外観検査方法
【課題】被検査体に存在する真の欠陥に対応しない画素を欠陥として誤って認定することを防止するとともに、真の欠陥に対応する画素であって第一認定工程において欠陥として認定されなかった画素も欠陥として正しく認定することができる外観検査方法を提供する。
【解決手段】中央処理部7は、被検査画像機億部6の被検査画像とその画像の対応するリファレンス画像記憶部6の画像との画素の階調値の差分を求め、その差分の絶対値が第一閾値αよりも大きいか否かを判定する。中央処理部7は、差分の絶対値が第一閾値αよりも大きい画素を欠陥として認定する。中央処理部7は、欠陥の画素から所定画素数の範囲内にある画素についてリファレンス画像の階調値と被検査画像の階調値との差分を求め、その差分の絶対値が第二閾値βよりも大きいか否かを判定する。中央処理部7は、差分の絶対値が第二閾値βよりも大きい画素をさらに欠陥として認定する。
【解決手段】中央処理部7は、被検査画像機億部6の被検査画像とその画像の対応するリファレンス画像記憶部6の画像との画素の階調値の差分を求め、その差分の絶対値が第一閾値αよりも大きいか否かを判定する。中央処理部7は、差分の絶対値が第一閾値αよりも大きい画素を欠陥として認定する。中央処理部7は、欠陥の画素から所定画素数の範囲内にある画素についてリファレンス画像の階調値と被検査画像の階調値との差分を求め、その差分の絶対値が第二閾値βよりも大きいか否かを判定する。中央処理部7は、差分の絶対値が第二閾値βよりも大きい画素をさらに欠陥として認定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ウエハといった被検査体の外観検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウエハといった被検査体の外観に欠陥があるか否かを調べるために、種々の外観検査方法がある。例えば、特許文献1に示されているように、撮像素子によって撮像された被検査体の画像と正常な状態の画像の対応する画素階調の差分を求め、差分を閾値と比較することによって、被検査体の外観を検査していた。
【特許文献1】特開平4−107946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような外観検査方法では、被検査体表面における真の欠陥に対応していると推定された画素を欠陥として認定し、その形状によって、線形欠陥、円形欠陥、独立欠陥に分類する処理が自動的に行われる。この場合、欠陥に対応していると推定された複数の画素同士が互いに隣接する場合には、このひとまとまりを1つの欠陥として認定する。その後、欠陥の個数や形状、大きさからその欠陥が発生した工程を推定し、ウエハといった被検査体の製造装置の点検を行ったり、製造工程を見直すといった作業が行われる。従って、欠陥の個数や形状、大きさなどが誤って認定されると、これら後段の管理工程に悪影響を及ぼすため、欠陥の個数や形状、大きさは、できる限り正確に認定されることが望ましい。
【0004】
ところが、従来、欠陥を認定する際に、複数の欠陥に対して1つの所定閾値のみを用いて、それとの差分が大きい画素だけを欠陥として認定していたため、閾値を大きくすると、欠陥として認定される部分が減ってしまい、真の欠陥が認定されないことがある一方で、閾値を小さくすると、欠陥として認定される部分が増えてしまい、真の欠陥以外の部分も欠陥として検出されてしまうという問題があった。例えば、被検査体の表面の色が均一な濃さでなく、被検査体の表面には色の濃淡が存在し、濃淡が異なる領域にまたがって真の欠陥が存在するような場合、被検査体の画像と正常な状態の画像の全ての部分について1つの所定閾値のみを用いてそれとの差分を求めると、真の欠陥を正しく検出することができないという問題があった。これは、所定閾値を大きく設定すると、表面の色が淡い部分の欠陥のみが認定されるためである(図11(a),(b)参照)。このとき、所定閾値を小さく設定すると、表面の色が濃い部分の欠陥が認定される一方で、表面の色が淡い部分において、真の欠陥ではない部分が欠陥として認定されてしまう。
【0005】
また、上述の1つの所定閾値を用いて認定された欠陥のうち、互いに近傍の所定範囲内に存在する欠陥同士は適宜連結され、この連結後の欠陥のサイズが所定閾値以上となる欠陥を真の欠陥に対応するものとして認定していた。しかしながら、被検査体表面に色の濃淡が存在する場合には、上述の通り、1つの真の欠陥が分断されて複数の欠陥として認定されることがあり、これらの欠陥が所定範囲内に存在しないために正しく連結されず、欠陥のサイズに対する所定の閾値との比較において閾値より小さいために欠陥と判定されなくなってしまい、このような欠陥が判定から漏れるという問題があった。更に、これらの判定漏れとなる欠陥同士を連結するために、上記所定範囲を広く設定すると、異なる真の欠陥に対応する欠陥同士が誤って連結されることによって、真の欠陥の形状とは大きく異なる形状の欠陥として誤って認定され、上述の管理工程に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、被検査体の表面に存在する真の欠陥に対応しない部分が誤って認定されることを防止するとともに、真の欠陥に対応する部分を正しく認定することができる外観検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、請求項1に係る発明の外観検査方法は、検査対象となる被検査体の被検査画像と、前記被検査画像と比較される正常な被検査体のリファレンス画像とを比較する外観検査方法であって、
前記被検査画像は複数の画素を含み前記画素ごとに階調化され、前記リファレンス画像は前記複数の画素にそれぞれ対応する別の複数の画素を含み前記別の画素ごとに階調化され、前記被検査画像と前記リファレンス画像との対応する画素同士の階調の差分を第一閾値と比較することによって、前記第一閾値よりも差分の大きい画素を欠陥として認定する第一認定工程と、
前記第一認定工程において欠陥として認定された画素の周囲の画素について前記被検査画像と前記リファレンス画像との対応する画素同士の階調の差分を前記第一閾値よりも小さい第二閾値と比較することによって、前記第二閾値よりも差分の大きい画素もまた欠陥として認定する第二認定工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
以上のように、第一認定工程において、被検査画像とリファレンス画像との対応する画素の階調の差分を第一閾値と比較することによって、被検査画像に含まれる画素のうち、被検査体に存在する真の欠陥に対応しない画素を欠陥として誤って認定することを防止することができる。その後、第二認定工程においては、第一認定工程において欠陥として認定された欠陥に含まれる任意の画素の周囲の画素について被検査画像とリファレンス画像の階調の差分を前記第一閾値よりも小さい第二閾値と比較することによって、被検査体に存在する真の欠陥に対応する画素であって第一認定工程において欠陥として認定されなかった画素も欠陥として正しく認定することができる。従って、被検査体に存在する真の欠陥をより正確に真の形状に近い状態で検出することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の外観検査方法において、前記第一乃至第二認定工程において認定された一の欠陥の周囲の所定範囲内に該工程において認定された他の欠陥がある場合に、
前記第二認定工程の後に、さらに、
これらの欠陥と、これらの欠陥同士の間の画素とを含めたひとまとまりをみなし欠陥とするみなし欠陥作成工程を含むことを特徴とする。
【0010】
以上のように、一の欠陥の周囲の所定範囲内に他の欠陥がある場合に、これらの欠陥とその間の画素とを含めたひとまとまりをみなし欠陥とすることで、互いに所定範囲内に存在する欠陥だけを、同一の真の欠陥に対応する欠陥群であるとみなすことができる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の外観検査方法において、前記みなし欠陥作成工程の後に、さらに、
前記みなし欠陥の形状と所定形状とが一致する割合を表すみなし欠陥の所定形状率を、前記所定形状に関する形状率閾値と比較する形状率比較工程を含むことを特徴とする。
【0012】
以上のように、形状率比較工程において、みなし欠陥作成工程において作成されたみなし欠陥の形状と所定形状とが一致する割合を表すみなし欠陥の所定形状率を、その所定形状に関する形状率閾値と比較することで、みなし欠陥の形状が所定形状であるか否かを判定することができる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の外観検査方法において、前記形状率比較工程において前記みなし欠陥の所定形状率が前記形状率閾値より大きいか又は同じ場合に、
前記形状率比較工程の後に、さらに、
前記欠陥同士の間の画素について前記被検査画像と前記リファレンス画像との対応する画素同士の階調の差分を前記第二閾値よりも小さい第三閾値と比較することによって、前記第三閾値よりも差分の大きい画素もまたさらに欠陥として認定する第三認定工程を含むことを特徴とする。
【0014】
以上のように、みなし欠陥の所定形状率が形状率閾値より大きいか又は同じ場合に、第三認定工程において、みなし欠陥に含まれる任意の画素の周囲の画素について被検査画像とリファレンス画像との対応する画素の階調の差分を前記第二閾値よりも小さい第三閾値と比較することによって、被検査体に存在する真の欠陥に対応する画素であって前記第一乃至第二認定工程において欠陥として認定されなかった画素もまた欠陥として認定することができる。従って、被検査体に存在する真の欠陥をさらにより正確に真の形状に近い状態で検出することができる。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の外観検査方法において、前記第三認定工程の後に、さらに、
