説明

型締装置の計測システム及び型締装置の計測方法

【課題】型締装置における可動金型の位置等を適切に計測することのできる型締装置の計測システム及び型締装置の計測方法の提供を目的とする。
【解決手段】型締装置の可動金型又は可動金型保持部材に付加された第一のマークと、前記可動金型の移動に対して固定されている前記型締装置の固定金型又は固定金型保持部材に付加された第二のマークとを含む画像データを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された画像データにおける前記第二のマークに対する前記第一のマークの相対的な位置を算出する算出手段とを有することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型締装置の計測システム及び型締装置の計測方法に関し、特に型締装置の可動金型の位置等の計測を行うための型締装置の計測システム及び型締装置の計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、射出成形機においては、樹脂を射出装置の射出ノズルから射出して固定金型と可動金型との間のキャビティ空間に充填(てん)し、固化させることによって成形品を得るようになっている。そして、固定金型に対して可動金型を移動させて型閉じ、型締め及び型開きを行うために型締装置が配設される。
【0003】
ここで、品質の良い成形品を得るためには、金型間の相対的な移動が非常に重要な要素となる。具体的には、可動金型の移動方向が意図した方向に対してズレを有していたり、可動金型が傾いていたりした場合、成形不良が生じる可能性が高くなる。特に、近年の成形品は非常に高い精度が要求されるため、当該ズレや傾き等についても人間の目視では確認できない微小なものであっても、成形品に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
そこで、可動金型の位置や姿勢に関して精度の高い計測手段が要求される。
【特許文献1】特開2005−161644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来は、体系化された計測方法は確立されておらず、現場の作業者のスキルに負うところが大きかった。例えば、成形品の状態を確認することにより、可動金型のズレや傾き等が推測されていた。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、型締装置における可動金型の位置等を適切に計測することのできる型締装置の計測システム及び型締装置の計測方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、本発明に係る型締装置の計測システムは、型締装置の可動金型又は可動金型保持部材に付加された第一のマークと、前記可動金型の移動に対して固定されている前記型締装置の固定金型又は固定金型保持部材に付加された第二のマークとを含む画像データを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された画像データにおける前記第二のマークに対する前記第一のマークの相対的な位置を算出する算出手段とを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記可動金型又は前記可動金型保持部材には複数の前記第一のマークが付加され、前記算出手段は、前記第二のマークに対する複数のマークの相対的な位置を算出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記撮像手段は、少なくとも前記第一のマークを焦点深度外で撮像し、前記画像データにおいて前記第一のマークを含む領域の明暗分布を算出する明暗分布算出手段を有し、前記算出手段は、前記明暗分布に基づいて特定される位置について前記第二のマークに対する相対的な位置を算出することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記明暗分布算出手段は、前記第一のマークを含む領域の重心位置を算出し、前記算出手段は、前記重心位置について前記第二のマークに対する相対的な位置を算出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記明暗分布算出手段は、前記第一のマークを含む領域の明暗のピーク値を検出し、前記算出手段は、前記ピーク値を示す位置について前記第二のマークに対する相対的な位置を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、型締装置における可動金型の位置等を適切に計測することのできる型締装置の計測システム及び型締装置の計測方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態における射出成形機の型締装置の概略図である。図1において、射出成形機の型締装置10は、フレーム17と、フレーム17に固定された固定金型支持装置としての固定プラテン12と、固定プラテン12との間に所定の距離を置いてフレーム17に対して移動可能に配設されたベースプレートとしてのトグルサポート15とを具備する。トグルサポート15はトグル式型締装置支持装置として機能する。固定プラテン12とトグルサポート15との間には、複数(例えば、四本)のガイド手段としてのタイバー16が延在している。
【0014】
