説明

増強された有効性を有するケモカインレセプタ結合複素環式化合物

CXCR4レセプタと相互作用する化合物を記載する。本発明は、ケモカインレセプタに結合し、それに対する天然リガンドの結合に干渉する新規な化合物を提供する。この化合物は、例えば、HIV感染、および慢性関節リウマチのような炎症性疾患、ならびに喘息または癌を処置するのに有用であり、前駆細胞および幹細胞カウントを上昇させるための方法、および白血球細胞カウントを上昇させるための方法で有用である。本発明の具体例は、ケモカインレセプタのアンタゴニストまたはアゴニストとして作用する化合物である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

環AおよびBの各々は、独立して、必要に応じて置換された5員から6員の単環ヘテロアリールであり;
環Cは、必要に応じて、置換された5員〜8員の飽和または部分的飽和環であり、
YはH、1以上のヘテロ原子を含むC1−6アルキル、または環状基であり、その各々は、必要に応じて、置換され;
Lは(CRまたはNR(CRであり、ここで、アルキル結合はアルケニルまたはアルキニル結合で置き換えられ;
ここで、各RはHまたはアルキルであり;
lは1〜6であり;
およびRは、独立して、Hまたは非干渉性置換基であり;ここで、Cがピペリジニルまたは1,2,3,6−テトラヒドロピリジルであって、環AおよびBがピリジニルである場合、RおよびRの少なくとも1つはHではなく;Cがピペリジニルであって、環AおよびBがピリジニルである場合、RおよびRは共にはナフタレニルではなく;
但し、もしL−YがCHであるならば、Cは4−オキソ−ピペリジン−3,5−ジカルボン酸ではなく;およびもしL−Yがベンジルであれば、Cは4−ヒドロキシ−1,2,5,6−テトラヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸エステルではない、
化合物。
【請求項2】
必要に応じて置換された環上の置換基が、その各々が必要に応じてO、SおよびNから選択される1以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、かつその各々がさらに置換される無機基、アルキル(C1−10)、アルケニル(C2−10)、アルキニル(C2−10)、アリール(5員〜12員)、アリールアルキル、アリールアルケニル、およびアリールアルキニルよりなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
環AおよびBの各々が、独立して、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、1,2,3−ベンゾトリアジン、1,2,4−ベンゾトリアジン、インドール、ベンズイミダゾール、1H−インダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンズ[d]イソオキサゾール、ベンズ[d]イソチアゾール、およびプリンよりなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
環AおよびBの各々が、独立して、ピリジン、ピリミジン、イミダゾールまたはベンズイミダゾールである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
環AおよびBが同一である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
環Cがピロリジン、ピペリジン、ヘキサヒドロ−1H−アゼピン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、アゾカン、2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン、2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン、3−ピロリン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、イソインドリン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、オキセパン、チエパン、オキソカン、およびチオカンよりなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
環Cがピロリジン、ピペリジン、ピペラジンまたはヘキサヒドロ−1H−アザピンである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Yが芳香族、ヘテロ芳香族または複素環基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Yがフェニル、イミダゾール、ピリジン、チオフェン、ピロリジン、ピラゾール、ピペリジン、アゼチジン、ベンズイミダゾール、ベンゾ[d]イソオキサゾール、またはチアゾールである請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Yが、必要に応じて、ハロ;シアノ;ニトロ;必要に応じてアルキルまたはハロゲン化アルキルで置換されるヒドロキシ;置換カルボニル;環状基;または、その各々が、必要に応じて酸化物の形態であり、1以上のN、O、Sを必要に応じて含むアルキル、アルケニルまたはヘテロアリール基で置換される、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
必要に応じて、1以上のN、OまたはSを必要に応じて含む環状基で置換される、請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
前記環状基が5〜12の環メンバーの必要に応じて置換された芳香族またはへテロ芳香族基である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
前記環状基がピリジン、フェニル、ピペリジンまたは2H−テトラゾールである、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
Yがフェニルまたはイミダゾールである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
Yが、
【化2】

よりなる群から選択され;
各Rは、独立して、Hまたは非干渉性置換基であり、各mは独立して0〜4であり;そしてZは5〜12の環メンバーを含む必要に応じて置換された芳香族またはヘテロ芳香族基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
