説明

圧電デバイス

【課題】圧電振動子と配線基板との接続信頼性を高めた圧電デバイスを提供する。
【解決手段】圧電デバイス10は、2端子の入出力端子32a,32bを有する圧電振動片30と、圧電振動片30を収容するキャビティ33を備えたパッケージ21と、パッケージ下面21aに形成され2端子の入出力端子32a,32bのそれぞれと電気的に接続された実装端子60,61とを備えた圧電振動子20と、複数の機能端子を有する電子部品40と、複数の機能端子のそれぞれが接続される第1ランドパターンと、実装端子60,61のそれぞれが接続される第2ランドパターンと、を有する配線基板50と、電子部品40の周囲に配設された金属ボール35であって実装端子60,61と第2ランドパターンとを接続する複数の金属ボール35と、を備え、配線基板50の片面51に電子部品40を搭載し、圧電振動子20が電子部品40を覆うように配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動子の実装端子を2端子構成とする圧電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレキシブル配線基板の片面側のランドパターン上に電子部品を搭載するとともに、フレキシブル配線基板の外周縁に設けたランドパターン上に4個の金属ボールを搭載し、さらに、フレキシブル配線基板とほぼ等しい平面形状の圧電振動子を電子部品の上面を覆い、且つ、4個の金属ボールを介して水晶振動子のセラミックパッケージの底面に設けた実装端子とランドパターンとが導通するよう搭載されている圧電デバイスというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−185254号公報(第2,3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような特許文献1では、圧電振動子に設けられる4個の実装端子とフレキシブル配線基板に設けられる4個のランドパターンとを4個の金属ボールにて接続している。従って、実装端子とランドパターンの一つずつを、1個の金属ボールで接続していることから、接続の信頼性が十分とはいえない。
【0005】
また、実装端子とランドパターンと金属ボールとは、それぞれ1個対応のため、接続のための面積が小さく十分な接続強度が得られず、さらに、実装端子とランドパターンと金属ボールとの相互位置精度が求められ、実装作業性が低下することが考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係る圧電デバイスは、2端子の入出力端子を有する圧電振動片と、前記圧電振動片を収容するキャビティを備えたパッケージと、該パッケージの下面に形成され前記2端子の入出力端子のそれぞれと電気的に接続された二つの実装端子とを備えた圧電振動子と、複数の機能端子を有する電子部品と、前記複数の機能端子のそれぞれが接続される第1ランドパターンと、前記二つの実装端子のそれぞれが接続される第2ランドパターンと、を有する配線基板と、前記電子部品の周囲に配設された接続部材であって前記二つの実装端子と前記第2ランドパターンとを接続する複数の接続部材と、を備え、前記配線基板の片面に前記電子部品を搭載し、前記圧電振動子が前記電子部品を覆うように配設されていることを特徴とする。
【0008】
このような圧電デバイスは、二つの入出力端子を含む接続端子をパッケージの下面に二つの実装端子を備え、この実装端子のそれぞれに複数の接続部材を配設して配線基板の第2ランドパターンに接続するため、一つの実装端子当たりに用いられる接続部材の数が複数になるため、実装端子と第2ランドパターンとの接続の信頼性を向上させることができる。
【0009】
また、2端子の入出力端子を含む複数の接続端子を二つの実装端子に集約することで、実装端子の面積が前述した従来技術の構成よりも広くなり、接続部材との接続面積が大きくなり、接続強度を高めることができる。
【0010】
さらに、実装端子の面積が大きいことから、実装端子とランドパターンと接続部材との相互位置がある範囲でずれることがあっても、接続端子のいずれかが実装端子との接続を可能とし、接続の信頼性を高めながら実装作業の効率化を図ることができるという効果がある。
【0011】
[適用例2]上記適用例に係る圧電デバイスにおいて、前記パッケージの平面形状が矩形であって、前記接続部材が前記二つの実装端子のそれぞれに対して2個ずつ設けられ、前記接続部材により、前記二つの実装端子と前記配線基板の4隅に分散配置される前記第2ランドパターンとが接続されていることが好ましい。
【0012】
このような構成にすれば、パッケージ(つまり、圧電振動子)が矩形の場合、パッケージ下面の4隅において圧電振動子と配線基板とを接続することにより、圧電振動子をバランスよく配線基板に実装することができる。
【0013】
