説明

基板の品質評価方法及びその装置

【課題】ELA工程において、高速、かつ目視検査員の品質評価値や最終画質と整合のとれた基板の品質評価方法及びその装置を提供する。
【解決手段】評価対象となる基板5を一方向に連続的に移動させながら基板5に斜め方向から光を照射して基板5上に形成された多結晶シリコン薄膜により発生する1次回折光による像を撮像して1次回折光像を取得すると共に、基板5からの正反射光又は透過光の光軸近傍の散乱光の像を撮像して光軸近傍の散乱光像を取得し、この取得した1次回折光像の画像と光軸近傍の散乱光像の画像を処理して複数の特徴を抽出し、この抽出した複数の特徴のうち、少なくとも1つ以上の特徴を用いて、事前に設定した評価基準に従って基板5上に形成された多結晶シリコン薄膜の品質評価値を算出して基板5上に形成された多結晶シリコン薄膜の品質を評価するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光若しくはレーザを用いて得られた被検査対象物の画像(検出画像)から基板の品質を評価する検査に係り、特にTFT基板、有機EL基板などに形成された結晶シリコンの品質評価を行うのに好適な基板の品質評価方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
TFT液晶表示装置や有機EL表示装置に代表されるフラットパネルの生産現場において、パルスエキシマレーザをガラス基板上に形成されたアモルファスシリコン膜に照射することにより、低温の状態でガラス基板の一部の領域に結晶シリコンを形成する工程がある。この工程をELA(Excimer Laser Anneal)工程と称す。ここで、照射レーザエネルギーの変動によって、結晶シリコンの粒子の大きさが変化し、最終的なパネルの品質を決定づけるため、結晶シリコンの品質(粒子の大小やばらつき)を評価し、エキシマレーザアニール装置のレーザパワーを最適化したり、品質の悪い基板を排除する必要がある。このため、検査員による目視の評価が行われているが、官能検査であるがゆえ、検査員によって評価結果が異なり、品質が安定しないことが問題となり、品質を定量化する方式、及び装置の必要性が生じている。その方法の1つに、電子顕微鏡(SEM)によるものがあるが、基板を切断する必要がある上、評価に時間がかかり、生産ラインにおいて実用的なものではない。また、基板にマイクロ波とレーザを照射し、結晶の誘電率で結晶性を評価する装置もあるが、全数の検査は困難である。また、生産ラインにおいて、高速に結晶シリコンの品質を評価する別の技術として、特開2006−19408号公報(特許文献1)には、結晶シリコンの表面に可視光線を照射し、その反射光の画像を取得し、画像の輝度均一性、ストライプ状の模様のコントラストなどから結晶シリコン表面の結晶の品質の優劣を検査する方法が記載されている。また、特開2001−308009号公報(特許文献2)には、エキシマレーザアニール処理をした基板に光を照射し、基板からの回折光をモニタリングしてエキシマレーザの照射条件を最適化することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−19408号公報
【特許文献2】特開2001−308009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
結晶シリコンの品質評価は、上述の通り、目視検査員による官能評価であることが多い。このため、検査員によって判定基準に微妙な違いがあり、それらを集約した判定基準を設定し、適宜更新する必要がある。また、プロセスの立ち上げ時においては、新しい品質劣化要因が生じることも想定され、判定基準が変わっていく可能性もある。更に、被検査対象物であるフラットパネルの製造工程では、ELA工程の後に多数の工程を経たあと、最終的な画質の評価として点灯検査が行われる。このため、結晶シリコンの品質と最終画質との相関を鑑みながら、最終画質の結果を反映させて結晶シリコンの品質判定基準を適宜変更する必要性が生じる可能性がある。
【0005】
特許文献1に記載されている方法では、検査基準をプロセスの変化や検査条件の変化などに応じて柔軟に対応させることについて記載されていない。
【0006】
また、特許文献2に記載されている方法においても、基板からの回折光の情報だけを用いることが記載されているだけで、検査基準をプロセスの変化や検査条件の変化などに応じて柔軟に対応させることについて記載されていない。
【0007】
