説明

変速機

【課題】専用のダンパ機構を設けずに、駆動力の変動を抑制することができる変速機を提供すること。
【解決手段】内燃機関10が発生する出力トルクが伝達されるタービン32と同軸上に、回転自在に支持されたプライマリプーリ軸3aと、出力トルクが伝達されるリダクションドライブギヤ51と同軸上に、回転自在に支持され、かつプライマリプーリ軸3aと平行に配置されたセカンダリプーリ軸4aと、プライマリプーリ軸3aとセカンダリプーリ軸4aとの間でベルト5により力の伝達を行うプライマリプーリ3およびセカンダリプーリ4と、プライマリプーリ軸3a内に配置され、タービン32と連結されるとともに回転方向切換機構40を介してプライマリプーリ軸3aのリア側と連結される入力軸2と、セカンダリプーリ軸4a内に配置され、リダクションドライブギヤ51と連結されるとともにセカンダリプーリ軸4aのリア側と連結される出力軸6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源が発生する駆動力を伝達する変速機に関し、特にダンパ機構を備える変速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両は、駆動源が発生する駆動力、例えば内燃機関が発生する出力トルクを路面に伝達するために、トランスミッションが備えられている。トランスミッションには、変速機、回転方向切換機構、動力伝達機構、最終減速機などにより構成されている。
【0003】
ここで、内燃機関が発生する出力トルクは、内燃機関の運転状態に応じて変動する。従って、従来のトランスミッションでは、出力トルクの変動、すなわち駆動力の変動を緩和するために、ダンパ機構が備えられている。ダンパ機構としては、例えば内燃機関とトランスミッションとの間に、別体で設置される乾式ダンパ機構や、特許文献1に示すようなトランスミッションに備えられた流体伝達機構であるロックアップ付トルクコンバータと一体に形成される湿式ダンパ機構がある。
【0004】
【特許文献1】特開2006−132753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらのダンパ機構は、出力トルクの変動を緩和するために、別体、一体に関わらず多くの部品により構成されている。例えば、特許文献1に示す湿式ダンパは、コイルスプリングと、コイルスプリングを保持する保持部材と、コイルスプリングに駆動力を伝達する部材と、コイルスプリングを介して駆動力を伝達する部材とにより構成される。つまり、出力トルクの変動、すなわち駆動力の変動を緩和するために、専用の部品で構成される専用のダンパ機構を備える必要があった。従って、トランスミッションの部品点数の増加、大型化、コストの増加、製造容易性の低下などの問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、専用のダンパ機構を設けずに、駆動力の変動を抑制することができる変速機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる変速機は、駆動源が発生する駆動力が伝達される入力部材と同軸上に、回転自在に支持された第1環状部材と、駆動源が発生する駆動力が伝達される出力部材と同軸上に、回転自在に支持され、かつ第1環状部材と平行に配置された第2環状部材と、第1環状部材と第2環状部材との間で力の伝達を行う変速機構と、第1環状部材内に配置され、入力部材と連結されるとともに第1環状部材の入力部材側と反対側と連結される入力軸と、第2環状部材内に配置され、出力部材と連結されるとともに第2環状部材の出力部材側と反対側と連結される出力軸と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明では、上記変速機において、入力部材は、駆動源が発生する駆動力を作動流体により伝達する流体伝達機構の出力側回転部材であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明では、上記変速機において、変速機構は、ベルトにより第1環状部材と第2環状部材との間で力の伝達を行うものであることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、入力部材、例えば駆動源が発生する駆動力を作動流体により伝達する流体伝達機構の出力側回転部に伝達された駆動源が発生する駆動力に応じて、入力軸の入力部材と連結する部分と第1環状部材と連結する部分との間で捩れが発生する。また、変速機構を介して第1環状部材から第2環状部材に伝達された駆動源が発生する駆動力に応じて、出力軸の第2環状部材と連結する部分と出力部材と連結する部分との間でも捩れが発生する。また、入力軸は、入力部材と連結されるとともに第1環状部材の入力部材側と反対側と連結されるので、軸長を十分に長くすることができ、入力軸に伝達される駆動力により捩れやすくなる。また、出力軸は、出力部材と連結されるとともに第2環状部材の出力部材側と反対側と連結されるので、軸長を十分に長くすることができ、出力軸に伝達される駆動力により捩れやすくなる。従って、入力軸および出力軸は、捩れることで駆動力の変動を緩和することができ、ダンパとして機能することができる。これにより、トランスミッションに専用のダンパ機構を設けずに、駆動力の変動を抑制することができ、トランスミッションの部品点数の減少、小型化、コストの低下、製造容易性の向上などを図ることができる。また、変速機により駆動力が伝達されている際における振動を低減することができる。
