壁構造
【課題】枠体８の内側を格子状に配置してある金属製又は非金属製のフレーム材１ａで複数の四角形の開口部２に区画し、開口部の夫々に板材３，４を嵌め込んで塞いである壁構造において、少なくとも一部の開口部に面ガラスを嵌め込んでも、その開口部の変形を面ガラスで規制できるようにして、強度が高い枠体やフレーム材を特に使用することなく、壁面の面内変形を防止できるようにする。
【解決手段】フレーム材１ａを鉛直に対して傾斜している姿勢で格子状に配置して、フレーム材を挟んで隣り合う開口部２どうしを鉛直に対して傾斜する方向に隣り合わせ、少なくとも一部の開口部に、その開口部の形状と略同じ四角形の面ガラス３を嵌め込み、面ガラス及びフレーム材よりも軟質で、かつ、フレーム材と面ガラスとに亘って外力を伝達可能なスペーサー１０を、面ガラスにおける各側辺に沿う端面１１とフレーム材との間に装着してある。
【解決手段】フレーム材１ａを鉛直に対して傾斜している姿勢で格子状に配置して、フレーム材を挟んで隣り合う開口部２どうしを鉛直に対して傾斜する方向に隣り合わせ、少なくとも一部の開口部に、その開口部の形状と略同じ四角形の面ガラス３を嵌め込み、面ガラス及びフレーム材よりも軟質で、かつ、フレーム材と面ガラスとに亘って外力を伝達可能なスペーサー１０を、面ガラスにおける各側辺に沿う端面１１とフレーム材との間に装着してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、枠体の内側を、格子状に配置してある金属製又は非金属製のフレーム材で複数の四角形の開口部に区画し、前記開口部の夫々に板材を嵌め込んで塞いである壁構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
上記壁構造は、枠体の内側を、格子状に配置してある金属製又は非金属製のフレーム材で複数の四角形の開口部に区画して、開口部の夫々に板材を嵌め込んで塞いであるので、枠体に作用する風や地震などの水平外力による壁面の面内変形、例えば、四角形の枠体における一方の対角線に沿って互いに対向する二つのコーナー部が互いに近接し、残りの二つのコーナー部が互いに離間するような変形を、各開口部の変形に伴うフレーム材とその開口部に嵌め込んである板材との接当で開口部の変形を規制することによって、強度が高い枠体やフレーム材を特に使用することなく防止することができる。
しかしながら、壁の透視性を確保できるように、複数の開口部のうちの少なくとも一部の開口部に面ガラスを嵌め込むような場合は、従来、ガラス面に沿う方向の外力が面ガラスに作用すると、その面ガラスの一部に応力が集中し易く、その結果、応力集中箇所に発生したクラックなどに起因して破損し易い点を考慮して、面ガラスを建築構造部材として開口部に嵌め込むようなことは行われておらず、枠体に水平外力が作用しても、面ガラスには外力が極力作用しないように、弾性緩衝材などを介して開口部に嵌め込んでいる（慣用技術であり、先行技術文献情報を開示できない）。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
このため、壁の透視性を確保できるように、複数の開口部のうちの少なくとも一部の開口部に面ガラスを嵌め込むような場合は、その面ガラスに開口部の変形を規制するような機能を期待することができず、壁全体として大きな耐力を期待することができないという欠点がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、壁の透視性を確保できるように、複数の四角形の開口部のうちの少なくとも一部の開口部に面ガラスを嵌め込んでも、その面ガラスを嵌め込んである開口部の変形を面ガラスで規制できるようにして、強度が高い枠体やフレーム材を特に使用することなく、壁面の面内変形を防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
本発明の第１特徴構成は、枠体の内側を、格子状に配置してある金属製又は非金属製のフレーム材で複数の四角形の開口部に区画し、前記開口部の夫々に板材を嵌め込んで塞いである壁構造であって、前記フレーム材を鉛直に対して傾斜している姿勢で格子状に配置して、フレーム材を挟んで隣り合う開口部どうしを、鉛直に対して傾斜する方向に隣り合わせ、前記複数の開口部うちの少なくとも一部の開口部に嵌め込む前記板材に、その開口部の形状と略同じ四角形の面ガラスを採用し、前記面ガラス及び前記フレーム材よりも軟質で、かつ、前記フレーム材と前記面ガラスとに亘って外力を伝達可能なスペーサーを、前記面ガラスにおける各側辺に沿う端面と前記フレーム材との間に装着してある点にある。
【０００５】
〔作用及び効果〕
複数の開口部のうちの少なくとも一部の開口部に、その開口部の形状と略同じ四角形の面ガラスを嵌め込んであるので、壁の透視性を確保できる。
