説明

増幅装置

【課題】増幅器の振幅歪み、位相歪みを補償する手段を備えることで、高効率で、かつ低歪みな増幅装置を得る。
【解決手段】変調波入力信号を増幅する高周波電力増幅器7と、前記変調波入力信号から包絡線信号を検出する第1の包絡線検出器3と、前記高周波電力増幅器の出力信号を検出する出力信号検出手段100と、前記出力信号検出手段の出力から包絡線信号を検出する第2の包絡線検出器101と、第1と第2の包絡線検出出力を比較して誤差を検出する比較器12と、前記比較器からの誤差信号をデルタ変調するデルタ変調器40と、前記デルタ変調器の出力を増幅するスイッチング増幅器5と、前記スイッチング増幅器の出力を帯域制限する低域通過フィルタ6とを備え、前記高周波電力増幅器7は、前記低域通過フィルタ6の出力を電源電圧として、前記変調波入力信号を増幅する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、入力信号の包絡線信号に応じて増幅器の電源電圧を変化させることで、バックオフが大きい領域において高い効率を得る増幅装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来の増幅装置(例えば、特許文献1参照)の構成を示すブロック図である。図11に示す増幅装置は、入力端子1より入力される変調波入力信号Vinを検出する信号検出手段2、変調波入力信号Vinの包絡線信号を検出する包絡線検出器3、検出された包絡線信号を直流電圧に変換する電圧制御手段9、電圧制御手段9からの出力を電源電圧として、変調波入力信号Vinを増幅して出力端子8から出力する高周波電力増幅器7を備えている。
【0003】
次に動作について説明する。入力端子1より変調波入力信号Vinが入力されると、信号検出手段2を介して、一方は高周波電力増幅器7に出力され、他方は包絡線検出器3に出力される。包絡線検出器3は、変調波入力信号Vinの包絡線信号を検出する。検出された包絡線信号は電圧制御手段9によって直流電圧に変換され、高周波電力増幅器7の電源電圧に供給される。高周波電力増幅器7は、電圧制御手段9からの出力を電源電圧として、変調波入力信号Vinを増幅する。変調波入力信号Vinは高周波電力増幅器7で増幅された後、出力端子8から出力される。この増幅装置は、変調波入力信号の包絡線信号に応じて高周波電力増幅器の電源電圧を変化させるため、バックオフが大きい領域において高効率動作が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−274906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の増幅装置では、高周波電力増幅器で生じる非線形歪みによって、出力信号が大きく歪み、隣接チャネル漏洩電力が劣化するという課題があった。
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するために成されたもので、増幅器の振幅歪み、位相歪みを補償する手段を備えることで、高効率で、かつ低歪みな増幅装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る増幅装置は、変調波入力信号を増幅する高周波電力増幅器と、前記変調波入力信号から包絡線信号を検出する第1の包絡線検出手段と、前記高周波電力増幅器の出力信号を検出する出力信号検出手段と、前記出力信号検出手段の出力から包絡線信号を検出する第2の包絡線検出手段と、前記第1の包絡線検出手段の出力と前記第2の包絡線検出手段の出力を比較して誤差を検出する比較器とを備え、前記比較器からの誤差信号に基づき、前記高周波電力増幅器の電源電圧を制御することを特徴とする。
【0008】
また、変調波入力信号を増幅する高周波電力増幅器と、前記変調波入力信号から包絡線信号を検出する第1の包絡線検出手段と、前記高周波電力増幅器の出力信号を検出する出力信号検出手段と、前記出力信号検出手段の出力から包絡線信号を検出する第2の包絡線検出手段と、前記第1の包絡線検出手段の出力と前記第2の包絡線検出手段の出力を比較して誤差を検出する比較器とを備え、前記比較器からの誤差信号に基づき、前記高周波電力増幅器への変調波入力信号レベルを制御することを特徴とする。
【0009】
また、変調波入力信号を増幅する高周波電力増幅器と、前記変調波入力信号から包絡線信号を検出する第1の包絡線検出手段と、前記高周波電力増幅器の出力信号を検出する出力信号検出手段と、前記出力信号検出手段の出力から包絡線信号を検出する第2の包絡線検出手段と、前記第1の包絡線検出手段の出力と前記第2の包絡線検出手段の出力を比較して誤差を検出する比較器と、前記比較器からの誤差信号をデルタ変調するデルタ変調器と、前記デルタ変調器の出力を増幅するスイッチング増幅器と、前記スイッチング増幅器の出力を帯域制限する低域通過フィルタとを備え、前記高周波電力増幅器は、前記低域通過フィルタの出力を電源電圧として、前記変調波入力信号を増幅することを特徴とする。
【0010】
また、変調波入力信号を増幅する高周波電力増幅器と、前記変調波入力信号から包絡線信号を検出する包絡線検出手段と、前記包絡線検出手段の出力をデルタ変調するデルタ変調器と、前記デルタ変調器の出力を増幅するスイッチング増幅器と、前記スイッチング増幅器の出力を帯域制限する低域通過フィルタと、前記変調波入力信号を検出する入力信号検出手段と、前記高周波電力増幅器の出力信号を検出する出力信号検出手段と、前記入力信号検出手段の出力の振幅と前記出力信号検出手段の出力の振幅とを比較する振幅比較手段とを備え、前記高周波電力増幅器は、前記低域通過フィルタの出力を電源電圧として、前記振幅比較手段の出力に応じて振幅補正された変調波入力信号を増幅することを特徴とする。