本発明の目的は、ELA工程において、検査基準をプロセスの変化や検査条件の変化などに応じて柔軟に対応させることができ、高速、かつ目視検査員の品質評価値や最終画質と整合のとれた基板の品質評価方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、基板上に形成された多結晶シリコン薄膜の品質を評価する装置において、評価対象となる基板を載置して少なくとも一方向に連続的に移動可能なテーブル手段と、このテーブル手段に載置された基板に斜め方向から光を照射して基板上に形成された多結晶シリコン薄膜により発生する1次回折光による像を撮像して1次回折光像を取得すると共に、基板からの正反射光又は透過光の光軸近傍の散乱光の像を撮像して光軸近傍の散乱光像を取得する画像取得手段と、この画像取得手段で取得した1次回折光像の画像と光軸近傍の散乱光像の画像を処理して複数の特徴を抽出する特徴抽出手段と、この特徴抽出手段で抽出した複数の特徴のうち、少なくとも1つ以上の特徴を用いて事前に設定した評価基準に従って基板上に形成された多結晶シリコン薄膜の品質評価値を算出する品質評価値算出手段とを備えて構成した。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明では、基板上に形成された多結晶シリコン薄膜の品質を評価する方法を、評価対象となる基板を一方向に連続的に移動させながら基板に斜め方向から光を照射して基板上に形成された多結晶シリコン薄膜により発生する1次回折光による像を撮像して1次回折光像を取得すると共に、基板からの正反射光又は透過光の光軸近傍の散乱光の像を撮像して光軸近傍の散乱光像を取得し、この取得した1次回折光像の画像と光軸近傍の散乱光像の画像を処理して複数の特徴を抽出し、この抽出した複数の特徴のうち、少なくとも1つ以上の特徴を用いて、事前に設定した評価基準に従って基板上に形成された多結晶シリコン薄膜の品質評価値を算出するようにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、目視観察・評価による判定と整合のとれた品質評価値を出力することができるようになった。また、基板の品質評価値算出の基になる判定基準を、複数の基板の画像とその基板の製品完成後の品質をセットにして事前に入力して設定することにより最終品質の事前予測が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】品質評価装置の一実施の形態としての概略の構成を示すブロック図である。
【図2】品質評価装置の構成の概念を示すブロック図である。
【図3A】基板上の多結晶シリコン膜にレーザを照射して1次回折光が発生した状態を示す基板の断面図である。
【図3B】アニール用レーザパワーと多結晶シリコン薄膜の結晶粒径との関係を概念的に表現したグラフである。
【図4】基板の品質評価値を算出する処理の流れを示すフロー図である。
【図5】基板の品質評価値を算出する処理の概念を示すフロー図である。
【図6】評価対象となる結晶シリコンが形成された基板の画像の概念図である。
【図7】ユーザの観点で判定基準を設定する処理の一例を示すフロー図である。
【図8】最終点灯検査時の品質評価値から判定基準を設定する処理の一例を示すフロー図である。
【図9】品質評価装置の照明光学系の別の形態としての概略の構成を示すブロック図である。
【図10】複数の光学系より得られた画像から基板の品質の判定基準を設定する処理の一例を示すフロー図である。
【図11】複数の光学系より得られた画像から基板の品質評価値を算出する処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る基板の品質評価方法及びその装置の実施の形態について図を用いて説明する。まず、被検査対象物として結晶シリコンが形成された基板を対象とした品質評価装置の実施の形態について説明する。
【0013】
図2は本発明に係る基板の品質評価装置100の実施の形態を示す概念図である。光学系1は、照明部4及び複数の検出部7a、7bを有して構成される。照明部4は、照明条件(例えば照射角度、照明方位、照明波長、偏光状態など)が調整された状態で被評価対象物5(結晶シリコンが形成された基板)に照射する。照明部4から出射される照明光により被検査対象物5から散乱光が発生する。ここでは、検出部7aの方向に散乱した光を散乱光6a、検出部7bの方向に散乱した光を散乱光6bと呼ぶ。散乱光6a及び散乱光6bの夫々を検出部7a及び検出部7bの夫々で散乱光強度信号として検出する。該検出された散乱光強度信号の夫々はA/D変換部2で増幅されてA/D変換され、画像処理部3に入力される。
画像処理部3は、前処理部8−1、評価値算出部8−2を適宜有して構成される。画像処理部3に入力された散乱光強度信号に対し、前処理部8−1において、後述する判定基準の算出を行う。評価値算出部8−2は前処理部8−1で生成された判定基準に応じて、後述する処理を行い、基板の品質評価値を算出し、全体制御部9に出力する。
【0014】
散乱光6a及び散乱光6bの夫々は、各々検出部7a及び検出部7bの方向に発生する散乱光分布を指す。照明部4による照明光の光学条件が異なれば、それによって発生する散乱光6aと散乱光6bは互いに異なる。本実施例において、ある照明光によって発生した散乱光の光学的性質およびその特徴を、その散乱光の散乱光分布と呼ぶ。散乱光分布とは、より具体的には、散乱光の出射位置・出射方位・出射角度に対する、強度・振幅・位相・偏光・波長・コヒーレンシ等の光学パラメータ値の分布を指す。
