圧力鍋
【課題】鍋本体と蓋体との嵌合部分を若干異なる位置に取付をしても、スムーズに嵌挿し正常な位置に嵌合される構造とした圧力鍋を提供する。
【解決手段】取手9の間にバンド部10を介在し、取手9以外の部位に形成する高温高圧蒸気を排出する貫通孔12を遮蔽又は合致する小孔13と大径孔14とつまみ15とを有し、スライド自在で高温高圧蒸気によっても離脱せず嵌挿可能な圧力調整板dを表面部8に形成する厚み十分な木製蓋体bとを別設し、バンド部10の両端部に、緊締体e下端部15を接続し、緊締体eの稍上方部に接続体fの上方部16を接続し、接続体fの下方部17は鍋本体aの引掛け部3に引掛可能な形状の係止部18を形成し、鍋本体aの開口部4に木製蓋体bを載置して木製蓋体bの嵌挿部7を鍋本体aの湾曲状の縁部5に嵌挿し、取手9間に介在のバンド部10と接続する緊締体eと接続体fを介して鍋本体aと木製蓋体bとを密閉し炊飯する。
【解決手段】取手9の間にバンド部10を介在し、取手9以外の部位に形成する高温高圧蒸気を排出する貫通孔12を遮蔽又は合致する小孔13と大径孔14とつまみ15とを有し、スライド自在で高温高圧蒸気によっても離脱せず嵌挿可能な圧力調整板dを表面部8に形成する厚み十分な木製蓋体bとを別設し、バンド部10の両端部に、緊締体e下端部15を接続し、緊締体eの稍上方部に接続体fの上方部16を接続し、接続体fの下方部17は鍋本体aの引掛け部3に引掛可能な形状の係止部18を形成し、鍋本体aの開口部4に木製蓋体bを載置して木製蓋体bの嵌挿部7を鍋本体aの湾曲状の縁部5に嵌挿し、取手9間に介在のバンド部10と接続する緊締体eと接続体fを介して鍋本体aと木製蓋体bとを密閉し炊飯する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋体が木製の圧力鍋の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、日本人は、大昔の大家族時代または豪農に大勢の小作人や使用人が働いていた時代には、必然的に大釜で木を燃やしながら大量にご飯を炊いていた。
【0003】
そのため、前記のように大釜で大量に炊くことからして出来上ったご飯は美味しいと思い込んでいた。
【0004】
そもそも圧力鍋の発明は、ヨーロッパのドイツで発明されたと聞いている。
【0005】
しかし、日本ではそれ以前に圧力鍋は存在していた。
【0006】
即ち前記のように大釜でご飯を炊き上げる状態を考えてみると、「どっこいしょ」と重量のある木製蓋を鍋本体の開口部上に載置し炊飯する大釜こそは圧力鍋と同じ原理であった。
【0007】
さらに前記釜はかまどにかけられ薪をどんどんくべ、始めちょろちょろ中ぱっぱと云うように火力が十分になると重い蓋の下から蒸気が勢い良く噴出し、しかし前記釜に載置していた重い蓋を横に動揺する程にはならず、頃合いを見て前記蓋を少し移動して蒸気を外部に漏出してやる。やがて蓋を閉じ、火の付いた薪を外に出し圧力で蒸してやる。
【0008】
昔はコシヒカリなどの上級の米は無かったが、圧力鍋の原理で炊き上がったご飯は究極のご飯であった。
【0009】
家庭用の炊飯器は、この昔の釜の原理に理想をおいて開発されてきたものであり、単に蓋の部分を木で作れば解決とは決してならないものである。
【0010】
さらに、鍋本体と蓋の結合部分の開発、無理なく誰でも、多少違った取付をしても正常な位置に結合される状態でなければ美味しいご飯を炊き上げることはできないものである。
【0011】
また、今日のテレビ番組や新聞、雑誌、パンフレット等で開示されている圧力鍋は、料理が手際良くできる等と宣伝されていると共に、圧力鍋に関する特許出願が多数開示されている。
【0012】
そのため、多くの主婦や調理をする飲食店にかかわる方々が購入している。
【0013】
しかし、前記のように購入はしたものの市販の圧力鍋は、鍋本体と蓋体とが金属製のため、特に蓋体は高温と化し、手指が触れると火傷をする。そのため折角調理に良いとの評判のもとで高価の値段で購入した圧力鍋が、大半の方々が怖くて使えないとして放置しており、無用の長物となっているのが現状である。
【0014】
さらに、テレビの通販番組で販売されている外国製の圧力鍋も前記した圧力鍋と同様に、鍋本体と蓋体とが共に高熱が熱伝導するものであって依然として火傷をするおそれがあった。
【0015】
また、従来の金属製圧力鍋におけるクレームの大半が、第1に正常に取扱わなかったり、あるいは雑な扱いによるものであった。しかしそうであったとしても、この手の圧力鍋は、前記のように例え正常に扱わなかったり、あるいは粗雑な扱いをしたとしても、鍋本体に対し蓋体が常に正常な組立てになってしまうような仕組でなければ危険であるのに、このような仕組みになっていないのが実情である。本来圧力鍋は、鍋本体に対し蓋体が使用者の上手下手に関係なく正常な組立てになってしまう器具でなければならないのにかかる構造ではない。
【0016】
さらに従来の圧力鍋の蓋体は、付属品が付設されているので、掃除をするのに煩雑であった。
【0017】
また従来実用新案登録第3100802号登録実用新案公報において、蓋を木製にしたかまど型電気・ガス炊飯器が開示されているが、この炊飯器は、炊飯用の釜3に木製の分厚い蓋1が載置されているだけで圧力鍋のように鍋本体と蓋体とを締め金具が不使用の構成であり、圧力鍋としての機能は有していない。
【0018】
さらにアジア諸国と日本は米の文化、ヨーロッパアメリカはパンの文化で育ってきた。外国では大釜で飯を焚く文化はない。そして日本人ほど魚を食べる民族はなかったのだが、日本食の普及と共に世界中で魚を食べるようになった。
【0019】
また今日世界は魚の争奪戦である魚が、骨ごと食べられるようになったら、子供やお年寄りが助かる肉より魚が身体に良いことは何人でも知っている。従って骨まで柔くなり調理の仕方で魚を無駄なく食べることが、世界で一番魚を食べる日本人の責務である。
【0020】
さらに、従来実用新案登録第3145263号登録実用新案公報の羽釜式省エネ型ガス炊飯器が開示されているが、このガス炊飯器は羽釜20に木蓋22が使用され、この木蓋22の上方に取手24を備える重り23が固定され前記木蓋22に重り23を載せるだけで、羽釜20と木蓋22とを締め金具を介して容易に離脱する構造をしたものではなく、圧力鍋としての機能は有していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】実用新案登録第3100802号登録実用新案公報
【特許文献2】実用新案登録第3145263号登録実用新案公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
前記したとおり、従来市販売されている圧力鍋は、その構成する鍋本体と蓋体とが共に金属製であり、前記蓋体にも鍋本体が加熱された高温が熱伝導されて火傷のおそれがあった。
【0023】
また前記した圧力鍋は、鍋本体に対する蓋体の嵌込み作業が煩雑でスムーズに嵌合しないケースもあり、組立作業が煩雑であった。そのため嵌合したいと思って炊飯をすると、鍋本体と蓋体との嵌合が正常に復帰せずにそのまま高圧となって蓋体を飛ばしてしまうという危険があった。
【0024】
さらに従来の圧力鍋は、炊飯中に具の味付けを行うとしても、蓋体に設けた挿入孔を直接遮蔽しているキャップが高温高熱化をしているがために、手指でつかみにくく調理がスムーズに行かなかった。
【0025】
また従来の圧力鍋は、鍋本体と蓋体との嵌合部分が、ネジ込み方式となっているものが多く、かかる嵌合操作方法をミスするとそのままとなり、自然正常が不可能であった。
【0026】
さらに従来の圧力鍋は、鍋本体と蓋体との組立て作業が煩雑でお年寄りには極めて不便であった。
【0027】
また従来の圧力鍋は、蓋体には鍋本体との接続部材が付設しているがために掃除が煩雑であった。
【0028】
さらに従来の開示の特許文献1の蓋を木製にした、かまど型電気ガス炊飯器は、木製蓋3に対し単に載置しているだけで、両体を締付けるための器具は不使用であった。
【0029】
また従来開示の特許文献2の羽釜式省エネ型ガス炊飯器の木蓋22は羽釜20とを締付ける器具は一切不使用であって、ただ前記木蓋22の上方に重り23を載せるだけであった。
【0030】
しかるに本発明の圧力鍋は、鍋本体と蓋体との嵌合部分を、若干異なる位置に取付をしても、スムーズに嵌挿し正常な位置に嵌合される構造とした。
【0031】
さらに本発明の圧力鍋は、圧力の密閉・開放や小さな開放を、つまみをスライドさせるだけで内部確認を可能にし、つまみも熱伝導がなく、火傷の心配をなくした。
【0032】
また本発明の圧力鍋は、異常に圧力が上昇した場合、蓋体に装着中の安全装置が作動して安全装置の止め蓋が離脱するようにした。
【0033】