そして、面ガラス及びフレーム材よりも軟質で、かつ、フレーム材と面ガラスとに亘って外力を伝達可能なスペーサーを、面ガラスにおける各側辺に沿う端面とフレーム材との間に装着して、面ガラスを嵌め込んであるので、開口部の変形に伴って、その開口部を形成しているフレーム材から、スペーサーを介して、応力が集中することなく面ガラスに主に圧縮外力が作用し、もって、面ガラスの耐圧縮強度に基づいて開口部の変形を規制できるのである。
しかしながら、図６（イ）の概念図で例示する比較例のように、フレーム材１ａを鉛直方向と水平方向とに沿わせて格子状に配置して、四角形の枠体８の内側を複数の四角形の開口部２に区画し、例えば、枠体８における各対角線ｍ，ｎに沿う開口部２ｃに、その開口部２ｃの形状と略同じ四角形の面ガラス３を嵌め込んであると、図６（ロ）に示すように、枠体８の下部を固定した状態で枠体８の上部に作用する水平外力Ｆによって、一方の対角線ｍに沿って互いに対向する二つのコーナー部Ｄ１が互いに近接し、残りの二つのコーナー部Ｄ２が互いに離間するように、枠体８が変形しようとするに伴って、二つのコーナー部Ｄ１が互いに近接しようとする方向の圧縮外力Ｆｃが、面ガラス３における対角線ｍに沿うコーナー部Ｃ１周りの狭い範囲に集中的に作用し、その結果、面ガラス３のコーナー部Ｃ１において、面ガラス３の肉厚内にそのガラス面に沿う方向に作用する剪断力で肉厚内部に割れが発生し易い問題がある。
そこで、本発明では、図５（イ）の概念図で例示するように、フレーム材１ａを鉛直に対して傾斜している姿勢で格子状に配置して、枠体８の内側を複数の四角形の開口部２に区画し、例えば、枠体８における各対角線ｍ，ｎに沿う各開口部２ａに、その開口部２ａの形状と略同じ四角形の面ガラス３を嵌め込んであるので、図５（ロ）に示すように、枠体８の下部を固定した状態で枠体８の上部に作用する水平外力Ｆによって、一方の対角線ｍに沿って互いに対向する二つのコーナー部Ｄ１が互いに近接し、残りの二つのコーナー部Ｄ２が互いに離間するように、枠体８が変形しようとするに伴って、二つのコーナー部Ｄ１が互いに近接しようとする方向の圧縮外力Ｆｃを、面ガラス３のコーナー部Ｃに集中的に作用しないように、面ガラス３における側辺に沿う端面２０に沿って分散させ易くなり、面ガラス３のコーナー部Ｃにおいて肉厚内部に割れが発生するおそれが少ない。
従って、壁の透視性を確保できるように、複数の四角形の開口部のうちの少なくとも一部の開口部に面ガラスを嵌め込んでも、その面ガラスを嵌め込んである開口部の変形を面ガラスで規制できるようになり、強度が高い枠体やフレーム材を特に使用することなく、壁面の面内変形を防止できる。
【０００６】
本発明の第２特徴構成は、前記スペーサーを前記面ガラスのコーナー部から離間させて装着してある点にある。
【０００７】
〔作用及び効果〕
スペーサーを面ガラスのコーナー部から離間させて装着してあるので、フレーム材から、スペーサーを介して、面ガラスのコーナー部に圧縮外力が作用することを防止でき、面ガラスのコーナー部における肉厚内部に割れが発生するおそれが一層少ない。
【０００８】
本発明の第３特徴構成は、前記スペーサーを、前記コーナー部から２５．４ｍｍ（１インチ）以上離間させて装着してある点にある。
【０００９】
〔作用及び効果〕
面ガラスにおけるコーナー部周りの狭い範囲に圧縮外力が集中的に作用しないように、スペーサーを、面ガラスのコーナー部から２５．４ｍｍ（１インチ）以上離間させて装着してあるので、後述するように、枠体の変形に伴う面ガラスの破壊荷重を大きく確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
〔第１実施形態〕
図１〜図３は本発明による壁構造を示し、四辺形に組まれた軸組又は枠組Ａの内周側に枠用フレーム材１ｂを固定して枠体８を設けて、その枠体８の内側を、格子状に配置してある格子用フレーム材１ａで複数の開口部２（２ａ，２ｂ）に区画し、それらの開口部２の夫々に板材３，４を嵌め込んで塞いである。
尚、格子用フレーム材１ａも、枠用フレーム材１ｂも、ステンレス鋼などの金属材料で構成してある。
【００１１】
前記軸組又は枠組Ａは、上下の床スラブ５を各別に支持している木製や金属製，コンクリート製などの水平方向部材６と、その水平方向部材６を支持している木製や金属製，コンクリート製などの鉛直方向部材７とを建物外壁部に設けて、上下の水平方向部材６と左右の鉛直方向部材７とで内周形状が略正四角形になるように組み付けてある。
【００１２】
前記軸組又は枠組Ａの内周側に、内周形状が略正四角形の枠体８を構成する枠用フレーム材１ｂを固定するとともに、その枠体８の内周側に複数の格子用フレーム材１ａの夫々を鉛直に対して略４５°の角度で傾斜している姿勢で略等間隔で格子状に配置して枠体８に一体に組み付け、格子用フレーム材１ａを挟んで隣り合う開口部２（２ａ，２ｂ）どうしを、鉛直に対して略４５°の角度で傾斜する方向に隣り合わせてある。
