説明

基板検査装置及び基板検査方法

【課題】基板検査装置を小型化して、設置面積を小さくする。
【解決手段】基板1を搭載するステージ10に、基板1の下面を支持するブロック12を検査光の走査方向と直交する方向に所定の間隔で複数設けて、ブロック12間に検査光の走査方向の溝を形成する。ステージ10と、投光系及び受光系を有する光学系とを互いに逆方向に移動し、ステージ10の移動と光学系の移動とを並行して行いながら、断面の長さLがブロック12の間隔より短い帯状の検査光を投光系からステージ10に搭載された基板1のブロック12で支持されていない部分へ検査光の走査方向に沿って斜めに照射して、検査光による基板1の走査を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示用パネルの製造に用いられるガラス基板やプラスチック基板等の基板の欠陥を検出する基板検査装置及び基板検査方法に係り、特に大型の基板の検査に好適な基板検査装置及び基板検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示用パネルとして用いられる液晶ディスプレイ装置のTFT(Thin Film Transistor)基板やカラーフィルタ基板、プラズマディスプレイパネル用基板、有機EL(Electroluminescence)表示パネル用基板等の製造は、フォトリソグラフィー技術により、ガラス基板やプラスチック基板等の基板上にパターンを形成して行われる。その際、基板に傷や異物等の欠陥が存在すると、パターンが良好に形成されず、不良の原因となる。このため、基板検査装置を用いて、基板の傷や異物等の欠陥の検査が行われている。
【0003】
基板検査装置は、基板を搭載するステージと、レーザービーム等の検査光をステージに搭載された基板へ照射し、基板からの反射光又は散乱光を受光する光学系とを備え、光学系で受光した反射光又は散乱光の強度から基板の傷や異物等の欠陥を検出する。この様な基板検査装置で基板全体を検査するためには、検査光により基板の全面を走査しなければならない。検査光による基板の走査を行うため、従来、特許文献1に記載の様に光学系を固定してステージをXY方向へ移動するものと、ステージを固定して光学系をXY方向へ移動するものとがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−257642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の様にステージを移動する場合、固定した光学系の周囲に移動前及び移動後のステージを配置するスペースが必要なため、基板検査装置が大きくなって、設置面積が大きくなるという問題があった。これに対し、光学系を移動する場合、ステージを移動する場合に比べて、基板検査装置を小さくすることができる。しかしながら、この場合も、固定したステージの周囲に移動前及び移動後の光学系を配置するスペースが必要なため、基板検査装置の小型化には限界があり、設置面積を余り小さくすることができなかった。近年、表示用パネルの大画面化に伴って基板が大型化する程、大型化傾向の基板検査装置を少しでも小型化して、設置面積を小さく抑えたいという要求が強くなってきた。
【0006】
また、ステージを移動する場合、基板が大型化する程ステージも大きくなって重量が重くなるので、ステージの移動によって装置の重心が大きく移動して、装置に歪みが生じるという問題があった。光学系を移動する場合も、レンズ等を含む光学系は相当の重量を有するので、光学系の移動によって装置の重心が移動して、装置に歪みが生じるという問題があった。基板検査装置に歪みが生じると、光学系が歪んで投光系からの検査光の照射位置がずれ、また受光系で受光する反射光又は散乱光の検出感度が低下するので、装置の性能低下の原因となる。
【0007】
さらに、基板検査装置で検査時間を短縮するためには、ステージ又は光学系をより速く移動して、検査光による基板の走査をできるだけ短時間に行わなければならない。しかしながら、ステージ又は光学系の移動速度はサーボモータやボールねじ等の移動機構の性能に依存するため、従来の基板検査装置では検査時間の短縮に限界があった。特に基板が大型化して検査時間が長くなる程、検査時間の短縮の要求が強くなってきた。
【0008】
本発明の課題は、基板検査装置を小型化して、設置面積を小さくすることである。また、本発明の課題は、基板検査装置の重心の移動を小さくして、装置の歪みを抑制することである。さらに、本発明の課題は、検査光による基板の走査を短時間に行って、検査時間を短縮することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の基板検査装置は、検査光により基板を走査して、表示用パネルの基板の欠陥を検査する基板検査装置であって、基板の下面を支持するブロックを検査光の走査方向と直交する方向に所定の間隔で複数有し、ブロック間に検査光の走査方向の溝が形成された基板を搭載するステージと、ステージを移動するステージ移動手段と、断面の長さがブロックの間隔より短い帯状の検査光をステージに搭載された基板のブロックで支持されていない部分へ検査光の走査方向に沿って斜めに照射する投光系と、検査光が基板の欠陥により散乱された散乱光を受光する受光系とを有する光学系と、光学系を移動する光学系移動手段と、ステージ移動手段によるステージの移動量及び光学系移動手段による光学系の移動量を検出して、検査光が照射されている基板上の位置を検出する検査位置検出手段と、受光系が受光した散乱光の強度から基板の欠陥を検出する処理手段とを備え、ステージ移動手段及び光学系移動手段により、ステージと光学系とを互いに逆方向に移動し、ステージの移動と光学系の移動とを並行して行って、検査光による基板の走査を行い、移動前にステージ及び光学系が配置されていたスペースに、移動後の両者を配置するものである。
