説明

地上デジタルテレビジョン放送における緊急情報の送信装置及び受信装置

【課題】地上デジタルテレビジョン放送波の伝送制御信号により緊急情報を伝送する送信装置、及び受信装置を提供する。
【解決手段】送信装置は、緊急情報の電文を出力する緊急情報生成部11と、伝送する緊急情報に対して誤り訂正符号のパリティビットを演算して付加する誤り訂正符号化部12と、AC信号で緊急情報を伝送するためにトランスポートストリームに多重する再多重部13と、地上デジタルテレビジョンの放送波の変調波に変調する変調部14とを備え、少なくとも2つ以上のAC信号間でのビット割り当てを同一とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上デジタルテレビジョン放送において、伝送制御(TMCC:Transmission and Multiplexing Configuration Control)、又は付加情報(AC:Auxiliary Channel)で緊急情報を送信する送信装置、及び伝送制御信号(以下、伝送制御信号には、TMCC又はACを含む)で緊急速報を受信する受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、地上デジタルテレビジョン放送の伝送システムとして、例えば、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)方式が実用化されている。
【0003】
受信装置の復調動作に関わる緊急情報を伝送するために設けられているTMCC信号と呼ばれる信号と、放送事業者向けの用途にAC信号と呼ばれる信号が、ISDB−T方式の放送波には割り当てられている。そのACキャリアを利用した音声の伝送方式がARIB STD−B31の参考資料として記載されている。
【0004】
TMCC,ACで緊急情報を伝送する際には、伝送路の環境や受信環境によっては更なる受信特性の改善が求められている。伝送路のデータ誤りを改善するために、誤り訂正符号が使われることが考えられ、TMCCには差集合巡回符号(273,191)の短縮符号(184,102)が用いられている。ACにおいては、DBPSK変調とすることを除いて何も規定されていない。
【0005】
気象庁は、平成19年10月1日から緊急地震速報(例えば、非特許文献1参照)の一般への提供を開始した。これに伴い、テレビジョン並びにラジオの各放送局も前記速報が発表される際には、チャイム音とともにテレビジョン画面に表示または音声で伝えるなどの放送を実施している。尚、緊急地震速報のラジオ放送の一部は、平成20年4月1日から開始している。
【0006】
また、緊急警報放送の場合に、待機消費電力を抑えて動作し、電源が入っていない受信装置を起動して受信装置に知らせる仕組みが知られている。例えば、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョンの受信装置は、受信装置の通常動作時の電源が供給されていない場合に、TMCCキャリアに格納される緊急警報放送用起動フラグを検出する伝送制御信号用の受信機能を備えることにより、緊急警報放送用起動フラグが1(緊急警報放送あり)のとき、受信装置の電源を投入し、受信装置に緊急警報放送の視聴を促すことができる(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
さらに、受信装置の電源が入っていない場合、あるいは他のチャンネルを受信している場合に、緊急情報時に電源投入あるいはチャンネル切り替えを促すことが開示されており、この制御のため部分受信セグメント内のTMCC信号及びAC信号を受信し、電源投入後あるいはチャンネル切り替え後に、その他の災害・防災情報並びに映像・音声の再生を行う技術が提示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−319771号公報
【特許文献2】特開2007−243936号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】“緊急地震速報の概要や処理手法に関する技術的参考資料”、気象庁地震火山部、[平成20年1月31日検索]、インターネット〈URL:http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/EEW/kaisetsu/Whats_EEW/reference.pdf〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
TMCCまたはACで緊急情報を伝送する際に、伝送路におけるデータ誤りや、移動受信環境での受信特性を改善するために、信号をアナログ加算するダイバーシティ合成受信方式を用いることが考えられる。
【0011】
例えばISDB−T方式のモード3では、TMCC信号に対しては、1つのセグメントに4つのTMCCキャリアがあり、更に差集合巡回符号(273,191)の短縮符号(184,102)が用いられている。
【0012】
しかし、携帯端末のような部分受信セグメント(以下、「ワンセグ」と称する)用の受信装置の場合、1つのセグメント分の信号しか受信及び復調を行なわないので、TMCCキャリアのみをダイバーシティ合成受信しても、キャリア合成数が最大で4つ取ることができるのみである。これは、12セグメントを受信するハイビジョン受信装置ほどダイバーシティ合成利得が得られないことを意味しており、OFDMフレーム同期が確立できず、ビル影などの受信電界が低い場所では受信不良を生じうる。
