基板付き細径同軸電線ハーネス
【課題】部品の実装スペースの自由度を増し、機器のさらなる小型化を図ることが可能な基板付き細径同軸電線ハーネスを提供する。
【解決手段】複数の細径同軸ケーブルが束ねられてなる細径同軸ケーブルハーネス20が、スライドする二つの筐体13,14内の各基板11,12に接続され、収容部30は、スライド方向と直交する方向の幅が広い幅広部31と、幅広部31より幅の狭い幅狭部32とを有し、幅広部31が設けられた筐体13内の基板11に細径同軸ケーブルハーネス20の一端部21aが固定され、細径同軸ケーブルハーネス20の他端部21bが他方の筐体14内の基板12に固定され、細径同軸ケーブルハーネス20は、少なくとも幅方向に二往復するように波形に配線され、幅広部31に細径同軸ケーブルハーネス20が波形の形状で収容可能である。
【解決手段】複数の細径同軸ケーブルが束ねられてなる細径同軸ケーブルハーネス20が、スライドする二つの筐体13,14内の各基板11,12に接続され、収容部30は、スライド方向と直交する方向の幅が広い幅広部31と、幅広部31より幅の狭い幅狭部32とを有し、幅広部31が設けられた筐体13内の基板11に細径同軸ケーブルハーネス20の一端部21aが固定され、細径同軸ケーブルハーネス20の他端部21bが他方の筐体14内の基板12に固定され、細径同軸ケーブルハーネス20は、少なくとも幅方向に二往復するように波形に配線され、幅広部31に細径同軸ケーブルハーネス20が波形の形状で収容可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両端部が基板に接続された基板付き細径同軸電線ハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の細径同軸電線を備えた細径同軸電線ハーネスとして、相対移動する筐体間を接続するものが知られている。相対移動する筐体としては、例えば携帯電話があり、互いにスライド可能に重ねた二つの筐体で構成され、使用状況に応じて二つの筐体をスライドさせて長さを伸縮させるものがある。
【0003】
この種の携帯電話において、それぞれの筐体に設けられた基板同士を接続するハーネスを、全体としてU字状に湾曲した状態で収容させたもの(例えば、特許文献1参照)、あるいはS字状に湾曲した状態で収容させたもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−541569号公報
【特許文献2】特開2009−17377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ハーネスの収容部は、何れかの筐体に形成されるが、上記のようにU字状あるいはS字状に湾曲した状態で収容させる構造であると、収容部を筐体の幅方向に広く形成する必要が生じる。このため、収容部を形成する筐体側における電子部品の実装スペースに制約が生じてしまい、機器のさらなる小型化が困難であった。
【0006】
本発明の目的は、部品の実装スペースの自由度を増し、機器のさらなる小型化を図ることが可能な基板付き細径同軸電線ハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決することのできる本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスは、複数の細径同軸電線が束ねられてなる細径同軸電線ハーネスが、上下に重ねられてスライドする二つの筐体内に設けられた各基板に接続された基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
前記細径同軸電線ハーネスは、前記筐体の少なくとも一方に設けられた収容部に収容され、前記収容部は、前記スライド方向と直交する方向の幅が広い幅広部と、前記幅広部より幅の狭い幅狭部とを有し、
前記幅広部が設けられた前記筐体内の基板に前記細径同軸電線ハーネスの一端部が固定され、前記細径同軸電線ハーネスの他端部が他方の前記筐体内の基板に固定され、
前記細径同軸電線ハーネスは、少なくとも幅方向に二往復するように波形に配線され、前記幅広部に前記細径同軸電線ハーネスが波形の形状で収容可能であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスにおいて、前記収容部は、一方の筐体に設けられていることが好ましい。
【0009】
また、本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスにおいて、前記収容部は、一方の筐体に設けられた幅狭部と他方の筐体に設けられた幅広部とから構成されていることが好ましい。
【0010】
また、本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスにおいて、前記筐体同士の重畳部分が最も小さい状態で、前記細径同軸電線ハーネスの略全長が前記収容部の前記幅広部に収容されることが好ましい。
または、本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスにおいて、前記筐体同士の重畳部分が最も大きい状態で、前記細径同軸電線ハーネスの略全長が前記収容部の前記幅広部に収容されることが好ましい。
【0011】
また、本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスにおいて、複数の前記細径同軸電線は、可撓性スリーブを被せることによって束ねられていることが好ましい。
【0012】
また、本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスにおいて、複数の前記細径同軸電線は、所定位置を除いた部分をテープ巻きすることにより、テープ巻きされていない箇所で屈曲して波形形状となることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスによれば、細径同軸電線が波形の形状で収容可能な幅広部と、この幅広部より幅の狭い幅狭部とを有する収容部内に、ハーネスを波形に収容することで、幅狭部の幅寸法を小さくすることができる。このように細径同軸電線ハーネスを収容した筐体では、収容部の幅狭部の側部に、電子部品が実装可能な大きな実装スペースが確保可能とされる。これにより、基板回路設計の自由度が増し、ひいては筐体のさらなる小型化が実現可能である。一方、収容部内での細径同軸電線ハーネスの円滑な伸縮が可能であり、細径同軸電線の機械的信頼性も高い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)は本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスに係る第1実施形態の例を示す筐体同士を開いた状態の平面図、(b)はその側面図である。
【図2】(a)は本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスに係る第1実施形態の例を示す筐体同士を閉じた状態の平面図、(b)はその側面図である。
【図3】(a)は本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスを適用した携帯電話の筐体同士を開いた状態を示す斜視図、(b)は携帯電話の筐体同士を閉じた状態を示す斜視図である。
【図4】細径同軸ケーブルハーネスの端部にコネクタを装着した状態を示す平面図である。
【図5】(a)〜(e)は収容部内における細径同軸ケーブルハーネスの収容状態を示す概略平面図である。
【図6】(a)は細径同軸ケーブルハーネスを基板の片面に直付けした状態の例を示す側面図、(b)は細径同軸ケーブルハーネスを基板の両面に直付けした状態の例を示す側面図である。
【図7】基板付き細径同軸ケーブルハーネスの変形例を示す筐体同士を開いた状態の平面図である。
【図8】基板付き細径同軸ケーブルハーネスの変形例を示す筐体同士を開いた状態の平面図である。
【図9】基板付き細径同軸ケーブルハーネスの変形例を示す筐体同士を開いた状態の平面図である。
【図10】(a)は基板付き細径同軸ケーブルハーネスの変形例を示す筐体同士を開いた状態の平面図、(b)は筐体同士を閉じた状態の平面図である。
【図11】(a)は本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスに係る第2実施形態の例を示す筐体同士を開いた状態の平面図、(b)は筐体同士を閉じた状態の平面図である。
【図12】(a)は第2実施形態の基板付き細径同軸ケーブルハーネスの変形例を示す筐体同士を開いた状態の平面図、(b)は筐体同士を閉じた状態の平面図である。
【図13】(a)は本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスに係る第3実施形態の例を示す筐体同士を開いた状態の平面図、(b)はその側面図である。
【図14】(a)は本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスに係る第3実施形態の例を示す筐体同士を閉じた状態の平面図、(b)はその側面図である。
【図15】(a)は第3実施形態に用いられる一方の筐体を示す平面図、(b)は横断面図である。
【図16】(a)は第3実施形態に用いられる他方の筐体を示す平面図、(b)は断面図、(c)はガイド部材を取り外した状態の筐体の平面図である。
【図17】(a)は本発明構造の基板付き細径同軸ケーブルハーネスを示す筐体同士を開いた状態の平面図、(b)は筐体同士を閉じた状態の平面図である。
【図18】(a)は従来構造の基板付き細径同軸ケーブルハーネスを示す筐体同士を開いた状態の平面図、(b)は筐体同士を閉じた状態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る基板付き細径同軸電線ハーネスの実施形態の例を、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の細径同軸電線ハーネスについて説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態では、上下に重ねて配置され前後(図1,図2の左右方向)に水平移動する二つの基板11,12間が、複数本(20〜60本)の後述する細径同軸ケーブル(細径同軸電線)24を含む細径同軸ケーブルハーネス(細径同軸電線ハーネス)20によって接続されている。