【0010】
また、本発明の基板検査方法は、検査光により基板を走査して、表示用パネルの基板の欠陥を検査する基板検査方法であって、基板を搭載するステージに、基板の下面を支持するブロックを検査光の走査方向と直交する方向に所定の間隔で複数設けて、ブロック間に検査光の走査方向の溝を形成し、基板を搭載するステージと、投光系及び受光系を有する光学系とを互いに逆方向に移動し、ステージの移動と光学系の移動とを並行して行いながら、断面の長さがブロックの間隔より短い帯状の検査光を投光系からステージに搭載された基板のブロックで支持されていない部分へ検査光の走査方向に沿って斜めに照射して、検査光による基板の走査を行い、検査光が基板の欠陥により散乱された散乱光を受光系で受光し、ステージ及び光学系の移動量を検出して、検査光が照射されている基板上の位置を検出し、受光系で受光した散乱光の強度から基板の欠陥を検出し、移動前にステージ及び光学系が配置されていたスペースに、移動後の両者を配置するものである。
【0011】
ステージと光学系の両方を移動し、ステージの移動と光学系の移動とを並行して行うので、移動前に両者を配置するだけのスペースを設ければ、移動後も両者を配置することができる。従来の様に、固定した光学系又はステージの周囲に、移動前及び移動後のステージ又は光学系を配置するスペースを設ける必要はない。従って、基板検査装置が小型化され、設置面積が小さくなる。また、ステージと光学系とを互いに逆方向に移動するので、装置の重心に対する重量の移動をお互いに打ち消し合う。従って、装置の重心の移動が小さくなり、装置の歪みが抑制される。さらに、ステージと光学系とを互いに逆方向に移動し、ステージの移動と光学系の移動とを並行して行いながら、検査光による基板の走査を行うので、検査光による基板の走査が短時間で行われ、検査時間が短縮される。
【0012】
さらに、本発明の基板検査装置は、ステージ移動手段及び光学系移動手段が、互いに異なった時刻にステージ又は光学系の移動を開始し、互いに異なった時刻にステージ又は光学系の移動を終了するものである。また、本発明の基板検査方法は、ステージの移動開始時刻と光学系の移動開始時刻とを異ならせ、ステージの移動終了時刻と光学系の移動終了時刻とを異ならせたものである。
【0013】
ステージ又は光学系の移動を開始する際、及びステージ又は光学系の移動を終了する際には、慣性質量の変化によって装置に衝撃が掛かり、装置が振動する。ステージと光学系の両方を移動し、ステージの移動と光学系の移動とを並行して行う場合、ステージ及び光学系の移動を同時に開始し、あるいはステージ及び光学系の移動を同時に終了すると、装置には両方の衝撃が同時に掛かり、装置の振動が大きくなる。本発明において、ステージの移動開始時刻と光学系の移動開始時刻とを異ならせ、ステージの移動終了時刻と光学系の移動終了時刻とを異ならせると、装置には一方の衝撃による振動がある程度収まってから他方の衝撃が掛かり、装置の振動が小さくなる。
【0014】
あるいは、本発明の基板検査装置は、ステージ移動手段及び光学系移動手段が、互いに異なった加速度でステージ又は光学系の移動を開始し、互いに異なった加速度でステージ又は光学系の移動を終了するものである。また、本発明の基板検査方法は、ステージの移動を開始する際の加速度と光学系の移動を開始する際の加速度とを異ならせ、ステージの移動を終了する際の加速度と光学系の移動を終了する際の加速度とを異ならせたものである。
【0015】
ステージと光学系との移動開始時刻及び移動終了時刻を同じにした場合であっても、移動開始の際及び移動終了の際に加速及びの減速の加速度を互いに異ならせると、装置には異なった大きさの振動が掛かるので、装置の振動が小さくなる。
【0016】
さらに、本発明の基板検査装置は、ステージ移動手段が、ステージに取り付けられた第1のボールねじと、第1のボールねじを回転させる第1のサーボモータとを有し、光学系移動手段が、光学系を搭載する移動台と、移動台に取り付けられた第2のボールねじと、第2のボールねじを回転させる第2のサーボモータとを有し、検査位置検出手段が、第1のサーボモータの回転量を検出する第1のロータリエンコーダと、第1のロータリエンコーダの出力パルスをカウントする第1のカウンタと、第2のサーボモータの回転量を検出する第2のロータリエンコーダと、第2のロータリエンコーダの出力パルスをカウントする第2のカウンタと、第1及び第2のカウンタの出力を加算する加算回路とを有し、第1及び第2のカウンタが、互いに異なったタイミングで第1又は第2のロータリエンコーダの出力パルスを読み取るものである。
【0017】
