説明

基板支持装置、支持台及びこれを備えるイオン注入装置

【課題】基板支持装置、支持台及びこれを備えるイオン注入装置を提供する。
【解決手段】イオン注入装置に備えられた基板支持装置200において、基板の外側を支持する複数の外側支持台201,203と、基板の内側を支持する内側支持台202と、を備え、外側支持台201,203と内側支持台202は、フレーム部201a及び該フレーム部201aに積層し形成されて抗静電性を有する物質からなる基板接触部201bを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン注入装置の基板支持装置、支持台及びこれを備えるイオン注入装置に係り、さらに詳細には、基板の損傷を防止する支持台の構造、該支持台を備える基板支持装置及びイオン注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OLED(Organic Light Emitting Diode)パネル、半導体ウェーハで導電層を形成する方法として、イオンソースで生成したイオンを加速してイオンビームで基板に注入するイオン注入技術が利用される。
【0003】
イオン注入装置を使用してイオンを注入する時には、プロセスチャンバに搬入された基板を支持装置によって固定した後、所望の角度に調節して基板にイオンを注入する。このように、イオン注入が完了すれば、基板が搭載された支持台は、底面と水平な状態に配され、基板は、ロボットアームによってイオンソース部から搬送される。
【0004】
このような搬送過程で、支持台に搭載された基板がロボットアームによって揚げられる時、支持台と基板との間には、剥離帯電現象が起きる。すなわち、相互密着されていた基板と支持台との分離過程で、自由電子が放出及び吸入されて、基板と支持台とに異なる種類の電荷が帯電されて、静電気が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−277181号公報
【特許文献2】特開2007−242909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、イオン注入装置の基板支持装置、支持台及びこれを備えるイオン注入装置に係り、さらに詳細には、基板の損傷を防止する支持台の構造、該支持台を備える基板支持装置及びイオン注入装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するために、本発明の一側面によれば、イオン注入装置に備えられた基板支持装置において、基板の外側を支持する複数の外側支持台と、前記基板の内側を支持する内側支持台と、を備え、前記外側支持台と前記内側支持台は、フレーム部及び前記フレーム部に積層し形成されて抗静電性を有する物質からなる基板接触部を備える基板支持装置を提供する。
【0008】
ここで、前記外側支持台に備えられる前記基板接触部は、前記フレーム部のコーナ部分の上部には形成されずに非連続的に形成され、前記基板は、前記フレーム部に接触しないことを特徴とする。
【0009】
ここで、前記基板のコーナ部分が前記フレーム部と0.1mm〜1.2mmのギャップを維持する。
【0010】
ここで、前記基板接触部は、前記フレーム部の最外郭コーナの頂点から50〜100mm離れた地点から始まって、フレーム部の横側外郭に沿って形成された第1部材と、前記フレーム部の最外郭コーナの頂点から50〜100mm離れた地点から始まって、フレーム部の縦側外郭に沿って形成され、前記第1部材と垂直方向に配された第2部材と、を備える。
【0011】
ここで、前記基板接触部は、前記フレーム部の最外郭のコーナ頂点から半径50〜100mmの上部には積層されずに前記フレーム部が現れるように形成されることを特徴とする。
【0012】
ここで、前記基板接触部は、抗静電性を有するシリコンラバーであることを特徴とする。
【0013】
ここで、前記フレーム部は、ジュラルミン、アルミニウム特殊鋼またはアルミニウム合金のうち少なくとも一つから形成される第1層と、アルマイト、リン酸鉄、リン酸亜鉛またはクロム化物質のうち少なくとも一つから形成され、前記第1層上にコーティングされる第2層と、を備える。
【0014】
本発明の他の一側面によれば、イオン注入装置の基板支持装置に備えられた支持台において、基板を支持して移送する複層のフレーム部と、前記フレーム部の外郭に沿って積層し形成された基板接触部と、を備え、前記基板接触部は、抗静電性を有する材料から形成される支持台を提供する。
【0015】
ここで、前記支持台に搭載された基板は、前記基板のコーナ部分が前記基板接触部に接触しないことを特徴とする。
【0016】
ここで、前記基板のコーナ部分が前記フレーム部と0.1mm〜1.2mmのギャップを維持する。
【0017】
ここで、前記基板接触部は、前記フレーム部の外郭のコーナ部分の上部には形成されずに非連続的に形成されることを特徴とする。