【0017】
基板11,12は、例えば、図3に示すような携帯電話10などの機器の相対的にスライドする筐体13,14内にそれぞれ組み込まれている。この携帯電話10では、一方の筐体13にディスプレイが設けられ、他方の筐体14にキー操作部が設けられている。
【0018】
図1は、筐体13,14が直線状にスライドする場合に細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も近接した状態であり、図2は両端部21a,21bが最も離れた状態である。基板11,12の水平移動距離、即ち、筐体13,14同士のスライドストロークLは、例えば30mmから80mm程度である。なお、本実施形態では、スライドストロークLが60mmとされている。
【0019】
図4に示すように、細径同軸ケーブルハーネス20の両方の端末は、コネクタ25を取り付けて成端処理することで、基板11,12との接続を容易としている。そして、細径同軸ケーブルハーネス20は、両端部21a,21bを除いて編組スリーブ(可撓性スリーブ)23により複数の細径同軸ケーブル24が束ねられている。なお、この図4及び図1等では、コネクタ25の長手方向が筐体13,14のスライド方向に沿った向きに配置されているが、この向き以外でも構わない。例えば、コネクタ25の長手方向が筐体13,14のスライド方向に直交する向きに配置されていてもよい。
【0020】
細径同軸ケーブル24は、中心軸に直交する径方向の断面において、中心から外側に向かって、中心導体、内部絶縁体、外部導体、外被を有する構成であり、それぞれの端部21a,21bでは端末処理が施されて、外部導体、内部絶縁体、中心導体が段階的に所定長さずつ露出している。また、細径同軸ケーブルハーネス20には、複数本の細径同軸ケーブルの他に、外部導体のない細径絶縁ケーブルが含まれていても良い。なお、図面では細径同軸ケーブル24の本数を少なく示して簡略化している。
【0021】
細径同軸ケーブル24としては、例えばAWG(American Wire Gauge)の規格によるAWG42よりも細い極細同軸ケーブルを用いるのが望ましい。これにより、細径同軸ケーブルハーネス20は曲がり易く、両基板11,12がスライドするときの抵抗を小さくすることができる。また、複数本の細径同軸ケーブル24を束ねて細径同軸ケーブルハーネス20を形成したときに、細径同軸ケーブルハーネス20の径を小さくすることができ、収容部の高さを低くして機器の薄型化を図ることができる。
【0022】
細径同軸ケーブルハーネス20は、20本から60本程度の細径同軸ケーブル24を含むものである。細径同軸ケーブル24がAWG46の細さである場合には、断面が円に近い形状の束として40本の細径同軸ケーブルハーネス20を形成すると、編組スリーブ23の厚さを含めた外径(厚さ)は1.7mm以下であり、1.7mmの高さ(厚さ)の収容部に配線することが可能である。
【0023】
細径同軸ケーブルハーネス20は、複数本の細径同軸ケーブル24を編組スリーブ23内に通すことで束ねて形成されており、編組スリーブ23によって複数本の細径同軸ケーブル24を覆うことにより、基板11,12等の壁面と摺動した際の摩擦に対する細径同軸ケーブルハーネス20の耐久性が向上する。また、細径同軸ケーブルハーネス20は、編組スリーブ23の内側の空間の断面積を細径同軸ケーブル24の断面積の和よりも大きくして、緩く細径同軸ケーブル24を束ねている。このため、筐体13,14がスライドして細径同軸ケーブルハーネス20が変形する場合に細径同軸ケーブル24が編組スリーブ23の中で並び変わるなど動きやすい。
【0024】
本実施形態の編組スリーブ23は、ポリマー繊維を編組して筒状に形成したものである。ポリマー繊維として、溶融液晶性ポリマーと屈曲性ポリマーからなるモノフィラメントハイブリッド繊維を用いることが好ましい。このモノフィラメントハイブリッド繊維は、溶融液晶性ポリマーからなる芯成分と、屈曲性ポリマーを含む鞘成分により構成されている。
【0025】
一方の筐体13には、細径同軸ケーブルハーネス20が収容可能な収容部30が形成されている。この収容部30は、筐体13,14同士のスライド方向と直交する方向の幅が広い幅広部31と、この幅広部31より幅の狭い幅狭部32とを有し、幅広部31と幅狭部32との間は、スライド方向の位置により徐々に幅が変化する形状とされている。幅広部31から幅狭部32にかけての領域は、一側面が曲面31a,33aを有しており、幅広部31の曲面31aは、外側に凸状に湾曲され、曲面33aは、内側に凸状に湾曲されている。そして、この筐体13内における幅狭部32の側部には、電子部品が実装可能な大きな実装スペースSが確保可能である。
【0026】
この収容部30は、筐体13における筐体14との対向面に溝を形成することにより設けられている。なお、この収容部30は、筐体13における筐体14との対向面にガイド壁を形成することにより設けても良い。
【0027】
収容部30が設けられた筐体13内の基板11に細径同軸ケーブルハーネス20の一端部21aが固定され、細径同軸ケーブルハーネス20の他端部21bが他方の筐体14内の基板12に固定されている。この細径同軸ケーブルハーネス20は、その他端部21b側が、他方の筐体14の一方の筐体13との対向面に形成された孔部(図示省略)に通されている。
【0028】
また、筐体13の裏面側には、少なくとも筐体13,14を開いた状態で筐体13,14同士が重なる重畳部分を除く箇所に、収容部30を塞ぐ蓋34が設けられており、これにより、筐体13,14を開いた状態で収容部30の露出が防止される。なお、この蓋34には、筐体14側から引き出した細径同軸ケーブルハーネス20が挿通されるスリット35が、筐体13,14の互いのスライド方向に沿って形成されている。蓋34がなくて収容部30が露出していてもよい。
【0029】
細径同軸ケーブルハーネス20は、両端部21a,21bが、収容部30の直線状に形成された側部30a側に配置されており、幅方向に二往復する(M字状またはW字状になる)ように波形形状に配線されている。これにより、筐体13,14をスライドさせて開いた状態で、幅広部31に細径同軸ケーブル20が、図1および図2の(a)における曲面31a側にある屈曲部41,43、及び屈曲部41,43の間で側部30a側にある屈曲部42が形成された波形の形状で収容されるようになっている。
【0030】
収容部30の全長Gは、筐体13,14を開くことにより細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も近づいた状態(図1の状態)でのこれら両端部21a,21bの間隔L1とスライドストロークLとの合計よりも多少長くされている。
【0031】
また、収容部30の幅狭部32の幅寸法Wは、筐体13,14を閉じた状態(図2の状態)において最小でも細径同軸ケーブルハーネス20の1本分の直径よりも僅かに広い幅寸法とされる。これにより幅狭部32では細径同軸ケーブルハーネス20がほぼ直線状に配線される。幅狭部32の幅が細径同軸ケーブルハーネス20の径の数倍ある場合は細径同軸ケーブルハーネス20の波形形状が緩やかに維持される。
また、収容部30の幅広部31は、筐体13,14を開くことにより細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も近づいた状態(図1の状態)で、波形形状の細径同軸ケーブルハーネス20が十分に収まる幅寸法とされている。
【0032】
細径同軸ケーブルハーネス20の長さは、細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も近づいた状態(図1参照)で両端部21a,21bの間隔L1とスライドストロークLの合計よりも長くされており、筐体13,14を閉じた状態(図2の状態)においても、多少波形の形状が維持される。
【0033】
この細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体13,14を開いて波形形状で収容された状態(図1の状態)で、屈曲部41〜43を頂点とする山の高さ寸法が、一端部21a側の方で長くされている。また、この細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体13,14を開いた状態(図1の状態)で、容易に波形形状となるように、予め曲げ癖が付けられている。
【0034】
なお、細径同軸ケーブルハーネス20の一端部21aは、収容部30の直線状の側部30aと反対側に配置しても良い。この場合、細径同軸ケーブルハーネス20は、屈曲箇所が偶数個となる。
【0035】
次に、筐体13,14の伸縮に伴う細径同軸ケーブルハーネス20の動きについて説明する。
筐体13,14同士を閉じた状態(図2の状態)から、筐体13,14を徐々に開くと、図5(a)に示すように、細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが近づくことにより、各屈曲部41〜43の曲率半径が小さくなり、それぞれの屈曲部41〜43が収容部30の側面に摺動する。
【0036】
さらに筐体13,14を開くことにより、図5(b)に示すように、屈曲部41が幅広部31内に入ると、屈曲部42,43が収容部30の側面からの反力を受け、屈曲部41を頂点とした山の高さ(屈曲部41と隣の屈曲部42との幅方向の距離)hが徐々に大きくなるように変形する。
【0037】
さらに筐体13,14を開くと、屈曲部43も幅広部31内に入り、細径同軸ケーブルハーネス20が波形に折りたたまれた状態で幅広部31に収容される(図1参照)。
【0038】
このとき、波形に折りたたまれた細径同軸ケーブルハーネス20は、図1に示すように、筐体13,14との重畳部分に配置されるので、例え筐体13の裏面に蓋34を設けず、収容部30が露出される構造であったとしても、露出された筐体13の裏面側の収容部30で細径同軸ケーブルハーネス20が露出されることがない。
【0039】