【0013】
一方、ACキャリアにおいては、キャリア変調をDBPSKとすること以外に規定は存在しない。また、ワンセグ用の受信装置などの普及を考えると、受信アンテナを収納した状態、もしくは内蔵された受信アンテナ、或いはカバンやポケットの中に受信装置を収容しているような低CN比の環境でも、地上デジタルテレビジョン放送の放送波の一部信号(TMCC又はACなど)を受信及び復調して、受信装置のユーザ(放送を視聴せずに、受信装置を保持するのみの者も含む)にTMCC又はACで伝送される緊急情報を知らせる技法が必要とされている。
【0014】
地上デジタルテレビジョンの放送波のTMCCもしくはACで伝送されている緊急情報を、低CN比の受信環境で復調する際に、一般に遅延検波を用いるよりも同期検波を用いる方が良好な受信特性が得られることが知られている。しかし、TMCC,ACはDBPSK変調の信号であり、同期検波出力をTMCCキャリア、ACキャリア間でダイバーシティ合成受信するには、差動復調の基準の値によっては位相が反転する。位相が反転しているキャリア同士の信号をアナログ加算すれば、ダイバーシティ合成利得が得られるどころか、信号同士が打ち消しあってダイバーシティ合成利得が下がることになる。
【0015】
従って、本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、低CN比の受信環境においてもフレーム同期信号を確立し、TMCCもしくはACを復調することを可能とする送信装置、及び受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、地上デジタルテレビジョンの放送波のTMCCもしくはACで緊急情報を伝送する際に、低CN比の受信環境でも受信装置を保持する受信者へ緊急情報を知らせる手段を提供することにある。
【0017】
具体的には、本発明の送信装置は、地上デジタルテレビジョンの放送波を送信する送信装置であって、受信装置側でACキャリア同士の信号をアナログ加算するダイバーシティ合成受信で所要CN比を下げるために、複数(2つ以上)のACキャリア内の情報のビット割り当てを同一にして、地上デジタルテレビジョン放送の放送波を送信する。
【0018】
本発明の受信装置としては、受信アンテナで受信した無線周波信号(RF信号)を中間周波信号(IF信号)に変換し、所望のAC信号、TMCC信号、SP(Scattered Pilot)信号を抽出し、SP信号を用いて同期検波し、その検波出力をTMCCキャリア同士、またはACキャリア同士、またはTMCCとACキャリア同士で、キャリア間の位相を補正した後にダイバーシティ受信して復調する。
【0019】
また、本発明の受信装置において、遅延検波し、その検波出力をTMCCキャリア同士、またはACキャリア同士、またはTMCCとACキャリア同士で、ダイバーシティ受信して復調する。
【0020】
即ち、本発明の送信装置は、地上デジタルテレビジョン放送のAC信号を用いて緊急情報を送信する送信装置であって、緊急情報の電文を生成する緊急情報生成部と、伝送する緊急情報に対して誤り訂正符号のパリティビットを演算して付加する誤り訂正符号化部と、前記パリティビットを付加して生成される緊急情報をAC信号で伝送するためにトランスポートストリームに多重する再多重部と、地上デジタルテレビジョンの放送波の変調波に変調する変調部とを備え、前記パリティビットを付加して生成される緊急情報を伝送するAC信号は、2つ以上のAC信号間で同一のビット割り当てを有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の送信装置において、前記2つ以上のAC信号間における同一のビット割り当ては、ACキャリア間でOFDMシンボル番号0を除く203ビット全てが同一に割り当てられていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の送信装置において、前記2つ以上のAC信号間で同一のビット割り当ては、当該AC信号のOFDMシンボル番号1から16までのビット割り当てとして、前記変調部から出力される変調波のTMCC信号のOFDMシンボル番号1から16までの同期信号のビット割り当てと同一に割り当てられていることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の送信装置において、前記2つ以上のAC信号のうちの2つ以上は、差動基準の異なる複数のAC信号からなることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の送信装置において、前記緊急情報が、緊急警報放送、緊急地震速報、ニュース速報に関連する情報のうちの1つ以上を含むことを特徴とする。なお、緊急地震速報は、地震動警報とも称される。
【0025】
