説明

変成シリコーン樹脂発泡体及び該変成シリコーン樹脂発泡体からなる寝具

【課題】 発泡体の表面粘着性の上昇を押さえ、かつ、加熱養生後も黄変せず、硬くなりにくい変成シリコーン樹脂発泡体を提供すること。
【解決手段】 耐光性安定剤(E)として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤を含んでなる変成シリコーン樹脂発泡体であって、紫外線吸収剤が、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、蓚酸アニリド系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤、オキサゾロン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、反応性紫外線吸収剤を反応・結合させた共重合樹脂型紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種である変成シリコーン樹脂発泡体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐光性が良好な変成シリコーン樹脂発泡体、および、これを用いた枕、マットレス等の寝具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、枕、マットレス等の寝具、クッション、座布団などの心材、衣類用のパッド等に軟質の発泡体が多く用いられている。中でも、とくに近年、低反発弾性のポリウレタン発泡体を使用したものが注目されている。しかしながら、軟質ポリウレタン発泡体は耐光性が問題となる場合があり、例えば、寝具として使用する際の標準的な使用環境、すなわち、日光の入る寝室内程度の環境においても、黄変したり脆化したりする場合がある。
【0003】
これらの問題点を解決するために、特許文献1では、特定の光安定剤を入れることで耐光性を向上させた軟質ポリウレタン発泡体が開示されている。耐光性の評価としては、引張り強度に関して評価しているにとどまっているまた、ポリウレタンは毒性の懸念されるイソシアネートを使用するという問題がある。
【0004】
一方、特許文献2においては、この、毒性の懸念されるイソシアネートを使用しない、シリコン系重合体を基材樹脂とする発泡体が開示されている。光安定剤や酸化防止剤を添加しうることが記載されているが、これらを添加した場合の具体的な効能については記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−246755号公報
【特許文献2】特開2008−266867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載のシリコーン系重合体からなる発泡体を鋭意検討しているうち、この発泡体は、ウレタンと比較して、光による黄変や脆化が見られない利点があるものの、経時的に表面粘着性が上昇する問題があることがわかった。
【0007】
また、この発泡体について、成形時の寸法精度改善や発泡体の長期保存安定性向上等を目的として、加熱養生を行った場合、添加剤の影響により、加熱養生後に黄変したり、硬くなると問題が起こる場合があることがわかった。
【0008】
本発明の目的は、発泡体の表面粘着性の上昇を押さえ、かつ、加熱養生後も黄変せず、硬くなりにくい変成シリコーン樹脂発泡体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題の解決のため鋭意研究を重ねた結果、耐光性安定剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系耐光安定剤を使用し、特定の紫外線吸収剤を使用してなる変成シリコーン樹脂発泡体が、発泡体の表面粘着性の上昇を押さえ、かつ、加熱養生後も黄変せず、硬くなりにくいため、枕類、マットレス類として用いる際に問題がないことを見出し、本発明の完成に至った。
【0010】
すなわち、本発明は次の構成よりなる。
〔1〕 耐光性安定剤(E)として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤を含んでなる変成シリコーン樹脂発泡体であって、紫外線吸収剤が、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、蓚酸アニリド系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤、オキサゾロン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、反応性紫外線吸収剤を反応・結合させた共重合樹脂型紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種である変成シリコーン樹脂発泡体。
〔2〕 紫外線吸収剤が、トリアジン系紫外線吸収剤である〔1〕記載の変成シリコーン樹脂発泡体。
〔3〕 ヒンダードアミン系光安定剤が、アミノエーテル型である〔1〕または〔2〕に記載の変成シリコーン樹脂発泡体。
〔4〕 分子鎖中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤(A)、分子鎖中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰返し単位がオキシアルキレン系単位からなる重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)、耐光安定剤(E)を含んでなる発泡性液状樹脂組成物を硬化してなる〔1〕〜〔3〕何れかに記載の変成シリコーン樹脂発泡体。
〔5〕 耐光性安定剤(E)である、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤それぞれ、重合体(B)100重量部に対して、0.01重量部以上5重量部以下を添加してなる〔4〕に記載の変成シリコーン樹脂発泡体。