Yが、(CHNRであり、ここで、Rが、Hまたは非干渉性置換基であって、lが、1〜10である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
環AおよびBの各々が、環Cに環を連結させる結合に隣接する位置に単一の置換基を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
前記置換基が、環Aおよび環B上で同一である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的組成物を、阻害を必要とする被験体に投与する工程を包含する、HIV感染を阻害する方法。
【請求項20】
有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的組成物を、軽減を必要とする被験体に投与する工程を包含する、CXCR4レセプタによって媒介される疾患を軽減する方法。
【請求項21】
有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的組成物を、治療を必要とする被験体に投与する工程を包含する、炎症疾患を処置する方法。
【請求項22】
前記炎症疾患が、慢性関節リウマチである請求項21記載の方法。
【請求項23】
有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的組成物を、治療を必要とする被験体に投与する工程を包含する、喘息を処置する方法。
【請求項24】
有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的組成物を、治療を必要とする被験体に投与する工程を包含する、腫瘍疾患を処置する方法。
【請求項25】
有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的組成物を、治療を必要とする被験体に投与する工程を包含する、慢性関節リウマチを処置する方法。
【請求項26】
さらに、HIVを処置するのに有用なさらなる薬剤を前記被験体に投与する工程を包含する、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記腫瘍が、脳、胸、前立腺、肺または造血系組織のものである、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的組成物を、臨床的に効果的な方法に従う臨床的に許容される投与経路によって治療を必要とする患者に投与することを含むヒトまたは動物の被験体において望ましくない疾患を処置する方法であって、ここで、該疾患が、脈管形成、アレルギー性鼻炎、過敏性肺疾患、過敏性肺炎、好酸球性肺炎、遅延型の過敏症、間隙性肺疾患、全身性アナフィラキシーまたは過敏性応答、薬物アレルギー、昆虫刺アレルギー、自己免疫疾患、慢性関節リウマチ、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、若年発症糖尿病、糸球体腎炎、自己免疫甲状腺炎、移植片拒絶、同種移植片拒絶、対宿主性移植片病、炎症性腸病、クローン病、潰瘍性結腸炎、脊椎関節症、強皮症、乾癬、皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー接触皮膚炎、蕁麻疹、血管炎、好酸球性筋炎、好酸球性筋膜炎または癌である、方法。
【請求項29】
前記疾患が、免疫抑制に関連する、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記被験体が、化学療法、放射線療法、創傷治癒、火傷治療、または自己免疫疾患に対する療法を受けている、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
被験体において白血球細胞カウントを上昇させるための、単位投与形態に、有効量の請求項1に記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項32】
前記被験体において心臓組織の再生を行うのに有効な量にて、請求項1に記載の式(1)の化合物のある量を該被験体に投与することによって被験体において心臓組織の再生を行う方法。
【請求項33】
前記化合物が、静脈内または皮下経路、または経口経路によって前記被験体に投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記化合物が、経口経路によって前記被験体に投与される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
式(1)の化合物が、約0.1μg/体重量kg〜5mg/体重量kgの投与範囲にて前記被験体に投与される、請求項32の記載の方法。
【請求項36】
被験体において前駆細胞および/または幹細胞の集団を増強させる方法であって、該被験体において前駆細胞および/または幹細胞集団を上昇させる有効量にて、請求項1に記載の化合物またはその薬学的組成物を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項37】
前記被験体が、化学療法または放射線療法による造血系の欠乏を呈する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記被験体が、無形成貧血、白血病および薬物誘導貧血よりなる群から選択される疾患を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記被験体が、移植受容者である、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記被験体が、健康な幹細胞ドナーである、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記前駆細胞および/または幹細胞が、創傷治癒を増強させる、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記先祖および/または幹細胞が、細菌性炎症を軽減する、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記前駆細胞および/または幹細胞が、損傷した器官組織を回復する、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