【００１３】
そして、格子用フレーム材１ａで区画した複数の開口部２（２ａ，２ｂ）のうちの略正四角形の矩形開口部２ａに嵌め込む板材３には、その開口部２ａの形状と略同じ正四角形の面ガラスを採用するとともに、残りの略直角三角形の開口部２ｂに嵌め込む板材４にはその開口部２ｂの形状と略同じ直角三角形のステンレス鋼などの金属製板材を採用して、面ガラス３と金属製板材４との夫々を、その外周縁部を各フレーム材１ａ，１ｂに沿わせて固定してあり、面ガラス３で塞いである複数の開口部２ａは、枠体８における対角線に沿って斜め上下方向に配置してある。
【００１４】
図２，図３は各面ガラス３と各金属製板材４の固定構造を示し、格子用フレーム材１ａの開口部２ａに臨む内周側に、面ガラス３の端縁が入り込む凹溝９を形成するとともに、格子用フレーム材１ａ及び枠用フレーム材１ｂの開口部２ｂに臨む内周側に、金属製板材４の端縁が入り込む凹溝１２を形成してある。
【００１５】
そして、面ガラス３は、面ガラス３及び格子用フレーム材１ａよりも軟質で、かつ、格子用フレーム材１ａと面ガラス３とに亘って外力を伝達可能なスペーサー１０を、面ガラス３における各側辺に沿う端面１１と格子用フレーム材１ａとの間に、面ガラス３の各コーナー部Ｃから２５．４ｍｍ（１インチ）以上の離間距離Ｌで離間させて、その面ガラス３に対して非接着状態で装着して、開口部２ａに嵌め込んであり、金属製板材４は、その周縁を端面１３が溝底面に接触する状態で、その凹溝１２に全周に亘って嵌合させて、開口部２ｂに嵌め込んである。
【００１６】
また、面ガラス３の各コーナー部Ｃ周りの端面１１と格子用フレーム材１ａとの間、及び、面ガラス３のガラス面と格子用フレーム材１ａとの間には、面ガラス３の板面に沿う方向から外れた方向の応力が格子用フレーム材１ａから面ガラス３に伝わらないように弾性緩衝材１４を装着してある。
【００１７】
前記スペーサー１０は、具体的には、ポリアセタール樹脂やアクリル樹脂，ナイロン６６，アルミ合金などのヤング率（Ｅ）が1000〜70000Ｎ／ｍｍ2の硬質材料で形成してあり、また、弾性緩衝材１４はヤング率（Ｅ）が1000Ｎ／ｍｍ2未満の軟質材料で形成してある。
【００１８】
〔第２実施形態〕
図４は、本発明による壁構造の別実施形態を示し、軸組又は枠組Ａを、上下の水平方向部材６と左右の鉛直方向部材７とで内周形状が横長の長方形になるように組み付けてあり、その内周側に、内周形状が横長の長方形の枠体８を構成する枠用フレーム材１ｂを固定するとともに、その枠体８の内周側に、複数の格子用フレーム材１ａの夫々を鉛直に対して傾斜している姿勢で格子状に配置して、格子用フレーム材１ａを挟んで隣り合う開口部２（２ａ，２ｂ）どうしを、鉛直に対して傾斜する方向に隣り合わせてある。
【００１９】
前記格子用フレーム材１ａは、枠体８における一方の対角線ｍに対して略直交する方向に沿って鉛直に対して傾斜している姿勢の複数の第１フレーム材１５と、枠体８における他方の対角線ｎに対して略直交する方向に沿って鉛直に対して傾斜している姿勢の複数の第２フレーム材１６とで構成してあり、第１フレーム材１５と第２フレーム材１６とを夫々略等間隔で格子状に配置して、枠体８に一体に組み付けてある。
【００２０】
そして、第１フレーム材１５と第２フレーム材１６とで区画した複数の開口部２（２ａ，２ｂ）のうちの略菱形の開口部２ａに嵌め込む板材３には、その開口部２ａの形状と略同じ菱形の面ガラスを採用するとともに、残りの三角形の開口部２ｂに嵌め込む板材４にはその開口部２ｂの形状と略同じ三角形のステンレス鋼などの金属製板材を採用して、面ガラス３と金属製板材４との夫々を、その外周縁部を各フレーム材１ａ，１ｂに沿わせて固定してある。
その他の構成は第１実施形態と同様である。
【００２１】
〔第３実施形態〕
図示しないが、第１実施形態又は第２実施形態において、軸組又は枠組Ａの内周側に、金属製の枠用フレーム材１ｂに代えて木質の枠用フレーム材１ｂで構成した枠体８を固定し、その枠体８の内周側に、金属製の格子用フレーム材１ａに代えて木質の格子用フレーム材１ａの夫々を鉛直に対して傾斜している姿勢で略等間隔で格子状に配置して枠体８に一体に組み付けてあっても良い。
【００２２】
前記格子用フレーム材１ａを、例えば集成材やベイマツ，杉などの木質材で構成してある場合、面ガラス３よりも軟質で、かつ、格子用フレーム材１ａと面ガラス３とに亘って外力（圧縮力）を伝達可能なスペーサー１０として、具体的には、ポリアセタール樹脂やアクリル樹脂，ナイロン６６，アルミ合金などのヤング率（Ｅ）が1000〜70000Ｎ／ｍｍ2の硬質材料で形成してあるスペーサー１０を装着することができる。
その他の構成は第１実施形態と同様である。
【００２３】
〔その他の実施形態〕