更に、本発明の受信装置は、地上デジタルテレビジョン放送のAC信号を用いて緊急情報を受信する受信装置であって、緊急情報が2つ以上のAC信号で伝送されており、前記2つ以上のAC信号を含む無線周波信号を中間周波信号に変換するRF受信部と、前記中間周波信号から前記2つ以上のAC信号及びSP信号を抽出する信号抽出部と、前記抽出したSP信号から伝送路特性を算出する伝送路特性算出部と、前記算出した伝送路特性から重み係数を算出する重み係数算出部と、前記2つ以上のAC信号に重み係数を乗算してダイバーシティ受信を行うダイバーシティ受信部と、前記ダイバーシティ受信部から出力される信号をキャリア復調する復調部と、前記復調部から出力される復調出力を差動復号する差動復号部と、前記差動復号部から出力される差動復号出力の緊急情報を判定する緊急情報判定部とを備え、前記ダイバーシティ受信は、信号をアナログ加算する最大比合成若しくは等利得合成、又は信号を選択する選択受信であることを特徴とする。
【0026】
更に、本発明の別の態様の受信装置は、地上デジタルテレビジョン放送のAC信号を用いて緊急情報を受信する受信装置であって、緊急情報が2つ以上のAC信号で伝送されており、前記2つ以上のAC信号を含む無線周波信号を中間周波信号に変換するRF受信部と、前記中間周波信号から前記2つ以上のAC信号を抽出する信号抽出部と、前記信号抽出部によって抽出した前記2つ以上のAC信号を遅延検波する遅延検波部と、前記遅延検波部によって検波した2つ以上のAC信号をダイバーシティ受信するダイバーシティ受信部と、前記ダイバーシティ受信部から出力される信号をキャリア復調する復調部と、前記復調部から出力される緊急情報を判定する緊急情報判定部とを備え、前記ダイバーシティ受信は、信号をアナログ加算する等利得合成、又は信号を選択する選択受信であることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の受信装置において、前記2つ以上のAC信号は、差動基準の異なるAC信号を含むことを特徴とする。
【0028】
更に、本発明の別の態様の受信装置は、地上デジタルテレビジョン放送のAC信号を用いて緊急情報を受信する受信装置であって、緊急情報が1つ以上のAC信号で伝送されており、且つ該1つ以上のAC信号のOFDMシンボル番号1から16までのビット割り当ては、前記AC信号とともに多重される1つ以上のTMCC信号のOFDMシンボル番号1から16までの同期信号と同じビット割り当ての同期信号が割り当てられており、前記1つ以上のAC信号及び前記1つ以上のTMCC信号を含む無線周波信号を中間周波信号に変換するRF受信部と、前記中間周波信号から前記1つ以上のAC信号、前記1つ以上のTMCC信号、及びSP信号を抽出する信号抽出部と、前記抽出したSP信号から伝送路特性を算出する伝送路特性算出部と、前記算出した伝送路特性から前記1つ以上のAC信号、及び前記1つ以上のTMCC信号の各々の重み係数を算出する重み係数算出部と、前記1つ以上のAC信号、及び前記1つ以上のTMCC信号の各々にそれぞれの重み係数を乗算してダイバーシティ受信を行うダイバーシティ受信部と、前記ダイバーシティ受信部から出力される信号をキャリア復調する復調部と、前記復調部から出力される復調出力を差動復号する差動復号部とを備え、前記ダイバーシティ受信部は、前記1つ以上のAC信号のOFDMシンボル番号1から16までと、前記1つ以上のTMCC信号のシンボル番号1から16までとをダイバーシティ受信し、該ダイバーシティ受信は、アナログ加算する最大比合成若しくは等利得合成、又は信号を選択する選択受信であることを特徴とする。
【0029】
更に、本発明の別の態様の受信装置は、地上デジタルテレビジョン放送のAC信号を用いて緊急情報を受信する受信装置であって、緊急情報が1つ以上のAC信号で伝送されており、且つ該1つ以上のAC信号のOFDMシンボル番号1から16までのビット割り当ては、前記AC信号とともに多重される1つ以上のTMCC信号のOFDMシンボル番号1から16までの同期信号と同じビット割り当ての同期信号が割り当てられており、前記1つ以上のAC信号と前記1つ以上のTMCC信号を含む無線周波信号を中間周波信号に変換するRF受信部と、前記中間周波信号から前記1つ以上のAC信号と前記1つ以上のTMCC信号を抽出する信号抽出部と、前記信号抽出部によって抽出した前記1つ以上のAC信号と前記1つ以上のTMCC信号を遅延検波する遅延検波部と、前記1つ以上のAC信号と前記1つ以上のTMCC信号をダイバーシティ受信するダイバーシティ受信部と、前記ダイバーシティ受信部から出力される信号をキャリア復調する復調部と、前記復調部から出力される緊急情報を判定する緊急情報判定部とを備え、前記ダイバーシティ受信は、信号をアナログ加算する等利得合成、又は信号を選択する選択受信であることを特徴とする。
【0030】
また、本発明の受信装置において、前記1つ以上のAC信号のうちの1つ以上、及び前記1つ以上のTMCC信号のうちの1つ以上は、互いに差動基準の異なる同期信号を有することを特徴とする。
【0031】
また、本発明の受信装置において、前記緊急情報が、緊急警報放送、緊急地震速報、ニュース速報に関連する情報のうちの1つ以上を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、地上デジタルテレビジョンの放送波のTMCCあるいはACで伝送された緊急情報を、受信装置側でダイバーシティ受信した信号を復調すれば、低CN比の受信環境であっても、ワンセグ携帯端末などを介して、受信者への緊急情報を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】TMCCのビット割り当てを示す図である。
【図2】ACのビット割り当ての一例を示す図である。
【図3】本発明による一実施例の送信装置のブロック図である。