【0011】
さらに、変調波入力信号を増幅する高周波電力増幅器と、前記変調波入力信号から包絡線信号を検出する包絡線検出手段と、前記包絡線検出手段の出力をデルタ変調するデルタ変調器と、前記デルタ変調器の出力を増幅するスイッチング増幅器と、前記スイッチング増幅器の出力を帯域制限する低域通過フィルタと、前記変調波入力信号を検出する入力信号検出手段と、前記高周波電力増幅器の出力信号を検出する出力信号検出手段と、前記入力信号検出手段の出力の位相と前記出力信号検出手段の出力の位相とを比較する位相比較手段とを備え、前記高周波電力増幅器は、前記低域通過フィルタの出力を電源電圧として、前記位相比較手段の出力に応じて位相補正された変調波入力信号を増幅することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、増幅器の振幅歪み、位相歪みを補償する手段を備えることで、高効率で、かつ低歪みな増幅装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1に係る増幅装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態2に係る増幅装置の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態3に係る増幅装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図3における位相進み回路200の構成の一例を示す回路図である。
【図5】図3における位相進み回路200の構成の一例を示す回路図である。
【図6】図3における位相進み回路200の構成の一例を示す回路図である。
【図7】図3における位相進み回路200の位相進み特性を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態4に係る増幅装置の構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態5に係る増幅装置の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態6に係る増幅装置の構成を示すブロック図である。
【図11】従来の増幅装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る増幅装置の構成を示すブロック図である。図1において、図11に示す従来例と同等部分は同一符号により示されている。図1に示す実施の形態1に係る増幅装置は、図11に示した従来例と同様に、信号検出手段2、第1の包絡線検出器3及び高周波電力増幅器7を備える。本実施の形態1に係る増幅装置と図11に示した従来例の増幅装置との違いは、電圧制御手段9を、デルタ変調器40と、スイッチング増幅器5と、低域通過フィルタ(LPF)6とで構成した点と、信号検出手段100、第2の包絡線検出器101、比較器12を新たに設けた点である。
【0015】
すなわち、本実施の形態1の特徴とするところは、比較器12により、入力端子1から入力される変調波入力信号Vinの包絡線信号(第1の包絡線検出器3の出力)と高周波電力増幅器7の出力信号の包絡線信号(第2の包絡線検出器101の出力)の誤差信号を検出し、その誤差信号をデルタ変調器4とスイッチング増幅器5と低域通過フィルタ6を用いて電圧制御信号に変換し、高周波電力増幅器7への電源電圧に供給することにある。このため、高周波電力増幅器7で発生する非線形歪みを低減することができる。
【0016】
次に、動作について説明する。入力端子1より変調波入力信号Vinが入力されると、信号検出手段2を介して、一方は高周波電力増幅器7に出力され、他方は第1の包絡線検出器3に出力される。第1の包絡線検出器3は、変調波入力信号Vinの包絡線信号を検出する。検出された包絡線信号は比較器12に入力される。一方、高周波電力増幅器7の出力信号Voutは、信号検出手段100を介して、第2の包絡線検出器101に入力され、出力信号Voutの包絡線信号が検出される。
【0017】
比較器12には、第1の包絡線検出器3の出力が入力されるとともに、第2の包絡線検出器101の出力が帰還信号として入力され、両者の誤差が検出される。比較器12で検出された誤差信号はデルタ変調器40に出力される。誤差信号はデルタ変調器40でデルタ変調され、スイッチング増幅器5に入力される。スイッチング増幅器5は、デルタ変調された信号を増幅し、低域通過フィルタ6へ出力する。低域通過フィルタ6は、入力された信号の高周波成分を除去する。低域通過フィルタ6からの出力は、高周波電力増幅器7の電源電圧に供給される。高周波電力増幅器7は、低域通過フィルタ6からの出力を電源電圧として、変調波入力信号Vinを増幅する。変調波入力信号Vinは高周波電力増幅器7で増幅された後、出力端子8から出力される。
【0018】
以上のように、この実施の形態1によれば、変調波入力信号Vinの包絡線成分と高周波電力増幅器7の出力信号の包絡線成分との誤差を検出し、その誤差信号をデルタ変調器40とスイッチング増幅器5と低域通過フィルタ6を用いて電圧制御信号に変換し、高周波電力増幅器7への電源電圧に供給する。このため、高周波電力増幅器7の非線形歪みを低減することができるという効果が得られる。
【0019】