【0018】
ここで、前記基板接触部は、前記フレーム部の最外郭のコーナ頂点から50〜100mm離れた地点から始まって、フレーム部の横側外郭に沿って形成された第1部材と、前記フレーム部の最外郭のコーナ頂点から50〜100mm離れた地点から始まって、フレーム部の縦側外郭に沿って形成され、前記第1部材と垂直方向に配された第2部材と、を備える。
【0019】
ここで、前記基板接触部は、前記第1部材と第2部材とが前記フレーム部上にΓ字状または┐字状に配されたことを特徴とする。
【0020】
ここで、前記基板接触部は、前記フレーム部の最外郭のコーナ頂点から半径50〜100mmの上部には積層されずにフレーム部が現れるように形成されたことを特徴とする。
【0021】
ここで、前記基板接触部は、抗静電性を有するシリコンラバーであることを特徴とする。
【0022】
ここで、前記フレーム部は、ジュラルミン、アルミニウム特殊鋼またはアルミニウム合金のうち少なくとも一つから形成される第1層と、アルマイト、リン酸鉄、リン酸亜鉛またはクロム化物質のうち少なくとも一つから形成され、前記第1層上にコーティングされた第2層と、を備える。
【0023】
本発明のさらに他の一側面によれば、基板を支持して移送する複層のフレーム部と、前記フレーム部の外郭に沿って積層し形成された基板接触部と、を備える支持台を備え、前記基板接触部は、抗静電性を有する物質からなるイオン注入装置を提供する。
【0024】
ここで、前記支持台に搭載された基板のコーナ部分が前記支持台の基板接触部に接触しないことを特徴とする。
【0025】
ここで、前記支持台のフレーム部と前記基板のコーナ部分とが0.1mm〜1.2mmのギャップを維持することを特徴とする。
【0026】
ここで、前記支持台の基板接触部は、前記フレーム部の外郭のコーナ部分の上部には形成されずに非連続的に形成されたことを特徴とする。
【0027】
ここで、前記支持台の前記基板接触部は、前記フレーム部の最外郭のコーナ頂点から50〜100mm離れた地点から始まって、前記フレーム部の外郭に沿って形成された第1部材と、前記第1部材と垂直方向に前記フレーム部の最外郭のコーナ頂点から50〜100mm離れた地点から始まって、前記フレーム部の外郭に沿って形成された第2部材と、を備える。
【0028】
ここで、前記支持台の基板接触部は、前記フレーム部の最外郭の頂コーナ頂点から半径50〜100mmの上部には積層されずに前記フレーム部が現れるように形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明の実施形態による支持台を通じて基板を搬送することによって、基板の搬送時に発生する剥離帯電が除去されて、基板の破れや損傷が防止される。
【0030】
また、本発明による支持台及び基板支持装置は、既存装置の問題点を改善することによって生産性を向上させうる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による基板支持装置を備えたイオン注入装置を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による基板支持装置を概略的に示す斜視図である。
【図3A】図2の基板支持装置に備えられた支持台の第1実施形態を示す概略図である。
【図3B】図2の基板支持装置に備えられた支持台の第1実施形態を示す概略図及である。
【図3C】図2の基板支持装置に備えられた支持台の第1実施形態を示す断面図である。
【図4A】図2の基板支持装置に備えられた支持台の第2実施形態を示す概略図である。
【図4B】図2の基板支持装置に備えられた支持台の第2実施形態を示す概略図である。
【図5A】本発明の基板支持装置が基板を移送する過程を示す概略図である。
【図5B】本発明の基板支持装置が基板を移送する過程を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明による支持台及び支持装置の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明し、図面で同一または対応する構成要素は、同じ図面番号を付与し、これについての重複説明は、省略する。
【0033】
図1は、本発明によるイオン注入装置を示した概略図である。
【0034】
図1を参照すれば、イオン注入装置10は、基板にイオンを注入する装置である。イオン注入装置10は、基板供給部100、ロードラック部110、プロセスチャンバ部120、イオンソース部130で構成される。
【0035】
基板供給部100は、複数のカセット101及びロボットアーム102を備える。カセット101は、工程に入る基板が収納されており、前記基板供給部100にある基板をロボットアーム102がロードラック部110のロードラックチャンバ111に自動移送して供給する役割を行う。
【0036】
