説明

外枠付サスペンション用基板および外枠付サスペンション用基板の製造方法

【課題】本発明は、サスペンション用基板が有する配線の導通検査を正確に行うことができる外枠付サスペンション用基板を、提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、サスペンション用基板と、前記サスペンション用基板をテール部側から支持する外枠とを有する外枠付サスペンション用基板であって、前記外枠は、金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された導体層とを有し、前記外枠における導体層は、当該導体層が除去されてなる導体層除去部に囲まれ、他の領域とは分離された検査用分離領域を有することを特徴とする外枠付サスペンション用基板を、提供することにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外枠付サスペンション用基板に関し、より詳しくは、サスペンション用基板が有する配線の導通検査を正確に行うことができる外枠付サスペンション用基板に関する。
【背景技術】
【0002】
サスペンション用基板を製造する場合には配線の導通検査を行う必要があり、配線の導通検査を正確に行うための様々な技術が提案されてきた。例えば、導通検査を正確に行うことができ、製造効率の向上を実現するサスペンション用基板として、導体パターンの裏面に検査用端子が設けられたものが提案されている(特許文献1)。また、サスペンション用基板を支持する外枠に配線との確実な導通を実現する端子を設けた外枠付サスペンション用基板が提案されている(特許文献2)。
【0003】
外枠付サスペンション用基板は、サスペンション用基板と、サスペンション用基板をテール部側から支持する外枠と、を有する。外枠は、金属支持基板と、金属支持基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成された導体層と、を有する。サスペンション用基板は、金属支持基板と、金属支持基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成された、素子に接続される複数のヘッド部側端子と、外部回路に接続される複数のテール部側端子と、複数のヘッド部側端子を複数のテール部側端子にそれぞれ接続する端子間配線と、複数のテール部側端子を外枠における導体層にそれぞれ接続する外部接続配線と、を有する。
【0004】
このような外枠付サスペンション用基板において、サスペンション用基板の端子間配線および外部接続配線の導通検査を行う場合には、外枠においてサスペンション用基板を支持する箇所の導体層を介して端子間配線および外部接続配線に検査用電流を流す方法が用いられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許4358682号公報
【特許文献2】特開2009−259357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した外枠付サスペンション用基板における外枠は、製品の仕様によって治具孔を設けること等が必要となるため、サスペンション用基板を支持する箇所の構造が一定にはならない。特に、外枠付サスペンション用基板が、外枠によりそれぞれ支持される複数のサスペンション用基板を有する場合には、外枠において複数のサスペンション用基板が支持される箇所の構造がそれぞれ異なることがある。
【0007】
上述したように、外枠付サスペンション用基板におけるサスペンション用基板の端子間配線および外部接続配線の導通検査を行う場合には、外枠においてサスペンション用基板を支持する箇所の導体層を介して端子間配線および外部接続配線に検査用電流を流す方法が用いられる。このため、外枠において複数のサスペンション用基板を支持する箇所の構造がそれぞれ異なることにより、それらのサスペンション用基板について導通検査を行う場合には、サスペンション用基板ごとに外枠における導体層において検査用電流が流れる箇所の抵抗が異なることとなる。
【0008】
この結果、それらのサスペンション用基板の端子間配線および外部接続配線の導通検査を行う場合、正確な抵抗値を求めることができず、導通検査を正確に行うことが出来ないといった問題が生じていた。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、サスペンション用基板が有する配線の導通検査を正確に行うことができる外枠付サスペンション用基板を、提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明においては、サスペンション用基板と、上記サスペンション用基板をテール部側から支持する外枠とを有する外枠付サスペンション用基板であって、上記外枠は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層とを有し、上記外枠における導体層は、当該導体層が除去されてなる導体層除去部に囲まれ、他の領域とは分離された検査用分離領域を有し、上記サスペンション用基板は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された、素子に接続される複数のヘッド部側端子、外部回路に接続される複数のテール部側端子、上記複数のヘッド部側端子を上記複数のテール部側端子にそれぞれ接続する端子間配線、および上記複数のテール部側端子を上記検査用分離領域にそれぞれ接続する外部接続配線を少なくとも有する導体層と、を有することを特徴とする外枠付サスペンション用基板を提供する。
【0011】
本発明によれば、サスペンション用基板が有する配線の導通検査を正確に行うことができる。
【0012】
上記発明においては、上記外枠付サスペンション用基板は、上記サスペンション用基板として、上記外枠の内側に整列され、上記外枠によりそれぞれ支持された複数のサスペンション用基板を有し、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれは、上記金属支持基板と、上記絶縁層と、上記複数のヘッド部側端子、上記複数のテール部側端子、上記端子間配線、および上記外部接続配線を少なくとも有する上記導体層と、を有することが好ましい。複数のサスペンション用基板のそれぞれが有する配線の導通検査を簡単かつ正確に行うことができるからである。
【0013】
上記発明においては、上記外枠における導体層は、上記検査用分離領域として、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれを検査するために用いられる複数の検査用分離領域を有し、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれにおける上記外部接続配線は、上記複数の検査用分離領域のそれぞれに接続し、上記複数の検査用分離領域は同一形状であることが好ましい。上記複数のサスペンション用基板のそれぞれが有する配線の導通検査をより正確に行うことができるからである。
【0014】
上記発明においては、上記外枠付サスペンション用基板は、上記外部接続配線における上記サスペンション用基板の本体部を残部から切り離す切り取り線の位置と、上記検査用分離領域との間の抵抗を高くする高抵抗化手段をさらに有することが好ましい。上記サスペンション用基板が有する配線の短絡の発生を容易に検出できるからである。
【0015】
上記発明においては、上記外枠において、上記検査用分離領域の外側に治具孔が形成されたことが好ましい。サスペンション用基板が有する配線の導通検査をより効果的に正確に行うことができるからである。
【0016】
上記発明においては、上記外枠において、上記導体層除去部に上記金属支持基板および上記絶縁層が除去された貫通除去部が形成されたことが好ましい。上記外枠付サスペンション用基板を製造する場合に、加工工程が全て完了した後に、サスペンション用基板が有する配線の導通検査を行うことができるため、サスペンション用基板が有する配線の導通検査をより正確に行うことができるからである。
【0017】
また、本発明においては、上記外枠付サスペンション用基板を製造する外枠付サスペンション用基板の製造方法であって、金属支持基板と上記金属支持基板上に形成された絶縁層とを少なくとも有する積層部材を準備する準備工程と、上記検査用分離領域、上記複数のヘッド部側端子、上記複数のテール部側端子、上記端子間配線、および上記外部接続配線を有する導体層を形成する導体層形成工程と、上記検査用分離領域を、上記外枠における導体層の他の領域と接続する検査用分離領域接続工程と、上記検査用分離領域を、上記外枠における導体層の他の領域と導通させることにより、露出した導体層を電解めっきするめっき工程と、を有することを特徴とする外枠付サスペンション用基板の製造方法を提供する。
【0018】
本発明によれば、外枠付サスペンション用基板を製造する場合に、サスペンション用基板が有する配線の導通検査を正確に行うことができるため、サスペンション用基板のオーバーキルを抑制できるからである。
【0019】
また、本発明においては、上記外枠付サスペンション用基板を製造する外枠付サスペンション用基板の製造方法であって、金属支持基板と上記金属支持基板上に形成された絶縁層とを少なくとも有する積層部材を準備する準備工程と、上記外枠における導体層の他の領域と接続された接続検査用分離領域、上記複数のヘッド部側端子、上記複数のテール部側端子、上記端子間配線、および上記外部接続配線を有する導体層を形成する導体層形成工程と、上記接続検査用分離領域を、上記外枠における導体層の他の領域と導通させることにより、露出した導体層を電解めっきするめっき工程と、上記接続検査用分離領域を、上記外枠における導体層の他の領域と分離させて上記検査用分離領域を形成する検査用分離領域分離工程と、を有することを特徴とする外枠付サスペンション用基板の製造方法を提供する。
【0020】
本発明によれば、外枠付サスペンション用基板を製造する場合に、加工工程が全て完了した後に、サスペンション用基板が有する配線の導通検査を行うことができるため、サスペンション用基板が有する配線の導通検査をより正確に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明においては、サスペンション用基板が有する配線の導通検査を正確に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の外枠付サスペンション用基板の第1の例を示す概略平面図である。
【図2】図1に示した外枠付サスペンション用基板におけるサスペンション用基板を示す概略平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図1に示した外枠付サスペンション用基板における要部(S)を示す概略平面図である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【図6】本発明の外枠付サスペンション用基板の第2の例における要部を示す概略平面図である。
