説明

圧電デバイス

【課題】サーミスタ素子を接合する際に、サーミスタ素子がサーミスタ素子搭載パッドから外れてしまうことを低減することができる圧電デバイスの提供。
【解決手段】基板部と、第1の枠部と、第2の枠部とからなる素子搭載部材と、圧電振動素子搭載パッドに搭載されている圧電振動素子と、サーミスタ素子搭載パッド112に搭載されているサーミスタ素子140と、サーミスタ搭載パッドと接続されている2個一対のサーミスタ素子用配線パターン116と、第1の凹部空間を気密封止する蓋体と、第2の凹部空間K2内底面に露出している2個一対のサーミスタ素子用配線パターンは、第3の凹部空間K3に素子搭載部材の長辺側外周縁部と平行で、第2の凹部空間内底面の中心線に対して線対称となる位置に設けられ、2個一対のサーミスタ素子用配線パターンの主面には、バンプBP1が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器等に用いられる圧電デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の圧電デバイスは、その例として素子搭載部材、圧電振動素子、サーミスタ素子、蓋体とから主に構成されている構造が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
素子搭載部材は、基板部と第1の枠部と第2の枠部で構成されている。
基板部の主面に第2の枠部が設けて、第2の凹部空間が形成され、第2の枠部に第1の枠部を設けて第1の凹部空間が形成されている。
第1の凹部空間内に露出する第2の枠部の一方の主面には、2個一対の圧電振動素子搭載パッドが設けられている。
第2の凹部空間内に露出する基板部の一方の主面には、サーミスタ素子搭載パッドが設けられている。
また、基板部の他方の主面の4隅には、外部接続用電極端子が設けられている。
この圧電振動素子搭載パッド上には、導電性接着剤を介して電気的に接続される一対の励振用電極を表裏主面に有した圧電振動素子が搭載されている。この圧電振動素子を囲繞する素子搭載部材の第1の枠部の頂面には金属製の蓋体が被せられ接合されている。これにより第1の凹部空間と第2の凹部空間が気密封止されている。
また、サーミスタ素子搭載パッド上には、半田等の導電性接合材を介して接続されるサーミスタ素子が搭載されている。
サーミスタ素子は、抵抗値が、外部接続用電極端子を介して圧電デバイスの外へ出力される。この出力された抵抗値の変化から電圧が変化するため、電圧と温度との関係により、出力された抵抗値を電圧に換算することで、そのときの電圧から温度情報を得ることができる。例えば、電子機器等のメインIC内で温度情報に換算することができる。
また、外部接続用電極端子は、2個一対の水晶振動素子用電極端子と、2個一対のサーミスタ素子用電極端子により構成されている。その水晶振動素子用電極端子は、対角に配置されている。また、サーミスタ素子用電極端子も同様に対角に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−205938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の圧電デバイスにおいては、サーミスタ素子を素子搭載部材のサーミスタ素子搭載パッドに搭載するための半田等の導電性接合材をサーミスタ素子搭載パッドに塗布する際に、塗布用のニードルが入るスペースを設ける必要がある。よって、サーミスタ素子搭載パッドから引き回したサーミスタ素子用配線パターンの露出が多くなり、サーミスタ素子搭載パッドからサーミスタ素子用配線パターンに導電性接合材が流れ出てしまうため、サーミスタ素子がサーミスタ素子搭載パッドから外れてしまうといった課題があった。
【0005】
また、従来の圧電デバイスは、サーミスタ素子を素子搭載部材のサーミスタ素子搭載パッドに搭載する際に、サーミスタ素子が位置ずれを起こし、サーミスタ素子がサーミスタ素子搭載パッドから外れてしまうといった課題があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、サーミスタ素子を接合する際に、サーミスタ素子がサーミスタ素子搭載パッドから外れてしまうことを低減することができる圧電デバイスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の圧電デバイスは、基板部と、この基板部の一方の主面に設けられる第1の枠部と、基板部の他方の主面に設けられる第2の枠部とからなる素子搭載部材と、基板部と第1の枠部とで形成される第1の凹部空間内に露出した基板部の主面に設けられた圧電振動素子搭載パッドに搭載されている圧電振動素子と、