説明

変速機

【課題】変速機において潤滑性能を向上させる。
【解決手段】変速機1は、シャフト3と、第3シンクロ機構S3と、第5入力ギヤG5と、を備えている。シャフト3は外周側に潤滑油を供給可能な潤滑油路3aを有している。第3シンクロ機構S3は、シャフト3と一体回転可能に設けられた機構であって、シャフト3に対して軸方向に移動可能に設けられたスリーブ26を有している。第5入力ギヤG5は、シャフト3に対して回転可能なようにシャフト3の外周側に設けられた本体部30と、本体部30の外周部に設けられた変速ギヤ部32と、スリーブ26と噛み合い可能なように設けられスリーブ26と噛み合い可能な複数の外歯52を有するクラッチギヤ部34と、を有している。本体部30は、潤滑油路3aから供給された潤滑油の少なくとも一部をクラッチギヤ部34に導く油路であって隣り合う2つの外歯52の間に配置された第1開口54aを有する誘導油路54を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機、特に車両に用いられる手動変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の変速機として手動変速機が知られている。手動変速機は、シャフトと、シャフトに相対回転可能に支持された複数のギヤと、シャフトと一体回転可能に設けられたシンクロ機構と、を有している。ギヤには、変速ギヤ部と、シンクロ機構側の部材と噛み合い可能なクラッチギヤ部と、が設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に記載の変速機では、半径方向外側に潤滑油を供給可能な潤滑油路をシャフトが有している。潤滑油路から供給される潤滑油によって、ギヤを回転可能に支持する軸受部が潤滑される。さらに、潤滑油路から供給する潤滑油によって、シンクロ機構に設けられたテーパ形状の摺動面が潤滑される。
【特許文献1】実開平5−90024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシンクロ機構では、前述の摺動面の他に、スリーブが噛み合うクラッチギヤ部の潤滑が求められている。
【0005】
しかし、特許文献1に記載の変速機では、摺動面への潤滑油の供給は考慮されているが、クラッチギヤ部への潤滑油の供給については何ら考慮されていない。
【0006】
また、手動変速機の場合、変速ギヤ部の潤滑のために、ケース内に潤滑油が溜められており、潤滑油にギヤの一部が浸漬されている。このため、ギヤに付着した潤滑油がクラッチギヤ部を潤滑することが期待できる。
【0007】
しかし、実際には、ギヤに付着した潤滑油は遠心力により半径方向外側へ跳ね飛ばされるため、ギヤに付着した潤滑油はクラッチギヤ部へ供給されにくい。
【0008】
このように、従来の変速機では、さらなる潤滑性能の向上が求められている。
【0009】
本発明の課題は、変速機において潤滑性能を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る変速機は、シャフトと、シンクロ機構と、ギヤと、を備えている。シャフトは外周側に潤滑油を供給可能な潤滑油路を有している。シンクロ機構は、シャフトと一体回転可能に設けられた機構であって、シャフトに対して軸方向に移動可能に設けられた切換部材を有している。ギヤは、シャフトに対して回転可能なようにシャフトの外周側に設けられた本体部と、本体部の外周部に設けられた変速ギヤ部と、切換部材と噛み合い可能なように設けられ切換部材と噛み合い可能な複数の外歯を有するクラッチギヤ部と、を有している。本体部は、潤滑油路から供給された潤滑油の少なくとも一部をクラッチギヤ部に導く油路であって隣り合う2つの外歯の間に配置された第1開口を有する誘導油路を有している。
【0011】
この変速機では、シャフトの潤滑油路から潤滑油が半径方向外側に供給されると、その少なくとも一部が誘導油路を通ってクラッチギヤ部に導かれる。誘導油路の第1開口がクラッチギヤ部の隣り合う外歯の間に配置されているため、クラッチギヤ部に潤滑油を確実に供給することができ、潤滑性能を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る変速機では、誘導油路を設けることで、潤滑性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照しながら本発明の第1実施形態について説明する。
【0014】
<変速機の全体構成>
図1および図2を用いて変速機1について説明する。図1は第1実施形態に係る変速機1の概略断面図である。図1ではギヤの配列が分かりやすいように各シャフトの配置を2次元的に表現している。図2は変速機1の部分断面図である。
【0015】