可動プラテン13は、固定プラテン12に対向して配設され、タイバー16に沿って進退(図における左右方向に移動)可能に配設された可動金型支持装置として機能する。金型装置11は、固定金型11aと可動金型11bとから成る。固定金型11aは、固定プラテン12における可動プラテン13と対向する金型取付面に取り付けられる。一方、可動金型11bは、可動プラテン13における固定プラテン12と対向する金型取付面に取り付けられる。
【0015】
なお、可動プラテン13の後端 (図における右端) には、エジェクタピン(図示せず)を移動させるための駆動装置が取り付けられてもよい。
【0016】
可動プラテン13とトグルサポート15との間には、トグル式型締装置としてのトグル機構20が取り付けられる。トグルサポート15の後端にはトグル機構20を作動させる型締用駆動源としての型締モータ26が配設される。型締モータ26は、回転運動を往復運動に変換するボールねじ機構等から成る運動方向変換装置(図示せず)を備え、駆動軸25を進退(図における左右方向に移動)させることによって、トグル機構20を作動させることができる。なお、型締モータ26は、サーボモータであることが好ましく、回転数を検出するエンコーダとしての型開閉位置センサ27を備える。
【0017】
上述のトグル機構20は、駆動軸25に取り付けられたクロスヘッド24、クロスヘッド24に揺動可能に取り付けられた第2トグルレバー23、トグルサポート15に揺動可能に取り付けられた第1トグルレバー21、及び、可動プラテン13に揺動可能に取り付けられたトグルアーム22を有する。第1トグルレバー21と第2トグルレバー23との間、及び、第1トグルレバー21とトグルアーム22との間は、それぞれ、リンク結合される。なお、トグル機構20は、いわゆる、内巻五節点ダブルトグル機構であり、上下が対称の構成を有する。
【0018】
型締モータ26が駆動して、被駆動部材としてのクロスヘッド24を進退させることによって、トグル機構20を作動させることができる。この場合、クロスヘッド24を前進(図における左方向に移動)させると、可動プラテン13が前進させられて型閉が行われる。そして、型締モータ26による推進力にトグル倍率を乗じた型締力が発生させられ、その型締力によって型締が行われる。
【0019】
また、トグルサポート15の後端(図における右端)には、固定プラテン12に対するトグルサポート15の位置を調整するために、型締位置調整装置35が配設される。トグルサポート15には、タイバー挿通孔(図示せず)が複数、例えば、四つ形成され、タイバー16の図における右端が、それぞれのタイバー挿通孔に挿入される。なお、タイバー16の左端は、固定ナット16aによって固定プラテン12に固定されている。
【0020】
タイバー16は、図における右端の外周にねじが形成されたねじ部36を有し、調整ナット37がそれぞれのタイバー16のねじ部36に螺合される。なお、調整ナット37は、トグルサポート15の後端に回転可能に、かつ、タイバー16の軸方向に移動不能に取り付けられる。また、調整ナット37の外周には被駆動用歯車37aが取り付けられている。
【0021】
トグルサポート15の後端における上方部には、型締位置調整用駆動源としての型厚モータ31が配設される。型厚モータ31の回転軸には、駆動用歯車33が取り付けられている。調整ナット37の被駆動用歯車37a及び駆動用歯車33の周囲には、チェーン、歯付きベルト等の駆動用線状体34が架け回されている。そのため、型厚モータ31を駆動して、駆動用歯車33を回転させると、それぞれのタイバー16のねじ部36に螺合された調整ナット37が同期して回転させられる。これにより、型厚モータ31を所定の方向に所定の回転数だけ回転させて、トグルサポート15を所定の距離だけ進退させることができる。なお、型厚モータ31は、サーボモータであることが好ましく、回転数を検出するエンコーダとしての型締位置センサ32を備える。
【0022】
型厚モータ31の回転を調整ナット37に伝達する手段は、タイバー16のねじ部36に螺合された調整ナット37を同期して回転させられるものであれば、いかなるものであってもよい。例えば、駆動用線状体34に代えて、駆動用歯車33及び駆動用歯車33のすべてに係合する大径の歯車をトグルサポート15の後端に回転可能に配設することとしてもよい。
【0023】
本実施の形態では、タイバー16の一つに型締力センサ18が配設される。型締力センサ18は、タイバー16の歪み(主に、伸び)を検出するセンサである。タイバー16には、型締の際に型締力に対応して引張力が加わり、型締力に比例して僅かではあるが伸長する。したがって、タイバー16の伸び量を型締力センサ18により検出することで、金型装置11に実際に印加されている型締力を知ることができる。
【0024】
上述の型締力センサ18、型開閉位置センサ27、型締モータ26及び型厚モータ31は制御装置19に接続され、型締力センサ18及び型開閉位置センサ27から出力される検出信号は制御装置19に送られる。制御装置19は、検出信号に基づいて型締モータ26及び型厚モータ31の動作を制御する。
【0025】
ここで、通常の成形時における動作について説明する。型締モータ26を正方向に駆動させると、ボールねじ軸25が正方向に回転させられ、図1に示されるように、ボールねじ軸25は前進(図1における左方向に移動)させられる。それにより、クロスヘッド24が前進させられ、トグル機構20が作動させられると、可動プラテン13が前進させられる。
【0026】