【0011】
また、本発明では、上記変速機において、変速機構は、第1環状部材の回転数に対する第2環状部材の回転数を変更することができることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、変速機構は、第1環状部材の回転数と第2環状部材の回転数との比である変速比を変更することができる。ここで、出力軸のダンパ効果に影響を与える捩れ剛性は、入力軸の捩れ剛性に換算すると変速比の二乗に反比例する。従って、出力軸を有することで変速比の変化に応じて、ダンパ効果が変化する可変ダンパを構成することができる。また、出力側の捩れ剛性は、変速比が高いほど低下し、ダンパ効果が向上する。従って、変速比の増加に応じて振動を低減することができる。車両の共振点を内燃機関のより低回転側に移動することができるので、振動を低減することができる。
【0013】
また、本発明では、上記変速機において、入力軸および第1環状部材と同軸上に、第1環状部材の入力部材側と反対側に配置される回転方向切換機構をさらに備え、入力軸は、回転方向切換機構を介して第1環状部材の入力部材側と反対側と連結されることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、入力軸は、第1環状部材の入力部材側と反対側に配置される回転方向切換機構と連結されることで、第1環状部材の入力部材側と反対側と連結されるので入力軸の軸長をさらに長くすることができる。従って、入力軸は、入力軸に伝達される駆動力により捩れやすくなり、ダンパ効果が向上し、駆動力の変動をさらに抑制することができる。また、変速機により駆動力が伝達されている際における振動をさらに低減することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる変速機は、駆動源が発生する駆動力を伝達する際に、入力軸および出力軸がダンパとして機能するので、専用のダンパ機構を設けずに、駆動力の変動を抑制することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。ここで、下記の実施の形態では、変速機としてベルト式無段変速機を用いる場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばベルトの代わりにチェーンを用いた変速機などであっても良い。また、下記の実施の形態では、駆動力を発生する駆動源として内燃機関(ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなど)としているが、これに限定されるものではなく、内燃機関およびモータなどの電動機を駆動源としても良い。
【0017】
[実施の形態]
図1は、実施の形態にかかる変速機を備えるトランスミッションの構成例を示す図である。図1に示すように、駆動源である内燃機関10の出力側には、トランスアクスル20が配置されている。トランスアクスル20は、トランスアクスルハウジング21と、トランスアクスルハウジング21に取り付けられたトランスアクスルケース22と、トランスアクスルケース22に取り付けられたトランスアクスルリアカバー23とにより構成されている。
【0018】
トランスアクスル20の内部には、トルクコンバータ30と、実施の形態にかかる変速機1と、回転方向切換機構40と、動力伝達機構50と、最終減速機60とにより構成されるトランスミッションが格納されている。
【0019】
トルクコンバータ30は、流体伝達機構であり、駆動源が発生する駆動力、すなわち内燃機関10が発生する出力トルクを作動流体である作動油により伝達するものである。トルクコンバータ30は、トランスアクスルハウジング21の内部に格納されている。トルクコンバータ30は、内燃機関10が発生する出力トルクを増加、あるいはそのまま回転方向切換機構40を介して変速機1に伝達するものである。トルクコンバータ30は、少なくともポンプ(ポンプインペラ)31と、タービン(タービンインペラ)32と、ステータ33と、ロックアップクラッチ34とにより構成されている。なお、37は、内燃機関10が発生する出力トルクにより作動するオイルポンプである。
【0020】
ポンプ31は、内燃機関10のクランクシャフト11と同軸上を回転可能に支持されている。ポンプ31は、フロントカバー36に連結されており、フロントカバー36が内燃機関10のドライブプレート12を介して、クランクシャフト11に連結されている。
【0021】
タービン32は、出力側回転部材であり、入力部材である。タービン32は、ポンプ31と対向するように配置されている。タービン32は、変速機1の後述する入力軸2に連結されている。タービン32は、入力軸2とともに、ポンプ31に対して相対回転可能に支持されている。
【0022】
ポンプ31とタービン32との間には、ワンウェイクラッチ35を介してステータ33が配置されている。ワンウェイクラッチ35は、上記トランスアクスルハウジング21に固定されている。また、タービン32とフロントカバー36との間には、ロックアップクラッチ34が配置されており、ロックアップクラッチ34は、入力軸2に連結されている。ロックアップクラッチ34は、ポンプ31やフロントカバー36により形成されるトルクコンバータ油圧室に供給される作動流体である作動油の油圧により動作するものである。
