説明

基準電流電圧発生回路

【課題】基準電流電圧発生回路の起動後には、起動回路が基準電流電圧発生回路の動作へ与える影響を軽減することができる基準電流電圧発生回路を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる基準電流電圧発生回路は、複数のトランジスタにより自己帰還回路を構成し、基準電流または基準電圧を発生させる基準電流電圧発生回路であって、基準電流電圧回路の非動作時には、電位が第1の電源と実質的に等しく、基準電流電圧発生回路の動作時には、電位が、第1の電源の電圧から第2の電源VDDの電圧の方向に所定値以上変動する節点101と、第2の電源と、の間に接続され、ゲートが第1の電源に接続されているノーマリーオン型トランジスタ21、を備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基準電流電圧発生回路に関し、特に起動回路を備える基準電流電圧発生回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路において、回路に電源が投入される前であれば、当然ながら回路全体の電位は零である。しかし、例えば、トランジスタのような電圧の印加により電流が流れる素子を備え、流れた電流が再びその素子に帰還する経路を有する電子回路は、回路に電源が投入された直後の状態において、回路全体の電位が零であるため、当該素子に電圧の印加がされず、回路が動作するために十分な電源電圧を投入しても回路が動作しないことがある。
【0003】
このとき、回路外からのノイズや外乱の電磁界の到来によりリーク電流が生じて、それが要因となって回路が動作する場合もあるが、このような要因はいずれも偶然性に支配される。したがって、偶然の要因により起動される回路は、現実的に利用することが難しいため、このような回路を利用する場合には、人工的な外乱等を回路に与えるための起動回路を備えている。
【0004】
非特許文献1には、起動回路としてエンハンスメント型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)を備える基準電流電圧発生回路7が開示されている。図11は、非特許文献に示された回路図である。この回路に用いられているトランジスタはエンハンスメント型のMOSFETであり、MOSFET11、12、15はNchMOSFETを、MOSFET13、14はPchMOSFETをそれぞれ示している。抵抗素子16は、MOSFET12とグランドとの間に接続されている。
【0005】
また、図11には端子CM1、CM2が示されている。基準電流電圧発生回路7は、端子CM1にNchMOSFETのゲートを接続することで、当該NchMOSFETのドレインから基準電流を出力する。また、基準電流電圧発生回路7は、端子CM1にゲートが接続されたNchMOSFETのドレインへ抵抗を接続することで、基準電流と当該抵抗の抵抗値との掛け算によって決定される電圧を出力する。さらに、基準電流電圧発生回路7は、端子CM2にPchMOSFETのゲートを接続することで、当該PchMOSFETのドレインから基準電流を出力する。また、基準電流電圧発生回路7は、端子CM2にゲートが接続されたPchMOSFETのドレインへ抵抗を接続することで、基準電流と当該抵抗の抵抗値との掛け算によって決定される電圧を出力する。つまり、基準電流電圧発生回路7は、端子CM1、CM2に接続した回路を介して電流と電圧との少なくとも一方を出力する回路である。
【0006】
図11に示した基準電流電圧発生回路7は、NchMOSFET11とNchMOSFET12とにより入出力電流が非線形特性を有するカレントミラー回路を構成しており、PchMOSFET13とPchMOSFET14とにより入出力電流が線形特性を有するカレントミラー回路を構成している。また、NchMOSFET11のドレインにPchMOSFET13のドレインが、NchMOSFET12のドレインにPchMOSFET14のドレインが、それぞれ接続されており、自己帰還回路を構成している。NchMOSFET15については、ソース及びドレインが各々NchMOSFET11、12のゲート及びPchMOSFET13、14のゲートに接続されている。
【0007】
基準電流電圧発生回路7の電源VDDが投入された直後の状態を考える。NchMOSFET15がない場合には、MOSFET11〜14のゲート・ソース間の電圧は何れも零であるため、これらのMOSFETは全てオフ状態にある。したがって、回路全体に流れる電流が零のまま安定し、動作しない。
【0008】
一方、NchMOSFET15が接続されている場合には、電源VDD投入直後は、近似的に電圧V1はグランドに、電圧V2は電源VDDになるため、NchMOSFET15のゲート・ソース間に電圧差が発生し、回路が動作する。ここで、MOSFET11、14、15の閾値電圧をそれぞれVth11、Vth14、Vth15とすると、Vth11+Vth15+Vth14<VDDであれば、MOSFET11、14、15がオンの状態となり、NchMOSFET15のドレイン電流I3が流れる。この電流I3が流れると、カレントミラー回路が動作を開始し、基準電流電圧発生回路全体が起動する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Behzad Razavi, "Design of Analog CMOS Integrated Circuits", McGraw-Hill Higher Education, pp.380〜381, Boston, MA, 2002
