説明

地下式低温液化ガス貯槽及びこの設計方法

【課題】地下式低温液化ガス貯槽に要求される性能を分割して負担し、いずれか一つの性能が低下しても他の性能に影響を及ぼすことが無く、かつ、損傷等の異常の原因特定を容易にする地下式低温液化ガス貯槽及びこの設計方法を提供する。
【解決手段】地下式低温液化ガス貯槽1は側壁構造物3と内側貯槽6とを備える。側壁構造物3は土圧及び地下水圧を支持する外圧耐荷性能及び地下水の流入を防止する止水性能を有する。内側貯槽6は、内槽7と、保冷材8と、外槽9とから構成され、それぞれの負担する性能を統合した液化ガスを貯蔵する貯液性能を有する。内槽7は液化ガスを密閉する気密・液密性能及び液化ガスの貯蔵圧を支持する内圧耐荷性能を有する。保冷材8は外部と液化ガスとの間の熱の出入りを遮断する断熱性能を有する。外槽9は液化ガスの漏洩時に冷熱の影響を緩和し拡散を防止する拡散防止性能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタン、プロパン、窒素、水素、ブタン等の低温液化ガスを貯蔵する地下式低温液化ガス貯槽に関する。
【背景技術】
【0002】
メタン等の液化ガスを貯蔵する地下式低温液化ガス貯槽は、一般的に、図8に示すように、地盤内に形成された空洞部の周縁部に設置された側壁部31と、空洞部の底部に設置された底版32と、側壁部31の上に設置された屋根33とから構成されている。そして、側壁部31は、安定して地盤空洞部を確保するための外圧耐荷構造物である、例えば、地中連続壁34と、その内周に設けられた側壁躯体35と、側壁躯体35の内周面に取り付けられた保冷材36と、この保冷材36の内周面を覆うように設置されたメンブレン37とから構成されており、これら各構成部材は以下に示す性能を有するものである(非特許文献1参照)。
【0003】
(1)外圧耐荷構造物の地中連続壁34は、地盤の土圧及び地下水圧を支持する外圧耐荷性能及び地盤からの地下水等の流入を制限する止水性能を有する。
(2)側壁躯体35は、メンブレン37が液化ガスから受ける貯蔵圧を支持する内圧耐荷性能、液化ガスが漏れた際に拡散を防止する性能及び地中連続壁34と同様に、地盤の土圧及び地下水圧を支持する外圧耐荷性能を有する。
(3)保冷材36は、外部と液化ガスとの熱の出入りを遮断する断熱性能とともに、貯蔵圧を側壁躯体35に伝達する内圧伝達性能を有する。
(4)メンブレン37は、熱収縮・熱膨張を吸収するためのひだ状のコルゲーションを備え、液化ガスを内包して密閉する気密・液密性能を有する。
【非特許文献1】「LNG地下式貯槽指針 JGA指−107−02」、社団法人日本ガス協会、2002年8月改訂版発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した側壁部31は、外圧耐荷構造物である地中連続壁34と貯液性能など異なった性能を有する側壁躯体35と保冷材36とメンブレン37とが一体化するように構築されているために、例えば、メンブレン37が損傷して貯槽内の流体が漏れた場合に、メンブレン37自体に不良箇所があって損傷したのか、側壁躯体35の変形等の外的要因によりメンブレン37が損傷したのかがわからないので、損傷の原因が特定できないという問題点があった。そして、原因が特定できないために、修復に時間がかかるという問題点があった。
【0005】
また、例えば、地下水がコンクリートからなる側壁躯体35内を通過してしまうと、保冷材36は止水性能を有していないために、地下水がメンブレン37に接触することで断熱性能の低下や地下水の凍結膨張により、メンブレン37の損傷を引き起こす可能性があるという問題点があった。