筐体13,14同士を開いた状態(図1の状態)から、筐体13,14を徐々に閉じると、図5(c)に示すように、細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが離れることにより、屈曲部43が移動し、収容部30の側面である曲面33aに当接して摺動する。これにより、細径同軸ケーブルハーネス20は、幅広部31側へ向かう反力を受けるため、屈曲部41はそのままの状態を維持する。
【0040】
さらに筐体13,14を閉じると、図5(d)に示すように、屈曲部43が幅狭部32へ入り込むとともに、屈曲部42が移動され、それぞれの屈曲部41〜43の曲率半径が大きくなる。
【0041】
さらに筐体13,14を閉じると、図5(e)に示すように、屈曲部42,43が幅狭部32へ入り込むとともに、屈曲部41も移動し、屈曲部41を頂点とした山の高さが低くされる。
【0042】
そして、筐体13,14を完全に閉じると、細径同軸ケーブルハーネス20は、幅狭部32に沿って緩やかな波形形状に引き伸ばされる(図2の状態)。
このように、筐体13,14を開閉すると、細径同軸ケーブルハーネス20は、収容部30内で、円滑にスライドの方向に伸縮される。
【0043】
そして、第1実施形態に係る基板付き細径同軸ケーブルハーネスによれば、細径同軸ケーブルハーネス20が波形形状で収容可能な幅広部31と、この幅広部31より幅の狭い幅狭部32とを有する収容部30を設けたので、幅狭部32の幅寸法Wを小さくすることができる。このような収容部30に細径同軸電線ハーネス20を収容した筐体13,14では、細径同軸ケーブルハーネス20をU字状に収容する構造と比較すると、U字状に収容した場合、細径同軸ケーブルハーネス20の2本分の直径と曲げ径とを合計した寸法以上の幅寸法を要するのに対して、幅狭部32の幅寸法Wを細径同軸ケーブルハーネス20の1本分の直径よりも僅かに広い幅寸法に抑えることができる。
【0044】
これにより、収容部30の幅狭部32の側部に、電子部品が実装可能な大きな実装スペースSを確保することができ、この基板付き細径同軸ケーブルハーネスを用いた携帯電話10においては、基板回路設計の自由度が増し、筐体13,14のさらなる小型化が実現可能である。一方、収容部30内での細径同軸電線ハーネス20の円滑な伸縮が可能であり、細径同軸電線の機械的信頼性も高い。
【0045】
なお、上記の構造の基板付き細径同軸ケーブルハーネスでは、筐体13,14を1秒に0.5回の往復移動速度で20万回往復移動させる耐久試験を行っても電気的断線を生じることがなかった。
【0046】
上記の基板付き細径同軸ケーブルハーネスでは、両端部21a,21bにコネクタ25を取り付けて成端処理した場合について説明したが、図6に示すように、細径同軸ケーブルハーネス20の細径同軸ケーブル24を基板11,12に直付けして成端処理することも可能である。細径同軸ケーブル24を基板11,12に直付けする場合には、並列させた細径同軸ケーブル24の端末を基板11,12に対してフィルムなどで仮止めし、細径同軸ケーブル24の端末の中心導体を基板11,12の接続端子に半田付けで接続すればよい。
【0047】
また、外部導体にグランドバー26を接続し、その反対側から別のグランドバー27または押さえ部材27を配置して、各細径同軸ケーブル24を挟むことでも、ピッチを固定できる。基板11,12の片面に直付けすることもでき(図6(a)参照)、基板11,12の端部に直付けする場合は両面に直付けすることもできる(図6(b)参照)。上の基板11に接続するときは、その下面に、下の基板12に接続するときはその上面に付ける。直付けに限らずコネクタ等で基板11,12に接続するときも基板11,12の両面に接続することができる。
【0048】
また、細径同軸ケーブルハーネス20の端を、コネクタ25の替わりに、例えば、金属箔等の配線パターンを有するフレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)や硬質基板などの中継基板に接続し、この中継基板を、基板11,12に設けたレセプタクルに接続することもできる。また、本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスには、前述のように外部導体を有さない絶縁電線を適宜混在させることができる。絶縁電線をグランド線として使用することや、絶縁電線を給電線として使用することができる。
【0049】
また、本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスは、上記の構造に限定されるものではなく、適宜変形、改良等が可能である。
図7に示すものは、幅広部31の形状として、スライド方向に沿って見て端から幅狭部32へ向かって一旦幅が広くなり、その後、幅が狭くなるような曲面31aを有するものである。この場合、細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体13,14を開いた状態での屈曲部41〜43を頂点とした山の高さ(屈曲部間の幅方向の距離)寸法hが、他端部21b側の方で大きくされている。
【0050】
図8に示すものは、細径同軸ケーブルハーネス20の形状を、5つの屈曲部41〜45を有する波形形状としたものである。この場合、各屈曲部41〜45を頂点とした山の高さを低くすることができ、よって、収容部30の幅広部31における幅寸法を小さくすることができる。
【0051】
図9に示すものは、細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bに、スライド方向に沿う直線部21cを設けたものである。この場合、細径同軸ケーブルハーネス20を基板に取り付け易い。
【0052】
なお、上記の例では、複数本の細径同軸ケーブル24を、全長にわたって編組スリーブ23によって束ねた細径同軸ケーブルハーネス20を用いたが、図10に示すように、テープ28を巻きつけることにより、複数本の細径同軸ケーブル24を束ねても良い。この場合、筐体13,14の開閉に伴って屈曲させる屈曲部41〜43となる個所および両端を除いた部分をテープ28によって束ねる。即ち、所定位置を除いてテープ28によって細径同軸ケーブル24を束ねることにより、屈曲位置を特定することができる。
【0053】
このようにすると、細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体13,14の開閉に伴い、テープ28を除いた部分からなる屈曲部41〜43で円滑に屈曲される。これにより、筐体13,14同士を開いた状態(図10(a)の状態)では、細径同軸ケーブルハーネス20が波形形状に折りたたまれて幅広部31に収容され、筐体13,14同士を閉じた状態(図10(b)の状態)では、細径同軸ケーブルハーネス20が収容部30内で伸ばされる。
【0054】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の細径同軸電線ハーネスについて説明する。
なお、上記の第1実施形態と同一構造部分は、同一符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、第2実施形態の場合も、上下に重ねて配置され前後(図11の左右方向)に水平移動する二つの筐体13,14に設けられたそれぞれの基板11,12間が、複数本(20〜60本)の細径同軸ケーブル24を含む細径同軸ケーブルハーネス20によって接続されている。細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bは、それぞれ基板11,12のスライド方向の中央付近で接続されている。
【0055】
また、収容部30は、筐体13(上側の筐体)に形成されている。幅広部31が図11中右側に配置されており、基板11に接続された細径同軸ケーブルハーネス20の一端部21aが幅広部31側に配置されている。
【0056】
図11(a)は細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も離れた状態であり、図11(b)は両端部21a,21bが最も近接した状態である。
この第2実施形態では、細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体13,14を開くことにより収容部30内で伸ばされ、筐体13,14を閉じることにより収容部30の幅広部31で波形形状に折りたたまれる。
【0057】
したがって、この第2実施形態に係る基板付き細径同軸ケーブルハーネスの場合も、筐体13,14を開閉すると、細径同軸ケーブルハーネス20は、収容部30内で円滑にスライドの方向に伸縮される。
【0058】
そして、この基板付き細径同軸ケーブルハーネスを適用した携帯電話10においても、収容部30の幅狭部32の側部に、電子部品が実装可能な大きな実装スペースSが確保可能であるので、基板回路設計の自由度が増し、筐体13,14のさらなる小型化が実現可能である。一方、収容部30内での細径同軸電線ハーネス20の円滑な伸縮が可能であり、細径同軸電線の機械的信頼性も高い。
【0059】
なお、この第2実施形態では、筐体13,14を開いた際に、細径同軸ケーブルハーネス20の一端部21a側が配置された収容部30の幅広部31の一部が筐体13,14の重畳部分からはみ出す。したがって、筐体13の裏面側で、収容部30の幅広部31を塞ぐ蓋34を設けることにより、筐体13,14を開いた状態での細径同軸ケーブルハーネス20の露出を防止することができる。
【0060】
次に、筐体13,14を開くことにより細径同軸ケーブルハーネス20が収容部30内で伸ばされ、筐体13,14を閉じることにより細径同軸ケーブルハーネス20が収容部30の幅広部31で折りたたまれる第2実施形態の構造の変形例を説明する。
【0061】
図12に示すように、細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bは、それぞれ基板11,12のスライド方向の中央付近で接続されている。
また、収容部30は、筐体14側(下側の筐体)に形成されており、幅広部31が、図12中左側に配置され、基板11に接続された細径同軸ケーブルハーネス20の一端部21aが幅広部31側に配置されている。
【0062】
図12(a)は細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も離れた状態であり、図12(b)は両端部21a,21bが最も近接した状態である。
【0063】
