地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置
【課題】列車軌道と直交する方向の地震動による列車軌道と直交する方向への列車軌道の変位を抑制して、地震時においても、安全な列車走行を行うことができる地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置を提供する。
【解決手段】地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置において、列車軌道の基礎に配置される杭頭天端側の下方受台１と、列車軌道に配置されるフーチング側の上方受台２と、前記下方受台１と上方受台２の間に挟み込んで介在させる、短軸よりは長い寸法の長軸３Ａを有する鋼鉄製楕円球体回転子３とを備え、前記鋼鉄製楕円球体回転子３の長軸３Ａが、線路方向Ｂに直交する線路直角方向に合致するように配置して、前記線路直角方向に働く地震動Ｅによる変位の一部を線路方向Ｂの変位へと転換して、線路直角方向の変位を抑制する。
【解決手段】地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置において、列車軌道の基礎に配置される杭頭天端側の下方受台１と、列車軌道に配置されるフーチング側の上方受台２と、前記下方受台１と上方受台２の間に挟み込んで介在させる、短軸よりは長い寸法の長軸３Ａを有する鋼鉄製楕円球体回転子３とを備え、前記鋼鉄製楕円球体回転子３の長軸３Ａが、線路方向Ｂに直交する線路直角方向に合致するように配置して、前記線路直角方向に働く地震動Ｅによる変位の一部を線路方向Ｂの変位へと転換して、線路直角方向の変位を抑制する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、免震機能を有すると共に、建物周辺の鉄道や道路から伝搬してくる微振動や固体伝搬音を遮断する機能を合わせ持つ免震・防振構法建物についての提案が、下記非特許文献１、２としてなされている。
【０００３】
一方、鉄道構造物（列車軌道など）の耐震性を高めることは、地震時の列車走行安全性を確保するために、非常に重要な問題である。
【０００４】
多数の実地震被害調査によれば、地震により固定度の高い杭頭（剛接合杭頭）に大きな曲げモーメントが発生する。このことが主な杭基礎の破壊要因であることが判明している。
【０００５】
鉄道構造物の耐震性を経済的に高める方法として、免震基礎の採用が考えられる。しかしながら、免震基礎によって、構造物への地震動の作用低減は可能となるが、エネルギー吸収による変位が大きくなるため、列車の走行安全に支障をきたす場合があり、鉄道分野への適用は困難であると言われている。
【０００６】
すなわち、従来の免震基礎では、構造物への地震動の作用を低減するために、杭頭とフーチングの間を柔軟性構造で接合するが、変位の方向性を考慮していない。そのため、列車軌道と直交する線路直角方向に地震エネルギーが働き、列車軌道が線路直角方向へ変位すると、列車はその変位により最悪の場合、脱線転覆するという恐れがある。
【非特許文献１】安藤：「建物の免震防振構法の研究開発（その１０）」鹿島技術研究所年報、第３９号、第１４１〜１４７頁、１９９１年１０月３１日発行
【非特許文献２】中村他：「厚肉積層ゴムを用いた免震・除振システムの開発（その１）」、大林組技術研究所報 Ｎｏ．４２、第１５〜２２頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
そこで、本発明は、列車走行に大きな影響を与える線路直角方向の振動変位を低減して、地震時においても、良好な免震効果と列車走行安全性の双方を実現できる地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔１〕地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置において、列車軌道の基礎に配置される杭頭天端側の下方受台と、列車軌道に配置されるフーチング側の上方受台と、前記下方受台と上方受台の間に挟み込んで介在させる、短軸よりは長い寸法の長軸を有する鋼鉄製回転子とを備え、前記鋼鉄製回転子の長軸が、線路方向に直交する線路直角方向に合致するように配置して、前記線路直角方向に働く地震動による変位の一部を線路方向の変位へと転換して、線路直角方向の変位を抑制することを特徴とする。
【０００９】
〔２〕上記〔１〕記載の地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置において、前記鋼鉄製回転子が楕円状球体回転子であることを特徴とする。
【００１０】