【0023】
ここで、トルクコンバータ30の動作について説明する。内燃機関10が発生する出力トルクは、クランクシャフト11からドライブプレート12を介してフロントカバー36を伝達される。ロックアップクラッチ34が解放されている場合は、フロントカバー36に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクがポンプ31に伝達され、ポンプ31とタービン32との間を循環する作動油を介して、タービン32に伝達される。そして、タービン32に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクは、入力軸2に伝達される。つまり、トルクコンバータ30は、ポンプ31およびタービン32により構成される流体継手を介して、内燃機関10が発生する出力トルクを増加して変速機1に伝達する。なお、トルクコンバータ30は、ロックアップクラッチ34が解放されている場合、ステータ33により、ポンプ31とタービン32との間を循環する作動油の流れを変化させ所定のトルク特性を得ることができる。
【0024】
一方、上記ロックアップクラッチ34がロック、すなわちフロントカバーと係合している場合は、フロントカバー36に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクは、作動油を介さずに直接入力軸2に伝達される。つまり、トルクコンバータ30は、ポンプ31およびタービン32により構成される流体継手を介さずに、内燃機関10が発生する出力トルクを変速機1に伝達する。
【0025】
回転方向切換機構40は、図1に示すように、トルクコンバータ30を介して伝達された内燃機関10が発生する出力トルクを変速機1に伝達する際の伝達方向を切り換えるものである。回転方向切換機構40は、変速機1の後述するプライマリプーリ3の入力部材側、すなわちフロント側と反対側であるリア側に配置される。つまり、回転方向切換機構40は、第1環状部材であるプライマリプーリ3の後述するプライマリプーリ軸3aのトルクコンバータ側と反対側に配置される。回転方向切換機構40は、入力軸2およびプライマリプーリ軸3aと同軸上に配置されている。回転方向切換機構40は、少なくとも遊星歯車装置41とフォワードクラッチ42と、リバースブレーキ43とにより構成されている。
【0026】
遊星歯車装置41は、サンギヤ44と、ピニオン45と、リングギヤ46とにより構成されている。
【0027】
サンギヤ44は、入力軸2に連結されている。ここで、サンギヤ44は、入力軸2の軸方向のうちリア側で連結されている。従って、サンギヤ44は、入力軸2と一体回転可能に支持されている。
【0028】
ピニオン45は、サンギヤ44と噛み合い、周方向に複数個(例えば、3個)配置されている。各ピニオン45は、サンギヤ44の周囲で一体に公転可能に支持する切換用キャリア47に保持されている。切換用キャリア47は、軸方向のうちリア側の端部がフォワードクラッチ42に連結され、フォワードクラッチ42を介して入力軸2に接続され、フロント側端部がプライマリプーリ軸3aと連結されている。
【0029】
リングギヤ46は、切換用キャリア47に保持された各ピニオン45と噛み合い、トランスアクスルケース22に固定されているリバースブレーキ43に接続されている。
【0030】
フォワードクラッチ42は、供給される作動油の油圧によりON/OFF制御されるものである。フォワードクラッチ42は、一方の端部が入力軸2に連結され、他方の端部が切換用キャリア47に連結されている。ここで、フォワードクラッチ42は、入力軸2の軸方向のうちリア側で連結されている。フォワードクラッチ42のOFF時には、入力軸2に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクがサンギヤ44のみに伝達される。一方、フォワードクラッチ42のON時には、入力軸2に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクがサンギヤ44および切換用キャリア47に伝達される。
【0031】
リバースブレーキ43は、図示しないブレーキピストンに供給される作動油の油圧によりON/OFF制御されるものである。リバースブレーキ43がON時には、リングギヤ46がトランスアクスルケース22に固定される。リバースブレーキ43がOFF時には、リングギヤ46が解放される。
【0032】
変速機1は、トルクコンバータ30を介して伝達された駆動源が発生する駆動力、すなわち内燃機関10が発生する出力トルクを動力伝達機構50および最終減速機60を介して車輪70に伝達するものである。変速機1は、入力軸2と、第1環状部材であるプライマリプーリ軸3aを備えるプライマリプーリ3と、第2環状部材であるセカンダリプーリ軸4aを備えるセカンダリプーリ4と、ベルト5と、出力軸6とにより構成されている。ここで、プライマリプーリ3およびセカンダリプーリ4とで変速機構が構成されている。変速機構であるプライマリプーリ3およびセカンダリプーリ4は、プライマリプーリ軸3aの回転数に対する後述する第2環状部材であるセカンダリプーリ4のセカンダリプーリ軸4aの回転数を変更するものである。