また、本発明の基板検査方法は、ステージに取り付けられた第1のボールねじを第1のサーボモータで回転させてステージを移動し、光学系を移動台に搭載して、移動台に取り付けられた第2のボールねじを第2のサーボモータで回転させて光学系を移動し、第1のサーボモータの回転量を第1のロータリエンコーダで検出し、第2のサーボモータの回転量を第2のロータリエンコーダで検出し、互いに異なったタイミングで第1又は第2のロータリエンコーダの出力パルスを読み取ってそれぞれカウントし、両方のカウント結果を加算して検査光が照射されている基板上の位置を検出するものである。
【0018】
従来、基板検査装置では、サーボモータ及びボールねじを用いて、基板を搭載したステージ又は光学系を搭載した移動台を移動していた。そして、サーボモータの回転量をロータリエンコーダで検出し、ロータリエンコーダの出力パルスをカウンタでカウントすることにより、ステージ又は光学系の移動量を検出して、検査光が照射されている基板上の位置を検出していた。本発明では、ステージと光学系の両方を移動するので、両方のカウント結果を加算して検査光が照射されている基板上の位置を検出する。
【0019】
その際、2つのロータリエンコーダの出力パルスを同じタイミングで読み取ってカウントすると、2つのロータリエンコーダがたまたま同時に出力パルスを発生した場合、カウント結果の和がその時だけ急激に増加し、検査光が照射されている基板上の位置が精度良く検出されない。本発明において、第1のロータリエンコーダの出力パルスをカウントする第1のカウンタと、第2のロータリエンコーダの出力パルスをカウントする第2のカウンタとを独立に設け、互いに異なったタイミングで第1又は第2のロータリエンコーダの出力パルスを読み取ってそれぞれカウントすると、2つのロータリエンコーダがたまたま同時に出力パルスを発生した場合も、カウント結果の和が急激に増加することはなく、検査光が照射されている基板上の位置が精度良く検出される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、基板検査装置を小型化して、設置面積を小さくすることができる。また、基板検査装置の重心の移動を小さくして、装置の歪みを抑制することができる。さらに、検査光による基板の走査を短時間に行って、検査時間を短縮することができる。
【0021】
さらに、ステージの移動開始時刻と光学系の移動開始時刻とを異ならせ、ステージの移動終了時刻と光学系の移動終了時刻とを異ならせることにより、装置の振動を小さくすることができる。あるいは、ステージと光学系との移動開始時刻及び移動終了時刻を同じにした場合であっても、移動開始の際及び移動終了の際に加速及びの減速の加速度を互いに異ならせることにより、装置の振動を小さくすることができる。
【0022】
さらに、第1のロータリエンコーダの出力パルスをカウントする第1のカウンタと、第2のロータリエンコーダの出力パルスをカウントする第2のカウンタとを独立に設け、互いに異なったタイミングで第1又は第2のロータリエンコーダの出力パルスを読み取ってそれぞれカウントすることにより、検査光が照射されている基板上の位置を精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施の形態による基板検査装置の上面図である。
【図2】本発明の一実施の形態による基板検査装置の側面図である。
【図3】本発明の一実施の形態による基板検査装置の正面図である。
【図4】図4(a)はステージの上面の一部の拡大図、図4(b)は図4(a)のD−D部の断面図である。
【図5】光学ユニットの概略構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態による基板検査装置の制御系及び信号処理系の概略構成を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態による基板検査装置の動作を説明する図である。
【図8】基板シフト機構の動作を説明する図である。
【図9】本発明の一実施の形態による基板検査装置の基板の走査を説明する図である。
【図10】本発明の他の形態による基板検査装置の上面図である。
【図11】本発明の他の形態による基板検査装置の基板の走査を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の一実施の形態による基板検査装置の上面図である。図2は、本発明の一実施の形態による基板検査装置の側面図である。図3は、本発明の一実施の形態による基板検査装置の正面図である。基板検査装置は、検査テーブル3、脚4、基板シフト機構、ステージ10、ステージ移動機構、光学ユニット20a,20b,20c、及び光学ユニット移動機構を含んで構成されている。なお、本実施の形態は、光学ユニットを3つ設けた例を示しているが、本発明はこれに限らず、光学ユニットを1つ又は2つ、あるいは4つ以上設けてもよい。
【0025】
図2及び図3において、検査テーブル3は、脚4によって所定の高さに設置されている。図1において、検査テーブル3の上面にはステージ10が配置されており、ステージ10には基板1が搭載されている。ステージ10は、ステージベース11及びブロック12を含んで構成されている。ステージベース11は1枚の平板であって、その上面には、X方向に細長い長方形のブロック12が、Y方向に所定の間隔で複数取り付けられている。複数のブロック12を所定の間隔で取り付けることにより、ブロック12間にはX方向に細長い溝が形成される。ブロック12は、ステージベース11に取り付けられた後、機械加工によって上面を均一な高さに削られている。ステージ10に搭載された基板1は、ブロック12によって支持される。
