説明

塗布装置及び塗布方法

【課題】タンク等の液体貯留部からノズルヘッド等の吐出部に送られた液体内に気泡が滞留することを抑えられるようにするとともに、気泡によって吐出部から液体が吐出されなくなる現象が発生しないようにする。
【解決手段】塗布装置100が、液体120が貯留された液体貯留部108と、液体貯留部108から送られた液体120の脱気を行う気液分離器130と、気液分離器130で脱気されて気液分離器130から送られた液体120を吐出するノズル孔168を有するノズルヘッド106と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布装置及び塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、EL(Electro Luminescence)パネルに用いられるEL素子の製造プロセスでは、塗布装置のノズルからEL材料液を基板に向けて連続的に吐出しつつ、ノズルと基板を相対的に移動させて、基板上に所定の形状のEL材料層を形成することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
EL材料液はタンクに貯留されており、ポンプ等によってタンク内のEL材料液がノズルに供給される(例えば、特許文献1参照)。一般に、EL材料液を超音波処理によって脱気した後、そのEL材料液をタンクに貯留する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−75640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、EL材料液の種類によっては、予め脱気処理を行えないものがある。例えば、EL材料液が分散系溶液であると、それを超音波処理によって脱気すると、相分離や沈殿が発生してしまう。そのようなEL材料液は脱気処理をせずに、タンクに貯留することになる。そのため、EL材料液に溶存した気体がノズル内等で滞留し、大きな気泡となることがある。ノズル内等で滞留した気泡は圧縮性を示す。それゆえ、タンクからノズルに向けてEL材料液を送り出しても、気泡によって圧損が大きくなり、ノズルから液体が吐出されないことがある。このような現象は、脱気処理を行っていないEL材料液で多く発生するが、脱気処理を行ったEL材料液でも発生することがある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、タンク等の液体貯留部からノズルヘッド等の吐出部に送られた液体内に気泡が滞留することを抑えられるようにするとともに、気泡によって吐出部から液体が吐出されなくなる現象が発生しないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明によれば、塗布装置が、液体が貯留された液体貯留部と、前記液体貯留部から送り出された前記液体の脱気を行う気液分離器と、前記気液分離器で脱気されて前記気液分離器から送られた前記液体を吐出するノズル孔を有する吐出部と、を備えることとした。
好ましくは、前記塗布装置が、前記ノズル孔から前記液体を吐出させながら、前記液体を塗布する塗布対象物の該液体を塗布する塗布領域に沿って前記吐出部を相対的に移動させて、前記塗布領域に前記液体を塗布する移動部を備えることとした。
好ましくは、前記塗布装置が、前記気液分離器で脱気された前記液体を加圧して前記ノズルに送る加圧器を更に備える。
好ましくは、前記気液分離器が、前記液体貯留部から送り出された前記液体が流入し、前記液体中に含まれる気体を透過する気液分離膜が設けられた液室と、前記気液分離膜を透過した気体が流入する減圧室と、前記減圧室に接続されて該減圧室内の気体を吸引する減圧装置と、を備えることとした。
好ましくは、前記気液分離器が、前記液体貯留部から送り出された前記液体が流入し、複数の開口部を有する支持管と、多孔質材からなり、前記支持管の周囲に巻き付けられて、前記液体中に含まれる気体を透過する脱気管と、前記脱気管の周囲を囲って、前記脱気管を透過した気体が流入する減圧室と、前記減圧室に接続されて該減圧室内の気体を吸引する減圧装置と、を備えることとした。
好ましくは、前記気液分離器が、前記液体貯留部から送り出された前記液体が流入するハウジングと、前記ハウジング内に収容され、前記ハウジング内に流入した前記液体を遠心分離して前記液体の脱気をするインデューサと、前記ハウジング内に収容され、前記インデューサによって脱気された前記液体の圧力を高める主羽根車と、前記主羽根車によって圧力を高められた前記液体を排出して前記ノズルまで送るためのアウトレットと、前記インデューサによって前記液体から分離された気体を排出する排気アウトレットと、を有し、前記主羽根車と前記インデューサが独立して回転することとした。
【0007】
また、本発明に係る塗布方法は、液体貯留部に貯留された液体を気液分離器に送るステップと、前記気液分離器に供給された前記液体を、該前記気液分離器において脱気するステップと、前記気液分離器で脱気した前記液体を、該液体を吐出するノズル孔を有する吐出部に送るステップと、前記液体を塗布する塗布対象物の該液体を塗布する塗布領域に向けて、前記吐出部の前記ノズル孔からに向けて前記液体を連続的に吐出させながら、前記吐出部を前記塗布領域に対して相対的に移動させて、前記塗布領域に前記液体を塗布するステップと、を含むこととした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、液体貯留部から吐出部へ送られる液体が液体貯留部と吐出部の間において気液分離器によって脱気されるから、吐出部内等で気泡が発生することを抑えることができる。そのため、吐出部のノズル孔から液体が吐出されなくなるという現象の発生も抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】塗布装置を概略的に示す図面である。
【図2】ノズルの縦断面図である。
【図3】一例としての気液分離器の断面図である。
【図4】一例としての気液分離器の断面図である。
【図5】一例としての気液分離器の断面図である。
【図6】一例としての気液分離器の断面図である。
【図7】塗布装置の変形例を概略的に示す図面である。
【図8】加圧器の断面図である。
【図9】ELパネルの画素の配置構成を示す平面図である。
【図10】ELパネルの概略構成を示す平面図である。
【図11】ELパネルの1画素に相当する回路を示した回路図である。
【図12】ELパネルの1画素を示した平面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線に沿った面の矢視断面図である。
【図14】ELパネルのバンク間に露出する画素電極を示す断面図である。
【図15】ELパネルを表示部に用いた携帯電話機の正面図である。
【図16】ELパネルを表示部に用いたデジタルカメラの斜視図である。
【図17】ELパネルを表示部に用いたデジタルカメラの斜視図である。
【図18】ELパネルを表示部に用いたパーソナルコンピュータの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0011】
〔1〕塗布装置の構成
図1は、塗布装置100を示した図面である。この塗布装置100は、発光パネルである有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの有機層(例えば、正孔注入層、発光層、電子注入層等)、有機トランジスタの有機層、液晶ディスプレイのカラーフィルタの有機発色層(例えば、有機材料を含むRGBの発色層、有機材料を含むブラックマトリックス等)、各種電子デバイスの有機導電層(例えば、有機材料を含む導電性配線等)、その他の有機層、あるいは溶液中に金属微粒子等の無機材料を分散、または溶解させた材料を含む機能層を形成するために用いられるものである。
【0012】