〔３〕上記〔１〕又は〔２〕記載の地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置において、鋼鉄製回転子の短軸方向の端部に平面部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【００１１】
本発明によれば、線路直角方向に働く地震エネルギーによる列車軌道の変位の一部をその列車軌道の線路方向へと転換して、列車軌道の線路直角方向の変位を抑制し、地震時列車走行安全性を確保することができる。
【００１２】
すなわち、杭頭とフーチングの間に免震装置を介して接合することによって、地震慣性力によるモーメントやせん断力を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
本発明の地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置は、列車軌道の基礎に配置される杭頭天端側の下方受台と、列車軌道に配置されるフーチング側の上方受台と、前記下方受台と上方受台の間に挟み込んで介在させる、短軸よりは長い寸法の長軸を有する鋼鉄製回転子とを備え、前記鋼鉄製回転子の長軸が線路方向に直交する線路直角方向に合致するように配置して、前記線路直角方向に働く地震動による変位の一部を線路方向の変位へと転換して、線路直角方向の変位を抑制する。
【実施例】
【００１４】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【００１５】
図１は本発明の回転式杭頭免震装置が設けられる列車軌道の断面模式図、図２はその杭頭と列車軌道との間に配置される回転式杭頭免震装置の外観斜視図、図３はその回転式杭頭免震装置の鋼鉄製楕円球体回転子の斜視図、図４はその鋼鉄製楕円球体回転子の変形例を示す斜視図である。
【００１６】
これらの図において、１は列車軌道の基礎に配置される杭頭天端側の下方受台、２は列車軌道に配置されるフーチング側の上方受台、３はその下方受台１と上方受台２の間に挟み込み介在させる鋼鉄製楕円球体回転子、Ａは下方受台１と上方受台２を強く引き寄せるバネ体、Ｂは列車軌道の線路方向、Ｃは杭基礎、Ｄは列車軌道、Ｅは列車軌道Ｄに対する線路直角方向の地震動、Ｆはその地震動Ｅが、本発明の回転式杭頭免震装置により転換されて抑制された線路直角方向の地震動による変位、Ｇは本発明の回転式杭頭免震装置により転換されて発生する線路方向の変位、８は地盤、９はフーチング、１０は橋脚を示している。
【００１７】
鋼鉄製楕円球体回転子３は、短軸と長軸を有する様々な球体の形状が可能であるが、この実施例では、楕円球体（ラグビーボール）形状とする。ただし、図３に示すように、楕円球体の長軸３Ａの長さをＬ1 、楕円球体の短軸３Ｂ′の長さをＬ2 ′となし、短軸方向の上下方向の両端に平面３Ｄを形成してもよいし、図４に示すように、それらの平面３Ｄは無くすようにしてもよい。この場合には、楕円球体の短軸３Ｂの長さをＬ2 となす。
【００１８】
また、図２に示されるように、杭頭天端側の下方受台１とフーチング側の上方受台２との間に、この鋼鉄製楕円球体回転子３はその長軸３Ａが線路直角方向と合致する状態で装着される。また、図４における３Ｅは鋼鉄製楕円球体回転子３の長軸３Ａ方向の楕円状の断面を示している。
【００１９】
図５は本発明の回転式杭頭免震装置の鋼鉄製楕円球体回転子の初期状態を示す平面断面図、図６は本発明の回転式杭頭免震装置の鋼鉄製楕円球体回転子が線路直角方向の地震動を受けた時に発生する線路方向の変位を示す図である。
【００２０】
図１に示したように、列車軌道の基礎に配置される杭頭天端側の下方受台１と、列車軌道に配置されるフーチング側の上方受台２とで、鋼鉄製楕円球体回転子３を長軸３Ａの中心３Ｃを中心として回転可能（復元可能）に支承させるとともに、両受台１，２の間には、復元要素４と減衰要素５を設けることによって、鋼鉄製楕円球体回転子３を回転による移動範囲の中立位置に復元することができる。図６に示すように、基礎が線路直角方向の地震動Ｅを受けた時に、鋼鉄製楕円球体回転子３の長軸３Ａの中心３Ｃを中心とした回転により杭頭部６とフーチング部７の間に線路方向の変位δ（線路方向）が発生する。つまり、本発明によれば、線路直角方向の地震動により発生する線路直角方向の列車軌道の揺れの一部を線路方向Ｂへと変換するため、線路直交方向の揺れを抑えることができる。線路方向に発生した変位δ（線路方向）は列車走行性に与える影響が小さいため、本発明の回転式杭頭免震装置は列車の走行安全性を改善したエネルギー吸収の機構であると言える。
【００２１】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【００２２】
本発明の回転式杭頭免震装置は、地震動による列車軌道の線路直角の方向地震動による変位を抑制することができため、鉄道列車の安全走行のための免震装置として好適である。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明の回転式杭頭免震装置が設けられる列車軌道の断面模式図である。