【0026】
なお、ステージベース11は、1枚の平板の代わりに、Y方向に長い長方形の板をX方向に所定の間隔で複数並べて構成してもよい。また、ブロック12は、機械加工でブロック12間の溝を削ることによって、ステージベース11と一体に構成してもよい。
【0027】
図4(a)はステージの上面の一部の拡大図、図4(b)は図4(a)のD−D部の断面図である。図4(a)に示す様に、各ブロック12には、吸着孔13が所定の間隔で複数設けられている。吸着孔13は、図4(b)に示す様にステージベース11を貫通しており、ステージベース11の下面で図示しない真空設備へ接続されている。図示しない真空設備を用いて吸着孔13から空気を吸引することにより、ブロック12によって支持された基板1が真空吸着されてステージ10に固定される。
【0028】
基板1のブロック12で支持されていない部分には、後述する光学ユニット20a,20b,20cから検査光2が照射される。検査光2は、図4(a)に示す様に、断面が帯状となっている。検査光2の断面の長さLに対し、ブロック12の中心の間隔はその二倍(2L)、ブロック12の幅WはLより小さく(W<L)構成されている。なお、ステージベース11のブロック12が取り付けられていない部分には、開口14が複数設けられており、開口14には、後述するリフトピン9が挿入されている。
【0029】
図1において、ステージ移動機構は、Xガイド5、ボールねじ15、及びサーボモータ16を含んで構成されている。ステージ10の下面にはボールねじ15が取り付けられており、ボールねじ15にはサーボモータ16が連結されている。サーボモータ16は、検査テーブル3に設けた溝3d内に設置されている。ボールねじ15をサーボモータ16で回転させることにより、ステージ10が検査テーブル3に設けられたXガイド5に沿ってX方向へ移動する。
【0030】
光学ユニット移動機構は、Xガイド6、Yガイド7、移動台34、ボールねじ35,45、及びサーボモータ36,46を含んで構成されている。移動台34に、3つの光学ユニット20a,20b,20cが搭載されている。移動台34の側面にはボールねじ35が取り付けられており、ボールねじ35にはサーボモータ36が連結されている。サーボモータ36は、検査テーブル3の側面に設置されている。ボールねじ35をサーボモータ36で回転させることにより、移動台34が検査テーブル3に設けられたXガイド6に沿ってX方向へ移動する。
【0031】
また、光学ユニット20a,20b,20cにはボールねじ45が取り付けられており、ボールねじ45にはサーボモータ46が連結されている。サーボモータ46は、移動台34の上面に設置されている。ボールねじ45をサーボモータ46で回転させることにより、光学ユニット20a,20b,20cが移動台34に設けられたYガイド7に沿ってY方向へ移動する。
【0032】
図5は、光学ユニットの概略構成を示す図である。光学ユニット20a,20b,20cはそれぞれ、検査光2を基板1へ照射する投光系、基板1からの反射光を受光する反射光検出系、及び基板1からの散乱光を受光する受光系を含んで構成されている。
【0033】
投光系は、レーザー光源21、レンズ22,23、及びミラー24を含んで構成されている。レーザー光源21は、検査光2となるレーザー光を発生する。レンズ22は、レーザー光源21から発生されたレーザー光を集光する。レンズ23は、レンズ22で集光されたレーザー光を集束させる。ミラー24は、レンズ23で集束させたレーザー光を、検査光2として基板1へ斜めに照射する。
【0034】
基板1へ斜めに照射された検査光2の一部は基板1の表面で反射され、一部は基板1の内部へ透過する。基板1の表面に傷や異物等の欠陥がある場合、基板1へ照射された検査光2の一部が欠陥により散乱され、散乱光が発生する。基板1の内部へ透過した検査光2の一部は基板1の裏面で反射され、一部は基板1の裏面から外部へ射出される。基板1の裏面に傷や異物等の欠陥がある場合、基板1の内部へ透過した検査光2の一部が欠陥により散乱され、散乱光が発生する。基板1の裏面から外部へ射出された検査光2は、ステージ10に形成された溝を通過してステージベース11へ照射される。検査光2がステージベース11へ照射される位置は、検査光2が基板1へ照射される位置から図面の右側へ大きくずれるため、ステージベース11で反射された検査光2は反射光検出系及び受光系へ到達しない。
【0035】
反射光検出系は、ミラー24、レンズ25、及びCCDラインセンサー26を含んで構成されている。基板1の表面からの反射光は、ミラー24を介してレンズ25に入射する。レンズ25は、基板1の表面からの反射光を集束させ、CCDラインセンサー26の受光面に結像させる。
【0036】
このとき、CCDラインセンサー26の受光面における反射光の受光位置は、基板1の表面の高さによって変化する。図5に示す基板1の表面の高さを基準としたとき、基板1の表面の高さが基準より低い場合、基板1の表面で検査光2が照射及び反射される位置が図面の右側へ移動し、CCDラインセンサー26の受光面における反射光の受光位置が図面の左側へ移動する。逆に、基板1の表面の高さが基準より高い場合、基板1の表面で検査光2が照射及び反射される位置が図面の左側へ移動し、CCDラインセンサー26の受光面における反射光の受光位置が図面の右側へ移動する。
