説明

基板の熱処理方法および熱処理装置

【課題】 半導体ウェハ等の基板の熱処理工程の処理時間を短縮する。
【解決手段】 本願に係る熱処理方法は、加熱した上輻射板を熱処理炉外のサセプタに平置した基板の上面側に対向する位置まで移動させるとともに、加熱した下輻射板を熱処理炉外のサセプタに平置した基板の下面側に対向する位置まで移動させる工程と、上輻射板および下輻射板がそれぞれ基板の上下面側に対向した状態を維持して、上輻射板、下輻射板、サセプタおよび基板を一体に熱処理炉内に搬入する工程と、上輻射板および下輻射板がそれぞれ基板の上下面側に対向した状態を維持して、上輻射板、下輻射板、サセプタおよび基板を一体に熱処理炉内から搬出する工程と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハ等の基板の熱処理に用いられる熱処理装置および熱処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ等の薄片で面積の大きい基板の熱処理炉として、特許文献1のように、多数の基板を横向きまたは縦向きに積層して、円筒状の炉内で加熱するバッチ式の熱処理装置や、特許文献2のように、基板を1枚または数枚毎に容器内で処理する枚葉式の熱処理装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−160053号公報
【特許文献2】特開平10−178005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱処理時間を短縮するためには、被加熱体である基板は、予め加熱された高温の炉内に搬入・搬出されることが好ましい。しかしながら、熱処理炉内を予め高温に加熱すると、熱処理炉の内外の温度差が大きくなる。その結果、基板の搬入・搬出時に、高温の炉内に長時間位置する部分と低温の炉外に長時間位置する部分とで基板に温度差が生じ、基板の破損等や特性ばらつきの原因となる。搬入・搬出時の基板内の温度差を小さくするためには、基板の搬入・搬出速度を高速化することが好ましい。しかしながら、基板を高速で搬送すると、基板の加速・減速時に基板に機械的な外力が作用し、基板が破損することがある。特に、熱処理炉から高温の基板を高速で搬出する場合には、基板が損傷を受け易い。このため、基板を損傷することなく予め加熱された高温の炉内に搬入・搬出することは困難であった。そこで、従来は、比較的低い温度に加熱された熱処理炉内に基板を搬入した後、熱処理炉内を処理温度まで加熱し、熱処理完了後に炉内の温度を低くした後で、熱処理炉から基板を搬出するという方法が採られており、熱処理時間が長くなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、熱処理炉内で基板を熱処理する方法を提供する。この熱処理方法は、加熱した上輻射板を熱処理炉外のサセプタに平置した基板の上面側に対向する位置まで移動させるとともに、加熱した下輻射板を熱処理炉外のサセプタに平置した基板の下面側に対向する位置まで移動させる工程と、上輻射板および下輻射板がそれぞれ基板の上下面側に対向した状態を維持して、上輻射板、下輻射板、サセプタおよび基板を一体に熱処理炉内に搬入する工程と、上輻射板および下輻射板がそれぞれ基板の上下面側に対向した状態を維持して、上輻射板、下輻射板、サセプタおよび基板を一体に熱処理炉内から搬出する工程と、を備えている。
【0006】
上記の方法では、高温に加熱された上輻射板および下輻射板を熱処理炉外の基板の上下面側に対向する位置まで移動させて、上輻射板および下輻射板からの輻射熱を利用して、熱処理炉外で基板を加熱する。輻射板は高速移動させることができ、基板の上下面を挟み込むように対向して基板を加熱するため、加熱むらが抑制され、基板内での温度差が小さくなる。さらに、上輻射板および下輻射板がそれぞれ基板の上下面側に対向した状態を維持して、上輻射板、下輻射板、サセプタおよび基板を一体に熱処理炉内に搬入するため、この際の搬入速度を小さくしても、基板内で温度差が生じ難い。搬出時にも同様に、輻射板がそれぞれ基板の上下面側に対向した状態を維持して、輻射板、サセプタおよび基板を一体に熱処理炉内から搬出するため、搬出速度を小さくしても、基板内で温度差が生じ難い。このため、予め高温に加熱した熱処理炉内に基板を搬入し、搬出できるため、基板の熱処理工程の時間を短縮することができる。