【図4】複数のAC信号で緊急情報を伝送する場合のビット割り当て例である。
【図5】本発明による一実施例の受信装置のブロック図である。
【図6】本発明による一実施例の受信装置におけるダイバーシティ受信部のブロック図の第1の例である。
【図7】本発明による一実施例の受信装置におけるダイバーシティ受信部のブロック図の第2の例である。
【図8】本発明による一実施例の受信装置におけるダイバーシティ受信部のブロック図の第3の例である。
【図9】本発明による一実施例の受信装置におけるダイバーシティ受信部のブロック図の第4の例である。
【図10】本発明による一実施例の受信装置におけるダイバーシティ受信部のブロック図の第5の例である。
【図11】本発明による一実施例の受信装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明による各実施例の送信装置及び受信装置を説明する。
【0035】
地上デジタルテレビジョンの放送波で緊急情報を低遅延伝送するために、TMCCキャリアあるいはACキャリアを用いる技法が考えられる。これは、TMCC、ACには時間インターリーブが使用されていないためである。
【0036】
AC信号に関してはキャリア変調方式をDBPSKとすることを除いて、特に規格上規定されていない。TMCCは伝送パラメータの指定や受信装置制御の用途などが既に規定されている。図1に、TMCCのビット割り当てを示す。TMCCで新たな情報として緊急情報を伝送するには、図1に示すようにTMCC情報の後方に割り当てられている、将来の拡張用としてのリザーブ、12ビット(B110−B121)を使用するほかない。
【0037】
本発明による各実施例についての理解を容易にするため、図2に、ACのビット割り当ての一例を示す。図2の例では、緊急情報を伝送するAC信号は、DBPSK変調の差動復調の基準、TMCCと同一の同期信号、緊急情報の有無を識別するための起動信号、緊急情報の更新を識別するための更新フラグ、緊急情報、誤り訂正用のパリティビットで構成される。「起動信号」は、2ビットで構成され、‘00’が「緊急情報あり」を示し、‘11’が「緊急情報なし」を示す。従って、「起動信号」は、緊急情報(例えば、地震動警報情報)の伝送の開始/終了を示すフラグ(開始/終了フラグ)として機能する。
【0038】
以下、上記のTMCC及びACのビット割り当てした例に基づいて、実施例1の送信装置及び受信装置を説明する。
【実施例1】
【0039】
図3を参照して、本発明による実施例1の送信装置1を説明する。図3は、本発明による実施例1の送信装置1のブロック図である。実施例1の送信装置1は、地上デジタルテレビジョン放送波のTMCC、或いはACに緊急情報を変調して出力する装置である。伝送する緊急情報の内容は気象庁から配信される情報に基づいて随意生成される。伝送する緊急情報の内容自体は、本発明の主題ではない。
【0040】
実施例1の送信装置1は、緊急情報生成部11と、誤り訂正符号化部12と、再多重部13と、変調部14とを備える。
【0041】
緊急情報生成部11は、伝送する緊急情報を気象庁の配信サーバなどから緊急情報を受信し、伝送する緊急情報を所定の電文フォーマットに変換する。
【0042】
誤り訂正符号化部12は、所定の電文フォーマットに変換された緊急情報を入力して、緊急情報を含むビット列に対して、誤り訂正用のパリティビットを付加する。この一例として差集合巡回符号(273,191)の短縮符号で訂正符号を付加したとすると、誤り訂正用のパリティビットは82ビットを付加することとなる。これ以外の誤り訂正符号を使用する場合は、当然パリティビット数も変わってくる。
【0043】
再多重部13は、誤り訂正符号化部12より出力されたデータ列を入力し、入力された放送TS(トランスポートストリーム)の所定の部分に記述して多重フレームを生成する。例えば、TMCCのリザーブの場合は、IIP情報のmodulation_control_configuration_informationに、TMCC_reserved_future_useというシンタックスに記述する。ACの多重方法については、TSパケットのダミーバイト部分へ多重する方法と、無効階層TSパケットとして多重する方法などがある。
【0044】
TMCC及びACの多重方法の詳細については、社団法人電波産業会の「地上デジタルテレビジョンの伝送方式 標準規格」ARIB STD−B31付属の第5章、第6章を参照されたい。
【0045】
変調部14は、再多重部13で生成された放送TSを入力し、多重フレーム構造を有する地上デジタルテレビジョン放送波の信号を所定の変調方式に従って変調して出力する。
【0046】
複数のAC信号で緊急情報を伝送する場合のビット割り当て例を図4に示す。図4では、モード3のときに8つのAC信号で緊急情報を伝送する場合の例である。即ち、TMCC信号と同一フレーム長であり、TMCC信号と同様の差動復調の基準(図4では、単に「基準」として図示している)、及び、TMCC信号と同一の同期信号と、緊急情報の有無を識別する起動信号と、緊急情報の更新を識別する更新フラグと、緊急地震速報の情報を含む緊急情報と、誤り訂正符号のパリティビットとを格納する電文情報が、送信装置1からACキャリアにて伝送されるように変調されている。尚、必ずしも8つのAC信号で緊急情報を伝送する必要はない。少なくとも2つ以上のAC信号で緊急情報を伝送すれば、受信装置側で複数のキャリア間で、ダイバーシティ受信して復調することが可能となる。従って、これによるダイバーシティ合成利得の結果、低CN比の受信環境でもAC信号を復調することが可能となり、受信者への緊急情報を知らせることができる。