ワークテーブル101は、移動装置102上に搭載されており、移動装置102に対して水平面に沿って例えば一直線状にスライド可能に設けられている。このワークテーブル101上には、塗布対象物たる基板121が載置される。ワークテーブル101の移動方向を副走査方向という。
【0013】
移動装置102は、ワークテーブル101及びそれに載置された基板121を例えば一直線状に移動させるものである。例えば、移動装置102は、ワークテーブル101を案内するレールと、レールに沿ってワークテーブル101を駆動する駆動機構とを有する。この移動装置102は、制御部119によって制御される。制御部119が移動装置102を間欠的に駆動し、移動装置102がワークテーブル101及び基板121を間欠的に移動させる。つまり、移動装置102は、制御部119の制御によって、ワークテーブル101及び基板121の移動及びその移動の停止を繰り返すように動作する。
【0014】
ワークテーブル101の上方には、案内部としてのレール103が設けられている。このレール103は、上から見て、ワークテーブル101の移動方向に対して直交するよう設けられている。レール103は、機枠104に取り付けられて、機枠104に支持されている。
【0015】
レール103には、ノズル移動機構としてのキャリッジ105が搭載されている。このキャリッジ105は、レール103に沿って案内される。キャリッジ105は、レール103に沿って移動可能に設けられている。以下、キャリッジ105の移動方向を主走査方向という。
また、キャリッジ105には、モータ等の動力源が内蔵されており、キャリッジ105はその動力源によってレール103に沿って移動する。キャリッジ105は、制御部119によって制御される。制御部119が移動装置102の間欠的な停止に合わせてキャリッジ105を駆動し、キャリッジ105が移動装置102の停止中に主走査方向に移動する。
【0016】
キャリッジ105には、液体を吐出するノズル孔を有するノズルヘッド(吐出部)106が搭載されている。このノズルヘッド106は、その先端が下に向くようにしてキャリッジ105に搭載されている。図2は、ノズルヘッド106の断面図である。図2に示すように、このノズルヘッド106においては、ノズルヘッド本体部161が略円筒状に設けられている。ノズルヘッド本体部161の上端に注入口162が形成され、その注入口162に供給管107aが接続されている。ノズルヘッド本体部161の下端に底面165が設けられ、底面165の中央に開口166が形成されている。ノズルヘッド本体部161の中空163内の下部にノズルプレート167が配設され、開口166がノズルプレート167によって閉塞されている。ノズルプレート167の中央には、微小なノズル孔168が形成されている。ノズル孔168の径は、10〜20μmである。ノズルヘッド本体部161の中空163内にフィルタ164が配設され、液体120がフィルタ164によって濾過される。ノズルヘッド本体部161の中空163が、フィルタ164によって注入口162側の領域とノズル孔168側の領域とに仕切られている。
【0017】
図1に示すように、供給管107aがノズルヘッド106からマスフローコントローラ109にかけて配管されており、供給管107aの一端がノズルヘッド106に接続され、供給管107aの他端がマスフローコントローラ109のアウトレットに接続されている。また、供給管107bがマスフローコントローラ109から気液分離器130にかけて配管されており、供給管107bの一端がマスフローコントローラ109のインレットに接続され、供給管107bの他端が気液分離器130の液体用アウトレットに接続されている。供給管107cが気液分離器130から液体タンク108にかけて配管されており、供給管107cの一端が気液分離器130のインレットに接続され、供給管107cの他端が液体タンク108のアウトレットに接続されている。
【0018】
排気管114が気液分離器130から捕捉器112にかけて配管されており、排気管114の一端が気液分離器130の排気アウトレットに接続され、排気管114の他端が捕捉器112のインレットに接続されている。排気管115が捕捉器112からバキュームポンプ(減圧装置)113にかけて配管されており、排気管115の一端が捕捉器112のアウトレットに接続され、排気管115の他端がバキュームポンプ113に接続されている。
【0019】
供給管107a,107b,107cとしては、液体タンク108内に貯留された液体120に対して耐性のある材料からなるチューブを用いる。具体的には、供給管107a,107b,107cは、シリコーン樹脂からなるチューブである。また、供給管107a,107b,107cは可撓性を有する。供給管107a,107b,107cの内直径は1〜7mmである。供給管107a,107b,107cの内径は、互いに等しくてもよいし、異なっていてもよい。例えば、供給管107aの内直径が供給管107b,107cの内直径よりも小さく、具体的には、例えば、供給管107aの内直径が約1mmであり、供給管107b,107cの内直径が約7mmである。
【0020】
液体貯留部としての液体タンク108内には、液体120が貯留されている。液体120は、塗布装置100の用途に応じて適宜選択される。液体120は、有機材料からなる。例えば、液体120は、有機系の液体、水性タイプの液体又はエマルジョンタイプの液体である。この塗布装置100を用いて正孔注入層を形成する場合には、液体120は、以下に示すPEDOT(poly(ethylenedioxy)thiophene;ポリエチレンジオキシチオフェン)及びPSS(polystyrene sulfonate;ポリスチレンスルホン酸)の分散系溶液である。
【化1】

【0021】
液体タンク108には、供給器116が設けられている。この供給器116は、液体タンク108内の液体120を供給管107cに送り出すものであり、より好ましくは、送り出す液体120の圧力を一定に保った状態で液体120を供給管107cに圧送するものである。供給器116はポンプであり、具体的には、ピストン式圧送ポンプ又はガス式圧送ポンプである。ピストン式圧送ポンプとは、シリンジ状の液体タンク108内に可動式ピストンが収容され、可動式ピストンがモータ、エアシリンダ又はソレノイド等の動力源によって押し込まれることで、液体タンク108内の液体120を供給管107cに押し出すものである。ガス式圧送ポンプとは、密閉された液体タンク108内にガス(主に不活性ガス(例えば、窒素ガス))を送り込んで液体タンク108内の液面を加圧して、液体タンク108内の液体120を供給管107cに押し出すものである。勿論、ピストン式圧送ポンプ、ガス式圧送ポンプ以外の種類のポンプを供給器116に用いてもよい。
【0022】
この供給器116は、制御部119によって制御される。制御部119がキャリッジ105の移動に合わせて供給器116を駆動し、供給器116がキャリッジ105の移動中に供給動作をする。
【0023】
気液分離器(脱気器)130は、液体タンク108から送られてきた液体120の脱気を行うものである。気液分離器130によって脱気された液体120は気液分離器130の液体用アウトレットから送出されて、供給管107bによってマスフローコントローラ109に送られる。一方、気液分離器130によって液体120から分離された気体は気液分離器130の排気アウトレットから送出されて、排気管114によって捕捉器112に送られる。
【0024】
図1に示すように、マスフローコントローラ109は、供給管107a,107b,107cを流れる液体120の流量を計測したり、供給管107a,107b,107cを流れる液体120の流量を制御したりする。マスフローコントローラ109によって計測された流量は、制御部119に出力される。
また、制御部119は、マスフローコントローラ109による流量を設定する(以下、設定された流量を設定流量という。)。マスフローコントローラ109が、供給管107a,107b,107cを流れる液体120の流量をその設定流量に維持するよう定流量制御をする。
【0025】
