説明

基板間のベベルエッチング再現性を改善する装置及び方法

【解決手段】基板間のベベルエッチング再現性を改善するために、基板のベベルエッチングに関連して実行される方法を開示する。方法は、光学装置を提供するステップと、前記基板のベベルエッジの少なくとも1つのベベルエッジ特性を確認するステップと、を含む。方法は、更に、前記少なくとも1つのベベルエッジ特性から、ベベルエッチング処理パラメータの調節に関係する少なくとも1つの補正要素を導出するステップを含む。方法は、更に、前記少なくとも1つの補正要素を利用して、前記ベベルエッチングを実行するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体製品の製造では、基板(例えば、半導体ウェーハ)を、様々な層に対する連続的な堆積、エッチング、研磨により処理して、半導体デバイスを形成する。プラズマ、及び更に具体的には、プラズマ強化エッチング及び堆積は、こうした処理ステップにおいて多く利用されてきた。
【0002】
一般に、プロセス技術者は、基板上で利用可能な面積をできる限り多く利用して、半導体デバイスを製造することを目指している。加工限界及び他の要因から、基板の外縁部には、デバイス形成が信頼に足ると思われないため殆ど試行されない輪状の領域が存在する場合が多い。処理は基板の内部領域に集中しがちであるため、有機材料及び無機材料の特定の堆積は、上述した輪状縁部領域の近傍に蓄積することが多い。連続する処理ステップ群に渡って堆積が除去されない場合、堆積した材料の一部が剥離し、プラズマ処理チャンバ及び/又は基板自体の内部領域を汚染する恐れがある。こうした汚染は、往々にして基板のデバイス歩留まりの低下につながり、数パーセントに及ぶ場合もある。
【0003】
この輪状縁部領域において堆積材料が剥離してデバイス歩留まりを低下させる可能性を低減及び/又は最小化するために、プロセス技術者は、デバイス形成処理ステップ間に、1回以上のベベルエッチングステップを挟み込んできた。一般的なベベルエッチングステップでは、基板のデバイス形成領域は、プラズマにより処理されない。つまり、ベベルエッチング装置は、基板の周辺近くで輪状プラズマを形成し、基板の外縁部に位置する蓄積材料の一部をエッチングして取り除くために利用される。1回以上のベベルエッチングステップをデバイス製造処理に挟み込むことにより、上述した輪状縁部領域に蓄積した堆積物の過度の累積が抑制される。したがって、基板の輪状縁部領域に蓄積した堆積物の一部が剥離する可能性が実質的に低減され、デバイス歩留まりの向上につながる。
【発明の概要】
【0004】
半導体製品の製造を取り巻く殆どの技術分野と同様に、一層の小型化が進むエッチング特徴サイズと大型化が進む基板とに合わせて、絶え間ない革新及び改良が必要であり、エッチングプロセスウィンドウについて厳密な要求がなされる傾向にある。半導体デバイスの製造においてベベルエッチング処理を改良することが、本発明の目的の1つである。
【0005】
本発明は、同様の参照符合が類似の要素を示す添付図面の各図において、非限定的に例示している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】基板のベベルエッジ形状の一例を示す図である。
【図1B】基板のベベルエッジ形状の一例を示す図である。
【0007】
【図2】本発明の一実施形態による、ベベルエッジ形状検出装置を示す図である。
【0008】
【図3A】本発明の1つ以上の実施形態による、基板ベベルエッジの側面形状の特性を決定する特性決定手法を示す図である。
【図3B】本発明の1つ以上の実施形態による、基板ベベルエッジの側面形状の特性を決定する特性決定手法を示す図である。
【0009】
【図4A】本発明の実施形態による、他のベベルエッジ形状検出装置を示す図である。
【図4B】本発明の実施形態による、他のベベルエッジ形状検出装置を示す図である。
【0010】
【図5】本発明の実施形態による、他のベベルエッジ形状検出装置を示す図である。
【0011】
【図6】本発明の実施形態による、基板間のベベルエッチング再現性を改善する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に図示した幾つかの実施形態を参照して、本発明を詳細に説明する。以下の説明では、本発明を完全に理解するために、多数の具体的な詳細について述べる。しかしながら、こうした具体的な詳細の一部又は全部が無くとも、本発明を実現し得ることは、当業者には明らかであろう。また、周知の処理ステップ及び/又は構造については、本発明を不必要に曖昧にしないために詳細に説明していない。