なお、上述した高周波電力増幅器7は、例えば、A級増幅器、AB級増幅器、B増幅器、ドハティ増幅器のいずれかにより構成しても良い。また、スイッチング増幅器5はD級増幅器で構成される。また、デルタ変調器40は、例えばデルタシグマ変調器またはパルス幅変調器で構成しても良い。
【0020】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2に係る増幅装置の構成を示すブロック図である。図2において、図11に示す従来例と同等部分は同一符号により示されている。図2に示す実施の形態2に係る増幅装置は、図11に示した従来例と同様に、信号検出手段2、包絡線検出器3及び高周波電力増幅器7を備える。本実施の形態2に係る増幅装置と図11に示した従来例の増幅装置との違いは、電圧制御手段9を、パルス幅変調器4と、スイッチング増幅器5と、低域通過フィルタ(LPF)6で構成した点と、入力信号検出手段13及び出力信号検出手段100、振幅検出手段15及び102、振幅比較器16、可変利得器14を新たに設けた点である。
【0021】
すなわち、本実施の形態2の特徴とするところは、増幅比較器16により、変調波入力信号Vinと高周波電力増幅器7の出力信号Voutの振幅を比較し、その比較結果に基づき、変調波入力信号Vinの振幅を補正することにある。このため、高周波電力増幅器7で発生する振幅歪みを低減することができる。
【0022】
次に、動作について説明する。入力端子1より変調波入力信号Vinが入力されると、信号検出手段2を介して、一方は可変利得器14に出力され、他方は包絡線検出器3に出力される。また、変調波入力信号Vinは、信号検出手段13を介して、振幅検出手段15に入力される。包絡線検出器3は、変調波入力信号Vinの包絡線信号を検出する。検出された包絡線信号はパルス幅変調器4でパルス幅変調され、スイッチング増幅器5に入力される。スイッチング増幅器5は、パルス幅変調された信号を増幅し、低域通過フィルタ6へ出力する。低域通過フィルタ6は、入力された信号の高周波成分を除去する。低域通過フィルタ6からの出力は、高周波電力増幅器7の電源電圧に供給される。高周波電力増幅器7は、低域通過フィルタ6からの出力を電源電圧として、可変利得器14通過後の入力信号を増幅する。
【0023】
高周波電力増幅器7の出力は、信号検出手段100を介して振幅検出手段102に帰還される。振幅検出手段102は、高周波電力増幅器7の出力信号Voutの包絡線振幅信号のみを取り出し、振幅比較器16に入力する。一方、振幅検出手段15は変調波入力信号Vinの包絡線振幅信号のみを取り出し、振幅比較器16に入力する。振幅比較器16では、振幅検出手段15を介して入力された変調波入力信号Vinの包絡線振幅信号と振幅検出手段102を介して帰還された出力信号Voutの包絡線振幅信号とが比較される。振幅比較器16の出力は可変利得器14に入力され、比較結果に基づいて変調波入力信号Vinの振幅が補正される。高周波電力増幅器7は、振幅補正された入力信号を増幅する。振幅補正された入力信号は高周波電力増幅器7で増幅された後、信号検出手段100を介して出力端子8から出力される。
【0024】
以上のように、この実施の形態2によれば、変調波入力信号Vinと高周波電力増幅器7の出力信号Voutの包絡線振幅信号との差分を検出し、その結果に基づき、高周波電力増幅器7の入力信号の振幅を補正することで、高周波電力増幅器7の振幅歪みを低減することができるという効果が得られる。
【0025】
なお、上述した可変利得器14は、例えば可変減衰器で構成しても良い。また、上述した変調波入力信号の振幅を補正する手段として、高周波電力増幅器7が多段増幅器でなる場合、前段増幅器のゲート電圧またはドレイン電圧を変化させても良いし、後段増幅器のゲート電圧を変化させても良い。また、上述した高周波電力増幅器7は、例えば、A級増幅器、AB級増幅器、B増幅器、ドハティ増幅器のいずれかにより構成しても良い。また、スイッチング増幅器5はD級増幅器で構成される。また、上述したパルス幅変調器4は、例えばデルタ変調器またはデルタシグマ変調器で構成しても良い。
【0026】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3に係る増幅装置の構成を示すブロック図である。図3において、図11に示す従来例と同等部分は同一符号により示されている。図3に示す実施の形態3に係る増幅装置は、図11に示した従来例と同様に、信号検出手段2、包絡線検出器3及び高周波電力増幅器7を備える。本実施の形態3に係る増幅装置と図11に示した従来例の増幅装置との違いは、電圧制御手段9を、パルス幅変調器4と、スイッチング増幅器5と、低域通過フィルタ(LPF)6で構成した点と、入力信号検出手段13及び出力信号検出手段100、振幅検出手段15及び102、振幅比較器16、可変利得器14及び位相進み回路200を新たに設けた点である。
【0027】
すなわち、本実施の形態3の特徴とするところは、比較器16により、変調波入力信号Vinと高周波電力増幅器7の出力信号Voutの振幅を比較し、その比較結果に基づき、変調波入力信号Vinの振幅を補正する構成において、高周波電力増幅器の7出力信号Voutを帰還する帰還経路に位相進み回路200を備えたことにある。このように構成することで、ループの位相遅れを低減することができるため、ループの安定性を保ちつつ、高いループ利得を確保することができる。また、広帯域な信号に対しても安定なループを維持することができる。
【0028】