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図11に示す基準電流電圧発生回路7において、NchMOSFET11とPchMOSFET14に、所望のドレイン電流が流れる状態でのゲート・ソース間の電圧をそれぞれVGS1、VGS4とすると、VGS1+Vth15+|VGS4|>VDDであれば、NchMOSFET15はオフ状態となる。よって、この条件であれば、回路が正常に起動した後は起動回路が動作を停止する。
【0011】
しかしながら、一般的な半導体上に構成されるエンハンスメント型MOSFETを考えると、VGS1、Vth5、|VGS4|はいずれも1.0V前後の値である。そのため、当該回路の電源電圧VDDは、3.0V程度以上の値を取りえないことになる。なお、この3.0V程度以上の電源電圧は、現実的に極端な値ではない。
【0012】
したがって、図11に示す基準電流電圧発生回路7は、実用的な電源電圧範囲において起動させると、上記の式の条件を満たさない場合があり、その場合にはNchMOSFET15はオフ状態とはならない。よって、回路が正常に起動した後も、NchMOSFET15による起動回路は動作を停止せず、当該起動回路により起動した基準電流電圧発生回路の動作に対して外乱要因を与えてしまうという問題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明にかかる基準電流電圧発生回路は、複数のトランジスタにより自己帰還回路を構成し、基準電流または基準電圧を発生させる基準電流電圧発生回路であって、前記基準電流電圧回路の非動作時には、電位が第1の電源と実質的に等しく、前記基準電流電圧発生回路の動作時には、前記電位が、第1の電源の電圧から第2の電源の電圧の方向に所定値以上変動する節点と、前記第2の電源と、の間に接続され、ゲートが前記第1の電源に接続されているノーマリーオン型トランジスタを備えるものである。このような構成により、電源投入後に、基準電流電圧発生回路を起動させ、基準電流電圧発生回路の起動後には、起動回路の動作を停止することができるので、起動回路が基準電流電圧発生回路に与える影響を軽減することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、基準電流電圧発生回路の起動後には、起動回路が基準電流電圧発生回路の動作へ与える影響を軽減することができる基準電流電圧発生回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態1にかかる基準電流電圧発生回路の回路図である。
【図2】実施の形態1にかかる基準電流電圧発生回路を用いた基準電流発生回路の回路図である。
【図3】実施の形態1にかかる基準電流電圧発生回路を用いた基準電流発生回路の回路図である。
【図4】実施の形態1にかかる基準電流電圧発生回路を用いた基準電圧発生回路の回路図である。
【図5】実施の形態1にかかる基準電流電圧発生回路を用いた基準電圧発生回路の回路図である。
【図6】実施の形態2にかかる基準電流電圧発生回路の回路図である。
【図7】実施の形態3にかかる基準電流電圧発生回路の回路図である。
【図8】実施の形態4にかかる基準電流電圧発生回路の回路図である。
【図9】実施の形態4にかかる基準電流電圧発生回路の回路図である。
【図10】実施の形態5にかかるバンドギャップ・リファレンス回路の回路図である。
【図11】従来の基準電流電圧発生回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1
本発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、基準電流電圧発生回路1の回路例を示した図である。基準電流電圧発生回路1は、エンハンスメント型(ノーマリーオフ型)MOSFET11〜14、抵抗素子16、ノーマリーオン型NchMOSFET21を備えている。このノーマリーオン型NchMOSFET21が、起動回路として機能する。なお、MOSFET11、12はNchMOSFETであり、MOSFET13、14はPchMOSFETである。また、図1に示す基準電流電圧発生回路1は、端子CM1、CM2を備える。基準電流電圧発生回路1は、端子CM1、CM2に接続される後段回路(図1では不図示)により基準電流又は基準電圧を出力する。基準電流又は基準電圧を出力するための回路構成の詳細については後述する。
【0017】
NchMOSFET11は、ソースが、グランド(接地電圧)に接続され、そのゲートは、NchMOSFET11のドレイン及びNchMOSFET12ゲートと接続されている。NchMOSFET12のソースは、抵抗素子16を介してグランドに接続されている。つまり、NchMOSFET11及びNchMOSFET12は、Widlar型カレントミラー回路を構成している。
【0018】
