説明

増幅器、及び通信装置

【課題】 少ない回路規模で位相特性を補償できる増幅器及び通信装置を提供する。
【解決手段】 正相入力信号を増幅して正相出力信号を生成し、逆相入力信号を増幅して逆相出力信号を生成する増幅器であって、正相入力信号を増幅して第1正相信号を生成し、逆相入力信号を増幅して第1逆相信号を生成する第1増幅回路と、正相入力信号を増幅して第2正相信号を生成し、逆相入力信号を増幅して第2逆相信号を生成する第1増幅部と、正相入力信号を増幅して第3正相信号を生成し、逆相入力信号を増幅して第3逆相信号を生成する第2増幅部を有する第2増幅回路と、を備え、正相出力信号が、第1正相信号と第2正相信号との和であり、逆相出力信号が第1逆相信号と第2逆相信号との和である、又は正相出力信号が、第1正相信号と第3逆相信号の和であり、逆相出力信号が第1逆相信号と第3正相信号との和であることを特徴とする増幅器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅器、及び無線装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
可変利得増幅器は利得変化に伴って位相特性が変化する。従来は、可変利得増幅器に補正回路を追加することで、可変利得増幅器の位相特性を補償していた(特許文献1参照。)。補正回路の位相特性を可変利得増幅器の位相特性と逆になるようにしている。可変利得増幅器の利得に応じて補正回路の位相特性を変化させることで、可変利得増幅器の利得変化によらず、位相特性を一定にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3214463号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に開示される方法では、可変利得増幅器にさらに補正回路を設ける必要があり、回路規模が大きくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、少ない回路規模で位相特性を補償できる増幅器及び通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によると、正相入力信号を増幅して正相出力信号を生成し、逆相入力信号を増幅して逆相出力信号を生成する増幅器であって、前記正相入力信号を増幅して第1正相信号を生成し、前記逆相入力信号を増幅して第1逆相信号を生成する第1増幅回路と、前記正相入力信号を増幅して第2正相信号を生成し、前記逆相入力信号を増幅して第2逆相信号を生成する第1増幅部と、前記正相入力信号を増幅して第3正相信号を生成し、前記逆相入力信号を増幅して第3逆相信号を生成する第2増幅部を有する第2増幅回路と、を備え、前記正相出力信号が、前記第1正相信号と前記第2正相信号との和であり、前記逆相出力信号が前記第1逆相信号と前記第2逆相信号との和である、又は、前記正相出力信号が、前記第1正相信号と前記第3逆相信号の和であり、前記逆相出力信号が前記第1逆相信号と前記第3正相信号との和であることを特徴とする増幅器を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、少ない回路規模で位相特性を補償できる増幅器及び通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る増幅器100を示す図。
【図2】第1の実施形態に係る第1増幅回路101の一例を示す。
【図3】第1の実施形態に係る第2増幅回路104の一例を示す図。
【図4】第1の実施形態に係る増幅器200を示す図。
【図5】第1の実施形態に係る第1増幅回路201に生じる寄生容量及び出力抵抗を示す図。
【図6】第2の実施形態に係る増幅器300を示す図。
【図7】第2の実施形態に係る第2増幅回路304を示す図。
【図8】第3の実施形態に係る増幅器400を示す図。
【図9】第3の実施形態に係る第2増幅回路404を示す図。
【図10】第4の実施形態に係る増幅器500を示す図。
【図11】第5の実施形態に係る通信装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る増幅器100を示す図である。本実施形態に係る増幅器100は、正相入力信号を増幅して正相出力信号を生成し、逆相入力信号を増幅して逆相出力信号を生成する。増幅器100は、正相入力信号を増幅して第1正相信号を生成し、逆相入力信号を増幅して第1逆相信号を生成する第1増幅回路101を有している。また増幅器100は、正相入力信号を増幅して第2正相信号を生成し、逆相入力信号を増幅して第2逆相信号を生成する第1増幅部102と、正相入力信号を増幅して第3正相信号を生成し、逆相入力信号を増幅して第3逆相信号を生成する第2増幅部103とを有する第2増幅回路104を備えている。
【0011】