【0013】
以下、方法及び手法を含む様々な実施形態を説明する。本発明は、本発明の手法の実施形態を実施するためのコンピュータ読み取り可能な命令が格納されたコンピュータ読み取り可能な媒体を含む製造品も対象とし得ることに留意されたい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、コンピュータ読み取り可能なコードを格納するための、半導体、磁気、光磁気、光学、又は他の形態のコンピュータ読み取り可能な媒体を含み得る。更に、本発明は、本発明の実施形態を実現する装置を対象とし得る。こうした装置は、本発明の実施形態に関連するタスクを実行する、専用及び/又はプログラム可能な回路を含み得る。こうした装置の例は、適切にプログラムされた場合の汎用コンピュータ及び/又は専用コンピューティングデバイスを含むと共に、本発明の実施形態に関連する様々なタスクに適した、コンピュータ/コンピューティングデバイスと専用/プログラム可能回路との組み合わせを含み得る。
【0014】
本発明の実施形態は、ベベルエッチング前の基板の変化の度合いに関係なく、基板間のベベルエッチング再現性を改善するための方法及び装置に関連する。本発明の態様において、本発明者は、ベベルエッチング再現性を改善する試みを複雑化する傾向にある要因が、ベベルエッチング前の基板がベベルエッジ形状に関する差異を有し得るという事実に関連することを認識している。図1A及び図1Bを参照すると、例えば、基板100は、縁部に向かって先が細く見える基板150のベベルエッジ形状と比較して、より正方形に近いベベルエッジ形状を有することが確認できる。
【0015】
基板100及び基板150に対してベベルエッチングを行う際にベベルエッチングレシピを同一に保った場合、縁部104から距離d1だけ離れた位置102でのベベルエッチング速度は、同じく縁部154から距離d1だけ離れた位置152でのベベルエッチング速度より小さくなる。これは、基板100の外縁部を囲む輪状又はドーナツ状のプラズマ雲又はその反応副生成物が基板100の中心に向かって侵入する能力が、基板150の状況と比較して低くなるためである。その結果、基板100の位置102からエッチング又は除去される堆積材料は、基板150の位置152から除去される堆積材料の量と比較して少なくなる。
【0016】
ベベルエッチングを行う上での課題の1つは、ベベルエッチング距離の再現性に関係する。顧客は、ベベルエッチング中、基板の外縁部(ベベル部)に堆積した膜の除去速度がツール間及びウェーハ間で一定の範囲に収まること、即ち換言すれば、一定の再現性基準に適合することを求める。例えば、一部の顧客は、ツール間又はウェーハ間で一定の変動範囲内にある、ウェーハ先端からの一定の距離、即ちベベルエッチング距離まで、全ての膜が除去されることを求める場合がある。ベベルエッチング距離の再現性は、ベベルエッチング後、ベベルエッチングを受けた基板が所定のツールに関して実質的に同じベベルエッチング距離を有するべきであるという概念を示す。
【0017】
したがって、他の全てのベベルエッチングレシピパラメータを基板毎に変化させない場合、基板100のベベルエッチ後の結果において、基板100の点102における材料の除去は、基板150の点152において除去された材料の量と比較して少なくなる。
【0018】
本発明の1つ以上の実施形態において、光学装置を提供して、ベベルエッジ形状及び/又は基板の厚さの特性を決定する。ベベルエッジの特性は、その後、論理モジュール内のソフトウェア及び/又はハードウェアを使用して分析し、フィードフォワード情報を導出して処理パラメータを調節する。処理パラメータは、ベベルエッチング前の変化を基板毎に補正するために、フィードフォワード情報を使用して調節される。
【0019】
1つ以上の実施形態では、1個以上の光源とセンサとを含む光学装置を利用して、基板間でのベベルエッジの変化(ベベルエッジの形状及び/又は大きさの変化を含む)を確定する。ベベルエッジの変化は、その後、フィードフォワード補正パラメータを確定して、ベベルエッチング結果の再現性を基板毎に確保するために利用し得る。補正パラメータは、例えば、ベベルエッチング時間、ベベルエッチング化学反応、電極ギャップ、RF電力レベル、圧力等を変化させることを含む。
【0020】