つまり、この変形例では、細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体13,14を開くことにより筐体14内の収容部30内で伸ばされ、筐体13,14を閉じることにより筐体14内の収容部30の幅広部31で波形形状に折りたたまれる。したがって、この基板付き細径同軸ケーブルハーネスの場合も、筐体13,14を開閉すると、細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体14側の収容部30内で円滑にスライド方向に伸縮される。
【0064】
そして、この基板付き細径同軸ケーブルハーネスを適用した携帯電話10においても、収容部30の幅狭部32の側部に、電子部品が実装可能な大きな実装スペースSが確保可能であるので、基板回路設計の自由度が増し、筐体13,14のさらなる小型化が実現可能である。一方、収容部30内での細径同軸電線ハーネス20の円滑な伸縮が可能であり、細径同軸電線の機械的信頼性も高い。特に、この変形例によれば、筐体13,14を開いた状態においても、収容部30の全体が筐体13,14の重畳部分内に配置されるので、収容部30の露出を防止することができる。
【0065】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の細径同軸電線ハーネスについて説明する。
なお、上記の第1実施形態と同一構造部分は、同一符号を付して説明を省略する。
図13及び図14に示すように、第3実施形態の場合も、上下に重ねて配置され前後(図13及び図14の左右方向)に水平移動する二つの筐体13,14に設けられたそれぞれの基板11,12間が、複数本(20〜60本)の細径同軸ケーブルを含む細径同軸ケーブルハーネス20によって接続されている。
【0066】
図15に示すように、筐体13には、筐体14との対向面に、スライド方向に沿う溝部51が形成されており、この溝部51は、その一部(図15(a)における左側の一部)が収容部30の幅狭部32を構成する。
図16(a),(b)に示すように、筐体14には、筐体13との対向面側に、筐体13の溝部15内に摺動可能に挿入されるガイド部材52が設けられている。
また、図16(c)に示すように、筐体14には、筐体13との対向面に、収容部30を構成する幅広部31が形成されている。
【0067】
また、筐体14には、収容部30の中間部33の端部につながるテーパー形状のガイド面53が形成されている。また、ガイド部材52には、ガイド面53と平行なテーパー形状のスロープ面54が形成されている。
【0068】
そして、この第3実施形態では、筐体13の溝部51からなる幅狭部32と筐体14の幅広部31とから収容部30が構成されており、この収容部30内に細径同軸ケーブルハーネス20が収容されている。また、この収容部30内に収容された細径同軸ケーブルハーネス20は、幅狭部32の端部側に配置された端部21b側が、スライド方向に沿う直線部21cとされている。
【0069】
このような構造の第3実施形態では、筐体13,14を開くと、筐体13と筐体14とにわたって形成されている収容部30内で幅狭部32に沿って伸ばされていた細径同軸ケーブルハーネス20が、ガイド面53とスロープ面54とに案内されて筐体14側に設けられた幅広部31内へ送り込まれる。したがって、この細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体14の幅広部31内に波形形状に折りたたまれて収容される。また、筐体13,14を閉じると、筐体14の幅広部31内に収容されていた細径同軸ケーブルハーネス20がガイド面53とスロープ面54とに案内されて筐体13の溝部51の一部からなる収容部30の幅狭部32に引き出される。したがって、この細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体13と筐体14とにわたって形成された収容部30内に収容される。
【0070】
この第3実施形態に係る基板付き細径同軸ケーブルハーネスの場合も、筐体13,14を開閉すると、細径同軸ケーブルハーネス20は、収容部30内で円滑にスライド方向に伸縮される。
そして、この基板付き細径同軸ケーブルハーネスを適用した携帯電話10においても、収容部30の幅狭部32の側部に、電子部品が実装可能な大きな実装スペースSが確保可能であるので、基板回路設計の自由度が増し、筐体13,14のさらなる小型化が実現可能である。一方、収容部30内での細径同軸電線ハーネス20の円滑な伸縮が可能であり、細径同軸電線の機械的信頼性も高い。
【0071】
特に、収容部30を二つの筐体13,14に分割したことにより、筐体13,14同士を開いた状態における収容部30の露出を少なくすることができ、例えば、キー操作部などを容易に確保することができる。
なお、筐体13,14同士を開いた際に、細径同軸ケーブルハーネス20が筐体13の幅広部31に案内されるようにガイド部材52を設けたが、ガイド部材52を設けなくてもよい。
【実施例】
【0072】
幅広部31内に細径同軸ケーブルハーネス20を波形形状に折りたたんで収容する第1実施形態の本発明構造(図17参照)と、細径同軸ケーブルハーネス20をU字状に湾曲させて収容する従来構造(図18参照)とを比較した。いずれも細径同軸ケーブルハーネスの収容部は上側の筐体13にある。
その結果、本発明構造の収容部30では、幅広部31を必要とするもののスライド方向に沿う多くの部分を占める幅狭部32の幅寸法W1を、従来構造の長方形状の収容部60の幅寸法W2と比較して小さくすることができた。
具体的には、従来構造の収容部60の幅寸法W2が10mmであるのに対して、本発明構造の収容部30の幅狭部32の幅寸法W1が5mmであった。
【0073】
これは、従来構造の場合、細径同軸ケーブルハーネス20が収容部60内で常に屈曲されているため、収容部60の幅寸法W2が、細径同軸ケーブルハーネス20の2本分の直径と曲げ径とを合計した寸法以上の寸法を要するものとなっている。これに対して、本発明構造によれば、細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も離れた状態で、細径同軸ケーブルハーネス20がスライド方向に伸ばされるので、幅狭部32の幅寸法W1が細径同軸ケーブルハーネス20の1本分の直径よりも僅かに広い幅寸法に抑えられるためである。
このことから、本発明構造によれば、収容部30の幅狭部32の側部に大きな実装スペースSを確保することができ、これにより、この実装スペースSへの電子部品の実装が可能であることがわかった。
【0074】
スライドストロークを60mmとした場合、本発明の収容部は下記の寸法とすることができる。
全長 75mm
幅狭部32の幅 5mm
幅広部31の最大幅 20mm
幅狭部32の長さ 37mm
幅狭部32の長さは全長の約1/2とし、幅広部31は幅狭部32から徐々に幅が広がっていく。
U字状の配線とした場合は、収容部の長さは65mm、幅は10mmとできる。
上記の例で収容部の面積を比較すると、本発明の場合は670mm、U字状の場合は650mmとほぼ同等であった。ストロークが60mmより短いと、本発明の配線の方が収容部の面積を少なくすることができる。
【0075】
また、筐体13,14同士を開いた状態において、従来構造では、筐体13,14同士の重畳部分から外れた収容部60内に細径同軸ケーブルハーネス20がはみ出すため、収容部60を蓋で閉じなければ細径同軸ケーブルハーネス20が露出してしまう(図18(a)参照)。
【0076】
これに対して、本発明構造では、波形形状に折りたたまれた細径同軸ケーブルハーネス20が、筐体13,14同士の重畳部分に配置されるので、収容部30を蓋で塞がなくても細径同軸ケーブルハーネス20が露出されることがない(図17(a)参照)。
【符号の説明】
【0077】
11,12:基板、13,14:筐体、20:細径同軸ケーブルハーネス(細径同軸電線ハーネス)、23:編組スリーブ(可撓性スリーブ)、24:細径同軸ケーブル(細径同軸電線)、28:テープ、30:収容部、31:幅広部、32:幅狭部
【技術分野】
【0001】
本発明は、両端部が基板に接続された基板付き細径同軸電線ハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の細径同軸電線を備えた細径同軸電線ハーネスとして、相対移動する筐体間を接続するものが知られている。相対移動する筐体としては、例えば携帯電話があり、互いにスライド可能に重ねた二つの筐体で構成され、使用状況に応じて二つの筐体をスライドさせて長さを伸縮させるものがある。
【0003】
この種の携帯電話において、それぞれの筐体に設けられた基板同士を接続するハーネスを、全体としてU字状に湾曲した状態で収容させたもの(例えば、特許文献1参照)、あるいはS字状に湾曲した状態で収容させたもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−541569号公報
【特許文献2】特開2009−17377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ハーネスの収容部は、何れかの筐体に形成されるが、上記のようにU字状あるいはS字状に湾曲した状態で収容させる構造であると、収容部を筐体の幅方向に広く形成する必要が生じる。このため、収容部を形成する筐体側における電子部品の実装スペースに制約が生じてしまい、機器のさらなる小型化が困難であった。
【0006】
本発明の目的は、部品の実装スペースの自由度を増し、機器のさらなる小型化を図ることが可能な基板付き細径同軸電線ハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決することのできる本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスは、複数の細径同軸電線が束ねられてなる細径同軸電線ハーネスが、上下に重ねられてスライドする二つの筐体内に設けられた各基板に接続された基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
前記細径同軸電線ハーネスは、前記筐体の少なくとも一方に設けられた収容部に収容され、前記収容部は、前記スライド方向と直交する方向の幅が広い幅広部と、前記幅広部より幅の狭い幅狭部とを有し、