可動プラテン13に取り付けられた可動金型11bが固定金型11aに接触すると(型閉状態)、型締工程に移行する。型締工程では、型締モータ26を更に正方向に駆動することで、トグル機構20によって金型11に型締力が発生させられる。
【0027】
そして、図示されない射出装置に設けられた射出駆動部が駆動されてスクリュが前進することにより、金型11内に形成されたキャビティ空間に溶融樹脂が充填される。型開きを行なう場合、型締モータ26を逆方向に駆動すると、ボールねじ軸25が逆方向に回転させられる。それに伴って、クロスヘッド24が後退させられ、トグル機構20が作動されると、可動プラテン13が後退させられる。
【0028】
型開工程が完了すると、エジェクタ駆動部(図示せず)が駆動され、可動プラテンに取り付けられたエジェクタ装置が作動する。これにより、エジェクタピンが突き出され、可動金型11b内の成形品は可動金型11bより突き出される。また、エジェクタ駆動部の駆動と同時に、把持手段としての成形品取出機40が駆動され、成形品取出機40のアーム40aが固定金型11aと可動金型11bとの間に進入し、成形品取出位置で停止する。そして、エジェクタピンの前進により可動金型11bから突き出された成形品は成形品取出機40のアーム40aにより把持されて取り出され、射出成形機の外に設けられた搬送手段としてのコンベア装置まで搬送される。本実施の形態では、斯かる型締装置10において、可動金型11bの位置、変位、又は姿勢等を計測する例について説明する。当該計測には、図1では非図示とされていた位置計測システムが用いられる。
【0029】
図2は、本発明の実施の形態における位置計測システムの構成例を示す図である。図2において、位置計測システム1は、位置計測装置110、撮像装置120、及び光源130等より構成される。
【0030】
撮像装置120は、CCDカメラ121及びテレセントリックレンズ122等より構成され、例えば、一般的なデジタルカメラを用いてもよい。撮像装置120は、固定金型11a及び可動金型11bの上方に配設又は配置され、被写体140(固定金型11aの上面及び可動金型11bの上面)を、例えば型開閉方向と略直交する方向より撮像することにより、被写体140の電子的な画像情報(以下、「画像データ」)を取得し、その画像データを位置計測装置110に供給(転送)する。なお、一般的に、CCDカメラ121及びテレセントリックレンズ122は、被写体140に対して焦点が合うように配置されるが、本実施の形態では、被写体140(特に、後述されるターゲットマークTM)がレンズ焦点から外れるよう(焦点深度外になるよう)、配置される。
【0031】
本実施の形態では、可動金型11bが位置等の計測対象とされる。計測値は、測定のためのXY平面(以下、「測定平面」という。)上の座標値として得られる。測定平面とは、目的とする計測応じた座標系が定義される平面をいう。したがって、測定平面は、どのような座標系において可動金型11bの位置を把握する必要があるかに応じて適宜選択すればよい。
【0032】
固定金型11a及び可動金型11bの上面は、例えば、水平面を形成し、それぞれの上面上には、可動金型11bの位置等を計測するためのマークが設けられている(付加されている)。固定金型11aには、三つの基準マークBM1、BM2、及びBM3(以下、総称する場合「基準マークBM」という。)が設けられている。また、可動金型11bには、一つのターゲットマークTMが設けられている。
【0033】
なお、各マークと固定金型11a又は可動金型11bの上面とのコントラストを明瞭にするために、本実施の形態では、固定金型11aの上面に基準領域160が設けられ、基準領域160内に基準マークBMが設けられている。また、可動金型11bの上面にターゲット領域170が設けられ、ターゲット領域170内にターゲットマークTMが設けられている。基準領域160、ターゲット領域170は、固定金型11a又は可動金型11bの上面に薄板等を貼り付けることにより形成してもよい。
【0034】
基準領域160及びターゲット領域170は、背景の輝度が一様であることが好ましい。例えば、研磨した金属やセラミックの他、ミラーが適する。また、各マークは、背景(基準領域160又はターゲット領域170)との輝度の差が明確であるように、印刷や穴加工により設けるとよい。
【0035】
光源130は、撮像装置120が被写体140を撮像するときに、適切な明るさで被写体140を照射する。ターゲット領域170が鏡面の場合は、光源130を撮像装置120と同軸に設置するとよい。光源130の光量は、ターゲット領域170とターゲットマークTMとの輝度の差が明確であるように調節される。
【0036】
位置計測装置110は、PC(Personal Computer)等の情報処理装置によって構成される。位置計測装置110は、ケーブル180を介して撮像装置120と接続され、撮像装置120より転送される画像データに基づいて、可動金型11bの位置等を計測する。
【0037】
位置計測装置110について更に詳しく説明する。図3は、本発明の実施の形態における位置計測装置のハードウェア構成例を示す図である。図3の位置計測装置110は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100と、補助記憶装置102と、メモリ装置103と、CPU104と、インタフェース装置105と、表示装置106と、入力装置107とを有するように構成される。
【0038】