【0033】
入力軸2は、入力部材であるタービン32から伝達される内燃機関10が発生する出力トルクを第1環状部材であるプライマリプーリ軸3aに伝達するものである。実施の形態では、入力軸2は、回転方向切換機構40を介して、内燃機関10が発生する出力トルクをプライマリプーリ軸3aに伝達する。入力軸2は、プライマリプーリ軸3a内に配置され、一方の端部が軸受B1に回転可能に支持され、他方の端部がタービン32に連結されている。従って、入力軸2は、プライマリプーリ軸3aに対して相対回転可能に支持されている。入力軸2は、軸方向のうちリア側で回転方向切換機構40と連結されている。従って、入力軸2は、軸方向のうちフロント側でタービン32と連結されるとともに、軸方向のうちリア側で回転方向切換機構40と連結されることで、回転方向切換機構40を介してプライマリプーリ軸3aのリア側と連結されるので、軸長を十分に長くすることができる。これにより、入力軸2に伝達される内燃機関10が発生する出力トルクである駆動力により捩れやすくなる。ここで、入力軸2の径は、実施の形態では、回転方向切換機構40から伝達される力(内燃機関10が発生した出力トルクに基づいたトルク)の最大値をプライマリプーリ3に伝達することができる強度を少なくとも満たす径である。
【0034】
プライマリプーリ3は、入力軸2に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクをベルト5により、セカンダリプーリ4に伝達するものである。プライマリプーリ3は、プライマリプーリ軸3aと、プライマリ固定シーブ3bと、プライマリ可動シーブ3cと、プライマリプーリ3にベルト5に対するベルト挟圧力を発生させるプライマリ油圧室3dとにより構成されている。
【0035】
プライマリプーリ軸3aは、第1環状部材であり、内燃機関10が発生する出力トルクが伝達されるタービン32と同軸上に、軸受B2,B3により回転可能に支持されている。プライマリプーリ軸3aは、実施の形態では、円筒部材であり、軸方向うちリア側の端部が切換用キャリア47に連結されている。つまり、プライマリプーリ軸3aは、回転方向切換機構40を介して入力軸2の軸方向のうちリア側で連結されることとなる。
【0036】
プライマリ固定シーブ3bは、プライマリ可動シーブ3cと対向するように、プライマリプーリ軸3aと一体回転するように設けられている。実施の形態では、プライマリ固定シーブ3bは、プライマリプーリ軸3aの外周から径方向外側に突出する環状部として形成されている。つまり、プライマリ固定シーブ3bは、プライマリプーリ軸3aの外周に一体的に設けられている。
【0037】
プライマリ可動シーブ3cは、プライマリプーリ軸3aにプライマリプーリ軸3a上を軸方向に摺動可能にスプライン嵌合されている。プライマリ固定シーブ3bとプライマリ可動シーブ3cとの間、すなわちプライマリ固定シーブ3bのプライマリ可動シーブ3cに対向する面と、プライマリ可動シーブ3cのプライマリ固定シーブ3bと対向する面との間で、V字形状のプライマリ溝5aが形成されている。
【0038】
プライマリ油圧室3dは、プライマリ可動シーブ3cのプライマリ固定シーブ3bと対向する面と反対側の背面3fと、プライマリプーリ軸3aに固定された円板形状のプライマリ隔壁3eとに構成されている。プライマリ可動シーブ3cの背面3fには、軸方向の一方向、すなわちリア側に突出する環状の突出部3gが形成されている。一方、プライマリ隔壁3eには、軸方向の他方向、すなわちフロント側に突出する環状の突出部3hが形成されている。突出部3gと突出部3hとの間には、例えばシールリングなどの図示しないプライマリ油圧室用シール部材が設けられている。つまり、プライマリ油圧室3dを構成するプライマリ可動シーブ3cの背面3fとプライマリ隔壁3eとは、プライマリ油圧室用シール部材によりシールされている。
【0039】
プライマリ油圧室3dは、供給された作動油の油圧により、プライマリ可動シーブ3cを軸方向に摺動させ、プライマリ可動シーブ3cをプライマリ固定シーブ3bに対して接近あるいは離隔させるものである。プライマリ油圧室3dは、プライマリ油圧室3dに供給される作動油により、プライマリ可動シーブ3cを軸方向に押圧する可動シーブ押圧力をプライマリ可動シーブ3cに作用させることで、プライマリ溝5aに巻き掛けられるベルト5に対してベルト挟圧力を発生させ、プライマリ可動シーブ3cのプライマリ固定シーブ3bに対する軸方向位置を変更し、ベルト5のプライマリプーリ3に対する接触半径を変更するものである。
【0040】
セカンダリプーリ4は、ベルト5によりプライマリプーリ3に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクを出力軸6に伝達するものである。セカンダリプーリ4は、セカンダリプーリ軸4aと、セカンダリ固定シーブ4bと、セカンダリ可動シーブ4cと、セカンダリプーリ4にベルト5に対するベルト挟圧力を発生させるセカンダリ油圧室4dとにより構成されている。
【0041】