【0047】
また、TMCCのリザーブの部分で緊急情報を伝送する場合も同様に、少なくとも2つ以上のTMCC信号で緊急情報を伝送する送信装置1であれば、TMCCのキャリア間でダイバーシティ受信して復調することで、同様の効果を得ることができる。
【0048】
また、AC信号のOFDMシンボル番号1から16までのビット割り当てを、TMCC信号と同一とすることで、受信装置2側で、1つ以上のTMCC信号と、1つ以上のAC信号とをダイバーシティ受信して復調すれば、低CN比の受信環境でフレーム同期信号の確立することが可能となる。従って、ビル影などの受信点であってもワンセグ方式の受信装置2などでAC信号を復調して、緊急情報を受信者へ知らせることができる。
【0049】
図5を参照して、本発明による一実施例の受信装置を説明する。図5は、本発明による実施例1の受信装置2のブロック図である。実施例1の受信装置2は、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送のAC信号、TMCC信号を復調して、緊急情報を出力する装置である。
【0050】
実施例1の受信装置2は、受信アンテナ21と、RF受信部22と、信号抽出部23と、伝送路特性算出部24と、重み係数算出部25と、ダイバーシティ受信部26と、復調部27と、差動復号部28と、緊急情報判定部29とを備える。
【0051】
RF受信部22は、受信アンテナ21を介して受信した地上デジタルテレビジョンの放送波のRF(radio frequency)信号を入力する。RF受信部22は、IF(Intermediate Frequency)信号に変換して出力する。
【0052】
信号抽出部23は、RF受信部22からIF信号を入力し、IF信号からAC信号、TMCC信号、SP(Scattered Pilot)信号を抽出する。
【0053】
伝送路特性算出部24は、抽出したSP信号を入力し、SP信号から伝送路特性を算出する。
【0054】
重み係数算出部25は、伝送路特性算出部24によって算出された伝送路特性のうち、ACキャリア、TMCCキャリアに該当する伝送路特性の値を入力して、ACキャリア、TMCCキャリアに該当する重み係数を算出し、ダイバーシティ受信部26に供給する。
【0055】
ダイバーシティ受信部26は、信号抽出部23から供給されるAC信号及びTMCC信号と、重み係数算出部25から供給される重み係数を乗算し、ダイバーシティ受信した値を出力する。ここで、ダイバーシティ受信は、最大比合成、等利得合成、選択受信などがあり、いずれの方法にするかは受信装置側で任意に決めることができる。
【0056】
上記のダイバーシティ受信部26で、最大比合成又は等利得合成をする際には、AC信号、TMCC信号はDBPSK変調されているため、差動復調の基準B0の値(Wiの値)によっては、合成するキャリア間で位相が反転している。そこで、合成するキャリア間で位相を揃えてから合成する必要がある。図6に、ダイバーシティ受信部26のブロック図の一例を示す。図6は、モード3のときに、AC1_6、AC1_7、TMCC_1、TMCC_3の差動復調の基準B0の値(Wiの値)が「1」のキャリアに対して符号を反転させることで、その他のACキャリア、TMCCキャリアの差動復調の基準B0の値(Wiの値)「0」に差動基準の異なる場合でも位相を揃える場合の例である。
【0057】
図6に示す例とは逆に、差動復調の基準B0の値(Wiの値)「1」に位相を揃えた場合のダイバーシティ受信部のブロック図の一例を図7に示す。図7の例では、AC1_1からAC1_5、AC1_8、TMCC_2、TMCC_4に対して符号反転をさせ、差動復調の基準B0の値(Wiの値)が「0」のキャリアにて位相を合わせている。
【0058】
図6又は図7のように、ダイバーシティ受信部26は、各重み付け部(乗算器)261−1〜261−8,262−1〜262−4により重み係数を乗じた各AC信号又はTMCC信号の値について、符号反転部263−1,263−2及び264−1,264−2(図7では、265−1〜265−6及び266−1,266−2)により差動基準の異なる場合でも位相を揃えてからACキャリア合成部267及びTMCCキャリア合成部268によりそれぞれ合成した出力を復調部27へ供給する。復調部27は、ダイバーシティ受信したACキャリア及びTMCCキャリアの各々についてBPSK復調して、それぞれACデータ及びTMCCデータを復調し、差動復号部28へ送出する。尚、重み付けによるダイバーシティ合成自体の詳細は、特許公開2004−312333号公報に詳しいので参照されたい。
【0059】
差動復号部28は、入力されたACデータ、TMCCデータを差動復号し、緊急情報判定部29へ送出する。
【0060】
緊急情報判定部29は、入力されたACやTMCCの緊急情報から、緊急情報の起動信号を判定して、緊急情報が有りを示す場合には、誤り訂正等の復号処理を施して緊急情報を抽出し、受信装置2の表示画面(図示せず)に緊急情報を表示したり、受信装置2のスピーカ(図示せず)を利用して音などで緊急事態であることを受信者へ知らせたりすることができる。
【0061】