PchMOSFET14は、ソースが、電源VDDに接続され、そのゲートは、PchMOSFET14のドレイン及びPchMOSFET13のゲートと接続されている。PchMOSFET14のソースは、電源VDDに接続されている。つまり、PchMOSFET13及びPchMOSFET14は、一般的な線形特性のカレントミラー回路を構成している。また、NchMOSFET11のドレインとPchMOSFET13のドレインが接続され、NchMOSFET12のドレインとPchMOSFET14のドレインとが接続されている。
【0019】
上記の接続関係によって、基準電流電圧発生回路1は、非線形特性を有するWidlar型カレントミラーと、一般的な線形特性を有するカレントミラーとを接続し、全体として自己帰還回路を構成している。このように、非線形特性を有するカレントミラーの入出力を、線形特性を有するカレントミラーと接続すると、回路全体に流れる電流は、双方のカレントミラーの入出力電流値が一致するそれぞれの回路定数で決定されるある特定の値、或いは全ての零の何れかの値に安定して収束する。このとき、回路定数で決定されるある特定の電流値は、NchMOSFET11とNchMOSFET12の特性比、及び抵抗素子16の値で決定される。この電流値は、近似的に電源電圧の影響を受けない上に、回路が動作する接合面温度による影響や、回路を構成する各種類の素子が実際に製造される場合に生じる特性の変動による影響も少ない。よって、基準電流電圧発生回路1は、基準電流または基準電圧を発生させる回路として動作する。
【0020】
ノーマリーオン型NchMOSFET21は、ゲートがグランドに接続されており、ソースは基準電流電圧発生回路1に、ドレインは電源VDDに接続されている。このとき、ノーマリーオン型MOSFET21のゲートに接続された電源を第1の電源とし、ノーマリーオン型MOSFET21のドレインに接続された電源を第2の電源とする。図1においては、第1の電源はグランドであり、第2の電源は電源VDDである。なお、本実施の形態においては、第2の電源を電源VDDとしているが、第2の電源は電源VDDに限られたものではない。
【0021】
ノーマリーオン型NchMOSFET21のソースは、図1に示すように基準電流電圧発生回路1の節点101に接続されている。節点101の電位は、基準電流電圧発生回路1の非動作時には、グランドと実質的に等しい。また、基準電流電圧発生回路1の動作時には、節点101の電位は、グランドから電源VDDの方向に所定値(例えば、NchMOSFET11の閾値)以上変動する。
【0022】
続いて、図1に示した基準電流電圧発生回路1の動作例について説明する。電源VDDが投入されると、まず、基準電流電圧発生回路1のNchMOSFET11、12のゲートの電位は、グランドと実質的に同じなる。また、PchMOSFET13、14のゲートの電位も、電源VDDと実質的に同じになる。このとき、ノーマリーオン型NchMOSFET21のゲート・ソース間の電圧は、零となる。そのため、ノーマリーオン型NchMOSFET21は、オン状態となり電流I4を接点101に流す。
【0023】
すると、電流I4により、NchMOSFET11、12のゲートの電位が上昇する。そして、NchMOSFET11、12のゲート電圧が、NchMOSFET11、12の閾値電圧を超えると、NchMOSFET11、12により構成されるカレントミラーが動作し電流I1が流れる。この電流I1は、NchMOSFET12により折り返され、この折り返し電流がPchMOSFET14に与えられる。続いて、折り返し電流により、PchMOSFET13、14のゲートの電位が降下する。そして、PchMOSFET13、14の電圧が下がり、PchMOSFET13、14のゲート・ソース間電圧がPchMOSFET13、14の閾値電圧を超えるとPchMOSFET13、14により構成されるカレントミラーが動作し電流I2が流れる。以上の過程を経て、基準電流電圧発生回路1全体が起動する。
【0024】
次に、基準電流電圧発生回路1が起動した後の起動回路の動作停止について説明する。基準電流電圧発生回路1が安定して動作する状態に至ると、NchMOSFET11のゲート・ソース間の電圧V1は、ドレイン電流I1が流れる閾値電圧に至る。このNchMOSFET11のゲート・ソース間の閾値電圧は、例えば1.0V程度である。つまり、基準電流電圧発生回路1の安定動作時においては、電圧V1は1.0V程度となり、節点101の電圧も同様に1.0V程度の値となるため、ノーマリーオン型NchMOSFET21のゲート・ソース間電圧は−1.0V程度となる。
【0025】
ここで、ノーマリーオン型NchMOSFET21は、ソースとゲートとの間に閾値電圧以上の電位差が生じた場合にオフする。上記の例に合わせて、ノーマリーオン型NchMOSFET21の閾値電圧を、例えば−1.0Vとして考える。上述したように、基準電流電圧発生回路1の安定動作時には、ノーマリーオン型NchMOSFET21のゲート・ソース間の電圧は−1.0V程度となるため、閾値電圧の電位差に至り、ノーマリーオン型NchMOSFET21はオフ状態となり動作を停止する。
【0026】