セカンダリプーリ軸4aは、第2環状部材であり、第1環状部材であるプライマリプーリ軸3aと平行に配置されている。セカンダリプーリ軸4aは、内燃機関10が発生する出力トルクが伝達される出力部材である動力伝達機構50の後述するリダクションドライブギヤ51と同軸上に、軸受B4,B5により回転可能に支持されている。セカンダリプーリ軸4aは、実施の形態では、円筒部材であり、軸方向うちリア側の端部近傍が後述する連結部材6aを介して出力軸6に連結されている。
【0042】
セカンダリ固定シーブ4bは、セカンダリ可動シーブ4cと対向するように、セカンダリプーリ軸4aと一体回転するように設けられている。実施の形態では、セカンダリ固定シーブ4bは、セカンダリプーリ軸4aの外周から径方向外側に突出する環状部として形成されている。つまり、セカンダリ固定シーブ4bは、セカンダリプーリ軸4aの外周に一体的に設けられている。
【0043】
セカンダリ可動シーブ4cは、セカンダリプーリ軸4aにセカンダリプーリ軸4a上を軸方向に摺動可能にスプライン嵌合されている。セカンダリ固定シーブ4bとセカンダリ可動シーブ4cとの間、すなわちセカンダリ固定シーブ4bのセカンダリ可動シーブ4cに対向する面と、セカンダリ可動シーブ4cのセカンダリ固定シーブ4bと対向する面との間で、V字形状のセカンダリ溝5bが形成されている。
【0044】
セカンダリ油圧室4dは、セカンダリ可動シーブ4cのセカンダリ固定シーブ4bと対向する面と反対側の背面4fと、セカンダリプーリ軸4aに固定された円板形状のセカンダリ隔壁4eとに構成されている。セカンダリ可動シーブ4cの背面4fには、軸方向の一方向、すなわちフロント側に突出する環状の突出部4gが形成されている。一方、セカンダリ隔壁4eには、軸方向の他方向、すなわちリア側に突出する環状の突出部4hが形成されている。突出部4gと突出部4hとの間には、例えばシールリングなどの図示しないセカンダリ油圧室用シール部材が設けられている。つまり、セカンダリ油圧室4dを構成するセカンダリ可動シーブ4cの背面4fとセカンダリ隔壁4eとは、セカンダリ油圧室用シール部材によりシールされている。
【0045】
セカンダリ油圧室4dは、供給された作動油の油圧により、セカンダリ可動シーブ4cを軸方向に摺動させ、セカンダリ可動シーブ4cをセカンダリ固定シーブ4bに対して接近あるいは離隔させるものである。セカンダリ油圧室4dは、セカンダリ油圧室4dに供給される作動油により、セカンダリ可動シーブ4cを軸方向に押圧する可動シーブ押圧力をセカンダリ可動シーブ4cに作用させることで、セカンダリ溝5bに巻き掛けられるベルト5に対してベルト挟圧力を発生させ、セカンダリ可動シーブ4cのセカンダリ固定シーブ4bに対する軸方向位置を変更し、ベルト5のセカンダリプーリ4に対する接触半径を変更するものである。
【0046】
つまり、プライマリ油圧室3dおよびセカンダリ油圧室4dの油圧により、ベルト5に対するベルト挟圧力が発生することで、内燃機関10が発生する駆動力が伝達される。これにより、変速機構であるプライマリプーリ3およびセカンダリプーリ4は、第1環状部材であるプライマリプーリ軸3aと第2環状部材であるセカンダリプーリ軸4aとの間で力の伝達を行う。また、プライマリ油圧室3dおよびセカンダリ油圧室4dの油圧により発生するベルト挟圧力により、プライマリプーリ3およびセカンダリプーリ4に対する接触半径が変更される。これにより、プライマリプーリ3およびセカンダリプーリ4は、プライマリプーリ軸3aの回転数に対するセカンダリプーリ軸4aの回転数の比、すなわち変速比を変更することができる。
【0047】
ベルト5は、プライマリプーリ3からセカンダリプーリ4に内燃機関10が発生する出力トルクを伝達するものである。つまり、ベルト5は、プライマリプーリ軸3aとセカンダリプーリ軸4aとの間で力を伝達するものである。ベルト5は、プライマリプーリ3のプライマリ溝5aとセカンダリプーリ4のセカンダリ溝5bとの間に巻き掛けられている。また、ベルト5は、多数の金属製の駒と複数本のスチールリングで構成された無端ベルトである。
【0048】
出力軸6は、ベルト5を介してセカンダリプーリ軸4aに伝達される内燃機関10が発生する出力トルクを出力部材であるリダクションドライブギヤ51に伝達するものである。出力軸6は、セカンダリプーリ軸4a内に配置され、両端部が軸受B6,B7にそれぞれ回転可能に支持されている。従って、出力軸6は、セカンダリプーリ軸4aに対して相対回転可能に支持されている。出力軸6は、軸方向のうちリア側がセカンダリプーリ軸4aの軸方向のうちリア側と連結されている。実施の形態では、出力軸6に設けられた連結部材6aの外周面に形成されたスプラインと、セカンダリプーリ軸4aの内周面に形成されたスプラインとがスプライン嵌合することで、出力軸6がセカンダリプーリ軸4aの軸方向のうちリア側に連結されている。また、出力軸6は、軸方向のうちフロント側がリダクションドライブギヤ51と連結されている。従って、出力軸6は、軸方向のうちフロント側でリダクションドライブギヤ51と連結されるとともに、軸方向のうちリア側でセカンダリプーリ軸4aの出力部材側、すなわちフロント側と反対側であるリア側と連結されるので、軸長を十分に長くすることができる。これにより、出力軸6に伝達される内燃機関10が発生する出力トルクである駆動力により捩れやすくなる。ここで、出力軸6の径は、実施の形態では、セカンダリプーリ4のセカンダリプーリ軸4aから伝達される力(内燃機関10が発生した出力トルクに基づいたトルク)の最大値をリダクションドライブギヤ51に伝達することができる強度を少なくとも満たす径である。なお、変速機1の変速機構を構成するプライマリプーリ3およびセカンダリプーリ4は、変速比を変更することができる。出力軸6の捩れ剛性は、出力軸6のダンパ効果に影響を与えるものであるが、入力軸2の捩れ剛性に換算すると変速比の二乗に反比例する。
