電磁弁16は演算回路43により開閉が制御される。そして、給気用電磁弁16が開状態とされると、供給源42にて加圧された圧縮エアが給気ポート13及び給気通路領域21を介して出力通路領域22に至る。また、前記排気用電磁弁17も演算回路43により開閉が制御される。そして、排気用電磁弁17が開状態とされると、排気通路領域23がエジェクタ37として機能することで、給気ポート13に供給されている圧縮エアの流通を通じて、出力通路領域22の作動エアが吸引される。
【0036】
出力通路領域22から分岐させて検出通路44が設けられており、その検出通路44には検出手段としての圧力センサ45が設けられている。圧力センサ45は負圧も検出可能な連成圧センサで構成されている。そして、この圧力センサ45によって検出通路44内、すなわち出力通路領域22内の作動エアの圧力が検出され、その検出信号が演算回路43に出力される。演算回路43は、圧力センサ45からの検出信号がフィードバック信号として入力されると、コントローラ70から出力された第1指令信号(設定圧信号)とフィードバック信号(センサ検出信号)とを比較し、その偏差量により、出力通路領域22における作動エアの圧力が第1指令信号の設定圧にしたがった圧力となるように給気用電磁弁16又は排気用電磁弁17を開状態とする時間をそれぞれ制御する。これにより、出力通路領域22につながった出力ポート15における作動エアの圧力が設定圧に調圧されるとともに、その設定圧が一定に維持される。
【0037】
出力ポート15には作動エア配管46の一端が接続され、作動エア配管46の他端は吐出ポンプ51の給排ポートに接続されている。吐出ポンプ51はその内部構造を図示しないものの、その内部には空間が形成されている。その内部空間はダイアフラム等の可撓性膜により、空気圧が作用する作動室と薬液が満たされるポンプ室とに区画されている。そして、可撓性膜を反ポンプ室側に変形させた状態(ポンプ室の容積が拡張し薬液を充満した状態)で、電空レギュレータ10により作動室内の作動エアの圧力を制御して可撓性膜をポンプ室側に変化させる(ポンプ室の容積が縮小する)と、ポンプ室から薬液が吐出される。
【0038】
吐出ポンプ51の薬液吸入側に設けられた図示しない吸入ポートには、途中に吸入側遮蔽弁としての吸入側制御弁52を設けた吸入配管53の一端が接続され、吸入配管53のもう一端はレジストボトル54の薬液としてのレジスト液R内に導かれている。吸入側制御弁52は、エアオペレイトバルブにて構成され、非作動時に閉じるように構成されている。吸入側制御弁52は、2位置3ポート型の電磁切換弁よりなる切換弁55にて駆動される。切換弁55は、電磁ソレノイド及びそのソレノイドを動作させる回路からなる電磁切換部55aを備え、当該電磁切換部55aはコントローラ70にてON/OFF制御される。そして、電磁切換部55aのOFF時には、切換弁55を大気開放に切り換え、吸入側制御弁52を閉状態にする。一方、電磁切換部55aのON時には、吸入側制御弁52と供給源56とを圧力制御弁57を介して接続する。つまり、供給源56にて加圧された作動エアが圧力制御弁57により所定圧に調整され、その所定圧の作動エアが吸入側制御弁52に供給される。これにより、吸入側制御弁52が閉状態から開状態に切り換えられ、レジスト液Rが吐出ポンプ51側に供給可能な状態となる。
【0039】
吐出ポンプ51の薬液吐出側に設けられた図示しない吐出ポートには、途中に吐出側遮断弁としての遮断弁58を設けた吐出配管59の一端が接続されている。遮断弁58は、コントローラ70の制御により開閉されるように構成されている。つまり、遮断弁58は、非駆動時には閉状態となっており、駆動されて開状態になると、吐出ポンプ51からレジスト液Rが吐出可能な状態となる。そして、吐出配管59のもう一端は先端ノズルとされている。先端ノズルは、下方に指向されるとともに、回転板60上に載置された半導体ウェハ61の中心位置にレジスト液Rが滴下されるように配置されている。
【0040】
以上より、レジストボトル54内のレジスト液Rは、吸入配管53、吐出ポンプ51内のポンプ室及び吐出配管59を介して、吐出配管59の先端ノズルに至る流路に沿って導かれるようになっている。
【0041】
前記切換弁55、遮断弁58及び電空レギュレータ10は、制御部を構成するコントローラ70により制御される。コントローラ70には、外部から薬液供給システムの開始や停止、各設定等に応じた入力信号が入力されている。そして、コントローラ70は、これら入力された各種信号に基づいて、第1〜第3指令信号を生成して出力する。以下、コントローラ70にて実行される制御について説明する。
【0042】