変速機1は、6段変速が可能な、FF(Front Engine Front Drive)車用の手動変速機である。具体的には図1に示すように、変速機1は主に、ケース2と、入力シャフト3(回転軸の一例)と、メインシャフト4と、ディファレンシャル5と、リバースシャフト7と、複数のギヤG1〜G18と、複数のシンクロ機構S1〜S4と、を備えている。また、変速機1は、入力シャフト3とギヤG5との間に配置された軸受部40と、後述する潤滑油路3aから供給された潤滑油の少なくとも一部を案内する案内部材60と、をさらに備えている。軸受部40および案内部材60の詳細については、後述する。
【0016】
ケース2は、第1ケース21と、第1ケース21に固定された第2ケース29と、を有している。第1ケース21と第2ケース29とによりギヤ室28が形成されている。
【0017】
入力シャフト3は、クラッチ装置9を介してエンジン(図示せず)からの動力が入力されるシャフトであり、回転軸A1を中心に回転可能なようにケース2により支持されている。入力シャフト3の中央付近には、第1入力ギヤG1、第2入力ギヤG2および第7入力ギヤG7が一体回転可能に設けられている。入力シャフト3は第3〜第6入力ギヤG3〜G6(ギヤの一例)を回転可能に支持している。第1〜第6入力ギヤG1〜G6は第1速〜第6速用のギヤである。第7入力ギヤG7は後進用のギヤである。
【0018】
図2に示すように、入力シャフト3は、シャフト本体3dと、シャフト本体3dの内部に形成された潤滑油路3aと、を有している。潤滑油路3aは、シャフト本体3dの外周側に潤滑油を供給可能である。具体的には、潤滑油路3aは、回転軸A1に沿って配置された第1油路3bと、第1油路3bから各ギヤG3〜G6の内周面へ半径方向に延びる複数の第2油路3cと、を有している。例えば、第5入力ギヤG5の半径方向内側に配置された複数の第2油路3cは放射状に設けられている。潤滑油路3aには、例えば、図示しないオイルガータから潤滑油が供給される。
【0019】
図1に示すように、メインシャフト4は、入力シャフト3に入力された動力をディファレンシャル5に出力するためのシャフトであり、回転軸A2を中心に回転可能なようにケース2により支持されている。メインシャフト4は第1メインギヤG11および第2メインギヤG12を回転可能に支持している。メインシャフト4には第3〜第6メインギヤG13〜G16が固定されている。第1〜第6メインギヤG11〜G16はそれぞれ第1〜第6入力ギヤG1〜G6と噛み合っている。
【0020】
第1シンクロ機構S1は、第1メインギヤG11および第2メインギヤG12のうち一方をメインシャフト4に連結するための機構であり、メインシャフト4に一体回転可能に設けられている。第1シンクロ機構S1は、第1メインギヤG11および第2メインギヤG12に設けられたクラッチギヤに噛み合い可能なスリーブ22を有している。図示しないシフトレバーが1速または2速に操作されると、スリーブ22は軸方向に移動して第1メインギヤG11のクラッチギヤまたは第2メインギヤG12のクラッチギヤに噛み合う。この結果、入力シャフト3の回転が第1メインギヤG11または第2メインギヤG12を介してメインシャフト4に伝達される。
【0021】
第2シンクロ機構S2は、第3入力ギヤG3および第4入力ギヤG4のうち一方を入力シャフト3に連結するための機構であり、入力シャフト3に一体回転可能に設けられている。第2シンクロ機構S2は、第3入力ギヤG3および第4入力ギヤG4に設けられたクラッチギヤに噛み合い可能なスリーブ24を有している。図示しないシフトレバーが3速または4速に操作されると、スリーブ24は軸方向に移動して第3入力ギヤG3のクラッチギヤまたは第4入力ギヤG4のクラッチギヤに噛み合う。この結果、入力シャフト3の回転が第3入力ギヤG3または第4入力ギヤG4を介してメインシャフト4に伝達される。
【0022】
第3シンクロ機構S3は、第5入力ギヤG5(ギヤの一例)および第6入力ギヤG6のうち一方を入力シャフト3に連結するための機構であり、入力シャフト3に一体回転可能に設けられている。第3シンクロ機構S3は、第5入力ギヤG5および第6入力ギヤG6に設けられたクラッチギヤに噛み合い可能なスリーブ26(切換部材の一例)を有している。図示しないシフトレバーが5速または6速に操作されると、スリーブ26は軸方向に移動して第5入力ギヤG5のクラッチギヤ(後述のクラッチギヤ部34)または第6入力ギヤG6のクラッチギヤに噛み合う。この結果、入力シャフト3の回転が入力ギヤG5またはG6を介してメインシャフト4に伝達される。
【0023】
ディファレンシャル5は、ディファレンシャルケース51と、ディファレンシャルギヤG18と、を有している。ディファレンシャルギヤG18は、ディファレンシャルケース51に固定されており、回転軸A3を中心に回転可能である。
【0024】
