基板搬送装置、基板搬送方法及びその基板搬送方法を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体
【課題】フォークに保持されている基板が正常な位置から位置ずれしているかを容易に検出でき、基板の保持状態に応じて適切な搬送制御を行うことができる基板搬送装置及び基板搬送方法を提供する。
【解決手段】
基板Wを搬送する基板搬送装置において、保持枠3Aと、保持枠3Aの内縁に沿って互いに間隔を隔てて設けられており、基板Wの周縁部が載置される保持部30と、保持部30の各々に設けられ、保持枠3Aに対する基板Wの相対位置を検出する検出部4A、4Bと、保持枠3Aを基板載置部73に進退駆動する駆動部33Aと、基板載置部73から保持部30に基板Wを受け取った際に、各々の検出部4A、4Bの検出値に基づいて、相対位置の補正の要否を判定し、相対位置の補正が必要と判定したときには、補正動作を行い、相対位置の補正が不要と判定したときには、駆動部33Aの駆動を停止するか、又は、基板Wの搬送を継続する、制御部5とを有する。
【解決手段】
基板Wを搬送する基板搬送装置において、保持枠3Aと、保持枠3Aの内縁に沿って互いに間隔を隔てて設けられており、基板Wの周縁部が載置される保持部30と、保持部30の各々に設けられ、保持枠3Aに対する基板Wの相対位置を検出する検出部4A、4Bと、保持枠3Aを基板載置部73に進退駆動する駆動部33Aと、基板載置部73から保持部30に基板Wを受け取った際に、各々の検出部4A、4Bの検出値に基づいて、相対位置の補正の要否を判定し、相対位置の補正が必要と判定したときには、補正動作を行い、相対位置の補正が不要と判定したときには、駆動部33Aの駆動を停止するか、又は、基板Wの搬送を継続する、制御部5とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を搬送する基板搬送装置、基板搬送方法及びその基板搬送方法を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスやLCD(Liquid Crystal Display)基板の製造プロセスにおいては、装置内に基板(以下「ウェハ」ともいう。)に対して処理を行う処理モジュールを複数個設け、これら処理モジュールに基板搬送装置により基板を順次搬送することによって、所定の処理が行われている。基板搬送装置は、例えば、基板を保持するフォークが基台に沿って進退自在に設けられると共に、基板が鉛直軸周りに回転自在、昇降自在に構成されている。
【0003】
このような基板搬送装置には、フォークの位置が正常か否かを確認するためのセンサが設けられているものがある(例えば特許文献1参照)。また、処理モジュールからフォークが基板を受け取ったか否かを確認するためのセンサが設けられているものがある(例えば特許文献2参照)。
【0004】
特許文献1には、フォークに光の反射体が設けられ、反射体の下方に光を投受光できる光センサが設けられており、フォークが正常な位置からずれたことを検出可能にした基板搬送装置が開示されている。また、特許文献2には、フォークに基板が支持されていることを検出するための光センサが設けられており、基板が光軸を遮ることによってフォークに基板が支持されていることを検出可能にした基板搬送装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4047182号公報
【特許文献2】特許第3965131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記した基板を搬送する基板搬送装置及び基板搬送方法においては、次のような問題がある。
【0007】
特許文献1に開示される例では、フォークの位置が正常な位置からずれたことを検知することはできる。しかし、フォークに保持されている基板がフォークに対して位置ずれしていることは検知できない。
【0008】
一方、特許文献2に開示される例では、フォークに保持されている基板が、センサが設けられている側からセンサが設けられていない側に位置ずれしたときは、光軸を遮らない状態になるので、その位置ずれを容易に検知することができる。しかし、フォークに保持されている基板が、センサが設けられていない側からセンサが設けられている側に位置ずれしたときは、光軸を遮った状態が変わらないため、その位置ずれを容易に検知することができない。
【0009】
通常、光センサは、フォークの根元側に設けられていることが多い。このときは、基板がフォークの根元側に乗り上げた状態を検知することができない。例えば、基板がフォークの根元側にずれた状態で、フォークが基板を保持したときは、基板のずれを検知することができないため、フォークが基板を保持している位置が位置ずれしているか否かが不明な状態で後退動作が行われてしまう。その結果、例えば、次の処理モジュールに基板を受け渡したときに基板の位置がずれる、又は、基板が処理モジュール内の他の部分に接触して破損する、等のトラブルが発生するおそれがある。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、フォークに保持されている基板が正常な位置から位置ずれしているかを容易に検出でき、更にフォーク上の基板の保持状態に応じて適切な搬送制御を行うことができる基板搬送装置及び基板搬送方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明の一実施例によれば、基板を載置する基板載置部から基板を受け取り、受け取った前記基板を搬送する基板搬送装置において、搬送する基板の周囲を囲むように設けられ、前記基板載置部に進退自在な保持枠と、前記保持枠の内縁に沿って互いに間隔を隔てて設けられており、前記基板の周縁部が載置されることによって前記基板を保持する、3個以上の保持部と、前記保持部の各々に設けられ、前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出する検出部と、前記保持枠を前記基板載置部に進退駆動する駆動部と、前記駆動部により前記保持枠を前進させ、前記基板載置部から前記保持部に前記基板を受け取った際に、前記検出部により前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出し、各々の前記検出部の検出値に基づいて、前記相対位置の補正の要否を判定し、前記相対位置の補正が必要と判定したときには、補正動作を行い、前記相対位置の補正が不要と判定したときには、前記駆動部の駆動を停止するか、又は、前記基板の搬送を継続する、制御部とを有する、基板搬送装置が提供される。
【0013】
また、本発明の一実施例によれば、搬送する基板の周囲を囲むように設けられ、基板を載置する基板載置部に進退自在な保持枠と、前記保持枠の内縁に沿って互いに間隔を隔てて設けられており、前記基板の周縁部が載置されることによって前記基板を保持する、3個以上の保持部と、前記保持部の各々に設けられ、前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出する検出部と、前記保持枠を前記基板載置部に進退駆動する駆動部とを有し、前記基板載置部から基板を受け取り、受け取った前記基板を搬送する基板搬送装置における基板搬送方法であって、前記駆動部により前記保持枠を前進させ、前記基板載置部から前記保持部に前記基板を受け取った際に、前記検出部により前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出し、各々の前記検出部の検出値に基づいて、前記相対位置の補正の要否を判定する判定工程を有し、前記相対位置の補正が必要と判定したときには、補正動作を行い、前記相対位置の補正が不要と判定したときには、前記駆動部の駆動を停止するか、又は、前記基板の搬送を継続する、基板搬送方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、基板を搬送する基板搬送装置及び基板搬送方法において、フォークに保持されている基板が正常な位置から位置ずれしているかを容易に検出でき、更にフォーク上の基板の保持状態に応じて適切な搬送制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態に係るレジストパターン形成装置の構成を示す平面図である。
【図2】実施の形態に係るレジストパターン形成装置の構成を示す概略斜視図である。
【図3】実施の形態に係るレジストパターン形成装置の構成を示す側面図である。
【図4】第3のブロックの構成を示す斜視図である。
【図5】実施の形態に係る搬送アームを示す斜視図である。
【図6】実施の形態に係る搬送アームを示す平面図及び側面図である。
【図7】実施の形態に係る搬送アームのフォークを拡大して示す平面図である。
【図8】実施の形態に係る搬送アームのフォークを拡大して示す断面図である。
【図9】保持爪にウェハが正常に載置されているときのフォーク及びウェハを示す平面図及び断面図である。
【図10】保持爪にウェハが正常に載置されていないときのフォーク及びウェハを示す平面図及び断面図である。
【図11】保持爪にウェハが正常に載置されていないときの別の例におけるフォーク及びウェハを示す平面図である。
【図12】レジストパターン形成装置に設けられた加熱モジュール及び制御部を示す構成図である。
【図13】基板搬送方法における各工程の手順を示すフローチャートである。
【図14】ウェハを受け渡す際の加熱モジュールと搬送アームの状態を示す図である。
【図15】実施の形態の変形例に係る搬送アームのフォークを拡大して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る基板搬送装置を備えた基板処理装置を、塗布現像装置に適用した場合を例にして説明する。
【0017】
先ず、図1から図4を参照し、塗布現像装置に露光装置を接続したレジストパターン形成装置について、図面を参照しながら簡単に説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態に係るレジストパターン形成装置の構成を示す平面図である。図2は、本実施の形態に係るレジストパターン形成装置の構成を示す概略斜視図である。図3は、本実施の形態に係るレジストパターン形成装置の構成を示す側面図である。図4は、第3のブロック(COT層)B3の構成を示す斜視図である。
【0019】
レジストパターン形成装置は、図1及び図2に示すように、キャリアブロックS1、処理ブロックS2、インターフェイスブロックS3を有する。また、レジストパターン形成装置のインターフェイスブロックS3側に、露光装置S4が設けられている。処理ブロックS2は、キャリアブロックS1に隣接するように設けられている。インターフェイスブロックS3は、処理ブロックS2のキャリアブロックS1側と反対側に、処理ブロックS2に隣接するように設けられている。露光装置S4は、インターフェイスブロックS3の処理ブロックS2側と反対側に、インターフェイスブロックS3に隣接するように設けられている。
【0020】
キャリアブロックS1は、キャリア20、載置台21及び受け渡し手段Cを有する。キャリア20は、載置台21上に載置されている。受け渡し手段Cは、キャリア20からウェハWを取り出し、処理ブロックS2に受け渡すとともに、処理ブロックS2において処理された処理済みのウェハWを受け取り、キャリア20に戻すためのものである。
【0021】
処理ブロックS2は、図2に示すように、棚ユニットU1、棚ユニットU2、第1のブロック(DEV層)B1、第2のブロック(BCT層)B2、第3のブロック(COT層)B3、第4のブロック(TCT層)B4を有する。第1のブロック(DEV層)B1は、現像処理を行うためのものである。第2のブロック(BCT層)B2は、レジスト膜の下層側に形成される反射防止膜の形成処理を行うためのものである。第3のブロック(COT層)B3は、レジスト液の塗布処理を行うためのものである。第4のブロック(TCT層)B4は、レジスト膜の上層側に形成される反射防止膜の形成処理を行うためのものである。
【0022】
棚ユニットU1は、各種のモジュールが積層されて構成されている。棚ユニットU1は、図3に示すように、例えば下から順に積層された、受け渡しモジュールTRS1、TRS1、CPL11、CPL2、BF2、CPL3、BF3、CPL4、TRS4を有する。また、図1に示すように、棚ユニットU1の近傍には、昇降自在な受け渡しアームDが設けられている。棚ユニットU1の各処理モジュール同士の間では、受け渡しアームDによりウェハWが搬送される。
【0023】
棚ユニットU2は、各種の処理モジュールが積層されて構成されている。棚ユニットU2は、図3に示すように、例えば下から順に積層された、受け渡しモジュールTRS6、TRS6、CPL12を有する。
【0024】
なお、図3において、CPLが付されている受け渡しモジュールは、温調用の冷却モジュールを兼ねており、BFが付されている受け渡しモジュールは、複数枚のウェハWを載置可能なバッファモジュールを兼ねている。
【0025】