前記幅広部が設けられた前記筐体内の基板に前記細径同軸電線ハーネスの一端部が固定され、前記細径同軸電線ハーネスの他端部が他方の前記筐体内の基板に固定され、
前記細径同軸電線ハーネスは、少なくとも幅方向に二往復するように波形に配線され、前記幅広部に前記細径同軸電線ハーネスが波形の形状で収容可能であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスにおいて、前記収容部は、一方の筐体に設けられていることが好ましい。
【0009】
また、本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスにおいて、前記収容部は、一方の筐体に設けられた幅狭部と他方の筐体に設けられた幅広部とから構成されていることが好ましい。
【0010】
また、本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスにおいて、前記筐体同士の重畳部分が最も小さい状態で、前記細径同軸電線ハーネスの略全長が前記収容部の前記幅広部に収容されることが好ましい。
または、本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスにおいて、前記筐体同士の重畳部分が最も大きい状態で、前記細径同軸電線ハーネスの略全長が前記収容部の前記幅広部に収容されることが好ましい。
【0011】
また、本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスにおいて、複数の前記細径同軸電線は、可撓性スリーブを被せることによって束ねられていることが好ましい。
【0012】
また、本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスにおいて、複数の前記細径同軸電線は、所定位置を除いた部分をテープ巻きすることにより、テープ巻きされていない箇所で屈曲して波形形状となることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の基板付き細径同軸電線ハーネスによれば、細径同軸電線が波形の形状で収容可能な幅広部と、この幅広部より幅の狭い幅狭部とを有する収容部内に、ハーネスを波形に収容することで、幅狭部の幅寸法を小さくすることができる。このように細径同軸電線ハーネスを収容した筐体では、収容部の幅狭部の側部に、電子部品が実装可能な大きな実装スペースが確保可能とされる。これにより、基板回路設計の自由度が増し、ひいては筐体のさらなる小型化が実現可能である。一方、収容部内での細径同軸電線ハーネスの円滑な伸縮が可能であり、細径同軸電線の機械的信頼性も高い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)は本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスに係る第1実施形態の例を示す筐体同士を開いた状態の平面図、(b)はその側面図である。
【図2】(a)は本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスに係る第1実施形態の例を示す筐体同士を閉じた状態の平面図、(b)はその側面図である。
【図3】(a)は本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスを適用した携帯電話の筐体同士を開いた状態を示す斜視図、(b)は携帯電話の筐体同士を閉じた状態を示す斜視図である。
【図4】細径同軸ケーブルハーネスの端部にコネクタを装着した状態を示す平面図である。
【図5】(a)〜(e)は収容部内における細径同軸ケーブルハーネスの収容状態を示す概略平面図である。
【図6】(a)は細径同軸ケーブルハーネスを基板の片面に直付けした状態の例を示す側面図、(b)は細径同軸ケーブルハーネスを基板の両面に直付けした状態の例を示す側面図である。
【図7】基板付き細径同軸ケーブルハーネスの変形例を示す筐体同士を開いた状態の平面図である。
【図8】基板付き細径同軸ケーブルハーネスの変形例を示す筐体同士を開いた状態の平面図である。
【図9】基板付き細径同軸ケーブルハーネスの変形例を示す筐体同士を開いた状態の平面図である。
【図10】(a)は基板付き細径同軸ケーブルハーネスの変形例を示す筐体同士を開いた状態の平面図、(b)は筐体同士を閉じた状態の平面図である。
【図11】(a)は本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスに係る第2実施形態の例を示す筐体同士を開いた状態の平面図、(b)は筐体同士を閉じた状態の平面図である。
【図12】(a)は第2実施形態の基板付き細径同軸ケーブルハーネスの変形例を示す筐体同士を開いた状態の平面図、(b)は筐体同士を閉じた状態の平面図である。
【図13】(a)は本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスに係る第3実施形態の例を示す筐体同士を開いた状態の平面図、(b)はその側面図である。
【図14】(a)は本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスに係る第3実施形態の例を示す筐体同士を閉じた状態の平面図、(b)はその側面図である。
【図15】(a)は第3実施形態に用いられる一方の筐体を示す平面図、(b)は横断面図である。
【図16】(a)は第3実施形態に用いられる他方の筐体を示す平面図、(b)は断面図、(c)はガイド部材を取り外した状態の筐体の平面図である。
【図17】(a)は本発明構造の基板付き細径同軸ケーブルハーネスを示す筐体同士を開いた状態の平面図、(b)は筐体同士を閉じた状態の平面図である。
【図18】(a)は従来構造の基板付き細径同軸ケーブルハーネスを示す筐体同士を開いた状態の平面図、(b)は筐体同士を閉じた状態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る基板付き細径同軸電線ハーネスの実施形態の例を、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の細径同軸電線ハーネスについて説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態では、上下に重ねて配置され前後(図1,図2の左右方向)に水平移動する二つの基板11,12間が、複数本(20〜60本)の後述する細径同軸ケーブル(細径同軸電線)24を含む細径同軸ケーブルハーネス(細径同軸電線ハーネス)20によって接続されている。
【0017】
基板11,12は、例えば、図3に示すような携帯電話10などの機器の相対的にスライドする筐体13,14内にそれぞれ組み込まれている。この携帯電話10では、一方の筐体13にディスプレイが設けられ、他方の筐体14にキー操作部が設けられている。
【0018】
図1は、筐体13,14が直線状にスライドする場合に細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も近接した状態であり、図2は両端部21a,21bが最も離れた状態である。基板11,12の水平移動距離、即ち、筐体13,14同士のスライドストロークLは、例えば30mmから80mm程度である。なお、本実施形態では、スライドストロークLが60mmとされている。
【0019】
図4に示すように、細径同軸ケーブルハーネス20の両方の端末は、コネクタ25を取り付けて成端処理することで、基板11,12との接続を容易としている。そして、細径同軸ケーブルハーネス20は、両端部21a,21bを除いて編組スリーブ(可撓性スリーブ)23により複数の細径同軸ケーブル24が束ねられている。なお、この図4及び図1等では、コネクタ25の長手方向が筐体13,14のスライド方向に沿った向きに配置されているが、この向き以外でも構わない。例えば、コネクタ25の長手方向が筐体13,14のスライド方向に直交する向きに配置されていてもよい。
【0020】
細径同軸ケーブル24は、中心軸に直交する径方向の断面において、中心から外側に向かって、中心導体、内部絶縁体、外部導体、外被を有する構成であり、それぞれの端部21a,21bでは端末処理が施されて、外部導体、内部絶縁体、中心導体が段階的に所定長さずつ露出している。また、細径同軸ケーブルハーネス20には、複数本の細径同軸ケーブルの他に、外部導体のない細径絶縁ケーブルが含まれていても良い。なお、図面では細径同軸ケーブル24の本数を少なく示して簡略化している。
【0021】
細径同軸ケーブル24としては、例えばAWG(American Wire Gauge)の規格によるAWG42よりも細い極細同軸ケーブルを用いるのが望ましい。これにより、細径同軸ケーブルハーネス20は曲がり易く、両基板11,12がスライドするときの抵抗を小さくすることができる。また、複数本の細径同軸ケーブル24を束ねて細径同軸ケーブルハーネス20を形成したときに、細径同軸ケーブルハーネス20の径を小さくすることができ、収容部の高さを低くして機器の薄型化を図ることができる。
【0022】
細径同軸ケーブルハーネス20は、20本から60本程度の細径同軸ケーブル24を含むものである。細径同軸ケーブル24がAWG46の細さである場合には、断面が円に近い形状の束として40本の細径同軸ケーブルハーネス20を形成すると、編組スリーブ23の厚さを含めた外径(厚さ)は1.7mm以下であり、1.7mmの高さ(厚さ)の収容部に配線することが可能である。
【0023】
細径同軸ケーブルハーネス20は、複数本の細径同軸ケーブル24を編組スリーブ23内に通すことで束ねて形成されており、編組スリーブ23によって複数本の細径同軸ケーブル24を覆うことにより、基板11,12等の壁面と摺動した際の摩擦に対する細径同軸ケーブルハーネス20の耐久性が向上する。また、細径同軸ケーブルハーネス20は、編組スリーブ23の内側の空間の断面積を細径同軸ケーブル24の断面積の和よりも大きくして、緩く細径同軸ケーブル24を束ねている。このため、筐体13,14がスライドして細径同軸ケーブルハーネス20が変形する場合に細径同軸ケーブル24が編組スリーブ23の中で並び変わるなど動きやすい。
【0024】