【0037】
CCDラインセンサー26は、受光面に複数のCCDが配列され、受光面で受光した反射光の強度に応じた検出信号を焦点調節制御回路38へ出力する。焦点調節制御回路38は、CPU70からの指令に従って、焦点調節機構39を駆動する。例えば、基板1の表面の欠陥の検査を行う場合、焦点調節制御回路38は、CCDラインセンサー26の検出信号から、基板1の表面からの反射光がCCDラインセンサー26の受光面の中心位置で受光される様に、焦点調節機構39を駆動して光学ユニット20a,20b,20cを移動させる。焦点調節機構39は、例えばパルスモータで構成され、焦点調節制御回路38からの駆動パルスに応じて光学ユニット20a,20b,20cを上下に移動させて焦点位置を調節する。
【0038】
受光系は、集光レンズ27、結像レンズ28、及びCCDラインセンサー29を含んで構成されている。集光レンズ27は、基板1の表面又は裏面からの散乱光を集光し、結像レンズ28は、集光レンズ27で集光された散乱光をCCDラインセンサー29の受光面に結像させる。CCDラインセンサー29は、受光面に複数のCCDが配列され、受光面で受光した散乱光の強度に応じた検出信号を信号変換回路50a,50b,50cへ出力する。
【0039】
図6は、本発明の一実施の形態による基板検査装置の制御系及び信号処理系の概略構成を示す図である。制御系は、XY移動制御回路30、駆動回路31,32,33、前述した焦点調節制御回路38、及びCPU70を含んで構成されている。
【0040】
XY移動制御回路30は、CPU70からの指令に従って、ステージ10及び光学ユニット20a,20b,20cのX方向への移動、並びに光学ユニット20a,20b,20cのY方向への移動を制御する。駆動回路31は、XY移動制御回路30の制御により、サーボモータ16を駆動して、ステージ10をX方向へ移動する。ステージ10のX方向への移動によって、ステージ10に搭載された基板1がX方向へ移動する。駆動回路32は、XY移動制御回路30の制御により、サーボモータ36を駆動して、移動台34をX方向へ移動する。移動台34のX方向への移動によって、移動台34に搭載された光学ユニット20a,20b,20cがX方向へ移動する。駆動回路33は、XY移動制御回路30の制御により、サーボモータ46を駆動して、光学ユニット20a,20b,20cをY方向へ移動する。
【0041】
図7は、本発明の一実施の形態による基板検査装置の動作を説明する図である。光学ユニット20a,20b,20cの投光系から照射された検査光2により基板1の走査を行う際、ステージ10と光学ユニット20a,20b,20cとをX方向へ互いに逆方向に移動して、1回の走査を行う。図7(a)は移動前の状態、図7(b)は移動中の状態、図7(c)は移動後の状態を示す。本実施の形態では、3つの光学ユニット20a,20b,20cが設けられているので、1回の走査によって、基板1のブロック12で支持されていない部分の内の3箇所の走査が行われる。
【0042】
ステージ10と光学ユニット20a,20b,20cの両方を移動するので、図7(a)に示す様に移動前に両者を配置するだけのスペースを設ければ、図7(c)に示す様に移動後も両者を配置することができる。従来の様に、固定した光学系又はステージの周囲に、移動前及び移動後のステージ又は光学系を配置するスペースを設ける必要はない。従って、基板検査装置が小型化され、設置面積が小さくなる。また、ステージ10と光学ユニット20a,20b,20cとを互いに逆方向に移動するので、装置の重心に対する重量の移動をお互いに打ち消し合う。従って、装置の重心の移動が小さくなり、装置の歪みが抑制される。さらに、ステージ10と光学ユニット20a,20b,20cとを互いに逆方向に移動して、検査光2による基板1の走査を行うので、検査光2による基板1の走査が短時間で行われ、検査時間が短縮される。
【0043】
また、ステージ10又は光学ユニット20a,20b,20cの移動を開始する際、及びステージ10又は光学ユニット20a,20b,20cの移動を終了する際には、慣性質量の変化によって装置に衝撃が掛かり、装置が振動する。ステージ10と光学ユニット20a,20b,20cの両方を移動する場合、ステージ10及び光学ユニット20a,20b,20cの移動を同時に開始し、あるいはステージ10及び光学ユニット20a,20b,20cの移動を同時に終了すると、装置には両方の衝撃が同時に掛かり、装置の振動が大きくなる。本実施の形態では、ステージ10の移動開始時刻と光学ユニット20a,20b,20cの移動開始時刻とを異ならせ、ステージ10の移動終了時刻と光学ユニット20a,20b,20cの移動終了時刻とを異ならせる。これにより、装置には一方の衝撃による振動がある程度収まってから他方の衝撃が掛かり、装置の振動が小さくなる。
【0044】
また、ステージ10と光学ユニット20a,20b,20cとの移動開始時刻及び移動終了時刻を同じにした場合であっても、移動開始の際及び移動終了の際に加速及びの減速の加速度を互いに異ならせると、装置には異なった大きさの振動が掛かるので、装置の振動が小さくなる。
【0045】