【0015】
次に、図2に示す構成を実現する具体的な品質評価装置の一実施の形態としてのブロック図を図1に示す。即ち、本実施例に係る品質評価装置100は、被検査対象物(例えば、結晶シリコンが形成された基板5)に対して照明光を斜方から照射する照明部4と、基板5からの1次回折光の方向の散乱光を結像させる検出光学系(1次回折光検出系)7aと、試料5からの正反射光の近傍の散乱光を結像させる検出光学系(正反射光近傍散乱光検出系)7bと、それぞれの検出光学系により結像された光学像を受光し、画像信号に変換するセンサ部11a、11bとを有する光学系1と、センサ部11a、11bで得られた画像信号を増幅してA/D変換するA/D変換部2と、画像処理部3と、全体制御部9とを備えて構成される。ここでは、散乱光を例にその処理の詳細を説明する。なお、回折光も同様の処理が行われる。
【0016】
基板5はXY平面内の移動及び回転とXY平面に垂直なZ方向への移動が可能なステージ(X−Y−Z−θステージ)13に搭載され、X−Y−Z−θステージ13はメカニカルコントローラ14により駆動される。このとき、基板5をX−Y−Z−θステージ13に搭載し、該X−Y−Z−θステージ13を水平方向に移動させながら被検査対象物上の異物からの散乱光を検出することで、検出結果を二次元画像として得る。
【0017】
照明部4の照明光源41は、レーザを用いても、ランプを用いてもよい。また、各照明光源の光の波長は短波長であってもよく、また、広帯域の波長の光(白色光)であってもよい。短波長の光を用いる場合、検出する画像の分解能を上げる(微細な欠陥を検出する)ために、紫外領域の波長(160〜400nm)の光(Ultra Violet Light:UV光)を用いることもできる。レーザを光源として用いる場合、それが単波長のレーザである場合には、可干渉性を低減する手段43を照明部4に備えることも可能である。照明部4は、更に照明光源41から発射された光を平行光とするコリメートレンズ42と、コリメートされた光を一方向に長い(図1の場合には、紙面に直角な方向に長い)ビーム形状に変換するシリンドリカルレンズ44を備えている。照明条件(例えば照射角度、照明方位、照明波長、偏光状態等)はユーザにより選択、もしくは自動選択され、照明ドライバ12において、選択条件に応じた設定、制御を行う。
基板5から発した散乱光のうち、ELAにより基板5に形成された多結晶シリコン膜の規則的な突起状のパターンからの反射光による1次回折光及びその近傍の散乱光は検出光学系7aを介してセンサ部11aにて画像信号に変換される。また、基板5から正反射光の方向に散乱した光は、空間フィルタ71bで正反射光が遮光されて正反射光近傍の散乱光が検出光学系7bを介してセンサ部11bにて画像信号に変換される。検出光学系7aは、対物レンズ72a、光学フィルタ73a、結像レンズ74aを備えて構成され、センサ部11aに集光、結像される。また、検出光学系7bも7aと同様に対物レンズ72b、光学フィルタ73b、結像レンズ74bを備えた構成になっている。
センサ部11a、11bは、1次元イメージセンサ(CCDリニアセンサ)、もしくは、複数の1次元イメージセンサを2次元に配列して構成した時間遅延積分型のイメージセンサ(Time Delay Integration Image Sensor:TDIイメージセンサ)を採用し、X−Y−Z−θステージ12の移動と同期してイメージセンサで散乱光分布を検出し、2次元画像を得る。また、73a、73bは光学フィルタであり、NDフィルタやアッテネータ等の光強度を調整が可能な光学素子、あるいは偏光板や偏光ビームスプリッタや波長板等の偏光光学素子、あるいはバンドパスフィルタやダイクロイックミラー等の波長フィルタの何れか又はそれらを組み合わせたもので構成され、検出光の光強度、偏光特性、波長特性の何れか又はそれらを組み合わせて制御する。
【0018】
画像処理部3は被検査対象物である基板5上の品質評価値を算出するものであって、センサ部11a、11bから入力された画像信号に対して、品質評価値を算出するための基準を設定する前処理部8−1、設定された品質判定基準に基づいて、検出された画像から品質評価値を算出する評価値算出部8−2、外部から入力されるパラメータやデータなどを受け付け、前処理部8−1および評価値算出部8−2へセットするデータ教示部8−3を含んで構成される。そして、画像処理部3において例えばデータ教示部8−3はデータベース15を接続して構成される。
【0019】