一般に、ノーマリーオフ型MOSFETの閾値電圧の極性を反転させた電圧は、ノーマリーオン型MOSFETをオフ状態にするために十分な電圧である。したがって、ノーマリーオン型NchMOSFET21の閾値電圧をNchMOSFET11の閾値電圧の極性を反転させた電圧に設定しておけば、基準電流電圧発生回路1の非動作時には、電流I4により基準電流電圧発生回路1に外乱を与え、基準電流電圧発生回路1の正常な動作開始に伴って、電流I4を停止させて基準電流電圧発生回路1の動作に起動回路(ノーマリーオン型NchMOSFET21)が与える影響をなくすことができる。
【0027】
ここで、図1に示す基準電流電圧発生回路1を用いて基準電流又は基準電圧を出力するための構成について説明する。本発明にかかる基準電流電圧発生回路1は、端子CM1及びCM2から基準電流または基準電圧を直接出力するわけではない。そこで、基準電流電圧発生回路1を用いて、基準電流Ioutを出力する基準電流発生回路及び基準電圧Voutを出力する基準電圧発生回路の構成例を図2、3及び図4、5に示す。
【0028】
図2に示す回路例は、端子CM1に接続したNchMOSFET61により基準電流を出力する基準電流発生回路である。図2に示す基準電流発生回路は、基準電流電圧発生回路1の端子CM1に、NchMOSFET61のゲートが接続される。また、NchMOSFET61のソースはグランドに接続されている。つまり、NchMOSFET11とNchMOSFET61が線形特性を有するカレントミラー回路を構成している。NchMOSFET61のドレインは、図示していない他の回路に接続され、当該他の回路に基準電流Ioutを供給する。
【0029】
図3に示す回路例は、端子CM2に接続したPchMOSFET63により基準電流を出力する基準電流発生回路である。図3に示す基準電流発生回路は、基準電流電圧発生回路1の端子CM2に、PchMOSFET63のゲートが接続される。また、PchMOSFET63のソースは電源VDDに接続されている。つまり、PchMOSFET14とPchMOSFET63が線形特性を有するカレントミラー回路を構成している。PchMOSFET63のドレインは、図示していない他の回路に接続され、当該他の回路に基準電流Ioutを供給する。
【0030】
図4に示す回路例は、図2に示した基準電流発生回路のNchMOSFET61のドレインと電源VDDとの間に抵抗素子62を接続したものである。上記したように、基準電流電圧発生回路1の動作時には、NchMOSFET61のドレイン・ソース間に電流Ioutが流れるため、当該電流の経路に抵抗素子62を接続すると、抵抗素子62の抵抗値と電流Ioutとの掛け算によって決定される電圧が抵抗素子62の両端子間に発生し、電源VDDの電圧から抵抗素子62の両端子間に発生した電圧を引いた電圧が基準電圧Voutとして他の回路に供給される。つまり、図4に示す回路例は、電源VDDの電圧との差が一定となる基準電圧Voutを生成する基準電圧発生回路として機能する。
【0031】
図5に示す回路例は、図3に示した基準電流発生回路のPchMOSFET63のドレインとグランドとの間に抵抗素子64を接続したものである。上記したように、基準電流電圧発生回路1の動作時には、PchMOSFET63のソース・ドレイン間に電流Ioutが流れるため、当該電流の経路に抵抗素子64を接続すると、抵抗素子64の抵抗値と電流Ioutとの掛け算によって決定される電圧が抵抗素子64の両端子間に発生し、発生した電圧が基準電圧Voutとして他の回路に供給される。つまり、図5に示す回路例は、基準電圧Voutを生成する基準電圧発生回路として機能する。
【0032】
なお、後述する実施の形態2〜4で示す基準電流電圧発生回路においても、図2〜図5で示すようなNchMOSFET61、PchMOSFET63、抵抗62、64を選択的に備えることで基準電流又は基準電圧を出力する。
【0033】
以上のように、実施の形態1にかかる基準電流電圧発生回路1は、起動回路としてノーマリーオン型NchMOSFET21を用いる。そして、ノーマリーオン型NchMOSFET21は、基準電流電圧発生回路1の節点101の電圧に基づきオン・オフ動作を行う。このとき、節点101の電位は、基準電流電圧発生回路1の非動作時にはグランドと実質的に等しく、基準電流電圧発生回路1の動作時にはグランドから電源VDDの方向にNchMOSFET11の閾値以上変動する。つまり、実施の形態1にかかる基準電流電圧発生回路1は、電源電圧の大きさには依存せずにオン・オフ動作を切り替えることができる。
【0034】
また、実施の形態1にかかる基準電流電圧発生回路1は、基準電流電圧発生回路1の起動後に、起動回路(ノーマリーオン型NchMOSFET21)から基準電流電圧発生回路1に供給される電流I4を停止する。この電流I4の停止は、節点101の電位に基づき行われるため、電源電圧の大きさには依存しない。これにより、実施の形態1にかかる基準電流電圧発生回路1は、起動後の基準電流電圧発生回路1が回路定数に従った変動の少ない基準電流または基準電圧を生成することができる。
【0035】
実施の形態2
図6に、本発明の実施の形態2にかかる基準電流電圧発生回路2を示す。図6に示した基準電流電圧発生回路2は、起動回路を構成するノーマリーオン型NchMOSFETを2つ備えている。なお、MOSFET11〜14による回路の構成は図1の基準電流電圧発生回路1と同様の構成であるので説明は省略する。
【0036】