第1のブロック(DEV層)B1は、図1及び図3に示すように、現像モジュール22、搬送アームA1及びシャトルアームEを有する。現像モジュール22は、1つの第1のブロック(DEV層)B1内に、上下2段に積層されている。搬送アームA1は、2段の現像モジュール22にウェハWを搬送するためのものである。すなわち、搬送アームA1は、2段の現像モジュール22にウェハWを搬送する搬送アームが共通化されているものである。シャトルアームEは、棚ユニットU1の受け渡しモジュールCPL11から棚ユニットU2の受け渡しモジュールCPL12にウェハWを直接搬送するためのものである。
【0026】
第2のブロック(BCT層)B2、第3のブロック(COT層)B3、及び第4のブロック(TCT層)B4は、各々塗布モジュール、加熱・冷却系の処理モジュール群、及び搬送アームA2、A3、A4を有する。処理モジュール群は、塗布モジュールにおいて行われる処理の前処理及び後処理を行うためのものである。搬送アームA2、A3、A4は、塗布モジュールと処理モジュール群との間に設けられており、塗布モジュール及び処理モジュール群の各処理モジュールの間でウェハWの受け渡しを行う。
【0027】
第2のブロック(BCT層)B2から第4のブロック(TCT層)B4の各ブロックは、第2のブロック(BCT層)B2及び第4のブロック(TCT層)B4における薬液が反射防止膜用の薬液であり、第3のブロック(COT層)B3における薬液がレジスト液であることを除き、同様の構成を有する。
【0028】
なお、搬送アームA1〜A4は、本発明における基板搬送装置に相当するものであり、搬送アームA1〜A4の構成については、後述する。また、載置台21、各処理モジュールにおける基板を載置する部分は、本発明における基板載置部に相当する。
【0029】
ここで、図4を参照し、第2のブロック(BCT層)B2、第3のブロック(COT層)B3、及び第4のブロック(TCT層)B4を代表し、第3のブロック(COT層)B3の構成を説明する。
【0030】
第3のブロック(COT層)B3は、塗布モジュール23、棚ユニットU3及び搬送アームA3を有する。棚ユニットU3は、加熱モジュール、冷却モジュール等の熱処理モジュール群を構成するように積層された、複数の処理モジュールを有する。棚ユニットU3は、塗布モジュール23と対向するように配列されている。搬送アームA3は、塗布モジュール23と棚ユニットU3との間に設けられている。図4中24は、各処理モジュールと搬送アームA3との間でウェハWの受け渡しを行うための搬送口である。
【0031】
インターフェイスブロックS3は、図1に示すように、インターフェイスアームFを有する。インターフェイスアームFは、処理ブロックS2の棚ユニットU2の近傍に設けられている。棚ユニットU2の各処理モジュール同士の間及び露光装置S4との間では、インターフェイスアームFによりウェハWが搬送される。
【0032】
キャリアブロックS1からのウェハWは、棚ユニットU1の一つの受け渡しモジュール、例えば第2のブロック(BCT層)B2に対応する受け渡しモジュールCPL2に、受け渡し手段Cにより、順次搬送される。受け渡しモジュールCPL2に搬送されたウェハWは、第2のブロック(BCT層)B2の搬送アームA2に受け渡され、搬送アームA2を介して各処理モジュール(塗布モジュール及び加熱・冷却系の処理モジュール群の各処理モジュール)に搬送され、各処理モジュールで処理が行われる。これにより、ウェハWに反射防止膜が形成される。
【0033】
反射防止膜が形成されたウェハWは、搬送アームA2、棚ユニットU1の受け渡しモジュールBF2、受け渡しアームD、棚ユニットU1の受け渡しモジュールCPL3を介し、第3のブロック(COT層)B3の搬送アームA3に受け渡される。そして、ウェハWは、搬送アームA3を介して各処理モジュール(塗布モジュール及び加熱・冷却系の処理モジュール群の各処理モジュール)に搬送され、各処理モジュールで処理が行われる。これにより、ウェハWにレジスト膜が形成される。
【0034】
レジスト膜が形成されたウェハWは、搬送アームA3を介し、棚ユニットU1の受け渡しモジュールBF3に受け渡される。
【0035】
なお、レジスト膜が形成されたウェハWは、第4のブロック(TCT層)B4において更に反射防止膜が形成される場合もある。この場合は、ウェハWは受け渡しモジュールCPL4を介し、第4のブロック(TCT層)B4の搬送アームA4に受け渡され、搬送アームA4を介して各処理モジュール(塗布モジュール及び加熱・冷却系の処理モジュール群の各処理モジュール)に搬送され、各処理モジュールで処理が行われる。これにより、ウェハWに反射防止膜が形成される。そして、反射防止膜が形成されたウェハWは、搬送アームA4を介し、棚ユニットU1の受け渡しモジュールTRS4に受け渡される。
【0036】
レジスト膜が形成されたウェハW又はレジスト膜の上に更に反射防止膜が形成されたウェハWは、受け渡しアームD、受け渡しモジュールBF3、TRS4を介して受け渡しモジュールCPL11に受け渡される。受け渡しモジュールCPL11に受け渡されたウェハWは、シャトルアームEにより棚ユニットU2の受け渡しモジュールCPL12に直接搬送された後、インターフェイスブロックS3のインターフェイスアームFに受け渡される。
【0037】
インターフェイスアームFに受け渡されたウェハWは、露光装置S4に搬送され、所定の露光処理が行われる。所定の露光処理が行われたウェハWは、インターフェイスアームFを介し、棚ユニットU2の受け渡しモジュールTRS6に載置され、処理ブロックS2に戻される。処理ブロックS2に戻されたウェハWは、第1のブロック(DEV層)B1において現像処理が行われる。現像処理が行われたウェハWは、搬送アームA1、棚ユニットU1のいずれかの受け渡しモジュール、受け渡し手段Cを介し、キャリア20に戻される。
【0038】
次に、図4から図6を参照し、本発明における基板搬送装置である搬送アームA1〜A4について説明する。搬送アームA1〜A4は同様に構成されているので、第3のブロック(COT層)B3に設けられた搬送アームA3を代表して説明する。図5は、搬送アームA3を示す斜視図である。図6は、搬送アームA3を示す平面図及び側面図である。
【0039】
図4から図6に示すように、搬送アームA3は、2枚のフォーク3(3A、3B)、基台31、回転機構32、進退機構33A、33B、及び昇降台34を有する。
【0040】
2枚のフォーク3A、3Bは、上下に重なるように設けられている。基台31は、回転機構32により、鉛直軸周りに回転自在に設けられている。また、フォーク3A、3Bは、各々、その基端側がそれぞれ進退機構33A、33Bに支持されており、進退機構33A、33Bにより、基台31から、例えば、後述する加熱モジュール7の突き上げピン73に進退自在に設けられている。
【0041】
なお、フォーク3(3A、3B)は、本発明における保持枠に相当する。
【0042】
進退機構33A、33Bは、基台31内部に設けられた駆動機構であるモータMに、タイミングベルト等の伝達機構を用いて連結されており、フォーク3A、3Bを進退駆動する。伝達機構としては、ボールネジ機構やタイミングベルトを用いた機構等、周知の構成を用いることができる。
【0043】
なお、進退機構33A、33Bは、本発明における駆動部に相当する。また、後述する図12には、基台31の下方側に進退機構33Aの駆動機構33を図示している。進退機構33Aは、基台31内部に設けられた駆動機構33をモータMにより回転させることによって、フォーク3A、3Bを基台31から、例えば、後述する加熱モジュール7の突き上げピン73に進退駆動するように構成されている。モータMは、エンコーダ38に接続されている。図12中39はエンコーダ38のパルス数をカウントするカウンタである。
【0044】
昇降台34は、図4に示すように、回転機構32の下方側に設けられている。昇降台34は、上下方向(図4中Z軸方向)に直線状に延びる図示しないZ軸ガイドレールに沿って、昇降機構により昇降自在に設けられている。昇降機構としては、ボールネジ機構やタイミングベルトを用いた機構等、周知の構成を用いることができる。この例ではZ軸ガイドレール及び昇降機構は夫々カバー体35により覆われており、例えば上部側において接続されて一体となっている。またカバー体35は、Y軸方向に直線状に伸びるY軸ガイドレール36に沿って摺動移動するように構成されている。
【0045】
次に、図5から図11を参照し、フォーク3、保持爪30及び保持爪30に設けられた近接センサ4について説明する。また、以下では、フォーク3A、3Bを代表し、フォーク3Aについて説明するが、フォーク3Bも、フォーク3Aと全く同様に構成することができる。
【0046】
なお、近接センサ4は、本発明における検出部に相当する。
【0047】
図7は、フォーク3Aを拡大して示す平面図である。図8は、フォーク3Aを拡大して示す断面図である。図8は、図7におけるA−A線に沿う断面図である。また、図8では、4個の保持爪30及び4個の近接センサ4のうち、2個の保持爪及び2個の近接センサを示している。図9(a)及び図9(b)は、それぞれ保持爪30にウェハWが正常に載置されているときのフォーク3A及びウェハWを示す平面図及び断面図である。図9(b)は、図9(a)におけるA−A線に沿う断面図である。図10(a)及び図10(b)は、それぞれ保持爪30にウェハWが正常に載置されていないときのフォーク3A及びウェハWを示す平面図及び断面図である。図10(b)は、図10(a)におけるA−A線に沿う断面図である。図11は、保持爪30にウェハWが正常に載置されていないときの別の例におけるフォーク3A及びウェハWを示す平面図である。なお、図7から図11では、図示を容易にするため、フォーク3Aに対し、保持爪30及び近接センサ4を少し拡大して示している。
【0048】
図7及び図8に示すように、フォーク3Aは、円弧状に形成され、搬送する基板の周囲を囲むように設けられている。また、図5及び図6に示すように、フォーク3A、3Bには、各々保持爪30が形成されている。保持爪30は、フォーク3A、3Bの内縁から各々内側に突出するとともに、内縁に沿って互いに間隔を隔てて設けられており、ウェハWの周縁部が載置されることによってウェハWを保持するものである。保持爪30は、3個以上が設けられる。図5及び図6に示す例では、ウェハWの周縁部の4箇所を保持するために、4個の保持爪30A、30B、30C、30Dが設けられている。
【0049】
保持爪30A〜30Dの各々には、保持爪30A〜30DにウェハWが載置されたときに被検出体であるウェハWを検出するための近接センサ4A、4B、4C、4Dが設けられている。図7及び図8に示す例では、近接センサ4A〜4Dとして、静電容量型近接センサ(以下、単に「静電容量センサ」という。)が用いられている。
【0050】
図8に示すように、静電容量センサ4A、4B、4C、4Dは、それぞれ静電容量測定部41A、41B、41C、41Dに電気的に接続されており、静電容量センサ4A〜4Dで検出された静電容量の変化を、これらの静電容量測定部41A〜41Dによって所定の電気信号、例えば静電容量の増加に応じて大きな電圧信号に変化出力するように構成されている。静電容量センサ4A〜4D上にウェハWが載置されていないときは、静電容量センサ4A〜4Dの検出する静電容量(出力)は略0である。また、静電容量センサ4A〜4D上にウェハWが載置されているときに静電容量センサ4A〜4Dの検出する静電容量(出力)は、静電容量センサ4A〜4D上にウェハWが載置されていないときに静電容量センサ4A〜4Dの検出する静電容量(出力)よりも大きい。また、図8における点線で示すように、静電容量センサ4A〜4DとウェハWとの間の距離が正常な状態よりも大きいときに静電容量センサ4A〜4Dの検出する静電容量(出力)は、ウェハWが全く載置されていないときの静電容量(出力)よりは大きいが、正常な状態でウェハWが載置されているときの静電容量(出力)よりも小さい。
【0051】
静電容量測定部41A、41B、41C、41Dの出力は、比較部42A、42B、42C、42Dに入力されるように構成されている。そして、比較部42A、42B、42C、42Dの出力は、後述する制御部5に入力されるように構成されている。比較部42A〜42Dは、静電容量測定部41A〜41Dの出力を予め設定された下限値と比較する。
【0052】
本実施の形態では、下限値として、第1の下限値と、第1の下限値よりも大きい第2の下限値を用いる。
【0053】
第1の下限値は、略0に近い値であり、静電容量センサ4A〜4Dが設けられている保持爪30A〜30DにウェハWが保持されていないときに、静電容量測定部41A〜41Dの出力が、第1の下限値より小さくなるような値として、設定されている。
【0054】
第2の下限値は、第1の下限値よりも大きい値である。また、第2の下限値は、ウェハWが正常に保持爪30A〜30Dに載置されているときに、静電容量測定部41A〜41Dの出力が、第2の下限値より大きくなるような値として、設定されている。静電容量測定部41A〜41Dの出力が、第2の下限値より小さくなるときは、ウェハWが正常に保持爪30A〜30Dに載置されていないとき、すなわち、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置が正常な位置からずれているときである。このときは、後述するように、ウェハWを、フォーク3Aから本発明における基板載置部に相当する、各処理モジュールの突き上げピン又は載置台に戻し、フォーク3Aの位置を補正した後、再び、ウェハWを各処理モジュールの突き上げピン又は載置台からフォーク3Aに受け取る。
