変異ネトリン4、その断片及びこれらの薬剤としての使用
本発明は、癌又は非癌性の病変の予防若しくは治療を目的とした医薬品製造のための、ネトリン−4、変異ネトリン−4、ネトリン−1、ネトリン−G1、又はネトリン−3から選択されたネトリン、又はこれらの断片の1つ、又は前記ネトリンの1つ又は前記断片の1つをコードするヌクレオチド配列、又は前記ネトリンの1つ又は前記断片の1つの抗イディオタイプ抗体、又は前記抗イディオタイプ抗体のFab断片、の使用に関する。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明の課題は、変異ネトリン4、その断片及びこれらの薬剤としての使用である。
【0002】
また、本発明の課題は、非変異ネトリン4及びこの断片の新規治療法への使用である。
【0003】
また、本発明の課題は、ネオゲニンリガンド、例えば、ネトリン(すなわち、ネトリン1、ネトリン3、ネトリンG1又はネトリン4)及びRGM(反発誘導分子)の、化学療法剤との併用における、特には癌治療を意図した薬剤の製造のフレームにおける、新規使用である。
【0004】
また、本発明の課題は、特に、周皮細胞の消耗と関連した非癌性の病変の治療のフレームにおける、ネトリン(特に、ネトリン1、ネトリンG1、ネトリン3及びネトリン4)の新規使用である。
【0005】
ネトリン4は軸索誘導分子であるネトリンファミリーに属する。現在のところ、このファミリーの4つのメンバーが知られている(ネトリン1、G、3、4)。ネトリン4は、へパリンと相互作用する1つのC末端塩基ドメイン、3つのEGF型ドメイン、及び1つのラミニン型ドメインにより構成されているタンパク質である(Yurchenko et al., 2004)。
【0006】
ネトリン1は、dccレセプター(又はネオゲニンに)結合するときに誘引を促進し、そしてdccレセプター及びUNC5Hファミリーのレセプターの1つと結合した時に反発を促進する(Livesey, 1999; Mehlen et al., 2003; Cooper et al., 1999)。更に、ネトリン1はA2レセプターに結合し、細胞のcAMPレベルを変化させることが可能で、また、誘引又は反発はcAMP/cGMPレベルによりコントロールされる(Corset et al., 2000)。
【0007】
ネトリンGは、グリコシル・ホスホイノシトールリン酸と結合する親水性のC末端ドメインを有するという点で他のネトリンと異なる遺伝子のファミリーを代表する(Nakashiba et al., 2000)。これらの機能はまだ不明である。一方、ネトリンGはdccにも又UNC5H1、H2、H3にも結合しないことが報告されている(Nakashiba et al., 2002)。
【0008】
ネトリン3はdccレセプター又はネオゲニンに結合するとニューロンの誘引を促進し、そしてUNC5Hファミリーのレセプターの1つのレセプターに結合するとその反発を促進する(Livesey et al., 1999)。
【0009】
RGM(反発誘導分子)分子はニューロン軸索の誘導に関与した分子である。これらには三つの遺伝子が存在し、それらはRGM−A、RGM−B、RGM−Cとして知られている。最近、RGM−Aはネオゲニンリガンド(Matsunaga et al., 2004)であり、RGM−Cの変異形はHFEとして知られている鉄輸送遺伝子であることが、知られるようになった(Papanicolaou et al., 2004)。
【0010】
2003年11月6日に公開された出願US2003/0207347A1には、天然のネトリン4及びその使用が記載されている。より詳しくは、この出願は、血管新生修飾特性を有するネトリン4由来ポリペプチド、並びに血管発達修飾方法における、特に血管新生における、より詳しくは血管新生阻害における、特に癌のフレームにおける、ネトリン4の使用を記載している。
【0011】
現在のところ、ネトリン4レセプターについても、又、その可能性としてのニューロン機能についても何も分かっていない。
【0012】
ネトリン1及びネトリン4はUNC5H2レセプターにより内皮細胞の活性を阻害すること(Lu et al., 2004)及び網膜の血管形成を阻害することが最近発表された。
【0013】
また、本発明の目的は、新規抗血管新生阻害剤を提供することである。
【0014】
本発明の目的は、特に従来の抗癌治療における、血管新生を含む治療効果を高めること、若しくは癌以外の病変における抗血管新生治療使用における効果を高めることを可能にする、併用療法を提供することである。
【0015】
現在のところ、加齢性黄斑変性症、又は他の新生血管形成を含む眼疾患の治療のフレームにおいて標準的な方法で使用されている薬剤と相乗作用をもたらすことの可能な治療薬は存在しない。
【0016】
本発明は、
* 配列番号:522又は配列番号:524の配列、又は
* 配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片であって、但し、この断片が抗血管新生活性、及び/又は周皮細胞活性化活性を示し、特には、前記断片が約40から約450アミノ酸、及び好ましくは約40から約260アミノ酸、及び好ましくは約40から約230アミノ酸を含み、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列で表される配列の断片、
* 特に、1以上のアミノ酸の置換、欠失(suppression)、又は追加による、前記配列の1つから由来する任意の配列であって、但し、この由来配列が抗血管新生活性及び/又は周皮細胞活性化活性を示す、前記任意の配列、又は
* 前記配列の1つと相同な配列であって、好ましくは、配列番号:522のアミノ酸の261位と515位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を有し、但し、この相同配列が抗血管新生活性及び/又は周皮細胞活性化活性を示す前記相同な配列、の1つを含むか、又はそれにより構成されていることを特徴とするタンパク質に関する。
【0017】
配列番号:522の前記タンパク質は、変異ネトリン4タンパク質に相当する新規タンパク質であり、配列番号:524の前記タンパク質はシグナルペプチドを有しない配列番号:522のタンパク質に相当する。
【0018】
配列番号:522の配列は628アミノ酸を含み、そして配列番号:524の配列は609アミノ酸を含み、配列番号:522の配列の20残基から628残基までの断片に相当する。
【0019】
配列番号:522の配列に示される変異ネトリン4は、以下の9ポイントの変異を有する配列番号:498に示されるネトリン4タンパク質に相当する:
− 13位のシステインをアルギニンで置換、
− 68位のリジンをスレオニンで置換、
− 183位のセリンをプロリンで置換、
− 205位のヒスチジンをチロシンで置換、
− 234位のシステインをチロシンで置換、
− 331位のアラニンをアスパラギンで置換、
− 332位のシステインをアルギニンで置換、
− 353位のアスパラギンをセリンで置換、
− 515位のアスパラギンをリジンで置換。
【0020】
配列番号:374から配列番号:496のタンパク質配列に相当する前記断片は、前記変異ネトリン4に相当する新規断片である。
【0021】
前記配列番号:2qの配列は、配列番号:374から496までのタンパク質の配列、すなわち、次のタンパク質配列に相当する:配列番号:374、配列番号:376、配列番号:378、配列番号:380、配列番号:382、配列番号:384、配列番号:386、配列番号:388、配列番号:390、配列番号:392、配列番号:394、配列番号:396、配列番号:398、配列番号:400、配列番号:402、配列番号:404、配列番号:406、配列番号:408、配列番号:410、配列番号:412、配列番号:414、配列番号:416、配列番号:418、配列番号:420、配列番号:422、配列番号:424、配列番号:426、配列番号:428、配列番号:430、配列番号:432、配列番号:434、配列番号:436、配列番号:438、配列番号:440、配列番号:442、配列番号:444、配列番号:446、配列番号:448、配列番号:450、配列番号:452、配列番号:454、配列番号:456、配列番号:458、配列番号:460、配列番号:462、配列番号:464、配列番号:466、配列番号:468、配列番号:470、配列番号:472、配列番号:474、配列番号:476、配列番号:478、配列番号:480、配列番号:482、配列番号:484、配列番号:486、配列番号:488、配列番号:490、配列番号:492、配列番号:494又は配列番号:496。
【0022】
配列番号:374の配列は、変異ネトリン4ヒトタンパク質のラミニン型断片(特定のインテグリンに結合する細胞外マトリックスタンパク質)に相当し、前記断片は配列番号:373のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は260アミノ酸を含み、残基1から残基266に跨る、配列番号:522の変異ネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0023】
配列番号:376の配列は、変異ネトリン4ヒトタンパク質EGF型断片(EGF因子繰返しドメインに相当し、前記断片は配列番号:375のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は255アミノ酸を含み、配列番号:522の残基261から残基515に跨る変異ネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0024】
配列番号:378の配列は、配列番号:364の配列を欠失した変異ネトリン4ヒトタンパク質断片に相当し、前記断片は配列番号:377のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は515アミノ酸を含み、配列番号:522の残基1から残基515に跨る配列の変異ネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0025】
配列番号:386の配列は変異ネトリン4ヒトタンパク質のラミニン型断片であり、前記断片は配列番号:385のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は229アミノ酸を含み、残基32から残基260に跨る配列番号:522の配列の変異ネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0026】
配列番号:384の配列は変異ネトリン4ヒトタンパク質断片のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:383のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は56アミノ酸を含み、配列番号:522の残基332から残基387に跨る配列の変異ネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0027】
配列番号:380から配列番号:496までのタンパク質配列に相当する変異ネトリン4タンパク質断片、並びに配列番号:379から配列番号:495までの相当するヌクレオチド配列は次の表に示す:
【表1】
【0028】
配列番号:526の配列は、配列番号:522の1位から288位に区切られた断片に相当する。
【0029】
配列番号:528の配列は、24アミノ酸のペプチド配列に融合した配列番号:522の1位から288位の区切られた断片に相当する。
【0030】
本発明は、
* 配列番号:522又は配列番号:524の配列、又は
* 配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片であって、但し、この断片が抗血管新生活性を示し、特には、前記断片が約40から約450アミノ酸、及び好ましくは約40から約260アミノ酸、及び好ましくは約40から約230アミノ酸を含み、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列で表される配列の断片、
* 特に、1以上のアミノ酸の置換、欠失、又は追加による、前記配列の1つから由来する任意の配列であって、但し、この由来配列が抗血管新生活性を示す、前記任意の配列、又は
* 前記配列の1つと相同な配列であって、好ましくは、配列番号:522のアミノ酸の261位と515位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を有し、但し、この相同配列が抗血管新生活性を示す前記相同な配列、
の1つを含むか、又はそれにより構成されていることを特徴とするタンパク質に関する。
【0031】
また、血管新生抑制活性は抗血管新生活性と示される。この活性は、例えば、内皮細胞の増殖、遊走及び分化が前記タンパク質により阻害されることをin vitroで明らかにすることで示すことが可能である。内皮細胞の増殖阻害は、その活性を評価すべきタンパク質又はその断片存在下で内皮細胞を培養することで測定することができる。内皮細胞の遊走阻害は、内皮細胞でできたシート(芝生)に「傷」をつけ、次にこの細胞をテストすべき断片存在下でインキュベートすることで測定することが可能である。次いで、傷に遊走する細胞数を数える。内皮細胞の分化(管形成)阻害はゲルの上でテストすべき断片の存在下で培養している内皮細胞により形成された管の長さを測ることで測定することが可能である。
【0032】
標準の血管新生測定モデルの中で、以下のローカル送達モデルに言及することができる:
− 本発明の化合物を染み込ませたマトリゲル(ベクトン・ディッキンソン)の皮下注射(Inoki et al., 2002)、又は
− 本発明の化合物を含む埋め込み物のニワトリ漿尿膜への適用(Celerier et al., 2002)。
【0033】
あるいは、実験的な血管新生疾患を創出した動物に本発明の断片を全身ルートで注射する(静脈、腹腔内、皮下)ことが可能である。また、本発明の断片は直接腫瘍に注射することもできる。あるいは、本発明に記載の断片又は抗イディオタイプ抗体(後述する)を遺伝子療法により、本発明に記載の断片又は抗イディオタイプ抗体を発現させることのできる任意の方法を用いて、局所又は全身ルートで送達することが可能である。あるいは、本発明に記載の断片又は抗イディオタイプ抗体の遺伝子をプラスミドに挿入し、それを癌細胞に遺伝子導入することも可能である。これらの全ての測定方法は、特に、Jain et al. (1997)の文献に記載されている。
【0034】
抗腫瘍活性という用語は、腫瘍の成長及び/又はその退縮の誘導を、若しくは腫瘍の消失さえも可能とするような活性を示す。この活性は、例えば、in vivoで腫瘍の重量を測定することで示すことが可能で、本発明のペプチドの投与及び/又は本発明のペプチド配列を発現する核酸投与の存在下及び非存在下でマウスに腫瘍を注入することにより、その系の開発が誘導された。
【0035】
本発明は
* 配列番号:522又は配列番号:524の配列、又は
* 配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片であって、但し、この断片が周皮細胞活性化活性を示し、特には、前記断片が約40から約450アミノ酸、及び好ましくは約40から約260アミノ酸、及び好ましくは約40から約230アミノ酸を含み、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列で表される配列の断片、
* 特に、1以上のアミノ酸の置換、欠失、又は追加による、前記配列の1つから由来する任意の配列であって、但し、この由来配列が周皮細胞活性化活性を示す、前記任意の配列、又は
* 前記配列の1つと相同な配列であって、好ましくは、配列番号:522のアミノ酸の261位と515位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を有し、但し、この相同配列が周皮細胞活性化活性を示す前記相同な配列、
の1つを含むか、又はそれにより構成されていることを特徴とするタンパク質に関する。
【0036】
周皮細胞の活性化活性は、特に、後述のように定義され、そして実験の部分で示される増殖及び遊走テストで証明される。
【0037】
本発明は、特に、本発明者によりなされた周皮細胞及び平滑筋細胞のUNC5H4レセプターへのネトリンの結合による周皮細胞の活性化機能の実証に基づく。
【0038】
また、本発明は前記で定義したタンパク質をコードするヌクレオチド配列、すなわち、変異ネトリン4をコードするヌクレオチド配列、に関する。
【0039】
本発明に記載の好ましいヌクレオチド配列は、
−- 配列番号:522をコードする配列番号:521のヌクレオチド配列、又は配列番号:524をコードする配列番号:523のヌクレオチド配列;
− 前記ヌクレオチド配列の1つの断片であって、そして、特には配列番号:2q−1(qは187から248まで変化する)の配列の1つによってか、又は配列番号:525の配列によってか、又は配列番号:527の配列よって表されるヌクレオチド配列の1つの断片;
− 又は、遺伝子コードの縮重による、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列であって、そして配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つによってか、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列によって表されるタンパク質をコードする、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列、
− 又は、特に、1以上のヌクレオチドの置換、欠失又は追加による、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列であって、前記で定義した、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)由来のタンパク質か、又は配列番号:526の配列か、又は配列番号:528の配列をコードする、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記ヌクレオチド配列の1つに相同な任意のヌクレオチド配列であって、好ましくは、前記で定義した、配列番号:2qに相同なタンパク質をコードする配列番号:2q−1の配列の1つか、又は配列番号:526の配列をコードする配列番号:525の配列か、又は配列番号:528の配列をコードする配列番号:527の配列、と少なくとも約50%の同一性を有する、前記ヌクレオチド配列の1つに相同な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列と相補的な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列の1つに相補的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることのできる任意のヌクレオチド配列、
を含むか、又は構成されることを特徴とする、請求項4に記載のヌクレオチド配列である。
【0040】
「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」という表現は、ハイブリダイゼーション緩衝液(例えば、0.5XSSC)、60℃のハイブリダイゼーション温度、並びに洗浄液(例えば、1%SDSを添加した0.1XSSC)及び50℃の洗浄温度に特に相当する。
【0041】
配列番号:2q−1の前記配列は配列番号:2qに示される前記変異ネトリン4断片をコードし、以下のヌクレオチド配列に相当する:配列番号:374をコードする配列番号:373、配列番号:376をコードする配列番号:375、配列番号:378をコードする配列番号:377、配列番号:380をコードする配列番号:379、配列番号:382をコードする配列番号:381、配列番号:384をコードする配列番号:383、配列番号:386をコードする配列番号:385、配列番号:388をコードする配列番号:387、配列番号:390をコードする配列番号:389、配列番号:392をコードする配列番号:391、配列番号:394をコードする配列番号:393、配列番号:396をコードする配列番号:395、配列番号:398をコードする配列番号:397、配列番号:400をコードする配列番号:399、配列番号:402をコードする配列番号:401、配列番号:404をコードする配列番号:403、配列番号:406をコードする配列番号:405、配列番号:408をコードする配列番号:407、配列番号:410をコードする配列番号:409、配列番号:412をコードする配列番号:411、配列番号:414をコードする配列番号:413、配列番号:416をコードする配列番号:415、配列番号:418をコードする配列番号:417、配列番号:420をコードする配列番号:419、配列番号:422をコードする配列番号:421、配列番号:424をコードする配列番号:423、配列番号:426をコードする配列番号:425、配列番号:428をコードする配列番号:427、配列番号:430をコードする配列番号:429、配列番号:432をコードする配列番号:431、配列番号:434をコードする配列番号:433、配列番号:436をコードする配列番号:435、配列番号:438をコードする配列番号:437、配列番号:440をコードする配列番号:439、配列番号:442をコードする配列番号:441、配列番号:444をコードする配列番号:443、配列番号:446をコードする配列番号:445、配列番号:448をコードする配列番号:447、配列番号:450をコードする配列番号:449、配列番号:452をコードする配列番号:451、配列番号:454をコードする配列番号:453、配列番号:456をコードする配列番号:455、配列番号:458をコードする配列番号:457、配列番号:460をコードする配列番号:459、配列番号:462をコードする配列番号:461、配列番号:464をコードする配列番号:463、配列番号:466をコードする配列番号:465、配列番号:468をコードする配列番号:467、配列番号:470をコードする配列番号:469、配列番号:472をコードする配列番号:471、配列番号:474をコードする配列番号:473、配列番号:476をコードする配列番号:475、配列番号:478をコードする配列番号:477、配列番号:480をコードする配列番号:479、配列番号:482をコードする配列番号:481、配列番号:484をコードする配列番号:483、配列番号:486をコードする配列番号:485、配列番号:488をコードする配列番号:487、配列番号:490をコードする配列番号:489、配列番号:492をコードする配列番号:491、配列番号:494をコードする配列番号:493又は配列番号:496をコードする配列番号:495。
【0042】
配列番号:525の配列は配列番号:526の配列をコードする。
【0043】
配列番号:527の配列は配列番号:528の配列をコードする。
【0044】
また、本発明は組換えベクター(特に、プラスミド、コスミド、ファージ又はウイルスDNA)に関し、これらは前記で定義したヌクレオチド配列、すなわち、前記で定義した変異ネトリン4又はその断片の1つをコードするヌクレオチド配列を含み、前記の組換えベクターは、特に、前記ベクター中に挿入された核酸によりコードされるポリペプチドを宿主細胞で発現させるのに必要な要素を含むことを特徴とする。
【0045】
また、本発明は、特に細菌、ウイルス、酵母、真菌、植物又は哺乳動物細胞から選択された宿主細胞に関し、前記宿主細胞は、特に、前記で定義した組換えベクターを用いて形質転換される。
【0046】
また、本発明は、前記で定義したタンパク質に、特に、前記で定義した変異ネトリン4又はその断片の1つに対する特異的な抗体に関する。
【0047】
また、本発明は、前記で定義したタンパク質の、特に、前記で定義した変異ネトリン4又はその断片の抗イディオタイプ抗体、に関する。
【0048】
また、本発明は、特に前記で定義した変異ネトリン4又はその断片に対する、特に、前記で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片に関する。
【0049】
また、本発明は有効成分として以下のものを含む医薬組成物に関する、
− 前記で定義したタンパク質、又は
− 前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− 前記で定義した抗体、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片。
【0050】
また、本発明は、前記で定義した配列番号:522又は配列番号:524の配列で示される、約0.1から約2000μg/kgの割合で投与可能な薬剤の製造のための変異ネトリン4タンパク質に関し、特に、その投与は静脈ルート、皮下ルート、全身ルート、硝子体内注射、浸透又は洗眼液による局所ルート、場合により電気透過法(electropermeation)との組み合わせが挙げられる。
【0051】
また、変異ネトリン4タンパク質は、目的の変異ネトリン4タンパク質をコードするプラスミドを注射により送達することも可能である。
【0052】
あるいは、本発明のネトリンの任意の1つ又はその断片の1つを、そのタンパク質又はその断片を任意の血管内装置(ステント)に固定した後に、前記装置の方法を用いて送達することも可能である。
【0053】
本発明は、
− 前記で定義したタンパク質、又は
− 前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体、
の内皮細胞の増殖及び/又は遊走を阻害することを必要とする病変の、予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であって、特には、以下のフレームの中の病変、癌及び白血病、加齢性黄斑変性症、脈絡膜新生血管性複雑近視、特に移植拒絶における角膜新血管形成、緑内障、糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームの中の病変である、前記使用に関する。
【0054】
「内皮細胞の増殖阻害」という表現は、後に記載される増殖テストの結果、内皮細胞の増殖を鈍化させることのできる任意の物質を指す。
【0055】
本発明は次のものを含む組合せ産物に関する:
− 配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、又は
− 特に、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526又は配列番号:528の配列に示される、配列番号:522又は配列番号:524の前記配列断片、で
これらは特に次から選択された抗血管新生剤と併用する:ジェネンティク及びロシュの開発によるアバスチン(ベバシズマブ)、アイテクおよびファイザーにより開発されたマクゲン(ペガプタニブ)及びジェネンティク及びノバルティスにより開発されたルセンチス(ラニビズマブ)で、これらは同時に又は個別に、又は長時間にわたり使用され、以下の病変の治療を意図している:癌及び白血病、加齢性黄斑変性症、脈絡膜新生血管性複雑近視、特に移植拒絶における角膜新血管形成、緑内障、糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームにおける病変。
【0056】
本発明の枠組みの中で、変異ネトリン4の用量は、6週間毎に、約10から約10,000ng/注射であり、好ましくは約100から約5,000ng/注射である。
【0057】
本発明の枠組みの中で、抗イディオタイプ抗体薬(例えば、アバスチン、マクゲン又はルセンチス)の用量は、6週間毎に、約0.3および1mgである。
【0058】
本発明の課題は、
− 前記で定義した抗体、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の内皮細胞の増殖及び/又は遊走の促進を必要とする病変、特に、以下のフレームにおける病変;:虚血性病変、例えば、下肢動脈の虚血性病変、心筋梗塞、脳血管障害、強皮症、又はレイノー病、の予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用である。
【0059】
内皮細胞の増殖の活性化は、内皮細胞を適切な培地に置き、次いで全細胞数を数えることで測定することができる。
【0060】
内皮細胞の遊走の活性化は、細胞のシート(芝生)に「傷」をつけ、次いで細胞を試験すべきタンパク質、又はヌクレオチド配列、又は抗イディオタイプ抗体の存在下でインキュベートすることで測定することが可能である。次いで、傷のところへ遊走した細胞数を数える。
【0061】
本発明は、
− 前記で定義したタンパク質、
− 前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− 前記で定義した抗体、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の使用であって、周皮細胞又は平滑筋細胞の、消耗に関連するか又は消耗により引き起こされる、非癌性の病変の予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用に関する。
【0062】
本発明は、
− 前記で定義したタンパク質、
− 前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体、
の使用であって、周皮細胞又は平滑筋細胞の、消耗に関連するか又は消耗により引き起こされる、非癌性の病変の予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用に関する。
【0063】
本発明に記載された使用は、周皮細胞又は平滑筋細胞の消耗に関連ないしそれにより引き起こされた非癌性病変であり、それは周皮細胞又は平滑筋細胞の増殖の活性化を必要とすることを特徴とし、これらの病変は、
− 加齢性黄斑変性症、
− 脈絡膜新生血管性複雑近視、
− 糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、
− 血管新生緑内障(角膜の、網膜のなど)、
− 特に、移植拒絶における角膜血管新生、
− リューマチ性多発性関節炎、
− 乾癬、特に、乾癬性多発性関節炎、
− 血管腫、
− アテローム性動脈硬化症、
− 肥満症、
− 腸奇形、
− クローン病、
− カダシルを例とする、血管性、皮質下血管性認知症、
− アルツハイマー病、
− 変性骨病変及び骨折、及び
− 動脈瘤及び血管解離
から選択されることを特徴とする。
【0064】
好適な実施態様によれば、本発明に記載される使用は、周皮細胞又は平滑筋細胞の消耗に関連し、それにより引き起こされた非癌性病変であり、それは周皮細胞又は平滑筋細胞の増殖又は遊走の活性化を必要とすることを特徴とするが、その病変は、
− 糖尿病性網膜症、
− 腸奇形、
− クローン病、
− アテローム性動脈硬化症、
− 肥満症、
− 血管性認知症(例えば、アルツハイマー病)、
− 変性骨病変及び骨折、及び
− 動脈瘤及び血管解離、
から選択される。
【0065】
また、本発明は前記で定義した使用に関し、それは周皮細胞又は平滑筋細胞の増殖又は遊走の活性化を、増殖又は遊走テストで測定することを特徴とし、また、この活性化活性は、前記で定義したタンパク質、又はヌクレオチド配列又は抗イディオタイプ抗体の非存在下で得られた活性の少なくとも120%に相当することを特徴とする。
【0066】
この特性は、細胞療法を実施する目的で、任意の前駆細胞又は幹細胞のサンプルから平滑筋細胞又は周皮細胞を拡大増殖させることに使用することができる。
【0067】
周皮細胞又は平滑筋細胞の遊走の活性化は、細胞のシート(芝生)の上に「傷」をつけ、次いで細胞をテストすべきタンパク質、又はヌクレオチド配列又は抗イディオタイプ抗体の存在下で培養することで測定することができる。次いで、傷に向かい遊走した細胞数が測定される。
【0068】
周皮細胞又は平滑筋細胞の増殖の活性化は、周皮細胞又は平滑筋細胞を適切な培地、特に、血清を含まないDMEM培地に置いて、次いで全細胞数を数えることで測定することができる。
【0069】
本発明は、癌の治療を意図した薬剤の製造のために、化学療法剤と併用する、
− 配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、又は
− 特に、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列、又は配列番号:528の配列により示される、配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片、
の使用に関する。
【0070】
本発明は、同時に又は個別に、又は長時間にわたり使用される癌病変の治療を意図した薬剤の製造のために、化学療法剤と併用する、
− 配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、又は
− 特に、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列、又は配列番号:528の配列により示される、配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片、
の併用産物に関する。
【0071】
本発明は、
− 配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、又は
− 特に、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列、又は配列番号:528の配列により示される、配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片を含む併用産物に関し、前記で定義した癌性又は非癌性病変の治療又は予防を意図した、同時に又は個別に、又は長時間にわたり使用するための、ジェネンティク及びロシュの開発によるアバスチン(ベバシズマブ)、アイテクおよびファイザーにより開発されたマクゲン(ペガプタニブ)及びジェネンティク及びノバルティスにより開発されたルセンチス(ラニビズマブ)、又は任意の他の抗VEGF薬、から選択される抗血管新生剤を併用する組合せ産物である。
【0072】
本発明は、
− 配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、又は
− 特に、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列、又は配列番号:528の配列により示される、配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片、を含む併用産物に関し、前記で定義した癌性又は非癌性病変の予防又は治療を意図した、ジェネンティク及びロシュの開発によるアバスチン(ベバシズマブ)、アイテクおよびファイザーにより開発されたマクゲン(ペガプタニブ)及びジェネンティク及びノバルティスにより開発されたルセンチス(ラニビズマブ)、又は任意の抗VEGF薬から選択される抗血管新生剤を併用する組合せ産物である。
【0073】
また、本発明は抗血管新生薬及び化学療法剤の併用に関する。
【0074】
特に、本発明は、癌の治療を意図した薬剤の製造のために、化学療法剤との併用による、ネオゲニンリガンド、又は、もし適切であれば、ネオゲニンリガンドをコードするレオチド配列、又は前記リガンドをコードするベクターを含むヌクレオチド配列、又は前記ベクターにより形質転換された宿主細胞、又は前記リガンドに対する抗イディオタイプ抗体の使用に関する。
【0075】
前記ネオゲニンリガンド又は前記ヌクレオチド配列又は前記ベクター又は前記宿主細胞又は前記抗イディオタイプ抗体から選択された抗血管新生薬と化学療法剤との併用は、相乗効果及び通常の抗癌療法に対する低減された耐性の誘導を可能にする。
【0076】
本発明に記載の好ましい化学療法剤としては、特に、ドキソルビシン、メトトレキサート、ビンブラスチン、ビンクリスチン、クラドリビン、フルオロウラシル、シタラビン、アントラサイクリン、シスプラチン、シクロホスファミド、フルダラビン、ゲムスタビン、アロマターゼ阻害剤、イリノテカン、ナベルビン、オキザリプラチン、タキソフェン(taxofene)、タキソール及びタキソテールに言及することができる。
【0077】
本発明の好適な実施態様によれば、本発明に記載の使用は、リガンド又はヌクレオチド配列又は抗イディオタイプ抗体が、
− 次のタンパク質の1つ:配列番号:502又は配列番号:504に示されるネトリン1、又は配列番号:506又は配列番号:508に示されるネトリンG1、配列番号:510に示されるネトリン3、配列番号:498又は配列番号:500に示されるネトリン4、配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518又は配列番号:520に示されるRGM分子の1つ、又は配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、
− 又は、特に、配列番号:2n(nは1から248まで変化する)の配列の1つに示される、これらタンパク質の1つの断片、
− 又は、前記タンパク質の1つをコードするヌクレオチド配列で、それは特に以下のヌクレオチド配列である:配列番号:501、配列番号:503、配列番号:505、配列番号:507、配列番号:509、配列番号:497、配列番号:499、配列番号:511、配列番号:513、配列番号:515、配列番号:517、配列番号:519、配列番号:521、配列番号:523、又は配列番号:2n−1(nは1から248まで変化する)の配列の1つ、
− 又は、前記で定義したタンパク質の1つの抗イディオタイプ抗体、
から選択されることを特徴とする。
【0078】
配列番号:2nの前記配列は、配列番号:2から配列番号:496のタンパク質配列に相当する。
【0079】
配列番号:2nの前記配列は次のタンパク質配列に相当する:配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106、配列番号:108、配列番号:110、配列番号:112、配列番号:114、配列番号:116、配列番号:118、配列番号:120、配列番号:122、配列番号:124、配列番号:126、配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:144、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号:162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、配列番号:262、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、配列番号:296、配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号:314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332、配列番号:334、配列番号:336、配列番号:338、配列番号:340、配列番号:342、配列番号:344、配列番号:346、配列番号:348、配列番号:350、配列番号:352、配列番号:354、配列番号:356、配列番号:358、配列番号:360、配列番号:362、配列番号:364、配列番号:366、配列番号:368、配列番号:370、配列番号:372、配列番号:374、配列番号:376、配列番号:378、配列番号:380、配列番号:382、配列番号:384、配列番号:386、配列番号:388、配列番号:390、配列番号:392、配列番号:394、配列番号:396、配列番号:398、配列番号:400、配列番号:402、配列番号:404、配列番号:406、配列番号:408、配列番号:410、配列番号:412、配列番号:414、配列番号:416、配列番号:418、配列番号:420、配列番号:422、配列番号:424、配列番号:426、配列番号:428、配列番号:430、配列番号:432、配列番号:434、配列番号:436、配列番号:438、配列番号:440、配列番号:442、配列番号:444、配列番号:446、配列番号:448、配列番号:450、配列番号:452、配列番号:454、配列番号:456、配列番号:458、配列番号:460、配列番号:462、配列番号:464、配列番号:466、配列番号:468、配列番号:470、配列番号:472、配列番号:474、配列番号:476、配列番号:478、配列番号:480、配列番号:482、配列番号:484、配列番号:486、配列番号:488、配列番号:490、配列番号:492、配列番号:494、又は、配列番号:496.