前記第一乃至第二認定工程において認定された複数の欠陥同士が、前記第三認定工程においてまたさらに認定された欠陥を挟んで繋がったか否かを判定する第一判定工程を含むことを特徴とする。
【0016】
以上のように、第一判定工程において、複数の欠陥同士が前記第三認定工程においてまたさらに認定された欠陥を挟んで繋がったか否かを判定することで、被検査体に存在する真の欠陥が所定形状であると判定することができる。
【0017】
請求項6に係る発明は、請求項3〜5の何れか一項に記載の外観検査方法において、前記形状率比較工程において前記みなし欠陥の所定形状率が前記形状率閾値より小さい場合に、
前記形状率比較工程の後に、さらに、
前記第一認定工程において認定された複数の欠陥同士が、前記第二認定工程においてまた認定された欠陥を挟んで繋がったか否かを判定する第二判定工程を行うことを特徴とする。
【0018】
以上のように、第二判定工程を、形状率比較工程の後に行うことで、形状率比較工程においてみなし欠陥の所定形状率が形状率閾値より小さい場合に、みなし欠陥の形状が線形であるか否かを判定することができる。従って、被検査体に存在する真の欠陥が線形であると判定することができる。
【0019】
請求項7に係る発明は、請求項1に記載の外観検査方法において、前記第二認定工程の後に、さらに、
前記第一認定工程において認定された複数の欠陥同士が、前記第二認定工程においてまた認定された欠陥を挟んで繋がったか否かを判定する第二判定工程を含むことを特徴とする。
【0020】
以上のように、第二判定工程を、形状率比較工程の後に行うことで、前記形状率比較工程において前記欠陥の所定形状率が前記形状率閾値より小さい場合に、みなし欠陥の形状が線形であるか否かを判定することができる。従って、被検査体に存在する真の欠陥が線形であると判定することができる。
【0021】
請求項8に係る発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の外観検査方法において、前記所定形状は円形であることを特徴とする。
【0022】
以上のように、前記所定形が円形であるので、被検査体に存在する真の欠陥が円形であると判定することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、被検査体に存在する真の欠陥に対応しない画素を欠陥として誤って認定されることを防止するとともに、真の欠陥に対応する画素であって第一認定工程において欠陥として認定されなかった画素も欠陥として正しく認定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0025】
図1は、外観検査装置の全体構成図である。図1に示すように、この外観検査装置は、水平面内の直交する二方向に移動するステージ1と、ステージ1に載置された試料台2と、試料台2に載置された被検査体99の像を画素ごとに受像して対応する電気的なアナログ信号を信号制御部4に送出する画像入力部3と、画像入力部3から受信した電気的なアナログ信号を画素ごとに階調値である電気的なデジタル信号に変換して被検査画像記憶部5に送出する信号制御部4と、信号制御部4から受信した画素ごとのデジタル信号の階調値を記憶する被検査画像記憶部5と、上述の被検査体99の像と同様に、正常な被検査体の像を画素ごとに変換したデジタル信号の階調値を記憶するリファレンス画像記憶部6と、リファレンス画像記憶部6に記憶された階調値と被検査画像記憶部5に記憶された階調値とを比較する中央処理部7とを備える。ステージ1は被検査体の位置合わせ等のため、更に上記二方向に直交する方向に移動してもよく、上記二方向を含む平面内で回転移動してもよい。
後述の通り、画像はマトリクスアレイ状に配置される多数の画素によって構成され、この画像は画像入力部3の結像レンズによって結像される像に対応したものであるが、本発明の実施形態においては、特に、被検査画像記憶部5に記憶されて被検査体99の像に対応する画像を被検査画像といい、リファレンス画像記憶部6に記憶されて正常な被検査体99の像に対応する画像をリファレンス画像という。
【0026】
画像入力部3は、シリコンウエハといった被検査体の像を撮像素子に結像する結像レンズと、CCD型撮像素子といったライン状(一次元)又はマトリクスアレイ状(二次元)に多数の画素が配列されて画素ごとに光電変換によって光量を電気量に変換する撮像素子等とを具備する。なお、画像入力部3が一次元の像を入力するものである場合、画像入力部3に対してステージ1を相対的に移動させることで被検査体の二次元像を走査する。
【0027】
信号制御部4は、所定分解能(例えば、モノクロの場合には8ビット)でサンプリングを行うA/D変換器を有し、画像入力部3で変換された検査対象となる被検査体の像に対応するアナログ電気信号を、階調値であるデジタル信号に順次変換して、画素ごとの階調値を被検査画像記憶部5に送出するものである。
【0028】
被検査画像記憶部5は、半導体メモリ、磁気抵抗メモリといった読み書き可能なメモリであり、信号制御部4から受信した画素ごとの階調値を順次記憶することで、被検査体99の被検査画像を記憶するものである。
【0029】
リファレンス画像記憶部6は不揮発性の記憶媒体であり、欠陥のない正常な被検査体の像に対応するリファレンス画像がリファレンス画像記憶部6に記憶されている。
【0030】
中央処理部7はCPU、RAM、ROM等を有し、被検査画像記憶部5に記憶された被検査画像を読み込むとともに、リファレンス画像記憶部6に記憶されたリファレンス画像を読み込むものである。また、中央処理部7は、読み込んだ被検査画像とリファレンス画像の対応する画素ごとに階調値の差分を求め、その差分の絶対値を閾値と比較するものである。
【0031】
以下、外観検査装置を用いた外観検査方法について図2を用いて説明する。ここで、図2は、外観検査方法における中央処理部7の処理を示したフローチャートである。
【0032】
まず、作業者が被検査体99を試料台2に載置して位置合わせした後、画像入力部3にて被検査体99の像が入力され、その像の画素ごとのアナログ信号が信号制御部4でそれぞれデジタル信号に変換され、デジタル変換された被検査画像が被検査画像記憶部5に記憶される。
【0033】
被検査画像記憶部5には、被検査体99の全部または一部の被検査画像がまず記憶される。この被検査画像は、必要に応じてマトリクス状である複数のエリアに分割されて、各エリアを個別に検査するエリア(検査対象エリア)として、検査対象エリアごとに外観検査処理が行われる。このとき、リファレンス画像も上記被検査画像の検査対象エリアに対応した複数のエリアに分割されて、対応する被検査画像とリファレンス画像とが比較される。また、一つのエリアに対する後述する一連の外観検査処理が終了すると、次の検査対象エリアに対する外観検査処理を開始する。これを繰り返すことにより、被検査体の全領域に対する外観検査処理が完了される。
【0034】
被検査画像が被検査画像記憶部5に記憶された後、中央処理部7が被検査画像記憶部5から一の検査対象エリアの被検査画像を読み込むとともに、リファレンス画像記憶部6からリファレンス画像のうち、この一の検査対象エリアに対応したエリアのリファレンス画像を読み込む。ここで、リファレンス画像の一例を図3に示し、被検査画像の幾つかの例を図4に示す。図3では、一例として縞模様のリファレンス画像を示す。また、被検査体99に円状のバブル欠陥が存在する場合には、被検査画像が図4(a)に示すようになり、バブル欠陥の縁部分の階調が内側部分の階調よりも濃い。被検査体99に線状の欠陥が存在する場合には、被検査画像が図4(b)に示すようになる。被検査体99に独立した欠陥が点在する場合には、被検査画像が図4(c)に示すようになる。
【0035】
中央処理部7は、被検査画像のうち欠陥に対応していると推定される画素を認定する(ステップS1)。即ち、中央処理部7は、まず、リファレンス画像と被検査画像の対応する画素の階調値の差分を求め、その差分の絶対値が第一閾値αよりも大きいか否かを判定する。判定の結果、中央処理部7は、差分の絶対値が第一閾値αよりも大きい画素を真の欠陥に対応する画素であると推定し、この推定された画素を1つの欠陥として認定する。ただし、真の欠陥に対応すると推定された複数の画素同士が互いに隣接する場合には、これらのひとまとまりを1つの欠陥として認定する(第一認定工程)。なお、図5は、図4の各被検査画像に対してステップS1の処理の結果、欠陥として認定された画素と欠陥と認定されなかった画素を示す図面であり、図5(a)〜(c)が図4(a)〜(c)にそれぞれ対応する。更に、中央処理部7は、上記第一認定工程で認定された欠陥の数を計数して、これを中央処理部7のRAMに一時的に記憶する。図5(a)では欠陥が3つ、図5(b)では欠陥が2つ、図5(c)では欠陥が2つと計数される。
【0036】
次に、中央処理部7は、被検査画像のエリアに欠陥と認定された画素がない場合には(ステップS3:No)、被検査画像のエリアに欠陥がないと判定し(ステップS5)、判定結果を中央処理部7のRAMに記憶する。そしてこの検査対象エリアに対する処理を終了し、次の検査対象エリアに対する外観検査処理を開始する。
【0037】
一方、被検査画像のエリアに欠陥と認定された画素がある場合には(ステップS3:Yes)、引き続きステップS7に移行する。