【0007】
本願は、上記の熱処理方法を実施するための熱処理装置を提供する。本願は、基板を熱処理する熱処理装置であって、熱処理炉と、基板を平置するサセプタと、サセプタの上面方向に設置される上輻射板と、サセプタの下面方向に設置される下輻射板と、サセプタ、上輻射板および下輻射板を熱処理炉に搬入または搬出する移動装置と、を備えており、移動装置は、上輻射板および下輻射板のみを熱処理炉に搬入または搬出可能であり、かつ、上輻射板がサセプタに平置された基板の上面側に対向すると共に下輻射板がサセプタに平置された基板の下面側に対向した状態を維持して、上輻射板および下輻射板、サセプタおよび基板を一体に熱処理炉に搬入または搬出可能である、熱処理装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例に係る熱処理装置を概念的に示す図である。
【図2】実施例に係る熱処理方法を説明する図である。
【図3】実施例に係る熱処理方法を説明する図である。
【図4】実施例に係る熱処理方法を説明する図である。
【図5】実施例に係る熱処理方法を説明する図である。
【図6】実施例に係る熱処理方法を説明する図である。
【図7】実施例に係る熱処理方法を説明する図である。
【図8】変形例に係る熱処理装置のサセプタに平置された基板と輻射板とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
(熱処理装置)
図1に示すように、熱処理装置10は、熱処理炉113と、基板30を平置するサセプタ106と、サセプタ106の上面方向に設置された上輻射板105aと、サセプタ106の下面方向に設置された下輻射板105bと、輻射板105a、105bを熱処理炉に搬入または搬出する移動装置122と、制御装置120とを備えている。基板30は1枚の半導体ウェハであり、略円形の面積の大きい平面が上下面となるようにサセプタ106上に載置される。
【0010】
熱処理炉113は、石英チャンバー110と、蓋103,104と、石英チャンバー110の上面および下面に設置された上面ヒータ111a、下面ヒータ111bと、石英チャンバー110、上面ヒータ111a、下面ヒータ111bの外側に設置された断熱材112を備えている。石英チャンバー110は、横方向(x方向)に開口しており、開口部の周囲にはシール材114が設けられている。蓋103,104は一体に形成されており、蓋の差込部104を石英チャンバー110の入口に差し込むとともに、蓋のシール部103が石英チャンバー110のシール材114と圧接して入口を塞ぐことによって、石英チャンバー110は密閉される。ヒータ111a,111bは、制御装置120によってON/OFF制御される。ヒータ111a,111bがONされると、石英チャンバー110が加熱される。ヒータ111a,111bがOFFされると、石英チャンバー110の加熱が停止される。加熱された石英チャンバー110は、断熱材112によって保温される。
【0011】
輻射板105a,105bは、それぞれ支持部102a,102bの先端に固定されており、支持部102a、102bの基端は、上下方向に間隔を空けて連結板101に固定されている。このため、上輻射板105aと下輻射板105bは、上下方向に間隔を空けて、互いに対向する位置に設置される。輻射板105a,105bは、基板30よりも剛性が高く、熱容量が大きい。輻射板105a,105bの材料としては、SiC、石英等を好適に用いることができる。移動装置122は、連結板101をx方向に移動させるアクチュエータ(図示しない)を備えており、このアクチュエータを駆動することで、連結板101、輻射板105a,105b、支持部102a,102bを一体にx方向に移動させる。
【0012】
サセプタ106は、蓋103,104に固定されている。サセプタ106には、数個の突起部107が形成されている。突起部107の先端で基板30の下表面を支持することによって、サセプタ106上に基板30が平置される。輻射板105a,105bの平面方向の面積は、サセプタ106および基板30の平面方向の面積よりも十分に大きい。
【0013】