一実施形態において、光学装置は、基板のベベルエッジの側面形状の画像を取り込むために、基板と同一平面上に位置決めされ且つ接線方向で基板のベベルエッジに向けられたカメラを含む。この画像取り込みは、例えば、ベベルエッチング前の準備の一環として実行し得る。必要であれば、基板のベベルエッジを、LEDモジュール又は他の何らかの光源といった適切な光源により照明してよい。その後、ベベルエッジ側面形状を分析し、フィードフォワード補正パラメータを確定して、ベベルエッチング再現性を基板毎に確保する。
【0021】
1つ以上の実施形態において、光学装置は、基板の上方、基板と同一平面、或いは基板と同一平面以外の位置に位置決めされたカメラが基板のベベルエッジの側面形状の画像を取り込むことが可能となるように位置決めされた鏡を含む。一部のシステムにおいて、カメラは、チャンバの処理中心に対する基板の整合を支援するため、及び/又はロボットアームを較正するために存在してもよい。1枚以上の鏡を追加することで、同じカメラを利用して、ベベルエッジの側面形状画像を取り込み、フィードフォワード補正パラメータを確定して、ベベルエッチング再現性を基板毎に確保し得る。
【0022】
一実施形態において、光学装置は、離れた光源から基板のベベルエッジを照明する光ファイバ、及び/又は離れたカメラからベベルエッジの側面形状の画像を取り込む光ファイバを含む。このように1本以上の光ファイバを使用することにより、センサ(例えば、カメラ)及び/又は照明用光源を位置決めする際の見通し線の要件が無くなる。
【0023】
1つ以上の実施形態において、光学装置は、レーザ光源と、レーザビームがベベルエッジから反射されてきた際に反射ビームを受光するように位置決めされたセンサ列とを含む。ビーム入射点のテーパの度合いに応じて、反射ビームは、センサ列内の特定のセンサに当たる。その作動したセンサを確定し、ビームの反射角度を推定することにより、ビーム入射点におけるベベルエッジのテーパ角度に関する情報を取得し得る。その後、こうしたベベルエッジのテーパに関する情報を利用して、フィードフォワード補正パラメータを確定し、ベベルエッチング再現性を基板毎に確保し得る。
【0024】
基板間のベベルエッジの変化を確定するための他の光学装置を採用してもよく、特許請求の範囲により規定された、特許請求される発明は、本明細書に記載の特定の例には限定されない。例えば、色の異なる、及び/又は偏光角度の異なる2つ以上のレーザを利用して、1つ以上の実施形態においてベベルエッジのテーパを確定してもよい。
【0025】
本発明の実施形態の特徴及び利点は、以下の各図及び説明を参照して、より良く理解し得る。図2は、本発明の実施形態による、随意的な光源202及びカメラ204を図示したように含むベベルエッジ検出装置200の上面図である。光源202は、基板208のベベルエッジ206を照明するように位置決めされ、これにより、同一平面上のカメラ204は、図1A又は図1Bに示したようなベベルエッジの側面形状を取り込むことが可能となる。同一平面上のカメラ204は、ベベルエッジの側面形状をカメラ204により取り込めるように、接線方向で基板の外縁部に向いている。側面形状は、その後、論理モジュール(図示せず)のソフトウェア及び/又はハードウェアにより分析し、フィードフォワード補正要素を確定する。
【0026】
図3A及び図3Bは、本発明の1つ以上の実施形態による、ベベルエッチング再現性を基板毎に改善するために、必要なフィードフォワード補正パラメータを決定するための単純な特性決定方法を示す。図3A及び図3Bでは、2枚の異なる基板300及び350の2つのベベルエッジ302及び352の側面形状画像を図示している。パターン認識ソフトウェアを利用して、基板領域と非基板領域とを区別する。基板の最外縁部からの既知の幅Wと、基板の最外縁部からの距離Wにおいて決定される基板の厚さTとを有する矩形フレームを確定することにより、画像を更に処理する。図3Aに関して、矩形フレーム310は、幅W及び厚さT(a)を有して図示されている。図3Bに関して、矩形フレーム360は、幅W及び厚さT(b)を有して図示されている。
【0027】
次に、占有因子をベベルエッジ302について決定する。占有因子(FF)は、矩形フレーム310内の基板面積(A(substrate))を、矩形フレーム310の総面積(A(frame))により除算した比として計算される。同様に、矩形フレーム360内の基板面積(A(substrate))を矩形フレーム360の総面積(A(frame))により除算することで、占有因子をベベルエッジ352について決定する。基板300のベベルエッジ302は、基板350のベベルエッジ352よりもテーパが少ないため、基板300のベベルエッジ302に関連する占有因子は、基板350のベベルエッジ352に関連する占有因子より大きくなる。