【図7】本発明の外枠付サスペンション用基板の第3の例〜第5の例における要部を示す概略平面図である。
【図8】本発明の外枠付サスペンション用基板の第3の例の製造方法の要部を示す概略工程断面図である。
【図9】本発明の外枠付サスペンション用基板の第3の例の製造方法の要部を示す概略工程断面図である。
【図10】本発明の外枠付サスペンション用基板の第4の例の製造方法の要部を示す概略工程断面図である。
【図11】本発明の外枠付サスペンション用基板の第4の例の製造方法の要部を示す概略工程断面図である。
【図12】本発明の外枠付サスペンション用基板の第5の例の製造方法の要部を示す概略工程断面図である。
【図13】本発明の外枠付サスペンション用基板の第6の例における要部を示す概略平面図である。
【図14】本発明の外枠付サスペンション用基板の第1の参考例の要部を示す概略平面図である。
【図15】本発明の外枠付サスペンション用基板の第2の参考例の要部を示す概略平面図である。
【図16】本発明の外枠付サスペンション用基板の第3の参考例の要部を示す概略平面図である。
【図17】本発明の外枠付サスペンション用基板の製造方法の第1実施態様の第1の例を示す概略断面図である。
【図18】図17のA−A断面図である。
【図19】本発明の外枠付サスペンション用基板の製造方法の第1実施態様の第2の例を示す概略断面図である。
【図20】図19のA−A断面図である。
【図21】本発明の外枠付サスペンション用基板の製造方法の第2実施態様の第1の例を示す概略断面図である。
【図22】図21のA−A断面図である。
【図23】本発明の外枠付サスペンション用基板の製造方法の第2実施態様の第2の例を示す概略断面図である。
【図24】実施例1における複数のサスペンション用基板について求められた検査用インピーダンスの変化率を示したグラフである。
【図25】比較例1における複数のサスペンション用基板について求められた検査用インピーダンスの変化率を示したグラフである。
【図26】実施例2および実施例1の外枠付サスペンション用基板のそれぞれについて求められた検査用分離領域から短絡発生位置までの配線長および短絡発生時における検査用インピーダンスの関係を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の外枠付サスペンション用基板および外枠付サスペンション用基板の製造方法、ならびに本発明に関連する外枠付サスペンション用基板の検査方法について詳細に説明する。
【0024】
A.外枠付サスペンション用基板
まず、本発明の外枠付サスペンション用基板について説明する。
本発明の外枠付サスペンション用基板は、サスペンション用基板と、上記サスペンション用基板をテール部側から支持する外枠とを有する外枠付サスペンション用基板であって、上記外枠は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層とを有し、上記外枠における導体層は、当該導体層が除去されてなる導体層除去部に囲まれ、他の領域とは分離された検査用分離領域を有し、上記サスペンション用基板は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された、素子に接続される複数のヘッド部側端子、外部回路に接続される複数のテール部側端子、上記複数のヘッド部側端子を上記複数のテール部側端子にそれぞれ接続する端子間配線、および上記複数のテール部側端子を上記検査用分離領域にそれぞれ接続する外部接続配線を少なくとも有する導体層と、を有することを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、上記検査用分離領域を用いて、上記サスペンション用基板における上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を行うことができる。より具体的には、上記検査用分離領域を介して検査用電流を流して上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を行うことができる。これにより、上記外枠における導体層において上記サスペンション用基板が支持される箇所の構造に影響されることなく、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を正確に行うことができる
【0026】
本発明の外枠付サスペンション用基板は、上記サスペンション用基板として、上記外枠の内側に整列され、上記外枠によりそれぞれ支持された複数のサスペンション用基板を有し、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれは、上記金属支持基板と、上記絶縁層と、上記複数のヘッド部側端子、上記複数のテール部側端子、上記端子間配線、および上記外部接続配線を少なくとも有する上記導体層と、を有することが好ましい。
【0027】
上記複数のサスペンション用基板のそれぞれについて、上記検査用分離領域を用いて、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を行うことができるからである。このため、上記外枠における導体層において上記複数のサスペンション用基板を支持する箇所の構造がそれぞれ異なっていたとしても、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれにおいて、上記外枠における導体層おいて検査用電流が流れる箇所の抵抗が異なることにはならない。したがって、上記複数のサスペンション用基板について、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を簡単かつ正確に行うことができる。
【0028】
本発明の外枠付サスペンション用基板は、上記外部接続配線における上記サスペンション用基板の本体部を残部から切り離す切り取り線の位置と、上記検査用分離領域との間の抵抗を高くする高抵抗化手段をさらに有することが好ましい。
【0029】
上記高抵抗化手段の存在によって、上記検査用分離領域から、上記本体部の上記端子間配線および上記外部接続配線において短絡が発生する箇所までの区間の導体の抵抗が高くなるからである。この結果、後述する四端子法によって、上記本体部の上記端子間配線および外部接続配線の短絡を検査する場合に、短絡が発生した場合に求められる抵抗の変化量が大きくなる。これにより、短絡の発生を容易に検出できるようになる。
【0030】
図1は、本発明の外枠付サスペンション用基板の第1の例として、このような外枠付サスペンション用基板を示した概略平面図である。図2は、図1に示した外枠付サスペンション用基板におけるサスペンション用基板を示す概略平面図である。図3は、図2のA−A断面図である。図4は、図1に示した外枠付サスペンション用基板における要部(S)を示す概略平面図である。図5は、図4のB−B断面図である。
【0031】
図1に示すように、外枠付サスペンション用基板100は外枠110と複数のサスペンション用基板120とを有する。複数のサスペンション用基板120は、外枠110の内側に整列され、外枠110によりヘッド部側およびテール部側の両方からそれぞれ支持されている。
【0032】
図2および図3に示すように、複数のサスペンション用基板120のそれぞれは、金属支持基板111と金属支持基板111上に形成された第1絶縁層112とを有する。そして、このような、複数のサスペンション用基板120のそれぞれは、第1絶縁層112上に形成され、磁気ヘッドに接続される複数のヘッド部側端子123と、外部回路に接続される複数のテール部側端子124と、複数のヘッド部側端子123を複数のテール部側端子124にそれぞれ接続する端子間配線125と、複数のテール部側端子124を後述する複数の検査用分離領域にそれぞれ接続する外部接続配線126と、を有する。また、端子間配線125および外部接続配線126はカバー層127によって覆われている(図3にのみ図示)。
【0033】
図5に示すように、外枠110は、金属支持基板111と、金属支持基板111上に形成された第1絶縁層112と、第1絶縁層112上に形成された導体層113と、導体層113上に形成された第2絶縁層114とを有する(図1および図4ならびに後述する図6、図7および図13においては説明を簡単にするために第2絶縁層114は省略)。図4および図5に示すように、上記導体層113は、複数のサスペンション用基板120のそれぞれを検査するために用いられる複数の検査用分離領域115を有する。複数の検査用分離領域115のそれぞれは、導体層113において導体層113が除去されてなる導体層除去部116に囲まれ他の領域とは分離されている。図4に示すように、複数の検査用分離領域115のそれぞれには、複数のサスペンション用基板120における外部接続配線126のそれぞれが接続されている。この例においては、複数の検査用分離領域115は同一形状とされている。以下、本発明の外枠付サスペンション用基板を詳細に説明する。
【0034】
1.外枠
本発明における外枠は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層とを有する。上記外枠における導体層は、上記サスペンション用基板を検査するために用いられる検査用分離領域を有する。上記検査用分離領域は、上記外枠における導体層において当該導体層が除去されてなる導体層除去部に囲まれ他の領域とは分離されている。
以下、本発明における外枠を詳細に説明する。
【0035】
(1)検査用分離領域
上記検査用分離領域は、上記導体層において、上記導体層が除去されてなる導体層除去部に囲まれ、他の領域とは分離された領域である。
【0036】
本発明の外枠付サスペンション用基板が複数のサスペンション用基板を有する場合、本発明において、上記検査用分離領域の数は、特に、限定されるものではないが、図1〜図5に示したように、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれを検査するために用いられる複数の検査用分離領域が上記検査用分離領域として形成されていることが好ましい。
【0037】
また、上記複数の検査用分離領域のそれぞれの形状は、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれについて、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を簡単かつ正確に行うことができるのであれば、特に限定されるものではない。より具体的には、上記複数の検査用分離領域のそれぞれを介して検査用電流を流して短絡または断線の検査を行う場合に、それらの検査を簡単かつ正確に行うことができるように、上記複数の検査用分離領域のそれぞれの抵抗が所定範囲内になるのであれば、上記複数の検査用分離領域のそれぞれの形状は特に限定されない。
【0038】