バキュームポンプ(減圧装置)113は例えば真空ポンプ又は減圧ポンプであり、排気管115、捕捉器112及び排気管114を介して気液分離器130内の気体を吸引して減圧をする。
【0026】
捕捉器112は、例えば冷却トラップであり、バキュームポンプ113によって吸引される気体中に含まれる不純物を捕捉するものである。例えば、バキュームポンプ113によって吸引され、気液分離器130から不意に送られてきた有機材料(液体120)が気化した状態で捕捉器112に流れ込むと、その有機材料が捕捉器112によって冷却される。そのため、その有機材料が液化して、捕捉器112に捕捉される。捕捉器112が冷却トラップである場合、捕捉器112が外容器と、外容器内の冷媒と、外容器の内側に収容されて冷媒に浸けられた密閉容器等とを備える。排気管114及び排気管115が密閉容器の上面を貫通し、密閉容器内において排気管115の端部が排気管114の端部よりも高い位置に設けられている。
【0027】
図3は、気液分離器130の第一例の断面図である。図3に示すように、気液分離器130は、ハウジング131、支持板132、気液分離膜133及びアウトレット管134を有する。ハウジング131内に支持板132が設けられ、その支持板132に気液分離膜133が支持されている。ハウジング131内の空間が支持板132及び気液分離膜133によって減圧室135と、液室136とに仕切られている。支持板132は例えばメッシュ状に設けられて、複数の開口部を有している。支持板132は耐食性のステンレス又はプラスチックからなる。例えば、気液分離膜133は、例えば多孔質のフッ素高分子からなる。具体的には、気液分離膜133は、テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン又はフッ化飽和脂肪酸からなる。また、気液分離膜133は、テトラフルオロエチレンの層、ポリフッ化ビニリデンの層、フッ化飽和脂肪酸の層のうち二以上の層を積層してなる積層膜であってもよい。ハウジング131の液室136側にはインレット137が設けられ、そのインレット137に供給管107cが接続されている。ハウジング131の減圧室135側には、排気アウトレット138が設けられ、その排気アウトレット138に排気管114が接続されている。アウトレット管134はハウジング131、支持板132及び気液分離膜133を貫通し、液室136に通じている。アウトレット管134は、ハウジング131の外側で供給管107bに接続されている。
【0028】
減圧室135は、バキュームポンプ113によって減圧される。また、供給器116によって液体120が液室136に送られる。液室136に送られた液体120に溶存した気体が気液分離膜133を透過するが、液体120自体は気液分離膜133を透過しない。これにより、液体120の脱気が行われる。脱気された液体120はアウトレット管134及び供給管107bを通ってマスフローコントローラ109へ送られる。
【0029】
図4は、気液分離器130の第二例の断面図である。図5は、気液分離器130の第二例の変形例の断面図である。図4に示すように、気液分離器130は、ハウジング141、支持管142及び脱気管143を有する。脱気管143は、多孔質のフッ素高分子(例えば、テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化飽和脂肪酸)からなる気液分離膜を管状に設けたものである。脱気管143が支持管142に巻装され、脱気管143が支持管142に支持されている。脱気管143及び支持管142がハウジング131内に配置されている。支持管142の一端が供給管107cに接続され、支持管142の他端が供給管107bに接続されている。支持管142は例えばメッシュ状に設けられて、複数の開口部を有している。支持管142は耐食性のステンレス又はプラスチックからなる。ハウジング131には排気アウトレット148が設けられ、その排気アウトレット148に排気管114が接続されている。ハウジング131内の空間が減圧室145となっている。
【0030】
支持管142及び脱気管143が図4に示すように真直に設けられていてもよいし、図5に示すように葛折り状に設けられていてもよい。
【0031】
減圧室145は、バキュームポンプ113によって減圧される。また、供給器116によって液体120が支持管142を流通する。支持管142を流れる液体120に溶存した気体が脱気管143を透過するが、液体120自体は脱気管143を透過しない。これにより、液体120の脱気が行われる。脱気された液体120は供給管107bを通ってマスフローコントローラ109へ送られる。
【0032】
図6は、気液分離器130の第四例の断面図である。図6に示すように、気液分離器130は、ハウジング151、インデューサ152、主羽根車153、気液分離羽根車154、セパレータ155、回転軸159及び動力源160を有する。ハウジング151は、円筒形状の箱状に設けられている。ハウジング151の一端面にインレット156が形成され、他端面に排気アウトレット158が形成され、ハウジング151の側面に液体用アウトレット157が形成されている。供給管107cがインレット156に接続され、供給管107bが液体用アウトレット157に接続され、排気管114が排気アウトレット158に接続されている。
【0033】
羽根車としてのインデューサ152、主羽根車153及び気液分離羽根車154は回転軸159に取り付けられている。インデューサ152、主羽根車153及び気液分離羽根車154はハウジング151内に収容されている。インデューサ152、主羽根車153及び気液分離羽根車154は、ハウジング151の一端面から他端面にかけて、インデューサ152、主羽根車153、気液分離羽根車154の順に配列されている。セパレータ155は、管状に設けられている。セパレータ155は、主羽根車153と気液分離羽根車154の間に配設されているとともに、回転軸159と同軸になるように設けられている。液体用アウトレット157はセパレータ155の外側に位置するとともに、主羽根車153と気液分離羽根車154の間に位置している。動力源160はモータ等である。回転軸159と動力源160が直結されていてもよいし、回転軸159と動力源160の間に減速器、増速器、歯車機構その他の伝動機構が介在していてもよい。
【0034】
動力源160によってインデューサ152、主羽根車153及び気液分離羽根車154が回転する。液体120が、インデューサ152の回転及び供給器116の圧力によってハウジング151内に送られる。また、インデューサ152の回転によってハウジング151内の液体120の溶存ガスが析出し、液体120にキャビテーションが発生する。また、インデューサ135の回転によって液体120とガスが遠心分離され、比重の重い液体120が外側に集積され、比重の軽いガスが回転軸159側に集積する。分離された液体120とガスは、セパレータ155によって分離した状態を保たれる。外側に集められた液体120は主羽根車153によって圧力を高められて、供給管107bへ排出される。一方、中央部に集められたガスは、気液分離羽根車154を介し、排気管114へ排気される。中央部に集められたガスに液体120が残存していても、その液体120が気液分離羽根車154によってガスから分離され、分離した液体120が排気管114へ排出される。以上により、液体120の脱気が行われる。
【0035】
なお、インデューサ152、主羽根車153及び気液分離羽根車154が単一の回転軸159に取り付けられていたが、主羽根車153と気液分離羽根車154が別々の回転軸に取り付けられ、主羽根車153と気液分離羽根車154が別々の動力源によって独立して回転するものとしてもよい。この場合、インデューサ152は、気液分離羽根車154の回転軸に取り付けられて、気液分離羽根車154とともに回転するものとしてもよいし、更に別の回転軸に取り付けられ、主羽根車153及び気液分離羽根車154から独立して回転するものとしてもよい。主羽根車153をインデューサ152や気液分離羽根車154から独立して回転することができれば、インデューサ152や気液分離羽根車154から独立して主羽根車153の回転速度を制御することができ、ハウジング151から供給管107bに送出される液体120の圧力を制御することができる。そのため、ハウジング151から供給管107bに送出される液体120の圧力を高圧にすることができる。