【0080】
配列番号:2n−1の前記配列は配列番号:1から配列番号:495のヌクレオチド配列に相当する。
【0081】
配列番号:2n−1の前記配列は配列番号:2nの前記タンパク質配列をコードし、次のヌクレオチド配列に相当:配列番号:2をコードする配列番号:1、配列番号:4をコードする配列番号:3、配列番号:6をコードする配列番号:5、配列番号:8をコードする配列番号:7、配列番号:10をコードする配列番号:9、配列番号:12をコードする配列番号:11、配列番号:14をコードする配列番号:13、配列番号:16をコードする配列番号:15、配列番号:18をコードする配列番号:17、配列番号:20をコードする配列番号:19、配列番号:22をコードする配列番号:21、配列番号:24をコードする配列番号:23、配列番号:26をコードする配列番号:25、配列番号:28をコードする配列番号:27、配列番号:30をコードする配列番号:29、配列番号:32をコードする配列番号:31、配列番号:34をコードする配列番号:33、配列番号:36をコードする配列番号:35、配列番号:38をコードする配列番号:37、配列番号:40をコードする配列番号:39、配列番号:42をコードする配列番号:41、配列番号:44をコードする配列番号:43、配列番号:46をコードする配列番号:45、配列番号:48をコードする配列番号:47、配列番号:50をコードする配列番号:49、配列番号:52をコードする配列番号:51、配列番号:54をコードする配列番号:53、配列番号:56をコードする配列番号:55、配列番号:58をコードする配列番号:57、配列番号60をコードする配列番号:59、配列番号:62をコードする配列番号:61、配列番号:64をコードする配列番号:63、配列番号:66をコードする配列番号:65、配列番号:68をコードする配列番号:67、配列番号:70をコードする配列番号:69、配列番号:72をコードする配列番号:71、配列番号:74をコードする配列番号:73、配列番号:76をコードする配列番号:75、配列番号:78をコードする配列番号:77、配列番号:80をコードする配列番号:79、配列番号:82をコードする配列番号:81、配列番号:84をコードする配列番号:83、配列番号:86をコードする配列番号:85、配列番号:88をコードする配列番号:87、配列番号:90をコードする配列番号:89、配列番号:92をコードする配列番号:91、配列番号:94をコードする配列番号:93、配列番号:96をコードする配列番号:95、配列番号:98をコードする配列番号:97、配列番号:100をコードする配列番号:99、配列番号:102をコードする配列番号:101、配列番号:104をコードする配列番号:103、配列番号:106をコードする配列番号:105、配列番号:108をコードする配列番号:107、配列番号:110をコードする配列番号:109、配列番号:112をコードする配列番号:111、配列番号:114をコードする配列番号:113、配列番号:116をコードする配列番号:115、配列番号:118をコードする配列番号:117、配列番号:200をコードする配列番号:119、配列番号:122をコードする配列番号:121、配列番号:124をコードする配列番号:123、配列番号:126をコードする配列番号:125、配列番号:128をコードする配列番号:127、配列番号:130をコードする配列番号:129、配列番号:132をコードする配列番号:131、配列番号:134をコードする配列番号:133、配列番号:136をコードする配列番号:135、配列番号:138をコードする配列番号:137、配列番号:140をコードする配列番号:139、配列番号:142をコードする配列番号:141、配列番号:144をコードする配列番号:143、配列番号:146をコードする配列番号:145、配列番号:148をコードする配列番号:147、配列番号:150をコードする配列番号:149、配列番号:152をコードする配列番号:151、配列番号:154をコードする配列番号:153、配列番号:156をコードする配列番号:155、配列番号:158をコードする配列番号:157、配列番号:160をコードする配列番号:159、配列番号:162をコードする配列番号:161、配列番号:164をコードする配列番号:163、配列番号:166をコードする配列番号:165、配列番号:168をコードする配列番号:167、配列番号:170をコードする配列番号:169、配列番号:172をコードする配列番号:171、配列番号:174をコードする配列番号:173、配列番号:176をコードする配列番号:175、配列番号:178をコードする配列番号:177、配列番号:180をコードする配列番号:179、配列番号:182をコードする配列番号:181、配列番号:184をコードする配列番号:183、配列番号:186をコードする配列番号:185、配列番号:188をコードする配列番号:187、配列番号:190をコードする配列番号:189、配列番号:192をコードする配列番号:191、配列番号:194をコードする配列番号:193、配列番号:196をコードする配列番号:195、配列番号:198をコードする配列番号:197、配列番号:200をコードする配列番号:199、配列番号:202をコードする配列番号:201、配列番号:204をコードする配列番号:203、配列番号:206をコードする配列番号:205、配列番号:208をコードする配列番号:207、配列番号:210をコードする配列番号:209、配列番号:212をコードする配列番号:211、配列番号:214をコードする配列番号:213、配列番号:216をコードする配列番号:215、配列番号:218をコードする配列番号:217、配列番号:220をコードする配列番号:219、配列番号:222をコードする配列番号:221、配列番号:224をコードする配列番号:223、配列番号:226をコードする配列番号:225、配列番号:228をコードする配列番号:227、配列番号:230をコードする配列番号:229、配列番号:232をコードする配列番号:231、配列番号:234をコードする配列番号:233、配列番号:236をコードする配列番号:235、配列番号:238をコードする配列番号:237、配列番号:240をコードする配列番号:239、配列番号:242をコードする配列番号:241、配列番号:244をコードする配列番号:243、配列番号:246をコードする配列番号:245、配列番号:248をコードする配列番号:247、配列番号:250をコードする配列番号:249、配列番号:252をコードする配列番号:251、配列番号:254をコードする配列番号:253、配列番号:256をコードする配列番号:255、配列番号:258をコードする配列番号:257、配列番号:260をコードする配列番号:259、配列番号:262をコードする配列番号:261、配列番号:264をコードする配列番号:263、配列番号:266をコードする配列番号:265、配列番号:268をコードする配列番号:267、配列番号:270をコードする配列番号:269、配列番号:272をコードする配列番号:271、配列番号:274をコードする配列番号:273、配列番号:276をコードする配列番号:275、配列番号:278をコードする配列番号:277、配列番号:280をコードする配列番号:279、配列番号:282をコードする配列番号:281、配列番号:284をコードする配列番号:283、配列番号:286をコードする配列番号:285、配列番号:288をコードする配列番号:287、配列番号:290をコードする配列番号:289、配列番号:292をコードする配列番号:291、配列番号:294をコードする配列番号:293、配列番号:296をコードする配列番号:295、配列番号:298をコードする配列番号:297、配列番号:300をコードする配列番号:299、配列番号:302をコードする配列番号:301、配列番号:304をコードする配列番号:303、配列番号:306をコードする配列番号:305、配列番号:308をコードする配列番号:307、配列番号:310をコードする配列番号:309、配列番号:312をコードする配列番号:311、配列番号:314をコードする配列番号:313、配列番号:316をコードする配列番号:315、配列番号:318をコードする配列番号:317、配列番号:320をコードする配列番号:319、配列番号:322をコードする配列番号:321、配列番号:324をコードする配列番号:323、配列番号:326をコードする配列番号:325、配列番号:328をコードする配列番号:327、配列番号:330をコードする配列番号:329、配列番号:332をコードする配列番号:331、配列番号:334をコードする配列番号:333、配列番号:336をコードする配列番号:335、配列番号:338をコードする配列番号:337、配列番号:340をコードする配列番号:339、配列番号:342をコードする配列番号:341、配列番号:344をコードする配列番号:343、配列番号:346をコードする配列番号:345、配列番号:348をコードする配列番号:347、配列番号:350をコードする配列番号:349、配列番号:352をコードする配列番号:351、配列番号:354をコードする配列番号:353、配列番号:356をコードする配列番号:355、配列番号:358をコードする配列番号:357、配列番号:360をコードする配列番号:359、配列番号:362をコードする配列番号:361、配列番号:364をコードする配列番号:363、配列番号:366をコードする配列番号:365、配列番号:368をコードする配列番号:367、配列番号:370をコードする配列番号:369、配列番号:372をコードする配列番号:371、配列番号:374をコードする配列番号:373、配列番号:376をコードする配列番号:375、配列番号:378をコードする配列番号:377、配列番号:380をコードする配列番号:379、配列番号:382をコードする配列番号:381、配列番号:384をコードする配列番号:383、配列番号:386をコードする配列番号:385、配列番号:388をコードする配列番号:387、配列番号:390をコードする配列番号:389、配列番号:392をコードする配列番号:391、配列番号:394をコードする配列番号:393、配列番号:396をコードする配列番号:395、配列番号:398をコードする列番号:397、配列番号:400をコードする配列番号:399、配列番号:402をコードする配列番号:401、配列番号:404をコードする配列番号:403、配列番号:406をコードする配列番号:405、配列番号:408をコードする配列番号:407、配列番号:410をコードする配列番号:409、配列番号:412をコードする配列番号:411、配列番号:414をコードする配列番号:413、配列番号:416をコードする配列番号:415、配列番号:418をコードする配列番号:417、配列番号:420をコードする配列番号:419、配列番号:422をコードする配列番号:421、配列番号:424をコードする配列番号:423、配列番号:426をコードする配列番号:425、配列番号:428をコードする配列番号:427、配列番号:430をコードする配列番号:429、配列番号:432をコードする配列番号:431、配列番号:434をコードする配列番号:433、配列番号:436をコードする配列番号:435、配列番号:438をコードする配列番号:437、配列番号:440をコードする配列番号:439、配列番号:442をコードする配列番号:441、配列番号:444をコードする配列番号:443、配列番号:446をコードする配列番号:445、配列番号:448をコードする配列番号:447、配列番号:450をコードする配列番号:449、
配列番号:452をコードする配列番号:451、配列番号:454をコードする配列番号:453、配列番号:456をコードする配列番号:455、配列番号:458をコードする配列番号:457、配列番号:460をコードする配列番号:459、配列番号:462をコードする配列番号:461、配列番号:464をコードする配列番号:463、配列番号:466をコードする配列番号:465、配列番号:468をコードする配列番号:467、配列番号:470をコードする配列番号:469、配列番号:472をコードする配列番号:471、配列番号:474をコードする配列番号:473、配列番号:476をコードする配列番号:475、配列番号:478をコードする配列番号:477、配列番号:480をコードする配列番号:479、配列番号:482をコードする配列番号:481、配列番号:484をコードする配列番号:483、配列番号:486をコードする配列番号:485、配列番号:488をコードする配列番号:487、配列番号:490をコードする配列番号:489、配列番号:492をコードする配列番号:491、配列番号:494をコードする配列番号:493、又は配列番号:496をコードする配列番号:495。
【0082】
配列番号:498の配列は配列番号:497のヌクレオチド配列でコードされるヒトネトリン4タンパク質に相当し、そして配列番号:500の配列は、配列番号:499のヌクレオチド配列でコードされるシグナルペプチドを有しない前記ヒトネトリン4タンパク質に相当する。配列番号:498の配列は628アミノ酸を含み、そして配列番号:500の配列は609アミノ酸を含み、配列番号:498の配列の20残基から628残基までの領域の断片に相当する。
【0083】
配列番号:502の配列は、配列番号:501のヌクレオチド配列よりコードされているヒトネトリン1タンパク質に相当し、配列番号:504の配列は、配列番号:503のヌクレオチド配列でコードされるシグナルペプチドを有しない前記ヒトネトリン1タンパク質に相当する。配列番号:502配列は604アミノ酸を含み、配列番号:504の配列は580アミノ酸含み、そして配列番号:502の配列の25残基から604残基までの範囲の断片に相当する。
【0084】
配列番号:506の配列は、配列番号:505のヌクレオチド配列によりコードされるヒトネトリンG1タンパク質に相当し、配列番号:508の配列は配列番号:507のヌクレオチド配列でコードされるシグナルペプチドを有しない前記ヒトネトリンG1タンパク質に相当する。配列番号:506の配列は438アミノ酸を含み、配列番号:508の配列は410アミノ酸含み、そして配列番号:502の配列の29残基から438残基までの範囲の断片に相当する。
【0085】
配列番号:510の配列は、配列番号:509のヌクレオチド配列によりコードされるヒトネトリン3タンパク質に相当する。配列番号:510の配列は580アミノ酸を含む。
【0086】
配列番号:512の配列は、配列番号:511のヌクレオチド配列によりコードされるRGM−A分子に相当する。配列番号:512の配列は450アミノ酸を含む。
【0087】
配列番号:514の配列は、配列番号:513のヌクレオチド配列によりコードされるRGM−B分子に相当し、配列番号:518の配列は配列番号:517のヌクレオチド配列でコードされるシグナルペプチドを有しない前記RGM−B分子タンパク質に相当する。配列番号:514の配列は437アミノ酸を含み、配列番号:518の配列は392アミノ酸含み、そして配列番号:514の配列の46残基から437残基までの範囲の断片に相当する。
【0088】
配列番号:516の配列は、配列番号:515のヌクレオチド配列によりコードされるRGM−C分子に相当し、配列番号:520の配列は配列番号:519のヌクレオチド配列でコードされるシグナルペプチドを有しない前記RGM−C分子タンパク質に相当する。配列番号:516の配列は426アミノ酸を含み、配列番号:520の配列は391アミノ酸含み、そして配列番号:516の配列の36残基から426残基までの範囲の断片に相当する。
【0089】
配列番号:360の配列は、ヒトネトリン4タンパク質のラミニン型断片(特定のインテグリンに結合する細胞外マトリックスのタンパク質)に相当し、前記断片は配列番号:359のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は260アミノ酸含み、そして配列番号:498の配列の1残基から260残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0090】
配列番号:362の配列は、ヒトネトリン4タンパク質のEGF型断片(EGF因子繰り返しドメイン)に相当し、前記断片は配列番号:361のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は255アミノ酸含み、そして配列番号:498の配列の261残基から515残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0091】
配列番号:364の配列は、ヒトネトリン4タンパク質のへパリンに結合する断片に相当し、前記断片は配列番号:363のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は113アミノ酸含み、そして配列番号:498の配列の516残基から628残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0092】
配列番号:366の配列は、配列番号:364の配列を欠失したヒトネトリン4タンパク質の断片に相当し、前記断片は配列番号:365のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は515アミノ酸含み、そして配列番号:498の配列の1残基から515残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0093】
配列番号:8の配列は、ヒトネトリン4タンパク質のラミニン型断片に相当し、前記断片は配列番号:7のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は229アミノ酸含み、そして配列番号:498の配列の32残基から260残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0094】
配列番号:2の配列は、ヒトネトリン4タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:1のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は60アミノ酸を含み、そして配列番号:498の配列の261残基から320残基の範囲までのネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0095】
配列番号:4の配列は、ヒトネトリン4タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:3のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は56アミノ酸を含み、そして配列番号:498の配列の332残基から387残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0096】
配列番号:6の配列は、ヒトネトリン4タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:5のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は52アミノ酸を含み、そして配列番号:498の配列の394残基から445残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0097】
配列番号:10から配列番号:126のタンパク質配列及び配列番号:368及び配列番号:370のタンパク質配列に相当し、並びに配列番号:9から配列番号:125のヌクレオチド配列及び配列番号:367と配列番号:369のヌクレオチド配列に相当する、ネトリン4タンパク質の断片は次の表に示す:
【表2】
【0098】
配列番号:128の配列は、ヒトネトリン1タンパク質のラミニン型断片(特定のインテグリンに結合する細胞外マトリックスのタンパク質)に相当し、前記断片は配列番号:127のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は283アミノ酸含み、そして配列番号:502の配列の1残基から283残基までの範囲のネトリン1タンパク質断片に相当する。
【0099】
配列番号:130の配列は、ヒトネトリン1タンパク質のEGF型断片(EGF因子繰り返しドメイン)に相当し、前記断片は配列番号:129のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は204アミノ酸含み、そして配列番号:502の配列の284残基から487残基までの範囲のネトリン1タンパク質断片に相当する。
【0100】
配列番号:132の配列は、ヒトネトリン1タンパク質のへパリンに結合する断片に相当し、前記断片は配列番号:131のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は117アミノ酸含み、そして配列番号:502の配列の488残基から604残基までの範囲のネトリン1タンパク質断片に相当する。
【0101】
配列番号:372の配列は、配列番号:132の配列を欠失したヒトネトリン1タンパク質の断片に相当し、前記断片は配列番号:371のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は487アミノ酸含み、そして配列番号:502の配列の1残基から487残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0102】
配列番号:140の配列は、ヒトネトリン1タンパク質のラミニン型断片に相当し、前記断片は配列番号:139のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は235アミノ酸含み、そして配列番号:502の配列の49残基から283残基までの範囲のネトリン1タンパク質断片に相当する。
【0103】
配列番号:134の配列は、ヒトネトリン1タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:133のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は48アミノ酸を含み、そして配列番号:502の配列の284残基から331残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0104】
配列番号:136の配列は、ヒトネトリン1タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:135のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は56アミノ酸を含み、そして配列番号:502の配列の341残基から396残基までの範囲のネトリン1タンパク質断片に相当する。
【0105】
配列番号:138の配列は、ヒトネトリン1タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:137のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は48アミノ酸を含み、そして配列番号:502の配列の403残基から450残基までの範囲のネトリン1タンパク質断片に相当する。
【0106】
配列番号:142から配列番号:262のタンパク質配列に相当し、そして配列番号:141から配列番号:261のヌクレオチド配列に相当する、ネトリン1タンパク質の断片は次の表に示す:
【表3】
【0107】
配列番号:264の配列は、ヒトネトリンG1タンパク質のラミニン型断片(特定のインテグリンに結合する細胞外マトリックスのタンパク質)に相当し、前記断片は配列番号:263のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は295アミノ酸含み、そして配列番号:506の配列の1残基から295残基までの範囲のネトリンG1タンパク質断片に相当する。
【0108】
配列番号:266の配列は、ヒトネトリンG1タンパク質のEGF型断片(EGF因子繰り返しドメイン)に相当し、前記断片は配列番号:265のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は143アミノ酸を含み、そして配列番号:506の配列の296残基から438残基までの範囲のネトリンG1タンパク質断片に相当する。
【0109】
配列番号:268の配列は、ヒトネトリンG1タンパク質のラミニン型断片に相当し、前記断片は配列番号:267のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は225アミノ酸含み、そして配列番号:506の配列の71残基から295残基までの範囲のネトリンG1タンパク質断片に相当する。
【0110】
配列番号:270の配列は、ヒトネトリンG1タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:269のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は47アミノ酸を含み、そして配列番号:506の配列の296残基から342残基までの範囲のネトリンG1タンパク質断片に相当する。
【0111】
配列番号:272の配列は、ヒトネトリンG1タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:271のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は37アミノ酸を含み、そして配列番号:506の配列の373残基から409残基までの範囲のネトリンG1タンパク質断片に相当する。
【0112】
配列番号:274から配列番号:296のタンパク質配列に相当し、そして配列番号:273から配列番号:295のヌクレオチド配列に相当する、ネトリンG1タンパク質の断片は次の表に示す:
【表4】
【0113】
配列番号:298の配列は、ヒトネトリン3タンパク質のラミニン型断片(特定のインテグリンに結合する細胞外マトリックスのタンパク質)に相当し、前記断片は配列番号:297のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は253アミノ酸含み、そして配列番号:510の配列の1残基から253残基までの範囲のネトリン3タンパク質断片に相当する。
【0114】
配列番号:300の配列は、ヒトネトリン3タンパク質のラミニン型断片に相当し、前記断片は配列番号:299のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は220アミノ酸含み、そして配列番号:510の配列の34残基から253残基までの範囲のネトリン3タンパク質断片に相当する。
【0115】
配列番号:302の配列は、ヒトネトリン3タンパク質のEGF型断片(EGF因子繰り返しドメイン)に相当し、前記断片は配列番号:301のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は180アミノ酸を含み、そして配列番号:510の配列の254残基から433残基までの範囲のネトリン3タンパク質断片に相当する。
【0116】
配列番号:304の配列は、ヒトネトリン3タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:303のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は46アミノ酸を含み、そして配列番号:510の配列の254残基から299残基までの範囲のネトリン3タンパク質断片に相当する。
【0117】
配列番号:306の配列は、ヒトネトリン3タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:305のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は50アミノ酸を含み、そして配列番号:510の配列の373残基から422残基までの範囲のネトリン3タンパク質断片に相当する。
【0118】
配列番号:308の配列は、ヒトネトリン3タンパク質のへパリンに結合する断片に相当し、前記断片は配列番号:307のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は148アミノ酸含み、そして配列番号:510の配列の433残基から580残基までの範囲のネトリン3タンパク質断片に相当する。
【0119】
配列番号:310から配列番号:352のタンパク質配列に相当し、そして配列番号:309から配列番号:351のヌクレオチド配列に相当する、ネトリン3タンパク質の断片は次の表に示す:
【表5】
【0120】
配列番号:354の配列は、RGM−Aタンパク質に相当し、前記断片は配列番号:353のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は111アミノ酸含み、そして配列番号:512の配列の180残基から290残基までの範囲のRGM−Aタンパク質断片に相当する。
【0121】
配列番号:356の配列は、RGM−Bタンパク質に相当し、前記断片は配列番号:355のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は111アミノ酸含み、そして配列番号:514の配列の180残基から290残基までの範囲のRGM−Bタンパク質断片に相当する。
【0122】
配列番号:358の配列は、RGM−Cタンパク質に相当し、前記断片は配列番号:357のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は111アミノ酸含み、そして配列番号:516の配列の180残基から290残基までの範囲のRGM−Cタンパク質断片に相当する。
【0123】
また、本発明は、少なくとも1つのネオゲニンリガンド、又は、もし適切であれば、特に、
− 次のタンパク質の1つ:配列番号:502又は配列番号:504で示されるネトリン1、配列番号:506または配列番号:508で示されるネトリンG1、配列番号:510で示されるネトリン3、配列番号:498又は配列番号:500で示されるネトリン4、配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518又は配列番号:520で示されるRGM分子の1つ、又は配列番号:522又は配列番号:524で示される変異ネトリン4、
− 又は、特に、配列番号:2n(nは1から248まで変化する)の配列の1つに示される、これらタンパク質の1つの断片、
− 又は、特に、次のヌクレオチド配列の1つに示される、前記タンパク質をコードするヌクレオチド配列:配列番号:501、配列番号:503、配列番号:505、配列番号:507、配列番号:509、配列番号:497、配列番号:499、配列番号:511、配列番号:513、配列番号:515、配列番号:517、配列番号:519、配列番号:521、配列番号:523、又は配列番号:2n−1(nは1から248まで変化する)の配列の1つ、
− 又は、前記で定義したタンパク質の1つの抗イディオタイプ抗体、
及び、特に次から選択される、少なくとも1つの化学療法剤:ドキソルビシン、メトトレキサート、ビンブラスチン、ビンクリスチン、クラドリビン、フルオロウラシル、シタラビン、アントラサイクリン、シスプラチン、シクロホスファミド、フルダラビン、ゲムスタビン、アロマターゼ阻害剤、イリノテカン、ナベルビン、オキザリプラチン、タキソフェン(taxofene)、タキソール、又はタキソテール、から選択される、ネオゲニンリガンドをコードするヌクレオチド配列を含む、組合せ産物に関し、これらは癌の治療を意図した、同時又は個別の又は、長時間にわたる使用のためのものである。
【0124】
本発明の枠組みの中で、抗血管新生薬の用量は約10から約20,000μg/kg体重を含む。注射間の時間は、特に、アバスチンの名前で最近市販のものが使用可能な抗血管新生薬の用量と類似で決定される。
【0125】
本発明は新規ネトリン4断片に関する。
【0126】
特に、本発明は、
* 配列番号:2p(pは1から63まで変化する)の配列、又は
* 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸の置換、欠失又は追加により、但しその由来する配列が抗血管新生活性を有していることを条件とした、前記配列より由来する任意の配列、又は
* 好ましくは、その相同配列が抗血管新生活性を有していることを条件として、配列番号:498のアミノ酸261位から515位までの間の領域と約50%の同一性を有する前記配列の1つに相同な任意の配列、
の1つを含むか、又はその1つにより構成されていることを特徴とする、新規ネトリン4タンパク質に関する。
【0127】
前記配列番号:2pの配列は配列番号:2から配列番号:126までのタンパク質配列、すなわち、次の前記で定義したタンパク質配列に相当する:配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106、配列番号:108、配列番号:110、配列番号:112、配列番号:114、配列番号:116、配列番号:118、配列番号:120、配列番号:122、配列番号:124又は配列番号:126。
【0128】
配列番号:2p断片は、血管新生阻害活性を示す新規ネトリン4断片である。
【0129】
配列番号:2p−1の前記配列は配列番号:2pの前記タンパク質配列をコードし、次のヌクレオチド配列に相当する:配列番号:2をコードする配列番号:1、配列番号:4をコードする配列番号:3、配列番号:6をコードする配列番号:5、配列番号:8をコードする配列番号:7、配列番号:10をコードする配列番号:9、配列番号:12をコードする配列番号:11、配列番号:14をコードする配列番号:13、配列番号:16をコードする配列番号:15、配列番号:18をコードする配列番号:17、配列番号:20をコードする配列番号:19、配列番号:22をコードする配列番号:21、配列番号:24をコードする配列番号:23、配列番号:26をコードする配列番号:25、配列番号:28をコードする配列番号:27、配列番号:30をコードする配列番号:29、配列番号:32をコードする配列番号:31、配列番号:34をコードする配列番号:33、配列番号:36をコードする配列番号:35、配列番号:38をコードする配列番号:37、配列番号:40をコードする配列番号:39、配列番号:42をコードする配列番号:41、配列番号:44をコードする配列番号:43、配列番号:46をコードする配列番号:45、配列番号:48をコードする配列番号:47、配列番号:50をコードする配列番号:49、配列番号:52をコードする配列番号:51、配列番号:54をコードする配列番号:53、配列番号:56をコードする配列番号:55、配列番号:58をコードする配列番号:57、配列番号:60をコードする配列番号:59、配列番号:62をコードする配列番号:61、配列番号:64をコードする配列番号:63、配列番号:66をコードする配列番号:65、配列番号:68をコードする配列番号:67、配列番号:70をコードする配列番号:69、配列番号:72をコードする配列番号:71、配列番号:74をコードする配列番号:73、配列番号:76をコードする配列番号:75、配列番号:78をコードする配列番号:77、配列番号:80をコードする配列番号:79、配列番号:82をコードする配列番号:81、配列番号:84をコードする配列番号:83、配列番号:86をコードする配列番号:85、配列番号:88をコードする配列番号:87、配列番号:90をコードする配列番号:89、配列番号:92をコードする配列番号:91、配列番号:94をコードする配列番号:93、配列番号:96をコードする配列番号:95、配列番号:98をコードする配列番号:97、配列番号:100をコードする配列番号:99、配列番号:102をコードする配列番号:101、配列番号:104をコードする配列番号:103、配列番号:106をコードする配列番号:105、配列番号:108をコードする配列番号:107、配列番号:110をコードする配列番号:109、配列番号:112をコードする配列番号:111、配列番号:114をコードする配列番号:113、配列番号:116をコードする配列番号:115、配列番号:118をコードする配列番号:117、配列番号:120をコードする配列番号:119、配列番号:122をコードする配列番号:121、配列番号:124をコードする配列番号:123、又は配列番号:126をコードする配列番号:125。
【0130】
また、本発明は前記で定義したタンパク質をコードするヌクレオチド配列に関する。
【0131】
好適な実施態様によれば、本発明によるヌクレオチド配列は、
− 配列番号:2pをコードする配列番号:2p−1のヌクレオチド配列(pは1から63まで変化する)の1つ、
− 又は、遺伝子コードの縮重により前記ヌクレオチド配列の1つに由来し、そして配列番号:2p(pは1から63まで変化する)をコードする、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸による置換、欠失、又は追加により、前記で定義した配列番号:2p(pは1から63まで変化する)の1つに由来するタンパク質をコードする前記ヌクレオチド配列の1つに由来する、任意のヌクレオチド配列、又は、
− 又は、好ましくは、前記で定義した配列番号:2p(pは1から63まで変化する)に相同なタンパク質をコードする配列番号:2p−1配列の1つと少なくとも約50%の同一性を持つ、前記ヌクレオチド配列の1つと相同な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列と相補的な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列の1つと相補的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能な任意のヌクレオチド配列、
を含むか次の配列により構成されていることを特徴とする。
【0132】
「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」という表現は、ハイブリダイゼーション緩衝液(例えば、0.5XSSC)、60℃のハイブリダイゼーション温度、並びに洗浄液(例えば、1%SDSを添加した0.1XSSC)及び50℃の洗浄温度に特に相当する。
【0133】
また、本発明は組換えベクター(特に、プラスミド、コスミド、ファージ又はウイルスDNA)に関し、これらは前記で定義したヌクレオチド配列、特に、配列番号:2p−1(pは1から63まで変化する)を含む。
【0134】
本発明に記載の好適なベクターは、前記核酸、特に、前記ベクターに挿入された配列番号:2p(pは1から63まで変化する)でコードされるペプチドを宿主細胞で発現させるのに必要な要素を含む。
【0135】
本発明は、特に細菌、ウイルス、酵母、真菌、植物又は哺乳動物細胞から選択された宿主細胞に関し、前記宿主細胞は、特に、前記で定義した組換えベクターを用いて形質転換される。
【0136】
また、本発明は、前記で定義したタンパク質、すなわち、特に配列番号:2p(pは1から63まで変化する)に示されるネトリン4断片に対して特異的であることを特徴とする抗体に関する。
【0137】
また、本発明は有効成分として、
− ネトリン4断片、好ましくは配列番号:2p(pは1から63まで変化する)の1つ、に相当する前記で定義したタンパク質、又は
− 特に、配列番号:2p−1(pは1から63まで変化する)の配列の1つに相当する前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− 特に、配列番号:2p(pは1から63まで変化する)に対する前記で定義した抗体、
を含む医薬組成物に関する。
【0138】
また、本発明は、
− 好ましくは、特に、配列番号:2p(pは1から63まで変化する)配列の1つである、ネトリン4断片に相当する前記で定義したタンパク質、又は
− 特に、配列番号:2p−1(pは1から63まで変化する)配列の1つの前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− 特に、配列番号:2p(pは1から63まで変化する)配列の1つに対する前記で定義した抗体、
の使用に関し、それは内皮細胞の増殖を阻害することを必要とする病変の阻止又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であり、その病変には特に癌及び白血病、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病(Castelman’s disease)及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームにおける病変、のフレームにおけるものが含まれる。
【0139】
本発明はRGM及び新規RGM断片の使用に関する。
【0140】
特に、本発明は、
− 次の配列を含むか又は次の配列により構成されることを特徴とするタンパク質、
* 配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518又は配列番号:520の配列、
* その断片が抗血管形成活性を示すことを条件にとし、前記断片が特に約40から約150のアミノ酸を含み、特に配列番号:354、配列番号:356又は配列番号:358の配列の1つに示される、このタンパク質の断片、
* 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸による置換、欠失、又は追加により、前記で定義した配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518又は配列番号:520の配列、又は前記で定義した断片、に由来する、但しこの由来配列が抗−血管新生活性を提供することを条件とする、任意の配列、又は
* 好ましくは、配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518又は配列番号:520の配列の180位から290位までを含む領域に少なくとも約50%の同一性を有する、配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518又は配列番号:520の配列、または前記で定義した断片に相同な、但しこの相同配列が抗血管新生活性を示すことを条件とする、任意の配列、
− 又は、次のものをコードするヌクレオチド配列を含むか又はそれにより構成されることを特徴とするヌクレオチド配列:
* 前記で定義したタンパク質、
* 又は前記で定義したタンパク質の断片、
* 又は前記で定義したタンパク質に由来する配列、
* 又は前記で定義したタンパク質に相同な配列のいずれかで、
特に前記ヌクレオチド配列が、配列番号:512をコードする配列番号:511ヌクレオチド配列に、又は配列番号:514をコードする配列番号:513ヌクレオチド配列に、配列番号:516をコードする配列番号:515ヌクレオチド配列に、配列番号:518をコードする配列番号:517ヌクレオチド配列に、配列番号:520をコードする配列番号:519ヌクレオチド配列に、配列番号:354をコードする配列番号:353ヌクレオチド配列に、配列番号:356をコードする配列番号:355ヌクレオチド配列に、配列番号:358をコードする配列番号:357ヌクレオチド配列に、対応し、
− 又は、前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、
の使用に関し、それらは内皮細胞の増殖及を阻害することを必要とする非癌性の病変の予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であり、その病変には特に、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、リューマチ性多発性関節炎、血管腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームにおける病変のフレームにおけるものが含まれる。
【0141】
また、本発明は、
* 配列番号:354、配列番号:356又は配列番号:358の配列、又は
* 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸による置換、欠失、又は追加により前記の配列の1つに由来する、但しこの由来配列が抗血管新生活性を提供することを条件とする、任意の配列、又は
* 好ましくは、配列番号:512の配列の180位から290位までを含む領域に少なくとも約50%の同一性を有する、但しこの相同配列が抗−血管新生活性を示すことを条件とする、前記の配列の1つに由来する任意の配列、
の1つを含むか又はそれにより構成されることを特徴とするRGM断片に関する。
【0142】
また、本発明は前記で定義したRGM断片の1つをコードするヌクレオチド配列に関する。
【0143】
本発明に記載される好適なヌクレオチド配列は、
− 配列番号:353、配列番号:355、又は配列番号:357のヌクレオチド配列、
− 又は、遺伝子コードの縮重により前記ヌクレオチド配列の1つに由来し、配列番号:354、配列番号:356、又は配列番号:358に示されるタンパク質をコードする、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、特に、1つ又はそれ以上のヌクレオチドによる置換、欠失、又は追加により、前記で定義した配列番号:354、配列番号:356、又は配列番号:358に由来するタンパク質をコードする前記ヌクレオチド配列の1つに由来する、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、好ましくは、前記で定義した配列番号:354、配列番号:356、又は配列番号:358と相同なタンパク質をコードする、配列番号:353、配列番号:355、又は配列番号:357の配列と少なくとも約50%の同一性を有する、前記ヌクレオチド配列の1つと相同な、任意のヌクレオチド配列。
− 又は、前記配列と相補的な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列の1つと相補的な任意のヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能な、任意のヌクレオチド配列、
を含むか又はその配列により構成されることを特徴とする。
【0144】
「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」という表現は、ハイブリダイゼーション緩衝液(例えば、0.5XSSC)、60℃のハイブリダイゼーション温度、並びに洗浄液(例えば、1%SDSを添加した0.1XSSC)及び50℃の洗浄温度に特に相当する。
【0145】
また、本発明は組換えベクター(特に、プラスミド、コスミド、ファージ又はウイルスDNA)に関し、前記組換えベクターは好ましくは、前記ベクターに挿入された前記核酸によりコードされたポリペプチドを宿主細胞に発現させるために必要な要素を含む。
【0146】
また、本発明は、特に細菌、ウイルス、酵母、真菌、植物又は哺乳動物細胞から選択された宿主細胞に関し、前記宿主細胞は、特に、前記で定義した組換えベクターを用いて形質転換される。
【0147】