位置計測装置110での処理を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記録した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0039】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って位置計測装置110に係る機能を実現する。インタフェース装置105は、図2の撮像装置120や被写体140との間のケーブルに接続するためのインタフェースとして用いられる。例えば、画像処理ボードをインタフェース装置105として用いてもよい。表示装置106はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置107はキーボード及びマウス等で構成され、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
【0040】
なお、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。
【0041】
図4は、本発明の実施の形態における位置計測装置の機能構成例を示す図である。図4において、位置計測装置110は、撮像制御部112及び位置計測部113等より構成される。これら各部は、プログラムがCPU104実行させる処理によって実現される。
【0042】
撮像制御部112は、撮像装置120に撮像の指令を出力したり、撮像された画像データを撮像装置120より取り込んだりする。
【0043】
位置計測部113は、撮像装置120によって撮像される画像データに基づいて可動金型11bの位置等を計測するための演算を行う。位置計測部113は、画像加工部1131、明暗分布算出部1132、位置判定部1133、及び移動量算出部1134等より構成される。
【0044】
以下、位置計測システム1の動作について説明する。図5は、位置計測システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【0045】
ステップS101において、撮像制御部112は、撮像装置120に指令を出力し、被写体140を撮像させる(S101)。この際、撮像装置120は、ターゲットマークTMや基準マークBM、及び各マークの背景が焦点深度外となるように(ピンぼけするように)、但し、ターゲットマークTMによる明暗分布(濃度分布)が得られるように撮像を行う。撮像装置120の焦点については、ターゲットマークTMが焦点深度外となるように予め設定しておけばよい。なお、撮像制御部112による撮像装置120への指令は、操作者による指示入力に応じて行われてもよい、又は、制御装置19と位置計測装置10とをネットワーク等を介して接続し、制御装置19からの可動金型11b(可動プラテン13)の位置制御情報が所定の位置を示すときに自動的に行われても良い。また、撮像装置120を操作者が直接操作することにより手動で行われても良い。この場合、撮像制御部112はからの指令は不要である。
【0046】
続いて、撮像制御部112は、撮像装置120より画像データを取得し、位置計測装置110のメモリ装置103に記録する(S102)。以下、メモリ装置103に記録された画像データが処理の対象となる。
【0047】
図6は、撮像された画像の例を示す図である。図6中、図2と同一部分には同一符号を付している。図6に示されるように、画像(画角)200には固定金型11a及び可動金型11bの上面の画像が含まれている。固定金型11a上面には、基準領域160及び基準マークBMの画像が含まれている。可動金型11b上面には、ターゲット領域170及びターゲットマークTMの画像が含まれている。なお、図中では、便宜上、ターゲットマークTM及び基準マークBMは、明瞭に示されている。しかし、上記のようにこれらのマークやその背景は焦点深度外において撮像されているため、実際にはピンぼけした(ぼやけた)状態で画像200に含まれる。
【0048】
続いて、画像加工部1131は、画像200より、ターゲット領域170内でターゲットマークTMを含むような矩形領域(以下「処理対象範囲171」という。)を仮想的に切り取り、処理対象範囲171の範囲を特定するためのパラメータをメモリ装置103に記録する(S103)。当該パラメータは、例えば、処理対象範囲の縦幅、及び横幅のサイズが予め決まっているのであれば、4つの頂点のうちのいずれか一つの頂点の座標値でよい。また、4つの頂点の全ての座標値でもよい。本実施の形態では、縦幅及び横幅のサイズが決まっており、左上の頂点TP1の座標値(X11,Y11)を記録しておく場合を例とする。当該座標値は、画像200の座標系210における座標値となる。すなわち、画像200の左上頂点を(0,0)とし、画素を単位とした座標系における座標値である。以下、当該座標系を「画角座標系」という。
【0049】
画像加工部1131は、また、各基準マークBMについても、基準領域160内で当該基準マークBMを含むような矩形領域(処理対象範囲161a、処理対象範囲161b、処理対象範囲161c、以下、総称する場合、「処理対象範囲161」という。)を切り取り、各処理対象範囲161の領域を特定するパラメータをメモリ装置103に記録する。
【0050】
ところで、画像加工部1131による処理対象範囲171の切り出しは、例えば、制御装置19が可動金型11bを位置制御したはずの座標値に基づいて行えばよい。すなわち、画像加工部1131は、当該座標値に基づいて、ターゲットマークTMの画像200における座標値を算出し、その算出結果に基づいて、画像200における処理対象範囲171の位置(頂点TP1の座標値)を決定する。