基板部と第2の枠部とで形成される第2の凹部空間内に露出した基板部の主面に設けられたサーミスタ素子搭載パッドに導電性接合材を用いて搭載されているサーミスタ素子と、サーミスタ搭載パッドと接続されている2個一対のサーミスタ素子用配線パターンと、第1の凹部空間を気密封止する蓋体と、第2の枠部の基板部の他方の主面と同一方向を向く面の4角に2個一対の圧電振動素子用電極端子と2個一対のサーミスタ素子用電極端子とから構成される外部接続用電極端子と、素子搭載部材の第2の枠部の同一辺側で隣接しあう2つの外部接続用電極端子間に設けられた第3の凹部空間と、を備え、第2の凹部空間内底面に露出している2個一対のサーミスタ素子用配線パターンは、第3の凹部空間に素子搭載部材の長辺側外周縁部と平行で、第2の凹部空間内底面の中心線に対して線対称となる位置に設けられ、2個一対のサーミスタ素子用配線パターンの主面には、バンプが設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の圧電デバイスによれば、第2の凹部空間内底面に露出している2個一対のサーミスタ素子用配線パターンは、第3の凹部空間に素子搭載部材の長辺側外周縁部と平行で、第2の凹部空間内底面の中心線に対して線対称となる位置に設けられ、2個一対のサーミスタ素子用配線パターンの主面には、バンプが設けられていることによって、サーミスタ素子搭載パッドに導電性接合材を塗布したのち、サーミスタ素子用配線パターンに沿って導電性接合材が流れることを低減でき、サーミスタ素子の接合強度を保つのに十分な導電性接合材を維持させることができる。
よって、サーミスタ素子がサーミスタ素子搭載パッドから外れてしまうことを低減することができる。
【0009】
また、2個一対のサーミスタ素子用配線パターンの主面には、素子搭載部材と短辺側外周縁部と平行になるようにバンプが設けられていることによって、前記バンプよりもサーミスタ素子が第3の凹部空間内の壁部側に向かって位置ずれしないため、サーミスタ素子の位置決めをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る圧電デバイスを示す分解斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】(a)本発明の実施形態に係る圧電デバイスをサーミスタ素子搭載前の状態でサーミスタ素子搭載側からみた平面図であり、(b)本発明の実施形態に係る圧電デバイスをサーミスタ素子搭載後の状態でサーミスタ素子搭載側からみた平面図である。
【図4】(a)は、本発明の実施形態に係る圧電デバイスを構成する素子搭載部材の基板部の一方の主面からみた平面図であり、(b)は、本発明の実施形態に係る圧電デバイスを構成する素子搭載部材の内層の一方の主面からみた平面図である。
【図5】(a)は、本発明の実施形態に係る圧電デバイスを構成する素子搭載部材の基板部の他方の主面からみた平面図であり、(b)は、本発明の実施形態に係る圧電デバイスを構成する素子搭載部材を他方の主面からみた平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。尚、圧電振動素子に水晶を用いた場合について説明する。
【0012】
本発明の実施形態に係る圧電デバイス100は、図1及び図2に示すように、素子搭載部材110と圧電振動素子120と蓋体130とサーミスタ素子140とで主に構成されている。この圧電デバイス100は、前記素子搭載部材110に形成されている第1の凹部空間K1内に圧電振動素子120が搭載され、第2の凹部空間K2内には、サーミスタ素子140が搭載されている。その第1の凹部空間K1が蓋体130により気密封止された構造となっている。
【0013】
圧電振動素子120は、図1及び図2に示すように、水晶素板121に励振用電極122を被着形成したものであり、外部からの交番電圧が励振用電極122を介して水晶素板121に印加されると、所定の振動モード及び周波数で励振を起こすようになっている。
水晶素板121は、人工水晶体から所定のカットアングルで切断し外形加工を施された概略平板状で平面形状が例えば四角形となっている。
励振用電極122は、前記水晶素板121の表裏両主面に金属を所定のパターンで被着・形成したものである。
このような圧電振動素子120は、その両主面に被着されている励振用電極122から延出する引き出し電極123と第1の凹部空間K1内底面に形成されている圧電振動素子搭載パッド111とを、導電性接着剤DSを介して電気的且つ機械的に接続することによって第1の凹部空間K1に搭載される。このときの引き出し電極123が設けられた一辺とは反対側の自由端となる端辺を圧電振動素子120の先端部とする。