[適用例3]上記適用例に係る圧電デバイスにおいて、前記第1ランドパターンが複数備えられ、前記第2ランドパターンが複数備えられ、前記2端子の入出力端子の一方が接続される前記第2ランドパターンの一つと、当該第2ランドパターンと前記第1ランドパターンの一つと、を接続する接続パターンが少なくとも2つ以上に分岐され、分岐された接続パターンが他の第2ランドパターンと接続されるとともに、前記2端子の入出力端子の他方が接続される前記第2ランドパターンの他の一つと、当該第2ランドパターンと前記第1ランドパターンの他の一つと、を接続する接続パターンが少なくとも2つ以上に分岐され、分岐された接続パターンが他の第2ランドパターンと接続されていることが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、配線基板において、電子部品の機能端子と接続される第1ランドパターンと第2ランドパターンとの接続する接続パターンが途中から分岐され、少なくとも二つの第2ランドパターンに接続することにより、仮に、一方の接続パターンが断線した場合においても他方の接続パターンが第2ランドパターンに接続しているため、接続の信頼性を一層高めることができる。
【0015】
[適用例4]上記適用例に係る圧電デバイスにおいて、前記接続部材が球体部材であることが好ましい。
球体部材としては、例えば金属ボールを採用することができる。
【0016】
金属ボールは、研摩板を用いて一様に直径のばらつき補正することが可能で、圧電振動子と配線基板との高さのばらつきを抑えることができる他、配線基板上に配設する際、姿勢や方向を気にせず効率的な実装作業が得られやすいという効果を有する。
【0017】
[適用例5]上記適用例に係る圧電デバイスにおいて、前記接続部材が柱状部材であることが好ましい。
【0018】
柱状部材としては、円柱や四角柱等があり、これらは底面の面積に対して高さを自在に変えることが可能で、電子部品と圧電振動子との間隙を自在に調整することができるという利点がある。また、底面が平面であることから配線基板上に搭載したときの姿勢が安定するという効果がある。
【0019】
[適用例6]上記適用例に係る圧電デバイスにおいて、前記接続部材が、複数の前記第2ランドパターンのそれぞれに接続される端子部を有し、前記端子部が連結部で一体化されていることが好ましい。
【0020】
このような接続部材は、中央付近にくびれがある円柱や四角柱、あるいは、板状部材等により構成できる。このような形態の接続部材は、複数の端子部を連結部で一体化することから、第2ランドパターンが複数ある構成であっても、2組の実装端子に対応して2個の接続部材を設ければよく、また、1個対応の金属ボールや柱状部材よりもサイズを大きくできることから取り扱いが容易で実装作業がやり易くなるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は実施形態1に係る圧電デバイスの1例を示し、図4は実施形態2を示している。なお、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
(実施形態1)
【0022】
図1は、実施形態1に係る圧電デバイスの概略構造を示す断面図である。図1において、圧電デバイス10は、配線基板50の片面51(以降、表面51と表す)に直接搭載され接着剤111にて固定された電子部品40と、電子部品40の上方を覆うように重ねて配設された圧電振動子20と、圧電振動子20と配線基板50とを接続しつつ、接合するための複数の接続部材としての球体部材からなる金属ボール35とから構成されている。なお、圧電デバイス10は、配線基板50、電子部品40、圧電振動子20及び金属ボール35とを実装した後、モールド材110にて内部が密閉されている。
【0023】
圧電振動子20は、励振電極31a,31bに接続する2端子の入出力端子32a,32bを有する圧電振動片30をキャビティ33内に格納している。キャビティ33はリッド22によって封止されている。この圧電振動片30の2端子の入出力端子32a,32bのそれぞれは、パッケージ21に形成された内部電極33a,33bのそれぞれと、導電性接着剤34を介して電気的、且つ機械的に接続されている。圧電振動片30としては、音叉型水晶振動片、AT水晶振動片、SAW共振片等が適用できる。そして、モールドされた状態で、圧電デバイス10は、平面形状が配線基板50と略同サイズの箱型形状となる。
【0024】
配線基板50は、薄型化を図るためにフレキシブル基板を用いており、表面51に電子部品40の機能端子と接続するための第1ランドパターン(以降、単に第1ランドと表すことがある)と接続パターン、圧電振動子20と接続するための第2ランドパターン(以降、単に第2ランドと表すことがある)、裏面52に外部接続端子85とが形成されている。これら第1ランド、接続パターン、第2ランドの構成は、図3を参照して後述する。
【0025】
圧電振動子20には、セラミックからなる平面形状が矩形のパッケージ21内のキャビティ33に2端子の入出力端子を有する圧電振動片30が格納されている。この2端子の入出力端子32a,32bはパッケージ下面21aまで延在され、パッケージ21の対向する2辺に沿って2組の実装端子60,61に集約されている。
【0026】
電子部品40は、発振回路を内蔵し、複数の機能端子を有している。複数の機能端子は、配線基板50の表面51に設けられた複数の第1ランドとワイヤボンディングにより接続されている。なお、本実施形態の電子部品は1チップICにて構成されている。
【0027】