【0051】
但し、基準マークBMに関する処理対象範囲161の座標値については、位置が固定されているため、例えば、予め補助記憶装置102に記録しておき、その値を用いてもよい。
【0052】
続いて、画像加工部1131は、処理対象範囲171及び処理対象範囲161のそれぞれについて、フィル夕処理を行う(S104)。すなわち、ノイズ除去を目的として、低域通過フィル夕、または、収縮膨張操作等の処理を行う。なお、画像200の状態に応じて、当該フィルタ処理は省略してもよい。
【0053】
続いて、明暗分布算出部1132は、処理対象範囲171及び処理対象範囲161のそれぞれについて明暗分布を算出し、明暗分布に基づいて、ターゲットマークTM又は基準マークBMの検出位置を算出又は判定する(S105)。
【0054】
具体的には、第一の方法として、処理対象範囲171及び処理対象範囲161のそれぞれについて、重心演算を行い、その結果算出される重心位置を検出位置とする。すなわち、処理対象範囲171の重心位置は、ターゲットマークTMの検出位置とされる。同様に、処理対象範囲161aの重心位置、処理対象範囲161bの重心位置、処理対象範囲161cの重心位置は、それぞれ、基準マークBM1、基準マークBM2、基準マークBM3の検出位置とされる。
【0055】
なお、重心演算は、以下の式に基づいて行えばよい。
【0056】
【数1】

ここで、各パラメータの意味は以下の通りである。
G:処理対象範囲の重心位置
:処理対象範囲内のn番目の画素の位置
:n番目の画素の輝度
なお、輝度の闘値を設けてそれより大きい輝度を有する画素のみで重心演算を行うことにより、背景の影響を低減させるようにしてもよい。
【0057】
また、第二の方法として、処理対象範囲171及び処理対象範囲161のそれぞれについて明暗のピーク値を検出し、そのピーク値が検出される位置を各マークの検出位置としてもよい。
【0058】
なお、検出位置は、処理対象範囲内の座標系(以下、「処理対象範囲座標系」という。)における座標値(すなわち、処理対象範囲内における画素の位置)によって表現される。例えば、図7は、ターゲットマークの検出位置を説明するための図である。
【0059】
図中の例では、ターゲットマークTMの検出位置が、(X12,Y12)として判定された例が示されている。ここで、(X12,Y12)は、処理対象範囲171の左上頂点TP1からのX方向、Y方向の画素数を示す。なお、図中において、左上頂点TP1の座標値(X11,Y11)は、画角座標系における座標値によって示されているが、処理対象範囲座標系では(0,0)となる。
【0060】
各基準マークBMの検出値についても同様に、それぞれの処理対象範囲座標系における座標値によって表現される。
【0061】
なお、本実施の形態では、各マークについては、焦点が合っていない「ぼやけた」画像が得られるため、マークの位置の検出にはエッジ検出やパターンマッチングは適さない。
【0062】
続いて、ステップS106以降では、ターゲットマークTMの検出位置の座標値を測定平面座標系の座標値に変換するための処理が実行される。
【0063】
まず、位置判定部1133は、各マークの検出位置の座標値について、それぞれの処理対象範囲の左上の頂点の画角座標系における座標値を加算することで、画角座標系の座標値に変換する(S106)。従って、例えば、図6の例によれば、ターゲットマークTMの画角座標系の座標値(X10,Y10)は以下のようになる。
X10=X11+X12
Y10=Y11+Y12
続いて、位置判定部1133は、ターゲットマークTMの座標値を画角座標系から、3つの基準マークBMによって規定される座標系(以下「基準マーク座標系」という。)に変換する(S107)。
【0064】
ここで、基準マークBM1、BM2、BM3の画角座標系の座標値を、(X000、Y000)、(X001、Y001)、(X002、Y002)とした場合、基準マークBM1(X000、Y000)を原点とし、ベクトル(X000、Y000)→(X001、Y001)をX基底ベクトル、ベクトル(X000、Y000)→(X002、Y002)をY基底ベクトルとする座標系が基準マーク座標系に相当する。
【0065】
したがって、ステップS107では、ターゲットマークTMの画角座標系の座標値(X10、Y10)は、斯かる基準マーク座標系の座標値に変換される。
【0066】
続いて、位置判定部1133は、ターゲットマークTMの座標値を基準マーク座標系から測定平面座標系に変換する(S108)。なお、基準マーク座標系と測定平面座標系との関係は、予めキャリブレーション等によって求めておけばよい。例えば、X方向、Y方向に決められた距離だけ可動金型11bを動かし、測定結果から基準マーク座標系と測定平面座標系の関係を求めておけばよい。求められた関係を示すパラメータを補助記憶装置102等に記録しておき、位置制御装置133は、当該パラメータを用いて、基準マーク座標系から測定平面座標系への変換を行う。
【0067】
続いて、移動量算出部1134は、可動金型11bが基準位置に存在する際に上記ステップS101〜S107の処理によって予め算出されている測定平面座標系の座標値と、移動後に算出された座標値との差分を算出することにより、可動金型11bの基準位置からの移動量を算出する(S109)。ここで、可動金型11bの基準位置とは、例えば、可動金型11bの位置が測定平面座標系において原点(0,0)として定義される位置をいう。したがって、この場合、移動量算出部1134によって算出される移動量は、基準位置を原点とした場合の測定平面座標系における可動金型11bの位置を示す。