【0014】
図1〜図2に示すサーミスタ素子140は、温度変化によって電気抵抗が顕著な変化を示すものであり、この抵抗値の変化から電圧が変化するため、抵抗値と電圧との関係及び電圧と温度との関係により、出力された抵抗値を電圧に換算することで、換算して得られた電圧から温度情報を得ることができる。サーミスタ素子140は、抵抗値が、外部接続用電極端子Gを介して圧電デバイス100の外へ出力されることにより、例えば、電子機器等のメインIC(図示せず)で出力された抵抗値を電圧に換算することで温度情報を得ることができる。
サーミスタ素子140は、図2に示すように、素子搭載部材110の第2の凹部空間K2内に露出した後述する基板部110aに設けられたサーミスタ素子搭載パッド112に半田等の導電性接合材HDを介して搭載されている。
サーミスタ素子140は、図3に示すように、素子搭載部材110の第2の凹部空間K2の長辺側壁部と平行になるように搭載されている。つまり、サーミスタ素子140は、素子搭載部材110の長辺側外周縁部と平行になるように搭載されている。
【0015】
図1〜図2に示すように、素子搭載部材110は、基板部110aと、第1の枠部110b、第2の枠部110cとで主に構成されている。
この素子搭載部材110は、前記基板部110aの一方の主面に第1の枠部110bが設けられて、第1の凹部空間K1が形成されている。また、素子搭載部材110の他方の主面に第2の枠部110cが設けられて、第2の凹部空間K2が形成されている。
尚、この素子搭載部材110を構成する基板部110a及び第2の枠部110cは、例えばアルミナセラミックス、ガラス−セラミック等のセラミック材料を複数積層することよって形成されている。
第1の枠部110bは、42アロイやコバール等の金属から成り、中心が打ち抜かれた枠状になっている。
また、第1の枠部110bは、基板部110aの一方の主面の外周を囲繞するように設けられた封止用導体膜HB上にロウ付けなどにより接続される。
第1の凹部空間K1内で露出した基板部110aの一方の主面には、2個一対の圧電振動素子搭載パッド111が設けられている。
また、図1〜図3に示すように素子搭載部材110は、基板部110aの他方の主面と第2の枠部110cによって第2の凹部空間K2が形成されている。
第2の凹部空間K2内で露出した基板部110aの他方の主面には、サーミスタ素子搭載パッド112が設けられている。
【0016】
前記素子搭載部材110の第2の枠部110cの圧電振動素子搭載パッド111が設けられている面とは反対側の主面の4隅には、外部接続用電極端子Gが設けられている。
外部接続用電極端子Gは、2個一対の圧電振動素子用電極端子G1と2個一対のサーミスタ素子用電極端子G2により構成されている。
2個一対の圧電振動素子用電極端子G1は、前記素子搭載部材110の第2の枠部110cの他方の主面の対角に設けられている。
また、2個一対のサーミスタ素子用電極端子G2は、第2の枠部110cの前記圧電振動素子用電極端子G1が設けられている位置と異なる2つの隅部に設けられている。つまり、前記サーミスタ素子用電極端子G2は、前記圧電振動素子用電極端子G1が設けられている対角とは異なる第2の枠部110cの対角に設けられている。
【0017】
第3の凹部空間K3は、図3に示すように、前記素子搭載部材110の前記第2の枠部110cの同一辺側で隣接しあう2つの外部接続用電極端子G間に設けられている。
前記第3の凹部空間K3は、隣接しあう2つの外部接続用電極端子Gの間に、第2の凹部空間K2とつながるようにして設けられている。
この第3の凹部空間K3には、前記サーミスタ素子用配線パターン116の一部が露出するようにして設けられている。また、素子搭載部材110bの長辺方向である前記第3の凹部空間K3の長さL1は、例えば、約100〜200μmである。
【0018】
圧電振動素子搭載パッド111といずれかの外部接続用電極端子Gは、前記素子搭載部材110の第2の凹部空間K2内の基板部110aに形成された部分を有する圧電振動素子用配線パターン113と、基板部110aに設けられた第1のビア導体114と、基板部110a及び第2の枠部110cの内部に形成された第2のビア導体115により接続されている。
つまり、図4及び図5に示すように、圧電振動素子搭載パッド111は、第1のビア導体114を介して圧電振動素子用配線パターン113の一端と接続されている。また、圧電振動素子用配線パターン113の他端は、第2のビア導体115を介して圧電振動素子用電極端子G1と接続されている。よって、圧電振動素子搭載パッド111は、圧電振動素子用電極端子G1と電気的に接続されることになる。
【0019】