吸入側制御弁52が開状態、遮断弁58が閉状態となっており、吐出ポンプ51のポンプ室内にはレジスト液Rが吸入されて充填された状態において、コントローラ70は第2指令信号をONレベルからOFFレベルに立ち下げる。すると、第2指令信号に基づいて、切換弁55の電磁ソレノイドがOFFされ、吸入側制御弁52が閉状態となる。つまり、吐出ポンプ51とレジストボトル54とが遮断された状態となる。また、コントローラ70は正圧の設定圧とする第1指令信号を出力する。これにより、電空レギュレータ10はその出力圧が正圧の設定圧となるように供給源42からの圧縮エアを調圧し、その設定圧の圧縮エアが吐出ポンプ51の作動室内に導入される。これにより、作動室内の圧力が高まって、可撓性膜はポンプ室側に変形しようとし(ポンプ室の容積を縮小しようとし)、ポンプ室内のレジスト液Rを加圧する。
【0043】
次いで、コントローラ70は第3指令信号をOFFレベルからONレベルに立ち上げる。すると、第3指令信号に基づいて遮断弁58が開状態となる。この時、可撓性膜によりポンプ室内のレジスト液Rが加圧されているので、吐出ポンプ51からレジスト液Rが吐出され、吐出配管59の先端ノズルから滴下される。
【0044】
次いで、コントローラ70は、第3指令信号をONレベルからOFFレベルに立ち下げる。すると、第3指令信号に基づいて遮断弁58が閉状態となり、レジスト液Rの吐出が終了する。
【0045】
次いで、入力信号がOFFレベルに立ち下がると、コントローラ70は第2指令信号をOFFレベルからONレベルに立ち上げる。すると、第2指令信号に基づいて切換弁55の電磁ソレノイドがONされ、吸入側制御弁52が開状態となる。つまり、吐出ポンプ51とレジストボトル54とが連通された状態となる。そして、コントローラ70は第1指令信号を正圧の設定圧とする信号から負圧の設定圧とする信号に徐々に変化させる。これにより、電空レギュレータ10はその出力ポート15における圧力を負圧の設定圧となるまで単位時間に一定の圧力ずつ徐々に低下させる。それに伴い、作動室内の圧力が正圧から負圧の設定圧まで徐々に低下し、可撓性膜は反ポンプ室側へ徐々に変化する(ポンプ室の容積が徐々に拡張する)。この時、吐出ポンプ51上流側の吸入側制御弁52が開状態となっているので、レジスト液Rがポンプ室内に徐々に吸入され充填される。そして、電空レギュレータ10の出力ポート15における圧力は負圧の設定圧に維持されるから、このときまでポンプ室内にレジスト液Rを吸入する状態が維持される。
【0046】
その後、コントローラ70は第2指令信号をONレベルからOFFレベルに立ち下げ、吸入側制御弁52を閉状態として、レジスト液Rの吸入、充填を停止させる。その後、コントローラ70は上記動作を繰り返す。
【0047】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0048】
電空レギュレータ10はエジェクタ37を利用して負圧を付与するとともに、当該エジェクタ37において負圧を付与するための圧縮エアは、電空レギュレータ10において正圧を付与するために設けられた供給源42から供給される。これにより、正圧を付与するための供給源42において負圧源の機能も果たされるため、設備が複雑又は大型なものとなることはなく、さらにコストが抑えられる。
【0049】
エジェクタ37がハウジング11内に設けられていることにより、ハウジング11の外部にエジェクタ37が設けられる構成に比べ、配管などを必要としないことで、部材数の削減が図られる。また、圧力制御装置の機能をハウジング11内に集約することが可能となり、電空レギュレータ10の設置作業などの作業性が向上する。但し、ハウジング11にエジェクタ37が設けられた構成においては、ハウジング11からの排気音の影響が大きくなる。これに対して、排気ポート14にはサイレンサ38が設けられているため、排気音の影響を抑えることが可能となり、エジェクタ37のハウジング11への一体化を好適に実現することが可能となる。
【0050】
エジェクタ37の負圧発生用領域25はハウジング11内において給気通路領域21から分岐させて設けられている。これにより、供給源42からの圧縮エアをハウジング11内に導くための給気ポート13を1個に集約することが可能となる。よって、構成の簡素化が図られる。
【0051】
また、このように給気通路領域21から分岐させて負圧発生用領域25が形成された構成であっても、負圧発生用領域25にはノズル31が設けられており当該ノズル31により圧縮エアの流れは絞られるため、分岐通路領域24に圧縮エアを分流するようにしたとしても当該分岐通路領域24における負圧発生用領域25よりも上流側はある程度高圧に保持される。つまり、給気通路領域21側の圧縮エアの減圧分を小さく抑えることが可能となる。そして、このような減圧分を補う上では、供給源42から供給する圧縮エアの圧力を僅かに増加させるだけでよいため、正圧を付与するための圧縮エアの圧力の調整も行い易くなる。