リバースシャフト7は、後進用の第1後進ギヤG8および第2後進ギヤG9を、回転軸A4を中心に回転可能なように支持している。第1後進ギヤG8には第4シンクロ機構S4が設けられている。第4シンクロ機構S4は第1後進ギヤG8と第2後進ギヤG9とを連結可能である。第2後進ギヤG9はメインシャフト4に固定された第3後進ギヤG10と噛み合っている。
【0025】
メインシャフト4の端部にはディファレンシャルギヤG18と噛み合う第7メインギヤG17が設けられている。メインシャフト4に入力された動力は第7メインギヤG17を介してディファレンシャルギヤG18に伝達される。
【0026】
<第5入力ギヤの詳細構成>
変速機1には、シンクロ機構のスリーブが噛み合い可能なクラッチギヤ部に対して潤滑油を供給できるように、潤滑油の油路が形成されている。ここでは、第3シンクロ機構S3および第5入力ギヤG5を例に油路について説明する。
【0027】
(1)第5入力ギヤの基本構成
図2〜図7に示すように、第5入力ギヤG5(ギヤの一例)は、本体部30と、本体部30の外周部に設けられた変速ギヤ部32と、第3シンクロ機構S3のスリーブ26と噛み合い可能なクラッチギヤ部34と、を有している。
【0028】
本体部30は、入力シャフト3に相対回転可能に設けられた概ね環状の部材であり、第3シンクロ機構S3側に形成された第1面36と、第1面36と反対側に形成された第2面38と、を有している。本体部30の第4入力ギヤG4側(第2面38側)には、第3シンクロ機構S3側へ窪んだ環状の凹部64が設けられている。本体部30と入力シャフト3との間に配置された軸受部40により、本体部30は入力シャフト3に対して回転可能に支持されている。
【0029】
変速ギヤ部32は、本体部30の外周部に設けられており、第5メインギヤ15に常時噛み合っている。クラッチギヤ部34は、本体部30の第3シンクロ機構S3側(第1面36側)に設けられており、第3シンクロ機構S3のスリーブ26に形成された複数の内歯と噛み合い可能な複数の外歯52を有している。クラッチギヤ部34は変速ギヤ部32よりも半径方向内側に配置されている。
【0030】
(2)油路の構成
図2に示すように、例えば、軸受部40は、入力シャフト3の外周面に装着されたブッシュ44と、ブッシュ44と本体部30との半径方向間に配置されたニードルベアリング46と、を有している。ブッシュ44には、潤滑油路3aの第2油路3cに連通する第4油路44aが形成されている。ニードルベアリング46は複数のニードル46aを有している。複数のニードル46aの間には空間が形成されている。この空間と第4油路44aとにより、軸受部40の潤滑空間48が形成されている。潤滑油路3a内の潤滑油は第4油路44aを通って潤滑空間48に供給される。
【0031】
図2および図3に示すように、本体部30は、潤滑油路3aから潤滑空間48に供給された潤滑油の少なくとも一部をクラッチギヤ部34に導く誘導油路54と、潤滑空間48と凹部64とを接続する中間油路56と、を有している。
【0032】
誘導油路54は、円周方向に間隔を空けて配置された4つの連通孔54cを有している。例えば、4つの連通孔54cは円周方向に等ピッチで配置されている。連通孔54cは、クラッチギヤ部34側の端部に設けられた第1開口54aと、第1開口54aと反対側(第4入力ギヤG4側)の端部に設けられた第2開口54bと、を有している。つまり、連通孔54cは、クラッチギヤ部34周辺の空間と第5入力ギヤG5の第4入力ギヤG4側の空間とを連通させている。
【0033】
図3に示すように、連通孔54cは、軸方向の第3シンクロ機構S3側へいくにしたがって、クラッチギヤ部34に向かって半径方向外側へ広がるように傾斜している。より詳細には図4に示すように、連通孔54cは、第1開口54aが第2開口54bより半径方向外側に配置されるように傾斜している。第1開口54aは、クラッチギヤ部34の複数の外歯52の円周方向間に配置されている。つまり、連通孔54cは隣り合う外歯52の間に形成された空間と接続されている。第2開口54bは凹部64内に設けられている。第1開口54aの円周方向の位置は、第2開口54bの円周方向の位置とほぼ同じである。
【0034】
図3および図5に示すように、中間油路56は、誘導油路54よりも半径方向内側に配置された4つの中間溝56aを有している。中間溝56aは、半径方向外側へ延びるように、本体部30の第4入力ギヤG4側(第3シンクロ機構S3と反対側)に配置されている。第5入力ギヤG5と第4入力ギヤG4との軸方向間には、円板状のスラストプレート41が挟み込まれている。スラストプレート41と中間溝56aとにより中間油路56が形成されている。
【0035】
4つの中間溝56aは連通孔54cの第2開口54bと実質的に同じ円周方向位置に配置されている。中間油路56により、軸受部40の潤滑空間48に供給された潤滑油が本体部30の第4入力ギヤG4側を通って誘導油路54の第2開口54b周辺に誘導される。
