説明

外装材と外装構造

【課題】 断熱機能と遮音機能のさらなる向上を図ることができる外装材とそのような外装材を使用した外装構造を提供すること。
【解決手段】 枠材と、上記枠材内に内装された内材と、を具備し、上記内材は外側断熱板と内側に位置する内側断熱板とこれら外側断熱板と内側断熱板の間に設置される遮音板との三層構造から構成されていることを特徴とするものであり、それによって、高い断熱機能を得ることができるとともに高い遮音機能を得ることができるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、各種建築物の外壁材或いは屋根材等として使用される外装材とその外装材を使用した外装構造に係り、特に、断熱機能と遮音機能を向上させることができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の外装材の構成を開示するものとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−209853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、特許文献1に開示されている外壁材の構成でもある程度の断熱機能と遮音機能を得ることはできるが、さらなる改良が要求されていた。
【0005】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、断熱機能と遮音機能のさらなる向上を図ることができる外装材とそのような外装材を使用した外装構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するべく本願発明の請求項1による外装材は、枠材と、上記枠材内に内装された内材と、を具備し、上記内材は外側断熱板と内側に位置する内側断熱板とこれら外側断熱板と内側断熱板の間に設置される遮音板との三層構造から構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項2による外装材は、請求項1記載の外装材において、上記外側断熱板と内側断熱板は発泡ウレタン材から構成されていて、上記遮音板は石膏ボードであることを特徴とするものである。
又、請求項3による外装材は、請求項2記載の外装材において、上記枠材は金属製であることを特徴とするものである。
又、請求項4による外装材は、請求項3記載の外装材において、屋根用又は外壁用であることを特徴とするものである。
又、請求項5による外装材は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の外装材を隣接・配置し、内側に別途構築された梁構造部に連結していくことにより構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項6による外装材は、請求項4記載の外装構造において、隣接・配置された外装材の外側断熱板の間には霧除け用枠材が設置されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
以上述べたように本願発明の請求項1による外装材によると、本願発明の請求項1による外装材は、枠材と、上記枠材内に内装された内材と、を具備し、上記内材は外側断熱板と内側に位置する内側断熱板とこれら外側断熱板と内側断熱板の間に設置される遮音板との三層構造から構成されているので、高い断熱機能と遮音機能を得ることができる。
又、請求項2による外装材は、請求項1記載の外装材において、上記外側断熱板と内側断熱板は発泡ウレタン材から構成されていて、上記遮音板は石膏ボードであるので、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項3による外装材は、請求項2記載の外装材において、上記枠材は金属製であるので、十分な機械的強度を得ることができる。
又、請求項4による外装材は、請求項3記載の外装材において、屋根用又は外壁用であるので、断熱機能と遮音機能に優れた屋根又は外壁を提供することができる。
又、請求項5による外装材は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の外装材を隣接・配置し、内側に別途構築された梁構造部に連結していくことにより構成されているので、比較的簡単な作業によって所望の外装構造を得ることができる。
又、請求項6による外装材は、請求項4記載の外装構造において、隣接・配置された外装材の外側断熱板の間には霧除け用枠材が設置される構成になっているので、霧の浸入を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図で、図1(a)は外壁材の構成を示す正面図、図1(b)は外壁材の構成を示す平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す図で、図2(a)は図1(a)のa−a線断面図、図2(b)は図1(a)のb−b線断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態を示す図で、図2(b)のIII部を拡大して示す一部断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態を示す図で、外壁材同士を連結する構造を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態を示す図で、外壁材の梁構造部に対する取付状態を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態を示す図で、外壁材の梁構造部に対する取付状態を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1乃至図6を参照して本発明の一実施の形態について説明する。この一実施の形態は本願発明を外壁材に適用した例を示すものである。本実施の形態による外壁材1は次のような構成になっている。まず、図2及び図3に示すように、本実施の形態による外壁材1は、外側断熱板3と、内側断熱板5と、これら外側断熱板3と内側断熱板5との間に介挿された遮音板7とから構成されていて、これら外側断熱板3と内側断熱板5と遮音板7とによって内材を構成しているものである。上記外側断熱板3と内側断熱板5は、例えば、発泡ウレタン材から構成されている。又、上記遮音板7は、例えば、石膏ボードから構成されている。
