説明

基板処理装置および基板処理方法ならびにコンピュータ読取可能な記憶媒体

【課題】 基板を洗浄、乾燥する際のウォーターマークの発生と当該基板に設けられたパターンの倒れの発生を抑制する基板処理装置および基板処理方法を提供する。
【解決手段】 基板処理装置1は、貯留された純水にウエハWを浸漬して処理する液処理槽6(内槽30)と、ウエハWを乾燥させるチャンバ5と、液処理槽6とチャンバ5との間でウエハWを搬送するためのウエハガイド4と、水蒸気とIPA蒸気をチャンバ5に供給する流体ノズル71と、内槽30に貯留された純水中に浸されたウエハWをチャンバ5に向けて引き上げる前にチャンバ5内に水蒸気を供給し、ウエハWを引き上げてチャンバ5に収容したら、水蒸気の供給を停止してIPA蒸気の供給を開始する制御部99を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体ウエハ等の基板を洗浄、乾燥するための基板処理装置および基板処理方法、ならびに基板処理方法を実行するために基板処理装置の制御に用いられるコンピュータ読取可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程においては、半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)を洗浄する種々の洗浄装置が用いられている。例えば、希釈フッ酸(DHF)等の薬液を貯留した処理槽にウエハを浸漬して処理した後、純水を貯留した処理槽にウエハを浸漬させてリンス処理し、その後に処理槽から引き上げたウエハにイソプロピルアルコール(IPA)の蒸気を供給してウエハを乾燥するという処理方法が知られている。
【0003】
この基板乾燥方法ではIPA蒸気がウエハの表面で結露することによりウエハの温度が上昇し、これによりウエハに付着したIPAはその後に揮発するが、このとき、ウエハに付着している純水が十分にIPAに置換されなかった部分があると、純水の蒸発に起因してウォーターマークが発生してしまう。
【0004】
そこで、このウォーターマークの発生を抑制するために、水槽に純水を貯留し、その水面から上の所定範囲に水蒸気の層を形成し、さらにこの水蒸気の層の上にIPA蒸気の層を形成することができる装置を用い、純水に浸漬されたウエハをIPA蒸気の層に向けて引き上げるウエハ処理方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、近時、ウエハに形成される回路パターンの細線化が進んでおり、その回路パターンを構成する凸部の強度が小さくなっているために、このような凸部を有する回路パターンが形成されているウエハを前記ウエハ処理方法により処理した場合には、水蒸気層とIPA蒸気層との境界近傍に位置した凸部では、その上側はIPA蒸気による乾燥が始まっているが、その下側には水蒸気による水膜が残された状態となる。そのため、その凸部に掛かる表面張力の大きさが水蒸気層とIPA蒸気層との境界の上下で異なるものとなり、凸部が倒れてしまうという不都合が生じるおそれがある。
【特許文献1】特開平11−176798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、基板の液処理から乾燥処理への移行時における基板に設けられたパターンの倒れの発生を抑制し、かつ、ウォーターマークの発生を抑制することができる基板処理装置および基板処理方法ならびに当該基板処理方法を基板処理装置に実行させるためのコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点では、貯留された純水に基板を浸漬して処理する液処理部と、前記液処理部に連通するように設けられ、前記基板を乾燥させるための乾燥処理部と、前記液処理部と前記乾燥処理部との間で基板を搬送する基板搬送装置と、前記乾燥処理部の所定位置に搬送された基板の表面に付着した液膜を面内で実質的に均一化させる均一化手段と、基板をその面内で実質的に同時に乾燥させる同時乾燥手段とを具備することを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0008】
上記第1の観点において、前記均一化手段は、前記乾燥処理部に純水の水蒸気またはミストを供給する純水供給機構を有し、基板が前記乾燥処理部に搬送される際に、基板表面に純水の水蒸気またはミストを付着させるものとすることができる。また、前記同時乾燥手段は、前記乾燥処理部に揮発性有機溶剤の蒸気またはミストを供給する揮発性有機溶剤供給機構を有し、純水の液膜が形成されている基板表面に揮発性有機溶剤の蒸気またはミストを実質的に同時に供給可能であるものとすることができる。さらに、前記乾燥処理部へ加熱された不活性ガスを供給するガス供給機構をさらに具備するものとしてもよい。
【0009】
本発明の第2の観点では、貯留された純水に基板を浸漬して処理する液処理部と、前記液処理部に連通するように設けられ、前記基板を乾燥させるための乾燥処理部と、前記液処理部と前記乾燥処理部との間で基板を搬送する基板搬送装置と、前記乾燥処理部に純水の水蒸気またはミストを供給する純水供給機構と、前記乾燥処理部に揮発性有機溶剤の蒸気またはミストを供給する有機溶剤供給機構と、前記液処理部に貯留された純水に浸漬された基板を前記乾燥処理部に搬送するに際して、前記基板が前記液処理部に貯留された純水に浸漬されているときから前記乾燥処理部の所定位置へ搬送されるまでの間の所定のタイミングで前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始し、前記基板が前記乾燥処理部の所定位置へ搬送された以降に、前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止し、次いで前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始するように、前記基板搬送装置と前記純水供給機構と前記有機溶剤供給機構とを制御する制御部とを具備することを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0010】
本発明の第3の観点では、貯留された純水に基板を浸漬して処理する液処理部と、前記液処理部に連通するように設けられ、基板を乾燥させるための乾燥処理部と、前記液処理部と前記乾燥処理部の間で基板を搬送する基板搬送装置と、純水の水蒸気またはミストを前記乾燥処理部に供給する純水供給機構と、揮発性有機溶剤の蒸気またはミストを前記乾燥処理部に供給する有機溶剤供給機構と、前記液処理部に貯留された純水に浸漬された基板を前記乾燥処理部に引き上げるに際して、前記基板が前記液処理部に貯留された純水に浸漬されているときから前記乾燥処理部の所定位置へ搬送されるまでの間の所定のタイミングで前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始し、基板が前記乾燥処理部の所定位置へ搬送された以降に、前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始し、その後に前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止するように、前記基板搬送装置と前記純水供給機構と前記有機溶剤供給機構とを制御する制御部とを具備することを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0011】
上記第3の観点において、前記制御部は、前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止させる際に、その供給量を徐々に減少させるようにすることができる。
【0012】
また、上記第2および第3の観点において、前記液処理部と前記乾燥処理部とを隔離可能なシャッタをさらに具備し、前記制御部は、前記液処理部に貯留された純水に浸された基板が前記乾燥処理部の所定位置に搬送された時点で、前記シャッタが前記液処理部と前記乾燥処理部とを隔離し、その後に前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給が開始されるように、前記シャッタを制御するように構成することができる。
【0013】