〔6〕 密度が20kg/m3以上700kg/m3以下である〔1〕〜〔5〕何れかに記載の変成シリコーン樹脂発泡体。
〔7〕 60℃24時間の加熱養生した後の豆腐用硬度計で測定した硬度が、加熱養生前の豆腐用硬度計で測定した硬度の5倍以下であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕何れかに記載の変成シリコーン樹脂発泡体。
〔8〕 〔1〕〜〔7〕何れかに記載の変成シリコーン樹脂発泡体を使用してなる寝具。
〔9〕 前記寝具が、枕類またはマットレス類である〔8〕記載の寝具。
【発明の効果】
【0011】
本発明の変成シリコーン樹脂発泡体は、表面粘着性の上昇を抑えるといった、耐光性に優れ、また、加熱養生後を行っても黄変しにくく、硬くなりにくい。
【0012】
本発明の変成シリコーン樹脂発泡体は耐光性が良好であり、加熱養生後も黄変しにくく、硬くなりにくいため、枕類、マットレス類等の寝具として使用した場合、標準的な使用環境において、劣化が少ない寝具を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の変成シリコーン発泡体は、耐光性安定剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、特定の紫外線吸収剤を含んでなる。耐光性安定剤とは、紫外線領域の波長の光を吸収してラジカルの生成を抑制する機能、または、光吸収により生成したラジカルを捕捉して熱エネルギーに変換し無害化する機能等を有し、光に対する安定性を高める化合物である。また、紫外線吸収剤は、紫外線領域の波長の光を吸収してラジカルの生成を抑制する機能を有する化合物である。
【0014】
本発明においては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤およびヒンダ−ドアミン系光安定剤に、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、蓚酸アニリド系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤、オキサゾロン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、反応性紫外線吸収剤を反応・結合させた共重合樹脂型紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種である紫外線吸収剤を併用することにより、より効率よく耐光性を改善することが可能となり、なおかつ、加熱養生後も黄変せず、硬くなりにくい変成シリコーン樹脂発泡体が得られることを見出した。
【0015】
本発明において用いるヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、具体的には以下のものが例示できる。
【0016】
トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX(登録商標)245(チバ・ジャパン(株)製))、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名:IRGANOX(登録商標)1010(チバ・ジャパン(株)製))、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX(登録商標)1035(チバ・ジャパン(株)製)、ベンゼンプロパン酸,3,5‐ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル(商品名:IRGANOX(登録商標)1135(チバ・ジャパン(株)製))、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX(登録商標)1726(チバ・ジャパン(株)製)、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルペンテンとの反応生成物(商品名:IRGANOX(登録商標)5057(チバ・ジャパン(株)製))、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(商品名:Sumilizer(登録商標)GM(住友化学(株)製))、3,9−ビス[2−〔3−(t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン(商品名:Sumilizer(登録商標)GA−80(住友化学(株)製))、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(商品名:ノクラック200(大内新興化学工業(株)製))、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(商品名:ノクラックNS−6(大内新興化学工業(株)製))、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン(商品名:ノクラックDAH(大内新興化学工業(株)製)、などがあげられる。
【0017】