【図２】本発明の杭頭と列車軌道との間に配置される回転式杭頭免震装置の外観斜視図である。
【図３】本発明の回転式杭頭免震装置の鋼鉄製楕円球体回転子の斜視図である。
【図４】本発明の回転式杭頭免震装置の鋼鉄製楕円球体回転子の変形例を示す斜視図である。
【図５】本発明の回転式杭頭免震装置の鋼鉄製楕円球体回転子の初期状態を示す平面断面図である。
【図６】本発明の回転式杭頭免震装置の鋼鉄製楕円形球体回転子が線路直角方向の地震動を受けた時に発生する線路方向の変位を示す図である。
【符号の説明】
【００２４】
１ 杭頭天端側の下方受台
２ フーチング側の上方受台
３ 鋼鉄製楕円球体回転子
３Ａ 鋼鉄製楕円球体回転子の長軸
３Ｂ，３Ｂ′ 鋼鉄製楕円球体回転子の短軸
３Ｃ 鋼鉄製楕円球体回転子の長軸の中心
３Ｄ 平面
３Ｅ 鋼鉄製楕円球体回転子の長軸方向の楕円状の断面
４ 復元要素
５ 減衰要素
６ 杭頭部
７ フーチング部
８ 地盤
９ フーチング
１０ 橋脚
Ａ バネ体
Ｂ 列車軌道の線路方向
Ｃ 杭基礎
Ｄ 列車軌道
Ｅ 線路直角方向の地震動
Ｆ 抑制された線路直角方向の地震動による変位
Ｇ 線路方向の変位
【技術分野】
【０００１】
本発明は、地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、免震機能を有すると共に、建物周辺の鉄道や道路から伝搬してくる微振動や固体伝搬音を遮断する機能を合わせ持つ免震・防振構法建物についての提案が、下記非特許文献１、２としてなされている。
【０００３】
一方、鉄道構造物（列車軌道など）の耐震性を高めることは、地震時の列車走行安全性を確保するために、非常に重要な問題である。
【０００４】
多数の実地震被害調査によれば、地震により固定度の高い杭頭（剛接合杭頭）に大きな曲げモーメントが発生する。このことが主な杭基礎の破壊要因であることが判明している。
【０００５】
鉄道構造物の耐震性を経済的に高める方法として、免震基礎の採用が考えられる。しかしながら、免震基礎によって、構造物への地震動の作用低減は可能となるが、エネルギー吸収による変位が大きくなるため、列車の走行安全に支障をきたす場合があり、鉄道分野への適用は困難であると言われている。
【０００６】
すなわち、従来の免震基礎では、構造物への地震動の作用を低減するために、杭頭とフーチングの間を柔軟性構造で接合するが、変位の方向性を考慮していない。そのため、列車軌道と直交する線路直角方向に地震エネルギーが働き、列車軌道が線路直角方向へ変位すると、列車はその変位により最悪の場合、脱線転覆するという恐れがある。
【非特許文献１】安藤：「建物の免震防振構法の研究開発（その１０）」鹿島技術研究所年報、第３９号、第１４１〜１４７頁、１９９１年１０月３１日発行
【非特許文献２】中村他：「厚肉積層ゴムを用いた免震・除振システムの開発（その１）」、大林組技術研究所報 Ｎｏ．４２、第１５〜２２頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
そこで、本発明は、列車走行に大きな影響を与える線路直角方向の振動変位を低減して、地震時においても、良好な免震効果と列車走行安全性の双方を実現できる地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔１〕地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置において、列車軌道の基礎に配置される杭頭天端側の下方受台と、列車軌道に配置されるフーチング側の上方受台と、前記下方受台と上方受台の間に挟み込んで介在させる、短軸よりは長い寸法の長軸を有する鋼鉄製回転子とを備え、前記鋼鉄製回転子の長軸が、線路方向に直交する線路直角方向に合致するように配置して、前記線路直角方向に働く地震動による変位の一部を線路方向の変位へと転換して、線路直角方向の変位を抑制することを特徴とする。
【０００９】
〔２〕上記〔１〕記載の地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置において、前記鋼鉄製回転子が楕円状球体回転子であることを特徴とする。
【００１０】
〔３〕上記〔１〕又は〔２〕記載の地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置において、鋼鉄製回転子の短軸方向の端部に平面部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【００１１】