増幅器100は、正相入力端子Vin+から正相入力信号が、逆相入力端子Vin−から逆相入力信号が入力されると、第1正相信号と第2正相信号の和、または第1正相信号と第3逆相信号の和のどちらかを正相出力端子Io+から出力する。また増幅器100は、第1逆相信号と第2逆相信号の和、または第1逆相信号と第3正相信号の和のどちらかを逆相出力端子Io−から出力する。
【0012】
つまり、第2増幅回路104の第1増幅部102の正相出力端子は、増幅器100の正相出力端子Io+に、第1増幅部102の逆相出力端子は、増幅器100の逆相出力端子Io−に接続される。一方、第2増幅部103の正相出力端子は、増幅器100の逆相出力端子Io−に、第2増幅部103の逆相出力端子は、増幅器100の正相出力端子Io+に接続される。
【0013】
増幅回路104には、制御部105から制御信号が入力される。本実施形態では、増幅器100が制御部105を有する構成を示しているが、制御部105を増幅器100の外部に設けてもよい。増幅回路104は、制御信号に従い、第1,2増幅部102,103の一方をオン(動作状態)とし、他方をオフ(停止状態)とする。
【0014】
続いて、各部の詳細について説明する。図2に、第1増幅回路101の一例を示す。第1増幅回路101は、第1,2トランジスタM1,M2を有する第1トランジスタ対111と、第1電流源112とを有するトランスコンダクタンス増幅回路である。
【0015】
第1トランジスタM1は、ゲート端子が正相入力端子Vi+に、ドレイン端子が正相出力端子Io+に、ソース端子が第1電流源112に接続されている。第2トランジスタM2はゲート端子が逆相入力端子Vi−に、ドレイン端子が逆相出力端子Io−に、ソース端子が第1電流源112に接続されている。第1電流源112は、一端が第1,2トランジスタM1,M2のソース端子にそれぞれ接続され、他端が接地されており、第1,2トランジスタM1,M2に電流を供給する。
【0016】
第1増幅回路101は、トランスコンダクタンス値gm1と出力抵抗値R1を有し、トランスコンダクタンス値gm1で決まる利得で正相入力信号及び逆相入力信号を増幅し、第1正相信号及び第1逆相信号を出力する。
【0017】
図3に第2増幅回路104の一例を示す。第2増幅回路104の第1増幅部102は、第1,2トランジスタM1,M2を有する第2トランジスタ対121と、第2電流源122とを有している。第2増幅部103は、第1,2トランジスタM1,M2を有する第3トランジスタ対131と、第3電流源132とを有している。
【0018】
第1増幅部102の第1トランジスタM1は、ゲート端子が正相入力端子Vi+に、ドレイン端子が正相出力端子Io+に、ソース端子が第2電流源122に接続されている。第2トランジスタM2はゲート端子が逆相入力端子Vi−に、ドレイン端子が逆相出力端子Io−に、ソース端子が第2電流源122に接続されている。第2電流源122は、一端が第1,2トランジスタM1,M2のソース端子にそれぞれ接続され、他端が接地されており、第1,2トランジスタM1,M2に電流を供給する。また、第2電流源122は、反転制御信号に従ってオンまたはオフとなる。
【0019】
第1増幅部102は、トランスコンダクタンス値gm2と出力抵抗値R2を有し、トランスコンダクタンス値gm2で決まる増幅率で正相入力信号及び逆相入力信号を増幅し、第2正相信号及び第2逆相信号を出力する。
【0020】
第2増幅部103の第1トランジスタM1は、ゲート端子が正相入力端子Vi+に、ドレイン端子が逆相出力端子Io−に、ソース端子が第3電流源132に接続されている。第2トランジスタM2はゲート端子が逆相入力端子Vi−に、ドレイン端子が正相出力端子Io+に、ソース端子が第3電流源132に接続されている。第3電流源132は、一端が第1,2トランジスタM1,M2のソース端子にそれぞれ接続され、他端が接地されており、第1,2トランジスタM1,M2に電流を供給する。また、第3電流源132は、制御信号に従ってオンまたはオフとなる。
【0021】
第2増幅部103は、第1増幅部102と等しいトランスコンダクタンス値gm2と出力抵抗値R2を有し、トランスコンダクタンス値gm2で決まる増幅率で正相入力信号及び逆相入力信号を増幅し、第3正相信号及び第3逆相信号を出力する。
【0022】
制御部105は、第2電流源122又は第3電流源132のどちらか一方をオンとし他方をオフとする制御信号を生成する。例えば図1に示すように、制御部105は、制御信号生成部106とインバータ107を有している。制御部105は、増幅器100の利得を制御する。制御信号生成部106は、第3電流源132をオン又はオフする制御信号を生成する。インバータ107は、制御信号を反転することで反転制御信号を生成する。つまり、インバータ107は、第3電流源132をオンする制御信号に対して第2電流源122をオフする反転制御信号を、第3電流源132をオフする制御信号に対して第2電流源122をオンする反転制御信号を生成する。制御部105は、制御信号生成部106が生成した制御信号を直接第3電流源132に、インバータ107を介して第2電流源122に出力することで、第2,3電流源122,132を排他的に制御する。これにより、第2増幅回路104は、第2正相信号及び第2逆相信号、又は第3正相信号及び第3逆相信号のいずれか一方を出力する。制御信号生成部106は、増幅器100の利得を変化させる場合に制御信号を生成する。