【0028】
この場合、基板350のベベルエッジ352の大きなテーパの度合い及び円錐形状は、周囲のドーナツ状プラズマ雲の多くのプラズマエッチング剤が基板350の中心に向かってより深く到達できるようにする傾向を有すると理論付けられる。一方、基板300のベベルエッジ302における相対的なテーパの欠如及び箱形に近い形状は、周囲のドーナツ状プラズマ雲のプラズマエッチング剤のうち、基板300の中心に向かって到達できるものを少なくする傾向を有する。したがって、他の全てのパラメータが等しいとすると、図3Bの基板350上の位置354におけるエッチング速度は、図3Aの基板300上の位置304におけるエッチング速度よりも速くなる傾向にある。占有因子の知識により、1つ以上の補正要素を調節することで、基板300上の位置304におけるエッチング速度の向上、及び/又は基板350上の位置354におけるエッチング速度の低減を行い、基板300と基板350との間でのベベルエッチング再現性を改善し得る。同様に、処理パラメータを調節することにより位置304及び354におけるエッチング速度を調節するのではなく、処理時間を調節して、ウェーハの先端と、全ての堆積膜が除去されたウェーハ上の半径との間の長さとして定められるエッチング距離を、ウェーハ300及び350で同程度に近づけることができる。
【0029】
画像分析の副次的な利点は、各基板のベベルエッジの厚さ(例えば、T(n)及びT(b))の決定であることに留意されたい。この厚さパラメータは、二次的な補正要素(例えば、電極ギャップの距離、RF電力、エッチング時間、エッチング化学反応、圧力等)を確定して、基板間のベベルエッチング再現性を更に改善するためにも利用し得る。
【0030】
図4A及び図4Bは、本発明の1つ以上の実施形態による、基板間のベベルエッチング再現性を改善する補正要素を導出する目的で基板のベベルエッジの側面形状画像を取得するための装置400を示す。図4Aは、装置400の俯瞰図であり、図4Bは、同じ装置400の基板のベベルエッジを直接見た図である。
【0031】
図4Aを参照すると、装置400が光源402及び基板404を含むことが図示されている。鏡、カメラ、及び付加的な光源は、理解を容易にするために図4Aでは省略しているが、図4Bでは明確に図示している。図4Aの矢印406は、観察者の目が矢印406の方向に従って基板404のベベルエッジの方を見た時に図4Bの表現が生じる視線方向を示している。
【0032】
図4Bを参照すると、ここでの視界は、基板404のベベルエッジへ向かっており、基板404は、目の高さで平坦に、図の外側へ配向されている。光源402は、ここでも図示されている。光源402は、図4A及び図4Bにおいて確認できるように、基板404のベベルエッジを照明する。光源402、鏡410、鏡412、鏡414、カメラ416、及び測定領域422は、同一の仮想平面(図4Aにおいて点線420により示す)に存在する。
【0033】
オーバヘッドカメラ416は、光源402からの照明光を受光するように位置決めされる。照明されたベベルエッジからの光は、鏡410、412、及び鏡414により反射され、カメラ416により受光される。これにより、基板404のベベルエッジの側面形状画像を取得し得る。この計測では、光源430をオフにする。
【0034】
鏡414は、1つ以上の実施形態において、半透明の鏡により実現し得る。この場合、カメラ416は、更に、ベベルエッジの上面を検査するため、及び/又はベベル部の厚さを取得するために使用し得る。例えば、光源430を利用して、光を(半透明の鏡414に反射させることで)ベベルエッジの上面に提供し得る。その後、カメラ416を利用して、ベベル部の厚さを取得し得る。この計測では、光源402をオフにする。したがって、光源402又は430のどちらをオンにするかに応じて、ベベルエッジの側面形状画像を取得するため、或いは、ベベルエッチングが完了した後のエッチング距離に関する情報を取得するために、カメラ416を利用し得る。
【0035】
画像取得後には、分析を進めて、上述した補正要素を導出し得る。
【0036】