また、前記乾燥処理部へ加熱された不活性ガスを供給するガス供給機構をさらに具備し、前記制御部は、前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始してから所定時間が経過した後にその供給を停止し、次いで前記乾燥処理部へ加熱された不活性ガスを供給するように、前記ガス供給機構を制御するように構成することもできる。
【0014】
上記第1〜第3の観点において、前記揮発性有機溶剤としてはイソプロピルアルコール(IPA)を好適に用いることができる。
【0015】
本発明の第4の観点では、液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、前記液処理部から前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部へ基板を搬送する工程と、液処理部から乾燥処理部へ搬送される基板に対して、前記基板の表面に付着した液膜を実質的に均一にする工程と、前記基板をその面内で実質的に同時に乾燥させる工程とを有することを特徴とする基板処理方法を提供する。
【0016】
上記第4の観点において、前記基板の表面に付着した液膜を実質的に均一にする工程は、基板が前記乾燥処理部に搬送される際に、基板表面に純水の水蒸気またはミストを付着させるものとすることができる。また、前記基板をその面内で実質的に同時に乾燥させる工程は、純水の液膜が形成されている基板表面に揮発性有機溶剤の蒸気またはミストを実質的に同時に供給するものとすることができる。さらに、前記揮発性有機溶剤の蒸気またはミストを付着させて乾燥させた後、前記乾燥処理部へ加熱された不活性ガスを供給する工程をさらに有するものとしてもよい。
【0017】
本発明の第5の観点では、液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、前記基板が前記液処理部に浸漬されているときに前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始する工程と、前記液処理部から前記乾燥処理部に基板を搬送する工程と、前記基板が前記乾燥処理部の所定位置に搬送された時点で、前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止し、次いで前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始する工程と、所定時間経過後に前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程とを有することを特徴とする基板処理方法を提供する。
【0018】
本発明の第6の観点では、液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部に向けて前記液処理部からの基板の搬送を開始し、その後に前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始する工程と、前記基板が前記乾燥処理部の所定位置に搬送された時点で、前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止し、次いで前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始する工程と、所定時間経過後に前記乾燥処理部の揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程とを有することを特徴とする基板処理方法を提供する。
【0019】
本発明の第7の観点では、液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、前記基板が前記液処理部に浸漬されているときに前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始する工程と、前記液処理部から前記乾燥処理部に基板を搬送する工程と、前記基板が前記乾燥処理部の所定位置へ搬送された時点で、前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始し、次いで前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止する工程と、所定時間経過後に前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程とを有することを特徴とする基板処理方法を提供する。
【0020】
本発明の第8の観点によれば、液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部に向けて前記液処理部から基板の搬送を開始し、その後に前記乾燥処理部への蒸気または純水のミストの供給を開始する工程と、前記基板が前記乾燥処理部の所定位置へ搬送された時点で、前記乾燥処理部の揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始し、次いで前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止する工程と、前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程とを有することを特徴とする基板処理方法を提供する。
【0021】
上記第7の観点および第8の観点において、前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止する工程は、純水の水蒸気またはミストの供給を停止する際に、その供給量を徐々に減少させるものとすることができる。
【0022】
上記第5〜第8の観点において、前記揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止した後、前記乾燥処理部へ加熱乾燥ガスを供給して前記基板の表面の揮発性有機溶剤を蒸発させて当該基板を乾燥する工程をさらに有するものとすることができる。また、前記基板が前記乾燥処理部の所定位置に搬送された時点で、前記液処理部と前記乾燥処理部とを隔離するようにすることができる。
【0023】
上記第4〜第8の観点において、前記揮発性有機溶剤としてはイソプロピルアルコール(IPA)を好適に用いることができる。
【0024】
本発明の第9の観点では、コンピュータに制御プログラムを実行させるソフトウエアが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記制御プログラムは、実行時に、液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、前記液処理部から前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部へ基板を搬送する工程と、液処理部から乾燥処理部へ搬送される基板に対して、前記基板の表面に付着した液膜を実質的に均一にする工程と、前記基板をその面内で実質的に同時に乾燥させる工程とが実行されるように、コンピュータが基板処理装置を制御するものであることを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【0025】
本発明の第10の観点では、コンピュータに制御プログラムを実行させるソフトウエアが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記制御プログラムは、実行時に、液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、前記基板が前記液処理部に浸漬されているときに前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始する工程と、前記液処理部から前記乾燥処理部に基板を搬送する工程と、前記基板が前記乾燥処理部の所定位置に搬送された時点で、前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止し、次いで前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始する工程と、所定時間経過後に前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程とが実行されるように、コンピュータが基板処理装置を制御するものであることを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【0026】