【0036】
図1では、キャリッジ105に搭載されているノズルヘッド106の数が1つであったが、複数のノズルヘッド106がキャリッジ105に搭載されていてもよい。この場合、これらのノズルヘッド106は、副走査方向に沿って配列された状態でキャリッジ105に搭載されている。また、キャリッジ105に複数のノズルヘッド106が搭載されている場合、供給管107a〜107c、液体タンク108、マスフローコントローラ109、気液分離器130、捕捉器112、バキュームポンプ113及び排気管114,115は、それぞれのノズルヘッド106に対して設けられている。
【0037】
また、キャリッジ105が主走査方向に移動するものとしたが、主走査方向及び副走査方向に移動するものとしてもよい。また、ノズルヘッド106がその中心線を中心に回転するものとしてもよい。また、ワークテーブル101が移動装置102によって副走査方向に移動するものとしたが、移動装置102によって主走査方向及び副走査方向に移動するものとしてもよい。また、ワークテーブル101が移動装置102によってその中心回りに回転するものとしてもよい。つまり、移動装置102及びキャリッジ105の両方又は片方からなる移動部によって、ノズルヘッド106がワークテーブル101に対して相対的に移動させるものとすればよい。
【0038】
図6に示す気液分離器130はターボ形ポンプを兼ねている。つまり、インデューサ152や主羽根車153が回転することによって、液体120が液体タンク108から気液分離器130のハウジング151内に揚水される。そのため、図6に示す気液分離器130を用いた場合、供給器116を省略してもよい。特に、主羽根車153がインデューサ152や気液分離羽根車154から独立して回転する場合には、供給器116が無くとも、主羽根車153の回転速度によって送液される液体120の圧力を制御することができる。
【0039】
〔2〕塗布装置の動作及び塗布方法
以下、塗布装置100の動作及びこの塗布装置100を用いた塗布方法等について説明する。
【0040】
まず、液体タンク108内に液体120を充填する。液体タンク108が取り替え式の場合には、液体120が充填された液体タンク108を供給管107cに組み付け、液体タンク108に供給器116を組み付ける。この時点では、供給管107c,107b,107aは空の状態であり、液体120が供給管107c,107b,107a内に充填されていない。
【0041】
液体タンク108に充填する液体120は、超音波処理等による脱気を予めしたものが好ましい。但し、液体120がPEDOT・PSSの溶液のような分散系溶液である場合には、脱気処理をしていないものを用いる。液体120が分散系溶液であると、脱気処理により液体120の相分離や沈殿が発生してしまい、沈殿した粒子が供給管107a〜107c等に詰まってしまうためである。
【0042】
次に、制御部119がキャリッジ105を所定の待機位置まで移動させる。そして、制御部119が供給器116及びバキュームポンプ113を作動させる。これにより、液体タンク108内の液体120が供給管107cに送り出され、供給管107cからノズルヘッド106にかけてそれらの内側に液体120が充填される。液体120が気液分離器130内を流通する際には、液体120が気液分離器130によって脱気処理される。なお、気液分離器130が図6のようなものである場合には、液体120の充填中において制御部119が動力源160を駆動する。
【0043】
次に、基板121をワークテーブル101上に載置する。次に、制御部119がキャリッジ105を作動させる。なお、供給器116及びバキュームポンプ113は引き続き動作している。
【0044】
制御部119がキャリッジ105を制御して、キャリッジ105が移動すると、ノズルヘッド106が待機位置から基板121の上に移動する。その後、キャリッジ105及びノズルヘッド106が引き続き主走査方向に移動する。その際、供給器116が作動しているので、液体タンク108内の液体120がノズルヘッド106へと送り出され、供給管107c,107b,107aを流れる液体120の流量がマスフローコントローラ109によって一定の設定流量に制御される。そのため、キャリッジ105の移動中において、ノズルヘッド106のノズル孔168から液体120が連続的に吐出される。そうすると、吐出された液体120が基板121上に線状に塗布され、主走査方向に沿った線状の有機層パターンが基板121上に形成される。キャリッジ105が移動範囲の反対の端まで移動したら、制御部119がキャリッジ105を停止する。
次に、制御部119が移動装置102を制御して、ワークテーブル101及び基板121が移動装置102によって副走査方向に所定距離だけ移動される。この際も、ノズルヘッド106のノズル孔168から液体120が連続的に吐出される。そのため、副走査方向に沿った線状の有機層パターンが基板121上に形成される。その後、移動装置102が停止する。
次に、制御部119がキャリッジ105を作動させて、キャリッジ105とともにノズルヘッド106が主走査方向を逆方向に移動する。この際も、ノズルヘッド106のノズル孔168から液体120が連続的に吐出される。そのため、主走査方向に沿った線状の有機層パターンが基板121上に形成される。キャリッジ105が移動範囲の反対の端まで移動したら、制御部119がキャリッジ105を停止する。
次に、制御部119が移動装置102を制御して、ワークテーブル101及び基板121が移動装置102によって副走査方向に所定距離だけ移動される。この際も、ノズルヘッド106のノズル孔168から液体120が連続的に吐出される。そのため、主走査方向に沿った線状の有機層パターンが基板121上に形成される。
【0045】
以後、制御部119は、マスフローコントローラ109の定流量制御及び供給器116の動作を継続しつつ、キャリッジ105と移動装置102の間欠的な作動制御を繰り返す。それにより、ノズルヘッド106のノズル孔168から液体120が連続的に吐出されながらキャリッジ105が移動範囲の端から端まで移動することが繰り返されるとともに、キャリッジ105が端に移動した際に移動装置102によってワークテーブル101及び基板121が所定距離だけ副走査方向に移動される。その結果、ノズルヘッド106から吐出された液体120によって、葛折り状の有機層パターンが基板121上に形成される。
【0046】
以上のように、液体タンク108からノズルヘッド106までの経路の間に気液分離器130が設けられているから、脱気された液体120がノズルヘッド106に供給される。そのため、ノズルヘッド106、供給管107a,107b内の液体120に気泡が発生することを防止する。気泡の発生が抑えられることによって、ノズルヘッド106から液体120が吐出されないという障害も抑制することができる。
【0047】
特に、液体120がエマルジョン(分散系溶液)である場合には、その液体120の脱気処理を予め行うことができない。そのような液体120であっても気液分離器130によって脱気することができる。そのため、エマルジョンを塗布装置100に用いることができる。
【0048】
〔3〕変形例