次に、動作について説明する。入力端子1より変調波入力信号Vinが入力されると、信号検出手段2を介して、一方は可変利得器14に出力され、他方は包絡線検出器3に出力される。また、変調波入力信号Vinは、信号検出手段13を介して、振幅検出手段15に入力される。包絡線検出器3は、変調波入力信号Vinの包絡線信号を検出する。検出された包絡線信号はパルス幅変調器4でパルス幅変調され、スイッチング増幅器5に入力される。スイッチング増幅器5は、パルス幅変調された信号を増幅し、低域通過フィルタ6へ出力する。低域通過フィルタ6は、入力された信号の高周波成分を除去する。低域通過フィルタ6からの出力は、高周波電力増幅器7の電源電圧に供給される。高周波電力増幅器7は、低域通過フィルタ6からの出力を電源電圧として、可変利得器14通過後の入力信号を増幅する。
【0029】
高周波電力増幅器7の出力は、信号検出手段100を介して位相進み回路200に入力される。ここで、位相進み回路200は、例えば、図4〜図6のように構成される。すなわち、図4に示す位相進み回路200は、インダクタ、コンデンサ、抵抗で構成される直列共振回路を信号伝送経路に対して並列接続すると共に、インダクタ、コンデンサ、抵抗で構成される並列共振回路を信号伝送経路に対して直列接続してなる。また、図5に示す位相進み回路200は、抵抗とキャパシタンスの並列接続回路を、信号伝送経路に対して直列に接続すると共に、抵抗を信号伝送経路に対して並列に接続してなる。また、図6に示す位相進み回路200は、抵抗と線路長の異なる抵抗性成分を有するオープンスタブの直列接続回路を、信号伝送経路に対して並列接続してなる。
【0030】
この位相進み回路200は、次に示す如く多様な回路構成を用いることができる。
(1)インダクタ、コンデンサ、抵抗で構成される直列共振回路を信号伝送経路に対して並列接続したもの、または、インダクタ、コンデンサ、抵抗で構成される並列共振回路を信号伝送経路に対して直列接続したものを、少なくとも1つ以上用いる。
(2)インダクタ、コンデンサ、抵抗で構成される直列共振回路を信号伝送経路に対して並列接続したものと、インダクタ、コンデンサ、抵抗で構成される並列共振回路を信号伝送経路に対して直列接続したものとを、それぞれ少なくとも1つ以上用いる。
(3)抵抗とキャパシタンスの並列接続回路を、信号伝送経路に対して直列に接続したものを、少なくとも1つ以上用いる。
(4)抵抗とキャパシタンスの並列接続回路を、信号伝送経路に対して直列に接続したものと、抵抗または抵抗とキャパシタンスの直列接続回路を信号伝送経路に対して並列に接続したものとを、それぞれ少なくとも1つ以上用いる。
(5)抵抗性成分を有するオープンスタブ、または、抵抗とオープンスタブの直列接続回路を、信号伝送経路に対して並列接続したものを少なくとも1つ以上用いる。
(6)抵抗性成分を有するショートスタブ、または抵抗とショートスタブの直列接続回路を、信号伝送経路に対して並列接続したものを少なくとも1つ以上用いる。
(7)抵抗とオープンスタブの直列接続回路を、信号伝送経路に対して並列に接続したものと、抵抗と前記オープンスタブとは線路長の異なるオープンスタブの直列接続回路を信号伝送経路に対して並列に接続したものを用いる。
【0031】
図7に、位相進み回路200の位相特性の一例を示す。横軸は周波数f、縦軸は通過特性S21の位相である。図4〜図6に示した位相進み回路200では、図7のように周波数の増加に伴い、位相も増加しており(dθ/df>0)、位相進み特性が得られることが分かる。
【0032】
位相進み回路200の出力は、振幅検出手段102に帰還される。振幅検出手段102は、高周波電力増幅器7の出力信号Voutの包絡線振幅信号のみを取り出し、振幅比較器16に入力する。一方、振幅検出手段15は変調波入力信号Vinの包絡線振幅信号のみを取り出し、振幅比較器16に入力する。振幅比較器16では、振幅検出手段15を介して入力された変調波入力信号Vinの包絡線振幅信号と振幅検出手段102を介して帰還された出力信号Voutの包絡線振幅信号とが比較される。振幅比較器16の出力は可変利得器14に入力され、比較結果に基づいて変調波入力信号Vinの振幅が補正される。高周波電力増幅器7は、振幅補正された入力信号を増幅する。振幅補正された入力信号は高周波電力増幅器7で増幅された後、信号検出手段100を介して出力端子8から出力される。
【0033】
本実施の形態3に示した位相進み回路200を備えることの効果は、位相進み回路200が有する位相進み特性を用いることで、可変利得器14や高周波電力増幅器7、信号検出手段2,13,100などのアナログ回路によって生じる位相遅れを低減できることにある。これにより、ループの安定性を保ちつつ、高いループ利得を確保することができるため、高精度な振幅補正を行うことができる。また、広帯域な変調波入力信号に対してもループの安定性を保持することができるという効果がある。
【0034】
なお、上述した可変利得器14は、例えば可変減衰器で構成しても良い。また、変調波入力信号の振幅を補正する手段として、高周波電力増幅器7が多段増幅器でなる場合、前段増幅器のゲート電圧またはドレイン電圧を変化させても良いし、後段増幅器のゲート電圧を変化させても良い。また、上述した高周波電力増幅器7は、例えば、A級増幅器、AB級増幅器、B増幅器、ドハティ増幅器のいずれかにより構成しても良い。また、スイッチング増幅器5はD級増幅器で構成される。また、上述したパルス幅変調器4は、例えばデルタ変調器またはデルタシグマ変調器で構成しても良い。
【0035】
実施の形態4.