本発明の第11の観点では、コンピュータに制御プログラムを実行させるソフトウエアが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記制御プログラムは、実行時に、液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部に向けて前記液処理部からの基板の搬送を開始し、その後に前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始する工程と、前記基板が前記乾燥処理部の所定位置に搬送された時点で、前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止し、次いで前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始する工程と、所定時間経過後に前記乾燥処理部の揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程とが実行されるように、コンピュータが基板処理装置を制御するものであることを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【0027】
本発明の第12の観点では、コンピュータに制御プログラムを実行させるソフトウエアが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記制御プログラムは、実行時に、液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、前記基板が前記液処理部に浸漬されているときに前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始する工程と、前記液処理部から前記乾燥処理部に基板を搬送する工程と、前記基板が前記乾燥処理部の所定位置へ搬送された時点で、前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始し、次いで前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止する工程と、所定時間経過後に前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程とが実行されるように、コンピュータが基板処理装置を制御するものであることを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【0028】
本発明の第13の観点では、コンピュータに制御プログラムを実行させるソフトウエアが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記制御プログラムは、実行時に、液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部に向けて前記液処理部から基板の搬送を開始し、その後に前記乾燥処理部への蒸気または純水のミストの供給を開始する工程と、前記基板が前記乾燥処理部の所定位置へ搬送された時点で、前記乾燥処理部の揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始し、次いで前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止する工程と、前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程とが実行されるように、コンピュータが基板処理装置を制御するものであることを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、液処理部にて純水に基板を浸漬して液処理した後、基板を液処理部に連通した乾燥処理部に搬送して乾燥する際に、基板の表面に付着した液膜を面内で実質的に均一化させ、さらに基板の表面を乾燥させる際に基板を面内で実質的に同時に乾燥させるので、パターン倒れの発生とウォーターマークの発生の両方を抑制することができる。このため、良好な回路パターンを有する高品質な基板を得ることができ、ひいては製品の生産歩留まりの向上に寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の概略構造を示す模式図である。この実施形態では、例えばフォトリソグラフィー技術等により所定の回路パターンが形成されている複数の半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)を一括して所定の薬液で処理し、その後に純水(DIW)によるリンス処理を行い、さらに乾燥を行う装置を例に挙げて説明する。
【0031】
図1は基板処理装置1の概略構造を示す図である。この基板処理装置1は、ウエハWに所定の薬液(例えば、希フッ酸水溶液(DHF)、アンモニア−過酸化水素水(APF)、硫酸−過酸化水素水(SPM)等)による処理を行い、その後に純水(DIW)によりリンス処理を行う液処理部2と、液処理部2の上方に設けられ、液処理部2でのリンス処理が終了したウエハWの乾燥を行う乾燥処理部3と、複数のウエハWを保持することができ、昇降機構7により液処理部2と乾燥処理部3との間で移動(昇降)自在なウエハガイド4と、を有している。この基板処理装置1の上方には図示しないファンフィルターユニット(FFU)が配設されており、基板処理装置1に清浄な空気がダウンフローとして供給されるようになっている。
【0032】
ウエハガイド4は、例えば、最大で50枚のウエハWを略鉛直姿勢で、図1の紙面に垂直な方向(水平方向)に一定の間隔で並べて保持することができる保持部26と、保持部26を支持する支柱部27とを有しており、この支柱部27は、後述するチャンバ5の蓋部62を貫通している。
【0033】
液処理部2は、ボックス13と、このボックス13内に収容された液処理槽6とを有している。この液処理槽6は、薬液と純水とを適宜交互に貯留し、ウエハWを薬液,純水に浸漬することにより薬液処理,リンス処理を行う内槽30と、内槽30の上部の開口を囲むように形成された中槽31と、中槽31の開口を囲むように形成された外槽32と、を有している。
【0034】
内槽30内には、薬液,純水を内槽30内に吐出するための処理液吐出ノズル35と、薬液の濃度を計測するための濃度センサ57が設けられている。処理液吐出ノズル35に取り付けられた処理液供給ライン56は、純水供給ライン52と薬液供給ライン55とに分岐している。処理液吐出ノズル35へは、開閉バルブ53を介在させた純水供給ライン52とこの処理液供給ライン56とを通して純水供給源から純水が供給され、開閉バルブ54を介在させた薬液供給ライン55とこの処理液供給ライン56とを通して薬液供給源から薬液が供給される。
【0035】
内槽30の底部には開閉バルブ37が介在された排液管36が接続されており、この開閉バルブ37を開くことによって内槽30に貯留された薬液,純水をボックス13内に排出することができるようになっている。また、ボックス13の下部にも開閉バルブ19が介在された排液管18が設けられており、ボックス13内から薬液,純水を排出することできるようになっている。さらにボックス13には、ボックス13内の雰囲気ガスを排気するための排気管29が設けられており、薬液の蒸気等を排気することができるようになっている。
【0036】
中槽31は内槽30の上面開口からオーバーフローした薬液,純水を受け止める。中槽31には、中槽31から薬液,純水を排出するための排液管41が設けられており、この排液管41にはトラップ42が接続されている。このトラップ42では、排液管41を通して排出された薬液,純水が一定の高さで貯留され、その水面で開口した排液管43を通してトラップ42から薬液,純水が排出されるように、排液管41の下端(排液口)が排液管43の上端(排出口)よりも低い位置に配置されている。このような構成により、排液管43やボックス13の雰囲気が排液管41に流入することを防止することができる。
【0037】