１．本発明による壁構造は、複数の四角形の開口部の全部に面ガラスを嵌め込んであっても、複数の四角形の開口部のうちの一部の開口部にのみ面ガラスを嵌め込んであっても、単一の開口部にのみ面ガラスを嵌め込んであっても良い。
２．本発明による壁構造は、軸組又は枠組の構造物の内周側に形成される枠体以外に、鉄筋，鉄骨ラーメン構造によって形成される枠体の内側に面ガラスを嵌め込む構造であっても良い。また、金属製のフレーム材と木質のフレーム材とを併用して、枠体の内側を複数の四角形の開口部に区画してあっても良い。
３．本発明による壁構造は、天然木の他、合板や集成材，パーティクルボードなどの木質材料、或いは、樹脂材料などの非金属製のフレーム材を格子状に配置して、枠体の内側を複数の四角形の開口部に区画してあっても良い。
４．本発明による壁構造は、建物内部を区画するために設けてあっても良い。
５．本発明による壁構造は、面ガラスにおける各側辺に沿う端面とフレーム材との間に、側辺の全長に亘ってスペーサーを装着してあっても良い。
６．本発明による壁構造は、面ガラスにおける各側辺に沿う端面とフレーム材との間に、複数のスペーサーを断続的に装着してあっても良い。
７．本発明による壁構造は、複数枚の面ガラスを板厚方向に重なるように開口部に嵌め込んであっても良い。
８．本発明による壁構造は、建築物の軸組又は枠組で枠体を構成してあっても良い。
９．本発明による壁構造は、スペーサーを、面ガラスにおける各コーナー部からの離間距離が各側辺において異なるように、開口部に装着してあっても良い。
１０．本発明による壁構造は、型板ガラス，フロートガラス，強化ガラス，合わせガラス，複層ガラスなどのいずれの面ガラスを開口部に嵌め込んであっても良く、その品種や構成は限定されない。また、前記の面ガラスは、鏡であっても良い。
【実施例１】
【００２４】
図７に示すように、本発明による壁構造における矩形の開口部２（２ａ）を設けてある試験用模型Ｂに水平荷重Ｐを作用させる試験装置を使用して、スペーサー１０のコーナー部Ｃからの離間距離Ｌを変えた場合の開口部２の変形に伴う矩形の面ガラス３の破壊荷重を測定した。
【００２５】
前記試験用模型Ｂは、格子用フレーム材１ａとしての四個の形鋼材１７をピン１８で相対変位可能に矩形の枠状に連結して開口部２を形成し、面ガラス（一辺の長さ：５００ｍｍ，厚さ：１９ｍｍ）３の端面１１と形鋼材１７の内周側との間にポリアセタール樹脂製のスペーサー（厚さ：５ｍｍ）１０を挟み込んで、面ガラス３を開口部２に嵌め込んである。
尚、面ガラス３の各コーナー部Ｃ周りの端面１１と形鋼材１７との間は空隙で、弾性緩衝材１４を装着していない。
【００２６】
そして、スペーサー１０の各コーナー部Ｃからの離間距離Ｌが１５ｍｍのサンプル１と、２５．４ｍｍ（１インチ）のサンプル２と、４０ｍｍのサンプル３と、５０ｍｍのサンプル４とを作成し、比較のために、スペーサー１０の各コーナー部Ｃからの離間距離Ｌが０ｍｍの比較用サンプルを作成して、各サンプルについて試験用模型Ｂの上部に水平荷重Ｐを作用させ、面ガラス３に割れが生じるときの水平荷重Ｐを破壊荷重として測定した。
【００２７】
表１は、その測定結果を示し、離間距離Ｌが２５．４ｍｍ（１インチ）以上のサンプル２，３，４は、試験用模型Ｂの変形に伴う面ガラス３の破壊荷重を、４トン（３９．２ｋＮ）用耐震壁に使用できる８０ｋＮ以上の大きさで確保できることが分かる。
【表１】
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】壁構造の正面図
【図２】要部の一部切欠き正面図
【図３】図１のIII−III線断面図
【図４】第２実施形態を示す正面図
【図５】本発明による壁構造の説明用概念図
【図６】比較例の作用説明用概念図
【図７】試験装置の正面図
【符号の説明】
【００２９】
１ａ フレーム材
２ 開口部
３ 板材（面ガラス）
４ 板材
８ 枠体
１０ スペーサー
１１ 端面
Ｃ コーナー部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、枠体の内側を、格子状に配置してある金属製又は非金属製のフレーム材で複数の四角形の開口部に区画し、前記開口部の夫々に板材を嵌め込んで塞いである壁構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
上記壁構造は、枠体の内側を、格子状に配置してある金属製又は非金属製のフレーム材で複数の四角形の開口部に区画して、開口部の夫々に板材を嵌め込んで塞いであるので、枠体に作用する風や地震などの水平外力による壁面の面内変形、例えば、四角形の枠体における一方の対角線に沿って互いに対向する二つのコーナー部が互いに近接し、残りの二つのコーナー部が互いに離間するような変形を、各開口部の変形に伴うフレーム材とその開口部に嵌め込んである板材との接当で開口部の変形を規制することによって、強度が高い枠体やフレーム材を特に使用することなく防止することができる。