【0036】
図2に示すように、中間油路56の半径方向外側には、潤滑空間48からの潤滑油の少なくとも一部を受け止めることにより誘導油路54に案内するための案内部材60(受け止め部の一例)が配置されている。具体的には図7に示すように、案内部材60は、概ね円筒状の部材であり、第4入力ギヤG4に固定されている。例えば、案内部材60は第4入力ギヤG4に形成された凹部80に圧入により固定されている。案内部材60は第4入力ギヤG4に溶接により固定されていてもよい。
【0037】
図7に示すように、案内部材60は、中間油路56の半径方向外側に配置された案内部62を有している。図2に示すように、第5入力ギヤG5と第4入力ギヤG4との軸方向間に形成された空間を半径方向に分割するように、案内部62は第4入力ギヤG4から軸方向に延びている。案内部62は、凹部64内であって連通孔54cの第2開口54bよりも半径方向外側に配置されている。案内部62により、中間油路56を介して潤滑空間48から供給された潤滑油を第2開口54bに案内可能である。
【0038】
案内部62は、例えば、金属製の筒状の部材であり、プレス加工により成形されている。図6および図7に示すように、この実施形態では、案内部62は段付き部分を含んでいる。より詳細には、案内部62は、第2開口54bの半径方向外側に配置された円筒状の第1部分62aと、第1部分62aより小径な円筒状の第2部分62bと、第1部分62aと第2部分62bとの間に配置された円板状の連結壁部62cと、を有している。第1部分62a、第2部分62bおよび連結壁部62cにより、案内部62は階段状に形成されている。
【0039】
第1部分62aは凹部64内に入り込んでいる。第1部分62aの先端は第2開口54bの近傍であって半径方向外側に配置されている。
【0040】
第2部分62bは、第1部分62aの第4入力ギヤG4側(第1部分62aに対して本体部30の軸方向の反対側)に配置されており、第4入力ギヤG4の凹部80に一体回転可能に固定されている。第2部分62bの第1部分62aと反対側の端部には、凹部80の底面80bと軸方向に当接する案内壁部62dが形成されている。案内壁部62dにより、第4入力ギヤG4に対して案内部62が軸方向に位置決めされている。
【0041】
<潤滑油の挙動>
図2に示すように、入力シャフト3の第2油路3cから半径方向外側に潤滑油が供給されると、軸受部40内の潤滑空間48に潤滑油が供給され、軸受部40が潤滑される。軸受部40の潤滑空間48に供給された潤滑油の一部は、第3シンクロ機構S3側に流れて第3シンクロ機構S3の摺動面が潤滑される。
【0042】
一方、潤滑空間48に供給された潤滑油の残りは、第4入力ギヤG4側に流れる。図7に示すように、第4入力ギヤG4側に流れた潤滑油は、遠心力により中間油路56(より詳細には、4つの中間溝56a)を通って半径方向外側へ流れる。中間油路56から流れ出た潤滑油は、案内部材60の案内部62に衝突し、案内部62の半径方向内側に滞留する。また、案内部62により、半径方向外側から軸方向の第3シンクロ機構S3側へ潤滑油の流れ方向が変換される。
【0043】
案内部62から第3シンクロ機構S3に流れ出た潤滑油は、凹部64内に流れ込み、凹部64内で滞留する。滞留する潤滑油の一部は、誘導油路54(より詳細には、4つの連通孔54c)に流れ込む。このとき、連通孔54cが第3シンクロ機構S3側へいくにしたがって半径方外側へ広がるように傾斜しているため、半径方向外側へ向かう遠心力が潤滑油に作用すると、潤滑油に第3シンクロ機構S3側への軸方向の力が作用する。この結果、連通孔54cの第2開口54bから第1開口54aへ潤滑油が円滑に流れ、潤滑油がクラッチギヤ部34に導かれる。より詳細には、隣り合う外歯52の間に形成された空間に、連通孔54cから潤滑油が供給される。
【0044】
このように、この変速機1では、潤滑油の少なくとも一部が誘導油路54により第5入力ギヤG5のクラッチギヤ部34に導かれるため、潤滑性能を向上させることができる。
【0045】
<特徴>
第1実施形態の変速機1の特徴は以下の通りである。
【0046】
(1)
以上に説明したように、この変速機1では、潤滑油路3aから供給された潤滑油の少なくとも一部をクラッチギヤ部34に導く誘導油路54が第5入力ギヤG5の本体部30に設けられている。誘導油路54に含まれる第1開口54aがクラッチギヤ部34の隣り合う外歯52の間に配置されているため、クラッチギヤ部34へ潤滑油が確実に供給される。すなわち、この変速機1では潤滑性能を向上させることができる。
【0047】
(2)
誘導油路54が軸受部40の潤滑空間48に接続されているため、潤滑油路3aから軸受部40の潤滑空間48に供給された潤滑油を利用して、クラッチギヤ部34を潤滑することができる。これにより、この変速機1では潤滑油の有効利用を図れる。