さらに本発明の圧力鍋は、前記圧力鍋内の具の味付けを行う際や蓋体を取る前は、必ず圧力を開放してから蓋体を除去する構造にした。
【0034】
また本発明の圧力鍋は、鍋本体と蓋体とを締付けたら外れることなく、且シンプルな構造にして、何人でも容易に操作ができるようにした。
【0035】
さらに本発明の圧力鍋は、鍋本体と蓋体とを締付ける締付金具を取り外し、通常の鍋として併用することができるようにした。
【課題を解決するための手段】
【0036】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、周壁面部1につまみ部2及び引掛け部3を取着する有底形状にして、且開口部4を有する金属製鍋本体aと、裏面部6に前記鍋本体aの開口部4を構成する湾曲状の縁部5が嵌挿する嵌挿部7を形成し、且表面部8に突設する取手9の間にバンド部10を介在せしめ、前記取手9以外の部位に形成する高温高圧蒸気を排出する貫通孔12を遮蔽もしくは合致する小孔13と大径孔14とつまみ15とを有し、且スライド自在にして高温高圧蒸気によっても容易に離脱しない方式で嵌挿可能な圧力調整板dを表面部8に形成せしめる厚みが十分な木製蓋体bとを別設し、前記バンド部10の両端部に、緊締体eの下端部15を接続し、且前記緊締体eの稍上方部に接続体fの上方部16を接続し、且前記接続体fの下方部17は前記鍋本体aの引掛け部3に引掛可能な形状の係止部18を形成し、前記鍋本体aの開口部4に前記木製蓋体bを載置して前記木製蓋体bの嵌挿部7を前記鍋本体aの湾曲状の縁部5に嵌挿せしめ、前記取手9間に介在のバンド部10と接続する緊締体eと接続体fを介して前記鍋本体aと木製蓋体bとを密閉し炊飯等をすることを特徴とする圧力鍋である。
【0037】
上記課題を解決するための手段として、請求項2記載の発明は、前記周壁面部1に取着の引掛け部3は、前記つまみ部2の上方に位置せしめる圧力鍋である。
【0038】
上記課題を解決するための手段として、請求項3記載の発明は、前記木製蓋体bは堅くて強く且型くずれしない性質を有する欅材もしくは樫材を主として使用する圧力鍋である。
【0039】
上記課題を解決するための手段として、請求項4記載の発明は、前記木製蓋体bの裏面部6に形成する嵌挿部7は、稍逆V形状もしくは稍逆U形状もしくはП形状とする圧力鍋である。
【0040】
上記課題を解決するための手段として、請求項5記載の発明は、前記木製蓋体bの裏面部6に形成する嵌挿部7は、断面形状が稍逆U形状にして、且U形状の中、外側方の長さを内側方の長さよりも短く形成せしめる圧力鍋である。
【0041】
上記課題を解決するための手段として、請求項6記載の発明は、前記取手9は、平行状に所定の間隔を設け2枚立設すると共に、前記2枚の取手9の側壁部9aに所定間隔おきに貫通孔9bを同一の高さにして、且対向状に形成し、前記貫通孔9b内に押え杆9cを出入自在に挿入し、前記バンド部10の上面を押える圧力鍋である。
【0042】
上記課題を解決するための手段として、請求項7記載の発明は、前記バンド部10は、薄い金属板製とする圧力鍋である。
【0043】
上記課題を解決するための手段として、請求項8記載の発明は、前記安全装置は、前記木製蓋体bに形成する排出孔11を遮蔽するキャップ19と前記キャップ19を押圧する押圧弁20と鎖22a付き固定部21とからなる安全装置cを有し、前記固定部21を前記蓋体bの表面部8に取着せしめる圧力鍋である。
【0044】
上記課題を解決するための手段として、請求項9記載の発明は、前記圧力調整板dは、前記蓋体bの表面部8に突設の取手9に対し直交状に形成する蟻溝22内にスライド可能にする圧力鍋である。
【0045】
上記課題を解決するための手段として、請求項10記載の発明は、前記圧力調整板dは、裏面部23に内側方にくぼせた凹部24を形成せしめる圧力鍋である。
【0046】
上記課題を解決するための手段として、請求項11記載の発明は、前記接続体fを接続する前記緊締体eは、前記鍋本体aと前記蓋体bとの密閉時に前記緊締体eが前記バンド部10の表面部に密着状態となる圧力鍋である。
【0047】
上記課題を解決するための手段として、請求項12記載の発明は、前記バンド部10は、裏面部10aに所定間隔をおいて突起部25を形成し、前記木製蓋体bの表面部8に前記突起部25が嵌挿する凹部26を形成し、前記木製蓋体bと前記バンド部10とを接続し固定せしめる圧力鍋である。
【発明の効果】
【0048】
請求項1に記載の発明は、周壁面部につまみ部及び引掛け部を取着する有底形状にして、且開口部を有する金属製鍋本体と、裏面部に前記鍋本体の開口部を構成する湾曲状の縁部が嵌挿する嵌挿部を形成し、且表面部に突設する取手の間にバンド部を介在せしめ、前記取手以外の部位に形成する高温高圧蒸気を排出する貫通孔を遮蔽もしくは合致する小孔と大径孔とつまみ部とを有し、且スライド自在にして高温高圧蒸気によっても容易に離脱しない方式で嵌挿可能な圧力調整板を表面部に形成せしめる厚みが十分な木製蓋体とを別設し、前記バンド部の両端部に、緊締体の下端部を接続し、且前記緊締体の稍上方部に接続体の上方部とを接続し、且前記接続体の下方部は前記鍋本体の引掛け部に引掛可能な形状の係止部を形成し、前記鍋本体の湾曲状の開口部に前記木製蓋体を載置して前記木製蓋体の嵌挿部を前記鍋本体の縁部に嵌挿せしめ、前記取手間に介在のバンド部と接続する緊締体と接続体を介して前記鍋本体と木製蓋体とを密閉し炊飯等をする圧力鍋なので、鍋本体と蓋体との嵌合部分を、若干異なる位置に取付をしても、正常な位置にスムーズに嵌合される構造にして何人も確実にセットできる利点がある。
【0049】
さらに本発明の圧力鍋は、蓋体を木製にしたことによってつまみへの熱伝導が殆んどなく、そのため火傷の心配をなくすると共に、圧力調整板に圧力の密閉や開放を、取着のつまみをスライドさせるだけの簡単な操作で処理可能にし熱伝導を受けずに火傷の心配もない利点を有している。
【0050】
また本発明の圧力鍋は、金属製鍋本体の開口部を構成する縁部の形状をアール付きのいわゆる湾曲状にしたので、前記木製蓋体の嵌挿部に対しスムーズに挿入できる利点を有している。
【0051】
さらに本発明の圧力鍋は、前記圧力鍋内の具の味付け等を行う際に、前記圧力鍋調整板を操作し高温高熱の圧力を開放してから蓋体を除去して行うようにしたので、安全に操作できる利点を有している。
【0052】
また本発明の圧力鍋は、鍋本体と蓋体とを締付ける金具を締めつけたら外れることなく、且シンプルな構造にして、何人でも容易に操作ができるようにした。
【0053】
さらに本発明の圧力鍋は、鍋本体と蓋体とを締付ける締付金具を取り外し、通常の鍋として併用することができる一石二鳥の利点を有している。
【0054】
請求項2に記載の発明は、前記周壁面部に取着の引掛け部は、前記つまみ部の上方に位置せしめる圧力鍋なので、蓋本体に蓋体を載せ且嵌挿し、セットできる利点を有している。
【0055】
さらに本発明は請求項1に記載の発明と同じ効果を有している。
【0056】
請求項3に記載の発明は、前記木製蓋体は堅くて強く且型くずれしない性質を有する欅材もしくは樫材を主として使用する圧力鍋なので、蓋体は長期間変形することなく、製品寿命も長く保持でき経済的である。
【0057】
さらに本発明は請求項1又は同2に記載の発明と同じ効果を有している。
【0058】
請求項4に記載の発明は、前記木製蓋体の裏面部に形成する嵌挿部は、稍逆V形状もしくは稍逆U形状もしくはП形状とする圧力鍋なので、鍋本体に蓋体を載せてやると、嵌挿部を形成する内側突出部が、鍋本体の開口部内に滑り落ちるようにスムーズに嵌挿するため、蓋体と鍋本体とは簡単且確実に嵌挿できる利点がある。
【0059】
さらに本発明は請求項1又は同2又は同3に記載の発明と同じ効果を有している。
【0060】
請求項5に記載の発明は、前記木製蓋体の裏面部に形成する嵌挿部は、断面形状が稍逆U形状にして、且U形状の中、外側方の長さを内側方の長さよりも短く形成せしめる圧力鍋なので、請求項1又は同2又は同3又は同4に記載の発明と同じ効果を有している。
【0061】
請求項6に記載の発明は、前記取手は、平行状に所定の間隔を設け2枚立設すると共に、前記2枚の取手の側壁部に所定間隔おきに貫通孔を同一の高さにして、且対向状に形成し、前記貫通孔内に押え杆を出入自在に挿入し、前記バンド部の上面を押える圧力鍋なので、前記バンド部のスライドを未然に防止せしめる利点を有している。
【0062】
さらに本発明は、請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5に記載の発明と同じ効果を有している。
【0063】
請求項7に記載の発明は、前記バンド部は、薄い金属板製とする圧力鍋なので、請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6に記載の発明と同じ効果を有している。