図7に示すように、気液分離器130の下流側に加圧器180が設けられていてもよい。この加圧器180は、気液分離器130から送出された液体120を加圧してノズルヘッド106へと送り出すものである。例えば、加圧器180はターボ形ポンプである。図8は、ターボ形ポンプである加圧器180の一例を示すものである。図8に示すように、加圧器180はハウジング181、回転軸182、インペラ183及び動力源184を有する。インペラ183が回転軸182に取り付けられ、そのインペラ183がハウジング181内に配置されている。回転軸182は動力源184に連結されている。動力源184はモータ等であり、制御部119が動力源184を駆動する。動力源184によってインペラ183が回転されると、気液分離器130から送出された液体120が加圧される。気液分離器130によって液体120の圧損が生じても、加圧器180によって液体120が再加圧されるから、液体120が安定して供給される。なお、気液分離器130が図6のようなものである場合、特に、主羽根車153がインデューサ152や気液分離羽根車154から独立して回転する場合には、加圧器180を省いてもよい。
【0049】
〔4〕塗布装置を用いて製造される有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネル(ELパネル)の構成
図1に示された塗布装置100を用いて製造されるELパネル1について、図9〜図13を用いて説明する。
【0050】
図9は、発光パネルであるELパネル1における複数の画素Pの配置構成を示す平面図である。図10は、ELパネル1の概略構成を示す平面図である。図11は、アクティブマトリクス駆動方式で動作するELパネル1の1画素に相当する回路を示した回路図である。図12は、ELパネル1の1画素Pに相当する平面図であり、図13は、図12のXIII−XIII線に沿った面の矢視断面図である。
【0051】
図9、図10に示すように、ELパネル1には、R(赤),G(緑),B(青)にそれぞれ発光する複数の画素Pが所定のパターンでマトリクス状に配置されている。
このELパネル1には、複数の走査線2及び複数の信号線3が設けられている。これら走査線2は、行方向に沿って互いに略平行となるよう配列されている。これら信号線3が、列方向に沿って互いに略平行となるよう配列されている。走査線2と信号線3が、平面視して走査線2と略直交している。また、ELパネル1には、複数の電圧供給線4が設けられている。電圧供給線4は、平面視して、走査線2に対して平行に設けられている。電圧供給線4は、隣り合う走査線2の間において走査線2に沿って設けられている。画素Pは、一組の走査線2及び電圧供給線4並びに隣り合う二本の信号線3によって囲われる範囲に相当する。画素Pがマトリクス状に配列されている。ここでは、R(赤)を発光する複数の画素Pが信号線3に沿って配列されている。G(緑)に発光する複数の画素Pも信号線3に沿って配列されている。B(青)に発光する複数の画素Pも信号線3に沿って配列されている。走査線2に沿う方向の複数の画素Pの列は、R(赤)に発光する画素P、G(緑)に発光する画素P、B(青)を発光する画素Pの順の配列となっている。
【0052】
また、ELパネル1には、隔壁であるバンク13が設けられている。バンク13は、信号線3に沿う方向に延在している。このバンク13によって挟まれた範囲に所定のキャリア輸送層(後述する正孔注入層8b、発光層8c)が設けられ、その範囲が画素Pの発光領域となる。つまり、このバンク13が、R(赤),G(緑),B(青)の各色毎に画素Pを仕切っている。なお、キャリア輸送層とは、電圧が印加されることによって正孔又は電子を輸送する層である。
【0053】
図10、図11に示すように、このELパネル1の1画素Pにつき、薄膜トランジスタであるスイッチトランジスタ5と、薄膜トランジスタである駆動トランジスタ6と、キャパシタ7と、EL素子8とが設けられている。
【0054】
各画素Pにおいては、スイッチトランジスタ5のゲートが走査線2に接続されている。スイッチトランジスタ5のドレインとソースのうちの一方が信号線3に接続されている。スイッチトランジスタ5のドレインとソースのうちの他方がキャパシタ7の一方の電極及び駆動トランジスタ6のゲートに接続されている。駆動トランジスタ6のソースとドレインのうちの一方が電圧供給線4に接続されている。駆動トランジスタ6のソースとドレインのうち他方がキャパシタ7の他方の電極及びEL素子8のアノードに接続されている。なお、全ての画素PのEL素子8のカソードは、基準電位である一定電圧Vcomに保たれている(例えば、接地されている)。
【0055】
また、このELパネル1の周囲において各走査線2が走査ドライバに接続されている。各電圧供給線4が、一定電圧源又は適宜電圧信号を出力するドライバに接続されている。各信号線3が、データドライバに接続されている。これらドライバによってELパネル1がアクティブマトリクス駆動方式で駆動される。電圧供給線4には、一定電圧源又はドライバによって所定の電力が供給される。
【0056】
次に、ELパネル1と、その画素Pの回路構造について、図12、図13を用いて説明する。図12に示すように、スイッチトランジスタ5及び駆動トランジスタ6は、信号線3に沿うように配列されている。キャパシタ7が、スイッチトランジスタ5の近傍に配置されている。EL素子8が、駆動トランジスタ6の近傍に配置されている。また、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、キャパシタ7及びEL素子8が、走査線2と電圧供給線4の間に配置されている。
【0057】
駆動トランジスタ6は、図13に示すように、ゲート電極6a、半導体膜6b、チャネル保護膜6d、不純物半導体膜6f,6g、ドレイン電極6h、ソース電極6i等を有するものである。
また、スイッチトランジスタ5は、以下に詳述する駆動トランジスタ6と同様の薄膜トランジスタであって、ゲート電極5a、半導体膜、チャネル保護膜、不純物半導体膜、ドレイン電極5h、ソース電極5i等を有するものであるので、その詳細については省略する。
図12、図13に示すように、ゲート絶縁膜となる層間絶縁膜11が基板10上の一面に成膜されている。その層間絶縁膜11の上には、層間絶縁膜12が成膜されている。信号線3は、層間絶縁膜11と基板10との間に形成されている。走査線2及び電圧供給線4は、層間絶縁膜11と層間絶縁膜12との間に形成されている。
【0058】
ゲート電極6aは、基板10と層間絶縁膜11の間に形成されている。このゲート電極6aは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。また、ゲート電極6aの上には、絶縁性の層間絶縁膜11が成膜されている。ゲート電極6aが、その層間絶縁膜11によって被覆されている。
層間絶縁膜11は、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。この層間絶縁膜11上であってゲート電極6aに対応する位置には、真性な半導体膜6bが形成されている。半導体膜6bは、層間絶縁膜11を挟んでゲート電極6aと相対している。
半導体膜6bは、例えば、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンからなる。この半導体膜6bにチャネルが形成される。また、半導体膜6bの中央部上には、絶縁性のチャネル保護膜6dが形成されている。このチャネル保護膜6dは、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。
また、半導体膜6bの一端部の上には、不純物半導体膜6fが一部チャネル保護膜6dに重なるようにして形成されている。半導体膜6bの他端部の上には、不純物半導体膜6gが一部チャネル保護膜6dに重なるようにして形成されている。そして、不純物半導体膜6f,6gは、それぞれ半導体膜6bの両端側に互いに離間して形成されている。なお、不純物半導体膜6f,6gはn型半導体であるが、これに限らず、p型半導体であってもよい。
不純物半導体膜6fの上には、ドレイン電極6hが形成されている。不純物半導体膜6gの上には、ソース電極6iが形成されている。ドレイン電極6h,ソース電極6iは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。