外槽32には、常時、純水が貯留されており、環状のシール板46が、その下部がこの純水に浸され、かつ、その上端が外槽32の上方に配置されたシャッタボックス11の下板に密着するように、配設されている。このような構成により、外槽32は純水を利用したシール機能を有し、内槽30の雰囲気が外部に漏れないようになっている。
【0038】
乾燥処理部3にはウエハWを収容するためのチャンバ5が設けられており、このチャンバ5は、略円筒形状の筒部61と、筒部61の上面開口を開閉するドーム型の蓋部62とを備えている。筒部61の下面開口はシャッタボックス11の上板に形成された開口部に気密に連結されている。
【0039】
蓋部62は図示しない昇降機構により昇降自在であり、図1に示すように、蓋部62の下端面が筒部61の上端に設けられたエアーシールリング63に当接することで、チャンバ5は密閉される。また、蓋部62を図1に示す位置の上側に移動させた状態(つまり、チャンバ5を開いた状態)で、基板処理装置1の外部と乾燥処理部3の内部との間でのウエハWの搬入出を行うことができる。より具体的には、ウエハガイド4の保持部26を筒部61の上に出した状態で、保持部26と図示しない外部搬送装置等との間でウエハWの受け渡しを行う。
【0040】
チャンバ5内には、水蒸気とイソプロピルアルコール(IPA)の蒸気を混合してまたは単独でチャンバ5内に供給するための流体ノズル71が配置されている。流体ノズル71には配管21が接続されており、配管21は途中で配管21a,21bに分岐し、それぞれ純水供給源およびIPA供給源に接続されている。そして、配管21aに設けられた開閉バルブ83を開放し、流量制御バルブ85を操作することにより所定流量の水蒸気発生器(加熱装置)23に純水が送られて、そこで水蒸気を発生させる。同様に、配管21bに設けられた開閉バルブ82を開放し、流量制御バルブ84を操作することにより所定流量のIPA蒸気発生装置22にIPAが送られて、そこでIPA蒸気を発生させる。これら水蒸気とIPA蒸気は単独で、または流体供給ライン21において混合され、流体ノズル71からチャンバ5内に噴射される。
【0041】
流体ノズル71としては、例えば、円筒状の形状を有し、蒸気噴射口がその長手方向(図1において紙面に垂直な方向)に一定の間隔で形成された構造を有するものが好適に用いられる。流体ノズル71は、蒸気噴射口から噴射される水蒸気,IPA蒸気がチャンバ5内に収容されたウエハWに直接にあたることなく斜め上方に噴射されるように配置されており、流体ノズル71から噴射された水蒸気,IPA蒸気は、ウエハWの左上と右上を通過して蓋部62の内周面上部に向かって上昇し、その後に蓋部62の上部中央において合流して下降し、ウエハWどうしの間に流入し、ウエハWの表面に沿って流下するようになっている。
【0042】
このような流体ノズル71からIPA蒸気を噴射させて乾燥させる場合には、ウエハWの上端と下端でのIPAの到達時間差はコンマ数秒以下であり、ウエハWの表面に実質的に同時にIPAを供給することができる。これにより、後述するように、ウエハWの表面を実質的に同時に乾燥させることができる。なお、IPA蒸気による乾燥の場合、面内での乾燥時間差をより小さくするためには、IPA蒸気の流量を多くすればよい。例えば、容積が50Lで50枚のウエハを処理できる乾燥処理室の場合、2.0mL/sec/バッチ以上、好ましくは、3.5mL/sec/バッチ以上とすることが望ましい。
【0043】
また、チャンバ5内には、室温または所定温度に加熱された窒素(N)ガスを噴射するための窒素ガスノズル72が設けられている。窒素ガス供給源からは室温の窒素ガスが開閉バルブ86を操作することによりヒータ24に供給され、ここで、このヒータ24を加熱していない場合には室温の窒素ガスが窒素ガス供給ライン25を通して窒素ガスノズル72から噴射され、一方、ヒータ24を所定温度に加熱することにより所定温度に加熱された窒素ガスを窒素ガス供給ライン25を通して窒素ガスノズル72から噴射させることができる。
【0044】
窒素ガスノズル72としては、流体ノズル71と同様の構造を有するものが好適に用いられる。窒素ガスノズル72は、そのガス噴射口から噴射される窒素ガスがチャンバ5内に収容されたウエハWに直接にあたることなく斜め上方に噴射されるように、配置することが好ましい。窒素ガスノズル72から噴射された窒素ガスは、ウエハWの左上と右上を通過して蓋部62の内周面上部に向かって上昇し、蓋部62の上部中央において合流して下降し、ウエハWどうしの間に流入してウエハWの表面に沿って流下する。
【0045】
チャンバ5の内部には、さらに、チャンバ5内の雰囲気ガスを排出するための排気ノズル73が設けられており、この排気ノズル73には、チャンバ5内からの自然排気を行うための自然排気ライン49と、強制排気を行うための強制排気ライン48とが設けられている。排気ノズル73としては、円筒状の形状を有し、チャンバ5内のガスを取り込むための一定長さのスリット型吸気口がその長手方向(図1において紙面に垂直な方向)に一定の間隔で形成された構造を有するものが好適に用いられる。
【0046】
蓋部62の外側の頂点部分には局所排気装置8が取り付けられている。図2はこの局所排気装置8の概略断面図である。この局所排気装置8は、空気(または窒素ガス等)を供給すると、変形,膨張してウエハガイド4の周囲に密着することでウエハガイド4の支柱部27と蓋部62との間の隙間をシールするエアーシールリング65と、ウエハガイド4の支柱部27と蓋部62との間の隙間へ進入するガスを排出するための環状の排気管66と、を有している。なお、図2ではエアーシールリング65によるシールが行われていない状態を示している。
【0047】
図2に示されるように、エアーシールリング65に空気を供給しない(または脱気した)状態では、エアーシールリング65はウエハガイド4と離れるので、ウエハガイド4を昇降させることができる。こうしてウエハガイド4を昇降させる際に排気管66からの排気を行うことにより、チャンバ5内の雰囲気ガスが外部に漏れることを防止することができる。なお、排気管66をエアーシールリング65の下側に設けることで、エアーシールリング65のIPA蒸気による劣化を抑制することができる。
【0048】
液処理部2に設けられた液処理槽6の雰囲気と乾燥処理部3に設けられたチャンバ5の雰囲気とは、これらの中間に水平方向にスライド自在に配置されたシャッタ10によって隔離し、または連通させることができるようになっている。このシャッタ10は、液処理槽6において液処理を行うときと液処理槽6とチャンバ5との間でウエハWを移動させるときには、シャッタボックス11に収容される。シャッタ10を筒部61の真下に配置した状態では、シャッタ10の上面に設けられたシールリング15が筒部61の下端に当接することにより、下面開口が気密に閉塞される。なお、シャッタボックス11には開閉バルブ17を介在させて排気管16が設けられており、シャッタボックス11内の雰囲気を排気することができるようになっている。
【0049】
このような基板処理装置1におけるウエハWの処理に伴う各種機構の駆動制御(例えば、蓋部62の昇降、ウエハガイド4の昇降、シャッタ10のスライド等)や、窒素ガスや純水、IPAの各供給源から基板処理装置1への流体供給を制御するバルブの制御等は、制御部(プロセスコントローラ)99により行われる。制御部99には、工程管理者が基板処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、基板処理装置1の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるデータ入出力部97が接続されている。
【0050】
また、制御部99には、基板処理装置1で実行される各種処理を制御部99の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じて基板処理装置1の各構成部に処理を実行させるためのプログラム(すなわち、レシピ)が格納された記憶部98が接続されている。レシピはハードディスクや半導体メモリー等に記憶されていてもよいし、CD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な可搬性の記憶媒体に格納された状態で、記憶部98の所定位置にセットするようになっていてもよい。さらに、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。
【0051】