そして、圧電振動子20に設けられた実装端子60と配線基板50に設けられた第2ランドとしてのランド77,78と、実装端子61とランド79,80と、が金属ボール35によって接続されている。圧電振動子20と配線基板50の実装形態について図2を参照して説明する。
【0028】
図2は、本実施形態に係る圧電デバイスを示す分解斜視図である。図2において、矩形のパッケージ21の4隅には、電極取出し部23〜26が設けられており、これら各電極取出し部23〜26の側面には、圧電振動片30の励振電極31a,31bに接続する2端子の接続端子を含んで延在され接続される複数の接続端子62〜65が設けられている。ここで、接続端子62に2端子の接続端子のうちの一つが接続されており、接続端子65は実装用端子である。接続端子62,65は、パッケージ下面21aに設けられる実装端子61に接続されている。
【0029】
また、接続端子64には、2端子の接続端子のうちの他の一つが接続されており、接続端子63は実装用端子である。接続端子63,64は、パッケージ下面21aに設けられる実装端子60に接続されている。
【0030】
なお、圧電振動子20(パッケージ21)の内部において、励振電極31a,31bに接続する2端子の入出力端子32a,32bの一方を接続端子62,65に分岐し、入出力端子の他方を接続端子63,64に分岐し、パッケージ下面21aにおいて実装端子60,61に集約する構成としてもよい。
上述したように、実装端子60,61はそれぞれ、パッケージ21の対向する2辺に沿って設けられた面積が広い実装用の端子として形成される。
【0031】
一方、配線基板50の表面51には電子部品40が配設されており、電子部品40の周囲、つまり、配線基板50の4隅近傍に分散配置されたランド77〜80が設けられており、ランド77〜80それぞれの上面に金属ボール35が配設されている。
【0032】
金属ボール35は、Cuからなるコア球体に半田メッキ(鉛フリーメッキが好ましい)が施されている。また、ランド77〜80の表面には半田溶着を強化するためのフラックスが塗布される。
【0033】
このように電子部品40と金属ボール35とが搭載された配線基板50に、実装端子60,61が設けられた圧電振動子20を重ねて加熱及び加圧することにより、圧電振動子20と配線基板50とが金属ボール35を介して電気的に接続されるとともに接合される。この際、金属ボール35の表面の半田が溶融し、図1に示すように実装端子60,61の面積を広く設定していることから、半田が金属ボール35の接合部の裾に広がる。なお、金属ボール35の上面(圧電振動子20との接合面)に半田ペーストを塗布すれば、接合強度を一層高めることができる。
【0034】
続いて、本実施形態に係る配線基板50の配線構成について図面を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係る配線基板の配線構成を示す説明図である。なお、電子部品40が実装された状態を表している。図3において、配線基板50の表面51には、電子部品40が配設されている。配線基板50には、複数の接続パターンと複数のランドパターンとが形成されている。
【0035】
また、電子部品40には複数の機能端子が設けられている。具体的には、電源端子(OE端子)、振動子端子(XT端子、XTN端子)、特殊機能端子(OE端子)、接地端子(VSS端子)、出力端子(F0端子)が設けられ、それぞれに対応する第1ランドにワイヤボンディングにて接続されている。
【0036】
第1ランドはランド71〜76から構成され、VDD端子とランド71、XT端子とランド72、XTN端子とランド74、OE端子とランド73、VSS端子とランド75、F0端子とランド76、とそれぞれ接続される。また、ランド71とスルーホール53、ランド73とスルーホール54、ランド75とスルーホール55、ランド76とスルーホール56とは、それぞれ接続パターンによって接続されている。
【0037】
スルーホール53〜56は内部に電極が形成されており、配線基板50の表面51から裏面52に貫通して裏面側に設けられる外部接続端子85(図1、参照)に接続されている。
【0038】
また、配線基板50の4隅近傍には、ランド77〜80が設けられている。そして、ランド78は接続パターン81によってランド72に接続され、XT端子まで接続されている。接続パターン81は途中から接続パターン82に分岐され、ランド77に接続されている。従って、ランド77,78は同電位の端子である。
【0039】
また、ランド79は接続パターン83によってランド74に接続され、XTN端子まで接続されている。接続パターン83は途中から接続パターン84に分岐され、ランド80に接続されている。従って、ランド79,80は同電位の端子である。
【0040】
なお、配線基板50の表面51に設けられる接続パターン81〜84を含む配線パターンの表面にはレジスト90が設けられている。そして、ランド77〜80のそれぞれは、レジスト90に開設される開口部91,93,97,99に露出されている。また、ランド71〜76のそれぞれは、レジスト90に開設される開口部92,95,98に露出されている。
【0041】