前記化合物が、静脈内または皮下経路、または経口経路によって前記被験体に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
前記化合物が、経口経路によって前記被験体に投与される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記式(1)の化合物が、約0.1μg/体重量kg〜5mg/体重量kgの投与量範囲で前記被験体に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項47】
末梢血液または骨髄における前記前駆細胞および/または幹細胞集団を上昇させるのに有効な量の請求項1に記載の化合物で該末梢血液または骨髄を処置する工程を包含する、末梢血液または骨髄における前駆細胞および/または幹細胞の集団を増強させる方法。
【請求項48】
さらに、前記末梢血液または骨髄をマクロファージ炎症性タンパク質で処置する工程を包含する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記処置が、生体外のものである、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記末梢血液または骨髄が、G−CSFで処置されている被験体に由来する、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
被験体において前駆細胞および/または幹細胞集団を上昇させるための、単位投与形態に、有効量の請求項1に記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項52】
さらに、G−CSF、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−3(IL−3)、インターロイキン−8(IL−8)、PIXY−321(GM−CSF/IL−3融合タンパク質)、マクロファージ炎症性タンパク質、幹細胞因子、トロンボポエチン、および/または増殖関連オンコジーンの1以上を含む、請求項51に記載の薬学的組成物。
【請求項53】
前記前駆細胞および/または幹細胞集団を上昇させるのに十分な量の、ケモカインレセプタCXCR4に結合する化合物を被験体に投与する工程を包含する、被験体において前駆細胞および/または幹細胞集団を上昇させる方法。
【請求項54】
前記末梢血液または骨髄における前記前駆細胞および/または幹細胞集団を上昇させるのに十分な量の、ケモカインレセプタCXCR4に結合する化合物で末梢血液または骨髄を処置する工程を包含する、末梢血液骨髄における前駆細胞および/または幹細胞集団を上昇させる方法。
【請求項55】
前記組織を再生するのに十分な量の、ケモカインレセプタCXCR4に結合する化合物を再生を必要とする被験体に投与する工程を包含する、被験体において心臓組織の再生を行う方法。
【請求項56】
白血球細胞(WBC)カウントの上昇によって利益を受ける被験体を処置する方法であって、該被験体において該WBCカウントを上昇させるのに有効な量にて、ある量の請求項1に記載の化合物を被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項57】
前記被験体が、化学療法または放射線療法による造血系欠乏を呈し、ここで、該被験体は、形成性貧血、白血病および薬物誘導貧血よりなる群から選択される疾患を有するか、あるいは該被験体が移植受容者である、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
WBCカウントの前記上昇が、創傷治癒を増強させるか、あるいはWBカウントの該上昇が細菌性炎症を軽減させる、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記化合物が、静脈内または皮下経路、または経口経路によって前記被験体に投与される、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記化合物が、経口経路によって前記被験体に投与される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記式(1)の化合物が、約0.1μg/体重量kg〜5mg/体重量kgの投与量範囲にて前記被験体に投与される、請求項56に記載の方法。
【請求項62】
およびRが、独立して、置換されていないアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項63】
およびRが環Cへの結合に隣接する位置にある、請求項1に記載の化合物。
【請求項64】
環Cが飽和しているか、または1つの二重結合を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項65】
前記化合物が実施例1〜142に記載された化合物よりなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項66】
少なくとも1つの賦形剤と共に、請求項1に記載の化合物を有効成分として含む、薬学的組成物。
【請求項67】
HIVの治療用の医薬の製造のための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項68】
ケモカインレセプタによって媒介される疾患の治療用の医薬の調製のための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項69】
炎症疾患の治療用の医薬の調製のための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項70】
前記炎症疾患が、慢性関節リウマチである、請求項69に記載の使用。
【請求項71】
腫瘍疾患の治療用の医薬の調製のための請求項69に記載の化合物の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−524700(P2006−524700A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513270(P2006−513270)
【出願日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/012627
【国際公開番号】WO2004/093817
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(599084588)アノーメッド インコーポレイティド (8)
【Fターム(参考)】