なお、受信装置2は、現在受信している現在時刻を把握するのに、現在時刻を表す現在時刻情報を検出する現在時刻検出部(図示しない)を設けることも好適である。例えば、現在時刻検出部は、受信装置の入力による時刻設定、標準電波(電波時計、JJY)、GPS、或いは受信している地上デジタル放送波の受信信号に含まれるTDT(Time Date Table)などから現在時刻情報を検出することができる。或いは、現在時刻検出部は、受信装置2が携帯電話に具備される場合、基地局からの信号により現在の時刻を検出することができる。
【0062】
次に、本発明による実施例2の受信装置2を説明する。尚、実施例1と同様な構成要素には同一の参照番号を付して説明する。
【実施例2】
【0063】
実施例2の受信装置2は、実施例1の送信装置1から伝送されるRF信号を受信する例であり、実施例2の受信装置2のブロック図は実施例1の受信装置2(図5参照)と同じである。しかしながら、実施例2の受信装置2は、ダイバーシティ受信部26の構成のみが相違する。実施例2のダイバーシティ受信部26のブロック図の一例を図8に示す。図8に示すように、実施例2のダイバーシティ受信部26は、差動復調の基準B0の値(Wiの値)が「0」のキャリアに位相を揃えた後に合成を行い、OFDMシンボル番号1から16まで割り当てられたOFDMフレームの同期信号をTMCC信号とAC信号とで検出して、合成部269により、TMCC4つのキャリアよりも優れた合成利得を得るように構成される。低CN比の受信環境でもフレーム同期信号を検出することが可能となるものである。図8の例は差動復調の基準B0の値(Wiの値)「0」に位相を揃えた例を示したが、前述した図7の説明と同様に、差動復調の基準B0の値(Wiの値)「1」のキャリアに位相をそろえても同様の効果が得られる。
【0064】
図9に実施例2のダイバーシティ受信部26のブロック図の別の例を示す。図9に示すように、ダイバーシティ受信部26は、図8の合成部269に代えて、選択部270を備える構成としてもよい。この場合、ダイバーシティ受信部26は、選択部270により、ACキャリア合成部267及びTMCCキャリア合成部268によりそれぞれ合成した出力のうち所望の信号を選択して出力する。
【0065】
次に、本発明による実施例3の受信装置を説明する。尚、実施例1又は2と同様な構成要素には同一の参照番号を付して説明する。
【実施例3】
【0066】
実施例3の受信装置2は、実施例1の送信装置1から伝送されるRF信号を受信する例であり、実施例3の受信装置2のブロック図は実施例1,2の受信装置2(図5参照)と同じである。しかしながら、実施例3の受信装置2は、ダイバーシティ受信部26の構成のみが相違し、ダイバーシティ受信として選択受信する場合を示している。実施例3のダイバーシティ受信部26のブロック図の一例を図10に示す。図10に示すように、実施例3のダイバーシティ受信部26は、AC係数判定部272によりAC信号用の重み係数の中から最大の重み係数を出力する。そして、AC選択部271により、AC係数判定部272から入力される重み係数と該重み係数に対応するAC信号を乗じた信号を出力する。また、実施例3のダイバーシティ受信部26は、TMCC係数判定部274によりTMCC信号用の重み係数の中から最大の重み係数を出力する。そして、TMCC選択部273により、TMCC係数判定部274から入力される重み係数と該重み係数に対応するTMCC信号を乗じた信号を出力する。
【0067】
次に、本発明による実施例4の受信装置を説明する。尚、実施例1〜3と同様な構成要素には同一の参照番号を付して説明する。
【0068】
実施例4の受信装置3は、実施例1の送信装置1から伝送されるRF信号を受信する例である。図11に、実施例4の受信装置3のブロック図の一例を示す。実施例4の受信装置3は、地上デジタルテレビジョン放送波のAC信号及びTMCC信号を復調して、緊急情報を出力する装置である。
【0069】
実施例4の受信装置3は、受信アンテナ21と、RF受信部22と、信号抽出部23と、遅延検波部30と、ダイバーシティ受信部26と、復調部27と、緊急情報判定部29とを備える。
【0070】
RF受信部22は、受信アンテナ21を介して受信した地上デジタルテレビジョンの放送波のRF信号を入力し、IF信号に変換して出力する。
【0071】
信号抽出部23は、RF受信部22から出力されたIF信号を入力し、入力されたIF信号からAC信号、TMCC信号を抽出する。
【0072】
遅延検波部30は、抽出されたAC信号、TMCC信号を入力し、AC信号、TMCC信号の遅延検波出力をダイバーシティ受信部26に出力する。
【0073】
ダイバーシティ受信部26は、ダイバーシティ出力をBPSK復調する復調部27に送出し、AC信号やTMCC信号で伝送された緊急情報が得られる。ここで遅延検波出力を等利得合成又は選択受信することで、受信特性・性能が劣化するものの、受信装置3側がフレーム同期を確立するまでの期間や、SP信号の値が判定できない期間であっても、AC信号やTMCC信号で伝送される緊急情報を復調することができる。
【0074】
緊急情報判定部29は、入力されたACやTMCCの緊急情報から、緊急情報の起動信号を判定して、緊急情報が有りを示す場合には、誤り訂正等の復号処理を施して緊急情報を抽出し、受信装置2の表示画面(図示せず)に緊急情報を表示したり、受信装置2のスピーカ(図示せず)を利用して音などで緊急事態であることを受信者へ知らせたりすることができる。