しかしながら、壁の透視性を確保できるように、複数の開口部のうちの少なくとも一部の開口部に面ガラスを嵌め込むような場合は、従来、ガラス面に沿う方向の外力が面ガラスに作用すると、その面ガラスの一部に応力が集中し易く、その結果、応力集中箇所に発生したクラックなどに起因して破損し易い点を考慮して、面ガラスを建築構造部材として開口部に嵌め込むようなことは行われておらず、枠体に水平外力が作用しても、面ガラスには外力が極力作用しないように、弾性緩衝材などを介して開口部に嵌め込んでいる（慣用技術であり、先行技術文献情報を開示できない）。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
このため、壁の透視性を確保できるように、複数の開口部のうちの少なくとも一部の開口部に面ガラスを嵌め込むような場合は、その面ガラスに開口部の変形を規制するような機能を期待することができず、壁全体として大きな耐力を期待することができないという欠点がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、壁の透視性を確保できるように、複数の四角形の開口部のうちの少なくとも一部の開口部に面ガラスを嵌め込んでも、その面ガラスを嵌め込んである開口部の変形を面ガラスで規制できるようにして、強度が高い枠体やフレーム材を特に使用することなく、壁面の面内変形を防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
本発明の第１特徴構成は、枠体の内側を、格子状に配置してある金属製又は非金属製のフレーム材で複数の四角形の開口部に区画し、前記開口部の夫々に板材を嵌め込んで塞いである壁構造であって、前記フレーム材を鉛直に対して傾斜している姿勢で格子状に配置して、フレーム材を挟んで隣り合う開口部どうしを、鉛直に対して傾斜する方向に隣り合わせ、前記複数の開口部うちの少なくとも一部の開口部に嵌め込む前記板材に、その開口部の形状と略同じ四角形の面ガラスを採用し、前記面ガラス及び前記フレーム材よりも軟質で、かつ、前記フレーム材と前記面ガラスとに亘って外力を伝達可能なスペーサーを、前記面ガラスにおける各側辺に沿う端面と前記フレーム材との間に装着してある点にある。
【０００５】
〔作用及び効果〕
複数の開口部のうちの少なくとも一部の開口部に、その開口部の形状と略同じ四角形の面ガラスを嵌め込んであるので、壁の透視性を確保できる。
そして、面ガラス及びフレーム材よりも軟質で、かつ、フレーム材と面ガラスとに亘って外力を伝達可能なスペーサーを、面ガラスにおける各側辺に沿う端面とフレーム材との間に装着して、面ガラスを嵌め込んであるので、開口部の変形に伴って、その開口部を形成しているフレーム材から、スペーサーを介して、応力が集中することなく面ガラスに主に圧縮外力が作用し、もって、面ガラスの耐圧縮強度に基づいて開口部の変形を規制できるのである。
しかしながら、図６（イ）の概念図で例示する比較例のように、フレーム材１ａを鉛直方向と水平方向とに沿わせて格子状に配置して、四角形の枠体８の内側を複数の四角形の開口部２に区画し、例えば、枠体８における各対角線ｍ，ｎに沿う開口部２ｃに、その開口部２ｃの形状と略同じ四角形の面ガラス３を嵌め込んであると、図６（ロ）に示すように、枠体８の下部を固定した状態で枠体８の上部に作用する水平外力Ｆによって、一方の対角線ｍに沿って互いに対向する二つのコーナー部Ｄ１が互いに近接し、残りの二つのコーナー部Ｄ２が互いに離間するように、枠体８が変形しようとするに伴って、二つのコーナー部Ｄ１が互いに近接しようとする方向の圧縮外力Ｆｃが、面ガラス３における対角線ｍに沿うコーナー部Ｃ１周りの狭い範囲に集中的に作用し、その結果、面ガラス３のコーナー部Ｃ１において、面ガラス３の肉厚内にそのガラス面に沿う方向に作用する剪断力で肉厚内部に割れが発生し易い問題がある。
そこで、本発明では、図５（イ）の概念図で例示するように、フレーム材１ａを鉛直に対して傾斜している姿勢で格子状に配置して、枠体８の内側を複数の四角形の開口部２に区画し、例えば、枠体８における各対角線ｍ，ｎに沿う各開口部２ａに、その開口部２ａの形状と略同じ四角形の面ガラス３を嵌め込んであるので、図５（ロ）に示すように、枠体８の下部を固定した状態で枠体８の上部に作用する水平外力Ｆによって、一方の対角線ｍに沿って互いに対向する二つのコーナー部Ｄ１が互いに近接し、残りの二つのコーナー部Ｄ２が互いに離間するように、枠体８が変形しようとするに伴って、二つのコーナー部Ｄ１が互いに近接しようとする方向の圧縮外力Ｆｃを、面ガラス３のコーナー部Ｃに集中的に作用しないように、面ガラス３における側辺に沿う端面２０に沿って分散させ易くなり、面ガラス３のコーナー部Ｃにおいて肉厚内部に割れが発生するおそれが少ない。