本実施形態の編組スリーブ23は、ポリマー繊維を編組して筒状に形成したものである。ポリマー繊維として、溶融液晶性ポリマーと屈曲性ポリマーからなるモノフィラメントハイブリッド繊維を用いることが好ましい。このモノフィラメントハイブリッド繊維は、溶融液晶性ポリマーからなる芯成分と、屈曲性ポリマーを含む鞘成分により構成されている。
【0025】
一方の筐体13には、細径同軸ケーブルハーネス20が収容可能な収容部30が形成されている。この収容部30は、筐体13,14同士のスライド方向と直交する方向の幅が広い幅広部31と、この幅広部31より幅の狭い幅狭部32とを有し、幅広部31と幅狭部32との間は、スライド方向の位置により徐々に幅が変化する形状とされている。幅広部31から幅狭部32にかけての領域は、一側面が曲面31a,33aを有しており、幅広部31の曲面31aは、外側に凸状に湾曲され、曲面33aは、内側に凸状に湾曲されている。そして、この筐体13内における幅狭部32の側部には、電子部品が実装可能な大きな実装スペースSが確保可能である。
【0026】
この収容部30は、筐体13における筐体14との対向面に溝を形成することにより設けられている。なお、この収容部30は、筐体13における筐体14との対向面にガイド壁を形成することにより設けても良い。
【0027】
収容部30が設けられた筐体13内の基板11に細径同軸ケーブルハーネス20の一端部21aが固定され、細径同軸ケーブルハーネス20の他端部21bが他方の筐体14内の基板12に固定されている。この細径同軸ケーブルハーネス20は、その他端部21b側が、他方の筐体14の一方の筐体13との対向面に形成された孔部(図示省略)に通されている。
【0028】
また、筐体13の裏面側には、少なくとも筐体13,14を開いた状態で筐体13,14同士が重なる重畳部分を除く箇所に、収容部30を塞ぐ蓋34が設けられており、これにより、筐体13,14を開いた状態で収容部30の露出が防止される。なお、この蓋34には、筐体14側から引き出した細径同軸ケーブルハーネス20が挿通されるスリット35が、筐体13,14の互いのスライド方向に沿って形成されている。蓋34がなくて収容部30が露出していてもよい。
【0029】
細径同軸ケーブルハーネス20は、両端部21a,21bが、収容部30の直線状に形成された側部30a側に配置されており、幅方向に二往復する(M字状またはW字状になる)ように波形形状に配線されている。これにより、筐体13,14をスライドさせて開いた状態で、幅広部31に細径同軸ケーブル20が、図1および図2の(a)における曲面31a側にある屈曲部41,43、及び屈曲部41,43の間で側部30a側にある屈曲部42が形成された波形の形状で収容されるようになっている。
【0030】
収容部30の全長Gは、筐体13,14を開くことにより細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も近づいた状態(図1の状態)でのこれら両端部21a,21bの間隔L1とスライドストロークLとの合計よりも多少長くされている。
【0031】
また、収容部30の幅狭部32の幅寸法Wは、筐体13,14を閉じた状態(図2の状態)において最小でも細径同軸ケーブルハーネス20の1本分の直径よりも僅かに広い幅寸法とされる。これにより幅狭部32では細径同軸ケーブルハーネス20がほぼ直線状に配線される。幅狭部32の幅が細径同軸ケーブルハーネス20の径の数倍ある場合は細径同軸ケーブルハーネス20の波形形状が緩やかに維持される。
また、収容部30の幅広部31は、筐体13,14を開くことにより細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も近づいた状態(図1の状態)で、波形形状の細径同軸ケーブルハーネス20が十分に収まる幅寸法とされている。
【0032】
細径同軸ケーブルハーネス20の長さは、細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も近づいた状態(図1参照)で両端部21a,21bの間隔L1とスライドストロークLの合計よりも長くされており、筐体13,14を閉じた状態(図2の状態)においても、多少波形の形状が維持される。
【0033】
この細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体13,14を開いて波形形状で収容された状態(図1の状態)で、屈曲部41〜43を頂点とする山の高さ寸法が、一端部21a側の方で長くされている。また、この細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体13,14を開いた状態(図1の状態)で、容易に波形形状となるように、予め曲げ癖が付けられている。
【0034】
なお、細径同軸ケーブルハーネス20の一端部21aは、収容部30の直線状の側部30aと反対側に配置しても良い。この場合、細径同軸ケーブルハーネス20は、屈曲箇所が偶数個となる。
【0035】
次に、筐体13,14の伸縮に伴う細径同軸ケーブルハーネス20の動きについて説明する。
筐体13,14同士を閉じた状態(図2の状態)から、筐体13,14を徐々に開くと、図5(a)に示すように、細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが近づくことにより、各屈曲部41〜43の曲率半径が小さくなり、それぞれの屈曲部41〜43が収容部30の側面に摺動する。
【0036】
さらに筐体13,14を開くことにより、図5(b)に示すように、屈曲部41が幅広部31内に入ると、屈曲部42,43が収容部30の側面からの反力を受け、屈曲部41を頂点とした山の高さ(屈曲部41と隣の屈曲部42との幅方向の距離)hが徐々に大きくなるように変形する。
【0037】
さらに筐体13,14を開くと、屈曲部43も幅広部31内に入り、細径同軸ケーブルハーネス20が波形に折りたたまれた状態で幅広部31に収容される(図1参照)。
【0038】
このとき、波形に折りたたまれた細径同軸ケーブルハーネス20は、図1に示すように、筐体13,14との重畳部分に配置されるので、例え筐体13の裏面に蓋34を設けず、収容部30が露出される構造であったとしても、露出された筐体13の裏面側の収容部30で細径同軸ケーブルハーネス20が露出されることがない。
【0039】
筐体13,14同士を開いた状態(図1の状態)から、筐体13,14を徐々に閉じると、図5(c)に示すように、細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが離れることにより、屈曲部43が移動し、収容部30の側面である曲面33aに当接して摺動する。これにより、細径同軸ケーブルハーネス20は、幅広部31側へ向かう反力を受けるため、屈曲部41はそのままの状態を維持する。
【0040】
さらに筐体13,14を閉じると、図5(d)に示すように、屈曲部43が幅狭部32へ入り込むとともに、屈曲部42が移動され、それぞれの屈曲部41〜43の曲率半径が大きくなる。
【0041】
さらに筐体13,14を閉じると、図5(e)に示すように、屈曲部42,43が幅狭部32へ入り込むとともに、屈曲部41も移動し、屈曲部41を頂点とした山の高さが低くされる。
【0042】
そして、筐体13,14を完全に閉じると、細径同軸ケーブルハーネス20は、幅狭部32に沿って緩やかな波形形状に引き伸ばされる(図2の状態)。
このように、筐体13,14を開閉すると、細径同軸ケーブルハーネス20は、収容部30内で、円滑にスライドの方向に伸縮される。
【0043】
そして、第1実施形態に係る基板付き細径同軸ケーブルハーネスによれば、細径同軸ケーブルハーネス20が波形形状で収容可能な幅広部31と、この幅広部31より幅の狭い幅狭部32とを有する収容部30を設けたので、幅狭部32の幅寸法Wを小さくすることができる。このような収容部30に細径同軸電線ハーネス20を収容した筐体13,14では、細径同軸ケーブルハーネス20をU字状に収容する構造と比較すると、U字状に収容した場合、細径同軸ケーブルハーネス20の2本分の直径と曲げ径とを合計した寸法以上の幅寸法を要するのに対して、幅狭部32の幅寸法Wを細径同軸ケーブルハーネス20の1本分の直径よりも僅かに広い幅寸法に抑えることができる。
【0044】
これにより、収容部30の幅狭部32の側部に、電子部品が実装可能な大きな実装スペースSを確保することができ、この基板付き細径同軸ケーブルハーネスを用いた携帯電話10においては、基板回路設計の自由度が増し、筐体13,14のさらなる小型化が実現可能である。一方、収容部30内での細径同軸電線ハーネス20の円滑な伸縮が可能であり、細径同軸電線の機械的信頼性も高い。
【0045】
なお、上記の構造の基板付き細径同軸ケーブルハーネスでは、筐体13,14を1秒に0.5回の往復移動速度で20万回往復移動させる耐久試験を行っても電気的断線を生じることがなかった。
【0046】
上記の基板付き細径同軸ケーブルハーネスでは、両端部21a,21bにコネクタ25を取り付けて成端処理した場合について説明したが、図6に示すように、細径同軸ケーブルハーネス20の細径同軸ケーブル24を基板11,12に直付けして成端処理することも可能である。細径同軸ケーブル24を基板11,12に直付けする場合には、並列させた細径同軸ケーブル24の端末を基板11,12に対してフィルムなどで仮止めし、細径同軸ケーブル24の端末の中心導体を基板11,12の接続端子に半田付けで接続すればよい。
【0047】
また、外部導体にグランドバー26を接続し、その反対側から別のグランドバー27または押さえ部材27を配置して、各細径同軸ケーブル24を挟むことでも、ピッチを固定できる。基板11,12の片面に直付けすることもでき(図6(a)参照)、基板11,12の端部に直付けする場合は両面に直付けすることもできる(図6(b)参照)。上の基板11に接続するときは、その下面に、下の基板12に接続するときはその上面に付ける。直付けに限らずコネクタ等で基板11,12に接続するときも基板11,12の両面に接続することができる。
【0048】