ノーマリーオン型NchMOSFET21、22は、節点102(図1の節点101に相当する節点)に対して直列に接続されており、いずれのノーマリーオン型NchMOSFETもゲートはグランドに接続されている。一般的に、MOSFETのドレイン電流は、ゲート幅Wとゲート長Lの比W/Lに比例する。
【0037】
図6において、ノーマリーオン型NchMOSFET21と22が全く同一のMOSFETである場合のW/L比について考える。ノーマリーオン型NchMOSFET21、22は直列接続のため、図6のノーマリーオン型NchMOSFETのゲート幅Wは、図1に示した基準電流電圧発生回路1と同じである。一方、ゲート長Lについて考えると、基準電流電圧発生回路2にはノーマリーオン型NchMOSFET22が直列に接続されているので、ノーマリーオン型NchMOSFET21だけを有する場合、つまり、基準電流電圧発生回路1の場合と比べて、ゲート長Lは2倍の長さであると考えられる。
【0038】
したがって、この2つのMOSFETを介して流れる電流I4は、図1の基準電流電圧発生回路1と比較すると、1/2倍である。また、起動回路がオフの状態におけるリーク電流も1/2倍となる。一方、図示はしていないが、2つのノーマリーオン型NchMOSFETが並列に接続されている場合には、ゲート長Lはそのままで、ゲート幅Wが2倍になるので、起動回路から流れるドレイン電流及びリーク電流は、1つのノーマリーオン型NchMOSFETを有する起動回路に比べて2倍の値となる。なお、動作分析の簡単のため、ノーマリーオン型NchMOSFET21と22は同一のMOSFETとして説明したが、同一のMOSFETに限られたものではない。また、起動回路に用いるノーマリーオン型のMOSFETの個数は2個に限られたものではなく、それ以上であってもよい。
【0039】
一般的に、起動回路がオン状態で流れる電流が多い方が、目的とする回路を確実に起動させることができるが、その分リーク電流も多くなってしまうという特性がある。実際の回路設計では、起動回路が起動させる回路に用いられているMOSFETの閾値等の回路特性に基づいて、この相反する特性が両立する回路定数を決定しなければならない。
【0040】
本実施の形態にかかる基準電流電圧発生回路2を用いることで、上述した回路特性と回路定数との関係を明確にすることができるので、回路定数の決定が容易となる。
【0041】
実施の形態3
本発明の実施の形態3にかかる基準電流電圧発生回路3について説明する。図7は、基準電流電圧発生回路3の回路例を示した図である。基準電流電圧発生回路3は、図1に示した基準電流電圧発生回路1の構成に加えて、エンハンスメント型NchMOSFET31、エンハンスメント型PchMOSFET32、33を備えている。ここで、PchMOSFET33は、第1のスイッチとして機能し、NchMOSFET31は第2のスイッチとして機能する。
【0042】
NchMOSFET31は、端子CM1とグランドとの間に、PchMOSFET32は、端子CM2と電源VDDとの間に接続されている。PchMOSFET33は、ノーマリーオン型NchMOSFET21のドレインと電源VDDとの間に接続されている。
【0043】
また、NchMOSFET31及びPchMOSFET33には、図示していない他の回路から信号PD(Power Down)が入力されている。NchMOSFET31は、信号PDがH(High)の場合にオン状態となり、信号PDがL(Low)の場合にオフ状態となる。また、PchMOSFET33は、信号PDがHの場合にオフ状態となり、信号PDがLの場合にオン状態となる。PchMOSFET32には、信号PDの反転論理値を有する信号XPDが入力される。PchMOSFET32は、信号XPDがHの場合にオフ状態となり、Lの場合にオン状態となる。
【0044】
続いて、図7に示した基準電流電圧発生回路3の動作例について説明する。通常の動作状態においては、NchMOSFET31とPchMOSFET32がオフ状態であり、PchMOSFET33がオン状態となっている。つまり、実施の形態1にかかる基準電流電圧発生回路1と等価の回路となる。なお、回路の動作は、図1に示した基準電流電圧発生回路1と同様であるので説明を省略する。
【0045】
一方、基準電流電圧発生回路3は、パワーダウン機能を有する。パワーダウン機能は、回路の動作が必要ない場合に回路で消費される電源電流を近似的に零とするものである。パワーダウン機能により回路をパワーダウン状態とする場合、信号PDをHとし、信号XPDをLとする。信号PD及び信号XPDをこのような論理レベルとすると、NchMOSFET31とPchMOSFET32がオン状態となり、PchMOSFET33がオフ状態となる。これにより、基準電流電圧発生回路3では、MOSFET11〜14のゲート・ソース間電圧が強制的に零に設定され、基準電流電圧発生回路3の動作を停止させる。また、PchMOSFET33がオフ状態となり、PchMOSFET33、ノーマリーオン型NchMOSFET21、NchMOSFET31を介して電源VDDからグランドに流れる電流を遮断する。なお、図7においては、スイッチ回路としてMOSFETを用いているが、接続のオン・オフができる素子であればよい。
【0046】