1回の走査が終了すると、光学ユニット20a,20b,20cをY方向へ移動した後、基板1のブロック12で支持されていない他の部分について、次の走査を行う。これらの動作を繰り返して、基板1のブロック12で支持されていない部分全てについて、検査光2による走査を行う。
【0046】
基板1のブロック12で支持されていない部分全てについて、検査光2による走査が終了すると、基板検査装置は、基板シフト機構を用いて基板1のY方向へのシフトを行う。図8は、基板シフト機構の動作を説明する図である。基板シフト機構は、昇降ベース8及びリフトピン9を含んで構成されている。
【0047】
検査テーブル3の下方には、昇降ベース8が配置されており、昇降ベース8にはリフトピン9が複数取り付けられている。検査テーブル3には、リフトピン9が通る開口が設けられている。図8(a)に示す様に、昇降ベース8に取り付けられた複数のリフトピン9は、検査テーブル3に設けられた開口を通って、ステージベース11に設けられた開口14(図4参照)に挿入されている。昇降ベース8は、図示しない昇降機構によってZ方向へ移動し、これによりリフトピン9が、検査テーブル3に設けられた開口及びステージベース11に設けられた開口14を通って、上昇及び下降する。また、昇降ベース8は、図示しない移動機構によってY方向へ移動し、これによりリフトピン9が、検査テーブル3に設けられた開口内及びステージベース11に設けられた開口14内をY方向へ移動する。
【0048】
基板1のブロック12で支持されていない部分全てについて、検査光2による走査が終了すると、ブロック12の吸着孔13(図4参照)による真空吸着を解除した後、図8(b)に示す様に、昇降ベース8をZ方向へ上昇させ、基板1をリフトピン9によってブロック12から持ち上げる。
【0049】
次に、基板1をリフトピン9で持ち上げた状態で、図8(c)に示す様に昇降ベース8をY方向へ移動させる。これにより、リフトピン9で持ち上げられた基板1は、Y方向へシフトされる。基板1のY方向へのシフト量は、図4に示す検査光2の断面の長さLと等しくする。
【0050】
基板1のY方向へのシフトが終了すると、図8(d)に示す様に昇降ベース8をZ方向へ下降させ、リフトピン9で持ち上げていた基板1をブロック12に載せる。そして、ブロック12の吸着孔13(図4参照)によって、基板1を真空吸着する。このとき、基板1がY方向へ検査光2の断面の長さL分だけシフトされているので、基板1の既に検査が行われた部分がブロック12で支持され、基板1の未だ検査が行われていない部分がステージ10に形成された溝の上空に配置される。
【0051】
基板1をY方向へシフトした後、基板1の新たにブロック12で支持されていない部分について、前述と同様に1回の走査と光学ユニット20a,20b,20cのY方向への移動とを繰り返して、検査光2による走査を行う。
【0052】
図9は、本発明の一実施の形態による基板検査装置の基板の走査を説明する図である。図9(a)は基板1のシフト前の走査領域を示し、図9(b)は基板1のシフト後の走査領域を示す。図9(a),(b)において、矢印An,Bn,Cn(nは自然数)はそれぞれ、n回目の走査で光学ユニット20a,20b,20cの各検査光2が基板1を走査する方向を示す。矢印の周囲の灰色で示した部分が走査領域である。本実施の形態では、図9(a)に示す様に、1回目〜6回目の走査によりシフト前の基板1のブロック12で支持されていない部分の走査が行われる。そして、図9(b)に示す様に、7回目〜12回目の走査によりシフト後の基板1のブロック12で支持されていない部分の走査が行われる。従って、基板1のシフト前とシフト後を合わせて、合計12回の走査によって基板1の全面の走査が行われる。
【0053】
図6において、信号処理系は、検査位置検出回路40、信号変換回路50a,50b,50c、信号処理回路60、CPU70、及び出力装置80を含んで構成されている。
【0054】
検査位置検出回路40は、ロータリエンコーダ17,37,47、カウンタ41,42,43、及び加算回路44を含んで構成されている。ロータリエンコーダ17,37,47はそれぞれ、サーボモータ16,36,46に取り付けられており、サーボモータ16,36,46の回転量を検出して、検出した回転量に応じたパルス信号を出力する。カウンタ41,42,43はそれぞれ、ロータリエンコーダ17,37,47の出力パルスを一定のタイミングで読み取ってカウントし、カウント結果を出力する。
【0055】
カウンタ41の出力は、ステージ10のX方向への移動量を示し、カウンタ42の出力は、光学ユニット20a,20b,20cのX方向への移動量を示す。検査位置検出回路40は、カウンタ41,42の出力を加算回路44で加算して、検査光2が照射されている基板1上のX方向の位置を検出する。また、カウンタ43の出力は、光学ユニット20a,20b,20cのY方向への移動量を示し、これにより検査位置検出回路40は、検査光2が照射されている基板1上のY方向の位置を検出する。検査位置検出回路40が検出した検査光2が照射されている基板1上のX方向及びY方向の位置は、信号処理回路60へ入力される。
【0056】