また、サーミスタ素子搭載パッド112とサーミスタ素子用電極端子G2は、前記素子搭載部材110の第2の凹部空間K2内の基板部110aに形成された部分を有するサーミスタ素子用配線パターン116と第2の枠部110cの内部に形成された第3のビア導体117により接続されている。
つまり、図5(a)及び図5(b)に示すようにサーミスタ素子搭載パッド112は、サーミスタ素子用配線パターン116の一端と接続されている。また、サーミスタ素子用配線パターン116の他端は、第3のビア導体117を介してサーミスタ素子用電極端子G2と接続されている。よって、サーミスタ素子搭載パッド112は、サーミスタ素子用電極端子G2と電気的に接続されることになる。
【0020】
第2の凹部空間K2内底面に露出している2個一対のサーミスタ素子用配線パターン116は、図3(a)及び図3(b)に示すように、前記第3の凹部空間K3に素子搭載部材110の長辺側外周縁部と平行で、第2の凹部空間K2内底面に設けられている後述する中心線CLに対して線対称となる位置に設けられている。
つまり、2個一対のサーミスタ素子用配線パターン116は、搭載後のサーミスタ素子140と平行になるように設けられている。
中心線CLは、図5に示すように、素子搭載部材110の第2の凹部空間K2内底面の中心点CPを通り、素子搭載部材100の外周縁部の短辺方向に平行に引いた線とする。
【0021】
バンプBP1は、前記2個一対のサーミスタ素子用配線パターン116の主面に設けられ、素子搭載部材110の短辺側外周縁部と平行になるように設けられている。
バンプBP1は、例えば、アルミナを含有したアルミナコートにより形成されている。
図3(a)に示すバンプBP1とサーミスタ素子搭載パッド112との間隔L2は、例えば、50〜150μmである。
また、図3(a)に示すバンプBP1の長辺方向の長さL3は、例えば、200〜300μmであり、バンプBP1の短辺方向の長さL4は、例えば、100〜200μmである。また、バンプBP1の厚み方向の長さは、例えば、10〜20μmである。
また、バンプBP1は、第2の枠部110b側に向かって、平面状に設けられていても構わない。
【0022】
また、前記第2の凹部空間K2内底面に露出している2個一対のサーミスタ素子用配線パターン116の長さL1が等しくなっている。つまり、2個一対のサーミスタ素子用配線パターン116の長さL1が同じ長さになっている。
また、第2の凹部空間K2内底面に露出している2個一対のサーミスタ素子用配線パターン116の長さL1は、例えば、200〜250μmである。
【0023】
蓋体130は、例えば、Fe−Ni合金(42アロイ)やFe−Ni−Co合金(コバール)などからなる。このような蓋体130は、第1の凹部空間K1を、窒素ガスや真空などで気密的に封止される。具体的には、蓋体130は、所定雰囲気で、素子搭載部材110の第1の枠部110b上に載置され、第1の枠部110bの表面の金属と蓋体130の金属の一部とが溶接されるように所定電流を印加してシーム溶接を行うことにより、第1の枠部110bに接合される。
【0024】
前記導電性接着剤DSは、シリコーン樹脂等のバインダーの中に導電フィラーとして導電性粉末が含有されているものであり、導電性粉末としては、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ニッケル鉄(NiFe)、のうちのいずれかまたはこれらの組み合わせを含むものが用いられている。
【0025】
導電性接合材HDは、例えば、銀ペーストや鉛フリー半田等により構成されている。また、導電性接合材HDには、塗布し易い粘度に調整するための添加した溶剤が含有されている。
【0026】
尚、前記素子搭載部材110は、アルミナセラミックスから成る場合、所定のセラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得たセラミックグリーンシートの表面に圧電振動素子搭載パッド111、サーミスタ素子搭載パッド112、封止用導体膜HB、外部接続用電極端子G等となる導体ペーストを、また、セラミックグリーンシートに打ち抜き等を施して予め穿設しておいた貫通孔内に第1のビア導体114、第2のビア導体115、第3のビア導体117等となる導体ペーストを従来周知のスクリーン印刷によって塗布するとともに、これを複数枚積層してプレス成形した後、高温で焼成することにより製作される。
【0027】
また、素子搭載部材110の前記第2の枠部110cの同一辺側で隣接しあう2つの外部接続用電極端子G間に張り出す第3の凹部空間K3と、を備えていることによって、ノズル(図示せず)で導電性接合材HDを塗布する際に、素子搭載部材110のサーミスタ素子搭載パッド112以外の箇所に導電性接合材HDが付着することを防ぎ、短絡を低減することができる。また、必要なサーミスタ素子用配線パターン116の長さを確保することができる。