【0052】
なお、上記減圧分としては、給気ポート13に150kPaの圧縮エアを供給した場合において、出力ポート15には最大で100kPaの圧縮エアを供給することができるように設定されている。また、負圧としては、例えば−100kPaを付与することができるように設定されている。
【0053】
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、電空レギュレータの構成が上記第1の実施の形態と異なっている。図3は、本実施の形態における電空レギュレータ80の所定の高さ位置における横断面図である。
【0054】
電空レギュレータ80は、直方体状をなすハウジング81の所定の側壁部81a(第1の外周部に相当)に給気ポート82が設けられているとともに、当該所定の側壁部81aとは反対側の側壁部81b(第2の外周部に相当)に排気ポート83が設けられている。これら給気ポート82及び排気ポート83は同一軸線上に配置されており、さらにハウジング81内の流体通路84の一部を構成する負圧発生用領域91が上記同一軸線上において給気ポート82及び排気ポート83を連通させるように形成されている。
【0055】
負圧発生用領域91の途中位置から分岐するようにして、流体通路84の一部を構成する給気通路領域92が形成されている。給気通路領域92は、上記第1の実施の形態と同様に、給気用電磁弁85の入力通路部85a及び出力通路部85bを介して、流体通路84の一部を構成するとともに出力ポート86へと続く出力通路領域93と連通されている。なお、出力ポート86は、ハウジング81において、給気ポート82が設けられた側壁部81aに連続するとともに排気ポート83が設けられた側壁部81bに連続する側壁部81cに設けられている。
【0056】
負圧発生用領域91において、給気通路領域92の分岐位置よりも下流側には、ノズル94が形成されているとともに、その下流側にはストレート部95及びテーパ部96が形成されている。なお、排気ポート83には上記第1の実施の形態と同様にサイレンサ87が装着されている。ストレート部95とノズル94との間の吸引空間97から分岐するようにして吸引通路領域98が形成されている。吸引通路領域98は、上記第1の実施の形態と同様に、排気用電磁弁88の入力通路部88a及び出力通路部88bを介して、出力通路領域93と連通されている。
【0057】
ちなみに、出力通路領域93は、出力ポート86へと続くとともに当該出力ポート86と同一軸線上となるように形成された第1出力通路領域93aと、当該第1出力通路領域93aの途中位置から分岐するように形成された第2出力通路領域93bと、を備えている。第1出力通路領域93aは、吸引通路領域98と同一軸線上となるように形成されているとともに、排気用電磁弁88を介して吸引通路領域98と連通されている。また、第2出力通路領域93bは、途中位置に曲がり部を有するように形成されているとともに、給気用電磁弁85を介して給気通路領域92と連通されている。上記のように第1出力通路領域93aと吸引通路領域98とを同一軸線上となるように形成することで、正圧に比べて付与可能な上限圧が低くなり易い負圧の上限圧を優先して高めることが可能となる。
【0058】
以上詳述した本実施の形態によれば、所定の側壁部81aに設けられた給気ポート82と、当該所定の側壁部81aに対して反対側の側壁部81bに設けられた排気ポート83とを繋ぐように負圧発生用領域91が設けられており、上記第1の実施の形態のように同一の側壁部11aに給気ポート13及び排気ポート14を設ける構成に比べて、ハウジング81内の通路構成の簡略化を図ることが可能となる。
【0059】
なお、ハウジング81の周面における排気ポート83と出力ポート86との位置関係を逆にしてもよい。つまり、所定の側壁部81aに給気ポート82が設けられているとともに、当該所定の側壁部81aに対してコーナー部分を介して連続し且つ当該所定の側壁部81aとは異なる方向を向く側壁部81cに排気ポート83が設けられている構成としてもよい。この場合であっても、上記第1の実施の形態に比べて、ハウジング81内の通路構成の簡略化を図ることが可能となる。
【0060】
<第3の実施の形態>
パイロット室を利用して比例制御を行う電空レギュレータに対してエジェクタを利用する構成を、第3の実施の形態として説明する。図4は、本実施の形態における電空レギュレータ100の縦断面図である。なお、図4では説明の便宜上、給気用電磁弁125及び排気用電磁弁126を非断面の状態で示す。
【0061】