【0023】
図1に戻る。本実施形態では、第1増幅回路101のトランスコンダクタンス値gm1を、第1,2増幅部102,103のトランスコンダクタンス値gm2の3倍とする。つまり、gm2=3*gm1とする。従って、第1増幅回路101から得られる第1正相/逆相信号は、第1,2増幅部102,103から得られる第2,3正相/逆相信号の3倍の大きさをもつ信号となる。
【0024】
第1増幅回路101から得られる第1正相/逆相信号は出力正相/逆相端子に供給される。また第2増幅回路104から得られる信号も出力正相/逆相端子に供給される。出力正相/逆相端子から出力される出力正相/逆相信号は、第1,2増幅回路101,104が増幅した各信号の和となる。
【0025】
まず、第2増幅回路104の第2電流源122がオンであり、第3電流源132がオフである場合、即ち、第1増幅部102がオンであり第2増幅部103がオフである場合を考える。この場合、第2増幅回路104からは第2正相/逆相信号が得られる。第2正相信号は正相出力端子に供給され、第2逆相信号は逆相出力端子に供給される。また、第1正相信号は正相出力端子に供給され、第1逆相信号は逆相出力端子に供給される。従って、第1正相信号と第2正相信号の和が正相出力信号として出力され、第1逆相信号と第2逆相信号の和が逆相出力信号として出力される。
【0026】
ここで第2増幅回路104から得られる第2正相/逆相信号の大きさをIとすると、第1増幅回路101から得られる第2正相/逆相信号の大きさは3*Iとなる。この場合、第1正相/逆相信号と第2正相/逆相信号の同相同士を足し合わせたものが出力正相/逆相信号となるので、出力正相/逆相信号の大きさは、3*I+I =4*Iとなる。
【0027】
また、第2増幅回路104の第2電流源122がオフであり、第3電流源132がオンである場合、即ち、第1増幅部102がオフであり第2増幅部103がオンである場合を考える。この場合、第2増幅回路104からは第3正相/逆相信号が得られる。第3正相信号は逆相出力端子に供給され、第3?逆相信号は正相出力端子に供給される。また、第1正相信号も正相出力端子に供給され、第1逆相信号も逆相出力端子に供給される。第1正相信号と第3逆相信号の和が正相出力信号として出力される。また第1逆相信号と第3逆相信号の和が逆相出力信号として出力される。
【0028】
ここで第2増幅回路104第3正相/逆相信号の大きさは、第2正相/逆相信号の大きさと同じIとなる。また、第1正相/逆相信号の大きさは、3*Iとなる。この場合、第1正相/逆相信号と第3正相/逆相信号の逆相同士を足し合わせたものが出力正相/逆相信号となるので、出力正相/逆相信号の大きさは、3*I−I =2*Iとなる。
【0029】
以上のように、第2増幅回路104の出力信号を交互に切り替えることで利得の異なる出力正相/逆相信号を出力可能な増幅器100を実現できる。
【0030】
増幅器100の位相特性は、各増幅回路の寄生容量や、出力抵抗値の影響によって変化する。つまり、第1,2増幅回路101,104の寄生容量や出力抵抗値が変化すると位相特性が変化し、入力正相/逆相信号を入力してから出力正相/逆相信号が得られるまでの時間(遅延時間)が変化する。
【0031】
本実施形態に係る増幅器100は、第2増幅回路104が有する第2,3電流源122,132のオンオフを切り替えることで、第2増幅回路104から出力する信号を切り替え、利得の異なる出力正相/逆相信号を出力する。一方、図4に示すようにスイッチを用いて利得の異なる出力正相/逆相信号を出力する増幅器200を構成することもできる。
【0032】
まず、図4のように単純にスイッチを用いて利得を調整する増幅器200の位相特性について説明する。
【0033】
図4に示す増幅器200は、正相/逆相入力信号を増幅して正相/逆相出力信号を生成する。増幅器200は、正相/逆相入力信号を増幅して第1正相/逆相信号を出力する第1増幅回路201と、正相/逆相入力信号を増幅して第2正相/逆相信号を生成する第2増幅回路204とを有する。第2増幅回路204は、第1増幅部202とスイッチ206を有している。スイッチ206は、第1増幅部の正相/逆相出力端子と、増幅器200の正相/逆相出力端子Io+,Io−との間に設けられている。スイッチ206は、制御部205の指示に従いオンオフする。スイッチ206がオフの場合、第2増幅回路204は第2正相/逆相信号を出力しないため、増幅器200の出力正相/逆相信号は第1正相/逆相信号のみとなる。一方、スイッチ206がオンの場合、第2増幅回路204は第2正相/逆相信号を出力するので、増幅器200の出力正相信号は第1正相信号と第2正相信号との和となり、出力逆相信号は第1逆相信号と第2逆相信号との和となる。また、正相出力端子Io+と逆相出力端子Io−との間には負荷抵抗RLが接続される。