支持部102a,102bは、蓋103,104を貫通している。蓋103,104と支持部102a,102bとは、ロック機構(図示しない)を介して互いに固定または摺動可能に接続されている。移動装置122は、ロック機構のロック/非ロックの状態の切り替えを行うアクチュエータ(図示しない)を備えている。ロック機構がロック状態である場合には、蓋103,104と支持部102a,102bとは互いに固定される。このため、移動装置122がロック機構をロック状態として連結板101をx方向に移動させると、蓋103,104と、サセプタ106と、サセプタ106上の基板30と、支持部102a,102bと、輻射板105a,105bとが一体となってx方向に移動する。ロック機構が非ロック状態である場合には、蓋103,104に対して、支持部102a,102bが摺動可能となる。このため、移動装置122がロック機構を非ロック状態として連結板101をx方向に移動させると、蓋103,104、サセプタ106および基板30のx方向の位置を変えることなく、支持部102a,102b及び連結板101のみがx方向に移動する。制御装置122は、ヒータ111a、111bと移動装置122を制御する。制御装置122が移動装置122を制御することで、ロック機構のロック/非ロックの状態の切り替えと、移動装置122による連結板101のx方向の移動が行われる。
【0014】
(熱処理方法)
熱処理装置10を用いて実施する本実施例に係る熱処理方法について、図2〜図7を用いて説明する。まず、図2に示すように、制御装置120が移動装置122を制御することで、ロック機構を非ロック状態とすると共に、サセプタ106および基板30は熱処理炉113の外側に位置する状態のまま、輻射板105a,105bをx方向に移動させて、熱処理炉113の石英チャンバー110内に輻射板105a,105bを位置決めする。次いで、制御装置120は、上面ヒータ111aおよび下面ヒータ111bをオンし、石英チャンバー110内が、基板30の熱処理温度(例えば1000℃程度)となるように熱処理炉113内の温度を上げる。これによって、輻射板105a,105bは、基板30の熱処理温度に加熱される。
【0015】
次に、図3に示すように、制御装置120が移動装置122を制御して、ロック機構は非ロック状態のまま、輻射板105a,105bをx方向に移動させる。これによって、熱処理炉内で加熱された輻射板105a,105bが熱処理炉113から搬出され、熱処理炉113外のサセプタ106に平置した基板30の上下面側に対向する位置まで移動する。輻射板105a,105bは、剛性が高いため、高速(例えば500mm/s程度)で移動させることができ、僅かな時間(例えば1s未満)で基板30の上下面を挟み込むように対向する位置まで移動することができる。図3に示すように、輻射板105a,105bと基板30とは上下方向に近接しているため、輻射板105a,105bからの輻射熱を上下方向から受けて、サセプタ106上の基板30の各部は均一に加熱される。このため、加熱むらが抑制され、基板30内での温度差が小さくなる。
【0016】
次に、図4に示すように、制御装置120が移動装置122を制御して、ロック機構をロック状態に切り替えると共に、輻射板105a,105bをx方向に移動させる。ロック機構によって輻射板105a,105bとサセプタ106および基板30との位置関係は固定されているため、輻射板105a,105bがそれぞれ基板30の上下面側に対向した状態を維持して、輻射板105a,105b、サセプタ106および基板30が一体として熱処理炉113内に搬入される。搬入速度は、図3において輻射板105a,105bのみを移動させる場合の移動速度よりも十分に遅く、例えば、加速度が4mm/s以下となるように調整して搬入する。基板30の搬入速度が速すぎると、機械的な外力が基板30に作用して、例えば、結晶欠陥が発生する場合がある。本実施例に係る基板30の搬入速度は、基板30に作用する機械的な外力が十分に小さく、機械的な外力によって基板30が損傷し、特性劣化することがない速度に調整される。基板30は、輻射板105a,105bが上下面側に近接した状態で、高温の熱処理炉113内に搬入されるので、熱処理炉113内の高温雰囲気下に急激に晒されることもない。図5に示すように、輻射板105a,105bと、サセプタ106および基板30は、互いの位置関係を維持したまま、石英チャンバー110内に搬入され、石英チャンバー110は、蓋103,104によって密閉される。