【0055】
比較部42A〜42Dは、例えば、以下のように比較処理を行うように構成されている。すなわち、比較部42A〜42Dは、静電容量測定部41A〜41Dの出力が第2の下限値より大きくなるときは、制御部5に対し、載置信号を発生する。また、比較部42A〜42Dは、静電容量測定部41A〜41Dの出力が第1の下限値より小さくなるときは、制御部5に対し、警告信号を発生する。また、比較部42A〜42Dは、静電容量測定部41A〜41Dの出力が第1の下限値より大きく第2の下限値より小さいときは、載置信号及び警告信号のいずれも発生しない。
【0056】
まず、図9(a)及び図9(b)に示すように、ウェハWが保持爪30A〜30Dに正常に載置されている場合について説明する。このようなときは、全ての静電容量測定部41A〜41Dの出力が第2の下限値よりも大きくなり、比較部42A〜42Dの全ては、制御部5に対し、載置信号を出力する。そして、比較部42A〜42Dの全てから載置信号が入力された制御部5は、ウェハWが保持爪30A〜30Dに正常に載置されており、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置の補正の必要がないと判定する。補正の必要がないと判定した制御部5は、進退機構33A及び昇降台34を制御し、フォーク3Aを駆動してウェハWを搬送する。
【0057】
次に、図10(a)、図10(b)及び図11に示すように、ウェハWが保持爪30A〜30Dに正常に載置されていない場合について説明する。図10(a)及び図10(b)は、ウェハWがフォーク3Aの進退方向であるX方向と略直交するY方向にずれたときを示しており、図11は、ウェハWがフォーク3Aの進退方向であるX方向にずれたときを示している。このようなときは、静電容量測定部41A〜41Dのいずれかにおいて、出力が第2の下限値よりも小さくなり、比較部42A〜42Dのいずれかは、制御部5に対し、載置信号を出力しない。そして、比較部42A〜42Dのいずれかから載置信号が入力されない制御部5は、ウェハWが保持爪30A〜30Dに正常に載置されておらず、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置の補正の必要があると判定する。補正の必要があると判定した制御部5は、進退機構33A及び昇降台34を制御し、ウェハWを、フォーク3Aの保持爪30A〜30Dから各処理モジュールの突き上げピン又は載置台に戻し、フォーク3Aの位置を補正する。そして、補正した後、再び、ウェハWを各モジュールの突き上げピン又は載置台からフォーク3Aの保持爪30A〜30Dに受け取る。
【0058】
更に、ウェハWの位置が正常な位置からかなりずれているか、又は、ウェハWが保持爪30A〜30Dのいずれかに全く載置されていないときは、静電容量測定部41A〜41Dのいずれかにおいて、出力が第2の下限値よりも小さい第1の下限値よりも更に小さくなる。このとき、その静電容量測定部41A〜41Dに対応する比較部42A〜42Dは、警告信号を発生する。制御部5は、比較部42A〜42Dのいずれかから警告信号が入力されたときは、ウェハWの位置が正常な位置からかなりずれているか、又は、ウェハWが保持爪30A〜30Dのいずれかに全く載置されていないと判定し、フォーク3Aの移動を停止する。
【0059】
次に、図12を参照し、搬送アームと処理モジュールとの間のウェハWの受け渡しを制御する制御部5について説明する。
【0060】
なお、以下では、基板搬送方法の説明も含め、搬送アームがウェハWを受け渡す処理モジュールとして、加熱モジュール7を例示して説明する。加熱モジュール7は、前述した図3及び図4を用いて説明したように、第1のブロック(DEV層)B1、第2のブロック(BCT層)B2、第3のブロック(COT層)B3、第4のブロック(TCT層)B4のそれぞれにおいて、棚ユニットU3に組み込まれている。
【0061】
図12は、制御部5を第3のブロック(COT層)B3における搬送アームA3及び加熱モジュール7とともに示す構成図である。
【0062】
図12に示すように、加熱モジュール7は、処理容器71、熱板72、突き上げピン73、昇降機構74を有する。加熱モジュール7は、ウェハWに対して熱処理を行うものである。処理容器71内には、熱板72が設けられている。熱板72には、突き上げピン73が設けられている。昇降機構74は突き上げピン73を昇降するためのものである。突き上げピン73は、本発明における基板載置部に相当する。また、図12中70は、ウェハWの搬送口である。
【0063】
制御部5は、演算処理部51、記憶部52、表示部53、及びアラーム発生部54を有する。
【0064】
演算処理部51は、例えばメモリ、CPU(Central Processing Unit)を有するデータ処理部であるコンピュータである。演算処理部51は、記憶部52に記録されたプログラムを読み取り、そのプログラムに含まれる命令(コマンド)に従って、レジストパターン形成装置の各部に制御信号を送り、レジストパターン形成処理に含まれる各種の基板処理を実行する。具体的には、演算処理部51は、搬送アームA3の進退機構33A、33Bの駆動機構33に設けられたモータM、エンコーダ38やカウンタ39等に対して所定の制御信号を送り、ウェハWの受け渡し及び搬送を実行する。
【0065】
記憶部52は、演算処理部51に、各種の処理を実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記録媒体として、例えば、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、光磁気(Magnetoptical;MO)ディスク等を用いることができる。
【0066】
表示部53は、例えばコンピュータの画面よりなる。表示部53では、各種の基板処理の選択や、各基板処理におけるパラメータの入力操作を行うことができる。
【0067】
アラーム発生部54は、搬送アームA3を含め、レジストパターン形成装置の各部に異常が発生したときに、アラームを発生させる。
【0068】
次に、図12から図14を参照し、搬送アームA3のフォーク3Aが加熱モジュール7からウェハWを受け取る際の工程を例示し、本実施の形態に係る基板搬送方法について説明する。図13は、基板搬送方法における各工程の手順を示すフローチャートである。図14は、ウェハWを受け渡す際の加熱モジュール7と搬送アームA3の状態を示す図である。
【0069】
本実施の形態に係る基板搬送方法は、制御部5が、進退機構33Aによりフォーク3Aを前進させ、突き上げピン73から保持爪30A〜30DにウェハWを受け取った際に、静電容量センサ4A〜4Dによりフォーク3Aに対するウェハWの相対位置を検出し、各々の静電容量センサ4A〜4Dの検出値に基づいて、相対位置の補正の要否を判定するものである。そして、相対位置の補正が必要と判定したときには、補正動作を行い、相対位置の補正が不要と判定したときには、進退機構33Aの駆動を停止するか、又は、ウェハWの搬送を継続するものである。
【0070】
図13に示すように、基板搬送方法は、受け取り工程(ステップS11)、検出工程(ステップS12)、判定工程(ステップS13、ステップS14)、補正工程(ステップS15)、搬出工程(ステップS16)、及び停止工程(ステップS17)を有する。
【0071】
受け取り工程(ステップS11)では、図14(a)に示すように、加熱モジュール7において突き上げピン73によりウェハWを突き上げ、ウェハWを熱板72の上方位置まで上昇させる。次に、図14(b)に示すように、制御部5に制御された進退機構33Aにより、加熱モジュール7の外方からウェハWの下方側へフォーク3Aを前進させる。そして、図14(c)に示すように、制御部5に制御された昇降台34によりフォーク3Aを上昇させ、ウェハWを下方側から掬い上げるようにして保持爪30A〜30Dに保持させることによって、ウェハWを突き上げピン73からフォーク3Aの保持爪30A〜30Dに受け取る。
【0072】
次に、検出工程(ステップS12)では、保持爪30A〜30DにウェハWを受け取った際に、ウェハWを保持爪30A〜30Dに保持させた状態で、保持爪30A〜30Dに設けられた静電容量センサ4A〜4Dの静電容量(出力)を検出する。
【0073】
制御部5では、比較部42A〜42Dにより、静電容量センサ4A〜4Dの検出値である静電容量(出力)と、第1の下限値、第2の下限値とを比較する。静電容量(出力)が第1の下限値より小さいときは、比較部42A〜42Dから警告信号が出力される。静電容量(出力)が第2の下限値より大きいときは、比較部42A〜42Dから載置信号が出力される。また、静電容量(出力)が第1の下限値より大きく、第2の下限値より小さいときは、比較部42A〜42Dからは載置信号及び警告信号のいずれも出力されない。
【0074】
次に、判定工程(ステップS13、ステップS14)では、制御部5が、4つの静電容量センサ4A〜4Dに対応する4つの比較部42A〜42Dから出力される載置信号及び警告信号の有無に基づいて、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置が正常か否かを判定し、相対位置の補正の要否を判定する。すなわち、制御部5は、4つの静電容量センサ4A〜4Dの検出値である静電容量(出力)に基づいて、相対位置の補正の要否を判定する。
【0075】
ステップS13では、4つの比較部42A〜42Dのいずれかから警告信号が出力されているかを判定する。
【0076】
4つの比較部42A〜42Dのいずれかから警告信号が出力されているときは、停止工程(ステップS17)へ進む。停止工程(ステップS17)では、搬送アームA3は、図14(d)及び図14(e)に示すような後退位置への後退が禁止され、加熱モジュール7内にてウェハWを受け取った状態で、駆動が停止される。そして、搬送アームA3の駆動が停止されたときは、オペレータにより、ウェハWの位置に異常が発生した原因の特定や、リカバリ処理、メンテナンス等が行われる。
【0077】
一方、4つの比較部42A〜42Dのいずれからも警告信号が出力されていないときは、ステップS14に進む。ステップS14では、全ての比較部42A〜42Dから載置信号が出力されているかを判定する。
【0078】
全ての比較部42A〜42Dから載置信号が出力されているときは、ウェハWの位置が正常であり、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置の補正は必要ないと判定し、搬出工程(ステップS16)に進む。搬出工程(ステップS16)では、図14(d)及び図14(e)に示すように、突き上げピン73を下降させ、フォーク3Aを後退させることによって、突き上げピン73からフォーク3Aの保持爪30A〜30DにウェハWを受け渡す。そして、フォーク3Aを後退させた後、保持しているウェハWを次の搬送先まで移動する。
【0079】
一方、いずれかの比較部42A〜42Dから載置信号が出力されていないときは、ウェハWの位置は、警告信号を出力するほどはずれてはいないものの、ある程度のずれ量でずれており、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置の補正が必要と判定する。このときは、補正工程(ステップS15)に進む。
【0080】
補正工程(ステップS15)では、制御部5に制御された昇降台34によりフォーク3Aを下降させ、ウェハWを保持爪30A〜30Dから突き上げピン73に戻す。その結果、図14(b)に示す状態に戻ることになる。そして、制御部5に制御された進退機構33Aにより、ウェハWの下方側から加熱モジュール7の外方へフォーク3Aを後退させる。その結果、図14(a)に示す状態に戻すことになる。そして、加熱モジュール7の外方で、先ほどのウェハWの位置のずれを補償するように、フォーク3Aの位置を補正する。
【0081】
例えば、4個の静電容量センサのうち、4A、4Bの静電容量(出力)は第2の下限値より大きいが、4C、4Dの静電容量(出力)は第2の下限値より小さいときは、図10に示したように、ウェハWの位置が−Y方向にあるずれ量だけずれていたと考えられる。また、そのずれ量は、4A、4Bの静電容量(出力)と第2の下限値との差に基づいて、算出が可能である。静電容量センサの静電容量(出力)は、静電容量センサの表面のうち、被検出物に覆われている領域の面積に依存するからである。従って、静電容量センサの静電容量(出力)に基づいて、保持爪30A〜30Dの上面のうち、ウェハWに覆われている領域の面積を算出することができる。そして、算出された−Y方向のずれ量を補償、すなわち相殺するように、フォーク3Aの位置を補正する。
【0082】
あるいは、例えば、4個の静電容量センサのうち、4A、4Dの静電容量(出力)は第2の下限値より大きいが、4B、4Cの静電容量(出力)は第2の下限値より小さいときは、図11に示したように、ウェハWの位置が−X方向にあるずれ量だけずれていたと考えられる。また、そのずれ量は、図10を用いて説明した場合と同様に、4B、4Cの静電容量(出力)と第2の下限値との差に基づいて、算出が可能である。そして、算出された−X方向のずれ量を補償、すなわち相殺するように、フォーク3Aの位置を補正する。
【0083】