つまり、いずれか一つの性能(ここでは、止水性能)が低下すると他の性能(ここでは、断熱性能、液密・気密性能)にも連鎖的に影響を及ぼしてしまい、一度に多くの性能が低下してしまうという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、地下式低温液化ガス貯槽に要求される性能を地下式低温液化ガス貯槽を構成する構造物が分割して負担し、いずれか一つの性能が低下しても他の性能に影響を及ぼすことが無く、かつ、損傷等の異常の原因特定を容易にする地下式低温液化ガス貯槽及びこの設計方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の地下式低温液化ガス貯槽は、地盤内に構築される地下式低温液化ガス貯槽であって、地盤内に形成された空洞部の内壁を覆うように設置され、地盤の土圧及び地下水圧を単独で支持することが可能で地下水の浸入を防ぐ止水性能を有する側壁構造物と、前記側壁構造物の内方に設置され、前記液化ガスを貯蔵するために必要な気密・液密性、断熱性及び自立性を有する内側貯槽とを互いに独立の構造物として設けたことを特徴とする(第1の発明)。
【0008】
本発明に係る地下式低温液化ガス貯槽によれば、地盤内に形成された空洞部の安定を保つために設置される側壁構造物と、側壁構造物の内方に設けられる内側貯槽とを備え、この側壁構造物は地盤の土圧及び地下水圧を支持する外圧耐荷性能及び地下水の浸入を極力制限できる止水性能を負担し、内側貯槽は液化ガスを貯蔵する貯液性能を負担する。すなわち、互いに独立している側壁構造物と内側貯槽とがそれぞれ異なる性能を負担するために、いずれか一方の性能が低下しても他方の性能に影響を及ぼすことが無い。したがって、本発明によれば、地下式低温液化ガス貯槽の安全性を向上させることができるとともに、ひとつの性能が低下した場合の対応として迅速かつ確実に維持補修が可能となる。
【0009】
そして、側壁構造物や内側貯槽に不具合が生じると、不具合箇所を有する構造物(ここでは、側壁構造物又は内側貯槽)の性能のみが低下するために、不具合箇所を有する構造物の特定が容易になるとともに、不具合の原因特定も容易となる。例えば、液化ガスが漏れた場合には、貯液性能が低下していることになるから内側貯槽に不具合原因があると特定できる。空洞部周縁の側壁構造物が空洞部の安定を保つことができない場合には、外圧耐荷性能が低下していることになるから側壁構造物に不具合原因があると特定でき、空洞部の安定を保つことができるように側壁構造物を補修補強する修復対応を取る。この間に貯液性能は低下することなく液化ガス貯槽はその本来の役割を果たすことが可能である。このように、地下式低温液化ガス貯槽の側部に不具合が生じても、不具合箇所の特定が容易となり、的確な修復が可能となる。
【0010】
さらに、側壁構造物は外圧耐荷性能に必要な強度により、内側貯槽は自立可能で、かつ、貯液性能に必要な強度によってそれぞれを構築することができるので、側壁構造物及び内側貯槽を合理的に設計し経済的に構築することが可能となり、コンクリートや低温用鋼材等の材料の使用量を低減することが可能となる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記内側貯槽は、前記液化ガスを貯蔵するための内槽と、前記内槽の外周を覆うように取り付けられる保冷材と、前記保冷材の外周を覆うように設置される外槽とから構成されることを特徴とする。
本発明に係る地下式低温液化ガス貯槽によれば、内側貯槽は、液化ガスを貯蔵する内槽と、熱の出入りを遮断する保冷材と、液化ガスの漏洩の際の拡散を防止する外槽とから構成され、内槽は液化ガスの貯蔵圧を支持する内圧耐荷性能及び液化ガスを密閉する気密・液密性能を負担し、保冷材は外部と液化ガスとの間の熱の出入りを遮断する断熱性能を負担し、外槽は液化ガスが漏出した際に冷熱の影響を緩和し拡散を防止する拡散防止性能を負担する。すなわち、互いに独立している内槽と保冷材と外槽とがそれぞれ異なる性能を負担してこれらの性能を統合して貯液性能を構成する。
【0012】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記内側貯槽と前記側壁構造物との間に空間を設けたことを特徴とする。