全体制御部9は、各種制御を行うCPU(全体制御部9に内蔵)を備え、ユーザからのパラメータなどを受け付け、検出された基板の画像、品質評価値等を表示する表示手段と入力手段を持つユーザインターフェース部(GUI部)16及び画像処理部3で処理された基板の特徴量や画像、品質判定基準等を記憶する記憶装置17を適宜接続している。メカニカルコントローラ14は、全体制御部9からの制御指令に基づいてX−Y−Z−θステージ13を駆動する。尚、画像処理部3、検出光学系7a、7b等も全体制御部9からの指令により駆動される。
【0020】
被評価対象である基板5は、例えばガラス基板であって、表面に結晶シリコンが多数、規則的に形成されている。全体制御部9は基板5をX−Y−Z−θステージ13により連続的に移動させ、これに同期して、基板の像をセンサ部11a、11bより取り込み、得られた2種の散乱光(6a、6b)の画像各々に対し、各種の特徴を算出し、算出した特徴の値を事前に設定した判定基準と比較して品質評価値を算出する。
【0021】
図3Aには、ガラス基板300上に形成されたアモルファスシリコン薄膜310の一部がエキシマレーザでアニールされて結晶粒径がそろった多結晶シリコン薄膜320が形成された状態の基板300に、光源350から照明光351を入射角度θ1(基板300の法線方向に対する角度)で基板300に照射して、基板300の表面の側のθ2方向に1次回折光352が発生する状態を示している。
【0022】
このエキシマレーザアニールにより形成された多結晶シリコン薄膜320の粒径は、エキシマレーザの照射エネルギー(レーザのパワー密度と照射時間との積)に依存する。すなわち、アモルファスシリコン薄膜310に照射するレーザのパワーを上昇させていくと、図3Bに示すように、あるエネルギレベルを超えたところからアモルファスシリコン薄膜310の結晶化が進行し始め、多結晶シリコン薄膜320が成長する。そして、照射するレーザのパワーを更に上げていくと、多結晶シリコン薄膜320の粒径が更に大きく成長していく。
【0023】
ここで、多結晶シリコン薄膜320の粒径がそろった状態になると多結晶シリコン薄膜320の表面には、結晶の粒径に応じてほぼ一定のピッチPで突起が形成される(図3Aの図面に直角な方向にも一定のピッチで突起が形成されている)。この膜表面の突起のピッチPは、多結晶シリコン薄膜320の結晶粒径によって変わる。
【0024】
一方、図3Aに示した構成において、光源350から発射された波長がλの照明光の基板300への入射角度θ1と、多結晶シリコン薄膜320が形成された基板300から発生する1次回折光の出射角度θ2、多結晶シリコン薄膜320の表面の突起のピッチPとの間には、
【0025】
【数1】

【0026】
で表される関係が成り立つ。
【0027】
すなわち、アモルファスシリコン薄膜310をアニールする時のエキシマレーザのパワーにばらつき(空間的な分布)や変動(経時的な変化)があると、多結晶シリコン薄膜320の粒径が変化する。その結果、θ1の方向から照射された基板300から発生する1次回折光の出射角度θ2が変化することになる。従って、1次回折光352を検出してその角度θ2を求めることにより、多結晶シリコン薄膜320の粒径を推定することができる。
【0028】
次に、画像処理部3の基板の品質評価値算出部8−2の処理の流れの一例を説明する。図4は、図1に示した、基板5に対し、ステージ13の走査によりセンサ部11aから得られる1次回折光分布の画像から品質評価値を算出する処理の流れの概要を示す。評価値算出部8−2には、事前に設定された判定基準410とセンサ部11aで検出された基板5の画像420が入力される。評価値算出部8−2では、まず品質を左右する特徴を顕在化するため、評価の妨げになるノイズを除去する(S401)。ノイズの例としては、センサの電気ノイズ、検出仰角に依存して生じる輝度シェーディング、照明むらなどがある。ノイズの除去方法としては、平滑化、特定周波数帯域の除去などがある。次に、ノイズを除去した基板の画像について、1つ又は複数の特徴量を演算する(S402)。
ここで、対象が結晶シリコンである場合、パルスエキシマレーザの照射エネルギーの変動を起因としたストライプ状のむら、基板内の輝度分布などが品質を左右する特徴の例となる。そこでこれらを定量化する特徴量の例として、
特徴(1):ストライプ状のむらのある方向の輝度投影から算出するコントラスト
特徴(2):画像内の各画素について、輝度勾配強度の画像内分布
等がある。図6はその例を示す。61は結晶シリコンが形成された基板の画像である。エキシマレーザアニール装置で表面にアモルファスシリコンの薄膜が形成された基板に照射する一方向に長く成形したレーザの長手方向がX方向、スキャン方向(送り方向)がY方向とする。照射レーザエネルギーの変動や一方向に長く成形したレーザの長手方向のエネルギの分布などにより、レーザアニールにより形成される多結晶シリコンの品質が劣化すると、61のように、X方向に沿ったストライプ状のむらが顕著になる。このため、検出画像の各点の輝度値をf(x、y)とすると、特徴(1)は、X方向に各画素の投影輝度平均を(数2)の通りに算出し、投影輝度平均のY方向の変化量(数3)をコントラストとする。