ステップS7において、中央処理部7は、ステップS1において認定された欠陥に含まれる任意の画素から所定画素数の範囲内にある画素についてリファレンス画像の階調値と被検査画像の階調値との差分を求め、その差分の絶対値が第一閾値αよりも小さい第二閾値βよりも大きいか否かを判定する。そして、中央処理部7は、差分の絶対値が第二閾値βよりも大きい画素を真の欠陥に対応する画素であると推定し、この推定された画素を1つの欠陥として認定する。ただし、この場合も、真の欠陥に対応すると推定された複数の画素同士が互いに隣接する場合には、これらの画素のひとまとまりを1つの欠陥として認定する(第二認定工程)。図6は、欠陥に含まれる画素から所定画素数の範囲を示す図面であり、図6(a)〜(c)はそれぞれ図5(a)〜(c)に対応する。図6(a)の場合には、中央処理部7は、欠陥に含まれる画素から5画素四方の範囲内の画素についてリファレンス画像の階調値と被検査画像の階調値の差分の絶対値が第二閾値βよりも大きいか否かを判定するとし、図6(b)、(c)の場合には、欠陥に含まれる画素から7画素四方の範囲内の画素について判定する。ここでは、説明のために便宜上、画素範囲が異なっているが、実際は上記画素範囲は全ての検査対象エリアに対して1つの所定値を使用してよい。
【0038】
ここで、第二閾値βは第一閾値αよりも小さくしているので、リファレンス画像と被検査画像の対応する画素の階調値の差分が小さいために、真の欠陥に対応しているにもかかわらず、第一認定工程では欠陥として認定されなかった画素も、新たに欠陥として認定することができる。なお、図7は、図4の各被検査画像に対してステップS7の処理の結果、欠陥として認定された画素と欠陥と認定されなかった画素を示す図面であり、図7(a)〜(c)が図4(a)〜(c)にそれぞれ対応する。図7(a)、(b)はともに第二認定工程で新たな欠陥が認定された場合、図7(c)は新たな欠陥が認定されなかった場合を示す。また、図7(a)、(b)に示すように、第二認定工程で新たに欠陥として認定された画素が、第一認定工程においてすでに認定された欠陥と隣接する位置に存在する場合は、各認定工程で認定された欠陥を併せて1つの欠陥と認定する。更に、中央処理部7は、上記第二認定工程で認定された欠陥の数を計数して、これを中央処理部7のRAMに一時的に記憶する。図7(a)では欠陥が3つ、図7(b)では欠陥が1つ、図7(c)では欠陥が2つと計数される。
【0039】
次に、中央処理部7は、ステップS9に移行するが、後述の形状率比較工程を行う必要がない場合、即ち、線形欠陥又は独立欠陥のみ検出すればよい場合は、ステップS27に移行してよい。
形状率比較工程を行う場合(ステップS7からの実線)、中央処理部7は、欠陥に含まれる任意の画素を中心とした所定画素数四方の範囲内に別の欠陥があるか否かを判定する処理に移行する(ステップS9)。欠陥に含まれる任意の画素を中心とした所定画素数四方の範囲内に別の欠陥がない場合に(ステップS9:No)、中央処理部7の処理がステップS13に移行する。一方、欠陥に含まれる任意のを中心とした所定画素数四方の範囲内に別の欠陥がある場合に(ステップS9:Yes)、中央処理部7の処理がステップS11に移行し、所定の処理を行った後、後述のステップS13に移行する。図8は、欠陥に含まれる任意の画素から所定画素数四方の範囲を示す図面であり、図8(a)〜(c)はそれぞれ図7(a)〜(c)に対応する。例えば、図8(a)に示すような場合、欠陥に含まれる任意の画素を中心とした所定画素数(2画素)四方の範囲内に別の欠陥があるので、中央処理部7は、後述するステップS11に移行する。一方、図8(b)、(c)に示すような場合、欠陥に含まれる任意の画素を中心とした所定画素数(2画素)四方の範囲内に別の欠陥がないので、中央処理部7は、ステップS11の処理を省略し、後述のステップS13に移行する。
【0040】
ステップS11においては、中央処理部7は、互いに所定画素数四方の範囲内にある複数の欠陥を、何れも1つの真の欠陥に対応する一の群に属する欠陥であるとみなす。例えば、図8(a)に示すような場合、中央処理部7は、3つの欠陥を、1つの真の欠陥に対応する一の群に属する欠陥(欠陥群)とみなす。
【0041】
ステップS11の後、中央処理部7は、上述の欠陥群に対応する1つの真の欠陥が所定形状であるか否かを判定する(ステップS13、形状率比較工程)。中央処理部7は、まず、ステップS11において1つの真の欠陥に対応するとみなした複数の欠陥同士の間に存在する各画素を抽出する。このとき、上述のステップS11において一の群に属するとみなした欠陥群を内側に含む最短の閉曲線を仮定し、この閉曲線内にあって且つ前段の各ステップにおいて欠陥として認定されていない画素(抽出画素)を抽出する。上述の最短の閉曲線と抽出画素とを図9に示す。
【0042】
また、抽出画素は前段のステップで欠陥として認定されていないが、欠陥の間にあるため、真の欠陥に対応する可能性が高いと考えられる。そこで、以下では、これら抽出画素と前段のステップにおいてすでに認定された欠陥とからなる全体をみなし欠陥といい、この抽出画素を抽出してみなし欠陥を作成する工程をみなし欠陥作成工程という。
【0043】
次に、上述のみなし欠陥が所定の形状であるか否かを判定する(形状率比較工程)。尚、本実施形態においては、所定形状として円形の場合、即ち、所定形状率として円形率を用いて、円形であるか否かを判定する場合について例示するが、所定形状は円形に限るものではなく、他の所定形状率を用いて、みなし欠陥の形状が他の所定形状であるか否かを判定してもよい。
【0044】
みなし欠陥が円形であるか否かを判定するには、まず最外周を構成する画素数Lと、この図形の最外周を含む全体を構成する画素数Sとをカウントし、これらの画素数L及びSを用いて、次の式によって円形率を算出する。
円形率=(4×π×S)/(L×L)・・・(式)
更に、この算出した円形率と所定の閾値(形状率閾値)とを比較し、算出された円形率が所定の円形率閾値以上である場合に、みなし欠陥が円形であると判定する(形状比較工程)。
図9のみなし欠陥の場合、L=43、S=105であるから、円形率=(4×π×105)/(43×43)=0.71となる。従って、円形率閾値を0.70とした場合には、この図形は円形であると判定される。同様に、図7(b)、(c)に示すみなし欠陥は、何れも円形でないと判定される。
【0045】
上記ステップS13における判定の結果、上述のみなし欠陥が所定形状(本実施形態においては円形)でないと判定した場合(ステップS13:No)、中央処理部7の処理が後述のステップS27に移行する。一方、このみなし欠陥が所定形状であると判定した場合(ステップS13:Yes)、ステップS15に移行する。
【0046】
以下では、まず、ステップS15に移行してから欠陥の形状を判定するまでの処理を記載し、次に、ステップS27に移行してから欠陥の形状を判定するまでの処理を記載する。尚、上述のステップS9において、一の欠陥に含まれる任意の画素を中心とした所定画素数四方の範囲内に別の欠陥がなかった場合は、後述の通り、処理の一部(ステップS15、ステップS17)は省略することができるため、これらの処理を省略してさらに後述のステップS21に移行する。
【0047】
ステップS15においては、上述のステップS11において抽出された各抽出画素について、リファレンス画像の階調値と被検査画像の階調値との差分を求め、その差分の絶対値が第二閾値βよりも小さい第三閾値γよりも大きいか否かを判定する。そして、中央処理部7は、差分の絶対値が第三閾値γよりも大きい画素を欠陥として認定する(第三認定工程)。ここで、第三閾値γは第二閾値βよりも小さくしているので、リファレンス画像と被検査画像との対応する画素の階調値の差分が小さいために、真の欠陥に対応しているにもかかわらず第一認定工程及び第二認定工程では欠陥として認定されなかった画素も、またさらに欠陥として認定することができる。なお、図10は、図4(a)の被検査画像に対してステップS15の処理を行った結果、欠陥として認定された画素と欠陥でないと認定された画素を示す図面である。このときも、上述のステップS1またはステップS7と同様に、中央処理部7は、差分の絶対値が第三閾値γよりも大きい画素を真の欠陥に対応する画素であると推定し、この推定された画素を1つの欠陥として認定する。ただし、この場合も、真の欠陥に対応すると推定された複数の画素同士が互いに隣接する場合には、これらの画素のひとまとまりを1つの欠陥として認定する。また、認定された欠陥の数を計数し、これを中央処理部7のRAMに一時的に記憶する。図10では欠陥が1つと計数される。
【0048】
次に、中央処理部7は、上述のステップS1及びステップS7で認定された欠陥同士が、上述のステップS15において繋がったか否かを判定する(ステップS17、第一判定工程)。具体的には、中央処理部7は、ステップS15において中央処理部7のRAMに一時記憶した欠陥の数を、ステップS7における欠陥の数と比較し、ステップS15における欠陥の数の方が少ない場合に欠陥同士が繋がったと判定し、ステップS15における欠陥の数と同じか又は増えた場合に欠陥同士が繋がらないと判定する。例えば、検査対象エリア内の欠陥の数は、図8(a)は3つであり、図9は1つである。このとき、欠陥の数が減っているので、欠陥同士が繋がったと判定される。
【0049】
上述の第一判定工程において欠陥同士が繋がらない場合(ステップS17:No)、中央処理部7は、各欠陥をそれぞれ独立欠陥であるとみなし、各欠陥の大きさと、独立欠陥のサイズに関する所定のサイズ閾値とを比較する第三サイズ比較工程(ステップS19)へ移行する。一方、欠陥同士が繋がった場合(ステップS17:Yes)、中央処理部7は、各欠陥をそれぞれ所定形状の欠陥(本実施形態においては円形欠陥)であるとみなし、各欠陥の大きさと、円形欠陥のサイズに関する所定のサイズ閾値とを比較する第一サイズ比較工程(ステップS21)へ移行する。
【0050】
