説明

基材上、特にラベル上にRFIDチップモジュールを取り付けるための取付装置

少なくとも1つの導体を備えた基材(4)上、特にラベル上に、少なくとも1つの電気端子を備えたRFIDチップモジュール(2)を取り付けるための取付装置が、a)多数の前記チップモジュール(2)を備えたキャリアテープ(8)から前記RFIDチップモジュール(2)を打ち抜くための打抜き装置(10)、前記打抜き装置が、打ち抜くべき1つの前記RFIDチップモジュール(2)を正確な位置で受容するための打抜き穴(20)を備えた打抜き型(22)、前記打抜き穴(20)の上に配置される打抜きパンチ(16)とを有し、1つの前記基材(4)を正確な位置で受容するための台板(24)が前記打抜き穴(20)の下に配置されており、前記打抜きパンチ(16)が前記基材(4)まで移動可能であること;b)前記RFIDチップモジュール(2)を前記打抜きパンチ(16)で保持するための吸引装置(26);c)前記RFIDチップモジュール(2)に設けられたハンダを融解して前記RFIDチップモジュール(2)の各1つの電気端子と前記基材(4)の各1つの導体との導電接続を実現する加熱装置(12)、以上の特徴を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材上、特にラベル上にRFIDチップモジュールを取り付けるための請求項1の前文に記載した取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基材に少なくとも1つの導体を装備し、特にラベルにRFIDトランスポンダチップを装備するために、特許文献1に示されたように、端子にハンダを備えられたRFIDチップモジュール上にこのようなRFIDトランスポンダチップをまず一旦配置すると有利であると判明した。これらのRFIDチップモジュールは、ラベル、特に繊維ラベル等の予め作製された基材の条片上に取り付けると有利である。このような導体は例えば基材に印刷され織り込まれ縫い込まれる等とされている。このような導体は例えばRFIDチップモジュール用アンテナ導体である。RFIDチップモジュールはハンダを配置された箇所でハンダの融解によって導体と接続される。しかしこの取付は複雑で手間がかかると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2009/003299号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明の課題は、上記取付過程を簡素化し精度に関しても改善することのできる取付装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を請求項1記載の取付装置によって解決する。本発明措置の結果としてまず一方で本発明に係る取付装置のさまざまな機能によって簡素化が可能であり、しかし他方で製造経過の高い精度も達成される。
【0006】
本発明に係る取付装置が特別有利であるのは、吸引装置が打抜きパンチの打抜き側に配置される吸引穴を有するときである。吸引穴は吸引管路によって負圧を付加するために吸引装置、主に吸引ポンプと接続されている。
【0007】
さらに、加熱装置が打抜きパンチの打抜き側に形成されるホットスポットを含むときわめて有利である。これらのホットスポットは例えば打抜きパンチの打抜き側の穴によって形成しておくことができ、これらの穴を通してRFIDチップモジュールのハンダを備えられた箇所にレーザビームが当る。ホットスポットは熱極として形成しておくことができる。これらの熱極は有利には打抜きパンチ内に形成される案内通路を通してハンダ付け箇所に供給可能かつ復帰可能であり、レーザまたは加熱カートリッジによって熱を供給される。
【0008】
本発明により使用される上記要素、請求された要素、そして以下の実施例に述べられる要素はそれらの寸法、造形、材料使用およびそれらの技術的構想の点で特別な例外条件に服しておらず、各応用分野で知られた選択基準を無条件に応用することができる。
【0009】
以下、図面を基に本発明の実施例を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ラベル上にRFIDチップモジュールを取り付けるための取付装置を略図で示す。
【図2】図1の取付装置を出発位置において垂直断面図で示す。
【図3】RFIDチップモジュールをセットしてハンダ付けするときの図2の取付装置を示す。
【図4】取付装置の打抜きパンチを詳細図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜図4はラベルの態様の基材4にRFIDチップモジュール2を取り付けるための装置を示しており、基材4は基材帯6の態様で、またRFIDチップモジュール2はキャリアテープ8の態様で打抜き装置10に供給される。この打抜き装置はキャリアテープ8から各1つのRFIDチップモジュール2を打ち抜き、このチップモジュールをその下にある基材4に直接供給する。打抜き装置10が加熱装置12と組合せてあり、この加熱装置はハンダの融解によって、ハンダを既に備えたRFIDチップモジュール2を、基材4に配置された導体、特にアンテナ導体と接続する。RFIDチップモジュール2に設けられたハンダと基材4に配置される導体、特にアンテナ導体は図示されていない。
【0012】
打抜き装置10は移動可能な支持板14に配置される打抜きパンチ16を有し、パンチの打抜き側18は打抜き型22の打抜き穴20に対向している。キャリアテープ8は打抜き型22に載っており、打ち抜くべきRFIDチップモジュール2が正確な位置で打抜き穴20にくるように供給される。詳しくは図示しない駆動装置が打抜きパンチ16を、打抜き穴20によってRFIDチップモジュールを打ち抜きながら、打抜き穴20の下方の台板24上に正確な位置で配置される基材4まで動かす。RFIDチップモジュール2を備えたキャリアテープ8と基材4を備えた基材帯6とを正確な位置で供給することは基本的に手で行うことができるが、しかし望ましくは詳しくは図示しないガイドと供給装置が設けられており、これらは基材およびRFIDチップモジュールの構成に相応して制御手段によって制御される。