このようにして、フォーク3Aのずれ量を補正した後、受け取り工程(ステップS11)に再び戻る。受け取り工程(ステップS11)では、図14(b)に示すように、位置が補正されたフォーク3Aを、制御部5に制御された進退機構33Aにより、再び、加熱モジュール7の外方からウェハWの下方側へ前進させる。そして、図14(c)に示すように、制御部5に制御された昇降台34によりフォーク3Aを上昇させ、ウェハWを下方側から掬い上げるようにして、保持爪30A〜30Dに保持させる。そして、ウェハWを保持爪30A〜30Dに保持させた後、再び、検出工程(ステップS12)及び判定工程(ステップS13、ステップS14)を行う。
【0084】
検出工程(ステップS12)では、再び、保持爪30A〜30Dに設けられた静電容量センサ4A〜4Dの静電容量(出力)を検出する。そして、ステップS13において、4つの比較部42A〜42Dのいずれからも警告信号が出力されておらず、ステップS14において、全ての比較部42A〜42Dから載置信号が出力されているときは、ウェハWの位置が正常であると判定し、搬出工程(ステップS16)に進む。
【0085】
本実施の形態では、判定工程(ステップS13、ステップS14)及び補正工程(ステップS15)により、保持爪30A〜30Dに保持されているウェハWのフォーク3Aに対する相対位置が、正常な位置から位置ずれしているかを容易に検出することができる。また、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置が正常な位置から位置ずれしていた場合には、ウェハWを落下させたり処理モジュールの他の部分に接触させることなく、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置が正常な位置になるように保持し直すことができる。
【0086】
また、いずれかの比較部42A〜42Dから警告信号が出力されたときに搬送アームA3の駆動を停止することによって、正常な状態で載置されていなかったウェハWがフォーク3Aの後退の途中で落下すること、又は、落下したウェハWと搬送アームA3が衝突することを防止できる。そして、ウェハWの位置に異常がある場合であっても、ウェハWの位置を正常な位置に戻す対応を行えば済み、その対応後に速やかに処理を再開できる。
【0087】
すなわち、本実施の形態によれば、フォーク3A上のウェハWの保持状態に応じて適切な搬送制御を行うことができる。
【0088】
また、突き上げピン73からフォーク3Aの保持爪30A〜30DにウェハWを受け取った際に、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置が正常であるか否かを判定し、場合によってはフォーク3Aの後退を停止する。そのため、処理モジュール内でウェハWが破損する等の不具合があったときに、不具合が発生した時点における状態をそのまま観察することができ、不具合が発生した直後のフォーク3Aや処理モジュール内の様子を容易に確認できる。従って、不具合が処理モジュールに起因するものか、あるいは、不具合がウェハWの受け渡し動作に起因するものかが特定しやすく、不具合の再発を容易に防止できる。
【0089】
なお、本実施の形態では、受け取り工程(ステップS11)及び補正工程(ステップS15)において、進退機構33Aのみならず昇降台34を駆動させる例について説明した。しかし、昇降台34を駆動させず、加熱モジュール7の昇降機構74を駆動させ、突き上げピン73を昇降させることによって、ウェハWをフォーク3Aの保持爪30A〜30Dとの間で受け渡しするようにしてもよい。
【0090】
また、本実施の形態では、ウェハWを突き上げピン73に戻した後、フォーク3Aを加熱モジュール7から後退させ、加熱モジュール7の外方でフォーク3Aのずれ量を補正し、再びフォーク3Aを加熱モジュール7に前進させ、ウェハWを突き上げピン73からフォーク3Aに受け取らせる例について説明した。しかし、補正量が比較的小さいときは、フォーク3AがウェハW又は加熱モジュール7内における他の部分に接触するおそれがない。このときは、ウェハWをフォーク3Aの保持爪30A〜30Dから突き上げピン73に戻した後、フォーク3Aを加熱モジュール7内に前進させた状態で、加熱モジュール7内でフォーク3Aのずれ量を補正した後、再び、突き上げピン73からフォーク3Aの保持爪30A〜30DにウェハWを受け取るようにしてもよい。
【0091】
また、近接センサ4A〜4Dとして静電容量センサを用いるときは、検出される静電容量(出力)は、被検出物の誘電率に依存する。すなわち、同一の形状を有するウェハWであっても、例えばシリコン、ガラス、サファイア、アルミ等の各種の材質に依存して検出される静電容量(出力)が変化する。
【0092】
従って、本実施の形態によれば、静電容量センサ4A〜4Dにより、ウェハWの種類(材質)を検出することができる。そして、ウェハWの種類(材質)に応じてフォーク3Aの移動速度を変更する。これにより、例えば、ウェハWがフォーク3Aから落下し、破損したときの損失によるコスト増大と、工程時間(タクト時間)短縮によるコスト低減とが最適になるように、ウェハWごとに調整した製造プロセスを行うことができる。
【0093】
あるいは、複数の種類(材質)のウェハWを処理する場合には、ウェハWの種類(材質)に応じてウェハWを処理する処理パラメータが異なる場合がある。本実施の形態によれば、ウェハWの種類(材質)が検出できるため、検出したウェハWの種類(材質)に応じて処理パラメータを自動的に変更することができる。これにより、複数の種類(材質)のウェハWを処理する場合にも、同一の基板処理装置により処理を行うことができ、複数の基板処理装置を準備する必要がない。
【0094】
また、近接センサ4A〜4Dとして静電容量センサを用いるときは、検出される静電容量(出力)は、被検出物の帯電状態にも依存する。従って、近接センサ4A〜4DによりウェハWの帯電を検知し、アラームを発生するようにしてもよい。
【0095】
また、近接センサ4A〜4Dとして、静電容量センサに代え、歪ゲージを用いてもよい。また、光電センサ、接触センサ、磁気センサ等各種の他の近接スイッチを用いた変形例も可能である。図15を参照し、このような変形例について説明する。図15は、本変形例に係る搬送アームのフォーク3Aを拡大して示す平面図である。なお、図7と同様に、図15においても、図示を容易にするため、フォーク3Aに対し、保持爪30A〜30D及び近接スイッチ4A〜4Dを少し拡大して示している。
【0096】
図15に示すように、近接スイッチ4A〜4Dは、保持爪30A〜30Dの各々に、保持されるウェハWの径方向に沿って複数個設けられている。そして、ウェハWの径方向に沿って複数個設けられた近接スイッチ4A〜4Dの各々が検出する検出値に基づいて、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置の補正の要否を判定する。
【0097】
具体的には、ある保持爪30A〜30Dに設けられた複数個の近接スイッチ4A〜4Dのうち、検出値が所定の下限値より小さい近接スイッチ4A〜4Dの数が予め設定された個数より多いときに、相対位置の補正が必要と判定する。
【0098】
図15に示す例では、1個の保持爪30A〜30Dに、例えば近接スイッチ4A〜4DをウェハWの径方向に沿って4個設けている。そして、検出値が所定の下限値より大きくなる場合をON値、検出値が当該下限値より小さくなる場合をOFF値とする。そして、OFF値を出力した近接スイッチの数が、4個中例えば予め設定された個数である2個より多いときに、相対位置の補正が必要と判定する。
【0099】
近接スイッチは、前述した静電容量センサと異なり、近接スイッチの表面が、被検出物に覆われているか否かで、ON値、OFF値の2値で変化する近接スイッチの出力を検出するものである。従って、保持爪30A〜30Dの上面のうち、ウェハWに覆われている近接スイッチが何個であるかに基づいて、保持爪30A〜30Dの上面のうち、ウェハWに覆われている領域の面積を算出することができる。
【0100】
以上、本発明の好ましい実施の形態について記述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0101】
3、3A、3B フォーク(保持枠)
30、30A〜30D 保持爪(保持部)
33、33A、33B 進退機構(駆動部)
4、4A、4B、4C、4D 静電容量センサ(検出部)
5 制御部
73 基板載置部
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を搬送する基板搬送装置、基板搬送方法及びその基板搬送方法を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスやLCD(Liquid Crystal Display)基板の製造プロセスにおいては、装置内に基板(以下「ウェハ」ともいう。)に対して処理を行う処理モジュールを複数個設け、これら処理モジュールに基板搬送装置により基板を順次搬送することによって、所定の処理が行われている。基板搬送装置は、例えば、基板を保持するフォークが基台に沿って進退自在に設けられると共に、基板が鉛直軸周りに回転自在、昇降自在に構成されている。
【0003】
このような基板搬送装置には、フォークの位置が正常か否かを確認するためのセンサが設けられているものがある(例えば特許文献1参照)。また、処理モジュールからフォークが基板を受け取ったか否かを確認するためのセンサが設けられているものがある(例えば特許文献2参照)。
【0004】
特許文献1には、フォークに光の反射体が設けられ、反射体の下方に光を投受光できる光センサが設けられており、フォークが正常な位置からずれたことを検出可能にした基板搬送装置が開示されている。また、特許文献2には、フォークに基板が支持されていることを検出するための光センサが設けられており、基板が光軸を遮ることによってフォークに基板が支持されていることを検出可能にした基板搬送装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4047182号公報
【特許文献2】特許第3965131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記した基板を搬送する基板搬送装置及び基板搬送方法においては、次のような問題がある。
【0007】
特許文献1に開示される例では、フォークの位置が正常な位置からずれたことを検知することはできる。しかし、フォークに保持されている基板がフォークに対して位置ずれしていることは検知できない。
【0008】
一方、特許文献2に開示される例では、フォークに保持されている基板が、センサが設けられている側からセンサが設けられていない側に位置ずれしたときは、光軸を遮らない状態になるので、その位置ずれを容易に検知することができる。しかし、フォークに保持されている基板が、センサが設けられていない側からセンサが設けられている側に位置ずれしたときは、光軸を遮った状態が変わらないため、その位置ずれを容易に検知することができない。
【0009】
通常、光センサは、フォークの根元側に設けられていることが多い。このときは、基板がフォークの根元側に乗り上げた状態を検知することができない。例えば、基板がフォークの根元側にずれた状態で、フォークが基板を保持したときは、基板のずれを検知することができないため、フォークが基板を保持している位置が位置ずれしているか否かが不明な状態で後退動作が行われてしまう。その結果、例えば、次の処理モジュールに基板を受け渡したときに基板の位置がずれる、又は、基板が処理モジュール内の他の部分に接触して破損する、等のトラブルが発生するおそれがある。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、フォークに保持されている基板が正常な位置から位置ずれしているかを容易に検出でき、更にフォーク上の基板の保持状態に応じて適切な搬送制御を行うことができる基板搬送装置及び基板搬送方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明の一実施例によれば、基板を載置する基板載置部から基板を受け取り、受け取った前記基板を搬送する基板搬送装置において、搬送する基板の周囲を囲むように設けられ、前記基板載置部に進退自在な保持枠と、前記保持枠の内縁に沿って互いに間隔を隔てて設けられており、前記基板の周縁部が載置されることによって前記基板を保持する、3個以上の保持部と、前記保持部の各々に設けられ、前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出する検出部と、前記保持枠を前記基板載置部に進退駆動する駆動部と、前記駆動部により前記保持枠を前進させ、前記基板載置部から前記保持部に前記基板を受け取った際に、前記検出部により前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出し、各々の前記検出部の検出値に基づいて、前記相対位置の補正の要否を判定し、前記相対位置の補正が必要と判定したときには、補正動作を行い、前記相対位置の補正が不要と判定したときには、前記駆動部の駆動を停止するか、又は、前記基板の搬送を継続する、制御部とを有する、基板搬送装置が提供される。