第一サイズ比較工程においては、例えば、各欠陥に含まれる画素の個数、外周を構成する画素の個数、又はこの欠陥を含む最小の矩形の二辺の長さなどのうち何れかが所定閾値より大きい場合に、中央処理部7はその欠陥が真の欠陥であり、尚かつ、円形欠陥であると判定する(ステップS25)。また、第三サイズ比較工程においても、同様に、上述の要素のうち何れかが所定閾値より大きい場合に、中央処理部7はその欠陥が真の欠陥であり、尚かつ、独立欠陥であると判定する(ステップS19)。尚、上述の所定形状が円形以外の場合には、ステップS25において、その欠陥が真の欠陥であり、尚かつ、その所定形状をした欠陥であると判定する。
以上が、ステップS13において、みなし欠陥が所定形状(本実施形態においては円形)であると判定した場合(ステップS13:Yes)の処理である。
【0051】
次に、ステップS13において、みなし欠陥が所定形状でないと判定した場合(ステップS13:No)に、後述するステップS27に移行した後の処理を記載する。尚、欠陥に対する上述の形状率比較工程を行わない場合(図2のステップS7からの点線)も、このステップS27に移行する。
【0052】
ステップS27においては、中央処理部7は、ステップS1において認定された欠陥同士が、ステップS7において繋がったか否かを判定する(第二判定工程)。具体的には、中央処理部7は、ステップS1において中央処理部7のRAMに一時記憶した欠陥の数をステップS7における欠陥の数と比較し、ステップS7で記憶した欠陥の数の方が少ない場合に欠陥同士が繋がったと判定し、ステップS7で記憶した欠陥の数と同じか又は増えたときに欠陥同士が繋がらないと判定する。例えば、図5(b)は検査対象エリア内の欠陥が2つであり、これらの欠陥に対応する欠陥は、図7(b)においては検査対象エリア内の1つしかない。この場合、欠陥の数が1つ減るので、欠陥同士が繋がったと判定される。
【0053】
上記第二判定工程において欠陥同士が繋がらない場合(ステップS27:No)、中央処理部7は、各欠陥をそれぞれ独立欠陥であるとみなし、各欠陥の大きさと、独立欠陥のサイズに関する所定のサイズ閾値とを比較する第三サイズ比較工程(ステップS19)へ移行する。一方、欠陥同士が繋がった場合(ステップS27:Yes)、中央処理部7は、各欠陥をそれぞれ線形欠陥であるとみなし、各欠陥の大きさと、線形欠陥のサイズに関する所定のサイズ閾値とを比較する第二サイズ比較工程(ステップS29)へ移行する。
【0054】
第二サイズ比較工程においては、各欠陥の幅及び長さを画素の個数で計数して、何れかが所定閾値より大きい場合に、中央処理部7はその欠陥を真の欠陥であり、尚かつ、線形欠陥であると判定する(ステップS31)。第三サイズ比較工程の処理は上述した通りであるので、記載を省略する。
【0055】
以上の通り、一の検査対象エリアに存在する各欠陥について形状を判定すると、そのエリアに対する処理が終了する。その後、次の検査対象エリアの被検査画像に対する同様な処理が中央処理部7によって開始される。また、被検査画像記憶部5に記録された被検査画像の全ての検査対象エリアについて処理が終了したら、被検査体99の別の部分の像が画像入力部3によって入力され、同様な処理が中央処理部7によって行われる。以上の処理を繰り返して、被検査体99の全体の外観検査処理が実行される。
【0056】
以上のように本実施形態によれば、ステップS1において、被検査画像とリファレンス画像の対応する画素の階調の差分を第一閾値αと比較し、被検査体99に存在する真の欠陥に対応しない画素を欠陥として誤って認定することを防止することができる。そして、ステップS7において、ステップS1において認定された欠陥に含まれる任意の画素から所定範囲内の画素について、被検査画像とリファレンス画像の階調の差分を第一閾値αよりも小さい第二閾値βと比較することによって、被検査体99の表面に存在する真の欠陥に対応する画素であって第一認定工程において欠陥として認定されなかった画素も欠陥として正しく認定することができる。
【0057】
また、ステップS13において、ステップS1及びステップS7で認定された欠陥についての所定形状率を所定の形状率閾値と比較することによって、被検査体99の表面に存在する欠陥の形状が所定形状であるかどうかを判定することができる。ここで、ステップS7で欠陥として認定された一の欠陥に含まれる任意の画素の周囲の所定範囲内に別の欠陥が存在するときは、ステップS11において、これら複数の欠陥を1つの真の欠陥に対応する欠陥群であるとみなし、一の群に属する欠陥同士の間の画素を抽出画素として、抽出画素とこれら欠陥とからなるみなし欠陥の形状が、所定形状であるかどうかを判定することができる。
【0058】
さらに、ステップS27ではステップS1の処理直後とステップS7の処理直後の欠陥の数の変化を、ステップS17ではステップS7の処理直後とステップS15の処理直後の欠陥の数の変化を検出することによって、被検査体99の表面に存在する真の円形欠陥(真の線形欠陥)が、ステップS1(ステップS7)においてそれぞれ複数の欠陥として認識されていた場合にも、真の欠陥の個数や形状、大きさを、より正確に判定することができる。
【0059】
尚、上記実施形態では、ステップS17又はステップS27の後に、認定された欠陥のサイズを所定閾値と比較するサイズ比較工程を行ったが、この工程を省略してもよい。この場合、真の欠陥のサイズが小さい場合に、その欠陥を検査結果から不用意に除外することを防ぐことができる。
【0060】
また、上述の実施形態と変形例では、欠陥として認定された画素をそのまま欠陥であるとみなしたが、上述の手順によって認定された画素を、真の欠陥に対応する欠陥の候補(欠陥候補)であるとみなすようにしてもよい。この場合は、さらに精度良く欠陥を検出するために、上述の手順の後、ウエハといった被検査体の表面におけるこれら欠陥候補が認定された箇所の表面形状を測定する等、他の検査を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】外観検査装置の構成を示したブロック図である。
【図2】外観検査方法における中央処理部7の処理を示したフローチャートである。
【図3】リファレンス画像の一例を示した図面である。
【図4】被検査画像を示した図面である。
【図5】第一認定工程において欠陥として認定された画素と欠陥と認定されなかった画素を示す図面である。
【図6】第二認定工程における第二閾値の適用範囲の一例を示す図面である。
【図7】第一及び第二認定工程において欠陥として認定された画素と欠陥と認定されなかった画素を示す図面である。
【図8】互いに一の群に属する欠陥の検索範囲の一例を示す図面である。
【図9】みなし欠陥作成工程において作成されたみなし欠陥を示す図面である。
【図10】第三認定工程において欠陥として認定された画素と欠陥でないと認定された画素を示す図面である。
【図11】従来の外観検査方法を示す図面である。
【符号の説明】
【0062】
3 画像入力部
4 信号制御部
5 被検査画像記憶部
6 リファレンス画像記憶部
7 中央処理部
99 被検査体
【技術分野】
【0001】
この発明は、ウエハといった被検査体の外観検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウエハといった被検査体の外観に欠陥があるか否かを調べるために、種々の外観検査方法がある。例えば、特許文献1に示されているように、撮像素子によって撮像された被検査体の画像と正常な状態の画像の対応する画素階調の差分を求め、差分を閾値と比較することによって、被検査体の外観を検査していた。
【特許文献1】特開平4−107946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような外観検査方法では、被検査体表面における真の欠陥に対応していると推定された画素を欠陥として認定し、その形状によって、線形欠陥、円形欠陥、独立欠陥に分類する処理が自動的に行われる。この場合、欠陥に対応していると推定された複数の画素同士が互いに隣接する場合には、このひとまとまりを1つの欠陥として認定する。その後、欠陥の個数や形状、大きさからその欠陥が発生した工程を推定し、ウエハといった被検査体の製造装置の点検を行ったり、製造工程を見直すといった作業が行われる。従って、欠陥の個数や形状、大きさなどが誤って認定されると、これら後段の管理工程に悪影響を及ぼすため、欠陥の個数や形状、大きさは、できる限り正確に認定されることが望ましい。
【0004】
ところが、従来、欠陥を認定する際に、複数の欠陥に対して1つの所定閾値のみを用いて、それとの差分が大きい画素だけを欠陥として認定していたため、閾値を大きくすると、欠陥として認定される部分が減ってしまい、真の欠陥が認定されないことがある一方で、閾値を小さくすると、欠陥として認定される部分が増えてしまい、真の欠陥以外の部分も欠陥として検出されてしまうという問題があった。例えば、被検査体の表面の色が均一な濃さでなく、被検査体の表面には色の濃淡が存在し、濃淡が異なる領域にまたがって真の欠陥が存在するような場合、被検査体の画像と正常な状態の画像の全ての部分について1つの所定閾値のみを用いてそれとの差分を求めると、真の欠陥を正しく検出することができないという問題があった。これは、所定閾値を大きく設定すると、表面の色が淡い部分の欠陥のみが認定されるためである(図11(a),(b)参照)。このとき、所定閾値を小さく設定すると、表面の色が濃い部分の欠陥が認定される一方で、表面の色が淡い部分において、真の欠陥ではない部分が欠陥として認定されてしまう。
【0005】