チャネル保護膜6d、ドレイン電極6h及びソース電極6iの上には、保護膜となる絶縁性の層間絶縁膜12が成膜されている。チャネル保護膜6d、ドレイン電極6h及びソース電極6iが、層間絶縁膜12によって被覆されている。そして、駆動トランジスタ6は、層間絶縁膜12によって覆われるようになっている。層間絶縁膜12は、例えば、厚さが100nm〜200nm窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
【0059】
キャパシタ7は、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとソース電極6iとの間に接続されている。図13に示すように、キャパシタ7の一方の電極7aが基板10と層間絶縁膜11との間に形成されている。キャパシタ7の他方の電極7bが、層間絶縁膜11と層間絶縁膜12との間に形成されている。電極7aと電極7bが誘電体である層間絶縁膜11を挟んで相対している。これにより、キャパシタ7が構成されている。
【0060】
信号線3、キャパシタ7の電極7a、スイッチトランジスタ5のゲート電極5a及び駆動トランジスタ6のゲート電極6aは、基板10に一面に成膜された導電膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで一括して形成されたものである。
また、走査線2、電圧供給線4、キャパシタ7の電極7b、スイッチトランジスタ5のドレイン電極5h・ソース電極5i及び駆動トランジスタ6のドレイン電極6h・ソース電極6iは、層間絶縁膜11に一面に成膜された導電膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで形成されたものである。
【0061】
また、層間絶縁膜11には、ゲート電極5aと走査線2とが重なる領域に、コンタクトホール11aが形成されている。ドレイン電極5hと信号線3とが重なる領域に、コンタクトホール11bが形成されている。ゲート電極6aとソース電極5iとが重なる領域に、コンタクトホール11cが形成されている。コンタクトホール11a〜11c内にコンタクトプラグ20a〜20cがそれぞれ埋め込まれている。コンタクトプラグ20aによってスイッチトランジスタ5のゲート電極5aと走査線2が電気的に導通する。コンタクトプラグ20bによってスイッチトランジスタ5のドレイン電極5hと信号線3が電気的に導通する。コンタクトプラグ20cによってスイッチトランジスタ5のソース電極5iとキャパシタ7の電極7aが電気的に導通するとともに、スイッチトランジスタ5のソース電極5iと駆動トランジスタ6のゲート電極6aが電気的に導通する。コンタクトプラグ20a〜20cを介することなく、走査線2が直接ゲート電極5aと接触し、ドレイン電極5hが信号線3と接触し、ソース電極5iがゲート電極6aと接触してもよい。
駆動トランジスタ6のゲート電極6aが、キャパシタ7の電極7aに一体に連なっている。駆動トランジスタ6のドレイン電極6hが、電圧供給線4に一体に連なっている。駆動トランジスタ6のソース電極6iが、キャパシタ7の電極7bに一体に連なっている。
【0062】
画素電極8aは、層間絶縁膜11を介して基板10上に設けられている。画素電極8aは、画素Pごとに独立して形成されている。この画素電極8aは透明電極であって、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)又はカドミウム−錫酸化物(CTO)からなる。画素電極8aは一部、駆動トランジスタ6のソース電極6iに重なり、画素電極8aとソース電極6iが接続している。
そして、図12、図13に示すように、層間絶縁膜12が、走査線2、信号線3、電圧供給線4、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、画素電極8aの周縁部、キャパシタ7の電極7b及び層間絶縁膜11を覆うように形成されている。
層間絶縁膜12には、各画素電極8aの中央部が露出するように開口部12aが形成されている。この層間絶縁膜12は、平面視して格子状に形成されている。
【0063】
バンク13は、図12、図13に示すように、信号線3に沿う方向に延在しているとともに、互いに平行に設けられている。そのため、これらバンク13は、縞状を成している。また、バンク13は、層間絶縁膜12を介してスイッチトランジスタ5や駆動トランジスタ6を覆う位置に形成されている。バンク13の側壁13aは、層間絶縁膜12の開口部12aより内側に位置している。また、隣り合うバンク13の間には、画素電極8aの中央側が露出している。また、隣り合うバンク13の間にある複数の画素電極8aは、バンク13に沿って配列されている。
そして、バンク13は、正孔注入層8bや発光層8cを湿式法により形成するに際して、正孔注入層8bや発光層8cとなる材料が溶媒に溶解または分散された液状体が隣接する画素Pに滲み出ないようにする隔壁として機能する。
【0064】
EL素子8は、図12、図13に示すように、アノードとなる第一電極としての画素電極8aと、画素電極8aの上に形成された化合物膜である正孔注入層8bと、正孔注入層8bの上に形成された化合物膜である発光層8cと、発光層8cの上に形成された第二電極としての対向電極8dとを備えている。対向電極8dは全画素Pに共通した単一電極であって、全画素Pに連続して形成されている。
【0065】
正孔注入層8bは、例えば、導電性高分子であるPEDOT(poly(ethylenedioxy)thiophene;ポリエチレンジオキシチオフェン)及びドーパントであるPSS(polystyrene sulfonate;ポリスチレンスルホン酸)からなるキャリア輸送層である。正孔注入層8bは、画素電極8aから発光層8cに向けて正孔を注入する層である。
発光層8cは、画素P毎にR(赤),G(緑),B(青)のいずれかを発光する材料を含む。発光層8cは、例えば、ポリフルオレン系発光材料やポリフェニレンビニレン系発光材料からなるキャリア輸送層である。発光層8cは、対向電極8dから供給される電子と、正孔注入層8bから注入される正孔との再結合に伴い発光する層である。このため、R(赤)を発光する画素P、G(緑)を発光する画素P、B(青)を発光する画素Pは互いに発光層8cの発光材料が異なる。画素PのR(赤),G(緑),B(青)のパターンは、縦方向に同色画素が配列されるストライプパターンである。
【0066】
対向電極8dは、画素電極8aよりも仕事関数の低い材料で形成されている。対向電極8dは、例えば、インジウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、バリウム、希土類金属の少なくとも一種を含む単体又は合金で形成されている。
この対向電極8dは、全ての画素Pに共通した電極であり、発光層8cなどの化合物膜とともにバンク13を被覆している。
【0067】
また、正孔注入層8b及び発光層8cは、隣り合うバンク13の間においてバンク13に沿う方向に帯状に設けられているとともに、バンク13に沿う方向に連続して設けられている。そのため、正孔注入層8b及び発光層8cは、バンク13に沿う方向には、画素Pごとに区切られていない。つまり、正孔注入層8b及び発光層8cは、隣り合うバンク13の間において配列された複数の画素電極8aに共通して設けられている。一方、正孔注入層8b及び発光層8cは、バンク13に直交する方向には、バンク13によって区切られている。
そして、層間絶縁膜12の開口部12a内におけるバンク13の側壁13a間において、キャリア輸送層としての正孔注入層8b及び発光層8cが、画素電極8a上に積層されている(図13参照)。つまり、画素電極8aと対向電極8dの間に電圧が印加されたら、正孔注入層8b及び発光層8cは画素電極8aに重なる部分においてキャリア輸送層として機能し、その部分において発光層8cにおいて発光する。
具体的には、層間絶縁膜12の上に設けられたバンク13の側壁13aは、層間絶縁膜12の開口部12aより内側に形成されている。