【0064】
請求項8に記載の発明は、前記木製蓋体に形成する排出孔を遮蔽するキャップと前記キャップを押圧する押圧弁と鎖付き固定部とからなる安全装置を有し、前記固定部を前記蓋体の表面部に取着せしめる圧力鍋なので、請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7に記載の発明と同じ効果を有している。
【0065】
さらに本発明は、所定の高温高圧となると、自動的に前記キャップが遮蔽状態から開放されて、前記高温高圧の蒸気を発散させる。そのため調理人が安全安心して料理をすることができる。
【0066】
請求項9に記載の発明は、前記圧力調整板は、前記蓋体の表面部に突設の取手に対し直交状に形成する蟻溝内にスライド可能にする圧力鍋なので、圧力調整板のスライドがスムーズに移動し、且容易に離脱しない利点を有している。
【0067】
さらに本発明は、請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8に記載の発明と同じ効果を有している。
【0068】
請求項10に記載の発明は、前記圧力調整板は、裏面部に内側方にくぼせた凹部を形成せしめる圧力鍋なので、蓋体に形成の排出孔を常時密閉する部位なので、木は膨張することを予想して、凹ませておき、仮に膨出してもスライドが軽くスムーズにできる利点を有している。
【0069】
さらに本発明は、請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8又は同9に記載の発明と同じ効果を有している。
【0070】
請求項11に記載の発明は、前記接続体を接続する前記緊締体は、前記鍋本体と前記蓋体との密閉時に前記緊締体が前記バンド部の表面部に密着状態となす圧力鍋なので、蓋体とバンド部とが容易に離脱したりしない。
【0071】
さらに本発明は、請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8又は同9又は同10に記載の発明と同じ効果を有している。
【0072】
請求項12に記載の発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項12記載の発明は、前記バンド部は、裏面部に所定間隔をおいて突起部を形成し、前記木製蓋体の表面部に前記突起部が嵌挿する凹部を形成し、前記木製蓋体と前記バンド部とを接続し固定せしめる圧力鍋なので、バンド部が容易に離脱しない利点を有している。
【0073】
さらに本発明は、請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8又は同9又は同10又は同11に記載の発明と同じ効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明圧力鍋の正面図である。
【0075】
【図2】同鍋本体に取着する引掛け部とつまみ部の斜視図である。
【0076】
【図3】同圧力鍋の平面図である。
【0077】
【図4】A−A線縦断面図である。
【0078】
【図5】図4における圧力調整板をスライドさせた状態の一部切欠縦断面図である。
【0079】
【図6】同圧力鍋の一部切欠拡大正面図である。
【0080】
【図7】図6におけるa,b,cの中、a部分の一部切欠拡大縦断面図である。
【0081】
【図8】図6におけるb部分の一部切欠拡大縦断面図である。
【0082】
【図9】図6におけるc部分の一部切欠拡大縦断面図である。
【0083】
【図10】同圧力鍋の緊締体と接続体の側面図である。
【0084】
【図11】10における緊締体と接続体の使用状態を示す一部切欠拡大左側面図である。
【0085】
【図12】図10の部材をもって鍋本体と蓋体とをセットした状態の一部切欠正面図である。
【0086】
【図13】図12における一部切欠拡大平面図である。
【0087】
【図14】安全装置の平面図である。
【0088】
【図15】図14の安全装置が取着されている一部切欠拡大縦断面図である。
【0089】
【図16】安全装置と圧力調整板とをセットした蓋体の一部切欠縦断面図である。
【0090】
【図17】安全装置の一部が隔離した状態の蓋体の一部切欠縦断面図である。
【0091】
【図18】バンド部の一部切欠拡大正面図である。
【0092】
【図19】前記バンド部の突起部が嵌挿する凹部を形成した部位の蓋体の一部切欠拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0093】
本発明の請求項1〜12に記載の発明に関する実施の形態は共通しているので以下のとおり一括して説明する。
【0094】
図において、aは本発明圧力鍋を構成する金属製鍋本体(以下鍋本体という。)であり以下の構成からなっている。
【0095】
前記鍋本体aは、周壁面部1につまみ部2及び引掛け部3を取着する有底形状にして、且開口部4を有する。
【0096】
さらに前記引掛け部3とつまみ部2は、周壁面部1の左右両サイドに対称的にしかも前記引掛け部3は前記つまみ部2の上方に位置せしめ取着する。
【0097】
そして前記鍋本体aには、図面上図示していないが握り柄を取着してもよい。
【0098】
また前記鍋本体aの大きさは限定しないので多種類のものを使用する。
【0099】
5は前記鍋本体aの開口部4を形成する湾曲状の縁部である。
【0100】
図においてbは裏面部6に前記鍋本体aの開口部4を構成する湾曲状の縁部5が嵌挿する嵌挿部7を有する木製蓋体である。そして表面部8には取手9を容易に離脱しないように立設する。
【0101】
そして前記取手9は2本を薄い金属板製バンド部10が介在できるように所定の間隔を設け立設する。
【0102】
前記バンド部10の形状は、前記木製蓋体bの全径と同程度もしくは若干短目にて形成する。そして、前記2枚の取手9の側壁部9aに所定間隔おきに貫通孔9bを同一の高さにして、且対向状に形成する。前記貫通孔9b内に押え杆9cを出入り自在に挿入し、前記バンド部10の上面を押えてやる。そのため前記バンド部10が下方の木製蓋体bとの離脱を防止できる。
【0103】
そして前記バンド部10は、裏面部10aに所定間隔をおいて突起部25を2個形成する。26は前記蓋体bの表面部8に所定の間隔をおいて2個形成する凹部であり、前記突起部25が嵌挿して前記バンド部10が前記木製蓋体bに確実に固定できる。そして前記突起部25は嵌脱自在である。
【0104】
図においてcは前記木製蓋体bの表面部8の所定個所に取着する安全装置であり、以下の構成からなっている。
【0105】
この安全装置cは、前記木製蓋体bの所定個所に設けた高温高圧蒸気の排出孔11を遮蔽するためのものである。
【0106】
そして前記安全装置cは、前記排出孔11を遮蔽するキャップ19と前記キャップ19を押圧する押圧弁20を有する鎖21a付き固定部21とからなっている。そして前記固定部21は前記蓋体bの表面部8に取着する。
【0107】
図においてdは圧力調整板であり、誤差が生じない固い材質の黒檀材もしくは紫檀材を使用して形成してもよい。
【0108】
前記圧力調整板dは、前記蓋体bの表面部8の中心部に、立設せしめる取手9と直交するスライド自在な構造にて形成する。
【0109】
このようにスライドさせながら容易に離脱しない嵌合状態とするのに、蟻溝22を施してやる。かくして前記蓋体bと前記圧力調整板dは、前記したように材質が固く耐熱性と耐水性が大きいので、長時間使用してもスライドがスムーズである。
【0110】
前記圧力調整板dは前記蓋体bに形成の高温高圧蒸気の排出孔11とは別設する貫通孔12を遮蔽もしくは合致させる機能を有している。
【0111】
前記のように遮蔽もしくは合致せしめるための小孔13と大径孔14とつまみ部15とをもって形成する。
【0112】
さらに前記圧力調整板dの裏面部23に内側方にくぼませた凹部24を形成する。この凹部24は前記木製蓋体bの貫通孔12と合致させて前記貫通孔12を遮蔽する部位に位置している。
【0113】
つぎに前記木製蓋体bの裏面部6に形成する嵌挿部7について説明する。
【0114】
前記木製蓋体bの裏面部6に形成する嵌挿部7は、稍逆V形状もしくは稍逆U形状もしくはП形状とする。
【0115】
さらに前記嵌挿部7は、縦断面形状が稍逆U形状にして、且U形状の中、外側方の長さを内側方の長さよりも短く形成せしめる。
【0116】
前記のように嵌挿部7が形成されることによって、前記嵌挿部7の内側部は裏面突出部7aが突設される。
【0117】
この裏面突出部7aが前記鍋本体aの開口部4の縁部5内に嵌込みさえすれば前記縁部5が前記嵌挿部7内にスムーズに滑り込むようにして確実に嵌挿する。
【0118】