従って、壁の透視性を確保できるように、複数の四角形の開口部のうちの少なくとも一部の開口部に面ガラスを嵌め込んでも、その面ガラスを嵌め込んである開口部の変形を面ガラスで規制できるようになり、強度が高い枠体やフレーム材を特に使用することなく、壁面の面内変形を防止できる。
【０００６】
本発明の第２特徴構成は、前記スペーサーを前記面ガラスのコーナー部から離間させて装着してある点にある。
【０００７】
〔作用及び効果〕
スペーサーを面ガラスのコーナー部から離間させて装着してあるので、フレーム材から、スペーサーを介して、面ガラスのコーナー部に圧縮外力が作用することを防止でき、面ガラスのコーナー部における肉厚内部に割れが発生するおそれが一層少ない。
【０００８】
本発明の第３特徴構成は、前記スペーサーを、前記コーナー部から２５．４ｍｍ（１インチ）以上離間させて装着してある点にある。
【０００９】
〔作用及び効果〕
面ガラスにおけるコーナー部周りの狭い範囲に圧縮外力が集中的に作用しないように、スペーサーを、面ガラスのコーナー部から２５．４ｍｍ（１インチ）以上離間させて装着してあるので、後述するように、枠体の変形に伴う面ガラスの破壊荷重を大きく確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
〔第１実施形態〕
図１〜図３は本発明による壁構造を示し、四辺形に組まれた軸組又は枠組Ａの内周側に枠用フレーム材１ｂを固定して枠体８を設けて、その枠体８の内側を、格子状に配置してある格子用フレーム材１ａで複数の開口部２（２ａ，２ｂ）に区画し、それらの開口部２の夫々に板材３，４を嵌め込んで塞いである。
尚、格子用フレーム材１ａも、枠用フレーム材１ｂも、ステンレス鋼などの金属材料で構成してある。
【００１１】
前記軸組又は枠組Ａは、上下の床スラブ５を各別に支持している木製や金属製，コンクリート製などの水平方向部材６と、その水平方向部材６を支持している木製や金属製，コンクリート製などの鉛直方向部材７とを建物外壁部に設けて、上下の水平方向部材６と左右の鉛直方向部材７とで内周形状が略正四角形になるように組み付けてある。
【００１２】
前記軸組又は枠組Ａの内周側に、内周形状が略正四角形の枠体８を構成する枠用フレーム材１ｂを固定するとともに、その枠体８の内周側に複数の格子用フレーム材１ａの夫々を鉛直に対して略４５°の角度で傾斜している姿勢で略等間隔で格子状に配置して枠体８に一体に組み付け、格子用フレーム材１ａを挟んで隣り合う開口部２（２ａ，２ｂ）どうしを、鉛直に対して略４５°の角度で傾斜する方向に隣り合わせてある。
【００１３】
そして、格子用フレーム材１ａで区画した複数の開口部２（２ａ，２ｂ）のうちの略正四角形の矩形開口部２ａに嵌め込む板材３には、その開口部２ａの形状と略同じ正四角形の面ガラスを採用するとともに、残りの略直角三角形の開口部２ｂに嵌め込む板材４にはその開口部２ｂの形状と略同じ直角三角形のステンレス鋼などの金属製板材を採用して、面ガラス３と金属製板材４との夫々を、その外周縁部を各フレーム材１ａ，１ｂに沿わせて固定してあり、面ガラス３で塞いである複数の開口部２ａは、枠体８における対角線に沿って斜め上下方向に配置してある。
【００１４】
図２，図３は各面ガラス３と各金属製板材４の固定構造を示し、格子用フレーム材１ａの開口部２ａに臨む内周側に、面ガラス３の端縁が入り込む凹溝９を形成するとともに、格子用フレーム材１ａ及び枠用フレーム材１ｂの開口部２ｂに臨む内周側に、金属製板材４の端縁が入り込む凹溝１２を形成してある。
【００１５】
そして、面ガラス３は、面ガラス３及び格子用フレーム材１ａよりも軟質で、かつ、格子用フレーム材１ａと面ガラス３とに亘って外力を伝達可能なスペーサー１０を、面ガラス３における各側辺に沿う端面１１と格子用フレーム材１ａとの間に、面ガラス３の各コーナー部Ｃから２５．４ｍｍ（１インチ）以上の離間距離Ｌで離間させて、その面ガラス３に対して非接着状態で装着して、開口部２ａに嵌め込んであり、金属製板材４は、その周縁を端面１３が溝底面に接触する状態で、その凹溝１２に全周に亘って嵌合させて、開口部２ｂに嵌め込んである。
【００１６】
また、面ガラス３の各コーナー部Ｃ周りの端面１１と格子用フレーム材１ａとの間、及び、面ガラス３のガラス面と格子用フレーム材１ａとの間には、面ガラス３の板面に沿う方向から外れた方向の応力が格子用フレーム材１ａから面ガラス３に伝わらないように弾性緩衝材１４を装着してある。
【００１７】
前記スペーサー１０は、具体的には、ポリアセタール樹脂やアクリル樹脂，ナイロン６６，アルミ合金などのヤング率（Ｅ）が1000〜70000Ｎ／ｍｍ2の硬質材料で形成してあり、また、弾性緩衝材１４はヤング率（Ｅ）が1000Ｎ／ｍｍ2未満の軟質材料で形成してある。