【0013】
また、本発明の一実施例によれば、搬送する基板の周囲を囲むように設けられ、基板を載置する基板載置部に進退自在な保持枠と、前記保持枠の内縁に沿って互いに間隔を隔てて設けられており、前記基板の周縁部が載置されることによって前記基板を保持する、3個以上の保持部と、前記保持部の各々に設けられ、前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出する検出部と、前記保持枠を前記基板載置部に進退駆動する駆動部とを有し、前記基板載置部から基板を受け取り、受け取った前記基板を搬送する基板搬送装置における基板搬送方法であって、前記駆動部により前記保持枠を前進させ、前記基板載置部から前記保持部に前記基板を受け取った際に、前記検出部により前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出し、各々の前記検出部の検出値に基づいて、前記相対位置の補正の要否を判定する判定工程を有し、前記相対位置の補正が必要と判定したときには、補正動作を行い、前記相対位置の補正が不要と判定したときには、前記駆動部の駆動を停止するか、又は、前記基板の搬送を継続する、基板搬送方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、基板を搬送する基板搬送装置及び基板搬送方法において、フォークに保持されている基板が正常な位置から位置ずれしているかを容易に検出でき、更にフォーク上の基板の保持状態に応じて適切な搬送制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態に係るレジストパターン形成装置の構成を示す平面図である。
【図2】実施の形態に係るレジストパターン形成装置の構成を示す概略斜視図である。
【図3】実施の形態に係るレジストパターン形成装置の構成を示す側面図である。
【図4】第3のブロックの構成を示す斜視図である。
【図5】実施の形態に係る搬送アームを示す斜視図である。
【図6】実施の形態に係る搬送アームを示す平面図及び側面図である。
【図7】実施の形態に係る搬送アームのフォークを拡大して示す平面図である。
【図8】実施の形態に係る搬送アームのフォークを拡大して示す断面図である。
【図9】保持爪にウェハが正常に載置されているときのフォーク及びウェハを示す平面図及び断面図である。
【図10】保持爪にウェハが正常に載置されていないときのフォーク及びウェハを示す平面図及び断面図である。
【図11】保持爪にウェハが正常に載置されていないときの別の例におけるフォーク及びウェハを示す平面図である。
【図12】レジストパターン形成装置に設けられた加熱モジュール及び制御部を示す構成図である。
【図13】基板搬送方法における各工程の手順を示すフローチャートである。
【図14】ウェハを受け渡す際の加熱モジュールと搬送アームの状態を示す図である。
【図15】実施の形態の変形例に係る搬送アームのフォークを拡大して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る基板搬送装置を備えた基板処理装置を、塗布現像装置に適用した場合を例にして説明する。
【0017】
先ず、図1から図4を参照し、塗布現像装置に露光装置を接続したレジストパターン形成装置について、図面を参照しながら簡単に説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態に係るレジストパターン形成装置の構成を示す平面図である。図2は、本実施の形態に係るレジストパターン形成装置の構成を示す概略斜視図である。図3は、本実施の形態に係るレジストパターン形成装置の構成を示す側面図である。図4は、第3のブロック(COT層)B3の構成を示す斜視図である。
【0019】
レジストパターン形成装置は、図1及び図2に示すように、キャリアブロックS1、処理ブロックS2、インターフェイスブロックS3を有する。また、レジストパターン形成装置のインターフェイスブロックS3側に、露光装置S4が設けられている。処理ブロックS2は、キャリアブロックS1に隣接するように設けられている。インターフェイスブロックS3は、処理ブロックS2のキャリアブロックS1側と反対側に、処理ブロックS2に隣接するように設けられている。露光装置S4は、インターフェイスブロックS3の処理ブロックS2側と反対側に、インターフェイスブロックS3に隣接するように設けられている。
【0020】
キャリアブロックS1は、キャリア20、載置台21及び受け渡し手段Cを有する。キャリア20は、載置台21上に載置されている。受け渡し手段Cは、キャリア20からウェハWを取り出し、処理ブロックS2に受け渡すとともに、処理ブロックS2において処理された処理済みのウェハWを受け取り、キャリア20に戻すためのものである。
【0021】
処理ブロックS2は、図2に示すように、棚ユニットU1、棚ユニットU2、第1のブロック(DEV層)B1、第2のブロック(BCT層)B2、第3のブロック(COT層)B3、第4のブロック(TCT層)B4を有する。第1のブロック(DEV層)B1は、現像処理を行うためのものである。第2のブロック(BCT層)B2は、レジスト膜の下層側に形成される反射防止膜の形成処理を行うためのものである。第3のブロック(COT層)B3は、レジスト液の塗布処理を行うためのものである。第4のブロック(TCT層)B4は、レジスト膜の上層側に形成される反射防止膜の形成処理を行うためのものである。
【0022】
棚ユニットU1は、各種のモジュールが積層されて構成されている。棚ユニットU1は、図3に示すように、例えば下から順に積層された、受け渡しモジュールTRS1、TRS1、CPL11、CPL2、BF2、CPL3、BF3、CPL4、TRS4を有する。また、図1に示すように、棚ユニットU1の近傍には、昇降自在な受け渡しアームDが設けられている。棚ユニットU1の各処理モジュール同士の間では、受け渡しアームDによりウェハWが搬送される。
【0023】
棚ユニットU2は、各種の処理モジュールが積層されて構成されている。棚ユニットU2は、図3に示すように、例えば下から順に積層された、受け渡しモジュールTRS6、TRS6、CPL12を有する。
【0024】
なお、図3において、CPLが付されている受け渡しモジュールは、温調用の冷却モジュールを兼ねており、BFが付されている受け渡しモジュールは、複数枚のウェハWを載置可能なバッファモジュールを兼ねている。
【0025】
第1のブロック(DEV層)B1は、図1及び図3に示すように、現像モジュール22、搬送アームA1及びシャトルアームEを有する。現像モジュール22は、1つの第1のブロック(DEV層)B1内に、上下2段に積層されている。搬送アームA1は、2段の現像モジュール22にウェハWを搬送するためのものである。すなわち、搬送アームA1は、2段の現像モジュール22にウェハWを搬送する搬送アームが共通化されているものである。シャトルアームEは、棚ユニットU1の受け渡しモジュールCPL11から棚ユニットU2の受け渡しモジュールCPL12にウェハWを直接搬送するためのものである。
【0026】
第2のブロック(BCT層)B2、第3のブロック(COT層)B3、及び第4のブロック(TCT層)B4は、各々塗布モジュール、加熱・冷却系の処理モジュール群、及び搬送アームA2、A3、A4を有する。処理モジュール群は、塗布モジュールにおいて行われる処理の前処理及び後処理を行うためのものである。搬送アームA2、A3、A4は、塗布モジュールと処理モジュール群との間に設けられており、塗布モジュール及び処理モジュール群の各処理モジュールの間でウェハWの受け渡しを行う。
【0027】
第2のブロック(BCT層)B2から第4のブロック(TCT層)B4の各ブロックは、第2のブロック(BCT層)B2及び第4のブロック(TCT層)B4における薬液が反射防止膜用の薬液であり、第3のブロック(COT層)B3における薬液がレジスト液であることを除き、同様の構成を有する。
【0028】
なお、搬送アームA1〜A4は、本発明における基板搬送装置に相当するものであり、搬送アームA1〜A4の構成については、後述する。また、載置台21、各処理モジュールにおける基板を載置する部分は、本発明における基板載置部に相当する。
【0029】
ここで、図4を参照し、第2のブロック(BCT層)B2、第3のブロック(COT層)B3、及び第4のブロック(TCT層)B4を代表し、第3のブロック(COT層)B3の構成を説明する。
【0030】
第3のブロック(COT層)B3は、塗布モジュール23、棚ユニットU3及び搬送アームA3を有する。棚ユニットU3は、加熱モジュール、冷却モジュール等の熱処理モジュール群を構成するように積層された、複数の処理モジュールを有する。棚ユニットU3は、塗布モジュール23と対向するように配列されている。搬送アームA3は、塗布モジュール23と棚ユニットU3との間に設けられている。図4中24は、各処理モジュールと搬送アームA3との間でウェハWの受け渡しを行うための搬送口である。
【0031】
インターフェイスブロックS3は、図1に示すように、インターフェイスアームFを有する。インターフェイスアームFは、処理ブロックS2の棚ユニットU2の近傍に設けられている。棚ユニットU2の各処理モジュール同士の間及び露光装置S4との間では、インターフェイスアームFによりウェハWが搬送される。
【0032】
キャリアブロックS1からのウェハWは、棚ユニットU1の一つの受け渡しモジュール、例えば第2のブロック(BCT層)B2に対応する受け渡しモジュールCPL2に、受け渡し手段Cにより、順次搬送される。受け渡しモジュールCPL2に搬送されたウェハWは、第2のブロック(BCT層)B2の搬送アームA2に受け渡され、搬送アームA2を介して各処理モジュール(塗布モジュール及び加熱・冷却系の処理モジュール群の各処理モジュール)に搬送され、各処理モジュールで処理が行われる。これにより、ウェハWに反射防止膜が形成される。
【0033】
反射防止膜が形成されたウェハWは、搬送アームA2、棚ユニットU1の受け渡しモジュールBF2、受け渡しアームD、棚ユニットU1の受け渡しモジュールCPL3を介し、第3のブロック(COT層)B3の搬送アームA3に受け渡される。そして、ウェハWは、搬送アームA3を介して各処理モジュール(塗布モジュール及び加熱・冷却系の処理モジュール群の各処理モジュール)に搬送され、各処理モジュールで処理が行われる。これにより、ウェハWにレジスト膜が形成される。
【0034】
レジスト膜が形成されたウェハWは、搬送アームA3を介し、棚ユニットU1の受け渡しモジュールBF3に受け渡される。
【0035】
なお、レジスト膜が形成されたウェハWは、第4のブロック(TCT層)B4において更に反射防止膜が形成される場合もある。この場合は、ウェハWは受け渡しモジュールCPL4を介し、第4のブロック(TCT層)B4の搬送アームA4に受け渡され、搬送アームA4を介して各処理モジュール(塗布モジュール及び加熱・冷却系の処理モジュール群の各処理モジュール)に搬送され、各処理モジュールで処理が行われる。これにより、ウェハWに反射防止膜が形成される。そして、反射防止膜が形成されたウェハWは、搬送アームA4を介し、棚ユニットU1の受け渡しモジュールTRS4に受け渡される。
【0036】
レジスト膜が形成されたウェハW又はレジスト膜の上に更に反射防止膜が形成されたウェハWは、受け渡しアームD、受け渡しモジュールBF3、TRS4を介して受け渡しモジュールCPL11に受け渡される。受け渡しモジュールCPL11に受け渡されたウェハWは、シャトルアームEにより棚ユニットU2の受け渡しモジュールCPL12に直接搬送された後、インターフェイスブロックS3のインターフェイスアームFに受け渡される。
【0037】
インターフェイスアームFに受け渡されたウェハWは、露光装置S4に搬送され、所定の露光処理が行われる。所定の露光処理が行われたウェハWは、インターフェイスアームFを介し、棚ユニットU2の受け渡しモジュールTRS6に載置され、処理ブロックS2に戻される。処理ブロックS2に戻されたウェハWは、第1のブロック(DEV層)B1において現像処理が行われる。現像処理が行われたウェハWは、搬送アームA1、棚ユニットU1のいずれかの受け渡しモジュール、受け渡し手段Cを介し、キャリア20に戻される。
【0038】
次に、図4から図6を参照し、本発明における基板搬送装置である搬送アームA1〜A4について説明する。搬送アームA1〜A4は同様に構成されているので、第3のブロック(COT層)B3に設けられた搬送アームA3を代表して説明する。図5は、搬送アームA3を示す斜視図である。図6は、搬送アームA3を示す平面図及び側面図である。
【0039】
図4から図6に示すように、搬送アームA3は、2枚のフォーク3(3A、3B)、基台31、回転機構32、進退機構33A、33B、及び昇降台34を有する。
【0040】
2枚のフォーク3A、3Bは、上下に重なるように設けられている。基台31は、回転機構32により、鉛直軸周りに回転自在に設けられている。また、フォーク3A、3Bは、各々、その基端側がそれぞれ進退機構33A、33Bに支持されており、進退機構33A、33Bにより、基台31から、例えば、後述する加熱モジュール7の突き上げピン73に進退自在に設けられている。
【0041】