【0075】
尚、以上の実施例の説明において、緊急速報の情報は、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送波の部分受信セグメント(セグメント番号#0)内のAC信号により送出されることを想定している。携帯電話など移動・携帯端末の多くでは、この部分受信セグメント(セグメント番号#0)を受信して番組を視聴する(ワンセグサービス)。よって、携帯電話などに具備される本発明の各実施例の受信装置2は、緊急速報の情報を伝送するAC信号を受信できる。一方、他のセグメントを受信する固定受信向けのデジタルテレビなどに具備される本発明の各実施例の受信装置2においても、AC信号については部分受信セグメント内のものを受信することにより、緊急速報の情報を受信できる。
【0076】
実施例4の受信装置3において、ダイバーシティ受信部26の構成を、ACキャリア合成部の出力とTMCC合成部の出力とを更に合成する構成とすることで、OFDMシンボル番号1から16まで割り当てられたOFDMフレームの同期信号をTMCC信号とAC信号とで検出することができ、TMCC信号における4つのキャリアのみを用いるよりも優れたダイバーシティ合成利得を得ることができる。これにより、実施例4の受信装置3は、低CN比の受信環境でもフレーム同期信号を検出することが可能となる。
【0077】
上述の実施例については特定の実施例を代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変形及び置換をすることができる。例えば、AC信号の少なくとも1つ以上を用いてTMCC信号と同一の同期信号を有しているので、他のAC信号は、従来と同様の付加情報として用いる場合にも従来よりも優れた合成利得を得ることができる。従って、本発明は、上述の実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲によってのみ制限される。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明による受信装置及び送信装置は、低CN比においても、確実な緊急情報の伝達を可能とするので、伝送制御信号を用いて緊急情報を伝送する伝送システムの用途に有用である。
【符号の説明】
【0079】
1 送信装置
2 受信装置
3 受信装置
11 緊急情報生成部
12 誤り訂正符号化部
13 再多重部
14 変調部
21 受信アンテナ
22 RF受信部
23 信号抽出部
24 伝送路特性算出部
25 重み係数算出部
26 ダイバーシティ受信部
261−1〜261−8,262−1〜262−4 重み付け部
263−1,263−2,264−1,264−2 符号反転部
265−1〜265−6,266−1,266−2 符号反転部
267 ACキャリア合成部
268 TMCCキャリア合成部
269 合成部
270 選択部
271 AC選択部
272 AC係数判定部
273 TMCC選択部
274 TMCC係数判定部
27 復調部
28 差動復号部
29 緊急情報判定部
30 遅延検波部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上デジタルテレビジョン放送のAC信号を用いて緊急情報を送信する送信装置であって、
緊急情報の電文を生成する緊急情報生成部と、
伝送する緊急情報に対して誤り訂正符号のパリティビットを演算して付加する誤り訂正符号化部と、
前記パリティビットを付加して生成される緊急情報をAC信号で伝送するためにトランスポートストリームに多重する再多重部と、
地上デジタルテレビジョンの放送波の変調波に変調する変調部とを備え、
前記パリティビットを付加して生成される緊急情報を伝送するAC信号は、2つ以上のAC信号間で同一のビット割り当てを有することを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記2つ以上のAC信号間における同一のビット割り当ては、ACキャリア間でOFDMシンボル番号0を除く203ビット全てが同一に割り当てられていることを特徴とする、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記2つ以上のAC信号間で同一のビット割り当ては、当該AC信号のOFDMシンボル番号1から16までのビット割り当てとして、前記変調部から出力される変調波のTMCC信号のOFDMシンボル番号1から16までの同期信号のビット割り当てと同一に割り当てられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記2つ以上のAC信号のうちの2つ以上は、差動基準の異なる複数のAC信号からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項5】
前記緊急情報が、緊急警報放送、緊急地震速報、ニュース速報に関連する情報のうちの1つ以上を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項6】
地上デジタルテレビジョン放送のAC信号を用いて緊急情報を受信する受信装置であって、
緊急情報が2つ以上のAC信号で伝送されており、
前記2つ以上のAC信号を含む無線周波信号を中間周波信号に変換するRF受信部と、
前記中間周波信号から前記2つ以上のAC信号及びSP信号を抽出する信号抽出部と、