しかしながら、各々の検査用分離領域の形状が異なる場合は、設計等が複雑となることから、本発明においては、上記複数の検査用分離領域が同一形状であることが好ましい。ここで、「同一形状」とは、上記複数の検査用分離領域が同一の形状および大きさを有し、上記複数の検査用分離領域のそれぞれに対応するサスペンション用基板に対するそれらの相対位置が同一であり、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれにおける外部接続配線が上記複数の検査用分離領域のそれぞれに接続する位置は同一であることを意味する。このように、上記複数の検査用分離領域が同一形状であることが好ましいのは、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれについて、上記複数の検査用分離領域のそれぞれを介して検査用電流を流して短絡または断線の検査を行う場合には、上記複数の検査用分離領域のそれぞれの抵抗が実質的に同一となるからである。なお、同一の形状とは上述した通り抵抗が実質的に同一となる程度に同一であればよい。したがって、上記検査に支障がない程度であれば、切り欠きがある等の多少の形状の相違は、ここでいう同一の形状の範囲とするものとする。
【0039】
また、本発明において、上記検査用分離領域を介して検査用電流を流して上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を行う方法としては、後述する「C.外枠付サスペンション用の検査方法」の項目で説明する方法が挙げられる。そして、本発明において、それらの中でも四端子法が用いられる場合には、上記検査用分離領域は、上記サスペンション用基板を検査するために、二つのヘッド部側端子間に、端子間配線、外部接続配線、およびその検査用分離領域を介して検査用電流を流した状態において、他の二つのヘッド部側端子間に発生する電位差を四端子法によって測定して、検査用電流の電流値と電位差とから求められる検査用インピーダンスを所定値にしたものであることが好ましい。四端子法を用いて、端子間配線および外部接続配線の短絡を正確に検査することができるからである。
【0040】
さらに、本発明の外枠付サスペンション用基板が上記複数のサスペンション用基板および上記複数の検査用分離領域を有する場合、上記複数の検査用分離領域のそれぞれは、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれを検査するために、ヘッド部側端子間に、端子間配線、外部接続配線、およびその検査用分離領域を介して検査用電流を流した状態において、ヘッド部側端子間に発生する電位差を四端子法によって測定して、検査用電流の電流値と電位差とから求められる検査用インピーダンスを実質的に同一にしたものであることが好ましい。上記複数のサスペンション用基板について、四端子法を用いて、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡を簡単かつ正確に検査することができるからである。
【0041】
(2)金属支持基板
上記金属支持基板の材料は、特に限定されるものではないが、ばね性を有する金属であることが好ましい。上記金属支持基板の材料としては、例えばSUS等を挙げることができる。また、上記金属支持基板の厚さは、その材料の種類により異なるものであるが、例えば10μm〜20μmの範囲内である。
【0042】
(3)絶縁層
上記絶縁層は、上記金属支持基板上に形成される層である。上記絶縁層の材料としては、例えばポリイミド樹脂(PI)等を挙げることができる。また、上記絶縁層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。また、上記絶縁層の厚さは、例えば5μm〜10μmの範囲内である。
【0043】
(4)導体層
上記導体層は、上記絶縁層上に形成されるものである。上記導体層の材料としては、例えば銅(Cu)等を挙げることができる。また、上記導体層の厚さとしては、例えば5μm〜18μmの範囲内であり、中でも9μm〜12μmの範囲内であることが好ましい。
【0044】
(5)その他
本発明における外枠は、上述した構成を有するのであれば特に限定されるものではないが、図4に示した外枠110のように、検査用分離領域115の外側に治具孔118が形成されたものであることが好ましい。この場合、上記検査用分離領域が無ければ、治具孔の有無により抵抗が変化し、上記検査に誤差が生じてしまい、正確に検査ができない場合がある。このため、本発明のように上記検査用分離領域を設けることにより、より効果的に、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を正確に行うことができるからである。
【0045】
2.サスペンション用基板
本発明におけるサスペンション用基板は、上記外枠によりテール部側から支持されている。上記サスペンション用基板は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された、素子に接続される複数のヘッド部側端子、外部回路に接続される複数のテール部側端子、上記複数のヘッド部側端子を上記複数のテール部側端子にそれぞれ接続する端子間配線、および上記複数のテール部側端子を上記検査用分離領域にそれぞれ接続する外部接続配線を少なくとも有する導体層と、を有する。
以下、本発明におけるサスペンション用基板を詳細に説明する。
【0046】
(1)金属支持基板
上記金属支持基板は、通常、サスペンション用基板の支持基板として用いられるものであり、「A.外枠付サスペンション用基板 1.外枠 (2)金属支持基板」で説明したものと同一のものであるため、説明を省略する。
【0047】
(2)絶縁層
上記絶縁層は、上記金属支持基板上に形成された層であり、「A.外枠付サスペンション用基板 1.外枠 (3)絶縁層」で説明したものと同一のものであるため、説明を省略する。
【0048】
(3)導体層
上記導体層は、上記絶縁層上に形成された層である。上記導体層は、素子に接続される複数のヘッド部側端子、外部回路に接続される複数のテール部側端子、上記複数のヘッド部側端子を上記複数のテール部側端子にそれぞれ接続する端子間配線、および上記複数のテール部側端子を上記検査用分離領域にそれぞれ接続する外部接続配線を少なくとも有する。
【0049】
より具体的には、上記導体層は、情報記録用の端子間配線および外部接続配線を少なくとも二つずつ有し、再生用の端子間配線および外部接続配線を少なくとも二つずつ有するものである。そして、上記導体層は、それらの端子間接続配線を素子に接続するために、少なくとも四つヘッド部側端子を有し、それらの外部接続配線を外部回路基板に接続するために、少なくとも四つテール部側端子を有するものである。例えば、図1〜図5に示したサスペンション用基板120における導体層113は、端子間配線、外部接続配線、ヘッド部側端子、およびテール部側端子を六つずつ有するが、それらのうち四つずつは情報記録用および再生用であり、残りの二つずつは、例えば、グランド用またはダミー用等として用いられるものである。さらに、上記導体層の材料および厚さは、「A.外枠付サスペンション用基板 1.外枠 (4)導体層」で説明したものと同一である。
【0050】
上記複数のヘッド部側端子は上記端子間配線によって上記複数のテール部側端子にそれぞれ接続される。上記複数のテール部側端子は上記外部接続配線によって「A.外枠付サスペンション用基板 1.外枠 (1)検査用分離領域」の項目で説明した検査用分離領域にそれぞれ接続される。
【0051】
(4)その他
また、本発明におけるサスペンション用基板は、図3に示したサスペンション用基板120のように、端子間配線125等を有する上記導体層を覆うカバー層127を有していることが好ましい。カバー層の材料としては、例えばポリイミド樹脂(PI)等を挙げることができる。また、カバー層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。カバー層の厚さは、特に限定されるものではないが、絶縁層よりも薄いことが好ましい。カバー層の厚さは、例えば2μm〜30μmの範囲内であり、中でも2μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。
【0052】
3.高抵抗化手段
本発明における高抵抗化手段は、上記外部接続配線における上記サスペンション用基板の本体部を残部から切り離す切り取り線(カットライン)の位置と、上記検査用分離領域との間の抵抗を高くするものである。ここで、上記切り取り線について説明する。本発明におけるサスペンション用基板を実際に単体の製品として使用する場合、外枠から切り離して用いる。この場合、実際には、本発明におけるサスペンション用基板の本体部を当該サスペンション用基板の外枠側の不要部分(残部)を残して切り離して、その本体部のみを製品として使用する。そして、本発明における切り取り線とは、サスペンション用基板の本体部をこのように切り離す場合における切断線であって、サスペンション用基板の本体部と、当該サスペンション用基板の外枠側の不要部分(残部)との境界線を意味するものである。以下に、本発明における高抵抗化手段を詳細に説明する。
【0053】
(1)高抵抗化手段
本発明における高抵抗化手段は、上記外部接続配線における上記切り取り線の位置と、上記検査用分離領域との間の抵抗を高くするものである。上記高抵抗化手段の存在により、上記検査用分離領域から、上記本体部の上記端子間配線および上記外部接続配線において短絡が発生する箇所までの区間の導体の抵抗が高くなる。この結果、後述する四端子法によって、上記本体部の上記端子間配線および外部接続配線の短絡を検査する場合に、短絡が発生した場合に求められる抵抗の変化量が大きくなる。これにより、短絡の発生を容易に検出できるようになる。
【0054】
このような高抵抗化手段としては、上記外部接続配線における上記切り取り線の位置から上記検査用分離領域までを接続している配線を、より長く設けることによるものが挙げられる。そして、当該配線をより長く設ける方法としては、上記外枠における導体層に、上記サスペンション用基板のテール部側に対向する切り欠き部を設け、当該配線を当該切り欠き部を通って上記検査用分離領域に接続するように設ける方法や、当該配線を左右に蛇行するように設ける方法等が挙げられる。
【0055】
また、本発明における高抵抗化手段としては、上記外部接続配線における上記切り取り線の位置から上記検査用分離領域までの部分を、その他の部分よりも、細くまたは薄くすることによるものが挙げられる。また、本発明における高抵抗化手段としては、上記外部接続配線における上記切り取り線の位置と上記検査用分離領域の間に抵抗素子を設けることによるもの等も挙げられる。以下に、このような高抵抗化手段の具体例について、本発明の外枠付サスペンション用基板の第2の例〜第5の例を取り上げて説明する。
【0056】