電空レギュレータ100のハウジング101内部には、縦方向に延びる中央通路領域103を含むように流体通路102が形成されている。中央通路領域103は、流体通路102において給気ポート104から続く給気通路領域105と、流体通路102において出力ポート106から続く出力通路領域107と、流体通路102において排気ポート108から続く排気通路領域109とのそれぞれに連通されている。
【0062】
中央通路領域103において給気通路領域105と出力通路領域107との間の部分には給気側弁座111が形成されている。この給気側弁座111の下方には、給気側弁体112が縦方向に摺動可能な状態で収容されており、さらに当該給気側弁体112は復帰バネ113の付勢力により下方から給気側弁座111に当接するように設けられている。なお、給気通路領域105及び給気側弁体112の組み合わせが正圧付与手段に相当する。
【0063】
一方、中央通路領域103において排気通路領域109と出力通路領域107との間の部分には排気側弁座114が形成されている。この排気側弁座114の上方には、排気側弁体115が縦方向に摺動可能な状態で収容されており、さらに当該排気側弁体115は復帰バネ116の付勢力により上方から排気側弁座114に当接するように設けられている。なお、排気通路領域109及び排気側弁体115の組み合わせが負圧付与手段に相当する。
【0064】
中央通路領域103には、排気側弁体115を貫通するようにしてロッド117が設けられている。ロッド117は自身が初期位置に配置されている状況では、排気側弁体115が排気閉鎖位置に配置されるとともに、給気側弁体112が給気閉鎖位置に配置されるように設けられている。また、ロッド117の外周部において排気側弁体115に下方から対向する位置にはリング118が固着されている。これにより、ロッド117が初期位置から上方に移動する場合にはそれに追従して排気側弁体115も排気閉鎖位置から上方に移動する一方、排気側弁体115が排気閉鎖位置に配置されている状況でロッド117が下方に移動する場合には排気側弁体115は排気閉鎖位置に保持される。また、ロッド117が初期位置から下方に移動する場合には給気側弁体112を給気閉鎖位置から下方に移動させる。
【0065】
中央通路領域103の上方にはフィードバック室121が形成され、このフィードバック室121は流体通路102において出力通路領域107から分岐させて形成されたフィードバック通路領域122を介して出力通路領域107と連通されている。また、フィードバック室121の上方には、ダイアフラム123により当該フィードバック室121と区画されるようにしてパイロット室124が形成されている。
【0066】
パイロット室124の上方には給気用電磁弁125及び排気用電磁弁126が設けられている。給気用電磁弁125は、各通路領域127a,127bを介して、パイロット室124に連通されているとともに給気通路領域105に連通されており、給気用電磁弁125が開制御されている間だけ、給気通路領域105をパイロット室124に連通させる。排気用電磁弁126は、各通路領域128a,128bを介して、パイロット室124に連通されているとともに排気通路領域109に連通されており、排気用電磁弁126が開制御されている間だけ、排気通路領域109をパイロット室124に連通させる。
【0067】
ここで、排気通路領域109にはエジェクタが設けられている。具体的には、排気通路領域109は、給気通路領域105と排気ポート108とを繋ぐようにして形成された分岐通路領域131を備えている。分岐通路領域131は、給気通路領域105において中央通路領域103に連通された箇所よりも上流側から分岐させて形成されている。分岐通路領域131は、給気通路領域105に対してコーナー部を介して連続するとともに、排気ポート108に対して同一軸線上となるように形成された負圧発生用領域132を備えている。
【0068】
負圧発生用領域132の途中位置には、上記第1の実施の形態における負圧発生用領域25と同様にノズル133が形成されているとともにノズル133よりも下流側にはストレート部134及びテーパ部135が形成されている。ノズル133とストレート部134との間に形成された吸引空間136には中央通路領域103側に分岐させて、排気通路領域109の一部を構成する吸引通路領域137が形成されている。ちなみに、排気ポート108には上記第1の実施の形態と同様にサイレンサ138が装着されている。
【0069】
上記のように排気通路領域109にエジェクタが設けられた構成において、排気用電磁弁126から排気通路領域109側へと延びる通路領域128aは、負圧発生用領域132に直接連通されているのではなく、吸引通路領域137に連通されていることで間接的に負圧発生用領域132に連通されている。当該構成であることにより、作動エアがノズル133を通過して高速化されて吸引空間136が減圧されることで、出力通路領域107に負圧を付与することが可能となるだけでなく、パイロット室124に負圧を付与することが可能となる。