また、上述の1つの所定閾値を用いて認定された欠陥のうち、互いに近傍の所定範囲内に存在する欠陥同士は適宜連結され、この連結後の欠陥のサイズが所定閾値以上となる欠陥を真の欠陥に対応するものとして認定していた。しかしながら、被検査体表面に色の濃淡が存在する場合には、上述の通り、1つの真の欠陥が分断されて複数の欠陥として認定されることがあり、これらの欠陥が所定範囲内に存在しないために正しく連結されず、欠陥のサイズに対する所定の閾値との比較において閾値より小さいために欠陥と判定されなくなってしまい、このような欠陥が判定から漏れるという問題があった。更に、これらの判定漏れとなる欠陥同士を連結するために、上記所定範囲を広く設定すると、異なる真の欠陥に対応する欠陥同士が誤って連結されることによって、真の欠陥の形状とは大きく異なる形状の欠陥として誤って認定され、上述の管理工程に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、被検査体の表面に存在する真の欠陥に対応しない部分が誤って認定されることを防止するとともに、真の欠陥に対応する部分を正しく認定することができる外観検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、請求項1に係る発明の外観検査方法は、検査対象となる被検査体の被検査画像と、前記被検査画像と比較される正常な被検査体のリファレンス画像とを比較する外観検査方法であって、
前記被検査画像は複数の画素を含み前記画素ごとに階調化され、前記リファレンス画像は前記複数の画素にそれぞれ対応する別の複数の画素を含み前記別の画素ごとに階調化され、前記被検査画像と前記リファレンス画像との対応する画素同士の階調の差分を第一閾値と比較することによって、前記第一閾値よりも差分の大きい画素を欠陥として認定する第一認定工程と、
前記第一認定工程において欠陥として認定された画素の周囲の画素について前記被検査画像と前記リファレンス画像との対応する画素同士の階調の差分を前記第一閾値よりも小さい第二閾値と比較することによって、前記第二閾値よりも差分の大きい画素もまた欠陥として認定する第二認定工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
以上のように、第一認定工程において、被検査画像とリファレンス画像との対応する画素の階調の差分を第一閾値と比較することによって、被検査画像に含まれる画素のうち、被検査体に存在する真の欠陥に対応しない画素を欠陥として誤って認定することを防止することができる。その後、第二認定工程においては、第一認定工程において欠陥として認定された欠陥に含まれる任意の画素の周囲の画素について被検査画像とリファレンス画像の階調の差分を前記第一閾値よりも小さい第二閾値と比較することによって、被検査体に存在する真の欠陥に対応する画素であって第一認定工程において欠陥として認定されなかった画素も欠陥として正しく認定することができる。従って、被検査体に存在する真の欠陥をより正確に真の形状に近い状態で検出することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の外観検査方法において、前記第一乃至第二認定工程において認定された一の欠陥の周囲の所定範囲内に該工程において認定された他の欠陥がある場合に、
前記第二認定工程の後に、さらに、
これらの欠陥と、これらの欠陥同士の間の画素とを含めたひとまとまりをみなし欠陥とするみなし欠陥作成工程を含むことを特徴とする。
【0010】
以上のように、一の欠陥の周囲の所定範囲内に他の欠陥がある場合に、これらの欠陥とその間の画素とを含めたひとまとまりをみなし欠陥とすることで、互いに所定範囲内に存在する欠陥だけを、同一の真の欠陥に対応する欠陥群であるとみなすことができる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の外観検査方法において、前記みなし欠陥作成工程の後に、さらに、
前記みなし欠陥の形状と所定形状とが一致する割合を表すみなし欠陥の所定形状率を、前記所定形状に関する形状率閾値と比較する形状率比較工程を含むことを特徴とする。
【0012】
以上のように、形状率比較工程において、みなし欠陥作成工程において作成されたみなし欠陥の形状と所定形状とが一致する割合を表すみなし欠陥の所定形状率を、その所定形状に関する形状率閾値と比較することで、みなし欠陥の形状が所定形状であるか否かを判定することができる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の外観検査方法において、前記形状率比較工程において前記みなし欠陥の所定形状率が前記形状率閾値より大きいか又は同じ場合に、
前記形状率比較工程の後に、さらに、
前記欠陥同士の間の画素について前記被検査画像と前記リファレンス画像との対応する画素同士の階調の差分を前記第二閾値よりも小さい第三閾値と比較することによって、前記第三閾値よりも差分の大きい画素もまたさらに欠陥として認定する第三認定工程を含むことを特徴とする。
【0014】
以上のように、みなし欠陥の所定形状率が形状率閾値より大きいか又は同じ場合に、第三認定工程において、みなし欠陥に含まれる任意の画素の周囲の画素について被検査画像とリファレンス画像との対応する画素の階調の差分を前記第二閾値よりも小さい第三閾値と比較することによって、被検査体に存在する真の欠陥に対応する画素であって前記第一乃至第二認定工程において欠陥として認定されなかった画素もまた欠陥として認定することができる。従って、被検査体に存在する真の欠陥をさらにより正確に真の形状に近い状態で検出することができる。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の外観検査方法において、前記第三認定工程の後に、さらに、
前記第一乃至第二認定工程において認定された複数の欠陥同士が、前記第三認定工程においてまたさらに認定された欠陥を挟んで繋がったか否かを判定する第一判定工程を含むことを特徴とする。
【0016】
以上のように、第一判定工程において、複数の欠陥同士が前記第三認定工程においてまたさらに認定された欠陥を挟んで繋がったか否かを判定することで、被検査体に存在する真の欠陥が所定形状であると判定することができる。
【0017】
請求項6に係る発明は、請求項3〜5の何れか一項に記載の外観検査方法において、前記形状率比較工程において前記みなし欠陥の所定形状率が前記形状率閾値より小さい場合に、
前記形状率比較工程の後に、さらに、
前記第一認定工程において認定された複数の欠陥同士が、前記第二認定工程においてまた認定された欠陥を挟んで繋がったか否かを判定する第二判定工程を行うことを特徴とする。
【0018】
以上のように、第二判定工程を、形状率比較工程の後に行うことで、形状率比較工程においてみなし欠陥の所定形状率が形状率閾値より小さい場合に、みなし欠陥の形状が線形であるか否かを判定することができる。従って、被検査体に存在する真の欠陥が線形であると判定することができる。
【0019】
請求項7に係る発明は、請求項1に記載の外観検査方法において、前記第二認定工程の後に、さらに、
前記第一認定工程において認定された複数の欠陥同士が、前記第二認定工程においてまた認定された欠陥を挟んで繋がったか否かを判定する第二判定工程を含むことを特徴とする。
【0020】
以上のように、第二判定工程を、形状率比較工程の後に行うことで、前記形状率比較工程において前記欠陥の所定形状率が前記形状率閾値より小さい場合に、みなし欠陥の形状が線形であるか否かを判定することができる。従って、被検査体に存在する真の欠陥が線形であると判定することができる。
【0021】
請求項8に係る発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の外観検査方法において、前記所定形状は円形であることを特徴とする。
【0022】
以上のように、前記所定形が円形であるので、被検査体に存在する真の欠陥が円形であると判定することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、被検査体に存在する真の欠陥に対応しない画素を欠陥として誤って認定されることを防止するとともに、真の欠陥に対応する画素であって第一認定工程において欠陥として認定されなかった画素も欠陥として正しく認定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0025】
図1は、外観検査装置の全体構成図である。図1に示すように、この外観検査装置は、水平面内の直交する二方向に移動するステージ1と、ステージ1に載置された試料台2と、試料台2に載置された被検査体99の像を画素ごとに受像して対応する電気的なアナログ信号を信号制御部4に送出する画像入力部3と、画像入力部3から受信した電気的なアナログ信号を画素ごとに階調値である電気的なデジタル信号に変換して被検査画像記憶部5に送出する信号制御部4と、信号制御部4から受信した画素ごとのデジタル信号の階調値を記憶する被検査画像記憶部5と、上述の被検査体99の像と同様に、正常な被検査体の像を画素ごとに変換したデジタル信号の階調値を記憶するリファレンス画像記憶部6と、リファレンス画像記憶部6に記憶された階調値と被検査画像記憶部5に記憶された階調値とを比較する中央処理部7とを備える。ステージ1は被検査体の位置合わせ等のため、更に上記二方向に直交する方向に移動してもよく、上記二方向を含む平面内で回転移動してもよい。
後述の通り、画像はマトリクスアレイ状に配置される多数の画素によって構成され、この画像は画像入力部3の結像レンズによって結像される像に対応したものであるが、本発明の実施形態においては、特に、被検査画像記憶部5に記憶されて被検査体99の像に対応する画像を被検査画像といい、リファレンス画像記憶部6に記憶されて正常な被検査体99の像に対応する画像をリファレンス画像という。
【0026】