【0034】
ここで、増幅器200の伝達関数を計算する。まず、第1増幅回路201及び第2増幅回路204の第1増幅部202に図5に示すような寄生容量及び出力抵抗が生じるものとする。即ち、第1増幅回路201、第1増幅部202には入力正相/逆相端子Vi+,Vi−側に寄生容量Cp1が、出力正相/逆相端子Io+,Io−側に寄生容量Cp2が生じる。第1増幅回路201、第1増幅部202には出力抵抗Routが生じる。
【0035】
まず、スイッチ206がオフのときの伝達関数を考える。この時、増幅器200の出力正相/逆相端子間につながるインピーダンスZout1は、
【数1】

【0036】
で表される。電圧利得A1はインピーダンスZout1に第1増幅回路201のトランスコンダクタンス値gmを掛けることで求められる。
【数2】

【0037】
式2から直流利得ADC1と、遮断角周波数ωp1を計算すると、それぞれ
【数3】

【0038】
と求められる。
【0039】
次に、スイッチ206がオンの場合の伝達関数を求める。この時、出力正相/逆相端子間につながるインピーダンスZout2は、
【数4】

【0040】
で表される。電圧利得A2は、出力インピーダンスZout2に、第1増幅回路201、第1増幅部202のトランスコンダクタンス値gmを掛けることで求められる。
【数5】

【0041】
式5から直流利得ADC2と遮断角周波数ωp2を計算すると、それぞれ
【数6】

【0042】
と求められる。ここで、式(3),(6)で表される直流利得(ADC1,ADC2) と遮断周波数(ωp1,ωp2) をそれぞれ比較する。第1増幅回路201と第1増幅部202のトランスコンダクタンス値が同じgmであるとしているので、増幅器200が理想的に動作すると、スイッチ206をオンにした場合の直流利得はオフの場合の2倍、つまり2ADC1 = ADC2が成り立つ必要がある。しかし、式(3),(6)から明らかなように2ADC1 = ADC2が成り立たせるためには、Rout→∞とする必要があり、2ADC1 ≒ADC2にする場合でもRout を負荷抵抗RL に比べて十分高くする必要がある。Rout を高くするためには、カスコード接続や、負帰還を使用する必要があり、回路規模や消費電流が増加してしまう。
【0043】
次に、遮断周波数を計算する。ここでは、説明を簡単にするために出力抵抗Routが十分高いと仮定し、Rout →∞として遮断周波数の比較を行う。Rout →∞とした場合の遮断周波数を計算すると、式(3),(6)はそれぞれ
【数7】

【0044】
と表される。極を1つのみ有する系では、帯域内の信号遅延時間は近似的に極の角周波数の逆数で表される。従って式(7)から、スイッチ206をオンした場合とオフした場合とで位相特性が変動していることが分かる。
【0045】
上記の説明では、増幅器200を例に、トランスコンダクタンス増幅回路の寄生容量や出力抵抗など非理想的要因が増幅器200の直流利得および極の角周波数におよぼす影響を述べた。増幅器利得可変精度や、帯域幅によっては、非理想的要因の影響の考慮は必要でないが、高精度で広い帯域を有する増幅器では潜在的に非理想的要因の影響を受けない増幅器が必要である。
【0046】
次に、本実施形態に係る増幅器100の位相特性について説明する。図1の増幅器100の第1増幅回路101、第1,2増幅部102,103でも図5に示すような寄生容量及び出力抵抗が生じるものとする。第1増幅回路101 は、第1,2増幅部102,103 と比べて3倍のトランスコンダクタンス値を持つため、図5中の寄生容量を3倍、出力抵抗を1/3 に変更した等価回路を用いて直流利得と遮断角周波数を計算する。
【0047】
まず、図1の回路に負荷抵抗RL を追加した場合の、出力インピーダンスZout3を計算する。増幅器100は、第2,3電流源122,132のどちらをオンにしてもオフにしても、出力正相/逆相端子には、第1増幅回路101と、第1,2増幅部102,103のどちらか一方とが接続されている。従って、増幅器100の利得が変化しても、増幅器100の出力正相/逆相端子に繋がる寄生容量および出力抵抗の値は変化しない。出力正相/逆相端子間に繋がるインピーダンスZout3 は
【数8】

【0048】