ロードラック部110は、複数のロードラックチャンバ111及びロボットアーム112を備える。ロードラックチャンバ111は、内部を大気圧状態に維持し、搬送チャンバ上のロボットアーム112は、ロードラックチャンバ111内の基板をプロセスチャンバ121に搬入する。
【0037】
プロセスチャンバ部120は、プロセスチャンバ121に搬入された基板にイオン注入を実施する。この時、基板は、ガラスを使用でき、プロセスチャンバ121に備えられた支持装置122を通じて基板の位置を変更した後、イオン注入を実施する。
【0038】
イオンソース部130は、基板に注入するためのイオンを照射するイオンソース131を備える。
【0039】
前記プロセスチャンバ部120でイオン注入が実施される過程を具体的に表せば、次の通りである。
【0040】
まず、ロードラックチャンバ111からプロセスチャンバ121に搬入された基板は、基板支持装置200を構成する支持台に底面と水平状態にローディングされる。次いで、基板支持装置200は、基板を搭載した支持台を底面と垂直状態に転換した後、イオンソース131を通じてイオン注入を実施する。イオン注入が完了すれば、支持台は、底面と水平状態に戻る。次いで、支持台に搭載された基板は、ロボットアームによって搬送される。すなわち、イオン注入が完了すれば、基板は、これまでの工程の逆順でロードラックチャンバ111を経て再びカセット101に戻る。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態による基板支持装置200を示した概略図である。
【0042】
基板支持装置200は、イオン注入装置10に備えられ、ロードラックチャンバ111からプロセスチャンバ121に移送された基板を装着してイオン注入を実施する時、基板を所望の角度に支持する役割を行い、複数の支持台204をそれぞれ連結する継ぎ部205を備える。
【0043】
複数の支持台204は、図2に示したように、長方形のバーが3個並んで配された形態に構成されうる。しかし、支持台の形態は、台形、四角形も可能であり、支持台の数も2個、4個で多様に構成されうる。
【0044】
複数の支持台204は、外側支持台と内側支持台とに区分できる。外側支持台は、基板が接触する面を基準に基板の角や外側部分が接して支持され、内側支持台は、基板の中心部の内側に近く接触して支持する。
【0045】
一実施形態として、図2を参照すれば、長方形の基板300の短辺を縦側とし、基板の長辺を横側とする時、縦側に近い201及び203は、外側支持台に当たり、基板の中心部を支持する202は、内側支持台に当たる。外側及び内側支持台という名称は、支持台が基板を支持する部分によって指示されるものであるので、図2に開示された内容に限定されず、多様に表現できる。
【0046】
図3Aないし図3Cは、図2の支持装置200に備えられた支持台204を示した概略図及び断面図である。図3Aは、継ぎ部205から見る時、右側に位置した外側支持台201の概略図であり、図3Bは、継ぎ部205から見る時、左側に位置した外側支持台203を示した断面図である。図3Aと図3Bとは、鏡対称形態となるので、図3Aを基準に説明し、図3Bについての重複説明は、省略する。図3Cは、図3A及び図3Bに示された外側支持台201,203のA−A’部分を切断して示した断面図である。
【0047】
図3Cを参照して、外側支持台201の積層構造について説明する。支持台は、フレーム部201aと基板接触部201bとを備える。また、フレーム部と基板接触部との間には、コーティング層201cがさらに形成されることもある。
【0048】
フレーム部201aは、基板を支持して、底面と水平または垂直角度に基板を固定する支持台の枠に当たる。一実施形態によれば、フレーム部201aは、ジュラルミンで形成でき、それ以外にも、アルミニウム特殊鋼またはアルミニウム合金のようなメタルで形成されうる。
【0049】
コーティング層201cは、フレーム部201aに、表面抵抗が大きい物質をコーティングしたものであり、場合によって省略されることもある。一例として、ジュラルミンで形成されたフレーム部201a上に表面抵抗が10Ω/sqであり、耐蝕、耐摩耗性のあるアルマイトをコーティングしてコーティング層201cを形成できる。コーティング層201cは、リン酸鉄、リン酸亜鉛またはクロム化物質のうちいずれか一つで形成されることもあり、前記フレーム部201aの材料及びコーティング層201cの種類及び数は、これに限定されず、コーティング層が複数の層で形成されることもある。
【0050】