ここで、カウンタ41,42がロータリエンコーダ17,37の出力パルスを読み取る際、ロータリエンコーダ17,37の出力パルスを同じタイミングで読み取ってカウントすると、ロータリエンコーダ17,37がたまたま同時に出力パルスを発生した場合、カウント結果の和がその時だけ急激に増加し、検査光2が照射されている基板1上のX方向の位置が精度良く検出されない。本実施の形態では、ロータリエンコーダ17の出力パルスをカウントするカウンタ41と、ロータリエンコーダ37の出力パルスをカウントするカウンタ42とを独立に設け、互いに異なったタイミングでロータリエンコーダ17,37の出力パルスを読み取ってそれぞれカウントする。これにより、ロータリエンコーダ17,37がたまたま同時に出力パルスを発生した場合も、カウント結果の和が急激に増加することはなく、検査光2が照射されている基板上のX方向の位置が精度良く検出される。
【0057】
信号変換回路50a,50b,50cは、光学ユニット20a,20b,20cのCCDラインセンサー29(図5参照)の検出信号をディジタル信号に変換して、信号処理回路60へ出力する。信号処理回路60は、内部メモリを備え、信号変換回路50a,50b,50cから入力したディジタル信号をディジタルデータとして内部メモリに記憶する。このとき信号処理回路60は、ディジタルデータを、検査位置検出回路40から入力した検査光2が照射されている基板上のX方向及びY方向の位置と関連付けて記憶する。そして、信号処理回路60は、CPU70の制御により、内部メモリに記憶したディジタルデータを処理して、CCDラインセンサー29の受光面で受光した散乱光の強度から基板1の表面又は裏面の欠陥を検出する。CPU70は、信号処理回路60の検出結果をディスプレイやプリンタ等から成る出力装置80へ出力する。
【0058】
図10は、本発明の他の形態による基板検査装置の上面図である。光学ユニット20a,20b,20cの配置は、図1の様に近接して設けるだけでなく、図10に示す様におおよそ基板1のY方向幅を光学ユニット数で分割した間隔ずつずらして予め配置し、走査を行うようにしてもよい。
【0059】
図11は、本発明の他の形態による基板検査装置の基板の走査を説明する図である。図11(a)は基板1のシフト前の走査領域を示し、図11(b)は基板1のシフト後の走査領域を示す。図11(a),(b)において、矢印An,Bn,Cn(nは自然数)はそれぞれ、n回目の走査で光学ユニット20a,20b,20cの各検査光2が基板1を走査する方向を示す。矢印の周囲の灰色で示した部分が走査領域である。
【0060】
本実施の形態によれば、図1の様に光学ユニット20a,20b,20cを近接して設置した場合に比べ、1往復の走査が終了した後の光学ユニット20a,20b,20cのY方向への移動量を少なくすることができる。
【0061】
以上説明した実施の形態によれば、基板検査装置を小型化して、設置面積を小さくすることができる。また、基板検査装置の重心の移動を小さくして、装置の歪みを抑制することができる。さらに、検査光2による基板1の走査を短時間に行って、検査時間を短縮することができる。
【0062】
さらに、ステージ10の移動開始時刻と光学ユニット20a,20b,20cの移動開始時刻とを異ならせ、ステージ10の移動終了時刻と光学ユニット20a,20b,20cの移動終了時刻とを異ならせることにより、装置の振動を小さくすることができる。
【0063】
また、ステージ10と光学ユニット20a,20b,20cとの移動開始時刻及び移動終了時刻を同じにした場合であっても、移動開始の際及び移動終了の際に加速及びの減速の加速度を互いに異ならせることにより、装置の振動を小さくすることができる。
【0064】
さらに、ロータリエンコーダ17の出力パルスをカウントするカウンタ41と、ロータリエンコーダ37の出力パルスをカウントするカウンタ42とを独立に設け、互いに異なったタイミングでロータリエンコーダ17,37の出力パルスを読み取ってそれぞれカウントすることにより、検査光2が照射されている基板1上のX方向の位置を精度良く検出することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 基板
2 検査光
3 検査テーブル
4 脚
5,6 Xガイド
7 Yガイド
8 昇降ベース
9 リフトピン
10 ステージ
11 ステージベース
12 ブロック
13 吸着孔
14 開口
15 ボールねじ
16 サーボモータ
17 ロータリエンコーダ
20a,20b,20c 光学ユニット
21 レーザー光源
22,23 レンズ
24 ミラー
25 レンズ
26 CCDラインセンサー
27 集光レンズ
28 結像レンズ
29 CCDラインセンサー
30 XY移動制御回路
31,32,33 駆動回路
34 移動台
35,45 ボールねじ
36,46 サーボモータ
37,47 ロータリエンコーダ
38 焦点調節制御回路
39 焦点調節機構
40 検査位置検出回路
41,42,43 カウンタ
44 加算回路
50a,50b,50c 信号変換回路
60 信号処理回路
70 CPU
80 出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査光により基板を走査して、表示用パネルの基板の欠陥を検査する基板検査装置であって、
基板の下面を支持するブロックを検査光の走査方向と直交する方向に所定の間隔で複数有し、該ブロック間に検査光の走査方向の溝が形成された基板を搭載するステージと、
前記ステージを移動するステージ移動手段と、