【0029】
【数2】

【0030】
【数3】

【0031】
特徴(2)は、各画素に対して、(数4)の通りに輝度勾配強度を演算し、そのヒストグラムを対象領域内で求め、特徴とするものである。
【0032】
【数4】

【0033】
特徴(1)と(2)は特徴量の一例であって、それ以外でも基板の特徴を表すものであればよい。そして、複数の特徴量のうちの全て、あるいはいくつかを、事前に設定してある判定基準と比較し(S403)、判定基準に基づいて基板の品質評価値を決定する(S404)。次に、この品質評価値に基づいてレーザアニール装置のレーザ照射条件の良否を判定する(S405)し、その結果を出力する(S406)。
【0034】
図5は、S404において基板の品質評価値を決定するその具体的な概念図である。510、520はそれぞれ異なる基板について、同一の検出条件で取得した画像である。このような基板5の画像が画像処理部3に入力されると、まず、基板5の画像各々について、特徴量A、B、・・・を演算する。ここでは、2つの特徴量A、Bを使って品質評価値を算出する例を示す。本発明では、前処理部8−1にて事前に特徴量A、Bを用いた判定基準を決定しておく。
【0035】
図5の530は判定基準を示す特徴空間の例である。すなわち、特徴A、特徴Bを軸とする2次元の特徴空間において、各品質評価値の取り得る範囲を設定する。530は、
If 「ThA1<特徴A≦ThA2」 and 「ThB1<特徴B≦ThB2」 Then Level1
といったように、しきい値で評価値の範囲が決定可能となるように、各評価値の範囲を軸に平行になるように矩形で区切った判定基準の例である。そして、この各評価値の範囲(図中530のLevel1〜Level4)が設定された特徴空間上で、評価対象基板の画像から算出した特徴量がどこにプロットされるかで、品質評価値を決定する。
【0036】
図5の特徴空間530においては、基板510の画像から算出した特徴量はLevel1の領域内にプロットされ、基板520の画像から算出した特徴量はLevel3にプロットされたことを示しており、それぞれの評価値は、Level1、Level3に決定される(S404)。図5では、特徴空間530における判定基準を特徴軸に平行な直線で区切った矩形領域で示したが、特徴軸に対して、傾きをもった直線で区切ることも可能である。また、直線ではなく、特徴空間上で各評価値の領域を曲線で区切ることも可能である。
【0037】
領域の設定は、
If 「ThA1<特徴A≦ThA2」 and 「ThB1<特徴B≦ThB2」 Then Level1
といったしきい値(ThA1,ThA2,ThB1,ThB2)をユーザが設定することができる。また、530のような特徴空間をユーザインターフェース部16に表示し、GUI上で各評価値の範囲を直接、ユーザが設定することもできる。
【0038】
本実施例において、品質評価値を決定する判定基準は、図5に示した2次元の特徴空間530での設定にとどまるのではなく、より高次元の特徴空間においても設定可能である。例えば、3種の特徴量を用いた3次元の特徴空間においては、品質判定基準は、平面、曲面で設定可能である。さらに、より高次元の特徴空間においては、品質判定基準は、超平面、超曲面となる。この場合、ユーザが複数の特徴軸に対してしきい値を設定するのは困難である。そのため、本発明では、教師あり学習による判定基準設定機能を持つ。
【0039】
図7は、判定基準410をユーザの観点で設定する場合の処理フローの例である。まず、ユーザは基板5を目視で観察し(S701)、基板5に品質評価値を設定する(S702)。これを繰返し、品質評価値を網羅する基板5と評価値をセットで準備する。次に、評価した基板5の画像を光学系1にて取得する(S703)。ユーザは、得られた基板5の画像とユーザにより設定されたその基板5の評価値をセットとし、これらを各評価値を網羅するように複数セット揃えて、画像処理部3に入力する。画像処理部3に基板5の画像と評価値の複数セットが入力されると、前処理部8−1において、S702で評価値が設定された評価値が既知、すなわち教師付きの基板の画像について、ノイズの除去を行い(S704)、特徴量を算出する(S705)。特徴量は、8−2の評価値算出部で算出するものと同じである。そして、画像から算出された特徴量とその画像の評価値の全セットを学習させて(S706)、判定基準710を出力する。
【0040】
S706で実行する学習は、パラメトリックな手法、ノンパラメトリックな手法など各種の一般的な識別器を使う。その一例としては、特徴空間にプロットされる各評価値の分布は正規分布に従うと仮定し、各画像の特徴量から算出され、特徴空間にプロットされた点が教師として入力された評価値の分布に入る確率を求めて判定基準を算出する方法がある。これは、ある評価値となるn個の画像から算出した特徴量をx1,x2,‥,xnとすると、それが正しい評価値とされるための識別関数φは、(数5)、(数6)で与えられる。