【００１８】
〔第２実施形態〕
図４は、本発明による壁構造の別実施形態を示し、軸組又は枠組Ａを、上下の水平方向部材６と左右の鉛直方向部材７とで内周形状が横長の長方形になるように組み付けてあり、その内周側に、内周形状が横長の長方形の枠体８を構成する枠用フレーム材１ｂを固定するとともに、その枠体８の内周側に、複数の格子用フレーム材１ａの夫々を鉛直に対して傾斜している姿勢で格子状に配置して、格子用フレーム材１ａを挟んで隣り合う開口部２（２ａ，２ｂ）どうしを、鉛直に対して傾斜する方向に隣り合わせてある。
【００１９】
前記格子用フレーム材１ａは、枠体８における一方の対角線ｍに対して略直交する方向に沿って鉛直に対して傾斜している姿勢の複数の第１フレーム材１５と、枠体８における他方の対角線ｎに対して略直交する方向に沿って鉛直に対して傾斜している姿勢の複数の第２フレーム材１６とで構成してあり、第１フレーム材１５と第２フレーム材１６とを夫々略等間隔で格子状に配置して、枠体８に一体に組み付けてある。
【００２０】
そして、第１フレーム材１５と第２フレーム材１６とで区画した複数の開口部２（２ａ，２ｂ）のうちの略菱形の開口部２ａに嵌め込む板材３には、その開口部２ａの形状と略同じ菱形の面ガラスを採用するとともに、残りの三角形の開口部２ｂに嵌め込む板材４にはその開口部２ｂの形状と略同じ三角形のステンレス鋼などの金属製板材を採用して、面ガラス３と金属製板材４との夫々を、その外周縁部を各フレーム材１ａ，１ｂに沿わせて固定してある。
その他の構成は第１実施形態と同様である。
【００２１】
〔第３実施形態〕
図示しないが、第１実施形態又は第２実施形態において、軸組又は枠組Ａの内周側に、金属製の枠用フレーム材１ｂに代えて木質の枠用フレーム材１ｂで構成した枠体８を固定し、その枠体８の内周側に、金属製の格子用フレーム材１ａに代えて木質の格子用フレーム材１ａの夫々を鉛直に対して傾斜している姿勢で略等間隔で格子状に配置して枠体８に一体に組み付けてあっても良い。
【００２２】
前記格子用フレーム材１ａを、例えば集成材やベイマツ，杉などの木質材で構成してある場合、面ガラス３よりも軟質で、かつ、格子用フレーム材１ａと面ガラス３とに亘って外力（圧縮力）を伝達可能なスペーサー１０として、具体的には、ポリアセタール樹脂やアクリル樹脂，ナイロン６６，アルミ合金などのヤング率（Ｅ）が1000〜70000Ｎ／ｍｍ2の硬質材料で形成してあるスペーサー１０を装着することができる。
その他の構成は第１実施形態と同様である。
【００２３】
〔その他の実施形態〕
１．本発明による壁構造は、複数の四角形の開口部の全部に面ガラスを嵌め込んであっても、複数の四角形の開口部のうちの一部の開口部にのみ面ガラスを嵌め込んであっても、単一の開口部にのみ面ガラスを嵌め込んであっても良い。
２．本発明による壁構造は、軸組又は枠組の構造物の内周側に形成される枠体以外に、鉄筋，鉄骨ラーメン構造によって形成される枠体の内側に面ガラスを嵌め込む構造であっても良い。また、金属製のフレーム材と木質のフレーム材とを併用して、枠体の内側を複数の四角形の開口部に区画してあっても良い。
３．本発明による壁構造は、天然木の他、合板や集成材，パーティクルボードなどの木質材料、或いは、樹脂材料などの非金属製のフレーム材を格子状に配置して、枠体の内側を複数の四角形の開口部に区画してあっても良い。
４．本発明による壁構造は、建物内部を区画するために設けてあっても良い。
５．本発明による壁構造は、面ガラスにおける各側辺に沿う端面とフレーム材との間に、側辺の全長に亘ってスペーサーを装着してあっても良い。
６．本発明による壁構造は、面ガラスにおける各側辺に沿う端面とフレーム材との間に、複数のスペーサーを断続的に装着してあっても良い。
７．本発明による壁構造は、複数枚の面ガラスを板厚方向に重なるように開口部に嵌め込んであっても良い。
８．本発明による壁構造は、建築物の軸組又は枠組で枠体を構成してあっても良い。
９．本発明による壁構造は、スペーサーを、面ガラスにおける各コーナー部からの離間距離が各側辺において異なるように、開口部に装着してあっても良い。
１０．本発明による壁構造は、型板ガラス，フロートガラス，強化ガラス，合わせガラス，複層ガラスなどのいずれの面ガラスを開口部に嵌め込んであっても良く、その品種や構成は限定されない。また、前記の面ガラスは、鏡であっても良い。
【実施例１】
【００２４】
図７に示すように、本発明による壁構造における矩形の開口部２（２ａ）を設けてある試験用模型Ｂに水平荷重Ｐを作用させる試験装置を使用して、スペーサー１０のコーナー部Ｃからの離間距離Ｌを変えた場合の開口部２の変形に伴う矩形の面ガラス３の破壊荷重を測定した。
【００２５】