図5は、本発明の1つ以上の実施形態による、基板間のベベルエッチング再現性を改善する補正要素を導出する目的で基板のベベルエッジの側面形状画像を取得するための装置502を示す。レーザ光源504は、基板510のベベルエッジ508からレーザビーム506が跳ね返るように位置決めされる。反射ビーム512は、センサ列520内の1個以上のセンサに当たる。どのセンサが反射ビーム512を受光したかに関する情報と、レーザ光源504及びセンサ列520の相対位置に関する情報とにより、基板510のベベルエッジ508のテーパの度合いに関する情報が供給される。その後、この情報を利用して、補正要素を導出して、ベベルエッチング再現性を基板毎に改善することができる。必要に応じて、異なる波長及び/又は偏光を有する複数のレーザを、センサ列520と共に利用してもよい。更に、レーザ光源504とセンサ列520との配向性及び位置は、単なる例示であり、他の位置及び配向性が可能である。
【0037】
図6は、本発明の1つ以上の実施形態による、基板のベベルエッジに関連する側面形状情報を取得すると共にベベルエッチング再現性を基板毎に改善するための方法を示す。ステップ602において、光学装置を提供する。ステップ604において、基板のベベルエッジに関連する側面形状情報を光学装置から取得する。ステップ606において、側面形状情報を分析して、フィードフォワード補正データを生成する。ステップ608において、フィードフォワード補正データを利用して、ウェーハ間のベベルエッチング再現性を改善するために処理パラメータを調節する。
【0038】
上述した説明から理解できるように、本発明の実施形態は、ファストフォワード補正要素の計算を可能にするために、基板のベベルエッジのベベル形状及び/又は厚さを確定する方法及び装置を提供する。こうした補正要素は、その後、1つ以上のベベルエッチング処理パラメータ(例えば、ベベルエッチング時間、ベベルエッチング化学反応、電極ギャップ、RF電力レベル、圧力等)を調節して、ベベルエッチング再現性を基板毎に改善するために利用される。
【0039】
以上、幾つかの好適な実施形態により本発明を説明してきたが、本発明の範囲に含まれる変更、置換、及び等価物が存在する。本明細書には様々な例が記載されているが、こうした例は、本発明に関して例示的であり、限定的なものではない。例えば、補正要素を計算する目的で確定するべきベベルエッジの特性の1つとして曲線因子を説明したが、ベベルの傾斜、形状等、他の特性を利用してもよい。別の例としては、補正要素を計算する目的でベベルエッジの特性を確定するために考えられる手法として、光学カメラ及びレーザセンサを説明したが、干渉縞計数法等の他の手法を利用してもよい。更に、名称は、本明細書において便宜上付与したものであり、特許請求の範囲を解釈するために使用するべきではない。本明細書において、「組(set)」という用語が使用されている場合には、こうした用語は、0個、1個、又は2個以上の構成要素を対象とする一般的に理解される数学的意味を有するものとする。また、本発明の方法及び装置を実現する他の多数の方法が存在することに留意されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板間のベベルエッチング再現性を改善するために、基板のベベルエッチングに関連して実行される方法であって、
光学装置を提供するステップと、
前記基板のベベルエッジの少なくとも1つのベベルエッジ特性を確認するステップと、
前記少なくとも1つのベベルエッジ特性から、ベベルエッチング処理パラメータの調節に関係する少なくとも1つの補正要素を導出するステップと、
前記少なくとも1つの補正要素を利用して、前記ベベルエッチングを実行するステップと、を備える方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、
前記光学配列は、前記基板の側面形状画像を取得するために、前記基板と同一平面上に配置され且つ接線方向で前記ベベルエッジに向けられたカメラを含む、方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法であって、前記少なくとも1つのベベルエッジ特性は、曲線因子である、方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、前記ベベルエッチング処理パラメータは、ベベルエッチング時間、ベベルエッチング化学反応、電極間ギャップ、RF電力、RF周波数、及びチャンバ圧の何れかである、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、