【0010】
上記外側断熱板3と内側断熱板5の外側にはアルミニウム製の化粧板9、11がそれぞれ取り付けられている。又、上記外側断熱板3の外周部であって上記化粧板9の内側には外側枠材13が設置されている。又、上記内側断熱板5の外周には内側枠材15が設置されている。上記外側枠材13と内側枠材15は、アルミニウム製であって押し出し成形により構成されている。
【0011】
図3に示すように、上記外側枠材13には、外側第1溝17、外側第2溝19、外側第3溝21がそれぞれ形成されている。又、上記内側枠材15には、内側第1溝23、内側第2溝25、内側第3溝27、内側第4溝29がそれぞれ形成されている。上記外側第3溝21と内側第4溝29との間には樹脂製枠材31が取り付けられている。又、前述した遮音板7の端部は上記内側第3溝27内にその外周部が挿入された状態となっている。
【0012】
次に、隣接・配置された外壁材1同士を連結する構造を説明する。図4は外壁材1、1同士を連結した状態を示す断面図である。まず、外壁材1、1を対向・配置させる。その際、それぞれの外側第2溝19にはゴム製パッキン33、33が装着されている。又、それぞれの内側第2溝25にもゴム製パッキン35、35が装着されている。又、双方の樹脂製枠材31、31の間には、ゴム製クッション材37、37が介挿されている。上記ゴム製パッキン33、33は相互に圧接された状態となっており、同様に、上記ゴム製パッキン35、35も相互に圧接された状態となっている。
【0013】
又、双方の外側第1溝17、17には、霧除け用枠材39が設置されていて、この霧除け用枠材39の両端にはゴム製パッキン41、41が取り付けられている。
【0014】
次に、上記構成をなす外壁材1の構造物に対する取付構造を図5及び図6を参照して説明する。図5は構造物71の一部の構成を示す図であり、この構造物71は、複数本の柱材73と、これら柱材73相互間に設置された梁構造部75を備えた構成になっている。上記梁構造部75は、上側フレーム77と、下側フレーム79と、これら上側フレーム77と下側フレーム79との間に設けられたトラス構造部81とから構成されている。
【0015】
そして、本実施の形態による外壁材1は上記梁構造部75に取り付けられる。すなわち、図6にも示すように、外壁材1の内側枠材15には取付用L型材(アングル材)81、81(例えば、上下左右2個ずつ)が取り付けられている。上記外壁材1は、これら取付用L型材81、81を介して上記梁構造部75に取り付けられるものである。
【0016】
上記取付用L型材81の外壁材1への取付であるが、これは、内側枠材15の内側第2溝23内の適所に図示しないナットを配置し、そのナットとボルト83を螺合させることにより、上記取付用L型材81を外壁材1の内側枠材15に取り付けるものである。
【0017】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、外壁材1が外側に位置している外側断熱板3と、内側に位置している内側断熱板5と、これら外側断熱板3と内側断熱板5との間に設置された遮音板7とから構成されているので、高い断熱機能と遮音機能を得ることができる。
又、樹脂製枠材31も使用されているので、それによっても断熱機能を発揮することができる。
又、外壁材1、1同士の連結構造も極めて簡単である。
又、霧除け用枠材39が設置されているので、霧の浸入を効果的に防止することができる。又、ゴム製パッキン33、35が二重に配置されているので、それによって、霧等の浸入を効果的に防止することができる。
【0018】
尚、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
例えば、前記一実施の形態の場合には、外壁材を例に挙げて説明したが、屋根材にも適用可能である。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、例えば、外装材とその外装材を使用した外装構造に係り、特に、断熱機能と遮音機能を向上させることができるように工夫したものに関し、例えば、各種建築物の屋根材や外壁材として好適である。
【符号の説明】
【0020】
1 外壁材
3 外側断熱板(内材の一部)
5 内側断熱板(内材の一部)
7 遮音板(内材の一部)
9 化粧板
11 化粧板



【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠材と、上記枠材内に内装された内材と、を具備し、上記内材は外側断熱板と内側に位置する内側断熱板とこれら外側断熱板と内側断熱板の間に設置される遮音板との三層構造から構成されていることを特徴とする外装材。
【請求項2】
請求項1記載の外装材において、
上記外側断熱板と内側断熱板は発泡ウレタン材から構成されていて、上記遮音板は石膏ボードであることを特徴とする外装材。
【請求項3】
請求項2記載の外装材において、
上記枠材は金属製であることを特徴とする外装材。
【請求項4】
請求項3記載の外装材において、
屋根用又は外壁用であることを特徴とする外装材。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載の外装材を隣接・配置し、内側に別途構築された梁構造部に連結していくことにより構成されていることを特徴とする外装構造。
【請求項6】
請求項4記載の外装構造において、
隣接・配置された外装材の外側断熱板の間には霧除け用枠材が設置されることを特徴とする外装構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−117287(P2012−117287A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267963(P2010−267963)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(595034204)SUS株式会社 (40)
【Fターム(参考)】