【0041】
【数5】

【0042】
【数6】

【0043】
なお、ユーザがセットした各基板の評価値は基板そのものの観察結果から決定した例を述べたが、703にて検出した画像をユーザが観察して、教師としての評価値を与えてもよい。いずれにせよ、基板の画像に、ユーザの基準が入った評価値を教師として与え、識別器を用いて学習し、判定基準を生成することで、実際の検査員による目視評価結果と整合のとれた品質評価値を出力することが本発明の範囲である。この前処理部8−1で作成された判定基準710が、図4の処理フローで説明した品質評価値算出部8−2に入力される判定基準410として用いられる。
【0044】
前処理部8−1で行う判定基準710の設定は、S702で設定されるユーザの評価基準を教師として与えることだけに限らない。図8はその例である。まず、結晶シリコンが形成された基板を目視で観察する。(S801)一方、基板5を光学系1で撮像して基板5の画像を取得して(S803)記憶する。さらにこの目視観察した基板が各製造工程を経た後の最終点灯検査時の品質評価値を、取得した画像とセットとし(S802)、これらを各評価値を網羅するように複数セット揃えて、画像処理3に入力する。以後の処理を図7と同様に、前処理部8−1において基板の画像についてノイズの除去を行い(S704)、特徴量を算出し(S705)、画像から算出された特徴量とその画像の最終点灯評価値の全セットを学習させて(S706)、判定基準810を出力する。
【0045】
本例では、基板の画像に、最終点灯検査時の基準が入った評価値を教師として与え、識別器を用いて学習し、判定基準を生成することで、最終品質と整合のとれた品質評価値を出力する。なお、学習のために教師として与える評価値は、他に電子顕微鏡(SEM)により観察して得たものなど、整合をとりたい評価値でよい。
【0046】
以上に説明したように、図2に示した構成を実現する具体的な品質評価装置の形態の例を図1に従い説明したが、光学系1の別の形態の品質評価装置900の例を図9に示す。即ち、本実施例に係る品質評価装置の別の形態として、図9に示すような光学系91を備えた構成について説明する。光学系91では、多結晶シリコンが形成されたガラス基板95に対し、照明部94を裏面に配置し、照射する構成とした。この場合、検出光学系(一次回折光検出系)97aでは、ガラス基板95上に形成された多結晶シリコン膜の規則的な突起状のパターンからの反射光による1次回折光を結像させてセンサ部911aでその像を検出し、1次回折光の画像を得る。一方、検出光学系(ガラス基板透過光近傍の散乱光検出系)97bでは、ガラス基板透過光を遮光してその近傍の散乱光を結像させてセンサ部911bでその像を検出し、ガラス基板透過光の近傍の散乱光の画像を得る。
【0047】
照明部94の構成は図1で説明した照明部4の構成と同じであり、照明光原941、コリメートレンズ942、光学フィルタ943、シリンドリカルレンズ944を備えている。1次回折光を検出する検出光学系97aの構成は図1で説明した1次回折光検出系7aの構成と同じであり、対物レンズ972a、光学フィルタ973a、結像レンズ974aを備えており、センサ部911aに集光、結像される。ガラス基板95を透過した透過光の近傍の散乱光を検出する検出光学系97bの構成は図1で説明した正反射光近傍散乱光検出系7bの構成と同じであり、ガラス基板95を透過した透過光を遮光するための遮光フィルタ971b、対物レンズ972b、光学フィルタ973b、結像レンズ974bを備えており、センサ部911bに集光、結像される。ガラス基板95を裏面から照射するメリットとしては、例えば図1の照明部4と1次回折光検出系7aの配置関係について、構造物が互いに干渉しないように、制約をつける必要があったのに比べ、制約を受けずに1次回折光検出系97aと照明部91とを配置することができる。図9に示した構成において、1次回折光検出系97aと透過光の近傍の散乱光を検出する検出光学系97bとが干渉する場合には、透過光の近傍の散乱光を検出する検出光学系97bの光軸をガラス基板95を透過した透過光の光軸に対して傾けて設置するようにしても良い。この場合、検出光学系97bの光軸に対してずれているガラス基板95を透過した透過光はセンサ部911bに就航されないために、遮光フィルタ971bは不要となる。
【0048】