本発明は、RGMの前記断片の1つに対して特異的であることを特徴とする、抗体に関する。
【0148】
また、本発明は有効成分として、
− RGMの前記断片の1つ、又は
− RGMの前記断片の1つをコードする、前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− RGMの前記断片の1つに向けられた、前記で定義した抗体、
を含む医薬組成物に関する。
【0149】
また、本発明は、
− RGMの前記断片の1つ、又は
− RGMの前記断片の1つをコードする、前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− RGMの前記断片の1つに向けられた、前記で定義した抗体、
の使用に関し、それらは内皮細胞の増殖を阻害することを必要とする病変の阻止又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であり、その病変には特に、癌及び白血病、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームにおける病変のフレームにおけるものが含まれる。
【0150】
また、本発明はネトリン1断片、ネトリン3およびその断片、ネトリンG1及びその断片、並びに相当する新規断片の使用に関する。
【0151】
特に、本発明は、
− 次の配列を含むか又は次の配列により構成されることを特徴とするタンパク質:
* 配列番号:506の配列、又は配列番号:508の配列に示されるネトリンG1、又は配列番号:510の配列に示されるネトリン3、
* 前記断片が、特に、約40から約400のアミノ酸を含み、そして、特に、配列番号:2m(mは64から176まで変化する)の1つの配列、又は配列番号:372の配列により示される、但しその断片が抗血管新生活性を示すことを条件とした、これらタンパク質の1つ又は配列番号:502、又は配列番号:504の配列に示されるネトリン1の断片、
* 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸による置換、欠失、又は追加により、配列番号:506、配列番号:508、配列番号:510の配列、又は前記で定義した断片に由来する、但しその由来配列が抗血管新生活性を示すことを条件とした、任意の配列、又は
* 好ましくは、配列番号:506の配列のアミノ酸296位と438位の間を含む領域と少なくとも約50%の同一性を有する、配列番号:506、配列番号:508、配列番号:510の配列、又は前記で定義した断片と相同な、但しその相同な配列が抗血管新生抑制活性を示すことを条件とした、任意の配列、
− 又は、次の配列をコードするヌクレオチド配列を含むか又はそれにより構成されることを特徴とするヌクレオチド配列:
* 前記で定義したタンパク質、
* 又は前記で定義したタンパク質の断片、
* 又は前記で定義したタンパク質の1つに由来する配列、
* 又は前記で定義したタンパク質1つに相同な配列のいずれかで、
特に、配列番号:506をコードする配列番号:505のヌクレオチド配列、又は配列番号:508をコードする配列番号:507のヌクレオチド配列、又は配列番号:510をコードする配列番号:509のヌクレオチド配列、又は配列番号:2mをコードする配列番号:2m−1の配列(mは64から176まで変化する)、配列番号:372をコードする配列番号:371配列、
− 又は、前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、
− 又は、前記で定義したタンパク質の1つの抗体、
− 又は、前記で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の使用であって、それらは内皮細胞の増殖を阻害することを必要とする病変の阻止又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であり、その病変には、特に、癌及び白血病、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症又、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームにおける病変のフレームにおけるものが含まれる。
【0152】
配列番号:2mの前記配列は配列番号:128から配列番号:352までのタンパク質配列、すなわち、次のタンパク質配列に相当する:配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:144、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号:162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、配列番号:262、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、配列番号:296、配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332、配列番号:334、配列番号:336、配列番号:338、配列番号:340、配列番号:342、配列番号:344、配列番号:346、配列番号:348、配列番号:350、配列番号:352。
【0153】
配列番号:2m−1の前記配列は配列番号:2mの前記タンパク質配列をコードし、そして次のヌクレオチド配列に相当する:配列番号:128をコードする配列番号:127、配列番号:130をコードする配列番号:129、配列番号:132をコードする配列番号:131、配列番号:134をコードする配列番号:133、配列番号:136をコードする配列番号:135、配列番号:138をコードする配列番号:137、配列番号:140をコードする配列番号:139、配列番号:142をコードする配列番号:141、配列番号:144をコードする配列番号:143、配列番号:146をコードする配列番号:145、配列番号:148をコードする配列番号:147、配列番号:150をコードする配列番号:149、配列番号:152をコードする配列番号:151、配列番号:154をコードする配列番号:153、配列番号:156をコードする配列番号:155、配列番号:158をコードする配列番号:157、配列番号:160をコードする配列番号:159、配列番号:162をコードする配列番号:161、配列番号:164をコードする配列番号:163、配列番号:166をコードする配列番号:165、配列番号:168をコードする配列番号:167、配列番号:170をコードする配列番号:169、配列番号:172をコードする配列番号:171、配列番号:174をコードする配列番号:173、配列番号:176をコードする配列番号:175、配列番号:178をコードする配列番号:177、配列番号:180をコードする配列番号:179、配列番号:182をコードする配列番号:181、配列番号:184をコードする配列番号:183、配列番号:186をコードする配列番号:185、配列番号:188をコードする配列番号:187、配列番号:190をコードする配列番号:189、配列番号:192をコードする配列番号:191、配列番号:194をコードする配列番号:193、配列番号:196をコードする配列番号:195、配列番号:198をコードする配列番号:197、配列番号:200をコードする配列番号:199、配列番号:202をコードする配列番号:201、配列番号:204をコードする配列番号:203、配列番号:206をコードする配列番号:205、配列番号:208をコードする配列番号:207、配列番号:210をコードする配列番号:209、配列番号:212をコードする配列番号:211、配列番号:214をコードする配列番号:213、配列番号:216をコードする配列番号:215、配列番号:218をコードする配列番号:217、配列番号:220をコードする配列番号:219、配列番号:222をコードする配列番号:221、配列番号:224をコードする配列番号:223、配列番号:226をコードする配列番号:225、配列番号:228をコードする配列番号:227、配列番号:230をコードする配列番号:229、配列番号:232をコードする配列番号:231、配列番号:234をコードする配列番号:233、配列番号:236をコードする配列番号:235、配列番号:238をコードする配列番号:237、配列番号:240をコードする配列番号:239、配列番号:242をコードする配列番号:241、配列番号:244をコードする配列番号:243、配列番号:246をコードする配列番号:245、配列番号:248をコードする配列番号:247、配列番号:250をコードする配列番号:249、配列番号:252をコードする配列番号:251、配列番号:254をコードする配列番号:253、配列番号:256をコードする配列番号:255、配列番号:258をコードする配列番号:257、配列番号:260をコードする配列番号:259、配列番号:262をコードする配列番号:261、配列番号:264をコードする配列番号:263、配列番号:266をコードする配列番号:265、配列番号:268をコードする配列番号:267、配列番号:270をコードする配列番号:269、配列番号:272をコードする配列番号:271、配列番号:274をコードする配列番号:273、配列番号:276をコードする配列番号:275、配列番号:278をコードする配列番号:277、配列番号:280をコードする配列番号:279、配列番号:282をコードする配列番号:281、配列番号:284をコードする配列番号:283、配列番号:286をコードする配列番号:285、配列番号:288をコードする配列番号:287、配列番号:290をコードする配列番号:289、配列番号:292をコードする配列番号:291、配列番号:294をコードする配列番号:293、配列番号:296をコードする配列番号:295、配列番号:298をコードする配列番号:297、配列番号:300をコードする配列番号:299、配列番号:302をコードする配列番号:301、配列番号:304をコードする配列番号:303、配列番号:306をコードする配列番号:305、配列番号:308をコードする配列番号:307、配列番号:310をコードする配列番号:309、配列番号:312をコードする配列番号:311、配列番号:314をコードする配列番号:313、配列番号:316をコードする配列番号:315、配列番号:318をコードする配列番号:3178、配列番号:320をコードする配列番号:319、配列番号:322をコードする配列番号:321、配列番号:324をコードする配列番号:323、配列番号:326をコードする配列番号:325、配列番号:328をコードする配列番号:327、配列番号:330をコードする配列番号:329、配列番号:332をコードする配列番号:331、配列番号:334をコードする配列番号:333、配列番号:336をコードする配列番号:335、配列番号:338をコードする配列番号:337、配列番号:340をコードする配列番号:339、配列番号:342をコードする配列番号:341、配列番号:344をコードする配列番号:343、配列番号:346をコードする配列番号:345、配列番号:348をコードする配列番号:347、配列番号:350をコードする配列番号:349、配列番号:352をコードする配列番号:351。
【0154】
本発明は、
− 配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列、又は
− 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸の置換、欠失又は追加により、前記配列の1つに由来する、但しその由来する配列が抗血管新生活性を有していることを条件にした、任意の配列、又は
− 好ましくは、配列番号:502の配列のアミノ酸284位と487位の間を含む領域と少なくとも約50%の同一性を有する、前記配列の1つと相同な、但しその相同配列が抗血管新生活性を有していることを条件とした、そして前記タンパク質が配列番号:502又は配列番号:504の配列と異なることを条件とした、任意の配列、
の1つを含む又はそれにより構成されていることを特徴とする、タンパク質に関する。
【0155】
配列番号:2iの前記配列はネトリン1断片であり、そして配列番号:128から配列番号:262のタンパク質配列、すなわち、次のタンパク質配列に相当する:配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:144、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号:162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、又は配列番号:262。
【0156】
また、本発明は、
− 配列番号:2j(jは132から148まで変化する)の配列、又は
− 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸の置換、欠失又は追加により、前記配列の1つに由来する、但しその由来する配列が抗血管新生活性を有していることを条件とした、任意の配列、又は
− 好ましくは、配列番号:506の配列のアミノ酸296位と438位の間を含む領域と少なくとも約50%の同一性を有する、前記配列の1つと相同な、但しその相同配列が抗血管新生活性を有していることを条件とした、任意の配列、
の1つを含むか又はそれにより構成されていることを特徴とする、ネトリンG1断片に関する。
【0157】
配列番号:2jの前記配列は、配列番号:264から配列番号:296のタンパク質配列、すなわち、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、又は配列番号:296のタンパク質配列に相当する。
【0158】
また、本発明は、
− 配列番号:2k(kは149から176まで変化する)の配列、又は
− 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸の置換、欠失又は追加により、前記配列の1つに由来する、但しその由来する配列が抗血管新生活性を有していることを条件とした、任意の配列、又は
− 好ましくは、配列番号:510の配列のアミノ酸254位と433位の間を含む領域と少なくとも約50%の同一性を有する、前記配列の1つと相同な、但しその相同配列が抗血管新生活性を有していることを条件とした、任意の配列、
の1つを含むか又はそれにより構成されていることを特徴とする、ネトリン3断片に関する。
【0159】
配列番号:2kの前記配列は配列番号:298から352までのタンパク質配列、すなわち、次のタンパク質配列に相当する:配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号:314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332、配列番号:334、配列番号:336、配列番号:338、配列番号:340、配列番号:342、配列番号:344、配列番号:346、配列番号:348、配列番号:350、又は配列番号:352。
【0160】
また、本発明は、前記で定義したタンパク質をコードするヌクレオチド配列、すなわち、ネトリン1の断片をコードするヌクレオチド配列に関する。
【0161】
本発明に記載の好適なヌクレオチド配列は、
− 配列番号:2i−1(iは64から131まで変化する)の配列、又は
− 又は、遺伝子コードの縮重により前記ヌクレオチド配列の1つから由来し、そして配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列の1つにより示されるタンパク質をコードする、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、特に、1つ又はそれ以上のヌクレオチドの置換、欠失又は追加により、配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列の1つにより示されるタンパク質をコードする前記ヌクレオチド配列の1つに由来する、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、好ましくは、配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列の1つにより示されるタンパク質をコードする配列番号:2i−1の配列の1つと少なくとも約50%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の1つと相同な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記ヌクレオチド配列と相同な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記ヌクレオチド配列の1つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能な、但し前記ヌクレオチド配列が、配列番号:501又は配列番号:503の配列と異なることを条件とした、任意のヌクレオチド配列、
を含むか又はそれにより構成されていることを特徴とする。
【0162】
配列番号:2i−1の前記配列は配列番号:2iで示されるネトリン1の前記断片をコードし、そして次のヌクレオチド配列に相当する:配列番号:128をコードする配列番号:127、配列番号:130をコードする配列番号:129、配列番号:132をコードする配列番号:131、配列番号:134をコードする配列番号:133、配列番号:136をコードする配列番号:135、配列番号:138をコードする配列番号:137、配列番号:140をコードする配列番号:139、配列番号:142をコードする配列番号:141、配列番号:144をコードする配列番号:143、配列番号:146をコードする配列番号:145、配列番号:148をコードする配列番号:147、配列番号:150をコードする配列番号:149、配列番号:152をコードする配列番号:151、配列番号:154をコードする配列番号:153、配列番号:156をコードする配列番号:155、配列番号:158をコードする配列番号:157、配列番号:160をコードする配列番号:159、配列番号:162をコードする配列番号:161、配列番号:164をコードする配列番号:163、配列番号:166をコードする配列番号:165、配列番号:168をコードする配列番号:167、配列番号:170をコードする配列番号:169、配列番号:172をコードする配列番号:171、配列番号:174をコードする配列番号:173、配列番号:176をコードする配列番号:175、配列番号:178をコードする配列番号:177、配列番号:180をコードする配列番号:179、配列番号:182をコードする配列番号:181、配列番号:184をコードする配列番号:183、配列番号:186をコードする配列番号:185、配列番号:188をコードする配列番号:187、配列番号:190をコードする配列番号:189、配列番号:192をコードする配列番号:191、配列番号:194をコードする配列番号:193、配列番号:196をコードする配列番号:195、配列番号:198をコードする配列番号:197、配列番号:200をコードする配列番号:199、配列番号:202をコードする配列番号:201、配列番号:204をコードする配列番号:203、配列番号:206をコードする配列番号:205、配列番号:208をコードする配列番号:207、配列番号:210をコードする配列番号:209、配列番号:212をコードする配列番号:211、配列番号:214をコードする配列番号:213、配列番号:216をコードする配列番号:215、配列番号:218をコードする配列番号:217、配列番号:220をコードする配列番号:219、配列番号:222をコードする配列番号:221、配列番号:224をコードする配列番号:223、配列番号:226をコードする配列番号:225、配列番号:228をコードする配列番号:227、配列番号:230をコードする配列番号:229、配列番号:232をコードする配列番号:231、配列番号:234をコードする 配列番号:233、配列番号:236をコードする配列番号:235、配列番号:238をコードする配列番号:237、配列番号:240をコードする配列番号:239、配列番号:242をコードする配列番号:241、配列番号:244をコードする配列番号:243、配列番号:246をコードする配列番号:245、配列番号:248をコードする配列番号:247、配列番号:250をコードする配列番号:249、配列番号:252をコードする配列番号:251、配列番号:254をコードする配列番号:253、配列番号:256をコードする配列番号:255、配列番号:258をコードする配列番号:257、配列番号:260をコードする配列番号:259、又は配列番号:262をコードする配列番号:261。
【0163】
また、本発明は有効成分として、
− 前記で定義したネトリン1断片に相当するタンパク質、又は
− 前記で定義したネトリン1断片をコードするヌクレオチド配列、又
は
− 前記で定義したタンパク質に特異的に向けられていることを特徴とする抗体、又は
− 前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、又は
− 前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体のFab断片、
を含む医薬組成物に関する。
【0164】
本発明は、
− 前記で定義したネトリン1断片に相当するタンパク質、又は
− 前記で定義した前記ネトリン1断片をコードするヌクレオチド配列、又は
− 前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、
の使用に関し、それは内皮細胞の増殖及び/又は遊走を阻害することを必要とする病変の阻止又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であり、その病変には、特に癌及び白血病、加齢性黄斑変性症、脈絡膜新生血管性複雑近視、特に移植拒絶における角膜新血管形成、緑内障、糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、糖尿病性網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームにおける病変のフレームにおけるものが含まれる。
【0165】
また、本発明は、
− 前記で定義したタンパク質に対して特異的に向けられていることを特徴とする抗体、又は
− 前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の使用に関し、これらは内皮細胞の増殖及び/又は遊走を阻害することを必要とする病変の阻止又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であり、その病変には特に、虚血性病変、例えば、下肢動脈の虚血性病変、心筋梗塞、脳血管障害、強皮症、又はレイノー病のフレームおけるものが含まれる。
【0166】
また、本発明は前記で定義したタンパク質をコードするヌクレオチド配列、すなわち、ネトリンG1断片をコードするヌクレオチド配列に関する。
【0167】
本発明に記載の好適なヌクレオチド配列は、
− 配列番号:2j−1(jは132から148まで変化する)の配列のヌクレオチド配列、
− 又は、遺伝子コードの縮重により、前記ヌクレオチド配列の1つに由来し、そして配列番号:2j(jは132から148まで変化する)の配列の1つに示されるタンパク質をコードする、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、特に、1つ又はそれ以上のヌクレオチドの置換、欠失又は追加により、配列番号:2j(jは132から148まで変化する)の配列の1つにより示されるタンパク質をコードする前記ヌクレオチド配列の1つに由来する、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、好ましくは、前記で定義した配列番号:2j(jは132から148まで変化する)の配列の1つに由来するタンパク質をコードする配列番号:2j−1の配列の1つと少なくとも約50%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の1つ、と相同な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列に相補的な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記ヌクレオチド配列の1つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能な、任意のヌクレオチド配列、
を含むか又はそれにより構成されていることを特徴とする。
【0168】
配列番号:2j−1の前記配列は配列番号:2jで示されるネトリンG1の前記断片をコードし、そして次のヌクレオチド配列に相当する:配列番号:264をコードする配列番号:263、配列番号:266をコードする配列番号:265、配列番号:268をコードする配列番号:267、配列番号:270をコードする配列番号:269、配列番号:272をコードする配列番号:271、配列番号:274をコードする配列番号:273、配列番号:276をコードする配列番号:275、配列番号:278をコードする配列番号:277、配列番号:280をコードする配列番号:279、配列番号:282をコードする配列番号:281、配列番号:284をコードする配列番号:283、配列番号:286をコードする配列番号:285、配列番号:288をコードする配列番号:287、配列番号:290をコードする配列番号:289、配列番号:292をコードする配列番号:291、配列番号:294をコードする配列番号:293又は配列番号:296をコードする配列番号:295。
【0169】
また、本発明は前記で定義したタンパク質をコードするヌクレオチド配列、すなわち、ネトリン3断片をコードするヌクレオチド配列、に関する。
【0170】
本発明に記載の好適なヌクレオチド配列は、
− 配列番号:2k−1(kは149から176まで変化する)のヌクレオチド配列、
− 又は、遺伝子コードの縮重により、前記ヌクレオチド配列の1つに由来し、配列番号:2k(kは149から176まで変化する)の配列の1つに示されるタンパク質をコードする、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、特に、1つ又はそれ以上のヌクレオチドの置換、欠失又は追加により、配列番号:2k(kは149から176まで変化する)の配列の1つに由来するタンパク質をコードする前記ヌクレオチド配列の1つに由来する、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、好ましくは、前記で定義した配列番号:2kの配列の1つ相同なタンパク質をコードする配列番号:2k−1の配列(kは149から176まで変化する)の1つと少なくとも約50%の同一性を有する、前記ヌクレオチド配列の1つと相同な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列に相補的な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記ヌクレオチド配列の1つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能な、任意のヌクレオチド配列、
を含むか又はそれにより構成されていることを特徴とする。
【0171】
配列番号:2k−1の前記配列は配列番号:2kで示されるネトリン3の前記断片をコードし、そして次のヌクレオチド配列に相当する:配列番号:298をコードする配列番号:297、配列番号:300をコードする配列番号:299、配列番号:302をコードする配列番号:301、配列番号:304をコードする配列番号:303、配列番号:306をコードする配列番号:305、配列番号:308をコードする配列番号:307、配列番号:310をコードする配列番号:309、配列番号:312をコードする配列番号:311、配列番号:314をコードする配列番号:313、配列番号:316をコードする配列番号:315、配列番号:318をコードする配列番号:317、配列番号:320をコードする配列番号:319、配列番号:322をコードする配列番号:321、配列番号:324をコードする配列番号:323、配列番号:326をコードする配列番号:325、配列番号:328をコードする配列番号:327、配列番号:330をコードする配列番号:329、配列番号:332をコードする配列番号:331、配列番号:334をコードする配列番号:333、配列番号:336をコードする配列番号:335、配列番号:338をコードする配列番号:337、配列番号:340をコードする配列番号:339、配列番号:342をコードする配列番号:341、配列番号:344をコードする配列番号:343、配列番号:346をコードする配列番号:345、配列番号:348をコードする配列番号:347、配列番号:350をコードする配列番号:349、又は配列番号:352をコードする配列番号:351。
【0172】
また、本発明は組換えベクター(特に、プラスミド、コスミド、ファージ又はウイルスDNA)に関し、これらは前記で定義したヌクレオチド配列、すなわち、前記で定義したネトリン1、ネトリン3、又はネトリンGの断片の1つをコードするヌクレオチド配列を含み、前記の組換えベクターは、特に、前記ベクター中に挿入された核酸によりコードされるポリペプチドを宿主細胞で発現させるのに必要な要素を含むことを特徴とする。
【0173】
また、本発明は、特に細菌、ウイルス、酵母、真菌、植物又は哺乳動物細胞から選択された宿主細胞に関し、前記宿主細胞は、特に、前記で定義した組換えベクターを用いて形質転換される。
【0174】
また、本発明は、前記で定義したタンパク質、すなわち、前記で定義した、特に、ネトリン1、ネトリン3、又はネトリンGの断片、に対して特異的であることを特徴とする抗体に関する。
【0175】
また、本発明は、有効成分として、
− 前記で定義したネトリン1、ネトリン3、又はネトリンGの断片の1つ、又は
− 前記で定義したネトリン1、ネトリン3、又はネトリンGの前記断片の1つをコードするヌクレオチド配列、又は
− 前記のネトリン1、ネトリン3、又はネトリンGの断片の1つに特異的に向けられていることを特徴とする前記で定義した抗体、又は
− 前記で定義したネトリン1、ネトリン3、又はネトリンGの抗イディオタイプ抗体、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
を含む医薬組成物に関する。
【0176】
本発明は、
− 次の配列を含むか又はそれにより構成されることを特徴とするタンパク質:
− 配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列、又は
− 又は、特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸の置換、欠失又は追加により、前記配列の1つに由来する、但しその由来配列が抗血管新生活性を示すことを条件とした、任意の配列、又は
− 又は、好ましくは、配列番号:502のアミノ酸284位及び487位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を持つ、但し前記配列が抗血管新生活性を有することを条件とした、また、前記タンパク質が配列番号:502又は配列番号:504の配列と異なることを条件とした、前記配列の1つと相同な任意の配列、
− 又は、前記タンパク質の1つをコードするヌクレオチド配列、
− 又は、前記で定義したタンパク質に対して特異的に向けられていることを特徴とする抗体、
− 又は、前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、
− 又は、前で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の使用に関し、それらは内皮細胞の増殖を阻害することを必要とする病変の阻止又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であり、その病変には、特に、癌及び白血病、脈絡膜新生血管性複雑近視、特に移植拒絶における角膜新血管形成、緑内障、糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームにおける病変、のフレームにおけるものが含まれる。
【0177】
本発明はネトリンの新規使用に関する。
【0178】
特に、本発明は、
− 次の配列を含むか又はそれにより構成されることを特徴とするタンパク質:
* 配列番号:506の配列又は配列番号:508の配列に示されるネトリンG1、又は配列番号:510の配列に示されるネトリン3、又は配列番号:498の配列又は配列番号:500の配列に示されるネトリン4、
* これらタンパク質の1つ又は配列番号:502又は配列番号:504の配列で示される、但しその断片が周皮細胞の活性化活性を示すことを条件とした、ネトリン1の断片で、特に、前記断片が約40から約400までのアミノ酸を含み、そして、特に、配列番号:2m(mは1から176まで変化する)の1つ、又は配列番号:372の配列で示されること、又は
* 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸の置換、欠失又は追加により、前記配列の1つに由来する、但しその由来する配列が周皮細胞の活性化活性を示すことを条件とした、配列番号:506、配列番号:508、配列番号:510、配列番号:498、配列番号:500の配列に由来する又は前記で定義した断片の、任意の配列、又は
* 好ましくは、配列番号:506のアミノ酸296位及び438位の間を含む領域と少なくとも約50%の同一性を持つ、配列番号:506、配列番号:508、配列番号:510、配列番号:498、配列番号:500、の配列と、又は前記断片の1つと相同な、但しその相同配列が周皮細胞の活性化活性を示すことを条件とした、任意の配列、
− 又は、次のものをコードするヌクレオチド配列を含むか又はそれにより構成されていることを特徴とするヌクレオチド配列:
* 前記で定義したタンパク質、
* 又は前記で定義したタンパク質の1つの断片、
* 又は前記で定義したタンパク質の1つに由来する配列、
* 又は前記で定義したタンパク質の1つに相同な配列のいずれかで、
前記ヌクレオチド配列が、特に、配列番号:506をコードする配列番号:505のヌクレオチド配列、配列番号:508をコードする配列番号:507のヌクレオチド配列、配列番号:510をコードする配列番号:509のヌクレオチド配列、配列番号:498をコードする配列番号:497のヌクレオチド配列、配列番号:500をコードする配列番号:499のヌクレオチド配列、又は配列番号:2mをコードする配列番号:2m−1の配列(mは1から176まで変化する)又は配列番号:372をコードする配列番号:371の配列、に相当する、
− 又は、前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、
− 又は、前記で定義したタンパク質の1つの抗体、
− 又は、前記で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の使用であって、これらは周皮細胞又は平滑筋細胞の消耗と関連した又はそれにより引き起こされる、非癌性の病変の予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用である。
【0179】
また、本発明は約0.1から約20mg/kgの割合で投与可能な薬剤の製造のための配列番号:498又は配列番号:500の配列に示される上記で定義したネトリン4タンパク質の使用に関するもので、特に、その投与としては静脈ルート、皮下ルート、全身ルート、硝子体内注射、浸透又は洗眼液による局所ルート、場合により電気透過法との組み合わせが挙げられる。
【0180】
また、本発明は、アテローム・プラーク形成の阻害活性を前記増殖又は遊走テストにより測定することを特徴とし、また、この阻害活性が、前記のタンパク質、又はヌクレオチド配列、又は抗イディオタイプ抗体の非存在下で得られた値の20%から100%の阻害百分率に相当することを特徴とする、前記で定義した使用に関する。
【0181】
抗アテローム活性はArnal et al. (2003)に記載のテストにより測定される。
【0182】
好適な実施態様によれば、本発明は、前記で定義したネトリン、特に配列番号:522又は配列番号:524の配列及び配列番号:498又は配列番号:500の配列に示される、変異又は非変異のネトリン4タンパク質の抗イディオタイプ抗体であって、周皮細胞又は平滑筋細胞の表面のUNC5H4レセプターを認識する抗イディオタイプ抗体の使用に関するものであり、
− 加齢性黄斑変性症、脈絡膜新生血管性複雑近視、
− 糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、
− 血管新生緑内障(角膜の、網膜のなど)、
− 特に、移植拒絶における、角膜血管新生、
− リューマチ性多発性関節炎、
− 乾癬、特に、乾癬性多発性関節炎、
− 血管腫、
− アテローム性動脈硬化症、
− 肥満症、
− 腸奇形、
− クローン病、
− カダシルを例とする、血管性、皮質下血管性認知症、
− アルツハイマー病、
− 変性骨病変及び骨折、及び
− 動脈瘤及び血管解離、
の病変の予防又は治療を意図した薬剤の製造のため使用に関する。
【0183】
また、本発明は、周皮細胞又は平滑筋細胞の増殖又は遊走を活性化する化合物のスクリーニング方法を実施するための、周皮細胞又は平滑筋細胞の表面のUNC5H4レセプター、又はこれらレセプターを細胞表面に有する周皮細胞又は平滑筋細胞の使用に関する。
【0184】
本発明は、以下の段階、
− ネトリン4のUNC5H4レセプターへの結合の阻害、又はネトリン又は他の任意のネトリン型因子の平滑筋細胞又周皮細胞に対する分裂、走化性、抗アポトーシス活性、又は分化の阻害の測定及び
− UNC5H4レセプターの中和抗体を添加することによる、ネトリン又は他の任意のネトリン型因子による平滑筋細胞又は周皮細胞の分裂、走化性、抗アポトーシス活性、又は分化の阻害の喪失の測定、
を含むことを特徴とする、周皮細胞又は平滑筋細胞の増殖又は遊走を活性化する化合物のスクリーニング方法に関する。
【0185】
このスクリーニング方法のフレームにおいて使用されるテストは、前記の増殖又は遊走テストである。
【0186】
本発明は、以下の段階、
− 前記修飾用化合物とUNC5H4レセプター及びネトリン4を一緒に合わせること、及び
− UNC5H4レセプターとネトリン4の間の結合を修飾する前記化合物の特性の指標である、前記化合物非存在下での正常レベルに比較した前記化合物存在下のレベルの差異について、UNC5H4レセプターとネトリン4の間の特異的結合を測定すること、
を含むことを特徴とする、UNC5H4レセプターと、配列番号:522又は配列番号:524の配列、又は配列番号:498又は配列番号:500の配列に示される変異又は非変異のネトリン4との結合を修飾する化合物のスクリーニング方法に関する。
【0187】
スクリーニングテストは次に様に実施される:
【0188】
ヒトIgGのFcドメインに対するヒツジ免疫グロブリンは、マイクロタイタープレートにインキュベートする(pH9.6の50mMの炭酸緩衝液中に0.1−20μg/ml)。同一緩衝液に血清アルブミンを5mg/mlに希釈した溶液で非特異的部位を飽和した後に、UNC5H4レセプターの細胞外ドメインをヒトIgGのFc配列を融合させたものを含むタンパク質をマイクロタイタープレートに固定化する(1及び1000ng/mlの間の濃度でインキュベート)。0.05%のTween20および10−500pg及び任意の好都合な方法で標識したネトリン1、3、4又はG(放射性ヨード、ビオチン、蛍光色素)を含むPBS緩衝液に、化合物の希釈系列を添加した。洗浄した後に、ペルオキシダーゼを結合した適切な濃度の抗ネトリン抗体を加えるか、放射能を測定するか、又はペルオキシダーゼを結合したアビジンを加えるか、又は蛍光を測定することで、レセプターに結合したネトリンの量は示される。次いで、ペルオキシダーゼは発色反応で示される。全ての場合で、テストすべき化合物の量は、結合ネトリンの量を阻害する能力で測定された。
【表6】
【図面の簡単な説明】
【0189】
[実験部分]
【図1】図1はHUAEC細胞の遊走試験に相当する。細胞は8視野で数え、平均と標準偏差をy軸に示す。x軸は50ng/mlのVEGF(血管内皮成長因子)存在下(V50)又は非存在下におけるネトリン4タンパク質のng/mlで表示した濃度に相当する。
【図2】図2は大動脈平滑筋細胞の遊走テストに相当する。細胞は8視野で数え、平均と標準偏差をy軸に示す。x軸はネトリン1及びネトリン4タンパク質のng/mlで表示した濃度に相当する。白いカラムは0ng/mlの濃度に相当する;縦線のカラムは6ng/mlの濃度に相当する;横線のカラムは18ng/mlの濃度に相当する;斜線のカラムは55ng/mlの濃度に相当する;灰色のカラムは160ng/mlの濃度に相当しそして黒いカラムは500ng/mlの濃度に相当する。
【図3】図3はHUAEC細胞増殖テストに相当する。x軸は図に示すように、2ng/mlのVEGF又はFGF2の存在下でのネトリン4タンパク質に(500ng/ml)濃度に、そしてy軸は増殖百分率に相当する。黒いカラムはコントロールに相当する;白いカラムは500ng/mlのネトリン4存在下における増殖百分率に相当し、そして灰色のカラムは500ng/mlのネトリン4及び5μg/mlのネオゲニン・レセプターに対するIgG存在下における増殖百分率に相当する。
【図4】図4はネトリン4(NET−4)、ネトリン1(NET−1)及びネトリンG1(NET−G1)のVSMの増殖に対する効果の分析に相当する。ダイアモンドで示される曲線はネトリン4に相当する。四角で示される曲線はネトリンG1に相当する。三角で示される曲線はネトリン1に相当する。
【図5】図5はVSM増殖に対する抗ネオゲニン抗体の効果を示す。y軸は595nmにおける吸光度を示す。白いカラムは抗ネオゲニン抗体非存在下における増殖に、そして黒いカラムは5μg/mlの抗ネオゲニン抗体の存在下における増殖に相当する。
【図6】図6はHUAEC細胞アポトーシステストに相当する。x軸は、図に示すように、50ng/mlのVEGF又はFGF2の存在下でのネトリン4タンパク質(500ng/ml)濃度に、そしてy軸はアポトーシス百分率に相当する。白いカラムはネトリン4非存在下におけるコントロールに相当する;灰色のカラムは500ng/mlのネトリン4存在下におけるアポトーシスの百分率に相当する。
【図7A】図7Aは大動脈平滑筋細胞の増殖テストに相当する。x軸はng/mlで表示したネトリン4タンパク質又は変異ネトリン4タンパク質の濃度に、そしてy軸は増殖百分率に相当する。四角で示される左の曲線は変異ネトリン4に相当する。ダイアモンドで示される右の曲線はネトリン4に相当する。
【図7B】図7Bは大動脈平滑筋細胞の遊走テストに相当する。細胞は8視野で数え、平均と標準偏差をy軸に示す。x軸はng/mlで表示したネトリン4タンパク質及び変異ネトリン4タンパク質の濃度に相当する。四角で示す曲線は変異ネトリン4に相当する。ダイアモンドで示す曲線はネトリン4に相当する。
【図8】図8は、変異(クローン1及びクローン5)又は非変異(クローン8、10、及び15)ネトリン4を導入したPC3細胞の上清の効果を調べるための、HUAEC細胞増殖テストに相当する。y軸は増殖百分率に相当する。カラム1はコントロールに(DMEMのみ)に相当する;カラム2は非導入PC3細胞に相当する;カラム3はクローン1に相当する;カラム4はクローン5に相当する;カラム5はクローン8に相当する;カラム6はクローン10に相当する;カラム7はクローン15に相当する。
【図9】図9は腫瘍進行の分析に相当する。x軸は日で表した時間に相当し、d=0は腫瘍の移植が実施された日を示す。Y軸は腫瘍の体積(mm3で)に相当する。ダイアモンドを含む曲線は非導入のPC3細胞に相当する。四角を含む曲線はクローン1を導入したPC3細胞に相当する。三角を含む曲線はクローン5を導入したPC3細胞に相当する。
【図10】図10はアバスチン存在下における腫瘍の進行の分析に相当する。y軸は処置前に測定された腫瘍体積に対する処置後の腫瘍体積の比率に相当する。カラム1は非導入PC3細胞に相当する;カラム2はクローン8のPC3に相当する;カラム3はクローン10のPC3に相当する;カラム4はクローン15のPC3に相当する。
【図11】図11A及び11Bはマウス脈絡膜血管形成に対するネトリン4効果の分析に相当する。図11Aでは、1μlのPBSを注射された。図11Bでは、1μgのネトリン4を含む1μlのPBSを注射された。内皮細胞は免疫標識により示し、それらは図11Aおよび11Bに白く見える。
【図12】図12A、12B、12Cは、中心の灰色のレーザー衝撃周辺に脈絡膜を可視化させている環流蛍光デキストランに相当する。ラットは二回又は三回のレーザー衝撃をD(日)=0に受けて、次いでD=7、D=10に、網膜下に、賦形剤(PBS)のみ(12A)を、又はネトリン1(12B)又は2μgのネトリン4(12C)又は100pgの変異ネトリン4(12D)を含む賦形剤を注射された。D=14にラットは犠牲にし、そして、蛍光レクチンを還流させたが、それにより図に示すように、脈絡膜新生血管が白く、そしてその周りのレーザー衝撃が灰色に可視化することが可能になる。
【図13】図13はネトリン4の欠失変異体の存在下における大動脈平滑筋細胞の遊走テストに相当する。細胞は8視野で数え、平均と標準偏差をy軸に示す。x軸はng/mlで表したネトリン4の濃度に相当する。十字の曲線は非変異ネトリン4に相当する。ダイアモンドの曲線は変異ネトリン4の完全配列を導入した細胞のコンディション培地に相当する。四角の曲線は配列番号:528の配列を導入した細胞のコンディション培地に相当する。
【0190】
[実験部分]
《材料:》
ネトリン1(配列番号:502)、ネトリン4(配列番号:498)、ネトリンG1(配列番号:506)、ネトリン3(配列番号:510)及び変異ネトリン4(配列番号:522)分子は組換えタンパク質である。ネトリン1、ネトリン4及びネトリンG1分子はR&Dより市販されている。
165アミノ酸のVEGFイソフォームは相当するcDNA(Plouet et al., 1997)を含む組換えバキュロウイルスによりSF9昆虫細胞を感染させることで調製される。
ヒト臍帯動脈内皮細胞(HUAEC)は、基底膜を消化するためのコラゲナーゼ(シグマ)を用いて臍帯動脈を還流し、単離した。HUAEC細胞は、15%の熱不活性化ウシ胎児血清(FCS)、100μg/mlのペニシリン及び100μg/mlのストレプトマイシンを添加されたEBM培地(クロネティクス)を用いて、37℃で10%CO2にて維持した。基幹となる培養は2ng/mlのVEGFの添加を二日ごとに受けた。
大動脈平滑筋細胞は15%の熱不活性化ウシ胎児血清(FCS)、100μg/mlのペニシリン及び100μg/mlのストレプトマイシンを添加されたDMEM培地を用いて、37℃で10%CO2にて維持した。基幹となる培養は2ng/mlのVEGFの添加を二日ごとに受けた。
【0191】
[変異ネトリン4の同定]
《変異ネトリン4のクローニング》
ヒト臍帯動脈内皮細胞(HUAEC)の全細胞RNAはトリピュア(ロシュ)を用いて抽出した。次いで、ロシュのRT−PCR(AMV)キットを用い、メーカーの使用説明書に従い、RNAを転写した。