【0013】
打ち抜かれたRFIDチップモジュールが未制御に落下するのを防止するために打抜き装置10が吸引装置26を装備しており、この吸引装置はRFIDチップモジュール2を打ち抜いて打抜き側18の基材4に固着するまでこのチップモジュールを保持する。このため本実施例では打抜き側に配置される少なくとも1つの吸引穴28が設けられており、この吸引穴は打抜きパンチ16内の吸引通路30を介して、詳しくは示さない仕方で負圧装置と接続されている。吸引穴の負圧はRFIDチップモジュールの打抜き時に印加され、チップモジュールを基材と接続するとき再び遮断される。
【0014】
打抜き装置10と組合せられた加熱装置12はハンダ付け箇所に付設されたホットスポット32を打抜きパンチ16の打抜き側18に有し、熱の供給はさまざまな方法および手段(レーザ、加熱カートリッジ等)で行うことができる。本実施例においてホットスポット32は主に加熱素子(熱極)34によって形成され、これらの加熱素子は詳しくは図示しない駆動手段によって移動可能な支持体36に配置されている。加熱素子34はRFIDチップモジュール2を打ち抜いて基材4上に下ろした後、打抜きパンチ16内の案内通路38を通してRFIDチップモジュール2に当接させられ、こうしてRFIDチップモジュールのハンダが融解され、チップモジュールの端子が基材4の導電糸と接続される。ハンダの融解後に加熱素子34が引き戻され、打抜きパンチ16はハンダが固化するまでRFIDチップモジュール2に留まり、こうしてチップモジュールが剥れるのを防止する。その後、打抜きパンチ16は再びその出発位置に移動する。加熱装置がレーザ装置を有し、このレーザ装置が案内通路を通してRFIDチップモジュールの当該ハンダ付け箇所にそれぞれレーザビームを送ると特別有利である。レーザ装置は熱的、時間的にハンダ付け過程の制御改善を可能とする。
【0015】
基材は例えば紙、プラスチックまたは繊維材料から成る条片とすることができる。導体は印刷、縫合によって、または特に織込みまたは編込みによって、当該基材と接続しておくことができる。基材は特にラベルである。
【符号の説明】
【0016】
2 RFIDチップモジュール
4 基材
6 基材帯
8 キャリアテープ
10 打抜き装置
12 加熱装置
14 支持板
16 打抜きパンチ
18 打抜き側
20 打抜き穴
22 打抜き型
24 台板
26 吸引装置
28 吸引穴
30 吸引通路
32 ホットスポット
34 加熱素子
36 支持体
38 案内通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの導体を備えた基材(4)上、特にラベル上に、少なくとも1つの電気端子を備えたRFIDチップモジュール(2)を取り付けるための取付装置において、
多数のチップモジュール(2)を備えたキャリアテープ(8)から前記RFIDチップモジュール(2)を打ち抜くための打抜き装置(10)であって、打ち抜くべき1つの前記RFIDチップモジュール(2)を正確な位置で受容するための打抜き穴(20)を有する打抜き型(22)と、前記打抜き穴(20)の上方に配置される打抜きパンチ(16)とを備え、前記基材(4)の1つを正確な位置で受容するための台板(24)が前記打抜き穴(20)の下に配置されており、前記打抜きパンチ(16)が前記基材(4)まで移動可能であるような打抜き装置(10)と、
前記RFIDチップモジュール(2)を前記打抜きパンチ(16)に保持するための吸引装置(26)と、
前記RFIDチップモジュール(2)に設けられたハンダを融解して前記RFIDチップモジュール(2)の各1つの前記電気端子と前記基材(4)の各1つの導体とを導電接続するための加熱装置(12)と、
を備えたこと特徴とする取付装置。
【請求項2】
前記吸引装置(26)が、前記打抜きパンチ(16)の打抜き側(18)の少なくとも1箇所に負圧を生成するための吸引手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の取付装置。
【請求項3】
前記吸引手段が、前記打抜きパンチ(16)の前記打抜き側(18)に配置されて負圧を印加する吸引穴(28)を有することを特徴とする請求項2記載の取付装置。
【請求項4】
前記吸引穴(28)が、前記打抜きパンチ内に延設される吸引通路(30)によって負圧供給源と接続されていることを特徴とする請求項3記載の取付装置。
【請求項5】
前記加熱装置(12)が、前記打抜きパンチ内に形成される案内通路(38)を通してハンダ付け箇所に進退可能可能な熱極(34)を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の取付装置。
【請求項6】
前記熱極(34)がレーザビーム源または加熱カートリッジによって熱の供給を受けることができることを特徴とする請求項5記載の取付装置。
【請求項7】
前記加熱装置(12)がレーザ装置を有し、前記レーザ装置が前記RFIDチップモジュールの前記被ハンダ付け箇所に向けられたそれぞれ1つのレーザビーム源を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−519220(P2013−519220A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551514(P2012−551514)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068570
【国際公開番号】WO2011/095241
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(500031009)テクスティルマ・アクチェンゲゼルシャフト (22)
【Fターム(参考)】