図8は、この発明の実施の形態4に係る増幅装置の構成を示すブロック図である。図8において、図11に示す従来例と同等部分は同一符号により示されている。図8に示す実施の形態4に係る増幅装置は、図11に示した従来例と同様に、信号検出手段2、包絡線検出器3及び高周波電力増幅器7を備える。本実施の形態4に係る増幅装置と図11に示した従来例の増幅装置との違いは、電圧制御手段9を、デルタ変調器40と、スイッチング増幅器5と、低域通過フィルタ(LPF)6で構成した点と、入力信号検出手段13及び出力信号検出手段100、位相検出手段21及び103、位相比較器22、低域通過フィルタ(LPF)23、可変移相器20及び位相進み回路200を新たに設けた点である。
【0036】
すなわち、本実施の形態4の特徴とするところは、位相比較器22により、変調波入力信号Vinと高周波電力増幅器7の出力信号Voutの位相を比較し、その比較結果に基づき、変調波入力信号Vinの位相を補正する構成において、高周波電力増幅器7の出力信号Voutを帰還する帰還経路に位相進み回路200を備えたことにある。このように構成することで、ループの位相遅れを低減することができるため、ループの安定性を保ちつつ、高いループ利得を確保することができる。また、広帯域な信号に対しても安定なループを維持することができる。
【0037】
次に、動作について説明する。入力端子1より変調波入力信号Vinが入力されると、信号検出手段2を介して、一方は可変移相器20に出力され、他方は包絡線検出器3に出力される。また、変調波入力信号Vinは、信号検出手段13を介して、位相検出手段21に入力される。包絡線検出器3は、変調波入力信号Vinの包絡線信号を検出する。検出された包絡線信号はデルタ変調器40でデルタ変調され、スイッチング増幅器5に入力される。スイッチング増幅器5は、デルタ変調された信号を増幅し、低域通過フィルタ6へ出力する。低域通過フィルタ6は、入力された信号の高周波成分を除去する。低域通過フィルタ6からの出力は、高周波電力増幅器7の電源電圧に供給される。高周波電力増幅器7は、低域通過フィルタ6からの出力を電源電圧として、可変移相器20通過後の入力信号を増幅する。高周波電力増幅器7の出力は、信号検出手段100を介して位相進み回路200に入力される。位相進み回路200の効果は、実施の形態3と同様である。
【0038】
前記位相進み回路200の出力は、位相検出手段103に帰還される。位相検出手段103は、高周波電力増幅器7の出力信号Voutの包絡線位相信号のみを取り出し、位相比較器22に入力する。一方、位相検出手段21は変調波入力信号Vinの包絡線位相信号のみを取り出し、位相比較器22に入力する。位相比較器22では、位相検出手段21を介して入力された変調波入力信号Vinの包絡線位相信号と位相検出手段103を介して帰還された出力信号Voutの包絡線位相信号とが比較される。位相比較器22の出力は、低域通過フィルタ23で平滑化される。低域通過フィルタ23の出力は可変移相器20に入力され、比較結果に基づいて変調波入力信号Vinの位相が補正される。高周波電力増幅器7は、位相補正された入力信号を増幅する。位相補正された入力信号は高周波電力増幅器7で増幅された後、信号検出手段100を介して出力端子8から出力される。
【0039】
以上のように、この実施の形態4によれば、変調波入力信号Vinと高周波電力増幅器の出力信号Voutの包絡線位相信号の差分を検出し、その結果に基づき、高周波電力増幅器の入力信号の位相を補正することで、高周波電力増幅器の位相歪みを低減することができるという効果が得られる。
【0040】
また、本実施の形態4に示した位相進み回路200を備えることの効果は、位相進み回路200が有する位相進み特性を用いることで、可変移相器20や高周波電力増幅器7、信号検出手段2,13,100などのアナログ回路によって生じる位相遅れを低減できることにある。これにより、ループの安定性を保ちつつ、高いループ利得を確保することができるため、高精度な位相補正を行うことができる。また、広帯域な変調波入力信号に対してもループの安定性を保持することができるという効果がある。
【0041】
なお、上述した位相検出手段21、103は、例えばリミッタで構成することができる。また、上述した高周波電力増幅器7は、例えば、A級増幅器、AB級増幅器、B増幅器、ドハティ増幅器のいずれかにより構成しても良い。また、スイッチング増幅器5はD級増幅器で構成される。また、上述したデルタ変調器40は、例えばパルス幅変調器、あるいはデルタシグマ変調器で構成しても良い。
【0042】
実施の形態5.