プライマー(5’)−TT CTA GAC ATG GGG AGC TGC GCG CGG−(3‘)(センス)及び(5’)−C ATT AAC GTC GAA CTG ACA GGT ATC−(3’)(アンチセンス)は配列ネトリン4の1−1039の配列の増幅に供され、一方、プライマー(5’)−AG CAC TGT GCC CCG TTA TAC AAT GA−(3‘)(センス)及び(5’)−CGG GAT CCA CTT GCA CTC TCT TTT TAA AAT ATC C(3’)(アンチセンス)はネトリン4の914−1884の配列の増幅に用いられた。
増幅に採用された条件は:94℃で1分間の変性;55℃で1分間のハイブリダイゼーション;及び72℃で1分間の伸長、の35サイクルである。
得られた産物は混合し、プライマー(5’)−TT CTA GAC ATG GGG AGC TGC GCG CGG(3‘)(センス)及び(5’)−CGG GAT CCA CTT GCA CTC TCT TTT TAA AAT ATC C−(3’)(アンチセンス)を用い、サイクル数が35の代わりに25であること以外は前記と同一条件の、新たなPCRを実施するために使用した。ネトリン4の全配列を含むこのPCR産物を中間ベクターであるpCR2.1(インビトロジェン)にクローニングした。XbaI及びBamHIで消化後に、ネトリン4の配列はこのベクターから抽出し、同じ制限酵素で消化したベクターpcDNA3.1(−)/HismycCに挿入した。この最後の変異ネトリン4の全配列を含むベクターは、細胞に導入するために使用した。同一の操作により野生型ネトリン4の配列を用いて、野生型ネトリン4発現ベクターを得た。
変異ネトリン4は、前記に既に記載されたプロトコル(Plouet, 1997)に従い、野生型ネトリン4配列を含むベクターをCHOpgsA745細胞に導入することにより調製された。タンパク質はヘパリン−セファロース親和性クロマトグラフィーにより精製され、不連続なNaCl勾配(0、3;1.0及び2.0MのNaCl。NET4mは2MNaClにより溶出され、その純度は>90%であった)で溶出された。
変異ネトリン4(NET4m)の生物学的活性は、平滑筋細胞増殖テストにより、野生型ネトリン4(NET4)と比較した。図7Aは、NET4mがNET4の1000分の1の濃度で分裂活性の引き金を引くことを示している。同様に、遊走テストでは、NET−4mはNET−4より1000倍の活性を有していることが示されている(図7B参照)。
【0192】
《変異ネトリン4の欠失変異体の構築》
変異ネトリン4(628AA)の完全な配列を含むベクターpcDNA3.1(−)/HismycCを制限酵素BamH1で消化し、ポリメラーゼ1のクレノーフラグメントで処理し、次いで制限酵素PshA1で消化した。この線状化した、中心ドメイン(478−628)を欠失する変異ネトリン4の配列を含むベクターpcDNA3.1(−)/HismycC断片は、次いで、アガロース・ゲル・マイグレーションにより単離し、キアジェン(Qiagen)カラムで精製した。従って、ライゲーション後に、中心ドメインを欠失する変異ネトリン4の配列(1−477)を含むベクターpcDNA3.1(−)/HismycC配列が得られた。完全な変異ネトリン4の配列(628アミノ酸)を含むベクターpcDNA3.1(−)/HismycC配列は制限酵素Xcm1で消化した。この酵素は、ネトリン4の内部配列を二つの部分(288アミノ酸/488アミノ酸)で切断するので、タンパク質から中心ドメイン(EGF単位を有するVドメイン)を欠失させることが可能になる。その断片を精製しライゲーションすることで、中心ドメイン(288/488)を欠失した変異ネトリン4配列を含む発現ベクターpcDNA3.1(−)/HismycCをその結果として得ることができる。しかし、二つのXcm1部位をライゲーションするとストップ・コドンが出現するので、このベクターは312アミノ酸よりなる、ラミニンドメイン(1−288)及び24アミノ酸のタンパク質配列を含む、短縮した変異ネトリン4タンパク質をコードすることになる。
【0193】
《ヒト臍帯動脈管内皮細胞(HUAEC)の遊走テスト》
ヒト臍帯動脈管内皮細胞(HUAEC)は4cm2のウェルに高密度で播種される(50,000細胞/ウェル)。単層細胞が密集したら、2%のFCSを含むM199(ライフサイエンス)の存在下で一夜インキュベートすることで増殖を停止させる。次いで、単層細胞に泡掻器(foam scraper)を用いて傷をつけ、任意の細胞が自由に動ける範囲を定める。次いで、単層細胞を、非付着細胞を除くためにM199で3回洗浄する。次いで、任意の細胞が遊走する前の範囲を確定するために写真を撮る。次いで、ウェルは2%のFCSのみを含むM199若しくは50ng/mlのVEGF存在下、種々の濃度のネトリン4(NET−4)又はネトリン1(NET−1)又はネトリンG1(NET−G1)と一緒にインキュベートする。24時間後に、ウェルを3回洗浄し、メイ・グルンワルド・ギムザで染色し、撮影し、細胞を1つの条件につき8視野で数える。次いで、遊走した細胞を数えることを可能にするために、実験前後に撮影した写真を重ね合わせる。結果は、分野当たりの細胞数として表現される。
ネトリン4に関するこれらのテストの結果を図1に示す。
図1によれば、VEGF非存在下でNET−4を加えてもHUAEC細胞の基礎的な遊走には効果のないことが、特筆される。一方、NET−4はVEGF活性を阻害し、200ng/mlの濃度のNET−4で最大50%の効果が得られる。
【0194】
《平滑筋(VSM)細胞の遊走テスト》
平滑筋細胞(VSM)は4cm2のウェルに高密度で播種される(50,000細胞/ウェル)。単層細胞が密集したら、2%のFCSを含むM199(ライフサイエンス)の存在下で一夜インキュベートすることで増殖を停止させる。次いで、単層細胞に泡掻器を用いて傷をつけ、任意の細胞が自由に動ける範囲を定める。次いで、単層細胞を、非付着細胞を除くためにM199で3回洗浄する。次いで、任意の細胞が遊走する前の範囲を確定するために写真を撮る。次いで、ウェルはFCSを含まないDMEM培地で、種々の濃度のネトリン4(NET−4)又はネトリン1(NET−1)と一緒にインキュベートする。24時間後に、ウェルを3回洗浄し、メイ・グルンワルド・ギムザで染色し、撮影する。次いで、遊走した細胞を数えるのを可能にするために、実験前後に撮影した写真を重ね合わせる。
これらのテストの結果を図2に示す。
図2によれば、ネトリン1及びネトリン4はVSMのよる遊走に対してポジティブな効果を及ぼすことが特筆される。事実、ネトリン1及びネトリン4は平滑筋細胞の遊走を促進し、20ng/mlの濃度のNET−4で最大50%の効果が得られる。
【0195】
《ヒト臍帯動脈管内皮細胞(HUAEC)の増殖テスト》
96ウェル培養用プレートに10%のFCSを添加したEBM存在下でウェル当たり2,000のHUAEC細胞を播種した。細胞の一部は2ng/mlのVEGF165及び異なる濃度のネトリン1又はネトリン4により刺激し、他の細胞は刺激しなかった。5mg/mlの抗ネオゲニン抗体は特定のウェルに加えた。5日後に、ウェルはDMEMで丁寧に洗浄し、細胞は1%のグルタルデヒドにより20分間室温で固定した。固定した細胞はクリスタル・バイオレット(シグマ)の取り込みで定量した(Kueng et al., 1989):細胞は0.1%のクリスタル・バイオレット(シグマ)と20分間室温でインキュベートし、取り込まれない色素は大量の水による洗浄で完全に除き、次いで、取り込まれた結晶化したバイオレットの色素はウェル当たり100μlの10%酢酸で可溶化された。595nmで吸光度の読み取りを行った。同様の結果が3回の別個の実験(図1参照)で得られた。示された値は6ウェルの平均吸光度±SDである。
ネトリン1又はネトリン4タンパク質のみでは基礎的な増殖(血清のみによる)には有意の効果をもたらさない。一方、図3に示すように、ネトリン4タンパク質は、VEGFにより誘導される増殖を用量依存的に阻害する。50%の最大効果は200ng/mlの濃度で得られる。抗ネオゲニン抗体の添加によりネトリン1又はネトリン4により誘導される増殖の阻害活性は元に戻される。
【0196】
《平滑筋(VSM)細胞の増殖テスト》
96ウェル培養用プレートに10%のFCSを添加したDMEM培地存在下でウェル当たり2,000のVSM細胞を播種した。6時間後に細胞は2%のFCSを含むDMEM培地に移し、次いで、異なる濃度のネトリン1、ネトリンG1又はネトリン4により細胞の一部を刺激したが、他の細胞は刺激しなかった。5日後に、ウェルはDMEMで丁寧に洗浄し、細胞は1%のグルタルデヒドにより20分間室温で固定し、クリスタル・バイオレットで染色し、酢酸で可溶化した。595nmでの吸光度の読み取りを行った。同様の結果が3回の別個の実験で得られた。示された値は6ウェルの平均吸光度±SDである。
図4は、ネトリンG1及びネトリン4のタンパク質は、単独で使用されると、用量依存的な増殖に対する有意な効果を有することを示す。50%の最大効果は20ng/mlの濃度で得られる。一方、ネトリン1は増殖に対して有意な効果はもたらさない。
96ウェル培養用プレートに10%のFCSを添加したDMEM培地存在下でウェル当たり2,000のVSM細胞を播種した。6時間後に細胞は2%のFCSを含むDMEM培地に移し、次いで、異なる濃度のネトリン1又はネトリン4により細胞の一部を刺激し、他の細胞は刺激しない。5日後に、ウェルはDMEMで丁寧に洗浄し、細胞は1%のグルタルデヒドにより20分間室温で固定した。固定した細胞はクリスタル・バイオレットの取り込みで定量した(Kueng et al., 1989):細胞は0.1%のクリスタル・バイオレット(シグマ)と20分間室温でインキュベートし、取り込まれない色素は大量の水による洗浄で完全に除き、次いで取り込まれ結晶化したバイオレットの色素は次いでウェル当たり100μlの10%酢酸で可溶化された。595nmでの吸光度の読み取りを行った。同様の結果が3回の別個の実験(図4参照)で得られた。示された値は6ウェルの平均吸光度±SDである。
図5は抗ネオゲニン抗体の添加はネトリン4により誘導された増殖の促進活性を元に戻さないことを示している。
【0197】
《細胞付着テスト》
96ウェル・エライザ・プレート(ヌンク)はHutchings et al. (2003)による文献に記載されたプロトコルに従い、VEGF165タンパク質で覆い、pH9.6の0.05M炭酸緩衝液で一夜4℃で希釈した。非特異的結合部位は炭酸緩衝液中の5mg/mlのBSA(ウシ血清アルブミン)で1時間37℃でブロックし、そして実験の前にDMEMで二度洗浄した。細胞はトリプシン処理し、洗浄後、非処理プラスチックチューブ中の10%のFCSを含む5mlのDMEMに再度浮遊させ、10%のCO2の下、1時間、37℃でインキュベートした。次いで、細胞は遠心して濃縮し、再び血清を含まないDMEM+0.2%BSA混合液に再度浮遊させ、付着性を修飾するために細胞浮遊液は20分間(37℃、10%CO2)使用するネトリン4タンパク質で処理した。ウェル当たり100μlのDMEM+0.2%のBSA中の40,000の細胞をウェルに配った。細胞を付着させるために、37℃で10%CO2下で必要な時間だけ放置した。非付着細胞を除くために、ウェルは丁寧に三回DMEMで洗浄し、次いで細胞は1%のグルタルデヒドにより20分間室温で固定した。固定した細胞はクリスタル・バイオレットの取り込みで定量した(Kueng et al., 1989):細胞はpH9.5の0.20Mホウ酸緩衝液で希釈した0.1%のクリスタル・バイオレット(シグマ)と20分間室温でインキュベートし、取り込まれない色素は大量の水による洗浄で完全に除き、次いで取り込まれた結晶化したバイオレットの色素は次いでウェル当たり100μlの10%酢酸で可溶化した。
【0198】
《アポトーシステスト》
50,000のHUAEC細胞は、予め10%のFCS及び2ng/mlのVEGFを含むEBM培地中でゼラチン化した培養ウェルに入れる。2日後に、細胞はFGF2又はVEGFの存在下または非存在下の、2%のFCS及び200ng/mlのネトリン4を含むEBM培地で一夜、インキュベートする。細胞は24時間後に洗浄し、ヨー化プロピジウムとインキュベートし、固定し、そして蛍光顕微鏡で調べる。断片化した核を有する細胞は蛍光下で数え、全細胞数は直接光のもとで数えた。この操作は少なくとも8個の、最小300個の細胞を有する視野で実施される。次いで、断片化された核を有する細胞の百分率が計算される。
ネトリン4のみを使用したのでは有意な効果は無い。一方ネトリン4タンパク質はVEGF又はFGF−2による抗アポトーシス効果は完全に阻害する(図6参照)。
【0199】
《抗イディオタイプ抗体の調製》
第一相では、ネトリン1、3、G1又は4、若しくはその前記断片の1つ(配列番号:2から352)の中和抗体を、動物、特にマウス、にフロインド完全アジュバント(ネトリン又はネトリン断片の体積当たり1体積)と混合した前記ネトリン又は前記断片を注射することで調製する。体重kg当たり10と500μgの間のネトリン又はネトリン断片の量を、動物の免疫のために選択する。完全アジュバントを不完全アジュバントに置き換える点を除き、同様の操作が15日及び30日の間隔を置いて実施される。40日目に採血を行い、血清を調製し、そして免疫グロブリンを任意の通常の分画法、特に硫酸アンモニアによる沈殿、タンパク質A又はGのアフィニティー・クロマトグラフィーにより精製する。免疫グロブリンの中和活性は任意の記載された方法で測定する(例えば、ネトリン4又はその断片の1つの場合には、そのレセプターの任意の1つへの標識ネトリン4の結合、増殖、遊走、細胞付着)。従って、免疫グロブリンの1つのバッチは、それがネトリン1、3、4又はG1と細胞外ドメインであるdcc、ネオゲニン、UNC5H1、UNC5H2、UNC5H3又はUNC5H4との相互作用を阻害する能力を有しているときに、中和すると記載される。
第二相では、ネトリン1、3、G1又は4、若しくはこれらの断片の1つの抗イディオタイプ抗体は、マウスに皮下ルートで1−100μgの前記に記載した前記ネトリン又は前記断片を中和する活性を有する免疫グロブリンの調製物を100μlのアジュバント、特にフロインド完全アジュバント(シグマ)と、免疫することで、調製する。注射は15、30及び45日後に繰り返される。最初の注射後55日目に、マウスは10μgの同一の抗体を腹腔ルートで注射される。最初の注射後58日目に、マウスを犠牲にして脾臓を摘出し、脾臓細胞を放出させるためにイスコブ培地中で二つに裂く。脾臓細胞はマウスミエローマ細胞、特にAG8X63細胞(Kearney et al., 1979)、と融合させ、そして100,000細胞/ウェルの割合でインキュベートする。融合は、30秒間の間隔で50μlのポリエチレン・グリコール(PEG)を20回添加することで実施される。次いで、予め37℃に温めた4mlのイスコブ培地を細胞浮遊液に滴下し、次いで、37℃での4分間のインキュベーションの後に、4mlが添加される。浮遊液は遠心し、次いで細胞のペレットを20%のウシ胎児血清及びHAT1X(50X:ヒポキサンチン5mM、アミノプテリン20μM及びチミジン0.8mM)を補った100mlのイスコブ培地に入れ、そしてマクロファージ上にウェル当たり100μlの割合で播種する。5日後に、100μlのHAT培地を加え、8と14日の間にそれぞれのハイブリドーマのコンディション培地を、免疫グロブリン、すなわち、抗ネトリン1、3、G1又は4抗体に対する抗体剤としての抗体のELISA測定のために、サンプルとして採取する。次いで、抗イディオタイプ抗体活性はELISAテストで測定される:
従来の任意の技術、特に、パパイン消化、により調製された抗ネトリン1、3、G1又は4の免疫グロブリンのFab断片は、微量滴定プレートに固定化する(pH9.6の50mM炭酸緩衝液中、0.1−20μg/ml)。非特異的部位を同一の緩衝液で5mg/mlに希釈した血清アルブミンにより飽和した後に、ハイブリドーマの培養上清を0.05%のTween20を含むPBS(リン酸緩衝液)緩衝液で、半々に添加・希釈する。洗浄した後に、抗イディオタイプ抗体は適当濃度のペルオキシダーゼを結合したマウス抗Fc抗体の添加により顕在化される。次いで、固定化された抗イディオタイプ抗体の量はペルオキシダーゼを発現させることで測定するが、これは発色反応の強度に比例する。
抗ネトリン1、3、G1又は4抗体に向けられた抗体を分泌する能力で選択されたハイブリドーマは、次いで、クローン化し、すなわち、細胞を限界希釈の条件下、ウェル当たり0.1mlの体積で(5細胞/ml)で播種する。培地は10日後に交換する。15日後には、特定のウェルは、最初に播種された細胞から増殖した細胞の集団を含み、従ってこれらの全ての細胞は同一であり、同一のクローンに由来する。細胞に占められる表面が少なくともウェルの全表面の半分になるときに、培地のサンプルを採取し分析する。
次いで、二番目のELISAを実施する:ヒトIgGのFcドメインに向けられたヤギ免疫グロブリンを微量滴定プレートでインキュベートする(pH9.6の50mM炭酸緩衝液中、0.1−20μg/ml)。非特異的部位を同一の緩衝液で5mg/mlに希釈した血清アルブミンにより飽和した後に、ネトリンレセプターの細胞外ドメインとヒトIgGのFc配列の融合を含むタンパク質を微量滴定プレートに固定する(1と100μg/mlの間の濃度でインキュベートする)。ハイブリドーマの培養上清を0.05%のTween20を含むPBS(リン酸緩衝液)緩衝液に、半々に添加・希釈する。洗浄した後に、抗イディオタイプ抗体はペルオキシダーゼを結合した適当濃度のマウス抗Fc抗体の添加により顕在化させる。固定化された抗イディオタイプ抗体の量はペルオキシダーゼを発現させることで測定し、それは発色反応の強度に比例する。
一旦クローンが同定されたら、そのモノクローナル抗体としての性質は、前記の限界希釈により得た同一のクローンに由来する細胞の96ウェルへの播種を含む、標準の操作で確認される。従って、その分泌クローンは、その抗体がモノクローナル宣言とされるための条件である、全てが同一の特異性を有する抗体を分泌するはずである。次いで、三回目のクローニングは、そのクローンが実際にモノクローナルであることを確保するために、正確に同一条件下で実施される。
モノクローナル抗イディオタイプ抗体は一連のテスト、特に、ネトリンの既知の細胞外ドメインのELISAテスト(dcc、ネオゲニン、UNC5−A、UNC5−B、UNC5−C、UNC5−D)、増殖阻害、又はHUAEC細胞の遊走、又はin vivoにおける抗血管新生活性測定テスト、でスクリーニングされる。
従って、抗イディオタイプ抗体はネトリン・ドメインと類似している。目的は、ネトリン・ドメインの「内部イメージ」を作製し、それにより全てのレセプターと結合することなく、1つのネトリンレセプターに結合する抗体の獲得を可能にすることである。一旦特異性が証明されると、この提供された抗体のアゴニスト(作動)機能は、細胞に対する活性を測定することで決定されるが、その作用とはすなわち、HUAEC機能がVSMに対するネトリンの機能を阻害又は促進することなく阻害されること、及び/又はHUAECに影響することなくネトリンのVSM機能を刺激することである。
これらの抗体の一般的な利益は、他の標的に影響することなく標的細胞に対してネトリンに類似した機能を有することである。従って、内皮細胞のアポトーシスを誘導しないか、又は、その遊走、増殖、分化を阻害することなく、周皮細胞の機能を促進することは、以下の特定の病変において有益であろう:
− 加齢性黄斑変性症、
− 周皮細胞の消耗が新血管形成に先行する、初期段階の糖尿病性網膜症、
− 血管新生緑内障(角膜の、網膜のなど)、
− リューマチ性多発性関節炎、
− 乾癬、特に、乾癬性多発性関節炎、
− 血管腫、
− アテローム性動脈硬化症、
− 肥満症、
− 癌。
逆に、前記の病変に関して周皮細胞に影響することなく周皮細胞の増殖を阻害するのも有益であろう。
【0200】
《In vitro血管新生》
大部分がI型コラーゲンで構成されている白束(white bundles)を回収するために、4匹のラットの尾の皮をはいで切り取った。コラーゲンをこれらの線維より50mlの冷0.5M酢酸で抽出し、一夜攪拌する。次いで溶液を5000gで40分間遠心し、上清を回収する。この抽出は20mlの酢酸でもう一度繰り返し、上清を一緒に混ぜて、次いで1リットルの0.2Mの酢酸に対して透析する。コラーゲンの濃度は重量で3mg/mlに調整する。コラーゲン溶液の液状を保持するために、in vitro血管新生のためのゲルの調製は氷上で行う。1mlのコラーゲン(5mg/ml)は0.5mlのDMEM10X(10X濃度の抗生物質及びグルタミンを含む)、0.9mlの滅菌H2O及び0.1mlの1M炭酸水素ナトリウムと混合する。一旦pHを7.4に調整した後に、等体積のマトリゲル(ベクトン・ディッキンソン)を加える。ゲルを培養用ウェル(厚さ2mm)に注ぎ、固形化するために37℃でインキュベートする。15分間後に細胞をゲルの表面に加える(100,000細胞/cm2)。2時間後に、異なる可溶化した因子を加え、24時間後に細胞を観察し、撮影する。
【0201】
《VSM増殖(図7A)及び遊走(図7B)に対するNET−4及びNET−4m活性の比較》
96ウェル培養用プレートに10%のFCSを添加したDMEM培地存在下でウェル当たり2,000のVSM細胞を播種した。6時間後に細胞は2%のFCSを含むDMEM培地に移し、次いで、異なる濃度のネトリン4(NET−4)又は変異ネトリン4(NET−4m)により、細胞の一部は刺激し、他の細胞は刺激しなかった。5日後に、ウェルはDMEMで洗浄し、細胞は1%のグルタルデヒドにより固定し、クリスタル・バイオレットで染色し、酢酸で可溶化した。595nmで吸光度の読み取りを行った。同様の結果が3回の別個の実験(図4参照)で得られた。示された値は6ウェルの平均吸光度±SDである。
【0202】
《VSM増殖テスト(図7A)》
変異ネトリン4はすでに記載したプロトコル(Plouet, 1997)に従い野生型ネトリン4配列を含むベクターをCHOpgsA745細胞に導入することで調製した。タンパク質はヘパリンセファロース・アフィニティー・クロマトグラフィーにより精製し、そして不連続なNaCl勾配(0、3;1.0及び2.0MのNaCl)で溶出した。NET4mは2MNaClにより溶出され、その純度は>90%である。
NET4mの生物学的活性は野生型NET4のそれと、平滑筋細胞の増殖テストにより比較された。図7Aは、最大促進効果の半分が120ng/mlの濃度の非変異ネトリン4(NET−4)及び0.1ng/mlの濃度の変異ネトリン4(NET−4m)で得られることを示す。このことは、変異ネトリン4の増殖促進活性は非変異ネトリン4のそれの1000倍強いことを示す。
【0203】
《VSM遊走テスト(図7B)》
VSMの密集単層細胞は一夜DMEM存在下でインキュベートする。次いで、単層細胞に泡掻器(foam scraper)を用いて傷をつけ、次いでウェルをDMEMで3回洗浄し、次いで種々の濃度ネトリン4(NET−4)又は変異ネトリン4(NET−4m)存在下でインキュベートする。24時間後に、ウェルを3回洗浄し、メイ・グルンワルド・ギムザで染色し、撮影し、細胞を1つの条件につき8視野で数える。結果は、分野当たりの細胞数として表現される。
最大促進効果の半分が12ng/mlの濃度の非変異ネトリン4(NET−4)及び0.004ng/mlの濃度の変異ネトリン4(NET−4m)で得られるように見て取れる。このことは、変異ネトリン4の走化性活性は非変異ネトリン4のそれの3000倍強いことを意味する。
【0204】
《PC3癌細胞での導入》
前立腺癌細胞は添加した抗生物質及び10%のウシ胎児血清を含むDMEM培地で培養する。導入プロトコルは次の通りである:
− D1:直径10cmのディシュ(皿)に低密度(10000細胞/cm2)での細胞の播種
− D2:pcDNA3−NET4又はpcDNA−3−NET−4mによる導入
5μgのプラスミドを5μlのリポフェクチン及び100μlのDMEM(抗生物質無しで)と30分間室温で混ぜ、そして丁寧に攪拌する。次いで、混合物はDMEMで5mlに希釈し、PC3細胞を含むディシュに滴下する。37℃のオーブンで6時間インキュベートした後に、培地を吸引し、10mlの新鮮な培地と置き換える。
− D3:ディシュの洗浄、及び10%のウシ胎児血清及び抗生物質を含むDMEM培地での24時間インキュベーション
− D4:細胞をトリプシン処理、及び500μg/mlのジェネティシン(シグマ)を添加した完全DMEM培地での4個の直径10cmのディシュを用いたインキュベーション
− D17:マイクロピペットを用いたクローン細胞(100−400細胞/クローン)のサンプル採取、及び2cm2ウェルへの移動
− D24:トリプシン処理及び12ウェル・ディシュ(120,000細胞/ウェル)におけるクローン細胞のインキュベーション
− D27:細胞の洗浄及び無血清DMEM培地への移植
− D30:コンディション培地の回収及びそれぞれの培地でのネトリン4の定量分析
ネトリン4(NET−4)又は変異ネトリン4(NET−4m)を導入したクローンは同等の倍加時間(26−30時間)を有していることを証明した後に、増殖テストに関する前記のパラグラフに記載したように、各培地のネトリン4含量を測定した。4μlの慣らし培地を100μlの培養用の培地に加えた。結果は、コントロール(4μlDMEMの培地を含むウェル)に比較した増殖の百分率で表される。
図8より、クローン10及び15は同程度のHUAEC細胞の誘導をもたらし、それはコントロールに比較し300%のオーダーであることが、見て取れる。
一方、NET−4mのクローン1、5並びに、NET−4のクローン8のコンディション培地はHUAEC細胞の増殖を僅か200%促進したのに過ぎず、それはコンディション培地により誘導されたPC3細胞の増殖の50%に過ぎない。
従って、ネトリン4(NET−4)又は変異ネトリン4(NET−4m)はPC3癌細胞の増殖を修飾することなくHUAECの増殖を阻害する。
【0205】
《導入PC3クローンの腫瘍性の分析》
非導入PC3細胞及びNET−4m(クローン1及び5)を導入したPC3細胞をヌードマウスの脇腹に(注射当たり百万個の細胞)注射した。
それぞれの腫瘍の長さ(L)及び幅(w)をキャリパーで測定し、その体積は0.52xLxw2の式で表した。
図9より、クローン1及び5はPC3細胞に比較し小さな腫瘍しか作らないことが見て取れる。減少率は80%より大きい。
従って、変異ネトリン4(NET−4m)はその抗血管新生活性による抗腫瘍活性を示す。
【0206】
《VEGF阻害に対するNET4の相乗効果》
今や、VEGFが血管新生病変における主要な因子であり、その阻害は主要な治療ルートであることは受け入れらている。抗VEGF抗体はアバスチンの名前の下に市販されている。ネトリン4(NET−4)はVEGFとは異なる作用機構で作用することは知られているので、本発明者はネトリン4(NET−4)と、アバスチンの名前の下に市販されている抗VEGF抗体の相乗効果を測定した。
マウスは非導入PC3、又は腫瘍体積の境界領域の低減を示したNET−4クローン8を導入したPC3、又は非導入PC3と同程度の腫瘍体積(データ示さず)を示したNET−4クローン10又は15を導入したPC3の移植を受けた。一旦腫瘍が600mm3を超える腫瘍体積を示したら、マウスはアバスチン(3日毎に50μg)の腹腔内投与を受けたが、これはヒトの病変で推奨されて治療での用量に相当(5mg/kg/週)し、その腫瘍体積は前記に記載したように測定した。
図10から、アバスチンは非導入PC3腫瘍又は腫瘍の進行を阻害するのに十分な活性のNET−4を分泌しないPC3クローン10又は15腫瘍では効果がないことが見て取れる。4日後では、処理開始時点と比較した腫瘍体積の増加は、それぞれ200、150及び200%である。一方、十分な活性のNET−4を分泌するクローン8腫瘍体積は変化しない:従ってネトリン4は腫瘍サイズの上で有意に、抗VEGF治療に対する感受性を回復させることを可能にする。
【0207】
《マウスにおける脈絡血管新生》
12匹の9週令C57BL/6Jマウスは以下のプロトコルに従いレーザーによる網膜光凝固術を受けた。
マウスはソジウム・ペントバルビタール(セントラベット:Centravet)(0.6mg/100μlに希釈した溶液をマウス当たり200μl)の腹腔内注射により麻酔する。無意識になったら、マウスの瞳孔を1%のトロピカミドで開く。直径1mmの丸いガラス板を、眼底を拡大するためにコンタクトレンズとして供する。次いで、レーザー衝撃(50μm、400mW、0.05秒)を、それぞれの網膜に鼻側の視神経より約2乳頭直径で実施する。
7日後に、マウスは、眼にテトラカインを点滴して局所麻酔を、そして5%ベタジンを点滴して感染防御を施す。マイクロキャピラリ−の微量注射器を用いて、1μlのPBS溶液又は異なる濃度のネトリン4の硝子体への注射が実施される。3匹のマウスはPBSを注射され、3匹のマウスはネトリン4(0.1mg/ml)を注射され、2匹のマウスはネトリン4(0.3mg/ml)を注射され、2匹のマウスはネトリン4(1mg/ml)を注射され、2匹のコントロールマウスは注射が実施されない。
10日後に、マウスを犠牲にして、両眼をOCTに置いてくり抜き、次いで網膜をミクロトームで切片とし、抗CD3抗体をかけて内皮細胞を標識することで顕在化すると、それは白く見える。
図11A及び11Bにより、0.1及び0.3μgのネトリン4では効果がないことが見て取れる。一方、1μg/眼の容量では脈絡血管形成とグリアの炎症反応の明らかな減少が認められる。
特に図11Aでは、網膜の内側に点状の血管形成の増加及び白く見える全ての脈絡血管形成の蛍光発光の増加が認められる。
図11Bは、網膜での血管新生の減少、とりわけ血管新生領域の厚みと血管数の減少を示す。
【0208】
《ラットのおける脈絡血管新生》
ラットはソジウム・ペントバルビタール(セントラベット:Centravet)(0.6mg/100μlに希釈した溶液をラット当たり200μl)の腹腔内注射により麻酔する。無意識になったら、ラットの瞳孔を1%のトロピカミドで開く。直径12mmの丸いガラス板を、眼底を拡大するためにコンタクトレンズとして供する。次いで、レーザー衝撃(50μm、400mW、0.05秒)それぞれの網膜に鼻側の視神経より約2乳頭直径で実施する。
7及び10日後に、ラットは(群当たり4匹、又は1つの条件につき6−8個の眼球が分析され、従って1つの条件につき12−18の衝撃となる)次のものを含む網膜下注射(5μlの体積で)を受けた:
− PBS
− NET−4(2μg)
− NET−1(2μg)
− 精製したNET−4m(100pg)
14日後にラットは麻酔され、蛍光デキストラン(白色)の還流を受け、これにより還流中の血管を可視化することが可能になる。次いで、網膜は平らにして撮影した。
賦形剤のみで処理した眼球では、灰色にマークされる中心領域は内皮細胞の増殖に相当する衝撃のレベル及び白くマークされる血管の頂上で確認される。デキストラン蛍光で可視化されるこれらの血管では、これらが機能的であることが確認することができる。2μg/ラットのNET−4及びNET−1の注射では、効果は境界領域である。一方、100pgのNET−4mでは還流が、従って脈絡血管新生も、ほとんど完全に阻害される。
定量は、μ2当たりの画素を測定することで実施され、還流は50%減少された。
図12Aから12Dまでの結果は、ネトリン1及びネトリン4はコントロールに比較して境界領域の血管新生の減少をもたらすが。一方、2000倍も低用量の変異ネトリン4は有意な大きな減少をもたらす:pは0.02より小さい。
【0209】
《NET−4m(MC4)及び配列番号:528の配列断片のVSM遊走(MC5)に対する効果》
CHOpgsA−745細胞は変異ネトリン4(MC4)の完全配列を含む、又は配列番号:528(MC5)の配列を含むPCDNA−3発現ベクターを導入された。16時間後に、細胞をDMEM培地と共にインキュベートし、そしてコンディション培地を48時間後に回収した。VSM細胞の走化性活性は前記の記載のように測定する(図13参照)。
図13によれば、MC4及びMC5は同一の特異的活性を有する(2μg/mlの参考ネトリン4と同等の)。従って、C末端に位置する340アミノ酸の欠失は変異ネトリン4の活性に影響しない。
《参照文献》
- Celerier J, Cruz A, Lamande N, Gasc JM, Corvol P (2002) Angiotensinogen and its cleaved derivatives inhibit angiogenesis. Hypertension. 39(2):224-8,
- Cooper HM, Gad JM, Keeling SL (1999) The Deleted in Colorectal Cancer netrin guidance system: a molecular strategy for neuronal navigation. Clin Exp Pharmacol Physiol. 26(9):749-51;
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- Hutchings H, Ortega N, Plouet J (2003) Extracellular matrix bound vascular endothelial growth factor promotes endothelial cell adhesion, migration and survival through integrin ligation. FASEB J. 17: 1520-1522;
- Inoki I, Shiomi T, Hashimoto G, Enomoto H, Nakamura H, Makino K, Ikeda E, Takata S, Kobayashi K, Okada Y (2002) Connective tissue growth factor binds vascular endothelial growth factor (VEGF) and inhibits VEGF-induced angiogenesis. FASEB J. 16(2):219-21,
- Jain RK, Schlenger K, Hockel M, Yuan F (1997) Quantitative angiogenesis assays: progress and problems. Nat Med. 3(11):1203-8,
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- Livesey FJ (1999) Netrin and netrin receptors. Cell Mol Life Sci, 56(1-2): 62-8;
- Lu X, le Noble F, Yuan L, Jiang Q, de Lafarge B, Sugiyama D, Breant C, Claes F, De Smet F, Thomas JL, Autiero M, Carmeliet P, Tessier-Lavigne M, Eichmann A (2004) The netrin receptor UNC5B mediates guidance events controlling morphogenesis of the vascular system. Nature. 432: 179-186;
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【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明の課題は、変異ネトリン4、その断片及びこれらの薬剤としての使用である。
【0002】
また、本発明の課題は、非変異ネトリン4及びこの断片の新規治療法への使用である。
【0003】
また、本発明の課題は、ネオゲニンリガンド、例えば、ネトリン(すなわち、ネトリン1、ネトリン3、ネトリンG1又はネトリン4)及びRGM(反発誘導分子)の、化学療法剤との併用における、特には癌治療を意図した薬剤の製造のフレームにおける、新規使用である。
【0004】
また、本発明の課題は、特に、周皮細胞の消耗と関連した非癌性の病変の治療のフレームにおける、ネトリン(特に、ネトリン1、ネトリンG1、ネトリン3及びネトリン4)の新規使用である。
【0005】
ネトリン4は軸索誘導分子であるネトリンファミリーに属する。現在のところ、このファミリーの4つのメンバーが知られている(ネトリン1、G、3、4)。ネトリン4は、へパリンと相互作用する1つのC末端塩基ドメイン、3つのEGF型ドメイン、及び1つのラミニン型ドメインにより構成されているタンパク質である(Yurchenko et al., 2004)。
【0006】
ネトリン1は、dccレセプター(又はネオゲニンに)結合するときに誘引を促進し、そしてdccレセプター及びUNC5Hファミリーのレセプターの1つと結合した時に反発を促進する(Livesey, 1999; Mehlen et al., 2003; Cooper et al., 1999)。更に、ネトリン1はA2レセプターに結合し、細胞のcAMPレベルを変化させることが可能で、また、誘引又は反発はcAMP/cGMPレベルによりコントロールされる(Corset et al., 2000)。
【0007】
ネトリンGは、グリコシル・ホスホイノシトールリン酸と結合する親水性のC末端ドメインを有するという点で他のネトリンと異なる遺伝子のファミリーを代表する(Nakashiba et al., 2000)。これらの機能はまだ不明である。一方、ネトリンGはdccにも又UNC5H1、H2、H3にも結合しないことが報告されている(Nakashiba et al., 2002)。
【0008】
ネトリン3はdccレセプター又はネオゲニンに結合するとニューロンの誘引を促進し、そしてUNC5Hファミリーのレセプターの1つのレセプターに結合するとその反発を促進する(Livesey et al., 1999)。
【0009】
RGM(反発誘導分子)分子はニューロン軸索の誘導に関与した分子である。これらには三つの遺伝子が存在し、それらはRGM−A、RGM−B、RGM−Cとして知られている。最近、RGM−Aはネオゲニンリガンド(Matsunaga et al., 2004)であり、RGM−Cの変異形はHFEとして知られている鉄輸送遺伝子であることが、知られるようになった(Papanicolaou et al., 2004)。
【0010】
2003年11月6日に公開された出願US2003/0207347A1には、天然のネトリン4及びその使用が記載されている。より詳しくは、この出願は、血管新生修飾特性を有するネトリン4由来ポリペプチド、並びに血管発達修飾方法における、特に血管新生における、より詳しくは血管新生阻害における、特に癌のフレームにおける、ネトリン4の使用を記載している。
【0011】
現在のところ、ネトリン4レセプターについても、又、その可能性としてのニューロン機能についても何も分かっていない。
【0012】
ネトリン1及びネトリン4はUNC5H2レセプターにより内皮細胞の活性を阻害すること(Lu et al., 2004)及び網膜の血管形成を阻害することが最近発表された。
【0013】
また、本発明の目的は、新規抗血管新生阻害剤を提供することである。
【0014】
本発明の目的は、特に従来の抗癌治療における、血管新生を含む治療効果を高めること、若しくは癌以外の病変における抗血管新生治療使用における効果を高めることを可能にする、併用療法を提供することである。
【0015】
現在のところ、加齢性黄斑変性症、又は他の新生血管形成を含む眼疾患の治療のフレームにおいて標準的な方法で使用されている薬剤と相乗作用をもたらすことの可能な治療薬は存在しない。
【0016】
本発明は、
* 配列番号:522又は配列番号:524の配列、又は
* 配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片であって、但し、この断片が抗血管新生活性、及び/又は周皮細胞活性化活性を示し、特には、前記断片が約40から約450アミノ酸、及び好ましくは約40から約260アミノ酸、及び好ましくは約40から約230アミノ酸を含み、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列で表される配列の断片、
* 特に、1以上のアミノ酸の置換、欠失(suppression)、又は追加による、前記配列の1つから由来する任意の配列であって、但し、この由来配列が抗血管新生活性及び/又は周皮細胞活性化活性を示す、前記任意の配列、又は
* 前記配列の1つと相同な配列であって、好ましくは、配列番号:522のアミノ酸の261位と515位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を有し、但し、この相同配列が抗血管新生活性及び/又は周皮細胞活性化活性を示す前記相同な配列、の1つを含むか、又はそれにより構成されていることを特徴とするタンパク質に関する。
【0017】
配列番号:522の前記タンパク質は、変異ネトリン4タンパク質に相当する新規タンパク質であり、配列番号:524の前記タンパク質はシグナルペプチドを有しない配列番号:522のタンパク質に相当する。
【0018】
配列番号:522の配列は628アミノ酸を含み、そして配列番号:524の配列は609アミノ酸を含み、配列番号:522の配列の20残基から628残基までの断片に相当する。
【0019】
配列番号:522の配列に示される変異ネトリン4は、以下の9ポイントの変異を有する配列番号:498に示されるネトリン4タンパク質に相当する:
− 13位のシステインをアルギニンで置換、
− 68位のリジンをスレオニンで置換、
− 183位のセリンをプロリンで置換、
− 205位のヒスチジンをチロシンで置換、
− 234位のシステインをチロシンで置換、
− 331位のアラニンをアスパラギンで置換、
− 332位のシステインをアルギニンで置換、
− 353位のアスパラギンをセリンで置換、
− 515位のアスパラギンをリジンで置換。
【0020】
配列番号:374から配列番号:496のタンパク質配列に相当する前記断片は、前記変異ネトリン4に相当する新規断片である。
【0021】
前記配列番号:2qの配列は、配列番号:374から496までのタンパク質の配列、すなわち、次のタンパク質配列に相当する:配列番号:374、配列番号:376、配列番号:378、配列番号:380、配列番号:382、配列番号:384、配列番号:386、配列番号:388、配列番号:390、配列番号:392、配列番号:394、配列番号:396、配列番号:398、配列番号:400、配列番号:402、配列番号:404、配列番号:406、配列番号:408、配列番号:410、配列番号:412、配列番号:414、配列番号:416、配列番号:418、配列番号:420、配列番号:422、配列番号:424、配列番号:426、配列番号:428、配列番号:430、配列番号:432、配列番号:434、配列番号:436、配列番号:438、配列番号:440、配列番号:442、配列番号:444、配列番号:446、配列番号:448、配列番号:450、配列番号:452、配列番号:454、配列番号:456、配列番号:458、配列番号:460、配列番号:462、配列番号:464、配列番号:466、配列番号:468、配列番号:470、配列番号:472、配列番号:474、配列番号:476、配列番号:478、配列番号:480、配列番号:482、配列番号:484、配列番号:486、配列番号:488、配列番号:490、配列番号:492、配列番号:494又は配列番号:496。
【0022】
配列番号:374の配列は、変異ネトリン4ヒトタンパク質のラミニン型断片(特定のインテグリンに結合する細胞外マトリックスタンパク質)に相当し、前記断片は配列番号:373のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は260アミノ酸を含み、残基1から残基266に跨る、配列番号:522の変異ネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0023】
配列番号:376の配列は、変異ネトリン4ヒトタンパク質EGF型断片(EGF因子繰返しドメインに相当し、前記断片は配列番号:375のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は255アミノ酸を含み、配列番号:522の残基261から残基515に跨る変異ネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0024】
配列番号:378の配列は、配列番号:364の配列を欠失した変異ネトリン4ヒトタンパク質断片に相当し、前記断片は配列番号:377のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は515アミノ酸を含み、配列番号:522の残基1から残基515に跨る配列の変異ネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0025】
配列番号:386の配列は変異ネトリン4ヒトタンパク質のラミニン型断片であり、前記断片は配列番号:385のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は229アミノ酸を含み、残基32から残基260に跨る配列番号:522の配列の変異ネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0026】
配列番号:384の配列は変異ネトリン4ヒトタンパク質断片のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:383のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は56アミノ酸を含み、配列番号:522の残基332から残基387に跨る配列の変異ネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0027】
配列番号:380から配列番号:496までのタンパク質配列に相当する変異ネトリン4タンパク質断片、並びに配列番号:379から配列番号:495までの相当するヌクレオチド配列は次の表に示す:
【表1】
【0028】
配列番号:526の配列は、配列番号:522の1位から288位に区切られた断片に相当する。
【0029】
配列番号:528の配列は、24アミノ酸のペプチド配列に融合した配列番号:522の1位から288位の区切られた断片に相当する。
【0030】
本発明は、
* 配列番号:522又は配列番号:524の配列、又は
* 配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片であって、但し、この断片が抗血管新生活性を示し、特には、前記断片が約40から約450アミノ酸、及び好ましくは約40から約260アミノ酸、及び好ましくは約40から約230アミノ酸を含み、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列で表される配列の断片、
* 特に、1以上のアミノ酸の置換、欠失、又は追加による、前記配列の1つから由来する任意の配列であって、但し、この由来配列が抗血管新生活性を示す、前記任意の配列、又は
* 前記配列の1つと相同な配列であって、好ましくは、配列番号:522のアミノ酸の261位と515位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を有し、但し、この相同配列が抗血管新生活性を示す前記相同な配列、