ここで、複数の検出系をもつことで、様々な検出仰角による回折光、散乱光の画象を得ることができるが、これによって、より正確な基板の品質評価値を得ることができる。その例を説明する。まず、一方の検出系(例えば、1次回折光検出系7a)は高い解像度で基板5からの散乱光による画像を得ることができる。これにより、ELA工程における、エキシマレーザの照射パワーの過不足を起因とした多結晶シリコン膜の結晶粒径の大小が評価可能となる(品質評価値A)。他方の検出系(例えば、正反射光又は基板透過光の光軸近傍の散乱光検出系7b)は低い解像度で基板5からの結晶粒径に応じた強度の散乱光信号を得ることができる。これにより、パルスエキシマレーザのパルス抜けやレーザショットの安定性などを起因とした結晶シリコンの不均一性などが評価可能となる(品質評価値B)。品質評価値Aによって、ELA工程においてエキシマレーザアニール装置で設定されたレーザパワーの良し悪しの評価や、最適パワー値の設定などが可能となる。また、品質評価値Bによって、全数を対象とした、結晶シリコンの出来栄えが評価可能となる。学習時の教示データを最終点灯検査時の品質として、判定基準を作ることで、ELA工程後の各基板の最終的な画質が事前に予測でき、品質不良の未然防止になる。
以上に説明したように、異なる検出系から得られた複数の画像から、それぞれの評価値を算出するのではなく、複数の異なる検出系から得られた複数の画像の情報を統合して、1つの品質評価値を算出することも可能である。
【0049】
図10にその手順の一例を示す。まず、1つの基板100に対する画像取得条件が異なる条件で検出して複数の基板100の画像(例えば、1次回折光による画像100a、正反射光又は基板透過光の光軸近傍の散乱光による画像100b)を取得し(S1001)、この画像を取得した基板上に形成された多結晶シリコン膜の評価値102(ユーザ観点のもの、SEM観察結果をもとにしたもの、などいずれでもよい)を設定する(S1002)。これらの基板100の複数の画像100aおよび100bと設定された評価値のデータは関連付けてセットとして画像処理部3に入力される。画像処理部3に基板の画像と評価値の複数セットが入力されると、前処理部8−1において、それぞれの画像(100a,100b)に、ノイズの除去処理S1003a及びS1003bを行い、特徴量を算出する(S1004a,S1004b)。ノイズの除去処理S1003aとS1003bとは異なる処理であってもよい。また、特徴量算出S1004aとS1004bで算出される特徴量は同じで種類のものあっても異なる種類のものであってもよい。そして、1つの基板に対して複数の画像から算出された特徴量とその基板の評価値の全セットを学習させて(S1005)、判定基準を出力する(S1006)。
図11は、図10で算出した判定基準を用いて基板の品質評価値を算出する処理の流れの概要を示す。評価値算出部8−2には、図10の処理フローに従って事前に設定された判定基準1101とセンサ部11aとセンサ部11b(又はセンサ部911aとセンサ部911b)の両者で検出された基板の画像1100a,1100bが入力される(S1101,S1100a,S1100b)。評価値算出部8−2では、画像1100a,1100bの各々にノイズ除去処理を行う(S1102a,S1102b)。ノイズの除去方法はそれぞれ別のものでも構わない。次にノイズを除去した基板の画像各々について、複数の特徴量を演算して求める(1103a,1103b)。特徴量演算ステップS1103a及びS1103bで算出する特徴量は同じ種類のものであっても、異なっていてもよい。そして、特徴量演算ステップS1103a及びS1103bで個々に算出された複数の特徴量のうちの全て、あるいはいくつかを、図10の通りに事前に設定してある判定基準1101と比較し(S1104)、判定基準に基づいて基板の品質評価値を決定する(S1105)。これにより、異なる光学条件で検出された複数の画像から基板の品質評価値を決定できる。次に、この品質評価値に基づいてレーザアニール装置のレーザ照射条件の良否を判定し(S1106)、その結果(評価値)を出力する(S1107)。
本発明により、検査員が基板を目視により直接観察するのと同様の画像を得、かつ、その画像に対し、人間の評価結果を既知の品質評価値として学習させて判定基準を生成することで、人間による判定と整合のとれた品質評価値を出力することが可能となる。
更に、最終点灯検査結果を既知の品質評価値として学習させて判定基準を生成することで、ELA工程後の基板に対して、最終品質の事前予測が可能となる。
これにより、ELA装置の最適条件を定量的な評価値から決定でき、基板の品質の安定化を実現する。また、基板全数の定量的な評価値から、品質の管理、ELA装置の不具合検出、品質不良の未然防止が実現できる。
【0050】
以上、本発明の一実施例を、基板上に形成された結晶シリコンを対象とした品質評価を例にとって説明したが、TFT液晶パネルや有機ELパネルなど、フラットパネルの画質検査にも適用可能である。また、評価対象はフラットパネルのガラス基板や点灯時の画質に限られるわけではなく、品質を定量化するものであれば、例えば半導体ウェハの出来栄え検査等でも適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1・・・光学系 2・・・A/D変換部 3・・・画像処理部 4a、4b・・・照明部 5・・・基板 7a、7b・・・検出部 8−1・・・前処理部8−2・・・評価値算出部 11a、11b・・・センサ部 9・・・全体制御部 13・・・ステージ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された多結晶シリコン薄膜の品質を評価する装置であって、