図6は、本発明の外枠付サスペンション用基板の第2の例における要部を示す概略平面図である。第2の例における外枠付サスペンション用基板300において、サスペンション用基板120は、切り取り線301において、その本体部302が残部303から切り離される。図6に示した外枠における導体層113においては、サスペンション用基板120におけるテール部側に対向する切り欠き部117が形成されている。そして、検査用分離領域115が、切り欠き部117の存在により、サスペンション用基板120におけるテール部側からより離れた位置に配置されている。そして、外枠における導体層113は、切り欠き部117の内部を通って検査用分離領域115に接続する延長外部接続配線304を有する。外部接続配線126は延長外部接続配線304に接続し、延長外部接続配線304を介して検査用分離領域115に接続する。
【0057】
第2の例の外枠付サスペンション用基板300は、上記高抵抗化手段として、切り欠き部117および延長外部接続配線304を有する。このため、第2の例の外枠付サスペンション用基板300においては、外部接続配線126における切り取り線301の位置と、検査用分離領域115とを接続する配線の長さは、延長外部接続配線304を含む分だけ長くなる。これにより、外部接続配線126における切り取り線301の位置と、検査用分離領域115との間の抵抗が高くなる。この結果、上述のように、短絡の発生を容易に検出できるようになる。
【0058】
図7は、本発明の外枠付サスペンション用基板の第3の例〜第5の例における要部を示す概略平面図である。第3の例〜第5の例の外枠付サスペンション用基板300において、サスペンション用基板120は、切り取り線301において、その本体部302が残部303から切り離される。そして、外部接続配線126において切り取り線301より検査用分離領域115に近い側は外部接続配線第1領域126aであり、外部接続配線126において切り取り線301より検査用分離領域115から離れた側は外部接続配線第2領域126bである。第3の例〜第5の例の外枠付サスペンション用基板300は、上記高抵抗化手段として、外部接続配線第1領域126aを有する。
【0059】
図8(c)は、本発明の外枠付サスペンション用基板の第3の例における図7のA−A断面図である。図9(c)は、本発明の外枠付サスペンション用基板の第3の例における図7のB−B断面図である。第3の例の外枠付サスペンション用基板300は、上記高抵抗化手段として、外部接続配線第2領域126bと比較して細く、かつ薄く形成された外部接続配線第1領域126aを有している。外部接続配線第1領域126aの抵抗は外部接続配線第2領域126bと比較して高くなる。これにより、外部接続配線126における切り取り線301の位置と、検査用分離領域115との間の抵抗が高くなる。この結果、上述のように、短絡の発生を容易に検出できるようになる。
【0060】
図10(e)は、本発明の外枠付サスペンション用基板の第4の例における図7のA−A断面図である。図11(e)は、本発明の外枠付サスペンション用基板の第4の例における図7のB−B断面図である。第4の例の外枠付サスペンション用基板300は、上記高抵抗化手段として、外部接続配線第2領域126bと比較して薄く形成された外部接続配線第1領域126aを有している。外部接続配線第1領域126aは外部接続配線第2領域126bと比較して高くなる。これにより、外部接続配線126における切り取り線301の位置と、検査用分離領域115との間の抵抗が高くなる。この結果、上述のように、短絡の発生を容易に検出できるようになる。
【0061】
図12(d)は、本発明の外枠付サスペンション用基板の第5の例における図7のC−C断面を示す断面図である。第5の例の外枠付サスペンション用基板300は、上記高抵抗化手段として、外部接続配線第2領域126bと比較して導電率の低い低導電率材料305から構成された外部接続配線第1領域126aを有している。外部接続配線第1領域126aは外部接続配線第2領域126bと比較して高くなる。これにより、外部接続配線126における切り取り線301の位置と、検査用分離領域115との間の抵抗が高くなる。この結果、上述のように、短絡の発生を容易に検出できるようになる。
【0062】
(2)高抵抗化手段の製造方法
本発明における高抵抗化手段の製造方法は特に限定されるものではないが、後述する本発明の外枠付サスペンション用基板の製造方法における導体層形成工程において高抵抗化手段の製造する方法が好ましい。以下に、本発明における高抵抗化手段の製造方法の例として、本発明の外枠付サスペンション用基板の第3の例〜第5の例を製造する方法の要部について説明する。
【0063】
図8および図9は、本発明の外枠付サスペンション用基板の第3の例の製造方法の要部を示す概略工程断面図である。図8は、図7のA−A断面に対応する断面を示す。図9は、図7のB−B断面に対応する断面を示す。
【0064】
この方法においては、まず、金属支持基板306、金属支持基板306上に形成された絶縁樹脂層307、および絶縁樹脂層307上に形成された導体層308から構成される三層材309を準備する(図8(a)および図9(a))。
【0065】
次に、導体層308上に、パターニングされた樹脂保護層310を形成する(図8(b)および図9(b))。このとき、外部接続配線第1領域126aにおいては、外部接続配線第2領域126bおよび端子間配線125と比較して、樹脂保護層310の幅を小さくする。
【0066】
次に、導体層308をエッチングする(図8(c)および図9(c))。これにより、導体層308がパターニングされ、端子間配線125および外部接続配線126が形成される。また、外部接続配線第1領域126aは、外部接続配線第2領域126bおよび端子間配線125よりも細く、かつ薄くなる。
【0067】
以上により、上記高抵抗化手段として、外部接続配線第2領域126bと比較して抵抗が高い外部接続配線第1領域126aが形成される。
【0068】
図10および図11は、本発明の外枠付サスペンション用基板の第4の例の製造方法の要部を示す概略工程断面図である。図10は、図7のA−A断面に対応する断面を示す。図11は、図7のB−B断面に対応する断面を示す。
【0069】
この方法においては、まず、金属支持基板306、および金属支持基板306上に形成される絶縁樹脂層307から構成される二層材311を準備する(図10(a)および図11(a))。
【0070】
次に、絶縁樹脂層307上に、導電性薄膜層312を形成する(図10(b)および図11(b))。次に、導電性薄膜層312上に、パターニングされた樹脂保護層310を形成する(図10(c)および図11(c))。このとき、外部接続配線第1領域126aにおいては、外部接続配線第2領域126bおよび端子間配線125と比較して、樹脂保護層310の幅を大きくする。
【0071】
次に、導電性薄膜層312および樹脂保護層310の上から、積層めっきにより、導体層308を形成する(図10(d)および図11(d))。次に、樹脂保護層310を除去する(図10(d)および図11(d))。これにより、導体層308がパターニングされ、端子間配線125および外部接続配線126が形成される。また、外部接続配線第1領域126aは、外部接続配線第2領域126bおよび端子間配線125よりも細くなる。
【0072】
以上により、上記高抵抗化手段として、外部接続配線第2領域126bと比較して抵抗が高い外部接続配線第1領域126aが形成される。
【0073】
図12は、本発明の外枠付サスペンション用基板の第5の例の製造方法の要部を示す概略工程断面図である。図12は、図7のC−C断面に対応する断面であり、外枠における導体層113、外部接続配線第1領域126a、および外部接続配線第2領域126bを含む断面である。
【0074】
第3の例においては、まず、金属支持基板306、金属支持基板306上に形成された絶縁樹脂層307、および絶縁樹脂層307上に形成された導体層308から構成される三層材309を準備する(図12(a))。
【0075】
次に、導体層308をエッチングすることにより、検査用分離領域115および外部接続配線第2領域126b等を形成するとともに、導体層308において、外部接続配線第1領域126aが形成される箇所を削除して導体層削除領域313を形成する(図12(b))。
【0076】
次に、導体層削除領域313に、半田印刷、または無電解めっき等により、導体層308よりも導電率の低い低導電率材料305を塗布する(図12(c))。次に、低導電率材料305を加熱して変成する(図12(d))。これにより、外部接続配線第1領域126aを形成する。
【0077】
以上により、上記高抵抗化手段として、外部接続配線第2領域126bと比較して抵抗が高い外部接続配線第1領域126aが形成される。
【0078】
4.外枠付サスペンション用基板
本発明の外枠付サスペンション用基板は上述した構成を有することにより、上記サスペンション用基板について、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線を正確に検査することができるものである。以下に、本発明の外枠付サスペンション用基板についてさらに詳細に説明する。
【0079】
本発明の外枠付サスペンション用基板は、上記サスペンション用基板における上記外部接続配線が、上記外枠における上記検査用分離領域に接続されたものである。本発明において、一つの検査用分離領域に対して外部接続配線が接続するサスペンション用基板の数は、短絡または断線の検査を正確に行うことができるのであれば特に限定されるものではなく複数でもよいが、二つ以下であることが好ましく、中でも一つであることが好ましい。より効果的に、短絡または断線の検査を正確に行うことができるからである。
【0080】
また、図13は、本発明の外枠付サスペンション用基板の第6の例における要部を示す概略平面図である。本発明の外枠付サスペンション用基板は、図13に示した外枠付サスペンション用基板100のように、一つの検査用分離領域115に対して、外枠付サスペンション用基板100が有する全てのサスペンション用基板120における外部接続配線126を接続してもよい。この場合には、短絡または断線の検査を正確に行うことができ、かつ外枠付サスペンション用基板100は構造が簡単になり、その製造が容易になる。
【0081】
さらに、本発明の外枠付サスペンション用基板の具体的な態様としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下に説明するような第7の例〜第10の例が挙げられる。
【0082】
まず、第7の例について説明する。図17(e)は、第7の例の外枠付サスペンション用基板の外枠の要部をそれぞれ示した概略平面図である。図18(e)は、図17(e)のA−A断面図である。これらの図に示した外枠付サスペンション用基板においては、外枠における導体層203の導体層除去部204に、ビアめっき(例えば、Niめっき)207が形成されている。そして、導体層除去部204におけるビアめっき207を介して、検査用分離領域205を導体層203の他の領域と導通させて、ビアめっき207の露出面、ならびに図4および図5に示したヘッド部側端子123およびテール部側端子124の露出面に保護めっき(例えば、金めっき)208が形成されている。