【0049】
変速機1と最終減速機60との間には、動力伝達機構50が配置されている。動力伝達機構50は、リダクションドライブギヤ51と、セカンダリプーリ軸4aと平行なインターミディエイトシャフト52と、リダクションドリブンギヤ53と、ファイナルドライブピニオン54とにより構成されている。
【0050】
リダクションドライブギヤ51は、出力部材であり、セカンダリプーリ4のセカンダリプーリ軸4aと動力伝達機構50との間で力の伝達を行うものである。リダクションドライブギヤ51は、セカンダリプーリ軸4aと同軸上に配置されている。また、リダクションドライブギヤ51は、出力軸6の軸方向のうちフロント側で連結されている。
【0051】
インターミディエイトシャフト52は、軸受B8,B9により回転可能に支持されている。リダクションドリブンギヤ53は、インターミディエイトシャフト52に固定されており、リダクションドライブギヤ51と噛み合わされている。また、ファイナルドライブピニオン54は、インターミディエイトシャフト52に固定されている。
【0052】
最終減速機60は、変速機1および動力伝達機構50を介して伝達された内燃機関10が発生する出力トルクを車輪70,70から路面に伝達するものである。最終減速機60は、中空部が形成されたデフケース61と、ピニオンシャフト62と、デフ用ピニオン63,64と、サイドギヤ65,66とにより構成されている。
【0053】
デフケース61は、軸受B10,B11により回転可能に支持されている。また、デフケース61の外周には、リングギヤ67が設けられており、リングギヤ67がファイナルドライブピニオン54と噛み合わされている。ピニオンシャフト62は、デフケース61の中空部に取り付けられている。デフ用ピニオン63,64は、このピニオンシャフト62に回転可能に取り付けられている。サイドギヤ65,66は、このデフ用ピニオン63,64の両方に噛み合わされている。このサイドギヤ65,66は、それぞれドライブシャフト71,72に固定されている。
【0054】
ドライブシャフト71,72は、その一方の端部にそれぞれサイドギヤ65,66が固定され、他方の端部に車輪70,70が取り付けられている。
【0055】
次に、実施の形態にかかる変速機1の動作について説明する。まず、一般的な車両の前進、後進について説明する。車両に設けられた図示しないシフトポジション装置により、運転者が前進ポジションを選択した場合は、供給された作動油によりフォワードクラッチ42がON、リバースブレーキ43がOFFとなる。これにより、入力軸2とプライマリプーリ軸3aが切換用キャリア47を介して直結状態となる。
【0056】
駆動源が発生する駆動力、すなわち内燃機関10が発生する出力トルクは、トルクコンバータ30により流体継手を介して、あるいは介さずに、入力部材であるタービン32から入力軸2に伝達される。ここで、入力軸2は、上述のように、入力部材であるタービン32から伝達された内燃機関10が発生する出力トルクにより捩れることができる。従って、入力軸2は、タービン32を介して伝達される力(内燃機関10が発生した出力トルクに基づいたトルク)に応じて、タービン32と連結する部分と回転方向切換機構40のフォワードクラッチ42と連結する部分との間で捩れが発生する。これにより、タービン32を介して入力軸2に伝達される力が変動しても、入力軸2が捩れることで力の変動を緩和するダンパとして機能する。
【0057】
入力軸2に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクは、フォワードクラッチ42および切換用キャリア47を介して、内燃機関10のクランクシャフト11の回転方向と同一方向にプライマリプーリ軸3aを回転させるように、プライマリプーリ3のプライマリプーリ軸3aに伝達される。これにより、プライマリプーリ3に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクは、ベルト5を介してセカンダリプーリ4に伝達され、セカンダリプーリ4のセカンダリプーリ軸4aをプライマリプーリ軸3aと同一方向に回転させる。
【0058】
セカンダリプーリ4に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクは、セカンダリプーリ軸4aを介して出力軸6に伝達される。ここで、出力軸6は、上述のように、第2環状部材であるセカンダリプーリ軸4aから伝達された内燃機関10が発生する出力トルクにより捩れることができる。従って、出力軸6は、セカンダリプーリ軸4aを介して伝達される力(内燃機関10が発生した出力トルクに基づいたトルク)に応じて、セカンダリプーリ軸4aと連結する部分とリダクションドライブギヤ51と連結する部分との間で捩れが発生する。これにより、セカンダリプーリ軸4aを介して出力軸6に伝達される力が変動しても、出力軸6が捩れることで力の変動を緩和するダンパとして機能する。