中でも、分子内に、イオウ原子、リン原子、1級アミン、2級アミンを含まない化合物であることが好ましく、具体的には、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX(登録商標)245(チバ・ジャパン(株)製))、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名:IRGANOX(登録商標)1010(チバ・ジャパン(株)製))、ベンゼンプロパン酸,3,5‐ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル(商品名:IRGANOX(登録商標)1135(チバ・ジャパン(株)製))、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(商品名:Sumilizer(登録商標)GM(住友化学(株)製))、3,9−ビス[2−〔3−(t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン(商品名:Sumilizer(登録商標)GA−80(住友化学(株)製))、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(商品名:ノクラック200(大内新興化学工業(株)製))、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(商品名:ノクラックNS−6(大内新興化学工業(株)製))、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン(商品名:ノクラックDAH(大内新興化学工業(株)製)、などがあげられる。
【0018】
市販のヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、IRGANOX(登録商標)245、IRGANOX(登録商標)1010、IRGANOX(登録商標)1135(以上、チバ・ジャパン(株)製)、Sumilizer(登録商標)GM、Sumilizer(登録商標)GA‐80(以上、住友化学(株)製)、ノクラック200、ノクラックNS‐6、ノクラックDAH(以上、大内新興化学工業(株)製)等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
本発明において用いるヒンダードアミン系光安定剤としては、具体的には以下のものが例示できる。
【0020】
デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物(商品名:TINUVIN(登録商標)123(チバ・ジャパン(株)製))、シクロヘキサンと過酸化N−ブチル2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミン−2,4,6−トリクロロ1,3,5−トリアジンとの反応生成物と2−アミノエタノールとの反応生成物(商品名:TINUVIN(登録商標)152(チバ・ジャパン(株)製))等のアミノエーテル型、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン(商品名:Hostavin(登録商標)3058(クラリアントジャパン(株)製))などのN−アセチル型、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(商品名:サノールLS765(チバ・ジャパン(株)製))、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル){[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル}ブチルマロネート商品名:TINUVIN(登録商標)144(チバ・ジャパン(株)製))、コハク酸ジメチルおよび4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物(商品名:TINUVIN(登録商標)622LD(チバ・ジャパン(株)製))、プロバンジオイックアシッド[{4−メトキシフェニル}メチレン]−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステル(商品名:Hostavin(登録商標)PR−31(クラリアントジャパン(株)製))、などのN−アルキル型ヒンダードアミン系光安定剤等があげられる。
【0021】
本発明において用いられるヒンダードアミン系光安定剤は、特に限定されるものではないが、アミノエーテル型であることが好ましい。アミノエーテル型ヒンダードアミン系光安定剤としては、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物(商品名:TINUVIN(登録商標)123(チバ・ジャパン(株)製))、シクロヘキサンと過酸化N−ブチル2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミン−2,4,6−トリクロロ1,3,5−トリアジンとの反応生成物と2−アミノエタノールとの反応生成物(商品名:TINUVIN(登録商標)152(チバ・ジャパン(株)製))等があげられ、好適に使用される。市販のアミノエーテル型ヒンダードアミン系光安定剤としては、TINUVIN123、152(チバ・ジャパン(株)製)などが例示できる。
【0022】
本発明で使用される紫外線吸収剤としては、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、蓚酸アニリド系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤、オキサゾロン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、反応性紫外線吸収剤を反応・結合させた共重合樹脂型紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種が用いられる。中でも、トリアジン系紫外線吸収剤、蓚酸アニリド系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、から選ばれる1以上であることが好ましく、とくに、加熱養生後の黄変や硬度上昇が少ないことから、トリアジン系紫外線吸収剤がもっとも好ましく使用される。
【0023】