【0048】
(3)
連通孔54cが、クラッチギヤ部34周辺の空間と第5入力ギヤG5の第4入力ギヤG4側(第3シンクロ機構S3と反対側)の空間とを連通させているため、第5入力ギヤG5と第4入力ギヤG4との間を流れる潤滑油を反対側のクラッチギヤ部34に導くことができる。
【0049】
また、本体部30に対して軸方向に貫通する連通孔54cを形成するだけで誘導油路54を実現できる。
【0050】
(4)
第1開口54aが第2開口54bより半径方向外側に位置するように連通孔54cが傾斜しているため、連通孔54cを流れる潤滑油に遠心力が作用した際に潤滑油に軸方向の力が作用する。これにより、連通孔54cによる潤滑油の案内効果がさらに高まり、より確実にクラッチギヤ部34に潤滑油を供給することができる。
【0051】
(5)
本体部30に形成された連通孔54cにより誘導油路54が構成されているため、誘導油路54を容易に形成することができる。
【0052】
(6)
潤滑油路3aから供給された潤滑油の少なくとも一部を受け止めるように案内部材60が設けられているため、潤滑空間48から流れ出た潤滑油を受け止めて、受け止めた潤滑油の少なくとも一部を誘導油路54に案内することができる。これにより、より確実に潤滑油をクラッチギヤ部34に供給できる。
【0053】
(7)
案内部材60を第4入力ギヤG4に装着するだけであるため、簡素な構造により潤滑油を受け止める構造を実現できる。
【0054】
(8)
第5入力ギヤG5と第4入力ギヤG4との間に形成された空間を半径方向に分割するように、案内部材60(より詳細には、案内部62)が第4入力ギヤG4から軸方向に延びている。これにより、潤滑油路3aから供給される潤滑油を確実に受け止めることができ、潤滑油が誘導油路54に流れ込みやすくなる。
【0055】
(9)
案内部62の第1部分62aが本体部30の凹部64内に配置されている。より詳細には、変速ギヤ部32の半径方向内側に案内部62の第1部分62aが配置されている。このため、第1部分62aおよび凹部64により、半径方向外側へ向かう流路が入り組んだ構造となる。これにより、案内部62により受け止められた潤滑油が半径方向外側へ排出されにくくなり、誘導油路54に潤滑油が流れ込みやすくなる。
【0056】
(10)
誘導油路54が凹部64内の空間と接続されているため、凹部64内で滞留する潤滑油が誘導油路54に流れ込みやすくなる。これにより、誘導油路54による潤滑油の案内効果がさらに高まる。
【0057】
(11)
本体部30が潤滑空間48と接続された中間油路56(より詳細には、4つの中間溝56a)を有しているため、軸受部40を潤滑した後の潤滑油を誘導油路54の第2開口54b周辺に誘導できる。これにより、誘導油路54に潤滑油が流れ込みやすくなる。
【0058】
(12)
中間油路56の中間溝56aが、連通孔54cと実質的に同じ円周方向位置に配置されているため、遠心力により中間溝56aから流れ出る潤滑油がさらに効率よく誘導油路54に供給される。
【0059】
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、案内部材60が第5入力ギヤG5の第2面38に対向する第4入力ギヤG4に装着されているが、案内部材60が第5入力ギヤG5に装着されている場合も考えられる。図8〜図11を用いて第2実施形態に係る変速機101について説明する。
【0060】
なお、第2実施形態以降の説明では、第1実施形態の構成と実質的に同じ構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0061】
図8〜図11に示すように、例えば、この変速機101では、第5入力ギヤG105の本体部130に案内部材160が装着されている。したがって、第4入力ギヤG104には、案内部材160を装着するための部分は形成されていない。
【0062】
図11に示すように、第5入力ギヤG105の本体部130には、案内部材160が装着される環状の第1凹部164が形成されている。第1凹部164は円筒状の装着壁164aにより形成されている。装着壁164aには案内部162が圧入されている。案内部材160は第5入力ギヤG105に溶接されていてもよい。
【0063】
また、この実施形態では、第1凹部164内であって連通孔154cの第2開口154b周辺に第1凹部164より小さい第2凹部166が形成されている。第1凹部164から誘導油路154に潤滑油を導きやすくするために、第2凹部166は、誘導油路154の第2開口154bに向かって徐々に内径が小さくなるように形成されている。
【0064】