なお、フォーク3(3A、3B)は、本発明における保持枠に相当する。
【0042】
進退機構33A、33Bは、基台31内部に設けられた駆動機構であるモータMに、タイミングベルト等の伝達機構を用いて連結されており、フォーク3A、3Bを進退駆動する。伝達機構としては、ボールネジ機構やタイミングベルトを用いた機構等、周知の構成を用いることができる。
【0043】
なお、進退機構33A、33Bは、本発明における駆動部に相当する。また、後述する図12には、基台31の下方側に進退機構33Aの駆動機構33を図示している。進退機構33Aは、基台31内部に設けられた駆動機構33をモータMにより回転させることによって、フォーク3A、3Bを基台31から、例えば、後述する加熱モジュール7の突き上げピン73に進退駆動するように構成されている。モータMは、エンコーダ38に接続されている。図12中39はエンコーダ38のパルス数をカウントするカウンタである。
【0044】
昇降台34は、図4に示すように、回転機構32の下方側に設けられている。昇降台34は、上下方向(図4中Z軸方向)に直線状に延びる図示しないZ軸ガイドレールに沿って、昇降機構により昇降自在に設けられている。昇降機構としては、ボールネジ機構やタイミングベルトを用いた機構等、周知の構成を用いることができる。この例ではZ軸ガイドレール及び昇降機構は夫々カバー体35により覆われており、例えば上部側において接続されて一体となっている。またカバー体35は、Y軸方向に直線状に伸びるY軸ガイドレール36に沿って摺動移動するように構成されている。
【0045】
次に、図5から図11を参照し、フォーク3、保持爪30及び保持爪30に設けられた近接センサ4について説明する。また、以下では、フォーク3A、3Bを代表し、フォーク3Aについて説明するが、フォーク3Bも、フォーク3Aと全く同様に構成することができる。
【0046】
なお、近接センサ4は、本発明における検出部に相当する。
【0047】
図7は、フォーク3Aを拡大して示す平面図である。図8は、フォーク3Aを拡大して示す断面図である。図8は、図7におけるA−A線に沿う断面図である。また、図8では、4個の保持爪30及び4個の近接センサ4のうち、2個の保持爪及び2個の近接センサを示している。図9(a)及び図9(b)は、それぞれ保持爪30にウェハWが正常に載置されているときのフォーク3A及びウェハWを示す平面図及び断面図である。図9(b)は、図9(a)におけるA−A線に沿う断面図である。図10(a)及び図10(b)は、それぞれ保持爪30にウェハWが正常に載置されていないときのフォーク3A及びウェハWを示す平面図及び断面図である。図10(b)は、図10(a)におけるA−A線に沿う断面図である。図11は、保持爪30にウェハWが正常に載置されていないときの別の例におけるフォーク3A及びウェハWを示す平面図である。なお、図7から図11では、図示を容易にするため、フォーク3Aに対し、保持爪30及び近接センサ4を少し拡大して示している。
【0048】
図7及び図8に示すように、フォーク3Aは、円弧状に形成され、搬送する基板の周囲を囲むように設けられている。また、図5及び図6に示すように、フォーク3A、3Bには、各々保持爪30が形成されている。保持爪30は、フォーク3A、3Bの内縁から各々内側に突出するとともに、内縁に沿って互いに間隔を隔てて設けられており、ウェハWの周縁部が載置されることによってウェハWを保持するものである。保持爪30は、3個以上が設けられる。図5及び図6に示す例では、ウェハWの周縁部の4箇所を保持するために、4個の保持爪30A、30B、30C、30Dが設けられている。
【0049】
保持爪30A〜30Dの各々には、保持爪30A〜30DにウェハWが載置されたときに被検出体であるウェハWを検出するための近接センサ4A、4B、4C、4Dが設けられている。図7及び図8に示す例では、近接センサ4A〜4Dとして、静電容量型近接センサ(以下、単に「静電容量センサ」という。)が用いられている。
【0050】
図8に示すように、静電容量センサ4A、4B、4C、4Dは、それぞれ静電容量測定部41A、41B、41C、41Dに電気的に接続されており、静電容量センサ4A〜4Dで検出された静電容量の変化を、これらの静電容量測定部41A〜41Dによって所定の電気信号、例えば静電容量の増加に応じて大きな電圧信号に変化出力するように構成されている。静電容量センサ4A〜4D上にウェハWが載置されていないときは、静電容量センサ4A〜4Dの検出する静電容量(出力)は略0である。また、静電容量センサ4A〜4D上にウェハWが載置されているときに静電容量センサ4A〜4Dの検出する静電容量(出力)は、静電容量センサ4A〜4D上にウェハWが載置されていないときに静電容量センサ4A〜4Dの検出する静電容量(出力)よりも大きい。また、図8における点線で示すように、静電容量センサ4A〜4DとウェハWとの間の距離が正常な状態よりも大きいときに静電容量センサ4A〜4Dの検出する静電容量(出力)は、ウェハWが全く載置されていないときの静電容量(出力)よりは大きいが、正常な状態でウェハWが載置されているときの静電容量(出力)よりも小さい。
【0051】
静電容量測定部41A、41B、41C、41Dの出力は、比較部42A、42B、42C、42Dに入力されるように構成されている。そして、比較部42A、42B、42C、42Dの出力は、後述する制御部5に入力されるように構成されている。比較部42A〜42Dは、静電容量測定部41A〜41Dの出力を予め設定された下限値と比較する。
【0052】
本実施の形態では、下限値として、第1の下限値と、第1の下限値よりも大きい第2の下限値を用いる。
【0053】
第1の下限値は、略0に近い値であり、静電容量センサ4A〜4Dが設けられている保持爪30A〜30DにウェハWが保持されていないときに、静電容量測定部41A〜41Dの出力が、第1の下限値より小さくなるような値として、設定されている。
【0054】
第2の下限値は、第1の下限値よりも大きい値である。また、第2の下限値は、ウェハWが正常に保持爪30A〜30Dに載置されているときに、静電容量測定部41A〜41Dの出力が、第2の下限値より大きくなるような値として、設定されている。静電容量測定部41A〜41Dの出力が、第2の下限値より小さくなるときは、ウェハWが正常に保持爪30A〜30Dに載置されていないとき、すなわち、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置が正常な位置からずれているときである。このときは、後述するように、ウェハWを、フォーク3Aから本発明における基板載置部に相当する、各処理モジュールの突き上げピン又は載置台に戻し、フォーク3Aの位置を補正した後、再び、ウェハWを各処理モジュールの突き上げピン又は載置台からフォーク3Aに受け取る。
【0055】
比較部42A〜42Dは、例えば、以下のように比較処理を行うように構成されている。すなわち、比較部42A〜42Dは、静電容量測定部41A〜41Dの出力が第2の下限値より大きくなるときは、制御部5に対し、載置信号を発生する。また、比較部42A〜42Dは、静電容量測定部41A〜41Dの出力が第1の下限値より小さくなるときは、制御部5に対し、警告信号を発生する。また、比較部42A〜42Dは、静電容量測定部41A〜41Dの出力が第1の下限値より大きく第2の下限値より小さいときは、載置信号及び警告信号のいずれも発生しない。
【0056】
まず、図9(a)及び図9(b)に示すように、ウェハWが保持爪30A〜30Dに正常に載置されている場合について説明する。このようなときは、全ての静電容量測定部41A〜41Dの出力が第2の下限値よりも大きくなり、比較部42A〜42Dの全ては、制御部5に対し、載置信号を出力する。そして、比較部42A〜42Dの全てから載置信号が入力された制御部5は、ウェハWが保持爪30A〜30Dに正常に載置されており、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置の補正の必要がないと判定する。補正の必要がないと判定した制御部5は、進退機構33A及び昇降台34を制御し、フォーク3Aを駆動してウェハWを搬送する。
【0057】
次に、図10(a)、図10(b)及び図11に示すように、ウェハWが保持爪30A〜30Dに正常に載置されていない場合について説明する。図10(a)及び図10(b)は、ウェハWがフォーク3Aの進退方向であるX方向と略直交するY方向にずれたときを示しており、図11は、ウェハWがフォーク3Aの進退方向であるX方向にずれたときを示している。このようなときは、静電容量測定部41A〜41Dのいずれかにおいて、出力が第2の下限値よりも小さくなり、比較部42A〜42Dのいずれかは、制御部5に対し、載置信号を出力しない。そして、比較部42A〜42Dのいずれかから載置信号が入力されない制御部5は、ウェハWが保持爪30A〜30Dに正常に載置されておらず、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置の補正の必要があると判定する。補正の必要があると判定した制御部5は、進退機構33A及び昇降台34を制御し、ウェハWを、フォーク3Aの保持爪30A〜30Dから各処理モジュールの突き上げピン又は載置台に戻し、フォーク3Aの位置を補正する。そして、補正した後、再び、ウェハWを各モジュールの突き上げピン又は載置台からフォーク3Aの保持爪30A〜30Dに受け取る。
【0058】
更に、ウェハWの位置が正常な位置からかなりずれているか、又は、ウェハWが保持爪30A〜30Dのいずれかに全く載置されていないときは、静電容量測定部41A〜41Dのいずれかにおいて、出力が第2の下限値よりも小さい第1の下限値よりも更に小さくなる。このとき、その静電容量測定部41A〜41Dに対応する比較部42A〜42Dは、警告信号を発生する。制御部5は、比較部42A〜42Dのいずれかから警告信号が入力されたときは、ウェハWの位置が正常な位置からかなりずれているか、又は、ウェハWが保持爪30A〜30Dのいずれかに全く載置されていないと判定し、フォーク3Aの移動を停止する。
【0059】
次に、図12を参照し、搬送アームと処理モジュールとの間のウェハWの受け渡しを制御する制御部5について説明する。
【0060】
なお、以下では、基板搬送方法の説明も含め、搬送アームがウェハWを受け渡す処理モジュールとして、加熱モジュール7を例示して説明する。加熱モジュール7は、前述した図3及び図4を用いて説明したように、第1のブロック(DEV層)B1、第2のブロック(BCT層)B2、第3のブロック(COT層)B3、第4のブロック(TCT層)B4のそれぞれにおいて、棚ユニットU3に組み込まれている。
【0061】
図12は、制御部5を第3のブロック(COT層)B3における搬送アームA3及び加熱モジュール7とともに示す構成図である。
【0062】
図12に示すように、加熱モジュール7は、処理容器71、熱板72、突き上げピン73、昇降機構74を有する。加熱モジュール7は、ウェハWに対して熱処理を行うものである。処理容器71内には、熱板72が設けられている。熱板72には、突き上げピン73が設けられている。昇降機構74は突き上げピン73を昇降するためのものである。突き上げピン73は、本発明における基板載置部に相当する。また、図12中70は、ウェハWの搬送口である。
【0063】
制御部5は、演算処理部51、記憶部52、表示部53、及びアラーム発生部54を有する。
【0064】
演算処理部51は、例えばメモリ、CPU(Central Processing Unit)を有するデータ処理部であるコンピュータである。演算処理部51は、記憶部52に記録されたプログラムを読み取り、そのプログラムに含まれる命令(コマンド)に従って、レジストパターン形成装置の各部に制御信号を送り、レジストパターン形成処理に含まれる各種の基板処理を実行する。具体的には、演算処理部51は、搬送アームA3の進退機構33A、33Bの駆動機構33に設けられたモータM、エンコーダ38やカウンタ39等に対して所定の制御信号を送り、ウェハWの受け渡し及び搬送を実行する。
【0065】
記憶部52は、演算処理部51に、各種の処理を実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記録媒体として、例えば、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、光磁気(Magnetoptical;MO)ディスク等を用いることができる。
【0066】
表示部53は、例えばコンピュータの画面よりなる。表示部53では、各種の基板処理の選択や、各基板処理におけるパラメータの入力操作を行うことができる。
【0067】
アラーム発生部54は、搬送アームA3を含め、レジストパターン形成装置の各部に異常が発生したときに、アラームを発生させる。
【0068】
次に、図12から図14を参照し、搬送アームA3のフォーク3Aが加熱モジュール7からウェハWを受け取る際の工程を例示し、本実施の形態に係る基板搬送方法について説明する。図13は、基板搬送方法における各工程の手順を示すフローチャートである。図14は、ウェハWを受け渡す際の加熱モジュール7と搬送アームA3の状態を示す図である。
【0069】