基板接触部201bは、フレーム部201aまたはコーティング層201c上に積層されて形成され、基板と直接接触する部分である。前記基板接触部201bは、超薄型基板との間で発生する静電気を防止するために、抗静電性(cantistatic)を有する絶縁材料を使用することが望ましい。静電気放電(ESD:Electro Static Discharge)現象は、露出される素子やシステムが破壊される性能低下をはじめとして、本発明のように、基板を損傷させて不良率を高める問題がある。したがって、これを防止するために使われる抗静電性絶縁物質は、表面抵抗値が1010ないし1013Ω/sq範囲内である物質を採択することが望ましい。本発明の一実施形態において、前記基板接触部201bは、表面抵抗が1013Ω/sqに当たるシリコンラバーを使用できる。しかし、基板接触部201bの材料は、これに限定されず、前述した表面抵抗範囲内の抗静電性物質は、いずれのものでも使用できる。
【0051】
また、基板接触部201bは、0.1mm〜1.2mmの厚さを有することが望ましい。基板接触部201bは、図3A及び図3Bに示された構造による時、フレーム部201aのコーナ部分が空いている‘Γ’字または‘┐’字状に構成される。したがって、支持台204に置かれる基板300のコーナとフレーム部201aとの間には、基板接触部201bの厚さである0.1mm〜1.2mmほどのギャップが生じる。このようなギャップが形成されることによって、支持台204及び基板300のコーナ部分は、接触及び分離過程が発生しないので、静電気が発生せず、剥離帯電による基板300の損傷が起きない特徴がある。前記ギャップが1.2mmより大きい場合、支持台204に搭載された基板300のコーナ部分が支持台204のフレーム部201aと非常に離れていて、イオンを注入する過程で基板300のコーナが不安定に震える問題が発生する。また、ギャップが0.1mmより小さい場合には、基板300とフレーム部201aとの間に静電気が起きる可能性がある。
【0052】
図3A及び図3Bは、図2の基板支持装置200に含まれた外側支持台201,203の第1実施形態を示した斜視図である。
【0053】
前述したように、図3Bは、その積層構造が図3Aと同一であり、基板接触部201bの形態は、図3Aと鏡対称形態になるので、図3Aを中心に説明し、図3Bについての個別的な説明は省略する。
【0054】
基板接触部201bは、基板の外郭エッジ部分が接する地点に形成されるので、これに対応して、フレーム部201aの外郭に沿って形成される。本発明の第1実施形態による外側支持台201上の基板接触部201bは、図3A及び図3Bに示したように、外郭のコーナ部分が空いているように非連続的に形成される。ここで、外側支持台201の外側のコーナに位置する基板接触部201bは、基板支持装置200の継ぎ部205側から見る時、頂点が空いている‘Γ’字または‘┐’字状に形成される。基板300を搭載したとすると、基板の縦側に近いフレーム部201aの最外郭のコーナ頂点から50mm〜100mmほど離れた地点から第1基板接触部201b_1が始まって、基板支持装置の継ぎ部205までつながる。また、第2基板接触部201b_2は、前記第1基板接触部201b_1と垂直方向に、基板の横側に近いフレーム部201aの最外郭のコーナ頂点から50mm〜100mmほど離れた地点から始まってフレーム部201aの外郭に沿って形成される。
【0055】
基板接触部201bがフレーム部201aのコーナ頂点から100mmを超過して離れた地点から形成される場合、超薄型の基板の場合コーナ部分が反ることがあり、基板の水平状態が維持されなくてイオン注入が難しくなる問題がある。また、フレーム部201aのコーナ頂点から50mm未満に離れた地点から形成される場合、基板のコーナ部分と基板接触部201bとが接触し、剥離帯電を防止するための本発明の目的を達成できない。
【0056】
本発明の第1実施形態による支持台204は、基板のコーナ部分と支持台との間に基板接触部201bの厚さに当たるギャップが形成されて、基板が搬送される時、基板のコーナ部分と支持台との基板接触部201bで発生する剥離帯電を防止する特徴がある。
【0057】
図4A及び図4Bは、図2の基板支持装置200に備えられた外側支持台201’,203’の第2実施形態を示した概略図である。
【0058】
本発明の第2実施形態による外側支持台のA−A’部分を切断して示した断面は、図3Cで説明した通りであるので、それについての説明は省略し、基板接触部の形状について説明する。
【0059】
図4Bは、外側支持台のうち、図4Aと反対側に形成された支持台であって、その構造は、図4Aと同じであり、形態も図4Aと鏡対称に当たるので、図4Aを重点的に説明し、図4Bについての個別的な説明は省略する。
【0060】
第2実施形態による基板接触部201b’は、フレーム部201a’の最外郭の頂点から半径50〜100mmを除いて、フレーム部201a’に積層されている構造である。空いている基板接触部201b’の形態は、図示したように、円形であり、これに限定されず、フレーム部201a’の最外郭の頂点から半径50〜100mmを除外する範囲で多角形に形成されることもある。
【0061】