【0070】
上記構成の電空レギュレータ100では、パイロット室124の圧力とフィードバック室121の圧力とが等しい状態ではダイアフラム123には操作力が作用せず、ダイアフラム123が中立位置に配置されるとともにロッド117も初期位置に配置される。また、パイロット室124の圧力がフィードバック室121の圧力よりも高いときには、ロッド117に対して下向きの操作力が作用し給気ポート104から出力ポート106に作動エアが供給される。その一方、パイロット室124の圧力がフィードバック室121の圧力よりも低いときには、ロッド117に対して上向きの操作力が作用し出力ポート106に負圧が付与されることを通じて、当該出力ポート106から排気ポート108に作動エアが排気される。なお、パイロット室124の圧力設定は、図示しない圧力センサによる出力通路領域107の作動エアの圧力検出結果に基づいて、図示しない演算回路により給気用電磁弁125又は排気用電磁弁126が開制御されることにより行われる。
【0071】
以上詳述した本実施の形態によれば、正圧を付与するための供給源42においてポンプ51に負圧を付与するための負圧源の機能だけでなく、パイロット室124に負圧を付与するための負圧源の機能も果たされる。これにより、設備が複雑又は大型なものとなることはなく、さらにコストを抑えられる。
【0072】
なお、パイロット室124から通じる通路領域128aが吸引通路領域137に連通されていることで間接的に負圧発生用領域132に連通されている構成に限定されることはなく、通路領域128aは吸引通路領域137とは別に負圧発生用領域132の吸引空間136に連通された構成としてもよい。
【0073】
<他の実施の形態>
本発明は上記各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施しても良い。なお、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態のうち例示しているものとは異なる実施の形態に適用してもよい。
【0074】
上記第1の実施の形態では、電空レギュレータ10のハウジング11内にエジェクタ37を一体化する構成としたが、これに代えて、エジェクタ37をハウジング11の外部に設けてもよい。この場合、エジェクタ37を作動エアの供給源42と連通させるための配管を設ける必要があるとともに、電空レギュレータ10の排気ポート14とエジェクタ37とを連通させるための配管を設ける必要がある。
【0075】
上記第1の実施の形態において、電空レギュレータ10のハウジング11に給気ポート13とは別の給気ポートを設けるとともに供給配管41を途中で分岐させた配管をその別の給気ポートに接続する構成としてもよい。そして、ハウジング11内において排気通路領域23は給気通路領域21に連通させるのではなく、上記別の給気ポートに連通させるようにする。この場合であっても、ポートの数は増加するものの、供給源42を負圧源として利用することが可能となる。さらにまた、このように給気ポートを複数設けた構成において、供給源42と各給気ポートとを完全に別系統の配管により連通させる構成としてもよい。この場合、排気通路領域23には常時、作動エアが供給されるとしても、給気通路領域21を通じた正圧付与への影響は低減される。
【0076】
上記第1の実施の形態において、排気用電磁弁17が閉状態である場合には吸引通路領域36と出力通路領域22とを遮断状態とするだけでなく、ノズル31への作動エアの流入も阻止するようにし、さらに排気用電磁弁17が開制御されている場合には吸引通路領域36と出力通路領域22とを連通状態とするとともにノズル31への作動エアの流入を許容する構成としてもよい。この場合、エジェクタ37を設けた構成において、給気通路領域21を通じた正圧付与への影響は低減される。なお、ノズル31への作動エアの流入を阻止又は許容する機能は排気用電磁弁17により果たされる構成としてもよく、排気用電磁弁17とは別に設けられた電磁弁により果たされる構成としてもよい。
【0077】
上記各実施の形態では、薬液としてレジスト液Rを用いる薬液供給システムに圧力制御装置としての電空レギュレータ10,80,100を適用したが、この適用対象は他の薬液を用いる薬液供給システムであってもよく、薬液供給システム以外のシステムであってもよい。
【0078】