そして、必要に応じて、データ入出力部97からの指示等にて任意のレシピを記憶部98から呼び出して制御部99に実行させることで、制御部99の制御下で、基板処理装置1での所望の処理が行われる。
【0052】
次に、基板処理装置1を用いたウエハWの洗浄処理方法について説明する。図3にウエハWの第1の洗浄処理方法の要略のフローチャートを示す。最初に、液処理槽6とチャンバ5とをシャッタ10により隔離し(STEP1a)、チャンバ5内が窒素ガスで満たされ、かつ、その内部圧力が大気圧と同じ状態とし(STEP1b)、一方、液処理槽6の内槽30に所定の薬液が貯留された状態とする(STEP1c)。この状態で、ウエハガイド4の保持部26は乾燥処理部3に配置されている。
【0053】
蓋部62を上昇させ、さらにウエハガイド4の保持部26を筒部61の上側に出して、チャンバ5内への窒素ガスの供給を停止し、外部の基板搬送装置(図示せず)からウエハガイド4の保持部26に50枚のウエハWを受け渡す(STEP2)。次いで、ウエハガイド4を降下させてウエハWをチャンバ5の筒部61内に収容し、さらに蓋部62を降下させる。このとき、筒部61の上面が僅かに開口した状態とする。その後、排気ノズル73から強制排気を行いながら、液処理槽6とチャンバ5とが連通するようにシャッタ10をスライドさせる(STEP3)。
【0054】
こうしてシャッタ10を開いても、図示しないファンフィルタユニット(FFU)からのダウンフローがチャンバ5内に流入し、筒部61の上面開口から排気ノズル73に向かうクリーンエアの流れが形成されるので、内槽30に貯留された薬液の雰囲気がチャンバ5へと上昇することを防止することができる。
【0055】
続いてウエハガイド4をさらに降下させて、保持したウエハWを内槽30に貯留された薬液に、所定時間、浸漬させる(STEP4)。この薬液によるウエハWの処理が終了したら、ウエハWを内槽30内に浸漬させたまま、処理液吐出ノズル35から純水を内槽30内に供給して、内槽30内の薬液を純水に置換し、ウエハWのリンス処理を行う(STEP5)。このとき、内槽30からオーバーフローした薬液と純水は中槽31に受け止められ、排液管41およびトラップ42を通して排液される。なお、内槽30における薬液から純水への置換は、排液管36を通して薬液をボックス13に排出し、その後に内槽30に純水を供給することによって行ってもよい。
【0056】
内槽30内の薬液が純水に置換されたか否かは、濃度センサ57の測定値によって判断することができる。濃度センサ57の測定値によって内槽30内の薬液が純水に置換され、内槽30内から薬液が排出されたら、強制排気ライン48から自然排気ライン49に切り替え、蓋部62を降下させて筒部61の上面を閉塞する。筒部61の上面が閉塞されたら、局所排気装置8においてエアーシールリング65によるシールを行うか、または、排気管66からの排気を開始する。これによりチャンバ5内の雰囲気ガスが外部に漏れることを防止することができる。さらに、窒素ガスノズル72から所定温度に加熱された窒素ガスをチャンバ5に供給し、チャンバ5内を窒素ガス雰囲気に保持することが好ましい。これによりチャンバ5が温められて、後に水蒸気,IPA蒸気をチャンバ5内に供給した際に、チャンバ5の内壁での水蒸気,IPA蒸気の結露を抑制することができる。
【0057】
所定の純水によるウエハWのリンス処理が行われている間に、加熱された窒素ガスをチャンバ5内に供給していた場合にはその供給を停止して、チャンバ5内への水蒸気の供給を開始する(STEP6)。こうして内槽30に貯留された純水の表面から上の空間が水蒸気雰囲気で満たされる。その後、ウエハWをチャンバ5に収容するために、ウエハガイド4の引き上げを開始する(STEP7)。
【0058】
このSTEP7では、ウエハWは水蒸気で満たされている空間に引き上げられるために乾燥することがないので、この段階でウエハWにウォーターマークが発生することはない。また、ウエハWを純水から引き上げたときにはウエハWに形成された回路パータンの凹部(凸部どうしの間)にはそれぞれ水が残っており、その水の量にはばらつきがあるが、このばらつきは水蒸気がウエハWの表面で結露することで小さくなり、厚さの均一な水膜が形成されるようになる。これにより、回路パターンの凸部に掛かる水の表面張力のバランスが保たれるので、パターン倒れの発生を抑制することができる。
【0059】
ウエハWがチャンバ5内に収容される位置まで上昇したら、ウエハガイド4の昇降を停止し、シャッタ10を閉じて液処理槽6とチャンバ5の雰囲気を隔離し(STEP8)、局所排気装置8に設けられたシールリング65によりウエハガイド4の支柱部27と蓋部62との間の隙間をシールする。そして、ウエハWをチャンバ5内の所定位置に保持したら、チャンバ5内への水蒸気の供給を停止し(STEP9)、次いでチャンバ5へのIPA蒸気の供給を開始する(STEP10)。
【0060】
このSTEP9,10により、ウエハWの表面に付着している純水がIPAに置換される。このとき、ウエハWに形成されている液膜は全体的に一様にIPAに置換されていくので、ウエハWの表面の液の表面張力の変化が緩やかであり、しかも、流体ノズルからのIPA蒸気は、上述したように、ウエハ面内に実質的に同時に到達し、したがって、ウエハ面内で実質的に同時に乾燥することになるから、液膜の厚さにむらが生じることがなく、ウエハWに設けられた回路パターンの凸部に掛かる表面張力のバランスも崩れ難いので、パターン倒れの発生を防止することができる。また、このようにウエハ面内で実質的に同時に乾燥することにより、ウォーターマークの発生を抑制することもできる。
【0061】
所定時間、IPA蒸気を供給してウエハWの表面にIPAの液膜が形成されたら、チャンバ5へのIPA蒸気の供給を停止し(STEP11)、続いてウエハWの乾燥処理を行う。この乾燥処理は、例えば、チャンバ5内に所定温度に加熱された窒素ガスを供給してウエハWの表面からIPAを揮発,蒸発させ(STEP12)、その後に室温の窒素ガスをチャンバ5内に供給してウエハWを所定の温度に冷却する(STEP13)、という手順により行うことができる。
【0062】
なお、ウエハ面内で実質的に同時に乾燥させるには、上述したようにIPA蒸気をウエハ面内に実質的に同時に供給する他、ウォーターマーク発生の懸念が小さい場合には、これに代えてNなどの不活性ガスをウエハ全面に噴射することで、ウエハ面内を実質的に同時に乾燥するようにしてもよい。
【0063】
このステップ12,13でも、ウエハWの表面のIPAを均一に揮発させることにより、ウエハWに設けられた回路パターンの凸部に掛かる表面張力のバランスが崩れ難く、これによりパターン倒れの発生を抑制することができる。さらに、ウエハWの表面にIPAのみが存在する状態から乾燥を行うために、ウォーターマークの発生も抑制することができる。
【0064】
ウエハWの乾燥が終了したら、局所排気装置8に設けられたエアーシールリング65によるシールを解除し、蓋部62を上方に上昇させ、これと実質的に同時にウエハガイド4を上昇させて、ウエハWをチャンバ5の筒部61の上側に出す(STEP14)。このとき、窒素ガスノズル72からの窒素ガス供給を停止し、強制排気ライン48を通して、ファンフィルタユニット(FFU)からのクリーンエアーをチャンバ5内に引き入れる。次いで、外部から図示しない基板搬送装置がウエハガイド4にアクセスして、ウエハWを基板処理装置1から搬出する(STEP15)。
【0065】
続いて、基板処理装置1を用いたウエハWの別の洗浄方法について説明する。図4はウエハWの第2の洗浄処理方法のフローチャートであり、この第2の洗浄処理方法は、図3の第1の洗浄処理方法のSTEP6〜8の順序を変えたものである。したがって、この図4に示す第2の洗浄処理方法のSTEP101a〜105は、図3に示した第1の洗浄処理方法のSTEP1a〜5と同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0066】
この第2の洗浄処理では、STEP105のリンス処理が終了した後に、内槽30からチャンバ5へのウエハWの引き上げを所定の速度で開始する(STEP106)。そして、ウエハWの引き上げを開始してからチャンバ5内の所定位置に到達してその位置で保持されるまでの間に、チャンバ5内への水蒸気の供給を開始する(STEP107)。ウエハWの引き上げ速度と水蒸気の供給開始のタイミングは、内槽30から引き上げたウエハWが乾燥することによってウエハWの表面にウォーターマークが発生してしまうことがないように、設定する。また、ウォーターマークが発生しなければ、ウエハWが所定位置に到達してから所定時間経過後に水蒸気を供給するようにしてもよい。