で表される。増幅器100のトランスコンダクタンス値は、第2電流源122がオンの場合は、3gm+gm=4gmとなる。また第3電流源132がオンの場合は3gm−gm=2gmとなる。つまり第2,3電流源122,132のいずれか一方がオンになると2倍又は1/2倍に変化する。また、トランスコンダクタンス値にはsが含まれないため、出力インピーダンス値Zout3が利得によらず変化しなければ、位相特性も変化しない。つまり、増幅器100では第1増幅回路102、第1,2増幅部102,103のトランスコンダクタンス値だけで利得が決まるため、正確な利得可変が可能であり、位相特性も利得によらず一定にできる。
【0049】
以上のように、本実施形態に係る増幅器100は、第2増幅回路104が第1,2増幅部102,103を備え、制御部105が第2増幅回路104を制御することで、第1正相信号と第2正相信号の和、または第1正相信号と第3逆相信号の和のどちらかを正相出力端子Io+から出力する、あるいは第1逆相信号と第2逆相信号の和、または第1逆相信号と第3正相信号の和のどちらかを逆相出力端子Io−から出力することができる。このように、スイッチ206を設けず、正相/逆相信号の和を用いて利得を変化させることで、出力正相/逆相端子には第1,2増幅部102,103のどちらかが必ず接続されることになり、位相特性も利得によらず一定にできる。従って、増幅器100は補正回路を用いなくとも位相特性を一定にすることができ、少ない回路規模で位相特性を補償することができる。
【0050】
(第2の実施形態)
図6を用いて本実施形態に係る増幅器300を説明する。本実施形態に係る増幅器300は、第2増幅回路304、制御部305の構成及び動作が図1の増幅器100と異なる。図6に示すように、制御部305は、制御信号を生成し第2増幅回路304に出力する。
【0051】
図7を用いて第2増幅回路304の詳細を説明する。第2増幅回路304は、第2,3電流源122,132の代わりに第4電流源342、スイッチ343を有している点を除き図3に示す第2増幅回路104と同じ構成である。
【0052】
第4電流源342は、一端がスイッチ343を介して第1トランジスタ対121又は第2トランジスタ対131に接続され、他端が接地されている。スイッチ343は、制御信号に従い、第4電流源342と第1トランジスタ対121または第2トランジスタ対131の一方とを接続する。制御部305が第1トランジスタ対121を選択した場合、スイッチ343を介して第4電流源342と第1トランジスタ対121とが接続され、第4電流源342と第1トランジスタ対121とが第1増幅部として動作する。一方、制御部305が第2トランジスタ対131を選択した場合は、スイッチ343を介して第4電流源342と第2トランジスタ対131とが接続され、第4電流源342と第2トランジスタ対131とが第2増幅部として動作する。
【0053】
以上のように本実施形態に係る増幅器300は、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、第4電流源342を第1,2増幅部で共用することで、第2増幅回路304の回路面積を削減することができる。
【0054】
(第3の実施形態)
図8を用いて本実施形態に係る増幅器400を説明する。本実施形態に係る増幅器400は、第2増幅回路404の構成及び動作が図6の増幅器300と異なる。
【0055】
図9を用いて第2増幅回路404の詳細を説明する。第2増幅回路404は、第3〜5トランジスタ対413〜415、第5電流源416、及びスイッチ417を有している。なお、制御部405は、増幅器400が実現した利得に従い、制御信号を生成してスイッチ417を制御する。
【0056】
第3トランジスタ対413は、第1,2トランジスタM1,M2を有している。第4,5トランジスタ対414,415は、第3,4トランジスタM3、M4を有している。第1トランジスタM1は、ゲート端子が正相入力端子Vi+に、ドレイン端子が第4,5トランジスタ対の第3トランジスタM3のソース端子に、ソース端子が第5電流源416に接続されている。第2トランジスタM2は、ゲート端子が逆相入力端子Vi−に、ドレイン端子が第4,5トランジスタ対414,415の第4トランジスタM4のソース端子に、ソース端子が第5電流源416に接続されている。
【0057】
第4トランジスタ対414の第3トランジスタM3は、ゲート端子がスイッチ417の一端に、ドレイン端子が正相出力端子Io+に接続されている。第4トランジスタ対414の第4トランジスタM4は、ゲート端子がスイッチ417の一端に、ドレイン端子が逆相出力端子Io−に接続されている。
【0058】
第5トランジスタ対415の第3トランジスタM3は、ゲート端子がスイッチ417の一端に、ドレイン端子が逆相出力端子Io−に接続されている。第5トランジスタ対415の第4トランジスタM4は、ゲート端子がスイッチ417の一端に、ドレイン端子が正相出力端子Io+に接続されている。
【0059】