本実施の形態に係る基板搬送方法は、制御部5が、進退機構33Aによりフォーク3Aを前進させ、突き上げピン73から保持爪30A〜30DにウェハWを受け取った際に、静電容量センサ4A〜4Dによりフォーク3Aに対するウェハWの相対位置を検出し、各々の静電容量センサ4A〜4Dの検出値に基づいて、相対位置の補正の要否を判定するものである。そして、相対位置の補正が必要と判定したときには、補正動作を行い、相対位置の補正が不要と判定したときには、進退機構33Aの駆動を停止するか、又は、ウェハWの搬送を継続するものである。
【0070】
図13に示すように、基板搬送方法は、受け取り工程(ステップS11)、検出工程(ステップS12)、判定工程(ステップS13、ステップS14)、補正工程(ステップS15)、搬出工程(ステップS16)、及び停止工程(ステップS17)を有する。
【0071】
受け取り工程(ステップS11)では、図14(a)に示すように、加熱モジュール7において突き上げピン73によりウェハWを突き上げ、ウェハWを熱板72の上方位置まで上昇させる。次に、図14(b)に示すように、制御部5に制御された進退機構33Aにより、加熱モジュール7の外方からウェハWの下方側へフォーク3Aを前進させる。そして、図14(c)に示すように、制御部5に制御された昇降台34によりフォーク3Aを上昇させ、ウェハWを下方側から掬い上げるようにして保持爪30A〜30Dに保持させることによって、ウェハWを突き上げピン73からフォーク3Aの保持爪30A〜30Dに受け取る。
【0072】
次に、検出工程(ステップS12)では、保持爪30A〜30DにウェハWを受け取った際に、ウェハWを保持爪30A〜30Dに保持させた状態で、保持爪30A〜30Dに設けられた静電容量センサ4A〜4Dの静電容量(出力)を検出する。
【0073】
制御部5では、比較部42A〜42Dにより、静電容量センサ4A〜4Dの検出値である静電容量(出力)と、第1の下限値、第2の下限値とを比較する。静電容量(出力)が第1の下限値より小さいときは、比較部42A〜42Dから警告信号が出力される。静電容量(出力)が第2の下限値より大きいときは、比較部42A〜42Dから載置信号が出力される。また、静電容量(出力)が第1の下限値より大きく、第2の下限値より小さいときは、比較部42A〜42Dからは載置信号及び警告信号のいずれも出力されない。
【0074】
次に、判定工程(ステップS13、ステップS14)では、制御部5が、4つの静電容量センサ4A〜4Dに対応する4つの比較部42A〜42Dから出力される載置信号及び警告信号の有無に基づいて、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置が正常か否かを判定し、相対位置の補正の要否を判定する。すなわち、制御部5は、4つの静電容量センサ4A〜4Dの検出値である静電容量(出力)に基づいて、相対位置の補正の要否を判定する。
【0075】
ステップS13では、4つの比較部42A〜42Dのいずれかから警告信号が出力されているかを判定する。
【0076】
4つの比較部42A〜42Dのいずれかから警告信号が出力されているときは、停止工程(ステップS17)へ進む。停止工程(ステップS17)では、搬送アームA3は、図14(d)及び図14(e)に示すような後退位置への後退が禁止され、加熱モジュール7内にてウェハWを受け取った状態で、駆動が停止される。そして、搬送アームA3の駆動が停止されたときは、オペレータにより、ウェハWの位置に異常が発生した原因の特定や、リカバリ処理、メンテナンス等が行われる。
【0077】
一方、4つの比較部42A〜42Dのいずれからも警告信号が出力されていないときは、ステップS14に進む。ステップS14では、全ての比較部42A〜42Dから載置信号が出力されているかを判定する。
【0078】
全ての比較部42A〜42Dから載置信号が出力されているときは、ウェハWの位置が正常であり、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置の補正は必要ないと判定し、搬出工程(ステップS16)に進む。搬出工程(ステップS16)では、図14(d)及び図14(e)に示すように、突き上げピン73を下降させ、フォーク3Aを後退させることによって、突き上げピン73からフォーク3Aの保持爪30A〜30DにウェハWを受け渡す。そして、フォーク3Aを後退させた後、保持しているウェハWを次の搬送先まで移動する。
【0079】
一方、いずれかの比較部42A〜42Dから載置信号が出力されていないときは、ウェハWの位置は、警告信号を出力するほどはずれてはいないものの、ある程度のずれ量でずれており、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置の補正が必要と判定する。このときは、補正工程(ステップS15)に進む。
【0080】
補正工程(ステップS15)では、制御部5に制御された昇降台34によりフォーク3Aを下降させ、ウェハWを保持爪30A〜30Dから突き上げピン73に戻す。その結果、図14(b)に示す状態に戻ることになる。そして、制御部5に制御された進退機構33Aにより、ウェハWの下方側から加熱モジュール7の外方へフォーク3Aを後退させる。その結果、図14(a)に示す状態に戻すことになる。そして、加熱モジュール7の外方で、先ほどのウェハWの位置のずれを補償するように、フォーク3Aの位置を補正する。
【0081】
例えば、4個の静電容量センサのうち、4A、4Bの静電容量(出力)は第2の下限値より大きいが、4C、4Dの静電容量(出力)は第2の下限値より小さいときは、図10に示したように、ウェハWの位置が−Y方向にあるずれ量だけずれていたと考えられる。また、そのずれ量は、4A、4Bの静電容量(出力)と第2の下限値との差に基づいて、算出が可能である。静電容量センサの静電容量(出力)は、静電容量センサの表面のうち、被検出物に覆われている領域の面積に依存するからである。従って、静電容量センサの静電容量(出力)に基づいて、保持爪30A〜30Dの上面のうち、ウェハWに覆われている領域の面積を算出することができる。そして、算出された−Y方向のずれ量を補償、すなわち相殺するように、フォーク3Aの位置を補正する。
【0082】
あるいは、例えば、4個の静電容量センサのうち、4A、4Dの静電容量(出力)は第2の下限値より大きいが、4B、4Cの静電容量(出力)は第2の下限値より小さいときは、図11に示したように、ウェハWの位置が−X方向にあるずれ量だけずれていたと考えられる。また、そのずれ量は、図10を用いて説明した場合と同様に、4B、4Cの静電容量(出力)と第2の下限値との差に基づいて、算出が可能である。そして、算出された−X方向のずれ量を補償、すなわち相殺するように、フォーク3Aの位置を補正する。
【0083】
このようにして、フォーク3Aのずれ量を補正した後、受け取り工程(ステップS11)に再び戻る。受け取り工程(ステップS11)では、図14(b)に示すように、位置が補正されたフォーク3Aを、制御部5に制御された進退機構33Aにより、再び、加熱モジュール7の外方からウェハWの下方側へ前進させる。そして、図14(c)に示すように、制御部5に制御された昇降台34によりフォーク3Aを上昇させ、ウェハWを下方側から掬い上げるようにして、保持爪30A〜30Dに保持させる。そして、ウェハWを保持爪30A〜30Dに保持させた後、再び、検出工程(ステップS12)及び判定工程(ステップS13、ステップS14)を行う。
【0084】
検出工程(ステップS12)では、再び、保持爪30A〜30Dに設けられた静電容量センサ4A〜4Dの静電容量(出力)を検出する。そして、ステップS13において、4つの比較部42A〜42Dのいずれからも警告信号が出力されておらず、ステップS14において、全ての比較部42A〜42Dから載置信号が出力されているときは、ウェハWの位置が正常であると判定し、搬出工程(ステップS16)に進む。
【0085】
本実施の形態では、判定工程(ステップS13、ステップS14)及び補正工程(ステップS15)により、保持爪30A〜30Dに保持されているウェハWのフォーク3Aに対する相対位置が、正常な位置から位置ずれしているかを容易に検出することができる。また、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置が正常な位置から位置ずれしていた場合には、ウェハWを落下させたり処理モジュールの他の部分に接触させることなく、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置が正常な位置になるように保持し直すことができる。
【0086】
また、いずれかの比較部42A〜42Dから警告信号が出力されたときに搬送アームA3の駆動を停止することによって、正常な状態で載置されていなかったウェハWがフォーク3Aの後退の途中で落下すること、又は、落下したウェハWと搬送アームA3が衝突することを防止できる。そして、ウェハWの位置に異常がある場合であっても、ウェハWの位置を正常な位置に戻す対応を行えば済み、その対応後に速やかに処理を再開できる。
【0087】
すなわち、本実施の形態によれば、フォーク3A上のウェハWの保持状態に応じて適切な搬送制御を行うことができる。
【0088】
また、突き上げピン73からフォーク3Aの保持爪30A〜30DにウェハWを受け取った際に、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置が正常であるか否かを判定し、場合によってはフォーク3Aの後退を停止する。そのため、処理モジュール内でウェハWが破損する等の不具合があったときに、不具合が発生した時点における状態をそのまま観察することができ、不具合が発生した直後のフォーク3Aや処理モジュール内の様子を容易に確認できる。従って、不具合が処理モジュールに起因するものか、あるいは、不具合がウェハWの受け渡し動作に起因するものかが特定しやすく、不具合の再発を容易に防止できる。
【0089】
なお、本実施の形態では、受け取り工程(ステップS11)及び補正工程(ステップS15)において、進退機構33Aのみならず昇降台34を駆動させる例について説明した。しかし、昇降台34を駆動させず、加熱モジュール7の昇降機構74を駆動させ、突き上げピン73を昇降させることによって、ウェハWをフォーク3Aの保持爪30A〜30Dとの間で受け渡しするようにしてもよい。
【0090】
また、本実施の形態では、ウェハWを突き上げピン73に戻した後、フォーク3Aを加熱モジュール7から後退させ、加熱モジュール7の外方でフォーク3Aのずれ量を補正し、再びフォーク3Aを加熱モジュール7に前進させ、ウェハWを突き上げピン73からフォーク3Aに受け取らせる例について説明した。しかし、補正量が比較的小さいときは、フォーク3AがウェハW又は加熱モジュール7内における他の部分に接触するおそれがない。このときは、ウェハWをフォーク3Aの保持爪30A〜30Dから突き上げピン73に戻した後、フォーク3Aを加熱モジュール7内に前進させた状態で、加熱モジュール7内でフォーク3Aのずれ量を補正した後、再び、突き上げピン73からフォーク3Aの保持爪30A〜30DにウェハWを受け取るようにしてもよい。
【0091】
また、近接センサ4A〜4Dとして静電容量センサを用いるときは、検出される静電容量(出力)は、被検出物の誘電率に依存する。すなわち、同一の形状を有するウェハWであっても、例えばシリコン、ガラス、サファイア、アルミ等の各種の材質に依存して検出される静電容量(出力)が変化する。
【0092】
従って、本実施の形態によれば、静電容量センサ4A〜4Dにより、ウェハWの種類(材質)を検出することができる。そして、ウェハWの種類(材質)に応じてフォーク3Aの移動速度を変更する。これにより、例えば、ウェハWがフォーク3Aから落下し、破損したときの損失によるコスト増大と、工程時間(タクト時間)短縮によるコスト低減とが最適になるように、ウェハWごとに調整した製造プロセスを行うことができる。
【0093】
あるいは、複数の種類(材質)のウェハWを処理する場合には、ウェハWの種類(材質)に応じてウェハWを処理する処理パラメータが異なる場合がある。本実施の形態によれば、ウェハWの種類(材質)が検出できるため、検出したウェハWの種類(材質)に応じて処理パラメータを自動的に変更することができる。これにより、複数の種類(材質)のウェハWを処理する場合にも、同一の基板処理装置により処理を行うことができ、複数の基板処理装置を準備する必要がない。
【0094】
また、近接センサ4A〜4Dとして静電容量センサを用いるときは、検出される静電容量(出力)は、被検出物の帯電状態にも依存する。従って、近接センサ4A〜4DによりウェハWの帯電を検知し、アラームを発生するようにしてもよい。
【0095】
また、近接センサ4A〜4Dとして、静電容量センサに代え、歪ゲージを用いてもよい。また、光電センサ、接触センサ、磁気センサ等各種の他の近接スイッチを用いた変形例も可能である。図15を参照し、このような変形例について説明する。図15は、本変形例に係る搬送アームのフォーク3Aを拡大して示す平面図である。なお、図7と同様に、図15においても、図示を容易にするため、フォーク3Aに対し、保持爪30A〜30D及び近接スイッチ4A〜4Dを少し拡大して示している。
【0096】