前記圧力調整板dは、つまみ部15をつかみスライドさせると、固定状態の貫通孔12に対し、小孔13と合致したり、あるいはスライドによっては、大径孔14と凹部24とが合致する。
【0119】
さらに種々の調理である炊飯もしくは魚の骨等が柔かくして食べ易くするための圧力鍋として利用するには、調理材の種類によって調理時間が異なる。例えば一例としてご飯炊きの場合、最初ガス等を点火し、所定時間経過すると鍋本体a内で煮沸状態となって貫通孔12と合致する小孔13から高温高圧の湯気が噴出する。そして所定時間を経過したところで、前記圧力調整板dをスライドさせて大径孔14と貫通孔12とを合致させ高温高圧の湯気を開放してやる。しかる後前記圧力調整板dをスライドさせて前記貫通孔12と凹部24とを合致させ湯気の噴出をストップさせる。いわゆるむらし状態にする。所定時間後蓋体bを取り除けばおいしいご飯が炊き上げられている。
【0120】
さらに本発明の圧力鍋は、魚の骨を柔かくしておいしく食べるための調理法は前記のような炊飯の場合と基本的には変らない。
【0121】
前記の調理法についてその具体例を示すと、前記鍋本体a内に所定の食材である魚を丸ごともしくは切り身にしたものを入れて、セットしガスを点火する。そのとき貫通孔12と前記圧力調整板dの小孔13とを合致しておく。そして所定時間合致した状態にしておくと、湯気が前記小孔13より勢い良く噴出する。かかる噴出時間は食材に応じて調整する。例えば5〜10分間そのままにしておく。そして所定時間が経過したら、大径孔14と貫通孔12とを合致させ、開放させて湯気を排出する。そして前記貫通孔12と凹部24とを合致し、むらし状態にする。所定時間後蓋体bを取り除いてやると、骨まで柔かい魚をおいしく食べることができる。
【0122】
上記のとおり、本発明の圧力鍋は、前記の圧力調整板dが生命線であり、これのスライド操作によって、種々の食材の調理ができる利点を有している。
【0123】
図においてeは緊締体であり、fは前記緊締体eと接続する接続体であり、両者の関係と前記バンド部10との関係を説明すると以下のとおりである。
【0124】
前記バンド部10の両端部に、緊締体eの下端部15を接続し、且前記緊締体eの稍上方部に接続体fの上方部16と接続する。そして前記接続体fの下方部17は前記鍋本体aの引掛け部3に引掛け可能な形状の係止部18を形成する。
【0125】
そして、前記鍋本体aの開口部4に前記木製蓋体bを載置し、前記木製蓋体bの嵌挿部7を前記鍋本体aの縁部5に嵌挿せしめた後、前記取手9間に介在のバンド部10と接続する緊締体eと接続体fを介して前記鍋本体aと木製蓋体bとを密閉する。
【0126】
前記木製蓋体bは、堅くて強く且型くずれしない性質を有する欅材もしくは樫材を主として使用する。
【0127】
さらに、前記のようにセットされた前記接続体fを接続する前記緊締体eは、前記鍋本体aと前記蓋体bとの密閉時に、前記緊締体eが前記バンド部10の表面部に密着状態となって容易に離脱しないので使用上安心安全である。
【0128】
前記のようにセットされた鍋本体aと木製蓋体bとは、バンド部10と緊締体eと接続体fとによって、簡単にして、且確実にセットされると共に、さらに炊飯中に高温高圧蒸気による異常な上昇が発生しても、前記安全装置cが作動して未然に危険を防止し、さらに炊飯中に具等を鍋本体a内に挿入するときは、前記圧力調整板dをスライドせしめ、高温高圧蒸気を排出せしめた後、挿入することが可能にしたので、安心安全に炊飯等ができる利点がある。
【0129】
さらに、前記圧力調整板dは、蟻溝22方式によってスライドをさせるので、炊飯中に高温高圧蒸気によって前記調整板dが押上げられて離脱したりしない利点がある。
【0130】
また前記蓋体bは、熱伝導率が著しく低いので、圧力調整板dのつまみ部15が、熱伝導による高温化をすることなく、そのため火傷のおそれがない。
【0131】
前記木製蓋体bは、主として欅材もしくは樫材を使用するので、熱伝導も低く、そのため付属取付け部材の高温化による火傷のおそれもない。従って安全安心して何人も容易に調理炊飯ができる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
金属製鍋本体の周壁面部につまみ部と引掛け部を取着した金属製鍋本体と、固くて形くずれしない、比較的厚い木材製の蓋体の裏面部に前記鍋本体の縁部が嵌挿する嵌挿部を形成し、前記鍋本体に前記蓋体を載置し、バンド部と接続体を接続する緊締体とによって、前記鍋本体と蓋体とを固くセットするものである。
【符号の説明】
【0133】
a 鍋本体
b 木製蓋体
c 安全装置
d 圧力調整板
e 緊締体
f 接続体
1 周壁面部
2 つまみ部
3 引掛け部
4 開口部
5 縁部
6 裏面部
7 嵌挿部
7a 裏面突出部
8 表面部
9 取手
9a 側壁部
9b 貫通孔
9c 押え杆
10 バンド部
10a 裏面部
11 排出孔
12 貫通孔
13 小孔
14 大径孔
15 つまみ部
17 下方部
18 係止部
19 キャップ
20 押圧弁
21 固定部
21a 鎖
22 蟻溝
23 裏面部
24 凹部
25 突起部
26 凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋体が木製の圧力鍋の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、日本人は、大昔の大家族時代または豪農に大勢の小作人や使用人が働いていた時代には、必然的に大釜で木を燃やしながら大量にご飯を炊いていた。
【0003】
そのため、前記のように大釜で大量に炊くことからして出来上ったご飯は美味しいと思い込んでいた。
【0004】
そもそも圧力鍋の発明は、ヨーロッパのドイツで発明されたと聞いている。
【0005】
しかし、日本ではそれ以前に圧力鍋は存在していた。
【0006】
即ち前記のように大釜でご飯を炊き上げる状態を考えてみると、「どっこいしょ」と重量のある木製蓋を鍋本体の開口部上に載置し炊飯する大釜こそは圧力鍋と同じ原理であった。
【0007】
さらに前記釜はかまどにかけられ薪をどんどんくべ、始めちょろちょろ中ぱっぱと云うように火力が十分になると重い蓋の下から蒸気が勢い良く噴出し、しかし前記釜に載置していた重い蓋を横に動揺する程にはならず、頃合いを見て前記蓋を少し移動して蒸気を外部に漏出してやる。やがて蓋を閉じ、火の付いた薪を外に出し圧力で蒸してやる。
【0008】
昔はコシヒカリなどの上級の米は無かったが、圧力鍋の原理で炊き上がったご飯は究極のご飯であった。
【0009】
家庭用の炊飯器は、この昔の釜の原理に理想をおいて開発されてきたものであり、単に蓋の部分を木で作れば解決とは決してならないものである。
【0010】
さらに、鍋本体と蓋の結合部分の開発、無理なく誰でも、多少違った取付をしても正常な位置に結合される状態でなければ美味しいご飯を炊き上げることはできないものである。
【0011】
また、今日のテレビ番組や新聞、雑誌、パンフレット等で開示されている圧力鍋は、料理が手際良くできる等と宣伝されていると共に、圧力鍋に関する特許出願が多数開示されている。
【0012】
そのため、多くの主婦や調理をする飲食店にかかわる方々が購入している。
【0013】
しかし、前記のように購入はしたものの市販の圧力鍋は、鍋本体と蓋体とが金属製のため、特に蓋体は高温と化し、手指が触れると火傷をする。そのため折角調理に良いとの評判のもとで高価の値段で購入した圧力鍋が、大半の方々が怖くて使えないとして放置しており、無用の長物となっているのが現状である。
【0014】
さらに、テレビの通販番組で販売されている外国製の圧力鍋も前記した圧力鍋と同様に、鍋本体と蓋体とが共に高熱が熱伝導するものであって依然として火傷をするおそれがあった。
【0015】
また、従来の金属製圧力鍋におけるクレームの大半が、第1に正常に取扱わなかったり、あるいは雑な扱いによるものであった。しかしそうであったとしても、この手の圧力鍋は、前記のように例え正常に扱わなかったり、あるいは粗雑な扱いをしたとしても、鍋本体に対し蓋体が常に正常な組立てになってしまうような仕組でなければ危険であるのに、このような仕組みになっていないのが実情である。本来圧力鍋は、鍋本体に対し蓋体が使用者の上手下手に関係なく正常な組立てになってしまう器具でなければならないのにかかる構造ではない。
【0016】
さらに従来の圧力鍋の蓋体は、付属品が付設されているので、掃除をするのに煩雑であった。
【0017】
また従来実用新案登録第3100802号登録実用新案公報において、蓋を木製にしたかまど型電気・ガス炊飯器が開示されているが、この炊飯器は、炊飯用の釜3に木製の分厚い蓋1が載置されているだけで圧力鍋のように鍋本体と蓋体とを締め金具が不使用の構成であり、圧力鍋としての機能は有していない。
【0018】
