説明

塗膜測定装置及び塗膜測定方法

【課題】被塗布物の塗布面が凹凸面であり、該塗布面への塗布剤の塗布状態を簡易な構成で測定することのできる塗膜測定装置及び塗膜測定方法を提供する。
【解決手段】本塗膜測定装置1は、投光器5及び受光器7を有し、該投光器5と受光器7とが互いに近接・遠退自在に移動及び固定可能な測定ユニット11を備えているので、金型20の塗布面2〜4が凹凸面であった場合、該塗布面2〜4への離型剤21の塗布状態を容易に測定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被塗布物、例えば金型の塗布面が凹凸面であり、該塗布面への塗膜剤、例えば離型剤の塗膜状態を測定する塗膜測定装置及び塗膜測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般の塗膜測定方法では、被塗布物がシリコンウエハやフラットパネル等で、その塗布面が凹凸面ではなく、ほとんど凹凸変化の無い平らな面上の塗布剤の膜厚を測定対象としており、塗布面が凹凸面であっても、塗布剤の膜厚等の塗布状態を簡易な構成及び方法で測定できる技術が現在までに提案されていない。
【0003】
そこで、金型上の離型剤の膜厚を測定する従来技術として、特許文献1には、赤外線画像装置により得られた測定対象ポイントの放射輝度と、2色放射温度計により測定された真温度により得られた測定対象ポイントの黒体放射輝度とから測定対象ポイントの放射率を求める放射率算出工程と、予め設定された金型上の離型剤の放射率−膜厚特性に放射率算出工程で求めた放射率を適用することにより離型剤の膜厚を求める膜厚算出工程と、からなるを膜厚測定方法が開示されている。
【特許文献1】特開2005−188994号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の発明では、測定対象ポイントが凹凸面上の多点に及ぶ場合には、各測定対象ポイントの真温度を検出すべく2色放射温度計を順次正確に配置して、各測定対象ポイントの黒体放射輝度を求め、2色放射温度計により得られた各測定対象ポイントの黒体放射輝度と、赤外線画像装置により得られた各測定対象ポイントの放射輝度とから放射率を求めて、放射率に基いて各測定対象ポイントの膜厚を測定する必要があり、測定方法が非常に煩雑で、しかも、測定装置が非常に複雑である。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、被塗布物の塗布面が凹凸面であり、該塗布面への塗布剤の塗布状態を簡易な構成及び方法で測定することのできる塗膜測定装置及び塗膜測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、特に、本発明の塗膜測定装置は、投光器及び受光器を有し、該投光器と受光器とが互いに近接・遠退自在に移動及び固定可能な測定ユニットを備えていることを特徴としている。
これにより、測定ユニットと対向する測定面との距離が相違する場合、投光器と受光器とを近接・遠退させることにより、各測定面において、投光器からの反射光強度が最大となる投光器と受光器との間の距離をそれぞれ設定できるので、例えば、被塗布物の塗布面が凹凸面であった場合、該塗布面への塗布剤の塗布状態を容易に測定することが可能になった。
なお、本発明の塗膜測定装置及び塗膜測定方法の各種態様およびそれらの作用については、以下の(発明の態様)の項において詳しく説明する。
【0007】
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等に参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要件を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項〜(3)項及び(5)項の各々が、請求項1〜4の各々に相当し、(7)項及び(8)項の各々が、請求項5及び6の各々に相当する。
【0008】
(1)被塗布物の塗布面における塗布剤の塗膜状態を測定する塗膜測定装置であって、該塗膜測定装置は、投光器及び受光器を有し、該投光器と受光器とが互いに近接・遠退自在に移動及び固定可能な測定ユニットを備えていることを特徴とする塗膜測定装置。
従って、(1)項の塗膜測定装置では、測定ユニットと対向する測定面との距離が相違する場合、投光器と受光器とを近接・遠退させることにより、各測定面において、投光器からの反射光強度が最大となる投光器と受光器との間の距離をそれぞれ設定できるので、例えば、被塗布物の塗布面が凹凸面である場合、該塗布面への塗布剤の塗布状態を容易に測定することが可能になる。
すなわち、塗布剤の塗布前に、投光器からの反射光強度が最大になる投光器と受光器との距離を、被塗布物の塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいて導いておき、塗布剤の塗布後、被塗布物の塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいて、投光器と受光器とを、予め導いた投光器からの反射光強度が最大となる距離で離間させて配置した後、反射光強度を測定して、被塗布物の凹面及び凸面のそれぞれにおける各最大反射光強度(塗布前)と各反射光強度(塗布後)とを対比することにより、塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおける塗布剤の塗膜状態を測定することができる。