基準電流電圧発生回路3では、パワーダウン状態を有することで電源VDDをオン/オフさせることなく回路の動作を停止することが可能になる。つまり、基準電流電圧発生回路3では、このパワーダウン状態を用いることで電子機器全体の消費電流を細かく節約制御することが可能となる。
【0047】
近年は電子機器においても環境へ与える負担が少ないことが社会的に要求されており、パワーダウン機能を用いればこうした動作が実現できる。さらに、パワーダウン機能によりパワーダウン状態とされた基準電流電圧発生回路3では、端子CM1がグランドと接続され、端子CM2がVDDと接続された状態となる。つまり、端子CM1へ接続されるNchMOSFET、端子CM2へ接続されるPchMOSFETの双方ともにゲート・ソース間電圧を零として、出力側のMOSFETもオフの状態となる。これにより、パワーダウン状態となった基準電流電圧発生回路3は、基準電流や基準電圧の提供を受ける回路で消費される電源電流を安定に零とすることができる。
【0048】
実施の形態4
図8は、実施の形態4にかかる基準電流電圧発生回路4の回路例を示した図である。基準電流電圧発生回路4は、図1に示した基準電流電圧発生回路1におけるWidlar型カレントミラー回路をPeaking型カレントミラー回路に置き換えたものである。図8に示す基準電流電圧発生回路4では、Peaking型カレントミラー回路を、NchMOSFET11、12、抵抗素子R41を用いて構成する。
【0049】
図8において、抵抗素子41は、一方の端子がNchMOSFET11のドレイン及びNchMOSFET12のゲートと接続されており、他方の端子はPchMOSFET13のドレインと接続されている。また、図1と異なり、NchMOSFET11のドレインとNchMOSFET12のゲートが接続されており、ノーマリーオン型NchMOSFET21のソースはNchMOSFET11のゲートと抵抗素子41との節点103に接続されている。
【0050】
つまり、図1の基準電流電圧発生回路1においては、NchMOSFET11、12と抵抗素子16とにより、Widlar型カレントミラーが構成されていたが、基準電流電圧発生回路4では、NchMOSFET11、12と抵抗素子41とによりPeaking型カレントミラーを構成している。Widlar型カレントミラーとPeaking型カレントミラーとは、具体的な特性は異なるが、双方とも電流I1及び電流I2の関係については非線形特性を有している。
【0051】
よって、Peaking型カレントミラーも、線形特性を有するカレントミラーと接続して自己帰還回路を構成すると、回路全体に流れる電流は、回路定数で決定される特定の値となるので、基準電流電圧発生回路として動作する。回路の動作は、実施の形態1と同様に、電流I4によって、NchMOSFET11のゲートの電圧が上昇し、電流I1が流れ、これと同時にNchMOSFET12のゲートの電圧も上昇するため、NchMOSFET12がオン状態となる。そして、PchMOSFET14に電流I2が流れることでPchMOSFET13もオン状態となり、回路全体が起動する。なお、起動回路の具体的な動作は、図1の基準電流電圧発生回路1と同様であるので説明を省略する。
【0052】
ここで、図8に示す基準電流電圧発生回路4の変形例を示す回路図を図9に示す。図8に示す基準電流電圧発生回路4において、NchMOSFET11をオン状態として基準電流電圧発生回路4を起動させることを考えるならば、NchMOSFET11のゲート・ソース間に電圧差を発生させればよい。このようなことから、図9に示す変形例では、ノーマリーオン型NchMOSFET21のソースをNchMOSFET12のゲートに接続する。このような構成としても、本発明の効果を発揮することができる。具体的には、電源VDD投入直後に電流I4が流れようとすることで、NchMOSFET12のゲートの電圧が上昇するので、NchMOSFET12はオン状態となる。また、基準電流電圧発生回路5の動作時には、NchMOSFET12のゲート電圧は、閾値電圧まで上昇しているため、ノーマリーオン型NchMOSFET21のゲート・ソース間に電圧差が生じ、ノーマリーオン型NchMOSFET21は動作を停止する。
【0053】
本実施の形態にかかる基準電流電圧発生回路4を用いることで、非線形特性を有するカレントミラーとして、Peaking型カレントミラーを用いた場合においても、基準電流または基準電圧を発生させることができる。
【0054】
実施の形態5
実施の形態5では、基準電流電圧発生回路の一例として、一般的なバンドギャップ・リファレンス回路について説明する。このバンドギャップ・リファレンス回路は、基準電流を用いることなく基準電圧を生成する。そこで、実施の形態5の説明では、本発明にかかる回路の名称としてバンドギャップ・リファレンス回路を用いる。このバンドギャップ・リファレンス回路6について図10を用いて説明する。バンドギャップ・リファレンス回路6は、一般的なバンドギャップ・リファレンス回路を構成する。バンドギャップ・リファレンス回路6は、電源電圧、接合面温度、回路を構成する各種類の素子が実際に製造される場合に生じる特性の変動等に対して影響を受けずにVoutから約1.2Vの電圧を安定して出力する。バンドギャップ・リファレンス回路6は、図2〜図5に示すNchMOSFET61、PchMOSFET63、抵抗62、64を用いることなく基準電圧Voutを出力する。バンドギャップ・リファレンス回路6はオペアンプ51、抵抗素子52、53、54、PN接合ダイオード55、56を備えている。