【0059】
出力軸6に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクは、リダクションドライブギヤ51に伝達される。リダクションドライブギヤ51に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクは、リダクションドリブンギヤ53を介して、インターミディエイトシャフト52に伝達され、インターミディエイトシャフト52を回転させる。インターミディエイトシャフト52に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクは、ファイナルドライブピニオン54およびリングギヤ67を介して最終減速機60のデフケース61に伝達され、このデフケース61を回転させる。デフケース61に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクは、デフ用ピニオン63,64およびサイドギヤ65,66を介してドライブシャフト71,72に伝達され、その端部に取り付けられた車輪70,70に伝達され、車輪70,70を車両が前進する方向に回転させ、車両が前進する。
【0060】
一方、車両に設けられた図示しないシフトポジション装置により、運転者が後進ポジションを選択した場合は、供給された作動油によりフォワードクラッチ42をOFF、リバースブレーキ43をONとなる。これにより、リングギヤ46がトランスアクスルケース22に固定され、各ピニオン45が自転および公転を行う。
【0061】
上述の車両を前進させる場合と同様に、捩れることで力の変動を緩和するダンパとして機能する入力軸2に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクは、サンギヤ44、各ピニオン45および切換用キャリア47を介して、内燃機関10のクランクシャフト11の回転方向と反対方向にプライマリプーリ軸3aを回転させるように、プライマリプーリ3のプライマリプーリ軸3aに伝達される。これにより、プライマリプーリ3に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクは、ベルト5を介してセカンダリプーリ4に伝達され、セカンダリプーリ4のセカンダリプーリ軸4aをプライマリプーリ軸3aと反対方向に回転させる。
【0062】
セカンダリプーリ4に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクは、セカンダリプーリ軸4aを介して、捩れることで力の変動を緩和するダンパとして機能する出力軸6に伝達される。出力軸6に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクは、リダクションドライブギヤ51に伝達される。リダクションドライブギヤ51に伝達された内燃機関10が発生する出力トルクは、リダクションドリブンギヤ53を介して、インターミディエイトシャフト52に伝達され、インターミディエイトシャフト52を運転者が前進ポジションを選択した場合とは反対方向に回転させる。従って、デフケース61、ドライブシャフト71,72などが運転者が前進ポジションを選択した場合とは反対方向に回転するので、内燃機関10が発生する出力トルクが伝達された車輪70,70が運転者が前進ポジションを選択した場合とは反対方向に回転し、車両が後進する。
【0063】
また、変速機1は、図示しない内燃機関10の運転を制御するECUにより内燃機関10の運転状態が最適となるように変速比が制御される。変速機1の変速比の制御には、変速比の変更と、変速比の固定(変速比γ定常)とがある。この変速比の変更、変速比の固定は、プライマリプーリ3におけるベルト挟圧力を発生するプライマリ油圧室3dおよびセカンダリプーリ4におけるベルト挟圧力を発生するセカンダリ油圧室4dに供給する作動油の油圧を制御することで行われる。変速比の変更は、主にプライマリ可動シーブ3cがプライマリプーリ軸3aの軸方向に摺動し、プライマリ固定シーブ3bとこのプライマリ可動シーブ3cとの間の間隔、すなわちプライマリ溝5aの幅を調整することで行われる。これにより、プライマリプーリ3におけるベルト5の接触半径が変化し、変速比が無段階(連続的)に制御される。
【0064】
従って、出力軸6の捩れ剛性は、上述のように、入力軸の捩れ剛性に換算すると変速比の二乗に反比例するので、変速機1の変速比が高いほど低下することなる。これにより、出力軸6を有することで変速機1の変速比の変化に応じて、ダンパ効果が変化するので、出力軸6のみで可変ダンパを構成することができる。
【0065】
以上のように、入力軸2および出力軸6は、捩れることで駆動源が発生する駆動力、すなわち内燃機関10が発生する出力トルクの変動を緩和することができ、ダンパとして機能することができる。つまり、入力軸2および出力軸6のみにより、専用のダンパ機構を備えるのと同様のダンパ効果を奏することができる。これにより、トランスミッションに専用のダンパ機構を設けずに、出力トルクの変動を抑制することができ、トランスミッションの部品点数の減少、小型化、コストの低下、製造容易性の向上などを図ることができる。また、変速機1により出力トルクが伝達されている際における振動を低減することができる。さらに、出力軸6が変速機1の変速比が高いほどダンパ効果が高くなる可変ダンパとして構成されるので、変速比の増加に応じて振動を低減することができる。つまり、変速比の増加、すなわち内燃機関10の回転数が低回転域における振動を低減することができる。従って、車両の共振点を内燃機関10のより低回転域に移動することができるので、変速機1により出力トルクが伝達されている際、特に内燃機関10が低回転時における振動を低減することができる。