本発明によれば、線路直角方向に働く地震エネルギーによる列車軌道の変位の一部をその列車軌道の線路方向へと転換して、列車軌道の線路直角方向の変位を抑制し、地震時列車走行安全性を確保することができる。
【００１２】
すなわち、杭頭とフーチングの間に免震装置を介して接合することによって、地震慣性力によるモーメントやせん断力を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
本発明の地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置は、列車軌道の基礎に配置される杭頭天端側の下方受台と、列車軌道に配置されるフーチング側の上方受台と、前記下方受台と上方受台の間に挟み込んで介在させる、短軸よりは長い寸法の長軸を有する鋼鉄製回転子とを備え、前記鋼鉄製回転子の長軸が線路方向に直交する線路直角方向に合致するように配置して、前記線路直角方向に働く地震動による変位の一部を線路方向の変位へと転換して、線路直角方向の変位を抑制する。
【実施例】
【００１４】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【００１５】
図１は本発明の回転式杭頭免震装置が設けられる列車軌道の断面模式図、図２はその杭頭と列車軌道との間に配置される回転式杭頭免震装置の外観斜視図、図３はその回転式杭頭免震装置の鋼鉄製楕円球体回転子の斜視図、図４はその鋼鉄製楕円球体回転子の変形例を示す斜視図である。
【００１６】
これらの図において、１は列車軌道の基礎に配置される杭頭天端側の下方受台、２は列車軌道に配置されるフーチング側の上方受台、３はその下方受台１と上方受台２の間に挟み込み介在させる鋼鉄製楕円球体回転子、Ａは下方受台１と上方受台２を強く引き寄せるバネ体、Ｂは列車軌道の線路方向、Ｃは杭基礎、Ｄは列車軌道、Ｅは列車軌道Ｄに対する線路直角方向の地震動、Ｆはその地震動Ｅが、本発明の回転式杭頭免震装置により転換されて抑制された線路直角方向の地震動による変位、Ｇは本発明の回転式杭頭免震装置により転換されて発生する線路方向の変位、８は地盤、９はフーチング、１０は橋脚を示している。
【００１７】
鋼鉄製楕円球体回転子３は、短軸と長軸を有する様々な球体の形状が可能であるが、この実施例では、楕円球体（ラグビーボール）形状とする。ただし、図３に示すように、楕円球体の長軸３Ａの長さをＬ1 、楕円球体の短軸３Ｂ′の長さをＬ2 ′となし、短軸方向の上下方向の両端に平面３Ｄを形成してもよいし、図４に示すように、それらの平面３Ｄは無くすようにしてもよい。この場合には、楕円球体の短軸３Ｂの長さをＬ2 となす。
【００１８】
また、図２に示されるように、杭頭天端側の下方受台１とフーチング側の上方受台２との間に、この鋼鉄製楕円球体回転子３はその長軸３Ａが線路直角方向と合致する状態で装着される。また、図４における３Ｅは鋼鉄製楕円球体回転子３の長軸３Ａ方向の楕円状の断面を示している。
【００１９】
図５は本発明の回転式杭頭免震装置の鋼鉄製楕円球体回転子の初期状態を示す平面断面図、図６は本発明の回転式杭頭免震装置の鋼鉄製楕円球体回転子が線路直角方向の地震動を受けた時に発生する線路方向の変位を示す図である。
【００２０】
図１に示したように、列車軌道の基礎に配置される杭頭天端側の下方受台１と、列車軌道に配置されるフーチング側の上方受台２とで、鋼鉄製楕円球体回転子３を長軸３Ａの中心３Ｃを中心として回転可能（復元可能）に支承させるとともに、両受台１，２の間には、復元要素４と減衰要素５を設けることによって、鋼鉄製楕円球体回転子３を回転による移動範囲の中立位置に復元することができる。図６に示すように、基礎が線路直角方向の地震動Ｅを受けた時に、鋼鉄製楕円球体回転子３の長軸３Ａの中心３Ｃを中心とした回転により杭頭部６とフーチング部７の間に線路方向の変位δ（線路方向）が発生する。つまり、本発明によれば、線路直角方向の地震動により発生する線路直角方向の列車軌道の揺れの一部を線路方向Ｂへと変換するため、線路直交方向の揺れを抑えることができる。線路方向に発生した変位δ（線路方向）は列車走行性に与える影響が小さいため、本発明の回転式杭頭免震装置は列車の走行安全性を改善したエネルギー吸収の機構であると言える。
【００２１】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【００２２】
本発明の回転式杭頭免震装置は、地震動による列車軌道の線路直角の方向地震動による変位を抑制することができため、鉄道列車の安全走行のための免震装置として好適である。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明の回転式杭頭免震装置が設けられる列車軌道の断面模式図である。
【図２】本発明の杭頭と列車軌道との間に配置される回転式杭頭免震装置の外観斜視図である。
【図３】本発明の回転式杭頭免震装置の鋼鉄製楕円球体回転子の斜視図である。