【0068】
その後、移動量算出部1134は、算出された位置(移動量)を表示装置106に表示させるようにしてもよい。操作者は、表示される位置情報を確認することにより、可動金型11bの位置制御の精度を確認することができる。
【0069】
また、基準位置からの移動量ではなく、移動前の位置からの移動量(換言すれば、移動前の位置に対する移動後の相対的な位置)を測定したい場合は、移動前の位置においてステップS101〜S107の処理によって算出された座標値と、移動後の座標値との差分を算出するようにすればよい。
【0070】
以上によって計測される移動量は、2次元における変位量であるため、単なる移動距離のみでなく、可動金型11bの移動方向(X方向及びY方向の変位量)をも確認することができる。したがって、例えば、理想的な(又は意図した)移動方向に対するずれ等をも高い精度で検出することができる。
【0071】
ところで、可動金型11bの上面に付加するターゲットマークTMの数を二つにすると、移動量(方向をも含む)のみならず、可動金型11bの回転(傾斜)をも検出することができる。
【0072】
図8は、ターゲットマークを二つにした場合の可動金型の回転の検出を説明するための図である。同図において、11b−1によって示される長方形は、移動前の可動金型11bの上面を示す。また、11b−2によって示される長方形は、移動後の可動金型11bの上面を示す。
【0073】
同図では、可動金型11bの上面に対して二つのターゲットマーク(TM1及びTM2)が付加されている。この場合、二つのターゲットマークTMの変位量d1及びd2を計測することにより、二つの変位量の差等に基づいて、可動金型11bに回転が生じていることを検出することができる。
【0074】
更に、可動金型11bの上面に付加するターゲットマークTMの数を三つ以上とすることで、可動金型11bの変形を含む複雑な挙動を検出することができる。
【0075】
図9は、ターゲットマークを三つにした場合の可動金型の変形の検出を説明するための図である。図9中、図8と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0076】
同図では、可動金型11bの上面に対して、三つ目のターゲットマークTM3が付加されている。この場合、三つのターゲットマークTMの変位量d1、d2、及びd3を計測することにより、三つの変位量に基づいて、可動金型11bに変形が生じていることを検出することができる。
【0077】
なお、ターゲットマークTMの数が増えた場合、各ターゲットマークTMに対して図5において説明した処理を実行すればよい。そうすることで、各ターゲットマークの位置(移動量)を計測することができる。
【0078】
また、上記では、可動金型11b等の上面から撮像される画像に基づいて、可動金型11bの位置等を計測する例を示したが、可動金型11bの側面にターゲットマークTMを付加し、固定金型11aの側面に基準マークBMを付加し、当該側面を撮像装置110によって撮像してもよい。この場合、相対的な位置として可動金型11bの変位を観測することができる。更に、相対的な位置として、可動金型11bの回転や変更を把握することもできる。
【0079】
更に、上面及び側面の双方を撮像し、双方における可動金型11bの位置等を計測してもよい。この場合、3次元における可動金型11bの変位を観測することができる。
【0080】
また、本実施の形態では、ターゲットマークTMや基準マークBMを用いて可動金型11bの位置を計測する例を示したが、マークの代わりに、点光源を利用したり、レーザの反射光を利用したりするようにしてもよい。
【0081】
また、位置計測装置100と制御装置19とは一つのハードウェアによって構成されてもよいし、位置計測装置100は、型締装置10内に組み込まれていても良い。
【0082】
また、ターゲットマークTMは、可動金型11bではなく、可動金型11bと共に移動する部材(例えば、可動金型11bの保持部材としての可動プラテン13)に付加されてもよい。同様に、基準マークBMは、固定金型11aではなく、可動金型11bの移動に対して不変の(固定されている)部材に付加されてもよい。但し、ターゲットマークTMと基準マークBMとを同じ画角内に収めることを考慮すれば、本実施の形態のように可動金型11bと固定金型11aとにそれぞれのマークを付加するのが適切であると考える。
【0083】
上述したように、本実施の形態によれば、固定金型11aに基準マークBMが設けられ、ターゲットマークTMと共に基準マークBMも画像に含められるように撮像が行われる。そして、ターゲットマークTMの検出位置の座標値は、同じ画像上の基準マークBMによって規定される基準マーク座標系に変換された後、測定平面座標系に変換される。
【0084】
したがって、撮像される画像に伸縮、傾き、回転などの変化があっても計測結果が影響を受けることはない。このため、撮像装置120が計測対象(可動金型11b)に対して動作した場合でも(すなわち、撮像装置120と被写体140との距離が変化したり、撮像装置120が傾いたり、撮像装置120が回転したりした場合でも)、可動金型11bの固定金型11aに対する計測結果は変わらず、撮像装置120が固定されている必要性を排除することができる。したがって、例えば、通常のデジタルカメラを用いて人によって撮像された画像でも、可動金型11bの位置等の計測に利用することできる。