従って、本実施形態によれば、圧電振動片30から延在される2端子の入出力端子32a,32bを含む接続端子62〜65をパッケージ下面21aにおいて2組の実装端子60,61に集約し、この実装端子60,61それぞれに複数の金属ボール35を配設して配線基板50の第2ランドパターンとしてのランド77〜80に接続するため、1組の実装端子当たりに用いられる金属ボール35が2個になるため、実装端子60,61とランド77〜80との接続の信頼性を向上させることができる。
【0042】
また、2端子の入出力端子32a,32bを含む接続端子62〜65を2組の実装端子60,61に集約することで、実装端子60,61それぞれの面積が前述した従来技術の構成よりも広くなることから、金属ボール35との接続面積が大きくなり、接続強度を高めることができる。
【0043】
さらに、実装端子60,61の面積が大きいことから、実装端子60とランド77,78と金属ボール35との相互位置がある範囲でずれることがあっても、金属ボール35のいずれかが実装端子60との接続を可能とし、接続の信頼性を高めながら実装作業の効率化を図ることができるという効果がある。なお、ランド79,80側においても同様な理由で、同様な効果が得られる。
【0044】
また、本実施形態で示したように、矩形のパッケージ21(つまり、圧電振動子20)では、パッケージ21の4隅近傍に金属ボール35を配し、圧電振動子20の4隅において配線基板50(ランド77〜80)と接続することにより、圧電振動子20をバランスよく配線基板50に実装することができ、圧電振動子20の傾きを低減し、接続強度の安定化を図ることができる。
【0045】
また、配線基板50において、電子部品40のXT端子(振動子端子)が接続されるランド72と圧電振動子20が接続されるランド78とを接続する接続パターン81が途中から接続パターン82に分岐され、接続パターン82によってランド77に接続することにより、仮に、一方の接続パターンが断線した場合においても他方の接続パターンがランド77またはランド78に接続しているため、接続の信頼性を一層高めることができる。
【0046】
また、接続部材として金属ボール35を用いている。金属ボール35は、研摩板を用いて一様に直径のばらつき補正することが可能で、圧電振動子と配線基板との高さのばらつきを抑えることができる他、配線基板上に配設する際、姿勢や方向を気にせず効率的な実装作業が得られやすいという効果を有する。
【0047】
また、接続部材を円柱や四角柱等の柱状部材で形成することができる。円柱や四角柱では、底面積に対して高さを自在に変えることが可能で、電子部品40と圧電振動子20との間隙を自在に調整することができるという利点がある。また、底面が平面であることから配線基板上に搭載したときの姿勢が安定するという効果がある。
【0048】
なお、これら柱状部材は側面を配線基板50に沿って搭載することも可能である。また、薄肉のパイプ形状としてもよい。
(実施形態2)
【0049】
続いて、実施形態2に係る圧電デバイスについて図面を参照して説明する。実施形態2は、前述した実施形態1が接続部材として金属ボールまたは柱状部材を用いていることに対して、接続部材が、複数の第2ランドパターンそれぞれに接続される端子部を有し、端子部が連結部で一体化されていることに特徴を有している。従って、接続部材の構造を中心に説明する。
図4は、実施形態2に係る圧電デバイスの概略構造を示し、(a)は圧電振動子を透視した状態を示す部分平面図、(b)は(a)のA−A切断面を示す断面図である。図4(a)に示すように、本実施形態では、接続部材として板状の接続端子板130が用いられている。
【0050】
接続端子板130は、金属からなる略コの字状の板状部材であって、端子部131,132と、端子部131,132とを連結する連結部133とから構成されている。端子部131,132それぞれの底面には突起部135,136が形成されている(図4(b)も参照する)。また、接続端子板130には表面全体にわたって半田メッキが施されている。なお、配線基板50の構成は実施形態1(図3、参照)と同じであり、同じ符号を附している。
【0051】
接続端子板130を配線基板50上に載置した際、突起部135,136はそれぞれ、ランド77、78の表面に当接する高さになるように設定される。
なお、接続端子板130は、連結部133がランド71及びワイヤボンディング用のワイヤ112と接触しないようなくびれ部を有している。
また、本実施形態の接続端子板130は、プレス加工等で容易に形成することができる。
【0052】
また、接続端子板130は、実装端子60(図2、参照)の範囲内に納まるような大きさに設定されており、圧電振動子20と配線基板50とを加熱及び加圧することにより、突起部135,136がそれぞれランド77,78に、そして上面が実装端子60に接続されることで圧電振動子20と配線基板50との電気的な接続と、接合が行われる。
【0053】
なお、実装端子61側においても接続端子板130の構造を適合することができる。
【0054】
なお、本実施形態の接続部材としての接続端子板130は1例であって、柱状部材とすることができる。例えば、図示は省略するが、ランド77,78に接続するための端子部を両端に、中央部にランド71やワイヤ112を避けるためのくびれ部を有する円柱または四角柱とすることができる。
【0055】