そして、開口部12aに囲まれて側壁13aで挟まれた画素電極8a上に、正孔注入層8bとなる材料が含有される液状体を塗布し、基板10ごと加熱してその液状体を乾燥させ成膜させた化合物膜が、第1のキャリア輸送層である正孔注入層8bとなる。
さらに、開口部12aに囲まれて側壁13aで挟まれた正孔注入層8b上に、発光層8cとなる材料が含有される液状体を塗布し、基板10ごと加熱してその液状体を乾燥させ成膜させた化合物膜が、第2のキャリア輸送層である発光層8cとなる。
なお、この発光層8cとバンク13を被覆するように対向電極8dが設けられている(図13参照)。
【0068】
そして、このELパネル1においては、画素電極8a、基板10及び層間絶縁膜11が透明であり、発光層8cから発した光が画素電極8a、層間絶縁膜11及び基板10を透過して出射する。そのため、基板10の裏面が表示面となる。
なお、基板10側ではなく、反対側が表示面となってもよい。この場合、対向電極8dを透明電極とし、画素電極8aを反射電極として、発光層8cから発した光が対向電極8dを透過して出射するようにする。
【0069】
このELパネル1は、次のように駆動されて発光する。
全ての電圧供給線4に所定レベルの電圧が印加された状態で、走査ドライバによって走査線2に順次電圧が印加されることで、これら走査線2が順次選択される。
各走査線2が選択されている時に、データドライバによって階調に応じたレベルの電圧が全ての信号線3に印加される。そうすると、その選択されている走査線2に対応するスイッチトランジスタ5がオンになっていることから、その階調に応じたレベルの電圧が駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加される。
この駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加された電圧に応じて、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとソース電極6iとの間の電位差が定まって、駆動トランジスタ6におけるドレイン−ソース電流の大きさが定まり、EL素子8がそのドレイン−ソース電流に応じた明るさで発光する。
その後、その走査線2の選択が解除されると、スイッチトランジスタ5がオフとなる。そのため、駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加された電圧にしたがった電荷がキャパシタ7に蓄えられ、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとソース電極6i間の電位差は保持される。このため、駆動トランジスタ6は選択時と同じ電流値のドレイン−ソース電流を流し続け、EL素子8の輝度を維持するようになっている。
【0070】
〔5〕塗布装置を用いた有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造方法
次に、ELパネル1の製造方法について説明する。
【0071】
〔5−1〕塗布装置を使用する前の工程
図9に示されたELパネル1をダイシングにより複数個取り出せるようなサイズの基板10を準備する。
基板10上にゲートメタル層をスパッタリングで堆積させる。そして、そのゲートメタル層をフォトリソグラフィー及びエッチング等によりパターニングする。これによって、そのゲートメタル層から信号線3、キャパシタ7の電極7a、スイッチトランジスタ5のゲート電極5a及び駆動トランジスタ6のゲート電極6aを形成する。
次いで、プラズマCVDによって窒化シリコン等のゲート絶縁膜となる層間絶縁膜11を堆積する。ELパネル1の一辺に位置する走査ドライバに接続するための各走査線2の外部接続端子(例えば、走査線2の端部)上において開口するコンタクトホール(図示せず)を層間絶縁膜11に形成する。
次いで、半導体膜6b(5b)となるアモルファスシリコン等の半導体層、チャネル保護膜6d(5d)となる窒化シリコン等の絶縁層を連続して堆積する。その後、その絶縁層をフォトリソグラフィー及びエッチング等によってパターニングする。これにより、その絶縁膜からチャネル保護膜6d(5d)を形成する。
その後、不純物半導体膜6f,6g(5f,5g)となる不純物層を堆積した後、フォトリソグラフィー及びエッチング等によって不純物層及び半導体層を連続してパターニングする。これにより、その不純物層から不純物半導体膜6f,6g(5f,5g)を形成するとともに、その半導体層から半導体膜6b(5b)を形成する。
そして、フォトリソグラフィー及びエッチングによってコンタクトホール11a〜11cを形成する。次いで、コンタクトホール11a〜11c内にコンタクトプラグ20a〜20cを形成する。この工程は省略されてもよい。
スイッチトランジスタ5のドレイン電極5h,ソース電極5i及び駆動トランジスタ6のドレイン電極6h,ソース電極6iとなるソース・ドレインメタル層を堆積し、そのソース・ドレインメタル層をパターニングする。これにより、そのソース・ドレインメタル層から走査線2、電圧供給線4、キャパシタ7の電極7b、スイッチトランジスタ5のドレイン電極5h,ソース電極5i及び駆動トランジスタ6のドレイン電極6h,ソース電極6iを形成する。こうしてスイッチトランジスタ5及び駆動トランジスタ6が形成される。その後、ITO膜を堆積した後、そのITO膜をパターニングすることによって、そのITO膜から画素電極8aを形成する。
【0072】
そして、スイッチトランジスタ5や駆動トランジスタ6等を覆うように、気相成長法により絶縁膜を成膜する。その後、その絶縁膜をフォトリソグラフィー及びエッチングでパターニングする。これにより、その絶縁膜に複数の開口部12aを形成して、層間絶縁膜12を形成する。開口部12aの形成位置は各画素電極8aの中央部上とし、各開口部12a内において、画素電極8aの中央部を露出される。また、これら開口部12aとともに、図示しない走査線2の外部接続端子、ELパネル1の一辺に位置するデータドライバに接続するための各信号線3の外部接続端子(例えば、信号線3の端部)及び電圧供給線4の外部接続端子(例えば、電圧供給線4の端部)上において開口する複数のコンタクトホールを形成する。
【0073】
次いで、ポリイミド等の感光性樹脂を堆積後にその感光性樹脂を露光して、互いに平行な縞状のバンク13を形成する。この際、バンク13の側壁13aが画素電極8a上に位置するように、バンク13を形成する。なお、このバンク13は、上記外部接続端子を開口するコンタクトホール(図示せず)を露出している。
【0074】
以上の工程により、図14に示すように、各画素電極8aは層間絶縁膜12のそれぞれの開口部12a内において露出する。また、縞状のバンク13間の凹部内において複数の画素電極8aが露出しているとともに、これら画素電極8aがバンク13に沿って配列される。
【0075】
〔5−2〕塗布工程
塗布装置100を4台分セッティングする。この際、1台目の塗布装置100の液体タンク108内の液体120には、正孔注入層8bの材料(PEDOTとPSSの分散系溶液)を用いる。2台目の塗布装置100の液体タンク108内の液体120には、赤の発光層8cの材料を用いる。3台目の塗布装置100の液体タンク108内の液体120には、緑の発光層8cの材料を用いる。4台目の塗布装置100の液体タンク108内の液体120には、青の発光層8cの材料を用いる。
【0076】
次に、上述の〔5−1〕の工程により得られた基板10を1台目の塗布装置100のワークテーブル101上に載置する。この際、バンク13を主走査方向に沿わせるようにして、基板10をワークテーブル101上に載置する。
【0077】
次に、制御部119がマスフローコントローラ109の設定流量を設定する。これにより、供給管107c,107b,107aを流れる液体120の流量がマスフローコントローラ109によって一定の設定流量に制御される。
【0078】