の1つを含むか、又はそれにより構成されていることを特徴とするタンパク質に関する。
【0031】
また、血管新生抑制活性は抗血管新生活性と示される。この活性は、例えば、内皮細胞の増殖、遊走及び分化が前記タンパク質により阻害されることをin vitroで明らかにすることで示すことが可能である。内皮細胞の増殖阻害は、その活性を評価すべきタンパク質又はその断片存在下で内皮細胞を培養することで測定することができる。内皮細胞の遊走阻害は、内皮細胞でできたシート(芝生)に「傷」をつけ、次にこの細胞をテストすべき断片存在下でインキュベートすることで測定することが可能である。次いで、傷に遊走する細胞数を数える。内皮細胞の分化(管形成)阻害はゲルの上でテストすべき断片の存在下で培養している内皮細胞により形成された管の長さを測ることで測定することが可能である。
【0032】
標準の血管新生測定モデルの中で、以下のローカル送達モデルに言及することができる:
− 本発明の化合物を染み込ませたマトリゲル(ベクトン・ディッキンソン)の皮下注射(Inoki et al., 2002)、又は
− 本発明の化合物を含む埋め込み物のニワトリ漿尿膜への適用(Celerier et al., 2002)。
【0033】
あるいは、実験的な血管新生疾患を創出した動物に本発明の断片を全身ルートで注射する(静脈、腹腔内、皮下)ことが可能である。また、本発明の断片は直接腫瘍に注射することもできる。あるいは、本発明に記載の断片又は抗イディオタイプ抗体(後述する)を遺伝子療法により、本発明に記載の断片又は抗イディオタイプ抗体を発現させることのできる任意の方法を用いて、局所又は全身ルートで送達することが可能である。あるいは、本発明に記載の断片又は抗イディオタイプ抗体の遺伝子をプラスミドに挿入し、それを癌細胞に遺伝子導入することも可能である。これらの全ての測定方法は、特に、Jain et al. (1997)の文献に記載されている。
【0034】
抗腫瘍活性という用語は、腫瘍の成長及び/又はその退縮の誘導を、若しくは腫瘍の消失さえも可能とするような活性を示す。この活性は、例えば、in vivoで腫瘍の重量を測定することで示すことが可能で、本発明のペプチドの投与及び/又は本発明のペプチド配列を発現する核酸投与の存在下及び非存在下でマウスに腫瘍を注入することにより、その系の開発が誘導された。
【0035】
本発明は
* 配列番号:522又は配列番号:524の配列、又は
* 配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片であって、但し、この断片が周皮細胞活性化活性を示し、特には、前記断片が約40から約450アミノ酸、及び好ましくは約40から約260アミノ酸、及び好ましくは約40から約230アミノ酸を含み、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列で表される配列の断片、
* 特に、1以上のアミノ酸の置換、欠失、又は追加による、前記配列の1つから由来する任意の配列であって、但し、この由来配列が周皮細胞活性化活性を示す、前記任意の配列、又は
* 前記配列の1つと相同な配列であって、好ましくは、配列番号:522のアミノ酸の261位と515位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を有し、但し、この相同配列が周皮細胞活性化活性を示す前記相同な配列、
の1つを含むか、又はそれにより構成されていることを特徴とするタンパク質に関する。
【0036】
周皮細胞の活性化活性は、特に、後述のように定義され、そして実験の部分で示される増殖及び遊走テストで証明される。
【0037】
本発明は、特に、本発明者によりなされた周皮細胞及び平滑筋細胞のUNC5H4レセプターへのネトリンの結合による周皮細胞の活性化機能の実証に基づく。
【0038】
また、本発明は前記で定義したタンパク質をコードするヌクレオチド配列、すなわち、変異ネトリン4をコードするヌクレオチド配列、に関する。
【0039】
本発明に記載の好ましいヌクレオチド配列は、
−- 配列番号:522をコードする配列番号:521のヌクレオチド配列、又は配列番号:524をコードする配列番号:523のヌクレオチド配列;
− 前記ヌクレオチド配列の1つの断片であって、そして、特には配列番号:2q−1(qは187から248まで変化する)の配列の1つによってか、又は配列番号:525の配列によってか、又は配列番号:527の配列よって表されるヌクレオチド配列の1つの断片;
− 又は、遺伝子コードの縮重による、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列であって、そして配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つによってか、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列によって表されるタンパク質をコードする、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列、
− 又は、特に、1以上のヌクレオチドの置換、欠失又は追加による、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列であって、前記で定義した、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)由来のタンパク質か、又は配列番号:526の配列か、又は配列番号:528の配列をコードする、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記ヌクレオチド配列の1つに相同な任意のヌクレオチド配列であって、好ましくは、前記で定義した、配列番号:2qに相同なタンパク質をコードする配列番号:2q−1の配列の1つか、又は配列番号:526の配列をコードする配列番号:525の配列か、又は配列番号:528の配列をコードする配列番号:527の配列、と少なくとも約50%の同一性を有する、前記ヌクレオチド配列の1つに相同な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列と相補的な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列の1つに相補的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることのできる任意のヌクレオチド配列、
を含むか、又は構成されることを特徴とする、請求項4に記載のヌクレオチド配列である。
【0040】
「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」という表現は、ハイブリダイゼーション緩衝液(例えば、0.5XSSC)、60℃のハイブリダイゼーション温度、並びに洗浄液(例えば、1%SDSを添加した0.1XSSC)及び50℃の洗浄温度に特に相当する。
【0041】
配列番号:2q−1の前記配列は配列番号:2qに示される前記変異ネトリン4断片をコードし、以下のヌクレオチド配列に相当する:配列番号:374をコードする配列番号:373、配列番号:376をコードする配列番号:375、配列番号:378をコードする配列番号:377、配列番号:380をコードする配列番号:379、配列番号:382をコードする配列番号:381、配列番号:384をコードする配列番号:383、配列番号:386をコードする配列番号:385、配列番号:388をコードする配列番号:387、配列番号:390をコードする配列番号:389、配列番号:392をコードする配列番号:391、配列番号:394をコードする配列番号:393、配列番号:396をコードする配列番号:395、配列番号:398をコードする配列番号:397、配列番号:400をコードする配列番号:399、配列番号:402をコードする配列番号:401、配列番号:404をコードする配列番号:403、配列番号:406をコードする配列番号:405、配列番号:408をコードする配列番号:407、配列番号:410をコードする配列番号:409、配列番号:412をコードする配列番号:411、配列番号:414をコードする配列番号:413、配列番号:416をコードする配列番号:415、配列番号:418をコードする配列番号:417、配列番号:420をコードする配列番号:419、配列番号:422をコードする配列番号:421、配列番号:424をコードする配列番号:423、配列番号:426をコードする配列番号:425、配列番号:428をコードする配列番号:427、配列番号:430をコードする配列番号:429、配列番号:432をコードする配列番号:431、配列番号:434をコードする配列番号:433、配列番号:436をコードする配列番号:435、配列番号:438をコードする配列番号:437、配列番号:440をコードする配列番号:439、配列番号:442をコードする配列番号:441、配列番号:444をコードする配列番号:443、配列番号:446をコードする配列番号:445、配列番号:448をコードする配列番号:447、配列番号:450をコードする配列番号:449、配列番号:452をコードする配列番号:451、配列番号:454をコードする配列番号:453、配列番号:456をコードする配列番号:455、配列番号:458をコードする配列番号:457、配列番号:460をコードする配列番号:459、配列番号:462をコードする配列番号:461、配列番号:464をコードする配列番号:463、配列番号:466をコードする配列番号:465、配列番号:468をコードする配列番号:467、配列番号:470をコードする配列番号:469、配列番号:472をコードする配列番号:471、配列番号:474をコードする配列番号:473、配列番号:476をコードする配列番号:475、配列番号:478をコードする配列番号:477、配列番号:480をコードする配列番号:479、配列番号:482をコードする配列番号:481、配列番号:484をコードする配列番号:483、配列番号:486をコードする配列番号:485、配列番号:488をコードする配列番号:487、配列番号:490をコードする配列番号:489、配列番号:492をコードする配列番号:491、配列番号:494をコードする配列番号:493又は配列番号:496をコードする配列番号:495。
【0042】
配列番号:525の配列は配列番号:526の配列をコードする。
【0043】
配列番号:527の配列は配列番号:528の配列をコードする。
【0044】
また、本発明は組換えベクター(特に、プラスミド、コスミド、ファージ又はウイルスDNA)に関し、これらは前記で定義したヌクレオチド配列、すなわち、前記で定義した変異ネトリン4又はその断片の1つをコードするヌクレオチド配列を含み、前記の組換えベクターは、特に、前記ベクター中に挿入された核酸によりコードされるポリペプチドを宿主細胞で発現させるのに必要な要素を含むことを特徴とする。
【0045】
また、本発明は、特に細菌、ウイルス、酵母、真菌、植物又は哺乳動物細胞から選択された宿主細胞に関し、前記宿主細胞は、特に、前記で定義した組換えベクターを用いて形質転換される。
【0046】
また、本発明は、前記で定義したタンパク質に、特に、前記で定義した変異ネトリン4又はその断片の1つに対する特異的な抗体に関する。
【0047】
また、本発明は、前記で定義したタンパク質の、特に、前記で定義した変異ネトリン4又はその断片の抗イディオタイプ抗体、に関する。
【0048】
また、本発明は、特に前記で定義した変異ネトリン4又はその断片に対する、特に、前記で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片に関する。
【0049】
また、本発明は有効成分として以下のものを含む医薬組成物に関する、
− 前記で定義したタンパク質、又は
− 前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− 前記で定義した抗体、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片。
【0050】
また、本発明は、前記で定義した配列番号:522又は配列番号:524の配列で示される、約0.1から約2000μg/kgの割合で投与可能な薬剤の製造のための変異ネトリン4タンパク質に関し、特に、その投与は静脈ルート、皮下ルート、全身ルート、硝子体内注射、浸透又は洗眼液による局所ルート、場合により電気透過法(electropermeation)との組み合わせが挙げられる。
【0051】
また、変異ネトリン4タンパク質は、目的の変異ネトリン4タンパク質をコードするプラスミドを注射により送達することも可能である。
【0052】
あるいは、本発明のネトリンの任意の1つ又はその断片の1つを、そのタンパク質又はその断片を任意の血管内装置(ステント)に固定した後に、前記装置の方法を用いて送達することも可能である。
【0053】
本発明は、
− 前記で定義したタンパク質、又は
− 前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体、
の内皮細胞の増殖及び/又は遊走を阻害することを必要とする病変の、予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であって、特には、以下のフレームの中の病変、癌及び白血病、加齢性黄斑変性症、脈絡膜新生血管性複雑近視、特に移植拒絶における角膜新血管形成、緑内障、糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームの中の病変である、前記使用に関する。
【0054】
「内皮細胞の増殖阻害」という表現は、後に記載される増殖テストの結果、内皮細胞の増殖を鈍化させることのできる任意の物質を指す。
【0055】
本発明は次のものを含む組合せ産物に関する:
− 配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、又は
− 特に、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526又は配列番号:528の配列に示される、配列番号:522又は配列番号:524の前記配列断片、で
これらは特に次から選択された抗血管新生剤と併用する:ジェネンティク及びロシュの開発によるアバスチン(ベバシズマブ)、アイテクおよびファイザーにより開発されたマクゲン(ペガプタニブ)及びジェネンティク及びノバルティスにより開発されたルセンチス(ラニビズマブ)で、これらは同時に又は個別に、又は長時間にわたり使用され、以下の病変の治療を意図している:癌及び白血病、加齢性黄斑変性症、脈絡膜新生血管性複雑近視、特に移植拒絶における角膜新血管形成、緑内障、糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームにおける病変。
【0056】
本発明の枠組みの中で、変異ネトリン4の用量は、6週間毎に、約10から約10,000ng/注射であり、好ましくは約100から約5,000ng/注射である。
【0057】
本発明の枠組みの中で、抗イディオタイプ抗体薬(例えば、アバスチン、マクゲン又はルセンチス)の用量は、6週間毎に、約0.3および1mgである。
【0058】
本発明の課題は、
− 前記で定義した抗体、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の内皮細胞の増殖及び/又は遊走の促進を必要とする病変、特に、以下のフレームにおける病変;:虚血性病変、例えば、下肢動脈の虚血性病変、心筋梗塞、脳血管障害、強皮症、又はレイノー病、の予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用である。
【0059】
内皮細胞の増殖の活性化は、内皮細胞を適切な培地に置き、次いで全細胞数を数えることで測定することができる。
【0060】
内皮細胞の遊走の活性化は、細胞のシート(芝生)に「傷」をつけ、次いで細胞を試験すべきタンパク質、又はヌクレオチド配列、又は抗イディオタイプ抗体の存在下でインキュベートすることで測定することが可能である。次いで、傷のところへ遊走した細胞数を数える。
【0061】
本発明は、
− 前記で定義したタンパク質、
− 前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− 前記で定義した抗体、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の使用であって、周皮細胞又は平滑筋細胞の、消耗に関連するか又は消耗により引き起こされる、非癌性の病変の予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用に関する。
【0062】
本発明は、
− 前記で定義したタンパク質、
− 前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体、
の使用であって、周皮細胞又は平滑筋細胞の、消耗に関連するか又は消耗により引き起こされる、非癌性の病変の予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用に関する。
【0063】
本発明に記載された使用は、周皮細胞又は平滑筋細胞の消耗に関連ないしそれにより引き起こされた非癌性病変であり、それは周皮細胞又は平滑筋細胞の増殖の活性化を必要とすることを特徴とし、これらの病変は、
− 加齢性黄斑変性症、
− 脈絡膜新生血管性複雑近視、
− 糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、
− 血管新生緑内障(角膜の、網膜のなど)、
− 特に、移植拒絶における角膜血管新生、
− リューマチ性多発性関節炎、
− 乾癬、特に、乾癬性多発性関節炎、
− 血管腫、
− アテローム性動脈硬化症、
− 肥満症、
− 腸奇形、
− クローン病、
− カダシルを例とする、血管性、皮質下血管性認知症、
− アルツハイマー病、
− 変性骨病変及び骨折、及び
− 動脈瘤及び血管解離
から選択されることを特徴とする。
【0064】
好適な実施態様によれば、本発明に記載される使用は、周皮細胞又は平滑筋細胞の消耗に関連し、それにより引き起こされた非癌性病変であり、それは周皮細胞又は平滑筋細胞の増殖又は遊走の活性化を必要とすることを特徴とするが、その病変は、
− 糖尿病性網膜症、
− 腸奇形、
− クローン病、
− アテローム性動脈硬化症、
− 肥満症、
− 血管性認知症(例えば、アルツハイマー病)、
− 変性骨病変及び骨折、及び
− 動脈瘤及び血管解離、
から選択される。
【0065】
また、本発明は前記で定義した使用に関し、それは周皮細胞又は平滑筋細胞の増殖又は遊走の活性化を、増殖又は遊走テストで測定することを特徴とし、また、この活性化活性は、前記で定義したタンパク質、又はヌクレオチド配列又は抗イディオタイプ抗体の非存在下で得られた活性の少なくとも120%に相当することを特徴とする。
【0066】
この特性は、細胞療法を実施する目的で、任意の前駆細胞又は幹細胞のサンプルから平滑筋細胞又は周皮細胞を拡大増殖させることに使用することができる。
【0067】
周皮細胞又は平滑筋細胞の遊走の活性化は、細胞のシート(芝生)の上に「傷」をつけ、次いで細胞をテストすべきタンパク質、又はヌクレオチド配列又は抗イディオタイプ抗体の存在下で培養することで測定することができる。次いで、傷に向かい遊走した細胞数が測定される。
【0068】
周皮細胞又は平滑筋細胞の増殖の活性化は、周皮細胞又は平滑筋細胞を適切な培地、特に、血清を含まないDMEM培地に置いて、次いで全細胞数を数えることで測定することができる。
【0069】
本発明は、癌の治療を意図した薬剤の製造のために、化学療法剤と併用する、
− 配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、又は
− 特に、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列、又は配列番号:528の配列により示される、配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片、
の使用に関する。
【0070】
本発明は、同時に又は個別に、又は長時間にわたり使用される癌病変の治療を意図した薬剤の製造のために、化学療法剤と併用する、
− 配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、又は
− 特に、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列、又は配列番号:528の配列により示される、配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片、
の併用産物に関する。
【0071】
本発明は、
− 配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、又は
− 特に、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列、又は配列番号:528の配列により示される、配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片を含む併用産物に関し、前記で定義した癌性又は非癌性病変の治療又は予防を意図した、同時に又は個別に、又は長時間にわたり使用するための、ジェネンティク及びロシュの開発によるアバスチン(ベバシズマブ)、アイテクおよびファイザーにより開発されたマクゲン(ペガプタニブ)及びジェネンティク及びノバルティスにより開発されたルセンチス(ラニビズマブ)、又は任意の他の抗VEGF薬、から選択される抗血管新生剤を併用する組合せ産物である。
【0072】
本発明は、
− 配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、又は
− 特に、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列、又は配列番号:528の配列により示される、配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片、を含む併用産物に関し、前記で定義した癌性又は非癌性病変の予防又は治療を意図した、ジェネンティク及びロシュの開発によるアバスチン(ベバシズマブ)、アイテクおよびファイザーにより開発されたマクゲン(ペガプタニブ)及びジェネンティク及びノバルティスにより開発されたルセンチス(ラニビズマブ)、又は任意の抗VEGF薬から選択される抗血管新生剤を併用する組合せ産物である。
【0073】
また、本発明は抗血管新生薬及び化学療法剤の併用に関する。
【0074】
特に、本発明は、癌の治療を意図した薬剤の製造のために、化学療法剤との併用による、ネオゲニンリガンド、又は、もし適切であれば、ネオゲニンリガンドをコードするレオチド配列、又は前記リガンドをコードするベクターを含むヌクレオチド配列、又は前記ベクターにより形質転換された宿主細胞、又は前記リガンドに対する抗イディオタイプ抗体の使用に関する。
【0075】
前記ネオゲニンリガンド又は前記ヌクレオチド配列又は前記ベクター又は前記宿主細胞又は前記抗イディオタイプ抗体から選択された抗血管新生薬と化学療法剤との併用は、相乗効果及び通常の抗癌療法に対する低減された耐性の誘導を可能にする。
【0076】
本発明に記載の好ましい化学療法剤としては、特に、ドキソルビシン、メトトレキサート、ビンブラスチン、ビンクリスチン、クラドリビン、フルオロウラシル、シタラビン、アントラサイクリン、シスプラチン、シクロホスファミド、フルダラビン、ゲムスタビン、アロマターゼ阻害剤、イリノテカン、ナベルビン、オキザリプラチン、タキソフェン(taxofene)、タキソール及びタキソテールに言及することができる。
【0077】
本発明の好適な実施態様によれば、本発明に記載の使用は、リガンド又はヌクレオチド配列又は抗イディオタイプ抗体が、
− 次のタンパク質の1つ:配列番号:502又は配列番号:504に示されるネトリン1、又は配列番号:506又は配列番号:508に示されるネトリンG1、配列番号:510に示されるネトリン3、配列番号:498又は配列番号:500に示されるネトリン4、配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518又は配列番号:520に示されるRGM分子の1つ、又は配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、
− 又は、特に、配列番号:2n(nは1から248まで変化する)の配列の1つに示される、これらタンパク質の1つの断片、
− 又は、前記タンパク質の1つをコードするヌクレオチド配列で、それは特に以下のヌクレオチド配列である:配列番号:501、配列番号:503、配列番号:505、配列番号:507、配列番号:509、配列番号:497、配列番号:499、配列番号:511、配列番号:513、配列番号:515、配列番号:517、配列番号:519、配列番号:521、配列番号:523、又は配列番号:2n−1(nは1から248まで変化する)の配列の1つ、
− 又は、前記で定義したタンパク質の1つの抗イディオタイプ抗体、
から選択されることを特徴とする。
【0078】
配列番号:2nの前記配列は、配列番号:2から配列番号:496のタンパク質配列に相当する。
【0079】
配列番号:2nの前記配列は次のタンパク質配列に相当する:配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106、配列番号:108、配列番号:110、配列番号:112、配列番号:114、配列番号:116、配列番号:118、配列番号:120、配列番号:122、配列番号:124、配列番号:126、配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:144、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号:162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、配列番号:262、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、配列番号:296、配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号:314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332、配列番号:334、配列番号:336、配列番号:338、配列番号:340、配列番号:342、配列番号:344、配列番号:346、配列番号:348、配列番号:350、配列番号:352、配列番号:354、配列番号:356、配列番号:358、配列番号:360、配列番号:362、配列番号:364、配列番号:366、配列番号:368、配列番号:370、配列番号:372、配列番号:374、配列番号:376、配列番号:378、配列番号:380、配列番号:382、配列番号:384、配列番号:386、配列番号:388、配列番号:390、配列番号:392、配列番号:394、配列番号:396、配列番号:398、配列番号:400、配列番号:402、配列番号:404、配列番号:406、配列番号:408、配列番号:410、配列番号:412、配列番号:414、配列番号:416、配列番号:418、配列番号:420、配列番号:422、配列番号:424、配列番号:426、配列番号:428、配列番号:430、配列番号:432、配列番号:434、配列番号:436、配列番号:438、配列番号:440、配列番号:442、配列番号:444、配列番号:446、配列番号:448、配列番号:450、配列番号:452、配列番号:454、配列番号:456、配列番号:458、配列番号:460、配列番号:462、配列番号:464、配列番号:466、配列番号:468、配列番号:470、配列番号:472、配列番号:474、配列番号:476、配列番号:478、配列番号:480、配列番号:482、配列番号:484、配列番号:486、配列番号:488、配列番号:490、配列番号:492、配列番号:494、又は、配列番号:496.
【0080】
配列番号:2n−1の前記配列は配列番号:1から配列番号:495のヌクレオチド配列に相当する。
【0081】
配列番号:2n−1の前記配列は配列番号:2nの前記タンパク質配列をコードし、次のヌクレオチド配列に相当:配列番号:2をコードする配列番号:1、配列番号:4をコードする配列番号:3、配列番号:6をコードする配列番号:5、配列番号:8をコードする配列番号:7、配列番号:10をコードする配列番号:9、配列番号:12をコードする配列番号:11、配列番号:14をコードする配列番号:13、配列番号:16をコードする配列番号:15、配列番号:18をコードする配列番号:17、配列番号:20をコードする配列番号:19、配列番号:22をコードする配列番号:21、配列番号:24をコードする配列番号:23、配列番号:26をコードする配列番号:25、配列番号:28をコードする配列番号:27、配列番号:30をコードする配列番号:29、配列番号:32をコードする配列番号:31、配列番号:34をコードする配列番号:33、配列番号:36をコードする配列番号:35、配列番号:38をコードする配列番号:37、配列番号:40をコードする配列番号:39、配列番号:42をコードする配列番号:41、配列番号:44をコードする配列番号:43、配列番号:46をコードする配列番号:45、配列番号:48をコードする配列番号:47、配列番号:50をコードする配列番号:49、配列番号:52をコードする配列番号:51、配列番号:54をコードする配列番号:53、配列番号:56をコードする配列番号:55、配列番号:58をコードする配列番号:57、配列番号60をコードする配列番号:59、配列番号:62をコードする配列番号:61、配列番号:64をコードする配列番号:63、配列番号:66をコードする配列番号:65、配列番号:68をコードする配列番号:67、配列番号:70をコードする配列番号:69、配列番号:72をコードする配列番号:71、配列番号:74をコードする配列番号:73、配列番号:76をコードする配列番号:75、配列番号:78をコードする配列番号:77、配列番号:80をコードする配列番号:79、配列番号:82をコードする配列番号:81、配列番号:84をコードする配列番号:83、配列番号:86をコードする配列番号:85、配列番号:88をコードする配列番号:87、配列番号:90をコードする配列番号:89、配列番号:92をコードする配列番号:91、配列番号:94をコードする配列番号:93、配列番号:96をコードする配列番号:95、配列番号:98をコードする配列番号:97、配列番号:100をコードする配列番号:99、配列番号:102をコードする配列番号:101、配列番号:104をコードする配列番号:103、配列番号:106をコードする配列番号:105、配列番号:108をコードする配列番号:107、配列番号:110をコードする配列番号:109、配列番号:112をコードする配列番号:111、配列番号:114をコードする配列番号:113、配列番号:116をコードする配列番号:115、配列番号:118をコードする配列番号:117、配列番号:200をコードする配列番号:119、配列番号:122をコードする配列番号:121、配列番号:124をコードする配列番号:123、配列番号:126をコードする配列番号:125、配列番号:128をコードする配列番号:127、配列番号:130をコードする配列番号:129、配列番号:132をコードする配列番号:131、配列番号:134をコードする配列番号:133、配列番号:136をコードする配列番号:135、配列番号:138をコードする配列番号:137、配列番号:140をコードする配列番号:139、配列番号:142をコードする配列番号:141、配列番号:144をコードする配列番号:143、配列番号:146をコードする配列番号:145、配列番号:148をコードする配列番号:147、配列番号:150をコードする配列番号:149、配列番号:152をコードする配列番号:151、配列番号:154をコードする配列番号:153、配列番号:156をコードする配列番号:155、配列番号:158をコードする配列番号:157、配列番号:160をコードする配列番号:159、配列番号:162をコードする配列番号:161、配列番号:164をコードする配列番号:163、配列番号:166をコードする配列番号:165、配列番号:168をコードする配列番号:167、配列番号:170をコードする配列番号:169、配列番号:172をコードする配列番号:171、配列番号:174をコードする配列番号:173、配列番号:176をコードする配列番号:175、配列番号:178をコードする配列番号:177、配列番号:180をコードする配列番号:179、配列番号:182をコードする配列番号:181、配列番号:184をコードする配列番号:183、配列番号:186をコードする配列番号:185、配列番号:188をコードする配列番号:187、配列番号:190をコードする配列番号:189、配列番号:192をコードする配列番号:191、配列番号:194をコードする配列番号:193、配列番号:196をコードする配列番号:195、配列番号:198をコードする配列番号:197、配列番号:200をコードする配列番号:199、配列番号:202をコードする配列番号:201、配列番号:204をコードする配列番号:203、配列番号:206をコードする配列番号:205、配列番号:208をコードする配列番号:207、配列番号:210をコードする配列番号:209、配列番号:212をコードする配列番号:211、配列番号:214をコードする配列番号:213、配列番号:216をコードする配列番号:215、配列番号:218をコードする配列番号:217、配列番号:220をコードする配列番号:219、配列番号:222をコードする配列番号:221、配列番号:224をコードする配列番号:223、配列番号:226をコードする配列番号:225、配列番号:228をコードする配列番号:227、配列番号:230をコードする配列番号:229、配列番号:232をコードする配列番号:231、配列番号:234をコードする配列番号:233、配列番号:236をコードする配列番号:235、配列番号:238をコードする配列番号:237、配列番号:240をコードする配列番号:239、配列番号:242をコードする配列番号:241、配列番号:244をコードする配列番号:243、配列番号:246をコードする配列番号:245、配列番号:248をコードする配列番号:247、配列番号:250をコードする配列番号:249、配列番号:252をコードする配列番号:251、配列番号:254をコードする配列番号:253、配列番号:256をコードする配列番号:255、配列番号:258をコードする配列番号:257、配列番号:260をコードする配列番号:259、配列番号:262をコードする配列番号:261、配列番号:264をコードする配列番号:263、配列番号:266をコードする配列番号:265、配列番号:268をコードする配列番号:267、配列番号:270をコードする配列番号:269、配列番号:272をコードする配列番号:271、配列番号:274をコードする配列番号:273、配列番号:276をコードする配列番号:275、配列番号:278をコードする配列番号:277、配列番号:280をコードする配列番号:279、配列番号:282をコードする配列番号:281、配列番号:284をコードする配列番号:283、配列番号:286をコードする配列番号:285、配列番号:288をコードする配列番号:287、配列番号:290をコードする配列番号:289、配列番号:292をコードする配列番号:291、配列番号:294をコードする配列番号:293、配列番号:296をコードする配列番号:295、配列番号:298をコードする配列番号:297、配列番号:300をコードする配列番号:299、配列番号:302をコードする配列番号:301、配列番号:304をコードする配列番号:303、配列番号:306をコードする配列番号:305、配列番号:308をコードする配列番号:307、配列番号:310をコードする配列番号:309、配列番号:312をコードする配列番号:311、配列番号:314をコードする配列番号:313、配列番号:316をコードする配列番号:315、配列番号:318をコードする配列番号:317、配列番号:320をコードする配列番号:319、配列番号:322をコードする配列番号:321、配列番号:324をコードする配列番号:323、配列番号:326をコードする配列番号:325、配列番号:328をコードする配列番号:327、配列番号:330をコードする配列番号:329、配列番号:332をコードする配列番号:331、配列番号:334をコードする配列番号:333、配列番号:336をコードする配列番号:335、配列番号:338をコードする配列番号:337、配列番号:340をコードする配列番号:339、配列番号:342をコードする配列番号:341、配列番号:344をコードする配列番号:343、配列番号:346をコードする配列番号:345、配列番号:348をコードする配列番号:347、配列番号:350をコードする配列番号:349、配列番号:352をコードする配列番号:351、配列番号:354をコードする配列番号:353、配列番号:356をコードする配列番号:355、配列番号:358をコードする配列番号:357、配列番号:360をコードする配列番号:359、配列番号:362をコードする配列番号:361、配列番号:364をコードする配列番号:363、配列番号:366をコードする配列番号:365、配列番号:368をコードする配列番号:367、配列番号:370をコードする配列番号:369、配列番号:372をコードする配列番号:371、配列番号:374をコードする配列番号:373、配列番号:376をコードする配列番号:375、配列番号:378をコードする配列番号:377、配列番号:380をコードする配列番号:379、配列番号:382をコードする配列番号:381、配列番号:384をコードする配列番号:383、配列番号:386をコードする配列番号:385、配列番号:388をコードする配列番号:387、配列番号:390をコードする配列番号:389、配列番号:392をコードする配列番号:391、配列番号:394をコードする配列番号:393、配列番号:396をコードする配列番号:395、配列番号:398をコードする列番号:397、配列番号:400をコードする配列番号:399、配列番号:402をコードする配列番号:401、配列番号:404をコードする配列番号:403、配列番号:406をコードする配列番号:405、配列番号:408をコードする配列番号:407、配列番号:410をコードする配列番号:409、配列番号:412をコードする配列番号:411、配列番号:414をコードする配列番号:413、配列番号:416をコードする配列番号:415、配列番号:418をコードする配列番号:417、配列番号:420をコードする配列番号:419、配列番号:422をコードする配列番号:421、配列番号:424をコードする配列番号:423、配列番号:426をコードする配列番号:425、配列番号:428をコードする配列番号:427、配列番号:430をコードする配列番号:429、配列番号:432をコードする配列番号:431、配列番号:434をコードする配列番号:433、配列番号:436をコードする配列番号:435、配列番号:438をコードする配列番号:437、配列番号:440をコードする配列番号:439、配列番号:442をコードする配列番号:441、配列番号:444をコードする配列番号:443、配列番号:446をコードする配列番号:445、配列番号:448をコードする配列番号:447、配列番号:450をコードする配列番号:449、
配列番号:452をコードする配列番号:451、配列番号:454をコードする配列番号:453、配列番号:456をコードする配列番号:455、配列番号:458をコードする配列番号:457、配列番号:460をコードする配列番号:459、配列番号:462をコードする配列番号:461、配列番号:464をコードする配列番号:463、配列番号:466をコードする配列番号:465、配列番号:468をコードする配列番号:467、配列番号:470をコードする配列番号:469、配列番号:472をコードする配列番号:471、配列番号:474をコードする配列番号:473、配列番号:476をコードする配列番号:475、配列番号:478をコードする配列番号:477、配列番号:480をコードする配列番号:479、配列番号:482をコードする配列番号:481、配列番号:484をコードする配列番号:483、配列番号:486をコードする配列番号:485、配列番号:488をコードする配列番号:487、配列番号:490をコードする配列番号:489、配列番号:492をコードする配列番号:491、配列番号:494をコードする配列番号:493、又は配列番号:496をコードする配列番号:495。
【0082】
配列番号:498の配列は配列番号:497のヌクレオチド配列でコードされるヒトネトリン4タンパク質に相当し、そして配列番号:500の配列は、配列番号:499のヌクレオチド配列でコードされるシグナルペプチドを有しない前記ヒトネトリン4タンパク質に相当する。配列番号:498の配列は628アミノ酸を含み、そして配列番号:500の配列は609アミノ酸を含み、配列番号:498の配列の20残基から628残基までの領域の断片に相当する。
【0083】
配列番号:502の配列は、配列番号:501のヌクレオチド配列よりコードされているヒトネトリン1タンパク質に相当し、配列番号:504の配列は、配列番号:503のヌクレオチド配列でコードされるシグナルペプチドを有しない前記ヒトネトリン1タンパク質に相当する。配列番号:502配列は604アミノ酸を含み、配列番号:504の配列は580アミノ酸含み、そして配列番号:502の配列の25残基から604残基までの範囲の断片に相当する。
【0084】
配列番号:506の配列は、配列番号:505のヌクレオチド配列によりコードされるヒトネトリンG1タンパク質に相当し、配列番号:508の配列は配列番号:507のヌクレオチド配列でコードされるシグナルペプチドを有しない前記ヒトネトリンG1タンパク質に相当する。配列番号:506の配列は438アミノ酸を含み、配列番号:508の配列は410アミノ酸含み、そして配列番号:502の配列の29残基から438残基までの範囲の断片に相当する。
【0085】
配列番号:510の配列は、配列番号:509のヌクレオチド配列によりコードされるヒトネトリン3タンパク質に相当する。配列番号:510の配列は580アミノ酸を含む。
【0086】
配列番号:512の配列は、配列番号:511のヌクレオチド配列によりコードされるRGM−A分子に相当する。配列番号:512の配列は450アミノ酸を含む。
【0087】
配列番号:514の配列は、配列番号:513のヌクレオチド配列によりコードされるRGM−B分子に相当し、配列番号:518の配列は配列番号:517のヌクレオチド配列でコードされるシグナルペプチドを有しない前記RGM−B分子タンパク質に相当する。配列番号:514の配列は437アミノ酸を含み、配列番号:518の配列は392アミノ酸含み、そして配列番号:514の配列の46残基から437残基までの範囲の断片に相当する。
【0088】
配列番号:516の配列は、配列番号:515のヌクレオチド配列によりコードされるRGM−C分子に相当し、配列番号:520の配列は配列番号:519のヌクレオチド配列でコードされるシグナルペプチドを有しない前記RGM−C分子タンパク質に相当する。配列番号:516の配列は426アミノ酸を含み、配列番号:520の配列は391アミノ酸含み、そして配列番号:516の配列の36残基から426残基までの範囲の断片に相当する。
【0089】
配列番号:360の配列は、ヒトネトリン4タンパク質のラミニン型断片(特定のインテグリンに結合する細胞外マトリックスのタンパク質)に相当し、前記断片は配列番号:359のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は260アミノ酸含み、そして配列番号:498の配列の1残基から260残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0090】
配列番号:362の配列は、ヒトネトリン4タンパク質のEGF型断片(EGF因子繰り返しドメイン)に相当し、前記断片は配列番号:361のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は255アミノ酸含み、そして配列番号:498の配列の261残基から515残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0091】
配列番号:364の配列は、ヒトネトリン4タンパク質のへパリンに結合する断片に相当し、前記断片は配列番号:363のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は113アミノ酸含み、そして配列番号:498の配列の516残基から628残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0092】
配列番号:366の配列は、配列番号:364の配列を欠失したヒトネトリン4タンパク質の断片に相当し、前記断片は配列番号:365のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は515アミノ酸含み、そして配列番号:498の配列の1残基から515残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0093】
配列番号:8の配列は、ヒトネトリン4タンパク質のラミニン型断片に相当し、前記断片は配列番号:7のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は229アミノ酸含み、そして配列番号:498の配列の32残基から260残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0094】
配列番号:2の配列は、ヒトネトリン4タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:1のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は60アミノ酸を含み、そして配列番号:498の配列の261残基から320残基の範囲までのネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0095】
配列番号:4の配列は、ヒトネトリン4タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:3のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は56アミノ酸を含み、そして配列番号:498の配列の332残基から387残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0096】