【0055】
オペアンプ51の出力ノードは、抵抗素子52を経てオペアンプ51のプラス(非反転)入力に接続される。また、オペアンプ51の出力ノードは、抵抗素子53を経てオペアンプ51のマイナス(反転)入力に接続される。また、抵抗素子54及びPN接合ダイオード55は、抵抗素子53と直列に接続されており、PN接合ダイオード56は抵抗素子52と直列に接続されている。そして、起動回路のノーマリーオン型NchMOSFET21のソースは、オペアンプ51のプラス入力を経路とする自己帰還回路の節点104に接続されている。
【0056】
バンドギャップ・リファレンス回路6は、回路の全体で自己帰還回路を構成しているため電源を投入しても確実に回路が起動する保証が得られず、これを解決する起動回路を備える必要がある。
【0057】
まず、バンドギャップ・リファレンス回路6においてノーマリーオン型NchMOSFET21がないと仮定した場合の動作を具体的に説明する。バンドギャップ・リファレンス回路6の電源が投入された直後の状態を考える。バンドギャップ・リファレンス回路6においては、回路を構成するノードは全て電位が零である。つまり、オペアンプ51のプラス入力の電圧V3、マイナス入力の電圧V4、出力電圧Voutは全て零である。このようなことから、電源が投入され電源電圧がバンドギャップ・リファレンス回路6が動作するために十分な電圧に到達したとしても、特にVoutがPN接合ダイオード55、56のオン時順方向電圧である約0.6V〜0.7Vを超える電圧を必ず発生する保証が得られない。バンドギャップ・リファレンス回路6では、オペアンプ51が約0.6V〜0.7Vを超える基準電圧Voutを発生しない限りPN接合ダイオード55、56は導通状態とはならない。よって、バンドギャップ・リファレンス回路6は永久に動作しないことになる。
【0058】
次にバンドギャップ・リファレンス回路6においてノーマリーオン型NchMOSFET21を備えた場合の動作を説明する。バンドギャップ・リファレンス回路6の電源が投入された直後の状態を考えて、オペアンプ51のプラス入力の電圧V3が零であれば、ノーマリーオン型NchMOSFET21のゲート・ソース間電圧も零である。このとき、ノーマリーオン型NchMOSFET21はディプレッション型MOSFETであるから、ゲート・ソース間電圧が零の時にオンの状態となり、電流I4が流れようとする。電流I4が流れようとすればオペアンプ51のプラス入力の電圧V3が少なくとも約0.6V〜0.7Vを超える電圧まで上昇し、オペアンプ51のマイナス入力の電圧V4が零のままであるからオペアンプ51はこの差電圧を増幅し、Voutは近似的にVDDまで上昇する。すると、抵抗素子52〜54を通じてプラス入力の電圧V3とマイナス入力の電圧V4はPN接合ダイオード55、56のオン時順方向電圧まで上昇し、電流が流れる。以上の過程を経てバンドギャップ・リファレンス回路6の全体が起動する。
【0059】
バンドギャップ・リファレンス回路6の全体が安定して動作する状態に至れば、プラス入力の電圧V3はPN接合ダイオード56のオン時順方向電圧約0.6V〜0.7Vを超える電圧に至る。プラス入力の電圧V3はノーマリーオン型NchMOSFET21に対して極性が反転されたゲート・ソース間電圧として与えられる。ここで、ノーマリーオン型NchMOSFET21の閾値電圧が約−0.6V〜−0.7Vであれば、この電圧がゲート・ソース間電圧として与えられたノーマリーオン型NchMOSFET21はオフの状態となる。
【0060】
以上のように、本実施の形態にかかるバンドギャップ・リファレンス回路6は、バンドギャップ・リファレンス回路6が起動するまではノーマリーオン型NchMOSFET21によりオペアンプ51のプラス入力に電流I4を与えて当該ノードの電圧を上昇させる。これにより、バンドギャップ・リファレンス回路6は、確実に起動する。一方、バンドギャップ・リファレンス回路6の起動後は、プラス入力の電圧V3によりノーマリーオン型NchMOSFET21がオフ状態となる。この動作は近似的に電源電圧に対する影響を受けない。すると、目的とする回路が正常に起動した後も起動回路が停止することが確実ではないと言う問題点を解決できる。
【0061】
なお、本発明は、上記実施の形態で示された具体的な回路構成に限られたものではなく、例えば、PchMOSFETにより非線形特性を有するカレントミラー回路を構成し、NchMOSFETにより線形特性を有するカレントミラー回路を構成することも可能である。また、ノーマリーオン型MOSFETの極性を変更し、当該極性に変更に応じて適宜接続形態を変更することは当業者であれば当然なし得るものである。
【符号の説明】
【0062】
1〜5、7 基準電流電圧発生回路
6 バンドギャップ・リファレンス回路
11、12、15 NchMOSFET
13、14 PchMOSFET
16 抵抗素子
21、22 ノーマリーオン型NchMOSFET
31 NchMOSFET
32、33 PchMOSFET
41 抵抗素子
51 オペアンプ
52〜54 抵抗素子
55、56 PN接合ダイオード