さらにアジア諸国と日本は米の文化、ヨーロッパアメリカはパンの文化で育ってきた。外国では大釜で飯を焚く文化はない。そして日本人ほど魚を食べる民族はなかったのだが、日本食の普及と共に世界中で魚を食べるようになった。
【0019】
また今日世界は魚の争奪戦である魚が、骨ごと食べられるようになったら、子供やお年寄りが助かる肉より魚が身体に良いことは何人でも知っている。従って骨まで柔くなり調理の仕方で魚を無駄なく食べることが、世界で一番魚を食べる日本人の責務である。
【0020】
さらに、従来実用新案登録第3145263号登録実用新案公報の羽釜式省エネ型ガス炊飯器が開示されているが、このガス炊飯器は羽釜20に木蓋22が使用され、この木蓋22の上方に取手24を備える重り23が固定され前記木蓋22に重り23を載せるだけで、羽釜20と木蓋22とを締め金具を介して容易に離脱する構造をしたものではなく、圧力鍋としての機能は有していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】実用新案登録第3100802号登録実用新案公報
【特許文献2】実用新案登録第3145263号登録実用新案公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
前記したとおり、従来市販売されている圧力鍋は、その構成する鍋本体と蓋体とが共に金属製であり、前記蓋体にも鍋本体が加熱された高温が熱伝導されて火傷のおそれがあった。
【0023】
また前記した圧力鍋は、鍋本体に対する蓋体の嵌込み作業が煩雑でスムーズに嵌合しないケースもあり、組立作業が煩雑であった。そのため嵌合したいと思って炊飯をすると、鍋本体と蓋体との嵌合が正常に復帰せずにそのまま高圧となって蓋体を飛ばしてしまうという危険があった。
【0024】
さらに従来の圧力鍋は、炊飯中に具の味付けを行うとしても、蓋体に設けた挿入孔を直接遮蔽しているキャップが高温高熱化をしているがために、手指でつかみにくく調理がスムーズに行かなかった。
【0025】
また従来の圧力鍋は、鍋本体と蓋体との嵌合部分が、ネジ込み方式となっているものが多く、かかる嵌合操作方法をミスするとそのままとなり、自然正常が不可能であった。
【0026】
さらに従来の圧力鍋は、鍋本体と蓋体との組立て作業が煩雑でお年寄りには極めて不便であった。
【0027】
また従来の圧力鍋は、蓋体には鍋本体との接続部材が付設しているがために掃除が煩雑であった。
【0028】
さらに従来の開示の特許文献1の蓋を木製にした、かまど型電気ガス炊飯器は、木製蓋3に対し単に載置しているだけで、両体を締付けるための器具は不使用であった。
【0029】
また従来開示の特許文献2の羽釜式省エネ型ガス炊飯器の木蓋22は羽釜20とを締付ける器具は一切不使用であって、ただ前記木蓋22の上方に重り23を載せるだけであった。
【0030】
しかるに本発明の圧力鍋は、鍋本体と蓋体との嵌合部分を、若干異なる位置に取付をしても、スムーズに嵌挿し正常な位置に嵌合される構造とした。
【0031】
さらに本発明の圧力鍋は、圧力の密閉・開放や小さな開放を、つまみをスライドさせるだけで内部確認を可能にし、つまみも熱伝導がなく、火傷の心配をなくした。
【0032】
また本発明の圧力鍋は、異常に圧力が上昇した場合、蓋体に装着中の安全装置が作動して安全装置の止め蓋が離脱するようにした。
【0033】
さらに本発明の圧力鍋は、前記圧力鍋内の具の味付けを行う際や蓋体を取る前は、必ず圧力を開放してから蓋体を除去する構造にした。
【0034】
また本発明の圧力鍋は、鍋本体と蓋体とを締付けたら外れることなく、且シンプルな構造にして、何人でも容易に操作ができるようにした。
【0035】
さらに本発明の圧力鍋は、鍋本体と蓋体とを締付ける締付金具を取り外し、通常の鍋として併用することができるようにした。
【課題を解決するための手段】
【0036】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、周壁面部1につまみ部2及び引掛け部3を取着する有底形状にして、且開口部4を有する金属製鍋本体aと、裏面部6に前記鍋本体aの開口部4を構成する湾曲状の縁部5が嵌挿する嵌挿部7を形成し、且表面部8に突設する取手9の間にバンド部10を介在せしめ、前記取手9以外の部位に形成する高温高圧蒸気を排出する貫通孔12を遮蔽もしくは合致する小孔13と大径孔14とつまみ15とを有し、且スライド自在にして高温高圧蒸気によっても容易に離脱しない方式で嵌挿可能な圧力調整板dを表面部8に形成せしめる厚みが十分な木製蓋体bとを別設し、前記バンド部10の両端部に、緊締体eの下端部15を接続し、且前記緊締体eの稍上方部に接続体fの上方部16を接続し、且前記接続体fの下方部17は前記鍋本体aの引掛け部3に引掛可能な形状の係止部18を形成し、前記鍋本体aの開口部4に前記木製蓋体bを載置して前記木製蓋体bの嵌挿部7を前記鍋本体aの湾曲状の縁部5に嵌挿せしめ、前記取手9間に介在のバンド部10と接続する緊締体eと接続体fを介して前記鍋本体aと木製蓋体bとを密閉し炊飯等をすることを特徴とする圧力鍋である。
【0037】
上記課題を解決するための手段として、請求項2記載の発明は、前記周壁面部1に取着の引掛け部3は、前記つまみ部2の上方に位置せしめる圧力鍋である。
【0038】
上記課題を解決するための手段として、請求項3記載の発明は、前記木製蓋体bは堅くて強く且型くずれしない性質を有する欅材もしくは樫材を主として使用する圧力鍋である。
【0039】
上記課題を解決するための手段として、請求項4記載の発明は、前記木製蓋体bの裏面部6に形成する嵌挿部7は、稍逆V形状もしくは稍逆U形状もしくはП形状とする圧力鍋である。
【0040】
上記課題を解決するための手段として、請求項5記載の発明は、前記木製蓋体bの裏面部6に形成する嵌挿部7は、断面形状が稍逆U形状にして、且U形状の中、外側方の長さを内側方の長さよりも短く形成せしめる圧力鍋である。
【0041】
上記課題を解決するための手段として、請求項6記載の発明は、前記取手9は、平行状に所定の間隔を設け2枚立設すると共に、前記2枚の取手9の側壁部9aに所定間隔おきに貫通孔9bを同一の高さにして、且対向状に形成し、前記貫通孔9b内に押え杆9cを出入自在に挿入し、前記バンド部10の上面を押える圧力鍋である。
【0042】
上記課題を解決するための手段として、請求項7記載の発明は、前記バンド部10は、薄い金属板製とする圧力鍋である。
【0043】
上記課題を解決するための手段として、請求項8記載の発明は、前記安全装置は、前記木製蓋体bに形成する排出孔11を遮蔽するキャップ19と前記キャップ19を押圧する押圧弁20と鎖22a付き固定部21とからなる安全装置cを有し、前記固定部21を前記蓋体bの表面部8に取着せしめる圧力鍋である。
【0044】
上記課題を解決するための手段として、請求項9記載の発明は、前記圧力調整板dは、前記蓋体bの表面部8に突設の取手9に対し直交状に形成する蟻溝22内にスライド可能にする圧力鍋である。
【0045】
上記課題を解決するための手段として、請求項10記載の発明は、前記圧力調整板dは、裏面部23に内側方にくぼせた凹部24を形成せしめる圧力鍋である。
【0046】
上記課題を解決するための手段として、請求項11記載の発明は、前記接続体fを接続する前記緊締体eは、前記鍋本体aと前記蓋体bとの密閉時に前記緊締体eが前記バンド部10の表面部に密着状態となる圧力鍋である。
【0047】
上記課題を解決するための手段として、請求項12記載の発明は、前記バンド部10は、裏面部10aに所定間隔をおいて突起部25を形成し、前記木製蓋体bの表面部8に前記突起部25が嵌挿する凹部26を形成し、前記木製蓋体bと前記バンド部10とを接続し固定せしめる圧力鍋である。
【発明の効果】
【0048】
請求項1に記載の発明は、周壁面部につまみ部及び引掛け部を取着する有底形状にして、且開口部を有する金属製鍋本体と、裏面部に前記鍋本体の開口部を構成する湾曲状の縁部が嵌挿する嵌挿部を形成し、且表面部に突設する取手の間にバンド部を介在せしめ、前記取手以外の部位に形成する高温高圧蒸気を排出する貫通孔を遮蔽もしくは合致する小孔と大径孔とつまみ部とを有し、且スライド自在にして高温高圧蒸気によっても容易に離脱しない方式で嵌挿可能な圧力調整板を表面部に形成せしめる厚みが十分な木製蓋体とを別設し、前記バンド部の両端部に、緊締体の下端部を接続し、且前記緊締体の稍上方部に接続体の上方部とを接続し、且前記接続体の下方部は前記鍋本体の引掛け部に引掛可能な形状の係止部を形成し、前記鍋本体の湾曲状の開口部に前記木製蓋体を載置して前記木製蓋体の嵌挿部を前記鍋本体の縁部に嵌挿せしめ、前記取手間に介在のバンド部と接続する緊締体と接続体を介して前記鍋本体と木製蓋体とを密閉し炊飯等をする圧力鍋なので、鍋本体と蓋体との嵌合部分を、若干異なる位置に取付をしても、正常な位置にスムーズに嵌合される構造にして何人も確実にセットできる利点がある。