前記ベンゾエート系紫外線吸収剤を具体的に例示すると、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(商品名:Sumisorb(登録商標)400(住化ケムテックス(株)製))、サリチル酸フェニル等があげられる。市販のベンゾエート系紫外線吸収剤としては、Sumisorb(登録商標)400(住化ケムテックス(株)製)、SEESORB201、EESORB202(以上いずれもシプロ化成(株)製)などが例示できる。
【0024】
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤を具体的に例示すると、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニル−アクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニル−アクリレート等があげられる。市販のシアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、VIOSORB910、VIOSORB930(以上いずれも共同薬品(株)製)などが例示できる。
【0025】
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を具体的に例示すると、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4、4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等が挙げられる。市販のベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、VIOSORB100、VIOSORB105、VIOSORB110、VIOSORB130(以上いずれも共同薬品(株)製)、KEMISORB13、KEMISORB111、KEMISORB1011(以上いずれもケミプロ化成(株)製)などが例示できる。
【0026】
前記トリアジン系紫外線吸収剤を具体的に例示すると、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)−フェノール、85%2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニル,とオキシラン[(C10−C16 主としてC12−C13アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物・15%1−メトキシ−2−プロパノール等があげられる。市販のトリアジン系紫外線吸収剤としては、TINUVIN1577FF、TINUVIN400(いずれもチバ・ジャパン(株)製)などが例示できる。
【0027】
前記蓚酸アニリド系紫外線吸収剤を具体的に例示すると、2−エチル−2’−エトキシ−オキシアニリド(商品名:HostavinUSV(クラリアントジャパン(株)製))が例示できる。
【0028】
前記マロン酸エステル系紫外線吸収剤を具体的に例示すると、Hostavin B−CAP、Hostavin PR−25、Hostavin PR−31(いずれもクラリアントジャパン(株)製)が挙げられる。
【0029】
前記ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤を具体的に例示すると、2,2’−(1,4−フェニレン)−ビス−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、パイオニンZA−101(竹本樹脂(株)製)を挙げることができる。
【0030】
前記オキサゾロン系紫外線吸収剤としては、例えば、特開2006−45458号公報に記載の化合物を好適に用いることができる。
【0031】
前記サリシレート系紫外線吸収剤の好ましい化合物としては、例えば、フェニルサリシレート、4−tert−ブチルフェニルサリシレート、SEESORB201、SEESORB202(シプロ化成(株)製)を挙げることができる。
【0032】
また、反応性紫外線吸収剤を反応・結合させた共重合樹脂型紫外線吸収剤としては、例えば、NCI−707S−30T(ニッコー化学(株)製)、UVA−635L(BASF製)、ニューコートUVA−204W、ニューコートUVA−4512W、ニューコートUVA−5080W、ニューコートUVA−5080W(OHV20)、バナジレンUVA−7075W、バナジレンUVA−7076W(OHV20)(いずれも新中村化学工業(株)製)、ハイステーブP−UV−111、ハイステーブP−UV−211、ハイステーブP−UV−311、ハイステーブP−UV−411(大日精化工業(株)製)、ULS−935LH、ULS−700LH、ULS−635LH、ULS−195LH、ULS−635LH(一方社油脂工業(株)製)を好適に用いることができる。
【0033】
本発明の変成シリコーン樹脂発泡体は、主鎖の一部もしくは側鎖や架橋鎖としてシロキサン単位を有するものの、大部分が有機系高分子からなる。
【0034】
中でも、特に、付加型変成シリコーン樹脂と呼ばれる、ヒドロシリル基を有する化合物、アルケニル基を有する化合物、ヒドロシリル化触媒を含有する混合物を硬化してなる樹脂を使用することが、発泡成形性や機械物性のバランスに優れ、枕類、マットレス類等の寝具としての諸物性のバランスに優れることから好ましい。
【0035】
とりわけ、ヒドロシリル基を有する化合物として、分子鎖中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤(A)、アルケニル基を有する化合物として、分子鎖中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰返し単位がオキシアルキレン系単位からなる重合体(B)を使用することが、柔軟性のある変成シリコーン樹脂発泡体が得られるため好ましい。
【0036】
前記ヒドロシリル基を有する化合物としては、分子鎖中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤(A)(以下、単に硬化剤(A)と称す場合がある)が好ましい。即ち、硬化剤(A)は、後述する、アルケニル基を有する化合物の硬化剤として作用する。