【0083】
次に、第8の例について説明する。図19(e)は、第8の例の外枠付サスペンション用基板の外枠の要部をそれぞれ示した概略平面図である。図20(e)は、図19(e)のA−A断面図である。これらの図に示した外枠付サスペンション用基板は、外枠における導体層203において、検査用分離領域205および他の領域のそれぞれに導通孔209が形成されたものである。そして、導通孔209に、ビアめっき207が形成されている。さらに、導通孔209におけるビアめっき207を介して、検査用分離領域205を導体層203の他の領域と導通させて、ビアめっき207の露出面、ならびに図4および図5に示したヘッド部側端子123およびテール部側端子124の露出面に保護めっき208が形成されている。本例は、第7の例と比較して、長方形に設けられた導体層除去部204の広い領域において、ビアめっき207を形成するために第1絶縁層202を削除する必要がない。このため、外枠付サスペンション用基板の強度を高くすることができる。
【0084】
次に、第9の例について説明する。図21(e)は、第9の例の外枠付サスペンション用基板の外枠の要部をそれぞれ示した概略平面図である。図22(e)は、図21(e)のA−A断面図である。これらの図に示した外枠付サスペンション用基板は、外枠における導体層除去部204において、金属支持基板201および第1絶縁層202が除去された貫通除去部212が形成されたものである。本例においては、第7の例および第8の例とは異なり、加工工程が全て完了した後に、検査用分離領域205が外枠における導体層203の他の領域と分離されている。このため、加工工程が全て完了した後に、検査用分離領域205を用いて、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線を検査することができる。したがって、短絡または断線の検査をより効果的に正確に行うことができる。
【0085】
次に、第10の例について説明する。図23(e)は、第10の例の外枠付サスペンション用基板の外枠の要部を示した概略断面図である。この図に示した外枠付サスペンション用基板は、ビアめっき207の下側において、金属支持基板201が除去された金属支持基板除去部213が形成されている点で、図20(e)に示した第8の例の外枠付サスペンション用基板とは異なるものである。本例においても、第7の例および第8の例とは異なり、加工工程が全て完了した後に、検査用分離領域205が金属支持基板除去部213の存在によって外枠における導体層203の他の領域と分離されている。このため、加工工程が全て完了した後に、検査用分離領域205を用いて、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線を検査することができる。したがって、短絡または断線の検査をより効果的に正確に行うことができる。
【0086】
本発明においては、第7の例〜第10の例の中でも、第9の例および第10の例が好ましい、上述した通り、加工工程が全て完了した後に、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線を検査することができるため、短絡または断線の検査をより効果的に正確に行うことができるからである。さらに、本発明においては、製造工程等を考慮すると第3の例が最も好ましいといえる。
【0087】
なお、上述した第7の例〜第10の例の外枠付サスペンション用基板の製造方法については、後述する「B.外枠付サスペンション用基板の製造方法」の項目で説明する。
【0088】
5.参考例
以下には、本発明の外枠付サスペンション用基板の参考例として、本発明と同一の効果を奏する外枠付サスペンション用基板について説明する。図14(a)および図14(b)は、本発明の外枠付サスペンション用基板の第1の参考例の要部を示す概略平面図である。図14(a)および図14(b)には、切り取り線301から外枠110までの部分の上面および下面がそれぞれ示されている。
【0089】
第1の参考例においては、外部接続配線126は、テール部側端子(図14(a)および図14(b)には図示せず。)から切り取り線301を通り外枠110の内部まで伸びている。外部接続配線126は、外枠における導体層113に設けられた切り欠き部117において、スルーホール321を中心として螺旋状に設けられ、スルーホール321まで伸びている。外部接続配線126は、スルーホール321を介して、下面側の金属支持基板306に接続している。また、他の複数の外部接続配線も同様に、テール部側端子から他の複数のスルーホール321まで伸び、他の複数のスルーホール321を介して下面側の金属支持基板306にそれぞれ接続している。
【0090】
第1の参考例においては、本発明における検査用分離領域の代わりに、金属支持基板306を用いて、端子間配線(図4等に符号125で示したものに対応。以下、「5.参考例」の項目内において同じ。)および外部接続配線126の短絡または断線の検査を行うことができる。そして、外部接続配線126が、切り欠き部117において、螺旋状に設けられている。このため、端子間配線および外部接続配線126において、金属支持基板306から短絡が発生する箇所までの区間が長くなり、当該区間の抵抗が大きくなる。これにより、後述する四端子法によって、金属支持基板306を用いて、端子間配線および外部接続配線126の短絡を検査する場合に、短絡の発生を容易に検出できるようになる。
【0091】
図15(a)および図15(b)は、本発明の外枠付サスペンション用基板の第2の参考例の要部を示す概略平面図である。図15(a)および図15(b)には、切り取り線301から外枠110までの部分の上面および下面がそれぞれ示されている。
【0092】
第2の参考例においても、外部接続配線126は、上面において、テール部側端子(図15(a)および図15(b)には図示せず。)から切り取り線301を通り外枠110の内部にまで伸びている。外部接続配線126は、外枠における導体層113に設けられた切り欠き部117において、左右に蛇行するように設けられ、左側のスルーホール321まで伸びている。外部接続配線126は、スルーホール321を介して、下面側の金属支持基板306に接続している。また、他の複数の外部接続配線も同様に、テール部側端子から他の複数のスルーホール321まで伸び、他の複数のスルーホール321を介して下面側の金属支持基板306にそれぞれ接続している。
【0093】
第2の参考例においても、本発明における検査用分離領域の代わりに、金属支持基板306を用いて、端子間配線および外部接続配線126の短絡または断線の検査を行うことができる。そして、外部接続配線126が、切り欠き部117において、左右に蛇行するように設けられている。このため、端子間配線および外部接続配線126において、金属支持基板306から短絡が発生する箇所までの区間が長くなり、当該区間の抵抗が大きくなる。これにより、後述する四端子法によって、金属支持基板306を用いて、端子間配線および外部接続配線126の短絡を検査する場合に、短絡の発生を容易に検出できるようになる。
【0094】
図16(a)および図16(b)は、本発明の外枠付サスペンション用基板の第3の参考例の要部を示す概略平面図である。図16(a)および図16(b)には、切り取り線301から外枠110までの部分の上面および下面がそれぞれ示されている。
【0095】
第3の参考例においても、外部接続配線126は、上面において、テール部側端子(図16(a)および図16(b)には図示せず。)から切り取り線301を通り外枠110の内部にまで伸びている。そして、外部接続配線126は、外枠における導体層113に設けられた切り欠き部117において、左側のスルーホール321まで伸びている。さらに、外部接続配線126は、下面側の金属支持基板306の一部が除去された金属支持基板除去部322において、上述したスルーホール321から別のスルーホール321まで伸びている。そして、外部接続配線126は、切り欠き部117において、上述したスルーホール321から別のスルーホール321まで伸びている。さらに、外部接続配線126は、切り欠き部117および金属支持基板除去部322を行き来して、最終的に金属支持基板306に接続している。
【0096】
また、他の複数の外部接続配線も同様に、テール部側端子から伸び、切り欠き部117および金属支持基板除去部322を行き来して、下面側の金属支持基板306にそれぞれ接続している。
【0097】
第3の参考例においても、本発明における検査用分離領域の代わりに、金属支持基板306を用いて、端子間配線および外部接続配線126の短絡または断線の検査を行うことができる。そして、外部接続配線126が、切り欠き部117および金属支持基板除去部322を行き来するように設けられている。このため、端子間配線および外部接続配線126において、金属支持基板306から短絡が発生する箇所までの区間が長くなり、当該区間の抵抗が大きくなる。これにより、後述する四端子法によって、金属支持基板306を用いて、端子間配線および外部接続配線126の短絡を検査する場合に、短絡の発生を容易に検出できるようになる。
【0098】
B.外枠付サスペンション用基板の製造方法
次に、本発明の外枠付サスペンション用基板の製造方法について説明する。本発明の外枠付サスペンション用基板の製造方法は、二つの実施態様に大別することができる。以下、本発明の外枠付サスペンション用基板の製造方法について、第1実施態様および第2実施態様に分けて説明する。
【0099】
1.第1実施態様
まず、本発明の外枠付サスペンション用基板の製造方法の第1実施態様について説明する。本実施態様の外枠付サスペンション用基板の製造方法は、「A.外枠付サスペンション用基板」の項目で説明した外枠付サスペンション用基板を製造する外枠付サスペンション用基板の製造方法であって、金属支持基板と上記金属支持基板上に形成された絶縁層とを少なくとも有する積層部材を準備する準備工程と、上記検査用分離領域、上記複数のヘッド部側端子、上記複数のテール部側端子、上記端子間配線、および上記外部接続配線を有する導体層を形成する導体層形成工程と、上記検査用分離領域を、上記外枠における導体層の他の領域と接続する検査用分離領域接続工程と、上記検査用分離領域を、上記外枠における導体層の他の領域と導通させることにより、露出した導体層を電解めっきするめっき工程と、を有することを特徴とする。
【0100】