図11に示すように、案内部材160は、本体部130の装着壁164aに圧入された案内部162を有している。案内部162は、前述した実施形態と同様な位置に配置されている。具体的には、案内部162は、中間油路56の半径方向外側であって誘導油路154よりも半径方向外側に配置されている。図9に示すように、案内部162は、第2開口154bの半径方向外側に配置されており、潤滑空間48から中間油路56を介して供給された潤滑油を第2開口154bに案内可能である。案内部材160は、本体部130の第2面38に環状に凹んで形成された第1凹部164をさらに有している。
【0065】
案内部162は、例えば、金属製の円筒状の部材であり、プレス加工により成形されている。この実施形態では、図10および図11に示すように、案内部162は、第5入力ギヤG5の本体部130の装着壁164aに装着されており、第5入力ギヤG5から第4入力ギヤG104(図9参照)に向けて突出している。
【0066】
案内部162は、図10に示すように、第2開口54bの半径方向外側に配置された第1部分162aと、第1部分162aより小径の第2部分162bと、を有している。第1部分162aは装着壁164aの内周側に圧入されているため、前述の第1実施形態とは異なり、第1部分162aの半径方向内側を滞留する潤滑油が第1部分162aと装着壁164aとの間を通って半径方向外側へほとんど流れ出ない。第1部分162aの先端部分は第1凹部164に当接しているため、第5入力ギヤG5に対して案内部162が軸方向に位置決めされている。
【0067】
第2部分162bは、第1部分162aの第4入力ギヤG4側に配置されており、第4入力ギヤG104に接近して配置されている。第2部分162bは、テーパ形状を有しており、クラッチギヤ部34側へいくにしたがって半径方向外側へ広がるように形成されている。
【0068】
第1部分162aと第2部分162bとの間には、第1部分162aと第2部分162bとを連結する連結壁部162cが形成されている。連結壁部162cは第2部分162bと同様にテーパ形状を有している。軸方向に対する第2部分162bの傾斜角は、軸方向に対する連結壁部162cの傾斜角よりも小さいため、第1部分162aから第2部分162bにかけて、案内部162は階段状に形成されていると言える。第2部分162bの第4入力ギヤG4の端部には、半径方向内側へ延び潤滑油を第2開口154bに案内するための円板状の案内壁部162dが形成されている。案内壁部162dは中間油路56よりも第4入力ギヤG4側に配置されている。
【0069】
このように、案内部材160の案内部162を第5入力ギヤG105に装着すると、中間油路56から半径方向外側へ流れ出た潤滑油のほとんどを誘導油路154に案内することができる。これにより、クラッチギヤ部34により確実に潤滑油を供給でき、変速機101の潤滑性能を向上させることができる。
【0070】
また、案内部材160が第5入力ギヤG105に装着されているため、誘導油路154に対して案内部材160を精度良く配置できる。
【0071】
〔第3実施形態〕
前述した第1および第2実施形態では、案内部材60,160の案内部62,162が第5入力ギヤG5と別体で設けられているが、案内部を第4入力ギヤまたは第5入力ギヤと一体形成してもよい。
【0072】
図12および図13に第3実施形態に係る変速機201の要部を示す。例えば、この変速機201では、第5入力ギヤG205の本体部230は、第1凹部264の半径方向外側に、第4入力ギヤG204側に向かって突出する環状の案内部262(受け止め部の一例)を有している。図13に示すように、第1凹部264は、前述した第1実施形態の凹部64と同様な形状であるが、案内部262により第1凹部264が軸方向にさらに深く形成されていると考えることもできる。案内部262は、中間油路56の半径方向外側に配置されており、中間油路56よりも第4入力ギヤG4側へ延びている。
【0073】
この場合であっても、潤滑油路3aから供給された潤滑油が案内部262により受け止められ、第1凹部264内で滞留する。第1凹部264内で滞留する潤滑油が誘導油路54に流れ込みやすくなり、より確実にクラッチギヤ部34に潤滑油が供給される。
【0074】
このように、案内部262を第5入力ギヤG5と一体形成することにより、案内部を別体で設ける場合に比べて、案内部262の構成が簡素になる。
【0075】
なお、図12に示す第4入力ギヤ104の一部を、誘導油路54の第2開口54bに向けて突出させることで、案内部を形成してもよい。
【0076】
〔第4実施形態〕
前述した第1〜第3実施形態では、本体部を軸方向に貫通する誘導油路によりクラッチギヤ部に潤滑油を供給しているが、以下のような実施形態も考えられる。
【0077】