図9は、この発明の実施の形態5に係る増幅装置の構成を示すブロック図である。図9において、図11に示す従来例と同等部分は同一符号により示されている。図9に示す実施の形態5に係る増幅装置は、図11に示した従来例と同様に、信号検出手段2、包絡線検出器3及び高周波電力増幅器7を備える。本実施の形態5に係る増幅装置と図11に示した従来例の増幅装置との違いは、電圧制御手段9を、パルス幅変調器4と、スイッチング増幅器5と、低域通過フィルタ(LPF)6で構成した点と、信号検出手段13、25、100及び104、振幅検出手段15、102、振幅比較器16、可変利得器14、位相検出手段21、103、位相比較器22、低域通過フィルタ23、可変移相器20及び位相進み回路200を新たに設けた点である。
【0043】
すなわち、本実施の形態5の特徴とするところは、振幅比較器16及び位相比較器22により、変調波入力信号Vinと高周波電力増幅器7の出力信号Voutの包絡線振幅及び包絡線位相を比較し、その比較結果に基づき、変調波入力信号Vinの振幅及び位相を補正する構成において、高周波電力増幅器7の出力信号Voutを帰還する帰還経路に位相進み回路200を備えたことにある。このように構成することで、ループの位相遅れを低減することができるため、ループの安定性を保ちつつ、高いループ利得を確保することができる。また、広帯域な信号に対しても安定なループを維持することができる。
【0044】
本実施の形態5の動作は、実施の形態3及び実施の形態4を組み合わせた動作と同じである。この実施の形態5によれば、変調波入力信号Vinと高周波電力増幅器7の出力信号Voutの包絡線振幅信号の差分及び包絡線位相信号の差分をそれぞれ検出し、その結果に基づき、高周波電力増幅器7の入力信号の振幅及び位相を補正することで、高周波電力増幅器7の振幅歪みと位相歪みの両方を低減することができるという効果が得られる。
【0045】
また、本実施の形態5においても、図3及び図8に示す実施の形態3及び4のように、位相進み回路200を設け、実施の形態3及び4と同様な位相進み回路200が有する位相進み特性を用いることで、可変利得器14、可変移相器20や高周波電力増幅器7、信号検出手段2,13,100などのアナログ回路によって生じる位相遅れを低減できることにある。これにより、ループの安定性を保ちつつ、高いループ利得を確保することができるため、高精度な振幅補正、位相補正を行うことができる。また、広帯域な変調波入力信号に対してもループの安定性を保持することができるという効果がある。
【0046】
なお、上述した位相検出手段21、103は、例えばリミッタで構成することができる。また、上述した可変利得器14は、例えば可変減衰器で構成しても良い。また、上述した変調波入力信号の振幅を補正する手段として、高周波電力増幅器7が多段増幅器でなる場合、前段増幅器のゲート電圧またはドレイン電圧を変化させても良いし、後段増幅器のゲート電圧を変化させても良い。また、上述した高周波電力増幅器7は、例えば、A級増幅器、AB級増幅器、B増幅器、ドハティ増幅器のいずれかにより構成しても良い。また、スイッチング増幅器5はD級増幅器で構成される。また、上述したパルス幅変調器4は、例えばデルタ変調器またはデルタシグマ変調器で構成しても良い。
【0047】
実施の形態6.
図10は、この発明の実施の形態6に係る増幅装置の構成を示すブロック図である。図10において、図11に示す従来例と同等部分は同一符号により示されている。図10に示す実施の形態6に係る増幅装置は、図11に示した従来例と同様に、信号検出手段2、包絡線検出器3及び高周波電力増幅器7を備える。本実施の形態6に係る増幅装置と図11に示した従来例の増幅装置との違いは、電圧制御手段9を、パルス幅変調器4と、スイッチング増幅器5と、低域通過フィルタ(LPF)6で構成した点と、ベースバンド信号入力端子30、加算器31及び32、低域通過フィルタ(LPF)33及び34、直交変調器35、直交復調器110、信号検出手段100及び位相進み回路200を新たに設けた点である。
【0048】
すなわち、本実施の形態6の特徴とするところは、高周波電力増幅器7の出力信号Voutを直交復調器110で復調し、加算器31及び32により、ベースバンド入力信号に逆相で加算することで、ベースバンド入力信号の振幅と位相の両方を補正する構成において、高周波電力増幅器7の出力信号Voutを帰還する帰還経路に位相進み回路200を備えたことにある。このように構成することで、ループの位相遅れを低減することができるため、ループの安定性を保ちつつ、高いループ利得を確保することができる。また、広帯域な信号に対しても安定なループを維持することができる。
【0049】
次に、動作について説明する。ベースバンド信号入力端子30より入力されたベースバンド入力信号の同相成分I及び直交成分Qは、加算器31及び32に入力される。加算器31及び32は、この同相成分I及び直交成分Qから直交復調器110の出力である帰還信号を加算し、加算ベースバンド信号の同相成分I及び直交成分Qを出力する。この加算ベースバンド信号は、低域通過フィルタ(LPF)33及び34で周波数帯域の制限が行われた後、直交変調器35に入力される。直交変調器35に入力された信号は、直交変調器35によって変調されて変調波入力信号Vinに変換される。
【0050】
入力端子1より変調波入力信号Vinが入力されると、信号検出手段2を介して、一方は高周波電力増幅器7に出力され、他方は包絡線検出器3に出力される。包絡線検出器3は、変調波入力信号Vinの包絡線信号を検出する。検出された包絡線信号はパルス幅変調器4でパルス幅変調され、スイッチング増幅器5に入力される。スイッチング増幅器5は、パルス幅変調された信号を増幅し、低域通過フィルタ6へ出力する。低域通過フィルタ6は、入力された信号の高周波成分を除去する。低域通過フィルタ6からの出力は、高周波電力増幅器7の電源電圧に供給される。高周波電力増幅器7は、低域通過フィルタ6からの出力を電源電圧として、変調波入力信号Vinを増幅する。
【0051】
変調波入力信号Vinは高周波電力増幅器7で増幅された後、信号検出手段100を介して出力端子8から出力される。信号検出手段100により高周波電力増幅器7からの出力信号の一部は帰還されて、位相進み回路200に入力される。位相進み回路200の効果は、実施の形態3と同様である。
【0052】
前記位相進み回路200の出力は、直交復調器110に帰還される。直交復調器110に帰還された信号は、直交復調器110によって復調されて帰還信号の同相成分Iと直交成分Qに変換される。そして、帰還信号の同相成分I及び直交成分Qは加算器31及び32に入力される。直交復調器110の出力する帰還信号は、高周波電力増幅器7の振幅歪みと位相歪みを持つが、この帰還信号を前述のように加算器31及び32に帰還することにより、補償することができる。