【0067】
ウエハWがチャンバ5における収容位置まで上昇した後に、シャッタ10による液処理槽6とチャンバ5の雰囲気の隔離を行う(STEP108)。このSTEP108は、図4においては、STEP107の後に行うように記載されているが、前述の通り、STEP107の前に行ってもよい。つまり、ウエハWを引き上げ、シャッタ10を閉じ、その後に水蒸気をチャンバ5内に供給するようにしてもよい。その後の処理のSTEP109〜115は図3に示した第1の洗浄処理方法のSTEP9〜15と同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0068】
この第2の洗浄処理方法を用いてウエハWを処理した場合にも、第1の洗浄処理方法と同様に、内槽30から引き上げられたウエハWを乾燥させることなく、ウエハWの表面に厚さの均一な純水の膜を形成し、その後にこれをウエハ面内で実質的に同時にIPA蒸気を供給することによりIPAの液膜に置換し、次いでこのIPAを揮発させてウエハ面内で実質的に同時に乾燥させるので、ウォーターマークの発生を抑制しつつ、パターン倒れの発生も抑制することができる。
【0069】
図5にウエハWの第3の洗浄処理方法のフローチャートを示す。この第3の洗浄処理方法は、図3の第1の洗浄処理方法のSTEP9,10の順序を変えたものである。したがって、この図5に示す第3の洗浄処理方法のSTEP201a〜208は、図3に示した第1の洗浄処理方法のSTEP1a〜8と同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0070】
この第3の洗浄処理方法では、STEP208で液処理槽とチャンバとの雰囲気隔離を行った後に、チャンバ5への水蒸気供給を停止することなく、さらにIPA蒸気の供給を開始し(STEP209)、その後に水蒸気の供給を停止する(STEP210)。この水蒸気の停止は、その供給量を徐々に減少させることによって行うことが好ましい。その後のSTEP211〜215は、図3に示した第1の洗浄処理方法のSTEP11〜15と同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0071】
図6にウエハWの第4の洗浄処理方法のフローチャートを示す。この第4の洗浄処理方法は、図4の第2の洗浄処理方法のSTEP109,110の順序を変えたものである。したがって、この図6に示す第4の洗浄処理方法のSTEP301a〜308は、図4に示した第2の洗浄処理方法のSTEP101a〜108と同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0072】
この第4の洗浄処理方法では、STEP308で液処理槽とチャンバとの雰囲気隔離を行った後(または、STEP307とSTEP308を逆順序で行った場合にはチャンバ5への水蒸気供給を開始してから所定時間が経過した後)、チャンバ5への水蒸気供給を停止することなく、さらにIPA蒸気の供給を開始し(STEP309)、その後に水蒸気の供給を停止する(STEP310)。この水蒸気の停止は、その供給量を徐々に減少させることによって行うことが好ましい。その後のSTEP311〜315は、図4に示した第1の洗浄処理方法のSTEP111〜115と同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0073】
これら第3,第4の洗浄処理方法を用いてウエハWを処理した場合にも、第1,第2の洗浄処理方法と同様に、ウエハWの表面の水膜を徐々にIPA膜に変えることができ、かつウエハ面内で実質的に同時にIPA蒸気を供給することにより、ウエハ面内で実質的に同時に乾燥させるので、ウォーターマークの発生を抑制しつつ、パターン倒れの発生を効果的に防止することができる。
【0074】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、上記説明においては、チャンバ5に水蒸気とIPA蒸気を供給する形態としたが、水蒸気に代えて純水のミストを、IPA蒸気に代えてIPAのミストを、チャンバ5に供給する構成としてもよい。この場合、流体ノズル71として、液体をミスト状にして噴射することができるものを用いればよく、窒素ガス等のガス圧を利用して純水やIPAをミスト化するものを用いてもよい。また、IPAに限らずアセトン・ジエチルケトン等のケトン類、メチルエーテル等のエーテル類、メチルアルコール・エチルアルコール等のアルコール類等の他の揮発性有機溶剤を用いてもよい。
【0075】
基板処理装置1ではシャッタ10により液処理槽6とチャンバ5の雰囲気を隔離し、また連通させることができる構造としたが、このシャッタ10は必ずしも必要なものではなく、シャッタ10を有しない装置でも、上述したウエハWの処理方法を用いることができる。また、本実施形態においては、液処理部と乾燥処理部が別体として構成されている装置について説明したが、液処理部と乾燥処理部とが共用のもの、つまり、液処理槽にて基板洗浄後に洗浄液を排出し、当該液処理槽内に揮発性有機溶剤を供給することで、洗浄・乾燥を行う基板処理装置に対しても有効である。この場合、基板洗浄後、液処理槽の純水を排出し、次いで液処理槽にIPA等の揮発性有機溶剤と純水との混合流体を供給すればよく、他の点は図1の基板処理装置と同様に構成することができる。
【0076】
また、上述した第3,第4の洗浄処理方法では、ウエハWがチャンバ5の所定位置に保持された後、かつ、水蒸気が供給されている状態でIPA蒸気を供給するとしたが、チャンバ5に水蒸気が供給されていることを条件として、ウエハWを引き上げている最中にIPA蒸気の供給を開始してもよい。ウエハWの引き上げ中は局所排気装置8の排気管66からの排気を行うことによってチャンバ5からIPA蒸気が漏れることを防止することができる。
【0077】
本発明は薬液を用いた洗浄処理に限定されて適用されるものではなく、ウェットエッチング処理等にも適用することができる。さらに基板は半導体ウエハに限定されるものではなく、液晶ディスプレイ用のガラス基板、プリント配線基板、セラミック基板等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、半導体ウエハ等の各種基板の基板処理装置やエッチング処理装置等、基板を液処理し、その後にリンス処理、乾燥処理を行う装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の概略構造を示す模式図。
【図2】図1の装置の局所排気装置を示す概略断面図。
【図3】第1の洗浄処理方法のフローチャート。
【図4】第2の洗浄処理方法のフローチャート。
【図5】第3の洗浄処理方法のフローチャート。
【図6】第4の洗浄処理方法のフローチャート。
【符号の説明】
【0080】
1;基板処理装置
2;液処理槽
3;チャンバ
4;ウエハガイド
5;チャンバ
6;液処理槽
10;シャッタ
30;内槽
71;流体ノズル
72;窒素ガスノズル
99;制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯留された純水に基板を浸漬して処理する液処理部と、
前記液処理部に連通するように設けられ、前記基板を乾燥させるための乾燥処理部と、
前記液処理部と前記乾燥処理部との間で基板を搬送する基板搬送装置と、
前記乾燥処理部の所定位置に搬送された基板の表面に付着した液膜を面内で実質的に均一化させる均一化手段と、
基板をその面内で実質的に同時に乾燥させる同時乾燥手段と
を具備することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記均一化手段は、前記乾燥処理部に純水の水蒸気またはミストを供給する純水供給機構を有し、基板が前記乾燥処理部に搬送される際に、基板表面に純水の水蒸気またはミストを付着させることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記同時乾燥手段は、前記乾燥処理部に揮発性有機溶剤の蒸気またはミストを供給する揮発性有機溶剤供給機構を有し、純水の液膜が形成されている基板表面に揮発性有機溶剤の蒸気またはミストを実質的に同時に供給可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記乾燥処理部へ加熱された不活性ガスを供給するガス供給機構をさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