【0017】
図5の状態で、基板30の熱処理を行う。石英チャンバー110内には、熱処理用の処理ガスを流通させてもよい。熱処理用の窒素ガス等の導入路は、例えば、石英チャンバー110の入口付近の上部に、図5等の紙面に垂直となる方向に設けることができる。基板30の上下面に近接して輻射板105a,105bが設置された状態で熱処理を行うため、処理ガスを流通させても基板30に処理ガスが直接吹き付けられることがない。このため、基板30内の温度分布が生じにくい。
【0018】
基板30の熱処理が終了した後、図6に示すように、搬入時と同様に、制御装置120が移動装置122を制御して、ロック機構はロック状態のままで輻射板105a,105bをx方向に移動させる。ロック機構によって輻射板105a,105bとサセプタ106および基板30との位置関係は固定されているため、輻射板105a,105bがそれぞれ基板30の上下面側に対向した状態を維持して、輻射板105a,105b、サセプタ106および基板30を一体に熱処理炉内から搬出される。基板30は、輻射板105a,105bが上下面側に近接した状態で、高温の熱処理炉113内から外部に搬出されるので、基板30が部分的に熱処理炉113外の低温雰囲気下で急冷されることが抑制される。基板30を搬出した後、制御装置120が移動装置122を制御して、ロック機構を非ロック状態に切り替え、輻射板105a,105bを基板30の上下面に対向しない位置に移動させる。これによって、熱処理炉113外の低温雰囲気下で基板30が冷却される。輻射板105a,105bを基板30の上下面に対向する位置に移動する場合と同様に、輻射板105a,105bを基板30の上下面に対向しない位置に移動する場合も、輻射板105a,105bを、高速(例えば500mm/s程度)で移動させることができる。このため、基板30の各部が略均等に冷却され、基板30内での温度差が発生することが抑制される。なお、輻射板105a,105bを基板30と対向する位置から移動させる際は、輻射板105a,105bを再び熱処理炉113内に移動させ、加熱してもよい。
【0019】
上記のとおり、本実施例に係る熱処理方法では、移動装置122が、熱処理炉113内で高温(例えば1000℃程度)に加熱された輻射板105a,105bを熱処理炉113外の基板30の上下面に対向する位置まで移動させ、これによって輻射板105a,105bからの輻射熱を利用して、熱処理炉113外で基板30を加熱することができる。輻射板105a,105bは、基板30と比較して板厚を厚くして剛性を高くすることができるため、高速移動させることができる。このため、輻射板105a,105bを基板30の上下面を挟み込む位置に短時間で移動させることができ、基板30の各部を上下面から略均等に加熱するため、加熱むらが抑制され、基板30内での温度差が小さくなる。さらに、移動装置122は、輻射板105a,105bがそれぞれ基板30の上下面側に対向した状態を維持して、輻射板105a,105b、サセプタ106および基板30を一体に熱処理炉113内に搬入する。このため、基板搬入時の搬入速度を小さくしても、ヒータ111a、111bからの熱量の差による基板30内での温度差が生じ難い。搬出時にも同様に、輻射板105a,105bがそれぞれ基板の上下面側に対向した状態を維持して、複数の輻射板105a,105b、サセプタ106および基板30を一体に熱処理炉113内から搬出するから、搬出速度を小さくしても、基板30内で温度差が生じ難い。
【0020】
従来の熱処理装置において、予め高温の処理温度に加熱した熱処理炉内に基板を搬入しようとする場合、高温の炉内にある部分と低温の炉外にある部分の温度差を小さくするために、基板の搬入・搬出速度を高速化する必要があった。しかしながら、基板を高速で搬送すると、基板に機械的な外力が作用して基板が破損し易く、特に、熱処理炉から高温の基板を高速で搬出する場合には、基板が損傷を受け易い。このため、従来の熱処理装置では、基板を損傷することなく予め加熱された高温の炉内に搬入・搬出することは困難であり、比較的低い温度に加熱された熱処理炉内に基板を搬入した後、熱処理炉内を処理温度まで加熱し、熱処理完了後に炉内の温度を低くした後で、熱処理炉から基板を搬出するという方法を採らざるを得なかった。