本発明に係る地下式低温液化ガス貯槽によれば、側壁構造物と内側貯槽との間に空間を設けることにより、前記側壁構造物とその内部に設置する前記内側貯槽との機能および構造を互いに独立させることが可能になる。例えば、側壁構造物が損傷して止水性能が低下することで地下水が空間内に流入したり、内側貯槽が損傷して貯液性能が劣化し液化ガスが空間内に流入した場合には、地下水や液化ガスはこの空間内に貯留するので、この空間を利用して漏洩状態を確認することが可能となる。また、人や機械等が空間内に入って損傷箇所を修理することができるので、短時間で、かつ、確実に修理をすることが可能となる。
【0013】
第4の発明の地下式低温液化ガス貯槽の設計方法は、地盤内に形成された空洞部の内壁を覆うように設置される側壁構造物と該側壁構造物の内方に設置される内側貯槽とを備える地下式低温液化ガス貯槽の設計方法において、前記側壁構造物を、単独で地盤の土圧及び地下水圧を支持するように設計する工程と、前記内側貯槽を、液化ガスを貯蔵するために必要な気密・液密性、断熱性及び自立性を有するように前記側壁構造物とは独立の構造物として設計する工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の地下式低温液化ガス貯槽及びこの設計方法によれば、地盤の土圧及び地下水圧を支持する外圧耐荷性能、液化ガスを内包してその流体を貯蔵する貯液性能を互いに独立した構造物で分担しており、いずれか一方の性能が低下した場合にも他方の性能に影響を及ぼすことが無いので、地下式低温液化ガス貯槽の高い安全性を確保してその信頼性を大幅に向上することができる。また、外圧耐荷性能、貯液性能が低下した場合は、それぞれ側壁構造物の形状変形、液化ガスの漏洩等が生じて発見が容易であり、さらに、発見後、性能が低下した構造物だけを補修すればよいので、不具合が生じても短期間で確実に補修することが可能となり地下式低温液化ガス貯槽の維持補修性が格段に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る地下式低温液化ガス貯槽の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る地下式低温液化ガス貯槽の概略構造図である。
図1に示すように、メタン等の液化ガスを貯蔵する地下式低温液化ガス貯槽1は、地盤2に形成された空洞部11の内壁を覆うように設置され、地盤2の土圧及び地下水圧を単独で支持することが可能で地下水の浸入を極力制限できる止水性を有する側壁構造物3と、側壁構造物3の内方に設けられ、液化ガスを貯蔵するために必要な気密・液密性、断熱性及び自立性を有する内側貯槽6とを備え、側壁構造物3と内側貯槽6とは互いに独立の構造物として設けられている。
【0017】
側壁構造物3は、一般的にはコンクリート製の地中連続壁で構築され、地盤2の土圧及び地下水圧を支持する外圧耐荷性能及び地盤2からの地下水の流入を極力防止する止水性能を有し、設計等により決定された所定の深度まで所定の厚みで構築される。
【0018】
内側貯槽6は、空洞部11の底部地盤の上に、必要に応じて排水層4を設けて構築され、液化ガスを内包してその流体を貯蔵する貯液性能を有する。また、内側貯槽6は、液化ガスを密閉するとともに、液化ガスの貯蔵圧力を支持するための内槽7と、内槽7の底版部7a及び側部7bを外側から覆うように取り付けられ、外部と液化ガスとの間の熱の出入りを遮断するための保冷材8と、保冷材8を外側から覆うように設置され、液化ガスが内槽7から漏出した際に冷熱の影響を緩和し拡散を防止するための外槽9とから構成されている。内側貯槽6は側壁構造物3の内方に所定の間隔Lをおいて設けられており、側壁構造物3と内側貯槽6との間に空間5が形成されている。なお、本実施形態においては、側壁構造物3と内側貯槽6との間に人が入れる程度の空間5を設けたが、この広さに限定されるものではなく、空間5は側壁構造物3と内側貯槽6とが接しない程度の隙間が有ればよく、例えば、設計等により側壁構造物3に所定の土水圧が作用した際の変形量を算出し、この変形量よりも大きい隙間であればよい。
【0019】
内槽7は、例えば、低温における伸縮性を有する9%Ni鋼板のような低温鋼材からなり、自立可能で、液化ガスを密閉する気密・液密性能を有するとともに、加圧された状態で貯蔵されている液化ガスの貯蔵圧を支持する内圧耐荷性能を有する。
【0020】