貯留された純水に基板を浸漬して処理する液処理部と、
前記液処理部に連通するように設けられ、前記基板を乾燥させるための乾燥処理部と、
前記液処理部と前記乾燥処理部との間で基板を搬送する基板搬送装置と、
前記乾燥処理部に純水の水蒸気またはミストを供給する純水供給機構と、
前記乾燥処理部に揮発性有機溶剤の蒸気またはミストを供給する有機溶剤供給機構と、
前記液処理部に貯留された純水に浸漬された基板を前記乾燥処理部に搬送するに際して、前記基板が前記液処理部に貯留された純水に浸漬されているときから前記乾燥処理部の所定位置へ搬送されるまでの間の所定のタイミングで前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始し、前記基板が前記乾燥処理部の所定位置へ搬送された以降に、前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止し、次いで前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始するように、前記基板搬送装置と前記純水供給機構と前記有機溶剤供給機構とを制御する制御部と
を具備することを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
貯留された純水に基板を浸漬して処理する液処理部と、
前記液処理部に連通するように設けられ、基板を乾燥させるための乾燥処理部と、
前記液処理部と前記乾燥処理部の間で基板を搬送する基板搬送装置と、
純水の水蒸気またはミストを前記乾燥処理部に供給する純水供給機構と、
揮発性有機溶剤の蒸気またはミストを前記乾燥処理部に供給する有機溶剤供給機構と、
前記液処理部に貯留された純水に浸漬された基板を前記乾燥処理部に引き上げるに際して、前記基板が前記液処理部に貯留された純水に浸漬されているときから前記乾燥処理部の所定位置へ搬送されるまでの間の所定のタイミングで前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始し、基板が前記乾燥処理部の所定位置へ搬送された以降に、前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始し、その後に前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止するように、前記基板搬送装置と前記純水供給機構と前記有機溶剤供給機構とを制御する制御部と
を具備することを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止させる際に、その供給量を徐々に減少させることを特徴とする請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記液処理部と前記乾燥処理部とを隔離可能なシャッタをさらに具備し、
前記制御部は、前記液処理部に貯留された純水に浸された基板が前記乾燥処理部の所定位置に搬送された時点で、前記シャッタが前記液処理部と前記乾燥処理部とを隔離し、その後に前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給が開始されるように、前記シャッタを制御することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記乾燥処理部へ加熱された不活性ガスを供給するガス供給機構をさらに具備し、
前記制御部は、前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始してから所定時間が経過した後にその供給を停止し、次いで前記乾燥処理部へ加熱された不活性ガスを供給するように、前記ガス供給機構を制御することを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記揮発性有機溶剤はイソプロピルアルコール(IPA)であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、
前記液処理部から前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部へ基板を搬送する工程と、
液処理部から乾燥処理部へ搬送される基板に対して、前記基板の表面に付着した液膜を実質的に均一にする工程と、
前記基板をその面内で実質的に同時に乾燥させる工程と
を有することを特徴とする基板処理方法。
【請求項12】
前記基板の表面に付着した液膜を実質的に均一にする工程は、基板が前記乾燥処理部に搬送される際に、基板表面に純水の水蒸気またはミストを付着させることを特徴とする請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記基板をその面内で実質的に同時に乾燥させる工程は、純水の液膜が形成されている基板表面に揮発性有機溶剤の蒸気またはミストを実質的に同時に供給することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の基板処理方法。
【請求項14】
前記揮発性有機溶剤の蒸気またはミストを付着させて乾燥させた後、前記乾燥処理部へ加熱された不活性ガスを供給する工程をさらに有することを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項15】
液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、
前記基板が前記液処理部に浸漬されているときに前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始する工程と、
前記液処理部から前記乾燥処理部に基板を搬送する工程と、
前記基板が前記乾燥処理部の所定位置に搬送された時点で、前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止し、次いで前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始する工程と、
所定時間経過後に前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程と
を有することを特徴とする基板処理方法。
【請求項16】
液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、
前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部に向けて前記液処理部からの基板の搬送を開始し、その後に前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始する工程と、
前記基板が前記乾燥処理部の所定位置に搬送された時点で、前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止し、次いで前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始する工程と、
所定時間経過後に前記乾燥処理部の揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程と
を有することを特徴とする基板処理方法。
【請求項17】
液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、
前記基板が前記液処理部に浸漬されているときに前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始する工程と、
前記液処理部から前記乾燥処理部に基板を搬送する工程と、
前記基板が前記乾燥処理部の所定位置へ搬送された時点で、前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始し、次いで前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止する工程と、