図14および図15に第4実施形態に係る変速機301の要部を示す。例えば、この変速機301では、第5入力ギヤ305の本体部330が誘導油路354を有している。誘導油路354は、軸受部40からクラッチギヤ部34へ半径方向外側に延びる複数の連通孔354cを有している。連通孔354cは、本体部330内周部に形成された第2開口354b(内周側開口の一例)と、クラッチギヤ部34の外歯52の間に配置された第1開口354aと、を有している。例えば、複数の連通孔354cは放射状に形成されている。第2開口354b周辺には、第1開口354aおよび第2開口354bよりも内径が大きい(開口面積が大きい)凹部330aが形成されている。凹部330aは軸受部40の潤滑空間48と接続されている。
【0078】
このように、本体部330の内周部からクラッチギヤ部34に向かって半径方向に延びる連通孔354cを設けることで、誘導油路354の構成を簡素化できる。
【0079】
また、誘導油路354により潤滑油が半径方向に流れるため、遠心力が作用する方向と潤滑油が流れる方向とが概ね一致する。これにより、遠心力の作用により潤滑空間48に供給された潤滑油を、クラッチギヤ部34に確実に導くことができる。
【0080】
〔他の実施形態〕
本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
【0081】
(A)
本発明は、FF車用の手動変速機だけでなく、FR(Front Engine Rear Drive)車用の手動変速機にも適用可能である。
【0082】
(B)
前述の実施形態で開示した誘導油路や中間油路などの数は一例であり、少なくとも1つの誘導油路あるいは中間油路が設けられていればよい。
【0083】
(C)
前述の実施形態では、第5入力ギヤG5が誘導油路54を有しているが、他のギヤにも本発明を適用できる。図16に変速機401の要部を示す。
【0084】
例えば図16に示すように、第6入力ギヤG406が誘導油路454および中間油路456を有していてもよい。この場合、案内部材460は、第1ケース21の側壁21a(対向部材の一例)に固定されている。案内部材460は、軸方向に延びる円筒状の案内部462を有している。案内部462は誘導油路454よりも半径方向外側に配置されている。案内部462の端部は第6入力ギヤG406に設けられた凹部464内に配置されている。
【0085】
第6入力ギヤG406は、ブッシュ444およびニードルベアリング446により入力シャフト3に対して回転可能に支持されている。ブッシュ444は第4油路444aを有している。ニードルベアリング446は潤滑空間448を有している。中間油路456は潤滑空間448と接続されている。
【0086】
このように、誘導油路454が設けられている第6入力ギヤG406の相手側の部材が第1ケース21の側壁21aのように回転しない部材であっても、前述の実施形態の構成を適用可能である。
【0087】
(D)
前述の第1および第2実施形態では、案内部材60,160を設けているが、案内部材60,160がない場合であっても、クラッチギヤ部34へ潤滑油の一部を導くことは可能である。例えば、第5入力ギヤG5に凹部64および誘導油路54が設けられている場合であっても、中間油路56から流れ出た潤滑油が凹部64内を滞留し、誘導油路54に流れ込みやすくなる。これにより、クラッチギヤ部34に潤滑油を導くことができ、潤滑性能を向上させることができる。
【0088】
なお、前述の第1〜第3実施形態のように、案内部材60,160および案内部262を設けることで、潤滑性能をさらに向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明に係る変速機であれば潤滑性能の向上を図ることができるため、本発明は変速機の分野において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】変速機の概略断面図(第1実施形態)。
【図2】変速機の部分断面図(第1実施形態)。
【図3】第5入力ギヤの断面図(第1実施形態)。
【図4】第5入力ギヤの正面図(第1実施形態)。
【図5】第5入力ギヤの背面図(第1実施形態)。
【図6】案内部材の断面図(第1実施形態)。
【図7】案内部材周辺の部分断面図(第1実施形態)。
【図8】変速機の概略断面図(第2実施形態)。
【図9】変速機の部分断面図(第2実施形態)。
【図10】案内部材の断面図(第2実施形態)。
【図11】案内部材周辺の部分断面図(第2実施形態)。
【図12】変速機の部分断面図(第3実施形態)。
【図13】第5入力ギヤの断面図(第3実施形態)。
【図14】変速機の部分断面図(第4実施形態)。
【図15】第5入力ギヤの断面図(第4実施形態)。
【図16】変速機の部分断面図(他の実施形態)。
【符号の説明】
【0091】
1,101,201,301 変速機
3 入力シャフト(シャフトの一例)
3a 潤滑油路
21 第1ケース
21a 側壁(対向部材の一例)
30,130,230,330 本体部
32 変速ギヤ部
34 クラッチギヤ部
36 第1面