本実施態様によれば、上記導体層形成工程後上記検査用分離領域接続工程前に、上記検査用分離領域を上記外枠における導体層の他の領域と分離した状態において、上記検査用分離領域を用いて、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を行うことができる。より具体的には、上記導体層形成工程後上記検査用分離領域接続工程前に、上記検査用分離領域を上記外枠における導体層の他の領域と分離した状態において、上記検査用分離領域を介して検査用電流を流して上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を行うことができる。これにより、上記外枠における導体層において上記サスペンション用基板が支持される箇所の構造に影響されることなく、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を正確に行うことができる
【0101】
そして、本実施態様によれば、本発明の外枠付サスペンション用基板が上記複数のサスペンション用基板および検査用分離領域を有する場合において、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれについて、上記導体層形成工程後上記検査用分離領域接続工程前に、上記検査用分離領域を上記外枠における導体層の他の領域と分離した状態において、上記検査用分離領域を用いて、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線を検査することができる。より具体的には、上記導体層形成工程後上記検査用分離領域接続工程前に、上記検査用分離領域を上記外枠における導体層の他の領域と分離した状態において、上記検査用分離領域を介して検査用電流を流して、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を行うことができる。このため、上記外枠における導体層において上記複数のサスペンション用基板を支持する箇所の構造がそれぞれ異なっていたとしても、上記サスペンション用基板ごとに上記外枠における導体層おいて検査用電流が流れる箇所の抵抗が異なることにはならない。したがって、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれについて、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を簡単かつ正確に行うことができる。
【0102】
なお、本実施態様における準備工程は、特に限定されるものではないが、金属支持基板と上記金属支持基板上に形成された絶縁層とを有する二層材を準備する工程でもよいし、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層とを有する三層材を準備する工程でもよい。また、本実施態様における導体層形成工程は、特に限定されるものではないが、上記二層材を用いて上記部材を有する上記導体層を形成してもよく、上記三層材を用いて上記部材を有する上記導体層を形成してもよい。
以下、本実施態様の外枠付サスペンション用基板の製造方法を詳細に説明する。
【0103】
図17は、本発明の外枠付サスペンション用基板の製造方法の第1実施態様の第1の例を示す概略断面図である。図17は、上記外枠において上記検査用分離領域を形成する箇所を示した図である。図18は、図17のA−A断面図である。そして、図18(a)〜図18(e)に示す断面図はそれぞれ、図17(a)〜図17(e)のA−A断面図である。以下、第1実施態様の第1の例を図17および図18を参照しながら説明する。
【0104】
まず、積層部材200を準備する(図17(a)および図18(a))。準備する積層部材200は、金属支持基板201と、金属支持基板201上に形成された第1絶縁層202と、第1絶縁層202上に形成された導体層203とを有する。次に、導体層203をエッチングすることにより、導体層除去部204を形成して、検査用分離領域205を形成する(図17(b)および図18(b))。同時に、サスペンション用基板が有する、ヘッド部側端子、テール部側端子、端子間配線、および外部接続配線を形成する(図17および図18に図示せず)。
【0105】
次に、導体層203上に第2絶縁層206を形成する(図17(c)および図18(c))。そして、第1絶縁層202をエッチングすることにより、導体層除去部204において、第1絶縁層202を除去する(図17(c)および図18(c))。
【0106】
次に、導体層除去部204に、ビアめっきとして、ビアめっき207を形成する(図17(d)および図18(d))。これにより、検査用分離領域205を、導体層203の他の領域および金属支持基板201に接続する。次に、金属支持基板201をリードとする電解めっきによって、検査用分離領域205を導体層203の他の領域と導通させて、ビアめっき207の露出面、ならびに図4および図5に示したヘッド部側端子123およびテール部側端子124の露出面に保護めっき208を形成する(図17(e)および図18(e))。以上のように、外枠付サスペンション用基板を製造する。
【0107】
本実施態様の本例においては、図17(b)および図18(b)に示した工程において、導体層除去部204を形成した後から、図17(d)および図18(d)に示した工程において、ビアめっき207を形成する前まで、ヘッド部側端子(図17および図18に図示せず)および検査用分離領域205を用いて、端子間配線および外部接続配線の短絡または断線を検査する。したがって、検査用分離領域205が導体層203における他の領域とは電気的に分離した状態で、それらの短絡または断線を検査することができる。このため、それらの短絡または断線を正確に検査することができる。
【0108】
図19は、本発明の外枠付サスペンション用基板の製造方法の第1実施態様の第2の例を示す概略断面図である。図19は、上記外枠において上記検査用分離領域を形成する箇所を示した図である。図20は、図19のA−A断面図である。そして、図19(a)〜図19(e)に示す断面図はそれぞれ、図20(a)〜図20(e)のA−A断面図である。以下、第1実施態様の第2の例を図19および図20を参照しながら説明する。
【0109】
まず、上述した第1の例と同一の積層部材200を準備する(図19(a)および図20(a))。次に、導体層203をエッチングすることにより、導体層除去部204および導通孔209を形成する(図19(b)および図20(b))。同時に、サスペンション用基板が有する、ヘッド部側端子、テール部側端子、端子間配線、および外部接続配線を形成する(図19および図20に図示せず)。
【0110】
次に、第1絶縁層202をエッチングすることにより、導通孔209において、第1絶縁層202を除去する(図19(c)および図20(c))。次に、導体層203上に、第2絶縁層206を形成する(図19(c)および図20(c))。
【0111】
次に、導通孔209に、ビアめっきとして、ビアめっき207を形成する(図19(d)および図20(d))。これにより、検査用分離領域205を、導体層203の他の領域および金属支持基板201に接続する。次に、金属支持基板201をリードとする電解めっきによって、検査用分離領域205を導体層203の他の領域と導通させて、ビアめっき207の露出面、ならびに図4および図5に示したヘッド部側端子123およびテール部側端子124の露出面に保護めっき208を形成する(図19(e)および図20(e))。以上のように、外枠付サスペンション用基板を製造する。
【0112】
本例においては、図19(b)および図20(b)に示した工程において、導体層除去部204を形成した後から、図19(d)および図20(d)に示した工程において、ビアめっき207を形成する前まで、ヘッド部側端子(図19および図20に図示せず)および検査用分離領域205を用いて、端子間配線および外部接続配線の短絡または断線を検査する。したがって、検査用分離領域205が導体層203における他の領域とは電気的に分離した状態で、それらの短絡または断線を検査することができる。このため、それらの短絡または断線を正確に検査することができる。
【0113】
そして、本例においては、上述した第1の例とは異なり、導通孔209にビアめっき207を形成することにより、検査用分離領域205を、導体層203の他の領域および金属支持基板201に接続する。このため、上述した第1の例のように、長方形に設けられた導体層除去部204の広い領域において、ビアめっき207を形成するために第1絶縁層202を削除する必要がない。このため、外枠付サスペンション用基板の強度を高くすることができる。
【0114】
2.第2実施態様
次に、本発明の外枠付サスペンション用基板の製造方法の第2実施態様について説明する。本実施態様の外枠付サスペンション用基板の製造方法は、「A.外枠付サスペンション用基板」の項目で説明した外枠付サスペンション用基板を製造する外枠付サスペンション用基板の製造方法であって、金属支持基板と上記金属支持基板上に形成された絶縁層とを少なくとも有する積層部材を準備する準備工程と、上記外枠における導体層の他の領域と接続された接続検査用分離領域、上記複数のヘッド部側端子、上記複数のテール部側端子、上記端子間配線、および上記外部接続配線を有する導体層を形成する導体層形成工程と、上記接続検査用分離領域を、上記外枠における導体層の他の領域と導通させることにより、露出した導体層を電解めっきするめっき工程と、上記接続検査用分離領域を、上記外枠における導体層の他の領域と分離させて上記検査用分離領域を形成する検査用分離領域分離工程と、を有することを特徴とする。
【0115】
本実施態様によれば、上記検査用分離領域分離工程後に、上記検査用分離領域を上記外枠における導体層の他の領域と分離した状態において、上記検査用分離領域を用いて、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を行うことができる。より具体的には、上記検査用分離領域分離工程後に、上記検査用分離領域を上記外枠における導体層の他の領域と分離した状態において、上記検査用分離領域を介して検査用電流を流して上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を行うことができる。これにより、上記外枠における導体層において上記サスペンション用基板が支持される箇所の構造に影響されることなく、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を正確に行うことができる
【0116】