前記試験用模型Ｂは、格子用フレーム材１ａとしての四個の形鋼材１７をピン１８で相対変位可能に矩形の枠状に連結して開口部２を形成し、面ガラス（一辺の長さ：５００ｍｍ，厚さ：１９ｍｍ）３の端面１１と形鋼材１７の内周側との間にポリアセタール樹脂製のスペーサー（厚さ：５ｍｍ）１０を挟み込んで、面ガラス３を開口部２に嵌め込んである。
尚、面ガラス３の各コーナー部Ｃ周りの端面１１と形鋼材１７との間は空隙で、弾性緩衝材１４を装着していない。
【００２６】
そして、スペーサー１０の各コーナー部Ｃからの離間距離Ｌが１５ｍｍのサンプル１と、２５．４ｍｍ（１インチ）のサンプル２と、４０ｍｍのサンプル３と、５０ｍｍのサンプル４とを作成し、比較のために、スペーサー１０の各コーナー部Ｃからの離間距離Ｌが０ｍｍの比較用サンプルを作成して、各サンプルについて試験用模型Ｂの上部に水平荷重Ｐを作用させ、面ガラス３に割れが生じるときの水平荷重Ｐを破壊荷重として測定した。
【００２７】
表１は、その測定結果を示し、離間距離Ｌが２５．４ｍｍ（１インチ）以上のサンプル２，３，４は、試験用模型Ｂの変形に伴う面ガラス３の破壊荷重を、４トン（３９．２ｋＮ）用耐震壁に使用できる８０ｋＮ以上の大きさで確保できることが分かる。
【表１】
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】壁構造の正面図
【図２】要部の一部切欠き正面図
【図３】図１のIII−III線断面図
【図４】第２実施形態を示す正面図
【図５】本発明による壁構造の説明用概念図
【図６】比較例の作用説明用概念図
【図７】試験装置の正面図
【符号の説明】
【００２９】
１ａ フレーム材
２ 開口部
３ 板材（面ガラス）
４ 板材
８ 枠体
１０ スペーサー
１１ 端面
Ｃ コーナー部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
枠体の内側を、格子状に配置してある金属製又は非金属製のフレーム材で複数の四角形の開口部に区画し、前記開口部の夫々に板材を嵌め込んで塞いである壁構造であって、
前記フレーム材を鉛直に対して傾斜している姿勢で格子状に配置して、フレーム材を挟んで隣り合う開口部どうしを、鉛直に対して傾斜する方向に隣り合わせ、
前記複数の開口部うちの少なくとも一部の開口部に嵌め込む前記板材に、その開口部の形状と略同じ四角形の面ガラスを採用し、
前記面ガラス及び前記フレーム材よりも軟質で、かつ、前記フレーム材と前記面ガラスとに亘って外力を伝達可能なスペーサーを、前記面ガラスにおける各側辺に沿う端面と前記フレーム材との間に装着してある壁構造。
【請求項２】
前記スペーサーを前記面ガラスのコーナー部から離間させて装着してある請求項１記載の壁構造。
【請求項３】
前記スペーサーを、前記コーナー部から２５．４ｍｍ（１インチ）以上離間させて装着してある請求項２記載の壁構造。
【請求項１】
枠体の内側を、格子状に配置してある金属製又は非金属製のフレーム材で複数の四角形の開口部に区画し、前記開口部の夫々に板材を嵌め込んで塞いである壁構造であって、
前記フレーム材を鉛直に対して傾斜している姿勢で格子状に配置して、フレーム材を挟んで隣り合う開口部どうしを、鉛直に対して傾斜する方向に隣り合わせ、
前記複数の開口部うちの少なくとも一部の開口部に嵌め込む前記板材に、その開口部の形状と略同じ四角形の面ガラスを採用し、
前記面ガラス及び前記フレーム材よりも軟質で、かつ、前記フレーム材と前記面ガラスとに亘って外力を伝達可能なスペーサーを、前記面ガラスにおける各側辺に沿う端面と前記フレーム材との間に装着してある壁構造。
【請求項２】
前記スペーサーを前記面ガラスのコーナー部から離間させて装着してある請求項１記載の壁構造。
【請求項３】
前記スペーサーを、前記コーナー部から２５．４ｍｍ（１インチ）以上離間させて装着してある請求項２記載の壁構造。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００７−１９８０１７（Ｐ２００７−１９８０１７Ａ）
【公開日】平成１９年８月９日（２００７．８．９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−１８１０７（Ｐ２００６−１８１０７）
【出願日】平成１８年１月２６日（２００６．１．２６）
【出願人】（０００００４００８）日本板硝子株式会社 (853)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年８月９日（２００７．８．９）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年１月２６日（２００６．１．２６）
【出願人】（０００００４００８）日本板硝子株式会社 (853)
【Ｆターム（参考）】
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