【0053】
以上のように、この実施の形態5によれば、高周波電力増幅器7の出力信号を直交復調器110で復調し、ベースバンド入力信号に逆相で加算することで、高周波電力増幅器7で生じる振幅歪みと位相歪みの両方を低減することができるという効果が得られる。
【0054】
また、本実施の形態6に示した位相進み回路200を備えることの効果は、位相進み回路200が有する位相進み特性を用いることで、低域通過フィルタ6、直交変調器35、高周波電力増幅器7及び直交復調器110などのアナログ回路によって生じる位相遅れを低減できることにある。これにより、ループの安定性を保ちつつ、高いループ利得を確保することができるため、高精度な振幅補正、位相補正を行うことができる。また、広帯域な変調波入力信号に対してもループの安定性を保持することができるという効果がある。
【0055】
なお、上述したパルス幅変調器4は、例えばデルタ変調器またはデルタシグマ変調器で構成しても良い。また、上述した高周波電力増幅器7は、例えば、A級増幅器、AB級増幅器、B増幅器、ドハティ増幅器のいずれかにより構成しても良い。また、スイッチング増幅器5はD級増幅器で構成される。
【符号の説明】
【0056】
1 入力端子、2 信号検出手段、3 包絡線検出手段、4 パルス幅変調器、5 スイッチング増幅器、6 低域通過フィルタ、7 高周波電力増幅器、8 出力端子、9 電圧制御手段、10 信号検出手段、11 加算器、12 比較器、13 信号検出手段、14 可変利得器、15 振幅検出手段、16 振幅比較器、20 可変移相器、21 位相検出手段、22 位相比較器、23 低域通過フィルタ、25 信号検出手段、30 ベースバンド信号入力端子、31 加算器、32 加算器、33 低域通過フィルタ、34 低域通過フィルタ、35 直交変調器、40 デルタ変調器、100 信号検出手段、101 第2の包絡線検出手段、102 振幅検出手段、103 位相検出手段、104 信号検出手段、110 直交復調器、200 位相進み回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変調波入力信号を増幅する高周波電力増幅器と、
前記変調波入力信号から包絡線信号を検出する第1の包絡線検出手段と、
前記高周波電力増幅器の出力信号を検出する出力信号検出手段と、
前記出力信号検出手段の出力から包絡線信号を検出する第2の包絡線検出手段と、
前記第1の包絡線検出手段の出力と前記第2の包絡線検出手段の出力を比較して誤差を検出する比較器と
を備え、
前記比較器からの誤差信号に基づき、前記高周波電力増幅器の電源電圧を制御する
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項2】
変調波入力信号を増幅する高周波電力増幅器と、
前記変調波入力信号から包絡線信号を検出する第1の包絡線検出手段と、
前記高周波電力増幅器の出力信号を検出する出力信号検出手段と、
前記出力信号検出手段の出力から包絡線信号を検出する第2の包絡線検出手段と、
前記第1の包絡線検出手段の出力と前記第2の包絡線検出手段の出力を比較して誤差を検出する比較器と
を備え、
前記比較器からの誤差信号に基づき、前記高周波電力増幅器への変調波入力信号レベルを制御する
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項3】
変調波入力信号を増幅する高周波電力増幅器と、
前記変調波入力信号から包絡線信号を検出する第1の包絡線検出手段と、
前記高周波電力増幅器の出力信号を検出する出力信号検出手段と、
前記出力信号検出手段の出力から包絡線信号を検出する第2の包絡線検出手段と、
前記第1の包絡線検出手段の出力と前記第2の包絡線検出手段の出力を比較して誤差を検出する比較器と、
前記比較器からの誤差信号をデルタ変調するデルタ変調器と、
前記デルタ変調器の出力を増幅するスイッチング増幅器と、
前記スイッチング増幅器の出力を帯域制限する低域通過フィルタと
を備え、
前記高周波電力増幅器は、前記低域通過フィルタの出力を電源電圧として、前記変調波入力信号を増幅する
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項4】
変調波入力信号を増幅する高周波電力増幅器と、
前記変調波入力信号から包絡線信号を検出する包絡線検出手段と、
前記包絡線検出手段の出力をデルタ変調するデルタ変調器と、
前記デルタ変調器の出力を増幅するスイッチング増幅器と、
前記スイッチング増幅器の出力を帯域制限する低域通過フィルタと、
前記変調波入力信号を検出する入力信号検出手段と、
前記高周波電力増幅器の出力信号を検出する出力信号検出手段と、
前記入力信号検出手段の出力の振幅と前記出力信号検出手段の出力の振幅とを比較する振幅比較手段と
を備え、
前記高周波電力増幅器は、前記低域通過フィルタの出力を電源電圧として、前記振幅比較手段の出力に応じて振幅補正された変調波入力信号を増幅する
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項5】
請求項2または4に記載の増幅装置において、
前記振幅比較手段の出力に応じて前記変調波入力信号の振幅を補正する可変利得器をさらに備え、
前記高周波電力増幅器は、前記可変利得器により振幅補正された変調波入力信号を増幅する
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項6】
請求項2、4または5のいずれか1項に記載の増幅装置において、
前記高周波電力増幅器は、多段増幅器でなり、
前記振幅比較手段の出力に応じて前記高周波電力増幅器の前段増幅器のゲート電圧またはドレイン電圧を制御する
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項7】
請求項2、4または5のいずれか1項に記載の増幅装置において、
前記高周波電力増幅器は、多段増幅器でなり、
前記振幅比較手段の出力に応じて前記高周波電力増幅器の後段増幅器のゲート電圧を制御する
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項8】
変調波入力信号を増幅する高周波電力増幅器と、
前記変調波入力信号から包絡線信号を検出する包絡線検出手段と、
前記包絡線検出手段の出力をデルタ変調するデルタ変調器と、
前記デルタ変調器の出力を増幅するスイッチング増幅器と、
前記スイッチング増幅器の出力を帯域制限する低域通過フィルタと、
前記変調波入力信号を検出する入力信号検出手段と、
前記高周波電力増幅器の出力信号を検出する出力信号検出手段と、
前記入力信号検出手段の出力の位相と前記出力信号検出手段の出力の位相とを比較する位相比較手段と
を備え、
前記高周波電力増幅器は、前記低域通過フィルタの出力を電源電圧として、前記位相比較手段の出力に応じて位相補正された変調波入力信号を増幅する