【図４】本発明の回転式杭頭免震装置の鋼鉄製楕円球体回転子の変形例を示す斜視図である。
【図５】本発明の回転式杭頭免震装置の鋼鉄製楕円球体回転子の初期状態を示す平面断面図である。
【図６】本発明の回転式杭頭免震装置の鋼鉄製楕円形球体回転子が線路直角方向の地震動を受けた時に発生する線路方向の変位を示す図である。
【符号の説明】
【００２４】
１ 杭頭天端側の下方受台
２ フーチング側の上方受台
３ 鋼鉄製楕円球体回転子
３Ａ 鋼鉄製楕円球体回転子の長軸
３Ｂ，３Ｂ′ 鋼鉄製楕円球体回転子の短軸
３Ｃ 鋼鉄製楕円球体回転子の長軸の中心
３Ｄ 平面
３Ｅ 鋼鉄製楕円球体回転子の長軸方向の楕円状の断面
４ 復元要素
５ 減衰要素
６ 杭頭部
７ フーチング部
８ 地盤
９ フーチング
１０ 橋脚
Ａ バネ体
Ｂ 列車軌道の線路方向
Ｃ 杭基礎
Ｄ 列車軌道
Ｅ 線路直角方向の地震動
Ｆ 抑制された線路直角方向の地震動による変位
Ｇ 線路方向の変位
【特許請求の範囲】
【請求項１】
（ａ）列車軌道の基礎に配置される杭頭天端側の下方受台と、
（ｂ）列車軌道に配置されるフーチング側の上方受台と、
（ｃ）前記下方受台と上方受台の間に挟み込んで介在させる、短軸よりは長い寸法の長軸を有する鋼鉄製回転子とを備え、
（ｄ）前記鋼鉄製回転子の長軸が、線路方向に直交する線路直角方向に合致するように配置して、前記線路直角方向に働く地震動による変位の一部を線路方向の変位へと転換して、線路直角方向の変位を抑制することを特徴とする地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置。
【請求項２】
請求項１記載の地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置において、前記鋼鉄製回転子が楕円状球体回転子であることを特徴とする地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置。
【請求項３】
請求項１又は２記載の地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置において、鋼鉄製回転子の短軸方向の端部に平面部を有することを特徴とする地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置。
【請求項１】
（ａ）列車軌道の基礎に配置される杭頭天端側の下方受台と、
（ｂ）列車軌道に配置されるフーチング側の上方受台と、
（ｃ）前記下方受台と上方受台の間に挟み込んで介在させる、短軸よりは長い寸法の長軸を有する鋼鉄製回転子とを備え、
（ｄ）前記鋼鉄製回転子の長軸が、線路方向に直交する線路直角方向に合致するように配置して、前記線路直角方向に働く地震動による変位の一部を線路方向の変位へと転換して、線路直角方向の変位を抑制することを特徴とする地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置。
【請求項２】
請求項１記載の地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置において、前記鋼鉄製回転子が楕円状球体回転子であることを特徴とする地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置。
【請求項３】
請求項１又は２記載の地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置において、鋼鉄製回転子の短軸方向の端部に平面部を有することを特徴とする地震時列車走行安全性を考慮した回転式杭頭免震装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００７−５１４３６（Ｐ２００７−５１４３６Ａ）
【公開日】平成１９年３月１日（２００７．３．１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−２３５９１５（Ｐ２００５−２３５９１５）
【出願日】平成１７年８月１６日（２００５．８．１６）
【出願人】（０００１７３７８４）財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年３月１日（２００７．３．１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年８月１６日（２００５．８．１６）
【出願人】（０００１７３７８４）財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【Ｆターム（参考）】
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