配列番号:6の配列は、ヒトネトリン4タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:5のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は52アミノ酸を含み、そして配列番号:498の配列の394残基から445残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0097】
配列番号:10から配列番号:126のタンパク質配列及び配列番号:368及び配列番号:370のタンパク質配列に相当し、並びに配列番号:9から配列番号:125のヌクレオチド配列及び配列番号:367と配列番号:369のヌクレオチド配列に相当する、ネトリン4タンパク質の断片は次の表に示す:
【表2】
【0098】
配列番号:128の配列は、ヒトネトリン1タンパク質のラミニン型断片(特定のインテグリンに結合する細胞外マトリックスのタンパク質)に相当し、前記断片は配列番号:127のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は283アミノ酸含み、そして配列番号:502の配列の1残基から283残基までの範囲のネトリン1タンパク質断片に相当する。
【0099】
配列番号:130の配列は、ヒトネトリン1タンパク質のEGF型断片(EGF因子繰り返しドメイン)に相当し、前記断片は配列番号:129のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は204アミノ酸含み、そして配列番号:502の配列の284残基から487残基までの範囲のネトリン1タンパク質断片に相当する。
【0100】
配列番号:132の配列は、ヒトネトリン1タンパク質のへパリンに結合する断片に相当し、前記断片は配列番号:131のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は117アミノ酸含み、そして配列番号:502の配列の488残基から604残基までの範囲のネトリン1タンパク質断片に相当する。
【0101】
配列番号:372の配列は、配列番号:132の配列を欠失したヒトネトリン1タンパク質の断片に相当し、前記断片は配列番号:371のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は487アミノ酸含み、そして配列番号:502の配列の1残基から487残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0102】
配列番号:140の配列は、ヒトネトリン1タンパク質のラミニン型断片に相当し、前記断片は配列番号:139のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は235アミノ酸含み、そして配列番号:502の配列の49残基から283残基までの範囲のネトリン1タンパク質断片に相当する。
【0103】
配列番号:134の配列は、ヒトネトリン1タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:133のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は48アミノ酸を含み、そして配列番号:502の配列の284残基から331残基までの範囲のネトリン4タンパク質断片に相当する。
【0104】
配列番号:136の配列は、ヒトネトリン1タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:135のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は56アミノ酸を含み、そして配列番号:502の配列の341残基から396残基までの範囲のネトリン1タンパク質断片に相当する。
【0105】
配列番号:138の配列は、ヒトネトリン1タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:137のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は48アミノ酸を含み、そして配列番号:502の配列の403残基から450残基までの範囲のネトリン1タンパク質断片に相当する。
【0106】
配列番号:142から配列番号:262のタンパク質配列に相当し、そして配列番号:141から配列番号:261のヌクレオチド配列に相当する、ネトリン1タンパク質の断片は次の表に示す:
【表3】
【0107】
配列番号:264の配列は、ヒトネトリンG1タンパク質のラミニン型断片(特定のインテグリンに結合する細胞外マトリックスのタンパク質)に相当し、前記断片は配列番号:263のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は295アミノ酸含み、そして配列番号:506の配列の1残基から295残基までの範囲のネトリンG1タンパク質断片に相当する。
【0108】
配列番号:266の配列は、ヒトネトリンG1タンパク質のEGF型断片(EGF因子繰り返しドメイン)に相当し、前記断片は配列番号:265のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は143アミノ酸を含み、そして配列番号:506の配列の296残基から438残基までの範囲のネトリンG1タンパク質断片に相当する。
【0109】
配列番号:268の配列は、ヒトネトリンG1タンパク質のラミニン型断片に相当し、前記断片は配列番号:267のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は225アミノ酸含み、そして配列番号:506の配列の71残基から295残基までの範囲のネトリンG1タンパク質断片に相当する。
【0110】
配列番号:270の配列は、ヒトネトリンG1タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:269のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は47アミノ酸を含み、そして配列番号:506の配列の296残基から342残基までの範囲のネトリンG1タンパク質断片に相当する。
【0111】
配列番号:272の配列は、ヒトネトリンG1タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:271のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は37アミノ酸を含み、そして配列番号:506の配列の373残基から409残基までの範囲のネトリンG1タンパク質断片に相当する。
【0112】
配列番号:274から配列番号:296のタンパク質配列に相当し、そして配列番号:273から配列番号:295のヌクレオチド配列に相当する、ネトリンG1タンパク質の断片は次の表に示す:
【表4】
【0113】
配列番号:298の配列は、ヒトネトリン3タンパク質のラミニン型断片(特定のインテグリンに結合する細胞外マトリックスのタンパク質)に相当し、前記断片は配列番号:297のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は253アミノ酸含み、そして配列番号:510の配列の1残基から253残基までの範囲のネトリン3タンパク質断片に相当する。
【0114】
配列番号:300の配列は、ヒトネトリン3タンパク質のラミニン型断片に相当し、前記断片は配列番号:299のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は220アミノ酸含み、そして配列番号:510の配列の34残基から253残基までの範囲のネトリン3タンパク質断片に相当する。
【0115】
配列番号:302の配列は、ヒトネトリン3タンパク質のEGF型断片(EGF因子繰り返しドメイン)に相当し、前記断片は配列番号:301のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は180アミノ酸を含み、そして配列番号:510の配列の254残基から433残基までの範囲のネトリン3タンパク質断片に相当する。
【0116】
配列番号:304の配列は、ヒトネトリン3タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:303のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は46アミノ酸を含み、そして配列番号:510の配列の254残基から299残基までの範囲のネトリン3タンパク質断片に相当する。
【0117】
配列番号:306の配列は、ヒトネトリン3タンパク質のEGF型断片に相当し、前記断片は配列番号:305のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は50アミノ酸を含み、そして配列番号:510の配列の373残基から422残基までの範囲のネトリン3タンパク質断片に相当する。
【0118】
配列番号:308の配列は、ヒトネトリン3タンパク質のへパリンに結合する断片に相当し、前記断片は配列番号:307のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は148アミノ酸含み、そして配列番号:510の配列の433残基から580残基までの範囲のネトリン3タンパク質断片に相当する。
【0119】
配列番号:310から配列番号:352のタンパク質配列に相当し、そして配列番号:309から配列番号:351のヌクレオチド配列に相当する、ネトリン3タンパク質の断片は次の表に示す:
【表5】
【0120】
配列番号:354の配列は、RGM−Aタンパク質に相当し、前記断片は配列番号:353のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は111アミノ酸含み、そして配列番号:512の配列の180残基から290残基までの範囲のRGM−Aタンパク質断片に相当する。
【0121】
配列番号:356の配列は、RGM−Bタンパク質に相当し、前記断片は配列番号:355のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は111アミノ酸含み、そして配列番号:514の配列の180残基から290残基までの範囲のRGM−Bタンパク質断片に相当する。
【0122】
配列番号:358の配列は、RGM−Cタンパク質に相当し、前記断片は配列番号:357のヌクレオチド配列によりコードされる。この断片は111アミノ酸含み、そして配列番号:516の配列の180残基から290残基までの範囲のRGM−Cタンパク質断片に相当する。
【0123】
また、本発明は、少なくとも1つのネオゲニンリガンド、又は、もし適切であれば、特に、
− 次のタンパク質の1つ:配列番号:502又は配列番号:504で示されるネトリン1、配列番号:506または配列番号:508で示されるネトリンG1、配列番号:510で示されるネトリン3、配列番号:498又は配列番号:500で示されるネトリン4、配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518又は配列番号:520で示されるRGM分子の1つ、又は配列番号:522又は配列番号:524で示される変異ネトリン4、
− 又は、特に、配列番号:2n(nは1から248まで変化する)の配列の1つに示される、これらタンパク質の1つの断片、
− 又は、特に、次のヌクレオチド配列の1つに示される、前記タンパク質をコードするヌクレオチド配列:配列番号:501、配列番号:503、配列番号:505、配列番号:507、配列番号:509、配列番号:497、配列番号:499、配列番号:511、配列番号:513、配列番号:515、配列番号:517、配列番号:519、配列番号:521、配列番号:523、又は配列番号:2n−1(nは1から248まで変化する)の配列の1つ、
− 又は、前記で定義したタンパク質の1つの抗イディオタイプ抗体、
及び、特に次から選択される、少なくとも1つの化学療法剤:ドキソルビシン、メトトレキサート、ビンブラスチン、ビンクリスチン、クラドリビン、フルオロウラシル、シタラビン、アントラサイクリン、シスプラチン、シクロホスファミド、フルダラビン、ゲムスタビン、アロマターゼ阻害剤、イリノテカン、ナベルビン、オキザリプラチン、タキソフェン(taxofene)、タキソール、又はタキソテール、から選択される、ネオゲニンリガンドをコードするヌクレオチド配列を含む、組合せ産物に関し、これらは癌の治療を意図した、同時又は個別の又は、長時間にわたる使用のためのものである。
【0124】
本発明の枠組みの中で、抗血管新生薬の用量は約10から約20,000μg/kg体重を含む。注射間の時間は、特に、アバスチンの名前で最近市販のものが使用可能な抗血管新生薬の用量と類似で決定される。
【0125】
本発明は新規ネトリン4断片に関する。
【0126】
特に、本発明は、
* 配列番号:2p(pは1から63まで変化する)の配列、又は
* 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸の置換、欠失又は追加により、但しその由来する配列が抗血管新生活性を有していることを条件とした、前記配列より由来する任意の配列、又は
* 好ましくは、その相同配列が抗血管新生活性を有していることを条件として、配列番号:498のアミノ酸261位から515位までの間の領域と約50%の同一性を有する前記配列の1つに相同な任意の配列、
の1つを含むか、又はその1つにより構成されていることを特徴とする、新規ネトリン4タンパク質に関する。
【0127】
前記配列番号:2pの配列は配列番号:2から配列番号:126までのタンパク質配列、すなわち、次の前記で定義したタンパク質配列に相当する:配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106、配列番号:108、配列番号:110、配列番号:112、配列番号:114、配列番号:116、配列番号:118、配列番号:120、配列番号:122、配列番号:124又は配列番号:126。
【0128】
配列番号:2p断片は、血管新生阻害活性を示す新規ネトリン4断片である。
【0129】
配列番号:2p−1の前記配列は配列番号:2pの前記タンパク質配列をコードし、次のヌクレオチド配列に相当する:配列番号:2をコードする配列番号:1、配列番号:4をコードする配列番号:3、配列番号:6をコードする配列番号:5、配列番号:8をコードする配列番号:7、配列番号:10をコードする配列番号:9、配列番号:12をコードする配列番号:11、配列番号:14をコードする配列番号:13、配列番号:16をコードする配列番号:15、配列番号:18をコードする配列番号:17、配列番号:20をコードする配列番号:19、配列番号:22をコードする配列番号:21、配列番号:24をコードする配列番号:23、配列番号:26をコードする配列番号:25、配列番号:28をコードする配列番号:27、配列番号:30をコードする配列番号:29、配列番号:32をコードする配列番号:31、配列番号:34をコードする配列番号:33、配列番号:36をコードする配列番号:35、配列番号:38をコードする配列番号:37、配列番号:40をコードする配列番号:39、配列番号:42をコードする配列番号:41、配列番号:44をコードする配列番号:43、配列番号:46をコードする配列番号:45、配列番号:48をコードする配列番号:47、配列番号:50をコードする配列番号:49、配列番号:52をコードする配列番号:51、配列番号:54をコードする配列番号:53、配列番号:56をコードする配列番号:55、配列番号:58をコードする配列番号:57、配列番号:60をコードする配列番号:59、配列番号:62をコードする配列番号:61、配列番号:64をコードする配列番号:63、配列番号:66をコードする配列番号:65、配列番号:68をコードする配列番号:67、配列番号:70をコードする配列番号:69、配列番号:72をコードする配列番号:71、配列番号:74をコードする配列番号:73、配列番号:76をコードする配列番号:75、配列番号:78をコードする配列番号:77、配列番号:80をコードする配列番号:79、配列番号:82をコードする配列番号:81、配列番号:84をコードする配列番号:83、配列番号:86をコードする配列番号:85、配列番号:88をコードする配列番号:87、配列番号:90をコードする配列番号:89、配列番号:92をコードする配列番号:91、配列番号:94をコードする配列番号:93、配列番号:96をコードする配列番号:95、配列番号:98をコードする配列番号:97、配列番号:100をコードする配列番号:99、配列番号:102をコードする配列番号:101、配列番号:104をコードする配列番号:103、配列番号:106をコードする配列番号:105、配列番号:108をコードする配列番号:107、配列番号:110をコードする配列番号:109、配列番号:112をコードする配列番号:111、配列番号:114をコードする配列番号:113、配列番号:116をコードする配列番号:115、配列番号:118をコードする配列番号:117、配列番号:120をコードする配列番号:119、配列番号:122をコードする配列番号:121、配列番号:124をコードする配列番号:123、又は配列番号:126をコードする配列番号:125。
【0130】
また、本発明は前記で定義したタンパク質をコードするヌクレオチド配列に関する。
【0131】
好適な実施態様によれば、本発明によるヌクレオチド配列は、
− 配列番号:2pをコードする配列番号:2p−1のヌクレオチド配列(pは1から63まで変化する)の1つ、
− 又は、遺伝子コードの縮重により前記ヌクレオチド配列の1つに由来し、そして配列番号:2p(pは1から63まで変化する)をコードする、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸による置換、欠失、又は追加により、前記で定義した配列番号:2p(pは1から63まで変化する)の1つに由来するタンパク質をコードする前記ヌクレオチド配列の1つに由来する、任意のヌクレオチド配列、又は、
− 又は、好ましくは、前記で定義した配列番号:2p(pは1から63まで変化する)に相同なタンパク質をコードする配列番号:2p−1配列の1つと少なくとも約50%の同一性を持つ、前記ヌクレオチド配列の1つと相同な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列と相補的な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列の1つと相補的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能な任意のヌクレオチド配列、
を含むか次の配列により構成されていることを特徴とする。
【0132】
「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」という表現は、ハイブリダイゼーション緩衝液(例えば、0.5XSSC)、60℃のハイブリダイゼーション温度、並びに洗浄液(例えば、1%SDSを添加した0.1XSSC)及び50℃の洗浄温度に特に相当する。
【0133】
また、本発明は組換えベクター(特に、プラスミド、コスミド、ファージ又はウイルスDNA)に関し、これらは前記で定義したヌクレオチド配列、特に、配列番号:2p−1(pは1から63まで変化する)を含む。
【0134】
本発明に記載の好適なベクターは、前記核酸、特に、前記ベクターに挿入された配列番号:2p(pは1から63まで変化する)でコードされるペプチドを宿主細胞で発現させるのに必要な要素を含む。
【0135】
本発明は、特に細菌、ウイルス、酵母、真菌、植物又は哺乳動物細胞から選択された宿主細胞に関し、前記宿主細胞は、特に、前記で定義した組換えベクターを用いて形質転換される。
【0136】
また、本発明は、前記で定義したタンパク質、すなわち、特に配列番号:2p(pは1から63まで変化する)に示されるネトリン4断片に対して特異的であることを特徴とする抗体に関する。
【0137】
また、本発明は有効成分として、
− ネトリン4断片、好ましくは配列番号:2p(pは1から63まで変化する)の1つ、に相当する前記で定義したタンパク質、又は
− 特に、配列番号:2p−1(pは1から63まで変化する)の配列の1つに相当する前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− 特に、配列番号:2p(pは1から63まで変化する)に対する前記で定義した抗体、
を含む医薬組成物に関する。
【0138】
また、本発明は、
− 好ましくは、特に、配列番号:2p(pは1から63まで変化する)配列の1つである、ネトリン4断片に相当する前記で定義したタンパク質、又は
− 特に、配列番号:2p−1(pは1から63まで変化する)配列の1つの前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− 特に、配列番号:2p(pは1から63まで変化する)配列の1つに対する前記で定義した抗体、
の使用に関し、それは内皮細胞の増殖を阻害することを必要とする病変の阻止又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であり、その病変には特に癌及び白血病、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病(Castelman’s disease)及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームにおける病変、のフレームにおけるものが含まれる。
【0139】
本発明はRGM及び新規RGM断片の使用に関する。
【0140】
特に、本発明は、
− 次の配列を含むか又は次の配列により構成されることを特徴とするタンパク質、
* 配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518又は配列番号:520の配列、
* その断片が抗血管形成活性を示すことを条件にとし、前記断片が特に約40から約150のアミノ酸を含み、特に配列番号:354、配列番号:356又は配列番号:358の配列の1つに示される、このタンパク質の断片、
* 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸による置換、欠失、又は追加により、前記で定義した配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518又は配列番号:520の配列、又は前記で定義した断片、に由来する、但しこの由来配列が抗−血管新生活性を提供することを条件とする、任意の配列、又は
* 好ましくは、配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518又は配列番号:520の配列の180位から290位までを含む領域に少なくとも約50%の同一性を有する、配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518又は配列番号:520の配列、または前記で定義した断片に相同な、但しこの相同配列が抗血管新生活性を示すことを条件とする、任意の配列、
− 又は、次のものをコードするヌクレオチド配列を含むか又はそれにより構成されることを特徴とするヌクレオチド配列:
* 前記で定義したタンパク質、
* 又は前記で定義したタンパク質の断片、
* 又は前記で定義したタンパク質に由来する配列、
* 又は前記で定義したタンパク質に相同な配列のいずれかで、
特に前記ヌクレオチド配列が、配列番号:512をコードする配列番号:511ヌクレオチド配列に、又は配列番号:514をコードする配列番号:513ヌクレオチド配列に、配列番号:516をコードする配列番号:515ヌクレオチド配列に、配列番号:518をコードする配列番号:517ヌクレオチド配列に、配列番号:520をコードする配列番号:519ヌクレオチド配列に、配列番号:354をコードする配列番号:353ヌクレオチド配列に、配列番号:356をコードする配列番号:355ヌクレオチド配列に、配列番号:358をコードする配列番号:357ヌクレオチド配列に、対応し、
− 又は、前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、
の使用に関し、それらは内皮細胞の増殖及を阻害することを必要とする非癌性の病変の予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であり、その病変には特に、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、リューマチ性多発性関節炎、血管腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームにおける病変のフレームにおけるものが含まれる。
【0141】
また、本発明は、
* 配列番号:354、配列番号:356又は配列番号:358の配列、又は
* 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸による置換、欠失、又は追加により前記の配列の1つに由来する、但しこの由来配列が抗血管新生活性を提供することを条件とする、任意の配列、又は
* 好ましくは、配列番号:512の配列の180位から290位までを含む領域に少なくとも約50%の同一性を有する、但しこの相同配列が抗−血管新生活性を示すことを条件とする、前記の配列の1つに由来する任意の配列、
の1つを含むか又はそれにより構成されることを特徴とするRGM断片に関する。
【0142】
また、本発明は前記で定義したRGM断片の1つをコードするヌクレオチド配列に関する。
【0143】
本発明に記載される好適なヌクレオチド配列は、
− 配列番号:353、配列番号:355、又は配列番号:357のヌクレオチド配列、
− 又は、遺伝子コードの縮重により前記ヌクレオチド配列の1つに由来し、配列番号:354、配列番号:356、又は配列番号:358に示されるタンパク質をコードする、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、特に、1つ又はそれ以上のヌクレオチドによる置換、欠失、又は追加により、前記で定義した配列番号:354、配列番号:356、又は配列番号:358に由来するタンパク質をコードする前記ヌクレオチド配列の1つに由来する、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、好ましくは、前記で定義した配列番号:354、配列番号:356、又は配列番号:358と相同なタンパク質をコードする、配列番号:353、配列番号:355、又は配列番号:357の配列と少なくとも約50%の同一性を有する、前記ヌクレオチド配列の1つと相同な、任意のヌクレオチド配列。
− 又は、前記配列と相補的な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列の1つと相補的な任意のヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能な、任意のヌクレオチド配列、
を含むか又はその配列により構成されることを特徴とする。
【0144】
「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」という表現は、ハイブリダイゼーション緩衝液(例えば、0.5XSSC)、60℃のハイブリダイゼーション温度、並びに洗浄液(例えば、1%SDSを添加した0.1XSSC)及び50℃の洗浄温度に特に相当する。
【0145】
また、本発明は組換えベクター(特に、プラスミド、コスミド、ファージ又はウイルスDNA)に関し、前記組換えベクターは好ましくは、前記ベクターに挿入された前記核酸によりコードされたポリペプチドを宿主細胞に発現させるために必要な要素を含む。
【0146】
また、本発明は、特に細菌、ウイルス、酵母、真菌、植物又は哺乳動物細胞から選択された宿主細胞に関し、前記宿主細胞は、特に、前記で定義した組換えベクターを用いて形質転換される。
【0147】
本発明は、RGMの前記断片の1つに対して特異的であることを特徴とする、抗体に関する。
【0148】
また、本発明は有効成分として、
− RGMの前記断片の1つ、又は
− RGMの前記断片の1つをコードする、前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− RGMの前記断片の1つに向けられた、前記で定義した抗体、
を含む医薬組成物に関する。
【0149】
また、本発明は、
− RGMの前記断片の1つ、又は
− RGMの前記断片の1つをコードする、前記で定義したヌクレオチド配列、又は
− RGMの前記断片の1つに向けられた、前記で定義した抗体、
の使用に関し、それらは内皮細胞の増殖を阻害することを必要とする病変の阻止又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であり、その病変には特に、癌及び白血病、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームにおける病変のフレームにおけるものが含まれる。
【0150】
また、本発明はネトリン1断片、ネトリン3およびその断片、ネトリンG1及びその断片、並びに相当する新規断片の使用に関する。
【0151】
特に、本発明は、
− 次の配列を含むか又は次の配列により構成されることを特徴とするタンパク質:
* 配列番号:506の配列、又は配列番号:508の配列に示されるネトリンG1、又は配列番号:510の配列に示されるネトリン3、
* 前記断片が、特に、約40から約400のアミノ酸を含み、そして、特に、配列番号:2m(mは64から176まで変化する)の1つの配列、又は配列番号:372の配列により示される、但しその断片が抗血管新生活性を示すことを条件とした、これらタンパク質の1つ又は配列番号:502、又は配列番号:504の配列に示されるネトリン1の断片、
* 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸による置換、欠失、又は追加により、配列番号:506、配列番号:508、配列番号:510の配列、又は前記で定義した断片に由来する、但しその由来配列が抗血管新生活性を示すことを条件とした、任意の配列、又は
* 好ましくは、配列番号:506の配列のアミノ酸296位と438位の間を含む領域と少なくとも約50%の同一性を有する、配列番号:506、配列番号:508、配列番号:510の配列、又は前記で定義した断片と相同な、但しその相同な配列が抗血管新生抑制活性を示すことを条件とした、任意の配列、
− 又は、次の配列をコードするヌクレオチド配列を含むか又はそれにより構成されることを特徴とするヌクレオチド配列:
* 前記で定義したタンパク質、
* 又は前記で定義したタンパク質の断片、
* 又は前記で定義したタンパク質の1つに由来する配列、
* 又は前記で定義したタンパク質1つに相同な配列のいずれかで、
特に、配列番号:506をコードする配列番号:505のヌクレオチド配列、又は配列番号:508をコードする配列番号:507のヌクレオチド配列、又は配列番号:510をコードする配列番号:509のヌクレオチド配列、又は配列番号:2mをコードする配列番号:2m−1の配列(mは64から176まで変化する)、配列番号:372をコードする配列番号:371配列、
− 又は、前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、
− 又は、前記で定義したタンパク質の1つの抗体、
− 又は、前記で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の使用であって、それらは内皮細胞の増殖を阻害することを必要とする病変の阻止又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であり、その病変には、特に、癌及び白血病、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症又、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームにおける病変のフレームにおけるものが含まれる。
【0152】
配列番号:2mの前記配列は配列番号:128から配列番号:352までのタンパク質配列、すなわち、次のタンパク質配列に相当する:配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:144、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号:162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、配列番号:262、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、配列番号:296、配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332、配列番号:334、配列番号:336、配列番号:338、配列番号:340、配列番号:342、配列番号:344、配列番号:346、配列番号:348、配列番号:350、配列番号:352。
【0153】
配列番号:2m−1の前記配列は配列番号:2mの前記タンパク質配列をコードし、そして次のヌクレオチド配列に相当する:配列番号:128をコードする配列番号:127、配列番号:130をコードする配列番号:129、配列番号:132をコードする配列番号:131、配列番号:134をコードする配列番号:133、配列番号:136をコードする配列番号:135、配列番号:138をコードする配列番号:137、配列番号:140をコードする配列番号:139、配列番号:142をコードする配列番号:141、配列番号:144をコードする配列番号:143、配列番号:146をコードする配列番号:145、配列番号:148をコードする配列番号:147、配列番号:150をコードする配列番号:149、配列番号:152をコードする配列番号:151、配列番号:154をコードする配列番号:153、配列番号:156をコードする配列番号:155、配列番号:158をコードする配列番号:157、配列番号:160をコードする配列番号:159、配列番号:162をコードする配列番号:161、配列番号:164をコードする配列番号:163、配列番号:166をコードする配列番号:165、配列番号:168をコードする配列番号:167、配列番号:170をコードする配列番号:169、配列番号:172をコードする配列番号:171、配列番号:174をコードする配列番号:173、配列番号:176をコードする配列番号:175、配列番号:178をコードする配列番号:177、配列番号:180をコードする配列番号:179、配列番号:182をコードする配列番号:181、配列番号:184をコードする配列番号:183、配列番号:186をコードする配列番号:185、配列番号:188をコードする配列番号:187、配列番号:190をコードする配列番号:189、配列番号:192をコードする配列番号:191、配列番号:194をコードする配列番号:193、配列番号:196をコードする配列番号:195、配列番号:198をコードする配列番号:197、配列番号:200をコードする配列番号:199、配列番号:202をコードする配列番号:201、配列番号:204をコードする配列番号:203、配列番号:206をコードする配列番号:205、配列番号:208をコードする配列番号:207、配列番号:210をコードする配列番号:209、配列番号:212をコードする配列番号:211、配列番号:214をコードする配列番号:213、配列番号:216をコードする配列番号:215、配列番号:218をコードする配列番号:217、配列番号:220をコードする配列番号:219、配列番号:222をコードする配列番号:221、配列番号:224をコードする配列番号:223、配列番号:226をコードする配列番号:225、配列番号:228をコードする配列番号:227、配列番号:230をコードする配列番号:229、配列番号:232をコードする配列番号:231、配列番号:234をコードする配列番号:233、配列番号:236をコードする配列番号:235、配列番号:238をコードする配列番号:237、配列番号:240をコードする配列番号:239、配列番号:242をコードする配列番号:241、配列番号:244をコードする配列番号:243、配列番号:246をコードする配列番号:245、配列番号:248をコードする配列番号:247、配列番号:250をコードする配列番号:249、配列番号:252をコードする配列番号:251、配列番号:254をコードする配列番号:253、配列番号:256をコードする配列番号:255、配列番号:258をコードする配列番号:257、配列番号:260をコードする配列番号:259、配列番号:262をコードする配列番号:261、配列番号:264をコードする配列番号:263、配列番号:266をコードする配列番号:265、配列番号:268をコードする配列番号:267、配列番号:270をコードする配列番号:269、配列番号:272をコードする配列番号:271、配列番号:274をコードする配列番号:273、配列番号:276をコードする配列番号:275、配列番号:278をコードする配列番号:277、配列番号:280をコードする配列番号:279、配列番号:282をコードする配列番号:281、配列番号:284をコードする配列番号:283、配列番号:286をコードする配列番号:285、配列番号:288をコードする配列番号:287、配列番号:290をコードする配列番号:289、配列番号:292をコードする配列番号:291、配列番号:294をコードする配列番号:293、配列番号:296をコードする配列番号:295、配列番号:298をコードする配列番号:297、配列番号:300をコードする配列番号:299、配列番号:302をコードする配列番号:301、配列番号:304をコードする配列番号:303、配列番号:306をコードする配列番号:305、配列番号:308をコードする配列番号:307、配列番号:310をコードする配列番号:309、配列番号:312をコードする配列番号:311、配列番号:314をコードする配列番号:313、配列番号:316をコードする配列番号:315、配列番号:318をコードする配列番号:3178、配列番号:320をコードする配列番号:319、配列番号:322をコードする配列番号:321、配列番号:324をコードする配列番号:323、配列番号:326をコードする配列番号:325、配列番号:328をコードする配列番号:327、配列番号:330をコードする配列番号:329、配列番号:332をコードする配列番号:331、配列番号:334をコードする配列番号:333、配列番号:336をコードする配列番号:335、配列番号:338をコードする配列番号:337、配列番号:340をコードする配列番号:339、配列番号:342をコードする配列番号:341、配列番号:344をコードする配列番号:343、配列番号:346をコードする配列番号:345、配列番号:348をコードする配列番号:347、配列番号:350をコードする配列番号:349、配列番号:352をコードする配列番号:351。
【0154】
本発明は、
− 配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列、又は
− 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸の置換、欠失又は追加により、前記配列の1つに由来する、但しその由来する配列が抗血管新生活性を有していることを条件にした、任意の配列、又は
− 好ましくは、配列番号:502の配列のアミノ酸284位と487位の間を含む領域と少なくとも約50%の同一性を有する、前記配列の1つと相同な、但しその相同配列が抗血管新生活性を有していることを条件とした、そして前記タンパク質が配列番号:502又は配列番号:504の配列と異なることを条件とした、任意の配列、
の1つを含む又はそれにより構成されていることを特徴とする、タンパク質に関する。
【0155】
配列番号:2iの前記配列はネトリン1断片であり、そして配列番号:128から配列番号:262のタンパク質配列、すなわち、次のタンパク質配列に相当する:配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:144、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号:162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、又は配列番号:262。
【0156】
また、本発明は、
− 配列番号:2j(jは132から148まで変化する)の配列、又は
− 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸の置換、欠失又は追加により、前記配列の1つに由来する、但しその由来する配列が抗血管新生活性を有していることを条件とした、任意の配列、又は
− 好ましくは、配列番号:506の配列のアミノ酸296位と438位の間を含む領域と少なくとも約50%の同一性を有する、前記配列の1つと相同な、但しその相同配列が抗血管新生活性を有していることを条件とした、任意の配列、
の1つを含むか又はそれにより構成されていることを特徴とする、ネトリンG1断片に関する。
【0157】
配列番号:2jの前記配列は、配列番号:264から配列番号:296のタンパク質配列、すなわち、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、又は配列番号:296のタンパク質配列に相当する。
【0158】
また、本発明は、
− 配列番号:2k(kは149から176まで変化する)の配列、又は
− 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸の置換、欠失又は追加により、前記配列の1つに由来する、但しその由来する配列が抗血管新生活性を有していることを条件とした、任意の配列、又は
− 好ましくは、配列番号:510の配列のアミノ酸254位と433位の間を含む領域と少なくとも約50%の同一性を有する、前記配列の1つと相同な、但しその相同配列が抗血管新生活性を有していることを条件とした、任意の配列、
の1つを含むか又はそれにより構成されていることを特徴とする、ネトリン3断片に関する。
【0159】
配列番号:2kの前記配列は配列番号:298から352までのタンパク質配列、すなわち、次のタンパク質配列に相当する:配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号:314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332、配列番号:334、配列番号:336、配列番号:338、配列番号:340、配列番号:342、配列番号:344、配列番号:346、配列番号:348、配列番号:350、又は配列番号:352。
【0160】
また、本発明は、前記で定義したタンパク質をコードするヌクレオチド配列、すなわち、ネトリン1の断片をコードするヌクレオチド配列に関する。
【0161】
本発明に記載の好適なヌクレオチド配列は、
− 配列番号:2i−1(iは64から131まで変化する)の配列、又は
− 又は、遺伝子コードの縮重により前記ヌクレオチド配列の1つから由来し、そして配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列の1つにより示されるタンパク質をコードする、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、特に、1つ又はそれ以上のヌクレオチドの置換、欠失又は追加により、配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列の1つにより示されるタンパク質をコードする前記ヌクレオチド配列の1つに由来する、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、好ましくは、配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列の1つにより示されるタンパク質をコードする配列番号:2i−1の配列の1つと少なくとも約50%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の1つと相同な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記ヌクレオチド配列と相同な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記ヌクレオチド配列の1つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能な、但し前記ヌクレオチド配列が、配列番号:501又は配列番号:503の配列と異なることを条件とした、任意のヌクレオチド配列、
を含むか又はそれにより構成されていることを特徴とする。
【0162】
配列番号:2i−1の前記配列は配列番号:2iで示されるネトリン1の前記断片をコードし、そして次のヌクレオチド配列に相当する:配列番号:128をコードする配列番号:127、配列番号:130をコードする配列番号:129、配列番号:132をコードする配列番号:131、配列番号:134をコードする配列番号:133、配列番号:136をコードする配列番号:135、配列番号:138をコードする配列番号:137、配列番号:140をコードする配列番号:139、配列番号:142をコードする配列番号:141、配列番号:144をコードする配列番号:143、配列番号:146をコードする配列番号:145、配列番号:148をコードする配列番号:147、配列番号:150をコードする配列番号:149、配列番号:152をコードする配列番号:151、配列番号:154をコードする配列番号:153、配列番号:156をコードする配列番号:155、配列番号:158をコードする配列番号:157、配列番号:160をコードする配列番号:159、配列番号:162をコードする配列番号:161、配列番号:164をコードする配列番号:163、配列番号:166をコードする配列番号:165、配列番号:168をコードする配列番号:167、配列番号:170をコードする配列番号:169、配列番号:172をコードする配列番号:171、配列番号:174をコードする配列番号:173、配列番号:176をコードする配列番号:175、配列番号:178をコードする配列番号:177、配列番号:180をコードする配列番号:179、配列番号:182をコードする配列番号:181、配列番号:184をコードする配列番号:183、配列番号:186をコードする配列番号:185、配列番号:188をコードする配列番号:187、配列番号:190をコードする配列番号:189、配列番号:192をコードする配列番号:191、配列番号:194をコードする配列番号:193、配列番号:196をコードする配列番号:195、配列番号:198をコードする配列番号:197、配列番号:200をコードする配列番号:199、配列番号:202をコードする配列番号:201、配列番号:204をコードする配列番号:203、配列番号:206をコードする配列番号:205、配列番号:208をコードする配列番号:207、配列番号:210をコードする配列番号:209、配列番号:212をコードする配列番号:211、配列番号:214をコードする配列番号:213、配列番号:216をコードする配列番号:215、配列番号:218をコードする配列番号:217、配列番号:220をコードする配列番号:219、配列番号:222をコードする配列番号:221、配列番号:224をコードする配列番号:223、配列番号:226をコードする配列番号:225、配列番号:228をコードする配列番号:227、配列番号:230をコードする配列番号:229、配列番号:232をコードする配列番号:231、配列番号:234をコードする 配列番号:233、配列番号:236をコードする配列番号:235、配列番号:238をコードする配列番号:237、配列番号:240をコードする配列番号:239、配列番号:242をコードする配列番号:241、配列番号:244をコードする配列番号:243、配列番号:246をコードする配列番号:245、配列番号:248をコードする配列番号:247、配列番号:250をコードする配列番号:249、配列番号:252をコードする配列番号:251、配列番号:254をコードする配列番号:253、配列番号:256をコードする配列番号:255、配列番号:258をコードする配列番号:257、配列番号:260をコードする配列番号:259、又は配列番号:262をコードする配列番号:261。