前記抽出したSP信号から伝送路特性を算出する伝送路特性算出部と、
前記算出した伝送路特性から重み係数を算出する重み係数算出部と、
前記2つ以上のAC信号に重み係数を乗算してダイバーシティ受信を行うダイバーシティ受信部と、
前記ダイバーシティ受信部から出力される信号をキャリア復調する復調部と、
前記復調部から出力される復調出力を差動復号する差動復号部と、
前記差動復号部から出力される差動復号出力の緊急情報を判定する緊急情報判定部とを備え、
前記ダイバーシティ受信は、信号をアナログ加算する最大比合成若しくは等利得合成、又は信号を選択する選択受信であることを特徴とする受信装置。
【請求項7】
地上デジタルテレビジョン放送のAC信号を用いて緊急情報を受信する受信装置であって、
緊急情報が2つ以上のAC信号で伝送されており、
前記2つ以上のAC信号を含む無線周波信号を中間周波信号に変換するRF受信部と、
前記中間周波信号から前記2つ以上のAC信号を抽出する信号抽出部と、
前記信号抽出部によって抽出した前記2つ以上のAC信号を遅延検波する遅延検波部と、
前記遅延検波部によって検波した2つ以上のAC信号をダイバーシティ受信するダイバーシティ受信部と、
前記ダイバーシティ受信部から出力される信号をキャリア復調する復調部と、
前記復調部から出力される緊急情報を判定する緊急情報判定部とを備え、
前記ダイバーシティ受信は、信号をアナログ加算する等利得合成、又は信号を選択する選択受信であることを特徴とする受信装置。
【請求項8】
前記2つ以上のAC信号は、差動基準の異なるAC信号を含むことを特徴とする、請求項6又は7に記載の受信装置。
【請求項9】
地上デジタルテレビジョン放送のAC信号を用いて緊急情報を受信する受信装置であって、
緊急情報が1つ以上のAC信号で伝送されており、且つ該1つ以上のAC信号のOFDMシンボル番号1から16までのビット割り当ては、前記AC信号とともに多重される1つ以上のTMCC信号のOFDMシンボル番号1から16までの同期信号と同じビット割り当ての同期信号が割り当てられており、
前記1つ以上のAC信号及び前記1つ以上のTMCC信号を含む無線周波信号を中間周波信号に変換するRF受信部と、
前記中間周波信号から前記1つ以上のAC信号、前記1つ以上のTMCC信号、及びSP信号を抽出する信号抽出部と、
前記抽出したSP信号から伝送路特性を算出する伝送路特性算出部と、
前記算出した伝送路特性から前記1つ以上のAC信号、及び前記1つ以上のTMCC信号の各々の重み係数を算出する重み係数算出部と、
前記1つ以上のAC信号、及び前記1つ以上のTMCC信号の各々にそれぞれの重み係数を乗算してダイバーシティ受信を行うダイバーシティ受信部と、
前記ダイバーシティ受信部から出力される信号をキャリア復調する復調部と、
前記復調部から出力される復調出力を差動復号する差動復号部とを備え、
前記ダイバーシティ受信部は、前記1つ以上のAC信号のOFDMシンボル番号1から16までと、前記1つ以上のTMCC信号のシンボル番号1から16までとをダイバーシティ受信し、
該ダイバーシティ受信は、信号をアナログ加算する最大比合成若しくは等利得合成、又は信号を選択する選択受信であることを特徴とする受信装置。
【請求項10】
地上デジタルテレビジョン放送のAC信号を用いて緊急情報を受信する受信装置であって、
緊急情報が1つ以上のAC信号で伝送されており、且つ該1つ以上のAC信号のOFDMシンボル番号1から16までのビット割り当ては、前記AC信号とともに多重される1つ以上のTMCC信号のOFDMシンボル番号1から16までの同期信号と同じビット割り当ての同期信号が割り当てられており、
前記1つ以上のAC信号と前記1つ以上のTMCC信号を含む無線周波信号を中間周波信号に変換するRF受信部と、
前記中間周波信号から前記1つ以上のAC信号と前記1つ以上のTMCC信号を抽出する信号抽出部と、
前記信号抽出部によって抽出した前記1つ以上のAC信号と前記1つ以上のTMCC信号を遅延検波する遅延検波部と、
前記1つ以上のAC信号と前記1つ以上のTMCC信号をダイバーシティ受信するダイバーシティ受信部と、
前記ダイバーシティ受信部から出力される信号をキャリア復調する復調部と、
前記復調部から出力される緊急情報を判定する緊急情報判定部とを備え、
前記ダイバーシティ受信は、信号をアナログ加算する等利得合成、又は信号を選択する選択受信であることを特徴とする受信装置。
【請求項11】
前記1つ以上のAC信号のうちの1つ以上、及び前記1つ以上のTMCC信号のうちの1つ以上は、互いに差動基準の異なる同期信号を有することを特徴とする、請求項9又は10に記載の受信装置。
【請求項12】
前記緊急情報が、緊急警報放送、緊急地震速報、ニュース速報に関連する情報のうちの1つ以上を含むことを特徴とする、請求項6〜11のいずれか一項に記載の受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−263603(P2010−263603A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249503(P2009−249503)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(591053926)財団法人エヌエイチケイエンジニアリングサービス (169)
【Fターム(参考)】