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項9】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の増幅装置において、
前記入力信号検出手段の出力の位相と前記出力信号検出手段の出力の位相とを比較する位相比較手段をさらに備え、
前記高周波電力増幅器は、前記低域通過フィルタの出力を電源電圧として、前記位相比較手段の出力に応じて位相補正された変調波入力信号を増幅する
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の増幅装置において、
前記位相比較手段の出力に応じて前記変調波入力信号の位相を補正する可変移相器をさらに備え、
前記高周波電力増幅器は、前記可変移相器により位相補正された変調波入力信号を増幅する
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項11】
変調波入力信号を増幅する高周波電力増幅器と、
前記高周波電力増幅器の出力信号を検出する出力信号検出手段と、
前記出力信号検出手段出力を直交復調する直交復調器と、
前記直交復調器の出力を負帰還し、ベースバンド入力信号に加算する加算器と、
前記加算器の出力を帯域制限した信号を直交変調する直交変調器と、
前記直交変調器の出力から包絡線信号を検出する包絡線検出手段と、
前記包絡線検出手段の出力をデルタ変調するデルタ変調器と、
前記デルタ変調器の出力を増幅するスイッチング増幅器と、
前記スイッチング増幅器の出力を帯域制限する低域通過フィルタと
を備え、
前記高周波電力増幅器は、前記低域通過フィルタの出力を電源電圧として、前記直交変調器からの変調波入力信号を増幅する
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項に記載の増幅装置において、
前記出力信号検出手段の出力を帰還させる帰還経路にループの位相遅れを低減する位相進み回路を設けた
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項13】
請求項12に記載の増幅装置において、
前記位相進み回路は、インダクタ、コンデンサ、抵抗で構成される直列共振回路を信号伝送経路に対して並列接続したもの、または、インダクタ、コンデンサ、抵抗で構成される並列共振回路を信号伝送経路に対して直列接続したものを、少なくとも1つ以上用いた
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項14】
請求項12に記載の増幅装置において、
前記位相進み回路は、インダクタ、コンデンサ、抵抗で構成される直列共振回路を信号伝送経路に対して並列接続したものと、インダクタ、コンデンサ、抵抗で構成される並列共振回路を信号伝送経路に対して直列接続したものとを、それぞれ少なくとも1つ以上用いた
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項15】
請求項12に記載の増幅装置において、
前記位相進み回路は、抵抗とキャパシタンスの並列接続回路を、信号伝送経路に対して直列に接続したものを、少なくとも1つ以上用いた
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項16】
請求項12に記載の増幅装置において、
前記位相進み回路は、抵抗とキャパシタンスの並列接続回路を、信号伝送経路に対して直列に接続したものと、抵抗または抵抗とキャパシタンスの直列接続回路を信号伝送経路に対して並列に接続したものとを、それぞれ少なくとも1つ以上用いた
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項17】
請求項12に記載の増幅装置において、
前記位相進み回路は、抵抗性成分を有するオープンスタブ、または、抵抗とオープンスタブの直列接続回路を、信号伝送経路に対して並列接続したものを少なくとも1つ以上用いた
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項18】
請求項12に記載の増幅装置において、
前記位相進み回路は、抵抗性成分を有するショートスタブ、または抵抗とショートスタブの直列接続回路を、信号伝送経路に対して並列接続したものを少なくとも1つ以上用いた
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項19】
請求項12に記載の増幅装置において、
前記位相進み回路は、抵抗とオープンスタブの直列接続回路を、信号伝送経路に対して並列に接続したものと、抵抗と前記オープンスタブとは線路長の異なるオープンスタブの直列接続回路を信号伝送経路に対して並列に接続したものを用いた
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項20】
請求項12に記載の増幅装置において、
前記位相進み回路は、抵抗とショートスタブの直列接続回路を、信号伝送経路に対して並列に接続したものと、抵抗と前記ショートスタブとは線路長の異なるショートスタブの直列接続回路を信号伝送経路に対して並列に接続したものを用いた
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項21】
請求項1から20までのいずれか1項に記載の増幅装置において、
前記高周波電力増幅器は、A級増幅器、AB級増幅器、あるいはB級増幅器で構成される
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項22】
請求項1から21までのいずれか1項に記載の増幅装置において、
前記高周波電力増幅器は、ドハティ増幅器で構成される
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項23】
請求項1から22までのいずれか1項に記載の増幅装置において、
前記スイッチング増幅器は、D級増幅器で構成される
ことを特徴とする増幅装置。
【請求項24】
請求項1から23までのいずれか1項に記載の増幅装置において、
前記デルタ変調器の代わりに、パルス幅変調器またはデルタシグマ変調器を用いる
ことを特徴とする増幅装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−101111(P2011−101111A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253225(P2009−253225)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】