従って、上述した実施形態2によれば、2個の突起部135,136を有する端子部131,132を連結部133で一体化していることから、2組の実装端子60,61に対応して2個の接続端子板を設ければよく、また、1個対応の金属ボール35や柱状部材よりもサイズを大きくできることから、接続強度が高く、接続の信頼性の向上が図れるとともに、実装作業がやり易くなるという効果がある。
【0056】
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述した実施形態1,2では、第2ランドパターンが実装端子60,61それぞれに2個ずつ設けている構成を例示しているが、ランドの数はそれぞれに3個以上設ける構造としてもよく、この場合、ランド数に対応した数の金属ボール、突起部を設けることで実現できる。
【0057】
また、第2ランドパターンの配置も実装端子60,61の範囲内において第1ランドパターンとの位置を考慮したうえで任意の位置に配設することができる。また、実装端子60,61も例示された位置に限らず、他の対向する2辺に設ける構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施形態1に係る圧電デバイスの概略構造を示す断面図。
【図2】実施形態1に係る圧電デバイスを示す分解斜視図。
【図3】実施形態1に係る配線基板の配線構成を示す説明図。
【図4】実施形態2に係る圧電デバイスの概略構造を示し、(a)は圧電振動子を透視した状態を示す部分平面図、(b)は(a)のA−A切断面を示す断面図。
【符号の説明】
【0059】
10…圧電デバイス、20…圧電振動子、21…パッケージ、21a…パッケージ下面、30…圧電振動片、32a,32b…2端子の入出力端子、35…接続部材としての金属ボール、40…電子部品、50…配線基板、51…配線基板の表面、60,61…実装端子、71〜76…第1ランドパターンとしてのランド、77〜80…第2ランドパターンとしてのランド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2端子の入出力端子を有する圧電振動片と、前記圧電振動片を収容するキャビティを備えたパッケージと、該パッケージの下面に形成され前記2端子の入出力端子のそれぞれと電気的に接続された二つの実装端子とを備えた圧電振動子と、
複数の機能端子を有する電子部品と、
前記複数の機能端子のそれぞれが接続される第1ランドパターンと、前記二つの実装端子のそれぞれが接続される第2ランドパターンと、を有する配線基板と、
前記電子部品の周囲に配設された接続部材であって前記二つの実装端子と前記第2ランドパターンとを接続する複数の接続部材と、を備え、
前記配線基板の片面に前記電子部品を搭載し、
前記圧電振動子が前記電子部品を覆うように配設されていることを特徴とする圧電デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の圧電デバイスにおいて、
前記パッケージの平面形状が矩形であって、前記接続部材が前記二つの実装端子のそれぞれに対して2個ずつ設けられ、
前記接続部材により、前記二つの実装端子と前記配線基板の4隅に分散配置される前記第2ランドパターンとが接続されていることを特徴とする圧電デバイス。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の圧電デバイスにおいて、
前記第1ランドパターンが複数備えられ、
前記第2ランドパターンが複数備えられ、
前記2端子の入出力端子の一方が接続される前記第2ランドパターンの一つと、当該第2ランドパターンと前記第1ランドパターンの一つと、を接続する接続パターンが少なくとも2つ以上に分岐され、分岐された接続パターンが他の第2ランドパターンと接続されるとともに、
前記2端子の入出力端子の他方が接続される前記第2ランドパターンの他の一つと、当該第2ランドパターンと前記第1ランドパターンの他の一つと、を接続する接続パターンが少なくとも2つ以上に分岐され、分岐された接続パターンが他の第2ランドパターンと接続されていることを特徴とする圧電デバイス。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の圧電デバイスにおいて、
前記接続部材が球体部材であることを特徴とする圧電デバイス。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の圧電デバイスにおいて、
前記接続部材が柱状部材であることを特徴とする圧電デバイス。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の圧電デバイスにおいて、
前記接続部材が、複数の前記第2ランドパターンのそれぞれに接続される端子部を有し、前記端子部が連結部で一体化されていることを特徴とする圧電デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−300913(P2008−300913A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141383(P2007−141383)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】