そして、本実施態様によれば、本発明の外枠付サスペンション用基板が上記複数のサスペンション用基板および検査用分離領域を有する場合において、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれについて、上記検査用分離領域分離工程後に、上記検査用分離領域を上記外枠における導体層の他の領域と分離した状態において、上記検査用分離領域を用いて、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線を検査することができる。より具体的には、上記検査用分離領域分離工程後に、上記検査用分離領域を上記外枠における導体層の他の領域と分離した状態において、上記検査用分離領域を介して検査用電流を流して、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を行うことができる。このため、上記外枠における導体層において上記複数のサスペンション用基板を支持する箇所の構造がそれぞれ異なっていたとしても、上記サスペンション用基板ごとに上記外枠における導体層おいて検査用電流が流れる箇所の抵抗が異なることにはならない。したがって、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれについて、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を簡単かつ正確に行うことができる。
【0117】
さらに、本実施態様によれば、外枠付サスペンション用基板を製造する場合に、外枠付サスペンション用基板を製造するための加工工程が全て完了した後に、サスペンション用基板が有する配線の導通検査を行うことができるため、サスペンション用基板が有する配線の導通検査を第1実施態様よりも正確に行うことができる。
【0118】
なお、本実施態様における準備工程は、特に限定されるものではないが、金属支持基板と上記金属支持基板上に形成された絶縁層とを有する二層材を準備する工程でもよいし、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層とを有する三層材を準備する工程でもよい。また、本実施態様における導体層形成工程は、特に限定されるものではないが、上記二層材を用いて上記部材を有する上記導体層を形成してもよく、上記三層材を用いて上記部材を有する上記導体層を形成してもよい。
以下、本実施態様の外枠付サスペンション用基板の製造方法を詳細に説明する。
【0119】
図21は、本発明の外枠付サスペンション用基板の製造方法の第2実施態様の第1の例を示す概略断面図である。図21は、上記外枠において上記検査用分離領域を形成する箇所を示した図である。図22は、図21のA−A断面図である。そして、図22(a)〜図22(e)に示す断面図はそれぞれ、図21(a)〜図21(e)のA−A断面図である。以下、第2実施態様の第1の例を図21および図22を参照しながら説明する。
【0120】
まず、第1実施態様と同一の積層部材200を準備する(図21(a)および図22(a))。次に、導体層203をエッチングすることにより、導体層除去部204を形成するとともに、導体層除去部204に囲まれ、導体層203の他の領域に接続領域210を介して接続した接続検査用分離領域211を形成する(図21(b)および図22(b))。また、サスペンション用基板が有する、ヘッド部側端子、テール部側端子、端子間配線、および外部接続配線を形成する。
【0121】
次に、金属支持基板201をエッチングすることにより、上述した接続領域210の箇所に貫通除去部212を形成する(図21(c)および図22(c))。
【0122】
次に、第1絶縁層202をエッチングすることにより、導体層除去部204において、第1絶縁層202を除去し、貫通除去部212において、第1絶縁層202を除去する(図21(d)および図22(d))。そして、導体層203上に第2絶縁層206を形成する((図21(d)および図22(d))。
【0123】
次に、金属支持基板201をリードとする電解めっきによって、接続検査用分離領域211を導体層203の他の領域と導通させて、ビアめっき207の露出面、ならびに図4および図5に示したヘッド部側端子123およびテール部側端子124の露出面に保護めっき208を形成する(図21および図22に図示せず)。
【0124】
次に、導体層203をエッチングすることにより、貫通除去部212の箇所において、導体層203を除去して、外枠を貫通させる((図21(e)および図22(e))。これにより、接続検査用分離領域211を導体層203の他の領域と分離させて検査用分離領域205を形成する。以上により、外枠付サスペンション用基板を製造するための加工工程が全て完了する。
【0125】
本例においては、加工工程が全て完了した後に、ヘッド部側端子(図21および図22に図示せず)および検査用分離領域205を用いて、端子間配線および外部接続配線の短絡または断線を検査する。したがって、短絡または断線を第1実施態様よりも正確に検査することができる。
【0126】
図23は、第2実施態様の外枠付サスペンション用基板の製造方法の第2の例を要部の工程を示す概略断面図である。本例は、図19および図20に示した製造方法において、図23に示した工程が最後に追加された製造方法である。図23に示した工程においては、金属支持基板201をエッチングすることにより、ビアめっき207の下側にある金属支持基板を除去した金属支持基板除去部213を形成する。これにより、導体層203の他の領域と分離された検査用分離領域205を形成する。以上により、外枠付サスペンション用基板を製造するための加工工程が全て完了する。
【0127】
本例においても、加工工程が全て完了した後に、ヘッド部側端子(図23に図示せず)および検査用分離領域205を用いて、端子間配線および外部接続配線の短絡または断線を検査する。したがって、短絡または断線を第1実施態様よりも正確に検査することができる。
【0128】
C.外枠付サスペンション用基板の検査方法
次に、本発明の外枠付サスペンション用基板の検査方法について説明する。本発明の外枠付サスペンション用基板の検査方法は、「A.外枠付サスペンション用基板」の項目で説明した外枠付サスペンション用基板の検査方法であって、上記ヘッド部側端子および上記検査用分離領域を用いて、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線を検査する検査工程を有することを特徴とするものである。
【0129】
本発明によれば、上記検査用分離領域を用いて、上記サスペンション用基板における上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を行うことができる。より具体的には、上記検査用分離領域を介して検査用電流を流して上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を行うことができる。これにより、上記外枠における導体層において上記サスペンション用基板が支持される箇所の構造に影響されることなく、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を正確に行うことができる
【0130】
そして、本発明によれば、本発明の外枠付サスペンション用基板が上記複数のサスペンション用基板および検査用分離領域を有する場合において、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれについて、上記検査用分離領域を用いて、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線を検査することができる。より具体的には、上記検査用分離領域を介して検査用電流を流して、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を行うことができる。このため、上記外枠における導体層において上記複数のサスペンション用基板を支持する箇所の構造がそれぞれ異なっていたとしても、上記サスペンション用基板ごとに上記外枠における導体層おいて検査用電流が流れる箇所の抵抗が異なることにはならない。したがって、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれについて、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線の検査を簡単かつ正確に行うことができる。
以下、本発明の外枠付サスペンション用基板の検査方法を詳細に説明する。
【0131】
本発明の外枠付サスペンション用基板の検査方法としては、上記検査用分離領域を用いて、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡または断線を検査する検査方法であれば、特に限定されるものではないが、例えば、二端子法、四端子法等が挙げられる。これらの検査方法の中でも四端子法が好ましい。他の検査方法よりも、上記端子間配線および上記外部接続配線の短絡をより正確に検査することができるからである。
【0132】
以下に、四端子法を用いて、上記サスペンション用基板の端子間配線および外部接続配線の短絡を検査する検査方法について具体的に説明する。
【0133】
この検査方法においては、まず、上記サスペンション用基板について、二つのヘッド部側端子間に、端子間配線、外部接続配線、および対応する検査用分離領域を介して検査用電流を流した状態において、他の二つのヘッド部側端子間に発生する電位差を四端子法によって測定する。次に、上記サスペンション用基板について、検査用電流の電流値と電位差とから対応する検査用分離領域の検査用インピーダンスを求める。次に、上記検査用インピーダンスが、所定値よりも大きいかどうかを判定する。そして、上記検査用インピーダンスが所定値よりも大きい場合には、上記サスペンション用基板において端子間配線または外部接続の短絡が発生したと判定する。
【0134】
また、本発明の外枠付サスペンション用基板が上記複数のサスペンション用基板および検査用分離領域を有する場合には、上述した方法によって、上記複数のサスペンション用基板のそれぞれについて検査用インピーダンスが求められる。そして、検査用インピーダンスが、上記複数のサスペンション用基板について求められた複数の検査用インピーダンスの中央値や平均値等の所定値よりも大きい場合には、それが求められたサスペンション用基板において端子間配線または外部接続の短絡が発生したと判定する。
【0135】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
【実施例】
【0136】
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
【0137】
[実施例1]
まず、図1に示した外枠付サスペンション基板100を90個準備した。準備した外枠付サスペンション用基板100のそれぞれの仕様は以下に示す通りである。
<外枠付サスペンション用基板の仕様>
・外枠 1個
・サスペンション用基板 40個
※外枠の内側の一端から他端にNo1〜No40のサスペンション用基板が整列
・検査用絶縁領域 40個
※No1〜No40のサスペンション用基板が外枠において支持されている箇所にそれぞれ形成
・治具孔 7個
※No5、11、17、22、28、34、40のサスペンション用基板が外枠において支持されている箇所にそれぞれ配置
【0138】
[比較例1]
まず、外枠に検査用分離領域が設けられていない点を除いて実施例1と同一の仕様を有する外枠付サスペンション基板を90個準備した。