前記光学装置は、レーザ光源と、前記ベベルエッジに反射された前記レーザ光源からの反射ビームを検出するように構成されたセンサ列とを含む、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、前記光学装置は、カメラと、光源と、少なくとも1枚の鏡とを含み、前記カメラは、前記基板の基板平面に対して角度を成して配置される、方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法であって、更に、
前記光学装置を使用してベベルエッジの厚さを取得するステップを備える、方法。
【請求項8】
基板間のベベルエッチング再現性を改善するための装置であって、
基板のベベルエッジの少なくとも1つのベベルエッジ特性を確認するように配置された光学装置と、
前記少なくとも1つのベベルエッジ特性から、ベベルエッチング処理パラメータの調節に関係する少なくとも1つの補正要素を導出する論理モジュールと、
前記少なくとも1つの補正要素を利用して、前記ベベルエッチングを実行するプラズマ処理チャンバと、を備える装置。
【請求項9】
請求項8記載の装置であって、
前記光学配列は、前記基板の側面形状画像を取得するために、前記基板と同一平面上に配置され且つ接線方向で前記ベベルエッジに向けられたカメラを含む、装置。
【請求項10】
請求項9記載の装置であって、
前記少なくとも1つのベベルエッジ特性は、占有因子である、装置。
【請求項11】
請求項8記載の装置であって、
前記ベベルエッチング処理パラメータは、ベベルエッチング時間、ベベルエッチング化学反応、電極間ギャップ、RF電力、RF周波数、及びチャンバ圧の何れかである、装置。
【請求項12】
請求項8記載の装置であって、
前記光学装置は、レーザ光源と、前記ベベルエッジに反射された前記レーザ光源からの反射ビームを検出するように構成されたセンサ列とを含む、装置。
【請求項13】
請求項8記載の装置であって、
前記光学装置は、カメラと、光源と、少なくとも1枚の鏡とを含み、前記カメラは、前記基板の基板平面に対して角度を成して配置される、装置。
【請求項14】
請求項8記載の装置であって、更に、
前記光学装置を使用してベベルエッジの厚さを取得する、装置。
【請求項15】
基板間のベベルエッチング再現性を改善するために、基板のベベルエッチングに関連して実行される方法であって、
光学装置を提供するステップと、
前記基板の縁部から所定の距離において測定されたベベルエッジの厚さを含む、前記基板のベベルエッジの少なくとも1つのベベルエッジ特性を確認するステップと、
前記少なくとも1つのベベルエッジ特性から、ベベルエッチング処理パラメータの調節に関係する少なくとも1つの補正要素を導出するステップと、
前記少なくとも1つの補正要素を利用して、前記ベベルエッチングを実行するステップと、を備える方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法であって、
前記光学配列は、前記基板の側面形状画像を取得するために、前記基板と同一平面上に配置され且つ接線方向で前記ベベルエッジに向けられたカメラを含む、方法。
【請求項17】
請求項16記載の方法であって、
前記少なくとも1つのベベルエッジ特性は、占有因子である、方法。
【請求項18】
請求項15記載の方法であって、
前記ベベルエッチング処理パラメータは、ベベルエッチング時間、ベベルエッチング化学反応、電極間電極ギャップ、RF電力、RF周波数、及びチャンバ圧の何れかである、方法。
【請求項19】
請求項15記載の方法であって、
前記光学装置は、レーザ光源と、前記ベベルエッジに反射された前記レーザ光源からの反射ビームを検出するように構成されたセンサ列とを含む、方法。
【請求項20】
請求項15記載の方法であって、
前記光学装置は、カメラと、光源と、少なくとも1枚の鏡とを含み、前記カメラは、前記基板の基板平面に対して角度を成して配置される、方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−527760(P2012−527760A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511374(P2012−511374)
【出願日】平成22年5月4日(2010.5.4)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051945
【国際公開番号】WO2010/133989
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】