本発明の第2実施形態による支持台は、基板のコーナ部分と支持台との間に基板接触部の厚さに当たるギャップが形成されて、基板が搬送される時、基板のコーナ部分と支持台との基板接触部で発生する剥離帯電を防止する特徴がある。
【0062】
基板接触部がフレーム部201a’のコーナ頂点から100mmを超過して離れた地点から形成される場合、超薄型基板のコーナ部分が反ることがあって、基板の水平状態が維持されなくてイオン注入が難しくなる問題がある。また、フレーム部201a’のコーナ頂点から50mm未満に離れた地点から形成される場合、基板のコーナ部分と基板接触部とが接触され、剥離帯電を防止するための本発明の目的を達成できない。
【0063】
図5A及び図5Bは、本発明の支持台204を備えた支持装置が基板300を移送する過程を示した斜視図である。
【0064】
図5Aを参照すれば、プロセスチャンバで基板300にイオン注入を完了した後、ロボットアームは、支持台204上に搭載された基板300をプロセスチャンバから送出するために、支持台204の下部にロボットアームハンド112aを伸ばす。次いで、図5Bによれば、前記ロボットアームハンド112aが支持台204の下部から上部に基板300を上げることによって、基板300を搬送する。
【0065】
前記図5B過程で、支持台204に搭載された基板300が上げられる時、支持台204と基板300との接触及び分離過程で自由電子が放出及び吸入されて静電気が発生する。このように、剥離帯電が発生した基板と支持台との距離が遠くなれば、基板と支持台との間の引力が弱くなり、基板の弾力性によって基板が上下に振動する。工程で使用する基板は、超薄型であるため、このように発生した上下の振動及び反れによって割られたり欠けたりして損傷される問題があった。
【0066】
しかし、図5Bによれば、本発明による支持台204は、コーナ部分の一部が基板300と接触されないことによって、密着された物体が離れる時、電荷の分離によって発生する静電気が支持台204と基板300との間に発生しない。したがって、基板300の搬送過程で基板300が損傷される問題点を解決し、これにより、生産性を向上させる特徴がある。
【0067】
以上、本発明の望ましい実施形態を参照して説明したが、当業者ならば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させうるということが分かるであろう。前述した実施形態以外の多くの実施形態が本発明の特許請求の範囲内に存在する。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、イオン注入関連の技術分野に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0069】
10 イオン注入装置、
100 基板供給部、
101 カセット、
102、112 ロボットアーム、
110 ロードラック部、
111 ロードラックチャンバ、
120 プロセスチャンバ部、
121 プロセスチャンバ、
130 イオンソース部、
131 イオンソース、
200 支持装置、
204 支持台、
205 継ぎ部、
300 基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン注入装置に備えられた基板支持装置において、
基板の外側を支持する複数の外側支持台と、
前記基板の内側を支持する内側支持台と、
を備え、
前記外側支持台と前記内側支持台は、フレーム部及び前記フレーム部に積層し形成されて抗静電性を有する物質からなる基板接触部を備えることを特徴とする基板支持装置。
【請求項2】
前記外側支持台に備えられる前記基板接触部は、前記フレーム部のコーナ部分の上部には形成されずに非連続的に形成され、
前記基板は、前記フレーム部に接触しないことを特徴とする請求項1に記載の基板支持装置。
【請求項3】
前記基板のコーナ部分が前記フレーム部と0.1mm〜1.2mmのギャップを維持することを特徴とする請求項1または2に記載の基板支持装置。
【請求項4】
前記基板接触部は、
前記フレーム部の最外郭のコーナ頂点から50〜100mm離れた地点から始まって、前記フレーム部の外郭に沿って形成された第1部材と、
前記第1部材と垂直方向に前記フレーム部の最外郭のコーナ頂点から50〜100mm離れた地点から始まって、前記フレーム部の外郭に沿って形成された第2部材と、
を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の基板支持装置。
【請求項5】
前記基板接触部は、
前記フレーム部の最外郭のコーナ頂点から半径50〜100mmの上部には積層されずに前記フレーム部が現れるように形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の基板支持装置。
【請求項6】