また、細径同軸ケーブルハーネス20の端を、コネクタ25の替わりに、例えば、金属箔等の配線パターンを有するフレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)や硬質基板などの中継基板に接続し、この中継基板を、基板11,12に設けたレセプタクルに接続することもできる。また、本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスには、前述のように外部導体を有さない絶縁電線を適宜混在させることができる。絶縁電線をグランド線として使用することや、絶縁電線を給電線として使用することができる。
【0049】
また、本発明の基板付き細径同軸ケーブルハーネスは、上記の構造に限定されるものではなく、適宜変形、改良等が可能である。
図7に示すものは、幅広部31の形状として、スライド方向に沿って見て端から幅狭部32へ向かって一旦幅が広くなり、その後、幅が狭くなるような曲面31aを有するものである。この場合、細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体13,14を開いた状態での屈曲部41〜43を頂点とした山の高さ(屈曲部間の幅方向の距離)寸法hが、他端部21b側の方で大きくされている。
【0050】
図8に示すものは、細径同軸ケーブルハーネス20の形状を、5つの屈曲部41〜45を有する波形形状としたものである。この場合、各屈曲部41〜45を頂点とした山の高さを低くすることができ、よって、収容部30の幅広部31における幅寸法を小さくすることができる。
【0051】
図9に示すものは、細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bに、スライド方向に沿う直線部21cを設けたものである。この場合、細径同軸ケーブルハーネス20を基板に取り付け易い。
【0052】
なお、上記の例では、複数本の細径同軸ケーブル24を、全長にわたって編組スリーブ23によって束ねた細径同軸ケーブルハーネス20を用いたが、図10に示すように、テープ28を巻きつけることにより、複数本の細径同軸ケーブル24を束ねても良い。この場合、筐体13,14の開閉に伴って屈曲させる屈曲部41〜43となる個所および両端を除いた部分をテープ28によって束ねる。即ち、所定位置を除いてテープ28によって細径同軸ケーブル24を束ねることにより、屈曲位置を特定することができる。
【0053】
このようにすると、細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体13,14の開閉に伴い、テープ28を除いた部分からなる屈曲部41〜43で円滑に屈曲される。これにより、筐体13,14同士を開いた状態(図10(a)の状態)では、細径同軸ケーブルハーネス20が波形形状に折りたたまれて幅広部31に収容され、筐体13,14同士を閉じた状態(図10(b)の状態)では、細径同軸ケーブルハーネス20が収容部30内で伸ばされる。
【0054】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の細径同軸電線ハーネスについて説明する。
なお、上記の第1実施形態と同一構造部分は、同一符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、第2実施形態の場合も、上下に重ねて配置され前後(図11の左右方向)に水平移動する二つの筐体13,14に設けられたそれぞれの基板11,12間が、複数本(20〜60本)の細径同軸ケーブル24を含む細径同軸ケーブルハーネス20によって接続されている。細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bは、それぞれ基板11,12のスライド方向の中央付近で接続されている。
【0055】
また、収容部30は、筐体13(上側の筐体)に形成されている。幅広部31が図11中右側に配置されており、基板11に接続された細径同軸ケーブルハーネス20の一端部21aが幅広部31側に配置されている。
【0056】
図11(a)は細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も離れた状態であり、図11(b)は両端部21a,21bが最も近接した状態である。
この第2実施形態では、細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体13,14を開くことにより収容部30内で伸ばされ、筐体13,14を閉じることにより収容部30の幅広部31で波形形状に折りたたまれる。
【0057】
したがって、この第2実施形態に係る基板付き細径同軸ケーブルハーネスの場合も、筐体13,14を開閉すると、細径同軸ケーブルハーネス20は、収容部30内で円滑にスライドの方向に伸縮される。
【0058】
そして、この基板付き細径同軸ケーブルハーネスを適用した携帯電話10においても、収容部30の幅狭部32の側部に、電子部品が実装可能な大きな実装スペースSが確保可能であるので、基板回路設計の自由度が増し、筐体13,14のさらなる小型化が実現可能である。一方、収容部30内での細径同軸電線ハーネス20の円滑な伸縮が可能であり、細径同軸電線の機械的信頼性も高い。
【0059】
なお、この第2実施形態では、筐体13,14を開いた際に、細径同軸ケーブルハーネス20の一端部21a側が配置された収容部30の幅広部31の一部が筐体13,14の重畳部分からはみ出す。したがって、筐体13の裏面側で、収容部30の幅広部31を塞ぐ蓋34を設けることにより、筐体13,14を開いた状態での細径同軸ケーブルハーネス20の露出を防止することができる。
【0060】
次に、筐体13,14を開くことにより細径同軸ケーブルハーネス20が収容部30内で伸ばされ、筐体13,14を閉じることにより細径同軸ケーブルハーネス20が収容部30の幅広部31で折りたたまれる第2実施形態の構造の変形例を説明する。
【0061】
図12に示すように、細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bは、それぞれ基板11,12のスライド方向の中央付近で接続されている。
また、収容部30は、筐体14側(下側の筐体)に形成されており、幅広部31が、図12中左側に配置され、基板11に接続された細径同軸ケーブルハーネス20の一端部21aが幅広部31側に配置されている。
【0062】
図12(a)は細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も離れた状態であり、図12(b)は両端部21a,21bが最も近接した状態である。
【0063】
つまり、この変形例では、細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体13,14を開くことにより筐体14内の収容部30内で伸ばされ、筐体13,14を閉じることにより筐体14内の収容部30の幅広部31で波形形状に折りたたまれる。したがって、この基板付き細径同軸ケーブルハーネスの場合も、筐体13,14を開閉すると、細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体14側の収容部30内で円滑にスライド方向に伸縮される。
【0064】
そして、この基板付き細径同軸ケーブルハーネスを適用した携帯電話10においても、収容部30の幅狭部32の側部に、電子部品が実装可能な大きな実装スペースSが確保可能であるので、基板回路設計の自由度が増し、筐体13,14のさらなる小型化が実現可能である。一方、収容部30内での細径同軸電線ハーネス20の円滑な伸縮が可能であり、細径同軸電線の機械的信頼性も高い。特に、この変形例によれば、筐体13,14を開いた状態においても、収容部30の全体が筐体13,14の重畳部分内に配置されるので、収容部30の露出を防止することができる。
【0065】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の細径同軸電線ハーネスについて説明する。
なお、上記の第1実施形態と同一構造部分は、同一符号を付して説明を省略する。
図13及び図14に示すように、第3実施形態の場合も、上下に重ねて配置され前後(図13及び図14の左右方向)に水平移動する二つの筐体13,14に設けられたそれぞれの基板11,12間が、複数本(20〜60本)の細径同軸ケーブルを含む細径同軸ケーブルハーネス20によって接続されている。
【0066】
図15に示すように、筐体13には、筐体14との対向面に、スライド方向に沿う溝部51が形成されており、この溝部51は、その一部(図15(a)における左側の一部)が収容部30の幅狭部32を構成する。
図16(a),(b)に示すように、筐体14には、筐体13との対向面側に、筐体13の溝部15内に摺動可能に挿入されるガイド部材52が設けられている。
また、図16(c)に示すように、筐体14には、筐体13との対向面に、収容部30を構成する幅広部31が形成されている。
【0067】
また、筐体14には、収容部30の中間部33の端部につながるテーパー形状のガイド面53が形成されている。また、ガイド部材52には、ガイド面53と平行なテーパー形状のスロープ面54が形成されている。
【0068】
そして、この第3実施形態では、筐体13の溝部51からなる幅狭部32と筐体14の幅広部31とから収容部30が構成されており、この収容部30内に細径同軸ケーブルハーネス20が収容されている。また、この収容部30内に収容された細径同軸ケーブルハーネス20は、幅狭部32の端部側に配置された端部21b側が、スライド方向に沿う直線部21cとされている。
【0069】
このような構造の第3実施形態では、筐体13,14を開くと、筐体13と筐体14とにわたって形成されている収容部30内で幅狭部32に沿って伸ばされていた細径同軸ケーブルハーネス20が、ガイド面53とスロープ面54とに案内されて筐体14側に設けられた幅広部31内へ送り込まれる。したがって、この細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体14の幅広部31内に波形形状に折りたたまれて収容される。また、筐体13,14を閉じると、筐体14の幅広部31内に収容されていた細径同軸ケーブルハーネス20がガイド面53とスロープ面54とに案内されて筐体13の溝部51の一部からなる収容部30の幅狭部32に引き出される。したがって、この細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体13と筐体14とにわたって形成された収容部30内に収容される。