【0009】
(2)前記測定ユニットは、前記塗布面から間隔をあけた位置を該塗布面に沿って移動及び固定可能に構成されることを特徴とする(1)項に記載の塗膜測定装置。
従って、(2)項の塗膜測定装置では、測定ユニットを凹凸状の塗布面に沿って移動させることで、塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいてその塗膜状態を容易に測定することができる。
【0010】
(3)前記投光器と受光器とは、互いに直線的に近接・遠退自在に移動可能であることを特徴とする(1)項または(2)項に記載の塗膜測定装置。
(4)前記投光器と受光器とは、リニアガイドにより連結されることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれかに記載の塗膜測定装置。
従って、(3)項及び(4)項の塗膜測定装置では、投光器と受光器とは、互いに直線的に近接・遠退自在に移動される。
【0011】
(5)前記投光器及び受光器は、前記塗布面に対する投光方向及び受光方向が一定であることを特徴とする(1)項〜(4)項のいずれかに記載の塗膜測定装置。
従って、(5)項の塗膜測定装置では、塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいて、投光器と受光器との間の距離を変化させることにより、投光器からの反射光強度が最大となる投光器と受光器との距離を容易に導くことができる。
【0012】
(6)前記被塗布物は金型で、前記塗膜剤は離型剤であることを特徴とする(1)項〜(5)項いずれかに記載の塗膜測定装置。
従って、(6)項の塗膜測定装置では、金型の塗布面が凹凸面であった場合、該塗布面に塗布された離型剤の塗布状態を測定することができる。
【0013】
(7)(1)項〜(6)項のいずれかに記載の塗膜測定装置を利用して、被塗布物の塗布面における塗布剤の塗膜状態を測定する塗膜測定方法であって、前記塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいて、投光器からの反射光強度が最大となる投光器と受光器との間の距離をそれぞれ導く第1ステップと、前記塗布面に塗布剤が塗布処理された後、前記塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいて、投光器と受光器とを前記第1ステップで導いた距離で離間させて配置した後、前記塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおける反射光強度を測定する第2ステップと、前記塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいて、前記第2ステップにて測定された各反射光強度と、前記第1ステップにて測定された各最大反射光強度とを対比して、前記塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおける塗膜の有無を判定する第3ステップと、からなることを特徴とする塗膜測定方法。
従って、(7)項の塗膜測定方法では、まず、第1ステップでは、被塗布物の塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいて、投光器と受光器とを近接・遠退させることで、投光器からの反射光強度が最大となる投光器と受光器との間の距離を予め導いておく。
次に、第2ステップでは、塗布面に塗布剤が塗布処理された後、塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいて、投光器と受光器とを第1ステップで設定した距離で配置し、投光器からの反射光強度をそれぞれ測定する。
次に、第3ステップでは、塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいて、第2ステップにて測定された各反射光強度(塗布後)と、第1ステップで測定された各最大反射光強度(塗布前)とを対比し、塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおける塗膜の有無を判定する。すなわち、反射光強度が最大反射光強度と同等であれば塗膜が形成されていないと判定され、反射光強度が最大反射光強度よりも低ければ塗膜が正常に形成されていると判定される。
【0014】
(8)前記第3ステップでは、前記塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいて、前記第2ステップにて測定された各反射光強度と、前記第1ステップにて測定された各最大反射光強度との差から前記塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおける膜厚を算出することを特徴とする(7)項に記載の塗膜測定方法。