断面の長さが前記ブロックの間隔より短い帯状の検査光を前記ステージに搭載された基板の前記ブロックで支持されていない部分へ検査光の走査方向に沿って斜めに照射する投光系と、検査光が基板の欠陥により散乱された散乱光を受光する受光系とを有する光学系と、
前記光学系を移動する光学系移動手段と、
前記ステージ移動手段による前記ステージの移動量及び前記光学系移動手段による前記光学系の移動量を検出して、検査光が照射されている基板上の位置を検出する検査位置検出手段と、
前記受光系が受光した散乱光の強度から基板の欠陥を検出する処理手段とを備え、
前記ステージ移動手段及び前記光学系移動手段により、前記ステージと前記光学系とを互いに逆方向に移動し、前記ステージの移動と前記光学系の移動とを並行して行って、検査光による基板の走査を行い、移動前に前記ステージ及び前記光学系が配置されていたスペースに、移動後の両者を配置することを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
前記ステージ移動手段及び前記光学系移動手段は、互いに異なった時刻に前記ステージ又は前記光学系の移動を開始し、互いに異なった時刻に前記ステージ又は前記光学系の移動を終了することを特徴とする請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記ステージ移動手段及び前記光学系移動手段は、互いに異なった加速度で前記ステージ又は前記光学系の移動を開始し、互いに異なった加速度で前記ステージ又は前記光学系の移動を終了することを特徴とする請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記ステージ移動手段は、前記ステージに取り付けられた第1のボールねじと、該第1のボールねじを回転させる第1のサーボモータとを有し、
前記光学系移動手段は、前記光学系を搭載する移動台と、該移動台に取り付けられた第2のボールねじと、該第2のボールねじを回転させる第2のサーボモータとを有し、
前記検査位置検出手段は、前記第1のサーボモータの回転量を検出する第1のロータリエンコーダと、該第1のロータリエンコーダの出力パルスをカウントする第1のカウンタと、前記第2のサーボモータの回転量を検出する第2のロータリエンコーダと、該第2のロータリエンコーダの出力パルスをカウントする第2のカウンタと、該第1及び第2のカウンタの出力を加算する加算回路とを有し、
前記第1及び第2のカウンタは、互いに異なったタイミングで前記第1又は第2のロータリエンコーダの出力パルスを読み取ることを特徴とする請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項5】
検査光により基板を走査して、表示用パネルの基板の欠陥を検査する基板検査方法であって、
基板を搭載するステージに、基板の下面を支持するブロックを検査光の走査方向と直交する方向に所定の間隔で複数設けて、ブロック間に検査光の走査方向の溝を形成し、
基板を搭載するステージと、投光系及び受光系を有する光学系とを互いに逆方向に移動し、ステージの移動と光学系の移動とを並行して行いながら、断面の長さがブロックの間隔より短い帯状の検査光を投光系からステージに搭載された基板のブロックで支持されていない部分へ検査光の走査方向に沿って斜めに照射して、検査光による基板の走査を行い、
検査光が基板の欠陥により散乱された散乱光を受光系で受光し、
ステージ及び光学系の移動量を検出して、検査光が照射されている基板上の位置を検出し、
受光系で受光した散乱光の強度から基板の欠陥を検出し、
移動前にステージ及び光学系が配置されていたスペースに、移動後の両者を配置することを特徴とする基板検査方法。
【請求項6】
ステージの移動開始時刻と光学系の移動開始時刻とを異ならせ、ステージの移動終了時刻と光学系の移動終了時刻とを異ならせたことを特徴とする請求項5に記載の基板検査方法。
【請求項7】
ステージの移動を開始する際の加速度と光学系の移動を開始する際の加速度とを異ならせ、ステージの移動を終了する際の加速度と光学系の移動を終了する際の加速度とを異ならせたことを特徴とする請求項5に記載の基板検査方法。
【請求項8】
ステージに取り付けられた第1のボールねじを第1のサーボモータで回転させてステージを移動し、
光学系を移動台に搭載して、移動台に取り付けられた第2のボールねじを第2のサーボモータで回転させて光学系を移動し、
第1のサーボモータの回転量を第1のロータリエンコーダで検出し、
第2のサーボモータの回転量を第2のロータリエンコーダで検出し、
互いに異なったタイミングで第1又は第2のロータリエンコーダの出力パルスを読み取ってそれぞれカウントし、両方のカウント結果を加算して検査光が照射されている基板上の位置を検出することを特徴とする請求項5に記載の基板検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−17708(P2011−17708A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175822(P2010−175822)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【分割の表示】特願2005−7145(P2005−7145)の分割
【原出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】