画像入力部3は、シリコンウエハといった被検査体の像を撮像素子に結像する結像レンズと、CCD型撮像素子といったライン状(一次元)又はマトリクスアレイ状(二次元)に多数の画素が配列されて画素ごとに光電変換によって光量を電気量に変換する撮像素子等とを具備する。なお、画像入力部3が一次元の像を入力するものである場合、画像入力部3に対してステージ1を相対的に移動させることで被検査体の二次元像を走査する。
【0027】
信号制御部4は、所定分解能(例えば、モノクロの場合には8ビット)でサンプリングを行うA/D変換器を有し、画像入力部3で変換された検査対象となる被検査体の像に対応するアナログ電気信号を、階調値であるデジタル信号に順次変換して、画素ごとの階調値を被検査画像記憶部5に送出するものである。
【0028】
被検査画像記憶部5は、半導体メモリ、磁気抵抗メモリといった読み書き可能なメモリであり、信号制御部4から受信した画素ごとの階調値を順次記憶することで、被検査体99の被検査画像を記憶するものである。
【0029】
リファレンス画像記憶部6は不揮発性の記憶媒体であり、欠陥のない正常な被検査体の像に対応するリファレンス画像がリファレンス画像記憶部6に記憶されている。
【0030】
中央処理部7はCPU、RAM、ROM等を有し、被検査画像記憶部5に記憶された被検査画像を読み込むとともに、リファレンス画像記憶部6に記憶されたリファレンス画像を読み込むものである。また、中央処理部7は、読み込んだ被検査画像とリファレンス画像の対応する画素ごとに階調値の差分を求め、その差分の絶対値を閾値と比較するものである。
【0031】
以下、外観検査装置を用いた外観検査方法について図2を用いて説明する。ここで、図2は、外観検査方法における中央処理部7の処理を示したフローチャートである。
【0032】
まず、作業者が被検査体99を試料台2に載置して位置合わせした後、画像入力部3にて被検査体99の像が入力され、その像の画素ごとのアナログ信号が信号制御部4でそれぞれデジタル信号に変換され、デジタル変換された被検査画像が被検査画像記憶部5に記憶される。
【0033】
被検査画像記憶部5には、被検査体99の全部または一部の被検査画像がまず記憶される。この被検査画像は、必要に応じてマトリクス状である複数のエリアに分割されて、各エリアを個別に検査するエリア(検査対象エリア)として、検査対象エリアごとに外観検査処理が行われる。このとき、リファレンス画像も上記被検査画像の検査対象エリアに対応した複数のエリアに分割されて、対応する被検査画像とリファレンス画像とが比較される。また、一つのエリアに対する後述する一連の外観検査処理が終了すると、次の検査対象エリアに対する外観検査処理を開始する。これを繰り返すことにより、被検査体の全領域に対する外観検査処理が完了される。
【0034】
被検査画像が被検査画像記憶部5に記憶された後、中央処理部7が被検査画像記憶部5から一の検査対象エリアの被検査画像を読み込むとともに、リファレンス画像記憶部6からリファレンス画像のうち、この一の検査対象エリアに対応したエリアのリファレンス画像を読み込む。ここで、リファレンス画像の一例を図3に示し、被検査画像の幾つかの例を図4に示す。図3では、一例として縞模様のリファレンス画像を示す。また、被検査体99に円状のバブル欠陥が存在する場合には、被検査画像が図4(a)に示すようになり、バブル欠陥の縁部分の階調が内側部分の階調よりも濃い。被検査体99に線状の欠陥が存在する場合には、被検査画像が図4(b)に示すようになる。被検査体99に独立した欠陥が点在する場合には、被検査画像が図4(c)に示すようになる。
【0035】
中央処理部7は、被検査画像のうち欠陥に対応していると推定される画素を認定する(ステップS1)。即ち、中央処理部7は、まず、リファレンス画像と被検査画像の対応する画素の階調値の差分を求め、その差分の絶対値が第一閾値αよりも大きいか否かを判定する。判定の結果、中央処理部7は、差分の絶対値が第一閾値αよりも大きい画素を真の欠陥に対応する画素であると推定し、この推定された画素を1つの欠陥として認定する。ただし、真の欠陥に対応すると推定された複数の画素同士が互いに隣接する場合には、これらのひとまとまりを1つの欠陥として認定する(第一認定工程)。なお、図5は、図4の各被検査画像に対してステップS1の処理の結果、欠陥として認定された画素と欠陥と認定されなかった画素を示す図面であり、図5(a)〜(c)が図4(a)〜(c)にそれぞれ対応する。更に、中央処理部7は、上記第一認定工程で認定された欠陥の数を計数して、これを中央処理部7のRAMに一時的に記憶する。図5(a)では欠陥が3つ、図5(b)では欠陥が2つ、図5(c)では欠陥が2つと計数される。
【0036】
次に、中央処理部7は、被検査画像のエリアに欠陥と認定された画素がない場合には(ステップS3:No)、被検査画像のエリアに欠陥がないと判定し(ステップS5)、判定結果を中央処理部7のRAMに記憶する。そしてこの検査対象エリアに対する処理を終了し、次の検査対象エリアに対する外観検査処理を開始する。
【0037】
一方、被検査画像のエリアに欠陥と認定された画素がある場合には(ステップS3:Yes)、引き続きステップS7に移行する。
ステップS7において、中央処理部7は、ステップS1において認定された欠陥に含まれる任意の画素から所定画素数の範囲内にある画素についてリファレンス画像の階調値と被検査画像の階調値との差分を求め、その差分の絶対値が第一閾値αよりも小さい第二閾値βよりも大きいか否かを判定する。そして、中央処理部7は、差分の絶対値が第二閾値βよりも大きい画素を真の欠陥に対応する画素であると推定し、この推定された画素を1つの欠陥として認定する。ただし、この場合も、真の欠陥に対応すると推定された複数の画素同士が互いに隣接する場合には、これらの画素のひとまとまりを1つの欠陥として認定する(第二認定工程)。図6は、欠陥に含まれる画素から所定画素数の範囲を示す図面であり、図6(a)〜(c)はそれぞれ図5(a)〜(c)に対応する。図6(a)の場合には、中央処理部7は、欠陥に含まれる画素から5画素四方の範囲内の画素についてリファレンス画像の階調値と被検査画像の階調値の差分の絶対値が第二閾値βよりも大きいか否かを判定するとし、図6(b)、(c)の場合には、欠陥に含まれる画素から7画素四方の範囲内の画素について判定する。ここでは、説明のために便宜上、画素範囲が異なっているが、実際は上記画素範囲は全ての検査対象エリアに対して1つの所定値を使用してよい。
【0038】
ここで、第二閾値βは第一閾値αよりも小さくしているので、リファレンス画像と被検査画像の対応する画素の階調値の差分が小さいために、真の欠陥に対応しているにもかかわらず、第一認定工程では欠陥として認定されなかった画素も、新たに欠陥として認定することができる。なお、図7は、図4の各被検査画像に対してステップS7の処理の結果、欠陥として認定された画素と欠陥と認定されなかった画素を示す図面であり、図7(a)〜(c)が図4(a)〜(c)にそれぞれ対応する。図7(a)、(b)はともに第二認定工程で新たな欠陥が認定された場合、図7(c)は新たな欠陥が認定されなかった場合を示す。また、図7(a)、(b)に示すように、第二認定工程で新たに欠陥として認定された画素が、第一認定工程においてすでに認定された欠陥と隣接する位置に存在する場合は、各認定工程で認定された欠陥を併せて1つの欠陥と認定する。更に、中央処理部7は、上記第二認定工程で認定された欠陥の数を計数して、これを中央処理部7のRAMに一時的に記憶する。図7(a)では欠陥が3つ、図7(b)では欠陥が1つ、図7(c)では欠陥が2つと計数される。
【0039】
次に、中央処理部7は、ステップS9に移行するが、後述の形状率比較工程を行う必要がない場合、即ち、線形欠陥又は独立欠陥のみ検出すればよい場合は、ステップS27に移行してよい。
形状率比較工程を行う場合(ステップS7からの実線)、中央処理部7は、欠陥に含まれる任意の画素を中心とした所定画素数四方の範囲内に別の欠陥があるか否かを判定する処理に移行する(ステップS9)。欠陥に含まれる任意の画素を中心とした所定画素数四方の範囲内に別の欠陥がない場合に(ステップS9:No)、中央処理部7の処理がステップS13に移行する。一方、欠陥に含まれる任意のを中心とした所定画素数四方の範囲内に別の欠陥がある場合に(ステップS9:Yes)、中央処理部7の処理がステップS11に移行し、所定の処理を行った後、後述のステップS13に移行する。図8は、欠陥に含まれる任意の画素から所定画素数四方の範囲を示す図面であり、図8(a)〜(c)はそれぞれ図7(a)〜(c)に対応する。例えば、図8(a)に示すような場合、欠陥に含まれる任意の画素を中心とした所定画素数(2画素)四方の範囲内に別の欠陥があるので、中央処理部7は、後述するステップS11に移行する。一方、図8(b)、(c)に示すような場合、欠陥に含まれる任意の画素を中心とした所定画素数(2画素)四方の範囲内に別の欠陥がないので、中央処理部7は、ステップS11の処理を省略し、後述のステップS13に移行する。
【0040】
ステップS11においては、中央処理部7は、互いに所定画素数四方の範囲内にある複数の欠陥を、何れも1つの真の欠陥に対応する一の群に属する欠陥であるとみなす。例えば、図8(a)に示すような場合、中央処理部7は、3つの欠陥を、1つの真の欠陥に対応する一の群に属する欠陥(欠陥群)とみなす。
【0041】
ステップS11の後、中央処理部7は、上述の欠陥群に対応する1つの真の欠陥が所定形状であるか否かを判定する(ステップS13、形状率比較工程)。中央処理部7は、まず、ステップS11において1つの真の欠陥に対応するとみなした複数の欠陥同士の間に存在する各画素を抽出する。このとき、上述のステップS11において一の群に属するとみなした欠陥群を内側に含む最短の閉曲線を仮定し、この閉曲線内にあって且つ前段の各ステップにおいて欠陥として認定されていない画素(抽出画素)を抽出する。上述の最短の閉曲線と抽出画素とを図9に示す。