61 NchMOSFET
62 抵抗素子
63 PchMOSFET
64 抵抗素子
101〜104 節点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のトランジスタにより自己帰還回路を構成し、基準電流または基準電圧を発生させる基準電流電圧発生回路であって、
前記基準電流電圧回路の非動作時には、電位が第1の電源と実質的に等しく、前記基準電流電圧発生回路の動作時には、前記電位が、第1の電源の電圧から第2の電源の電圧の方向に所定値以上変動する節点と、前記第2の電源と、の間に接続され、ゲートが前記第1の電源に接続されているノーマリーオン型トランジスタを備える基準電流電圧発生回路。
【請求項2】
前記ノーマリーオン型トランジスタは、当該ノーマリーオン型トランジスタのソースとゲートとの電位差が前記所定値以上の場合にオフする請求項1に記載の基準電流電圧発生回路。
【請求項3】
前記節点と前記第1の電源との間に設けられる第1のスイッチと、
前記ノーマリーオン型トランジスタと前記第2の電源との間に設けられる第2のスイッチと、を備え、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとは、排他的に導通状態となる請求項1または2に記載の基準電流電圧発生回路。
【請求項4】
前記基準電流電圧発生回路は、
第1の電流経路上に設けられた第1のトランジスタのゲートと、第2の電流経路上に設けられた第2のトランジスタのゲートとが接続された第1のカレントミラー回路と、
前記第1の電流経路上に設けられた第3のトランジスタのゲートと、前記第2の電流経路上に設けられた第4のトランジスタのゲートとが接続された第2のカレントミラー回路と、
前記第2のトランジスタと、前記第1の電源または第2の電源との間に設けられた抵抗素子と、を備え、
前記ノーマリーオン型トランジスタのソースが、前記第1のトランジスタのドレイン及びゲートが接続された接点に接続されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の基準電流電圧発生回路。
【請求項5】
前記基準電流電圧発生回路は、
第1の電流経路上に設けられた第1のトランジスタのゲートと、第2の電流経路上に設けられた第2のトランジスタのゲートとが接続された第1のカレントミラー回路と、
前記第1の電流経路上に設けられた第3のトランジスタのゲートと、前記第2の電流経路上に設けられた第4のトランジスタのゲートとが接続された第2のカレントミラー回路と、
前記第1の電流経路に設けられ、前記第1のトランジスタのドレイン及び前記第2のトランジスタのゲートが接続されている接点に、一方の端子が接続され、前記第1の電流経路と前記第1のトランジスタのゲートとの接点に、他方の端子が接続されている抵抗素子と、を備え、
前記ノーマリーオン型トランジスタのソースが、前記第1の電流経路と前記第1のトランジスタのゲートとが接続された接点に接続されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の基準電流電圧発生回路。
【請求項6】
前記基準電流電圧発生回路は、
第1の電流経路上に設けられた第1のトランジスタのゲートと、第2の電流経路上に設けられた第2のトランジスタのゲートとが接続された第1のカレントミラー回路と、
前記第1の電流経路上に設けられた第3のトランジスタのゲートと、前記第2の電流経路上に設けられた第4のトランジスタのゲートとが接続された第2のカレントミラー回路と、
前記第1の電流経路に設けられ、前記第1のトランジスタのドレイン及び前記第2のトランジスタのゲートが接続されている接点に、一方の端子が接続され、前記第1の電流経路と前記第1のトランジスタのゲートとの接点に、他方の端子が接続されている抵抗素子と、を備え、
前記ノーマリーオン型トランジスタのソースが、前記第2のトランジスタのゲートと接続されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の基準電流電圧発生回路。
【請求項7】
前記基準電流電圧発生回路は、
オペアンプと、
前記オペアンプの出力と、前記オペアンプの反転端子との間に設けられた第1の抵抗素子と、
前記オペアンプの出力と、前記オペアンプの非反転端子との間に設けられた第2の抵抗素子と、
前記第1の抵抗素子と、前記第1の電源との間に、前記第1の電源に対して順方向に設けられた第1のダイオードと、
前記第1の抵抗素子と、前記第1のダイオードとの間に設けられた第3の抵抗素子と、
前記第2の抵抗素子と、前記第1の電源との間に、前記第1の電源に対して順方向に設けられた第2のダイオードと、を備え、
前記ノーマリーオン型トランジスタのソースが、前記第2の抵抗素子と前記非反転端子との間に接続されている請求項1または2に記載の基準電流電圧発生回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−48601(P2011−48601A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196175(P2009−196175)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】