第5電流源416は、一端が第3トランジスタ対413に接続され、他端が接地されている。スイッチ417は、一端が第4,5トランジスタ対414,415に接続され、他端が図示しないバイアス電圧生成部又はグランドのいずれかに接続される。
【0060】
第2増幅回路404が第2正相/逆相信号を出力する場合、スイッチ417は、制御部415が生成する制御信号に従い、第4トランジスタ対414とバイアス電圧生成部(図示せず)とを接続し、第5トランジスタ対415とグランドとを接続する。これにより、第4トランジスタ対414にバイアス電圧が供給され、第3トランジスタ対413、第4トランジスタ対414、及び第5電流源416とで構成される回路が第1増幅部として動作する。
【0061】
一方、第2増幅回路404が第3正相/逆相信号を出力する場合、スイッチ417は、制御信号に従い、第4トランジスタ対414とグランドとを接続し、第5トランジスタ対とバイアス電圧生成部(図示せず)とを接続する。これにより、第5トランジスタ対415にバイアス電圧が供給され、第3トランジスタ対413、第5トランジスタ対415、及び第5電流源416とで構成される回路が第2増幅部として動作する。
【0062】
以上のように本実施形態に係る増幅器400は、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、増幅器400の第2増幅回路404が第3トランジスタ対413とカスコード接続される第4,5トランジスタ対414,415を有することで、第1,2増幅部で電流源とトランジスタ対とを共有することができる。また、第3トランジスタ対413に第4,5トランジスタ対414,415をカスコード接続することで、第2増幅回路404(具体的には、第1,2増幅部として動作する回路)の出力インピーダンスを高くすることができる。さらに、第4,5トランジスタ対414,415にバイアス電圧を供給するか否かを切り替えることで第2増幅回路404が出力する信号を切り替えるため、信号切り替えにより発生する歪みを低減することができる。
【0063】
(第4の実施形態)
図10を用いて本実施形態に係る増幅器500を説明する。本実施形態に係る増幅器500は、第3乃至第n増幅回路503〜50n(nは3以上の整数)を有している点が図1の増幅器100と異なる。
【0064】
第k増幅回路50kは、第1−k増幅部102−kと第2−k増幅部103−kを有している。第k増幅回路50kの回路構成は、図3に示す第2増幅回路104と同じであるため、説明は省略する。第1−k増幅部102−kは、入力正相/逆相信号を増幅し、第2−k正相/逆相信号を生成する。第2−k増幅部103−kは、入力正相/逆相信号を増幅し、第3−k正相/逆相信号を生成する。
【0065】
第1−k,2−k増幅部102−k,103−kのトランスコンダクタンス値が第2増幅回路104の第1,2増幅部102,103と異なる。
【0066】
(n=3の場合)
増幅器500が、第1増幅回路101、第2増幅回路104、第3増幅回路503を有するとする。この時、例えば、第1増幅回路101のトランスコンダクタンス値gm1が、第3増幅回路503が有する第1−3,2−3増幅部102−3,103−3のトランスコンダクタンス値gm3の5倍(gm1=5*gm3)であるとする。また第2増幅回路104が有する第1,2増幅部102,103のトランスコンダクタンス値gm2が、第3増幅回路503が有する第1−3,2−3増幅部102−3,103−3のトランスコンダクタンス値gm3の2倍(gm1=2*gm3)であるとする。
【0067】
増幅器500の制御部505は、第2増幅回路104の第1増幅部102、第2増幅部103いずれか一方を選択し、第2増幅回路104が第1増幅部102または第2増幅部103のいずれかが増幅した信号(第2正相/逆相信号又は第3正相/逆相信号)を出力するよう第2増幅回路104を制御する。同様に制御部105は、第3増幅回路503の第1−3増幅部102−3、第2−3増幅部103−3いずれか一方を選択し、第3増幅回路503が第1−3増幅部102−3または第2−3増幅部103−3のいずれかが増幅した信号(第2−3正相/逆相信号又は第3−3正相/逆相信号)を出力するよう第3増幅回路503を制御する。
【0068】
制御部505が第2増幅回路104の第2増幅部103、第3増幅回路503の第2−3増幅部103−3を選択した場合、増幅器500は、出力正相信号として第1正相信号、第3逆相信号及び第3−3逆相信号の和を出力し、出力逆相信号として第1逆相信号、第3正相信号及び第3−3正相信号を出力する。増幅器500全体のトランスコンダクタンス値gmは、gm=5*gm3−2*gm3−gm3=2*gm3となる。
【0069】