前記基板接触部は、抗静電性を有するシリコンラバーであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の基板支持装置。
【請求項7】
前記フレーム部は、
ジュラルミン、アルミニウム特殊鋼またはアルミニウム合金のうち少なくとも一つから形成される第1層と、
アルマイト、リン酸鉄、リン酸亜鉛またはクロム化物質のうち少なくとも一つから形成され、前記第1層上にコーティングされる第2層と、
を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の基板支持装置。
【請求項8】
イオン注入装置の基板支持装置に備えられた支持台において、
基板を支持して移送する複層のフレーム部と、
前記フレーム部の外郭に沿って積層し形成された基板接触部と、
を備え、
前記基板接触部は、抗静電性を有する材料から形成されることを特徴とする支持台。
【請求項9】
前記支持台に搭載された基板は、前記基板のコーナ部分が前記基板接触部に接触しないことを特徴とする請求項8に記載の支持台。
【請求項10】
前記基板のコーナ部分は、前記フレーム部と0.1mm〜1.2mmのギャップを維持することを特徴とする請求項9に記載の支持台。
【請求項11】
前記基板接触部は、前記フレーム部の外郭のコーナ部分の上部には形成されずに非連続的に形成されることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の支持台。
【請求項12】
前記基板接触部は、
前記フレーム部の最外郭のコーナ頂点から50〜100mm離れた地点から始まって、前記フレーム部の外郭に沿って形成された第1部材と、
前記第1部材と垂直方向に前記フレーム部の最外郭のコーナ頂点から50〜100mm離れた地点から始まって、前記フレーム部の外郭に沿って形成された第2部材と、
を備えることを特徴とする請求項8に記載の支持台。
【請求項13】
前記基板接触部は、前記第1部材と前記第2部材とが前記フレーム部上にΓ字状または┐字状に配されたことを特徴とする請求項12に記載の支持台。
【請求項14】
前記基板接触部は、前記フレーム部の最外郭のコーナ頂点から半径50〜100mmの上部には積層されずに前記フレーム部が現れるように形成されたことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の支持台。
【請求項15】
前記基板接触部は、抗静電性を有するシリコンラバーであることを特徴とする請求項8から14のいずれか1項に記載の支持台。
【請求項16】
前記フレーム部は、
ジュラルミン、アルミニウム特殊鋼またはアルミニウム合金のうち少なくとも一つから形成される第1層と、
アルマイト、リン酸鉄、リン酸亜鉛またはクロム化物質のうち少なくとも一つから形成され、前記第1層上にコーティングされた第2層と、
を備えることを特徴とする請求項8から15のいずれか1項に記載の支持台。
【請求項17】
基板を支持して移送する複層のフレーム部と、
前記フレーム部の外郭に沿って積層し形成された基板接触部と、
を備える支持台を備え、
前記基板接触部は、抗静電性を有する物質からなることを特徴とするイオン注入装置。
【請求項18】
前記支持台に搭載された基板のコーナ部分は、前記支持台の前記基板接触部に接触しないことを特徴とする請求項17に記載のイオン注入装置。
【請求項19】
前記支持台のフレーム部と前記基板のコーナ部分とは、0.1mm〜1.2mmのギャップを維持することを特徴とする請求項17または18に記載のイオン注入装置。
【請求項20】
前記支持台の基板接触部は、前記フレーム部の外郭のコーナ部分の上部には形成されずに非連続的に形成されたことを特徴とする請求項17から19のいずれか1項に記載のイオン注入装置。
【請求項21】
前記支持台の前記基板接触部は、
前記フレーム部の最外郭のコーナ頂点から50〜100mm離れた地点から始まって、前記フレーム部の外郭に沿って形成された第1部材と、
前記第1部材と垂直方向に前記フレーム部の最外郭のコーナ頂点から50〜100mm離れた地点から始まって、前記フレーム部の外郭に沿って形成された第2部材と、
を備えることを特徴とする請求項17から20のいずれか1項に記載のイオン注入装置。
【請求項22】
前記支持台の基板接触部は、前記フレーム部の最外郭のコーナ頂点から半径50〜100mmの上部には積層されずに前記フレーム部が現れるように形成されたことを特徴とする請求項17から20のいずれか1項に記載のイオン注入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2010−267952(P2010−267952A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−29115(P2010−29115)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】