評価対象となる基板を載置して少なくとも一方向に連続的に移動可能なテーブル手段と、
該テーブル手段に載置された前記基板に斜め方向から光を照射して前記基板上に形成された多結晶シリコン薄膜により発生する1次回折光による像を撮像して1次回折光像を取得すると共に、前記基板からの正反射光又は透過光の光軸近傍の散乱光の像を撮像して光軸近傍の散乱光像を取得する画像取得手段と、
該画像取得手段で取得した前記1次回折光像の画像と前記光軸近傍の散乱光像の画像を処理して複数の特徴を抽出する特徴抽出手段と、
該特徴抽出手段で抽出した該複数の特徴のうち、少なくとも1つ以上の特徴を用いて事前に設定した評価基準に従って該基板上に形成された多結晶シリコン薄膜の品質評価値を算出する品質評価値算出手段と
を備えたことを特徴とする基板の品質評価装置。
【請求項2】
前記事前に設定する評価基準を、前記画像取得手段で取得した前記多結晶シリコン薄膜が形成された基板の画像を用いて学習により作成する判定基準設定手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の基板の品質評価装置。
【請求項3】
前記判定基準設定手段は、前記基板の画像に対して設定された評価値を前記基板の画像の特徴量に関連付けて学習することにより前記判定基準を作成することを特徴とする請求項2に記載の基板の品質評価装置。
【請求項4】
前記品質評価値算出手段で算出した前記基板上に形成された多結晶シリコン薄膜の品質評価値に基づいて前記多結晶シリコン薄膜を形成したレーザアニール装置のレーザ照射条件の良否を判定するレーザ照射条件良否判定手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の基板の品質評価装置。
【請求項5】
前記画像取得手段は、前記基板からの正反射光又は透過光の光軸近傍の散乱光の像を撮像することを、前記基板からの正反射光又は透過光を遮光板で遮光し、該遮光板で遮光されなかった散乱光による像を撮像することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の基板の品質評価装置。
【請求項6】
基板上に形成された多結晶シリコン薄膜の品質を評価する方法であって、
評価対象となる基板を一方向に連続的に移動させながら前記基板に斜め方向から光を照射して前記基板上に形成された多結晶シリコン薄膜により発生する1次回折光による像を撮像して1次回折光像を取得すると共に、前記基板からの正反射光又は透過光の光軸近傍の散乱光の像を撮像して光軸近傍の散乱光像を取得し、
該取得した1次回折光像の画像と前記光軸近傍の散乱光像の画像を処理して複数の特徴を抽出し、
該抽出した複数の特徴のうち、少なくとも1つ以上の特徴を用いて、事前に設定した評価基準に従って前記基板上に形成された多結晶シリコン薄膜の品質評価値を算出する
ことを特徴とする基板の品質評価方法。
【請求項7】
前記事前に評価基準を設定することが、前記取得した多結晶シリコン薄膜が形成された基板の画像を用いて学習により作成して設定することであることを特徴とする請求項6記載の基板の品質評価方法。
【請求項8】
前記事前に評価基準を設定することが、前記取得した多結晶シリコン薄膜が形成された基板の画像に対して設定された評価値を前記基板の画像の特徴量に関連付けて学習することにより前記判定基準を作成することを特徴とする請求項6又は7に記載の基板の品質評価方法。
【請求項9】
前記算出した基板上に形成された多結晶シリコン薄膜の品質評価値に基づいて前記多結晶シリコン薄膜を形成したレーザアニール装置のレーザ照射条件の良否を判定することを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の基板の品質評価方法。
【請求項10】
前記基板からの正反射光又は透過光の光軸近傍の散乱光の像を撮像することを、前記基板からの正反射光又は透過光を遮光板で遮光し、該遮光板で遮光されなかった散乱光による像を撮像することを特徴とする請求項6乃至9の何れかに記載の基板の品質評価方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−119512(P2012−119512A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268339(P2010−268339)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】