【0037】
前記硬化剤(A)は、分子鎖中に少なくとも2個、好ましくは2〜100個、より好ましくは2〜70個、さらに好ましくは3〜50個のヒドロシリル基を有し、そのため、それぞれのヒドロシリル基が後述するアルケニル基を有する化合物の分子鎖中に存在するアルケニル基と反応して硬化する。前記ヒドロシリル基の数が2個より少ないと、本発明の組成物をヒドロシリル化反応により硬化させる場合の硬化速度が遅くなり、硬化不良を起こす場合がある。また、前記ヒドロシリル基の個数が100個より多くなると、硬化剤(A)の安定性、や本発明の変成シリコーン樹脂発泡体の安定性が悪くなり、その上、硬化後も多量のヒドロシリル基が変成シリコーン樹脂中に残存しやすくなり、クラックの原因となる場合がある。
【0038】
なお本発明において、ヒドロシリル基を1個有するとは、SiH結合を1個有することを言い、例えば、SiH2の場合にはヒドロシリル基を2個有することになる。しかしながら、1つのSiに結合するHの数は、1つである方が硬化性は良くなり、また、柔軟性の点からも好ましい。
【0039】
前記硬化剤(A)の構造について特に制限はないが、例えば、特許文献2記載の硬化剤があげられる。
【0040】
本発明におけるアルケニル基を有する化合物としては、分子鎖中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位である重合体(B)(以下、単に重合体(B)と称す場合がある)が好適に使用される。重合体(B)は、硬化剤(A)とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子鎖中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状となり、硬化する。重合体(B)に含まれるアルケニル基の数は、硬化剤(A)とヒドロシリル化反応するという点から少なくとも1個必要であるが、硬化性、柔軟性の点からは分子鎖の両末端にアルケニル基が存在するのが好ましい。
【0041】
前記重合体(B)の構造について特に制限はないが、例えば、特許文献2記載のオキシアルキレン系重合体があげられる。
【0042】
本発明のヒドロシリル化触媒(C)としては、ヒドロシリル化触媒として使用しうるものである限り、特に制限はなく、任意の種類を任意の量、使用し得るが、例えば、特許文献2記載のヒドロシリル化触媒およびその使用量が好ましく用いられる。
【0043】
本発明においては、変成シリコーン樹脂を基材樹脂とし、該基材樹脂に発泡剤(D)を含ませ発泡させることにより、発泡体とする。
【0044】
本発明の発泡剤(D)としては、特に限定するものではないが、例えば、通常、ポリウレタン、フェノール、ポリスチレン、ポリオレフィン等の有機発泡体に用いられる、揮発性液体や気体等の物理発泡剤、加熱分解もしくは化学反応により気体を発生させる化学発泡剤、ヒドロシリル基と反応して水素を発生させる活性水素基含有化合物などがあげられ、これらを併用しても良い。具体的には、特許文献2記載の各種発泡剤があげられる。これらのうちでも、活性水素基含有化合物が、連続気泡率の向上や柔軟性等の物性発現に寄与するため、好ましく用いられる。
【0045】
前記活性水素基含有化合物としては、1級飽和炭化水素アルコール、カルボン酸または水が好ましく用いられる。
【0046】
これらの活性水素基含有化合物のなかでも、反応性や取り扱い性の点から、水、アルコール、およびポリエーテルポリオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることが好ましく、また、柔軟性や透湿性付与の観点からは、酸素が直接炭素に結合している化合物または水が好ましい、即ち水、エタノール、ポリエチレングリコール類が好ましい。
【0047】
なお、基材樹脂中にはその他に、本発明の効果をなくさない程度に、気泡調整剤、充填材、貯蔵安定剤、増粘剤などを必要に応じて添加してもよい。
【0048】
さらに、必要に応じて、充填剤、ラジカル禁止剤、接着性改良剤、難燃剤、ポリジメチルシロキサン―ポリアルキレンオキシド系界面活性剤あるいは有機界面活性剤(ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル等)などの整泡剤、酸あるいは塩基性化合物(ヒドロシリル基とヒドロキシル基との反応調整のための添加剤であり、酸で縮合反応を抑制し、塩基で加速する。)、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、増粘剤、可塑剤、カップリング剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤などを、本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
【0049】
また、整泡性や、硬化剤(A)、重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)の相溶性を向上する目的で、界面活性剤を添加することもできる。
【0050】
さらには、硬化剤(A)、重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)を含んでなる液状樹脂組成物に、必要であれば貯蔵安定性を改良するために貯蔵安定性改良剤を添加してもよい。貯蔵安定性改良剤としては、硬化剤(A)の貯蔵安定剤として知られている通常の安定剤で所期の目的を達成するものであれば使用することができる。このような貯蔵安定性改良剤の好ましい例としては、例えば、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、チッ素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物などがあげられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。具体例としては、例えばベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、ジメチルアセチレンジカルボキシレート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン、キノリンなどがあげられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができるが、これらに限定されるわけではない。これらの中では、ポットライフおよび速硬化性の両立という点から、チアゾール、ベンゾチアゾール、ジメチルマレートが特に好ましい。