【0049】
さらに本発明の圧力鍋は、蓋体を木製にしたことによってつまみへの熱伝導が殆んどなく、そのため火傷の心配をなくすると共に、圧力調整板に圧力の密閉や開放を、取着のつまみをスライドさせるだけの簡単な操作で処理可能にし熱伝導を受けずに火傷の心配もない利点を有している。
【0050】
また本発明の圧力鍋は、金属製鍋本体の開口部を構成する縁部の形状をアール付きのいわゆる湾曲状にしたので、前記木製蓋体の嵌挿部に対しスムーズに挿入できる利点を有している。
【0051】
さらに本発明の圧力鍋は、前記圧力鍋内の具の味付け等を行う際に、前記圧力鍋調整板を操作し高温高熱の圧力を開放してから蓋体を除去して行うようにしたので、安全に操作できる利点を有している。
【0052】
また本発明の圧力鍋は、鍋本体と蓋体とを締付ける金具を締めつけたら外れることなく、且シンプルな構造にして、何人でも容易に操作ができるようにした。
【0053】
さらに本発明の圧力鍋は、鍋本体と蓋体とを締付ける締付金具を取り外し、通常の鍋として併用することができる一石二鳥の利点を有している。
【0054】
請求項2に記載の発明は、前記周壁面部に取着の引掛け部は、前記つまみ部の上方に位置せしめる圧力鍋なので、蓋本体に蓋体を載せ且嵌挿し、セットできる利点を有している。
【0055】
さらに本発明は請求項1に記載の発明と同じ効果を有している。
【0056】
請求項3に記載の発明は、前記木製蓋体は堅くて強く且型くずれしない性質を有する欅材もしくは樫材を主として使用する圧力鍋なので、蓋体は長期間変形することなく、製品寿命も長く保持でき経済的である。
【0057】
さらに本発明は請求項1又は同2に記載の発明と同じ効果を有している。
【0058】
請求項4に記載の発明は、前記木製蓋体の裏面部に形成する嵌挿部は、稍逆V形状もしくは稍逆U形状もしくはП形状とする圧力鍋なので、鍋本体に蓋体を載せてやると、嵌挿部を形成する内側突出部が、鍋本体の開口部内に滑り落ちるようにスムーズに嵌挿するため、蓋体と鍋本体とは簡単且確実に嵌挿できる利点がある。
【0059】
さらに本発明は請求項1又は同2又は同3に記載の発明と同じ効果を有している。
【0060】
請求項5に記載の発明は、前記木製蓋体の裏面部に形成する嵌挿部は、断面形状が稍逆U形状にして、且U形状の中、外側方の長さを内側方の長さよりも短く形成せしめる圧力鍋なので、請求項1又は同2又は同3又は同4に記載の発明と同じ効果を有している。
【0061】
請求項6に記載の発明は、前記取手は、平行状に所定の間隔を設け2枚立設すると共に、前記2枚の取手の側壁部に所定間隔おきに貫通孔を同一の高さにして、且対向状に形成し、前記貫通孔内に押え杆を出入自在に挿入し、前記バンド部の上面を押える圧力鍋なので、前記バンド部のスライドを未然に防止せしめる利点を有している。
【0062】
さらに本発明は、請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5に記載の発明と同じ効果を有している。
【0063】
請求項7に記載の発明は、前記バンド部は、薄い金属板製とする圧力鍋なので、請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6に記載の発明と同じ効果を有している。
【0064】
請求項8に記載の発明は、前記木製蓋体に形成する排出孔を遮蔽するキャップと前記キャップを押圧する押圧弁と鎖付き固定部とからなる安全装置を有し、前記固定部を前記蓋体の表面部に取着せしめる圧力鍋なので、請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7に記載の発明と同じ効果を有している。
【0065】
さらに本発明は、所定の高温高圧となると、自動的に前記キャップが遮蔽状態から開放されて、前記高温高圧の蒸気を発散させる。そのため調理人が安全安心して料理をすることができる。
【0066】
請求項9に記載の発明は、前記圧力調整板は、前記蓋体の表面部に突設の取手に対し直交状に形成する蟻溝内にスライド可能にする圧力鍋なので、圧力調整板のスライドがスムーズに移動し、且容易に離脱しない利点を有している。
【0067】
さらに本発明は、請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8に記載の発明と同じ効果を有している。
【0068】
請求項10に記載の発明は、前記圧力調整板は、裏面部に内側方にくぼせた凹部を形成せしめる圧力鍋なので、蓋体に形成の排出孔を常時密閉する部位なので、木は膨張することを予想して、凹ませておき、仮に膨出してもスライドが軽くスムーズにできる利点を有している。
【0069】
さらに本発明は、請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8又は同9に記載の発明と同じ効果を有している。
【0070】
請求項11に記載の発明は、前記接続体を接続する前記緊締体は、前記鍋本体と前記蓋体との密閉時に前記緊締体が前記バンド部の表面部に密着状態となす圧力鍋なので、蓋体とバンド部とが容易に離脱したりしない。
【0071】
さらに本発明は、請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8又は同9又は同10に記載の発明と同じ効果を有している。
【0072】
請求項12に記載の発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項12記載の発明は、前記バンド部は、裏面部に所定間隔をおいて突起部を形成し、前記木製蓋体の表面部に前記突起部が嵌挿する凹部を形成し、前記木製蓋体と前記バンド部とを接続し固定せしめる圧力鍋なので、バンド部が容易に離脱しない利点を有している。
【0073】
さらに本発明は、請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8又は同9又は同10又は同11に記載の発明と同じ効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明圧力鍋の正面図である。
【0075】
【図2】同鍋本体に取着する引掛け部とつまみ部の斜視図である。
【0076】
【図3】同圧力鍋の平面図である。
【0077】
【図4】A−A線縦断面図である。
【0078】
【図5】図4における圧力調整板をスライドさせた状態の一部切欠縦断面図である。
【0079】
【図6】同圧力鍋の一部切欠拡大正面図である。
【0080】
【図7】図6におけるa,b,cの中、a部分の一部切欠拡大縦断面図である。
【0081】
【図8】図6におけるb部分の一部切欠拡大縦断面図である。
【0082】
【図9】図6におけるc部分の一部切欠拡大縦断面図である。
【0083】
【図10】同圧力鍋の緊締体と接続体の側面図である。
【0084】
【図11】10における緊締体と接続体の使用状態を示す一部切欠拡大左側面図である。
【0085】
【図12】図10の部材をもって鍋本体と蓋体とをセットした状態の一部切欠正面図である。
【0086】
【図13】図12における一部切欠拡大平面図である。
【0087】
【図14】安全装置の平面図である。
【0088】
【図15】図14の安全装置が取着されている一部切欠拡大縦断面図である。
【0089】
【図16】安全装置と圧力調整板とをセットした蓋体の一部切欠縦断面図である。
【0090】
【図17】安全装置の一部が隔離した状態の蓋体の一部切欠縦断面図である。
【0091】
【図18】バンド部の一部切欠拡大正面図である。
【0092】
【図19】前記バンド部の突起部が嵌挿する凹部を形成した部位の蓋体の一部切欠拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0093】
本発明の請求項1〜12に記載の発明に関する実施の形態は共通しているので以下のとおり一括して説明する。
【0094】
図において、aは本発明圧力鍋を構成する金属製鍋本体(以下鍋本体という。)であり以下の構成からなっている。
【0095】
前記鍋本体aは、周壁面部1につまみ部2及び引掛け部3を取着する有底形状にして、且開口部4を有する。
【0096】
さらに前記引掛け部3とつまみ部2は、周壁面部1の左右両サイドに対称的にしかも前記引掛け部3は前記つまみ部2の上方に位置せしめ取着する。
【0097】
そして前記鍋本体aには、図面上図示していないが握り柄を取着してもよい。
【0098】
また前記鍋本体aの大きさは限定しないので多種類のものを使用する。
【0099】
5は前記鍋本体aの開口部4を形成する湾曲状の縁部である。
【0100】