【0042】
また、抽出画素は前段のステップで欠陥として認定されていないが、欠陥の間にあるため、真の欠陥に対応する可能性が高いと考えられる。そこで、以下では、これら抽出画素と前段のステップにおいてすでに認定された欠陥とからなる全体をみなし欠陥といい、この抽出画素を抽出してみなし欠陥を作成する工程をみなし欠陥作成工程という。
【0043】
次に、上述のみなし欠陥が所定の形状であるか否かを判定する(形状率比較工程)。尚、本実施形態においては、所定形状として円形の場合、即ち、所定形状率として円形率を用いて、円形であるか否かを判定する場合について例示するが、所定形状は円形に限るものではなく、他の所定形状率を用いて、みなし欠陥の形状が他の所定形状であるか否かを判定してもよい。
【0044】
みなし欠陥が円形であるか否かを判定するには、まず最外周を構成する画素数Lと、この図形の最外周を含む全体を構成する画素数Sとをカウントし、これらの画素数L及びSを用いて、次の式によって円形率を算出する。
円形率=(4×π×S)/(L×L)・・・(式)
更に、この算出した円形率と所定の閾値(形状率閾値)とを比較し、算出された円形率が所定の円形率閾値以上である場合に、みなし欠陥が円形であると判定する(形状比較工程)。
図9のみなし欠陥の場合、L=43、S=105であるから、円形率=(4×π×105)/(43×43)=0.71となる。従って、円形率閾値を0.70とした場合には、この図形は円形であると判定される。同様に、図7(b)、(c)に示すみなし欠陥は、何れも円形でないと判定される。
【0045】
上記ステップS13における判定の結果、上述のみなし欠陥が所定形状(本実施形態においては円形)でないと判定した場合(ステップS13:No)、中央処理部7の処理が後述のステップS27に移行する。一方、このみなし欠陥が所定形状であると判定した場合(ステップS13:Yes)、ステップS15に移行する。
【0046】
以下では、まず、ステップS15に移行してから欠陥の形状を判定するまでの処理を記載し、次に、ステップS27に移行してから欠陥の形状を判定するまでの処理を記載する。尚、上述のステップS9において、一の欠陥に含まれる任意の画素を中心とした所定画素数四方の範囲内に別の欠陥がなかった場合は、後述の通り、処理の一部(ステップS15、ステップS17)は省略することができるため、これらの処理を省略してさらに後述のステップS21に移行する。
【0047】
ステップS15においては、上述のステップS11において抽出された各抽出画素について、リファレンス画像の階調値と被検査画像の階調値との差分を求め、その差分の絶対値が第二閾値βよりも小さい第三閾値γよりも大きいか否かを判定する。そして、中央処理部7は、差分の絶対値が第三閾値γよりも大きい画素を欠陥として認定する(第三認定工程)。ここで、第三閾値γは第二閾値βよりも小さくしているので、リファレンス画像と被検査画像との対応する画素の階調値の差分が小さいために、真の欠陥に対応しているにもかかわらず第一認定工程及び第二認定工程では欠陥として認定されなかった画素も、またさらに欠陥として認定することができる。なお、図10は、図4(a)の被検査画像に対してステップS15の処理を行った結果、欠陥として認定された画素と欠陥でないと認定された画素を示す図面である。このときも、上述のステップS1またはステップS7と同様に、中央処理部7は、差分の絶対値が第三閾値γよりも大きい画素を真の欠陥に対応する画素であると推定し、この推定された画素を1つの欠陥として認定する。ただし、この場合も、真の欠陥に対応すると推定された複数の画素同士が互いに隣接する場合には、これらの画素のひとまとまりを1つの欠陥として認定する。また、認定された欠陥の数を計数し、これを中央処理部7のRAMに一時的に記憶する。図10では欠陥が1つと計数される。
【0048】
次に、中央処理部7は、上述のステップS1及びステップS7で認定された欠陥同士が、上述のステップS15において繋がったか否かを判定する(ステップS17、第一判定工程)。具体的には、中央処理部7は、ステップS15において中央処理部7のRAMに一時記憶した欠陥の数を、ステップS7における欠陥の数と比較し、ステップS15における欠陥の数の方が少ない場合に欠陥同士が繋がったと判定し、ステップS15における欠陥の数と同じか又は増えた場合に欠陥同士が繋がらないと判定する。例えば、検査対象エリア内の欠陥の数は、図8(a)は3つであり、図9は1つである。このとき、欠陥の数が減っているので、欠陥同士が繋がったと判定される。
【0049】
上述の第一判定工程において欠陥同士が繋がらない場合(ステップS17:No)、中央処理部7は、各欠陥をそれぞれ独立欠陥であるとみなし、各欠陥の大きさと、独立欠陥のサイズに関する所定のサイズ閾値とを比較する第三サイズ比較工程(ステップS19)へ移行する。一方、欠陥同士が繋がった場合(ステップS17:Yes)、中央処理部7は、各欠陥をそれぞれ所定形状の欠陥(本実施形態においては円形欠陥)であるとみなし、各欠陥の大きさと、円形欠陥のサイズに関する所定のサイズ閾値とを比較する第一サイズ比較工程(ステップS21)へ移行する。
【0050】
第一サイズ比較工程においては、例えば、各欠陥に含まれる画素の個数、外周を構成する画素の個数、又はこの欠陥を含む最小の矩形の二辺の長さなどのうち何れかが所定閾値より大きい場合に、中央処理部7はその欠陥が真の欠陥であり、尚かつ、円形欠陥であると判定する(ステップS25)。また、第三サイズ比較工程においても、同様に、上述の要素のうち何れかが所定閾値より大きい場合に、中央処理部7はその欠陥が真の欠陥であり、尚かつ、独立欠陥であると判定する(ステップS19)。尚、上述の所定形状が円形以外の場合には、ステップS25において、その欠陥が真の欠陥であり、尚かつ、その所定形状をした欠陥であると判定する。
以上が、ステップS13において、みなし欠陥が所定形状(本実施形態においては円形)であると判定した場合(ステップS13:Yes)の処理である。
【0051】
次に、ステップS13において、みなし欠陥が所定形状でないと判定した場合(ステップS13:No)に、後述するステップS27に移行した後の処理を記載する。尚、欠陥に対する上述の形状率比較工程を行わない場合(図2のステップS7からの点線)も、このステップS27に移行する。
【0052】
ステップS27においては、中央処理部7は、ステップS1において認定された欠陥同士が、ステップS7において繋がったか否かを判定する(第二判定工程)。具体的には、中央処理部7は、ステップS1において中央処理部7のRAMに一時記憶した欠陥の数をステップS7における欠陥の数と比較し、ステップS7で記憶した欠陥の数の方が少ない場合に欠陥同士が繋がったと判定し、ステップS7で記憶した欠陥の数と同じか又は増えたときに欠陥同士が繋がらないと判定する。例えば、図5(b)は検査対象エリア内の欠陥が2つであり、これらの欠陥に対応する欠陥は、図7(b)においては検査対象エリア内の1つしかない。この場合、欠陥の数が1つ減るので、欠陥同士が繋がったと判定される。
【0053】
上記第二判定工程において欠陥同士が繋がらない場合(ステップS27:No)、中央処理部7は、各欠陥をそれぞれ独立欠陥であるとみなし、各欠陥の大きさと、独立欠陥のサイズに関する所定のサイズ閾値とを比較する第三サイズ比較工程(ステップS19)へ移行する。一方、欠陥同士が繋がった場合(ステップS27:Yes)、中央処理部7は、各欠陥をそれぞれ線形欠陥であるとみなし、各欠陥の大きさと、線形欠陥のサイズに関する所定のサイズ閾値とを比較する第二サイズ比較工程(ステップS29)へ移行する。
【0054】
第二サイズ比較工程においては、各欠陥の幅及び長さを画素の個数で計数して、何れかが所定閾値より大きい場合に、中央処理部7はその欠陥を真の欠陥であり、尚かつ、線形欠陥であると判定する(ステップS31)。第三サイズ比較工程の処理は上述した通りであるので、記載を省略する。
【0055】
以上の通り、一の検査対象エリアに存在する各欠陥について形状を判定すると、そのエリアに対する処理が終了する。その後、次の検査対象エリアの被検査画像に対する同様な処理が中央処理部7によって開始される。また、被検査画像記憶部5に記録された被検査画像の全ての検査対象エリアについて処理が終了したら、被検査体99の別の部分の像が画像入力部3によって入力され、同様な処理が中央処理部7によって行われる。以上の処理を繰り返して、被検査体99の全体の外観検査処理が実行される。
【0056】
以上のように本実施形態によれば、ステップS1において、被検査画像とリファレンス画像の対応する画素の階調の差分を第一閾値αと比較し、被検査体99に存在する真の欠陥に対応しない画素を欠陥として誤って認定することを防止することができる。そして、ステップS7において、ステップS1において認定された欠陥に含まれる任意の画素から所定範囲内の画素について、被検査画像とリファレンス画像の階調の差分を第一閾値αよりも小さい第二閾値βと比較することによって、被検査体99の表面に存在する真の欠陥に対応する画素であって第一認定工程において欠陥として認定されなかった画素も欠陥として正しく認定することができる。
【0057】
また、ステップS13において、ステップS1及びステップS7で認定された欠陥についての所定形状率を所定の形状率閾値と比較することによって、被検査体99の表面に存在する欠陥の形状が所定形状であるかどうかを判定することができる。ここで、ステップS7で欠陥として認定された一の欠陥に含まれる任意の画素の周囲の所定範囲内に別の欠陥が存在するときは、ステップS11において、これら複数の欠陥を1つの真の欠陥に対応する欠陥群であるとみなし、一の群に属する欠陥同士の間の画素を抽出画素として、抽出画素とこれら欠陥とからなるみなし欠陥の形状が、所定形状であるかどうかを判定することができる。