制御部505が第2増幅回路104の第2増幅部103、第3増幅回路503の第1−3増幅部102−3を選択した場合、増幅器500は、出力正相信号として第1正相信号、第3逆相信号及び第2−3正相信号の和を出力し、出力逆相信号として第1逆相信号、第3正相信号及び第2−3逆相信号の和を出力する。増幅器500全体のトランスコンダクタンス値gmは、gm=5*gm3−2*gm3+gm3=4*gm3となり、増幅器500の利得は、第2,2−3増幅部103,103−3を選択した場合に比べ2倍となる。
【0070】
このように、制御部505が第2,2−3増幅回路を制御することで、増幅器500の利得を、利得の最低値を0dBに規格化して、0dB,6dB,12dBと可変にすることができる。また、出力正相/逆相端子は、第2増幅回路104の第1,2増幅部102,103のいずれか一方と、第3増幅回路503の第1−3,2−3増幅部102−3,103−3のいずれか一方と必ず接続されているので、増幅器500は、正確な利得可変が可能であり、位相特性も利得によらず一定にできる。
【0071】
上述した例以外にも、例えば、第1増幅回路101のトランスコンダクタンス値gm1が、第3増幅回路503が有する第1−3,2−3増幅部102−3,103−3のトランスコンダクタンス値gm3の7.5倍(2gm1=15*gm3)、第2増幅回路104が有する第1,2増幅部102,103のトランスコンダクタンス値gm2が、第3増幅回路503が有する第1−3,2−3増幅部102−3,103−3のトランスコンダクタンス値gm3の1.5倍(2gm1=3*gm3)であってもよい(gm1:gm2:gm3=15:3:2)。この場合、増幅器500の利得を、利得の最低値を0dBに規格化して、0dB,3dB,6dBと可変にすることができる。
【0072】
(n=4の場合)
また、n>3であってもよい。例えば、n=4の場合、第1増幅回路101のトランスコンダクタンス値gm1、第2増幅回路104が有する第1,2増幅部102,103のトランスコンダクタンス値gm2、第3増幅回路503が有する第1−3,2−3増幅部102−3,103−3のトランスコンダクタンス値gm3、第4増幅回路504が有する第1−4,2−4増幅部102−4,103−4のトランスコンダクタンス値gm4の比を、gm1:gm2:gm3:gm4=9:4:2:1とする。この場合、増幅器500の利得を、利得の最低値を0dBに規格化して、0dB,6dB,12dB,18dBと可変にすることができる。またn=4の別の例として、gm1:gm2:gm3:gm4=45:6:5:4としてもよい。この場合、この場合増幅器500の利得を、利得の最低値を0dBに規格化して、0dB,2dB,4dB,6dBと可変にすることができる。
【0073】
(n=7の場合)
n=7の場合、第1〜7増幅回路のトランスコンダクタンス値をそれぞれgm1〜gm7とする。なお、第2〜7増幅回路のトランスコンダクタンス値とは、第2〜7増幅回路が有する各増幅部が有するトランスコンダクタンス値とする。第1〜7増幅回路のトランスコンダクタンス値の比を、gm1:gm2:gm3:gm4:gm5:gm6:gm7=45:3:3:3:2:2:2とする。この場合、増幅器500の利得を、利得の最低値を0dBに規格化して、0dB,1dB,2dB,3dB,4dB,5dB,6dBと可変にすることができる。
【0074】
以上のように本実施形態に係る増幅器500は、第k増幅回路50kを有することで、利得を多段に変化させることができる。また第k増幅回路50kを第2増幅回路104と同じ回路構成とし、制御部505が第1−k増幅部102−k又は第2−k増幅部103−kのいずれか一方を必ず選択することで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0075】
なお、図10では、第2増幅回路104、第k増幅回路50kを図3の構成として説明したが、代わりに図7、図9の増幅回路と同様の回路構成にしてもよい。
【0076】
(第5の実施形態)
図11を用いて本発明の第5実施形態を説明する。図11は、本実施形態に係る通信装置は、アンテナ1と、低雑音増幅器2と、ミキサ3と、図1に示す増幅器100と、A/D変換器4と、信号処理部5とを有している。
【0077】
アンテナ1で受信した無線信号は、低雑音増幅器2で増幅され、ミキサ3でローカル信号を用いてダウンコンバージョンされベースバンド信号に変換される。ベースバンド信号は、増幅器100で増幅され、A/D変換器4でデジタル信号に変換される。デジタル信号は、信号処理部5で復調処理や誤り訂正処理が施され受信信号に変換される。増幅器100の利得は、後段のA/D変換器4が飽和しないよう、増幅器100に入力されるベースバンド信号の大きさに応じて変化させる。
【0078】
以上のように、通信装置に増幅器100を用いると、増幅器100の後段に補正回路を設けることなくベースバンド信号の位相特性を補償することができ、通信装置の回路規模を少なくすることができる。
【符号の説明】
【0079】