図においてbは裏面部6に前記鍋本体aの開口部4を構成する湾曲状の縁部5が嵌挿する嵌挿部7を有する木製蓋体である。そして表面部8には取手9を容易に離脱しないように立設する。
【0101】
そして前記取手9は2本を薄い金属板製バンド部10が介在できるように所定の間隔を設け立設する。
【0102】
前記バンド部10の形状は、前記木製蓋体bの全径と同程度もしくは若干短目にて形成する。そして、前記2枚の取手9の側壁部9aに所定間隔おきに貫通孔9bを同一の高さにして、且対向状に形成する。前記貫通孔9b内に押え杆9cを出入り自在に挿入し、前記バンド部10の上面を押えてやる。そのため前記バンド部10が下方の木製蓋体bとの離脱を防止できる。
【0103】
そして前記バンド部10は、裏面部10aに所定間隔をおいて突起部25を2個形成する。26は前記蓋体bの表面部8に所定の間隔をおいて2個形成する凹部であり、前記突起部25が嵌挿して前記バンド部10が前記木製蓋体bに確実に固定できる。そして前記突起部25は嵌脱自在である。
【0104】
図においてcは前記木製蓋体bの表面部8の所定個所に取着する安全装置であり、以下の構成からなっている。
【0105】
この安全装置cは、前記木製蓋体bの所定個所に設けた高温高圧蒸気の排出孔11を遮蔽するためのものである。
【0106】
そして前記安全装置cは、前記排出孔11を遮蔽するキャップ19と前記キャップ19を押圧する押圧弁20を有する鎖21a付き固定部21とからなっている。そして前記固定部21は前記蓋体bの表面部8に取着する。
【0107】
図においてdは圧力調整板であり、誤差が生じない固い材質の黒檀材もしくは紫檀材を使用して形成してもよい。
【0108】
前記圧力調整板dは、前記蓋体bの表面部8の中心部に、立設せしめる取手9と直交するスライド自在な構造にて形成する。
【0109】
このようにスライドさせながら容易に離脱しない嵌合状態とするのに、蟻溝22を施してやる。かくして前記蓋体bと前記圧力調整板dは、前記したように材質が固く耐熱性と耐水性が大きいので、長時間使用してもスライドがスムーズである。
【0110】
前記圧力調整板dは前記蓋体bに形成の高温高圧蒸気の排出孔11とは別設する貫通孔12を遮蔽もしくは合致させる機能を有している。
【0111】
前記のように遮蔽もしくは合致せしめるための小孔13と大径孔14とつまみ部15とをもって形成する。
【0112】
さらに前記圧力調整板dの裏面部23に内側方にくぼませた凹部24を形成する。この凹部24は前記木製蓋体bの貫通孔12と合致させて前記貫通孔12を遮蔽する部位に位置している。
【0113】
つぎに前記木製蓋体bの裏面部6に形成する嵌挿部7について説明する。
【0114】
前記木製蓋体bの裏面部6に形成する嵌挿部7は、稍逆V形状もしくは稍逆U形状もしくはП形状とする。
【0115】
さらに前記嵌挿部7は、縦断面形状が稍逆U形状にして、且U形状の中、外側方の長さを内側方の長さよりも短く形成せしめる。
【0116】
前記のように嵌挿部7が形成されることによって、前記嵌挿部7の内側部は裏面突出部7aが突設される。
【0117】
この裏面突出部7aが前記鍋本体aの開口部4の縁部5内に嵌込みさえすれば前記縁部5が前記嵌挿部7内にスムーズに滑り込むようにして確実に嵌挿する。
【0118】
前記圧力調整板dは、つまみ部15をつかみスライドさせると、固定状態の貫通孔12に対し、小孔13と合致したり、あるいはスライドによっては、大径孔14と凹部24とが合致する。
【0119】
さらに種々の調理である炊飯もしくは魚の骨等が柔かくして食べ易くするための圧力鍋として利用するには、調理材の種類によって調理時間が異なる。例えば一例としてご飯炊きの場合、最初ガス等を点火し、所定時間経過すると鍋本体a内で煮沸状態となって貫通孔12と合致する小孔13から高温高圧の湯気が噴出する。そして所定時間を経過したところで、前記圧力調整板dをスライドさせて大径孔14と貫通孔12とを合致させ高温高圧の湯気を開放してやる。しかる後前記圧力調整板dをスライドさせて前記貫通孔12と凹部24とを合致させ湯気の噴出をストップさせる。いわゆるむらし状態にする。所定時間後蓋体bを取り除けばおいしいご飯が炊き上げられている。
【0120】
さらに本発明の圧力鍋は、魚の骨を柔かくしておいしく食べるための調理法は前記のような炊飯の場合と基本的には変らない。
【0121】
前記の調理法についてその具体例を示すと、前記鍋本体a内に所定の食材である魚を丸ごともしくは切り身にしたものを入れて、セットしガスを点火する。そのとき貫通孔12と前記圧力調整板dの小孔13とを合致しておく。そして所定時間合致した状態にしておくと、湯気が前記小孔13より勢い良く噴出する。かかる噴出時間は食材に応じて調整する。例えば5〜10分間そのままにしておく。そして所定時間が経過したら、大径孔14と貫通孔12とを合致させ、開放させて湯気を排出する。そして前記貫通孔12と凹部24とを合致し、むらし状態にする。所定時間後蓋体bを取り除いてやると、骨まで柔かい魚をおいしく食べることができる。
【0122】
上記のとおり、本発明の圧力鍋は、前記の圧力調整板dが生命線であり、これのスライド操作によって、種々の食材の調理ができる利点を有している。
【0123】
図においてeは緊締体であり、fは前記緊締体eと接続する接続体であり、両者の関係と前記バンド部10との関係を説明すると以下のとおりである。
【0124】
前記バンド部10の両端部に、緊締体eの下端部15を接続し、且前記緊締体eの稍上方部に接続体fの上方部16と接続する。そして前記接続体fの下方部17は前記鍋本体aの引掛け部3に引掛け可能な形状の係止部18を形成する。
【0125】
そして、前記鍋本体aの開口部4に前記木製蓋体bを載置し、前記木製蓋体bの嵌挿部7を前記鍋本体aの縁部5に嵌挿せしめた後、前記取手9間に介在のバンド部10と接続する緊締体eと接続体fを介して前記鍋本体aと木製蓋体bとを密閉する。
【0126】
前記木製蓋体bは、堅くて強く且型くずれしない性質を有する欅材もしくは樫材を主として使用する。
【0127】
さらに、前記のようにセットされた前記接続体fを接続する前記緊締体eは、前記鍋本体aと前記蓋体bとの密閉時に、前記緊締体eが前記バンド部10の表面部に密着状態となって容易に離脱しないので使用上安心安全である。
【0128】
前記のようにセットされた鍋本体aと木製蓋体bとは、バンド部10と緊締体eと接続体fとによって、簡単にして、且確実にセットされると共に、さらに炊飯中に高温高圧蒸気による異常な上昇が発生しても、前記安全装置cが作動して未然に危険を防止し、さらに炊飯中に具等を鍋本体a内に挿入するときは、前記圧力調整板dをスライドせしめ、高温高圧蒸気を排出せしめた後、挿入することが可能にしたので、安心安全に炊飯等ができる利点がある。
【0129】
さらに、前記圧力調整板dは、蟻溝22方式によってスライドをさせるので、炊飯中に高温高圧蒸気によって前記調整板dが押上げられて離脱したりしない利点がある。
【0130】
また前記蓋体bは、熱伝導率が著しく低いので、圧力調整板dのつまみ部15が、熱伝導による高温化をすることなく、そのため火傷のおそれがない。
【0131】
前記木製蓋体bは、主として欅材もしくは樫材を使用するので、熱伝導も低く、そのため付属取付け部材の高温化による火傷のおそれもない。従って安全安心して何人も容易に調理炊飯ができる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
金属製鍋本体の周壁面部につまみ部と引掛け部を取着した金属製鍋本体と、固くて形くずれしない、比較的厚い木材製の蓋体の裏面部に前記鍋本体の縁部が嵌挿する嵌挿部を形成し、前記鍋本体に前記蓋体を載置し、バンド部と接続体を接続する緊締体とによって、前記鍋本体と蓋体とを固くセットするものである。
【符号の説明】
【0133】
a 鍋本体
b 木製蓋体
c 安全装置
d 圧力調整板
e 緊締体
f 接続体
1 周壁面部
2 つまみ部
3 引掛け部
4 開口部
5 縁部
6 裏面部
7 嵌挿部
7a 裏面突出部
8 表面部
9 取手
9a 側壁部
9b 貫通孔
9c 押え杆
10 バンド部
10a 裏面部
11 排出孔
12 貫通孔
13 小孔
14 大径孔
15 つまみ部
17 下方部
18 係止部
19 キャップ
20 押圧弁
21 固定部
21a 鎖
22 蟻溝
23 裏面部
24 凹部
25 突起部