従って、(8)項の塗膜測定方法では、第3ステップでは、塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいて、第2ステップにて測定された各反射光強度(塗布後)と第1ステップで測定された各最大反射光強度(塗布後)との差を、予め作成した最大反射強度と反射光強度との差に対する膜厚の特性マップに対比させることで、塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおける膜厚を算出することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、被塗布物の塗布面が凹凸面であり、該塗布面への塗布剤の塗布状態を簡易な構成及び方法で測定することのできる塗膜測定装置及び塗膜測定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1及び図2に基いて詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る塗膜測定装置1は、金型(被塗布物)20の塗布面2〜4が、例えば、図1に示すような階段状の凹凸面である場合、該塗布面2〜4上の離型剤(塗布剤)21の塗布状態を容易に測定できるものである。
すなわち、本実施の形態に係る塗膜測定装置1は、図1に示すように、投光器5を支持する投光器側支持体6と、受光器7を支持する受光器側支持体8とがリニアガイド10により連結され、投光器5と受光器7とが近接・遠退自在に移動及び固定可能に構成される測定ユニット11を備えている。
また、測定ユニット11は、金型20の塗布面2〜4、すなわち凹凸面の一平面から所定間隔をあけた位置を、(1)〜(3)それぞれの範囲の塗布面2〜4と対向できる方向(図1の矢印方向)に移動可能で、且つ塗布面2〜4のそれぞれと対向できる位置に固定可能に構成されている。
【0017】
投光器5は、図1に示すように、(1)〜(3)それぞれの範囲の塗布面2〜4に対する投光方向が一定になるように投光器側支持体6に固定されており、一方、受光器7も、投光器5と同様に、(1)〜(3)それぞれの範囲の塗布面2〜4に対する受光方向が一定になるように受光器側支持体8に固定されている。
また、投光器側支持体6と受光器側支持体8とはリニアガイド10により連結されており、これら投光器側支持体6と受光器側支持体8とは、リニアガイド10に沿って互いに直線的に近接・遠退自在に移動可能に構成される。また、投光器側支持体6と受光器側支持体8とは互いに近接・遠退自在に移動した後、所望の位置で固定可能に構成される。
これにより、投光器5と受光器7とは、互いに直線的に近接・遠退自在に移動可能で、且つ所望の位置で固定可能に構成される。
【0018】
次に、金型20の塗布面2〜4が、図1に示すような階段状の凹凸面である場合、本発明の実施の形態に係る塗膜測定装置1を利用して、金型20の塗布面2〜4上の離型剤21の塗膜状態を測定する塗膜測定方法を説明する。
なお、金型20の塗布面2〜4は、(2)の範囲の塗布面3が(1)の範囲の塗布面2よりも測定ユニット11側に近づいており、さらに、(3)の範囲の塗布面4が(2)の範囲の塗布面3よりも測定ユニット11側に近づいている。
【0019】
第1ステップでは、図1に示すように、(1)の範囲の塗布面2において、投光器5と受光器7とを近接・遠退自在に移動させることで、投光器5からの反射光強度が最大となる投光器5と受光器7との距離Lを導き、また、(1)の範囲の塗布面2における最大反射光強度を記憶しておく。続いて、測定ユニット11を(2)及び(3)の範囲の塗布面3及び4側(図1の矢印方向)に順次移動させて、(2)及び(3)の範囲の塗布面3及び4において、(1)の範囲の塗布面2の場合と同様に、投光器5からの反射光強度が最大となる投光器5と受光器7との距離M及びNを導き、また、(2)及び(3)の範囲の塗布面3及び4における最大反射光強度をそれぞれ記憶しておく。
なお、当然ではあるが、(2)の範囲の塗布面3が(1)の範囲の塗布面2よりも測定ユニット11側に近づいているために、投光器5と受光器7との間の距離は、(2)の範囲での距離Mが(1)の範囲での距離Lよりも短くなる。また、(3)の範囲の塗布面4が(2)の範囲の塗布面3よりも測定ユニット11側に近づいているために、投光器5と受光器7との間の距離は、(3)の範囲での距離Nが(2)の範囲での距離Mよりも短くなる。
【0020】
次に、金型20の塗布面2〜4に離型剤21が塗布された後、図2に示すように、第2ステップでは、(1)の範囲の塗布面2において、投光器5と受光器7とを、前記第1ステップで求めた距離Lで離間させて配置し、投光器5からの反射光強度を測定する。続いて、測定ユニット11を、(2)及び(3)の範囲の塗布面3及び4側(図2の矢印方向)に順次移動させて、(2)及び(3)の範囲の塗布面3及び4において、(1)の範囲の塗布面2の場合と同様に、投光器5と受光器7とを、前記第1ステップで求めた距離M及びNで離間させて配置し、投光器5からの反射光強度をそれぞれ測定する。
【0021】
次に、第3ステップでは、(1)〜(3)それぞれの範囲の塗布面2〜4において、第2ステップで測定された各反射光強度を、第1ステップで記憶させた各最大反射光強度に対比させて(1)〜(3)それぞれの範囲の塗布面2〜4の離型剤21の塗布状態を判定する。すなわち、(1)〜(3)それぞれの範囲の塗布面2〜4において、反射光強度が最大反射光強度と略一致しているならば塗膜が形成されていないと判定され、一方、反射光強度が最大反射光強度よりも低い値を示していれば塗膜が形成されていると判定される。
【0022】
また、第3ステップでは、(1)〜(3)それぞれの範囲の塗布面2〜4において、第2ステップで測定された各反射光強度と、第1ステップで記憶された各最大反射光強度との差を演算し、その演算結果を、予め作成した最大反射光強度と反射光強度との差に対する膜厚の特性マップに対比することにより、(1)〜(3)それぞれの範囲の塗布面2〜4における膜厚を算出することができる。