【0066】
なお、上記実施の形態では、回転方向切換機構40をプライマリプーリ3の入力部材側、すなわちフロント側と反対側であるリア側に配置したが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、セカンダリプーリ4の出力部材側、すなわちフロント側と反対側であるリア側に配置されていても良い。また、トルクコンバータ30とプライマリプーリ3との間に回転方向切換機構40を配置し、回転方向切換機構40を入力軸2と連結する入力部材としても良い。この場合、入力軸2は、軸方向のうちフロント側が回転方向切換機構40のフォワードクラッチ42およびサンギヤ44に連結し、軸方向のうちリア側がプライマリプーリ3のプライマリプーリ軸3aに連結する。従って、入力軸2は、フォワードクラッチ42およびサンギヤ44を介して伝達される力(内燃機関10が発生した出力トルクに基づいたトルク)に応じて、フォワードクラッチ42およびサンギヤ44とプライマリプーリ軸3aと連結する部分との間で捩れが発生する。これにより、フォワードクラッチ42およびサンギヤ44を介して入力軸2に伝達される力が変動しても、入力軸2が捩れることで力の変動を緩和するダンパとして機能する。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上のように、本発明にかかる変速機は、ダンパ効果を要するトランスミッションに備えられる変速機に有用であり、特に、専用のダンパ機構を設けずに、駆動力の変動を抑制するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施の形態にかかる変速機を備えるトランスミッションの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
1 変速機
2 入力軸
3 プライマリプーリ
3a プライマリプーリ軸(第1環状部材)
3b プライマリ固定シーブ
3c プライマリ可動シーブ
3d プライマリ油圧室
3e プライマリ隔壁
4 セカンダリプーリ
4a セカンダリプーリ軸(第2環状部材)
4b セカンダリ固定シーブ
4c セカンダリ可動シーブ
4d セカンダリ油圧室
4e セカンダリ隔壁
5 ベルト
6 出力軸
6a 連結部材
10 内燃機関(駆動源)
20 トランスアクスル
30 トルクコンバータ
32 タービン(入力部材)
40 前後進切換機構
50 動力伝達機構
51 リダクションドライブギヤ(出力部材)
60 最終減速機
70 車輪
71,72 ドライブシャフト
B1〜B11 軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源が発生する駆動力が伝達される入力部材と同軸上に、回転自在に支持された第1環状部材と、
前記駆動源が発生する駆動力が伝達される出力部材と同軸上に、回転自在に支持され、かつ前記第1環状部材と平行に配置された第2環状部材と、
前記第1環状部材と前記第2環状部材との間で力の伝達を行う変速機構と、
前記第1環状部材内に配置され、前記入力部材と連結されるとともに当該第1環状部材の入力部材側と反対側と連結される入力軸と、
前記第2環状部材内に配置され、前記出力部材と連結されるとともに当該第2環状部材の出力部材側と反対側と連結される出力軸と、
を備えることを特徴とする変速機。
【請求項2】
前記入力部材は、駆動源が発生する駆動力を作動流体により伝達する流体伝達機構の出力側回転部材であることを特徴とする請求項1に記載の変速機。
【請求項3】
前記変速機構は、前記第1環状部材の回転数に対する前記第2環状部材の回転数を変更することができることを特徴とする請求項1または2に記載の変速機。
【請求項4】
前記入力軸および前記第1環状部材と同軸上に、当該第1環状部材の入力部材側と反対側に配置される回転方向切換機構をさらに備え、
前記入力軸は、前記回転方向切換機構を介して前記第1環状部材の入力部材側と反対側と連結されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の変速機。
【請求項5】
前記変速機構は、ベルトにより前記第1環状部材と前記第2環状部材との間で力の伝達を行うものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の変速機。

【図1】
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【公開番号】特開2009−36309(P2009−36309A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−201279(P2007−201279)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】