図15に示すように、近接スイッチ4A〜4Dは、保持爪30A〜30Dの各々に、保持されるウェハWの径方向に沿って複数個設けられている。そして、ウェハWの径方向に沿って複数個設けられた近接スイッチ4A〜4Dの各々が検出する検出値に基づいて、フォーク3Aに対するウェハWの相対位置の補正の要否を判定する。
【0097】
具体的には、ある保持爪30A〜30Dに設けられた複数個の近接スイッチ4A〜4Dのうち、検出値が所定の下限値より小さい近接スイッチ4A〜4Dの数が予め設定された個数より多いときに、相対位置の補正が必要と判定する。
【0098】
図15に示す例では、1個の保持爪30A〜30Dに、例えば近接スイッチ4A〜4DをウェハWの径方向に沿って4個設けている。そして、検出値が所定の下限値より大きくなる場合をON値、検出値が当該下限値より小さくなる場合をOFF値とする。そして、OFF値を出力した近接スイッチの数が、4個中例えば予め設定された個数である2個より多いときに、相対位置の補正が必要と判定する。
【0099】
近接スイッチは、前述した静電容量センサと異なり、近接スイッチの表面が、被検出物に覆われているか否かで、ON値、OFF値の2値で変化する近接スイッチの出力を検出するものである。従って、保持爪30A〜30Dの上面のうち、ウェハWに覆われている近接スイッチが何個であるかに基づいて、保持爪30A〜30Dの上面のうち、ウェハWに覆われている領域の面積を算出することができる。
【0100】
以上、本発明の好ましい実施の形態について記述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0101】
3、3A、3B フォーク(保持枠)
30、30A〜30D 保持爪(保持部)
33、33A、33B 進退機構(駆動部)
4、4A、4B、4C、4D 静電容量センサ(検出部)
5 制御部
73 基板載置部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を載置する基板載置部から基板を受け取り、受け取った前記基板を搬送する基板搬送装置において、
搬送する基板の周囲を囲むように設けられ、前記基板載置部に進退自在な保持枠と、
前記保持枠の内縁に沿って互いに間隔を隔てて設けられており、前記基板の周縁部が載置されることによって前記基板を保持する、3個以上の保持部と、
前記保持部の各々に設けられ、前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出する検出部と、
前記保持枠を前記基板載置部に進退駆動する駆動部と、
前記駆動部により前記保持枠を前進させ、前記基板載置部から前記保持部に前記基板を受け取った際に、前記検出部により前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出し、各々の前記検出部の検出値に基づいて、前記相対位置の補正の要否を判定し、前記相対位置の補正が必要と判定したときには、補正動作を行い、前記相対位置の補正が不要と判定したときには、前記駆動部の駆動を停止するか、又は、前記基板の搬送を継続する、制御部と
を有する、基板搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記相対位置の補正が必要と判定したときに、前記基板を前記保持部から前記基板載置部に戻し、前記保持枠の位置を補正した後、前記基板載置部から前記保持部に前記基板を受け取るものである、請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項3】
前記制御部は、各々の前記検出値のいずれも第1の下限値より大きく、かつ、前記検出値のいずれかが第2の下限値より小さいときに、前記相対位置の補正が必要と判定するものである、請求項1又は請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、各々の前記検出値のいずれかが第1の下限値より小さいときに、前記駆動部による前記保持枠の駆動を停止するものである、請求項1又は請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項5】
前記検出部は、静電容量型近接センサである、請求項1から請求項4のいずれかに記載の基板搬送装置。
【請求項6】
前記検出部は、前記保持部の各々に、保持される前記基板の径方向に沿って複数個設けられた近接センサを有し、
前記制御部は、一の前記保持部に設けられた複数個の前記近接センサのうち、前記検出値が所定の下限値より小さい前記近接センサの数が予め設定された個数より多いときに、前記相対位置の補正が必要と判定するものである、請求項1又は請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項7】
搬送する基板の周囲を囲むように設けられ、基板を載置する基板載置部に進退自在な保持枠と、前記保持枠の内縁に沿って互いに間隔を隔てて設けられており、前記基板の周縁部が載置されることによって前記基板を保持する、3個以上の保持部と、前記保持部の各々に設けられ、前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出する検出部と、前記保持枠を前記基板載置部に進退駆動する駆動部とを有し、前記基板載置部から基板を受け取り、受け取った前記基板を搬送する基板搬送装置における基板搬送方法であって、
前記駆動部により前記保持枠を前進させ、前記基板載置部から前記保持部に前記基板を受け取った際に、前記検出部により前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出し、各々の前記検出部の検出値に基づいて、前記相対位置の補正の要否を判定する判定工程を有し、
前記相対位置の補正が必要と判定したときには、補正動作を行い、前記相対位置の補正が不要と判定したときには、前記駆動部の駆動を停止するか、又は、前記基板の搬送を継続する、基板搬送方法。
【請求項8】
前記相対位置の補正が必要と判定したときに、前記基板を前記保持部から前記基板載置部に戻し、前記保持枠の位置を補正する補正工程と、
前記保持枠の位置を補正した後、前記基板載置部から前記保持部に前記基板を受け取る受け取り工程と
を有する、請求項7に記載の基板搬送方法。
【請求項9】
前記判定工程は、各々の前記検出値のいずれも第1の下限値より大きく、かつ、前記検出値のいずれかが第2の下限値より小さいときに、前記相対位置の補正が必要と判定するものである、請求項7又は請求項8に記載の基板搬送方法。
【請求項10】
各々の前記検出値のいずれかが第1の下限値より小さいときに、前記駆動部による前記保持枠の駆動を停止する停止工程を有する、請求項7又は請求項8に記載の基板搬送方法。
【請求項11】
前記検出部は、静電容量型近接センサである、請求項7から請求項10のいずれかに記載の基板搬送方法。
【請求項12】
前記検出部は、前記保持部の各々に、保持される前記基板の径方向に沿って複数個設けられた近接センサを有し、
前記判定工程は、一の前記保持部に設けられた複数個の前記近接センサのうち、前記検出値が所定の下限値より小さい前記近接センサの数が予め設定された個数より多いときに、前記相対位置の補正が必要と判定するものである、請求項7又は請求項8に記載の基板搬送方法。
【請求項13】
コンピュータに請求項7から請求項12のいずれかに記載の基板搬送方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
基板を載置する基板載置部から基板を受け取り、受け取った前記基板を搬送する基板搬送装置において、
搬送する基板の周囲を囲むように設けられ、前記基板載置部に進退自在な保持枠と、
前記保持枠の内縁に沿って互いに間隔を隔てて設けられており、前記基板の周縁部が載置されることによって前記基板を保持する、3個以上の保持部と、
前記保持部の各々に設けられ、前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出する検出部と、
前記保持枠を前記基板載置部に進退駆動する駆動部と、
前記駆動部により前記保持枠を前進させ、前記基板載置部から前記保持部に前記基板を受け取った際に、前記検出部により前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出し、各々の前記検出部の検出値に基づいて、前記相対位置の補正の要否を判定し、前記相対位置の補正が必要と判定したときには、補正動作を行い、前記相対位置の補正が不要と判定したときには、前記駆動部の駆動を停止するか、又は、前記基板の搬送を継続する、制御部と
を有する、基板搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記相対位置の補正が必要と判定したときに、前記基板を前記保持部から前記基板載置部に戻し、前記保持枠の位置を補正した後、前記基板載置部から前記保持部に前記基板を受け取るものである、請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項3】
前記制御部は、各々の前記検出値のいずれも第1の下限値より大きく、かつ、前記検出値のいずれかが第2の下限値より小さいときに、前記相対位置の補正が必要と判定するものである、請求項1又は請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、各々の前記検出値のいずれかが第1の下限値より小さいときに、前記駆動部による前記保持枠の駆動を停止するものである、請求項1又は請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項5】
前記検出部は、静電容量型近接センサである、請求項1から請求項4のいずれかに記載の基板搬送装置。
【請求項6】
前記検出部は、前記保持部の各々に、保持される前記基板の径方向に沿って複数個設けられた近接センサを有し、
前記制御部は、一の前記保持部に設けられた複数個の前記近接センサのうち、前記検出値が所定の下限値より小さい前記近接センサの数が予め設定された個数より多いときに、前記相対位置の補正が必要と判定するものである、請求項1又は請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項7】
搬送する基板の周囲を囲むように設けられ、基板を載置する基板載置部に進退自在な保持枠と、前記保持枠の内縁に沿って互いに間隔を隔てて設けられており、前記基板の周縁部が載置されることによって前記基板を保持する、3個以上の保持部と、前記保持部の各々に設けられ、前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出する検出部と、前記保持枠を前記基板載置部に進退駆動する駆動部とを有し、前記基板載置部から基板を受け取り、受け取った前記基板を搬送する基板搬送装置における基板搬送方法であって、
前記駆動部により前記保持枠を前進させ、前記基板載置部から前記保持部に前記基板を受け取った際に、前記検出部により前記保持枠に対する前記基板の相対位置を検出し、各々の前記検出部の検出値に基づいて、前記相対位置の補正の要否を判定する判定工程を有し、
前記相対位置の補正が必要と判定したときには、補正動作を行い、前記相対位置の補正が不要と判定したときには、前記駆動部の駆動を停止するか、又は、前記基板の搬送を継続する、基板搬送方法。
【請求項8】
前記相対位置の補正が必要と判定したときに、前記基板を前記保持部から前記基板載置部に戻し、前記保持枠の位置を補正する補正工程と、
前記保持枠の位置を補正した後、前記基板載置部から前記保持部に前記基板を受け取る受け取り工程と
を有する、請求項7に記載の基板搬送方法。
【請求項9】
前記判定工程は、各々の前記検出値のいずれも第1の下限値より大きく、かつ、前記検出値のいずれかが第2の下限値より小さいときに、前記相対位置の補正が必要と判定するものである、請求項7又は請求項8に記載の基板搬送方法。
【請求項10】
各々の前記検出値のいずれかが第1の下限値より小さいときに、前記駆動部による前記保持枠の駆動を停止する停止工程を有する、請求項7又は請求項8に記載の基板搬送方法。
【請求項11】
前記検出部は、静電容量型近接センサである、請求項7から請求項10のいずれかに記載の基板搬送方法。
【請求項12】
前記検出部は、前記保持部の各々に、保持される前記基板の径方向に沿って複数個設けられた近接センサを有し、
前記判定工程は、一の前記保持部に設けられた複数個の前記近接センサのうち、前記検出値が所定の下限値より小さい前記近接センサの数が予め設定された個数より多いときに、前記相対位置の補正が必要と判定するものである、請求項7又は請求項8に記載の基板搬送方法。
【請求項13】
コンピュータに請求項7から請求項12のいずれかに記載の基板搬送方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−38922(P2012−38922A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177754(P2010−177754)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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