【0023】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、本塗膜測定装置1は、投光器5及び受光器7を有し、投光器5と受光器7とが互いに近接・遠退自在に移動及び固定可能に構成された測定ユニット11を備えているので、測定ユニット11と対向する測定面(塗布面2〜4に相当)との距離が相違する場合、投光器5と受光器7とを近接・遠退させることにより、各測定面において、投光器5からの反射光強度が最大となる投光器5と受光器7との間の距離をそれぞれ設定することができる。これにより、金型20の塗布面2〜4が凹凸面であった場合でも、前記第1ステップ〜第3ステップからなる本塗膜測定方法を適用することで、凹凸面の塗布面2〜4への離型剤21の塗布状態を容易に測定することが可能となる。
【0024】
このように、本塗膜測定装置1では、投光器5と受光器7とが互いに近接・遠退自在に移動及び固定可能な測定ユニット11を備えたことに大きな特徴を有している。
これに対して、測定ユニット11に投光器5と受光器7とが固定されている構成を採用し、金型20の塗布面2〜4における離型剤21の塗膜状態を、上述したような塗布前の最大反射光強度と塗布後の反射光強度とを対比させることで測定しようとすると、測定ユニット11を、(1)〜(3)の範囲の塗布面2〜4に沿う方向に移動させ、さらに、(1)〜(3)の範囲の塗布面2〜4と直交する方向にも移動させなければならず、測定ユニット11の移動方向が多方向で、その位置精度を確保することが困難となり、所定位置へ移動させる際の再現性が極めて低くなる。しかも、このような形態であると、(1)〜(3)の範囲の塗布面2〜4と直交する方向に大きな空間が必要になるために使用環境も制限されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本塗膜測定装置を模式的に示し、本塗膜測定方法の第1ステップを説明するための図である。
【図2】図2は、本塗膜測定方法の第2ステップを説明するための図である。
【符号の説明】
【0026】
1 塗膜測定装置,2〜4 塗布面,5 投光器,7 受光器,10 リニアガイド,11 測定ユニット,20 金型(被塗布物),21 離型剤(塗布剤)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被塗布物の塗布面における塗布剤の塗膜状態を測定する塗膜測定装置であって、
該塗膜測定装置は、投光器及び受光器を有し、該投光器と受光器とが互いに近接・遠退自在に移動及び固定可能な測定ユニットを備えていることを特徴とする塗膜測定装置。
【請求項2】
前記測定ユニットは、前記塗布面から間隔をあけた位置を該塗布面に沿って移動及び固定可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の塗膜測定装置。
【請求項3】
前記投光器と受光器とは、互いに直線的に近接・遠退自在に移動可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の塗膜測定装置。
【請求項4】
前記投光器及び受光器は、前記塗布面に対する投光方向及び受光方向が一定であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗膜測定装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の塗膜測定装置を利用して、被塗布物の塗布面における塗布剤の塗膜状態を測定する塗膜測定方法であって、
前記塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいて、投光器からの反射光強度が最大となる投光器と受光器との間の距離をそれぞれ導く第1ステップと、
前記塗布面に塗布剤が塗布処理された後、前記塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいて、投光器と受光器とを前記第1ステップで導いた距離で離間させて配置した後、前記塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおける反射光強度を測定する第2ステップと、
前記塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいて、前記第2ステップにて測定された各反射光強度と、前記第1ステップにて測定された各最大反射光強度とを対比して、前記塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおける塗膜の有無を判定する第3ステップと、
からなることを特徴とする塗膜測定方法。
【請求項6】
前記第3ステップでは、前記塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおいて、前記第2ステップにて測定された各反射光強度と、前記第1ステップにて測定された各最大反射光強度との差から前記塗布面の凹面及び凸面のそれぞれにおける膜厚を算出することを特徴とする請求項5に記載の塗膜測定方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−268060(P2008−268060A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−112833(P2007−112833)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】