100〜500…増幅器、101,104,201,204,304,404,503〜50n…増幅回路、102, 102−3〜102−n, 103, 103−3〜103−n…増幅部、105,205,305,405,505…制御部、106…制御信号生成部、107…インバータ、111,121,131,413,414,415…トランジスタ対、112,122,132,342,416…電流源、206,343,417…スイッチ、1…アンテナ、2…低雑音増幅器、3…ミキサ、4…A/D変換器、5…信号処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正相入力信号を増幅して正相出力信号を生成し、逆相入力信号を増幅して逆相出力信号を生成する増幅器であって、
前記正相入力信号を増幅して第1正相信号を生成し、前記逆相入力信号を増幅して第1逆相信号を生成する第1増幅回路と、
前記正相入力信号を増幅して第2正相信号を生成し、前記逆相入力信号を増幅して第2逆相信号を生成する第1増幅部と、前記正相入力信号を増幅して第3正相信号を生成し、前記逆相入力信号を増幅して第3逆相信号を生成する第2増幅部を有する第2増幅回路と、を備え、
前記正相出力信号が、前記第1正相信号と前記第2正相信号との和であり、前記逆相出力信号が前記第1逆相信号と前記第2逆相信号との和である、
又は、前記正相出力信号が、前記第1正相信号と前記第3逆相信号の和であり、前記逆相出力信号が前記第1逆相信号と前記第3正相信号との和である
ことを特徴とする増幅器。
【請求項2】
前記第1増幅部又は前記第2増幅部の一方をオンとし他方をオフとすることを特徴とする請求項1記載の増幅器。
【請求項3】
前記第1増幅部及び前記第2増幅部のトランスコンダクタンス値が同じであることを特徴とする請求項1記載の増幅器。
【請求項4】
前記第1増幅部及び前記第2増幅部の出力抵抗値が同じであることを特徴とする請求項1記載の増幅器。
【請求項5】
前記第1増幅部は、第1トランジスタ対と第1電流源と、を有し、
前記第2増幅部は、第2トランジスタ対と第2電流源と、を有し、
前記第1電流源及び前記第2電流源の一方をオンとし他方をオフとすることをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の増幅器。
【請求項6】
前記第2増幅回路は、
第1トランジスタ対と、第2トランジスタ対と、前記第1トランジスタ対又は前記第2トランジスタ対の一方に電流を供給する電流源と、を備え、
前記第1トランジスタ対と前記電流源とで前記第1増幅部を構成し、前記第2トランジスタ対と前記電流源とで前記第2増幅部を構成することを特徴とする請求項1記載の増幅器。
【請求項7】
前記第2増幅回路は、第3トランジスタ対をさらに備え、
前記第1トランジスタ対、前記電流源、及び前記第3トランジスタ対で前記第1増幅部を構成し、前記第2トランジスタ対、前記電流源、及び前記第3トランジスタ対で前記第2増幅部を構成することを特徴とする請求項5記載の増幅器。
【請求項8】
前記第2増幅回路は、前記第1トランジスタ対又は前記第2トランジスタ対の一方にバイアス電圧を印加することで、前記第2正相/逆相信号又は前記第3正相/逆相信号の一方を生成することを特徴とする請求項6記載の増幅器。
【請求項9】
正相入力信号を増幅して正相出力信号を生成し、逆相入力信号を増幅して逆相出力信号を生成する増幅器であって、
前記正相入力信号を増幅して第1正相信号を生成し、前記逆相入力信号を増幅して第1逆相信号を生成する第1増幅回路と、
前記正相入力信号を増幅して第2正相信号を生成し、前記逆相入力信号を増幅して第2逆相信号を生成する第1増幅部と、前記正相入力信号を増幅して第3正相信号を生成し、前記逆相入力信号を増幅して第3逆相信号を生成する第2増幅部とをそれぞれが有する第2乃至n増幅回路(nは3以上の整数)と、を備え、
前記正相出力信号が、前記第1正相信号と前記第k増幅回路(kは2以上n以下の整数)の前記第2正相信号との和であり、前記逆相出力信号が前記第1逆相信号と前記第k増幅回路の前記第2逆相信号との和である、
又は、前記正相出力信号が、前記第1正相信号と前記第k増幅回路の前記第3逆相信号の和であり、前記逆相出力信号が前記第1逆相信号と前記第k増幅回路の前記第3正相信号との和である
ことを特徴とする増幅器。
【請求項10】
無線信号を受信するアンテナと、
前記無線信号を増幅する請求項1の増幅器と、
前記無線信号に信号処理を施し、受信信号を生成する受信部と、
を備えることを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−188117(P2011−188117A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49550(P2010−49550)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】