【0085】
裏返して言えば、撮像装置120が固定されている場合、必ずしも基準マークBMは必要ではない(すなわち、ターゲットマークTMの座標値の基準マーク座標系への変換は必要ではない。)。この場合、画角座標系と測定平面座標系との関係を予めキャリブレーション等によって求めておけば、ターゲットマークTMの座標値は、画角座標系から測定平面座標系に変換してしまえばよい。
【0086】
なお、本実施の形態では、ターゲットマークTMや基準マークBMを焦点深度外において撮像する例を示したが、焦点深度内において撮像し、パターンマッチングやエッジ検出等によって検出される各マークの位置に基づいて、可動金型11bの位置を計測してもよい。
【0087】
但し、本実施の形態のように、各マークを焦点深度外において撮像することで、以下のように高精度で安定した計測結果を得ることができる。
【0088】
図10は、マークを焦点深度外によって撮像することの利点を説明するための図である。図10において、(A)は焦点が合っている場合を示し、(B)は焦点が合っていない場合(焦点深度外の場合)を示す。
【0089】
(A)に示されるように、焦点が合っている場合、カメラ画素は撮像対象の、それぞれ対応する狭い範囲からの光線に応じた出力をする。一方、本実施の形態のように焦点を外した場合、(B)に示されるように、カメラ画素は広い範囲からの光線に応じた出力をするいわゆる「ぼやけた」状態となり、マークの形状やエッジの状態、マークの背景の面の凹凸等といった細かい形状情報は撮像結果に現れにくくなる。この状態は、位置検出(位置計測)においては、被写体の条件や光線の状態による影響が小さくし、計測結果の安定性を向上させる要因となる。
【0090】
更に、焦点が合っている場合、マークの移動があると、限られた画素(マークの境界に係る画素)の出力が急激に変化することになるが、「ぼやけた」状態であれば、複数の画素の出力が連続的に変化するので、計測結果の安定性が向上するとともに、位置計測の分解能を画素より小さい単位とすることができる。
【0091】
また、焦点が合っていない場合は、焦点が合っている場合に比べて撮像装置と被写体との距離が変化した場合の撮像結果への影響も小さくなる。
【0092】
また、本実施の形態の位置計測装置110は、重心演算やピーク検出といった、分散した情報から中心的な一点を抽出するアルゴリズムを利用している。斯かるアルゴリズムは、焦点深度外で撮像された画像との親和性が高く、その結果得られる検出位置は、光量や焦点距離の変化に関わらず再現性が高い。この点について、図を用いて説明する。
【0093】
図11は、ターゲットマークが焦点深度内において撮像された場合の不都合を説明するための図である。図11は、ターゲットマークTMが焦点深度内で撮影された場合の処理対象範囲171の画像を示している。図11に示されるように、焦点深度内で撮像されると、処理対象範囲171の背景の模様又は凹凸や、ノイズN等までが画像にはっきりと出力されてしまう。したがって、重心演算やピーク検出の際に、これらの情報(模様等やノイズN等)による影響が大きくなる。例えば、ノイズNについて言えば、重心演算の結果がノイズN側に大きくずれたり、ノイズNの位置においてピークが検出されたりする。また、背景の模様等やノイズNは、光量や焦点距離の変化(処理対象範囲171の傾斜も含む)によって、画像に出力される態様が変化する(例えば、ノイズNは、光量によって画像に写し出されない場合がある。)。したがって、撮像の度に検出位置(重心位置やピーク検出位置)が変化する可能性が高い。
【0094】
一方、本実施の形態のように、焦点深度外においてターゲットマークTMが撮像された場合、ターゲットマークTMの背景も焦点深度外となるため、背景の模様等やノイズN等もぼやけてしまう。その結果、背景の模様等やノイズN等が重心演算やピークの検出に与える影響が小さくなる。したがって、撮像の度に検出位置が大きく変化する可能性は低く(すなわわち、検出位置の再現性が高く)、安定した検出位置によって移動量を算出することができる。
【0095】
そして、位置計測においては、計測対象の移動と検出位置(重心位置やピーク位置)の移動が1対1に対応していればよいので、「ぼやけた」状態であることは検出精度の悪化にはつながらない。すなわち、可動金型11bが移動し、撮像が行われる度に重心位置やピーク位置が、毎回同じ位置(ほぼ同じ位置)に検出されば、その検出位置の相対的な移動に注目することによって、高い精度で移動量又は位置を計測することができる。
【0096】
ところで、通常はテレセントリックレンズでは撮像対象までの距離によって倍率が変わらないことが利点であるが、本発明のように焦点から外れた場合は倍率が変わってくる場合がある。このような場合も本発明によるアルゴリズムによれば測定結果は変わることはない。
【0097】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施の形態における射出成形機の型締装置の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態における位置計測システムの構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における位置計測装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における位置計測装置の機能構成例を示す図である。