【0051】
さらには、本発明の変成シリコーン樹脂発泡体には、必要であれば、気泡調整剤を添加しても良い。気泡調整剤の種類には特に限定はなく、通常使用される、例えばタルク、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、シリカなどの無機固体粉末や、ポリエーテル変成シリコーンオイルなどのシリコーンオイル系化合物、フッ素系化合物などがあげられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種用いることができる。
【0052】
耐光性安定剤(E)成分の含有量としては、重合体(B)100重量部に対して、0.01重量部以上5重量部以下であることが好ましく、さらには0.1重量部以上3重量部以下がより好ましく、特に0.3重量部以上1.5重量部以下が好ましい。耐光性安定剤(E)成分のそれぞれの配合量がこの範囲を下回ると、実用的な耐光性が得られない場合がある。一方、耐光性安定剤(E)成分の配合量がこの範囲を上回ると変成シリコーン樹脂発泡体の硬化性が低下し、良好な発泡体を得ることができない場合がある。
【0053】
得られた変成シリコーン樹脂発泡体の密度としては、寝具として用いる際の取扱い性は密度が小さいものが好適に使用されるが、極端に密度が小さい場合は底づきが生じてしまう。この観点から、20kg/m3以上700kg/m3以下であることが好ましく、さらに30kg/m3以上700kg/m3以下がより好ましく、とくに50kg/m3以上500kg/m3以下が好ましい。
【0054】
変成シリコーン樹脂発泡体の圧縮永久ひずみを減少させる目的で、加熱養生をする場合がある。加熱養生条件としては、特に限定されるものではないが、本発明での変成シリコーン樹脂発泡体においては、好ましくは20℃以上200℃以下で、好ましくは、10分以上72時間以下の条件で加熱養生を行うことが、圧縮永久ひずみが減少するため好ましい。一般的には加熱養生によって、得られた変成シリコーン樹脂発泡体の硬度が上昇する場合があるが、本発明の変成シリコーン樹脂発泡体は、硬度の上昇を抑えることが出来る傾向がある。具体的には、60℃24時間の加熱養生した後の、豆腐用硬度計(型番:SOWB−110G(株)シロ産業製)で測定した硬度が、加熱養生前の同様に測定した硬度の好ましくは5倍以下であり、より好ましくは、4倍以下である。なお、硬さの測定方法としては、代表的には、ウレタン等に適用されるJISK6400に記載の40%硬さ試験が挙げられるが、これは試料全体の硬さを評価する測定方法であるとされている。一方、豆腐硬度計による硬さの評価は、測定試料の表面付近を評価しているとされている。
【0055】
以上のように本発明の変成シリコーン樹脂発泡体は、表面粘着性の上昇を抑えるといった耐光性が良好であり、加熱養生後も黄変せず、硬くなりにくいため、寝具として使用される際の標準的な使用環境において、劣化が少ない寝具として好適に使用することができる。寝具としては、頭部を支持するいわゆる枕、抱き枕、腰枕、脚枕、首枕、目枕、尻枕、三角枕等の枕類、マットレス、敷きパッド等のマットレス類、掛け布団、敷布団等の布団類等があげられる。中でも、枕類、マットレス類として使用されることが睡眠中の快適性を付与する効果があるため好ましい。
【0056】
枕類、マットレス類等の寝具として使用する場合は、そのまま、あるいは発泡成形時に形成される表皮層を切除したり、適当な形状に切り出したりしたものを枕、マットレス、その他寝具として使用することができる。上記で得られた変成シリコーン樹脂発泡体単独で使用してもよいが、変成シリコーン樹脂発泡体の特徴である温度による硬度変化が小さいことを生かす範囲であれば、未発泡体であるプラスチック、発泡倍率の異なる発泡体、フィルム、布、不織布、紙等の素材と一体成形して用いても良く、変成シリコーン樹脂発泡体の表面に綿、アクリル繊維、毛、ポリエステル繊維等でできた織布や不織布を、張り合わす、縫合する等して組み合わせて使用しても良い。この様に組み合わせることで、変成シリコーン樹脂発泡体の触感をさらに良好にし、さらに、高温・多湿時の発汗時にこの組み合わされた生地によって、寝具に吸汗作用を施すこともできる。
【0057】
本発明の変成シリコーン樹脂発泡体、および枕類、マットレス類等の寝具の形状としては、特に限定されるものではないが、長方形、正方形、円形、楕円形、ひし形などの多角形や、短冊状やドーナツ型の内部がくりぬいてあるもの、表面に任意の凹凸を付けたもの等があげられる。ただし、通気性を効果的に発現させることが必要な場合、表皮層を切除するか、もしくは表皮層に開孔部を設けるか、貫通孔をあけることが好ましい。
【0058】
以上のようにして得られる本発明の寝具は、標準的な寝具の使用環境において、劣化が少なく安心して使用することができる。
【実施例】
【0059】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例および比較例中の測定、評価は、次の条件・方法により行った。なお、特にことわりがない場合、実施例および比較例の部や%は重量基準である。
【0060】
<成形性>
成形性は、加熱養生時の硬化性、収縮を○と×で評価した。
○:発泡体を型から取り出すことができ、収縮しない。