所定時間経過後に前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程と
を有することを特徴とする基板処理方法。
【請求項18】
液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、
前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部に向けて前記液処理部から基板の搬送を開始し、その後に前記乾燥処理部への蒸気または純水のミストの供給を開始する工程と、
前記基板が前記乾燥処理部の所定位置へ搬送された時点で、前記乾燥処理部の揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始し、次いで前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止する工程と、
前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程と
を有することを特徴とする基板処理方法。
【請求項19】
前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止する工程は、純水の水蒸気またはミストの供給を停止する際に、その供給量を徐々に減少させることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止した後、前記乾燥処理部へ加熱乾燥ガスを供給して前記基板の表面の揮発性有機溶剤を蒸発させて当該基板を乾燥する工程をさらに有することを特徴とする請求項15から請求項19に記載の基板処理方法。
【請求項21】
前記基板が前記乾燥処理部の所定位置に搬送された時点で、前記液処理部と前記乾燥処理部とを隔離することを特徴とする請求項15から請求項20のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項22】
前記揮発性有機溶剤はイソプロピルアルコール(IPA)であることを特徴とする請求項11から請求項21のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項23】
コンピュータに制御プログラムを実行させるソフトウエアが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記制御プログラムは、実行時に、液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、前記液処理部から前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部へ基板を搬送する工程と、液処理部から乾燥処理部へ搬送される基板に対して、前記基板の表面に付着した液膜を実質的に均一にする工程と、前記基板をその面内で実質的に同時に乾燥させる工程とが実行されるように、コンピュータが基板処理装置を制御するものであることを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項24】
コンピュータに制御プログラムを実行させるソフトウエアが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記制御プログラムは、実行時に、液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、前記基板が前記液処理部に浸漬されているときに前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始する工程と、前記液処理部から前記乾燥処理部に基板を搬送する工程と、前記基板が前記乾燥処理部の所定位置に搬送された時点で、前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止し、次いで前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始する工程と、所定時間経過後に前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程とが実行されるように、コンピュータが基板処理装置を制御するものであることを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項25】
コンピュータに制御プログラムを実行させるソフトウエアが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記制御プログラムは、実行時に、液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部に向けて前記液処理部からの基板の搬送を開始し、その後に前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始する工程と、
前記基板が前記乾燥処理部の所定位置に搬送された時点で、前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止し、次いで前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始する工程と、
所定時間経過後に前記乾燥処理部の揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程とが実行されるように、コンピュータが基板処理装置を制御するものであることを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項26】
コンピュータに制御プログラムを実行させるソフトウエアが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記制御プログラムは、実行時に、液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、前記基板が前記液処理部に浸漬されているときに前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を開始する工程と、前記液処理部から前記乾燥処理部に基板を搬送する工程と、前記基板が前記乾燥処理部の所定位置へ搬送された時点で、前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始し、次いで前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止する工程と、所定時間経過後に前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程とが実行されるように、コンピュータが基板処理装置を制御するものであることを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項27】
コンピュータに制御プログラムを実行させるソフトウエアが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記制御プログラムは、実行時に、液処理部に貯留された純水に基板を浸漬して当該基板を洗浄する工程と、前記液処理部に連通して設けられた乾燥処理部に向けて前記液処理部から基板の搬送を開始し、その後に前記乾燥処理部への蒸気または純水のミストの供給を開始する工程と、前記基板が前記乾燥処理部の所定位置へ搬送された時点で、前記乾燥処理部の揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を開始し、次いで前記乾燥処理部への純水の水蒸気またはミストの供給を停止する工程と、前記乾燥処理部への揮発性有機溶剤の蒸気またはミストの供給を停止する工程とが実行されるように、コンピュータが基板処理装置を制御するものであることを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−5479(P2007−5479A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−182321(P2005−182321)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】