次に、制御部119がキャリッジ105を作動させて、キャリッジ105が待機位置から基板10の上へ移動する。そして、キャリッジ105が基板10の上を主走査方向に移動する。その際、供給器116が作動しているので、液体タンク108内の液体120がノズルヘッド106へと送り出される。液体120が気液分離器130内を流通する際に、液体120が脱気される。供給管107c、107b、107aを流れる液体120の流量がマスフローコントローラ109によって一定の設定流量に制御される。そのため、キャリッジ105の移動中において、ノズルヘッド106のノズル孔168から液体120が連続的に吐出される。吐出された液体120が、隣り合うバンク13の間に塗布される。これにより、帯状の正孔注入層8bがその隣り合うバンク13の間に形成され、その隣り合うバンク13の間に配列された画素電極8aが正孔注入層8bによって覆われる。キャリッジ105が移動範囲の反対の端まで移動したら、キャリッジ105が制御部119によって停止される。そして、制御部119が移動装置102を制御し、ワークテーブル101及び基板10が移動装置102によって副走査方向に1画素分だけ移動され、その後、移動装置102が制御部119によって停止される。
次に、制御部119がキャリッジ105を作動させる。これにより、キャリッジ105が逆方向に移動するとともに、ノズルヘッド106のノズル孔168から液体120が連続的に吐出される。これにより、吐出された液体120からなる帯状の正孔注入層8bが形成される。
そして、キャリッジ105が移動範囲の反対の端まで移動したら、キャリッジ105が制御部119によって停止される。そして、制御部119が移動装置102を制御し、ワークテーブル101及び基板10が移動装置102によって副走査方向に1画素分だけ移動され、その後、移動装置102が制御部119によって停止される。
【0079】
以後、以上の動作が繰り返されることによって、吐出された液体120からなる帯状の正孔注入層8bが葛折り状に形成される。全ての画素電極8aが正孔注入層8bによって覆われ、正孔注入層8bが乾燥したら、基板10を2台目の塗布装置100のワークテーブル101上に移載する。そして、2台目の塗布装置100が同様に動作することによって、帯状の赤の発光層8cが正孔注入層8b上に形成される。ここで、ワークテーブル101及び基板10が移動装置102によって間欠的に副走査方向に移動されるが、その移動距離は3画素分である。
【0080】
次に、基板10を3台目の塗布装置100のワークテーブル101上に移載する。そして、3台目の塗布装置100が同様に動作することによって、帯状の緑の発光層8cが正孔注入層8b上に形成される。ここで、ワークテーブル101及び基板10が移動装置102によって間欠的に副走査方向に移動されるが、その移動距離は3画素分である。
【0081】
次に、基板10を4台目の塗布装置100のワークテーブル101上に移載する。そして、4台目の塗布装置100が同様に動作することによって、帯状の青の発光層8cが正孔注入層8b上に形成される。ここで、ワークテーブル101及び基板10が移動装置102によって間欠的に副走査方向に移動されるが、その移動距離は3画素分である。
【0082】
以上のようにして、全ての正孔注入層8b上に発光層8cが形成される。
【0083】
〔5−3〕塗布装置を使用した後の工程
全ての正孔注入層8b上に発光層8cを形成した後、対向電極8dを成膜し、対向電極8dによって発光層8c及びバンク13を被覆する。その後、ダイシングによりELパネル1を切り取る。
以上により、ELパネル1が完成する。
【0084】
〔6〕ELパネルの用途
塗布装置100を使用して製造されたELパネル1は、各種電子機器の表示パネルとして用いられる。
例えば、図15に示す携帯電話機200の表示パネル1aにELパネル1を適用することができる。また、図16、図17に示すデジタルカメラ300の表示パネル1bにELパネル1を適用することができる。また、図18に示すパーソナルコンピュータ400の表示パネル1cにELパネル1を適用することができる。
【符号の説明】
【0085】
100 塗布装置
108 タンク(液体貯留部)
106 ノズルヘッド(吐出部)
130 気液分離器
151 ハウジング
152 インデューサ
153 主羽根車
157 液体用アウトレット
158 排気アウトレット
180 加圧器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が貯留された液体貯留部と、
前記液体貯留部から送り出された前記液体の脱気を行う気液分離器と、
前記気液分離器で脱気されて前記気液分離器から送られた前記液体を吐出するノズル孔を有する吐出部と、を備えることを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
前記ノズル孔から前記液体を吐出させながら、前記液体を塗布する塗布対象物の該液体を塗布する塗布領域に沿って前記吐出部を相対的に移動させて、前記塗布領域に前記液体を塗布する移動部を備えることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記気液分離器で脱気された前記液体を加圧して前記ノズルに送る加圧器を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記気液分離器が、
前記液体貯留部から送り出された前記液体が流入し、前記液体中に含まれる気体を透過する気液分離膜が設けられた液室と、
前記気液分離膜を透過した気体が流入する減圧室と、
前記減圧室に接続されて該減圧室内の気体を吸引する減圧装置と、
を備えることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記気液分離器が、
前記液体貯留部から送り出された前記液体が流入し、複数の開口部を有する支持管と、
多孔質材からなり、前記支持管の周囲に巻き付けられて、前記液体中に含まれる気体を透過する脱気管と、
前記脱気管の周囲を囲って、前記脱気管を透過した気体が流入する減圧室と、
前記減圧室に接続されて該減圧室内の気体を吸引する減圧装置と、
を備えることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の塗布装置。
【請求項6】
前記気液分離器が、
前記液体貯留部から送り出された前記液体が流入するハウジングと、
前記ハウジング内に収容され、前記ハウジング内に流入した前記液体を遠心分離して前記液体の脱気をするインデューサと、
前記ハウジング内に収容され、前記インデューサによって脱気された前記液体の圧力を高める主羽根車と、
前記主羽根車によって圧力を高められた前記液体を排出して前記ノズルまで送るためのアウトレットと、
前記インデューサによって前記液体から分離された気体を排出する排気アウトレットと、を有し、
前記主羽根車と前記インデューサが独立して回転することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の塗布装置。
【請求項7】
液体貯留部に貯留された液体を気液分離器に送るステップと、
前記気液分離器に供給された前記液体を、該前記気液分離器において脱気するステップと、
前記気液分離器で脱気した前記液体を、該液体を吐出するノズル孔を有する吐出部に送るステップと、
前記液体を塗布する塗布対象物の該液体を塗布する塗布領域に向けて、前記吐出部の前記ノズル孔からに向けて前記液体を連続的に吐出させながら、前記吐出部を前記塗布領域に対して相対的に移動させて、前記塗布領域に前記液体を塗布するステップと、
を含むことを特徴とする塗布方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2011−45833(P2011−45833A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196288(P2009−196288)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】