【0163】
また、本発明は有効成分として、
− 前記で定義したネトリン1断片に相当するタンパク質、又は
− 前記で定義したネトリン1断片をコードするヌクレオチド配列、又
は
− 前記で定義したタンパク質に特異的に向けられていることを特徴とする抗体、又は
− 前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、又は
− 前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体のFab断片、
を含む医薬組成物に関する。
【0164】
本発明は、
− 前記で定義したネトリン1断片に相当するタンパク質、又は
− 前記で定義した前記ネトリン1断片をコードするヌクレオチド配列、又は
− 前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、
の使用に関し、それは内皮細胞の増殖及び/又は遊走を阻害することを必要とする病変の阻止又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であり、その病変には、特に癌及び白血病、加齢性黄斑変性症、脈絡膜新生血管性複雑近視、特に移植拒絶における角膜新血管形成、緑内障、糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、糖尿病性網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームにおける病変のフレームにおけるものが含まれる。
【0165】
また、本発明は、
− 前記で定義したタンパク質に対して特異的に向けられていることを特徴とする抗体、又は
− 前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の使用に関し、これらは内皮細胞の増殖及び/又は遊走を阻害することを必要とする病変の阻止又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であり、その病変には特に、虚血性病変、例えば、下肢動脈の虚血性病変、心筋梗塞、脳血管障害、強皮症、又はレイノー病のフレームおけるものが含まれる。
【0166】
また、本発明は前記で定義したタンパク質をコードするヌクレオチド配列、すなわち、ネトリンG1断片をコードするヌクレオチド配列に関する。
【0167】
本発明に記載の好適なヌクレオチド配列は、
− 配列番号:2j−1(jは132から148まで変化する)の配列のヌクレオチド配列、
− 又は、遺伝子コードの縮重により、前記ヌクレオチド配列の1つに由来し、そして配列番号:2j(jは132から148まで変化する)の配列の1つに示されるタンパク質をコードする、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、特に、1つ又はそれ以上のヌクレオチドの置換、欠失又は追加により、配列番号:2j(jは132から148まで変化する)の配列の1つにより示されるタンパク質をコードする前記ヌクレオチド配列の1つに由来する、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、好ましくは、前記で定義した配列番号:2j(jは132から148まで変化する)の配列の1つに由来するタンパク質をコードする配列番号:2j−1の配列の1つと少なくとも約50%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の1つ、と相同な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列に相補的な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記ヌクレオチド配列の1つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能な、任意のヌクレオチド配列、
を含むか又はそれにより構成されていることを特徴とする。
【0168】
配列番号:2j−1の前記配列は配列番号:2jで示されるネトリンG1の前記断片をコードし、そして次のヌクレオチド配列に相当する:配列番号:264をコードする配列番号:263、配列番号:266をコードする配列番号:265、配列番号:268をコードする配列番号:267、配列番号:270をコードする配列番号:269、配列番号:272をコードする配列番号:271、配列番号:274をコードする配列番号:273、配列番号:276をコードする配列番号:275、配列番号:278をコードする配列番号:277、配列番号:280をコードする配列番号:279、配列番号:282をコードする配列番号:281、配列番号:284をコードする配列番号:283、配列番号:286をコードする配列番号:285、配列番号:288をコードする配列番号:287、配列番号:290をコードする配列番号:289、配列番号:292をコードする配列番号:291、配列番号:294をコードする配列番号:293又は配列番号:296をコードする配列番号:295。
【0169】
また、本発明は前記で定義したタンパク質をコードするヌクレオチド配列、すなわち、ネトリン3断片をコードするヌクレオチド配列、に関する。
【0170】
本発明に記載の好適なヌクレオチド配列は、
− 配列番号:2k−1(kは149から176まで変化する)のヌクレオチド配列、
− 又は、遺伝子コードの縮重により、前記ヌクレオチド配列の1つに由来し、配列番号:2k(kは149から176まで変化する)の配列の1つに示されるタンパク質をコードする、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、特に、1つ又はそれ以上のヌクレオチドの置換、欠失又は追加により、配列番号:2k(kは149から176まで変化する)の配列の1つに由来するタンパク質をコードする前記ヌクレオチド配列の1つに由来する、任意のヌクレオチド配列、
− 又は、好ましくは、前記で定義した配列番号:2kの配列の1つ相同なタンパク質をコードする配列番号:2k−1の配列(kは149から176まで変化する)の1つと少なくとも約50%の同一性を有する、前記ヌクレオチド配列の1つと相同な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列に相補的な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記ヌクレオチド配列の1つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能な、任意のヌクレオチド配列、
を含むか又はそれにより構成されていることを特徴とする。
【0171】
配列番号:2k−1の前記配列は配列番号:2kで示されるネトリン3の前記断片をコードし、そして次のヌクレオチド配列に相当する:配列番号:298をコードする配列番号:297、配列番号:300をコードする配列番号:299、配列番号:302をコードする配列番号:301、配列番号:304をコードする配列番号:303、配列番号:306をコードする配列番号:305、配列番号:308をコードする配列番号:307、配列番号:310をコードする配列番号:309、配列番号:312をコードする配列番号:311、配列番号:314をコードする配列番号:313、配列番号:316をコードする配列番号:315、配列番号:318をコードする配列番号:317、配列番号:320をコードする配列番号:319、配列番号:322をコードする配列番号:321、配列番号:324をコードする配列番号:323、配列番号:326をコードする配列番号:325、配列番号:328をコードする配列番号:327、配列番号:330をコードする配列番号:329、配列番号:332をコードする配列番号:331、配列番号:334をコードする配列番号:333、配列番号:336をコードする配列番号:335、配列番号:338をコードする配列番号:337、配列番号:340をコードする配列番号:339、配列番号:342をコードする配列番号:341、配列番号:344をコードする配列番号:343、配列番号:346をコードする配列番号:345、配列番号:348をコードする配列番号:347、配列番号:350をコードする配列番号:349、又は配列番号:352をコードする配列番号:351。
【0172】
また、本発明は組換えベクター(特に、プラスミド、コスミド、ファージ又はウイルスDNA)に関し、これらは前記で定義したヌクレオチド配列、すなわち、前記で定義したネトリン1、ネトリン3、又はネトリンGの断片の1つをコードするヌクレオチド配列を含み、前記の組換えベクターは、特に、前記ベクター中に挿入された核酸によりコードされるポリペプチドを宿主細胞で発現させるのに必要な要素を含むことを特徴とする。
【0173】
また、本発明は、特に細菌、ウイルス、酵母、真菌、植物又は哺乳動物細胞から選択された宿主細胞に関し、前記宿主細胞は、特に、前記で定義した組換えベクターを用いて形質転換される。
【0174】
また、本発明は、前記で定義したタンパク質、すなわち、前記で定義した、特に、ネトリン1、ネトリン3、又はネトリンGの断片、に対して特異的であることを特徴とする抗体に関する。
【0175】
また、本発明は、有効成分として、
− 前記で定義したネトリン1、ネトリン3、又はネトリンGの断片の1つ、又は
− 前記で定義したネトリン1、ネトリン3、又はネトリンGの前記断片の1つをコードするヌクレオチド配列、又は
− 前記のネトリン1、ネトリン3、又はネトリンGの断片の1つに特異的に向けられていることを特徴とする前記で定義した抗体、又は
− 前記で定義したネトリン1、ネトリン3、又はネトリンGの抗イディオタイプ抗体、又は
− 前記で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
を含む医薬組成物に関する。
【0176】
本発明は、
− 次の配列を含むか又はそれにより構成されることを特徴とするタンパク質:
− 配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列、又は
− 又は、特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸の置換、欠失又は追加により、前記配列の1つに由来する、但しその由来配列が抗血管新生活性を示すことを条件とした、任意の配列、又は
− 又は、好ましくは、配列番号:502のアミノ酸284位及び487位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を持つ、但し前記配列が抗血管新生活性を有することを条件とした、また、前記タンパク質が配列番号:502又は配列番号:504の配列と異なることを条件とした、前記配列の1つと相同な任意の配列、
− 又は、前記タンパク質の1つをコードするヌクレオチド配列、
− 又は、前記で定義したタンパク質に対して特異的に向けられていることを特徴とする抗体、
− 又は、前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、
− 又は、前で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の使用に関し、それらは内皮細胞の増殖を阻害することを必要とする病変の阻止又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であり、その病変には、特に、癌及び白血病、脈絡膜新生血管性複雑近視、特に移植拒絶における角膜新血管形成、緑内障、糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームにおける病変、のフレームにおけるものが含まれる。
【0177】
本発明はネトリンの新規使用に関する。
【0178】
特に、本発明は、
− 次の配列を含むか又はそれにより構成されることを特徴とするタンパク質:
* 配列番号:506の配列又は配列番号:508の配列に示されるネトリンG1、又は配列番号:510の配列に示されるネトリン3、又は配列番号:498の配列又は配列番号:500の配列に示されるネトリン4、
* これらタンパク質の1つ又は配列番号:502又は配列番号:504の配列で示される、但しその断片が周皮細胞の活性化活性を示すことを条件とした、ネトリン1の断片で、特に、前記断片が約40から約400までのアミノ酸を含み、そして、特に、配列番号:2m(mは1から176まで変化する)の1つ、又は配列番号:372の配列で示されること、又は
* 特に、1つ又はそれ以上のアミノ酸の置換、欠失又は追加により、前記配列の1つに由来する、但しその由来する配列が周皮細胞の活性化活性を示すことを条件とした、配列番号:506、配列番号:508、配列番号:510、配列番号:498、配列番号:500の配列に由来する又は前記で定義した断片の、任意の配列、又は
* 好ましくは、配列番号:506のアミノ酸296位及び438位の間を含む領域と少なくとも約50%の同一性を持つ、配列番号:506、配列番号:508、配列番号:510、配列番号:498、配列番号:500、の配列と、又は前記断片の1つと相同な、但しその相同配列が周皮細胞の活性化活性を示すことを条件とした、任意の配列、
− 又は、次のものをコードするヌクレオチド配列を含むか又はそれにより構成されていることを特徴とするヌクレオチド配列:
* 前記で定義したタンパク質、
* 又は前記で定義したタンパク質の1つの断片、
* 又は前記で定義したタンパク質の1つに由来する配列、
* 又は前記で定義したタンパク質の1つに相同な配列のいずれかで、
前記ヌクレオチド配列が、特に、配列番号:506をコードする配列番号:505のヌクレオチド配列、配列番号:508をコードする配列番号:507のヌクレオチド配列、配列番号:510をコードする配列番号:509のヌクレオチド配列、配列番号:498をコードする配列番号:497のヌクレオチド配列、配列番号:500をコードする配列番号:499のヌクレオチド配列、又は配列番号:2mをコードする配列番号:2m−1の配列(mは1から176まで変化する)又は配列番号:372をコードする配列番号:371の配列、に相当する、
− 又は、前記で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、
− 又は、前記で定義したタンパク質の1つの抗体、
− 又は、前記で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の使用であって、これらは周皮細胞又は平滑筋細胞の消耗と関連した又はそれにより引き起こされる、非癌性の病変の予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用である。
【0179】
また、本発明は約0.1から約20mg/kgの割合で投与可能な薬剤の製造のための配列番号:498又は配列番号:500の配列に示される上記で定義したネトリン4タンパク質の使用に関するもので、特に、その投与としては静脈ルート、皮下ルート、全身ルート、硝子体内注射、浸透又は洗眼液による局所ルート、場合により電気透過法との組み合わせが挙げられる。
【0180】
また、本発明は、アテローム・プラーク形成の阻害活性を前記増殖又は遊走テストにより測定することを特徴とし、また、この阻害活性が、前記のタンパク質、又はヌクレオチド配列、又は抗イディオタイプ抗体の非存在下で得られた値の20%から100%の阻害百分率に相当することを特徴とする、前記で定義した使用に関する。
【0181】
抗アテローム活性はArnal et al. (2003)に記載のテストにより測定される。
【0182】
好適な実施態様によれば、本発明は、前記で定義したネトリン、特に配列番号:522又は配列番号:524の配列及び配列番号:498又は配列番号:500の配列に示される、変異又は非変異のネトリン4タンパク質の抗イディオタイプ抗体であって、周皮細胞又は平滑筋細胞の表面のUNC5H4レセプターを認識する抗イディオタイプ抗体の使用に関するものであり、
− 加齢性黄斑変性症、脈絡膜新生血管性複雑近視、
− 糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、
− 血管新生緑内障(角膜の、網膜のなど)、
− 特に、移植拒絶における、角膜血管新生、
− リューマチ性多発性関節炎、
− 乾癬、特に、乾癬性多発性関節炎、
− 血管腫、
− アテローム性動脈硬化症、
− 肥満症、
− 腸奇形、
− クローン病、
− カダシルを例とする、血管性、皮質下血管性認知症、
− アルツハイマー病、
− 変性骨病変及び骨折、及び
− 動脈瘤及び血管解離、
の病変の予防又は治療を意図した薬剤の製造のため使用に関する。
【0183】
また、本発明は、周皮細胞又は平滑筋細胞の増殖又は遊走を活性化する化合物のスクリーニング方法を実施するための、周皮細胞又は平滑筋細胞の表面のUNC5H4レセプター、又はこれらレセプターを細胞表面に有する周皮細胞又は平滑筋細胞の使用に関する。
【0184】
本発明は、以下の段階、
− ネトリン4のUNC5H4レセプターへの結合の阻害、又はネトリン又は他の任意のネトリン型因子の平滑筋細胞又周皮細胞に対する分裂、走化性、抗アポトーシス活性、又は分化の阻害の測定及び
− UNC5H4レセプターの中和抗体を添加することによる、ネトリン又は他の任意のネトリン型因子による平滑筋細胞又は周皮細胞の分裂、走化性、抗アポトーシス活性、又は分化の阻害の喪失の測定、
を含むことを特徴とする、周皮細胞又は平滑筋細胞の増殖又は遊走を活性化する化合物のスクリーニング方法に関する。
【0185】
このスクリーニング方法のフレームにおいて使用されるテストは、前記の増殖又は遊走テストである。
【0186】
本発明は、以下の段階、
− 前記修飾用化合物とUNC5H4レセプター及びネトリン4を一緒に合わせること、及び
− UNC5H4レセプターとネトリン4の間の結合を修飾する前記化合物の特性の指標である、前記化合物非存在下での正常レベルに比較した前記化合物存在下のレベルの差異について、UNC5H4レセプターとネトリン4の間の特異的結合を測定すること、
を含むことを特徴とする、UNC5H4レセプターと、配列番号:522又は配列番号:524の配列、又は配列番号:498又は配列番号:500の配列に示される変異又は非変異のネトリン4との結合を修飾する化合物のスクリーニング方法に関する。
【0187】
スクリーニングテストは次に様に実施される:
【0188】
ヒトIgGのFcドメインに対するヒツジ免疫グロブリンは、マイクロタイタープレートにインキュベートする(pH9.6の50mMの炭酸緩衝液中に0.1−20μg/ml)。同一緩衝液に血清アルブミンを5mg/mlに希釈した溶液で非特異的部位を飽和した後に、UNC5H4レセプターの細胞外ドメインをヒトIgGのFc配列を融合させたものを含むタンパク質をマイクロタイタープレートに固定化する(1及び1000ng/mlの間の濃度でインキュベート)。0.05%のTween20および10−500pg及び任意の好都合な方法で標識したネトリン1、3、4又はG(放射性ヨード、ビオチン、蛍光色素)を含むPBS緩衝液に、化合物の希釈系列を添加した。洗浄した後に、ペルオキシダーゼを結合した適切な濃度の抗ネトリン抗体を加えるか、放射能を測定するか、又はペルオキシダーゼを結合したアビジンを加えるか、又は蛍光を測定することで、レセプターに結合したネトリンの量は示される。次いで、ペルオキシダーゼは発色反応で示される。全ての場合で、テストすべき化合物の量は、結合ネトリンの量を阻害する能力で測定された。
【表6】
【図面の簡単な説明】
【0189】
[実験部分]
【図1】図1はHUAEC細胞の遊走試験に相当する。細胞は8視野で数え、平均と標準偏差をy軸に示す。x軸は50ng/mlのVEGF(血管内皮成長因子)存在下(V50)又は非存在下におけるネトリン4タンパク質のng/mlで表示した濃度に相当する。
【図2】図2は大動脈平滑筋細胞の遊走テストに相当する。細胞は8視野で数え、平均と標準偏差をy軸に示す。x軸はネトリン1及びネトリン4タンパク質のng/mlで表示した濃度に相当する。白いカラムは0ng/mlの濃度に相当する;縦線のカラムは6ng/mlの濃度に相当する;横線のカラムは18ng/mlの濃度に相当する;斜線のカラムは55ng/mlの濃度に相当する;灰色のカラムは160ng/mlの濃度に相当しそして黒いカラムは500ng/mlの濃度に相当する。
【図3】図3はHUAEC細胞増殖テストに相当する。x軸は図に示すように、2ng/mlのVEGF又はFGF2の存在下でのネトリン4タンパク質に(500ng/ml)濃度に、そしてy軸は増殖百分率に相当する。黒いカラムはコントロールに相当する;白いカラムは500ng/mlのネトリン4存在下における増殖百分率に相当し、そして灰色のカラムは500ng/mlのネトリン4及び5μg/mlのネオゲニン・レセプターに対するIgG存在下における増殖百分率に相当する。
【図4】図4はネトリン4(NET−4)、ネトリン1(NET−1)及びネトリンG1(NET−G1)のVSMの増殖に対する効果の分析に相当する。ダイアモンドで示される曲線はネトリン4に相当する。四角で示される曲線はネトリンG1に相当する。三角で示される曲線はネトリン1に相当する。
【図5】図5はVSM増殖に対する抗ネオゲニン抗体の効果を示す。y軸は595nmにおける吸光度を示す。白いカラムは抗ネオゲニン抗体非存在下における増殖に、そして黒いカラムは5μg/mlの抗ネオゲニン抗体の存在下における増殖に相当する。
【図6】図6はHUAEC細胞アポトーシステストに相当する。x軸は、図に示すように、50ng/mlのVEGF又はFGF2の存在下でのネトリン4タンパク質(500ng/ml)濃度に、そしてy軸はアポトーシス百分率に相当する。白いカラムはネトリン4非存在下におけるコントロールに相当する;灰色のカラムは500ng/mlのネトリン4存在下におけるアポトーシスの百分率に相当する。
【図7A】図7Aは大動脈平滑筋細胞の増殖テストに相当する。x軸はng/mlで表示したネトリン4タンパク質又は変異ネトリン4タンパク質の濃度に、そしてy軸は増殖百分率に相当する。四角で示される左の曲線は変異ネトリン4に相当する。ダイアモンドで示される右の曲線はネトリン4に相当する。
【図7B】図7Bは大動脈平滑筋細胞の遊走テストに相当する。細胞は8視野で数え、平均と標準偏差をy軸に示す。x軸はng/mlで表示したネトリン4タンパク質及び変異ネトリン4タンパク質の濃度に相当する。四角で示す曲線は変異ネトリン4に相当する。ダイアモンドで示す曲線はネトリン4に相当する。
【図8】図8は、変異(クローン1及びクローン5)又は非変異(クローン8、10、及び15)ネトリン4を導入したPC3細胞の上清の効果を調べるための、HUAEC細胞増殖テストに相当する。y軸は増殖百分率に相当する。カラム1はコントロールに(DMEMのみ)に相当する;カラム2は非導入PC3細胞に相当する;カラム3はクローン1に相当する;カラム4はクローン5に相当する;カラム5はクローン8に相当する;カラム6はクローン10に相当する;カラム7はクローン15に相当する。
【図9】図9は腫瘍進行の分析に相当する。x軸は日で表した時間に相当し、d=0は腫瘍の移植が実施された日を示す。Y軸は腫瘍の体積(mm3で)に相当する。ダイアモンドを含む曲線は非導入のPC3細胞に相当する。四角を含む曲線はクローン1を導入したPC3細胞に相当する。三角を含む曲線はクローン5を導入したPC3細胞に相当する。
【図10】図10はアバスチン存在下における腫瘍の進行の分析に相当する。y軸は処置前に測定された腫瘍体積に対する処置後の腫瘍体積の比率に相当する。カラム1は非導入PC3細胞に相当する;カラム2はクローン8のPC3に相当する;カラム3はクローン10のPC3に相当する;カラム4はクローン15のPC3に相当する。
【図11】図11A及び11Bはマウス脈絡膜血管形成に対するネトリン4効果の分析に相当する。図11Aでは、1μlのPBSを注射された。図11Bでは、1μgのネトリン4を含む1μlのPBSを注射された。内皮細胞は免疫標識により示し、それらは図11Aおよび11Bに白く見える。
【図12】図12A、12B、12Cは、中心の灰色のレーザー衝撃周辺に脈絡膜を可視化させている環流蛍光デキストランに相当する。ラットは二回又は三回のレーザー衝撃をD(日)=0に受けて、次いでD=7、D=10に、網膜下に、賦形剤(PBS)のみ(12A)を、又はネトリン1(12B)又は2μgのネトリン4(12C)又は100pgの変異ネトリン4(12D)を含む賦形剤を注射された。D=14にラットは犠牲にし、そして、蛍光レクチンを還流させたが、それにより図に示すように、脈絡膜新生血管が白く、そしてその周りのレーザー衝撃が灰色に可視化することが可能になる。
【図13】図13はネトリン4の欠失変異体の存在下における大動脈平滑筋細胞の遊走テストに相当する。細胞は8視野で数え、平均と標準偏差をy軸に示す。x軸はng/mlで表したネトリン4の濃度に相当する。十字の曲線は非変異ネトリン4に相当する。ダイアモンドの曲線は変異ネトリン4の完全配列を導入した細胞のコンディション培地に相当する。四角の曲線は配列番号:528の配列を導入した細胞のコンディション培地に相当する。
【0190】
[実験部分]
《材料:》
ネトリン1(配列番号:502)、ネトリン4(配列番号:498)、ネトリンG1(配列番号:506)、ネトリン3(配列番号:510)及び変異ネトリン4(配列番号:522)分子は組換えタンパク質である。ネトリン1、ネトリン4及びネトリンG1分子はR&Dより市販されている。
165アミノ酸のVEGFイソフォームは相当するcDNA(Plouet et al., 1997)を含む組換えバキュロウイルスによりSF9昆虫細胞を感染させることで調製される。
ヒト臍帯動脈内皮細胞(HUAEC)は、基底膜を消化するためのコラゲナーゼ(シグマ)を用いて臍帯動脈を還流し、単離した。HUAEC細胞は、15%の熱不活性化ウシ胎児血清(FCS)、100μg/mlのペニシリン及び100μg/mlのストレプトマイシンを添加されたEBM培地(クロネティクス)を用いて、37℃で10%CO2にて維持した。基幹となる培養は2ng/mlのVEGFの添加を二日ごとに受けた。
大動脈平滑筋細胞は15%の熱不活性化ウシ胎児血清(FCS)、100μg/mlのペニシリン及び100μg/mlのストレプトマイシンを添加されたDMEM培地を用いて、37℃で10%CO2にて維持した。基幹となる培養は2ng/mlのVEGFの添加を二日ごとに受けた。
【0191】
[変異ネトリン4の同定]
《変異ネトリン4のクローニング》
ヒト臍帯動脈内皮細胞(HUAEC)の全細胞RNAはトリピュア(ロシュ)を用いて抽出した。次いで、ロシュのRT−PCR(AMV)キットを用い、メーカーの使用説明書に従い、RNAを転写した。
プライマー(5’)−TT CTA GAC ATG GGG AGC TGC GCG CGG−(3‘)(センス)及び(5’)−C ATT AAC GTC GAA CTG ACA GGT ATC−(3’)(アンチセンス)は配列ネトリン4の1−1039の配列の増幅に供され、一方、プライマー(5’)−AG CAC TGT GCC CCG TTA TAC AAT GA−(3‘)(センス)及び(5’)−CGG GAT CCA CTT GCA CTC TCT TTT TAA AAT ATC C(3’)(アンチセンス)はネトリン4の914−1884の配列の増幅に用いられた。
増幅に採用された条件は:94℃で1分間の変性;55℃で1分間のハイブリダイゼーション;及び72℃で1分間の伸長、の35サイクルである。
得られた産物は混合し、プライマー(5’)−TT CTA GAC ATG GGG AGC TGC GCG CGG(3‘)(センス)及び(5’)−CGG GAT CCA CTT GCA CTC TCT TTT TAA AAT ATC C−(3’)(アンチセンス)を用い、サイクル数が35の代わりに25であること以外は前記と同一条件の、新たなPCRを実施するために使用した。ネトリン4の全配列を含むこのPCR産物を中間ベクターであるpCR2.1(インビトロジェン)にクローニングした。XbaI及びBamHIで消化後に、ネトリン4の配列はこのベクターから抽出し、同じ制限酵素で消化したベクターpcDNA3.1(−)/HismycCに挿入した。この最後の変異ネトリン4の全配列を含むベクターは、細胞に導入するために使用した。同一の操作により野生型ネトリン4の配列を用いて、野生型ネトリン4発現ベクターを得た。
変異ネトリン4は、前記に既に記載されたプロトコル(Plouet, 1997)に従い、野生型ネトリン4配列を含むベクターをCHOpgsA745細胞に導入することにより調製された。タンパク質はヘパリン−セファロース親和性クロマトグラフィーにより精製され、不連続なNaCl勾配(0、3;1.0及び2.0MのNaCl。NET4mは2MNaClにより溶出され、その純度は>90%であった)で溶出された。
変異ネトリン4(NET4m)の生物学的活性は、平滑筋細胞増殖テストにより、野生型ネトリン4(NET4)と比較した。図7Aは、NET4mがNET4の1000分の1の濃度で分裂活性の引き金を引くことを示している。同様に、遊走テストでは、NET−4mはNET−4より1000倍の活性を有していることが示されている(図7B参照)。
【0192】
《変異ネトリン4の欠失変異体の構築》
変異ネトリン4(628AA)の完全な配列を含むベクターpcDNA3.1(−)/HismycCを制限酵素BamH1で消化し、ポリメラーゼ1のクレノーフラグメントで処理し、次いで制限酵素PshA1で消化した。この線状化した、中心ドメイン(478−628)を欠失する変異ネトリン4の配列を含むベクターpcDNA3.1(−)/HismycC断片は、次いで、アガロース・ゲル・マイグレーションにより単離し、キアジェン(Qiagen)カラムで精製した。従って、ライゲーション後に、中心ドメインを欠失する変異ネトリン4の配列(1−477)を含むベクターpcDNA3.1(−)/HismycC配列が得られた。完全な変異ネトリン4の配列(628アミノ酸)を含むベクターpcDNA3.1(−)/HismycC配列は制限酵素Xcm1で消化した。この酵素は、ネトリン4の内部配列を二つの部分(288アミノ酸/488アミノ酸)で切断するので、タンパク質から中心ドメイン(EGF単位を有するVドメイン)を欠失させることが可能になる。その断片を精製しライゲーションすることで、中心ドメイン(288/488)を欠失した変異ネトリン4配列を含む発現ベクターpcDNA3.1(−)/HismycCをその結果として得ることができる。しかし、二つのXcm1部位をライゲーションするとストップ・コドンが出現するので、このベクターは312アミノ酸よりなる、ラミニンドメイン(1−288)及び24アミノ酸のタンパク質配列を含む、短縮した変異ネトリン4タンパク質をコードすることになる。
【0193】
《ヒト臍帯動脈管内皮細胞(HUAEC)の遊走テスト》
ヒト臍帯動脈管内皮細胞(HUAEC)は4cm2のウェルに高密度で播種される(50,000細胞/ウェル)。単層細胞が密集したら、2%のFCSを含むM199(ライフサイエンス)の存在下で一夜インキュベートすることで増殖を停止させる。次いで、単層細胞に泡掻器(foam scraper)を用いて傷をつけ、任意の細胞が自由に動ける範囲を定める。次いで、単層細胞を、非付着細胞を除くためにM199で3回洗浄する。次いで、任意の細胞が遊走する前の範囲を確定するために写真を撮る。次いで、ウェルは2%のFCSのみを含むM199若しくは50ng/mlのVEGF存在下、種々の濃度のネトリン4(NET−4)又はネトリン1(NET−1)又はネトリンG1(NET−G1)と一緒にインキュベートする。24時間後に、ウェルを3回洗浄し、メイ・グルンワルド・ギムザで染色し、撮影し、細胞を1つの条件につき8視野で数える。次いで、遊走した細胞を数えることを可能にするために、実験前後に撮影した写真を重ね合わせる。結果は、分野当たりの細胞数として表現される。
ネトリン4に関するこれらのテストの結果を図1に示す。
図1によれば、VEGF非存在下でNET−4を加えてもHUAEC細胞の基礎的な遊走には効果のないことが、特筆される。一方、NET−4はVEGF活性を阻害し、200ng/mlの濃度のNET−4で最大50%の効果が得られる。
【0194】
《平滑筋(VSM)細胞の遊走テスト》
平滑筋細胞(VSM)は4cm2のウェルに高密度で播種される(50,000細胞/ウェル)。単層細胞が密集したら、2%のFCSを含むM199(ライフサイエンス)の存在下で一夜インキュベートすることで増殖を停止させる。次いで、単層細胞に泡掻器を用いて傷をつけ、任意の細胞が自由に動ける範囲を定める。次いで、単層細胞を、非付着細胞を除くためにM199で3回洗浄する。次いで、任意の細胞が遊走する前の範囲を確定するために写真を撮る。次いで、ウェルはFCSを含まないDMEM培地で、種々の濃度のネトリン4(NET−4)又はネトリン1(NET−1)と一緒にインキュベートする。24時間後に、ウェルを3回洗浄し、メイ・グルンワルド・ギムザで染色し、撮影する。次いで、遊走した細胞を数えるのを可能にするために、実験前後に撮影した写真を重ね合わせる。
これらのテストの結果を図2に示す。
図2によれば、ネトリン1及びネトリン4はVSMのよる遊走に対してポジティブな効果を及ぼすことが特筆される。事実、ネトリン1及びネトリン4は平滑筋細胞の遊走を促進し、20ng/mlの濃度のNET−4で最大50%の効果が得られる。
【0195】
《ヒト臍帯動脈管内皮細胞(HUAEC)の増殖テスト》
96ウェル培養用プレートに10%のFCSを添加したEBM存在下でウェル当たり2,000のHUAEC細胞を播種した。細胞の一部は2ng/mlのVEGF165及び異なる濃度のネトリン1又はネトリン4により刺激し、他の細胞は刺激しなかった。5mg/mlの抗ネオゲニン抗体は特定のウェルに加えた。5日後に、ウェルはDMEMで丁寧に洗浄し、細胞は1%のグルタルデヒドにより20分間室温で固定した。固定した細胞はクリスタル・バイオレット(シグマ)の取り込みで定量した(Kueng et al., 1989):細胞は0.1%のクリスタル・バイオレット(シグマ)と20分間室温でインキュベートし、取り込まれない色素は大量の水による洗浄で完全に除き、次いで、取り込まれた結晶化したバイオレットの色素はウェル当たり100μlの10%酢酸で可溶化された。595nmで吸光度の読み取りを行った。同様の結果が3回の別個の実験(図1参照)で得られた。示された値は6ウェルの平均吸光度±SDである。
ネトリン1又はネトリン4タンパク質のみでは基礎的な増殖(血清のみによる)には有意の効果をもたらさない。一方、図3に示すように、ネトリン4タンパク質は、VEGFにより誘導される増殖を用量依存的に阻害する。50%の最大効果は200ng/mlの濃度で得られる。抗ネオゲニン抗体の添加によりネトリン1又はネトリン4により誘導される増殖の阻害活性は元に戻される。
【0196】
《平滑筋(VSM)細胞の増殖テスト》
96ウェル培養用プレートに10%のFCSを添加したDMEM培地存在下でウェル当たり2,000のVSM細胞を播種した。6時間後に細胞は2%のFCSを含むDMEM培地に移し、次いで、異なる濃度のネトリン1、ネトリンG1又はネトリン4により細胞の一部を刺激したが、他の細胞は刺激しなかった。5日後に、ウェルはDMEMで丁寧に洗浄し、細胞は1%のグルタルデヒドにより20分間室温で固定し、クリスタル・バイオレットで染色し、酢酸で可溶化した。595nmでの吸光度の読み取りを行った。同様の結果が3回の別個の実験で得られた。示された値は6ウェルの平均吸光度±SDである。
図4は、ネトリンG1及びネトリン4のタンパク質は、単独で使用されると、用量依存的な増殖に対する有意な効果を有することを示す。50%の最大効果は20ng/mlの濃度で得られる。一方、ネトリン1は増殖に対して有意な効果はもたらさない。
96ウェル培養用プレートに10%のFCSを添加したDMEM培地存在下でウェル当たり2,000のVSM細胞を播種した。6時間後に細胞は2%のFCSを含むDMEM培地に移し、次いで、異なる濃度のネトリン1又はネトリン4により細胞の一部を刺激し、他の細胞は刺激しない。5日後に、ウェルはDMEMで丁寧に洗浄し、細胞は1%のグルタルデヒドにより20分間室温で固定した。固定した細胞はクリスタル・バイオレットの取り込みで定量した(Kueng et al., 1989):細胞は0.1%のクリスタル・バイオレット(シグマ)と20分間室温でインキュベートし、取り込まれない色素は大量の水による洗浄で完全に除き、次いで取り込まれ結晶化したバイオレットの色素は次いでウェル当たり100μlの10%酢酸で可溶化された。595nmでの吸光度の読み取りを行った。同様の結果が3回の別個の実験(図4参照)で得られた。示された値は6ウェルの平均吸光度±SDである。
図5は抗ネオゲニン抗体の添加はネトリン4により誘導された増殖の促進活性を元に戻さないことを示している。
【0197】
《細胞付着テスト》
96ウェル・エライザ・プレート(ヌンク)はHutchings et al. (2003)による文献に記載されたプロトコルに従い、VEGF165タンパク質で覆い、pH9.6の0.05M炭酸緩衝液で一夜4℃で希釈した。非特異的結合部位は炭酸緩衝液中の5mg/mlのBSA(ウシ血清アルブミン)で1時間37℃でブロックし、そして実験の前にDMEMで二度洗浄した。細胞はトリプシン処理し、洗浄後、非処理プラスチックチューブ中の10%のFCSを含む5mlのDMEMに再度浮遊させ、10%のCO2の下、1時間、37℃でインキュベートした。次いで、細胞は遠心して濃縮し、再び血清を含まないDMEM+0.2%BSA混合液に再度浮遊させ、付着性を修飾するために細胞浮遊液は20分間(37℃、10%CO2)使用するネトリン4タンパク質で処理した。ウェル当たり100μlのDMEM+0.2%のBSA中の40,000の細胞をウェルに配った。細胞を付着させるために、37℃で10%CO2下で必要な時間だけ放置した。非付着細胞を除くために、ウェルは丁寧に三回DMEMで洗浄し、次いで細胞は1%のグルタルデヒドにより20分間室温で固定した。固定した細胞はクリスタル・バイオレットの取り込みで定量した(Kueng et al., 1989):細胞はpH9.5の0.20Mホウ酸緩衝液で希釈した0.1%のクリスタル・バイオレット(シグマ)と20分間室温でインキュベートし、取り込まれない色素は大量の水による洗浄で完全に除き、次いで取り込まれた結晶化したバイオレットの色素は次いでウェル当たり100μlの10%酢酸で可溶化した。
【0198】
《アポトーシステスト》
50,000のHUAEC細胞は、予め10%のFCS及び2ng/mlのVEGFを含むEBM培地中でゼラチン化した培養ウェルに入れる。2日後に、細胞はFGF2又はVEGFの存在下または非存在下の、2%のFCS及び200ng/mlのネトリン4を含むEBM培地で一夜、インキュベートする。細胞は24時間後に洗浄し、ヨー化プロピジウムとインキュベートし、固定し、そして蛍光顕微鏡で調べる。断片化した核を有する細胞は蛍光下で数え、全細胞数は直接光のもとで数えた。この操作は少なくとも8個の、最小300個の細胞を有する視野で実施される。次いで、断片化された核を有する細胞の百分率が計算される。
ネトリン4のみを使用したのでは有意な効果は無い。一方ネトリン4タンパク質はVEGF又はFGF−2による抗アポトーシス効果は完全に阻害する(図6参照)。
【0199】
《抗イディオタイプ抗体の調製》
第一相では、ネトリン1、3、G1又は4、若しくはその前記断片の1つ(配列番号:2から352)の中和抗体を、動物、特にマウス、にフロインド完全アジュバント(ネトリン又はネトリン断片の体積当たり1体積)と混合した前記ネトリン又は前記断片を注射することで調製する。体重kg当たり10と500μgの間のネトリン又はネトリン断片の量を、動物の免疫のために選択する。完全アジュバントを不完全アジュバントに置き換える点を除き、同様の操作が15日及び30日の間隔を置いて実施される。40日目に採血を行い、血清を調製し、そして免疫グロブリンを任意の通常の分画法、特に硫酸アンモニアによる沈殿、タンパク質A又はGのアフィニティー・クロマトグラフィーにより精製する。免疫グロブリンの中和活性は任意の記載された方法で測定する(例えば、ネトリン4又はその断片の1つの場合には、そのレセプターの任意の1つへの標識ネトリン4の結合、増殖、遊走、細胞付着)。従って、免疫グロブリンの1つのバッチは、それがネトリン1、3、4又はG1と細胞外ドメインであるdcc、ネオゲニン、UNC5H1、UNC5H2、UNC5H3又はUNC5H4との相互作用を阻害する能力を有しているときに、中和すると記載される。
第二相では、ネトリン1、3、G1又は4、若しくはこれらの断片の1つの抗イディオタイプ抗体は、マウスに皮下ルートで1−100μgの前記に記載した前記ネトリン又は前記断片を中和する活性を有する免疫グロブリンの調製物を100μlのアジュバント、特にフロインド完全アジュバント(シグマ)と、免疫することで、調製する。注射は15、30及び45日後に繰り返される。最初の注射後55日目に、マウスは10μgの同一の抗体を腹腔ルートで注射される。最初の注射後58日目に、マウスを犠牲にして脾臓を摘出し、脾臓細胞を放出させるためにイスコブ培地中で二つに裂く。脾臓細胞はマウスミエローマ細胞、特にAG8X63細胞(Kearney et al., 1979)、と融合させ、そして100,000細胞/ウェルの割合でインキュベートする。融合は、30秒間の間隔で50μlのポリエチレン・グリコール(PEG)を20回添加することで実施される。次いで、予め37℃に温めた4mlのイスコブ培地を細胞浮遊液に滴下し、次いで、37℃での4分間のインキュベーションの後に、4mlが添加される。浮遊液は遠心し、次いで細胞のペレットを20%のウシ胎児血清及びHAT1X(50X:ヒポキサンチン5mM、アミノプテリン20μM及びチミジン0.8mM)を補った100mlのイスコブ培地に入れ、そしてマクロファージ上にウェル当たり100μlの割合で播種する。5日後に、100μlのHAT培地を加え、8と14日の間にそれぞれのハイブリドーマのコンディション培地を、免疫グロブリン、すなわち、抗ネトリン1、3、G1又は4抗体に対する抗体剤としての抗体のELISA測定のために、サンプルとして採取する。次いで、抗イディオタイプ抗体活性はELISAテストで測定される:
従来の任意の技術、特に、パパイン消化、により調製された抗ネトリン1、3、G1又は4の免疫グロブリンのFab断片は、微量滴定プレートに固定化する(pH9.6の50mM炭酸緩衝液中、0.1−20μg/ml)。非特異的部位を同一の緩衝液で5mg/mlに希釈した血清アルブミンにより飽和した後に、ハイブリドーマの培養上清を0.05%のTween20を含むPBS(リン酸緩衝液)緩衝液で、半々に添加・希釈する。洗浄した後に、抗イディオタイプ抗体は適当濃度のペルオキシダーゼを結合したマウス抗Fc抗体の添加により顕在化される。次いで、固定化された抗イディオタイプ抗体の量はペルオキシダーゼを発現させることで測定するが、これは発色反応の強度に比例する。
抗ネトリン1、3、G1又は4抗体に向けられた抗体を分泌する能力で選択されたハイブリドーマは、次いで、クローン化し、すなわち、細胞を限界希釈の条件下、ウェル当たり0.1mlの体積で(5細胞/ml)で播種する。培地は10日後に交換する。15日後には、特定のウェルは、最初に播種された細胞から増殖した細胞の集団を含み、従ってこれらの全ての細胞は同一であり、同一のクローンに由来する。細胞に占められる表面が少なくともウェルの全表面の半分になるときに、培地のサンプルを採取し分析する。
次いで、二番目のELISAを実施する:ヒトIgGのFcドメインに向けられたヤギ免疫グロブリンを微量滴定プレートでインキュベートする(pH9.6の50mM炭酸緩衝液中、0.1−20μg/ml)。非特異的部位を同一の緩衝液で5mg/mlに希釈した血清アルブミンにより飽和した後に、ネトリンレセプターの細胞外ドメインとヒトIgGのFc配列の融合を含むタンパク質を微量滴定プレートに固定する(1と100μg/mlの間の濃度でインキュベートする)。ハイブリドーマの培養上清を0.05%のTween20を含むPBS(リン酸緩衝液)緩衝液に、半々に添加・希釈する。洗浄した後に、抗イディオタイプ抗体はペルオキシダーゼを結合した適当濃度のマウス抗Fc抗体の添加により顕在化させる。固定化された抗イディオタイプ抗体の量はペルオキシダーゼを発現させることで測定し、それは発色反応の強度に比例する。
一旦クローンが同定されたら、そのモノクローナル抗体としての性質は、前記の限界希釈により得た同一のクローンに由来する細胞の96ウェルへの播種を含む、標準の操作で確認される。従って、その分泌クローンは、その抗体がモノクローナル宣言とされるための条件である、全てが同一の特異性を有する抗体を分泌するはずである。次いで、三回目のクローニングは、そのクローンが実際にモノクローナルであることを確保するために、正確に同一条件下で実施される。
モノクローナル抗イディオタイプ抗体は一連のテスト、特に、ネトリンの既知の細胞外ドメインのELISAテスト(dcc、ネオゲニン、UNC5−A、UNC5−B、UNC5−C、UNC5−D)、増殖阻害、又はHUAEC細胞の遊走、又はin vivoにおける抗血管新生活性測定テスト、でスクリーニングされる。
従って、抗イディオタイプ抗体はネトリン・ドメインと類似している。目的は、ネトリン・ドメインの「内部イメージ」を作製し、それにより全てのレセプターと結合することなく、1つのネトリンレセプターに結合する抗体の獲得を可能にすることである。一旦特異性が証明されると、この提供された抗体のアゴニスト(作動)機能は、細胞に対する活性を測定することで決定されるが、その作用とはすなわち、HUAEC機能がVSMに対するネトリンの機能を阻害又は促進することなく阻害されること、及び/又はHUAECに影響することなくネトリンのVSM機能を刺激することである。
これらの抗体の一般的な利益は、他の標的に影響することなく標的細胞に対してネトリンに類似した機能を有することである。従って、内皮細胞のアポトーシスを誘導しないか、又は、その遊走、増殖、分化を阻害することなく、周皮細胞の機能を促進することは、以下の特定の病変において有益であろう:
− 加齢性黄斑変性症、
− 周皮細胞の消耗が新血管形成に先行する、初期段階の糖尿病性網膜症、
− 血管新生緑内障(角膜の、網膜のなど)、