保冷材8は、ポリウレタンフォームあるいはパーライトなどの保冷材からなり、外部と液化ガスとの間の熱の出入りを遮断する断熱性能を有する。
【0021】
外槽9は、鉄筋コンクリートやプレストレストコンクリートからなり、液化ガスが内槽7から漏れた際に冷熱の影響を緩和し拡散を防止する防液堤としての性能を有する。
【0022】
排水層4は、必要に応じて設けられるもので、図示はしないが、多量の砕石と、水を集水するための集水管と、集水された水を地上に揚水して排水するための揚水ポンプとから構成されている。この排水層4内に周辺地盤2から側壁構造物3の下方を回り込んで流入した地下水等は、集水管にて一箇所に集水され、揚水ポンプにて地上へ排水される。また、図示はしないが、空間5にも雨水等を排水するための揚水ポンプと、雨水等の貯留を検知する水検知センサーと、液化ガスの貯留を検知するガス検知センサーとが設置されている。
【0023】
次に、地下式低温液化ガス貯槽1の構築方法を施工手順にしたがって説明する。
図2〜図6は、本発明に係る地下式低温液化ガス貯槽1の構築手順を示す図である。
【0024】
まず、図2に示すように、地盤2を円筒形状に所定の深度まで掘削し、掘削土砂を排出して、掘削された部分にコンクリートを充填することにより地中連続壁からなる側壁構造物3aを構築する。
そして、側壁構造物3aの所望の強度が発現した後、図3に示すように、その内周面よりも内側の土砂を掘削し、上方が開口した空洞部11を構築する。
【0025】
次に、空洞部11の底部に礫、小石、砕石等を敷設するとともに、集水管、揚水ポンプを設置し、排水層4を構築する。
【0026】
次に、図4に示すように、側壁構造物3aの内周面より所定の間隔Lを隔てた内方に外槽9を構築する。外槽9の構築は次の手順で行われる。まず、排水層4の上に底版用鉄筋(図示しない)を組み立て、コンクリートを打設することにより円盤状の底版部9aを構築し、次に、底版部9aの所望の強度が発現した後に、底版部9aの外周部分に側部用鉄筋(図示しない)を組み立て、コンクリートを打設することにより円筒形状の側部9bを構築する。なお、外槽9がプレストレストコンクリートからなる場合には、組み立てられた底版用鉄筋や側部用鉄筋の内側にPC鋼材等の緊張材を設置し、コンクリートを打設して、コンクリートの強度が発現した後に緊張材を緊張する。
【0027】
次に、図5に示すように、内槽7を構築する。内槽7の構築は次の手順で行われる。まず、外槽9の底版部9aに取り付けられた保冷材8aの上に円盤状の底版部7aを構築し、底版部7aの外周部分に内槽側壁部7bを構築する。そして、底版部7a及び側部7bで囲われた上部開口を覆うように屋根部7cを構築する。このようにして内槽7を構築したら、内槽7bと外槽9bとの間の隙間に保冷材8bを充填する。
【0028】
最後に、図6に示すように、側壁構造物3aの上に側壁構造物3bを延設し、側壁構造物3bの周囲に盛土を施工することにより、地下式低温液化ガス貯槽1が構築される。
【0029】
以上のようにして構築された本発明に係る地下式低温液化ガス貯槽1によれば、地盤2内に形成された空洞部11の内壁を覆うように設置される側壁構造物3と、側壁構造物3の内方に設けられる内側貯槽6とを備え、側壁構造物3は外圧耐荷性能を負担し、内側貯槽6は貯液性能を負担する。すなわち、互いに独立している側壁構造物3と内側貯槽6とがそれぞれ異なる性能を負担するために、いずれか一方の性能が低下しても他方の性能に影響を及ぼすことが無い。したがって、地下式低温液化ガス貯槽1の安全性を向上させることができる。また、それぞれの性能を互いに独立した構造物で分担するために、設計する工程や構築する工程で個別に扱って単純化されることで、工程における効率化と経済性が大きく改善される。
【0030】
そして、側壁構造物3や内側貯槽6に不具合が生じると、不具合箇所を有する構造物の性能(ここでは、側壁構造物3の外圧耐荷性能又は内側貯槽6の貯液性能)のみが低下するために、不具合箇所を有する構造物の特定が容易になるとともに、不具合の原因特定も容易となる。例えば、液化ガスが漏れた場合には、貯液性能が低下していることになるから内側貯槽6に不具合があると特定できる。このように、地下式低温液化ガス貯槽1の側部に不具合が生じても、不具合箇所の特定が容易となり、的確な修復が可能となる。