【0028】
本発明の圧電デバイス100によれば、第2の凹部空間K2内底面に露出している2個一対のサーミスタ素子用配線パターン116は、第3の凹部空間K3に素子搭載部材110の長辺側外周縁部と平行で、第2の凹部空間K2内底面の中心線CLに対して線対称となる位置に設けられ、2個一対のサーミスタ素子用配線パターン116の主面には、素子搭載部材110と短辺側外周縁部と平行になるようにバンプBP1が設けられていることによって、サーミスタ素子搭載パッド112に導電性接合材HDを塗布したのち、サーミスタ素子用配線パターン116に沿って導電性接合材HDが流れることを低減でき、サーミスタ素子140の接合強度を保つのに十分な導電性接合材HDを維持させることができる。よって、サーミスタ素子140がサーミスタ素子搭載パッド112から外れてしまうことを低減することができる。
【0029】
また、本発明の圧電デバイス100によれば、2個一対のサーミスタ素子用配線パターン116の主面には、素子搭載部材110の短辺側外周縁部と平行になるようにバンプBP1が設けられていることによって、前記バンプBP1よりもサーミスタ素子140が第3の凹部空間K3内の壁部側に向かって位置ずれしないため、サーミスタ素子140の位置決めをすることができる。
【0030】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
例えば、前記した本実施形態では、圧電振動素子120を構成する圧電素材として水晶を用いた場合を説明したが、他の圧電素材として、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムまたは、圧電セラミックスを圧電素材として用いた圧電振動素子でも構わない。
【符号の説明】
【0031】
110・・・素子搭載部材
110a・・・基板部
110b・・・第1の枠部
110c・・・第2の枠部
111・・・圧電振動素子搭載パッド
112・・・サーミスタ素子搭載パッド
116・・・サーミスタ素子用配線パターン
120・・・圧電振動素子
121・・・水晶素板
122・・・励振用電極
123・・・引き出し電極
130・・・蓋体
140・・・サーミスタ素子
100・・・圧電デバイス
K1・・・第1の凹部空間
K2・・・第2の凹部空間
K3・・・第3の凹部空間
DS・・・導電性接着剤
HD・・・導電性接合材
HB・・・封止用導体膜
G・・・外部接続用電極端子
G1・・・圧電振動素子用電極端子
G2・・・サーミスタ素子用電極端子
CL・・・中心線
BP1・・・バンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板部と、この基板部の一方の主面に設けられる第1の枠部と、前記基板部の他方の主面に設けられる第2の枠部とからなる素子搭載部材と、
前記基板部と前記第1の枠部とで形成される第1の凹部空間内に露出した前記基板部の主面に設けられた圧電振動素子搭載パッドに搭載されている圧電振動素子と、
前記基板部と前記第2の枠部とで形成される第2の凹部空間内に露出した前記基板部の主面に設けられたサーミスタ素子搭載パッドに導電性接合材を用いて搭載されているサーミスタ素子と、
前記サーミスタ搭載パッドと接続されている2個一対のサーミスタ素子用配線パターンと、
前記第1の凹部空間を気密封止する蓋体と、
前記第2の枠部の前記基板部の他方の主面と同一方向を向く面の4角に2個一対の圧電振動素子用電極端子と2個一対のサーミスタ素子用電極端子とから構成される外部接続用電極端子と、
前記素子搭載部材の前記第2の枠部の同一辺側で隣接しあう2つの外部接続用電極端子間に設けられた第3の凹部空間と、を備え、
前記第2の凹部空間内底面に露出している2個一対のサーミスタ素子用配線パターンは、前記第3の凹部空間に素子搭載部材の長辺側外周縁部と平行で、第2の凹部空間内底面の中心線に対して線対称となる位置に設けられ、
前記2個一対のサーミスタ素子用配線パターンの主面には、バンプが設けられていることを特徴とする圧電デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−160870(P2012−160870A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18506(P2011−18506)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000104722)京セラクリスタルデバイス株式会社 (870)
【Fターム(参考)】