【0070】
この第3実施形態に係る基板付き細径同軸ケーブルハーネスの場合も、筐体13,14を開閉すると、細径同軸ケーブルハーネス20は、収容部30内で円滑にスライド方向に伸縮される。
そして、この基板付き細径同軸ケーブルハーネスを適用した携帯電話10においても、収容部30の幅狭部32の側部に、電子部品が実装可能な大きな実装スペースSが確保可能であるので、基板回路設計の自由度が増し、筐体13,14のさらなる小型化が実現可能である。一方、収容部30内での細径同軸電線ハーネス20の円滑な伸縮が可能であり、細径同軸電線の機械的信頼性も高い。
【0071】
特に、収容部30を二つの筐体13,14に分割したことにより、筐体13,14同士を開いた状態における収容部30の露出を少なくすることができ、例えば、キー操作部などを容易に確保することができる。
なお、筐体13,14同士を開いた際に、細径同軸ケーブルハーネス20が筐体13の幅広部31に案内されるようにガイド部材52を設けたが、ガイド部材52を設けなくてもよい。
【実施例】
【0072】
幅広部31内に細径同軸ケーブルハーネス20を波形形状に折りたたんで収容する第1実施形態の本発明構造(図17参照)と、細径同軸ケーブルハーネス20をU字状に湾曲させて収容する従来構造(図18参照)とを比較した。いずれも細径同軸ケーブルハーネスの収容部は上側の筐体13にある。
その結果、本発明構造の収容部30では、幅広部31を必要とするもののスライド方向に沿う多くの部分を占める幅狭部32の幅寸法W1を、従来構造の長方形状の収容部60の幅寸法W2と比較して小さくすることができた。
具体的には、従来構造の収容部60の幅寸法W2が10mmであるのに対して、本発明構造の収容部30の幅狭部32の幅寸法W1が5mmであった。
【0073】
これは、従来構造の場合、細径同軸ケーブルハーネス20が収容部60内で常に屈曲されているため、収容部60の幅寸法W2が、細径同軸ケーブルハーネス20の2本分の直径と曲げ径とを合計した寸法以上の寸法を要するものとなっている。これに対して、本発明構造によれば、細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も離れた状態で、細径同軸ケーブルハーネス20がスライド方向に伸ばされるので、幅狭部32の幅寸法W1が細径同軸ケーブルハーネス20の1本分の直径よりも僅かに広い幅寸法に抑えられるためである。
このことから、本発明構造によれば、収容部30の幅狭部32の側部に大きな実装スペースSを確保することができ、これにより、この実装スペースSへの電子部品の実装が可能であることがわかった。
【0074】
スライドストロークを60mmとした場合、本発明の収容部は下記の寸法とすることができる。
全長 75mm
幅狭部32の幅 5mm
幅広部31の最大幅 20mm
幅狭部32の長さ 37mm
幅狭部32の長さは全長の約1/2とし、幅広部31は幅狭部32から徐々に幅が広がっていく。
U字状の配線とした場合は、収容部の長さは65mm、幅は10mmとできる。
上記の例で収容部の面積を比較すると、本発明の場合は670mm、U字状の場合は650mmとほぼ同等であった。ストロークが60mmより短いと、本発明の配線の方が収容部の面積を少なくすることができる。
【0075】
また、筐体13,14同士を開いた状態において、従来構造では、筐体13,14同士の重畳部分から外れた収容部60内に細径同軸ケーブルハーネス20がはみ出すため、収容部60を蓋で閉じなければ細径同軸ケーブルハーネス20が露出してしまう(図18(a)参照)。
【0076】
これに対して、本発明構造では、波形形状に折りたたまれた細径同軸ケーブルハーネス20が、筐体13,14同士の重畳部分に配置されるので、収容部30を蓋で塞がなくても細径同軸ケーブルハーネス20が露出されることがない(図17(a)参照)。
【符号の説明】
【0077】
11,12:基板、13,14:筐体、20:細径同軸ケーブルハーネス(細径同軸電線ハーネス)、23:編組スリーブ(可撓性スリーブ)、24:細径同軸ケーブル(細径同軸電線)、28:テープ、30:収容部、31:幅広部、32:幅狭部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の細径同軸電線が束ねられてなる細径同軸電線ハーネスが、上下に重ねられてスライドする二つの筐体内に設けられた各基板に接続された基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
前記細径同軸電線ハーネスは、前記筐体の少なくとも一方に設けられた収容部に収容され、前記収容部は、前記スライド方向と直交する方向の幅が広い幅広部と、前記幅広部より幅の狭い幅狭部とを有し、
前記幅広部が設けられた前記筐体内の基板に前記細径同軸電線ハーネスの一端部が固定され、前記細径同軸電線ハーネスの他端部が他方の前記筐体内の基板に固定され、
前記細径同軸電線ハーネスは、少なくとも幅方向に二往復するように波形に配線され、前記幅広部に前記細径同軸電線ハーネスが波形の形状で収容可能であることを特徴とする基板付き細径同軸電線ハーネス。
【請求項2】
請求項1に記載の基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
前記収容部は、一方の筐体に設けられていることを特徴とする基板付き細径同軸電線ハーネス。
【請求項3】
請求項1に記載の基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
前記収容部は、一方の筐体に設けられた幅狭部と他方の筐体に設けられた幅広部とから構成されていることを特徴とする基板付き細径同軸電線ハーネス。
【請求項4】
請求項2に記載の基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
前記筐体同士の重畳部分が最も小さい状態で、前記細径同軸電線ハーネスの略全長が前記収容部の前記幅広部に収容されることを特徴とする基板付き細径同軸電線ハーネス。
【請求項5】
請求項2に記載の基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
前記筐体同士の重畳部分が最も大きい状態で、前記細径同軸電線ハーネスの略全長が前記収容部の前記幅広部に収容されることを特徴とする基板付き細径同軸電線ハーネス。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
複数の前記細径同軸電線は、可撓性スリーブを被せることによって束ねられていることを特徴とする基板付き細径同軸電線ハーネス。
【請求項7】
請求項1から5の何れか一項に記載の基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
複数の前記細径同軸電線は、所定位置を除いた部分をテープ巻きすることにより、テープ巻きされていない箇所で屈曲して波形形状となることを特徴とする基板付き細径同軸電線ハーネス。
【請求項1】
複数の細径同軸電線が束ねられてなる細径同軸電線ハーネスが、上下に重ねられてスライドする二つの筐体内に設けられた各基板に接続された基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
前記細径同軸電線ハーネスは、前記筐体の少なくとも一方に設けられた収容部に収容され、前記収容部は、前記スライド方向と直交する方向の幅が広い幅広部と、前記幅広部より幅の狭い幅狭部とを有し、
前記幅広部が設けられた前記筐体内の基板に前記細径同軸電線ハーネスの一端部が固定され、前記細径同軸電線ハーネスの他端部が他方の前記筐体内の基板に固定され、
前記細径同軸電線ハーネスは、少なくとも幅方向に二往復するように波形に配線され、前記幅広部に前記細径同軸電線ハーネスが波形の形状で収容可能であることを特徴とする基板付き細径同軸電線ハーネス。
【請求項2】
請求項1に記載の基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
前記収容部は、一方の筐体に設けられていることを特徴とする基板付き細径同軸電線ハーネス。
【請求項3】
請求項1に記載の基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
前記収容部は、一方の筐体に設けられた幅狭部と他方の筐体に設けられた幅広部とから構成されていることを特徴とする基板付き細径同軸電線ハーネス。
【請求項4】
請求項2に記載の基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
前記筐体同士の重畳部分が最も小さい状態で、前記細径同軸電線ハーネスの略全長が前記収容部の前記幅広部に収容されることを特徴とする基板付き細径同軸電線ハーネス。
【請求項5】
請求項2に記載の基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
前記筐体同士の重畳部分が最も大きい状態で、前記細径同軸電線ハーネスの略全長が前記収容部の前記幅広部に収容されることを特徴とする基板付き細径同軸電線ハーネス。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
複数の前記細径同軸電線は、可撓性スリーブを被せることによって束ねられていることを特徴とする基板付き細径同軸電線ハーネス。
【請求項7】
請求項1から5の何れか一項に記載の基板付き細径同軸電線ハーネスであって、
複数の前記細径同軸電線は、所定位置を除いた部分をテープ巻きすることにより、テープ巻きされていない箇所で屈曲して波形形状となることを特徴とする基板付き細径同軸電線ハーネス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−44843(P2011−44843A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190801(P2009−190801)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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