38 第2面
40 軸受部
48 潤滑空間
52 外歯
54,154,354 誘導油路
54a,351a 第1開口
54b,154b 第2開口
54c,154c,354c 連通孔
56 中間油路
56a 中間溝
60,160,260,360,460 案内部材(受け止め部の一例)
62,162,262,462 案内部
62a,162a 第1部分
62b,162b 第2部分
64 凹部
164,264 第1凹部(凹部の一例)
G4,G104,G204,G304 第4入力ギヤ(対向部材の一例)
G5,G105,G205,G305 第5入力ギヤ(ギヤの一例)
G406 第6入力ギヤ(ギヤの一例)
S3 第3シンクロ機構(シンクロ機構の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周側に潤滑油を供給可能な潤滑油路を有するシャフトと、
前記シャフトと一体回転可能に設けられた機構であって、前記シャフトに対して軸方向に移動可能に設けられた切換部材を有するシンクロ機構と、
前記シャフトに対して回転可能なように前記シャフトの外周側に設けられた本体部と、前記本体部の外周部に設けられた変速ギヤ部と、前記切換部材と噛み合い可能なように設けられ前記切換部材と噛み合い可能な複数の外歯を有するクラッチギヤ部と、を有するギヤと、を備え、
前記本体部は、前記潤滑油路から供給された前記潤滑油の少なくとも一部を前記クラッチギヤ部に導く油路であって、隣り合う2つの前記外歯の間に配置された第1開口を有する誘導油路を有している、
変速機。
【請求項2】
前記シャフトと前記ギヤの前記本体部との半径方向間に配置され、前記ギヤを前記シャフトに対して回転可能に支持する軸受部をさらに備え、
前記軸受部は、前記潤滑油路および誘導油路の間に配置された潤滑空間を有している、
請求項1に記載の変速機。
【請求項3】
前記誘導油路は、前記クラッチギヤ部側の端部に設けられた前記第1開口と、前記第1開口と反対側の端部に設けられた第2開口と、を有する少なくとも1つの連通孔を有しており、
前記第1開口は、前記第2開口よりも半径方向外側に配置されている、
請求項1または2に記載の変速機。
【請求項4】
前記潤滑油路から供給された前記潤滑油の少なくとも一部を受け止める受け止め部をさらに備えており、
前記誘導油路は、前記受け止め部により受け止められた潤滑油の少なくとも一部を前記クラッチギヤ部に供給可能である、
請求項1から3のいずれかに記載の変速機。
【請求項5】
前記本体部に対して前記シンクロ機構と軸方向の反対側に配置された対向部材をさらに備え、
前記受け止め部は、前記本体部および前記対向部材のうち一方に対して、一体あるいは別体で設けられている、
請求項4に記載の変速機。
【請求項6】
前記受け止め部は、前記本体部と前記対向部材との軸方向間に形成された空間を半径方向に分割するように軸方向に延びている、
請求項5に記載の変速機。
【請求項7】
前記本体部は、前記シンクロ機構と軸方向の反対側に配置された凹部を有しており、
前記受け止め部の一部は、前記凹部内に配置されている、
請求項4から6のいずれかに記載の変速機。
【請求項8】
前記本体部は、前記シンクロ機構と軸方向の反対側に配置された凹部を有しており、
前記受け止め部は、前記本体部と一体あるいは別体で設けられ、前記本体部から前記シンクロ機構と軸方向に反対側に突出しており、
前記受け止め部の少なくとも一部は、前記凹部の半径方向外側に配置されている、
請求項4から6のいずれかに記載の変速機。
【請求項9】
前記誘導油路は、前記凹部内の空間に接続されている、
請求項7または8に記載の変速機。
【請求項10】
前記本体部は、前記誘導油路よりも半径方向内側に配置され前記潤滑油路から供給された前記潤滑油の一部を前記誘導油路近傍へ導くことが可能な中間油路を有している、
請求項1から9のいずれかに記載の変速機。
【請求項11】
前記中間油路は、前記第2開口と実質的に同じ円周方向位置に配置されている、
請求項10に記載の変速機。
【請求項12】
前記誘導油路は、前記本体部の内周面に形成された内周側開口と前記第1開口とを連通する連通孔として形成されている、
請求項1に記載の変速機。
【請求項13】
前記内周側開口は、前記第1開口に比べて開口面積が大きい凹部として形成されている、
請求項12に記載の変速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−191922(P2009−191922A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32129(P2008−32129)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(390009896)愛知機械工業株式会社 (190)
【Fターム(参考)】