このため、熱処理工程に時間がかかり、熱処理温度が1000℃程度である場合には、2〜2.5h程度の時間が必要であった。これに対して、本実施例に係る熱処理装置および方法によれば、複数の輻射板を用いることによって基板の損傷を抑制しつつ、予め高温の熱処理温度に加熱した熱処理炉内に基板を搬入し、搬出できるため、処理時間が短縮される。さらに、複数の輻射板からの輻射熱によって基板が加熱されるため、基板を均一かつ速やかに加熱することができる。これによって、例えば、熱処理温度が1000℃程度である場合に、10min以下で熱処理工程を行うことができ、従来と比較して、熱処理工程に要する時間を大幅に削減することができる。
【0021】
(変形例)
なお、上記の実施例においては、一対の上輻射板と下輻射板を利用して1枚の基板を熱処理する場合を例示して説明したが、少数枚(例えば2〜3枚)の基板を熱処理するようにしてもよい。この場合、熱処理装置は、複数枚の基板を平面方向に並べて配置できるサセプタと、複数枚の基板の上下面側に対向させることができる一対または複数対の輻射板を備えるようにしてもよい。また、図8のように、基板30,31を上下方向に配置して熱処理を行うように熱処理装置を構成してもよい。この場合、サセプタ106に平置した基板30の上下面側にそれぞれ対向する上輻射板105a,下輻射板105bを配置し、サセプタ206に平置した基板31の上下面側にそれぞれ対向する上輻射板205a,下輻射板205bを配置することが好ましいが、これに限定されない。例えば、輻射板205aがなく、下輻射板105bが基板31の上面側に対向する上輻射板を兼ねていてもよい。
【0022】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0023】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0024】
10 熱処理装置
30,31 基板
101 搬送機構
102a,102b 支持部
103,104 蓋
105a,205a 上輻射板
105b,205b 下輻射板
106,206 サセプタ
107 突起部
110 石英チャンバー
111a 上面ヒータ
111b 下面ヒータ
112 断熱材
113 熱処理炉
114 シール材
120 制御装置
122 移動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱処理炉内で基板を熱処理する方法であって、
加熱した上輻射板を熱処理炉外のサセプタに平置した基板の上面側に対向する位置まで移動させるとともに、加熱した下輻射板を熱処理炉外のサセプタに平置した基板の下面側に対向する位置まで移動させる工程と、
上輻射板および下輻射板がそれぞれ基板の上下面側に対向した状態を維持して、上輻射板、下輻射板、サセプタおよび基板を一体に熱処理炉内に搬入する工程と、
上輻射板および下輻射板がそれぞれ基板の上下面側に対向した状態を維持して、上輻射板、下輻射板、サセプタおよび基板を一体に熱処理炉内から搬出する工程と、
を備えている、熱処理方法。
【請求項2】
基板を熱処理する熱処理装置であって、
熱処理炉と、
基板を平置するサセプタと、
サセプタの上面方向に設置される上輻射板と、
サセプタの下面方向に設置される下輻射板と、
サセプタ、上輻射板および下輻射板を熱処理炉に搬入または搬出する移動装置と、を備えており、
移動装置は、
上輻射板および下輻射板のみを熱処理炉に搬入または搬出可能であり、かつ、
上輻射板がサセプタに平置された基板の上面側に対向すると共に下輻射板がサセプタに平置された基板の下面側に対向した状態を維持して、上輻射板および下輻射板、サセプタおよび基板を一体に熱処理炉に搬入または搬出可能である、熱処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−64852(P2012−64852A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209202(P2010−209202)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】