【図5】位置計測システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】撮像された画像の例を示す図である。
【図7】ターゲットマークの検出位置を説明するための図である。
【図8】ターゲットマークを二つにした場合の可動金型の回転の検出を説明するための図である。
【図9】ターゲットマークを三つにした場合の可動金型の変形の検出を説明するための図である。
【図10】マークを焦点深度外によって撮像することの利点を説明するための図である。
【図11】ターゲットマークが焦点深度内において撮像された場合の不都合を説明するための図である。
【符号の説明】
【0099】
1 位置計測システム
10 型締装置
11 金型装置
12 固定プラテン
13 可動プラテン
15 トグルサポート
16 タイバー
18 型締力センサ
19 制御装置
20 トグル機構
26 型締モータ
27 型開閉位置センサ
31 型厚モータ
32 型締位置センサ
40 成形品取出機
100 ドライブ装置
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 CPU
105 インタフェース装置
106 表示装置
107 入力装置
110 位置計測装置
112 撮像制御部
113 位置計測部
120 撮像装置
121 CCDカメラ
122 テレセントリックレンズ
130 光源
140 被写体
160 基準領域
BM、BM1、BM2、BM3 基準マーク
170 ターゲット領域
TM ターゲットマーク
1131 画像加工部
1132 明暗分布算出部
1133 位置判定部
1134 移動量算出部
B バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
型締装置の可動金型又は可動金型保持部材に付加された第一のマークと、前記可動金型の移動に対して固定されている前記型締装置の固定金型又は固定金型保持部材に付加された第二のマークとを含む画像データを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像データにおける前記第二のマークに対する前記第一のマークの相対的な位置を算出する算出手段とを有することを特徴とする型締装置の計測システム。
【請求項2】
前記可動金型又は前記可動金型保持部材には複数の前記第一のマークが付加され、
前記算出手段は、前記第二のマークに対する複数のマークの相対的な位置を算出することを特徴とする請求項1記載の型締装置の計測システム。
【請求項3】
前記撮像手段は、少なくとも前記第一のマークを焦点深度外で撮像し、
前記画像データにおいて前記第一のマークを含む領域の明暗分布を算出する明暗分布算出手段を有し、
前記算出手段は、前記明暗分布に基づいて特定される位置について前記第二のマークに対する相対的な位置を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の型締装置の計測システム。
【請求項4】
前記明暗分布算出手段は、前記第一のマークを含む領域の重心位置を算出し、
前記算出手段は、前記重心位置について前記第二のマークに対する相対的な位置を算出することを特徴とする請求項3記載の型締装置の計測システム。
【請求項5】
前記明暗分布算出手段は、前記第一のマークを含む領域の明暗のピーク値を検出し、
前記算出手段は、前記ピーク値を示す位置について前記第二のマークに対する相対的な位置を算出することを特徴とする請求項3記載の型締装置の計測システム。
【請求項6】
型締装置の可動金型又は可動金型保持部材に付加された第一のマークと、前記可動金型の移動に対して固定されている前記型締装置の固定金型又は固定金型保持部材に付加された第二のマークとを含む画像データを撮像する撮像手順と、
前記撮像手順において撮像された画像データにおける前記第二のマークに対する前記第一のマークの相対的な位置を算出する算出手順とを有することを特徴とする型締装置の計測方法。
【請求項7】
前記可動金型又は前記可動金型保持部材には複数の前記第一のマークが付加され、
前記算出手順は、前記第二のマークに対する複数のマークの相対的な位置を算出することを特徴とする請求項6記載の型締装置の計測方法。
【請求項8】
前記撮像手順は、少なくとも前記第一のマークを焦点深度外で撮像し、
前記画像データにおいて前記第一のマークを含む領域の明暗分布を算出する明暗分布算出手順を有し、
前記算出手順は、前記明暗分布に基づいて特定される位置について前記第二のマークに対する相対的な位置を算出することを特徴とする請求項6又は7記載の型締装置の計測方法。
【請求項9】
前記明暗分布算出手順は、前記第一のマークを含む領域の重心位置を算出し、
前記算出手順は、前記重心位置について前記第二のマークに対する相対的な位置を算出することを特徴とする請求項8記載の型締装置の計測方法。
【請求項10】
前記明暗分布算出手順は、第一のマークを含む領域の明暗のピーク値を検出し、
前記算出手順は、前記ピーク値を示す位置について前記第二のマークに対する相対的な位置を算出することを特徴とする請求項8記載の型締装置の計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−269318(P2009−269318A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−122668(P2008−122668)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】