×:発泡体を型から取り出せない。または、発泡体を型から取り出せるが、収縮してしまう。
【0061】
<硬度測定方法>
変成シリコーン樹脂発泡体の硬度は、豆腐用硬度計(型番:SOWB−110G(株)シロ産業製)を用いて、加熱養生前の変成シリコーン樹脂発泡体と加熱養生後の変成シリコーン樹脂発泡体の硬度を測定し、養生後の硬度を養生前の硬度で除することで硬度変化を算出した。
【0062】
<養生後の外観変化>
変成シリコーン樹脂発泡体の加熱養生後の外観変化を目視により行い、○、△、×の3段階で評価した。
○:加熱養生前後で発泡体の色に変化がない
△:発泡体にわずかに変色が見られるが、気になる程度ではない
×:加熱養生をすることで発泡体に著しく変色が見られる
【0063】
<耐光性評価>
63℃フェードメーターで100時間照射後のサンプルの外観変化と表面の粘着性を、○、△、×の3段階で評価した。
【0064】
<外観変化>
○:外観変化なし
△:外観が、艶が出たようなわずかな変化が見られる
×:外観が完全に変化している
【0065】
<表面の粘着性>
表面の粘着性は、変成シリコーン樹脂発泡体表面にガラス板を軽く触れさせた後の、ガラス板への樹脂の付着の程度により評価した。
○:ガラス板に付着樹脂はなく、表面には粘着性はない
△:発泡体表面に触れさせたガラス板の5割以下の部分に付着樹脂があり、部分的に粘着性がある
×:ガラス板の9割以上に樹脂が付着し、全体的に粘着性がある
【0066】
<使用化合物>
実施例・比較例においては、表1に示す化合物を用いた。
【0067】
【表1】

【0068】
(実施例1〜5、比較例1〜4)
100部の重合体Bに対して、耐光性安定剤Eを表2に示す重量部計量して添加し、発泡助剤を20.0部加えて攪拌し、発泡剤Dを12.3部、遅延剤を0.0145部、触媒Cを0.2135部加えて十分に混合する。さらに、硬化剤Aを16.1部添加してすばやく混合した。この混合物をディスポカップに注入し、50℃のオーブンで1時間、さらに60℃のオーブンで2時間加熱硬化し、変成シリコーン樹脂発泡体を得た。
【0069】
さらに、60℃24時間の加熱養生を行った。得られた変成シリコーン樹脂発泡体の成形性、密度、養生前後の硬度変化、および、耐光性の評価結果を表2に示す。
【0070】
以上の結果より、本発明の変成シリコーン樹脂発泡体は、特定の耐光性安定剤を添加することで、成形性が良好で、良好な耐光性を持ち、加熱養生においても硬度の上昇が小さい発泡体を得ることができる。
【0071】
【表2】

【0072】
(実施例6〜10)
実施例1〜5の材料を用いて枕およびマットレスを製造した。これらの枕およびマットレスを寝具として使用した結果、寝具として使用する際の標準的な使用環境、すなわち、日光の入る室内等で使用した場合も黄変したりぼろぼろになったり、溶けたりしないために物性が変化せず、良好な寝心地が得られる点で、良好な寝具であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐光性安定剤(E)として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤を含んでなる変成シリコーン樹脂発泡体であって、紫外線吸収剤が、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、蓚酸アニリド系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤、オキサゾロン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、反応性紫外線吸収剤を反応・結合させた共重合樹脂型紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種である変成シリコーン樹脂発泡体。
【請求項2】
紫外線吸収剤が、トリアジン系紫外線吸収剤である請求項1記載の変成シリコーン樹脂発泡体。
【請求項3】
ヒンダードアミン系光安定剤が、アミノエーテル型である請求項1または2に記載の変成シリコーン樹脂発泡体。
【請求項4】
分子鎖中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤(A)、分子鎖中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰返し単位がオキシアルキレン系単位からなる重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)、耐光安定剤(E)を含んでなる発泡性液状樹脂組成物を硬化してなる請求項1〜3何れか一項に記載の変成シリコーン樹脂発泡体。
【請求項5】
耐光性安定剤(E)である、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤それぞれ、重合体(B)100重量部に対して、0.01重量部以上5重量部以下を添加してなる請求項4に記載の変成シリコーン樹脂発泡体。
【請求項6】
密度が20kg/m3以上700kg/m3以下である請求項1〜5何れか一項に記載の変成シリコーン樹脂発泡体。
【請求項7】
60℃24時間の加熱養生した後の豆腐用硬度計で測定した硬度が、加熱養生前の豆腐用硬度計で測定した硬度の5倍以下であることを特徴とする請求項1〜6何れか一項に記載の変成シリコーン樹脂発泡体。
【請求項8】
請求項1〜7何れか一項に記載の変成シリコーン樹脂発泡体を使用してなる寝具。
【請求項9】
前記寝具が、枕類またはマットレス類である請求項8記載の寝具。

【公開番号】特開2010−270241(P2010−270241A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123977(P2009−123977)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】