【0031】
さらに、側壁構造物3は外圧耐荷性能に必要な強度により、内側貯槽6は貯液性能に必要な強度によりそれぞれを構築することができるので、側壁構造物3及び内側貯槽6について合理的な設計が可能となり、鋼材やコンクリート等の材料の量を低減することが可能となる。
【0032】
側壁構造物3と内側貯槽6との間に空間5を設けることにより、側壁構造物3が損傷して止水性が低下することで地下水が空間5内に流入したり、内側貯槽6が損傷して貯液性能が劣化し液液化ガスが空間5内に流入した場合には、地下水や液化ガスはこの空間5内に貯留するので、上述した水検知センサーやガス検知センサーで漏洩をいち早く発見することが可能であり、人がこの空間5に入ることで不具合状況を目視確認することが可能となる。また、人や機械等が空間5内に入って損傷箇所を修理することができるので、短時間で、かつ、確実に修理をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る地下式低温液化ガス貯槽の概略構造図である。
【図2】本発明に係る地下式低温液化ガス貯槽の構築手順を示す図である。
【図3】本発明に係る地下式低温液化ガス貯槽の構築手順を示す図である。
【図4】本発明に係る地下式低温液化ガス貯槽の構築手順を示す図である。
【図5】本発明に係る地下式低温液化ガス貯槽の構築手順を示す図である。
【図6】本発明に係る地下式低温液化ガス貯槽の構築手順を示す図である。
【図7】従来の地下式低温液化ガス貯槽の概略構造図である。
【符号の説明】
【0034】
1 地下式低温液化ガス貯槽
2 地盤
3 側壁構造物
4 排水層
5 空間
6 内側貯槽
7 内槽
8 保冷材
9 外槽
11 空洞部
31 側壁部
32 底版
33 屋根
34 連続地中壁
35 側壁躯体
36 保冷材
37 メンブレン
L 所定の間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤内に構築される地下式低温液化ガス貯槽であって、
地盤内に形成された空洞部の内壁を覆うように設置され、地盤の土圧及び地下水圧を単独で支持することが可能で地下水の浸入を防ぐ止水性能を有する側壁構造物と、
前記側壁構造物の内方に設置され、前記液化ガスを貯蔵するために必要な気密・液密性、断熱性及び自立性を有する内側貯槽とを互いに独立の構造物として設けたことを特徴とする地下式低温液化ガス貯槽。
【請求項2】
前記内側貯槽は、
前記液化ガスを貯蔵するための内槽と、
前記内槽の外周を覆うように取り付けられる保冷材と、
前記保冷材の外周を覆うように設置される外槽とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の地下式低温液化ガス貯槽。
【請求項3】
前記内側貯槽と前記側壁構造物との間に空間を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の地下式低温液化ガス貯槽。
【請求項4】
地盤内に形成された空洞部の内壁を覆うように設置される側壁構造物と該側壁構造物の内方に設置される内側貯槽とを備える地下式低温液化ガス貯槽の設計方法において、
前記側壁構造物を、単独で地盤の土圧及び地下水圧を支持するように設計する工程と、
前記内側貯槽を、液化ガスを貯蔵するために必要な気密・液密性、断熱性及び自立性を有するように前記側壁構造物とは独立の構造物として設計する工程とを備えることを特徴とする地下式低温液化ガス貯槽の設計方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−232187(P2008−232187A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69077(P2007−69077)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】