【0139】
[評価1]
実施例1および比較例1の90個の外枠付サスペンション用基板のそれぞれについて、40個のサスペンション用基板がそれぞれ有する端子間配線および外部接続配線の短絡を四端子法によって検査した。具体的には、下記の方法で検査を行った。
【0140】
まず、40個のサスペンション用基板のそれぞれについて、二つのヘッド部側端子間に、端子間配線、外部接続配線および導体層を介して、検査用電流を流した状態において、他の二つのヘッド部側端子間に発生する電位差を測定した。このとき、実施例1の外枠付サスペンション用基板が有する40個のサスペンション用基板については、検査用分離領域を介して、検査用電流を流した状態において電位差を測定した。一方、比較例1の外枠付サスペンション用基板が有する40個のサスペンション用基板については、検査用分離領域が設けられていない導体層を介して、検査用電流を流した状態において電位差を測定した。
【0141】
次に、40個のサスペンション用基板のそれぞれについて、検査用電流の電流値と電位差とから、電位差を測定したヘッド部側端子間の検査用インピーダンスを求めた。次に、40個のサスペンション用基板のそれぞれについて求められた複数の検査用インピーダンスのそれらの中央値に対する変化率を求めた。
【0142】
図24および図25は、実施例1及び比較例1の外枠付サスペンション用基板のうちの一つにおける40個のサスペンション用基板について求められた検査用インピーダンスの変化率をそれぞれ示したグラフである。これらのグラフに示された結果によると、実施例1における40個のサスペンション用基板について求められた検査用インピーダンスの変化率は、全て±4%の範囲内であった。これに対して、比較例1における40個のサスペンション用基板について求められた検査用インピーダンスの変化率は、±5%〜10%の範囲内のものと、+15%〜95%の範囲内のものがあった。変化率が+15%〜95%の範囲内の検査用インピーダンスは、外枠において治具孔が形成された箇所に支持されたサスペンション用基板(No5、11、17、22、28、34、40)について求められたものであった。
【0143】
そして、実施例1の90個の外枠付サスペンション用基板のそれぞれについて、サスペンション用基板の検査用インピーダンスを上述のように求めた結果、検査用インピーダンスの変化率が小さくなることを要因として、サスペンション用基板のオーバーキルが0.03%となった。一方、比較例1の90個の外枠付サスペンション用基板について、サスペンション用基板の検査用インピーダンスを上述のように求めた結果、外枠において治具孔が形成された箇所に支持されたサスペンション用基板は、検査用インピーダンスの変化率が大きくなることを要因として、オーバーキルが60%となり、それ以外のサスペンション用基板はオーバーキルが0.5%となった。
【0144】
以上のことから、実施例1の外枠付サスペンション用基板においては、外枠において治具孔が形成された箇所において支持されたサスペンション用基板について求められるヘッド部側端子間の検査用インピーダンスが、治具孔の存在によって影響を受けないことが確認された。したがって、実施例1の外枠付サスペンション用基板においては、四端子法を用いて、サスペンション用基板が有する端子間配線および外部接続配線の短絡を検査する場合に、外枠における検査用分離領域の外側の構造の影響を排除して、正確に検査することができるため、オーバーキルを小さくすることができることがわかった。
【0145】
[実施例2]
まず、導体層に図6に示した切り欠き部が設けられている点を除いて実施例1と同一の仕様を有する外枠付サスペンション基板を準備した。
【0146】
[評価2]
実施例2および実施例1の外枠付サスペンション用基板において、評価1と同様に四端子法によって、40個のサスペンション用基板がそれぞれ有する端子間配線および外部接続配線における短絡の発生を検査した。
【0147】
図26は、実施例2および実施例1の外枠付サスペンション用基板のそれぞれについて求められた、検査用分離領域から短絡発生位置までの配線長および短絡発生時におけるヘッド部側端子間の検査用インピーダンスの関係を示したグラフである。このグラフにおいて、実線の枠で囲まれたプロットは実施例2の外枠付サスペンション用基板について求められた配線長および検査用インピーダンスの関係を示すものであり、破線の枠で囲まれたプロットは実施例1の外枠付サスペンション用基板について求められた配線長および検査用インピーダンスの関係を示すものである。
【0148】
このグラフからは、実施例2の外枠付サスペンション用基板においては、実施例1の外枠付サスペンション用基板と比較して、検査用分離領域から短絡発生位置までの配線長が長くなっており、それに比例して、短絡発生時におけるヘッド部側端子間の検査用インピーダンスが大きくなっていることが確認された。
【0149】
これは、実施例2の外枠付サスペンション用基板においては、導体層に切り欠き部が設けられていることにより、検査用分離領域から短絡発生位置までの配線長を長くすることができるため、短絡発生時におけるヘッド部側端子間の検査用インピーダンスを大きくすることができることを示している。つまり、実施例2の外枠付サスペンション用基板においては、導体層に切り欠き部が設けられていることにより、実施例1の外枠付サスペンション用基板と比較して、短絡発生時におけるヘッド部側端子間の検査用インピーダンスを大きくすることができるため、短絡の発生を容易に検出することができることを意味している。
【符号の説明】
【0150】
100・・・外枠付サスペンション用基板、110・・・外枠、120・・・サスペンション用基板、111・・・金属支持基板、112・・・第1絶縁層、113・・・導体層、114・・・第2絶縁層、115・・・検査用分離領域、116・・・導体層除去部、123・・・ヘッド部側端子、124・・・テール部側端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サスペンション用基板と、前記サスペンション用基板をテール部側から支持する外枠とを有する外枠付サスペンション用基板であって、
前記外枠は、金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された導体層とを有し、
前記外枠における導体層は、当該導体層が除去されてなる導体層除去部に囲まれ、他の領域とは分離された検査用分離領域を有し、
前記サスペンション用基板は、金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された、素子に接続される複数のヘッド部側端子、外部回路に接続される複数のテール部側端子、前記複数のヘッド部側端子を前記複数のテール部側端子にそれぞれ接続する端子間配線、および前記複数のテール部側端子を前記検査用分離領域にそれぞれ接続する外部接続配線を少なくとも有する導体層と、を有することを特徴とする外枠付サスペンション用基板。
【請求項2】
前記サスペンション用基板として、前記外枠の内側に整列され、前記外枠によりそれぞれ支持された複数のサスペンション用基板を有し、
前記複数のサスペンション用基板のそれぞれは、前記金属支持基板と、前記絶縁層と、前記複数のヘッド部側端子、前記複数のテール部側端子、前記端子間配線、および前記外部接続配線を少なくとも有する前記導体層と、を有することを特徴とする請求項1に記載の外枠付サスペンション用基板。
【請求項3】
前記外枠における導体層は、前記検査用分離領域として、前記複数のサスペンション用基板のそれぞれを検査するために用いられる複数の検査用分離領域を有し、
前記複数のサスペンション用基板のそれぞれにおける前記外部接続配線は、前記複数の検査用分離領域のそれぞれに接続し、
前記複数の検査用分離領域は同一形状であることを特徴とする請求項2に記載の外枠付サスペンション用基板。
【請求項4】
前記外部接続配線における前記サスペンション用基板の本体部を残部から切り離す切り取り線の位置と、前記検査用分離領域との間の抵抗を高くする高抵抗化手段をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の外枠付サスペンション用基板。
【請求項5】
前記外枠において、前記検査用分離領域の外側に治具孔が形成されたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の外枠付サスペンション用基板。
【請求項6】
前記外枠において、前記導体層除去部に前記金属支持基板および前記絶縁層が除去された貫通除去部が形成されたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の外枠付サスペンション用基板。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の外枠付サスペンション用基板を製造する外枠付サスペンション用基板の製造方法であって、
金属支持基板と前記金属支持基板上に形成された絶縁層とを少なくとも有する積層部材を準備する準備工程と、
前記検査用分離領域、前記複数のヘッド部側端子、前記複数のテール部側端子、前記端子間配線、および前記外部接続配線を有する導体層を形成する導体層形成工程と、
前記検査用分離領域を、前記外枠における導体層の他の領域と接続する検査用分離領域接続工程と、
前記検査用分離領域を、前記外枠における導体層の他の領域と導通させることにより、露出した導体層を電解めっきするめっき工程と、
を有することを特徴とする外枠付サスペンション用基板の製造方法。
【請求項8】
請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の外枠付サスペンション用基板を製造する外枠付サスペンション用基板の製造方法であって、
金属支持基板と前記金属支持基板上に形成された絶縁層とを少なくとも有する積層部材を準備する準備工程と、
前記外枠における導体層の他の領域と接続された接続検査用分離領域、前記複数のヘッド部側端子、前記複数のテール部側端子、前記端子間配線、および前記外部接続配線を有する導体層を形成する導体層形成工程と、
前記接続検査用分離領域を、前記外枠における導体層の他の領域と導通させることにより、露出した導体層を電解めっきするめっき工程と、
前記接続検査用分離領域を、前記外枠における導体層の他の領域と分離させて前記検査用分離領域を形成する検査用分離領域分離工程と、
を有することを特徴とする外枠付サスペンション用基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−14821(P2012−14821A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200894(P2010−200894)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】