− リューマチ性多発性関節炎、
− 乾癬、特に、乾癬性多発性関節炎、
− 血管腫、
− アテローム性動脈硬化症、
− 肥満症、
− 癌。
逆に、前記の病変に関して周皮細胞に影響することなく周皮細胞の増殖を阻害するのも有益であろう。
【0200】
《In vitro血管新生》
大部分がI型コラーゲンで構成されている白束(white bundles)を回収するために、4匹のラットの尾の皮をはいで切り取った。コラーゲンをこれらの線維より50mlの冷0.5M酢酸で抽出し、一夜攪拌する。次いで溶液を5000gで40分間遠心し、上清を回収する。この抽出は20mlの酢酸でもう一度繰り返し、上清を一緒に混ぜて、次いで1リットルの0.2Mの酢酸に対して透析する。コラーゲンの濃度は重量で3mg/mlに調整する。コラーゲン溶液の液状を保持するために、in vitro血管新生のためのゲルの調製は氷上で行う。1mlのコラーゲン(5mg/ml)は0.5mlのDMEM10X(10X濃度の抗生物質及びグルタミンを含む)、0.9mlの滅菌H2O及び0.1mlの1M炭酸水素ナトリウムと混合する。一旦pHを7.4に調整した後に、等体積のマトリゲル(ベクトン・ディッキンソン)を加える。ゲルを培養用ウェル(厚さ2mm)に注ぎ、固形化するために37℃でインキュベートする。15分間後に細胞をゲルの表面に加える(100,000細胞/cm2)。2時間後に、異なる可溶化した因子を加え、24時間後に細胞を観察し、撮影する。
【0201】
《VSM増殖(図7A)及び遊走(図7B)に対するNET−4及びNET−4m活性の比較》
96ウェル培養用プレートに10%のFCSを添加したDMEM培地存在下でウェル当たり2,000のVSM細胞を播種した。6時間後に細胞は2%のFCSを含むDMEM培地に移し、次いで、異なる濃度のネトリン4(NET−4)又は変異ネトリン4(NET−4m)により、細胞の一部は刺激し、他の細胞は刺激しなかった。5日後に、ウェルはDMEMで洗浄し、細胞は1%のグルタルデヒドにより固定し、クリスタル・バイオレットで染色し、酢酸で可溶化した。595nmで吸光度の読み取りを行った。同様の結果が3回の別個の実験(図4参照)で得られた。示された値は6ウェルの平均吸光度±SDである。
【0202】
《VSM増殖テスト(図7A)》
変異ネトリン4はすでに記載したプロトコル(Plouet, 1997)に従い野生型ネトリン4配列を含むベクターをCHOpgsA745細胞に導入することで調製した。タンパク質はヘパリンセファロース・アフィニティー・クロマトグラフィーにより精製し、そして不連続なNaCl勾配(0、3;1.0及び2.0MのNaCl)で溶出した。NET4mは2MNaClにより溶出され、その純度は>90%である。
NET4mの生物学的活性は野生型NET4のそれと、平滑筋細胞の増殖テストにより比較された。図7Aは、最大促進効果の半分が120ng/mlの濃度の非変異ネトリン4(NET−4)及び0.1ng/mlの濃度の変異ネトリン4(NET−4m)で得られることを示す。このことは、変異ネトリン4の増殖促進活性は非変異ネトリン4のそれの1000倍強いことを示す。
【0203】
《VSM遊走テスト(図7B)》
VSMの密集単層細胞は一夜DMEM存在下でインキュベートする。次いで、単層細胞に泡掻器(foam scraper)を用いて傷をつけ、次いでウェルをDMEMで3回洗浄し、次いで種々の濃度ネトリン4(NET−4)又は変異ネトリン4(NET−4m)存在下でインキュベートする。24時間後に、ウェルを3回洗浄し、メイ・グルンワルド・ギムザで染色し、撮影し、細胞を1つの条件につき8視野で数える。結果は、分野当たりの細胞数として表現される。
最大促進効果の半分が12ng/mlの濃度の非変異ネトリン4(NET−4)及び0.004ng/mlの濃度の変異ネトリン4(NET−4m)で得られるように見て取れる。このことは、変異ネトリン4の走化性活性は非変異ネトリン4のそれの3000倍強いことを意味する。
【0204】
《PC3癌細胞での導入》
前立腺癌細胞は添加した抗生物質及び10%のウシ胎児血清を含むDMEM培地で培養する。導入プロトコルは次の通りである:
− D1:直径10cmのディシュ(皿)に低密度(10000細胞/cm2)での細胞の播種
− D2:pcDNA3−NET4又はpcDNA−3−NET−4mによる導入
5μgのプラスミドを5μlのリポフェクチン及び100μlのDMEM(抗生物質無しで)と30分間室温で混ぜ、そして丁寧に攪拌する。次いで、混合物はDMEMで5mlに希釈し、PC3細胞を含むディシュに滴下する。37℃のオーブンで6時間インキュベートした後に、培地を吸引し、10mlの新鮮な培地と置き換える。
− D3:ディシュの洗浄、及び10%のウシ胎児血清及び抗生物質を含むDMEM培地での24時間インキュベーション
− D4:細胞をトリプシン処理、及び500μg/mlのジェネティシン(シグマ)を添加した完全DMEM培地での4個の直径10cmのディシュを用いたインキュベーション
− D17:マイクロピペットを用いたクローン細胞(100−400細胞/クローン)のサンプル採取、及び2cm2ウェルへの移動
− D24:トリプシン処理及び12ウェル・ディシュ(120,000細胞/ウェル)におけるクローン細胞のインキュベーション
− D27:細胞の洗浄及び無血清DMEM培地への移植
− D30:コンディション培地の回収及びそれぞれの培地でのネトリン4の定量分析
ネトリン4(NET−4)又は変異ネトリン4(NET−4m)を導入したクローンは同等の倍加時間(26−30時間)を有していることを証明した後に、増殖テストに関する前記のパラグラフに記載したように、各培地のネトリン4含量を測定した。4μlの慣らし培地を100μlの培養用の培地に加えた。結果は、コントロール(4μlDMEMの培地を含むウェル)に比較した増殖の百分率で表される。
図8より、クローン10及び15は同程度のHUAEC細胞の誘導をもたらし、それはコントロールに比較し300%のオーダーであることが、見て取れる。
一方、NET−4mのクローン1、5並びに、NET−4のクローン8のコンディション培地はHUAEC細胞の増殖を僅か200%促進したのに過ぎず、それはコンディション培地により誘導されたPC3細胞の増殖の50%に過ぎない。
従って、ネトリン4(NET−4)又は変異ネトリン4(NET−4m)はPC3癌細胞の増殖を修飾することなくHUAECの増殖を阻害する。
【0205】
《導入PC3クローンの腫瘍性の分析》
非導入PC3細胞及びNET−4m(クローン1及び5)を導入したPC3細胞をヌードマウスの脇腹に(注射当たり百万個の細胞)注射した。
それぞれの腫瘍の長さ(L)及び幅(w)をキャリパーで測定し、その体積は0.52xLxw2の式で表した。
図9より、クローン1及び5はPC3細胞に比較し小さな腫瘍しか作らないことが見て取れる。減少率は80%より大きい。
従って、変異ネトリン4(NET−4m)はその抗血管新生活性による抗腫瘍活性を示す。
【0206】
《VEGF阻害に対するNET4の相乗効果》
今や、VEGFが血管新生病変における主要な因子であり、その阻害は主要な治療ルートであることは受け入れらている。抗VEGF抗体はアバスチンの名前の下に市販されている。ネトリン4(NET−4)はVEGFとは異なる作用機構で作用することは知られているので、本発明者はネトリン4(NET−4)と、アバスチンの名前の下に市販されている抗VEGF抗体の相乗効果を測定した。
マウスは非導入PC3、又は腫瘍体積の境界領域の低減を示したNET−4クローン8を導入したPC3、又は非導入PC3と同程度の腫瘍体積(データ示さず)を示したNET−4クローン10又は15を導入したPC3の移植を受けた。一旦腫瘍が600mm3を超える腫瘍体積を示したら、マウスはアバスチン(3日毎に50μg)の腹腔内投与を受けたが、これはヒトの病変で推奨されて治療での用量に相当(5mg/kg/週)し、その腫瘍体積は前記に記載したように測定した。
図10から、アバスチンは非導入PC3腫瘍又は腫瘍の進行を阻害するのに十分な活性のNET−4を分泌しないPC3クローン10又は15腫瘍では効果がないことが見て取れる。4日後では、処理開始時点と比較した腫瘍体積の増加は、それぞれ200、150及び200%である。一方、十分な活性のNET−4を分泌するクローン8腫瘍体積は変化しない:従ってネトリン4は腫瘍サイズの上で有意に、抗VEGF治療に対する感受性を回復させることを可能にする。
【0207】
《マウスにおける脈絡血管新生》
12匹の9週令C57BL/6Jマウスは以下のプロトコルに従いレーザーによる網膜光凝固術を受けた。
マウスはソジウム・ペントバルビタール(セントラベット:Centravet)(0.6mg/100μlに希釈した溶液をマウス当たり200μl)の腹腔内注射により麻酔する。無意識になったら、マウスの瞳孔を1%のトロピカミドで開く。直径1mmの丸いガラス板を、眼底を拡大するためにコンタクトレンズとして供する。次いで、レーザー衝撃(50μm、400mW、0.05秒)を、それぞれの網膜に鼻側の視神経より約2乳頭直径で実施する。
7日後に、マウスは、眼にテトラカインを点滴して局所麻酔を、そして5%ベタジンを点滴して感染防御を施す。マイクロキャピラリ−の微量注射器を用いて、1μlのPBS溶液又は異なる濃度のネトリン4の硝子体への注射が実施される。3匹のマウスはPBSを注射され、3匹のマウスはネトリン4(0.1mg/ml)を注射され、2匹のマウスはネトリン4(0.3mg/ml)を注射され、2匹のマウスはネトリン4(1mg/ml)を注射され、2匹のコントロールマウスは注射が実施されない。
10日後に、マウスを犠牲にして、両眼をOCTに置いてくり抜き、次いで網膜をミクロトームで切片とし、抗CD3抗体をかけて内皮細胞を標識することで顕在化すると、それは白く見える。
図11A及び11Bにより、0.1及び0.3μgのネトリン4では効果がないことが見て取れる。一方、1μg/眼の容量では脈絡血管形成とグリアの炎症反応の明らかな減少が認められる。
特に図11Aでは、網膜の内側に点状の血管形成の増加及び白く見える全ての脈絡血管形成の蛍光発光の増加が認められる。
図11Bは、網膜での血管新生の減少、とりわけ血管新生領域の厚みと血管数の減少を示す。
【0208】
《ラットのおける脈絡血管新生》
ラットはソジウム・ペントバルビタール(セントラベット:Centravet)(0.6mg/100μlに希釈した溶液をラット当たり200μl)の腹腔内注射により麻酔する。無意識になったら、ラットの瞳孔を1%のトロピカミドで開く。直径12mmの丸いガラス板を、眼底を拡大するためにコンタクトレンズとして供する。次いで、レーザー衝撃(50μm、400mW、0.05秒)それぞれの網膜に鼻側の視神経より約2乳頭直径で実施する。
7及び10日後に、ラットは(群当たり4匹、又は1つの条件につき6−8個の眼球が分析され、従って1つの条件につき12−18の衝撃となる)次のものを含む網膜下注射(5μlの体積で)を受けた:
− PBS
− NET−4(2μg)
− NET−1(2μg)
− 精製したNET−4m(100pg)
14日後にラットは麻酔され、蛍光デキストラン(白色)の還流を受け、これにより還流中の血管を可視化することが可能になる。次いで、網膜は平らにして撮影した。
賦形剤のみで処理した眼球では、灰色にマークされる中心領域は内皮細胞の増殖に相当する衝撃のレベル及び白くマークされる血管の頂上で確認される。デキストラン蛍光で可視化されるこれらの血管では、これらが機能的であることが確認することができる。2μg/ラットのNET−4及びNET−1の注射では、効果は境界領域である。一方、100pgのNET−4mでは還流が、従って脈絡血管新生も、ほとんど完全に阻害される。
定量は、μ2当たりの画素を測定することで実施され、還流は50%減少された。
図12Aから12Dまでの結果は、ネトリン1及びネトリン4はコントロールに比較して境界領域の血管新生の減少をもたらすが。一方、2000倍も低用量の変異ネトリン4は有意な大きな減少をもたらす:pは0.02より小さい。
【0209】
《NET−4m(MC4)及び配列番号:528の配列断片のVSM遊走(MC5)に対する効果》
CHOpgsA−745細胞は変異ネトリン4(MC4)の完全配列を含む、又は配列番号:528(MC5)の配列を含むPCDNA−3発現ベクターを導入された。16時間後に、細胞をDMEM培地と共にインキュベートし、そしてコンディション培地を48時間後に回収した。VSM細胞の走化性活性は前記の記載のように測定する(図13参照)。
図13によれば、MC4及びMC5は同一の特異的活性を有する(2μg/mlの参考ネトリン4と同等の)。従って、C末端に位置する340アミノ酸の欠失は変異ネトリン4の活性に影響しない。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
* 配列番号:522又は配列番号:524の配列、又は
* 配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片であって、但し、この断片が抗血管新生活性、及び/又は周皮細胞活性化活性を示し、特には、前記断片が約40から約450アミノ酸、及び好ましくは約40から約260アミノ酸、及び好ましくは約40から約230アミノ酸を含み、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列で表される配列の断片、
* 特に、1以上のアミノ酸の置換、欠失、又は追加による、前記配列の1つから由来する任意の配列であって、但し、この由来配列が抗血管新生活性及び/又は周皮細胞活性化活性を示す、前記任意の配列、又は
* 前記配列の1つと相同な配列であって、好ましくは、配列番号:522のアミノ酸の261位と515位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を有し、但し、この相同配列が抗血管新生活性及び/又は周皮細胞活性化活性を示す前記相同な配列、
の1つを含むか、又はそれにより構成されていることを特徴とするタンパク質。
【請求項2】
* 配列番号:522又は配列番号:524の配列、又は
* 配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片であって、但し、この断片が抗血管新生活性を示し、特には、前記断片が約40から約450アミノ酸、及び好ましくは約40から約260アミノ酸、及び好ましくは約40から約230アミノ酸を含み、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列で表される配列の断片、
* 特に、1以上のアミノ酸の置換、欠失、又は追加による、前記配列の1つから由来する任意の配列であって、但し、この由来配列が抗血管新生活性を示す、前記任意の配列、又は
* 前記配列の1つと相同な配列であって、好ましくは、配列番号:522のアミノ酸の261位と515位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を有し、但し、この相同配列が抗血管新生活性を示す前記相同な配列、
の1つを含むか、又はそれにより構成されていることを特徴とするタンパク質。
【請求項3】
* 配列番号:522又は配列番号:524の配列、又は
* 配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片であって、但し、この断片が周皮細胞活性化活性を示し、特には、前記断片が約40から約450アミノ酸、及び好ましくは約40から約230アミノ酸、及び好ましくは約40から約260アミノ酸を含み、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列で表される配列の断片、
* 特に、1以上のアミノ酸の置換、欠失、又は追加による、前記配列の1つから由来する任意の配列であって、但し、この由来配列が周皮細胞活性化活性を示す、前記任意の配列、又は
* 前記配列の1つと相同な配列であって、好ましくは、配列番号:522のアミノ酸の261位と515位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を有し、但し、この相同配列が周皮細胞活性化活性を示す前記相同な配列、
の1つを含むか、又はそれにより構成されていることを特徴とするタンパク質。
【請求項4】
請求項1、2、又は3に記載のタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
【請求項5】
− 配列番号:522をコードする配列番号:521のヌクレオチド配列、又は配列番号:524をコードする配列番号:523のヌクレオチド配列;
− 前記ヌクレオチド配列の1つの断片であって、そして、特には配列番号:2q−1(qは187から248まで変化する)の配列の1つによってか、又は配列番号:525の配列によってか、又は配列番号:527の配列よって表されるヌクレオチド配列の1つの断片;
− 又は、遺伝子コードの縮重による、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列であって、そして配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つによってか、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列によって表されるタンパク質をコードする、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列、
− 又は、特に、1以上のヌクレオチドの置換、欠失又は追加による、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列であって、前記で定義した、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)由来のタンパク質か、又は配列番号:526の配列か、又は配列番号:528の配列をコードする、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記ヌクレオチド配列の1つに相同な任意のヌクレオチド配列であって、好ましくは、前記で定義した、配列番号:2qに相同なタンパク質をコードする配列番号:2q−1の配列の1つか、又は配列番号:526の配列をコードする配列番号:525の配列か、又は配列番号:528の配列をコードする配列番号:527の配列、と少なくとも約50%の同一性を有する、前記ヌクレオチド配列の1つに相同な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列と相補的な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列の1つに相補的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることのできる任意のヌクレオチド配列、
を含むか、又は構成されることを特徴とする、請求項4に記載のヌクレオチド配列。
【請求項6】
請求項4及び5で定義したヌクレオチド配列を含む組換えベクター、特にはプラスミド、コスミド、ファージ又はウイルスDNAであって、前記組換えベクターが、特には、前記ベクター中に挿入された、前記核酸によりコードされるポリペプチドの宿主細胞での発現に必要な要素を含むことを特徴とする、前記組換えベクター。
【請求項7】
宿主細胞、特に、細菌、ウイルス、酵母、真菌、植物又は哺乳動物細胞から選択された宿主細胞であって、前記宿主細胞が、特に、請求項6で定義した組換えベクターを用いて形質転換される、前記宿主細胞。
【請求項8】
請求項1、2、又は3で定義したタンパク質に対して特異的であることを特徴とする抗体。
【請求項9】
請求項1、2、又は3で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体。
【請求項10】
請求項9で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片。
【請求項11】
請求項1、2、又は3で定義したタンパク質、又は
請求項4又は5で定義したヌクレオチド配列、又は
請求項8で定義した抗体、又は
請求項9で定義した抗イディオタイプ抗体、又は
請求項10で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
を有効成分として含む、医薬組成物。
【請求項12】
請求項1、2、又は3で定義したタンパク質、又は
請求項4又は5で定義したヌクレオチド配列、又は
請求項9で定義した抗イディオタイプ抗体、
の内皮細胞の増殖及び/又は遊走を阻害することを必要とする病変の、予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であって、特には、以下のフレームの中の病変、癌及び白血病、脈絡膜新生血管性複雑近視、特に移植拒絶における角膜新血管形成、緑内障、糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームの中の病変である、前記使用。
【請求項13】
請求項8で定義した抗体、又は
請求項10で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の内皮細胞の増殖及び/又は遊走の促進を必要とする病変の、予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であって、特には、以下のフレームの中の病変、虚血性病変、例えば、下肢動脈の虚血性病変、心筋梗塞、脳血管障害、強皮症、又はレイノー病である、前記使用。
【請求項14】
請求項1、2、又は3で定義したタンパク質、又は
請求項4又は5で定義したヌクレオチド配列、又は
請求項8で定義した抗体、又は
請求項9で定義した抗イディオタイプ抗体、又は
請求項10で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の使用であって、周皮細胞又は平滑筋細胞の、消耗に関連するか又は消耗により引き起こされる、非癌性の病変の予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用。
【請求項15】
周皮細胞又は平滑筋細胞の、消耗に関連するか又は消耗により引き起こされ、そして周皮細胞又は平滑筋細胞の増殖又は走化性の活性化を必要とする前記非癌性病変が;
加齢性黄斑変性症、脈絡膜新生血管性複雑近視、
糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、
血管新生緑内障、
特に、移植拒絶における角膜血管新生、
リューマチ性多発性関節炎、
乾癬、特に、乾癬性多発性関節炎、
血管腫、
アテローム性動脈硬化症、
肥満症、
腸奇形、
クローン病、
血管性、皮質下血管性認知症アルツハイマー病、
変性骨病変及び骨折、及び
動脈瘤及び血管解離、
から選択されることを特徴とする、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、又は、
前記配列番号:522又は配列番号:524の配列の断片、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つによってか、又は配列番号:526の配列によってか、又は配列番号:528の配列によって示される断片、
の化学療法剤との併用における、癌の治療を意図した薬剤の製造のための、使用。
【請求項17】
以下の配列、
− 配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列;又は
− 前記配列の一つに由来する任意の配列であって、特には、1以上のアミノ酸の置換、欠失、又は追加による配列であって、但し、この由来配列が抗血管新生活性を示す前記配列;又は
− 前記配列の1つに相同な任意の配列であって、好ましくは、配列番号:502のアミノ酸の284位と487位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を有し、但し、この相同配列は、抗血管新生活性を有する前記配列、
の1つを含むか、又はその配列の1つによって構成されることを特徴とするタンパク質であって、但し、前記タンパク質が配列番号:502配列番号又は:504の配列と異なる、前記タンパク質。
【請求項18】
請求項17に記載のタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
【請求項19】
以下の配列、
− 配列番号:2i−1(iは64から131まで変化する)のヌクレオチド配列;又は
− 遺伝子コードの縮重による、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列であって、配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列の1つで表されるタンパク質をコードする、前記ヌクレオチド配列、
− 特に、1以上のヌクレオチドの置換、欠失、又は追加による、前記で定義した配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列の1つに由来するタンパク質をコードする、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する、任意のヌクレオチド配列、
− 前記ヌクレオチド配列の1つに相同な任意のヌクレオチド配列であって、好ましくは、前記で定義した配列番号:2iに相同なタンパク質をコードする配列番号:2i−1(iは64から131まで変化する)の配列の1つと少なくとも約50%の同一性を有する、前記ヌクレオチド配列、又は
− 前記配列と相補的な任意のヌクレオチド配列、又は
− 前記の配列の1つに相補的な配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることのできる任意のヌクレオチド配列、
を含むか、それにより構成されることを特徴とし、但し、前記ヌクレオチド配列が配列番号:501又は配列番号:503の配列と異なる、請求項18に記載のヌクレオチド配列。
【請求項20】
− 請求項17で定義したタンパク質、又は
− 請求項18又は19定義したヌクレオチド配列、又は
− 請求項17で定義したタンパク質に対して特異的であることを特徴とする、抗体、又は
− 請求項17で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、又は
− 請求項17で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体のFab断片、
を、有効成分として含む医薬組成物。
【請求項21】
− 請求項17で定義したタンパク質、又は
− 請求項18又は19定義したヌクレオチド配列、又は
− 請求項17で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、
の内皮細胞の増殖及び/又は遊走を阻害することを必要とする病変の、予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であって、特には、以下のフレームの中の病変、癌及び白血病、脈絡膜新生血管性複雑近視、特に移植拒絶における角膜新血管形成、緑内障、糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームの中の病変である、前記使用。
【請求項22】
− 請求項17で定義したタンパク質に対して特異的であることを特徴とする抗体、又は
− 請求項17で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の内皮細胞の増殖及び/又は遊走の促進を必要とする病変の、予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であって、特には、以下のフレームの中の病変、虚血性病変、例えば、下肢動脈の虚血性病変、心筋梗塞、脳血管障害、強皮症、又はレイノー病である、前記使用。
【請求項23】
アバスチン(ベバシズマブ)、マクゲン(ペガプタニブ)及びルセンチス(ラニビズマブ)又は他の任意の抗VEGF薬との併用における、請求項12で定義した癌性又は非癌性の病変の予防又は治療を意図した薬剤の製造のための、
配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、又は、
前記配列番号:522又は配列番号:524の配列の断片、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つによってか、又は配列番号:526の配列によってか、又は配列番号:528の配列によって示される断片、
の使用。
【請求項24】
− 配列番号:522又は配列番号:524で示される変異ネトリン、又は
− 前記配列番号:522又は配列番号:524の配列の断片、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つによってか、又は配列番号:526の配列によってか、又は配列番号:528の配列によって示される断片、
を含む併用産物であって、アバスチン(ベバシズマブ)、マクゲン(ペガプタニブ)及びルセンチス(ラニビズマブ)又は他の任意の抗VEGF薬との併用における、請求項12で定義した癌性又は非癌性の病変の予防又は治療を意図した前記併用産物。
【請求項1】
* 配列番号:522又は配列番号:524の配列、又は
* 配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片であって、但し、この断片が抗血管新生活性、及び/又は周皮細胞活性化活性を示し、特には、前記断片が約40から約450アミノ酸、及び好ましくは約40から約260アミノ酸、及び好ましくは約40から約230アミノ酸を含み、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列で表される配列の断片、
* 特に、1以上のアミノ酸の置換、欠失、又は追加による、前記配列の1つから由来する任意の配列であって、但し、この由来配列が抗血管新生活性及び/又は周皮細胞活性化活性を示す、前記任意の配列、又は
* 前記配列の1つと相同な配列であって、好ましくは、配列番号:522のアミノ酸の261位と515位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を有し、但し、この相同配列が抗血管新生活性及び/又は周皮細胞活性化活性を示す前記相同な配列、
の1つを含むか、又はそれにより構成されていることを特徴とするタンパク質。
【請求項2】
* 配列番号:522又は配列番号:524の配列、又は
* 配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片であって、但し、この断片が抗血管新生活性を示し、特には、前記断片が約40から約450アミノ酸、及び好ましくは約40から約260アミノ酸、及び好ましくは約40から約230アミノ酸を含み、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列で表される配列の断片、
* 特に、1以上のアミノ酸の置換、欠失、又は追加による、前記配列の1つから由来する任意の配列であって、但し、この由来配列が抗血管新生活性を示す、前記任意の配列、又は
* 前記配列の1つと相同な配列であって、好ましくは、配列番号:522のアミノ酸の261位と515位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を有し、但し、この相同配列が抗血管新生活性を示す前記相同な配列、
の1つを含むか、又はそれにより構成されていることを特徴とするタンパク質。
【請求項3】
* 配列番号:522又は配列番号:524の配列、又は
* 配列番号:522又は配列番号:524の前記配列の断片であって、但し、この断片が周皮細胞活性化活性を示し、特には、前記断片が約40から約450アミノ酸、及び好ましくは約40から約230アミノ酸、及び好ましくは約40から約260アミノ酸を含み、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つ、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列で表される配列の断片、
* 特に、1以上のアミノ酸の置換、欠失、又は追加による、前記配列の1つから由来する任意の配列であって、但し、この由来配列が周皮細胞活性化活性を示す、前記任意の配列、又は
* 前記配列の1つと相同な配列であって、好ましくは、配列番号:522のアミノ酸の261位と515位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を有し、但し、この相同配列が周皮細胞活性化活性を示す前記相同な配列、
の1つを含むか、又はそれにより構成されていることを特徴とするタンパク質。
【請求項4】
請求項1、2、又は3に記載のタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
【請求項5】
− 配列番号:522をコードする配列番号:521のヌクレオチド配列、又は配列番号:524をコードする配列番号:523のヌクレオチド配列;
− 前記ヌクレオチド配列の1つの断片であって、そして、特には配列番号:2q−1(qは187から248まで変化する)の配列の1つによってか、又は配列番号:525の配列によってか、又は配列番号:527の配列よって表されるヌクレオチド配列の1つの断片;
− 又は、遺伝子コードの縮重による、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列であって、そして配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つによってか、又は配列番号:526の配列又は配列番号:528の配列によって表されるタンパク質をコードする、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列、
− 又は、特に、1以上のヌクレオチドの置換、欠失又は追加による、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列であって、前記で定義した、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)由来のタンパク質か、又は配列番号:526の配列か、又は配列番号:528の配列をコードする、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記ヌクレオチド配列の1つに相同な任意のヌクレオチド配列であって、好ましくは、前記で定義した、配列番号:2qに相同なタンパク質をコードする配列番号:2q−1の配列の1つか、又は配列番号:526の配列をコードする配列番号:525の配列か、又は配列番号:528の配列をコードする配列番号:527の配列、と少なくとも約50%の同一性を有する、前記ヌクレオチド配列の1つに相同な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列と相補的な任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列の1つに相補的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることのできる任意のヌクレオチド配列、
を含むか、又は構成されることを特徴とする、請求項4に記載のヌクレオチド配列。
【請求項6】
請求項4及び5で定義したヌクレオチド配列を含む組換えベクター、特にはプラスミド、コスミド、ファージ又はウイルスDNAであって、前記組換えベクターが、特には、前記ベクター中に挿入された、前記核酸によりコードされるポリペプチドの宿主細胞での発現に必要な要素を含むことを特徴とする、前記組換えベクター。
【請求項7】
宿主細胞、特に、細菌、ウイルス、酵母、真菌、植物又は哺乳動物細胞から選択された宿主細胞であって、前記宿主細胞が、特に、請求項6で定義した組換えベクターを用いて形質転換される、前記宿主細胞。
【請求項8】
請求項1、2、又は3で定義したタンパク質に対して特異的であることを特徴とする抗体。
【請求項9】
請求項1、2、又は3で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体。
【請求項10】
請求項9で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片。
【請求項11】
請求項1、2、又は3で定義したタンパク質、又は
請求項4又は5で定義したヌクレオチド配列、又は
請求項8で定義した抗体、又は
請求項9で定義した抗イディオタイプ抗体、又は
請求項10で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
を有効成分として含む、医薬組成物。
【請求項12】
請求項1、2、又は3で定義したタンパク質、又は
請求項4又は5で定義したヌクレオチド配列、又は
請求項9で定義した抗イディオタイプ抗体、
の内皮細胞の増殖及び/又は遊走を阻害することを必要とする病変の、予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であって、特には、以下のフレームの中の病変、癌及び白血病、脈絡膜新生血管性複雑近視、特に移植拒絶における角膜新血管形成、緑内障、糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームの中の病変である、前記使用。
【請求項13】
請求項8で定義した抗体、又は
請求項10で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の内皮細胞の増殖及び/又は遊走の促進を必要とする病変の、予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であって、特には、以下のフレームの中の病変、虚血性病変、例えば、下肢動脈の虚血性病変、心筋梗塞、脳血管障害、強皮症、又はレイノー病である、前記使用。
【請求項14】
請求項1、2、又は3で定義したタンパク質、又は
請求項4又は5で定義したヌクレオチド配列、又は
請求項8で定義した抗体、又は
請求項9で定義した抗イディオタイプ抗体、又は
請求項10で定義した抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の使用であって、周皮細胞又は平滑筋細胞の、消耗に関連するか又は消耗により引き起こされる、非癌性の病変の予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用。
【請求項15】
周皮細胞又は平滑筋細胞の、消耗に関連するか又は消耗により引き起こされ、そして周皮細胞又は平滑筋細胞の増殖又は走化性の活性化を必要とする前記非癌性病変が;
加齢性黄斑変性症、脈絡膜新生血管性複雑近視、
糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、
血管新生緑内障、
特に、移植拒絶における角膜血管新生、
リューマチ性多発性関節炎、
乾癬、特に、乾癬性多発性関節炎、
血管腫、
アテローム性動脈硬化症、
肥満症、
腸奇形、
クローン病、
血管性、皮質下血管性認知症アルツハイマー病、
変性骨病変及び骨折、及び
動脈瘤及び血管解離、
から選択されることを特徴とする、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、又は、
前記配列番号:522又は配列番号:524の配列の断片、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つによってか、又は配列番号:526の配列によってか、又は配列番号:528の配列によって示される断片、
の化学療法剤との併用における、癌の治療を意図した薬剤の製造のための、使用。
【請求項17】
以下の配列、
− 配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列;又は
− 前記配列の一つに由来する任意の配列であって、特には、1以上のアミノ酸の置換、欠失、又は追加による配列であって、但し、この由来配列が抗血管新生活性を示す前記配列;又は
− 前記配列の1つに相同な任意の配列であって、好ましくは、配列番号:502のアミノ酸の284位と487位の間の領域と少なくとも約50%の同一性を有し、但し、この相同配列は、抗血管新生活性を有する前記配列、
の1つを含むか、又はその配列の1つによって構成されることを特徴とするタンパク質であって、但し、前記タンパク質が配列番号:502配列番号又は:504の配列と異なる、前記タンパク質。
【請求項18】
請求項17に記載のタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
【請求項19】
以下の配列、
− 配列番号:2i−1(iは64から131まで変化する)のヌクレオチド配列;又は
− 遺伝子コードの縮重による、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する任意のヌクレオチド配列であって、配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列の1つで表されるタンパク質をコードする、前記ヌクレオチド配列、
− 特に、1以上のヌクレオチドの置換、欠失、又は追加による、前記で定義した配列番号:2i(iは64から131まで変化する)の配列の1つに由来するタンパク質をコードする、前記ヌクレオチド配列の1つに由来する、任意のヌクレオチド配列、
− 前記ヌクレオチド配列の1つに相同な任意のヌクレオチド配列であって、好ましくは、前記で定義した配列番号:2iに相同なタンパク質をコードする配列番号:2i−1(iは64から131まで変化する)の配列の1つと少なくとも約50%の同一性を有する、前記ヌクレオチド配列、又は
− 前記配列と相補的な任意のヌクレオチド配列、又は
− 前記の配列の1つに相補的な配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることのできる任意のヌクレオチド配列、
を含むか、それにより構成されることを特徴とし、但し、前記ヌクレオチド配列が配列番号:501又は配列番号:503の配列と異なる、請求項18に記載のヌクレオチド配列。
【請求項20】
− 請求項17で定義したタンパク質、又は
− 請求項18又は19定義したヌクレオチド配列、又は
− 請求項17で定義したタンパク質に対して特異的であることを特徴とする、抗体、又は
− 請求項17で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、又は
− 請求項17で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体のFab断片、
を、有効成分として含む医薬組成物。
【請求項21】
− 請求項17で定義したタンパク質、又は
− 請求項18又は19定義したヌクレオチド配列、又は
− 請求項17で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体、
の内皮細胞の増殖及び/又は遊走を阻害することを必要とする病変の、予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であって、特には、以下のフレームの中の病変、癌及び白血病、脈絡膜新生血管性複雑近視、特に移植拒絶における角膜新血管形成、緑内障、糖尿病性網膜症又は未熟児の網膜症、リューマチ性多発性関節炎、乾癬性多発性関節炎、血管腫、血管肉腫、カステルマン氏病及びカポジ肉腫、若しくは肥満症又は網膜性新血管形成の治療のフレームの中の病変である、前記使用。
【請求項22】
− 請求項17で定義したタンパク質に対して特異的であることを特徴とする抗体、又は
− 請求項17で定義したタンパク質の抗イディオタイプ抗体のFab断片、
の内皮細胞の増殖及び/又は遊走の促進を必要とする病変の、予防又は治療を意図した薬剤の製造のための使用であって、特には、以下のフレームの中の病変、虚血性病変、例えば、下肢動脈の虚血性病変、心筋梗塞、脳血管障害、強皮症、又はレイノー病である、前記使用。
【請求項23】
アバスチン(ベバシズマブ)、マクゲン(ペガプタニブ)及びルセンチス(ラニビズマブ)又は他の任意の抗VEGF薬との併用における、請求項12で定義した癌性又は非癌性の病変の予防又は治療を意図した薬剤の製造のための、
配列番号:522又は配列番号:524に示される変異ネトリン4、又は、
前記配列番号:522又は配列番号:524の配列の断片、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つによってか、又は配列番号:526の配列によってか、又は配列番号:528の配列によって示される断片、
の使用。
【請求項24】
− 配列番号:522又は配列番号:524で示される変異ネトリン、又は
− 前記配列番号:522又は配列番号:524の配列の断片、特には、配列番号:2q(qは187から248まで変化する)の配列の1つによってか、又は配列番号:526の配列によってか、又は配列番号:528の配列によって示される断片、
を含む併用産物であって、アバスチン(ベバシズマブ)、マクゲン(ペガプタニブ)及びルセンチス(ラニビズマブ)又は他の任意の抗VEGF薬との併用における、請求項12で定義した癌性又は非癌性の病変の予防又は治療を意図した前記併用産物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2008−520222(P2008−520222A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−542043(P2007−542043)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【国際出願番号】PCT/FR2005/002898
【国際公開番号】WO2006/054000
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(505409247)サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェ シアンティフィク (16)
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE
【出願人】(507166287)
【氏名又は名称原語表記】IVS INSTITUT DES VAISSEAUX ET DU SANG
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【国際出願番号】PCT/FR2005/002898
【国際公開番号】WO2006/054000
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(505409247)サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェ シアンティフィク (16)
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE
【出願人】(507166287)
【氏名又は名称原語表記】IVS INSTITUT DES VAISSEAUX ET DU SANG
【Fターム(参考)】
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