上記各実施の形態では、電空レギュレータ10,80,100にて扱う作動気体が作動エア(空気)である構成としたが、空気以外にも窒素等の他の気体であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
10…電空レギュレータ、11…ハウジング、13…給気ポート、14…排気ポート、15…出力ポート、16…給気用電磁弁、17…排気用電磁弁、21…給気通路領域、22…出力通路領域、23…排気通路領域、25…負圧発生用領域、31…ノズル、36…吸引通路領域、37…エジェクタ、38…サイレンサ、42…供給源、51…吐出ポンプ、80…電空レギュレータ、81…ハウジング、81a,81b…側壁部、82…給気ポート、83…排気ポート、91…負圧発生用領域、100…電空レギュレータ、101…ハウジング、104…給気ポート、106…出力ポート、108…排気ポート、121…フィードバック室、123…ダイアフラム、124…パイロット室、128a…通路領域、132…負圧発生用領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象に作動気体を流通させることにより当該制御対象に付与する圧力を制御する圧力制御装置において、
供給源から供給された圧縮気体を正圧用通路により前記制御対象に向けて導くことで当該制御対象に正圧を付与する正圧付与手段と、
前記制御対象から作動気体を吸引することで当該制御対象に負圧を付与する負圧付与手段と、
を備え、
当該負圧付与手段は、前記供給源からの圧縮気体を前記正圧用通路による供給先とは異なる位置へと導く負圧用通路を有するとともに当該負圧用通路に設けられたノズルにより圧縮気体の流れを絞り当該圧縮気体の通過速度を高速化させることで当該負圧用通路内を減圧させ前記制御対象から作動気体を吸引するエジェクタを備えていることを特徴とする圧力制御装置。
【請求項2】
前記正圧用通路が形成されたハウジングに前記エジェクタが設けられているとともに、前記ハウジングには前記エジェクタを通過した圧縮気体及び作動気体を当該ハウジングの外部に排出する排出ポートが設けられており、
当該排出ポートには排出音を消音させる消音手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧力制御装置。
【請求項3】
前記正圧用通路が形成されたハウジングに前記エジェクタが設けられており、
前記正圧付与手段は、前記正圧用通路から前記制御対象への圧縮気体の供給を阻止又は許容する正圧用遮断弁を備えており、
前記供給源からの圧縮気体を前記ハウジング内に導く供給ポートから連続するハウジング内通路を、前記正圧用遮断弁よりも上流側の位置にて分岐させることで、前記正圧用通路と前記負圧用通路とが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力制御装置。
【請求項4】
前記ハウジングの第1の外周部に、前記供給ポートが設けられているとともに、前記ハウジングにおいて当該第1の外周部とは異なる方向を向く第2の外周部に、前記エジェクタを通過した作動気体を前記ハウジングの外部に排出する排出ポートが設けられており、
前記供給ポート及び前記排出ポートを繋ぐようにして前記負圧用通路が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の圧力制御装置。
【請求項5】
制御対象に通じる出力ポートに連通させて設けられたフィードバック室に対して容積可変部材で仕切られるようにしてパイロット室が形成されており、
前記パイロット室内の作動気体の圧力を調整することで、当該パイロット室内の作動気体の圧力と前記フィードバック室内の作動気体の圧力との偏差に基づいて前記容積可変部材を駆動させて、前記正圧付与手段による前記出力ポートへの正圧の付与又は前記負圧付与手段による前記出力ポートへの負圧の付与を行わせる制御部と、
前記負圧用通路と前記出力ポートとを連通させるように設けられ、前記ノズルを前記圧縮気体が通過することにより生じる負圧を前記出力ポートに付与するための通路と、
前記負圧用通路と前記パイロット室とを連通させるように設けられ、前記ノズルを前記圧縮気体が通過することにより生じる負圧を前記パイロット室に付与するための通路と、
を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の圧力制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−191868(P2011−191868A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55767(P2010−55767)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】