【0058】
さらに、ステップS27ではステップS1の処理直後とステップS7の処理直後の欠陥の数の変化を、ステップS17ではステップS7の処理直後とステップS15の処理直後の欠陥の数の変化を検出することによって、被検査体99の表面に存在する真の円形欠陥(真の線形欠陥)が、ステップS1(ステップS7)においてそれぞれ複数の欠陥として認識されていた場合にも、真の欠陥の個数や形状、大きさを、より正確に判定することができる。
【0059】
尚、上記実施形態では、ステップS17又はステップS27の後に、認定された欠陥のサイズを所定閾値と比較するサイズ比較工程を行ったが、この工程を省略してもよい。この場合、真の欠陥のサイズが小さい場合に、その欠陥を検査結果から不用意に除外することを防ぐことができる。
【0060】
また、上述の実施形態と変形例では、欠陥として認定された画素をそのまま欠陥であるとみなしたが、上述の手順によって認定された画素を、真の欠陥に対応する欠陥の候補(欠陥候補)であるとみなすようにしてもよい。この場合は、さらに精度良く欠陥を検出するために、上述の手順の後、ウエハといった被検査体の表面におけるこれら欠陥候補が認定された箇所の表面形状を測定する等、他の検査を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】外観検査装置の構成を示したブロック図である。
【図2】外観検査方法における中央処理部7の処理を示したフローチャートである。
【図3】リファレンス画像の一例を示した図面である。
【図4】被検査画像を示した図面である。
【図5】第一認定工程において欠陥として認定された画素と欠陥と認定されなかった画素を示す図面である。
【図6】第二認定工程における第二閾値の適用範囲の一例を示す図面である。
【図7】第一及び第二認定工程において欠陥として認定された画素と欠陥と認定されなかった画素を示す図面である。
【図8】互いに一の群に属する欠陥の検索範囲の一例を示す図面である。
【図9】みなし欠陥作成工程において作成されたみなし欠陥を示す図面である。
【図10】第三認定工程において欠陥として認定された画素と欠陥でないと認定された画素を示す図面である。
【図11】従来の外観検査方法を示す図面である。
【符号の説明】
【0062】
3 画像入力部
4 信号制御部
5 被検査画像記憶部
6 リファレンス画像記憶部
7 中央処理部
99 被検査体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象となる被検査体の被検査画像と、前記被検査画像と比較される正常な被検査体のリファレンス画像とを比較する外観検査方法であって、
前記被検査画像は複数の画素を含み前記画素ごとに階調化され、前記リファレンス画像は前記複数の画素にそれぞれ対応する別の複数の画素を含み前記別の画素ごとに階調化され、前記被検査画像と前記リファレンス画像との対応する画素同士の階調の差分を第一閾値と比較することによって、前記第一閾値よりも差分の大きい画素を欠陥として認定する第一認定工程と、
前記第一認定工程において欠陥として認定された画素の周囲の画素について前記被検査画像と前記リファレンス画像との対応する画素同士の階調の差分を前記第一閾値よりも小さい第二閾値と比較することによって、前記第二閾値よりも差分の大きい画素もまた欠陥として認定する第二認定工程とを含むことを特徴とする外観検査方法。
【請求項2】
請求項1に記載の外観検査方法において、
前記第一乃至第二認定工程において認定された一の欠陥の周囲の所定範囲内に該工程において認定された他の欠陥がある場合に、
前記第二認定工程の後に、さらに、
これらの欠陥と、これらの欠陥同士の間の画素とを含めたひとまとまりをみなし欠陥とするみなし欠陥作成工程を含むことを特徴とする外観検査方法。
【請求項3】
請求項2に記載の外観検査方法において、
前記みなし欠陥作成工程の後に、さらに、
前記みなし欠陥の形状と所定形状とが一致する割合を表すみなし欠陥の所定形状率を、前記所定形状に関する形状率閾値と比較する形状率比較工程を含むことを特徴とする外観検査方法。
【請求項4】
請求項3に記載の外観検査方法において、
前記形状率比較工程において前記みなし欠陥の所定形状率が前記形状率閾値より大きいか又は同じ場合に、
前記形状率比較工程の後に、さらに、
前記欠陥同士の間の画素について前記被検査画像と前記リファレンス画像との対応する画素同士の階調の差分を前記第二閾値よりも小さい第三閾値と比較することによって、前記第三閾値よりも差分の大きい画素もまたさらに欠陥として認定する第三認定工程を含むことを特徴とする外観検査方法。
【請求項5】
請求項4に記載の外観検査方法において、
前記第三認定工程の後に、さらに、
前記第一乃至第二認定工程において認定された複数の欠陥同士が、前記第三認定工程においてまたさらに認定された欠陥を挟んで繋がったか否かを判定する第一判定工程を含むことを特徴とする外観検査方法。
【請求項6】
請求項3〜5の何れか一項に記載の外観検査方法において、
前記形状率比較工程において前記みなし欠陥の所定形状率が前記形状率閾値より小さい場合に、
前記形状率比較工程の後に、さらに、
前記第一認定工程において認定された複数の欠陥同士が、前記第二認定工程においてまた認定された欠陥を挟んで繋がったか否かを判定する第二判定工程を行うことを特徴とする外観検査方法。
【請求項7】
請求項1に記載の外観検査方法において、
前記第二認定工程の後に、さらに、
前記第一認定工程において認定された複数の欠陥同士が、前記第二認定工程においてまた認定された欠陥を挟んで繋がったか否かを判定する第二判定工程を含むことを特徴とする外観検査方法。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の外観検査方法において、
前記所定形状は円形であることを特徴とする外観検査方法。
【請求項1】
検査対象となる被検査体の被検査画像と、前記被検査画像と比較される正常な被検査体のリファレンス画像とを比較する外観検査方法であって、
前記被検査画像は複数の画素を含み前記画素ごとに階調化され、前記リファレンス画像は前記複数の画素にそれぞれ対応する別の複数の画素を含み前記別の画素ごとに階調化され、前記被検査画像と前記リファレンス画像との対応する画素同士の階調の差分を第一閾値と比較することによって、前記第一閾値よりも差分の大きい画素を欠陥として認定する第一認定工程と、
前記第一認定工程において欠陥として認定された画素の周囲の画素について前記被検査画像と前記リファレンス画像との対応する画素同士の階調の差分を前記第一閾値よりも小さい第二閾値と比較することによって、前記第二閾値よりも差分の大きい画素もまた欠陥として認定する第二認定工程とを含むことを特徴とする外観検査方法。
【請求項2】
請求項1に記載の外観検査方法において、
前記第一乃至第二認定工程において認定された一の欠陥の周囲の所定範囲内に該工程において認定された他の欠陥がある場合に、
前記第二認定工程の後に、さらに、
これらの欠陥と、これらの欠陥同士の間の画素とを含めたひとまとまりをみなし欠陥とするみなし欠陥作成工程を含むことを特徴とする外観検査方法。
【請求項3】
請求項2に記載の外観検査方法において、
前記みなし欠陥作成工程の後に、さらに、
前記みなし欠陥の形状と所定形状とが一致する割合を表すみなし欠陥の所定形状率を、前記所定形状に関する形状率閾値と比較する形状率比較工程を含むことを特徴とする外観検査方法。
【請求項4】
請求項3に記載の外観検査方法において、
前記形状率比較工程において前記みなし欠陥の所定形状率が前記形状率閾値より大きいか又は同じ場合に、
前記形状率比較工程の後に、さらに、
前記欠陥同士の間の画素について前記被検査画像と前記リファレンス画像との対応する画素同士の階調の差分を前記第二閾値よりも小さい第三閾値と比較することによって、前記第三閾値よりも差分の大きい画素もまたさらに欠陥として認定する第三認定工程を含むことを特徴とする外観検査方法。
【請求項5】
請求項4に記載の外観検査方法において、
前記第三認定工程の後に、さらに、
前記第一乃至第二認定工程において認定された複数の欠陥同士が、前記第三認定工程においてまたさらに認定された欠陥を挟んで繋がったか否かを判定する第一判定工程を含むことを特徴とする外観検査方法。
【請求項6】
請求項3〜5の何れか一項に記載の外観検査方法において、
前記形状率比較工程において前記みなし欠陥の所定形状率が前記形状率閾値より小さい場合に、
前記形状率比較工程の後に、さらに、
前記第一認定工程において認定された複数の欠陥同士が、前記第二認定工程においてまた認定された欠陥を挟んで繋がったか否かを判定する第二判定工程を行うことを特徴とする外観検査方法。
【請求項7】
請求項1に記載の外観検査方法において、
前記第二認定工程の後に、さらに、
前記第一認定工程において認定された複数の欠陥同士が、前記第二認定工程においてまた認定された欠陥を挟んで繋がったか否かを判定する第二判定工程を含むことを特徴とする外観検査方法。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の外観検査方法において、
前記所定形状は円形であることを特徴とする外観検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−208050(P2007−208050A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25832(P2006−25832)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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