26 凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁面部につまみ部及び引掛け部を取着する有底形状にして、且開口部を有する金属製鍋本体と、裏面部に前記鍋本体の開口部を構成する湾曲状の縁部が嵌挿する嵌挿部を形成し、且表面部に突設する取手の間にバンド部を介在せしめ、前記取手以外の部位に形成する高温高圧蒸気を排出する貫通孔を遮蔽もしくは合致する小孔と大径孔とつまみ部とを有し、且スライド自在にして高温高圧蒸気によっても容易に離脱しない方式で嵌挿可能な圧力調整板を表面部に形成せしめる厚みが十分な木製蓋体と、前記バンド部の両端部に、緊締体の下端部を接続し、且前記緊締体の稍上方部に接続体の上方部とを接続し、且前記接続体の下方部は前記鍋本体の引掛け部に引掛可能な形状の係止部を形成し、前記鍋本体の湾曲状の開口部に前記木製蓋体を載置して前記木製蓋体の嵌挿部を前記鍋本体の縁部に嵌挿せしめ、前記取手間に介在のバンド部と接続する緊締体と接続体を介して前記鍋本体と木製蓋体とを密閉し炊飯等をすることを特徴とする圧力鍋。
【請求項2】
前記周壁面部に取着の引掛け部は、前記つまみ部の上方に位置せしめることを特徴とする請求項1に記載の圧力鍋。
【請求項3】
前記木製蓋体は堅くて強く且型くずれしない性質を有する欅材もしくは樫材を主として使用することを特徴とする請求項1又は同2に記載の圧力鍋。
【請求項4】
前記木製蓋体の裏面部に形成する嵌挿部は、稍逆V形状もしくは稍逆U形状もしくはП形状とすることを特徴とする請求項1又は同2又は同3に記載の圧力鍋。
【請求項5】
前記木製蓋体の裏面部に形成する嵌挿部は、断面形状が稍逆U形状にして、且U形状の中、外側方の長さを内側方の長さよりも短く形成せしめることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4に記載の圧力鍋。
【請求項6】
前記取手は、平行状に所定の間隔を設け2枚立設すると共に、前記2枚の取手の側壁部に所定間隔おきに貫通孔を同一の高さにして、且対向状に形成し、前記貫通孔内に押え杆を出入自在に挿入し、前記バンド部の上面を押えることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5に記載の圧力鍋。
【請求項7】
前記バンド部は、薄い金属板製とすることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6に記載の圧力鍋。
【請求項8】
前記安全装置は、前記木製蓋体に形成する排出孔を遮蔽するキャップと前記キャップを押圧する押圧弁と鎖付き固定部とからなる安全装置を有し、前記固定部を前記蓋体の表面部に取着せしめることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7に記載の圧力鍋。
【請求項9】
前記圧力調整板は、前記蓋体の表面部に突設の取手に対し直交状に形成する蟻溝内にスライド可能にすることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8に記載の圧力鍋。
【請求項10】
前記圧力調整板は、裏面部に内側方にくぼせた凹部を形成せしめることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8又は同9に記載の圧力鍋。
【請求項11】
前記接続体を接続する前記緊締体は、前記鍋本体と前記蓋体との密閉時に前記緊締体が前記バンド部の表面部に密着状態となすことを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8又は同9又は同10に記載の圧力鍋。
【請求項12】
前記バンド部は、裏面部に所定間隔をおいて突起部を形成し、前記木製蓋体の表面部に前記突起部が嵌挿する凹部を形成し、前記木製蓋体と前記バンド部とを接続し固定せしめることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8又は同9又は同10又は同11に記載の圧力鍋。
【請求項1】
周壁面部につまみ部及び引掛け部を取着する有底形状にして、且開口部を有する金属製鍋本体と、裏面部に前記鍋本体の開口部を構成する湾曲状の縁部が嵌挿する嵌挿部を形成し、且表面部に突設する取手の間にバンド部を介在せしめ、前記取手以外の部位に形成する高温高圧蒸気を排出する貫通孔を遮蔽もしくは合致する小孔と大径孔とつまみ部とを有し、且スライド自在にして高温高圧蒸気によっても容易に離脱しない方式で嵌挿可能な圧力調整板を表面部に形成せしめる厚みが十分な木製蓋体と、前記バンド部の両端部に、緊締体の下端部を接続し、且前記緊締体の稍上方部に接続体の上方部とを接続し、且前記接続体の下方部は前記鍋本体の引掛け部に引掛可能な形状の係止部を形成し、前記鍋本体の湾曲状の開口部に前記木製蓋体を載置して前記木製蓋体の嵌挿部を前記鍋本体の縁部に嵌挿せしめ、前記取手間に介在のバンド部と接続する緊締体と接続体を介して前記鍋本体と木製蓋体とを密閉し炊飯等をすることを特徴とする圧力鍋。
【請求項2】
前記周壁面部に取着の引掛け部は、前記つまみ部の上方に位置せしめることを特徴とする請求項1に記載の圧力鍋。
【請求項3】
前記木製蓋体は堅くて強く且型くずれしない性質を有する欅材もしくは樫材を主として使用することを特徴とする請求項1又は同2に記載の圧力鍋。
【請求項4】
前記木製蓋体の裏面部に形成する嵌挿部は、稍逆V形状もしくは稍逆U形状もしくはП形状とすることを特徴とする請求項1又は同2又は同3に記載の圧力鍋。
【請求項5】
前記木製蓋体の裏面部に形成する嵌挿部は、断面形状が稍逆U形状にして、且U形状の中、外側方の長さを内側方の長さよりも短く形成せしめることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4に記載の圧力鍋。
【請求項6】
前記取手は、平行状に所定の間隔を設け2枚立設すると共に、前記2枚の取手の側壁部に所定間隔おきに貫通孔を同一の高さにして、且対向状に形成し、前記貫通孔内に押え杆を出入自在に挿入し、前記バンド部の上面を押えることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5に記載の圧力鍋。
【請求項7】
前記バンド部は、薄い金属板製とすることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6に記載の圧力鍋。
【請求項8】
前記安全装置は、前記木製蓋体に形成する排出孔を遮蔽するキャップと前記キャップを押圧する押圧弁と鎖付き固定部とからなる安全装置を有し、前記固定部を前記蓋体の表面部に取着せしめることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7に記載の圧力鍋。
【請求項9】
前記圧力調整板は、前記蓋体の表面部に突設の取手に対し直交状に形成する蟻溝内にスライド可能にすることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8に記載の圧力鍋。
【請求項10】
前記圧力調整板は、裏面部に内側方にくぼせた凹部を形成せしめることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8又は同9に記載の圧力鍋。
【請求項11】
前記接続体を接続する前記緊締体は、前記鍋本体と前記蓋体との密閉時に前記緊締体が前記バンド部の表面部に密着状態となすことを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8又は同9又は同10に記載の圧力鍋。
【請求項12】
前記バンド部は、裏面部に所定間隔をおいて突起部を形成し、前記木製蓋体の表面部に前記突起部が嵌挿する凹部を形成し、前記木製蓋体と前記バンド部とを接続し固定せしめることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5又は同6又は同7又は同8又は同9又は同10又は同11に記載の圧力鍋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
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【図14】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−178791(P2010−178791A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22653(P2009−22653)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(594035460)有限会社竹内快速鋸 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(594035460)有限会社竹内快速鋸 (6)
【Fターム(参考)】
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